JP2004101623A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像剤のトナー濃度の測定精度を向上でき、装置の小型化を図れる画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体2と、この潜像担持体2の潜像を現像化する現像装置3とを具え、前記現像装置3が、トナーとキャリアからなる2成分現像剤Dを保持する剤担持体6と、この剤担持体6に現像剤Dを搬送して供給する搬送供給部材9とを有した画像形成装置1において、現像剤Dのトナー濃度を検知する濃度センサ11が、前記搬送供給部材9に設けられている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファクシミリ、複写機、プリンタ、複合機などに用いられる2成分現像装置を具えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機やプリンタなどの画像形成装置に具えられた現像装置は、その内部に多量の現像剤を収容しており、装置内で現像剤を攪拌して現像剤担持体に供給する構成が知られている。特に、トナーとキャリアとを混合した現像剤を用いる、いわゆる二成分系の現像装置では、トナー補給部から供給されたトナーが、スクリューやパドルなどの搬送供給部材によってキャリアに混合されながら、現像剤担持体へ搬送されて供給される。その後、画像形成によってトナーが消費された現像剤は、再度トナー補給部を通過するように搬送され、このトナー補給部でトナーが補給されて、再びキャリアとの混合、攪拌、搬送が繰り返される。
【0003】
この現像剤のトナーとキャリアの比率は、濃度センサによって検知されており、この比率が画像形成によるトナーの消費状態に応じて変化するので、トナー補給部からトナーが補給されて、比率を一定に保つようにしている。すなわち、例えばトナーの透磁率やトナーの帯電量を測定することによって、現像剤中のトナー濃度が判別される。このトナー濃度に基づき、トナー濃度を一定に調整する制御をおこなって、画像濃度の安定化が図られる。すなわち、トナー濃度が低い場合には、不足したトナーを補充する一方、トナー濃度が高い場合には、トナーの補給を抑制または停止している。
【0004】
しかしながら、現像剤が循環する途中で、現像剤に部分的な滞留が生じることがあるので、この部分的な滞留によって、濃度センサの誤検知が発生しやすいという問題があった。そのため、スクリュー形状の変更や、トナー濃度に関連した制御の変更などによって改善を図っており、各種の提案がおこなわれている。すなわち、スクリューの一部を切り欠いて、濃度センサのセンサ面を現像剤の循環経路を形成する壁面から突出させた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成によれば、壁面の凹部内に濃度センサのセンサ面が位置していないので、この凹部にトナーなどが停留したことによるセンサの誤検知が回避できるとされている。充分に攪拌した状態の現像剤で実際にトナー濃度を検出し、この検出値と設定値とを比較して補正値を決定し、この補正値によりトナー濃度検知の補正をおこなう構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この構成によれば、トナー濃度制御の精度を向上できるとされている。現像剤の濃度分布の不均一を修正した後に、濃度の測定をおこなう構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この構成によれば、正確なトナー濃度の測定が可能になるとされている。スクリューのピッチ間のトナー濃度センサに対応した箇所に他よりも大きな攪拌板を設け、この攪拌板によって、軸長手方向に進む現像剤量よりも軸径方向に寄せ集められる現像剤量の比率を大きくすることにより、トナー濃度センサが設置された近傍の箇所のみ現像剤面を高めた構成が知られている(例えば、特許文献4参照。)。この構成によれば、このように現像剤面を高めて、濃度センサの検知対象である現像剤の層厚を充分に確保しているので、正確なトナー濃度の測定が可能になるとされている。濃度センサ付近のスクリューピッチに比べて、トナー補給部からのトナーが補給される補給口付近のスクリューピッチを大きくすることにより、補給部付近で現像剤が搬送される流速を速くし、濃度センサ付近で遅くした構成が知られている(例えば、特許文献5参照。)。この構成によれば、補給部付近では現像剤面が低くなるので、補給したトナーが現像剤と混合せずに剤面に浮いてしまうことがなくなり、攪拌性の向上が図れるとともに、濃度センサ付近では現像剤面を高められることから、正確なトナー濃度の測定が可能になるとされている。
【0005】
ところが上記の各構成では、濃度センサによるトナー濃度の測定精度が充分に得られない問題があった。すなわち、各構成の濃度センサは現像剤を搬送させる経路を形成する壁側に固定されて設けられ、この搬送される現像剤の流れの外周側を検知するようにしている。このため、壁側付近のトナーとキャリアとの混合程度の少ない成分が片寄った部分や、トナーが補給されても濃度が補給前と変わらない滞留した部分を濃度センサが検知する機会が頻繁に生じる。したがって、ある巾で変動したトナー濃度の測定値が得られることになる。特に、高濃度にトナー濃度が設定されている場合には、この測定値の変動巾が増大する傾向にある。この結果、測定値の変動に影響されてトナー濃度の制御が不安定となるので、形成した画像の地汚れや画像濃度が過多となったり、不足したりする事態が生じて、画質が低下するおそれがある。
【0006】
他方、近年の傾向として省スペース化に対応するために、画像形成装置の小型化が望まれている。このため、各種のセンサ類も各ユニット内に配置して、他の機能部品と融合化させることにより、機能部品用のスペースをセンサ用のスペースとして兼用させて、結果的にセンサ用のスペースを削減することが要請されている。
【0007】
【特許文献1】
特許2864182号公報
【特許文献2】
特開平7−271174号公報
【特許文献3】
特開平7−1344887号公報
【特許文献4】
特開2001−343825号公報
【特許文献5】
特開2001−209240号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、現像剤のトナー濃度の測定精度を向上でき、装置の小型化を図れる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、潜像担持体と、この潜像担持体の潜像を現像化する現像装置とを具え、前記現像装置が、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を保持する剤担持体と、この剤担持体に現像剤を搬送して供給する搬送供給部材とを有した画像形成装置において、現像剤のトナー濃度を検知する濃度センサが、前記搬送供給部材に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記現像装置が、前記剤担持体の剤量を規制するドクター部材と、現像剤にトナーを補給するトナー補給部とを有していることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記搬送供給部材が、回転軸と、該回転軸に形成された螺旋状の羽根とを有し、回転駆動により、現像剤を剤担持体の軸方向に攪拌しながら搬送するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記濃度センサが、搬送供給部材の回転軸に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3において、前記濃度センサが、搬送供給部材の羽根に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記濃度センサが、検知したトナー濃度を無線により送信していることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図面により説明する。図1は、この第1の実施形態の画像形成装置を説明し、その全体の概略構成を示す断面図であり、図2は、搬送供給部材の全体構成を示す側面図であり、図3は、現像剤の循環経路の概略を示す斜視図である。
【0016】
この第1の実施形態の画像形成装置1は、図1に示すように、像担持体としての感光体2と、感光体2を一様に帯電する図示しない帯電ローラと、露光で感光体2上に静電潜像を形成する図示しない書き込み手段と、静電潜像を現像しトナー像として可視像化する現像装置3と、感光体2上のトナー像を用紙に転写する転写手段4と、トナー像を用紙に固定する図示しない定着装置となどを有している。
【0017】
現像装置3は、感光体2に対向して設置された現像剤担持体としての現像スリーブ6と、トナーとキャリア(磁性体粒子)からなる2成分現像剤Dを収容する収容部7と、この収容部7にトナーを補給する図示しないトナー補給部と、収容部7に補給されたトナーをキャリアに攪拌混合し現像剤Dとして現像スリーブ6に搬送して供給する第1の搬送供給部材8および第2の搬送供給部材9と、現像スリーブ6上の剤量を規制するドクターブレード部材10とから主に構成され、第2の搬送供給部材9に現像剤Dのトナー濃度を測定する濃度センサ11が設けられている。
【0018】
第1の搬送供給部材8と第2の搬送供給部材9とは、それぞれ回転軸8a,9aと、この回転軸8a,9aに形成された螺旋状の羽根8b,9bとを有し、収容部7に形成された凹部内に互いの回転軸8a,9aを平行にして回転駆動が可能に収容され、第2の搬送供給部材9が現像スリーブ6の下方に対向されて配置されている。したがって、これらの第1および第2の搬送供給部材8,9によって、現像剤Dを現像スリーブ6の軸方向に攪拌しながら搬送して供給するようにしている。
【0019】
すなわち、第1および第2の搬送供給部材8,9は、図2に示すように、それぞれ所定の軸径が確保された回転軸8a,9aに羽根8b,9bが同じ回り方向に螺旋状に形成されている。したがって、これらの羽根8a,9bにより螺旋状の連続面が形成され、この連続面は、所定の同一のピッチが設定されかつ同一の外周径を確保するようにしている。これらの第1および第2の搬送供給部材8,9の回転軸8a,9aの一端部には、図3に示すように、ギア8c,9cが設けられ、これらのギア8c,9cは、電動モータなどにより駆動される減速ギア列12の最終の出力ギア12aに噛合されている。したがって、第1および第2の搬送供給部材8,9は、互いに逆方向に回転駆動され、現像剤Dをそれぞれ軸方向の反対方向に搬送するようになっている。
【0020】
すなわち、これらの第1の搬送供給部材8と第2の搬送供給部材9との間は、収容部7が有する図示しない仕切り壁で区画され、これらの第1および第2の搬送供給部材8,9の回転駆動に伴ない、現像剤Dをそれぞれの軸方向に搬送するようにしている。この収容部7の軸方向の前後端部に位置した仕切り壁には図示しない切欠き部が形成され、この切欠き部を介して一方から他方に現像剤Dの受け渡しができるようにしている。すなわち、現像剤Dは、第1の搬送供給部材8の回転軸8aの手前側から奥側に向けて軸方向に沿って攪拌されながら搬送され、この奥側で図示しない切欠き部を介して第2の搬送供給部材9へと引き渡される。次に、現像剤Dは、第2の搬送供給部材9の回転軸9aの奥側から手前側に向けて軸方向に沿って攪拌されながら搬送され、この搬送経路の途中で現像スリーブに6に所定のトナー濃度の現像剤Dが供給され、この手前側で図示しない切欠き部を介して第1の搬送供給部材8へと引き渡され、再び第1の搬送供給部材8により搬送される。このように、現像剤Dは、図3中に矢印で示されるように、略四角形状に形成された経路を一定の方向に循環するようにしている。
【0021】
この第2の搬送供給部材9の回転軸9aには、図4(a)に示すように、濃度センサ11が設けられている。この濃度センサ11は、収容部7内の現像剤Dのトナー濃度を磁気などを用いて検知するようにしている。この濃度センサ11のセンサ面11aは、回転軸9aの周面から僅かに突出するように設けられ、センサ面11aを凹部内に配置しないようにしている。このため、センサ面11aに現像剤Dが滞留することが防止される。
【0022】
この濃度センサ11の第2の搬送供給部材9上での設置箇所は、上記の現像剤Dの循環経路で、図示しないトナー補給部によりトナーが補給される箇所Aよりも下流側の充分な攪拌が期待できる箇所であればよく、このような箇所からトナーの補給の直前の箇所までの循環経路上の範囲内で自由に選択することができる。特に例えば、トナーの補給箇所の直前の箇所Bとなるように、第2の搬送供給部材9に濃度センサ11を設けた構成としてもよい。したがって、この場合には、トナーが補給される直前の箇所Bに濃度センサ11を設置したので、トナーが補給される直前、つまり現像スリーブ6によりトナーが消費された状態の現像剤Dのトナー濃度を測定できることになり、必要なトナー補給量を正確に把握することができる。この濃度センサ11は、回転型接点13を介して、画像形成装置1の本体側に電気的に接続されている。
【0023】
すなわち、図4(b)に示すように、搬送供給部材9の回転軸9aは中空状に形成され、この中空部分を通過して濃度センサ11からの電源線14a,接地線14bおよび測定信号線14cが回転軸9aの一端部に向けて設置されており、その軸端には回転型接点13が設けられている。この回転型接点13は、搬送供給部材9側に設けられた端面部材15と、これに対向して配置された本体側の固定部材16とから構成され、リング状の接点端子15a,15b,15cが端面部材15に設けられ、これらのリング状の接点端子15a,15b,15cにしゅう接されるピン状の接点端子16a,16b,16cが固定部材16に設けられている。すなわち、この端面部材15は、非導電性材質により円盤状に形成され、回転軸9aの軸端に同心状に装着され、回転軸9aの回転に従動して回転される。この端面部材15は、その中心に所定半径の円形に形成された導電性の接点端子15a,とこの中心と同心状に半径が異なるリング状に形成された導電性の接点端子15b,15cとが設けられ、各接点端子15a,15b,15cにはそれぞれ濃度センサ11からの電源線14a,接地線14bおよび測定信号線14cが接続されている。他方、固定部材16は、非導電性材質により円盤状に形成され、その中心から外周に向けて端面部材15の接点端子15a,15b,15cに対応した間隔でピン状の接点端子16a,16b,16cが突出して設けられ、それぞれの接点端子16a,16b,16cは、本体側に設置された図示しないトナー濃度制御に関連したコントローラや電源などからの配線がそれぞれ所定に接続され、接点端子16aには電源から5V電圧の駆動電流が供給されている。したがって、第2の搬送供給部材9の搬送動作に伴なって端面部材15が回転しても、それぞれ、固定部材16側のピン状の接点端子16a,16b,16cが、対応した端面部材15のリング状の接点端子15a,15b,15cの周上を移動してしゅう接されるので、電気的な接続が維持される。このため、第2の搬送供給部材9が回転駆動されても、回転型接点13を介して、画像形成装置1の本体側から濃度センサ11に駆動電流が供給されるとともに、濃度センサ11からトナー濃度を示す測定信号を同本体側に取得させることができる。
【0024】
このように構成された第1の実施形態によれば、図5のグラフに示されるように、トナー濃度の測定精度を向上させることができた。すなわち、トナーの平均粒径が9.5μm、キャリアの平均粒径が50μm、トナー濃度の変動巾が1wt%〜9wt%(重量%)、第1および第2の搬送供給部材8,9の回転数が100rpm〜500rpmに設定した条件下で、従来構成の濃度センサとこの第1の実施形態の濃度センサ11とによって、トナー濃度の測定をおこない、これらの濃度センサで測定したトナー濃度と、実際のトナー濃度とを対比してグラフ化した。従来の構成では、図5中に破線で示すように、トナー濃度が高くなるのに応じて、濃度センサ11による測定値のバラツキ巾つまり変動巾が大きくなることが解る。これは、トナー濃度が高いと現像剤Dの流動性が低下するので、第1および第2の搬送供給部材8,9の羽根9bと収容部7の壁部との間に現像剤Dの滞留が発生しやすくなるためである。すなわち、従来の収容部7の壁部側に固定されて設置された濃度センサでは、このような滞留部分を検知する機会が多く、しかもトナー濃度が高いことから、この滞留部分に偏在するトナー濃度の片寄りが増大している。このため、従来の濃度センサが検知するトナー濃度の変動巾が拡大される。
【0025】
これに対して、この第1の実施形態の構成によれば、トナー濃度測定値の変動巾を従来の構成に比べて50%以下に低減させることができた。すなわち、濃度センサ11を第2の搬送供給部材9の回転軸9aに設けたことにより、濃度センサ11の検知箇所が、収容部7の壁部から離れた現像剤が搬送される流れの内側の箇所になり、しかも従来の固定されたポイントではなく、回転軸9aの外径の円周上を移動されているので、濃度センサ11の検知範囲が拡大されることになる。このため、トナー濃度が片寄った部分や、攪拌が少ないためにトナーが補給されても濃度が補給前と変わらない部分を検知する機会が減少され、搬送供給部材9により攪拌されて搬送される現像剤Dを主体に検知でき、しかもこの流れを横切る箇所を検知範囲としてトナー濃度の測定をおこなえることになる。このように実際に現像スリーブ6に搬送されて現像スリーブ6が利用する現像剤Dの全体的なトナー濃度を取得できるので、トナー濃度を適切に検知できることになる。この結果、現像剤Dのトナー濃度を調節する制御を安定して適切におこなえるので、画像品質を向上することができる。他方、収容部7内に収容されている搬送供給部材9に濃度センサ11を設けているので、濃度センサ11が装置構成の深奥部に配置されることになり、濃度センサ11の保護を充分に確保することができる。さらに、現像スリーブ6や収容部7、トナー補給部などがユニットとして一体化され、このユニットをトナーの全量消費により交換するようにしている場合には、従来の画像成形装置1の本体側に濃度センサを設けた構成と異なり、濃度センサ11も同時に新たなものに交換されることになる。このため、経年劣化などによるセンサ性能の低下が防止され、高精度で安定した濃度測定がおこなえる。特に、この構成の場合には、トナー補給部により補給されるキャリアやトナーの成分特性、トナー濃度の設定条件などに応じた最適な濃度センサ11をユニット毎に選択することが可能となり、これによっても測定精度の向上を図ることができる。
【0026】
次に、この発明の第2の実施の形態を説明する。この実施の形態の画像形成装置においては、図6に示すように、濃度センサ17を羽根9bに設け、回転駆動される搬送供給部材9側と固定された収容部7側との中間の領域のトナー濃度を測定するようにしている。なお、上記の第1の実施形態と同一の構成の部材には、同一の符号を付して、説明を簡略化することにする。
【0027】
すなわち、上記の第1および第2の搬送供給部材8,9は、その回転軸8a,9aが比較的に太径に形成され、その周囲に螺旋状の羽根8b,9bが一体に形成されて、この羽根8b,9bが回転軸8a,9aの補強リブとなるので、軸としての剛性強度を充分に確保するようにしている。しかしながら、比較的にその軸長が長く、しかも粉体の現像剤Dを軸方向に搬送するため大きな負荷が掛かるので、その軸にねじれが生じることがある。このため、回転する羽根8b,9bの最外周端が軸の半径方向に僅かに変位するので、この外周端が収容部7の壁部に接触することを回避するために、これらの両者の間には、図7(b)に示すように、予め所定の隙間σが確保されている。
【0028】
したがって、この隙間σが大きくなるほど、搬送供給部材との接触範囲から離れた空間が大きくなり、この隙間σに滞留する現像剤Dが多くなる。このため、図7のグラフに示すように、回転軸9aに設けた濃度センサ11により測定したトナー濃度と、この隙間σに滞留した現像剤Dのトナー濃度との対応関係が、正比例の関係から劣化する傾向にある。すなわち、隙間σが大きくなるほど、搬送供給部材9の回転軸9a付近の濃度センサが検知したトナー濃度と、搬送供給部材9の羽根9bよりも外側の濃度センサが検知したトナー濃度との格差が大きくなる。このため、回転軸9aに設けた濃度センサ11および、収容部7の壁に設けた従来構成の濃度センサのいずれでも、実際の現像剤Dのトナー濃度が測定できないことになる。他方、隙間σを減少させるために、搬送供給部材9の軸の剛性強度を高めることは、搬送供給部材9を強度アップするためのコストの増加や、強度アップによる搬送供給部材9の重量化によって装置各部の構造の強化が必要となったり、搬送供給部材9を回転駆動させるエネルギー消費が増大したりして、コストダウンや小型化が要請されている実情にそぐわないことになる。
【0029】
そこで、この第2の実施の形態では、濃度センサ17を搬送供給部材9の羽根9bに設けることにより、搬送供給部材9の回転軸9aでその半径方向の回転軸9aと収容部7の壁部との中間の領域のトナー濃度を検知して、両者の中間の測定値を得るようにしている。すなわち、この濃度センサ17は、現像剤Dを押圧して搬送する側の羽根9bの面で、回転軸9aの半径方向で羽根9bの外周半径の略中間の位置に設置されている。この濃度センサ17から、上記の第1の実施の形態と同様に配線され、同様な回転型接点13を介して、画像形成装置1の本体側に接続されている。この濃度センサ17のセンサ面17aは、僅かに羽根9bの外面から突出して設けられ、このセンサ面17aに現像剤Dが停留しないようにしている。
【0030】
このように第2の実施形態によれば、濃度センサ17を搬送供給部材9の羽根9bに設けたことにより、搬送動作状態の羽根9bと収容部7の側壁との間に形成される隙間σが例えば1mm以上とされた構成の場合でも、現像剤Dのトナー濃度を小さな変動巾で正確に測定でき、トナー濃度の制御が向上できるので、この結果として得られる画像の画質を安定化および向上させることが可能となる。すなわち、搬送供給部材9から外側の収容部7の壁付近に滞留している現像剤Dのトナー濃度と、回転軸9a付近の攪拌移動されている現像剤Dのトナー濃度との中間のトナー濃度を測定することができる。他方、第1の実施形態の濃度センサ11の検知範囲が回転軸9aの外周半径により規定される周上の範囲となっているのに対して、この第2の実施形態の濃度センサ17の検知範囲は、濃度センサ17が羽根9bの径方向の略中間に設けられているので、第1の実施形態よりも大きな半径により規定される周上の範囲となっている。さらに、例えば従来の濃度センサが収容部7の壁部に設けられ、そのセンサ面の向きが、現像剤の流れ方向に平行な面となっているので、この流れの断面における外周の一部である線状の範囲を濃度センサが検知していることになる。これらに対して、この第2の実施形態の濃度センサ17が搬送供給部材9の羽根9bに設けられ、そのセンサ面が羽根9bの表面と同様に現像剤の流れ方向と交差する横断面に斜めに向けられて、この横断面の所定半径の周上を移動しているので、この流れに対して円錐ベルト状の範囲を濃度センサ17が検知していることになる。このため、濃度センサ17が担当する検知範囲を大幅に拡大することができ、現像剤の全体のトナー濃度をより正確に把握することが可能となる。さらに、濃度センサ17が羽根9bの現像剤Dを押圧して搬送する側の面に設置されているので、そのセンサ面17aと現像剤との接触が充分に図れることになり、これによっても測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0031】
次に、この発明の第3の実施の形態を説明する。この実施の形態の画像形成装置は、図8に示すように、濃度センサ19のワイヤレス化を図って、センサ用の配線を不要としたものである。なお、上記の第1の実施形態と同一の構成の部材には、同一の符号を付して、説明を簡略化することにする。
【0032】
すなわち、この濃度センサ19は、上記の第1の実施の形態と同様に第2の搬送供給部材9の回転軸9aに設置された構成とされ、回転軸9aの周面から突出するように設けられたセンサ面19aを有している。この濃度センサ19には、バッテリーなどからなる図示しない電源部と無線送信機とが内蔵され、画像形成装置の本体側には、図示しない無線受信機が設置されている。したがって、この濃度センサ11は、外部から独立したトナー濃度の測定動作を可能にしているとともに、測定したトナー濃度を弱電波により画像形成装置の本体側に送信するようにしている。
【0033】
このように構成された第3の実施形態によれば、濃度センサ19が独立電源のワイヤレス化されているので、濃度センサ19用に配線する必要が無くなることに加えて、上記の第1および第2の実施形態が有していた回転駆動される搬送供給部材9と固定された装置本体側との間を電気的に接続する回転型接点13も無くすことができる。この結果、濃度センサ19に関連した構成が簡素化され、コストダウンを図ることができる。濃度センサ19の単体としての独立性が確保されているので、濃度センサ19を簡便に取り扱えることになり、濃度センサ19を保守や修理のために取付け取り外す作業を簡素化することができる。他方、濃度センサ19と装置本体との連絡に無線を用いているので、この無線の到達範囲内ならば、搬送供給部材9側の濃度センサ19および装置本体側の無線受信機の配置を自由に選択できるので、レイアウトなどの設計の自由度を向上することができる。
【0034】
なお、上記の各実施形態では、搬送供給部材8,9をその回転軸8a,9aに螺旋状の羽根9a,9bによって同一のピッチで同一の外周半径が確保された連続的な面を形成するように構成したが、これに限られることなく、間歇的な面を形成したり、所定の箇所でピッチや外周半径を変更したり、多数枚の互いに独立したスクリュウ羽根を設けたりした構成としてもよい。他方、搬送供給部材8,9が既に有している部材に濃度センサ11,17,19を設けた構成としたが、新たに濃度センサのための専用部材を追加して設け、この専用部材に濃度センサを設置した構成としてもよい。したがって、この構成によれば、濃度センサのセンサ面の向きを、送供給部材9の回転軸9aの外周面や羽根9bの表面の向きと異ならせて、搬送経路上における現像剤の攪拌状態などに応じるように任意に設定できるので、よりトナー濃度の測定精度を向上させることが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、濃度センサを搬送供給部材に設けたことにより、濃度センサの検知する箇所が、搬送される現像剤の流れの内側となり、しかも搬送供給部材の搬送動作に伴ない常に現像剤に対して相対的に変位されることになる。このため、濃度センサが現像剤の滞留部分などの濃度が片寄った部分を検知する機会が減少され、現像剤全体のトナー濃度が反映された変動巾の少ないトナー濃度の測定値を得ることができる。このようにトナー濃度を適切に検知できることになるので、現像剤のトナー濃度の制御を安定して適正におこなえる。この結果、形成した画像の地汚れや画像濃度の過多、低下を防止することができ、画質の安定化と向上とを図ることができる。さらに、従来の搬送供給部材の周囲の部材に設けていた濃度センサ用の設置スペースが削減されるので、装置が小型され、省スペース化を図ることができる。
【0036】
請求項2の発明によれば、濃度センサによるトナー濃度の検知精度が向上され、しかも現像装置が、剤担持体の剤量を規制するドクター部材と、現像剤にトナーを補給するトナー補給部とを有した構成とされているので、現像剤へのトナーの補給量が適正化され、余分なトナー消費を解消することができる。このため、形成可能な画像数の増加が図れ、画像形成装置の性能を向上させることが可能となる。
【0037】
請求項3の発明によれば、搬送供給部材が、回転軸とこの回転軸に形成された螺旋状の羽根とを有し、回転駆動されて現像剤を剤担持体の軸方向に攪拌しながら搬送するように構成されているので、濃度センサの検知する箇所が、搬送される現像剤の流れの内側となり、しかも搬送部材の回転運動に伴ない周方向に移動され、常に現像剤が搬送される流れに対して相対的に変位される。このため、濃度センサが現像剤の流れの全体的なトナー濃度を検知することができ、変動巾の少ないトナー濃度を測定できる。この結果、現像剤のトナー濃度の制御が安定化および適正化され、画像形成装置が形成した画像品質の安定化や向上を図ることが可能となる。
【0038】
請求項4の発明によれば、濃度センサを搬送供給部材の回転軸に設けたことにより、この濃度センサが搬送供給部材により攪拌搬送されて流動状態となった現像剤のトナー濃度を検知できることになる。このため、現像剤の滞留部分を検知することが解消され、誤検知を未然に回避することができる。この結果、現像剤のトナー濃度を正確に測定することが可能となり、トナー濃度制御の適正化が図れるので、画像の画質の安定化と向上とが可能となる。
【0039】
請求項5の発明によれば、濃度センサを搬送供給部材の羽根に設けたので、搬送供給部材の外周箇所と搬送供給部材の回転軸の近傍箇所との中間の領域のトナー濃度を検知することができる。このため、搬送供給部材の外周側に滞留している現像剤のトナー濃度と、回転軸付近の攪拌され搬送されている現像剤のトナー濃度との中間のトナー濃度を測定できることになり、これらの両者のトナー濃度が反映された測定値を得ることができる。この結果、現像剤の滞留が多い構成でも、現像剤のトナー濃度を高精度に測定できるので、トナー濃度を調整する制御が安定化されて容易となり、画質の向上を図ることができる。
【0040】
請求項6の発明によれば、濃度センサが検知したトナー濃度を無線により送信する構成とされているので、この濃度センサ用の配線が不要となり、構成や組付け作業が簡素化され、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の画像形成装置を説明し、その概略構成を示す縦断面図である。
【図2】この搬送供給部材の全体構成を示す側面図である。
【図3】この第1の実施形態の画像形成装置を説明し、現像剤が循環する状態を示す概略斜視図である。
【図4】この第1の実施形態の濃度センサを説明し、(a)は、回転軸に設置した状態を示す斜視図、(b)は、配線状態を示す縦断面図、(c)は、回転型接点の斜視図である。
【図5】この第1の実施形態の濃度センサと従来の濃度センサとによる測定結果を対比したグラフである。
【図6】この発明の第2の実施形態の濃度センサを説明し、(a)は、濃度センサを羽根に設置した状態を示す斜視図、(b)は、隙間σを説明する搬送供給部材の正面図である。
【図7】この第2の実施形態を説明し、搬送供給部材の回転軸付近と搬送供給部材の外側である収容部の壁部付近のトナー濃度の測定結果を対比したグラフである。
【図8】この発明の第3の実施形態の濃度センサを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置          2 感光体(像担持体)
3 現像装置            4 転写手段
6 現像スリーブ(剤担持体)    7 現像剤の収容部
8 第1の搬送供給部材       8a 第1の搬送供給部材の回転軸
8b 第1の搬送供給部材の羽根   9 第2の搬送供給部材
9a 第2の搬送供給部材の回転軸  9b 第2の搬送供給部材の羽根
11,17,19 濃度センサ
11a,17a,19a 濃度センサのセンサ面
D 現像剤

Claims (6)

  1. 潜像担持体と、この潜像担持体の潜像を現像化する現像装置とを具え、前記現像装置が、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を保持する剤担持体と、この剤担持体に現像剤を搬送して供給する搬送供給部材とを有した画像形成装置において、
    現像剤のトナー濃度を検知する濃度センサが、前記搬送供給部材に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記現像装置が、前記剤担持体の剤量を規制するドクター部材と、現像剤にトナーを補給するトナー補給部とを有している請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記搬送供給部材が、回転軸と、該回転軸に形成された螺旋状の羽根とを有し、回転駆動により、現像剤を剤担持体の軸方向に攪拌しながら搬送するように構成されている請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記濃度センサが、搬送供給部材の回転軸に設けられている請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記濃度センサが、搬送供給部材の羽根に設けられている請求項3記載の画像形成装置。
  6. 前記濃度センサが、検知したトナー濃度を無線により送信している請求項1ないし5のいずれか記載の画像形成装置。
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JP2020070823A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 減速装置、現像装置及び画像形成装置

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