JP2004102452A - メモリ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の処理手段2,3…から共有メモリ4への転送要求を調停するメモリ制御手段5を備えたメモリ装置において、メモリ制御手段5に、データ転送の実行サイクルを複数回に分割するための分割パラメータが設定される分割回数設定レジスタを設け、メモリ制御手段5が、いずれかの処理手段のデータ転送を許可した後に、他の処理手段からのデータ転送要求がある場合、他の処理手段が転送要求するデータを前記分割パラメータに従って分割し、分割データの少なくとも一単位の転送を割り込ませる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の処理手段と共有メモリとの間のデータ転送を実現するためのメモリ装置に関するものであり、特に、転送のリアルタイム性が追求されるシステムにおいて、より効果を奏するメモリ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
それぞれが個別のメモリを有して処理を実行する処理手段を複数組み合わせてシステムを構築する場合、システムの低コスト化と低消費電力化を目的として、それぞれの処理手段が有している比較的小容量のメモリに代えて、1つの共有メモリをシステム内に備え、その共有メモリを複数の処理手段が効率的に利用できるようにするメモリ転送方法が一般的に用いられている。
【0003】
上記のような方法を用いた従来のメモリ転送装置の一例を図22に示す。
【0004】
図22に示す従来のメモリ転送装置101は、第1の処理手段102および第2の処理手段103と、第1の処理手段102と第2の処理手段103が処理を実行するために必要な共有メモリ104と、第1の処理手段102と第2の処理手段103からの転送要求を調停し、効率的に共有メモリ104とのデータ転送を制御するメモリ制御手段105とから構成される。ここでは説明を簡略化するため処理手段を2つ設けてメモリ転送装置を構成しているが、処理手段は2つに限らず複数備える場合もある。
【0005】
第1の処理手段102、および第2の処理手段103は、共有メモリ104とのデータ転送を必要とするタイミングで、メモリ制御手段105に対してそれぞれ転送要求REQa、およびREQbを出力する。
【0006】
メモリ制御手段105は、第1の処理手段102、および第2の処理手段103からの転送要求REQa、REQbを入力とし、予め決められた転送要求の優先順位に従って共有メモリ104とのデータ転送を許可し、第1の処理手段102、および第2の処理手段103に対してそれぞれ転送許可ACKa、ACKbを出力し、共有メモリ104とのデータ転送を実行するように制御する。第1の処理手段102および第2の処理手段103が要求するデータ転送量は、予めメモリ制御手段105の内部で決定されており、その転送量に従いデータ転送を実行する。また、ここでは、第1の処理手段102からの転送要求REQaの方が、第2の処理手段103からの転送要求REQbよりも優先順位が高いと仮定して、以後説明していく。
【0007】
図22のメモリ転送装置を用いたデータ転送のタイミングチャートを、図23に示す。
【0008】
時刻T1において、第1の処理手段102および第2の処理手段103から同時にメモリ制御手段105に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段102からの転送要求REQaが許可され、第1の処理手段102に対して転送許可ACKaが出力され、共有メモリ104とのデータ転送が実行される。
【0009】
時刻T1において同時に出力された第2の処理手段103からの転送要求REQbは、第1の処理手段102と共有メモリ104とのデータ転送実行中は、転送が許可されないため、転送要求REQbをホールドする。
【0010】
第1の処理手段102と共有メモリ104とのデータ転送が完了(時刻T2)した後、時刻T3において、第2の処理手段103からの転送要求REQbがメモリ制御手段105にて許可され(転送要求における優先順位の高いREQaが時刻T3において出力されていないため)、第2の処理手段103に対して、転送許可ACKbが出力され、共有メモリ104とのデータ転送が実行される。
【0011】
このような従来の方法では、第1の処理手段102と共有メモリ104とのデータ転送実行中(T4)は、第2の処理手段103からの転送要求REQbは許可されず、第2の処理手段のリアルタイム性が確保できない場合がある。また、第2の処理手段103と共有メモリ104とのデータ転送実行中に、第1の処理手段からの転送要求REQaが出力された場合も同様に、データ転送が完了するまで転送許可ACKaが出力されず、第1の処理手段のリアルタイム性が確保できない場合が発生する。特に、第1の処理手段102および第2の処理手段103と、共有メモリ104とのデータ転送(T4)が、画像処理システムにおける画像データのライン転送の場合等は、このような問題は顕著に現れてしまい、結果的にシステムのパフォーマンスに大きな影響を及ぼす。
【0012】
このため、図24に示すように第1の処理手段102および第2の処理手段103からのデータ転送を複数回に分割して実行し、互いのリアルタイム性を損なうことのないように、メモリ制御部105に対して転送要求を複数回に分けて出力するといった手法も用いられている。
【0013】
なお、システム全体の動作効率を向上させるために、データ転送動作中に、データ転送バスを使用しないタスクを優先して起動する従来技術が、以下に示す特許文献1に記載されている。ただし、この従来技術は、共有メモリに対する転送要求の調停とは異なるものである。
【0014】
【特許文献1】
特開平5−233525号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した図24に示す方法を採用する場合には、メモリ制御手段105の設計変更だけではなく、複数の処理手段(ここでは第1の処理手段102および第2の処理手段103)において、処理手段からの転送要求を複数回に分けて出力するといった設計変更まで行う必要があり、過去の設計資産を効率的にリユース(再利用)し、早期にシステム開発を行っていくという点で非常に大きな課題となっていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するため、本発明にかかるメモリ装置は、複数の処理手段と、前記複数の処理手段がアクセスする共有メモリとを有し、前記複数の処理手段から前記共有メモリへの転送要求を調停し、前記複数の処理手段と前記共有メモリとの間のデータ転送を制御するメモリ制御手段を備え、前記メモリ制御手段に、前記処理手段と前記共有メモリとの間のデータ転送の実行サイクルを複数回に分割するための分割パラメータが設定される分割パラメータ設定レジスタが設けられ、前記メモリ制御手段が、前記複数の処理手段のいずれかと前記共有メモリとの間のデータ転送を許可した後に、他の処理手段からのデータ転送要求がある場合、当該他の処理手段が転送要求するデータを前記分割パラメータに従って分割し、分割データの少なくとも一単位の転送を割り込ませることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のメモリ装置によれば、メモリ制御手段の新規設計あるいは設計変更だけでよく、複数の処理手段それぞれの転送方式まで設計変更する必要がないため、過去の設計資産を効率的にリユースした早期システム開発を実現することが可能となる。
【0018】
本発明のメモリ装置において、分割パラメータは、転送の実行サイクルの分割回数、または、転送要求されたデータを複数回に分割するための1回分のデータ量であることが好ましい。
【0019】
本発明のメモリ装置において、前記メモリ制御手段が、分割データの一単位の転送が終了する毎に、他の処理手段からのデータ転送要求の有無を確認し、他の処理手段からのデータ転送要求があれば、割り込ませるか否かを判断することが好ましい。
【0020】
前記分割パラメータは、前記複数の処理手段の全てに共通の値であっても良いし、各処理手段毎に分割パラメータを設定するために、分割パラメータ設定レジスタが、前記複数の処理手段と同数設けられた構成としても良い。
【0021】
本発明のメモリ装置において、前記メモリ制御手段に、前記複数の処理手段の優先順位を設定する優先度設定レジスタがさらに設けられたことが好ましい。また、メモリ制御手段が、他の処理手段からのデータ転送要求がある場合、データ転送を実行中の処理手段よりも優先順位の高い処理手段からのデータ転送要求であれば割り込ませる構成としても良い。あるいは、メモリ制御手段が、前記複数の処理手段のいずれかと前記共有メモリとの間のデータ転送を許可した後に、当該処理手段よりも優先順位の高い処理手段からデータ転送要求があった場合、それまで実行していたデータ転送を中断し、各処理手段が転送要求するデータを前記分割パラメータに従って分割したデータ量を一単位として、各処理手段からのデータ転送要求を調停することとしても良い。
【0022】
本発明のメモリ装置において、前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送の実行中にデータ転送の割り込みを許可する他の処理手段を設定する転送許可テーブルがさらに設けられ、前記メモリ制御手段が、前記複数の処理手段のいずれかと前記共有メモリとの間のデータ転送を許可した後に、他の処理手段からのデータ転送要求があった場合、前記転送許可テーブルを参照して割り込みを許可するか否かを判断することが好ましい。
【0023】
本発明のメモリ装置において、前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送の実行中に他の処理手段のデータ転送の割り込みを許可する回数を設定する制限回数設定レジスタがさらに設けられ、前記メモリ制御手段が、各処理手段のデータ転送に対して、前記制限回数設定レジスタに設定された回数を超えない回数だけ、他の処理手段のデータ転送を割り込ませることが好ましい。
【0024】
本発明のメモリ装置において、各処理手段の転送実行時間を測定するタイマをさらに備えると共に、前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送を開始した後に他の処理手段のデータ転送の割り込みを許可する期間を設定する制限時間設定レジスタがさらに設けられ、前記メモリ制御手段が、各処理手段に対して、前記制限時間設定レジスタに設定された期間にのみ他の処理手段のデータ転送を割り込ませることが好ましい。
【0025】
本発明のメモリ装置において、各処理手段の転送実行時間を測定するタイマをさらに備えると共に、前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送を開始した後に他の処理手段のデータ転送の割り込みを許可する期間を設定する制限時間設定レジスタがさらに設けられ、前記メモリ制御手段が、各処理手段のデータ転送を開始してから、前記制限時間設定レジスタに設定された期間が経過した後は、他の処理手段に対してデータ転送要求の出力を禁止することが好ましい。
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の具体的な実施形態について説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるメモリ転送装置11の構成を示すブロック図である。なお、ここでは説明を簡略化するため、複数の処理手段として、2個の処理手段を備えた構成を例示するが、処理手段の個数は2個に限定されない。
【0028】
本実施形態のメモリ転送装置11は、図1に示すように、共有メモリ4と、共有メモリ4とのデータ転送を必要とする複数の処理手段(第1の処理手段2および第2の処理手段3)と、メモリ制御手段5と、レジスタ設定端子6とを備えた構成である。
【0029】
メモリ制御手段5は、分割回数設定レジスタNと、優先度設定レジスタP0,P1とを備え、第1の処理手段2および第2の処理手段3から共有メモリ4への転送要求があった場合に、転送許可の調停を行う。レジスタ設定端子6は、メモリ制御手段5の動作制御に必要な、分割回数設定レジスタNと優先度設定レジスタP0,P1の設定を行う。
【0030】
分割回数設定レジスタNは、複数の処理手段に共通に割り当てられる。分割回数設定レジスタNには、共有メモリ4とのデータ転送をそれぞれ分割して許可するための回数が設定される。優先度設定レジスタP0、P1には、第1の処理手段2および第2の処理手段3からの転送要求の優先度が、個別に設定される。
【0031】
図1のメモリ転送装置11のメモリ制御手段5の動作フローを、図2(a)および(b)に示す。図2(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図2(b)は、図2(a)のフローチャート中の転送処理の詳細を示す。
【0032】
まず、分割回数設定レジスタNおよび優先度設定レジスタP0、P1をレジスタ設定端子6より設定する(ステップ0)。
【0033】
ここでは、例えば、N=4(4分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)のように設定したものとして、以後の動作を説明する。
【0034】
時刻T1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から、メモリ制御手段5に対して、転送要求が同時に出力された場合(ステップ1)、優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaをクリア(ステップ2−0)して、順番1に第1の処理手段2を設定して(ステップ2−1)、順番1である第1の処理手段2の転送処理を行う(ステップ2)。この「順番1」および後述の「順番2」は、メモリ制御手段5内に設けられたレジスタ(図示せず)に設定される。なお、このステップ2では、図2(b)に示すように、転送許可のACKをセット(ステップ5)して、(全データ量÷分割回数(N))のデータ量を、第1の処理手段2と共有メモリ4との間で転送して(ステップ6)から、転送許可のACKをクリア(ステップ7)する。
【0035】
図2(a)のステップ2の処理が終了すると、ステップ1へ戻り、ここではまだ、第2の処理手段3からメモリ制御手段5に対して転送要求が出力されているので(ステップ1)、第2の処理手段3からの転送要求REQbをクリア(ステップ2−0)して、順番2に第1の処理手段2、順番1に第2の処理手段3を設定して(ステップ2−1)、順番1である第2の処理手段3の転送処理を行う(ステップ2)。ここでも、(全データ量÷分割回数(N))のデータ量を、第2の処理手段3と共有メモリ4との間で転送して(ステップ6)から、転送許可のACKをクリア(ステップ7)する。
【0036】
次に、ステップ1へ戻ると、ここでは転送要求REQa,REQb共にクリアされているので、ステップ3−1へ進む。そして、ここでは、順番2に設定されている第1の処理手順2の転送がまだ完了していないので(ステップ3−1)、順番2である第1の処理手段2の転送処理を行う(ステップ3)。続いて、ここでは、順番1に設定されている第2の処理手順3の転送もまだ完了していないので(ステップ4−1)、順番1である第2の処理手段3の転送処理を行う(ステップ4)。このように、上記のステップ3および4の処理を、分割回数Nだけ繰り返すことにより、全データ量の転送が完了する。
【0037】
図2(a)および(b)のフローチャートに示した方法を用いた場合のタイミングチャートを、図3に示す。
【0038】
図3に示す時刻T1−1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaが許可され、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaが出力され、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0039】
時刻T1−1において同時に出力された第2の処理手段3からの転送要求REQbは、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送実行中は転送が許可されないため、ホールドされる。
【0040】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が完了(時刻T1−2)した後、時刻T1−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbがメモリ制御手段5にて許可され、第2の処理手段3に対して、転送許可ACKbが出力され、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0041】
その後は、メモリ制御手段5から第1の処理手段2への転送許可ACKa、第2の処理手段3への転送許可ACKbが交互に出力されて、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0042】
上述のように、本実施形態によれば、共有メモリ4とのデータ転送を行っている処理手段があるときに他の処理手段から転送要求があった場合に、共有メモリ4とのデータ転送を行っている処理手段へ転送許可されていない期間に、他の処理手段へ転送許可することができ、他の処理手段と共有メモリ4とのデータ転送を開始するまでの時間を短縮できる。また、システムにおいて、共有メモリ4とデータ転送する処理手段が新規に増設された場合でも、新規の処理手段の転送方式を変更することなく、メモリ制御手段5を変更することで対応が可能となり、過去の設計資産を効率的にリユースした早期システム開発を実現することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態にかかるメモリ転送装置12の構成を示すブロック図である。本実施形態のメモリ転送装置12は、メモリ制御手段5の分割回数設定レジスタが、複数の処理手段からの転送要求ごとに分割回数をそれぞれ個別に設定できるように、処理手段別の分割回数設定レジスタN0、N1を備えている点において、第1の実施形態にかかるメモリ転送装置11と異なる。
【0044】
メモリ転送装置12のメモリ制御手段5の動作フローを、図5(a)および(b)に示す。図5(a)および(b)のフローチャートは、図2(a)および(b)のフローチャートとほぼ同じであるが、分割回数設定レジスタを、それぞれの処理ごとに個別に設定する(ステップ0)点が異なる。ここでは、例えば、N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)のように設定する。
【0045】
図5のフローチャートの処理方法を用いた場合のタイミングチャートを図6に示す。
【0046】
時刻T2−1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaが許可される。これにより、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaが出力され、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0047】
時刻T2−1において同時に出力された第2の処理手段3からの転送要求REQbは、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送実行中は転送が許可されないため、ホールドされる。
【0048】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が、(全データ量÷N0)を転送する時間T21を経過した時刻T2−2の後、時刻T2−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbがメモリ制御手段5にて許可され、第2の処理手段3に対して転送許可ACKbが出力され、(全データ量÷N1)を転送する時間T22の間、第2の処理手段3と共有メモリ4との間でデータ転送が実行される。
【0049】
その後は、メモリ制御手段5から第1の処理手段2への転送許可ACKa、第2の処理手段3への転送許可ACKbが交互に出力されて、分割回数設定レジスタに設定した回数、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0050】
本実施形態によれば、分割回数を転送要求ごとに個別に設定できるので、さらに、それぞれの処理手段に要求されるリアルタイム性を確実に保証でき、かつ、無駄に転送効率を低下させることもない。
【0051】
(第3の実施形態)
第3の実施形態にかかるメモリ転送装置の構成は、第2の実施形態にかかるメモリ転送装置12と同じである。ただし、本実施形態にかかるメモリ転送装置は、メモリ制御手段5の動作が、第2の実施形態と異なる。
【0052】
本実施形態のメモリ転送装置におけるメモリ制御手段5の動作フローを、図7(a)および(b)に示す。図7(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図7(b)は、図7(a)のフローチャート中の転送処理の詳細を示す。
【0053】
ここでは、第2の実施形態と異なる部分について説明する。第2の実施形態と同様に、N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)のように設定した場合について説明する。
【0054】
1回目に第1の処理手段2の転送処理を行った(ステップ2)後に再びステップ1へ戻ったとき、まだ、第2の処理手段3からメモリ制御手段5に対して転送要求が出力されている(ステップ1)。ここで、第2の処理手段3の優先順位が、第1の処理手段2の優先順位よりも低い(ステップ8)ので、第1の処理手段2の転送処理を行う(ステップ4)。この処理を、第1の処理手段2の転送処理が終了するまで(ステップ4−1)繰り返す。第1の処理手段2の転送処理が終了したら、転送要求ありの中で第2の処理手段3の優先順位が高くなる(ステップ8)ので、第2の処理手段3の転送処理が行われる(ステップ2)。
【0055】
第2の処理手段3の優先順位が、第1の処理手段2の優先順位よりも高ければ、第2の実施形態で説明したものと同様の動作となる。
【0056】
図7(a)および(b)に示す処理方法を用いた場合のタイミングチャートを、図8に示す。なお、ここでは、転送実行中の処理手段よりも優先順位が低い処理手段からの転送要求がある場合を例示する。
【0057】
時刻T3−1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時に、メモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaが許可され、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaが設定回数(この場合はN0=4回)出力され、第1の処理手順2と共有メモリ4との間でデータ転送が実行される。
【0058】
時刻T3−1において同時に出力された第2の処理手段3からの転送要求REQbは、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送実行中は転送が許可されないため、ホールドされる。
【0059】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が完了(時刻T3−2)した後、時刻T3−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbがメモリ制御手段5にて許可され、第2の処理手段3に対して、転送許可ACKbが設定回数(この場合はN1=8回)出力される。これにより、第2の処理手段3と共有メモリ4との間のデータ転送が実行される。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、実行中の転送要求よりも優先順位の高い処理手段からの転送要求が入ったときにのみ、その処理手段と共有メモリとのデータ転送を行うので、実行中の転送要求よりも優先順位の低い処理手段からの転送要求が入ったときの実行中の転送効率が劣化しない。
【0061】
なお、本実施形態では、第2の実施形態と同じ構成を持ち、メモリ制御手段5の制御方法が異なるメモリ転送装置を例示したが、第1の実施形態と同様の構成を持ち、メモリ制御手段5が本実施形態で説明した制御方法を実行するメモリ転送装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0062】
(第4の実施形態)
第4の実施形態にかかるメモリ転送装置は、第2の実施形態にかかるメモリ転送装置12と同じ構成を持つが、メモリ制御手段5の制御方法が異なる。
【0063】
本実施形態のメモリ転送装置におけるメモリ制御手段5の動作を、図9(a)および(b)に示す。図9(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図9(b)は、図9(a)の実行中に、他の処理手段から転送要求の割り込みが出力されたときの割り込み処理のフローである。
【0064】
ここでは、第2の実施形態と異なる部分について説明する。第2の実施形態と同様に、N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、P0=1(優先順位:低)、P1=0(優先順位:高)のように設定した場合について説明する。説明しやすいように、第1の処理手段2と第2の処理手段3の優先順位の高低を、前述の実施形態と変更した。
【0065】
第1の処理手段2の転送処理を行っている途中で、第2の処理手段3の転送要求があった場合について説明する。第1の処理手段2の転送要求を確認して(ステップ1)、第1の処理手段2の転送処理を行っている(ステップ2a)途中、第2の処理手段3の転送要求は割り込みとして認識される。ここで、第2の処理手段3の優先順位が、第1の処理手段2の優先順位よりも高い(ステップ2−1)ので、第2の処理手段3の転送処理を行う(ステップ2)。その後は、第1の処理手段2の転送処理(ステップ3)と、第2の処理手段3の転送処理(ステップ4)とを交互に行う。
【0066】
図9のフローチャートの方法を用いた場合で、途中で優先順位の高い処理手段から、転送要求割り込みが出力された場合のタイミングチャートを、図10に示す。
【0067】
時刻T4−1において、第1の処理手段2からメモリ制御手段5に対して転送要求REQaが出力された場合、メモリ制御手段5は、この転送要求REQaを許可し、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaを出力し、第1の処理手段2と共有メモリ4との間でデータ転送を実行する。
【0068】
時刻T4−2において、第2の処理手段3からメモリ制御手段5に対して転送要求REQbが出力された場合、メモリ制御手段5は、第1の処理手段2に対してACKaに転送禁止を出力してから、時刻T4−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbを許可し、第2の処理手段3に対して転送許可ACKbを出力し、第2の処理手段3と共有メモリ4との間でデータ転送を実行する。
【0069】
その後は、メモリ制御手段5から第1の処理手段2への転送許可ACKa、第2の処理手段3への転送許可ACKbが交互に出力されて、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0070】
本実施形態によれば、他の処理手段から転送要求が入るまで、共有メモリ4とのデータ転送の合間に他の転送要求が入ったか確認する処理を実行しないので、転送効率が向上する。
【0071】
なお、本実施形態では、第2の実施形態と同じ構成を持ち、メモリ制御手段5の制御方法が異なるメモリ転送装置を例示したが、第1の実施形態と同様の構成を持ち、メモリ制御手段5が本実施形態で説明した制御方法を実行するメモリ転送装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0072】
(第5の実施形態)
図11は、第5の実施形態にかかるメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、本実施形態のメモリ転送装置13は、第2の実施形態のメモリ転送装置12の構成に、メモリ制御手段5の動作に必要な転送許可テーブル51を加えた構成である。
【0073】
転送許可テーブル51には、それぞれの処理手段が共有メモリ4とデータ転送を実行している期間に他の処理手段から転送要求が出力された場合、その転送要求を許可する処理手段が記載されている。
【0074】
図11の例では、第1の処理手段のデータ転送実行中は、処理手段M10、M11…からの転送要求が許可される。この処理手段M10、M11…としては、例えば第1の処理手段よりもリアルタイム性の高い処理を実行する処理手段を設定することが好ましい。また、第2の処理手段のデータ転送実行中は、処理手段M20、M21…からの転送要求が許可される。この処理手段M20、M21…としては、例えば第2の処理手段よりもリアルタイム性の高い処理を実行する処理手段を設定することが好ましい。
【0075】
図11のメモリ転送装置13におけるメモリ制御手段5の動作フローを、図12に示す。図12(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図12(b)は、図12(a)のフローチャート中の転送処理の詳細を示す。
【0076】
ここでは、第3の実施形態と異なる部分について説明する。第3の実施形態と同様に、N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)と設定されているものとする。また、転送許可テーブル51に、第1の処理手段2の転送要求を実行中に転送許可する処理手段を第2の処理手段3、第2の処理手段3の転送要求を実行中に転送許可する処理手段を第1の処理手段2、と設定した場合について説明する。
【0077】
ある時刻に第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時に、メモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合(ステップ1)、優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaをクリア(ステップ2−0)して、順番1に第1の処理手段2を設定して(ステップ2−1)、順番1である第1の処理手段2の転送処理を行う(ステップ2)。次に、まだ、第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力されている(ステップ1)が、第1の処理手段2を実行中に第2の処理手段3は転送許可(ステップ9)されるので、第2の処理手段3の転送処理を行う(ステップ2)。その後は、第1の処理手段2の転送処理(ステップ3)、第2の処理手段3の転送処理(ステップ4)が交互に行われる。
【0078】
図12のフローチャートに示す方法を用いた場合のタイミングチャートは、図6と同様になる。
【0079】
本実施形態によれば、実行中の処理手段ごとに、例えば実行中の転送要求よりもリアルタイム性の要求される転送要求を出力する処理手段を記述した転送許可テーブルを用いて、リアルタイム性の要求される転送要求が入った時だけ分割転送する。これにより、他の処理手段の優先順位が高くても不要に割り込み実行されないため、実行中の転送効率がさらに向上する。
【0080】
なお、本実施形態では、第2の実施形態の構成に転送許可テーブル51を追加したメモリ転送装置を例示したが、第1の実施形態の構成に転送許可テーブル51を追加したメモリ転送装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0081】
(第6の実施形態)
図13は、第6の実施形態にかかるメモリ転送装置14の構成を示すブロック図である。メモリ転送装置14は、第2の実施形態にかかるメモリ転送装置12の構成に、メモリ制御手段5の動作に必要な挿入回数設定レジスタ52を追加した構成である。挿入回数設定レジスタ52は、第1の処理手段2が共有メモリ4とのデータ転送を行っている期間に、他の処理手段が割り込んでデータ転送できる回数を設定するレジスタL0と、第2の処理手段3が共有メモリ4とのデータ転送を行っている期間に、他の処理手段が割り込んでデータ転送できる回数を設定するレジスタL1とにより構成される。
【0082】
メモリ転送装置14におけるメモリ制御手段5の動作フローを、図14(a)および(b)に示す。図14(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図14(b)は、図14(a)のフローチャート中の転送処理の詳細を示す。
【0083】
ここでは、第2の実施形態と異なる部分について説明する。N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)、L0=2(2回まで他のデータ転送が割り込み可)、L1=5(5回まで他のデータ転送が割り込み可)のように設定した場合について説明する。
【0084】
ある時刻に、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時に、メモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合(ステップ1)、メモリ制御手段5は、優先順位の高い第1の処理手段2の転送処理を行う(ステップ2)。そして、次に優先順位の高い第2の処理手段3の転送処理を行い(ステップ2)、さらに、第1の処理手段2の転送処理(ステップ3)、第2の処理手段3の転送処理を行う(ステップ4)。
【0085】
この時点で、第1の処理手段2の転送処理に対する他の処理手段の転送処理の挿入回数が2以上(ステップ10−1)になる。従って、これ以上他の処理手段の転送処理の割り込みを許さず、第1の処理手段2の転送処理を最後まで行う(ステップ10−2)。第1の処理手段2の転送処理を完了した後、第2の処理手段3の転送処理を、最後まで行う(ステップ4)。
【0086】
図14のフローチャートに示す方法を用いた場合のタイミングチャートを、図15に示す。
【0087】
時刻T6−1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaが許可され、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaを出力し、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0088】
時刻T6−1において同時に出力された第2の処理手段3からの転送要求REQbは、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送実行中は転送が許可されないため、ホールドされる。
【0089】
第1の処理手段2と共有メモリ4との間で1回目の分割データ転送が完了(時刻T6−2)した後、時刻T6−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbがメモリ制御手段5にて許可される。これにより、第2の処理手段3に対して、転送許可ACKbが出力され、第2の処理手段3と共有メモリ4との間でデータ転送が実行される。
【0090】
これにより、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送と、第2の処理手段3と共有メモリ4とのデータ転送が、交互に行われる。
【0091】
時刻T6−4のときに、第1の処理手段2のデータ転送に対する他の処理手段(第2の処理手段3)のデータ転送の挿入回数が2以上になる。従って、メモリ制御手段5は、これ以上他の処理手段の割り込みを許さず、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送を、全データの転送が終了するまで行う。
【0092】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が全て終了(時刻T6−5)した後、第2の処理手段3と共有メモリ4とのデータ転送を、全データの転送が終了するまで行う。
【0093】
本実施形態によれば、ある処理手段のデータ転送の実行中に、他の処理手段のデータ転送が挿入される回数を制限しているので、本来の転送が破綻することなく、システムの動作を保証できる。
【0094】
なお、本実施形態では、第2の実施形態の構成に挿入回数設定レジスタ52を追加したメモリ転送装置を例示したが、第1の実施形態の構成に挿入回数設定レジスタ52を追加したメモリ転送装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0095】
(第7の実施形態)
図16は、第7の実施形態にかかるメモリ転送装置15の構成を示すブロック図である。メモリ転送装置15は、第2の実施形態にかかるメモリ転送装置12の構成に、メモリ制御手段5の動作に必要な制限時間設定レジスタ53と、制限時間を測定するためのタイマ7とを加えた構成である。
【0096】
制限時間設定レジスタ53は、第1の処理手段2と共有メモリ4との間のデータ転送の制限時間を設定するレジスタT0と、第2の処理手段3と共有メモリ4との間のデータ転送の制限時間を設定するレジスタT1とにより構成される。
【0097】
タイマ7は、第1の処理手段2と共有メモリ4との間のデータ転送時間を測定するタイマAと、第2の処理手段3と共有メモリ4との間のデータ転送時間を測定するタイマBとを備える。
【0098】
メモリ転送装置15におけるメモリ制御手段5の動作フローを図17(a)および(b)に示す。図17(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図17(b)は、図17(a)のフローチャート中の転送処理の詳細を示す。
【0099】
ここでは、第2の実施形態と違う部分について説明する。N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、N2=4(4分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)、T0=5ms、T1=30msのように設定した場合について説明する。
【0100】
ある時刻に、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合(ステップ1)、転送要求のあった第1の処理手段2および第2の処理手段3のタイマA、タイマBの動作をスタートさせる(ステップ11−1)。優先順位の高い第1の処理手段2の転送処理を行う(ステップ2)。そして、次に優先順位の高い第2の処理手段3の転送処理を行い(ステップ2)、そして、次に、第1の処理手段2の転送処理(ステップ3)、第2の処理手段3の転送処理を行う(ステップ4)。
【0101】
他の処理手段からの転送要求があるか確認する(ステップ1)前に、タイマAと第1の処理手段2の制限時間T0を比較して、タイマAの値のほうが大きければ(ステップ11−2)、第1の処理手段2の転送処理を最後まで行う(ステップ11−3)。または、タイマBと第2の処理手段3の制限時間T1を比較して、タイマBの値のほうが大きければ(ステップ11−2)、第2の処理手段3の転送処理を最後まで行う(ステップ11−3)。
【0102】
図17のフローチャートに示す方法を用いた場合のタイミングチャートを、図18に示す。
【0103】
時刻T7−1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaが許可され、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaが出力され、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0104】
時刻T7−1において同時に出力された第2の処理手段3からの転送要求REQbは、第1の処理手段2と共有メモリ4との間のデータ転送実行中は転送が許可されないため、転送要求REQbをホールドする。
【0105】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が完了(時刻T7−2)した後、時刻T7−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbがメモリ制御手段5にて許可される。これにより、第2の処理手段3に対して、転送許可ACKbが出力され、第2の処理手段3と共有メモリ4との間でデータ転送が実行される。
【0106】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送と、第2の処理手段3と共有メモリ4とのデータ転送が交互に行われ続ける。
【0107】
時刻T7−4のときに、第1の処理手段2の転送要求があった時刻T7−1からT0時間以上経過し、第1の処理手段2と共有メモリ4との間のデータ転送を、終了するまで行う。
【0108】
本実施形態によれば、転送実行制限時間をオーバーする前に分割転送を終了して連続転送に切り替えるので、本来の転送は破綻することなく、システムの動作を保証できる。
【0109】
なお、本実施形態では、第2の実施形態の構成に制限時間設定レジスタ53とタイマ7とを追加したメモリ転送装置を例示したが、第1の実施形態の構成に制限時間設定レジスタ53とタイマ7とを追加したメモリ転送装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0110】
(第8の実施形態)
図19は、第8の実施形態にかかるメモリ転送装置16の構成を示すブロック図である。メモリ転送装置16は、第7の実施形態にかかるメモリ転送装置15の構成に、メモリ制御手段5からそれぞれの処理手段に対して転送要求の出力を禁止する手段(出力禁止制御手段)54を追加した構成である。
【0111】
出力禁止制御手段54は、第1の処理手段2へはDISa、第2の処理手段3へはDISbの信号ラインを備え、DISa、DISbを使用して、第1の処理手段2および第2の処理手段3の各々へ、転送要求禁止の信号を出力する。
【0112】
メモリ転送装置16のメモリ制御手段5の動作フローを、図20に示す。図20(a)は、メモリ制御手段5の制御動作のフローを示す。図20(b)は、図20(a)のフローチャート中の転送処理の詳細を示す。
【0113】
ここでは、第7の実施形態と違う部分について説明する。N0=4(4分割)、N1=8(8分割)、N2=4(4分割)、P0=0(優先順位:高)、P1=1(優先順位:低)、T0=5ms、T1=30msのように設定した場合について説明する。
【0114】
第7の実施形態と同様に、第1の処理手段2の転送処理(ステップ3)、第2の処理手段3の転送処理(ステップ4)を繰り返し行う。
【0115】
他の処理手段からの転送要求があるか確認する(ステップ1)前に、タイマAと第1の処理手段2の制限時間T0を比較して、タイマAの値のほうが大きければ(ステップ11−2)、第2の処理手段3に対して、要求禁止DISbをセット(ステップ12−1)し、第1の処理手段2の転送処理を最後まで行い(ステップ11−3)、その後、第2の処理手段3に対して、要求禁止DISbをクリア(ステップ12−2)する。タイマBと第2の処理手段3の制限時間T1を比較して、タイマBの値のほうが大きければ(ステップ11−2)、第1の処理手段2に対して、要求禁止DISaをセット(ステップ12−1)し、第2の処理手段3の転送処理を最後まで行う(ステップ11−3)。その後、第1の処理手段2に対して、要求禁止DISaをクリア(ステップ12−2)する。
【0116】
図20のフローチャートに示す方法を用いた場合のタイミングチャートを、図21に示す。
【0117】
時刻T8−1において、第1の処理手段2および第2の処理手段3から同時にメモリ制御手段5に対して転送要求が出力された場合、転送要求における優先順位の高い第1の処理手段2からの転送要求REQaが許可され、第1の処理手段2に対して転送許可ACKaが出力され、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0118】
時刻T8−1において同時に出力された第2の処理手段3からの転送要求REQbは、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送実行中は転送が許可されないため、ホールドされる。
【0119】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が完了(時刻T8−2)した後、時刻T8−3において、第2の処理手段3からの転送要求REQbがメモリ制御手段5にて許可される。これにより、第2の処理手段3に対して、転送許可ACKbが出力され、共有メモリ4とのデータ転送が実行される。
【0120】
第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送と、第2の処理手段3と共有メモリ4とのデータ転送が交互に行われ続ける。
【0121】
時刻T8−4のときに、第1の処理手段2の転送要求があった時刻T8−1からT0時間以上経過しているので、第2の処理手段3の要求禁止DISbをセットし、第1の処理手段2と共有メモリ4とのデータ転送が終了した時刻T8−5のときに、第2の処理手段3の要求禁止DISbをクリアする。
【0122】
時刻T8−6のときに、第2の処理手段3の転送要求があった時刻T8−1からT1時間以上経過しているので、第1の処理手段2の要求禁止DISaをセットし、第2の処理手段3と共有メモリ4とのデータ転送が終了した時刻T8−7のときに、第1の処理手段2の要求禁止DISaをクリアする。
【0123】
本実施形態によれば、転送実行制限時間をオーバーする前に、他の処理手段に転送の要求禁止を出力し、他の処理手段は転送の要求禁止が出力されている期間は転送要求を出力しないので、本来の転送は破綻することなく、システムの動作を保証できる。
【0124】
本実施形態では、第2の実施形態の構成に制限時間設定レジスタ53、出力禁止制御手段54、およびタイマ7を追加したメモリ転送装置を例示したが、第1の実施形態の構成に制限時間設定レジスタ53、出力禁止制御手段54、およびタイマ7を追加したメモリ転送装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0125】
なお、上述の第1〜第8の実施形態では、メモリ制御手段に分割回数設定レジスタが設けられた構成を例示したが、分割回数設定レジスタの代わりに、転送要求されたデータを複数回に分割する際の1回分のデータ量を設定するレジスタを設けた構成としても良い。
【0126】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、ある処理手段が共有メモリとのデータ転送を行っているときに他の処理手段から転送要求があった場合に、共有メモリとのデータ転送を行っている処理手段へ転送許可されていない期間に、他の処理手段へ転送許可することができる。これにより、他の処理手段と共有メモリとのデータ転送を開始するまでの時間を短縮できる。また、システムにおいて、共有メモリとデータ転送する処理手段が新規に増設された場合でも、新規の処理手段の転送方式を変更することなく、メモリ制御手段にて対応することが可能となる。この結果、過去の設計資産を効率的にリユースした早期システム開発を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図4】本発明の第2、第3、第4の実施形態におけるメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2、第5の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図9】本発明の第4の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図11】本発明の第5の実施形態として示すメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第6の実施形態として示すメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第6の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第6の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図16】本発明の第7の実施形態として示すメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第7の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第7の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図19】本発明の第8の実施形態として示すメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第8の実施形態におけるメモリ転送方法を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第8の実施形態におけるメモリ転送方法で動作した場合のタイミング図である。
【図22】従来のメモリ転送装置の構成を示すブロック図である。
【図23】従来のメモリ転送方法の一例を示すフローチャートである。
【図24】従来のメモリ転送方法の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11、12、13、14、15、16 メモリ転送装置
2 第1の処理手段
3 第2の処理手段
4 共有メモリ
5 メモリ制御手段
51 転送許可テーブル
52 挿入回数設定レジスタ
53 制限時間設定レジスタ
54 転送要求出力禁止の制御手段
6 レジスタ設定端子
7 タイマ
Claims (13)
- 複数の処理手段と、前記複数の処理手段がアクセスする共有メモリとを有するメモリ装置において、
前記複数の処理手段から前記共有メモリへの転送要求を調停し、前記複数の処理手段と前記共有メモリとの間のデータ転送を制御するメモリ制御手段を備え、
前記メモリ制御手段に、前記処理手段と前記共有メモリとの間のデータ転送の実行サイクルを複数回に分割するための分割パラメータが設定される分割パラメータ設定レジスタが設けられ、
前記メモリ制御手段が、前記複数の処理手段のいずれかと前記共有メモリとの間のデータ転送を許可した後に、他の処理手段からのデータ転送要求がある場合、当該他の処理手段が転送要求するデータを前記分割パラメータに従って分割し、分割データの少なくとも一単位の転送を割り込ませることを特徴とするメモリ装置。 - 前記分割パラメータが、転送の実行サイクルの分割回数である、請求項1に記載のメモリ装置。
- 前記分割パラメータが、転送要求されたデータを複数回に分割するための1回分のデータ量である、請求項1に記載のメモリ装置。
- 前記メモリ制御手段が、分割データの一単位の転送が終了する毎に、他の処理手段からのデータ転送要求の有無を確認し、他の処理手段からのデータ転送要求があれば、割り込ませるか否かを判断する、請求項1に記載のメモリ装置。
- 前記分割パラメータが、前記複数の処理手段の全てに共通の値である、請求項1に記載のメモリ装置。
- 前記メモリ制御手段に、各処理手段毎に分割パラメータを設定するための分割パラメータ設定レジスタが、前記複数の処理手段と同数設けられた、請求項1に記載のメモリ装置。
- 前記メモリ制御手段に、前記複数の処理手段の優先順位を設定する優先度設定レジスタがさらに設けられた、請求項1に記載のメモリ装置。
- 前記メモリ制御手段が、他の処理手段からのデータ転送要求がある場合、データ転送を実行中の処理手段よりも優先順位の高い処理手段からのデータ転送要求であれば割り込ませる、請求項7に記載のメモリ装置。
- 前記メモリ制御手段が、前記複数の処理手段のいずれかと前記共有メモリとの間のデータ転送を許可した後に、当該処理手段よりも優先順位の高い処理手段からデータ転送要求があった場合、それまで実行していたデータ転送を中断し、各処理手段が転送要求するデータを前記分割パラメータに従って分割したデータ量を一単位として、各処理手段からのデータ転送要求を調停する、請求項7に記載のメモリ装置。
- 前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送の実行中にデータ転送の割り込みを許可する他の処理手段を設定する転送許可テーブルがさらに設けられ、
前記メモリ制御手段が、前記複数の処理手段のいずれかと前記共有メモリとの間のデータ転送を許可した後に、他の処理手段からのデータ転送要求があった場合、前記転送許可テーブルを参照して割り込みを許可するか否かを判断する、請求項1に記載のメモリ装置。 - 前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送の実行中に他の処理手段のデータ転送の割り込みを許可する回数を設定する制限回数設定レジスタがさらに設けられ、
前記メモリ制御手段が、各処理手段のデータ転送に対して、前記制限回数設定レジスタに設定された回数を超えない回数だけ、他の処理手段のデータ転送を割り込ませる、請求項1に記載のメモリ装置。 - 各処理手段の転送実行時間を測定するタイマをさらに備えると共に、
前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送を開始した後に他の処理手段のデータ転送の割り込みを許可する期間を設定する制限時間設定レジスタがさらに設けられ、
前記メモリ制御手段が、各処理手段に対して、前記制限時間設定レジスタに設定された期間にのみ他の処理手段のデータ転送を割り込ませる、請求項1に記載のメモリ装置。 - 各処理手段の転送実行時間を測定するタイマをさらに備えると共に、
前記メモリ制御手段に、各処理手段に対応して、当該処理手段のデータ転送を開始した後に他の処理手段のデータ転送の割り込みを許可する期間を設定する制限時間設定レジスタがさらに設けられ、
前記メモリ制御手段が、各処理手段のデータ転送を開始してから、前記制限時間設定レジスタに設定された期間が経過した後は、他の処理手段に対してデータ転送要求の出力を禁止する、請求項1に記載のメモリ装置。
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