JP2004101996A - ファイバ付き面型光半導体モジュール - Google Patents

ファイバ付き面型光半導体モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバのパッシブアライメントが可能で、安価なファイバ付面型光半導体モジュールを提供する。
【解決手段】面発光半導体レーザ10に光ファイバ24が接続された形態のモジュールにおいて、半導体基板12裏面には発光部11を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起18が形成され、かつ、光ファイバはフェルール13を備え、このフェルールの片端面には中心軸を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起14が形成されており、前記面発光半導体レーザの突起が形成された面をフェルールの突起が形成された面に対向させ、これらの突起を互いに嵌合させることにより、前記面発光半導体レーザの発光部と前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とする。
【選択図】    図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面型光半導体デバイス、特に面発光半導体レーザなどの安価なファイバ付きモジュールの構造に関するものであり、更に安価で波長可変なファイバ付き面発光半導体レーザモジュールの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザチップに電極を付け、光ファイバに光をカップリングさせる半導体レーザモジュールは通信用を中心にこれまで各種の技術が確立され、量産技術化が図られている。
【0003】
半導体レーザをファイバ付きモジュールとする場合には種々の方法があるが、代表的な構造を図18に示す。図18において、1はストライプレーザチップ(導波型半導体レーザチップ)、2はボールレンズ、3は半導体レーザマウント、4は半導体レーザマウント3に形成された電極、5はアイソレータ、6は光ファイバである。
導波型半導体レーザチップ1を半導体レーザマウント3の上にハンダ接着で搭載し、ボールレンズ2を導波型半導体レーザチップ1の両側に接着剤で固定し、更に必要であればアイソレータ5を搭載する。そして、導波型半導体レーザチップ1から光を出しながら、光ファイバ6の位置合せをして、接着剤やYAGレーザ溶接で固定する。(例えば、非特許文献1参照)
【0004】
【非特許文献1】
JUAN SEPULVEDA AND LISA VALENZUELA 著,「integrated subassemblies improve optoelectronic package performance」,Optical Manufacturing,USA ,May2002 ,p.27−29
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来は、いわゆるアクティブアライメントを行うことから、このアライメントのための時間と労力とを要するため、半導体レーザレーザチップ1は低価格でも、ファイバ付きモジュールの価格は高価にならざるを得なかった。
【0006】
導波型半導体レーザチップ1は数100μm角と非常に小さいため取り扱いが難しく、マウントする際にその位置、方向を精度よく揃えてハンダ接着するのは非常に困難であり、人間の目と手でアライメントする必要があるため労力を要する。また、導波型半導体レーザチップ1では出射ビームは大きく広がるため、ボールレンズ2が必要であるし、そのビームは扁平であるため、カップリングロスが非常に大きい。更に光ファイバ6のコアの直径は10μmと小さいため、アライメントには3軸方向とあおり2軸、合計5軸の調整が必要であった。ロボット化によって、できる限り人の手を省き、低コスト化を図ろうとしているが、半導体レーザモジュール化装置の価格が高価になり、相当量の量産にならないと半導体レーザモジュールのコストを低減できないというのが現状である。
【0007】
これに対し、半導体レーザモジュールを作製する際、半導体レーザを発光させずに半導体レーザと光ファイバとのパッシブアライメントができれば、大幅にモジュールのコストを低減できる。即ち、ブロックを嵌め込むようにして半導体レーザモジュールを形成することができれば、半導体レーザモジュールは大幅に低コストとなる。また、面型ディテクタも受光面の狭いものはやはり光ファイバとの位置合せが必要であり、レーザモジュールよりは安価であるが、やはりモジュール組み立てで労力を要し、コストが高くなるという欠点があった。
【0008】
一方、現在、導波型半導体レーザチップに代わって面発光半導体レーザを用いることが検討されている。面発光半導体レーザは出射光が円形であり、ビームの広がり角度が小さいため、面発光半導体レーザと光ファイバとを近接させて、レンズを介することなく、バットジョイントによって面発光半導体レーザの光を光ファイバに結合でき、安価なファイバ付きモジュールを実現できると言われている。しかし、現時点では光ファイバと面発光半導体レーザの位置合せをアクティブアライメントによって行っているので、実際には低価格化には至っていない。
【0009】
従って本発明は上記の事情に鑑み、光ファイバのパッシブアライメントが可能で、安価なファイバ付き面型光半導体モジュールを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
<フェルールに直接、突起または溝を形成>
上記課題を解決する第1発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、面発光半導体レーザ、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等の半導体ウエハの面に垂直に発光、受光または光入出力する面型光半導体デバイスに光ファイバが接続された形態のモジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面には、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起または溝が形成され、
かつ、フェルールを備え、このフェルールの片端面には、前記面型光半導体デバイスの突起または溝が嵌まるように同フェルールの中心軸を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起または溝が、前記片端面を直接加工して形成されており、
前記面型光半導体デバイスの突起または溝が形成された面を、前記フェルールの突起または溝が形成された面に対向させて、前記面型光半導体デバイスの突起または溝と、前記フェルールの突起または溝とを互いに嵌め込むことにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記フェルールの中心にくるように配置し、更に前記光ファイバは前記フェルールに挿入して、
前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、前記光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とする。
【0011】
<直径の異なるフェルールの組み合わせにより突起を形成>
また、第2発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、面発光半導体レーザ、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等の半導体ウエハの面に垂直に発光、受光または光入出力する面型光半導体デバイスに光ファイバが接続された形態のモジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面には、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起または溝を形成し、
かつ、第1のフェルールと、この第1のフェルールよりも直径が小さい第2のフェルールの小片とを用い、前記第1のフェルールの片端面には、前記第2のフェルールの小片を前記第1のフェルールの中心軸と前記第2のフェルールの小片の中心軸とを位置を合わせた状態で接着することにより、前記第1のフェルールの中心軸を中心とした円周上に位置する突起を形成し、
前記面型光半導体デバイスの突起または溝が形成された面を、前記第1のフェルールの突起が形成された面に対向させて、前記面型光半導体デバイスの突起または溝と前記フェルールの突起とを互いに嵌め込むことにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記第1のフェルールの中心にくるように配置し、更に前記光ファイバは前記フェルールに挿入して、
前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、前記光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とする。
【0012】
<面型光半導体デバイスを直接加工>
また、第3発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明または第2発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面または半導体基板側裏面にエッチング等の手法により直接加工されて形成されていることを特徴とする。
【0013】
<面型光半導体デバイスに別材料の層をコートし、それに加工>
また、第4発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明または第2発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面または半導体基板側裏面に設けたポリイミド等の絶縁層を、エッチング等の手法により加工して形成されていることを特徴とする。
【0014】
<面型光半導体デバイスに他の基板を接着後、それを加工>
また、第5発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明または第2発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
前記面型光半導体デバイスの半導体基板面に直接または接着層を介して貼り合わせた他の半導体もしくはガラス等の基板を、エッチング等の手法により加工して形成されていることを特徴とする。
【0015】
<面型光半導体デバイスに他の加工基板を接着>
また、第6発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明または第2発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
前記面型光半導体デバイスの半導体基板面に、予め位置合せ用の突起または溝がエッチング等の手法により形成されている他の半導体もしくはガラス等の基板を、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記他の半導体もしくはガラス等の基板に予め形成されている突起または溝の中心にくるよう、これらの発光部、受光部または光入出力部と突起または溝とを整合させて、接着することにより形成されていることを特徴とする。
【0016】
<面型光半導体デバイスの外形で位置合せ>
また、第7発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、面発光半導体レーザ、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等の半導体ウエハの面に垂直に発光、受光または光入出力する面型光半導体デバイスに光ファイバが接続された形態のモジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスは、ダイシング、へき開等の加工手段により、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心として外形が四角形状となるように整形加工され、
かつ、フェルールを有し、このフェルールの片端面には、前記面型光半導体デバイス全体が嵌まるように同フェルールの中心軸を中心とした円形状の溝が直接加工されており、
前記面型光半導体デバイス全体を前記フェルールの溝に嵌め込むことにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記フェルールの中心軸上に位置するように配置し、更に前記光ファイバは前記フェルールに挿入して、
前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、前記光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とする。
【0017】
<金属フェルール:表面1電極、反対面1電極型>
また、第8発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明から第7発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記フェルールはニッケル、コバール、銅、ステンレスなどの金属で形成されており、このフェルールに前記面型光半導体デバイスを搭載する際、前記フェルールの片端面に形成したハンダで前記面型光半導体デバイスと電気的に接続することにより、前記面型光半導体デバイスの第1の電極を外部へ引き出し、
更に前記フェルールの側面に溝を設け、この溝に前記フェルールとは電気的に絶縁された電極線を配置し、この電極線と、前記面型光半導体デバイスにおいて前記フェルールとの位置合せ面とは反対側の面に形成された第2の電極とをボンディングワイヤで接続することにより、
前記面型光半導体デバイスに外部から、前記フェルールと前記電極線とを介して通電可能に構成したことを特徴とする。
【0018】
<金属フェルール:表面2電極型>
また、第9発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明から第7発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記フェルールはニッケル、コバール、銅、ステンレスなどの金属で形成されており、前記フェルールに前記面型光半導体デバイスを搭載する際、前記フェルールの片端面に形成したハンダで前記面型光半導体デバイスと電気的に接続し、
更に前記フェルールの側面に溝を設け、この溝に前記フェルールとは電気的に絶縁された電極線を配置し、この電極線と、前記面型光半導体デバイスにおいて前記フェルールとの位置合せ面に形成して第2の電極とを接続しており、
前記面型光半導体デバイスの位置合せ面が、エピタキシャル層側表面の場合には、このエピタキシャル層側表面に形成された前記第1の電極と第2の電極とを、各々、前記フェルールと前記電極線とを介して直接外部に引き出し、
あるいは、前記面型光半導体デバイスの位置合せ面が、半導体基板側裏面の場合には、前記エピタキシャル層側表面に形成された前記第1の電極と第2の電極を、各々、半導体基板にあけた貫通孔に導電物質を埋め込むことにより形成したスルーホール型電極を介して半導体基板側裏面に引き出し、且つ、前記フェルールと前記電極線とを介して外部に引き出すことにより、
前記面型光半導体デバイスに外部から、前記フェルールと前記電極線とを介して通電可能に構成したことを特徴とする。
【0019】
<スリーブモジュール1:デバイス付きフェルールと光ファイバのみのフェルールを挿入>
また、第10発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明から第9発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールを第1のブロックとして備え、この第1のブロックをスリーブの片側から、同スリーブに挿入し、且つ、他のフェルールに他の光ファイバを挿入してなるファイバ付きフェルールを第2のブロックとして備え、この第2のブロックを同スリーブの反対側から、同スリーブに挿入して、
前記第2のブロックに含まれる面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心が、前記第2のブロックに含まれる光ファイバの中心と一致するように配置することにより、
前記面型光半導体デバイスと前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とする。
【0020】
<スリーブモジュール1:レンズ挿入>
また、第11発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第10発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間に位置するように前記スリーブにセルフォックレンズ等の光学素子を挿入して、この光学素子により前記第1のブロックと前記第1のブロックとを光学的に結合するように構成したことを特徴とする。
【0021】
<スリーブモジュール1の限定:面型光半導体レーザモジュール>
また、第12発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第10発明または第11発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスは面発光半導体レーザであり、
前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバの何れか一方からは、前記面発光半導体レーザからの主出力光を取り出し、前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバの何れか他方からは、前記面発光半導体レーザからのモニタ光を取り出すように構成したことを特徴とする。
【0022】
<スリーブモジュール1の限定:光励起面型光半導体レーザモジュール>
また、第13発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第10発明または第11発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスは面発光半導体レーザであり、
面発光半導体レーザ用のポンピング光を、前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバを介して導入することにより、前記面発光半導体レーザに照射し、
前記面発光半導体レーザからの主出力光、または主出力光とモニタ光を前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバから取り出すように構成したことを特徴とする。
【0023】
<スリーブモジュール1の限定:波長可変面型光半導体レーザモジュール>
また、第14発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第10発明から第13発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記面型光半導体デバイスは面発光半導体レーザであり、
この面発光半導体レーザには、上部ブラッグ反射ミラーの全部または一部が形成されておらず、前記第2のブロックの光ファイバの端面には、誘電体多層膜ミラーが形成されており、
前記面発光半導体レーザに形成された下部半導体ミラーと、外部の前記誘電体多層膜ミラーとの間で、電流注入もしくは光励起により、前記面発光半導体レーザを発振させ、
更に前記第1のブロックまたは第2のブロックのフェルールにピエゾ素子を接着し、このピエゾ素子で前記第1のブロックまたは第2のブロックを前記スリーブの軸方向に機械的に移動させることによって前記下部半導体ミラーと前記誘電体多層膜ミラーの間隔を変化させることにより、前記面発光半導体レーザの発振波長を可変とした構成であることを特徴とする。
【0024】
<スリーブモジュール2:2組のデバイス付きフェルールを挿入>
また、第15発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明から第9発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールを、第1のブロック及び第2のブロックとしてそれぞれ備え、
前記第1のブロックをスリーブの片側から、同スリーブに挿入し、且つ、前記第2のブロックを同スリーブの反対側から、同スリーブに挿入することにより、
前記第1のブロックに含まれる面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心が、前記第2のブロックに含まれる面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と一致するように配置して、
前記面型光半導体デバイスと前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能にした構成であることを特徴とする。
【0025】
<スリーブモジュール2:レンズ挿入>
また、第16発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第15発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間に位置するように前記スリーブにセルフォックレンズ等の光学素子を挿入して、この光学素子により、前記第1のブロックと前記第1のブロックとを光学的に結合するように構成したことを特徴とする。
【0026】
<スリーブモジュール2の限定:フォトダイオード付き面発光半導体レーザモジュール>
また、第17発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第15発明または第16発明のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
前記第1のブロックの面型光半導体デバイスが面発光半導体レーザ、前記第2のブロックの面型光半導体デバイスがフォトダイオード等のディテクタであり、
前記第1のブロックの光ファイバから、前記面発光半導体レーザの主出力光を取り出し、前記第2のブロックから、前記ディテクタのモニタ電気出力を取り出すように構成としたことを特徴とする。
【0027】
<高周波マウントモジュール>
また、第18発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明から第9発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールを備え、
高周波駆動用に作製された汎用の半導体レーザマウントの半導体レーザチップを搭載する部分に、前記ファイバ付き面型光半導体モジュールのフェルールを挿入できる円形状の穴をあけて、この穴に同フェルールを前記半導体レーザマウントの裏側から挿入し、
前記面発光半導体レーザを、前記半導体レーザマウントの表面側から、前記フェルールに嵌め込み、
前記半導体レーザマウントの裏側に前記ファイバ付き面型光半導体モジュールの光ファイバを介して前記面発光半導体レーザの光を取り出す、あるいは前記半導体レーザマウントの裏側から前記光ファイバを介して光を入れるように構成したことを特徴とする。
【0028】
<高周波コネクタモジュール>
また、第19発明のファイバ付き面型光半導体モジュールは、第1発明から第9発明の何れかのファイバ付き面型光半導体モジュールを備え、
高周波コネクタのキャップに前記ファイバ付き面型光半導体モジュールのフェルールを挿入できる円形状の穴をあけて、この穴に同フェルールを同キャップの表側から挿入し、
前記面発光半導体レーザを、前記キャップの裏側から前記フェルールに嵌め込み、
更に前記面発光半導体レーザに形成された電極をボンディングワイヤ等の接続手段により半導体レーザマウントの電極に接続し、
前記ファイバ付き面型光半導体モジュールの光ファイバを前記キャップの表側から前記フェルールに挿入して、
前記高周波コネクタのキャップ側から、前記ファイバ付き面型光半導体モジュールの光ファイバを介して前記面発光半導体レーザの光を取り出す、あるいは前記キャップ側から前記光ファイバを介して光を入れるように構成したことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明では、光ファイバ通信関係の光部品の中で最も精度がよく、最も低価格な光コネクタの部品であるフェルールとスリーブを、面発光半導体レーザ等の面型光半導体デバイスのモジュール部品として採用し、汎用技術でこれらの部品を加工することにより、非常に安価なファイバ付き面発光半導体レーザモジュール等のファイバ付き面型光半導体モジュールを提供する。
【0030】
特にフェルールは放熱性に優れ加工精度が高い金属フェルールを用いることがポイントである。近年、寸法精度が高い金属フェルールが市販されるようになっている。金属フェルールの作製方法は各社様々であるが、電鋳技術(エレクトロホーミング)を用いたものは非常に精度がよい。更にフェルールをスリーブ内で機械的に移動することによって波長を可変にできるファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを提供する。
【0031】
市販の金属フェルールは、ニッケル(Ni)製のものが多く、中心に高精度の内径125μm+1μm(誤差)の穴の開いた、外径0.5mmφ、1mmφ、2.5mmφ±1μm(誤差)のものが安価に入手できる。更にフェルールを挿入するスリーブも、高精度のセラミクス、ガラス、プラスチック製のものが安価に入手可能となってきた。
【0032】
本発明では金属製のフェルールの先端部を旋盤加工で、直径数100μm±2μm(誤差)の凸形状に加工してフェルールの片端面に円柱状の突起を加工したり、あるいはフェルールの片端面にリング状の溝を形成したりした(請求項1)。前記突起の高さ、あるいは前記溝の深さは数10μmから100μm程度がよかった。突起などの加工は旋盤加工以外にエッチングでもよい。あるいはフェルールの先端部(片端面)に突起を形成するために、直径の異なるフェルールを2種類作製し、これらのフェルールに直径125μmの光ファイバを挿入することにより、2つのフェルールの中心軸を合わせて2つのフェルールを貼り合わせてもよい(請求項2)。このようにして突起または溝を形成したフェルールの片端面上にハンダを蒸着する。
【0033】
次に面発光半導体レーザなどの面型光半導体デバイスの発光部を中心として、半導体基板の裏面に、このフェルール片端面の突起または溝を嵌め込むためにこの突起または溝の直径(数100μm)に相当する直径の円周上にリング状またはピン状の突起を直接エッチングによって形成する(請求項3)。但し、半導体のエッチング速度は遅いため、基板の裏面にポリイミド等の有機の厚膜を塗布し、この膜をエッチングして突起を形成してもよい(請求項4)。あるいは、面型光半導体デバイスの半導体基板に他の半導体基板を貼り合わせた後、この貼り合わせた他の半導体基板をエッチング等の手法により加工して突起を形成してもよいし(請求項5)、予め突起を形成した他の半導体基板を面型光半導体デバイスの半導体基板面に貼り合わせてもよい(請求項6)。
【0034】
なお、以上は、フェルール側に形成された突起または溝に面型光半導体デバイス側のリング状またはピン状の突起を嵌め込む例であるが、フェルール側に形成されたリング状またはピン状の突起を面型光半導体デバイス側に形成された突起または溝に嵌め込んでもよいし、フェルール側に形成された溝に面型光半導体デバイス全体を嵌め込んでもよい(請求項7)。また、フェルールに嵌め込む面型光半導体デバイスの面(位置合せ面)は、半導体基板の裏面でもよいし、デバイスが加工されている半導体基板の表面、即ち、エピタキシャル層側表面でもよい。
【0035】
以上のような手法で金属フェルールの先端(片端面側)に面発光半導体レーザを搭載する。これにより、フェルールの中心に面発光半導体レーザの発光部を、誤差が±2μmの精度で搭載できる。更に、搭載された面発光半導体レーザへの通電は、金属フェルールそのものと、当該金属フェルールの側面に設けた溝に挿入された被覆付き導電体(電極線)を介して行える。即ち、面発光半導体レーザの半導体基板側裏面と金属フェルールを対向させて搭載した場合には、面発光半導体レーザの半導体基板側裏面に形成した電極と金属フェルールが直接電気的に接続されるとともに、面発光半導体レーザのエピタキシャル面側表面の電極と前記被覆付き導電体(電極線)はボンディングワイヤにより電気的に接続される(請求項8)。
【0036】
また、面発光半導体レーザのエピタキシャル面側表面と金属フェルールを対向させて搭載した場合には、面発光半導体レーザのエピタキシャル層表面の第1の電極と金属フェルールが直接電気的に接続されるとともに、面発光半導体レーザのエピタキシャル面側表面の第2の電極も前記被覆付き導電体と直接電気的に接続される(請求項9)。あるいは、面発光半導体レーザの半導体基板側裏面と金属フェルールを対向させて搭載した場合にあっても、面発光半導体レーザのエピタキシャル面側表面の第1及び第2の電極をスルーホール型電極、即ち、半導体基板に貫通孔をあけ、当該貫通孔の側面を絶縁し、更に当該貫通孔に導電性物質を埋め込む等の技術により、第1及び第1の電極を半導体基板裏側に引き出せば、ボンディングワイヤを使わず、直接、電極線(被覆付き導電体)と金属フェルールに電気的に接続することができる(請求項9)。
【0037】
また、以上述べたような面発光半導体レーザとファイバ付きフェルールが一体となったファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを第1のブロックとして、この第1のブロックをスリーブの片側から挿入し、対向する側(スリーブの反対側)から第2のファイバ付フェルール(他のフェルールに他の光ファイバを挿入してなる第2のブロック)を挿入すると、光ファイバのコアと面発光半導体レーザの発光部の中心は完全に平行で位置が±2μm(誤差)の精度で一致することになる(請求項10,12)。この場合、面発光半導体レーザの直近まで光ファイバを近づけて光をカップリングしてもよいし、フェルールの直径に相当する直径のセルフォックレンズを、第1のブロックと第2のブロックの間に位置するようにスリーブに挿入してレンズカップリングさせてもよい(請求項11)。
【0038】
また、第1のブロックまたは第2のブロックの何れか一方の光ファイバを面発光半導体レーザからの主出力光の取り出し用、もう一方の光ファイバを面発光半導体レーザからのモニタ光の取り出し用にしてもよい。また、面発光半導体レーザが光励起型の面発光半導体レーザの場合にあっては、第1のブロックまたは第2のブロックの何れか一方の光ファイバを励起光(ポンピング光)の入力及びモニタ光の取り出し用、もう一方の光ファイバを主出力光の取り出し用にしてもよい(請求項13)。更に、面発光半導体レーザには上部ブラッグ反射ミラーの全部または一部を形成せず、活性層と下部半導体ミラーを形成するとともに、第2のブロックのフェルールに挿入された光ファイバの端面には多層膜誘電体をコートして誘電体多層膜ミラーを形成し、且つ、第1のブロックまたは第2のブロックのフェルールをピエゾ素子に接着し、このピエゾ素子によって第1のブロック(フェルール等)または第1のブロック(フェルール等)をスリーブ内で機械的に移動させることにより、面発光半導体レーザ(下部半導体ミラー)と、誘電体多層膜ミラーを形成した光ファイバの端面との間隔を変えられるようにすれば、面発光半導体レーザの発振波長を変えることができる(請求項14)。
【0039】
以上は、スリーブに挿入された第1のブロックのみに面発光半導体レーザのような面型光半導体デバイスが搭載された例であるが、第2のブロックのフェルールにも例えばフォトダイオード等のディテクタが搭載されていれば、直接、面発光半導体レーザの光出力をモニタできる(請求項15,17)。この場合にあっても、面発光半導体レーザとフォトダイオードとの間等、一対の面型光半導体デバイス間を直接光学的にカップリングしてもよいし、フェルールの直径に相当する直径のセルフォックレンズを、第1のブロックと第2のブロックの間に位置するようにスリーブに挿入してレンズカップリングさせてもよい(請求項16)。
【0040】
また、上記のような面発光半導体レーザとファイバ付きフェルールが一体となったファイバ付き面発光半導体レーザモジュール(ブロック)を、高周波マウント(請求項18)や高周波コネクタのキャップ(請求項19)に予め形成された穴に挿入し、且つ、ボンディングワイヤ等の接続手段により高周波マウントや高周波コネクタと電気的に接続すれば、簡単にファイバ付き面発光半導体レーザモジュール(高周波マウントモジュールや高周波コネクタモジュール)を作製することができる。
【0041】
以上のように、本発明のポイントは金属フェルールの中心と面発光半導体レーザの発光部の中心がパッシブアライメントで一致するように、フェルールの先端(片端面)と面発光半導体レーザの半導体基板側裏面またはエピタキシャル層側表面を正確に加工して突起または溝を形成することにより、両者を嵌め込むものであり、その形状は上記以外にも種々あるが、それら全てを包含するものである。
【0042】
(第1の実施例)
図1から図13は本発明のファイバ付き面型光半導体モジュールの第1の実施例を示したものである。図1から図3は金属フェルールの先端(片端面)を加工する工程を示したもの、図4から図7は面発光半導体レーザの裏面に位置合せ用の突起を形成する工程を示したもの、図8から図11は金属フェルールの先端(片端面)に面発光半導体レーザを搭載する工程を示したものである。図12及び図13は面発光半導体レーザと金属フェルール及び光ファイバとの接続部分の拡大図を、面発光半導体レーザの半導体基板側裏面と金属フェルールとを対向させて接続した場合(図12)と、面発光半導体レーザのエピタキシャル層側表面と金属フェルールとを対向させて接続した場合(図13)とについて示したものである。
【0043】
これらの図において、10は面発光半導体レーザ、11は面発光半導体レーザ10の発光部である。発光部11はメサ部分の上部ブラッグ反射ミラー(DBR)11aと、活性層(面発光の発光部分)11bと、下部半導体ミラー11cとから構成されている。
【0044】
また、同図において、12は面発光半導体レーザ10の半導体基板、13は金属フェルール、14は金属フェルール13の片端面を研削して円柱状に形成した位置合せ用の突起、15は金属フェルール13の片端面(図2の場合)、または面発光半導体レーザ10の半導体基板表面(図13の場合)を研削してリング状に形成した位置合せ用の溝、16は金属フェルール13の側面に形成した電極取り出し用の溝、17は金属フェルール13の片端面に形成したハンダ、18は面発光半導体レーザ10の半導体基板12の裏面側に発光部11を中心とする円周上にリング状またはピン状に形成したの位置合せ用の突起(図4から図7の場合)、または金属フェルール13の片端面にリング状に形成した位置合せ用の突起(図13の場合)、19は面発光半導体レーザ10の半導体基板12の裏面に形成した電極面(光が通過する部分には電極は形成されていない)、20は面発光半導体レーザ10の半導体基板12の表面に形成されたパッド電極である。
【0045】
また、同図において、21はパッド電極20から出たボンディングワイヤ、22は金属フェルール13の側面の溝16に挿入され且つ金属フェルール13から電気的に絶縁された電極線(被覆付き導電体)、23は直径が正確に調整された金属フェルールを短い長さに切断したもの(金属フェルールの小片)、24は光ファイバ、24aは光ファイバ24のコア、25は面発光半導体レーザ10の半導体基板12の裏面に形成したポリイミドなどの膜(絶縁層)、26は予め突起18が形成された半導体基板、28は面発光半導体レーザ10の半導体基板12の表面に形成された基板電極、29は光通過部分、30Aは面発光半導体レーザ10の裏面出射のレーザ光(レーザビーム)、30Bは面発光半導体レーザ10の表面出射のレーザ光(レーザビーム)である。
【0046】
面発光半導体レーザには、GaAsもしくはAlGaAs基板上に形成される650nm帯、780nm帯、850nm帯、980nm帯、1300nm帯、及び1550nm帯の面発光半導体レーザ、あるいはInP基板上に形成される1300nm帯、1550nm帯の面発光半導体レーザなどがあるが、どのタイプの面発光半導体レーザでも、本発明は適用可能である。ここでは面発光半導体レーザ10として、GaAs基板上に形成された面発光半導体レーザを例にとって説明する。なお、本発明を適用する面型光半導体デバイスとしては、面発光半導体レーザに限らず、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等がある。また、ここではメサ型の面発光半導体レーザを示しているが、本発明はこれに限定するものでもない。
【0047】
先ず、図1から図3に基づき、金属フェルール13の加工について説明する。
【0048】
図1(a)及び図2(a)に示すようなNi製で外径1.25mmφの金属フェルール13について、その片端面を旋盤で金属フェルール13の中心軸を中心とした外径300μmφ±2μm(誤差)の凸状に切削することにより、図1(b)に示すような金属フェルール13の中心軸を中心とした円周上に位置する円柱状の突起14を同片端面に形成するか、または凹状に切削することにより、図2(b)に示すような金属フェルール13の中心軸を中心とした円周上に位置するリング状の溝15を同片端面に形成する。
【0049】
あるいは、図3(a)に示すように外径1.25mmφの金属フェルール13と、外径300μmφ±2μm(誤差)の金属フェルール23を0.5mm程度の長さに切断したもの(金属フェルールの小片)とを用意し、図3(b)に示すようにこれらの金属フェルール13の穴と金属フェルール(小片)23の穴とに直径125μmφの光ファイバ24を挿入、または、この光ファイバ24と同じ125μmφの直径を持つ線材を挿入することにより、両金属フェルール13,23の中心軸を一致させ、この状態で両金属フェルール13,23を接着剤により貼り合わせる。かくして、金属フェルール13の片端面に、金属フェルール23の小片からなる突起14が形成される。なお、金属フェルール13,23としてはニッケル(Ni)製の他、コバール製、銅製、ステンレス製などでもよい。
【0050】
突起または溝を形成後、図1(c),図2(c),図3(c)及び図3(d)に示すように、金属フェルール13の側面に約200μmの幅で200μmの深さの溝16を、金属フェルール13の軸方向に沿って形成する。続いて、図1(d),図2(d),図3(e)及び図3(f)に示すように、電極線22を溝16に挿入し、接着剤で金属フェルール13に固定する。電極線22は絶縁材で被覆され、金属フェルール13と電気的に絶縁されている。また、金属フェルール13の片端面(図1(d),図3(e)及び図3(f)では突起14の先端面、図2(d)では溝15の内側部分)に蒸着により、ハンダ17を形成する。
【0051】
なお、図3(c)及び図3(e)は、金属フェルール13,23の位置合せのために挿入した線材を引き抜いた場合であり、この場合には後から、光ファイバ24を金属フェルール13,23に挿入する。図3(d)及び図3(f)は、金属フェルール13,23の位置合せのために挿入した光ファイバ24を、そのまま金属フェルール13,23に挿入しておいてモジュールに利用する場合である。
【0052】
次に、図4から図7に基づき、面発光半導体レーザ10の加工について説明する。
【0053】
図4(a)に示す面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の裏面(図中下面)に、図4(b)及び図4(c)に示すように面発光半導体レーザ10の発光部11を中心とした直径300μmφ+2μm(誤差)の円周上に位置するリング状(円筒状)の突起18を、エッチングによって形成する。あるいは、図5(a)に示す面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の裏面に、図5(b)及び図5(c)に示すように面発光半導体レーザ10の発光部11を中心とした直径300μmφ+2μm(誤差)の円周(図5(c)に一点鎖線で仮想的に示す円周)上に位置する複数のピン状の突起18を、エッチングによって形成する。
【0054】
詳述すると、面発光半導体レーザ10のGaAs基板12は100から200μm程度の厚さに研磨し、このGaAs基板12を図には示していない支持用(補強用)のガラス基板にワックスで貼り合わせた後、ホト加工、エッチングなどにより、突起18を形成し、電極付けなどを行う。このときGaAs基板12の表面と裏面を同時に見て、エッチングマスクの位置合せをする必要があるが、赤外光を透過させるマスクアライナーを用いることによってGaAs基板12の裏面と表面の位置合せは1μm以下の精度で実現できる。エッチングはドライエッチング、ウエットエッチングのどちらでもよい。なお、支持用のガラス基板は、加工終了後に取り外す。
【0055】
一方、半導体基板のエッチング速度は遅いので、深くエッチングする場合には、図6(a)に示すようにGaAs基板12の裏面にポリイミドなどを塗布して膜(絶縁層)25を厚く形成し、この膜(絶縁層)25を図6(b)及び図6(c)に示すようにエッチングして、発光部11を中心とした円周上に位置する複数のピン状の突起18を形成してもよい。突起18の高さは数μmから数10μmでよい。なお、この場合にも、突起18はリング状でもよい。
【0056】
また、図7(a)に示すように予め複数のピン状の突起18を形成した半導体基板26を用意し、図7(b)及び図7(c)に示すようにこの半導体基板26と面発光半導体レーザ10のGaAs基板12とをウエハボンディングの技術で貼り合わせることによって、GaAs基板12の裏面側に突起18を形成してもよい。半導体基板12,26の貼り合わせは、ポリイミド(接着層)を介して貼り合わせてもよい。この場合にも、突起18はリング状でもよい。
【0057】
なお、図示は省略するが、面発光半導体レーザ10のGaAs基板12に他の半導体もしくはガラス等の基板を直接または接着層を介して貼り合わせ、この半導体基板をエッチング等の手法で加工することにより、突起18を形成するようにしてもよい。
【0058】
突起形成後、図4(d),図5(d)及び図6(d)に示すように面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の裏面にAu電極19を形成する、あるいは図7(d)に示すように半導体基板26の裏面にAu電極19を形成する。このとき、半導体基板12,26の裏面の光が通過する部分29は、Au電極19を形成せずに窓開けする。
【0059】
図8から図11には、金属フェルール13の先端(片端面)に面発光半導体レーザ10を搭載する工程を示す。
【0060】
図8は円柱状の突起14を形成した金属フェルール13(図1参照)の先端にリング状の突起18を形成した面発光半導体レーザ10(図4参照)を搭載する場合であり、この場合には、図8(a)に示すように面発光半導体レーザ10の突起18が形成された面を、金属フェルール13の突起14が形成された面に対向させ、図8(b)及び図8(c)(断面図)に示すように金属フェルール13の円柱状の突起14の外周面に面発光半導体レーザ10のリング状の突起18の内周面を嵌め込むようして、これらの突起14,18を互いに嵌合する。
【0061】
図9はリング状の溝15を形成した金属フェルール13(図2参照)の先端にリング状の突起18を形成した面発光半導体レーザ10(図4参照)を搭載する場合であり、この場合には、図9(a)に示すように面発光半導体レーザ10の突起18が形成された面を、金属フェルール13の溝15が形成された面に対向させ、図9(b)及び図9(c)(断面図)に示すように金属フェルール13のリング状の溝15内に面発光半導体レーザ10のリング状の突起18を嵌め込むようして、これらの溝15と突起18とを互いに嵌合する。
【0062】
図10は円柱状の突起14を形成した金属フェルール13(図1参照)の先端にピン状の突起18を形成した面発光半導体レーザ10(図5,図6,図7参照)を搭載する場合であり、この場合には、図10(a)に示すように面発光半導体レーザ10の突起18が形成された面を、金属フェルール13の突起14が形成された面に対向させ、図10(b)及び図10(c)(断面図)に示すように面発光半導体レーザ10の複数のピン状突起18を金属フェルール13の円柱状の突起14の外周面に嵌め込むようして、これらの突起14,18を互いに嵌合する。
【0063】
図11はリング状の溝15を形成した金属フェルール13(図2参照)の先端にピン状の突起18を形成した面発光半導体レーザ10(図5,図6,図7参照)を搭載する場合であり、この場合には、図11(a)に示すように面発光半導体レーザ10の突起18が形成された面を、金属フェルール13の突起14が形成された面に対向させ、図11(b)及び図11(c)(断面図)に示すように金属フェルール13のリング状の溝15内に面発光半導体レーザ10の複数のピン状突起18を嵌め込むようして、これらの溝15と突起とを互いに嵌合する。
【0064】
続いて、図8(c),図9(c),図10(c)及び図11(c)に示すように金属フェルール13の突起14または溝15と面発光半導体レーザ10の突起18とを嵌合した状態で加熱することにより、金属フェルール13の片端面に予めコートされたハンダ17を溶融し、このハンダ17により面発光半導体レーザ10(電極19)と金属フェルール13とを電気的・機械的に接続する。かくして、金属フェルール13の片端面に面発光半導体レーザ10が蓋をするように実装される。このとき金属フェルール13の中心と面発光半導体レーザ10の発光部11の中心とは±2μm以下の誤差で一致する。
【0065】
その後、図8(d),図9(d),図10(d)及び図11(d)に示すようにボンディングワイヤ21によって、面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の表面に形成されたパッド電極20と、金属フェルール13の側面の溝16に挿入された電極線22とを電気的に接続する。このため、面発光半導体レーザ10の裏面側(半導体基板側裏面)の電極19は金属フェルール13を介して外部に引き出され、面発光半導体レーザ10の表面側(エピタキシャル層側表面)のパッド電極20は電極線22を介して外部に引き出されることになる。
【0066】
図12は面発光半導体レーザ10の半導体基板側裏面と金属フェルール13の片端面とを対向させて接続した場合(図8参照)の接続部の拡大図であり、図12(a)には金属フェルール13の軸方向からみた正面図、図12(b)には断面図を示す。この図12にも示すように面発光半導体レーザ10の半導体基板側裏面の電極19と、金属フェルール13の片端面とは、ハンダ17によって電気的に接続され、面発光半導体レーザ10の半導体基板表面側(エピタキシャル層側表面)のパッド電極20と、金属フェルール13の側面の溝16に金属フェルール13と絶縁されて挿入された電極線22とは、ボンディングワイヤ21を介して電気的に接続されている。
【0067】
ところで、上記では面発光半導体レーザ10に突起18を形成し、金属フェルール13に突起14または溝15を形成した場合について説明したが、これに限定するものではなく、面発光半導体レーザ10に突起または溝を適宜形成し、金属フェルール13にも突起または溝を適宜形成して、両者の突起または溝を互いに嵌め込むようにすればよい。
【0068】
また、上記では面発光半導体レーザ10の半導体基板側裏面と金属フェルール13の片端面とを対向させて接続した場合について説明したが、当然、これに限定するものではなく、面発光半導体レーザ10の表面側(エピタキシャル層側表面)と金属フェルール13の片端面とを対向させて接続してもよい。この場合には、面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の表面側(エピタキシャル層側)に位置合せ用の突起または溝を形成する。通常はGaAs基板12などの半導体基板の表面側を加工するので、マスク合せが楽である。半導体基板表面に高い突起を形成する場合には、半導体基板の表面にポリイミドなどの厚膜を塗布して、この厚膜をエッチングすることにより、突起を形成すればよい。また、半導体基板の表面に溝を形成する場合には、直接半導体基板の表面を深くエッチングすればよい。
【0069】
図13は面発光半導体レーザ10の表面側(エピタキシャル層側)と金属フェルール13の片端面とを対向させて接続した場合の一例を示す接続部の拡大図であり、図13(a)には金属フェルール13の軸方向からみた正面図、図13(b)には断面図を示す。
【0070】
この図13では面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の表面(エピタキシャル層側表面)に発光部11を中心とした円周上に位置するリング状の溝15を形成し、金属フェルール13の片端面に金属フェルール13の中心軸を中心とした円周上に位置するリング状の突起18を形成している。そして、面発光半導体レーザ10の溝15が形成された面を、金属フェルール13の突起18が形成された面に対向させ、面発光半導体レーザ10のリング状の溝14内に金属フェルール13のリング状の突起18を嵌め込むようにして、これらの突起18と溝15とを嵌合している。
【0071】
また、図13では面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の表面に基板電極28が形成されており、この基板電極28と金属フェルール13は、金属フェルール13の片端面に形成されたハンダ17により電気的・機械的に接続されている。また、面発光半導体レーザ10のGaAs基板12の表面に形成されたパッド電極20も、金属フェルール13の側面の溝16に金属フェルール13とは絶縁して挿入された電極線22に直接電気的に接続されている。従って、面発光半導体レーザ10の基板電極28は金属フェルール13を介して外部に引き出され、面発光半導体レーザ10のパッド電極20は電極線22を介して外部に引き出されることになる。なお、図13では電極線22の位置をパッド電極20の位置に合わせるため、溝16の深さを比較的深くして、この溝16に電極線16を深く挿入している。また、このように溝16を深くしたことにともない、溝16部分ではリング状の突起18が切り欠かれた状態となっている。
【0072】
また、ここでは電極を、半導体基板の表面、裏面から取り出すものを記載したが、半導体基板にその表面から裏面に通じる貫通孔をあけ、この貫通孔に導電物質を埋め込むことにより、半導体基板を貫通するスルーホール電極を形成し、このスルーホール電極を介して、半導体基板の一方の面から他方の面に電極を引き出すようにしてもよい。
【0073】
次に、この面発光半導体レーザ搭載金属フェルールを絶縁性スリーブに入れてファイバ付きのモジュール化した構造を図14に示す。図14(a)は斜視図、図14(b)は断面図である。図14において、31は非金属製(絶縁性)のスリーブ、32はフェルール、33は光ファイバであり、その他の符号は前述のとおりである。
【0074】
図14では、前述のようにして作成した面発光半導体レーザ搭載の金属フェルール13(図8から図11参照)に光ファイバ24を挿入して、ファイバ付き面発光半導体レーザモジュールとする。この場合、光ファイバ24は、面発光半導体レーザ10の裏面から出射するモニタ光を取り出すためのモニタ用光ファイバとなる。但し、裏面取り出しの面発光半導体レーザの場合には、裏面側に取り出した光が主信号光(主出力光)となり、反対側(表面側)に取り出した光がモニタ光となるため、光ファイバ24は主出力光の取り出し用となる。
【0075】
そして、このファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを第1のブロックとして備え、この第1のブロックを矢印Aのようにスリーブ31の右側から、スリーブ31に挿入する。次に、フェルール32に光ファイバ33を挿入してなるファイバ付きフェルールを第2のブロックとして備え、この第2のブロックを矢印Bのようにスリーブ31の左側から、スリーブ31に第1のブロックの直近まで挿入する。スリーブ挿入後、第1のブロック及び第2のブロックは接着剤などでスリーブ31に固定する。
【0076】
このように第1のブロックと第2のブロックとをスリーブ31に挿入することにより、第1のブロックに含まれる面発光半導体レーザ10の発光部11の中心が、第1のブロックに含まれる光ファイバ33の中心と一致し、この光ファイバ33によって面発光半導体レーザ10から出射される主出力光またはモニタ光が取り出される。このとき、面発光半導体レーザ10の発光部11の中心と、光ファイバ33の中心は誤差±2μmの精度で合っているので、パッシブアライメントで最悪でも3dBのカップリングロスを実現できる。しかも、スリーブ31を用いたパッシブアライメントであるため、安価なモジュールを実現できる。
【0077】
また、ここでは光ファイバ33と面発光半導体レーザ10はバットジョイントとしたが、光ファイバ33と面発光半導体レーザ10との間にセルフォックレンズを挿入し、このセルフォックレンズで面発光半導体レーザ10からの光を集光して光ファイバ33に入れるようにしてもよい。セルフォックレンズはスリーブ31の内径(フェルール13,32の外径)に相当する直径を持つものが市販されている。
【0078】
なお、2つの光ファイバ24,33は上記のように面発光半導体レーザ10からの主出力光やモニタ光の取り出し用として用いることが可能である他、面発光半導体レーザ10が光励起型の面発光半導体レーザである場合には光ファイバ24,33の何れか一方(例えば光ファイバ24)を励起光入力及びモニタ光取り出し用とし、光ファイバ24,33の何れか他方(例えば光ファイバ33)を主出力光の取り出し用として用いることもできる。
【0079】
更に、対向する第2のブロックとして、第1のブロックにおける金属フェルール13に光ファイバ24を挿入するのではなく、面型光半導体デバイスとしてフォトダイオードなどのディテクタを直接搭載したものを作製し、この第2のブロックを第1のブロックに対向してスリーブ31に挿入すれば、前記ディテクタのモニタ電気出力を金属フェルール13と電極線22とを介して外部に取り出すことができ、前記ディテクタによって面発光半導体レーザ10の光を直接モニタすることができる。
【0080】
(第2の実施例)
図15は本発明の第2の実施例として高速マウント(高周波マウント)へ面発光半導体レーザを搭載した構造を示すものであり、図15(a)は全体の斜視図、図15(b)は面発光半導体レーザ搭載部の拡大断面図である。
【0081】
図15では第1の実施例で説明したファイバ付き面発光半導体レーザモジュール、即ち、金属フェルール13の片端面に形成した突起または溝と、面発光半導体レーザ10のエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成した突起または溝とを互いに嵌め込んで、面発光半導体レーザ10の発光部11の中心と金属フェルール13に挿入した光ファイバ24の中心とをパッシブに位置合せすることにより、面発光半導体レーザ10の発光部11と光ファイバ24との光学的なカップリングを可能としたファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを、高速マウントに適用している。
【0082】
図15において、41は半導体レーザ用の通常の高速マウント(高周波駆動用に作製された汎用の半導体レーザマウントである高周波マウント)であり、グランドと信号線はストリップラインとなっており、10Gbpsの信号を通過させることができる。また、図15において、42は面発光半導体レーザ搭載部分(図15(b)はこの部分の拡大断面図)、43はボンディングワイヤ、44は高速マウント41のAu電極、45は金属フェルール13を挿入する穴であり、その他の符号は前述のとおりである。
【0083】
図5に示すように、高速マウント41の面発光半導体レーザ(半導体レーザチップ)を搭載する部分42にはファイバ付き面発光半導体レーザモジュールの金属フェルール13が挿入できる円形状の穴45をあけており、この穴45に金属フェルール13を高速マウント41の裏側から挿入している。そして、面発光半導体レーザ10を、高速マウント41の表面側から、金属フェルール13に嵌め込んでいる(面発光半導体レーザ10の突起18と金属フェルール13の突起14とを互いに嵌め込んでいる)。
【0084】
このため、面発光半導体レーザ10の光は、ファイバ付き面発光半導体レーザモジュールの光ファイバ24を介して、高速マウント41の裏側に取り出される。即ち、本実施例のモジュールは、基板裏側から光を取り出す面発光半導体レーザにおいて、その面発光半導体レーザを高速に動作させるモジュールである。そして、高速マウント41は10Gbpsの信号が通過するので、高速であるし、面発光半導体レーザ10と光ファイバ24(金属フェルール13)はパッシブアライメントで容易に(即ち安価に)位置合せをすることができるため、高速且つ安価なモジュールを実現することができる。なお、高速マウント41の裏側から、前記光ファイバ24を介して光を入れるようにすることもできる。
【0085】
ところで、上記実施例では専用の半導体レーザマウントに本発明のファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを挿入したが、高周波コネクタのキャップに本発明のファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを直接挿入してもよい。即ち、高周波コネクタのキャップにフェルールを挿入できる穴をあけて、前記フェルールを前記キャップの表側から挿入し、面型光半導体デバイス(面発光半導体レーザ)に形成された電極からボンディングワイヤにより半導体レーザマウントの電極に接続し、光ファイバを前記キャップの表側から前記フェルールに挿入して、前記高周波コネクタのキャップ側から光を取り出す、あるいは光を入れるように構成してもよい。
【0086】
(第3の実施例)
図16は本発明の第3の実施例である波長可変のファイバ付き面発光半導体レーザモジュールの構造を示したものである。
【0087】
面発光半導体レーザ、特に長波長帯の面発光半導体レーザは、反射率の高い半導体ミラーを形成することが難しく、電流注入タイプの面発光半導体レーザの実現は困難であると言われている。ここでは面発光半導体レーザには活性層と下側のミラー層(下部半導体ミラー)及び電流注入電極のみを形成し、対向したファイバ付きフェルール端面上の誘電体多層膜ミラーと、前記下部半導体ミラーとの間で発振させて、面発光半導体レーザとするものである。そして、更に前記誘電体多層膜ミラーの位置をピエゾ素子によって機械的に移動させるようにすることにより、可変波長の面発光半導体レーザを実現するものである。
【0088】
図16において、51は誘電体多層膜ミラー、52は電圧を印加することによって伸び縮みするピエゾ素子(ここでは円筒型のものを採用している)、10は上部ブラッグ反射ミラーが形成されておらず、活性層10bと下部半導体ミラー10cを持つ面発光半導体レーザであり、その他の符号は前述のとおりである。
【0089】
第3の実施例の面発光半導体レーザ10も、第1の実施例の面発光半導体レーザ10と同様に金属フェルール13の先端(片端面)に搭載されている。即ち、面発光半導体レーザ10の半導体基板12側裏面に形成したリング状あるいはピン状の突起18と、金属フェルール13の片端面に形成した円柱状の突起14とを互いに嵌め込むことにより、面発光半導体レーザ10の発光部(活性層10b,下部半導体ミラー10c)の中心と、金属フェルール13に挿入した光ファイバ24の中心とをパッシブに位置合せして、面発光半導体レーザ10の発光部と前記光ファイバ24との光学的なカップリングが可能となるように構成されたファイバ付き面発光半導体レーザモジュールとなっている。
【0090】
そして、このファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを第1のブロックとして備え、この第1のブロックを矢印Aのようにスリーブ31の右側から、スリーブ31に挿入してスリーブ31に固定している。面発光半導体レーザ10への通電は、外部から、電極線22、ボンディングワイヤ21及び面発光半導体レーザ10のパッド電極20を介し、また、金属フェルール13及び面発光半導体レーザ10の電極19を介して行われる。
【0091】
一方、フェルール32に光ファイバ33を挿入してなるファイバ付きフェルールを第2のブロックとして備え、この第2のブロックは矢印Bのようにスリーブ31の左側から、スリーブ31に第1のブロックの直近まで挿入している。第2のブロック(フェルール32及び光ファイバ33)はスリーブ31に固定されておらず、スリーブ31の軸方向に移動可能となっており、フェルール32の外周面には円筒型のピエゾ素子52が接着されている。また、ピエゾ素子52はスリーブ31にも接着されている。従って、電圧の印加によりピエゾ素子52が、矢印Cのようにスリーブ31の軸方向に伸縮すると、このピエゾ素子31の伸縮に伴って第2のブロック(フェルール32及び光ファイバ33)が、矢印Cのように前記軸方向に移動する。
【0092】
そして、第2のブロックの光ファイバ33の端面には誘電体多層膜ミラー51が形成されている。なお、図16では誘電体多層膜ミラー51が、第2のブロックの端面全体(光ファイバ33の端面及びフェルール31の端面)に形成している。
【0093】
このことにより、対向した第2のブロックの光ファイバ33の端面上の誘電体多層膜ミラー51と、面発光半導体レーザ10の下部半導体ミラー10cとの間で発振する。即ち、外部共振器タイプの面発光半導体レーザモジュールとなっている。発振した光は光ファイバ24,33にカップリングされて出力される。しかも、ピエゾ素子52によって第2のブロック(フェルール32及び光ファイバ33)を機械的に移動させて、第2のブロック側の誘電体多層膜ミラー51と、第1のブロック側の下部半導体ミラー10cとの間隔を変えることにより、面発光半導体レーザ10の発振波長を変えることができる。ピエゾ素子は20mm程度の長さのものに10V程度の電圧を印加すると、約1μm伸びる。従って、ミラー51,10c間の間隔を5から10μm程度とすることにより、長波長帯、例えば1.55μm帯で1本の発振波長が得られ、ピエゾ素子の伸縮で前記間隔(ギャップ)を1μm程度調整することにより、100nm程度の波長可変幅が得られる。
【0094】
以上のように、この第3の実施例によれば、パッシブアライメントで容易に(安価に)位置合せをすることができ、更に外部に誘電体多層膜ミラー51を形成し、ピエゾ素子52でミラー51,10c間を間隔を変えることができるようにしているため、長波長帯(例えば1.55μm帯)で安価な可変波長のファイバ付き面発光半導体レーザモジュールを実現することができる。
【0095】
なお、上記では第2のブロック(金属フェルール32及び光ファイバ33)をピエゾ素子32によって移動させるようにしているが、これに限定するものではく、第1のブロック(金属フェルール13)にピエゾ素子を接着し、このピエゾ素子で第1のブロックをスリーブ31の軸方向に移動させるようにしてもよい。
【0096】
(第4の実施例)
また、上記ではフェルール側の突起または溝と面型光半導体デバイス側の突起または溝とを嵌め込む実施例を示したが、フェルール側に形成された溝または突起に面型光半導体デバイス全体を嵌め込んでもよい。
【0097】
即ち、図17に示すように、面発光半導体レーザ10等の面型光半導体デバイスは、ダイシング、へき開等の加工手段により、面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心として外形が四角形状となるように整形加工し、フェルール13の片端面には、四角状に整形加工した面型光半導体デバイス全体が嵌まるようにフェルールの中心軸を中心とした円形状の溝15を直接加工する。そして、図18中に矢印で示すように面発光半導体レーザ10等の面型光半導体デバイス全体を前記フェルール13の溝15に嵌め込むことにより、面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部がフェルールの中心軸上に位置するように配置し、更に前記フェルールに光ファイバを挿入して、面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、光ファイバとの光学的なカップリングを可能とする。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように本発明では、フェルールの片端面および面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面または半導体基板側裏面に突起または溝を形成して、両者を嵌め込むように搭載することにより、互いの中心が一致するようにパッシブアライメントできる。また、金属フェルールを用いることにより、この金属フェルールを介して面型光半導体デバイスの電極を外部に引き出すことができる。また、このような面型光半導体デバイスが搭載されたファイバ付きフェルール(第1のブロック)と他のファイバ付きフェルール(第2のブロック)とをスリーブに両側から挿入すれば、スリーブ両端の光ファイバに光を出力できるファイバ付き面型光半導体モジュールを簡単に実現できる。また、従来の高速マウントに穴を開けてフェルールを挿入し、このフェルールに面発光半導体レーザを搭載すれば、高速駆動の面発光半導体レーザモジュールを実現できるし、更に外部ミラー(誘電体多層膜ミラー)を、第1のブロックと対向する第2のブロックの光ファイバの端面上に形成すれば、外部共振器タイプの可変波長面発光半導体レーザモジュールを実現できる。そして、何れもパッシブアライメントであるので、非常に安価にモジュールを作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例において金属フェルールの片端面を加工する工程を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例において金属フェルールの片端面を加工する工程を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例において金属フェルールの片端面を加工する工程を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例において面発光半導体レーザの裏面に位置合せ用の突起を形成する工程を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例において面発光半導体レーザの裏面に位置合せ用の突起を形成する工程を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例において面発光半導体レーザの裏面に位置合せ用の突起を形成する工程を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例において面発光半導体レーザの裏面に位置合せ用の突起を形成する工程を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例において金属フェルールの片端面に面発光半導体レーザを搭載する工程を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施例において金属フェルールの片端面に面発光半導体レーザを搭載する工程を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施例において金属フェルールの片端面に面発光半導体レーザを搭載する工程を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施例において、金属フェルールの片端面に面発光半導体レーザを搭載する工程を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施例において、面発光半導体レーザの半導体基板側裏面と金属フェルールの片端面とを対向させて接続した場合の接続部の拡大図である。
【図13】本発明の第1の実施例において、面発光半導体レーザのエピタキシャル層側表面と金属フェルールの片端面とを対向させて接続した場合の一例を示す接続部の拡大図である。
【図14】本発明の第1の実施例において、面発光半導体レーザ搭載金属フェルールを絶縁性スリーブに入れてファイバ付きのモジュール化した構造を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施例として高速マウントへ面発光半導体レーザを搭載した構造を示す図であである。
【図16】本発明の第3の実施例である波長可変のファイバ付き面発光半導体レーザモジュールの構造を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施例であるファイバ付き面発光半導体レーザモジュールの構造を示す図である。
【図18】従来のファイバ付き半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 面発光半導体レーザ
11 発光部
11a 上部ブラッグ反射ミラー
11b 活性層
11c 下部半導体ミラー
12 半導体基板
13 金属フェルール
14 突起
15 溝
16 溝
17 ハンダ
18 突起
19 電極面
20 パッド電極
21 ボンディングワイヤ
22 電極線
23 金属フェルールの小片
24 光ファイバ
24a コア
25 ポリイミドなどの膜
26 予め突起が形成された半導体基板
28 基板電極
29 光通過部分
30A 裏面出射のレーザ光
30B 表面出射のレーザ光
31 スリーブ
32 フェルール
33 光ファイバ
41 高速マウント
42 面発光半導体レーザ搭載部分
43 ボンディングワイヤ
44 Au電極
45 フェルール挿入穴
51 誘電体多層膜ミラー
52 ピエゾ素子

Claims (19)

  1. 面発光半導体レーザ、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等の半導体ウエハの面に垂直に発光、受光または光入出力する面型光半導体デバイスに光ファイバが接続された形態のモジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面には、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起または溝が形成され、
    かつ、フェルールを備え、このフェルールの片端面には、前記面型光半導体デバイスの突起または溝が嵌まるように同フェルールの中心軸を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起または溝が、前記片端面を直接加工して形成されており、
    前記面型光半導体デバイスの突起または溝が形成された面を、前記フェルールの突起または溝が形成された面に対向させて、前記面型光半導体デバイスの突起または溝と、前記フェルールの突起または溝とを互いに嵌め込むことにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記フェルールの中心にくるように配置し、更に前記光ファイバは前記フェルールに挿入して、
    前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、前記光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  2. 面発光半導体レーザ、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等の半導体ウエハの面に垂直に発光、受光または光入出力する面型光半導体デバイスに光ファイバが接続された形態のモジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面には、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心とした円周上に位置する位置合せ用の突起または溝を形成し、
    かつ、第1のフェルールと、この第1のフェルールよりも直径が小さい第2のフェルールの小片とを用い、前記第1のフェルールの片端面には、前記第2のフェルールの小片を前記第1のフェルールの中心軸と前記第2のフェルールの小片の中心軸とを位置を合わせた状態で接着することにより、前記第1のフェルールの中心軸を中心とした円周上に位置する突起を形成し、
    前記面型光半導体デバイスの突起または溝が形成された面を、前記第1のフェルールの突起が形成された面に対向させて、前記面型光半導体デバイスの突起または溝と前記フェルールの突起とを互いに嵌め込むことにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記第1のフェルールの中心にくるように配置し、更に前記光ファイバは前記フェルールに挿入して、
    前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、前記光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  3. 請求項1または2に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面または半導体基板側裏面にエッチング等の手法により直接加工されて形成されていることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  4. 請求項1または2に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面または半導体基板側裏面に設けたポリイミド等の絶縁層を、エッチング等の手法により加工して形成されていることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  5. 請求項1または2に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
    前記面型光半導体デバイスの半導体基板面に直接または接着層を介して貼り合わせた他の半導体もしくはガラス等の基板を、エッチング等の手法により加工して形成されていることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  6. 請求項1または2に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスのエピタキシャル層側表面もしくは半導体基板側裏面に形成されている位置合わせ用の突起または溝が、
    前記面型光半導体デバイスの半導体基板面に、予め位置合せ用の突起または溝がエッチング等の手法により形成されている他の半導体もしくはガラス等の基板を、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記他の半導体もしくはガラス等の基板に予め形成されている突起または溝の中心にくるよう、これらの発光部、受光部または光入出力部と突起または溝とを整合させて、接着することにより形成されていることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  7. 面発光半導体レーザ、フォトダイオード、面型光アンプ、面型光ゲート等の半導体ウエハの面に垂直に発光、受光または光入出力する面型光半導体デバイスに光ファイバが接続された形態のモジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスは、ダイシング、へき開等の加工手段により、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部を中心として外形が四角形状となるように整形加工され、
    かつ、フェルールを有し、このフェルールの片端面には、前記面型光半導体デバイス全体が嵌まるように同フェルールの中心軸を中心とした円形状の溝が直接加工されており、
    前記面型光半導体デバイス全体を前記フェルールの溝に嵌め込むことにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部が前記フェルールの中心軸上に位置するように配置し、更に前記光ファイバは前記フェルールに挿入して、
    前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と、前記光ファイバの中心とをパッシブに位置合せすることにより、前記面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部と、前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記フェルールはニッケル、コバール、銅、ステンレスなどの金属で形成されており、このフェルールに前記面型光半導体デバイスを搭載する際、前記フェルールの片端面に形成したハンダで前記面型光半導体デバイスと電気的に接続することにより、前記面型光半導体デバイスの第1の電極を外部へ引き出し、
    更に前記フェルールの側面に溝を設け、この溝に前記フェルールとは電気的に絶縁された電極線を配置し、この電極線と、前記面型光半導体デバイスにおいて前記フェルールとの位置合せ面とは反対側の面に形成された第2の電極とをボンディングワイヤで接続することにより、
    前記面型光半導体デバイスに外部から、前記フェルールと前記電極線とを介して通電可能に構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  9. 請求項1から7の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記フェルールはニッケル、コバール、銅、ステンレスなどの金属で形成されており、前記フェルールに前記面型光半導体デバイスを搭載する際、前記フェルールの片端面に形成したハンダで前記面型光半導体デバイスと電気的に接続し、
    更に前記フェルールの側面に溝を設け、この溝に前記フェルールとは電気的に絶縁された電極線を配置し、この電極線と、前記面型光半導体デバイスにおいて前記フェルールとの位置合せ面に形成して第2の電極とを接続しており、
    前記面型光半導体デバイスの位置合せ面が、エピタキシャル層側表面の場合には、このエピタキシャル層側表面に形成された前記第1の電極と第2の電極とを、各々、前記フェルールと前記電極線とを介して直接外部に引き出し、
    あるいは、前記面型光半導体デバイスの位置合せ面が、半導体基板側裏面の場合には、前記エピタキシャル層側表面に形成された前記第1の電極と第2の電極を、各々、半導体基板にあけた貫通孔に導電物質を埋め込むことにより形成したスルーホール型電極を介して半導体基板側裏面に引き出し、且つ、前記フェルールと前記電極線とを介して外部に引き出すことにより、
    前記面型光半導体デバイスに外部から、前記フェルールと前記電極線とを介して通電可能に構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールを第1のブロックとして備え、この第1のブロックをスリーブの片側から、同スリーブに挿入し、且つ、他のフェルールに他の光ファイバを挿入してなるファイバ付きフェルールを第2のブロックとして備え、この第2のブロックを同スリーブの反対側から、同スリーブに挿入して、
    前記第2のブロックに含まれる面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心が、前記第2のブロックに含まれる光ファイバの中心と一致するように配置することにより、
    前記面型光半導体デバイスと前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能とした構成であることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  11. 請求項10に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間に位置するように前記スリーブにセルフォックレンズ等の光学素子を挿入して、この光学素子により前記第1のブロックと前記第1のブロックとを光学的に結合するように構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  12. 請求項10または11に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスは面発光半導体レーザであり、
    前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバの何れか一方からは、前記面発光半導体レーザからの主出力光を取り出し、前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバの何れか他方からは、前記面発光半導体レーザからのモニタ光を取り出すように構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  13. 請求項10または11に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスは面発光半導体レーザであり、
    面発光半導体レーザ用のポンピング光を、前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバを介して導入することにより、前記面発光半導体レーザに照射し、
    前記面発光半導体レーザからの主出力光、または主出力光とモニタ光を前記第1のブロックまたは第2のブロックに含まれる光ファイバから取り出すように構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  14. 請求項10から13の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記面型光半導体デバイスは面発光半導体レーザであり、
    この面発光半導体レーザには、上部ブラッグ反射ミラーの全部または一部が形成されておらず、前記第2のブロックの光ファイバの端面には、誘電体多層膜ミラーが形成されており、
    前記面発光半導体レーザに形成された下部半導体ミラーと、外部の前記誘電体多層膜ミラーとの間で、電流注入もしくは光励起により、前記面発光半導体レーザを発振させ、
    更に前記第1のブロックまたは第2のブロックのフェルールにピエゾ素子を接着し、このピエゾ素子で前記第1のブロックまたは第2のブロックを前記スリーブの軸方向に機械的に移動させることによって前記下部半導体ミラーと前記誘電体多層膜ミラーの間隔を変化させることにより、前記面発光半導体レーザの発振波長を可変とした構成であることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  15. 請求項1から9の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールを、第1のブロック及び第2のブロックとしてそれぞれ備え、
    前記第1のブロックをスリーブの片側から、同スリーブに挿入し、且つ、前記第2のブロックを同スリーブの反対側から、同スリーブに挿入することにより、
    前記第1のブロックに含まれる面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心が、前記第2のブロックに含まれる面型光半導体デバイスの発光部、受光部または光入出力部の中心と一致するように配置して、
    前記面型光半導体デバイスと前記光ファイバとの光学的なカップリングを可能にした構成であることを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  16. 請求項15に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間に位置するように前記スリーブにセルフォックレンズ等の光学素子を挿入して、この光学素子により、前記第1のブロックと前記第1のブロックとを光学的に結合するように構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  17. 請求項15または16に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールにおいて、
    前記第1のブロックの面型光半導体デバイスが面発光半導体レーザ、前記第2のブロックの面型光半導体デバイスがフォトダイオード等のディテクタであり、
    前記第1のブロックの光ファイバから、前記面発光半導体レーザの主出力光を取り出し、前記第2のブロックから、前記ディテクタのモニタ電気出力を取り出すように構成としたことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  18. 請求項1から9の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールを備え、
    高周波駆動用に作製された汎用の半導体レーザマウントの半導体レーザチップを搭載する部分に、前記ファイバ付き面型光半導体モジュールのフェルールを挿入できる円形状の穴をあけて、この穴に同フェルールを前記半導体レーザマウントの裏側から挿入し、
    前記面発光半導体レーザを、前記半導体レーザマウントの表面側から、前記フェルールに嵌め込み、
    前記半導体レーザマウントの裏側に前記ファイバ付き面型光半導体モジュールの光ファイバを介して前記面発光半導体レーザの光を取り出す、あるいは前記半導体レーザマウントの裏側から前記光ファイバを介して光を入れるように構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
  19. 請求項1から9の何れか1項に記載のファイバ付き面型光半導体モジュールを備え、
    高周波コネクタのキャップに前記ファイバ付き面型光半導体モジュールのフェルールを挿入できる円形状の穴をあけて、この穴に同フェルールを同キャップの表側から挿入し、
    前記面発光半導体レーザを、前記キャップの裏側から前記フェルールに嵌め込み、
    更に前記面発光半導体レーザに形成された電極をボンディングワイヤ等の接続手段により半導体レーザマウントの電極に接続し、
    前記ファイバ付き面型光半導体モジュールの光ファイバを前記キャップの表側から前記フェルールに挿入して、
    前記高周波コネクタのキャップ側から、前記ファイバ付き面型光半導体モジュールの光ファイバを介して前記面発光半導体レーザの光を取り出す、あるいは前記キャップ側から前記光ファイバを介して光を入れるように構成したことを特徴とするファイバ付き面型光半導体モジュール。
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