JP2004103085A - 光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピンコート法により基板上に接着剤を均一に塗布できるようにする。
【解決手段】情報信号を記録および/または再生するための情報信号部2を基板1の一主面に形成し、情報信号部2上にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された接着剤により基板1とシート3bとを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、スピンコート法により情報信号部2上に接着剤を塗布する際に、接着剤の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように接着剤を加熱するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】情報信号を記録および/または再生するための情報信号部2を基板1の一主面に形成し、情報信号部2上にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された接着剤により基板1とシート3bとを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、スピンコート法により情報信号部2上に接着剤を塗布する際に、接着剤の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように接着剤を加熱するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体の製造装置に関し、例えば、記録層あるいは反射膜上に均一な保護層を形成することができる光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクにおいては、さらなる高記録密度化が要求されている。そこで、基板に設けられた反射膜あるいは記録層上に、0.1mmの厚さを有する光透過層を備えた次世代の光ディスクが提案されている。この光ディスクでは、青紫色のレーザ光を、高NA(例えば、0.85)の対物レンズにより集光し、この集光したレーザ光を光透過層側から反射膜あるいは記録層に照射することにより、情報信号の記録および/または再生が行われる。
【0003】
この次世代の光ディスクの製造方法として、基板に設けられた反射膜あるいは記録層上に、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を塗布し、この紫外線硬化樹脂上に光透過性シートを重ね合わせた後、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化する方法が提案されている。
【0004】
ところが、この製造方法では、光透過層の厚さが、ディスク間のみならずディスク内においても異なってしまう。すなわち、光透過層の厚さが光ディスクの内周部では薄くなり、外周部では厚くなってしまう。これは、この製造方法では、基板の内周部に沿って紫外線硬化樹脂を滴下し、基板を高速回転させて、塗布された紫外線硬化樹脂を遠心力により外周方向に向けて延伸させるためである。
【0005】
このような紫外線硬化樹脂層の厚さの変動により、レーザ光の光路長が変動し、反射膜あるいは記録層上でのスポット形状が変動してしまう。このため、安定した記録再生特性を実現することが困難となる。
【0006】
上述したように、次世代の光ディスクでは、青紫色のレーザ光を、高NAの対物レンズを用いて集光することにより、レーザスポットを小さく絞るため、反射膜あるいは記録層上でのスポット形状の変動によって、記録再生特性が大きな影響を受けてしまう。
【0007】
このため、従来、均一厚さの光透過層を基板上に形成するために、以下のような光ディスクの製造方法が提案されている。
【0008】
(1)厚みが制御された光透過性シート(例えば、厚さ80μm)の片面に、感圧型粘着剤(例えば、厚み20μm)を均一に塗工したフィルムを作製し、このフィルムを円環状に打ち抜き、これを基板に重ね合わせて圧力をかけて接着する方法。
(2)スピンコート法により紫外線硬化型樹脂を基板の一主面上に塗布し、100μmの光透過層(カバー層)を形成する光ディスクの製造方法。
(3)100μmに厚みが制御された紫外線硬化型ドライフィルムを基板に接着する方法。
【0009】
また、2枚の基板を接着剤により貼り合わせる貼り合わせ型の光ディスクの製造方法では、基板を貼り合わせるための接着剤をスピンコート法により拡げるとともに、基板の外周部を加熱することにより、接着剤の厚さを均一にするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−228038号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の光ディスクの製造方法にあっては、ぞれぞれ、以下のような問題がある。
【0012】
(1)の方法では、以下のような問題がある。
(a)感圧型粘着剤を塗工した光透過性シートは、一般に100m以上の長さを持った巻物にて納品される。したがって、100m以上の長さに渡って厚みを制御することが要求されるが、このような長さで、光透過性シートの片面に、感圧型粘着剤を均一に塗工することが困難である。このため、感圧型粘着剤が均一に塗工された光透過性シートを製造するにはコストがかかる。
(b)感圧型粘着剤は、タックを発生させなくてはならないので柔らかくせざるを得ない。そのため、使用前に巻いた状態で保管した時に、感圧型粘着剤が流動して厚みが変動したり、感圧型粘着剤がはみ出したり、さらには巻きくせがついたりするなどの問題が発生しやすい。また、光透過性シートを基板に接着した後に、感圧型粘着剤が硬化するわけではないので、使用中、保管中に関わらず長期に渡って、感圧型粘着剤が流動して厚みが変動したり、感圧型粘着剤がはみ出したりする可能性がある。
(c)光透過性シートを基板に貼り合わせる際に、光透過性シートと基板の間に気泡が混入してしまう。
(d)感圧型粘着剤は、光硬化型樹脂と比較して耐久性が劣る。感圧性粘着剤には、粘着させるために酸が使用されている場合が多いため、この感圧性粘着剤が接する層の腐食を招く。
【0013】
また(2)の方法では、以下のような問題がある。
(a)均一な厚みの光透過層を形成することが困難である。これは、高速回転による遠心力により紫外線硬化樹脂を基板上に塗布した場合、一般に紫外線硬化樹脂の厚さは内周で薄く、外周で厚くなるためである。
(b)紫外線硬化型樹脂は、光硬化に際して収縮する。これにより、光ディスクに反りが発生する。これは、紫外線硬化樹脂層の厚みが大きいほど影響が大きい。
(c)高粘度の紫外線硬化型樹脂を必要とするので、作業性(樹脂製造時、塗工時)が悪い。
具体的には、以下の問題が挙げられる。
樹脂製造時:撹拌、濾過がしにくい。粘度調整がしにくい。
塗工時:樹脂粘度が温度によって変化するため、精密な温度制御が必要となる。
【0014】
(3)の方法では、以下のような問題がある。
(a)紫外線硬化型ドライフィルムを、100±1μmで塗工するのが困難である。(1)の方法と同様に、一般に長さが100m以上の巻物にて納品される。そのため、100m以上の長さに渡って厚みを制御することが要求され、このことが塗工を困難にする。したがって、コストの上昇を招く。
(b)ドライフィルムの安定性が悪い。
ドライフィルム中には、性能を発揮するために高粘度樹脂を混合することが多い。そのため、使用前に巻物で保管した時に、高粘度樹脂が流動して厚みが変動したり、高粘度樹脂がはみ出したり、さらには巻きくせがついたりするなどの問題が発生しやすい。
(c)生産装置のコスト上昇を招く。
巻物で納品されたドライフィルムの送りだし、離型層剥離、打ち抜き、接着、硬化といった工程を踏まなければならないうえ、硬化工程まで装置内は紫外線不透過としなければならないので、生産装置が大掛かり、且つ高価になる。
(d)光透過性シートを基板に貼り合わせる際に、光透過性シートと基板の間に気泡が混入してしまう。
【0015】
すなわち、上述した(1)、(2)および(3)の方法は、どれも問題点が多い。このため、これらの方法により、良好な次世代の光ディスクを提供することは困難である。
【0016】
また、特許文献1に記載されているように、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を情報信号部上に塗布する際に、基板の外周部を加熱する光ディスクの製造方法では、光ディスクの全体に亘って光透過層の厚さのばらつきを許容範囲(同一半径内における光透過層の厚さのばらつき±1μm以内、面内における光透過層の厚さのばらつき±1μm以内)に抑えることは困難であった。これは、上述した光ディスクの製造方法が、DVDにおいて接着層の厚さを制御することを目的として提案された方法であり、また、光ディスク全体ではなく外周部のみを加熱するためである。
【0017】
したがって、この発明の目的は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、上記情報信号部が形成された上記一主面にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された上記接着剤により上記基板に対してシートを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、基板の情報信号部が形成された一主面に均一に紫外線硬化樹脂を塗布することができる光学情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0018】
また、この発明の目的は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、上記情報信号部が形成された上記一主面にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された上記接着剤により上記基板に対してシートを貼り合わせる光情報記録媒体の製造装置において、基板の情報信号部が形成された一主面に均一に紫外線硬化樹脂を塗布することができる光学情報記録媒体の製造装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願第1の発明は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、情報信号部上にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された接着剤により基板とシートとを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、
スピンコート法により情報信号部上に接着剤を塗布する際に、基板の中心から外周に至る接着剤の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、接着剤を加熱することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
【0020】
本願第2の発明は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する工程と、
情報信号部上に1または2以上の薄膜を積層することにより保護層を形成する工程とを備え、
情報信号部上に積層される薄膜は、スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布し、硬化することにより形成される光情報記録媒体の製造方法において、
スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、基板の中心から外周に至る樹脂の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、樹脂を加熱することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
【0021】
本願第3の発明によれば、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する信号部形成手段と、
接着剤を供給する供給手段と、
基板を回転することにより、供給手段により供給された接着剤を基板の情報信号部上に塗布する駆動手段と、
駆動手段により情報信号部上に塗布された接着剤を介して、基板とシートとを貼り合わせる貼り合わせ手段と
を少なくとも備えた光情報記録媒体の製造装置において、
駆動手段により情報信号部上に接着剤を塗布する際に、基板の中心から外周に至る接着剤の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、接着剤を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置である。
【0022】
本願第4の発明によれば、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する信号部形成手段と、
樹脂を供給する供給手段と、
基板を回転することにより、供給手段により供給された樹脂を基板の情報信号部上に塗布する駆動手段と、
駆動手段により情報信号部上に塗布された樹脂を硬化させる樹脂硬化手段と
を少なくとも備えた光情報記録媒体の製造装置において、
駆動手段により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、基板の中心から外周に至る樹脂の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、樹脂を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置である。
【0023】
本願第1および第3の発明によれば、スピンコート法により情報信号部上に接着剤を塗布する際に、接着剤の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように接着剤を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って情報信号部上に延伸された接着剤の粘度を小さくすることができる。よって、情報信号部上に接着剤を均一に塗布することができる。
【0024】
本願第2および第4の発明によれば、スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、樹脂の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように樹脂を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って情報信号部上に延伸された樹脂の粘度を小さくすることができる。よって、情報信号部上に樹脂を均一に塗布することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明は以下の検討に基づいて案出されたものである。
半径無限大の回転基板上にあるニュートン流体の運動という仮定の下、回転延展を一定時間行ったあとの流体の膜厚(h)と基板半径(r)の関係は以下の式で表せる。
h=√(3η/4ρω2t){1−(r0/r)4/3}
塗布開始位置:r0、流体の粘度:η、流体の密度:ρ、回転角速度:ω、回転時間:t
【0026】
上述の式から、中心から外周に向かうに従って流体の粘度を小さくすれば、流体の膜厚hを、基板上において一様にできることがわかる。
【0027】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、この発明の一実施形態による光ディスクの構成の一例を示す。この一実施形態による光ディスクは、図1に示すように、主として、支持基板1と、この支持基板1の情報信号面1aに形成された情報信号部2と、この情報信号部2上に形成された光透過層3とから構成される。なお、この発明の一実施形態においては、信号面1aは、支持基板1において情報信号部2が形成される側の一主面を意味する。
【0028】
この光ディスクは、光透過層3の側からレーザ光を情報信号部2に照射することにより、情報信号の再生が行われる光ディスク(例えば、Blu−ray Disc)である。
【0029】
支持基板1は、円環形状を有し、信号面1aには凹凸が形成されている。この支持基板1の厚さは、例えば1.1mmに選ばれる。また、この支持基板1の直径(外径)は、例えば120mmであり、支持基板の開口径(内径)は、例えば15mmである。
【0030】
また、支持基板1の材料としては、例えばポリカーボネート(PC)、アクリルあるいはポリオレフィンが用いられる。なお、この一実施形態による光ディスクでは、光透過層3が設けられた側からレーザ光を照射することにより情報信号の再生が行われるため、支持基板1の材料として、不透明プラスチックやAlなどの金属を用いることも可能である。
【0031】
情報信号部2は、光ディスクが再生専用型である場合には、例えば、Au、Ag、Ag合金、Al、Al合金あるいは白金からなる反射膜からなる。なお、この発明は再生専用型の光ディスクに限定されるものではなく、追記型あるいは書き換え可能型の光ディスクに適用することも可能である。
【0032】
光ディスクが追記型あるいは書き換え可能型である場合には、情報信号部2は、例えば、支持基板1の信号面1a上に、情報信号を記録/再生するための記録層、反射膜を順次積層して形成される。反射膜の材料としては、例えば、Au、Ag、Ag合金、Al、Al合金あるいは白金が用いられる。光ディスクが追記型である場合には、記録層は、例えば、Si02、SiN、Dye、Si02を反射膜上に順次積層することにより形成される。なお、反射膜の膜厚は、信号再生波長(例えば405nm)において、所定の反射率が得られる膜厚(例えば、信号再生波長405nmにおける反射率を60%としたとき、35nm)である。
【0033】
光透過層3は、接着層3a、透過性シート3bを情報信号部2上に順次積層することにより構成される。また、接着層3aは、紫外線硬化樹脂を硬化することにより形成される。この紫外線硬化樹脂としては、例えばウレタンあるいはエポキシ系のアクリレートが用いられる。なお、接着層3bの材料は、紫外線硬化樹脂に限定されるものではなく、紫外線硬化型以外の光硬化樹脂であってもかまわない。
【0034】
また、接着層3aを構成する材料には、固形分や有機溶剤(粘度調整目的)が含まれていないことが好ましい。これは、光ディスクの信頼性の低下を防ぐためである。接着層3aに固形分が含まれると、重合度が下がり、すなわち、充分な照度、光量にて硬化させても反応率が低くなり、未反応のアクリレートが支持基板1や情報信号部2を腐食させる。また、接着層3aに有機溶剤が含まれると、この有機溶剤が、支持基板1や情報信号部2の腐食を招く。
【0035】
光透過性シート3bは、支持基板1におけると同様に、平面円環形状を有する。この光透過性シート3bの直径(外径)は、119.0〜119.9mmから選ばれ、好ましくは119.5mmに選ばれる。一方、光透過性シート3bの内径は、15.0mm〜25.0mmから選ばれ、好ましくは20.0mm〜22.0mmから選ばれる。また、この光透過性シート3bの厚さは、例えば0.09mmである。なお、この光透過性シート3bの厚さは、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長や、光透過層3の所望とする膜厚を考慮して決定される。
【0036】
光透過性シート3bの材料としては、少なくとも再生に用いられるレーザ光を透過可能な光学特性を満足した材料が選ばれ、例えば、ポリカーボネートあるいはポリオレフィンが選ばれる。なお、接着性を考慮した場合、ポリカーボネートを選ぶことが好ましい。また、光透過性シート3bの材料としては用いられるポリカーボネートの重合方法は特に限定されるものではない。
【0037】
この光透過性シート3bは、例えば、厚みの均一性および等方性(低複屈折)が十分に確保されたフィルムを、円環状に打ち抜くことにより形成される。このフィルムとして、例えば、流延法により製造されたフィルム(例えば、ピュアエース(帝人株式会社))などが用いられる。
【0038】
図2に、この発明の一実施形態による光ディスクの製造装置の一例を示す。この光ディスクの製造装置は、図2に示すように、主として、射出成形装置11、搬送装置12、スパッタリング装置13、スピンコーティングシステム14、搬送装置15、貼り合わせ装置16、シート打ち抜き装置19、搬送装置20、検査装置21およびディスク保管部22から構成される。
【0039】
射出成形装置11は、予めスタンパが取り付けられた金型のキャビティー内に溶解した樹脂を充填することにより、支持基板1を成形する。搬送装置12は、射出成形装置11にて成形された支持基板1を、射出成形装置11からスパッタリング装置13に搬送するとともに、スパッタリング装置13にて情報信号部2が成形されたが支持基板1を、スパッタリング装置13からスピンコーティングシステム14に搬送する。
【0040】
スパッタリング装置13は、射出成形装置11から搬送された支持基板1の信号面1aに、スパッタリングにより反射膜を成膜することにより、情報信号部2を形成する。スピンコーティングシステム14は、スパッタリング装置13から供給された支持基板1の情報信号部2にスピンコートにより紫外線硬化樹脂を塗布する。
【0041】
シート打ち抜き装置19は、帯状のシートを円環状に打ち抜くことにより光透過性シート3bを形成する装置であり、帯状のシートが巻き付けられているシート供給部、帯状のシートを円環状に打ち抜くことにより光透過性シート3bを形成するシート打ち抜き用プレス機、および打ち抜かれたシートを回収する回収部(いずれも図示省略)を備える。
【0042】
搬送装置15は、スピンコーティングシステム14にて情報信号部2上に紫外線硬化樹脂が塗布された支持基板1を、スピンコーティングシステム14から貼り合わせ装置16に搬送する。また、搬送装置15は、打ち抜き装置19から貼り合わせ装置16に光透過性シート3bを供給する。
【0043】
貼り合わせ装置16は、シート打ち抜き装置19から搬送された光透過性シート3bに対して、支持基板1を貼り合わせるための装置であり、重ね合わせ装置17およびUVランプ18などを備える。重ね合わせ装置17が、光透過性シート3bに対して、支持基板1の紫外線硬化樹脂が塗布された側の一主面を重ね合わせる。そして、UVランプ18が、光透過性シート3bが重ね合わされた支持基板1に対して、紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂が硬化し、支持基板1と光透過性シート3bとが貼り合わされる。搬送装置20は、製造された光ディスクを貼り合わせ装置16から検査装置21に搬送する。
【0044】
検査装置21は、貼り合わせ装置16から搬送された光ディスクを検査し、良品と判断された光ディスクをディスク保管部22に供給し、不良品と判断された光ディスクを検査装置に備えられた排出部より排出する。この検査装置21では、例えば、製造された光ディスクの光透過層3の均一性、支持基板1に対する光透過性シート3bの貼り合わせ位置および情報信号部の欠陥の有無などが検査される。ディスク保管部22は、検査装置21にて良好なディスクであると判別された光ディスクを保管するためのものである。
【0045】
図3に、この発明の一実施形態によるスピンコーティングシステムの一例を示す。このスピンコーティングシステムは、図3に示すように、スピナー回転駆動モータ31、基板載置部32、チャンバ33、接着剤吐出ノズル34、支持部35、一軸ロボット36、赤外線ランプユニット37および取り出しロボット38を備える。
【0046】
スピナー回転駆動モータ31は、基板載置部32に載置された支持基板1を回転する。基板載置部32は、支持基板1を載置するためのものであり、支持基板1を載置するための平面を有し、この平面には支持基板1を真空吸着するための吸着孔を複数備える。
【0047】
チャンバ33は、支持基板1の回転により外周方向に霧状に飛散した紫外線硬化樹脂を回収するためのものである。接着剤吐出ノズル34は、基板載置部32に載置された支持基板1に紫外線硬化樹脂を滴下するためのノズルであり、支持部35に移動可能に支持されている。
【0048】
一軸ロボット36は、赤外線ランプユニット37を水平方向に移動する。具体的には、この一軸ロボット36は、赤外線照射時には赤外線ランプユニット37を基板載置部32に載置された支持基板1上に移動する。赤外線照射終了後には赤外線ランプユニット37をチャンバ33の外側の退避ポジションに移動する。取り出しロボット38は、紫外線硬化樹脂が情報信号部2上に塗布された支持基板1を、基板載置部32から取り出すためのロボットである。
【0049】
赤外線ランプユニット37は、基板載置部32に載置された支持基板1に赤外線を照射する。赤外線ランプユニット37から照射される赤外線は、支持基板1の信号面1a上の一点に集光される。
【0050】
図4に、この発明の一実施形態による赤外線ランプユニット37の一例を示す。赤外線ランプユニット37は、図4に示すように、ランプハウス41、ランプバルブ42および反射鏡43を備える。
【0051】
ランプハウス41は反射鏡43を収納し、この収納された反射鏡43の中央部には、ランプバルブ42が固定される。このランプハウス41は、一軸ロボット36に取り付けられる。このランプハウス41は、反射鏡43を保護するとともに、外部への熱放射を防止する効果を有する。また、一軸ロボット36へのランプバルブ42の取付けを容易にする効果も有する。
【0052】
ランプバルブ42としては、可視から赤外にかけて高照度のハロゲンランプや赤外線ランプが用いられ、好ましくは、色温度2900K、電力350Wの特性を有するランプが用いられる。
【0053】
反射鏡43は、ランプバルブ42により照射された光を反射させるためのものであり、回転楕円面状に形成されている。この回転楕円面は、式(1)に示す平面状の楕円を長軸の回りを1回転して得られる回転面である。
【0054】
(x2/a2)+(y2/b2)=1 (1)
ここで、aは22〜100mmの範囲から選ばれ、例えば52.5mmに選ばれる。bは10〜40mmの範囲から選ばれ、例えば34mmに選ばれる。
【0055】
この(1)式で示される楕円の一方の焦点には、ランプバルブ42が位置し、他方の焦点fには、基板載置部32に載置された支持基板1の信号面1a内の一点が位置する。
【0056】
aの値が上述の範囲よりも小さいと、例えば、次のような問題が生じる。すなわち、赤外線ランプユニット37が支持基板1に近づきすぎて、スピン時に発生する支持基板1上方の空気の流れを乱して、均一なスピンが困難になる。赤外線ランプユニット37が、スピン時に支持基板1の近傍に発生するミストにさらされ、汚れてしまう。
【0057】
aの値が上述の範囲よりも大きいと、例えば、次のような問題を生じる。すなわち、赤外線ランプユニット37と支持基板1の距離が大きくなるので、支持基板1の信号面1aにおいて点光源を実現することが困難となる。すなわち、支持基板1に対向する面から照射される光を、集光させることが困難となる。
【0058】
bの値は、装置を小型化するためには小さいことが望ましい。bの最小値はランプ外径により規定される。一般的に熱を取り出すためのハロゲンランプや赤外線ランプの外径は10mm以上であるため、bの最小値は一般的に10mm程度となる。
【0059】
bの値が上述の範囲よりも大きいと、支持基板1の信号面1a上の一点に赤外線を集光することが困難となる。また、支持基板1に対向する面から照射される光を、集光させることが困難となる。また、bの値が大きいと、赤外線ランプユニット37が大型化するため、作業性が悪くなる。
【0060】
図5に、この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法の一例を説明するためのフローチャートを示す。
【0061】
ステップS1において、射出成形装置11にて、一主面に凹凸が形成された支持基板1を成形する。そして、ステップS2において、スパッタリング装置13にて、射出成形装置11にて成形された支持基板1の信号面1aに、スパッタリング法により、Al、Al合金またはAg合金などからなる反射層を成膜する。これにより、情報信号部2が形成される。
【0062】
ステップS3において、スピンコーティングシステム14にて、図6に示すように、支持基板1を基板載置部32に載置し、スピナー回転駆動モータ31を回転させる。このスピナー回転駆動モータ31の回転数は、例えば60〜120rpmの範囲から選ばれる。
【0063】
そして、図6に示すように、情報信号部2が形成された支持基板1の内周部に、紫外線硬化樹脂を滴下する。これにより、支持基板1の内周に沿って円環状に紫外線硬化樹脂51が塗布される。紫外線硬化樹脂を滴下する位置は、直径22〜25mmから選ばれ、例えば23mmに選ばれる。滴下される紫外線硬化樹脂の量は、1〜3gから選ばれ、例えば2gに選ばれる。
【0064】
この紫外線硬化樹脂の表面張力は、例えば35〜40dyne/cm2から選ばれる。また、紫外線硬化樹脂の粘度は、接着層3aの厚みを考慮して選ばれ、例えば100〜1000mPa・S、好ましくは500〜800mPa・Sから選ばれる。なお、この粘度の値は、測定温度25.0℃において測定されたものである。例えば、接着層の厚みが0.003mmの場合には、紫外線硬化性樹脂の粘度は100mPa・Sに選ばれる。また、接着層の厚みが0.02mmの場合には、紫外線硬化性樹脂の粘度は1000mPa・Sに選ばれる。
【0065】
ステップS4において、スピンコーティングシステム14にて、赤外線ランプユニット37を待機位置から照射開始位置に移動する。そして、スピナー回転駆動モータ31を高速回転するとともに、赤外線ランプユニット37を点灯し、照射開始位置から外周に向けて移動する。ここで、照射開始位置は、例えば半径30〜34mmの範囲から選ばれ、例えば30mmに選ばれる。
【0066】
図7は、スピンコーティング時におけるスピナー回転駆動モータ31のスピン条件の一例を示す。ここで、図7を用いて、スピナー回転駆動モータ31の制御の一例について説明する。まず、スピナー回転駆動モータ31を2秒間加速し、4500rpmの回転数に到達させる。そして、この回転数にスピナー回転駆動モータ31を1秒間保持する。その後、スピナー回転駆動モータ31を減速し、停止させる。
【0067】
図8は、赤外線ランプユニット37による照射条件の一例を示す。ここで、図8を用いて、赤外線ランプユニット37の制御の一例について説明する。まず、赤外線ランプユニット37を点灯して、支持基板1の半径30mmの位置を照射する。そして、この位置から第1移動終了点である半径34mmの位置まで、赤外線ランプユニット37を第1移動速度3mm/sで移動する。そして、第1移動終了点において0.1秒間照射を行った後、第2移動終了点である半径56mmの位置まで、赤外線ランプユニット37を第2移動速度70mm/sで移動する。その後、第2移動点において1.8秒間照射を行った後、赤外線ランプユニット37の照射を停止し、赤外線ランプユニット37を退避位置に移動する。
【0068】
ステップS5において、シート打ち抜き装置19にて、帯状のシートを円環状に打ち抜ことにより、光透過性シート3bを形成する。ステップS6において、搬送装置15により、シート打ち抜き装置19から貼り合わせ装置16に備えられた重ね合わせ器具(図示省略)に光等透過シート3bを搬送する。そして、重ね合わせ器具により、搬送された光透過性シート3bを吸着する。
【0069】
ステップS7において、搬送装置15により、スピンコーティングシステム14から貼り合わせ装置16に、紫外線硬化樹脂が信号面1aに塗布された支持基板1を搬送する。そして、ステップS8において、重ね合わせ装置17により、光透過性シート3bに対して、支持基板1の紫外線硬化樹脂が塗布された側の一主面を重ね合わせる。
【0070】
ステップS9において、UVランプ18により、光透過性シート3bが重ね合わされた支持基板1に対して、紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂が硬化し、支持基板1と光透過性シート3bとが貼り合わされる。
【0071】
本発明者は、上述のようにして製造された光ディスクの光透過層3の厚さと、従来の光ディスクの製造方法により製造された光ディスクの光透過層の厚さとをそれぞれ測定し、比較を行った。ここで、従来の光ディスクの製造方法は、上述の一実施形態による製造方法において、スピンコート法により延伸する紫外線硬化樹脂に対して赤外線を照射する処理を省略した製造方法を意味する。
【0072】
また、光透過性シートの厚さの測定は、以下のようにして行った。まず、光ディスクの半径22mmの位置において、光透過層の膜厚を5度刻みで測定した。そして、2mm外周方向に移動した半径24mmの位置において、光透過層の膜厚を5度刻みで測定した。以後、同様の測定を半径58mmの位置まで行った。以下に、この光透過層の膜厚の測定結果を示す。
【0073】
図9は、従来の光ディスクにおける測定値結果を示す表である。図10は、この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定値結果を示す表である。ここでは、便宜上、各半径における光透過層の膜厚の最大値、最小値、平均値および最大値と最小値の差Δのみを示す。
【0074】
図11は、従来の光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。図12は、この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。
【0075】
図11および図12のグラフより、従来の光ディスク製造方法では、内周から外周に向かって光透過層の厚さが上昇していたのに対して、この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法では、光透過層の厚さをほぼ一定にできることが分かる。
【0076】
図13は、この発明に一実施形態による光ディスクと、従来の光ディスクとを比較するための表である。この表において、差Δは、最大値と最小値との差を示す。
【0077】
図13より、この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法では、同一半径内における光透過層の厚さのばらつきを±1μm以内に抑えることができることが分かる。また、面内における光透過層のばらつきも±1μm以内に抑えることができることが分かる。
【0078】
この発明の一実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
スピンコート法により支持基板1の情報信号部2に紫外線硬化樹脂を塗布する際に、内周側から外周側に向かうに従って支持基板1の信号面1aに延伸された紫外線硬化樹脂の温度が上昇するように、支持基板1に延伸された紫外線硬化樹脂を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って支持基板1の信号面1aに延伸された紫外線硬化樹脂の粘度を小さくすることができる。よって、支持基板1の信号面1aに均一な光透過層3を形成することができる。すなわち、光ディスクの内周から外周までの記録/再生特性を一定にするこができる。
【0079】
従来の光ディスクの製造方法では、光ディスクの内周から外周に向かって上昇していた光透過層の厚みのばらつきを、±1μm以内に低減化することができる。
【0080】
また、スピンコート法により支持基板1の信号面1aに紫外線硬化樹脂を塗布する際に、赤外線を照射する処理を加えるだけで、均一な光透過層3を形成することができる。したがって、コンパクトディスクの保護膜形成と同程度のタクトタイムにより光透過層3を形成することができる。
【0081】
また、接着剤として用いる紫外線硬化樹脂は、紫外線照射後には完全に硬化する樹脂であるため、紫外線硬化樹脂と接触する材料との相性が良い。また、紫外線硬化樹脂を接着剤として用いることにより、接着層3aが金属反射膜と接触する場合であっても、光ディスクの耐久性の低下を回避することができる。
【0082】
安価な紫外線硬化樹脂を接着剤として用いるため、光ディスクの生産コストを抑えることができる。また、他の方法に比べ、タクトタイムを短縮することができる。
【0083】
次に、この発明の他の実施形態による光ディスクの製造方法について説明する。上述した一実施形態では、支持基板1に接着層3aを介して光透過性シート3bを貼り合わせることにより、光透過層3を形成する例について示したが、この他の実施形態では、支持基板の情報信号部上に紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化することにより、光透過層を形成する。
【0084】
具体的には、まず、上述の一実施形態と同様にして、スピンコート法により情報信号部上に紫外線硬化樹脂を均一に塗布する。そして、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、均一厚さの光透過層が形成される。
【0085】
なお、紫外線硬化樹脂により光透過層を形成する方法は、この例に限られるものではなく、支持基板の情報信号部上に紫外線硬化樹脂からなる薄膜を積層することにより、光透過層を形成するようにしてもかまわない。この場合、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化する作業を複数回繰り返すことにより、薄膜を積層する。
【0086】
また、この発明の他の実施形態による光ディスクの製造装置は、シート打ち抜き装置および貼り合わせ装置を、紫外線照射装置に換えた以外は、上述の一実施形態による光ディスク製造装置と同様の構成を有する。なお、紫外線照射装置は、支持基板1の情報信号部2上に均一に塗布された紫外線硬化樹脂を硬化するための装置である。
【0087】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0088】
例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0089】
上述の実施形態では、支持基板1の内周から外周に向かうに従って赤外線の照射時間を長くする例について示したが、支持基板1の内周から外周に向かう従って強いエネルギーの赤外線を照射するようにしてもかまわない。また、支持基板1の内周から外周に向かうに従って赤外線の照射時間を長くするとともに、強いエネルギーの赤外線を照射するようにしてもかまわない。
【0090】
上述の実施形態では、支持基板1を回転するとともに紫外線硬化樹脂を滴下することにより、支持基板1の内径に沿って円環状に紫外線硬化樹脂を塗布する例について示したが、接着剤吐出ノズル34を内周の回りに回転させるとともに紫外線硬化樹脂を滴下することにより、支持基板1の内周に沿って円環状に紫外線硬化樹脂を塗布するようにしてもかまわない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、樹脂の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように樹脂を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って情報信号部上に延伸された樹脂の粘度を小さくすることができる。よって、情報信号部上に樹脂を均一に塗布することができる。すなわち、光情報記録媒体の内周から外周までの記録および/または再生特性を一定にするこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による光ディスクの構成の一例を示す。
【図2】この発明の一実施形態による光ディスクの製造装置の一例を示す。
【図3】この発明の一実施形態によるスピンコーティングシステムの一例を示す。
【図4】この発明の一実施形態による赤外線ランプユニットの一例を示す。
【図5】この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】この発明の一実施形態によるスピンコート法を説明するための断面図である。
【図7】この発明の一実施形態によるスピナー回転駆動モータのスピン条件の一例を説明するためのグラフである。
【図8】この発明の一実施形態による赤外線ランプユニットの照射条件の一例を説明するためのグラフである。
【図9】従来の光ディスクにおける測定値結果を示す表である。
【図10】この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定値結果を示す表である。
【図11】従来の光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。
【図12】この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。
【図13】この発明に一実施形態による光ディスクと、従来の光ディスクとを比較するための表である。
【符号の説明】
1・・・支持基板、2・・・情報信号部、3・・・光透過層、3a・・・接着層、3b・・・光透過性シート、11・・・射出成形装置、12・・・搬送装置、13・・・スパッタリング装置、14・・・スピンコーティングシステム、15・・・搬送装置、16・・・貼り合わせ装置、17・・・接着装置、19・・・光透過性シート形成装置、20・・・搬送装置、21・・・検査装置、22・・・ディスク保管部
【発明の属する技術分野】
この発明は、光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体の製造装置に関し、例えば、記録層あるいは反射膜上に均一な保護層を形成することができる光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクにおいては、さらなる高記録密度化が要求されている。そこで、基板に設けられた反射膜あるいは記録層上に、0.1mmの厚さを有する光透過層を備えた次世代の光ディスクが提案されている。この光ディスクでは、青紫色のレーザ光を、高NA(例えば、0.85)の対物レンズにより集光し、この集光したレーザ光を光透過層側から反射膜あるいは記録層に照射することにより、情報信号の記録および/または再生が行われる。
【0003】
この次世代の光ディスクの製造方法として、基板に設けられた反射膜あるいは記録層上に、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を塗布し、この紫外線硬化樹脂上に光透過性シートを重ね合わせた後、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化する方法が提案されている。
【0004】
ところが、この製造方法では、光透過層の厚さが、ディスク間のみならずディスク内においても異なってしまう。すなわち、光透過層の厚さが光ディスクの内周部では薄くなり、外周部では厚くなってしまう。これは、この製造方法では、基板の内周部に沿って紫外線硬化樹脂を滴下し、基板を高速回転させて、塗布された紫外線硬化樹脂を遠心力により外周方向に向けて延伸させるためである。
【0005】
このような紫外線硬化樹脂層の厚さの変動により、レーザ光の光路長が変動し、反射膜あるいは記録層上でのスポット形状が変動してしまう。このため、安定した記録再生特性を実現することが困難となる。
【0006】
上述したように、次世代の光ディスクでは、青紫色のレーザ光を、高NAの対物レンズを用いて集光することにより、レーザスポットを小さく絞るため、反射膜あるいは記録層上でのスポット形状の変動によって、記録再生特性が大きな影響を受けてしまう。
【0007】
このため、従来、均一厚さの光透過層を基板上に形成するために、以下のような光ディスクの製造方法が提案されている。
【0008】
(1)厚みが制御された光透過性シート(例えば、厚さ80μm)の片面に、感圧型粘着剤(例えば、厚み20μm)を均一に塗工したフィルムを作製し、このフィルムを円環状に打ち抜き、これを基板に重ね合わせて圧力をかけて接着する方法。
(2)スピンコート法により紫外線硬化型樹脂を基板の一主面上に塗布し、100μmの光透過層(カバー層)を形成する光ディスクの製造方法。
(3)100μmに厚みが制御された紫外線硬化型ドライフィルムを基板に接着する方法。
【0009】
また、2枚の基板を接着剤により貼り合わせる貼り合わせ型の光ディスクの製造方法では、基板を貼り合わせるための接着剤をスピンコート法により拡げるとともに、基板の外周部を加熱することにより、接着剤の厚さを均一にするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−228038号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の光ディスクの製造方法にあっては、ぞれぞれ、以下のような問題がある。
【0012】
(1)の方法では、以下のような問題がある。
(a)感圧型粘着剤を塗工した光透過性シートは、一般に100m以上の長さを持った巻物にて納品される。したがって、100m以上の長さに渡って厚みを制御することが要求されるが、このような長さで、光透過性シートの片面に、感圧型粘着剤を均一に塗工することが困難である。このため、感圧型粘着剤が均一に塗工された光透過性シートを製造するにはコストがかかる。
(b)感圧型粘着剤は、タックを発生させなくてはならないので柔らかくせざるを得ない。そのため、使用前に巻いた状態で保管した時に、感圧型粘着剤が流動して厚みが変動したり、感圧型粘着剤がはみ出したり、さらには巻きくせがついたりするなどの問題が発生しやすい。また、光透過性シートを基板に接着した後に、感圧型粘着剤が硬化するわけではないので、使用中、保管中に関わらず長期に渡って、感圧型粘着剤が流動して厚みが変動したり、感圧型粘着剤がはみ出したりする可能性がある。
(c)光透過性シートを基板に貼り合わせる際に、光透過性シートと基板の間に気泡が混入してしまう。
(d)感圧型粘着剤は、光硬化型樹脂と比較して耐久性が劣る。感圧性粘着剤には、粘着させるために酸が使用されている場合が多いため、この感圧性粘着剤が接する層の腐食を招く。
【0013】
また(2)の方法では、以下のような問題がある。
(a)均一な厚みの光透過層を形成することが困難である。これは、高速回転による遠心力により紫外線硬化樹脂を基板上に塗布した場合、一般に紫外線硬化樹脂の厚さは内周で薄く、外周で厚くなるためである。
(b)紫外線硬化型樹脂は、光硬化に際して収縮する。これにより、光ディスクに反りが発生する。これは、紫外線硬化樹脂層の厚みが大きいほど影響が大きい。
(c)高粘度の紫外線硬化型樹脂を必要とするので、作業性(樹脂製造時、塗工時)が悪い。
具体的には、以下の問題が挙げられる。
樹脂製造時:撹拌、濾過がしにくい。粘度調整がしにくい。
塗工時:樹脂粘度が温度によって変化するため、精密な温度制御が必要となる。
【0014】
(3)の方法では、以下のような問題がある。
(a)紫外線硬化型ドライフィルムを、100±1μmで塗工するのが困難である。(1)の方法と同様に、一般に長さが100m以上の巻物にて納品される。そのため、100m以上の長さに渡って厚みを制御することが要求され、このことが塗工を困難にする。したがって、コストの上昇を招く。
(b)ドライフィルムの安定性が悪い。
ドライフィルム中には、性能を発揮するために高粘度樹脂を混合することが多い。そのため、使用前に巻物で保管した時に、高粘度樹脂が流動して厚みが変動したり、高粘度樹脂がはみ出したり、さらには巻きくせがついたりするなどの問題が発生しやすい。
(c)生産装置のコスト上昇を招く。
巻物で納品されたドライフィルムの送りだし、離型層剥離、打ち抜き、接着、硬化といった工程を踏まなければならないうえ、硬化工程まで装置内は紫外線不透過としなければならないので、生産装置が大掛かり、且つ高価になる。
(d)光透過性シートを基板に貼り合わせる際に、光透過性シートと基板の間に気泡が混入してしまう。
【0015】
すなわち、上述した(1)、(2)および(3)の方法は、どれも問題点が多い。このため、これらの方法により、良好な次世代の光ディスクを提供することは困難である。
【0016】
また、特許文献1に記載されているように、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を情報信号部上に塗布する際に、基板の外周部を加熱する光ディスクの製造方法では、光ディスクの全体に亘って光透過層の厚さのばらつきを許容範囲(同一半径内における光透過層の厚さのばらつき±1μm以内、面内における光透過層の厚さのばらつき±1μm以内)に抑えることは困難であった。これは、上述した光ディスクの製造方法が、DVDにおいて接着層の厚さを制御することを目的として提案された方法であり、また、光ディスク全体ではなく外周部のみを加熱するためである。
【0017】
したがって、この発明の目的は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、上記情報信号部が形成された上記一主面にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された上記接着剤により上記基板に対してシートを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、基板の情報信号部が形成された一主面に均一に紫外線硬化樹脂を塗布することができる光学情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0018】
また、この発明の目的は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、上記情報信号部が形成された上記一主面にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された上記接着剤により上記基板に対してシートを貼り合わせる光情報記録媒体の製造装置において、基板の情報信号部が形成された一主面に均一に紫外線硬化樹脂を塗布することができる光学情報記録媒体の製造装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願第1の発明は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、情報信号部上にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された接着剤により基板とシートとを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、
スピンコート法により情報信号部上に接着剤を塗布する際に、基板の中心から外周に至る接着剤の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、接着剤を加熱することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
【0020】
本願第2の発明は、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する工程と、
情報信号部上に1または2以上の薄膜を積層することにより保護層を形成する工程とを備え、
情報信号部上に積層される薄膜は、スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布し、硬化することにより形成される光情報記録媒体の製造方法において、
スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、基板の中心から外周に至る樹脂の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、樹脂を加熱することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
【0021】
本願第3の発明によれば、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する信号部形成手段と、
接着剤を供給する供給手段と、
基板を回転することにより、供給手段により供給された接着剤を基板の情報信号部上に塗布する駆動手段と、
駆動手段により情報信号部上に塗布された接着剤を介して、基板とシートとを貼り合わせる貼り合わせ手段と
を少なくとも備えた光情報記録媒体の製造装置において、
駆動手段により情報信号部上に接着剤を塗布する際に、基板の中心から外周に至る接着剤の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、接着剤を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置である。
【0022】
本願第4の発明によれば、情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する信号部形成手段と、
樹脂を供給する供給手段と、
基板を回転することにより、供給手段により供給された樹脂を基板の情報信号部上に塗布する駆動手段と、
駆動手段により情報信号部上に塗布された樹脂を硬化させる樹脂硬化手段と
を少なくとも備えた光情報記録媒体の製造装置において、
駆動手段により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、基板の中心から外周に至る樹脂の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、樹脂を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置である。
【0023】
本願第1および第3の発明によれば、スピンコート法により情報信号部上に接着剤を塗布する際に、接着剤の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように接着剤を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って情報信号部上に延伸された接着剤の粘度を小さくすることができる。よって、情報信号部上に接着剤を均一に塗布することができる。
【0024】
本願第2および第4の発明によれば、スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、樹脂の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように樹脂を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って情報信号部上に延伸された樹脂の粘度を小さくすることができる。よって、情報信号部上に樹脂を均一に塗布することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明は以下の検討に基づいて案出されたものである。
半径無限大の回転基板上にあるニュートン流体の運動という仮定の下、回転延展を一定時間行ったあとの流体の膜厚(h)と基板半径(r)の関係は以下の式で表せる。
h=√(3η/4ρω2t){1−(r0/r)4/3}
塗布開始位置:r0、流体の粘度:η、流体の密度:ρ、回転角速度:ω、回転時間:t
【0026】
上述の式から、中心から外周に向かうに従って流体の粘度を小さくすれば、流体の膜厚hを、基板上において一様にできることがわかる。
【0027】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、この発明の一実施形態による光ディスクの構成の一例を示す。この一実施形態による光ディスクは、図1に示すように、主として、支持基板1と、この支持基板1の情報信号面1aに形成された情報信号部2と、この情報信号部2上に形成された光透過層3とから構成される。なお、この発明の一実施形態においては、信号面1aは、支持基板1において情報信号部2が形成される側の一主面を意味する。
【0028】
この光ディスクは、光透過層3の側からレーザ光を情報信号部2に照射することにより、情報信号の再生が行われる光ディスク(例えば、Blu−ray Disc)である。
【0029】
支持基板1は、円環形状を有し、信号面1aには凹凸が形成されている。この支持基板1の厚さは、例えば1.1mmに選ばれる。また、この支持基板1の直径(外径)は、例えば120mmであり、支持基板の開口径(内径)は、例えば15mmである。
【0030】
また、支持基板1の材料としては、例えばポリカーボネート(PC)、アクリルあるいはポリオレフィンが用いられる。なお、この一実施形態による光ディスクでは、光透過層3が設けられた側からレーザ光を照射することにより情報信号の再生が行われるため、支持基板1の材料として、不透明プラスチックやAlなどの金属を用いることも可能である。
【0031】
情報信号部2は、光ディスクが再生専用型である場合には、例えば、Au、Ag、Ag合金、Al、Al合金あるいは白金からなる反射膜からなる。なお、この発明は再生専用型の光ディスクに限定されるものではなく、追記型あるいは書き換え可能型の光ディスクに適用することも可能である。
【0032】
光ディスクが追記型あるいは書き換え可能型である場合には、情報信号部2は、例えば、支持基板1の信号面1a上に、情報信号を記録/再生するための記録層、反射膜を順次積層して形成される。反射膜の材料としては、例えば、Au、Ag、Ag合金、Al、Al合金あるいは白金が用いられる。光ディスクが追記型である場合には、記録層は、例えば、Si02、SiN、Dye、Si02を反射膜上に順次積層することにより形成される。なお、反射膜の膜厚は、信号再生波長(例えば405nm)において、所定の反射率が得られる膜厚(例えば、信号再生波長405nmにおける反射率を60%としたとき、35nm)である。
【0033】
光透過層3は、接着層3a、透過性シート3bを情報信号部2上に順次積層することにより構成される。また、接着層3aは、紫外線硬化樹脂を硬化することにより形成される。この紫外線硬化樹脂としては、例えばウレタンあるいはエポキシ系のアクリレートが用いられる。なお、接着層3bの材料は、紫外線硬化樹脂に限定されるものではなく、紫外線硬化型以外の光硬化樹脂であってもかまわない。
【0034】
また、接着層3aを構成する材料には、固形分や有機溶剤(粘度調整目的)が含まれていないことが好ましい。これは、光ディスクの信頼性の低下を防ぐためである。接着層3aに固形分が含まれると、重合度が下がり、すなわち、充分な照度、光量にて硬化させても反応率が低くなり、未反応のアクリレートが支持基板1や情報信号部2を腐食させる。また、接着層3aに有機溶剤が含まれると、この有機溶剤が、支持基板1や情報信号部2の腐食を招く。
【0035】
光透過性シート3bは、支持基板1におけると同様に、平面円環形状を有する。この光透過性シート3bの直径(外径)は、119.0〜119.9mmから選ばれ、好ましくは119.5mmに選ばれる。一方、光透過性シート3bの内径は、15.0mm〜25.0mmから選ばれ、好ましくは20.0mm〜22.0mmから選ばれる。また、この光透過性シート3bの厚さは、例えば0.09mmである。なお、この光透過性シート3bの厚さは、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長や、光透過層3の所望とする膜厚を考慮して決定される。
【0036】
光透過性シート3bの材料としては、少なくとも再生に用いられるレーザ光を透過可能な光学特性を満足した材料が選ばれ、例えば、ポリカーボネートあるいはポリオレフィンが選ばれる。なお、接着性を考慮した場合、ポリカーボネートを選ぶことが好ましい。また、光透過性シート3bの材料としては用いられるポリカーボネートの重合方法は特に限定されるものではない。
【0037】
この光透過性シート3bは、例えば、厚みの均一性および等方性(低複屈折)が十分に確保されたフィルムを、円環状に打ち抜くことにより形成される。このフィルムとして、例えば、流延法により製造されたフィルム(例えば、ピュアエース(帝人株式会社))などが用いられる。
【0038】
図2に、この発明の一実施形態による光ディスクの製造装置の一例を示す。この光ディスクの製造装置は、図2に示すように、主として、射出成形装置11、搬送装置12、スパッタリング装置13、スピンコーティングシステム14、搬送装置15、貼り合わせ装置16、シート打ち抜き装置19、搬送装置20、検査装置21およびディスク保管部22から構成される。
【0039】
射出成形装置11は、予めスタンパが取り付けられた金型のキャビティー内に溶解した樹脂を充填することにより、支持基板1を成形する。搬送装置12は、射出成形装置11にて成形された支持基板1を、射出成形装置11からスパッタリング装置13に搬送するとともに、スパッタリング装置13にて情報信号部2が成形されたが支持基板1を、スパッタリング装置13からスピンコーティングシステム14に搬送する。
【0040】
スパッタリング装置13は、射出成形装置11から搬送された支持基板1の信号面1aに、スパッタリングにより反射膜を成膜することにより、情報信号部2を形成する。スピンコーティングシステム14は、スパッタリング装置13から供給された支持基板1の情報信号部2にスピンコートにより紫外線硬化樹脂を塗布する。
【0041】
シート打ち抜き装置19は、帯状のシートを円環状に打ち抜くことにより光透過性シート3bを形成する装置であり、帯状のシートが巻き付けられているシート供給部、帯状のシートを円環状に打ち抜くことにより光透過性シート3bを形成するシート打ち抜き用プレス機、および打ち抜かれたシートを回収する回収部(いずれも図示省略)を備える。
【0042】
搬送装置15は、スピンコーティングシステム14にて情報信号部2上に紫外線硬化樹脂が塗布された支持基板1を、スピンコーティングシステム14から貼り合わせ装置16に搬送する。また、搬送装置15は、打ち抜き装置19から貼り合わせ装置16に光透過性シート3bを供給する。
【0043】
貼り合わせ装置16は、シート打ち抜き装置19から搬送された光透過性シート3bに対して、支持基板1を貼り合わせるための装置であり、重ね合わせ装置17およびUVランプ18などを備える。重ね合わせ装置17が、光透過性シート3bに対して、支持基板1の紫外線硬化樹脂が塗布された側の一主面を重ね合わせる。そして、UVランプ18が、光透過性シート3bが重ね合わされた支持基板1に対して、紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂が硬化し、支持基板1と光透過性シート3bとが貼り合わされる。搬送装置20は、製造された光ディスクを貼り合わせ装置16から検査装置21に搬送する。
【0044】
検査装置21は、貼り合わせ装置16から搬送された光ディスクを検査し、良品と判断された光ディスクをディスク保管部22に供給し、不良品と判断された光ディスクを検査装置に備えられた排出部より排出する。この検査装置21では、例えば、製造された光ディスクの光透過層3の均一性、支持基板1に対する光透過性シート3bの貼り合わせ位置および情報信号部の欠陥の有無などが検査される。ディスク保管部22は、検査装置21にて良好なディスクであると判別された光ディスクを保管するためのものである。
【0045】
図3に、この発明の一実施形態によるスピンコーティングシステムの一例を示す。このスピンコーティングシステムは、図3に示すように、スピナー回転駆動モータ31、基板載置部32、チャンバ33、接着剤吐出ノズル34、支持部35、一軸ロボット36、赤外線ランプユニット37および取り出しロボット38を備える。
【0046】
スピナー回転駆動モータ31は、基板載置部32に載置された支持基板1を回転する。基板載置部32は、支持基板1を載置するためのものであり、支持基板1を載置するための平面を有し、この平面には支持基板1を真空吸着するための吸着孔を複数備える。
【0047】
チャンバ33は、支持基板1の回転により外周方向に霧状に飛散した紫外線硬化樹脂を回収するためのものである。接着剤吐出ノズル34は、基板載置部32に載置された支持基板1に紫外線硬化樹脂を滴下するためのノズルであり、支持部35に移動可能に支持されている。
【0048】
一軸ロボット36は、赤外線ランプユニット37を水平方向に移動する。具体的には、この一軸ロボット36は、赤外線照射時には赤外線ランプユニット37を基板載置部32に載置された支持基板1上に移動する。赤外線照射終了後には赤外線ランプユニット37をチャンバ33の外側の退避ポジションに移動する。取り出しロボット38は、紫外線硬化樹脂が情報信号部2上に塗布された支持基板1を、基板載置部32から取り出すためのロボットである。
【0049】
赤外線ランプユニット37は、基板載置部32に載置された支持基板1に赤外線を照射する。赤外線ランプユニット37から照射される赤外線は、支持基板1の信号面1a上の一点に集光される。
【0050】
図4に、この発明の一実施形態による赤外線ランプユニット37の一例を示す。赤外線ランプユニット37は、図4に示すように、ランプハウス41、ランプバルブ42および反射鏡43を備える。
【0051】
ランプハウス41は反射鏡43を収納し、この収納された反射鏡43の中央部には、ランプバルブ42が固定される。このランプハウス41は、一軸ロボット36に取り付けられる。このランプハウス41は、反射鏡43を保護するとともに、外部への熱放射を防止する効果を有する。また、一軸ロボット36へのランプバルブ42の取付けを容易にする効果も有する。
【0052】
ランプバルブ42としては、可視から赤外にかけて高照度のハロゲンランプや赤外線ランプが用いられ、好ましくは、色温度2900K、電力350Wの特性を有するランプが用いられる。
【0053】
反射鏡43は、ランプバルブ42により照射された光を反射させるためのものであり、回転楕円面状に形成されている。この回転楕円面は、式(1)に示す平面状の楕円を長軸の回りを1回転して得られる回転面である。
【0054】
(x2/a2)+(y2/b2)=1 (1)
ここで、aは22〜100mmの範囲から選ばれ、例えば52.5mmに選ばれる。bは10〜40mmの範囲から選ばれ、例えば34mmに選ばれる。
【0055】
この(1)式で示される楕円の一方の焦点には、ランプバルブ42が位置し、他方の焦点fには、基板載置部32に載置された支持基板1の信号面1a内の一点が位置する。
【0056】
aの値が上述の範囲よりも小さいと、例えば、次のような問題が生じる。すなわち、赤外線ランプユニット37が支持基板1に近づきすぎて、スピン時に発生する支持基板1上方の空気の流れを乱して、均一なスピンが困難になる。赤外線ランプユニット37が、スピン時に支持基板1の近傍に発生するミストにさらされ、汚れてしまう。
【0057】
aの値が上述の範囲よりも大きいと、例えば、次のような問題を生じる。すなわち、赤外線ランプユニット37と支持基板1の距離が大きくなるので、支持基板1の信号面1aにおいて点光源を実現することが困難となる。すなわち、支持基板1に対向する面から照射される光を、集光させることが困難となる。
【0058】
bの値は、装置を小型化するためには小さいことが望ましい。bの最小値はランプ外径により規定される。一般的に熱を取り出すためのハロゲンランプや赤外線ランプの外径は10mm以上であるため、bの最小値は一般的に10mm程度となる。
【0059】
bの値が上述の範囲よりも大きいと、支持基板1の信号面1a上の一点に赤外線を集光することが困難となる。また、支持基板1に対向する面から照射される光を、集光させることが困難となる。また、bの値が大きいと、赤外線ランプユニット37が大型化するため、作業性が悪くなる。
【0060】
図5に、この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法の一例を説明するためのフローチャートを示す。
【0061】
ステップS1において、射出成形装置11にて、一主面に凹凸が形成された支持基板1を成形する。そして、ステップS2において、スパッタリング装置13にて、射出成形装置11にて成形された支持基板1の信号面1aに、スパッタリング法により、Al、Al合金またはAg合金などからなる反射層を成膜する。これにより、情報信号部2が形成される。
【0062】
ステップS3において、スピンコーティングシステム14にて、図6に示すように、支持基板1を基板載置部32に載置し、スピナー回転駆動モータ31を回転させる。このスピナー回転駆動モータ31の回転数は、例えば60〜120rpmの範囲から選ばれる。
【0063】
そして、図6に示すように、情報信号部2が形成された支持基板1の内周部に、紫外線硬化樹脂を滴下する。これにより、支持基板1の内周に沿って円環状に紫外線硬化樹脂51が塗布される。紫外線硬化樹脂を滴下する位置は、直径22〜25mmから選ばれ、例えば23mmに選ばれる。滴下される紫外線硬化樹脂の量は、1〜3gから選ばれ、例えば2gに選ばれる。
【0064】
この紫外線硬化樹脂の表面張力は、例えば35〜40dyne/cm2から選ばれる。また、紫外線硬化樹脂の粘度は、接着層3aの厚みを考慮して選ばれ、例えば100〜1000mPa・S、好ましくは500〜800mPa・Sから選ばれる。なお、この粘度の値は、測定温度25.0℃において測定されたものである。例えば、接着層の厚みが0.003mmの場合には、紫外線硬化性樹脂の粘度は100mPa・Sに選ばれる。また、接着層の厚みが0.02mmの場合には、紫外線硬化性樹脂の粘度は1000mPa・Sに選ばれる。
【0065】
ステップS4において、スピンコーティングシステム14にて、赤外線ランプユニット37を待機位置から照射開始位置に移動する。そして、スピナー回転駆動モータ31を高速回転するとともに、赤外線ランプユニット37を点灯し、照射開始位置から外周に向けて移動する。ここで、照射開始位置は、例えば半径30〜34mmの範囲から選ばれ、例えば30mmに選ばれる。
【0066】
図7は、スピンコーティング時におけるスピナー回転駆動モータ31のスピン条件の一例を示す。ここで、図7を用いて、スピナー回転駆動モータ31の制御の一例について説明する。まず、スピナー回転駆動モータ31を2秒間加速し、4500rpmの回転数に到達させる。そして、この回転数にスピナー回転駆動モータ31を1秒間保持する。その後、スピナー回転駆動モータ31を減速し、停止させる。
【0067】
図8は、赤外線ランプユニット37による照射条件の一例を示す。ここで、図8を用いて、赤外線ランプユニット37の制御の一例について説明する。まず、赤外線ランプユニット37を点灯して、支持基板1の半径30mmの位置を照射する。そして、この位置から第1移動終了点である半径34mmの位置まで、赤外線ランプユニット37を第1移動速度3mm/sで移動する。そして、第1移動終了点において0.1秒間照射を行った後、第2移動終了点である半径56mmの位置まで、赤外線ランプユニット37を第2移動速度70mm/sで移動する。その後、第2移動点において1.8秒間照射を行った後、赤外線ランプユニット37の照射を停止し、赤外線ランプユニット37を退避位置に移動する。
【0068】
ステップS5において、シート打ち抜き装置19にて、帯状のシートを円環状に打ち抜ことにより、光透過性シート3bを形成する。ステップS6において、搬送装置15により、シート打ち抜き装置19から貼り合わせ装置16に備えられた重ね合わせ器具(図示省略)に光等透過シート3bを搬送する。そして、重ね合わせ器具により、搬送された光透過性シート3bを吸着する。
【0069】
ステップS7において、搬送装置15により、スピンコーティングシステム14から貼り合わせ装置16に、紫外線硬化樹脂が信号面1aに塗布された支持基板1を搬送する。そして、ステップS8において、重ね合わせ装置17により、光透過性シート3bに対して、支持基板1の紫外線硬化樹脂が塗布された側の一主面を重ね合わせる。
【0070】
ステップS9において、UVランプ18により、光透過性シート3bが重ね合わされた支持基板1に対して、紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂が硬化し、支持基板1と光透過性シート3bとが貼り合わされる。
【0071】
本発明者は、上述のようにして製造された光ディスクの光透過層3の厚さと、従来の光ディスクの製造方法により製造された光ディスクの光透過層の厚さとをそれぞれ測定し、比較を行った。ここで、従来の光ディスクの製造方法は、上述の一実施形態による製造方法において、スピンコート法により延伸する紫外線硬化樹脂に対して赤外線を照射する処理を省略した製造方法を意味する。
【0072】
また、光透過性シートの厚さの測定は、以下のようにして行った。まず、光ディスクの半径22mmの位置において、光透過層の膜厚を5度刻みで測定した。そして、2mm外周方向に移動した半径24mmの位置において、光透過層の膜厚を5度刻みで測定した。以後、同様の測定を半径58mmの位置まで行った。以下に、この光透過層の膜厚の測定結果を示す。
【0073】
図9は、従来の光ディスクにおける測定値結果を示す表である。図10は、この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定値結果を示す表である。ここでは、便宜上、各半径における光透過層の膜厚の最大値、最小値、平均値および最大値と最小値の差Δのみを示す。
【0074】
図11は、従来の光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。図12は、この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。
【0075】
図11および図12のグラフより、従来の光ディスク製造方法では、内周から外周に向かって光透過層の厚さが上昇していたのに対して、この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法では、光透過層の厚さをほぼ一定にできることが分かる。
【0076】
図13は、この発明に一実施形態による光ディスクと、従来の光ディスクとを比較するための表である。この表において、差Δは、最大値と最小値との差を示す。
【0077】
図13より、この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法では、同一半径内における光透過層の厚さのばらつきを±1μm以内に抑えることができることが分かる。また、面内における光透過層のばらつきも±1μm以内に抑えることができることが分かる。
【0078】
この発明の一実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
スピンコート法により支持基板1の情報信号部2に紫外線硬化樹脂を塗布する際に、内周側から外周側に向かうに従って支持基板1の信号面1aに延伸された紫外線硬化樹脂の温度が上昇するように、支持基板1に延伸された紫外線硬化樹脂を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って支持基板1の信号面1aに延伸された紫外線硬化樹脂の粘度を小さくすることができる。よって、支持基板1の信号面1aに均一な光透過層3を形成することができる。すなわち、光ディスクの内周から外周までの記録/再生特性を一定にするこができる。
【0079】
従来の光ディスクの製造方法では、光ディスクの内周から外周に向かって上昇していた光透過層の厚みのばらつきを、±1μm以内に低減化することができる。
【0080】
また、スピンコート法により支持基板1の信号面1aに紫外線硬化樹脂を塗布する際に、赤外線を照射する処理を加えるだけで、均一な光透過層3を形成することができる。したがって、コンパクトディスクの保護膜形成と同程度のタクトタイムにより光透過層3を形成することができる。
【0081】
また、接着剤として用いる紫外線硬化樹脂は、紫外線照射後には完全に硬化する樹脂であるため、紫外線硬化樹脂と接触する材料との相性が良い。また、紫外線硬化樹脂を接着剤として用いることにより、接着層3aが金属反射膜と接触する場合であっても、光ディスクの耐久性の低下を回避することができる。
【0082】
安価な紫外線硬化樹脂を接着剤として用いるため、光ディスクの生産コストを抑えることができる。また、他の方法に比べ、タクトタイムを短縮することができる。
【0083】
次に、この発明の他の実施形態による光ディスクの製造方法について説明する。上述した一実施形態では、支持基板1に接着層3aを介して光透過性シート3bを貼り合わせることにより、光透過層3を形成する例について示したが、この他の実施形態では、支持基板の情報信号部上に紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化することにより、光透過層を形成する。
【0084】
具体的には、まず、上述の一実施形態と同様にして、スピンコート法により情報信号部上に紫外線硬化樹脂を均一に塗布する。そして、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、均一厚さの光透過層が形成される。
【0085】
なお、紫外線硬化樹脂により光透過層を形成する方法は、この例に限られるものではなく、支持基板の情報信号部上に紫外線硬化樹脂からなる薄膜を積層することにより、光透過層を形成するようにしてもかまわない。この場合、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化する作業を複数回繰り返すことにより、薄膜を積層する。
【0086】
また、この発明の他の実施形態による光ディスクの製造装置は、シート打ち抜き装置および貼り合わせ装置を、紫外線照射装置に換えた以外は、上述の一実施形態による光ディスク製造装置と同様の構成を有する。なお、紫外線照射装置は、支持基板1の情報信号部2上に均一に塗布された紫外線硬化樹脂を硬化するための装置である。
【0087】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0088】
例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0089】
上述の実施形態では、支持基板1の内周から外周に向かうに従って赤外線の照射時間を長くする例について示したが、支持基板1の内周から外周に向かう従って強いエネルギーの赤外線を照射するようにしてもかまわない。また、支持基板1の内周から外周に向かうに従って赤外線の照射時間を長くするとともに、強いエネルギーの赤外線を照射するようにしてもかまわない。
【0090】
上述の実施形態では、支持基板1を回転するとともに紫外線硬化樹脂を滴下することにより、支持基板1の内径に沿って円環状に紫外線硬化樹脂を塗布する例について示したが、接着剤吐出ノズル34を内周の回りに回転させるとともに紫外線硬化樹脂を滴下することにより、支持基板1の内周に沿って円環状に紫外線硬化樹脂を塗布するようにしてもかまわない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、スピンコート法により情報信号部上に樹脂を塗布する際に、樹脂の温度が基板の中心から外周に向かうに従って上昇するように樹脂を加熱するため、内周側から外周側に向かうに従って情報信号部上に延伸された樹脂の粘度を小さくすることができる。よって、情報信号部上に樹脂を均一に塗布することができる。すなわち、光情報記録媒体の内周から外周までの記録および/または再生特性を一定にするこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による光ディスクの構成の一例を示す。
【図2】この発明の一実施形態による光ディスクの製造装置の一例を示す。
【図3】この発明の一実施形態によるスピンコーティングシステムの一例を示す。
【図4】この発明の一実施形態による赤外線ランプユニットの一例を示す。
【図5】この発明の一実施形態による光ディスクの製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】この発明の一実施形態によるスピンコート法を説明するための断面図である。
【図7】この発明の一実施形態によるスピナー回転駆動モータのスピン条件の一例を説明するためのグラフである。
【図8】この発明の一実施形態による赤外線ランプユニットの照射条件の一例を説明するためのグラフである。
【図9】従来の光ディスクにおける測定値結果を示す表である。
【図10】この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定値結果を示す表である。
【図11】従来の光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。
【図12】この発明の一実施形態による光ディスクにおける測定結果に基づき作成されたグラフである。
【図13】この発明に一実施形態による光ディスクと、従来の光ディスクとを比較するための表である。
【符号の説明】
1・・・支持基板、2・・・情報信号部、3・・・光透過層、3a・・・接着層、3b・・・光透過性シート、11・・・射出成形装置、12・・・搬送装置、13・・・スパッタリング装置、14・・・スピンコーティングシステム、15・・・搬送装置、16・・・貼り合わせ装置、17・・・接着装置、19・・・光透過性シート形成装置、20・・・搬送装置、21・・・検査装置、22・・・ディスク保管部
Claims (24)
- 情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成し、上記情報信号部上にスピンコート法により接着剤を塗布し、塗布された上記接着剤により上記基板とシートとを貼り合わせる光情報記録媒体の製造方法において、
スピンコート法により上記情報信号部上に接着剤を塗布する際に、上記基板の中心から外周に至る上記接着剤の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、上記接着剤を加熱することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。 - 上記接着剤に赤外線を照射することにより、上記接着剤を加熱することを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記赤外線は、上記基板の一主面上の一点に集光されることを特徴とする請求項2記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記赤外線は、回転楕円面状の反射鏡により、上記基板の一主面上の一点に集光されることを特徴とする請求項3記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記接着剤が、光硬化樹脂であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記シートが光透過性を有し、上記シート側から上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光が照射されることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する工程と、
上記情報信号部上に1または2以上の薄膜を積層することにより保護層を形成する工程とを備え、
上記情報信号部上に積層される薄膜は、スピンコート法により上記情報信号部上に樹脂を塗布し、硬化することにより形成される光情報記録媒体の製造方法において、
スピンコート法により上記情報信号部上に樹脂を塗布する際に、上記基板の中心から外周に至る上記樹脂の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、上記樹脂を加熱することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。 - 上記樹脂に赤外線を照射することにより、上記樹脂を加熱することを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記赤外線は、上記基板の一主面上の一点に集光されることを特徴とする請求項8記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記赤外線は、回転楕円面状の反射鏡により、上記基板の一主面上の一点に集光されることを特徴とする請求項9記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記樹脂が、光硬化樹脂であることを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 上記保護層が光透過性を有し、上記保護層側から上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光が照射されることを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する信号部形成手段と、
接着剤を供給する供給手段と、
上記基板を回転することにより、上記供給手段により供給された接着剤を上記情報信号部上に塗布する駆動手段と、
上記駆動手段により上記情報信号部上に塗布された接着剤を介して、上記基板とシートとを貼り合わせる貼り合わせ手段と
を少なくとも備えた光情報記録媒体の製造装置において、
上記駆動手段により上記情報信号部上に接着剤を塗布する際に、上記基板の中心から外周に至る上記接着剤の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、上記接着剤を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置。 - 上記加熱手段は、赤外線により上記接着剤を加熱することを特徴とする請求項13記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記加熱手段は、赤外線を放射する放射部と、上記放射部により放射された赤外線を上記基板の一主面上の一点に集光させる反射鏡とを備えることを特徴とする請求項14記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記反射鏡は、回転楕円面状の形状を有することを特徴とする請求項15記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記接着剤が、光硬化樹脂であることを特徴とする請求項13記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記シートが光透過性を有し、上記シート側から上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光が照射されることを特徴とする請求項13記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 情報信号を記録および/または再生するための情報信号部を基板の一主面に形成する信号部形成手段と、
樹脂を供給する供給手段と、
上記基板を回転することにより、上記供給手段により供給された樹脂を上記情報信号部上に塗布する駆動手段と、
上記駆動手段により上記情報信号部上に塗布された樹脂を硬化させる樹脂硬化手段と
を少なくとも備えた光情報記録媒体の製造装置において、
上記駆動手段により上記情報信号部上に樹脂を塗布する際に、上記基板の中心から外周に至る上記樹脂の温度分布が外周に向かうに従って上昇するように、上記樹脂を加熱する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置。 - 上記加熱手段は、赤外線により上記樹脂を加熱することを特徴とする請求項19記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記加熱手段は、赤外線を放射する放射部と、上記放射部により放射された赤外線を上記基板の一主面上の一点に集光させる反射鏡とを備えることを特徴とする請求項20記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記反射鏡は、回転楕円面状の形状を有することを特徴とする請求項21記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 上記樹脂が、光硬化樹脂であることを特徴とする請求項19記載の光情報記録媒体の製造装置。
- 硬化された上記樹脂が光透過性を有し、硬化された上記樹脂側から上記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光が照射されることを特徴とする請求項19記載の光情報記録媒体の製造装置。
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