JP2004101206A - 走査型プローブ顕微鏡用走査機構 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用走査機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2004101206A
JP2004101206A JP2002259373A JP2002259373A JP2004101206A JP 2004101206 A JP2004101206 A JP 2004101206A JP 2002259373 A JP2002259373 A JP 2002259373A JP 2002259373 A JP2002259373 A JP 2002259373A JP 2004101206 A JP2004101206 A JP 2004101206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
piezoelectric element
displacement
piezoelectric
piezoelectric elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002259373A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Ando
安藤 敏夫
Takahiro Naka
中 貴宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanazawa University NUC
Takano Co Ltd
Original Assignee
Kanazawa University NUC
Takano Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanazawa University NUC, Takano Co Ltd filed Critical Kanazawa University NUC
Priority to JP2002259373A priority Critical patent/JP2004101206A/ja
Publication of JP2004101206A publication Critical patent/JP2004101206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】振動の発生が少なく安定した高速走査を行える走査機構の提供を目的とする。
【解決手段】積層型圧電素子11、12、13を走査周波数の低い順に、保持台15に積み重ねて接着固定する。一番走査周波数の高い圧電素子11は他のそれに比べて小さくする。圧電素子11に取り付けられた試料台14を直交した3方向に移動させる方法として、圧電素子11は圧電素子の厚み方向振動モードを、圧電素子12および13は圧電素子の厚みすべり振動モードを用いた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,走査機構およびそれを組み込んだ装置に関するものである。本発明の走査機構は主に、走査型プローブ顕微鏡の走査機構や走査型顕微鏡の技術を応用した装置に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
走査型プローブ顕微鏡は機械的探針で試料表面を走査し、試料表面の情報を得るものである。走査型プローブ顕微鏡の一つである原子間力顕微鏡(AFM)の概略は図4に示す構成で表すことができる。ここで、41はレーザーダイオード、42は集光レンズ、43はカンチレバーと呼ばれる探針、44はミラー、45は4分割フォトディテクター、46は測定試料、47は試料台、48はスキャナーと呼ばれる3次元アクチュエーターである。レーザーダイオードの光をレンズで集光しカンチレバーの背面に当て、カンチレバーを試料表面に近づけると、カンチレバーに原子間力が働きカンチレバーがたわむ。このたわみ変位を反射したレーザー光を上下に分割したフォトディテクターで検知し、カンチレバーのたわみ変位を一定に保つように、Z方向のスキャナーにフィードバックすることで、表面の凹凸形状を得ることができる。
【0003】
このスキャナーは試料の3次元形状の情報を得るために、XY方向に試料を移動させながら、Z方向について試料とカンチレバーとの相互作用が一定になるようフィードバック制御してZ方向の移動を行う走査機構の働きをつかさどる。このZ方向の動きは規則的な動きをするXY方向の動きとは異なり、試料の表面形状や状態を反映するため不規則な動きとなる。この不規則な動きをZ方向の走査動作とみなすと、このZ方向の走査はXYZの各走査動作の中で最も高い周波数動作になる。仮に、例えば、X方向100画素Y方向100画素の画像を1秒で取り込むとすると、X方向の走査周波数は100Hz、Y方向の走査周波数は1Hz、Z方向の走査周波数はX走査の画素数倍以上とすると、10kHz以上になる。ゆえに、Z走査が最も速く、次に、X走査が速く、Y走査が一番遅い走査となる。
【0004】
このような3次元アクチュエーターであるスキャナーとしては3本の積層型ピエゾアクチュエーターが互いに直交するように連結された、いわゆるトライポッド型や円筒状の圧電体で構成された、いわゆるチューブ型スキャナーなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のトライポッド型スキャナーやチューブ型スキャナーはXYZ各方向の運動がそれぞれ他の方向の運動と独立していないため、ある方向の運動が他の方向の運動に影響を与えてしまう。
【0006】
チューブスキャナーでは大きな変位を得るには全長が長くなり、その固有振動数を高くするためには外形を細くするために、細長い形状になり、スキャナー支持部の反対側に試料台を設けると、試料台が長い梁の自由端に取り付いている形になり、外部の振動に対しても、また、スキャナー自信の振動に対しても不安定な構造になる。
【0007】
これらトライポッド型スキャナーやチューブ型スキャナーの走査機構では、ある方向の変位に対して他の方向が変位する干渉や、試料台とスキャナー固定端のバランスの悪さにより、スキャナーの走査を高速化することは難しい。
【0008】
このような走査機構を備えた走査型プローブ顕微鏡では、静止した試料の観察目的ではそれ程支障なく使用出来るが、時間とともに変化する試料を時間を追いながらリアルタイムで観察したり、刺激に反応する細胞の様子を観察するといった目的での使用は難しい。本発明は各方向の運動が互いに独立し、望ましくない振動を抑制して、試料台を高速走査できる走査機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による走査型プローブ顕微鏡の走査機構は、試料台を走査するための駆動として、直交する3方向に変位する圧電素子を用いた。この直交する3方向に変位する圧電素子は、第1の方向(Z方向)に移動させる駆動に圧電素子の厚み方向振動モードを、第二の方向(X方向)および第三の方向(Y方向)に移動させる駆動に圧電素子の厚みすべり振動モードを用いたことを特徴とする。
【0010】
各直交する3方向を駆動する圧電素子は、それぞれ薄板の圧電素子を接着積層したものを保持台に対し、走査周波数の低い順に単純に積み重ねた構造であり、製作が容易であること特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。(第一の実施形態)図1は本発明による走査機構の基本概略図である。11はZ方向に走査させるための積層型圧電素子、12はX方向に走査させるための積層型圧電素子、13はY方向に走査させるための積層型圧電素子で各積層型圧電素子は接着にて固定されている。11の積層型圧電素子の上には試料台14が固定されている。11の積層型圧電素子は厚み方向変位を生じ、12の積層型圧電素子は厚みすべり変位を生じ、また、13の積層型圧電素子も厚みすべり変位を生じ、3個の積層型圧電素子は互いに直交する方向に変位可能である。
【0012】
各3個の積層型圧電素子は保持部に対し、走査速度の遅い順に積み重ねた単純な構造で、下に位置する積層型圧電素子にはその上にある他の積層型圧電素子圧電素子の重量はかかるが、各圧電素子の変位により他の圧電素子の変位が生じることはない。各方向が独立して変位可能となっており、歪みの無い変位を得ることができる。
【0013】
各方向の変位量は薄板の圧電素子を積層することにより、大きくするようにしている。圧電素子の厚み方向の変位量および厚みすべり方向の変位量は積層枚数に比例する。この種の圧電素子は厚さを薄くすることで高い固有振動数を得られる。積層することで厚みが増し、固有振動数は低下するが、その一枚一枚の圧電素子を薄くすることにより、数百KHzの固有振動数を得ることができる。また、圧電素子の厚み以外の寸法は固有振動数に影響が無いので形状寸法にある程度の自由度があり、チューブ型スキャナーに比べ、高い剛性が得られ、安定した構造である。
【0014】
図1でY方向変位の圧電素子を一番下(保持台近傍)にすることで、一番走査速度の遅い圧電素子に一番重量負荷がかかる構造として振動および振れを抑制するるようにしている。Z方向変位の圧電素子を他のXY方向変位の圧電素子に比べ小さくしているのは、Z方向の変位に一番高い走査周波数が求められるためである。Z方向の圧電素子を小さくすることで、最も走査周波数の高い運動が他の走査に与える影響を少なくなるようにしている。
【0015】
(第二の実施形態)図2は図1の構造のZ方向変位の圧電素子に対し、XY変位の圧電素子挟んで逆方向に同じ圧電素子24を取付、上下のZ方向の圧電素子を互いに反対方向に同じ周期で走査することにより、Z方向の衝撃力を打ち消す構造を目的としている。
【0016】
(第三の実施形態)図1、図2もXYZの駆動用の圧電素子を単純に積み重ねた構造であるが、この場合、保持台から試料台までの距離が長くなると、チューブ型スキャナーがそうであるように、振動による振幅の増大が考えられる。そこで、図3に示す実施の形態について説明する。Z駆動の圧電素子31とX駆動の圧電素子32だけを積み重ね、剛性の高い保持プレート37に取り付ける。Y駆動の厚電素子33は保持部36に同じ物を2個取付、その圧電素子33にプレート37を取り付ける。34は第2の実施形態で説明した、Z方向の衝撃力を打ち消すための圧電素子である。この構造により、保持部から試料台までの距離がX駆動とZ駆動の圧電素子を合わせた長さ分になり、XYZ駆動の圧電素子を単純に積み重ねた場合より、短くすることができる。これにより、振動による振幅の増大を抑制できる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、各方向の運動が互いに独立して、高速で走査型プローブ顕微鏡の試料台を走査できる走査機構が得られる。また、走査に伴う振動の発生を抑え、振動ノイズの少ない安定した走査機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の走査機構を説明するための図面である。(a)はこの走査機構の斜視図であり、(b)はこの走査機構のX方向から見た側面図で、圧電素子のZ軸変位とX軸変位を説明するための図である。(c)はこの走査機構のY方向から見た図で、圧電素子のY軸変位を説明するための図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態の走査機構を説明するための図面である。(a)はこの走査機構の斜視図である、(b)はこの走査機構のX方向から見た側面図である。
【図3】本発明の第三の実施の形態の走査機構を説明するための図面である。
【図4】原子間力顕微鏡の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
11 Z方向変位を駆動する積層圧電素子
12 X方向変位を駆動する積層圧電素子
13 Y方向変位を駆動する積層圧電素子
14 試料台
15 保持台
21 Z方向変位を駆動する積層圧電素子
22 X方向変位を駆動する積層圧電素子
23 Y方向変位を駆動する積層圧電素子
24 積層型圧電素子
25 試料台
26 保持台
31 Z方向変位を駆動する積層圧電素子
32 X方向変位を駆動する積層圧電素子
33 Y方向変位を駆動する積層圧電素子
34 積層型圧電素子
35 試料台
36 保持台
37 保持プレート
41 レーザーダイオード
42 集光レンズ
43 カンチレバー
44 ミラー
45 4分割フォトダイオード
46 試料
47 試料台
48 スキャナー

Claims (2)

  1. 走査型プローブ顕微鏡において、走査のために被測定物を保持する試料台を直交する3方向に高速で移動(走査)させる機構で、第一の方向(Z方向)に移動させる駆動に圧電素子の厚み方向振動モードを、第二の方向(X方向)および第三の方向(Y方向)に移動させる駆動に圧電素子の厚みすべり振動モードを用いた走査機構。
  2. 請求項1の各直交する3方向を駆動する圧電素子は、薄板の圧電素子を接着積層した圧電素子(積層型圧電素子と呼ぶ)を用いて、それぞれ3個の積層型圧電素子は保持台に対し、走査速度の低い順に積み重ねられ(あるいは組み付けられ)、一番走査速度の高い積層型圧電素子は他のそれに比べて、小さな構造をした走査機構。
JP2002259373A 2002-09-04 2002-09-04 走査型プローブ顕微鏡用走査機構 Pending JP2004101206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002259373A JP2004101206A (ja) 2002-09-04 2002-09-04 走査型プローブ顕微鏡用走査機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002259373A JP2004101206A (ja) 2002-09-04 2002-09-04 走査型プローブ顕微鏡用走査機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004101206A true JP2004101206A (ja) 2004-04-02

Family

ID=32260417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002259373A Pending JP2004101206A (ja) 2002-09-04 2002-09-04 走査型プローブ顕微鏡用走査機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004101206A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006118118A1 (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Olympus Corporation 走査型プローブ顕微鏡用走査機構
CN105785076A (zh) * 2016-03-18 2016-07-20 河南师范大学 一种压电单晶片式马达制作的扫描探针显微镜镜体
CN111732073A (zh) * 2020-06-18 2020-10-02 东北林业大学 一种基于针尖轨迹运动加工微纳复合结构的装置及方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006118118A1 (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Olympus Corporation 走査型プローブ顕微鏡用走査機構
CN105785076A (zh) * 2016-03-18 2016-07-20 河南师范大学 一种压电单晶片式马达制作的扫描探针显微镜镜体
CN105785076B (zh) * 2016-03-18 2018-11-20 河南师范大学 一种压电单晶片式马达制作的扫描探针显微镜镜体
CN111732073A (zh) * 2020-06-18 2020-10-02 东北林业大学 一种基于针尖轨迹运动加工微纳复合结构的装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4797150B2 (ja) 走査機構およびこれを用いた機械走査型顕微鏡
US5656769A (en) Scanning probe microscope
KR101488059B1 (ko) 탐침 검출 시스템
US7631547B2 (en) Scanning probe apparatus and drive stage therefor
JP2000501500A (ja) 走査型プローブ顕微鏡観察用の平坦なスキャンステージ
JP5834171B2 (ja) 形状測定装置
JP5295814B2 (ja) 走査機構および走査型プローブ顕微鏡
JP2007505329A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP3577141B2 (ja) プローブ走査機構、および、それを用いた走査型プローブ顕微鏡
JP4816414B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
US8499360B2 (en) Atomic force microscopes and methods of measuring specimens using the same
JP2002082036A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用スキャナー
JP2004101206A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用走査機構
JP4391925B2 (ja) 原子間力顕微鏡
JP5268008B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡用のスキャナ装置
JP2006308363A (ja) 走査機構
JP4222895B2 (ja) 光偏向器およびこの光偏向器を用いた走査型光学顕微鏡
WO2013150624A1 (ja) 走査機構および走査型プローブ顕微鏡
Yong et al. A z-scanner design for high-speed scanning probe microscopy
JP6042655B2 (ja) 走査機構および走査型プローブ顕微鏡
JP2012185066A (ja) 走査機構および走査型プローブ顕微鏡
JP6846056B2 (ja) スキャナ及び走査型プローブ顕微鏡
WO2021044934A1 (ja) 走査型プローブ顕微鏡及び走査型プローブ顕微鏡の駆動制御装置
JPH10267950A (ja) 横励振摩擦力顕微鏡
JP2004333335A (ja) 走査機構およびこれを用いた走査型プローブ顕微鏡