JP2004103640A - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだの外観検査において、誤判定を低減することを目的とする。
【解決手段】ランド部の形状を例えば次のようにする。電子部品2をはんだ4により基板に接続固定したとき、ランド部1のうち、リード線3の先端付近の領域をリード線の長さ方向に対して、垂直な方向に広げたT字形状とする。そして、ランド部1のうち、リード線の横側に位置する領域5にて、ランド部1とリード線3とのはんだによる接続固定が良好かどうかの検査を行う。このとき、ランド部1のリード線3の横側に位置する領域5には、不濡れ状態のときにおけるはんだ4の表面が平面に近い形状となる領域8が存在するようにランド部1を形成する。そして、この領域8と重なるようにウィンドウ7を設定し、このウィンドウ7内で良否判定を行う。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に電子部品を載せ、電子部品をはんだにより基板に固定する実装技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタルマスクを用い基板のランド部に必要量のクリームはんだを印刷により供給した後、表面実装型の各種電子部品を基板の所定位置に載せ、温風等によりはんだを溶融させる。これにより、ランド部と電子部品のリード線とを固定する。その後、このランド部とリード線との固定が良好に行われているかを調べるためのはんだの外観検査が行われる。このような工程を経て、電子部品が基板に接続固定された電子装置が製造される。
【0003】
はんだの外観検査方法としては種々の方法があるが、ここでは外観検査装置として、例えばオムロン製VT−WINを用いて行うカラーハイライト方式の検査方法について説明する。
【0004】
図8〜10にこの検査方法を説明するための図を示す。図8に示すように、電子部品2を基板21にはんだ付けした後、基板21の上の方からリング照明22、23、24をあて、カラーカメラ25にて反射した光を取り込む。このリング照明22、23、24は、異なる高さの3つのリング照明がフィルターで覆われており、3種類の色の光源となっている。
【0005】
図9(a)、(b)(c)はリード線3の側壁にはんだ4が固着している部分に、各光源の光が反射し、その反射光がカラーカメラ25に入るときの状態を示している。光源の位置が異なることから、各光源の光が反射してカラーカメラ25に取り込まれる際の反射角が各光源毎に異なることを利用することで、はんだ4の傾斜角を知ることができる。具体的には、図9(a)に示すように、はんだ4の傾斜角がおよそ0〜15°のとき、赤色の光源22からの反射光がカラーカメラ25に取り込まれ、同様に、図9(b)に示すように、傾斜角がおよそ15〜22.5°のとき、緑色の光源23からの反射光が、また、図9(c)に示すように、傾斜角がおよそ22.5°よりも大きいとき、青色の光源24からの反射光がカラーカメラ25に取り込まれる。
【0006】
図10にカラーカメラにて、はんだ4からの反射光を取り込んだときの着色画像を示す。図10(a)はリード線3にはんだ4が固着している状態の斜視図であり、図10(b)は図10(a)を上から見たときの図である。着色画像では、ランド部1とリード線3とを接続固定しているはんだ4が赤色の領域4R、緑色の領域4G、青色の領域4Bに色分けされる。このように、高さの異なる光源とカラーカメラを用いることで、はんだ4に対する光源の反射角度を色で出力でき、すなわち、はんだ4の傾斜角を色で示すことができる。
【0007】
次にランド部とリード線3におけるはんだ付けの良否判定の方法を説明する。
【0008】
図11に例えば2端子を有する電子部品2が基板21のランド部1にはんだ4にて固定されているときの平面図を示す。はんだ4はランド部1の全面に載っており、ランド部1と同様の平面形状となっている。
【0009】
また、図12(a)に図11中のA−A’断面を示す。図12(a)に示す状態がランド部1とリード線3との固定が良好な状態である。この図に示すように、リード線3の側壁にはんだ4が固着し、フィレット4aが形成されている。このフィレット4aは通常、はんだ4の表面が下に凸の形状となっており、はんだ4の端部にて富士山の裾野のように、接触角がほとんどない形状となっている。
【0010】
次に、はんだ4がリード線3に固着していない不良品状態を図12(b)に示す。これは、はんだ4の上にリード線3が載っており、はんだ4がリード線3の側壁に付いていない状態である。すなわち、リード線3の側壁に対してはんだ4が濡れていない(なじんでいない)状態である。なお、以下ではこの状態を不濡れ状態と呼ぶ。このとき、はんだ4の断面形状は、電子部品2を載せる前の状態、すなわちランド部1にはんだ4を供給した後の状態と同じである。
【0011】
図13(a)にはんだ4を上から見たときの着色画像を示し、図13(b)にはんだ4の断面を示す。部品を載せる前のはんだ4の形状は、はんだ4の端部側が傾斜し、中央近辺が平面であるドーム形状となっている。したがって、はんだ4を上から見たときの着色画像では、図13(a)に示すように、平面に近い状態の中央付近の領域8が赤色の領域4Rであり、その周りが順に緑色の領域4G、青色の領域4Bとなる。
【0012】
図11、12に示すように、リード線3の先端はランド部の中央付近に位置する。したがって、良品状態ではリード線3の先端で形成されるフィレット4aがランド部1の中央付近に位置する。また、図13に示すように、不濡れ状態では、ランド部1の中央付近の領域8が赤色にて出力される。これらのことから、検査対象と不濡れ状態のものとのランド部の中央での画像出力差により良否判定を行う。
【0013】
具体的には、図14(a)、(b)に示すように、カラーカメラにて、検査対象と不濡れ状態の両方の画像を取り込んだ後、画像処理装置に対して、ランド部の大きさを入力する。なお、図12(b)に示す状態を不濡れ状態のサンプルとして用いることもできるが、図14(b)では、はんだ付けされる前のはんだ4の状態を不濡れ状態のサンプルとして用いる場合を示している。
【0014】
これにより、例えば、ランド部1の中央で、縦横の幅がランド部の1/3の大きさの領域に検査領域としてのウィンドウ7が検査対象と不濡れ状態の画像に設けられる。この両者のウィンドウ7内での赤色出力量を比較することで、検査対象が不濡れ状態であるかどうかを判断する。なお、この良品状態の着色画像は、図10(b)に示すようになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記した検査方法において、良品でも不良品と判定してしまう誤判定が生じていた。本発明者がこの原因を調査したところ、誤判定が生じた理由は主に以下の2つの事例であることがわかった。
【0016】
図15に(a)、(b)に誤判定が生じたときのリード線3及びはんだ4の断面図を示す。1つは、図15(a)に示すように、ウィンドウ7の位置がランド部1の中央であるため、リード線3の先端部でのはんだ4だけでなく、リード線3の表面もそのウィンドウ7内に含まれている。リード線3の表面は平面であることから、この部分により、赤色が出力される。このため、はんだ4がリード線3の先端にてフィレット4aを形成し、ランド部1とリード線3とを良好に接続固定している良品であっても、赤色が出力されてしまい、不良品と判定されてしまっていた。
【0017】
もう1つは、図15(b)に示すように、はんだ4がリード線3の上に付着した場合、はんだ4がドーム形状となるため、ドーム形状の中央で平面部26が存在し、この部分により、赤色が出力されてしまっていた。すなわち、はんだ4がドーム形状となっているため、不濡れ状態のサンプル形状と差が出にくい状態であった。なお、図15(b)に示すように、はんだ4がリード線3の上に付着した状態でも、ランド部とリード線3とが十分に固定されているので良品状態である。
【0018】
このように、ウィンドウ7をランド部1の中央に設けているため、上記した原因により誤判定が生じていた。そこで、ウィンドウの位置をランド部の中央からランド部の端部側に移動させることが考えられる。しかしながら、不濡れ状態のサンプルで赤色が出力される位置4Rは中央付近であるため、ウィンドウを単に移動させた場合、不濡れ状態において、ウィンドウ7における赤色での出力量が少ないことから、良否判定を行うことは好ましくない。
【0019】
なお、このような問題は、2端子の電子部品2に限らず、3端子、4端子等の電子部品2のように、基板のランド部が大きく設けられるものにおいても同様に発生している。
【0020】
また、上記にて説明した画像比較による外観検査に限らず、レーザー光をフィレットの形成予定領域に照射し、そのレーザー光の反射角により、はんだ4の外観検査を行う場合においても同様の問題が発生する。この場合においても、画像比較の場合と同様に、不濡れ状態のサンプルと比較して良否判定を行い、通常、はんだ付の形状にて判定するからである。このため、検査位置にリード表面が含まれることから、良品であっても不濡れ状態であると誤判定される可能性がある。また、はんだがドーム形状のとき、中央近辺が平面であることから、同様に不濡れ状態であると誤判定される可能性がある。
【0021】
本発明は、上記点に鑑み、はんだの外観検査において、誤判定を低減することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ランド部(1)とリード線(3)とをはんだ付けしたとき、ランド部(1)のうち、リード線(3)の横側の領域(5)がリード線(3)の先端側の領域(6)よりも広くなるように、ランド部(1)が設けられ、ランド部(1)と同一の平面形状にてはんだ(4)が印刷されている基板を用意し、ランド部(1)とリード線(3)とをはんだ付けする。その後、ランド部(1)におけるリード線(3)の横側の領域(5)にて、はんだ(4)による固定の良否判定を行うことを特徴としている。
【0023】
通常、ランド部のうち、リード線の先端側の領域(6)の幅(6a)は、はんだ付けしたとき、リード線の横にフィレットが形成されるような大きさであって、はんだ付けの際に、リード線の長さ方向にて電子部品がずれないような大きさとなっている。
【0024】
本発明では、このような広さとされるリード線の先端側の領域(6)よりも、リード線の横側の領域(5)を広くしている。このことから、基板に電子部品を搭載し、ランド部とリード線とをはんだ付けしたが、不濡れ状態となったとき、リード線の横側の領域では、はんだの表面形状が平面となるようにすることができる。したがって、はんだの外観検査のとき、この不濡れ状態のサンプルと検査対象とにおいて、リード線の横側の領域を比較することで、はんだ付けの良否判定を行うことができる。なお、検査位置としては、良好にはんだ付けが行われているとき、リード線の横側の領域で、はんだが平面でなく傾斜している領域を含む位置であれば良いが、できるだけはんだが傾斜している領域を多く含む位置が好ましい。
【0025】
そして、リード線の横側の領域で、リード線を含まない領域にてはんだの外観検査を行うことから、リード線の表面を不濡れ状態と誤って判定してしまうのを減少させることができる。
【0026】
また、このようにランド部のうち、リード線の横側の領域をリード線の先端側の領域よりも広くすることで、リード線の横側の領域にてフィレットが形成され易くなり、はんだがリード線の上にも上がり、はんだがドーム形状になり難くすることができる。仮にはんだがドーム形状となった場合においても、はんだの外観検査にて、良否判定をリード線の横側の領域で行っていることから、良品状態のときの検査位置は、はんだが傾斜している領域であり、不良品状態のときの検査位置では、はんだの表面が平面となる領域である。したがって、はんだがドーム形状となっても良否判定を良好に行うことができる。
【0027】
以上のことから、はんだの外観検査において、検査対象が良品状態であっても不濡れ状態と判断してしまうのを減少させることができる。
【0028】
請求項2に示すように、良否判定を行うための領域(7)が、不濡れ状態におけるはんだの表面が平面となる領域(8)の内部に完全に含まれるように、ランド部(1)を設計が好ましい。そして、この良否判定を行う領域(7)において、はんだの外観検査を行うことが好ましい。
【0029】
このとき、不濡れ状態のサンプルにおける良否判定を行う領域(7)では、全領域が平面に近い状態となることから、判定を行う領域(7)にて、はんだの表面が全て平面でない場合と比較して、はんだの外観検査にて、不濡れ状態であるかどうかの判定を容易に行うことができる。すなわち、判定精度を向上させることができる。
【0030】
請求項3に示すように、ランド部(1)とリード線(3)とをはんだ付けする際、電子部品(2)が固定予定位置からずれてしまうのを抑制するため、ランド部(1)とリード線(3)とをはんだ付けしたとき、ランド部(1)のうち、リード線(3)の横側の領域に幅(11a、12a)が狭い部分(11、12)が存在する形状にてランド部(1)を設計することもできる。
【0031】
具体的には、請求項4に示すように、ランド部(1)とリード線(3)とをはんだ付けしたとき、ランド部(1)のうち、リード線(3)の横側の領域に、リード線(3)の先端側の領域(6)よりも幅(11a、12a)が狭い部分が存在する形状とする。
【0032】
これにより、はんだ付けの際、基板上の部品が、電子部品の基板に対する固定予定位置からリード線に対して垂直な方向に移動してしまうのを抑制することができる。この結果、検査位置がずれてしまうのを抑制することができる。
【0033】
ランド部(1)の形状は、請求項5に示すように、例えばT字形状とすることが好ましい。
【0034】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1(a)に、本発明の第1実施形態における電子部品がはんだにより接続固定された状態の基板を上から見たときの図を示す。この図は基板のランド部と電子部品のリード線とが位置する部分を拡大したものである。また、図1(b)に電子部品を接続固定する前のランド部を上から見たときの図を示す。なお、本実施形態では、カラーハイライト方式によるはんだの外観検査方法を用いる場合を例として説明する。
【0036】
図1(a)に示すように、基板上のランド部1に電子部品2のリード線3がはんだ4により接続固定されているとき、ランド部1のうち、リード線3の横側の領域5がリード線3の先端側の領域6よりも広くなっている。
【0037】
なお、ランド部1のうち、リード線3の先端側の領域6においては、リード線3の先端からランド部1の端までの幅が従来と同様である。すなわち、リード線3の先端側の領域6の幅6aは、はんだ付けしたとき、リード線3にフィレットが形成されるような大きさであって、はんだ付けの際に、リード線の長さ方向にて電子部品がずれないような大きさとなっている。本実施形態では、このような観点から、領域6の幅を例えば0.3mmとしている。
【0038】
そして、はんだ4の外観検査では、電子部品2とランド部1とを含むように画像を取りこみ、リード線3の横側の領域4であって、フィレットが形成される予定領域にウィンドウ7を配置する。
【0039】
また、不濡れ状態のサンプルとして、図1(b)に示すように、例えば、ランド部1にはんだ4が印刷されている状態の基板を用意する。なお、この基板は電子部品2が載っていない状態である。この不濡れ状態のサンプルにおいても、同様に画像を取りこみ、検査対象と同一の位置にウィンドウ7を配置する。検査対象と不濡れ状態のサンプルとのウィンドウ7での画像出力を比較して、はんだ4が良好にリード線3に固着しているかどうかを判定する。なお、不濡れ状態のサンプルとして、図12(b)に示すように、実際に不濡れ状態のものを用いても良い。
【0040】
このとき、検査対象での赤色の出力が、不濡れ状態のサンプルでの赤色の出力に対して、どれぐらいの割合かで、良品か不良品かを判断する。このため、検査対象が不濡れ状態かどうかを容易に判定できるように、不濡れ状態のサンプルにおけるウィンドウ7では、平面に近い状態を示す赤色が多く出力されるのが好ましい。したがって、ランド部1の形成では、予めランド部1のリード線3横の領域を広く設計している。
【0041】
具体的には、図1(b)にて、斜線の領域8がはんだ4の表面が平面に近い状態の領域であり、画像ではこの領域8が赤色にて出力される。図1(a)中の一点鎖線にて示す領域が、図1(b)中の領域8に相当する。このように、本実施形態では、ウィンドウ7の位置は、はんだ4の表面が平面に近い領域8に完全に含まれている。このため、検査対象と不濡れ状態のサンプルとの比較が容易となり、ウィンドウ7の位置が領域8に完全に含まれていないときと比較して、はんだ付けが良好に行われているかどうかの良否判定の精度が高くなっている。なお、ウィンドウ7の位置が領域8に完全に含まれていない場合でも、不濡れ状態のサンプルにて赤色で出力される量を基準にして良否判定を行うことから、はんだの外観検査を行うことは可能である。
【0042】
次に、不濡れ状態のサンプルにおいて、はんだ4の表面が平面に近い状態である領域8について説明する。図2(a)、(b)にランド部上のはんだの断面図を示す。これらは、それぞれランド部1の幅が1160μmであり、図2(a)はメタルマスクの高さが100μmのときであり、図2(b)は200μmのときの断面図である。図2(a)、(b)に示すように、はんだ4がランド部1の全面に印刷されたとき、はんだ4はドーム形状となる。そして、はんだの供給量に関わらず、はんだ4の表面が平面に近く、画像が赤色に出力される領域8は、ランド部1の外周端からの距離が0.2〜0.3mmのところからランド部1の中心側の領域であることが本発明者の実験によりわかった。
【0043】
したがって、ランド部1のうち、リード線3の横側の領域5の広さは、リード線3の端からランド部1の端までの幅が少なくともウィンドウ7の幅に0.2〜0.3mmを加えた長さとすれば良い。なお、当然のことではあるが、ランド部1の広さは隣りのランド部と、はんだ4がブリッジされず、隣りのランド部と絶縁できる広さとする。
【0044】
本実施形態は、このようにランド部1が設計され、ランド部1にはんだ4が供給された基板を用い、基板の上に電子部品2を載せ、はんだ4を溶融し、ランド部1とリード線3とをはんだ付けする工程を行う。このとき、はんだ4により、ランド部1とリード線3とをはんだ4が良好に接続固定していれば、フィレットの形状は、リード線3の側壁からランド部1表面にかけて富士山の裾野のような状態となる。そして、はんだ付け後のはんだ4の外観検査を行う工程にて、リード線3の横側にてフィレットが形成されているかで、はんだ4による基板への電子部品2の固定が良好に行われているかを判断するのである。
【0045】
本実施形態では、リード線3の先端側の領域6よりも、リード線3の横側の領域5を広く設けている。このことから、基板に電子部品2を搭載し、ランド部1とリード線3とをはんだ付けしたが、不濡れ状態となったとき、リード線3の横側の領域5では、はんだ4の表面が平面に近い形状となる。したがって、はんだ4の外観検査のとき、この不濡れ状態のサンプルと検査対象とにおいて、リード線3の横側の領域5であって、フィレットの形成予定領域を比較することで、はんだ付けの良否判定を行うことができる。
【0046】
そして、リード線3を含まない領域にて、はんだ4の外観検査を行うことから、リード線3の表面を不濡れ状態と誤って判定してしまうのを減少させることができる。
【0047】
また、このようにランド部1のうち、リード線3の横側の領域5をリード線3の先端側の領域6よりも広くすることで、リード線3の横側の領域5にてフィレットが形成され易くなり、はんだ4がリード線3の上にも上がり、はんだ4がドーム形状になり難くすることができる。また、仮にはんだ4の量が多く、はんだ4がリード線3の上にも上がり、ドーム形状となった場合においても、はんだ4の外観検査にて、良否判定をリード線3の横側の領域で行っていることから、良否判定を良好に行うことができる。これは、この位置にて検査することで、良品状態のときでは、はんだ4が傾斜しており、不良品状態のときでは、はんだ4の表面が平面に近い状態となるからである。
【0048】
以上のことから、はんだ4の外観検査において、検査対象が良品状態であっても不濡れ状態と判断してしまうのを減少させることができる。
【0049】
なお、はんだ4の適量は、種々の基準があるが例を挙げると、基板に電子部品2を固定したとき、リード線3の側壁のうち、リード線3の高さの2/3以上のところにはんだ4が付着する量である。従来では、ランド部1の中央で良否判定を行っていたので、リード線3にフィレットが形成されていたかどうかの判定しか行うことができなかった。しかしながら、本実施形態によれば、リード線3の横側で良否判定を行うことから、ウィンドウ7内から得られる情報が従来よりも多く、はんだ4の量が適量かどうかも判断することもできる。これは、フィレットが形成されていてもはんだ4の量が少ない場合、リード線3から離れた側では、ランド部1の表面が露出し、これによりウィンドウ7内にランド部1の表面が露出すると、その露出した領域が、赤色で出力されるからである。
【0050】
なお、ウィンドウ7の位置は、リード線3の横側でフィレットが形成される領域を含み、かつ、領域8と重なる位置であれば、図1に示される位置に限らず、他の位置とすることもできる。さらに、ウィンドウ7の位置としては、良好にはんだ付けが行われているとき、リード線の横側の領域で、はんだが平面でなく傾斜している領域を含む位置であれば良いが、良否判定を良好に行うためには、はんだが傾斜している領域をできるだけ多く含む位置が好ましい。また、ウィンドウ7の大きさについても、同様のことが満たされてれば、良否判定が可能な範囲内において任意に設定することもできる。
【0051】
また、本実施形態における第2の例を図3に示す。図1では、ランド部1の形状が長方形である場合を説明したが、図3(a)、(b)に示すように、ランド部1の形状を楕円形状とすることもできる。なお、図3(a)、(b)は、図1(a)、(b)に対して、ランド部1の形状が異なるだけなので、図1と同じ符号を付すことで、説明を省略する。
【0052】
(第2実施形態)
図4(a)に第2実施形態における電子部品がはんだにより接続固定された状態の基板を上から見たときの図を示す。また、図4(b)にランド部の上にはんだが供給されているときの図を示す。なお、図1と同一部分については、同一の符号を付している。
【0053】
本実施形態においても、図4(a)に示すように、基板上のランド部1に電子部品2のリード線3がはんだ4により接続固定されているとき、第1実施形態と同様に、ランド部1のうち、リード線3の横側の領域5がリード線3の先端側の領域6よりも広くなっている。したがって、第1実施形態と同様の効果を有している。
【0054】
ただし、図1と異なり、ランド部1におけるリード線3の横側の領域5のうち、電子部品2に近い領域11の幅11aが領域5の幅5aよりも狭くなっている。また、領域5のうち、リード線3の先端に近い領域12の幅12aも領域5の幅5aよりも狭くなっている。
【0055】
第1実施形態では、ランド部1のうち、リード線3の横側の領域5が広く形成されていた。このため、基板に電子部品2を載せ、ランド部1に電子部品2のリード線3をはんだ付けする際に、電子部品2が泳いでしまう恐れがある。つまり、図4(a)に示すような固定予定領域からリード線3に対して垂直な方向(図の左右方向)に、電子部品2がずれてしまう恐れがある。電子部品2の位置がずれてしまうと、ウィンドウ7の位置はランド部1の大きさを基準に設定されているため、ウィンドウ7の位置が所定の位置からずれてしまう。このため、良否判定を正しく行うことができない可能性がある。すなわち、良否判定を安定して行うことができない。
【0056】
これに対して、本実施形態では、ランド部1は、リード線3の横側の領域5のうち、領域11、12のように幅が狭い部分を有する形状となっている。これにより、はんだ付けの際、基板上の電子部品2が、基板に対する固定予定位置からリード線に対して垂直な方向に移動してしまうのを抑制することができる。この結果、検査位置がずれてしまうのを抑制することができ、このことによってもウィンドウ7がずれてしまうことで誤判定が発生するのを抑制することもできる。
【0057】
なお、ランド部1が広い場合、はんだ付けの際に電子部品2が泳いでしまう理由は、はんだ4が固化してリード線3の側壁にフィレットを形成する前では、リード線3の側壁に対して、液状のはんだ4による表面張力が働くが、ランド部1が広い場合、この表面張力の影響が小さいためである。したがって、はんだ付けの際に電子部品2のずれが発生するのを抑制するためには、この表面張力の影響が大きくなるようなランド部の幅とするのが好ましい。
【0058】
具体的には、図4(a)に示すように、領域11、12の幅11a、12aは、リード線3の先端側の領域6の幅6aよりも狭くなっており、例えば、0.15mmとなっている。これは、本発明者が泳ぎ防止のために適切な幅を調べた結果、リード線から端までの幅は例えば0.3mmであり、はんだ4の幅4aをリード線の幅に0.3mmを加えた長さとしたからである。
【0059】
(第3実施形態)
図5(a)に第3実施形態における電子部品がはんだにより接続固定された状態の基板を上から見たときの図を示す。また、図5(b)にランド部の上にはんだが供給されているときの図を示す。なお、図1と同一部分については、同一の符号を付している。
【0060】
第2実施形態では、はんだ付けの際の泳ぎ防止のため、ランド部1の形状を十字形状としていたが、本実施形態のようにT字形状とすることもできる。図5(a)に示すように、ランド部1のうち、リード線3の横側であって、電子部品2に近い領域11の幅11aが、第2実施形態と同様に狭くなっている。そして、本実施形態では、この領域11のリード線3の長さ方向(図の縦方向)の幅11bは、ランド部1の同一方向における幅に対して半分の長さである。すなわち、ランド部1のうち、リード線3の根本側の半分の領域が狭くなっている。これにより、第2実施形態よりも、はんだ付けの際、リード線3の長さ方向に対して垂直な方向で、電子部品2が固定予定領域からずれてしまうのを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態においても、基板上のランド部1に電子部品2のリード線3がはんだ4により接続固定されているとき、第1実施形態と同様に、ランド部1のうち、リード線3の横側の領域5がリード線3の先端側の領域6よりも広くなっている。なお、本実施形態では、ウィンドウ7の位置は、リード線3の先端部の隣りであり、ウィンドウ7の下側半分がリード線3の横に位置している。ウィンドウ7がこのような位置ではあるが、リード線3の横側でフィレットが形成される領域を含み、かつ、領域8と重なる位置であるので、第1実施形態と同様の効果を有している。
【0062】
なお、第2実施形態では、ランド部1に幅の狭い領域があれば、電子部品2が泳いでしまうのを抑制する効果を有することを説明した。泳ぎ防止の効果をより求める場合では、本実施形態のように、ランド部1のうち、幅が狭い領域11のリード線3の長さ方向における幅11bを、はんだ付けしたとき、ランド部1にはんだ付けされるリード線3の長さの半分以上とすることが好ましい。ただし、このとき、外観検査がリード線3の横側で行うことができるように、つまりウィンドウ7をリード線3の横側に配置できる長さまでとする。
【0063】
(第4実施形態)
図6(a)に第4実施形態における第1の例としての電子部品がはんだにより接続固定された状態の基板を上から見たときの図を示す。また、図6(b)にランド部の上にはんだが供給されているときの図を示す。
【0064】
第3実施形態では、2端子の電子部品2を用いた場合を説明していたが、図6に示すように、3端子の電子部品2を用いた場合においても、ランド部1の形状を第3実施形態と同様にT字形状とすることができる。なお、本実施形態の第1の例では、第3実施形態に対して、電子部品2の端子とランド部1とが1つ増えているだけであり、その他は第3実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0065】
図7(a)に第4実施形態における第2の例としての電子部品がはんだにより接続固定された状態の基板を上から見たときの図を示す。また、図7(b)にランド部の上にはんだが供給されているときの図を示す。
【0066】
図7(a)、(b)に示すように、ランド部1の形状をL字形状とすることもできる。これは、図6(a)、(b)に対して、電子部品2から2本のリード線3が出ている側において、ランド部1の形状が、2つのリード線3の横側の領域5のうち、隣りのランド部1に近い側の領域5を無くした形状となっている。このような形状は、隣り合うランド部1同士の間隔が狭く、はんだ4がブリッジ状になり、ランド部同士を絶縁させることができない恐れがある場合に有効である。そして、ランド部1の形状がL字形状の領域では、リード線3の片側にウィンドウ7を設け、はんだの外観検査を行う。
【0067】
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態では、リード線3の形状がストレートタイプの場合を説明したが、ベントタイプにおいても本発明を適用することができる。
【0068】
また、第1〜第3実施形態では、2端子の電子部品2を用いる場合で説明し、第4実施形態では3端子の場合においても、第3実施形態と同様のランド部形状とする場合を説明したが、2、3、4端子等の電子部品2を用いたとき、ランドの形状を上記した各実施形態に示すような形状としてもランド部同士の間隔を十分にとれるものであれば、本発明を適用することができる。
【0069】
また、上記した各実施形態では、はんだの外観検査方法として、カラーハイライト方式を用いた場合を説明してきたが、レーザー光等を用いた他のはんだ外観検査方法においても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における第1の例を示す平面図である。(a)は電子部品が基板にはんだにより接続固定されているときの基板上のランド部と電子部品とを上から見たときの図であり、(b)ははんだ印刷されたランド部を基板の上から見たときの図である。
【図2】ランド部の上に印刷されたはんだの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における第2の例を示す平面図である。(a)は電子部品が基板にはんだにより接続固定されているときの基板上のランド部と電子部品とを上から見たときの図であり、(b)ははんだ印刷されたランド部を基板の上から見たときの図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す平面図である。(a)は電子部品が基板にはんだにより接続固定されているときの基板上のランド部と電子部品とを上から見たときの図であり、(b)ははんだ印刷されたランド部を基板の上から見たときの図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す平面図である。(a)は電子部品が基板にはんだにより接続固定されているときの基板上のランド部と電子部品とを上から見たときの図であり、(b)ははんだ印刷されたランド部を基板の上から見たときの図である。
【図6】本発明の第4実施形態における第1の例を示す平面図である。(a)は電子部品が基板にはんだにより接続固定されているときの基板上のランド部と電子部品とを上から見たときの図であり、(b)ははんだ印刷されたランド部を基板の上から見たときの図である。
【図7】本発明の第4実施形態における第2の例を示す平面図である。(a)は電子部品が基板にはんだにより接続固定されているときの基板上のランド部と電子部品とを上から見たときの図であり、(b)ははんだ印刷されたランド部を基板の上から見たときの図である。
【図8】カラーハイライト方式によるはんだの外観検査の様子を示す斜視図である。
【図9】カラーハイライト方式によるはんだの外観検査を説明するためのリード線及びはんだの断面図である。
【図10】カラーハイライト方式によるはんだの外観検査を説明するための図であり、(a)はリード線及びはんだの斜視図であり、(b)は平面図である。
【図11】2端子部品を基板に接続固定したときの平面図である。
【図12】図11中のA−A’断面を示す図である。(a)ははんだによる接続固定が良好に行われている状態を示しており、(b)は不濡れの状態を示している図である。
【図13】(a)はランド部に印刷されたはんだを基板の上から見たときの着色画像を示す図であり、(b)はそのはんだの断面図である。
【図14】画像比較によるはんだの外観検査を説明するための図であり、ランド部を基板の上から見たときの図である。
【図15】誤判定が生じたときの例を示す図であり、はんだにより接続固定されているリード線とランド部とを含む断面図である。
【符号の説明】
1…ランド部、2…電子部品、3…リード線、4…はんだ、
5…ランド部のうちリード線の横側の領域、
6…ランド部のうちリード線の先端側の領域、
7…良否判定を行うためのウィンドウ、
8…はんだの表面が平面に近い形状となる領域、
11、12…ランド部のうち泳ぎ防止のために幅が狭い領域、
21…基板、22、23、24…リング照明、25…カラーカメラ。

Claims (5)

  1. ランド部(1)を有し、該ランド部(1)の上にはんだ(4)が印刷されている基板を用意し、前記基板の上に電子部品(2)を搭載し、前記ランド部(1)に前記電子部品(2)のリード線(3)を前記はんだ(4)により接続固定する工程と、前記ランド部(1)と前記リード線(3)との前記はんだ(4)による固定具合を検査する検査工程とを有する電子装置の製造方法において、
    前記はんだ(4)により接続固定する工程では、前記ランド部(1)と前記リード線(3)とをはんだ付けしたとき、前記ランド部(1)のうち、前記リード線(3)の横側の領域(5)がリード線(3)の先端側の領域(6)よりも広くなるように、前記ランド部(1)が設けられ、該ランド部(1)と同一の平面形状にてはんだ(4)が印刷されている基板を用意し、前記ランド部(1)と前記リード線(3)とをはんだ付けし、
    前記検査工程では、前記ランド部(1)におけるリード線(3)の横側の領域(5)にて、前記はんだ(4)による固定の良否判定を行うことを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 前記ランド部(1)は、前記はんだ(4)による固定状態が不濡れ状態のとき、前記はんだ(4)の表面が平面に近い形状である領域(8)の内部に、前記はんだ(4)による良否判定を行うための領域(7)が完全に含まれるように、設計されており、
    前記検査工程では、前記良否判定を行うための領域(7)にて、前記はんだ(4)による固定の良否判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  3. 前記ランド部(1)と前記リード線(3)とをはんだ付けする際、前記電子部品(2)が固定予定位置からずれてしまうのを抑制するため、前記ランド部(1)と前記リード線(3)とをはんだ付けしたとき、前記ランド部(1)のうち、前記リード線(3)の横側の領域に幅(11a、12a)が狭い部分(11、12)が存在する形状にてランド部(1)を設計することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置の製造方法。
  4. 前記幅が狭い部分は、前記ランド部(1)と前記リード線(3)とをはんだ付けしたとき、前記ランド部(1)のうち、前記リード線(3)の先端側の領域(6)よりも幅(11a、12a)が狭いことを特徴とする請求項3に記載の電子装置の製造方法。
  5. 前記ランド部(1)はT字形状であることを特徴とする請求項4に記載の電子装置の製造方法。
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