JP2004101315A - 水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水中に原子炉燃料集合体が、正規の位置に装荷されているか否かを、その識別標示の撮影により確認するためのカメラ装置で、従来装置に比し撮影時間と労力を大幅に軽減し、撮影映像の鮮明化を図る。
【解決手段】各別に燃料番号刻字等の識別標示Mが表出された隣装配列状態で林立している水中Wの原子炉燃料集合体1を撮影する。このために水中Wでなく気中Aに配設自在で一度に複数の識別標示Mが撮影可能な解像度の高いカメラ10と、水中Wの水面WFに配装された硝子板等の透光体11bを介して撮影がなされる位置に配装自在として箱眼鏡とにより構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】各別に燃料番号刻字等の識別標示Mが表出された隣装配列状態で林立している水中Wの原子炉燃料集合体1を撮影する。このために水中Wでなく気中Aに配設自在で一度に複数の識別標示Mが撮影可能な解像度の高いカメラ10と、水中Wの水面WFに配装された硝子板等の透光体11bを介して撮影がなされる位置に配装自在として箱眼鏡とにより構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力発電所にあって多数の原子炉燃料集合体を装荷した後の炉内燃料とか、燃料移送キャスク(CASK)内または使用済燃料ラック内の何れも水中にあって林立状態にある原子炉燃料集合体群に関し、これらが正規の位置に装荷されたか否かを確認するため、カメラを用いて当該原子炉燃料集合体に表示されている燃料番号刻字等の識別標示を撮影するための撮影カメラ装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置としては、図5、図6に開示の通り炉内の水中W中に隣装配列状態で林立している原子炉燃料集合体1が、正規の位置に間違いなく装荷されたか否かを確認するため、クレーン等により操作される操作用ポール2に取り付けた水中テレビカメラ3を水中Wへ浸漬すると共に、これまたクレーン等により操作することとなる照明用ポール4には水中照明器5を設け、さらに気中Aにはピット照明器6をも配装するなどしている。
そして上記の如き撮影カメラ装置を用いることで、原子炉燃料集合体1にあって図7、図8に例示する如き識別表示箇所Pに表示の燃料番号刻字等である識別標示Mを撮影するのであるが、ここで図7の7はBWR燃料の上部タイプレートを、そして図8の8はPWRの上部ノズルを示している。
【0003】
さて上記従来の撮影カメラ装置により撮影を行うには、前掲水中テレビカメラ3は、その解像度が低いことから一度に多数の原子炉燃料集合体1を撮影することができず、図6により理解されるように一体だけの撮影領域E毎に連続撮影しながら順次同図の仮想線で示された撮影進行ラインLに沿って、夫々の燃料番号である識別標示Mを確認して行くようにしている。
従って上記の水中テレビカメラ3によるときは炉心等における全原子炉燃料集合体1の各識別標示Mを確認し終わるまでに可成りの長時間と、多大な労力を費やしているのはもちろん、上記した撮影進行ラインLの手順を誤れば、映像の連続性が保持できず、正規の位置確認が不能となってしまう恐れがある。
【0004】
さらに、上記従来のカメラ装置によるときは、図5の如く水中テレビカメラ3、操作用ポール2、照明用ポール4そして水中照明器具5等多くの部材を必要とすることから、識別標示の確認を行うための準備作業はもちろん、後片付け作業にもクレーンが必要で、段取り作業にも可成りの時間と労力を要することになる。
しかも上記の後片付け作業に際しては、水中Wに浸漬されていた操作用ポール2、水中テレビカメラ3、照明用ポール4、水中照明器具5等につき、除染後の拭き取り作業を行わねばならないだけでなく、当該拭き取りに使用された紙ウエスとかゴム手袋などである大量の廃棄物が生じ、これを適切に処理しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の如き従来の識別標示確認用撮影カメラ装置が有している各種の欠陥に着目し、これらを解消しようとするもので、まず請求項1によるときは前記水中テレビカメラ3よりも解像度の高いカメラを採択することで、複数の原子炉燃料集合体を一回の撮影によって広い領域にわたって、その複数映像が得られるようにし、一瞬の映像であっても当該原子炉燃料集合体1の撮影位置を確認可能となし、このことで識別標示の確認を飛躍的な短縮経時内にて実施可能にしようとするのが第1の目的である。
【0006】
さらに請求項1にあっては、水中テレビカメラ3ではなしに解像度の高いカメラを水中ではなく気中において使用するようにし、当該カメラを安価に入手可能となし、しかも水中での取扱ではないことから操作性を飛躍的に向上させ得るだけでなく、水中における原子炉燃料集合体1を、単に気中から撮影しようとするのではなしに、水面に配装の箱眼鏡における硝子板等による透光体を介して撮影するように構成するのである。
かくして請求項1によるときは、水中における水面での波の影響による乱反射とか複雑な屈折などに基づく映像の乱れを根本的に解消可能とし、気中におけるカメラにより常に鮮明な撮影像が得られるようにしようとするのが第2の目的である。
【0007】
次に請求項2にあっては、上記請求項1の構成に加えて、そのカメラに対し投光方向を調節自在とした投光器を付加することで、気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能とし、もってカメラと照明源との一体的な同時移動ができるようにすることで、撮影対象箇所の位置が変更されても常に一定した照明条件を確保可能として、撮影結果の定常的な鮮明度を保証しようとしている。
【0008】
さらに請求項3によるときは、上記請求項2において用いられる投光器について、これにストロボを採択することで、従来例の水中テレビカメラの如く連続撮影の場合のような連続照射による照明ではなしに、撮影時のみ高光量を得ることのできる光源の採択により、撮影カメラ装置の小型化と電力消費の削減を可能にしようとしている。
【0009】
さて請求項4にあっては、前記請求項1の構成に加えてカメラに付設するとか近設した光遮光体によって、気中における天井等の照明器等が、前記の箱眼鏡における透光体への映り込み映像となることを消去可能し、このことによって当該透光体における映り込み映像の重撮により、原子炉燃料集合体の撮影像における識別標示の確認が不明瞭または不能となってしまうことを確実に回避し得るようにするのが、その目的である。
【0010】
そして請求項5によるときは、前記請求項1におけるカメラとしてデジタルスチールカメラを採択して、画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理により識別標示を文字認識できるようにし、かくしてすべての操作をノートパソコン等により簡易迅速にして手軽に行い得るようにしている。
【0011】
さらに請求項6では実用的に上記の各請求項に比し、より多くの部材を構成要素として完備させ、原子炉燃料集合体交換用クレーンに装備したカメラ設置台を所望位置まで横行自在とすることで、一度に全炉心を撮影できない場合でも、当該カメラ設置台に設けたカメラを炉心上の任意の位置まで移動可能として、当該カメラによる分割撮影が迅速かつ容易に実施し得るようにしている。
しかも請求項6では、前記請求項1における透光体をもった箱眼鏡、そして請求項2、3に係る投光器としてのストロボ、さらには請求項4の透光体における天井照明等に基づく映像を消去し得る光遮蔽体をも、前記のカメラ設置台に直接または間接に設けることで、明瞭なる撮影を保証し得るようにすると共に、当該カメラ設置台にはコンピュータ操作用台を設けることで請求項5の目的を、より容易に達成し得るようにし、かつ、前記の箱眼鏡については、これを係留紐によって、これまたカメラ設置台に直接または間接に付設することで、箱眼鏡の不本意な変動を拘束して、その使い勝手を改善しようとしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1にあっては、前記目的を達成すべく、各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に配設自在で、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、当該カメラによる上記撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡とにより構成するようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置を提供しようとしている。
【0013】
次に請求項2では上記した請求項1の構成に対して、さらにそのカメラに投光方向が調節自在で、気中から前記水中の原子炉燃料集合体を照明可能なるよう付設した投光器を具備させようにしている。
そして請求項3の場合には、上記請求項2においてカメラに投光方向が調節自在で、気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能なるよう付設した投光器について、これにストロボを採択するようにしたことを、その内容としている。
【0014】
請求項4にあっては、これまた前記の目的を達成するため請求項1の構成に対し、さらに前同気中にあって前記のカメラに付設また近設することによって、気中に装備された照明器等の上記箱眼鏡における透光体への映り込み映像につき、これを消去し得るようにした映像遮断用の光遮蔽体を付加してなる水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置に係るものである。
【0015】
請求項5にあっても、請求項1の構成にあって、そのカメラとしてデジタルスチールカメラを用いることで画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理により前記の識別標示を文字認識できるようにしたことを特徴としている。
【0016】
そして請求項6では、各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に設けられた原子炉燃料集合体交換用クレーンに立設された手摺には、横行自在なるようカメラ設置台を載装し、当該カメラ設置台には、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、投光方向が調節自在で気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能であるストロボと、上記カメラによる前記の撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡の係留紐と、気中に装備された照明器等の上記箱眼鏡における透光体への映り込み映像につき、これを消去し得る位置にあって配装された光遮蔽体とを直接または間接に付設すると共に、前同カメラ設置台にはコンピュータ操作台が形成されるようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置を提供しようとしている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明につき図面を参照して以下説示すると、請求項1にあっては前説の通り各別の識別標示Mが表出されて、図1(B)の如く隣装配列状態で林立している水中Wの原子炉燃料集合体の撮影に際し、図1(A)の如く気中Aに自己保持、支持体保持その他適宜の手段で配設自在であり、しかも図1(B)により理解される通り、複数の前記標識標示Mが一度に撮影可能な解像度の高く広撮影領域E1を具有するカメラ10を用いるようにする。
さらに上記の気中Aにおけるカメラ10と、水中Wの原子炉燃料集合体1との間にあって、水中Wにおける水中Fには別途用意した箱眼鏡11を所望位置にあって配装自在とするのであり、当該箱眼鏡11自体は既知の通り、水面WFに浮上等の手段で配装する木製その他の素材により形成された外枠体11aと、その底部を横向連設された硝子、プラスチック等により閉成して形成の透光体11bとによって構成されたものである。
従って請求項1の識別標示確認用撮影カメラ装置によるときは、まずカメラ10は気中Aに配設されることになるので、水中Wで使用するものに比し安価に入手でき、しかも水中Wでの取扱いでないことから、その操作性も飛躍的に改善される。
さらに水中テレビカメラよりも高解像度のカメラ10を採択するようにしたことから、多数の原子炉燃料集合体1を一回の撮影で図1(B)の如く広撮影領域E1にわたり、その映像を得ることができ、この結果その作業性を飛躍的に向上させることが可能となる。すなわち水中テレビカメラの如く順次一体毎に撮影してゆき、その連続性を確保しながら撮影しなければならない撮影カメラ装置に比し、格段にその作業経時を短縮し得ることとなる。
【0018】
さらに請求項1にあって特筆すべき技術内容は、上記の如きカメラ10と、水中Wの原子炉燃料集合体群との間にあって、水面WFに箱眼鏡11を配装するようにしたことで、気中Aから水中Wの被写体を撮影しても、水面WFにおける波の影響は前掲箱眼鏡11の透光板11bにより解消され、労せずして鮮明な撮影像を得ることが保証される。
【0019】
次に請求項2について詳記すると、図2に開示の如く前記した請求項1の構成にあって、さらに上記気中Aのカメラ10には、投光方向が調整螺子操作などの手段で調節自在であり、気中Aから水中Wの原子炉燃料集合体1を照明することができるように投光器12を直接または間接に付設するのである。
このようにすることで、請求項1につき説示した通りの作用効果を発揮し得るだけでなく、これに加えて図2のように撮影位置が実線箇所から、仮想線位置に変更されたとしても、カメラ10と投光器12との相対的関係位置は常に一定に保持し得ることから、所定の照明条件を保持することができ、撮影像の定常的なコントラストと鮮明度を保証することが可能となる。
しかも投光器12の投光方向は可変としてあることから、撮影に関する照明条件を必要に応じて適宜変更することができるのであり、より望ましい撮影結果を期待することができる。
【0020】
また請求項3にあっては、上記請求項2において採択されている投光器12について、これにストロボを採択するようにしており、これにより撮影時にあってのみ高光量が得られることで、充分に鮮明な映像が得られるだけでなく、光源の小型化を実現可能にすることができ、その取扱いも簡便化されることになる。
【0021】
さらに請求項4によるときは、前説の請求項1が具有する構成に対して、さらに以下の部材が付加されている。
すなわち請求項1における箱眼鏡11に関連して前記したカメラ10に直接取り付けるとか、当該カメラ10の近傍にあって適宜の手段により、光遮蔽体13を気中Aにあって配装するのである。
ここで図3(A)に例示のものでは、カメラ10の上位に平板状に形成された光遮蔽体13が、水面WFと平行状となるよう横向配設するようにしてあるのに対し、同図(B)の実施態様ではカメラ10の受光端部にあって、水面WFへ向け先広がりに形成されることにより円錐状の光遮光体13が、箱眼鏡11に向け開口されるよう付設されている。
【0022】
さて上記光遮光体13の果たす役割は以下の通りである。すなわち建家の天井照明などが原因となって、これが箱眼鏡11における前記透光体11bの表面における映り込み映像Sとして映し出されることがある。そしてこのような場合にあっては、当該映り込み映像Sが、カメラ10によって原子炉燃料集合体1と共に重撮されることとなり、この結果当然のことながら、原子炉燃料集合体1の識別標示Mを確認することが困難または不能となるに至る。
【0023】
そこで請求項4では、図3(A)(B)により理解される通り、前掲天井照明などによる入射光ILが、カメラ10の視野の広がりFV内まで進入して来ることのないように、上記入射光ILを光遮光体13によって遮蔽してしまうのであって、これにより視野の広がりFV内には、前記の映り込み映像Sが生じないようになる。
従って請求項4によるときは、建家の天井に照明器が存するといった場合にも、撮影後にあって燃料番号刻字が読み取れなくなり、このため光遮蔽体13に相当するものを改めて入手し、これを適切な箇所に配設するなどの作業を行った後、再度撮影を行わねばならなくなるといった問題を解消することができる。
【0024】
次に請求項5について説示すると、前記した請求項1と基本的には同一構成を備えているが、ここではその一部材であるカメラ10に関し、これにデジタルスチールカメラを用いることで画像情報をデジタル信号として取り出し、これを図4に示す如きノートパソコン等のコンピュータ14により画像処理し、これによって前記した識別標示Mを文字認識できるようにするのである。
このようにすることで、デジタルスチールカメラは既知の如くパソコンからの撮影を含む全てのコントロールを行い得ることから、撮影操作から画像処理の文字認識まで、全操作をパソコンによって処理することが可能となり、作業者の労力を軽減し、かつ作業時間をより一層短縮することができる。
【0025】
さて請求項6は、上記の各請求項に係る発明に比し、さらに各種の構成部材をも導入して構成するようにしており、これによってより使い勝手のよい識別標示確認用撮影カメラ装置を提供しようとしている。
すなわち、図4を参照して以下説示すると、気中Aに設けられた既知の原子炉燃料集合体交換用クレーン15に立設されている手摺15aには、矢印D方向へ横行自在となるようにカメラ設置台16を走行自在にして、かつ所定位置にて図示されていない止具により停止することができるよう載装するのであり、同図中16aは手摺15aとカメラ載置台16との間に介装されたガイドローラを示している。
【0026】
上記したカメラ設置台16には、前説の通り一度に複数の前記した識別標示Mが撮影可能であるカメラ10と、これまた既説した投光方向が調節自在で、気中Aから水中Wの原子炉燃料集合体1を照明可能とした、ここではストロボ12aとを具備されており、しかもカメラ10による撮影が、これまた前掲水中Wにおける水面WFに配装された透光体11bを介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡11が、当該発明では係留紐17により上記したカメラ設置台16に、直接またはストロボ12aその他の部材に対して間接に付設されている。
しかも当該請求項6にあっては同上カメラ設置台16の上端部にあってコンピュータ操作台18が設けられている。
【0027】
上記のようにして構成された請求項6によるときは、原子炉燃料集合体交換クレーン15の走行機構を利用することで、撮影に際してカメラ設置台16を炉心上の任意位置に容易に移動することができ、当該カメラ設置台16には、カメラ10、ストロボ12a、光遮蔽体13、係留紐17付きの箱眼鏡11、コンピュータ操作台18等各種の部材が直接または間接に用意されている。
従って従来の水中テレビカメラに比し画素数が多いデジタルスチールカメラを使用しても、一度に全炉心を撮影できず、従って分解して複数回の撮影が不可避的に必要となっているが、このような場合にも前記の如くカメラ10の簡易に使用可能なカメラ載置台16の移動によって、これに装備された各種の部材を適時活用することで、請求項1ないし請求項5につき説示の作用を総花的に発揮し得ることになる。
【0028】
【発明の効果】
本願発明は以上のようにして構成されていることから、請求項1によるときは、水中テレビカメラを用いず解像度の高いカメラを用いることで、一回の撮影で広領域の原子炉燃料集合体に表示の識別標示自体と、その配列位置を確認できることになり、この種の撮影作業を大幅に短縮することが可能となる。
しかも上記の撮影は、従来のように水中での部品操作でなしに気中における実施となるため、作業員の労力が飛躍的に軽減されると共に、この点からも作業経時の短縮を図ることが可能となる。
請求項1では、それだけでなく箱眼鏡を用いて、その透光体を水中における水面にあって適切に配装して、水面の波による光学的な影響を実質的に皆無としたので、乱反射とか不本意な光の屈折による撮像の乱れが生ずることなく、どのような条件下でも常に鮮明な撮影像が得られ、カメラによる撮影内容について極めて高い信頼性を保持することができる。
【0029】
次に請求項2によるときは、上記請求項1における識別標示確認用撮影カメラ装置にあって、当該カメラに投光方向を可変とした投光器を一以上付加するようにしたことから、一度カメラと投光器との相間位置関係を特定しておけば、そのまま両者を一体的に移動できることとなり、従って撮影対象が変じても一定の照明条件が確保され、定常的な撮影内容を保証することができる。
そして請求項3では上記請求項2において、その投光器にストロボを用いるようにしたので、数少ない撮影毎に充分な高光量を得ることができると共に撮影カメラ装置としても小型化と消費電力の低減が実現可能となる。
【0030】
そして請求項4では、前説の請求項1にあって、適所に光遮蔽体を装設するようにしたことから、箱眼鏡の透光体に天井等における照明が、映り込み映像として表示されてしまうようなことを完全に阻止し得るため、原子炉燃料集合体の撮影像における識別標示の確認ができなくなるといった問題を解消することができる。
請求項5によるときは同上請求項1におけるカメラに、デジタルスチールカメラを用い、画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理で識別標示を文字認識できるようにしたので、すべての操作をノートパソコンなどで簡易に行うことができる。
【0031】
そして請求項6では原子炉燃料集合体交換用クレーンの手摺に、横行自在なるよう装備したカメラ設置台に対し、直接または間接に前記したカメラ、箱眼鏡、ストロボ、光遮蔽体を装備させ、さらに箱眼鏡には係留紐を適切に具備させると共に、コンピュータ操作用台をも設けるようにしたことから、カメラ等を任意の位置まで簡易迅速に変移して撮影でき、このため当該カメラによる分割撮影についても、これを迅速かつ容易に行うことができる。
さらに当該発明によるときは、上記カメラ設置台に備えられた前掲各種の部材を駆使して能率的な作業により鮮明な映像が得られ、特に係留紐によって箱眼鏡の不本意な浮遊により撮影が不能となるといった事態を完全に防止すること、そして前掲コンピュータ操作台もカメラ設置台に設けられていることから、作業者は作業状況を充分に把握した上で、適切なコンピュータ操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は請求項1に係る撮影カメラ装置の使用状態を示した一部切欠の正面説明図で、(B)は水中の原子炉燃料集合体群に対するカメラによる広撮影領域を示した平面説明図である。
【図2】請求項2に係る撮影カメラ装置の使用状態を示した一部切欠の縦断正面説明図である。
【図3】請求項4に係る撮影カメラ装置の使用状態を示し、(A)はその一実施態様を示す一部切欠の正面図で、(B)は他実施態様を示した一部切欠の正面図である。
【図4】請求項6に係る撮影カメラ装置の使用状態を示し、(A)はその一部を切欠した正面説明図で、(B)は(A)の右側正面説明図である。
【図5】従来の水中テレビカメラを用いた原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置に係り、その使用状態を示した一部切欠の正面説明図である。
【図6】上記従来の撮影カメラ装置に関し、水中の原子炉燃料集合体群に対する水中テレビカメラによる撮影領域と撮影進行ラインとを示した平面説明図である。
【図7】原子炉燃料集合体におけるBWR燃料上部タイプレートを示し、(A)はその部分正面図で、(B)はその識別標示の位置を明示した平面図である。
【図8】原子炉燃料集合体におけるPWR燃料上部ノズルを示し、(A)はその正面図で、(B)はその識別標示の位置を明示した平面図である。
【符号の説明】
1 原子炉燃料集合体
10 カメラ
11 箱眼鏡
11b 透光体
12 投光器
12a ストロボ
13 光遮蔽体
14 コンピュータ
15 原子炉燃料集合体交換クレーン
15a 手摺
16 カメラ載置台
17 係留紐
18 コンピュータ操作用台
A 気中
M 識別標識
S 映り込み映像
W 水中
WF 水面
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力発電所にあって多数の原子炉燃料集合体を装荷した後の炉内燃料とか、燃料移送キャスク(CASK)内または使用済燃料ラック内の何れも水中にあって林立状態にある原子炉燃料集合体群に関し、これらが正規の位置に装荷されたか否かを確認するため、カメラを用いて当該原子炉燃料集合体に表示されている燃料番号刻字等の識別標示を撮影するための撮影カメラ装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置としては、図5、図6に開示の通り炉内の水中W中に隣装配列状態で林立している原子炉燃料集合体1が、正規の位置に間違いなく装荷されたか否かを確認するため、クレーン等により操作される操作用ポール2に取り付けた水中テレビカメラ3を水中Wへ浸漬すると共に、これまたクレーン等により操作することとなる照明用ポール4には水中照明器5を設け、さらに気中Aにはピット照明器6をも配装するなどしている。
そして上記の如き撮影カメラ装置を用いることで、原子炉燃料集合体1にあって図7、図8に例示する如き識別表示箇所Pに表示の燃料番号刻字等である識別標示Mを撮影するのであるが、ここで図7の7はBWR燃料の上部タイプレートを、そして図8の8はPWRの上部ノズルを示している。
【0003】
さて上記従来の撮影カメラ装置により撮影を行うには、前掲水中テレビカメラ3は、その解像度が低いことから一度に多数の原子炉燃料集合体1を撮影することができず、図6により理解されるように一体だけの撮影領域E毎に連続撮影しながら順次同図の仮想線で示された撮影進行ラインLに沿って、夫々の燃料番号である識別標示Mを確認して行くようにしている。
従って上記の水中テレビカメラ3によるときは炉心等における全原子炉燃料集合体1の各識別標示Mを確認し終わるまでに可成りの長時間と、多大な労力を費やしているのはもちろん、上記した撮影進行ラインLの手順を誤れば、映像の連続性が保持できず、正規の位置確認が不能となってしまう恐れがある。
【0004】
さらに、上記従来のカメラ装置によるときは、図5の如く水中テレビカメラ3、操作用ポール2、照明用ポール4そして水中照明器具5等多くの部材を必要とすることから、識別標示の確認を行うための準備作業はもちろん、後片付け作業にもクレーンが必要で、段取り作業にも可成りの時間と労力を要することになる。
しかも上記の後片付け作業に際しては、水中Wに浸漬されていた操作用ポール2、水中テレビカメラ3、照明用ポール4、水中照明器具5等につき、除染後の拭き取り作業を行わねばならないだけでなく、当該拭き取りに使用された紙ウエスとかゴム手袋などである大量の廃棄物が生じ、これを適切に処理しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の如き従来の識別標示確認用撮影カメラ装置が有している各種の欠陥に着目し、これらを解消しようとするもので、まず請求項1によるときは前記水中テレビカメラ3よりも解像度の高いカメラを採択することで、複数の原子炉燃料集合体を一回の撮影によって広い領域にわたって、その複数映像が得られるようにし、一瞬の映像であっても当該原子炉燃料集合体1の撮影位置を確認可能となし、このことで識別標示の確認を飛躍的な短縮経時内にて実施可能にしようとするのが第1の目的である。
【0006】
さらに請求項1にあっては、水中テレビカメラ3ではなしに解像度の高いカメラを水中ではなく気中において使用するようにし、当該カメラを安価に入手可能となし、しかも水中での取扱ではないことから操作性を飛躍的に向上させ得るだけでなく、水中における原子炉燃料集合体1を、単に気中から撮影しようとするのではなしに、水面に配装の箱眼鏡における硝子板等による透光体を介して撮影するように構成するのである。
かくして請求項1によるときは、水中における水面での波の影響による乱反射とか複雑な屈折などに基づく映像の乱れを根本的に解消可能とし、気中におけるカメラにより常に鮮明な撮影像が得られるようにしようとするのが第2の目的である。
【0007】
次に請求項2にあっては、上記請求項1の構成に加えて、そのカメラに対し投光方向を調節自在とした投光器を付加することで、気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能とし、もってカメラと照明源との一体的な同時移動ができるようにすることで、撮影対象箇所の位置が変更されても常に一定した照明条件を確保可能として、撮影結果の定常的な鮮明度を保証しようとしている。
【0008】
さらに請求項3によるときは、上記請求項2において用いられる投光器について、これにストロボを採択することで、従来例の水中テレビカメラの如く連続撮影の場合のような連続照射による照明ではなしに、撮影時のみ高光量を得ることのできる光源の採択により、撮影カメラ装置の小型化と電力消費の削減を可能にしようとしている。
【0009】
さて請求項4にあっては、前記請求項1の構成に加えてカメラに付設するとか近設した光遮光体によって、気中における天井等の照明器等が、前記の箱眼鏡における透光体への映り込み映像となることを消去可能し、このことによって当該透光体における映り込み映像の重撮により、原子炉燃料集合体の撮影像における識別標示の確認が不明瞭または不能となってしまうことを確実に回避し得るようにするのが、その目的である。
【0010】
そして請求項5によるときは、前記請求項1におけるカメラとしてデジタルスチールカメラを採択して、画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理により識別標示を文字認識できるようにし、かくしてすべての操作をノートパソコン等により簡易迅速にして手軽に行い得るようにしている。
【0011】
さらに請求項6では実用的に上記の各請求項に比し、より多くの部材を構成要素として完備させ、原子炉燃料集合体交換用クレーンに装備したカメラ設置台を所望位置まで横行自在とすることで、一度に全炉心を撮影できない場合でも、当該カメラ設置台に設けたカメラを炉心上の任意の位置まで移動可能として、当該カメラによる分割撮影が迅速かつ容易に実施し得るようにしている。
しかも請求項6では、前記請求項1における透光体をもった箱眼鏡、そして請求項2、3に係る投光器としてのストロボ、さらには請求項4の透光体における天井照明等に基づく映像を消去し得る光遮蔽体をも、前記のカメラ設置台に直接または間接に設けることで、明瞭なる撮影を保証し得るようにすると共に、当該カメラ設置台にはコンピュータ操作用台を設けることで請求項5の目的を、より容易に達成し得るようにし、かつ、前記の箱眼鏡については、これを係留紐によって、これまたカメラ設置台に直接または間接に付設することで、箱眼鏡の不本意な変動を拘束して、その使い勝手を改善しようとしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1にあっては、前記目的を達成すべく、各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に配設自在で、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、当該カメラによる上記撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡とにより構成するようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置を提供しようとしている。
【0013】
次に請求項2では上記した請求項1の構成に対して、さらにそのカメラに投光方向が調節自在で、気中から前記水中の原子炉燃料集合体を照明可能なるよう付設した投光器を具備させようにしている。
そして請求項3の場合には、上記請求項2においてカメラに投光方向が調節自在で、気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能なるよう付設した投光器について、これにストロボを採択するようにしたことを、その内容としている。
【0014】
請求項4にあっては、これまた前記の目的を達成するため請求項1の構成に対し、さらに前同気中にあって前記のカメラに付設また近設することによって、気中に装備された照明器等の上記箱眼鏡における透光体への映り込み映像につき、これを消去し得るようにした映像遮断用の光遮蔽体を付加してなる水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置に係るものである。
【0015】
請求項5にあっても、請求項1の構成にあって、そのカメラとしてデジタルスチールカメラを用いることで画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理により前記の識別標示を文字認識できるようにしたことを特徴としている。
【0016】
そして請求項6では、各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に設けられた原子炉燃料集合体交換用クレーンに立設された手摺には、横行自在なるようカメラ設置台を載装し、当該カメラ設置台には、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、投光方向が調節自在で気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能であるストロボと、上記カメラによる前記の撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡の係留紐と、気中に装備された照明器等の上記箱眼鏡における透光体への映り込み映像につき、これを消去し得る位置にあって配装された光遮蔽体とを直接または間接に付設すると共に、前同カメラ設置台にはコンピュータ操作台が形成されるようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置を提供しようとしている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明につき図面を参照して以下説示すると、請求項1にあっては前説の通り各別の識別標示Mが表出されて、図1(B)の如く隣装配列状態で林立している水中Wの原子炉燃料集合体の撮影に際し、図1(A)の如く気中Aに自己保持、支持体保持その他適宜の手段で配設自在であり、しかも図1(B)により理解される通り、複数の前記標識標示Mが一度に撮影可能な解像度の高く広撮影領域E1を具有するカメラ10を用いるようにする。
さらに上記の気中Aにおけるカメラ10と、水中Wの原子炉燃料集合体1との間にあって、水中Wにおける水中Fには別途用意した箱眼鏡11を所望位置にあって配装自在とするのであり、当該箱眼鏡11自体は既知の通り、水面WFに浮上等の手段で配装する木製その他の素材により形成された外枠体11aと、その底部を横向連設された硝子、プラスチック等により閉成して形成の透光体11bとによって構成されたものである。
従って請求項1の識別標示確認用撮影カメラ装置によるときは、まずカメラ10は気中Aに配設されることになるので、水中Wで使用するものに比し安価に入手でき、しかも水中Wでの取扱いでないことから、その操作性も飛躍的に改善される。
さらに水中テレビカメラよりも高解像度のカメラ10を採択するようにしたことから、多数の原子炉燃料集合体1を一回の撮影で図1(B)の如く広撮影領域E1にわたり、その映像を得ることができ、この結果その作業性を飛躍的に向上させることが可能となる。すなわち水中テレビカメラの如く順次一体毎に撮影してゆき、その連続性を確保しながら撮影しなければならない撮影カメラ装置に比し、格段にその作業経時を短縮し得ることとなる。
【0018】
さらに請求項1にあって特筆すべき技術内容は、上記の如きカメラ10と、水中Wの原子炉燃料集合体群との間にあって、水面WFに箱眼鏡11を配装するようにしたことで、気中Aから水中Wの被写体を撮影しても、水面WFにおける波の影響は前掲箱眼鏡11の透光板11bにより解消され、労せずして鮮明な撮影像を得ることが保証される。
【0019】
次に請求項2について詳記すると、図2に開示の如く前記した請求項1の構成にあって、さらに上記気中Aのカメラ10には、投光方向が調整螺子操作などの手段で調節自在であり、気中Aから水中Wの原子炉燃料集合体1を照明することができるように投光器12を直接または間接に付設するのである。
このようにすることで、請求項1につき説示した通りの作用効果を発揮し得るだけでなく、これに加えて図2のように撮影位置が実線箇所から、仮想線位置に変更されたとしても、カメラ10と投光器12との相対的関係位置は常に一定に保持し得ることから、所定の照明条件を保持することができ、撮影像の定常的なコントラストと鮮明度を保証することが可能となる。
しかも投光器12の投光方向は可変としてあることから、撮影に関する照明条件を必要に応じて適宜変更することができるのであり、より望ましい撮影結果を期待することができる。
【0020】
また請求項3にあっては、上記請求項2において採択されている投光器12について、これにストロボを採択するようにしており、これにより撮影時にあってのみ高光量が得られることで、充分に鮮明な映像が得られるだけでなく、光源の小型化を実現可能にすることができ、その取扱いも簡便化されることになる。
【0021】
さらに請求項4によるときは、前説の請求項1が具有する構成に対して、さらに以下の部材が付加されている。
すなわち請求項1における箱眼鏡11に関連して前記したカメラ10に直接取り付けるとか、当該カメラ10の近傍にあって適宜の手段により、光遮蔽体13を気中Aにあって配装するのである。
ここで図3(A)に例示のものでは、カメラ10の上位に平板状に形成された光遮蔽体13が、水面WFと平行状となるよう横向配設するようにしてあるのに対し、同図(B)の実施態様ではカメラ10の受光端部にあって、水面WFへ向け先広がりに形成されることにより円錐状の光遮光体13が、箱眼鏡11に向け開口されるよう付設されている。
【0022】
さて上記光遮光体13の果たす役割は以下の通りである。すなわち建家の天井照明などが原因となって、これが箱眼鏡11における前記透光体11bの表面における映り込み映像Sとして映し出されることがある。そしてこのような場合にあっては、当該映り込み映像Sが、カメラ10によって原子炉燃料集合体1と共に重撮されることとなり、この結果当然のことながら、原子炉燃料集合体1の識別標示Mを確認することが困難または不能となるに至る。
【0023】
そこで請求項4では、図3(A)(B)により理解される通り、前掲天井照明などによる入射光ILが、カメラ10の視野の広がりFV内まで進入して来ることのないように、上記入射光ILを光遮光体13によって遮蔽してしまうのであって、これにより視野の広がりFV内には、前記の映り込み映像Sが生じないようになる。
従って請求項4によるときは、建家の天井に照明器が存するといった場合にも、撮影後にあって燃料番号刻字が読み取れなくなり、このため光遮蔽体13に相当するものを改めて入手し、これを適切な箇所に配設するなどの作業を行った後、再度撮影を行わねばならなくなるといった問題を解消することができる。
【0024】
次に請求項5について説示すると、前記した請求項1と基本的には同一構成を備えているが、ここではその一部材であるカメラ10に関し、これにデジタルスチールカメラを用いることで画像情報をデジタル信号として取り出し、これを図4に示す如きノートパソコン等のコンピュータ14により画像処理し、これによって前記した識別標示Mを文字認識できるようにするのである。
このようにすることで、デジタルスチールカメラは既知の如くパソコンからの撮影を含む全てのコントロールを行い得ることから、撮影操作から画像処理の文字認識まで、全操作をパソコンによって処理することが可能となり、作業者の労力を軽減し、かつ作業時間をより一層短縮することができる。
【0025】
さて請求項6は、上記の各請求項に係る発明に比し、さらに各種の構成部材をも導入して構成するようにしており、これによってより使い勝手のよい識別標示確認用撮影カメラ装置を提供しようとしている。
すなわち、図4を参照して以下説示すると、気中Aに設けられた既知の原子炉燃料集合体交換用クレーン15に立設されている手摺15aには、矢印D方向へ横行自在となるようにカメラ設置台16を走行自在にして、かつ所定位置にて図示されていない止具により停止することができるよう載装するのであり、同図中16aは手摺15aとカメラ載置台16との間に介装されたガイドローラを示している。
【0026】
上記したカメラ設置台16には、前説の通り一度に複数の前記した識別標示Mが撮影可能であるカメラ10と、これまた既説した投光方向が調節自在で、気中Aから水中Wの原子炉燃料集合体1を照明可能とした、ここではストロボ12aとを具備されており、しかもカメラ10による撮影が、これまた前掲水中Wにおける水面WFに配装された透光体11bを介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡11が、当該発明では係留紐17により上記したカメラ設置台16に、直接またはストロボ12aその他の部材に対して間接に付設されている。
しかも当該請求項6にあっては同上カメラ設置台16の上端部にあってコンピュータ操作台18が設けられている。
【0027】
上記のようにして構成された請求項6によるときは、原子炉燃料集合体交換クレーン15の走行機構を利用することで、撮影に際してカメラ設置台16を炉心上の任意位置に容易に移動することができ、当該カメラ設置台16には、カメラ10、ストロボ12a、光遮蔽体13、係留紐17付きの箱眼鏡11、コンピュータ操作台18等各種の部材が直接または間接に用意されている。
従って従来の水中テレビカメラに比し画素数が多いデジタルスチールカメラを使用しても、一度に全炉心を撮影できず、従って分解して複数回の撮影が不可避的に必要となっているが、このような場合にも前記の如くカメラ10の簡易に使用可能なカメラ載置台16の移動によって、これに装備された各種の部材を適時活用することで、請求項1ないし請求項5につき説示の作用を総花的に発揮し得ることになる。
【0028】
【発明の効果】
本願発明は以上のようにして構成されていることから、請求項1によるときは、水中テレビカメラを用いず解像度の高いカメラを用いることで、一回の撮影で広領域の原子炉燃料集合体に表示の識別標示自体と、その配列位置を確認できることになり、この種の撮影作業を大幅に短縮することが可能となる。
しかも上記の撮影は、従来のように水中での部品操作でなしに気中における実施となるため、作業員の労力が飛躍的に軽減されると共に、この点からも作業経時の短縮を図ることが可能となる。
請求項1では、それだけでなく箱眼鏡を用いて、その透光体を水中における水面にあって適切に配装して、水面の波による光学的な影響を実質的に皆無としたので、乱反射とか不本意な光の屈折による撮像の乱れが生ずることなく、どのような条件下でも常に鮮明な撮影像が得られ、カメラによる撮影内容について極めて高い信頼性を保持することができる。
【0029】
次に請求項2によるときは、上記請求項1における識別標示確認用撮影カメラ装置にあって、当該カメラに投光方向を可変とした投光器を一以上付加するようにしたことから、一度カメラと投光器との相間位置関係を特定しておけば、そのまま両者を一体的に移動できることとなり、従って撮影対象が変じても一定の照明条件が確保され、定常的な撮影内容を保証することができる。
そして請求項3では上記請求項2において、その投光器にストロボを用いるようにしたので、数少ない撮影毎に充分な高光量を得ることができると共に撮影カメラ装置としても小型化と消費電力の低減が実現可能となる。
【0030】
そして請求項4では、前説の請求項1にあって、適所に光遮蔽体を装設するようにしたことから、箱眼鏡の透光体に天井等における照明が、映り込み映像として表示されてしまうようなことを完全に阻止し得るため、原子炉燃料集合体の撮影像における識別標示の確認ができなくなるといった問題を解消することができる。
請求項5によるときは同上請求項1におけるカメラに、デジタルスチールカメラを用い、画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理で識別標示を文字認識できるようにしたので、すべての操作をノートパソコンなどで簡易に行うことができる。
【0031】
そして請求項6では原子炉燃料集合体交換用クレーンの手摺に、横行自在なるよう装備したカメラ設置台に対し、直接または間接に前記したカメラ、箱眼鏡、ストロボ、光遮蔽体を装備させ、さらに箱眼鏡には係留紐を適切に具備させると共に、コンピュータ操作用台をも設けるようにしたことから、カメラ等を任意の位置まで簡易迅速に変移して撮影でき、このため当該カメラによる分割撮影についても、これを迅速かつ容易に行うことができる。
さらに当該発明によるときは、上記カメラ設置台に備えられた前掲各種の部材を駆使して能率的な作業により鮮明な映像が得られ、特に係留紐によって箱眼鏡の不本意な浮遊により撮影が不能となるといった事態を完全に防止すること、そして前掲コンピュータ操作台もカメラ設置台に設けられていることから、作業者は作業状況を充分に把握した上で、適切なコンピュータ操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は請求項1に係る撮影カメラ装置の使用状態を示した一部切欠の正面説明図で、(B)は水中の原子炉燃料集合体群に対するカメラによる広撮影領域を示した平面説明図である。
【図2】請求項2に係る撮影カメラ装置の使用状態を示した一部切欠の縦断正面説明図である。
【図3】請求項4に係る撮影カメラ装置の使用状態を示し、(A)はその一実施態様を示す一部切欠の正面図で、(B)は他実施態様を示した一部切欠の正面図である。
【図4】請求項6に係る撮影カメラ装置の使用状態を示し、(A)はその一部を切欠した正面説明図で、(B)は(A)の右側正面説明図である。
【図5】従来の水中テレビカメラを用いた原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置に係り、その使用状態を示した一部切欠の正面説明図である。
【図6】上記従来の撮影カメラ装置に関し、水中の原子炉燃料集合体群に対する水中テレビカメラによる撮影領域と撮影進行ラインとを示した平面説明図である。
【図7】原子炉燃料集合体におけるBWR燃料上部タイプレートを示し、(A)はその部分正面図で、(B)はその識別標示の位置を明示した平面図である。
【図8】原子炉燃料集合体におけるPWR燃料上部ノズルを示し、(A)はその正面図で、(B)はその識別標示の位置を明示した平面図である。
【符号の説明】
1 原子炉燃料集合体
10 カメラ
11 箱眼鏡
11b 透光体
12 投光器
12a ストロボ
13 光遮蔽体
14 コンピュータ
15 原子炉燃料集合体交換クレーン
15a 手摺
16 カメラ載置台
17 係留紐
18 コンピュータ操作用台
A 気中
M 識別標識
S 映り込み映像
W 水中
WF 水面
Claims (6)
- 各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に配設自在で、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、当該カメラによる上記撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡とにより構成するようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置。
- 各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に配設自在で、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、当該カメラに投光方向が調節自在で、気中から前記水中の原子炉燃料集合体を照明可能なるよう付設した投光器と、上記カメラによる前記撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡とにより構成するようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置。
- カメラに投光方向が調節自在で、気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能なるよう付設した投光器について、これにストロボを採択するようにした請求項2に記載の水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置。
- 各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に配設自在で、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、当該カメラによる上記撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡と、前同気中にあって前記のカメラに付設また近設することによって、気中に装備された照明器等の上記箱眼鏡における透光体への映り込み映像につき、これを消去し得るようにした映像遮断用の光遮蔽体とにより構成するようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置。
- 各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に配設自在で、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、当該カメラによる上記撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡とからなり、上記のカメラとしてデジタルスチールカメラを用いることで画像情報をデジタル信号として取り出し、これをコンピュータ画像処理により前記の識別標示を文字認識可能なるよう構成するようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置。
- 各別の識別標示が表出されて隣装配列状態で林立している水中の原子炉燃料集合体を撮影するため、気中位置に設けられた原子炉燃料集合体交換用クレーンに立設された手摺には、横行自在なるようカメラ設置台を載装し、当該カメラ設置台には、一度に複数の前記識別標示が撮影可能なカメラと、投光方向が調節自在で気中から水中の原子炉燃料集合体を照明可能であるストロボと、上記カメラによる前記の撮影が、前記水中における水面に配装された透光体を介してなされる位置に配装自在とした箱眼鏡の係留紐と、気中に装備された照明器等の上記箱眼鏡における透光体への映り込み映像につき、これを消去し得る位置にあって配装された光遮蔽体とを直接または間接に付設すると共に、前同カメラ設置台にはコンピュータ操作台が形成されるようにしたことを特徴とする水中における原子炉燃料集合体の識別標示確認用撮影カメラ装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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FR2963473A1 (fr) * | 2010-07-27 | 2012-02-03 | Areva Np | Procede de controle des positions des assemblages de combustibles nucleaires a l'interieur d'un coeur de reacteur nucleaire, et ensemble de controle correspondant |
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2002
- 2002-09-09 JP JP2002262390A patent/JP2004101315A/ja not_active Withdrawn
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