JP2004103920A - 光加熱装置及び方法、並びに部品実装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品の種類や接続形態を問わず基板と部品との安定した接合を可能とする光加熱装置、光加熱方法、及び部品実装装置を提供する。
【解決手段】光照射装置110及び制御装置180を備え、加熱対象部品6を載置する第1面105aの裏面に相当する第2面105bに対して加熱光114を上記光照射装置から照射するようにした。よって、部品の種類や接続形態を問わずフレキシブル基板105と部品との安定した接合を行うことができる。
【選択図】図1
【解決手段】光照射装置110及び制御装置180を備え、加熱対象部品6を載置する第1面105aの裏面に相当する第2面105bに対して加熱光114を上記光照射装置から照射するようにした。よって、部品の種類や接続形態を問わずフレキシブル基板105と部品との安定した接合を行うことができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフレキシブル回路基板上にクリーム半田等の接合材料にて電子部品を固定するため、上記接合材料を加熱するための光を上記フレキシブル回路基板へ照射する光加熱装置及び方法、並びに上記光加熱装置を備えた部品実装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル基板の電極へ電子部品を半田付けする方法の一つとして、上記電極と上記電子部品との間に塗布した接合材料、例えばクリーム半田を光の照射による加熱で溶融させる光加熱方法が存在する(例えば、特許文献1、2参照。)。該光加熱方法では、図8に示すように、光源部1から発した光を光ファイバー2にて出射光部3へ導き、該出射光部3に備わる集光レンズにて、例えば約0.5〜3mmの集光径に形成した光ビーム4を、被加熱部分であるフレキシブル基板5上の電子部品6及びクリーム半田7部分に照射する。尚、上記光源部1における光源として、キセノンランプや、半導体レーザー等が使用される。
さらに生産性を向上させるため、図9に示すように、上記集光径を約20〜30mmとして、複数の電子部品6を含む領域に光ビーム4を照射し、複数個の電子部品6を同時に固定する、エリアリフローと呼ばれる方法も存在する。
【0003】
【特許文献1】
特許第2590613号公報
【特許文献2】
特許第3287142号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図8及び図9に示すように、従来、光ビーム4は、電子部品6を載置した基板5の部品載置面5a側から照射されている。よって、特に図9に示すエリアリフロー方法では以下に説明するような問題がある。即ち、弱耐熱部品が混在する場合には、制限温度を超えて加熱されないように弱耐熱部品に対して光ビーム4のマスクを行う等の対策は可能であるが、生産性を低下させ、一括照射は困難である。又、色の異なる電子部品6が混在する場合、一般的に黒色系の部品は高温になり易く上昇温度の均一性に欠け、やはり一括照射は困難となる。さらに又、近年では電子部品6の極小化及び高密度実装のため、電子部品6の投影面積内にフレキシブル基板5の電極つまりランドが隠れるような配置が採られるが、このような、いわゆるランドレス部品ではクリーム半田7がランドレス部品に隠れるため、半田溶融自体が困難である。
【0005】
上記エリアリフロー方法による上述の部品色及びランドレス部品に関する問題を解決するために、図10に示すように、加熱ステージ11にフレキシブル基板5を載置して加熱する方法も存在する。加熱ステージ11には、フレキシブル基板5を加熱面11aに密着させるため、加熱面11aには複数の吸着用通路12が開口している。
しかしながら、フレキシブル基板5の全面を上記加熱面11aに確実に密着させるのは困難であり、密着性の悪い箇所に存在する電子部品6については加熱が不十分になる場合もある。又、加熱や電子部品6の固定により、フレキシブル基板5には歪が生じている場合もある。又、電子部品6の固定後、吸着用通路12による吸引を停止してフレキシブル基板5は加熱面11aより取り外されるが、上記吸引停止により、フレキシブル基板5は上記歪により一気に変形する。よって、該変形時に、電子部品6とフレキシブル基板5の電極との接続外れが生じる場合がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、部品の種類や接続形態を問わず基板と部品との安定した接合を可能とする光加熱装置、及び該光加熱装置を使用して実行される光加熱方法、並びに上記光加熱装置を備えた部品実装装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様の光加熱装置は、加熱対象部品を載置する第1面を有するフレキシブル基板の上記第1面に対向する第2面に対して非接触に配置され、上記フレキシブル基板を介して上記加熱対象部品の接合材料を加熱し溶融する加熱光を上記第2面へ照射する光照射装置と、
上記光照射装置に接続され上記加熱光の照射条件を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
又、上記第1面側に設けられ、上記接合材料の補助加熱を行う補助加熱装置をさらに備えることもできる。
【0008】
又、上記補助加熱は、上記接合材料にて形成されるフィレットの高さを、上記光照射装置のみによる加熱にて形成される高さを超える適正高さにする加熱であるようにしてもよい。
【0009】
又、上記補助加熱装置は、上記加熱対象部品の接合材料を加熱する補助加熱光を上記第1面へ照射する補助光照射装置にて構成することもできる。
【0010】
又、上記第1面及び上記第2面の両面に上記加熱対象部品が存在し、上記第2面に載置されている上記加熱対象部品の上記接合材料を溶融するときには、上記制御装置は、上記光照射装置に対して上記補助加熱光を発生させ、かつ上記補助光照射装置に対して上記加熱光を発生させるように構成することもできる。
【0011】
又、上記光照射装置及び上記補助加熱装置と、上記フレキシブル基板とを、上記フレキシブル基板の延在方向に沿って相対的に移動させる移動装置をさらに備え、上記制御装置は、上記移動装置を制御して上記光照射装置及び上記補助加熱装置と加熱対象部品とを対向させ、上記加熱対象部品に応じて上記加熱光の照射条件及び上記補助加熱装置の補助加熱条件を制御することもできる。
【0012】
さらに本発明の第2態様の光加熱方法は、加熱対象部品を載置する第1面を有するフレキシブル基板の上記第1面に対向する第2面に対して、上記フレキシブル基板を介して上記加熱対象部品の接合材料を加熱する加熱光を照射し、上記接合材料を溶融させることを特徴とする。
【0013】
さらに又、本発明の第3態様における部品実装装置は、フレキシブル基板の電極に接合材料を設ける接合材料形成装置と、
上記接合材料が設けられた上記電極へ加熱対象部品を載置する部品載置装置と、
上記接合材料の加熱を行う、上記第1態様の光加熱装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である、光加熱装置、光加熱方法、及び部品実装装置について図を参照しながら以下に説明する。ここで、上記光加熱方法は、上記光加熱装置にて実行される加熱方法であり、上記部品実装装置は、上記光加熱装置を備えた装置である。又、各図において、同じ構成部分については同じ符号を付している。
【0015】
まず光加熱装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の光加熱装置100は、光照射装置110と、該光照射装置110に接続される制御装置180とを備え、厚みが約0.1mm以下で、例えばポリイミドにてなるフレキシブル基板105に設けられた接合材料の一例であるクリーム半田7を加熱及び溶融する装置である。尚、本実施形態では、フレキシブル基板105の第1面105aに形成された電極つまりランド105cにクリーム半田7が設けられ、該クリーム半田7を挟んでランド105c上に、加熱対象となる電子部品6が載置されている。尚、図1、図3、及び図5では、上記ランドレス部品の形態にて図示を行っているが、該形態に限定するものではない。又、図1、図3、及び図5では、各部の構成を明示するため、フレキシブル基板105、ランド105c、クリーム半田7、電子部品6等について、サイズを誇張して図示している。又、フレキシブル基板105の色は、従来のフレキシブル基板5と同じ緑色等であり、不透明又は半透明な色である。
【0016】
上記光照射装置110は、光源部111と、導光部材の一例である光ファイバー112と、出射光部113とを有し、上記光源部111にて発生した光を光ファイバー112を通して出射光部113へ導き照射する装置である。上記出射光部113は、加熱対象部品6を第1面105aに載置したフレキシブル基板105の上記第1面105aに対向する第2面105bに対して非接触に配置される。又、出射光部113は、光ファイバー112を通った光を所定の集光径に絞り込む集光レンズを有し、該集光レンズにて上記集光径に絞り込まれた加熱光114を上記第2面105bへ照射する。該照射により、加熱光114は、フレキシブル基板105を介して加熱対象部品6のクリーム半田7を加熱する。勿論このときには、クリーム半田7のみならず、フレキシブル基板105、加熱対象部品6、及びランド105cも加熱される。このように光照射装置110は、加熱対象部品6が載置されているフレキシブル基板105の裏側から加熱を行う。
【0017】
尚、本実施形態では上記集光径は、約20〜30mmであり、フレキシブル基板105の第2面105bの全面を覆う大きさではなく一部分のみを覆う大きさに相当する。又、上記集光径にて加熱光114が照射される第2面105bの照射領域に対応する第1面105aには、一又は複数の加熱対象部品6が載置されている。又、上記集光径の大きさは、本実施形態の上記サイズに限定されず適宜選択可能である。又、出射光部113と第2面105bとの隙間は、一例として約120〜130mmである。又、上記光源部111における光源として、キセノンランプや、半導体レーザー等が使用される。
【0018】
上記光照射を行うとき、フレキシブル基板105は、図7に示すような支持部材170にて支持される。該支持部材170は、支持板171と、押え板175とを備える。支持板171は、例えばアルミニウムからなる板材であり、フレキシブル基板105の第2面105bへ上記加熱光114が照射可能なように板厚方向に貫通した照射用窓172を有し、該照射用窓172を覆うようにして上記第2面105bを接触させてフレキシブル基板105を載置する。又、支持板171には、載置されるフレキシブル基板105の位置決め用としてピン173が例えば3本立設されている。上記押え板175は、例えばアルミニウムからなる板材であり、支持板171上に載置されたフレキシブル基板105を間に挟み、自重にて押圧を行う。又、押え板175にも、上記照射用窓172に対応して開口176が設けられ、かつ上記ピン173と嵌合するピン抜き穴177が形成されている。よって、ピン173にて支持板171上に位置決めされたフレキシブル基板105は、上記照射用窓172及び開口176の周囲部分を支持板171と押え板175とで挟まれて保持される。
【0019】
上述のようにフレキシブル基板105を保持した支持板171は、後述の基板搬送装置240にて搬送方向251へ搬送可能である。ここで、基板搬送装置240の一構成例として、2本の搬送ベルト241と、該搬送ベルト241上に支持され該搬送ベルト241を搬送方向251へ移動させる駆動部242とを備える。該駆動部242は、制御装置280にて動作制御される。
【0020】
又、加熱対象部品6に対して加熱光114の照射範囲を移動させるため、出射光部113とフレキシブル基板105とを相対的にフレキシブル基板105の延在方向105dに移動可能とする移動装置118を備えることもできる。例えば図1に示すように、固定されているフレキシブル基板105に対して出射光部113を延在方向105dへ移動させる移動装置118を出射光部113に接続するように構成するしてもよい。
【0021】
上記制御装置180は、上記加熱光114の照射条件を制御する装置であり、上記照射条件を格納する記憶部181を有する。上記照射条件を説明するため、クリーム半田7における温度プロファイル191、192を図2に示している。温度プロファイル191、192では、照射開始から約20〜30秒にて室温から最高温度TMまで加熱される。尚、最高温度TMは、クリーム半田7が従来の共晶半田であるときには一般的に約230℃であり、鉛フリー半田のときには約250〜260℃である。又、照射条件は、図2に示す温度プロファイルに限定するものではなく、加熱対象部品6等の諸条件に応じて適宜設定可能である。
【0022】
上述のように構成される光加熱装置100にて実行される光加熱方法について以下に説明する。上述のように第1面105aのランド105cに、クリーム半田7を介して、加熱対象である電子部品6を載置したフレキシブル基板105に対して、電子部品6の裏側に位置する第2面105bに対して、制御装置180による例えば図2に示す照射制御に基づいて、光照射装置110から加熱光114が照射される。該照射により、フレキシブル基板105、ランド105c、クリーム半田7、加熱対象部品6の順に加熱が行われ、クリーム半田7を溶融する。上記照射制御により、加熱光114の照射が終了し、溶融したクリーム半田7の半田成分が凝固し、ランド105cに部品6が接合され固定される。
【0023】
以上説明した光加熱装置100によれば、加熱光114は、加熱対象部品6が載置されている第1面105aとは反対側の第2面105bに照射され、加熱対象部品6の裏側からフレキシブル基板105を介して加熱される。よって以下の各効果が得られる。即ち、(1)伝熱経路がフレキシブル基板105、ランド105c、クリーム半田7、加熱対象部品6の順となることから、部品6側から直接に光を照射する場合に比べて、弱耐熱部品についても熱の影響を避けることができる。よって、弱耐熱部品が混在しているときでも、マスク等の対策を施すことなく一様な照射を行うことができ、支障なく加熱動作を行うことができる。(2)部品6の色により加熱温度が異なることはなく、黒色の部品であっても高温化することはない。(3)いわゆるランドレス部品の場合でも、クリーム半田7を加熱することができる。
【0024】
又、本実施形態では、加熱の際、フレキシブル基板105は強制的に平坦な状態に支持されてはいないことから、加熱終了後においてフレキシブル基板105が急激に変形し、これにより部品6がランド105cから外れるという状態は発生しない。又、従来の上記加熱ステージ11の場合には加熱面11aとの接触の有無により温度ムラが生じるが、本実施形態では加熱光114による加熱であるので、フレキシブル基板105が変形してもそれに追従した加熱が可能であり被加熱部分における温度ムラを生じ難くすることができる。
【0025】
次に、上述の光加熱装置100の変形例として、図3に示す光加熱装置101を構成することもできる。該光加熱装置101では、光加熱装置100の構成に加えて、補助加熱装置120を設けている。補助加熱装置120は、上記第1面105a側、つまり加熱対象部品6の載置側に配置され、加熱対象部品6及びクリーム半田7の補助加熱を行う装置である。該補助加熱は、図4に示すように、ランド105cと部品6との間に形成される半田フィレット128の高さを、上記光照射装置110のみによる加熱にて形成されるときの高さを超える適正高さ129にする程度の加熱である。
該補助加熱装置120は、制御装置180に接続され、補助加熱装置120による加熱動作も制御装置180にて制御される。該補助加熱装置120による加熱制御の一例は、図2に点線で示すように、加熱対象部品6の表面温度にて例えば約100〜160℃となるような一定温度制御である。
【0026】
補助加熱装置120における加熱手段は特定されるものではなく、例えばコイルの発熱による加熱や、上述の光照射装置による光加熱等、当業者が容易想到な加熱手段を採用することができる。
又、上述の移動装置118を、出射光部113及び補助加熱装置120に接続するよう構成してもよい。
【0027】
上述のように構成される光加熱装置101にて実行される光加熱方法について説明する。
制御装置180の制御に従い、補助加熱装置120は、一定温度の補助加熱温度にて部品6及びクリーム半田7を含むフレキシブル基板105を加熱する。該補助加熱動作に並行して、上述したように光照射装置110にて第2面105b側から加熱光114にて部品6及びクリーム半田7を含めてフレキシブル基板105を加熱し、クリーム半田7を溶融させる。該溶融後、光照射装置110による加熱を終了し、半田成分を凝固させ部品6とランド105cとを接合させる。
【0028】
上述のように構成される光加熱装置101では、上記補助加熱を行うことから、上記フィレットが適正高さ129にて形成することができる。よって、ランド105cと部品6との接合強度を、光加熱装置100の場合に比べて向上させることができる。
【0029】
さらに、上述の光加熱装置100の他の変形例として、図5に示す光加熱装置102を構成することもできる。該光加熱装置102は、両面に加熱対象部品6を載置したフレキシブル基板105−1に対する加熱を可能とする装置である。即ち、フレキシブル基板105−1の第1面105aには第1加熱対象部品6−1が載置され、かつ第2面105bには第2加熱対象部品6−2が載置されている。このようなフレキシブル基板105−1に対する加熱を可能とするため、光加熱装置102では、第1面105a側に上記光照射装置110の出射光部113を配置し、さらに、上述の補助加熱装置120に相当し補助加熱装置120の機能を発揮する補助光照射装置125を第2面105b側に配置した構成を有し、これら光照射装置110及び補助光照射装置125の加熱制御を行う制御装置185が備わる。
【0030】
補助光照射装置125は、光照射装置110と同様の構成を有する。即ち、光源部111に相当する光源部121と、光ファイバー122と、出射光部113に相当する出射光部123とを有し、光源部121にて発生した光は、光ファイバー122を通して出射光部123へ導かれ、補助加熱光124として第1面105aに照射される。尚、出射光部123と第1面105aとの隙間は、一例として約120〜130mmである。
【0031】
又、出射光部113及び出射光部123と、フレキシブル基板105−1とを上記延在方向105dへ相対的に移動させるため、上記移動装置118を設けている。該変形例では、固定されるフレキシブル基板105−1に対して、出射光部113及び出射光部123をそれぞれ独立して延在方向105dへ移動させるように、出射光部113に移動装置118−1を接続し、出射光部123に移動装置118−2を接続している。各移動装置118−1、118−2の移動制御は、制御装置185にて行われる。
【0032】
以上のように構成された光加熱装置102にて実行される光加熱方法について、以下に説明する。尚、該光加熱方法は、制御装置185にて動作制御される。第1加熱対象部品6−1をランド105c−1に接合させる場合には、補助光照射装置125の出射光部123から補助加熱光124を第1面105aへ照射し、第1加熱対象部品6−1を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を一定温度の上記補助加熱温度に加熱する。尚、該補助加熱温度は、上述のように、半田フィレット128の高さを上記適正高さ129にする程度の温度である。
さらに、上記補助加熱温度における加熱と並行して、光照射装置110の出射光部113からの加熱光114を第2面105bへ照射し、第1加熱対象部品6−1を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を加熱し、クリーム半田7を溶融させる。溶融後、光照射装置110による加熱を終了し、半田成分を凝固させ第1加熱対象部品6−1とランド105c−1とを接合させる。
尚、出射光部113からの加熱光114を第2面105bへ照射するとき、第2面105bに載置されている第2加熱対象部品6−2に加熱光114が照射されないようにする。
【0033】
次に、第2加熱対象部品6−2をランド105c−2に接合させる場合には、補助光照射装置125と、光照射装置110との機能を逆転させる。即ち、光照射装置110の出射光部113から補助加熱光を第2面105bへ照射し、第2加熱対象部品6−2を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を一定温度の上記補助加熱温度に加熱する。該補助加熱温度による加熱と並行して、補助光照射装置125の出射光部123から加熱光を第1面105aへ照射し、第2加熱対象部品6−2を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を加熱し、クリーム半田7を溶融させる。溶融後、補助光照射装置125による加熱を終了し、半田成分を凝固させ第2加熱対象部品6−2とランド105c−2とを接合させる。
【0034】
尚、光照射装置110及び補助光照射装置125による光照射位置を調整するため、それぞれの移動装置118−1、118−2を動作させる。
上述のように構成される光加熱装置102によれば、上述した光加熱装置100及び光加熱装置101が奏する効果を奏するとともに、いわゆる両面実装基板に対してもそれぞれの部品をランドに接合することが可能となる。
【0035】
次に、上述の光加熱装置100、101、102のいずれか一つを備えた部品実装装置について説明する。尚、以下の説明では光加熱装置100を備えた場合を例に採る。
上記部品実装装置は、基本的には、光加熱装置100に加えて、フレキシブル基板105のランド105cにクリーム半田7を設ける接合材料形成装置と、クリーム半田7が設けられたランド105cへ加熱対象部品6を載置する部品載置装置とを備える。図6に示す部品実装装置200では、光加熱装置100、接合材料形成装置221及び部品載置装置222の他に、さらに、フレキシブル基板105を供給する基板供給装置210と、ランド105cに部品6が固定されたフレキシブル基板105を収納する基板収納装置230と、基板供給装置210から基板収納装置230まで搬送方向251に沿って基板105の搬送を行う基板搬送装置240と、部品実装装置200の動作制御を行う制御装置280とを備えた場合を示している。又、上記接合材料形成装置221及び部品載置装置222は、接合前処理装置220として一つの装置にまとめられている。尚、基板供給装置210及び基板収納装置230は、例えばパレットを用いて基板105の供給、搬送、及び収納を行うタイプであってもよいし、基板105を設けたテープにて基板105の供給、搬送、及び収納を行うタイプであってもよく、装置形態は特に限定されない。
【0036】
このように構成される部品実装装置200は、制御装置280にて制御されて以下のように動作する。即ち、基板供給装置210から基板搬送装置240にてフレキシブル基板105が接合材料形成装置221に搬送され、接合材料形成装置221は、ランド105cにクリーム半田7を、例えば塗布動作にて設ける。クリーム半田7が設けられた基板105は、基板搬送装置240にて部品載置装置222へ供給される。部品載置装置222は、ランド105c上へ部品6を載置する。部品6が載置された基板105cは、基板搬送装置240にて光加熱装置100へ供給され、上述したように部品6の裏面側からの加熱光114の照射によりクリーム半田7を溶融させる。該溶融後の半田成分の凝固にてランド105cに部品6が固定されたフレキシブル基板105は、基板搬送装置240にて基板収納装置230へ搬送され収納される。
【0037】
このように部品実装装置200によれば、光加熱装置100を有することから、上述したように、弱耐熱部品、黒色の部品、ランドレス部品についても基板105への接合を良好に行うことができ、又、フレキシブル基板105の急激な変形による部品外れの現象を防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様の光加熱装置、第2態様の光加熱方法、及び第3態様の部品実装装置によれば、光照射装置及び制御装置を備え、加熱対象部品を載置する第1面の裏面に相当する第2面に対して加熱光を照射し接合材料の加熱及び溶融を行うようにしたことから、部品の種類や接続形態を問わず基板と部品との安定した接合を行うことができる。
又、さらに補助加熱装置を設けることで、接合材料の補助加熱が可能であり、該補助加熱によりフィレットの高さを適正高さにすることができる。
【0039】
又、フレキシブル基板の両面に部品が載置されているときには、上記補助加熱装置を構成する補助光照射装置から加熱光を発生させ、光照射装置から補助加熱光を発生させることで、上記両面の各部品について良好な接合を行うことができる。
さらに移動装置を設けることで、加熱光及び補助加熱位置を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である光加熱装置の構成を説明するための図である。
【図2】図1に示す光加熱装置にて実行される加熱制御方法を説明するためのグラフである。
【図3】図1に示す光加熱装置の変形例における構成を説明するための図である。
【図4】図3に示す変形例にて適正化されるフィレットの状態を示す図である。
【図5】図1に示す光加熱装置の他の変形例における構成を説明するための図である。
【図6】図1に示す光加熱装置及び上記変形例を備えた部品実装装置を示す斜視図である。
【図7】図1に示す光加熱装置にて光照射されるフレキシブル基板を支持する支持部材を説明するための斜視図である。
【図8】従来の光加熱装置の構成を説明するための図である。
【図9】従来の光加熱装置におけるエリアリフロー方式を説明するための斜視図である。
【図10】従来における他の加熱装置の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
6…電子部品、7…クリーム半田、
100、101、102…光加熱装置、105…フレキシブル基板、
105a…第1面、105b…第2面、105c…ランド、
105d…延在方向、110…光照射装置、118…移動装置、
120…補助加熱装置、124…補助加熱光、125…補助光照射装置、
128…フィレット、129…適正高さ、180…制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフレキシブル回路基板上にクリーム半田等の接合材料にて電子部品を固定するため、上記接合材料を加熱するための光を上記フレキシブル回路基板へ照射する光加熱装置及び方法、並びに上記光加熱装置を備えた部品実装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル基板の電極へ電子部品を半田付けする方法の一つとして、上記電極と上記電子部品との間に塗布した接合材料、例えばクリーム半田を光の照射による加熱で溶融させる光加熱方法が存在する(例えば、特許文献1、2参照。)。該光加熱方法では、図8に示すように、光源部1から発した光を光ファイバー2にて出射光部3へ導き、該出射光部3に備わる集光レンズにて、例えば約0.5〜3mmの集光径に形成した光ビーム4を、被加熱部分であるフレキシブル基板5上の電子部品6及びクリーム半田7部分に照射する。尚、上記光源部1における光源として、キセノンランプや、半導体レーザー等が使用される。
さらに生産性を向上させるため、図9に示すように、上記集光径を約20〜30mmとして、複数の電子部品6を含む領域に光ビーム4を照射し、複数個の電子部品6を同時に固定する、エリアリフローと呼ばれる方法も存在する。
【0003】
【特許文献1】
特許第2590613号公報
【特許文献2】
特許第3287142号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図8及び図9に示すように、従来、光ビーム4は、電子部品6を載置した基板5の部品載置面5a側から照射されている。よって、特に図9に示すエリアリフロー方法では以下に説明するような問題がある。即ち、弱耐熱部品が混在する場合には、制限温度を超えて加熱されないように弱耐熱部品に対して光ビーム4のマスクを行う等の対策は可能であるが、生産性を低下させ、一括照射は困難である。又、色の異なる電子部品6が混在する場合、一般的に黒色系の部品は高温になり易く上昇温度の均一性に欠け、やはり一括照射は困難となる。さらに又、近年では電子部品6の極小化及び高密度実装のため、電子部品6の投影面積内にフレキシブル基板5の電極つまりランドが隠れるような配置が採られるが、このような、いわゆるランドレス部品ではクリーム半田7がランドレス部品に隠れるため、半田溶融自体が困難である。
【0005】
上記エリアリフロー方法による上述の部品色及びランドレス部品に関する問題を解決するために、図10に示すように、加熱ステージ11にフレキシブル基板5を載置して加熱する方法も存在する。加熱ステージ11には、フレキシブル基板5を加熱面11aに密着させるため、加熱面11aには複数の吸着用通路12が開口している。
しかしながら、フレキシブル基板5の全面を上記加熱面11aに確実に密着させるのは困難であり、密着性の悪い箇所に存在する電子部品6については加熱が不十分になる場合もある。又、加熱や電子部品6の固定により、フレキシブル基板5には歪が生じている場合もある。又、電子部品6の固定後、吸着用通路12による吸引を停止してフレキシブル基板5は加熱面11aより取り外されるが、上記吸引停止により、フレキシブル基板5は上記歪により一気に変形する。よって、該変形時に、電子部品6とフレキシブル基板5の電極との接続外れが生じる場合がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、部品の種類や接続形態を問わず基板と部品との安定した接合を可能とする光加熱装置、及び該光加熱装置を使用して実行される光加熱方法、並びに上記光加熱装置を備えた部品実装装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様の光加熱装置は、加熱対象部品を載置する第1面を有するフレキシブル基板の上記第1面に対向する第2面に対して非接触に配置され、上記フレキシブル基板を介して上記加熱対象部品の接合材料を加熱し溶融する加熱光を上記第2面へ照射する光照射装置と、
上記光照射装置に接続され上記加熱光の照射条件を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
又、上記第1面側に設けられ、上記接合材料の補助加熱を行う補助加熱装置をさらに備えることもできる。
【0008】
又、上記補助加熱は、上記接合材料にて形成されるフィレットの高さを、上記光照射装置のみによる加熱にて形成される高さを超える適正高さにする加熱であるようにしてもよい。
【0009】
又、上記補助加熱装置は、上記加熱対象部品の接合材料を加熱する補助加熱光を上記第1面へ照射する補助光照射装置にて構成することもできる。
【0010】
又、上記第1面及び上記第2面の両面に上記加熱対象部品が存在し、上記第2面に載置されている上記加熱対象部品の上記接合材料を溶融するときには、上記制御装置は、上記光照射装置に対して上記補助加熱光を発生させ、かつ上記補助光照射装置に対して上記加熱光を発生させるように構成することもできる。
【0011】
又、上記光照射装置及び上記補助加熱装置と、上記フレキシブル基板とを、上記フレキシブル基板の延在方向に沿って相対的に移動させる移動装置をさらに備え、上記制御装置は、上記移動装置を制御して上記光照射装置及び上記補助加熱装置と加熱対象部品とを対向させ、上記加熱対象部品に応じて上記加熱光の照射条件及び上記補助加熱装置の補助加熱条件を制御することもできる。
【0012】
さらに本発明の第2態様の光加熱方法は、加熱対象部品を載置する第1面を有するフレキシブル基板の上記第1面に対向する第2面に対して、上記フレキシブル基板を介して上記加熱対象部品の接合材料を加熱する加熱光を照射し、上記接合材料を溶融させることを特徴とする。
【0013】
さらに又、本発明の第3態様における部品実装装置は、フレキシブル基板の電極に接合材料を設ける接合材料形成装置と、
上記接合材料が設けられた上記電極へ加熱対象部品を載置する部品載置装置と、
上記接合材料の加熱を行う、上記第1態様の光加熱装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である、光加熱装置、光加熱方法、及び部品実装装置について図を参照しながら以下に説明する。ここで、上記光加熱方法は、上記光加熱装置にて実行される加熱方法であり、上記部品実装装置は、上記光加熱装置を備えた装置である。又、各図において、同じ構成部分については同じ符号を付している。
【0015】
まず光加熱装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の光加熱装置100は、光照射装置110と、該光照射装置110に接続される制御装置180とを備え、厚みが約0.1mm以下で、例えばポリイミドにてなるフレキシブル基板105に設けられた接合材料の一例であるクリーム半田7を加熱及び溶融する装置である。尚、本実施形態では、フレキシブル基板105の第1面105aに形成された電極つまりランド105cにクリーム半田7が設けられ、該クリーム半田7を挟んでランド105c上に、加熱対象となる電子部品6が載置されている。尚、図1、図3、及び図5では、上記ランドレス部品の形態にて図示を行っているが、該形態に限定するものではない。又、図1、図3、及び図5では、各部の構成を明示するため、フレキシブル基板105、ランド105c、クリーム半田7、電子部品6等について、サイズを誇張して図示している。又、フレキシブル基板105の色は、従来のフレキシブル基板5と同じ緑色等であり、不透明又は半透明な色である。
【0016】
上記光照射装置110は、光源部111と、導光部材の一例である光ファイバー112と、出射光部113とを有し、上記光源部111にて発生した光を光ファイバー112を通して出射光部113へ導き照射する装置である。上記出射光部113は、加熱対象部品6を第1面105aに載置したフレキシブル基板105の上記第1面105aに対向する第2面105bに対して非接触に配置される。又、出射光部113は、光ファイバー112を通った光を所定の集光径に絞り込む集光レンズを有し、該集光レンズにて上記集光径に絞り込まれた加熱光114を上記第2面105bへ照射する。該照射により、加熱光114は、フレキシブル基板105を介して加熱対象部品6のクリーム半田7を加熱する。勿論このときには、クリーム半田7のみならず、フレキシブル基板105、加熱対象部品6、及びランド105cも加熱される。このように光照射装置110は、加熱対象部品6が載置されているフレキシブル基板105の裏側から加熱を行う。
【0017】
尚、本実施形態では上記集光径は、約20〜30mmであり、フレキシブル基板105の第2面105bの全面を覆う大きさではなく一部分のみを覆う大きさに相当する。又、上記集光径にて加熱光114が照射される第2面105bの照射領域に対応する第1面105aには、一又は複数の加熱対象部品6が載置されている。又、上記集光径の大きさは、本実施形態の上記サイズに限定されず適宜選択可能である。又、出射光部113と第2面105bとの隙間は、一例として約120〜130mmである。又、上記光源部111における光源として、キセノンランプや、半導体レーザー等が使用される。
【0018】
上記光照射を行うとき、フレキシブル基板105は、図7に示すような支持部材170にて支持される。該支持部材170は、支持板171と、押え板175とを備える。支持板171は、例えばアルミニウムからなる板材であり、フレキシブル基板105の第2面105bへ上記加熱光114が照射可能なように板厚方向に貫通した照射用窓172を有し、該照射用窓172を覆うようにして上記第2面105bを接触させてフレキシブル基板105を載置する。又、支持板171には、載置されるフレキシブル基板105の位置決め用としてピン173が例えば3本立設されている。上記押え板175は、例えばアルミニウムからなる板材であり、支持板171上に載置されたフレキシブル基板105を間に挟み、自重にて押圧を行う。又、押え板175にも、上記照射用窓172に対応して開口176が設けられ、かつ上記ピン173と嵌合するピン抜き穴177が形成されている。よって、ピン173にて支持板171上に位置決めされたフレキシブル基板105は、上記照射用窓172及び開口176の周囲部分を支持板171と押え板175とで挟まれて保持される。
【0019】
上述のようにフレキシブル基板105を保持した支持板171は、後述の基板搬送装置240にて搬送方向251へ搬送可能である。ここで、基板搬送装置240の一構成例として、2本の搬送ベルト241と、該搬送ベルト241上に支持され該搬送ベルト241を搬送方向251へ移動させる駆動部242とを備える。該駆動部242は、制御装置280にて動作制御される。
【0020】
又、加熱対象部品6に対して加熱光114の照射範囲を移動させるため、出射光部113とフレキシブル基板105とを相対的にフレキシブル基板105の延在方向105dに移動可能とする移動装置118を備えることもできる。例えば図1に示すように、固定されているフレキシブル基板105に対して出射光部113を延在方向105dへ移動させる移動装置118を出射光部113に接続するように構成するしてもよい。
【0021】
上記制御装置180は、上記加熱光114の照射条件を制御する装置であり、上記照射条件を格納する記憶部181を有する。上記照射条件を説明するため、クリーム半田7における温度プロファイル191、192を図2に示している。温度プロファイル191、192では、照射開始から約20〜30秒にて室温から最高温度TMまで加熱される。尚、最高温度TMは、クリーム半田7が従来の共晶半田であるときには一般的に約230℃であり、鉛フリー半田のときには約250〜260℃である。又、照射条件は、図2に示す温度プロファイルに限定するものではなく、加熱対象部品6等の諸条件に応じて適宜設定可能である。
【0022】
上述のように構成される光加熱装置100にて実行される光加熱方法について以下に説明する。上述のように第1面105aのランド105cに、クリーム半田7を介して、加熱対象である電子部品6を載置したフレキシブル基板105に対して、電子部品6の裏側に位置する第2面105bに対して、制御装置180による例えば図2に示す照射制御に基づいて、光照射装置110から加熱光114が照射される。該照射により、フレキシブル基板105、ランド105c、クリーム半田7、加熱対象部品6の順に加熱が行われ、クリーム半田7を溶融する。上記照射制御により、加熱光114の照射が終了し、溶融したクリーム半田7の半田成分が凝固し、ランド105cに部品6が接合され固定される。
【0023】
以上説明した光加熱装置100によれば、加熱光114は、加熱対象部品6が載置されている第1面105aとは反対側の第2面105bに照射され、加熱対象部品6の裏側からフレキシブル基板105を介して加熱される。よって以下の各効果が得られる。即ち、(1)伝熱経路がフレキシブル基板105、ランド105c、クリーム半田7、加熱対象部品6の順となることから、部品6側から直接に光を照射する場合に比べて、弱耐熱部品についても熱の影響を避けることができる。よって、弱耐熱部品が混在しているときでも、マスク等の対策を施すことなく一様な照射を行うことができ、支障なく加熱動作を行うことができる。(2)部品6の色により加熱温度が異なることはなく、黒色の部品であっても高温化することはない。(3)いわゆるランドレス部品の場合でも、クリーム半田7を加熱することができる。
【0024】
又、本実施形態では、加熱の際、フレキシブル基板105は強制的に平坦な状態に支持されてはいないことから、加熱終了後においてフレキシブル基板105が急激に変形し、これにより部品6がランド105cから外れるという状態は発生しない。又、従来の上記加熱ステージ11の場合には加熱面11aとの接触の有無により温度ムラが生じるが、本実施形態では加熱光114による加熱であるので、フレキシブル基板105が変形してもそれに追従した加熱が可能であり被加熱部分における温度ムラを生じ難くすることができる。
【0025】
次に、上述の光加熱装置100の変形例として、図3に示す光加熱装置101を構成することもできる。該光加熱装置101では、光加熱装置100の構成に加えて、補助加熱装置120を設けている。補助加熱装置120は、上記第1面105a側、つまり加熱対象部品6の載置側に配置され、加熱対象部品6及びクリーム半田7の補助加熱を行う装置である。該補助加熱は、図4に示すように、ランド105cと部品6との間に形成される半田フィレット128の高さを、上記光照射装置110のみによる加熱にて形成されるときの高さを超える適正高さ129にする程度の加熱である。
該補助加熱装置120は、制御装置180に接続され、補助加熱装置120による加熱動作も制御装置180にて制御される。該補助加熱装置120による加熱制御の一例は、図2に点線で示すように、加熱対象部品6の表面温度にて例えば約100〜160℃となるような一定温度制御である。
【0026】
補助加熱装置120における加熱手段は特定されるものではなく、例えばコイルの発熱による加熱や、上述の光照射装置による光加熱等、当業者が容易想到な加熱手段を採用することができる。
又、上述の移動装置118を、出射光部113及び補助加熱装置120に接続するよう構成してもよい。
【0027】
上述のように構成される光加熱装置101にて実行される光加熱方法について説明する。
制御装置180の制御に従い、補助加熱装置120は、一定温度の補助加熱温度にて部品6及びクリーム半田7を含むフレキシブル基板105を加熱する。該補助加熱動作に並行して、上述したように光照射装置110にて第2面105b側から加熱光114にて部品6及びクリーム半田7を含めてフレキシブル基板105を加熱し、クリーム半田7を溶融させる。該溶融後、光照射装置110による加熱を終了し、半田成分を凝固させ部品6とランド105cとを接合させる。
【0028】
上述のように構成される光加熱装置101では、上記補助加熱を行うことから、上記フィレットが適正高さ129にて形成することができる。よって、ランド105cと部品6との接合強度を、光加熱装置100の場合に比べて向上させることができる。
【0029】
さらに、上述の光加熱装置100の他の変形例として、図5に示す光加熱装置102を構成することもできる。該光加熱装置102は、両面に加熱対象部品6を載置したフレキシブル基板105−1に対する加熱を可能とする装置である。即ち、フレキシブル基板105−1の第1面105aには第1加熱対象部品6−1が載置され、かつ第2面105bには第2加熱対象部品6−2が載置されている。このようなフレキシブル基板105−1に対する加熱を可能とするため、光加熱装置102では、第1面105a側に上記光照射装置110の出射光部113を配置し、さらに、上述の補助加熱装置120に相当し補助加熱装置120の機能を発揮する補助光照射装置125を第2面105b側に配置した構成を有し、これら光照射装置110及び補助光照射装置125の加熱制御を行う制御装置185が備わる。
【0030】
補助光照射装置125は、光照射装置110と同様の構成を有する。即ち、光源部111に相当する光源部121と、光ファイバー122と、出射光部113に相当する出射光部123とを有し、光源部121にて発生した光は、光ファイバー122を通して出射光部123へ導かれ、補助加熱光124として第1面105aに照射される。尚、出射光部123と第1面105aとの隙間は、一例として約120〜130mmである。
【0031】
又、出射光部113及び出射光部123と、フレキシブル基板105−1とを上記延在方向105dへ相対的に移動させるため、上記移動装置118を設けている。該変形例では、固定されるフレキシブル基板105−1に対して、出射光部113及び出射光部123をそれぞれ独立して延在方向105dへ移動させるように、出射光部113に移動装置118−1を接続し、出射光部123に移動装置118−2を接続している。各移動装置118−1、118−2の移動制御は、制御装置185にて行われる。
【0032】
以上のように構成された光加熱装置102にて実行される光加熱方法について、以下に説明する。尚、該光加熱方法は、制御装置185にて動作制御される。第1加熱対象部品6−1をランド105c−1に接合させる場合には、補助光照射装置125の出射光部123から補助加熱光124を第1面105aへ照射し、第1加熱対象部品6−1を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を一定温度の上記補助加熱温度に加熱する。尚、該補助加熱温度は、上述のように、半田フィレット128の高さを上記適正高さ129にする程度の温度である。
さらに、上記補助加熱温度における加熱と並行して、光照射装置110の出射光部113からの加熱光114を第2面105bへ照射し、第1加熱対象部品6−1を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を加熱し、クリーム半田7を溶融させる。溶融後、光照射装置110による加熱を終了し、半田成分を凝固させ第1加熱対象部品6−1とランド105c−1とを接合させる。
尚、出射光部113からの加熱光114を第2面105bへ照射するとき、第2面105bに載置されている第2加熱対象部品6−2に加熱光114が照射されないようにする。
【0033】
次に、第2加熱対象部品6−2をランド105c−2に接合させる場合には、補助光照射装置125と、光照射装置110との機能を逆転させる。即ち、光照射装置110の出射光部113から補助加熱光を第2面105bへ照射し、第2加熱対象部品6−2を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を一定温度の上記補助加熱温度に加熱する。該補助加熱温度による加熱と並行して、補助光照射装置125の出射光部123から加熱光を第1面105aへ照射し、第2加熱対象部品6−2を含みクリーム半田7及びフレキシブル基板105−1を加熱し、クリーム半田7を溶融させる。溶融後、補助光照射装置125による加熱を終了し、半田成分を凝固させ第2加熱対象部品6−2とランド105c−2とを接合させる。
【0034】
尚、光照射装置110及び補助光照射装置125による光照射位置を調整するため、それぞれの移動装置118−1、118−2を動作させる。
上述のように構成される光加熱装置102によれば、上述した光加熱装置100及び光加熱装置101が奏する効果を奏するとともに、いわゆる両面実装基板に対してもそれぞれの部品をランドに接合することが可能となる。
【0035】
次に、上述の光加熱装置100、101、102のいずれか一つを備えた部品実装装置について説明する。尚、以下の説明では光加熱装置100を備えた場合を例に採る。
上記部品実装装置は、基本的には、光加熱装置100に加えて、フレキシブル基板105のランド105cにクリーム半田7を設ける接合材料形成装置と、クリーム半田7が設けられたランド105cへ加熱対象部品6を載置する部品載置装置とを備える。図6に示す部品実装装置200では、光加熱装置100、接合材料形成装置221及び部品載置装置222の他に、さらに、フレキシブル基板105を供給する基板供給装置210と、ランド105cに部品6が固定されたフレキシブル基板105を収納する基板収納装置230と、基板供給装置210から基板収納装置230まで搬送方向251に沿って基板105の搬送を行う基板搬送装置240と、部品実装装置200の動作制御を行う制御装置280とを備えた場合を示している。又、上記接合材料形成装置221及び部品載置装置222は、接合前処理装置220として一つの装置にまとめられている。尚、基板供給装置210及び基板収納装置230は、例えばパレットを用いて基板105の供給、搬送、及び収納を行うタイプであってもよいし、基板105を設けたテープにて基板105の供給、搬送、及び収納を行うタイプであってもよく、装置形態は特に限定されない。
【0036】
このように構成される部品実装装置200は、制御装置280にて制御されて以下のように動作する。即ち、基板供給装置210から基板搬送装置240にてフレキシブル基板105が接合材料形成装置221に搬送され、接合材料形成装置221は、ランド105cにクリーム半田7を、例えば塗布動作にて設ける。クリーム半田7が設けられた基板105は、基板搬送装置240にて部品載置装置222へ供給される。部品載置装置222は、ランド105c上へ部品6を載置する。部品6が載置された基板105cは、基板搬送装置240にて光加熱装置100へ供給され、上述したように部品6の裏面側からの加熱光114の照射によりクリーム半田7を溶融させる。該溶融後の半田成分の凝固にてランド105cに部品6が固定されたフレキシブル基板105は、基板搬送装置240にて基板収納装置230へ搬送され収納される。
【0037】
このように部品実装装置200によれば、光加熱装置100を有することから、上述したように、弱耐熱部品、黒色の部品、ランドレス部品についても基板105への接合を良好に行うことができ、又、フレキシブル基板105の急激な変形による部品外れの現象を防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様の光加熱装置、第2態様の光加熱方法、及び第3態様の部品実装装置によれば、光照射装置及び制御装置を備え、加熱対象部品を載置する第1面の裏面に相当する第2面に対して加熱光を照射し接合材料の加熱及び溶融を行うようにしたことから、部品の種類や接続形態を問わず基板と部品との安定した接合を行うことができる。
又、さらに補助加熱装置を設けることで、接合材料の補助加熱が可能であり、該補助加熱によりフィレットの高さを適正高さにすることができる。
【0039】
又、フレキシブル基板の両面に部品が載置されているときには、上記補助加熱装置を構成する補助光照射装置から加熱光を発生させ、光照射装置から補助加熱光を発生させることで、上記両面の各部品について良好な接合を行うことができる。
さらに移動装置を設けることで、加熱光及び補助加熱位置を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である光加熱装置の構成を説明するための図である。
【図2】図1に示す光加熱装置にて実行される加熱制御方法を説明するためのグラフである。
【図3】図1に示す光加熱装置の変形例における構成を説明するための図である。
【図4】図3に示す変形例にて適正化されるフィレットの状態を示す図である。
【図5】図1に示す光加熱装置の他の変形例における構成を説明するための図である。
【図6】図1に示す光加熱装置及び上記変形例を備えた部品実装装置を示す斜視図である。
【図7】図1に示す光加熱装置にて光照射されるフレキシブル基板を支持する支持部材を説明するための斜視図である。
【図8】従来の光加熱装置の構成を説明するための図である。
【図9】従来の光加熱装置におけるエリアリフロー方式を説明するための斜視図である。
【図10】従来における他の加熱装置の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
6…電子部品、7…クリーム半田、
100、101、102…光加熱装置、105…フレキシブル基板、
105a…第1面、105b…第2面、105c…ランド、
105d…延在方向、110…光照射装置、118…移動装置、
120…補助加熱装置、124…補助加熱光、125…補助光照射装置、
128…フィレット、129…適正高さ、180…制御装置。
Claims (12)
- 加熱対象部品(6)を載置する第1面(105a)を有するフレキシブル基板(105)の上記第1面に対向する第2面(105b)に対して非接触に配置され、上記フレキシブル基板を介して上記加熱対象部品の接合材料(7)を加熱し溶融する加熱光(114)を上記第2面へ照射する光照射装置(110)と、
上記光照射装置に接続され上記加熱光の照射条件を制御する制御装置(180)と、
を備えたことを特徴とする光加熱装置。 - 上記第1面側に設けられ、上記接合材料の補助加熱を行う補助加熱装置(120)をさらに備えた、請求項1記載の光加熱装置。
- 上記補助加熱は、上記接合材料にて形成されるフィレット(128)の高さを、上記光照射装置のみによる加熱にて形成される高さを超える適正高さ(129)にする加熱である、請求項2記載の光加熱装置。
- 上記補助加熱装置は、上記加熱対象部品の接合材料を加熱する補助加熱光(124)を上記第1面へ照射する補助光照射装置(125)にてなる、請求項2又は3記載の光加熱装置。
- 上記第1面及び上記第2面の両面に上記加熱対象部品が存在し、上記第2面に載置されている上記加熱対象部品の上記接合材料を溶融するときには、上記制御装置は、上記光照射装置に対して上記補助加熱光を発生させ、かつ上記補助光照射装置に対して上記加熱光を発生させる、請求項4記載の光加熱装置。
- 上記光照射装置及び上記補助加熱装置と、上記フレキシブル基板とを、上記フレキシブル基板の延在方向(105d)に沿って相対的に移動させる移動装置(118)をさらに備え、上記制御装置は、上記移動装置を制御して上記光照射装置及び上記補助加熱装置と加熱対象部品とを対向させ、上記加熱対象部品に応じて上記加熱光の照射条件及び上記補助加熱装置の補助加熱条件を制御する、請求項2から5のいずれかに記載の光加熱装置。
- 加熱対象部品(6)を載置する第1面(105a)を有するフレキシブル基板(105)の上記第1面に対向する第2面(105b)に対して、上記フレキシブル基板を介して上記加熱対象部品の接合材料(7)を加熱する加熱光(114)を照射し、上記接合材料を溶融させることを特徴とする光加熱方法。
- 上記第1面側から上記第1面に対して上記接合材料の補助加熱を行う、請求項7記載の光加熱方法。
- 上記補助加熱は、上記加熱対象部品の上記接合材料を加熱する補助加熱光(124)を上記第1面に照射して行う、請求項8記載の光加熱方法。
- 上記第1面及び上記第2面の両面に上記加熱対象部品が載置され、上記第2面に載置されている上記加熱対象部品の上記接合材料を溶融するときには、上記加熱光を上記補助加熱光とし、上記補助加熱光を上記加熱光とする、請求項9記載の光加熱方法。
- 上記加熱対象部品の位置に対応して、上記加熱光の照射位置、及び上記補助加熱位置を上記フレキシブル基板の延在方向に沿って移動させる、請求項8から10のいずれかに記載の光加熱方法。
- フレキシブル基板(105)の電極(105c)に接合材料(7)を設ける接合材料形成装置(221)と、
上記接合材料が設けられた上記電極へ加熱対象部品(6)を載置する部品載置装置(222)と、
上記接合材料の加熱を行う、請求項1から6のいずれかに記載の光加熱装置(100、101、102)と、
を備えたことを特徴とする部品実装装置。
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