JP2004100502A - エンジン始動装置 - Google Patents

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JP2004100502A JP2002260960A JP2002260960A JP2004100502A JP 2004100502 A JP2004100502 A JP 2004100502A JP 2002260960 A JP2002260960 A JP 2002260960A JP 2002260960 A JP2002260960 A JP 2002260960A JP 2004100502 A JP2004100502 A JP 2004100502A
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Mikihiro Takano
高野 幹広
Masashi Tanaka
田中 正志
Nobuyuki Hiramatsu
平松 伸行
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】個体差に関係なく、エンジン始動時間の遅延を回避しながら、恒常的かつ安定的にピニオンギヤを緩やかにリングギヤに当接させることが可能となるエンジン始動装置を提供する。
【解決手段】ピニオンギヤ1と、ピニオンギヤ1に対してリングギヤ71に飛び込む方向への押し出し力を付与する押出力付与手段2と、ピニオンギヤ1の飛び込み動作の開始位置又は飛び込み動作の現位置からリングギヤ71に噛み合う位置までの変位量を検出する変位量検出手段(同時的変位量検出手段3)と、変位量検出手段(同時的変位量検出手段3)による変位量及びあらかじめ設定した目標変位量に基づき、飛び込み動作の開始位置に近いときほど速く、リングギヤ71に当接する位置に近いときほど遅くなるような、飛び込み動作速度の自動調整を行う飛込動作速度自動調整手段4と、を含むエンジン始動装置である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されるエンジンのクランクシャフトを一定以上の回転速度で回転させて行う該エンジンの始動に用いられるエンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のエンジン始動装置としては、例えばプランジャを駆動する複数のコイルへの通電をタイマにより時間差を設けて行うこととしたもの、通電期間である第一の期間、第二の期間及び第三の期間のうち第二の期間中の通電電流を下げることとしたものや、通電開始から所定時間後に通電電流を低減するとともに通電電流低減から所定時間後(ピニオンギヤがリングギヤに当接する予定時間前)に該通電電流の低減を停止することとしたものなどが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0003】
このようなエンジン始動装置によれば、ピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作の開始直後にあっては、ピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作速度が速く維持され、ピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作の開始から所定時間が経過した後にあっては、通電電流の低減等によりピニオンギヤのリングギヤへの当接に伴う衝撃を相当に小さくできるので、エンジン始動の迅速性が確保されるとともにピニオンギヤ及びリングギヤの耐久性向上効果が得られることとなる。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−202853号公報(第2頁〜第4頁、図2)
【特許文献2】
特表2001−508850号公報(第4頁〜第8頁、図2、図4、図6及び図8)
【特許文献3】
特開2002−122059号公報(第2頁〜第7頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなエンジン始動装置には、装置本体の個体差などがあるにも拘わらず、ピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作の高速化やピニオンギヤのリングギヤへの当接に伴う衝撃緩和のための制御がどの装置に対しても一様であるものとして構成されている。
すなわち、従来のエンジン始動装置には、ピニオンギヤとロータシャフト間のフリクション・ドライブレバーの回転軸のフリクション・プランジャの軸方向フリクション等の装置本体の個体差、アイドルストップ等に起因するエンジン始動回数増加による劣化、ピニオンギヤ及びリングギヤの間のギャップ個体差、使用環境差などが存在している。
それゆえ、このようなエンジン始動装置では、ピニオンギヤがリングギヤに当接する前に止まってしまい、その後の電流増加により、結局リングギヤと激しく衝突することとなったり、最初からリングギヤと激しく衝突してしまったりする場合が起こり得る。
【0006】
また、エンジン始動回数増加や使用環境差などを顧慮すれば、生涯ピニオンギヤがリングギヤと緩やかに衝突することの保証もない。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、エンジン始動の迅速性の確保並びにピニオンギヤ及びリングギヤの耐久性向上効果が確実かつ十分に得られるように、装置本体の個体差などがあっても、エンジン始動にかかる時間が遅延する事態を有効に回避しながら、恒常的かつ安定的にピニオンギヤを緩やかにリングギヤに当接させることが可能となるようなエンジン始動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、クランクシャフトを一定以上の回転速度で回転させて行う車両に搭載されるエンジンの始動に用いられるものである。
【0009】
そして、これは、ピニオンギヤと、押出力付与手段と、変位量検出手段と、飛込動作速度自動調整手段とを含むものとして構成されている。
【0010】
ここで、ピニオンギヤは、エンジンを始動するに際してエンジンのリングギヤに噛み合うものである。押出力付与手段は、ピニオンギヤに対してリングギヤに飛び込む方向への押し出し力を付与することでピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作を行うものである。
【0011】
また、変位量検出手段は、ピニオンギヤがリングギヤへの飛び込み動作を開始する位置又はピニオンギヤがリングギヤへの飛び込み動作を現に行っている位置からピニオンギヤがリングギヤに当接する位置までの変位量を検出するものである。
【0012】
さらに、飛込動作速度自動調整手段は、変位量検出手段により検出した変位量及びあらかじめ設定されたピニオンギヤがリングギヤへの飛び込み動作を開始する位置からピニオンギヤがリングギヤに当接する位置までの目標変位量に基づいて、ピニオンギヤがリングギヤへの飛び込み動作を開始する位置に近いときほど速く、かつ、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合う位置に近いときほど遅くなるように、ピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作速度の自動調整を行うものである。
【0013】
このようなエンジン始動装置によれば、このような変位量検出手段及び飛込動作速度自動調整手段を含むものであることから、装置本体の個体差やピニオンギヤ及びリングギヤの間のギャップ個体差、エンジン始動回数増加、使用環境差などがあっても、恒常的かつ安定的にピニオンギヤを緩やかにリングギヤに当接させることが可能となり、しかも、エンジン始動にかかる時間が遅延する事態を有効に回避することも可能となる。
【0014】
したがって、これによれば、エンジン始動の迅速性の確保並びにピニオンギヤ及びリングギヤの耐久性向上効果が確実かつ十分に得られることが可能となる。
【0015】
このような技術的手段において、ピニオンギヤを押し戻す力を発生させる手段を別に設けることとして、より短い時間でピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作速度の自動調整を行うこととする観点からすれば、飛込動作速度自動調整手段は、ピニオンギヤに対してリングギヤに飛び込む方向とは反対方向への押し戻し力を付与することでピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作の抑制を実行する飛込動作抑制手段を含むことが好ましい。
【0016】
この場合において、ピニオンギヤがリングギヤに当接した後は一気に押し込むこととして、よりスムーズにピニオンギヤがリングギヤに噛み合うようにする観点からすれば、ピニオンギヤがリングギヤに当接する前に飛込動作抑制手段による飛び込み動作の抑制を実行する飛込動作抑制帯とし、かつ、ピニオンギヤがリングギヤに当接した後に飛込動作抑制手段による飛び込み動作の抑制を実行しない飛込動作非抑制帯として、ピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作速度の自動調整を行うものであることが好ましい。
【0017】
また、装置本体の個体差等に応じて目標変位量を変更することとして、より適切にピニオンギヤとリングギヤの当接ショックを抑制しようとする観点からすれば、あらかじめ設定された目標変位量から変位量検出手段により検出したピニオンギヤがリングギヤへの飛び込み動作を開始する位置からピニオンギヤがリングギヤに当接する位置までの変位量である目標変位量への、目標変位量の変更を行う目標変位量変更手段と、を含むことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
[エンジン始動装置]
図1は本発明の一実施の形態に係るエンジン始動装置の全体構成を示す回路図である。
【0020】
本実施の形態において、エンジン始動装置は、クランクシャフトを一定以上の回転速度で回転させて行う車両に搭載されるエンジンの始動に用いられるものとして構成されている。
【0021】
具体的には、このエンジン始動装置は、図1に示すように、ピニオンギヤ1と、押出力付与手段2と、同時的変位量検出手段3と、飛込動作速度自動調整手段4と、飛込動作抑制手段5と、目標変位量変更手段6とを含むものとして構成されている。
以下、これらの各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0022】
(1)ピニオンギヤ1
ピニオンギヤ1は、エンジンを始動するに際してエンジンのリングギヤ71に噛み合う機能を果たすものとして構成されている。
【0023】
具体的には、図1に示すように、このピニオンギヤ1の背後には、シャフト(図示外)及びワンウェイクラッチ11を介して、ピニオンギヤ1に対して回転力を付与する機能を果たすアマーチャ12が配設されている。これにより、ピニオンギヤ1がエンジンのリングギヤ71に対して回転力を付与することが可能となっている。
【0024】
(2)押出力付与手段2
押出力付与手段2は、ピニオンギヤ1に対してリングギヤ71に飛び込む方向への押し出し力を付与することでピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作を行う機能を果たすものとして構成されている。
【0025】
具体的には、この押出力付与手段2は、図1に示すように、一方の端部がプランジャ22に連結されるとともに他方の端部がピニオンギヤ1又はワンウェイクラッチ11に連結され、中間地点の支点を軸に回転するドライブレバー21と、ドライブレバー21を介してピニオンギヤ1をエンジンのリングギヤ71に向かって移動させるプランジャ22と、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に飛び込む方向への押し出し力を付与することが可能となる方向にプランジャ22を吸引する機能を果たすプルインコイル23と、プランジャ22を吸引している状態を保持する機能を果たすホールドコイル24と、キースイッチ27が解除されたときにプランジャ22ひいてはピニオンギヤ1を元の位置に戻す機能を果たすリターンスプリング(図示外)と、ピニオンギヤ1をリングギヤ71に噛み合わせるための押し出し力を付与する機能を果たすドライブスプリング(図示外)と、バッテリ28に連続するバッテリ端子25a及びアマーチャ12に連続するアマーチャ端子25bからなる固定接点25と、プランジャ22の吸引による移動に伴い同時に移動し、固定接点25を閉じてアマーチャ12に電流を流す可動接点26と、を含むものとして構成されている。
【0026】
ここで、ドライブレバー21は、同図に示すように、一方では、プランジャ22の吸引による移動に伴いピニオンギヤ1をリングギヤ71に向かって押し出す機能を果たし、他方では、リターンスプリングによるプランジャ22の戻りでピニオンギヤ1を元の位置に戻す機能を果たす。
【0027】
(3)同時的変位量検出手段3
同時的変位量検出手段3は、ピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を開始する位置(押出力を付与する前のピニオンギヤ1の待機している位置)又はピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を現に行っている位置からピニオンギヤ1がリングギヤ71に噛み合う位置(ピニオンギヤ1とリングギヤ71の噛み合い完了位置)までの変位量を同時的に検出する機能を果たすものとして構成されている。
【0028】
具体的には、この同時的変位量検出手段3としては、図1に示すように、プランジャ22の変位量を測定する機能を果たす変位計31が用いられている。
【0029】
ただし、この同時的変位量検出手段3としては、このような変位計31に限られるものではなく、例えばドライブドライブレバー21の回転軸の回転角度を測定するものや、ピニオンギヤ1の変位を直接測定するものなどであっても差し支えない。
【0030】
(4)飛込動作速度自動調整手段4
飛込動作速度自動調整手段4は、同時的変位量検出手段3により検出した変位量及びあらかじめ設定されたピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を開始する位置からピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接する位置までの目標変位量に基づいて、ピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作速度の自動調整を行う機能を果たすものとして構成されている。
【0031】
ここで、ピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作速度の自動調整は、ピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を開始する位置に近いときほど速く、かつ、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接する位置に近いときほど遅くなるように、行われる。
【0032】
加えて、本実施の形態における飛込動作速度自動調整手段4は、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接する前に飛込動作抑制手段5による飛び込み動作の抑制を実行する飛込動作抑制帯とし、かつ、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接した後に飛込動作抑制手段5による飛び込み動作の抑制を実行しない飛込動作非抑制帯として、ピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作速度の自動調整を行うものとして構成されている。
【0033】
このような飛込動作速度自動調整手段4によれば、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接した後は一気に押し込まれることとなり、これにより、よりスムーズにピニオンギヤ1がリングギヤ71に噛み合うこととなる。
【0034】
具体的には、この飛込動作速度自動調整手段4としては、プルインコイル23及びホールドコイル24とコイルA51とに流れる電流I1、I2を調整するとともに、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接するに際しての速度を可及的にゼロに近い値(所定の値以内)となるように調整する機能を果たす図1に示すようなECU41が用いられている。
【0035】
(5)飛込動作抑制手段5
飛込動作抑制手段5は、ピニオンギヤ1に対してリングギヤ71に飛び込む方向とは反対方向への押し戻し力を付与することでピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作の抑制を実行するものとして構成されている。
【0036】
具体的には、この飛込動作抑制手段5は、図1に示すように、一方の端部がプランジャ22に連結されるとともに他方の端部がピニオンギヤ1又はクラッチ11に連結され、中間地点の支点を軸に回転するドライブレバー21と、ドライブレバー21を介してピニオンギヤ1をエンジンのリングギヤ71に向かって移動させるプランジャ22と、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に飛び込む方向と逆方向への押し戻し力を付与することが可能となる方向にプランジャ22を吸引する機能を果たすコイルA51と、を含むものとして構成されている。
【0037】
つまり、コイルA51は、プルインコイル23やホールドコイル24による吸引力とは逆方向の吸引力を発生させるものとして構成されている。
【0038】
このような飛込動作抑制手段5によれば、コイルA51というピニオンギヤ1を押し戻す力を発生させる手段が押出力付与手段2とは別個独立に設けられることとなり、押出力付与手段2への電流の強弱に比べて、強制的に押し戻す力を発生させるので、飛込動作抑制手段5に通電すれば、瞬時にピニオンギヤ1の押出力を抑制できることにより、より短い時間でピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作速度の自動調整が行われることとなる。
【0039】
(6)目標変位量変更手段6
目標変位量変更手段6は、あらかじめ設定された目標変位量から、同時的変位量検出手段3により検出したピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を開始する位置からピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接する位置までの変位量である目標変位量への、目標変位量の変更を行う機能を果たすものとして構成されている。
【0040】
このような目標変位量変更手段6によれば、装置本体の個体差等に応じて目標変位量が変更されることとなり、これにより、より適切にピニオンギヤ1とリングギヤ71の当接ショックが抑制されることとなる。
【0041】
具体的には、この目標変位量変更手段6としては、飛込動作速度自動調整手段4でもある、図1に示すようなECU41が用いられている。
【0042】
上記したように、このようなエンジン始動装置によれば、このような同時的変位量検出手段3及び飛込動作速度自動調整手段4を含むものとして構成されているので、装置本体の個体差やピニオンギヤ1及びリングギヤ71の間のギャップ個体差、エンジン始動回数増加、使用環境差などがあっても、エンジン始動にかかる時間の遅延を有効に回避しながら、恒常的かつ安定的に緩やかにピニオンギヤ1をリングギヤ71に当接させることが可能となっている。
【0043】
したがって、これによれば、エンジン始動の迅速性の確保並びにピニオンギヤ1及びリングギヤ71の耐久性向上効果が確実かつ十分に得られることが可能となっている。
【0044】
[エンジン始動方法]
ところで、本実施の形態におけるエンジン始動方法は、上記したようなエンジン始動装置を用いて行うものであり、以下に説明するような基本的な各プロセスを含むものとして構成されている。
【0045】
まず、キースイッチ27の投入により、プルインコイル23及びホールドコイル24に並列に電流が流れ、リターンスプリングをたわませながらプランジャ22を吸引する。
【0046】
続いて、プランジャ22の移動に伴い、ドライブレバー21が支点を中心に回転しピニオンギヤ1を前方に押し出す。そして、ピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接した時点でピニオンギヤ1の移動は止められるが、プランジャ22はプルインコイル23及びホールドコイル24により吸引されているため、プランジャ22内のドライブスプリングをたわませながら移動を続ける。
【0047】
続いて、可動接点26が固定接点25間を閉じ、プランジャ22がグランドプレート(図示外)に当接し、プランジャ22の移動が止まる。可動接点26が固定接点25間を閉じた時点で、バッテリ端子25aとアマーチャ端子25bの電位差がほぼゼロとなり、プルインコイル23には、電流が流れなくなり、ホールドコイル24の吸着力のみでプランジャ22の吸着を保持する。
【0048】
一方、固定接点25が閉じることでアマーチャ12に電流が流れ、アマーチャ12が回り始め、ピニオンギヤ1とリングギヤ71の歯がずれ、ドライブスプリングによる力とねじれスプライン(図示外)によりピニオンギヤ1に発生する推力の合力による前進力によりピニオンギヤ1が前方に押し出され、リングギヤ71に噛み合いエンジンを駆動することとなる。
【0049】
そして、このようなエンジン始動方法は、図2にフローチャートとして示すような、ステップ1〜ステップ10までの各ステップにより構成されるエンジン始動制御方法を含むものとして構成されている。以下、図2を用いて、図3及び図4を参照にしながら、各ステップについて説明する。
【0050】
(1)ステップ1(S1)
これは、バッテリ28の残量、温度等の各種パラメータを算出し又は読み込むステップである。
【0051】
(2)ステップ2(S2)
これは、あらかじめ設定されたピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を開始する位置からピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接する位置までの目標変位量(以下、目標変位量という)S0と同時的変位量検出手段3により検出した変位量である実変位量(以下、実変位量という)sとの差Lに応じて電流値I1、I2を決定するとともにこれを出力するステップである。
【0052】
具体的には、目標変位量S0と実際に変位している変位量sとの差L、ピニオンギヤ1の速度v、通電時間tの値のうち、少なくとも目標変位量S0と実際に変位している変位量sとの差Lに基づいて、プルインコイル23・ホールドコイル24及びコイルA51に流れる電流値I1、I2を演算手段により決定する。
【0053】
ここでは、目標変位量S0と実際に変位している変位量sとの差Lが小さくなるほど、プルインコイル23・ホールドコイル24に流れる電流値I1を小さくするとともに、コイルA51に流れる電流値I2を大きくする。つまり、差Lが小さくなるほどピニオンギヤ1の速度が遅く、差Lが大きくなるほどピニオンギヤ1の速度が速い。
【0054】
ここで、ピニオンギヤ1の速度vは、微小時間△t間における平均速度である。すなわち、ピニオンギヤ1の速度v=△s/△tとなる。
【0055】
(3)ステップ3(S3)
これは、通常ピニオンギヤ1がリングギヤ71に飛び込んでいてほしい時間(以下、所定時間という)T1が経過したかどうかの判定を行うステップである。ここで、通電時間T1は、バッテリ28の残量、温度等の各種パラメータに応じて変更することとなる。
【0056】
所定時間T1が経過していれば、ステップ5(S5)に進む。
所定時間T1が経過していない場合、ステップ4(S4)に進む。
【0057】
(4)ステップ4(S4)
これは、ピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を現に行っている位置からピニオンギヤ1がリングギヤ71に当接する位置までの変位量が、目標変位量S0に達したかどうかの判定を行うステップである。
目標変位量S0に達していれば、ステップ6(S6)に進む。
目標変位量S0に達していない場合、ステップ1(S1)へ戻る。
【0058】
(5)ステップ5(S5)
これは、所定時間T1が経過していても、ピニオンギヤ1がリングギヤ71への飛び込み動作を現に行っている位置が、目標変位量S0に対応する位置にないとき、すなわち、ピニオンギヤ1がリングギヤ71にまだ当接していないとき、次回のエンジン始動に際しての目標変位量S0を目標変位量(S0−L)と置き換えて、目標変位量の変更を行うステップである。
つまり、目標変位量S0は初期値が付与されているが、変位量(ギャップ)には個々のばらつきが存在するため、図4(a)に示すような目標変位量S0と実際にピニオンギヤ1とリングギヤ71が当接する実変位量Sとの差Lができる場合があるので、該目標変位量S0と実際にピニオンギヤ1とリングギヤ71が当接する実変位量Sとの差Lをなくすために目標変位量の変更を行うこととしたものである。
【0059】
(6)ステップ6(S6)
これは、プルインコイル23・ホールドコイル24に流れる電流値I1を最大値にするとともに、コイルA51に流れる電流値をI2=0にするステップである。
【0060】
(7)ステップ7(S7)
これは、今回の目標変位量S0とピニオンギヤ1がストッパ(図示外)に当たる変位SMAX(噛み合う位置)の間にピニオンギヤ1の速度vが0になる地点があるかどうかの判定を行うステップである。
ピニオンギヤ1の速度vが0になる地点があれば、ステップ8(S8)に進む。
ピニオンギヤ1の速度vが0になる地点がない場合、ステップ9(S9)に進む。
つまり、目標変位量S0は初期値が付与されており、変位量(ギャップ)には個々のばらつきが存在するが、図3に示すような目標変位量S0と実際にピニオンギヤ1とリングギヤ71が当接する実変位量Sとの差Lができない場合には、該目標変位量S0と実変位量Sとの差Lをなくす必要もないので、目標変位量の変更を行わないこととしたものである。
【0061】
(8)ステップ8(S8)
これは、今回の目標変位量S0とピニオンギヤ1がストッパに当たる変位SMAXの間にピニオン速度が0になる地点(ピニオンギヤ1とリングギヤ71が当接する地点)があった場合において、次回の始動に際しての目標変位量S0をピニオン速度が0になった変位量S1と置き換えて、目標変位量の変更を行うステップである。
つまり、ステップ5(S5)と同様、目標変位量S0は初期値が付与されているが、変位量(ギャップ)には個々のばらつきが存在するため、図4(b)に示すような目標変位量S0と実際にピニオンギヤ1とリングギヤ71が当接する実変位量S1との差Lができる場合があるので、該目標変位量S0と実変位量S1との差Lをなくすために目標変位量の変更を行うこととしたものである。
【0062】
(9)ステップ9(S9)
これは、エンジン回転数Neが所定値以上になったかどうかの判定を行うステップである。
エンジン回転数Neが所定値以上になっていれば、ステップ10(S10)に進む。
エンジン回転数Neが所定値以上になっていない場合、再度ステップ9(S9)を行う。
【0063】
(10)ステップ10(S10)
これは、エンジン回転数Neが所定値以上になった場合において、通電停止、すなわち、プルインコイル23・ホールドコイル24に流れる電流値をI1=0にするステップである。
このステップ10により、通電が停止され、プルインコイル23・ホールドコイル24に流れる電流値がI1=0になると、リターンスプリングによる力により、ピニオンギヤ1が後方に押し戻されることとなる。
【0064】
すなわち、このようなエンジン始動制御方法によれば、ピニオンギヤ1の変位量とピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作速度を監視しながら、ピニオンギヤ1のリングギヤ71への飛び込み動作を制御できるので、装置本体の個体差やピニオンギヤ1及びリングギヤ71の間のギャップ個体差、エンジン始動回数増加、使用環境差などがあるにも拘わらず、恒常的かつ安定的に緩やかにピニオンギヤ1はリングギヤ71に当接することとなる。しかも、エンジン始動にかかる時間が遅延することもない。
したがって、これによれば、エンジン始動の迅速性の確保並びにピニオンギヤ1及びリングギヤ71の耐久性向上効果が確実かつ十分に得られる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係るエンジン始動装置によれば、エンジン始動の迅速性の確保並びにピニオンギヤ及びリングギヤの耐久性向上効果が確実かつ十分に得られることとなる。
【0066】
また、本発明の請求項2に係るエンジン始動装置によれば、ピニオンギヤを押し戻す力を発生させる手段が別に設けられることとなり、より短い時間でピニオンギヤのリングギヤへの飛び込み動作速度の自動調整が行われることとなる。
【0067】
さらに、本発明の請求項3に係るエンジン始動装置によれば、ピニオンギヤがリングギヤに当接した後は一気に押し込まれることとなり、よりスムーズにピニオンギヤがリングギヤに噛み合うこととなる。
【0068】
さらにまた、本発明の請求項4に係るエンジン始動装置によれば、装置本体の個体差等に応じて目標変位量が変更されることとなり、より適切にピニオンギヤとリングギヤの当接ショックが抑制されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエンジン始動装置の全体構成を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るエンジン始動制御方法の全体構成を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施の形態に係るエンジン始動装置における目標変位量及び実変位量が一致している場合のプランジャ位置と時間との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るエンジン始動装置における目標変位量及び実変位量が一致していない場合のプランジャ位置と時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ピニオンギヤ
2 押出力付与手段
3 同時的変位量検出手段
4 飛込動作速度自動調整手段
5 飛込動作抑制手段
6 目標変位量変更手段
11 クラッチ
12 アマーチャ
21 ドライブレバー
22 プランジャ
23 プルインコイル
24 ホールドコイル
25 固定接点
25a バッテリ端子
25b アマーチャ端子25b
26 可動接点26
27 キースイッチ
28 バッテリ
31 変位計
41 ECU
51 コイルA
71 リングギヤ

Claims (4)

  1. エンジンを始動するに際して該エンジンのリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤに対して前記リングギヤに飛び込む方向への押し出し力を付与することで該ピニオンギヤの該リングギヤへの飛び込み動作を行う押出力付与手段と、
    前記ピニオンギヤが前記リングギヤへの飛び込み動作を開始する位置又は該ピニオンギヤが該リングギヤへの飛び込み動作を現に行っている位置から該ピニオンギヤが該リングギヤに当接する位置までの変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記変位量検出手段により検出した変位量及びあらかじめ設定された前記ピニオンギヤが前記リングギヤへの飛び込み動作を開始する位置から該ピニオンギヤが該リングギヤに当接する位置までの目標変位量に基づいて、該ピニオンギヤが該リングギヤへの飛び込み動作を開始する位置に近いときほど速く、かつ、該ピニオンギヤが該リングギヤに当接する位置に近いときほど遅くなるように、該ピニオンギヤの該リングギヤへの飛び込み動作速度の自動調整を行う飛込動作速度自動調整手段と、を含むことを特徴とする、
    エンジン始動装置。
  2. 前記ピニオンギヤに対して前記リングギヤに飛び込む方向とは反対方向への押し戻し力を付与することで該ピニオンギヤの該リングギヤへの飛び込み動作の抑制を実行する飛込動作抑制手段を含むことを特徴とする、
    請求項1に記載のエンジン始動装置。
  3. 前記飛込動作速度自動調整手段は、前記ピニオンギヤが前記リングギヤに当接する前に飛込動作抑制手段による飛び込み動作の抑制を実行する飛込動作抑制帯とし、かつ、該ピニオンギヤが該リングギヤに当接した後の飛込動作抑制手段による飛び込み動作の抑制を実行しない飛込動作非抑制帯として、該ピニオンギヤの該リングギヤへの飛び込み動作速度の自動調整を行うものであることを特徴とする、
    請求項2に記載のエンジン始動装置。
  4. 前記あらかじめ設定された目標変位量から前記変位量検出手段により検出した前記ピニオンギヤが前記リングギヤへの飛び込み動作を開始する位置から該ピニオンギヤが該リングギヤに当接する位置までの変位量である目標変位量への、目標変位量の変更を行う目標変位量変更手段と、を含むことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエンジン始動装置。
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