JP2004100735A - 共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構 - Google Patents

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JP2004100735A JP2002260141A JP2002260141A JP2004100735A JP 2004100735 A JP2004100735 A JP 2004100735A JP 2002260141 A JP2002260141 A JP 2002260141A JP 2002260141 A JP2002260141 A JP 2002260141A JP 2004100735 A JP2004100735 A JP 2004100735A
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Hideyuki Noguchi
野口 英之
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Abstract

【課題】構成部品の加工精度を向上せずに、また、カムの駆動源及び駆動費用が高価にならずに、簡単な調整方法によってカムフォロアとカム面の隙間を調整する共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構を提供する。
【解決手段】リンク1は、ツール4が駆動されるとき、リンク回転軸2の中心Dの回りに回転する。リンクに明けられた穴1Dは、中心Dから距離eだけ偏心した位置Fを中心とする支点回転偏心軸11にはめ込まれる。ボルト10を緩めてノッチ1Eを開放可能とした後、支点回転偏心軸を矢印C方向に回転すると、リンクは矢印G方向に移動する。このとき、リンクのアーム1A,1Bに取付けられたカムフォロア5,6と共役カム7,8のカム面H,Iの間の距離は、それぞれ短縮し、零にすることができる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚のカムを2個のカムフォロア(ローラ)により挟むことによって構成される共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構に関する。
【0002】
本発明は、電子部品(一例としてコネクタ)の組立と検査に使用されるツールの高速駆動等の広範な用途に採用される。
【0003】
【従来の技術】
共役カムは、広く知られている(例えば、非特許文献1参照。)。図5に示されるように、共役カムは、2枚のカム31,32を2個のローラ33,34が挟むことにより構成されるカムである。一方のカムがリンク35を押しているとき、他方のカムはリンク35によって背後から押されている。
【0004】
共役カムの利点としては、確実に動作すること、重荷重に耐えられること、ローラの拘束にばねを使用しないためカム軸の回転トルクが小さいこと、急激な加速度変化に対しても2個のローラの間隔が固定されているため、ローラがカム面から離れることなく、安定な動作が得られること、加工精度の向上によりローラとカム面の隙間を零にすることができ、また、両者の間に予圧を与えることができること等を挙げることができる。
【0005】
共役カムの欠点としては、加工精度を向上しないと、ローラとカム面の間に僅かな隙間が生じるため、リンクの運動時に隙間の存在によりローラとカム面が衝突を繰り返すから、カム面が異常に摩耗するので、カムの寿命が短縮することを挙げることができる。
【0006】
前記共役カムの欠点を解消する手段も知られている(例えば、非特許文献2参照。)。図6に示されるように、共役カムは、2枚のカム41,42を2個のローラ43,44が挟むことにより構成される。各ローラ43,44を保持するためのリンク45,46は、別個の部品として製作され、共通の軸47を支点として回転することができる。両リンク45,46の間には、引張りばね48がかけ渡される。したがって、両カム41,42の急激な加速度変化に対して、両ローラ43,44の間隔が一定に維持されるため、両ローラ43,44は両カム41,42のカム面から離れることなく、安定な動作が得られる。
【0007】
【非特許文献1】
牧野洋著「自動機械機構学」日刊工業新聞社、1976年、P.206−207
【0008】
【非特許文献2】
飯田詢著「自動機械設計講座I」自動化推進協会、1996年8月30日、P.4
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1記載の共役カムでは、部品の加工精度を向上してローラとカム面の隙間を零にするために、部品の寸法公差を厳格に制限して部品を製作すると、加工費が高価になる。
【0010】
非特許文献2記載の共役カムでは、カムが高速度で回転するにしたがい、リンクがカム面から離れないようにするために、引張りばねの力を大きくせざるを得ない。したがって、カムを回転させるモータの出力も大きくせざるを得ないので、カムの駆動源及び駆動費用が高価になる。
【0011】
そこで、本発明は、前記従来の共役カム機構の欠点を改良し、構成部品の加工精度を向上せずに、また、カムの駆動源及び駆動費用が高価にならずに、簡単な調整方法によってカムフォロア(ローラ)とカム面の隙間を零にすることができるか、又は、両者の間に予圧を与えることができる共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、次の手段を採用する。
【0013】
1.2枚のカムの回転運動をリンクを介して直線運動又は回転運動に変換してツールを駆動し、前記リンクは、前記各カムにそれぞれ当接する2個のカムフォロアと、前記ツールに当接するローラとを有し、前記ツールを駆動するときリンク回転軸を中心として回転し、前記リンクに明けられた穴は、支点回転偏心軸にはめ込まれ、前記リンク回転軸と前記支点回転偏心軸とは、偏心し、前記支点回転偏心軸が前記リンク回転軸を中心として回転することによって、前記リンクは変位し、前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の隙間がそれぞれ調整される共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
【0014】
2.前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の隙間の調整後に、前記リンクを前記支点回転偏心軸に固定する前記1記載の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
【0015】
3.前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の隙間を零にすることができる前記1記載の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
【0016】
4.前記リンクが前記各カムフォロアを弾性変形可能に保持することによって、前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の間に予圧を付与することができる前記1記載の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構の一実施の形態例について図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の同実施の形態例、コネクタの端子供給装置24、端子分離組立部21、コネクタのハウジング供給手段26、端子挿入位置30及び後処理兼検査装置29の模式的全体図である。
【0019】
ハウジング27は、ハウジング供給手段26により端子挿入位置30に供給される。端子キャリア23は、端子供給装置24により端子分離組立部21に搬送され、分離された端子22は、端子挿入位置30においてハウジング27に順次組み込まれてコネクタ(完成途中)25となる。完成後のコネクタ28は、後処理兼検査装置29に搬送される。端子分離組立部21に使用されるツール4の駆動に本実施の形態例が採用される。
【0020】
以上の動作は、連続的かつ自動的に繰り返される。
【0021】
図2は、本実施の形態例の正面図である。
【0022】
基台12上において、共役カム7,8は、中心軸9の回りを矢印A方向に回転する。共役カム7,8のカム面H,Iには、カムフォロア5,6が、それぞれ接触する。カムフォロア5,6は、それぞれリンク1の一端側の二股形状のアーム1A,1Bの両先端付近に回転可能に取付けられる。リンク1の他端側のアーム1Cの先端付近には、ローラ3が回転可能に取付けられる。ローラ3は、ツール4のコ字形状の切欠部4Aに係合する。リンク1は、リンク回転軸2の中心Dの回りに回転することができる。リンク回転軸2は、基台12に回転可能に保持されている。共役カム7,8が回転すると、カムフォロア5,6はカム面H,Iに接触しているため、リンク1はリンク回転軸2の中心Dの回りに回転する。したがって、ローラ3は、ツール4を矢印B方向に駆動する。
【0023】
しかし、カムフォロア5と共役カム7のカム面Hの間、及び、カムフォロア6と共役カム8のカム面Iの間に、隙間が生じることがある。この隙間について次の対策を講じる。
【0024】
リンク1には、穴1Dが明けられ、図3に詳細が示されるように、穴1Dは、中心Dから距離eだけ偏心した位置Fを中心とする支点回転偏心軸11にはめ込まれている。支点回転偏心軸11は、リンク回転軸2に固定されている。
【0025】
リンク1の外面から穴1Dの円周部までにわたって、ノッチ1Eが形成され、ボルト10がノッチ1Eを貫通してリンク1にねじ込まれる。ボルト10を緩めた後に、支点回転偏心軸11をリンク回転軸2を中心として図2の矢印C方向に回転すると、リンク1は矢印G方向に移動する。このとき、カムフォロア5と共役カム7のカム面Hの間の距離、及び、カムフォロア6と共役カム8のカム面Iの間の距離は、それぞれ短縮し、カムフォロア5,6と共役カム7,8のカム面H,Iの隙間を零にすることができる。又は、カムフォロア5,6と共役カム7,8のカム面H,Iの間に予め圧接力(予圧)を与えることができる。予圧を付与するための具体的手段としては、アーム1A,1Bを弾性変形可能とすること、カムフォロア5,6をアーム1A,1Bにばね軸受により支持すること、又は、カムフォロア5,6をゴム等の弾性変形可能な材料から製造することを採用する。前述のような隙間の調整又は予圧の付与後に、ボルト10をリンク1に締め付けることにより、リンク1を支点回転偏心軸11に固定する。
【0026】
リンク1を支点回転偏心軸11に固定する構造の一設計変更例について図4を参照して説明する。リンク回転軸2の一端に回転を拘束するために面カット部2Aを設け、面カット部2Aとリンク1との間に回転ベアリング13とワッシャ14を介在させる。また、リンク回転軸2の他端にナット15をはめ、ナット15とリンク1との間にも回転ベアリング13とワッシャ14を介在させる。ナット15を締め付けると、締め付け力が回転ベアリング13,13とワッシャ14,14を通じてリンク1に伝達されるので、リンク1と支点回転偏心軸11とが固定される。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次の効果が奏される。
【0028】
1.共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構において、簡単な調整方法によってカムフォロアとカム面の隙間を零にすることができるか、又は、両者の間に予圧を与えることができる。
【0029】
2.構成部品の加工精度を向上する必要がなく、また、カムの駆動源及び駆動費用が高価にならない。
【0030】
3.調整機構が単純であるため、調整ミスと故障が発生し難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構とその一用途例のコネクタの組立装置等との模式的全体図である。
【図2】同実施の形態例の正面図である。
【図3】同実施の形態例におけるリンク回転軸と支点回転偏心軸の拡大斜視図である。
【図4】同実施の形態例におけるリンクを支点回転偏心軸に固定する構造の一設計変更例の断面図である。
【図5】従来の第1の共役カムの正面図である。
【図6】従来の第2の共役カムの斜視図である。
【符号の説明】
1  リンク
1A,1B,1C  アーム
1D  穴
1E  ノッチ
2  リンク回転軸
2A  面カット部
3  ローラ
4  ツール
4A  切欠部
5,6  カムフォロア
7,8  共役カム
9  中心軸
10  ボルト
11  支点回転偏心軸
12  基台
13  回転ベアリング
14  ワッシャ
15  ナット

Claims (4)

  1. 2枚のカムの回転運動をリンクを介して直線運動又は回転運動に変換してツールを駆動し、
    前記リンクは、前記各カムにそれぞれ当接する2個のカムフォロアと、前記ツールに当接するローラとを有し、前記ツールを駆動するときリンク回転軸を中心として回転し、
    前記リンクに明けられた穴は、支点回転偏心軸にはめ込まれ、前記リンク回転軸と前記支点回転偏心軸とは、偏心し、
    前記支点回転偏心軸が前記リンク回転軸を中心として回転することによって、前記リンクは変位し、前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の隙間がそれぞれ調整されることを特徴とする共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
  2. 前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の隙間の調整後に、前記リンクを前記支点回転偏心軸に固定することを特徴とする請求項1記載の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
  3. 前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の隙間を零にすることができることを特徴とする請求項1記載の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
  4. 前記リンクが前記各カムフォロアを弾性変形可能に保持することによって、前記各カムフォロアと前記各カムのカム面の間に予圧を付与することができることを特徴とする請求項1記載の共役カムにおけるカムフォロアとカム面の隙間の調整機構。
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