JP2004100606A - 内燃機関の自動運転装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の運転中に「所定のアイドリング運転状態」になった内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、この内燃機関からの未燃ガスの排出を抑制する。
【解決手段】内燃機関15が、燃料ポンプ41の作動により加圧された燃料39を噴射して燃焼室28に供給可能とする燃料噴射弁42と、放電部が燃焼室28に臨む点火プラグ44と、バッテリ51から電力供給され、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出するアイドリングセンサー70と、バッテリ51から電力供給され、アイドリングセンサー70の検出信号に基づき燃料噴射弁42の動作を停止させて内燃機関15を「一時運転停止状態」にさせる制御装置64とを備える。アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、燃料噴射弁42の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に点火プラグ44の放電を停止させるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関15が、燃料ポンプ41の作動により加圧された燃料39を噴射して燃焼室28に供給可能とする燃料噴射弁42と、放電部が燃焼室28に臨む点火プラグ44と、バッテリ51から電力供給され、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出するアイドリングセンサー70と、バッテリ51から電力供給され、アイドリングセンサー70の検出信号に基づき燃料噴射弁42の動作を停止させて内燃機関15を「一時運転停止状態」にさせる制御装置64とを備える。アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、燃料噴射弁42の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に点火プラグ44の放電を停止させるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転中に、この内燃機関が一旦アイドリング運転状態にされたとき、所定の条件に合致した「所定のアイドリング運転状態」で、上記内燃機関を自動的に一旦停止させる「一時運転停止状態」にさせるようにした内燃機関の自動運転装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特開2001−207943号公報
【0004】
上記内燃機関の自動運転装置には、従来、次のように構成されたものがある。
【0005】
即ち、内燃機関が、内燃機関本体の燃焼室に連通する吸気通路と、この吸気通路の開度を調整可能とするスロットル弁と、燃料ポンプの作動により加圧された燃料を噴射して上記燃焼室に供給可能とする燃料噴射弁と、放電部が上記燃焼室に臨む点火プラグと、上記内燃機関本体の駆動に伴い充電可能とされるバッテリと、このバッテリから電力供給され、内燃機関が所定の条件に合致した「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサーと、上記バッテリから電力供給され、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき上記燃料噴射弁の動作を停止させて上記内燃機関を一旦停止させる「一時運転停止状態」にさせる制御装置とを備えている。
【0006】
そして、上記内燃機関の運転中、この内燃機関が一旦アイドリング運転状態にされたとき、この状態が上記アイドリングセンサーにより上記「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されたとすると、この検出信号に基づき、上記制御装置の制御により、燃料噴射弁の作動を停止させて内燃機関を上記「一時運転停止状態」にし、もって、上記「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料消費、排気の排出、およびバッテリの電力消費が抑制されるようになっている。
【0007】
また、従来、上記特許文献1で示されているように、内燃機関の運転中、この内燃機関が一旦アイドリング運転状態にされたとき、この状態が上記アイドリングセンサーにより上記「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されたとすると、この検出信号に基づき、内燃機関の点火制御を中断させて内燃機関を上記「一時運転停止状態」にさせるようにし、もって、上記したと同様に、「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料消費等を抑制させるようにしたものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術のように、内燃機関の運転中に、これを「一時運転停止状態」にさせるよう制御したとき、この制御の直後における内燃機関の慣性運転状態により、上記吸気通路に残留していた燃料が点火、燃焼されずに未燃ガスとして大気側に排出されるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、内燃機関の運転中に「所定のアイドリング運転状態」になった内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、この内燃機関からの未燃ガスの排出を抑制することを課題とする。
【0010】
また、上記したように内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、その後の内燃機関の再始動がより円滑にできるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の内燃機関の自動運転装置は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0012】
請求項1の発明は、内燃機関本体21の燃焼室28に連通する吸気通路29,34と、この吸気通路29,34の開度を調整可能とするスロットル弁36と、燃料ポンプ41の作動により加圧された燃料39を噴射して上記燃焼室28に供給可能とする燃料噴射弁42と、放電部が上記燃焼室28に臨む点火プラグ44と、上記内燃機関本体21の駆動に伴い充電可能とされるバッテリ51と、このバッテリ51から電力供給され、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサー70と、上記バッテリ51から電力供給され、上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき上記燃料噴射弁42の動作を停止させて上記内燃機関15を「一時運転停止状態」にさせる制御装置64とを備えた内燃機関において、
【0013】
上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料噴射弁42の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグ44の放電を停止させるようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記燃焼室28側に対し上記スロットル弁36よりも下流側から上記燃料噴射弁42によって燃料39を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁36を上記燃焼室28の近傍に配置したものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにしたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記内燃機関15が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリ51の充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、点火プラグ44を放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにしたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つの発明に加えて、乗り物1に搭載された内燃機関の自動運転装置において、
【0018】
上記乗り物1がフラッシャ52を備え、このフラッシャ52の点灯中は、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、上記点火プラグ44を放電させて、上記内燃機関15を運転させるようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0020】
図1において、符号1はスクータ型自動二輪車で例示される鞍乗型乗り物であり、矢印Frは、この乗り物1の前方を示している。
【0021】
上記乗り物1の車体2の前部には不図示のフロントフォークを介して前車輪が支承されている。上記車体2の後下部には枢支軸3によりリヤアーム4が上下に揺動自在となるよう枢支され、このリヤアーム4の揺動端部に車軸5により後車輪6が支承され、上記車体2の後上部と上記リヤアーム4とに緩衝器7が架設されている。上記車体2は上記前車輪と後車輪6とにより走行面8上に支持されている。上記車体2の後上部にライダー着座用のシート9が支持され、上記後車輪6を制動可能とするドラム式の制動装置10が設けられている。
【0022】
上記リヤアーム4は、上記後車輪6を回転駆動させて乗り物1を走行可能とさせるスイングユニットといわれる駆動装置14であり、この駆動装置14は、その前部を構成して上記枢支軸3により車体2に枢支される4サイクル内燃機関15と、この内燃機関15の後部に連設される動力伝達装置16と、この動力伝達装置16から突設されて上記車軸5により後車輪6を支承するフレーム部材17とを備え、上記内燃機関15に動力伝達装置16が連動連結され、この動力伝達装置16にチェーン巻掛式伝動手段18により上記後車輪6が連動連結されている。
【0023】
上記内燃機関15は内燃機関本体21を備え、この内燃機関本体21は、クランク軸22を支承するクランクケース23と、このクランクケース23から前方に向って突出するシリンダ24と、このシリンダ24内に軸方向摺動自在に嵌入されるピストン25と、上記クランク軸22とピストン25とを互いに連動連結させる連接棒26とを備えている。
【0024】
上記シリンダ24の突出端部内でこのシリンダ24とピストン25とで囲まれた空間が燃焼室28とされ、この燃焼室28を上記シリンダ24の突出端部の上方に向って連通させる吸気通路29と、上記燃焼室28を上記シリンダ24の突出端部の下方に向って連通させる排気通路30とが上記シリンダ24に成形されている。上記燃焼室28に対する上記吸気通路29と排気通路30の各開口を開閉自在とする吸気弁31と排気弁32とが設けられ、これら各弁31,32は上記クランク軸22の回転に動弁機構を介し連動して上記吸気通路29と排気通路30とを適宜開閉させる。
【0025】
上記吸気通路29に連通する他の吸気通路34を有する吸気管35の一端部が上記シリンダ24に結合され、上記吸気管35は、その一端部側が一旦上方に延出した後、後方に向けて屈曲させられている。上記吸気通路34の開度を調整するスロットル弁36が設けられ、このスロットル弁36は上記シリンダ24の突出端部の上方に隣接するよう配設され、つまり、上記スロットル弁36は、上記シリンダ24の突出端部と燃焼室28のそれぞれ上方近傍に配置されている。
【0026】
上記内燃機関15は、上記燃焼室28に燃料39を供給可能とする燃料供給装置40を備えている。この燃料供給装置40は、燃料タンクに溜められた燃料39を加圧して吐出する燃料ポンプ41と、この燃料ポンプ41から供給された燃料39を上記スロットル弁36よりも下流側における上記吸気通路29,34内に向い、かつ、下方に向って適宜噴射し、これにより、上記吸気通路29,34を通し上記燃焼室28に燃料39を供給する燃料噴射弁42とを備えている。また、上記シリンダ24に取り付けられ燃焼室28に放電部が臨む点火プラグ44が設けられている。
【0027】
上記内燃機関本体21を冷却水46により冷却する冷却装置47が設けられている。この冷却装置47は、上記シリンダ24に成形された水ジャケット48を備え、この水ジャケット48を通し冷却水46が循環流動させられて、上記内燃機関本体21が冷却されるようになっている。
【0028】
上記内燃機関15は、この内燃機関15の内燃機関本体21のクランク軸22をクランキングして内燃機関15を始動可能とさせると共に、内燃機関本体21の駆動に連動して発電する始動発電機50と、この始動発電機50を介し上記内燃機関本体21の駆動に伴い充電可能とされるバッテリ51とを備え、上記始動発電機50はマニュアル操作による駆動も可能とされている。また、上記車体2には、上記バッテリ51からの電力供給により点灯可能とされるターンシグナル用灯火器であるフラッシャ52が設けられている。
【0029】
上記内燃機関15の内燃機関本体21の回転数(クランク軸22の回転数)を検出するエンジン回転数センサー54と、上記スロットル弁36による吸気通路34の開度であるスロットル開度を検出するスロットル開度センサー55と、上記水ジャケット48の冷却水46(シリンダ24)の温度を検出する温度センサー56と、乗り物1の走行速度(車速)を検出する走行速度センサー57と、上記制動装置10により乗り物1が制動された状態であることを検出する制動センサー58と、上記シート9にライダーが着座していることを検出する着座センサー59と、上記フラッシャ52が点灯中であることを検出する点灯センサー60と、上記バッテリ51の残留充電量を検出する充電量センサー61とが設けられ、上記各センサー54〜61はバッテリ51からの電力供給により、それぞれの検出信号が出力可能とされている。
【0030】
上記バッテリ51からの電力供給により、上記各センサー54〜61の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作と、上記燃料噴射弁42の適宜の開閉弁動作と、点火プラグ44の適宜の放電とを電子的に制御する制御装置64とが設けられている。
【0031】
上記内燃機関15が駆動するとき、内燃機関本体21のクランク軸22に連動して上記吸気弁31と排気弁32とが適宜開閉弁動作し、大気側の空気66が上記吸気通路29,34を通り燃焼室28に吸入される。一方、上記燃料供給装置40の燃料噴射弁42が上記吸気通路29,34内に燃料39を適宜噴射し、この燃料39が上記吸気通路29,34を通し、上記燃焼室28内に供給される。この燃料39と上記のように燃焼室28に吸入される空気66との混合気が上記点火プラグ44の放電により点火燃焼させられ、この燃焼により、上記クランク軸22から駆動力が出力される。この燃焼により生じた燃焼ガスは排気67として上記排気通路30を通り内燃機関15の外部に排出され、上記内燃機関15の運転が続けられる。
【0032】
上記内燃機関15のクランク軸22から出力される駆動力を上記動力伝達装置16と伝動手段18とを介し上記後車輪6に伝達させれば、この後車輪6が回転駆動し、乗り物1が走行面8上を走行させられる。
【0033】
上記乗り物1の走行途中で、この乗り物1が信号により一旦停止するなどして、上記内燃機関15の運転がアイドリング運転状態(1300〜1400r.p.m)になったとき、これが後述する所定の条件に合致した「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサー70が設けられ、このアイドリングセンサー70は上記各センサー54〜60により構成されている。
【0034】
上記制御装置64は、上記内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であるという上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作を停止させることと、上記燃料噴射弁42の開閉弁動作を停止させて閉弁状態にさせることと、上記点火プラグ44の放電を停止させることのうち、少なくともいずれかを実行するするようこれら41,42,44を制御し、これにより、上記内燃機関15の運転を一旦停止させる「一時運転停止状態」にさせるようになっている。
【0035】
上記の場合、点火プラグ44の放電の停止は、上記燃料噴射弁42の動作を停止させてから、所定時間経過後になされるようになっている。より具体的には、内燃機関15における吸入、圧縮、膨張(燃焼)、排気行程を一動作とすれば、ある動作での燃料噴射弁42の動作の停止による燃料39の噴射の停止後、これに順次後続する一つの動作、もしくは複数の動作で上記点火プラグ44の放電が続けられた後、この放電が停止させられるようになっている。換言すれば、上記燃料噴射弁42による燃料39の噴射後、上記点火プラグ44による放電が少なくとも2回以上行われた後、この放電が停止させられるようになっている。
【0036】
図2〜4は、上記制御装置64のフローチャートを示し、符号Sはそのプログラムの各ステップを示している。なお、図2,3中のA,A同士と、B,B同士とは互いに接続されるものである。
【0037】
図2,3により、上記「所定のアイドリング運転状態」につき、具体的に説明する。
【0038】
まず、S2において、上記内燃機関15が上記「一時運転停止状態」にされたものでないと判断されれば、下記するS3〜13が実行されて、上記内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であるか否かが判断され、上記内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であると判断されれば、上記内燃機関15は「一時運転停止状態」とされて(S14)、上記内燃機関15の「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料39の消費、排気67の排出、バッテリ51の電力消費が抑制される。
【0039】
上記S3〜S14につき、より具体的に説明すると、まず、上記温度センサー56の検出信号により冷却水46の水温(シリンダ24の温度)が所定値以上であると判断され(S3)、つまり、内燃機関15の再始動を円滑になし得る状態であると判断され、また、上記走行速度センサー57により走行速度(車速)が一旦所定値(10km/h)を越えていないと判断され(S4)、つまり、乗り物1が確実な走行状態ではないと判断され、また、上記制動センサー58の検出信号により制動装置10によって乗り物1が制動状態であると判断され(S5)、つまり、乗り物1を走行させる意図がない状態であると判断され、また、上記着座センサー59の検出信号によりシート9にライダーが着座していると判断され(S6)、つまり、乗り物1を取り回しするなどの意図がない状態であると判断され、また、上記点灯センサー60の検出信号によりフラッシャ52が点灯していないと判断され(S7)、つまり、バッテリ51につき電力の大きい消費が回避されている状態であると判断されれば、タイマーの計測が開始される(S8)。
【0040】
次に、上記エンジン回転数センサー54の検出信号によりエンジン回転数が所定値以下であると判断され(S9)、つまり、乗り物1がほぼ停止状態であると判断され、また、上記スロットル開度センサー55の検出信号によりスロットル開度が所定期間(3秒)以上継続して所定開度以下であると判断され(S10)、つまり、乗り物1を走行させる意図がない状態であると判断され、また、上記走行速度センサー57の検出信号により走行速度(車速)がほぼ0であると判断され(S11)、つまり、乗り物1がほぼ停止した状態であると判断され、また、上記S8のタイマー計測開始から所定期間(3秒)以上経過すれば(S12)、タイマーが停止させられてリセットされる(S13)。これにより、上記内燃機関15は上記「所定のアイドリング運転状態」であると判断されて、この内燃機関15が上記「一時運転停止状態」とされる(S14)。
【0041】
即ち、上記S3〜S13の全てがYes(是)と判断された場合に、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であると判断されて、この内燃機関15が「一時運転停止状態」とされ、上記S3〜S13のうち、いずれか一つでもNo(否)と判断されれば、内燃機関15は「所定のアイドリング運転状態」ではないと判断されて、S2に戻る。
【0042】
図4は、上記「一時運転停止状態」とされた内燃機関15を、再始動させるためのフローチャートである。
【0043】
まず、S18において、上記内燃機関15が上記「一時運転停止状態」にされたものであると判断されれば、下記するS18〜S23が実行され、上記内燃機関15の「一時運転停止状態」を解除するか(S23)、否かが判断される。そして、この「一時運転停止状態」を解除させようとする場合には、上記制御装置64の制御によるバッテリ51の電力供給により、上記始動発電機50が駆動させられて内燃機関本体21のクランク軸22がクランキングさせられ、燃料ポンプ41が動作させられ、燃料噴射弁42が開閉弁動作させられ、かつ、点火プラグ44が放電させられる。すると、内燃機関15が始動させられて、上記「一時運転停止状態」の解除がなされ、その後、この内燃機関15の運転が続行させられる。
【0044】
上記S18〜S22をより具体的に説明すると、上記スロットル開度センサー55の検出信号によりスロットル開度が所定開度以上であると判断され(S19)、つまり、内燃機関15の駆動により乗り物1を発進させようとする状態であり、また、上記充電量センサー61の検出信号によりバッテリ51の充電量(電圧)が所定値以下であると判断され(S20)、つまり、この充電量では燃料ポンプ41、燃料噴射弁42、点火プラグ44、各センサー54〜61、および制御装置64への供給電力が不足するおそれがある状態であり、また、上記制動センサー58の検出信号により制動装置10による乗り物1の制動が解除されていると判断され(S21)、つまり、乗り物1を走行させる意図がある状態であり、また、上記点灯センサー60の検出信号によりフラッシャ52が点灯していると判断され(S22)、つまり、バッテリ51の電力消費が大きくてこの消費の一方で充電が要求される状態であるうちの少なくともいずれか一つの状態のときには、上記「一時運転停止状態」の解除がなされて(S23)、内燃機関15が始動させられ、もって、この内燃機関15の通常運転が可能とされている。
【0045】
上記S20で、バッテリ51の充電量が所定値以下となった場合には、警告が発せられるようになっている。
【0046】
一方、上記S18で「一時運転停止状態」でないと判断されれば、内燃機関15はそのままの運転状態が維持される。また、上記S19〜S22の全てがNo(否)と判断されれば、内燃機関15が「一時運転停止状態」のままで、上記S18に戻る。
【0047】
上記構成によれば、アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料噴射弁42の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグ44の放電を停止させるようにしてある。
【0048】
このため、上記内燃機関15の運転中、この内燃機関15がアイドリング運転状態にされたとき、この状態が「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されて、上記制御装置64の制御により、内燃機関15が「一時運転停止状態」にされると、上記「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料39消費、排気67の排出、バッテリ51の電力消費が抑制される。また、上記制御の直後における内燃機関15の慣性運転状態により、上記吸気通路29,34に残留していた燃料39が上記燃焼室28に吸入された場合には、この燃焼室28は上記した燃料噴射弁42の動作停止後の点火プラグ44の放電によって、燃焼させられる。
【0049】
よって、上記制御装置64による制御により内燃機関15を「一時運転停止状態」にさせたとき、上記制御の直後におけるこの内燃機関15の慣性運転状態で、未燃ガスが大気側に排出されるということは抑制される。
【0050】
また、前記したように、燃焼室28側に対し上記スロットル弁36よりも下流側から上記燃料噴射弁42によって燃料39を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁36を上記燃焼室28の近傍に配置してある。
【0051】
このため、上記燃焼室28側に向って燃料噴射弁42により燃料39を噴射したときの噴き返しは、上記スロットル弁36により阻止されるが、このスロットル弁36を上記のように燃焼室28の近傍に配置した分、上記噴き返される燃料39は上記燃焼室28の近傍にとどめられる。
【0052】
よって、制御装置64による制御により内燃機関15を「一時運転停止状態」させた直後のこの内燃機関15の慣性運転状態では、上記燃焼室28の近傍にとどめられた燃料39はその多くがより確実に上記燃焼室28に吸入されて燃焼させられることとなり、このため、未燃ガスの排出は、より確実に抑制される。
【0053】
しかも、上記燃焼室28の上方からこの燃焼室28側に向うよう下方に向って、上記燃料噴射弁42により燃料39を噴射して供給するようにし、かつ、上記スロットル弁36を上記燃焼室28の上方近傍に配置してある。
【0054】
このため、上記燃料噴射弁42により燃料39を噴射したときの噴き返しは、上記スロットル弁36により、より確実に阻止されて、上記燃料39は上記燃焼室28の近傍により確実にとどめられる。
【0055】
よって、制御装置64による制御により内燃機関15を「一時運転停止状態」させた直後のこの内燃機関15の慣性運転状態では、上記燃焼室28の近傍にとどめられた燃料39はその多くが更に確実に上記燃焼室28に吸入されて燃焼させられることとなり、このため、未燃ガスの排出は、更に確実に抑制される。
【0056】
また、前記したように、アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにしてある。
【0057】
このため、上記「所定のアイドリング運転状態」で内燃機関15が「一時運転停止状態」にされることに加えて、上記燃料ポンプ41の動作が停止させられることから、この燃料ポンプ41の動作に伴って無用にバッテリ51の電力消費がなされるということが抑制される。よって、このバッテリ51の電力供給によるその後の内燃機関15の再始動がより円滑にできることとなる。
【0058】
また、前記したように、内燃機関15が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリ51の充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、点火プラグ44を放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにしてある。
【0059】
このため、上記内燃機関15が「一時運転停止状態」であるとしても、バッテリ51の充電量が所定値以下であれば、上記内燃機関15の「一時運転停止状態」が解除されて内燃機関15が再始動させられ、この内燃機関15の内燃機関本体21の駆動に伴い上記バッテリ51が充電されることから、このバッテリ51の充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリ51の電力供給によるその後の内燃機関15の再始動がより円滑にできることとなる。
【0060】
また、前記したように、乗り物1に搭載された内燃機関の自動運転装置において、上記乗り物1がフラッシャ52を備え、このフラッシャ52の点灯中は、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、上記点火プラグ44を放電させて、上記内燃機関15を運転させるようにしてある。
【0061】
このため、上記バッテリ51の電力供給によるフラッシャ52の点灯中では上記バッテリ51の電力消費は大きいが、上記内燃機関15が「一時運転停止状態」であるとしても、上記フラッシャ52の点灯中は、上記内燃機関15が運転されて、その内燃機関本体21の駆動に伴い上記バッテリ51が充電されることから、このバッテリ51の充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリ51の電力供給によるその後の内燃機関15の再始動がより円滑にでき、また、上記バッテリ51の電力供給により点灯するヘッドライトの光量を所定値に保持できることとなる。
【0062】
なお、以上は図示の例によるが、乗り物1は、自動車や小型の船艇であってもよい。また、上記燃料噴射弁42による燃料39の噴射は、上記吸気通路29,34と、上記燃焼室28に対する吸気通路29の開口とを通して上記燃焼室28内に直接的に向うよう噴射させてもよく、上記吸気通路29,34を通すことなく燃焼室28に直接噴射させる筒内噴射式であってもよい。また、上記S3〜S13のうちから選択されるいずれかがYesであるとき、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であると判断されるようにしてもよい。
【0063】
また、上記着座センサー59は、シート9にライダーが着座していることを直接検出するものであってもよいが、例えば、ブレーキを操作中であるなど、着座を推測してこの着座していることを間接的に検出するものであってもよく、また、上記着座センサー59は設けなくてもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0065】
請求項1の発明は、内燃機関本体の燃焼室に連通する吸気通路と、この吸気通路の開度を調整可能とするスロットル弁と、燃料ポンプの作動により加圧された燃料を噴射して上記燃焼室に供給可能とする燃料噴射弁と、放電部が上記燃焼室に臨む点火プラグと、上記内燃機関本体の駆動に伴い充電可能とされるバッテリと、このバッテリから電力供給され、内燃機関が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサーと、上記バッテリから電力供給され、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき上記燃料噴射弁の動作を停止させて上記内燃機関を「一時運転停止状態」にさせる制御装置とを備えた内燃機関において、
【0066】
上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき、上記燃料噴射弁の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグの放電を停止させるようにしてある。
【0067】
このため、上記内燃機関の運転中、この内燃機関がアイドリング運転状態にされたとき、この状態が「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されて、上記制御装置の制御により、内燃機関が「一時運転停止状態」にされると、上記「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料消費、排気の排出、バッテリの電力消費が抑制される。また、上記制御の直後における内燃機関の慣性運転状態により、上記吸気通路に残留していた燃料が上記燃焼室に吸入された場合には、この燃焼室は上記した燃料噴射弁の動作停止後の点火プラグの放電によって、燃焼させられる。
【0068】
よって、上記制御装置による制御により内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、上記制御の直後におけるこの内燃機関の慣性運転状態で、未燃ガスが大気側に排出されるということは抑制される。
【0069】
請求項2の発明は、上記燃焼室側に対し上記スロットル弁よりも下流側から上記燃料噴射弁によって燃料を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁を上記燃焼室の近傍に配置してある。
【0070】
このため、上記燃焼室側に向って燃料噴射弁により燃料を噴射したときの噴き返しは、上記スロットル弁により阻止されるが、このスロットル弁を上記のように燃焼室の近傍に配置した分、上記噴き返される燃料は上記燃焼室の近傍にとどめられる。
【0071】
よって、制御装置による制御により内燃機関を「一時運転停止状態」させた直後のこの内燃機関の慣性運転状態では、上記燃焼室の近傍にとどめられた燃料はその多くがより確実に上記燃焼室に吸入されて燃焼させられることとなり、このため、未燃ガスの排出は、より確実に抑制される。
【0072】
請求項3の発明は、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき、上記燃料ポンプの動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにしてある。
【0073】
このため、上記「所定のアイドリング運転状態」で内燃機関が「一時運転停止状態」にされることに加えて、上記燃料ポンプの動作が停止させられることから、この燃料ポンプの動作に伴って無用にバッテリの電力消費がなされるということが抑制される。よって、このバッテリの電力供給によるその後の内燃機関の再始動がより円滑にできることとなる。
【0074】
請求項4の発明は、上記内燃機関が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリの充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁を動作させると共に、点火プラグを放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにしてある。
【0075】
このため、上記内燃機関が「一時運転停止状態」であるとしても、バッテリの充電量が所定値以下であれば、上記内燃機関の「一時運転停止状態」が解除されて内燃機関が再始動させられ、この内燃機関の内燃機関本体の駆動に伴い上記バッテリが充電されることから、このバッテリの充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリの電力供給によるその後の内燃機関の再始動がより円滑にできることとなる。
【0076】
請求項5の発明は、乗り物に搭載された内燃機関の自動運転装置において、
【0077】
上記乗り物がフラッシャを備え、このフラッシャの点灯中は、上記燃料噴射弁を動作させると共に、上記点火プラグを放電させて、上記内燃機関を運転させるようにしてある。
【0078】
このため、上記バッテリの電力供給によるフラッシャの点灯中では上記バッテリの電力消費は大きいが、上記内燃機関が「一時運転停止状態」であるとしても、上記フラッシャの点灯中は、上記内燃機関が運転されて、その内燃機関本体の駆動に伴い上記バッテリが充電されることから、このバッテリの充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリの電力供給によるその後の内燃機関の再始動がより円滑にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗り物の線図である。
【図2】制御装置のフローチャートを示す図である。
【図3】制御装置のフローチャートを示す他の図である。
【図4】制御装置のフローチャートを示す更に他の図である。
【符号の説明】
1 乗り物
2 車体
14 駆動装置
15 内燃機関
21 内燃機関本体
22 クランク軸
23 クランクケース
24 シリンダ
25 ピストン
28 燃焼室
29 吸気通路
34 吸気通路
36 スロットル弁
39 燃料
40 燃料供給装置
41 燃料ポンプ
42 燃料噴射弁
44 点火プラグ
50 始動発電機
51 バッテリ
52 フラッシャ
64 制御装置
66 空気
67 排気
70 アイドリングセンサー
【発明が属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転中に、この内燃機関が一旦アイドリング運転状態にされたとき、所定の条件に合致した「所定のアイドリング運転状態」で、上記内燃機関を自動的に一旦停止させる「一時運転停止状態」にさせるようにした内燃機関の自動運転装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特開2001−207943号公報
【0004】
上記内燃機関の自動運転装置には、従来、次のように構成されたものがある。
【0005】
即ち、内燃機関が、内燃機関本体の燃焼室に連通する吸気通路と、この吸気通路の開度を調整可能とするスロットル弁と、燃料ポンプの作動により加圧された燃料を噴射して上記燃焼室に供給可能とする燃料噴射弁と、放電部が上記燃焼室に臨む点火プラグと、上記内燃機関本体の駆動に伴い充電可能とされるバッテリと、このバッテリから電力供給され、内燃機関が所定の条件に合致した「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサーと、上記バッテリから電力供給され、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき上記燃料噴射弁の動作を停止させて上記内燃機関を一旦停止させる「一時運転停止状態」にさせる制御装置とを備えている。
【0006】
そして、上記内燃機関の運転中、この内燃機関が一旦アイドリング運転状態にされたとき、この状態が上記アイドリングセンサーにより上記「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されたとすると、この検出信号に基づき、上記制御装置の制御により、燃料噴射弁の作動を停止させて内燃機関を上記「一時運転停止状態」にし、もって、上記「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料消費、排気の排出、およびバッテリの電力消費が抑制されるようになっている。
【0007】
また、従来、上記特許文献1で示されているように、内燃機関の運転中、この内燃機関が一旦アイドリング運転状態にされたとき、この状態が上記アイドリングセンサーにより上記「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されたとすると、この検出信号に基づき、内燃機関の点火制御を中断させて内燃機関を上記「一時運転停止状態」にさせるようにし、もって、上記したと同様に、「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料消費等を抑制させるようにしたものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術のように、内燃機関の運転中に、これを「一時運転停止状態」にさせるよう制御したとき、この制御の直後における内燃機関の慣性運転状態により、上記吸気通路に残留していた燃料が点火、燃焼されずに未燃ガスとして大気側に排出されるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、内燃機関の運転中に「所定のアイドリング運転状態」になった内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、この内燃機関からの未燃ガスの排出を抑制することを課題とする。
【0010】
また、上記したように内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、その後の内燃機関の再始動がより円滑にできるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の内燃機関の自動運転装置は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0012】
請求項1の発明は、内燃機関本体21の燃焼室28に連通する吸気通路29,34と、この吸気通路29,34の開度を調整可能とするスロットル弁36と、燃料ポンプ41の作動により加圧された燃料39を噴射して上記燃焼室28に供給可能とする燃料噴射弁42と、放電部が上記燃焼室28に臨む点火プラグ44と、上記内燃機関本体21の駆動に伴い充電可能とされるバッテリ51と、このバッテリ51から電力供給され、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサー70と、上記バッテリ51から電力供給され、上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき上記燃料噴射弁42の動作を停止させて上記内燃機関15を「一時運転停止状態」にさせる制御装置64とを備えた内燃機関において、
【0013】
上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料噴射弁42の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグ44の放電を停止させるようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記燃焼室28側に対し上記スロットル弁36よりも下流側から上記燃料噴射弁42によって燃料39を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁36を上記燃焼室28の近傍に配置したものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにしたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記内燃機関15が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリ51の充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、点火プラグ44を放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにしたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つの発明に加えて、乗り物1に搭載された内燃機関の自動運転装置において、
【0018】
上記乗り物1がフラッシャ52を備え、このフラッシャ52の点灯中は、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、上記点火プラグ44を放電させて、上記内燃機関15を運転させるようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0020】
図1において、符号1はスクータ型自動二輪車で例示される鞍乗型乗り物であり、矢印Frは、この乗り物1の前方を示している。
【0021】
上記乗り物1の車体2の前部には不図示のフロントフォークを介して前車輪が支承されている。上記車体2の後下部には枢支軸3によりリヤアーム4が上下に揺動自在となるよう枢支され、このリヤアーム4の揺動端部に車軸5により後車輪6が支承され、上記車体2の後上部と上記リヤアーム4とに緩衝器7が架設されている。上記車体2は上記前車輪と後車輪6とにより走行面8上に支持されている。上記車体2の後上部にライダー着座用のシート9が支持され、上記後車輪6を制動可能とするドラム式の制動装置10が設けられている。
【0022】
上記リヤアーム4は、上記後車輪6を回転駆動させて乗り物1を走行可能とさせるスイングユニットといわれる駆動装置14であり、この駆動装置14は、その前部を構成して上記枢支軸3により車体2に枢支される4サイクル内燃機関15と、この内燃機関15の後部に連設される動力伝達装置16と、この動力伝達装置16から突設されて上記車軸5により後車輪6を支承するフレーム部材17とを備え、上記内燃機関15に動力伝達装置16が連動連結され、この動力伝達装置16にチェーン巻掛式伝動手段18により上記後車輪6が連動連結されている。
【0023】
上記内燃機関15は内燃機関本体21を備え、この内燃機関本体21は、クランク軸22を支承するクランクケース23と、このクランクケース23から前方に向って突出するシリンダ24と、このシリンダ24内に軸方向摺動自在に嵌入されるピストン25と、上記クランク軸22とピストン25とを互いに連動連結させる連接棒26とを備えている。
【0024】
上記シリンダ24の突出端部内でこのシリンダ24とピストン25とで囲まれた空間が燃焼室28とされ、この燃焼室28を上記シリンダ24の突出端部の上方に向って連通させる吸気通路29と、上記燃焼室28を上記シリンダ24の突出端部の下方に向って連通させる排気通路30とが上記シリンダ24に成形されている。上記燃焼室28に対する上記吸気通路29と排気通路30の各開口を開閉自在とする吸気弁31と排気弁32とが設けられ、これら各弁31,32は上記クランク軸22の回転に動弁機構を介し連動して上記吸気通路29と排気通路30とを適宜開閉させる。
【0025】
上記吸気通路29に連通する他の吸気通路34を有する吸気管35の一端部が上記シリンダ24に結合され、上記吸気管35は、その一端部側が一旦上方に延出した後、後方に向けて屈曲させられている。上記吸気通路34の開度を調整するスロットル弁36が設けられ、このスロットル弁36は上記シリンダ24の突出端部の上方に隣接するよう配設され、つまり、上記スロットル弁36は、上記シリンダ24の突出端部と燃焼室28のそれぞれ上方近傍に配置されている。
【0026】
上記内燃機関15は、上記燃焼室28に燃料39を供給可能とする燃料供給装置40を備えている。この燃料供給装置40は、燃料タンクに溜められた燃料39を加圧して吐出する燃料ポンプ41と、この燃料ポンプ41から供給された燃料39を上記スロットル弁36よりも下流側における上記吸気通路29,34内に向い、かつ、下方に向って適宜噴射し、これにより、上記吸気通路29,34を通し上記燃焼室28に燃料39を供給する燃料噴射弁42とを備えている。また、上記シリンダ24に取り付けられ燃焼室28に放電部が臨む点火プラグ44が設けられている。
【0027】
上記内燃機関本体21を冷却水46により冷却する冷却装置47が設けられている。この冷却装置47は、上記シリンダ24に成形された水ジャケット48を備え、この水ジャケット48を通し冷却水46が循環流動させられて、上記内燃機関本体21が冷却されるようになっている。
【0028】
上記内燃機関15は、この内燃機関15の内燃機関本体21のクランク軸22をクランキングして内燃機関15を始動可能とさせると共に、内燃機関本体21の駆動に連動して発電する始動発電機50と、この始動発電機50を介し上記内燃機関本体21の駆動に伴い充電可能とされるバッテリ51とを備え、上記始動発電機50はマニュアル操作による駆動も可能とされている。また、上記車体2には、上記バッテリ51からの電力供給により点灯可能とされるターンシグナル用灯火器であるフラッシャ52が設けられている。
【0029】
上記内燃機関15の内燃機関本体21の回転数(クランク軸22の回転数)を検出するエンジン回転数センサー54と、上記スロットル弁36による吸気通路34の開度であるスロットル開度を検出するスロットル開度センサー55と、上記水ジャケット48の冷却水46(シリンダ24)の温度を検出する温度センサー56と、乗り物1の走行速度(車速)を検出する走行速度センサー57と、上記制動装置10により乗り物1が制動された状態であることを検出する制動センサー58と、上記シート9にライダーが着座していることを検出する着座センサー59と、上記フラッシャ52が点灯中であることを検出する点灯センサー60と、上記バッテリ51の残留充電量を検出する充電量センサー61とが設けられ、上記各センサー54〜61はバッテリ51からの電力供給により、それぞれの検出信号が出力可能とされている。
【0030】
上記バッテリ51からの電力供給により、上記各センサー54〜61の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作と、上記燃料噴射弁42の適宜の開閉弁動作と、点火プラグ44の適宜の放電とを電子的に制御する制御装置64とが設けられている。
【0031】
上記内燃機関15が駆動するとき、内燃機関本体21のクランク軸22に連動して上記吸気弁31と排気弁32とが適宜開閉弁動作し、大気側の空気66が上記吸気通路29,34を通り燃焼室28に吸入される。一方、上記燃料供給装置40の燃料噴射弁42が上記吸気通路29,34内に燃料39を適宜噴射し、この燃料39が上記吸気通路29,34を通し、上記燃焼室28内に供給される。この燃料39と上記のように燃焼室28に吸入される空気66との混合気が上記点火プラグ44の放電により点火燃焼させられ、この燃焼により、上記クランク軸22から駆動力が出力される。この燃焼により生じた燃焼ガスは排気67として上記排気通路30を通り内燃機関15の外部に排出され、上記内燃機関15の運転が続けられる。
【0032】
上記内燃機関15のクランク軸22から出力される駆動力を上記動力伝達装置16と伝動手段18とを介し上記後車輪6に伝達させれば、この後車輪6が回転駆動し、乗り物1が走行面8上を走行させられる。
【0033】
上記乗り物1の走行途中で、この乗り物1が信号により一旦停止するなどして、上記内燃機関15の運転がアイドリング運転状態(1300〜1400r.p.m)になったとき、これが後述する所定の条件に合致した「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサー70が設けられ、このアイドリングセンサー70は上記各センサー54〜60により構成されている。
【0034】
上記制御装置64は、上記内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であるという上記アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作を停止させることと、上記燃料噴射弁42の開閉弁動作を停止させて閉弁状態にさせることと、上記点火プラグ44の放電を停止させることのうち、少なくともいずれかを実行するするようこれら41,42,44を制御し、これにより、上記内燃機関15の運転を一旦停止させる「一時運転停止状態」にさせるようになっている。
【0035】
上記の場合、点火プラグ44の放電の停止は、上記燃料噴射弁42の動作を停止させてから、所定時間経過後になされるようになっている。より具体的には、内燃機関15における吸入、圧縮、膨張(燃焼)、排気行程を一動作とすれば、ある動作での燃料噴射弁42の動作の停止による燃料39の噴射の停止後、これに順次後続する一つの動作、もしくは複数の動作で上記点火プラグ44の放電が続けられた後、この放電が停止させられるようになっている。換言すれば、上記燃料噴射弁42による燃料39の噴射後、上記点火プラグ44による放電が少なくとも2回以上行われた後、この放電が停止させられるようになっている。
【0036】
図2〜4は、上記制御装置64のフローチャートを示し、符号Sはそのプログラムの各ステップを示している。なお、図2,3中のA,A同士と、B,B同士とは互いに接続されるものである。
【0037】
図2,3により、上記「所定のアイドリング運転状態」につき、具体的に説明する。
【0038】
まず、S2において、上記内燃機関15が上記「一時運転停止状態」にされたものでないと判断されれば、下記するS3〜13が実行されて、上記内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であるか否かが判断され、上記内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であると判断されれば、上記内燃機関15は「一時運転停止状態」とされて(S14)、上記内燃機関15の「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料39の消費、排気67の排出、バッテリ51の電力消費が抑制される。
【0039】
上記S3〜S14につき、より具体的に説明すると、まず、上記温度センサー56の検出信号により冷却水46の水温(シリンダ24の温度)が所定値以上であると判断され(S3)、つまり、内燃機関15の再始動を円滑になし得る状態であると判断され、また、上記走行速度センサー57により走行速度(車速)が一旦所定値(10km/h)を越えていないと判断され(S4)、つまり、乗り物1が確実な走行状態ではないと判断され、また、上記制動センサー58の検出信号により制動装置10によって乗り物1が制動状態であると判断され(S5)、つまり、乗り物1を走行させる意図がない状態であると判断され、また、上記着座センサー59の検出信号によりシート9にライダーが着座していると判断され(S6)、つまり、乗り物1を取り回しするなどの意図がない状態であると判断され、また、上記点灯センサー60の検出信号によりフラッシャ52が点灯していないと判断され(S7)、つまり、バッテリ51につき電力の大きい消費が回避されている状態であると判断されれば、タイマーの計測が開始される(S8)。
【0040】
次に、上記エンジン回転数センサー54の検出信号によりエンジン回転数が所定値以下であると判断され(S9)、つまり、乗り物1がほぼ停止状態であると判断され、また、上記スロットル開度センサー55の検出信号によりスロットル開度が所定期間(3秒)以上継続して所定開度以下であると判断され(S10)、つまり、乗り物1を走行させる意図がない状態であると判断され、また、上記走行速度センサー57の検出信号により走行速度(車速)がほぼ0であると判断され(S11)、つまり、乗り物1がほぼ停止した状態であると判断され、また、上記S8のタイマー計測開始から所定期間(3秒)以上経過すれば(S12)、タイマーが停止させられてリセットされる(S13)。これにより、上記内燃機関15は上記「所定のアイドリング運転状態」であると判断されて、この内燃機関15が上記「一時運転停止状態」とされる(S14)。
【0041】
即ち、上記S3〜S13の全てがYes(是)と判断された場合に、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であると判断されて、この内燃機関15が「一時運転停止状態」とされ、上記S3〜S13のうち、いずれか一つでもNo(否)と判断されれば、内燃機関15は「所定のアイドリング運転状態」ではないと判断されて、S2に戻る。
【0042】
図4は、上記「一時運転停止状態」とされた内燃機関15を、再始動させるためのフローチャートである。
【0043】
まず、S18において、上記内燃機関15が上記「一時運転停止状態」にされたものであると判断されれば、下記するS18〜S23が実行され、上記内燃機関15の「一時運転停止状態」を解除するか(S23)、否かが判断される。そして、この「一時運転停止状態」を解除させようとする場合には、上記制御装置64の制御によるバッテリ51の電力供給により、上記始動発電機50が駆動させられて内燃機関本体21のクランク軸22がクランキングさせられ、燃料ポンプ41が動作させられ、燃料噴射弁42が開閉弁動作させられ、かつ、点火プラグ44が放電させられる。すると、内燃機関15が始動させられて、上記「一時運転停止状態」の解除がなされ、その後、この内燃機関15の運転が続行させられる。
【0044】
上記S18〜S22をより具体的に説明すると、上記スロットル開度センサー55の検出信号によりスロットル開度が所定開度以上であると判断され(S19)、つまり、内燃機関15の駆動により乗り物1を発進させようとする状態であり、また、上記充電量センサー61の検出信号によりバッテリ51の充電量(電圧)が所定値以下であると判断され(S20)、つまり、この充電量では燃料ポンプ41、燃料噴射弁42、点火プラグ44、各センサー54〜61、および制御装置64への供給電力が不足するおそれがある状態であり、また、上記制動センサー58の検出信号により制動装置10による乗り物1の制動が解除されていると判断され(S21)、つまり、乗り物1を走行させる意図がある状態であり、また、上記点灯センサー60の検出信号によりフラッシャ52が点灯していると判断され(S22)、つまり、バッテリ51の電力消費が大きくてこの消費の一方で充電が要求される状態であるうちの少なくともいずれか一つの状態のときには、上記「一時運転停止状態」の解除がなされて(S23)、内燃機関15が始動させられ、もって、この内燃機関15の通常運転が可能とされている。
【0045】
上記S20で、バッテリ51の充電量が所定値以下となった場合には、警告が発せられるようになっている。
【0046】
一方、上記S18で「一時運転停止状態」でないと判断されれば、内燃機関15はそのままの運転状態が維持される。また、上記S19〜S22の全てがNo(否)と判断されれば、内燃機関15が「一時運転停止状態」のままで、上記S18に戻る。
【0047】
上記構成によれば、アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料噴射弁42の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグ44の放電を停止させるようにしてある。
【0048】
このため、上記内燃機関15の運転中、この内燃機関15がアイドリング運転状態にされたとき、この状態が「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されて、上記制御装置64の制御により、内燃機関15が「一時運転停止状態」にされると、上記「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料39消費、排気67の排出、バッテリ51の電力消費が抑制される。また、上記制御の直後における内燃機関15の慣性運転状態により、上記吸気通路29,34に残留していた燃料39が上記燃焼室28に吸入された場合には、この燃焼室28は上記した燃料噴射弁42の動作停止後の点火プラグ44の放電によって、燃焼させられる。
【0049】
よって、上記制御装置64による制御により内燃機関15を「一時運転停止状態」にさせたとき、上記制御の直後におけるこの内燃機関15の慣性運転状態で、未燃ガスが大気側に排出されるということは抑制される。
【0050】
また、前記したように、燃焼室28側に対し上記スロットル弁36よりも下流側から上記燃料噴射弁42によって燃料39を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁36を上記燃焼室28の近傍に配置してある。
【0051】
このため、上記燃焼室28側に向って燃料噴射弁42により燃料39を噴射したときの噴き返しは、上記スロットル弁36により阻止されるが、このスロットル弁36を上記のように燃焼室28の近傍に配置した分、上記噴き返される燃料39は上記燃焼室28の近傍にとどめられる。
【0052】
よって、制御装置64による制御により内燃機関15を「一時運転停止状態」させた直後のこの内燃機関15の慣性運転状態では、上記燃焼室28の近傍にとどめられた燃料39はその多くがより確実に上記燃焼室28に吸入されて燃焼させられることとなり、このため、未燃ガスの排出は、より確実に抑制される。
【0053】
しかも、上記燃焼室28の上方からこの燃焼室28側に向うよう下方に向って、上記燃料噴射弁42により燃料39を噴射して供給するようにし、かつ、上記スロットル弁36を上記燃焼室28の上方近傍に配置してある。
【0054】
このため、上記燃料噴射弁42により燃料39を噴射したときの噴き返しは、上記スロットル弁36により、より確実に阻止されて、上記燃料39は上記燃焼室28の近傍により確実にとどめられる。
【0055】
よって、制御装置64による制御により内燃機関15を「一時運転停止状態」させた直後のこの内燃機関15の慣性運転状態では、上記燃焼室28の近傍にとどめられた燃料39はその多くが更に確実に上記燃焼室28に吸入されて燃焼させられることとなり、このため、未燃ガスの排出は、更に確実に抑制される。
【0056】
また、前記したように、アイドリングセンサー70の検出信号に基づき、上記燃料ポンプ41の動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにしてある。
【0057】
このため、上記「所定のアイドリング運転状態」で内燃機関15が「一時運転停止状態」にされることに加えて、上記燃料ポンプ41の動作が停止させられることから、この燃料ポンプ41の動作に伴って無用にバッテリ51の電力消費がなされるということが抑制される。よって、このバッテリ51の電力供給によるその後の内燃機関15の再始動がより円滑にできることとなる。
【0058】
また、前記したように、内燃機関15が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリ51の充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、点火プラグ44を放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにしてある。
【0059】
このため、上記内燃機関15が「一時運転停止状態」であるとしても、バッテリ51の充電量が所定値以下であれば、上記内燃機関15の「一時運転停止状態」が解除されて内燃機関15が再始動させられ、この内燃機関15の内燃機関本体21の駆動に伴い上記バッテリ51が充電されることから、このバッテリ51の充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリ51の電力供給によるその後の内燃機関15の再始動がより円滑にできることとなる。
【0060】
また、前記したように、乗り物1に搭載された内燃機関の自動運転装置において、上記乗り物1がフラッシャ52を備え、このフラッシャ52の点灯中は、上記燃料噴射弁42を動作させると共に、上記点火プラグ44を放電させて、上記内燃機関15を運転させるようにしてある。
【0061】
このため、上記バッテリ51の電力供給によるフラッシャ52の点灯中では上記バッテリ51の電力消費は大きいが、上記内燃機関15が「一時運転停止状態」であるとしても、上記フラッシャ52の点灯中は、上記内燃機関15が運転されて、その内燃機関本体21の駆動に伴い上記バッテリ51が充電されることから、このバッテリ51の充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリ51の電力供給によるその後の内燃機関15の再始動がより円滑にでき、また、上記バッテリ51の電力供給により点灯するヘッドライトの光量を所定値に保持できることとなる。
【0062】
なお、以上は図示の例によるが、乗り物1は、自動車や小型の船艇であってもよい。また、上記燃料噴射弁42による燃料39の噴射は、上記吸気通路29,34と、上記燃焼室28に対する吸気通路29の開口とを通して上記燃焼室28内に直接的に向うよう噴射させてもよく、上記吸気通路29,34を通すことなく燃焼室28に直接噴射させる筒内噴射式であってもよい。また、上記S3〜S13のうちから選択されるいずれかがYesであるとき、内燃機関15が「所定のアイドリング運転状態」であると判断されるようにしてもよい。
【0063】
また、上記着座センサー59は、シート9にライダーが着座していることを直接検出するものであってもよいが、例えば、ブレーキを操作中であるなど、着座を推測してこの着座していることを間接的に検出するものであってもよく、また、上記着座センサー59は設けなくてもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0065】
請求項1の発明は、内燃機関本体の燃焼室に連通する吸気通路と、この吸気通路の開度を調整可能とするスロットル弁と、燃料ポンプの作動により加圧された燃料を噴射して上記燃焼室に供給可能とする燃料噴射弁と、放電部が上記燃焼室に臨む点火プラグと、上記内燃機関本体の駆動に伴い充電可能とされるバッテリと、このバッテリから電力供給され、内燃機関が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサーと、上記バッテリから電力供給され、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき上記燃料噴射弁の動作を停止させて上記内燃機関を「一時運転停止状態」にさせる制御装置とを備えた内燃機関において、
【0066】
上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき、上記燃料噴射弁の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグの放電を停止させるようにしてある。
【0067】
このため、上記内燃機関の運転中、この内燃機関がアイドリング運転状態にされたとき、この状態が「所定のアイドリング運転状態」であることが検出されて、上記制御装置の制御により、内燃機関が「一時運転停止状態」にされると、上記「所定のアイドリング運転状態」での無用な燃料消費、排気の排出、バッテリの電力消費が抑制される。また、上記制御の直後における内燃機関の慣性運転状態により、上記吸気通路に残留していた燃料が上記燃焼室に吸入された場合には、この燃焼室は上記した燃料噴射弁の動作停止後の点火プラグの放電によって、燃焼させられる。
【0068】
よって、上記制御装置による制御により内燃機関を「一時運転停止状態」にさせたとき、上記制御の直後におけるこの内燃機関の慣性運転状態で、未燃ガスが大気側に排出されるということは抑制される。
【0069】
請求項2の発明は、上記燃焼室側に対し上記スロットル弁よりも下流側から上記燃料噴射弁によって燃料を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁を上記燃焼室の近傍に配置してある。
【0070】
このため、上記燃焼室側に向って燃料噴射弁により燃料を噴射したときの噴き返しは、上記スロットル弁により阻止されるが、このスロットル弁を上記のように燃焼室の近傍に配置した分、上記噴き返される燃料は上記燃焼室の近傍にとどめられる。
【0071】
よって、制御装置による制御により内燃機関を「一時運転停止状態」させた直後のこの内燃機関の慣性運転状態では、上記燃焼室の近傍にとどめられた燃料はその多くがより確実に上記燃焼室に吸入されて燃焼させられることとなり、このため、未燃ガスの排出は、より確実に抑制される。
【0072】
請求項3の発明は、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき、上記燃料ポンプの動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにしてある。
【0073】
このため、上記「所定のアイドリング運転状態」で内燃機関が「一時運転停止状態」にされることに加えて、上記燃料ポンプの動作が停止させられることから、この燃料ポンプの動作に伴って無用にバッテリの電力消費がなされるということが抑制される。よって、このバッテリの電力供給によるその後の内燃機関の再始動がより円滑にできることとなる。
【0074】
請求項4の発明は、上記内燃機関が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリの充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁を動作させると共に、点火プラグを放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにしてある。
【0075】
このため、上記内燃機関が「一時運転停止状態」であるとしても、バッテリの充電量が所定値以下であれば、上記内燃機関の「一時運転停止状態」が解除されて内燃機関が再始動させられ、この内燃機関の内燃機関本体の駆動に伴い上記バッテリが充電されることから、このバッテリの充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリの電力供給によるその後の内燃機関の再始動がより円滑にできることとなる。
【0076】
請求項5の発明は、乗り物に搭載された内燃機関の自動運転装置において、
【0077】
上記乗り物がフラッシャを備え、このフラッシャの点灯中は、上記燃料噴射弁を動作させると共に、上記点火プラグを放電させて、上記内燃機関を運転させるようにしてある。
【0078】
このため、上記バッテリの電力供給によるフラッシャの点灯中では上記バッテリの電力消費は大きいが、上記内燃機関が「一時運転停止状態」であるとしても、上記フラッシャの点灯中は、上記内燃機関が運転されて、その内燃機関本体の駆動に伴い上記バッテリが充電されることから、このバッテリの充電量が所定値に保持される。よって、このバッテリの電力供給によるその後の内燃機関の再始動がより円滑にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗り物の線図である。
【図2】制御装置のフローチャートを示す図である。
【図3】制御装置のフローチャートを示す他の図である。
【図4】制御装置のフローチャートを示す更に他の図である。
【符号の説明】
1 乗り物
2 車体
14 駆動装置
15 内燃機関
21 内燃機関本体
22 クランク軸
23 クランクケース
24 シリンダ
25 ピストン
28 燃焼室
29 吸気通路
34 吸気通路
36 スロットル弁
39 燃料
40 燃料供給装置
41 燃料ポンプ
42 燃料噴射弁
44 点火プラグ
50 始動発電機
51 バッテリ
52 フラッシャ
64 制御装置
66 空気
67 排気
70 アイドリングセンサー
Claims (5)
- 内燃機関本体の燃焼室に連通する吸気通路と、この吸気通路の開度を調整可能とするスロットル弁と、燃料ポンプの作動により加圧された燃料を噴射して上記燃焼室に供給可能とする燃料噴射弁と、放電部が上記燃焼室に臨む点火プラグと、上記内燃機関本体の駆動に伴い充電可能とされるバッテリと、このバッテリから電力供給され、内燃機関が「所定のアイドリング運転状態」であることを検出してその検出信号を出力可能とするアイドリングセンサーと、上記バッテリから電力供給され、上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき上記燃料噴射弁の動作を停止させて上記内燃機関を「一時運転停止状態」にさせる制御装置とを備えた内燃機関において、
上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき、上記燃料噴射弁の動作を停止させたとき、この停止から所定期間経過後に上記点火プラグの放電を停止させるようにした内燃機関の自動運転装置。 - 上記燃焼室側に対し上記スロットル弁よりも下流側から上記燃料噴射弁によって燃料を噴射して供給するようにし、上記スロットル弁を上記燃焼室の近傍に配置した請求項1に記載の内燃機関の自動運転装置。
- 上記アイドリングセンサーの検出信号に基づき、上記燃料ポンプの動作を停止させて、上記「一時運転停止状態」にさせるようにした請求項1、もしくは2に記載の内燃機関の自動運転装置。
- 上記内燃機関が上記「一時運転停止状態」で、かつ、上記バッテリの充電量が所定値以下であるとき、上記燃料噴射弁を動作させると共に、点火プラグを放電させて、上記「一時運転停止状態」を解除させるようにした請求項1から3のうちいずれか1つに記載の内燃機関の自動運転装置。
- 乗り物に搭載された内燃機関の自動運転装置において、
上記乗り物がフラッシャを備え、このフラッシャの点灯中は、上記燃料噴射弁を動作させると共に、上記点火プラグを放電させて、上記内燃機関を運転させるようにした請求項1から4のうちいずれか1つに記載の内燃機関の自動運転装置。
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-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264682A patent/JP2004100606A/ja active Pending
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CN106170435A (zh) * | 2014-03-18 | 2016-11-30 | 本田技研工业株式会社 | 用于摩托车的发动机控制单元安装结构 |
JP2017507845A (ja) * | 2014-03-18 | 2017-03-23 | 本田技研工業株式会社 | 自動二輪車用エンジン制御ユニット取付構造 |
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