JP2004099061A - ポンプ式液体容器の吐出量制限具 - Google Patents

ポンプ式液体容器の吐出量制限具 Download PDF

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Masayoshi Watanabe
渡辺 将義
Takayuki Nakagawa
仲川 孝幸
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    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B11/00Single-unit hand-held apparatus in which flow of contents is produced by the muscular force of the operator at the moment of use
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    • B05B11/10Pump arrangements for transferring the contents from the container to a pump chamber by a sucking effect and forcing the contents out through the dispensing nozzle
    • B05B11/1001Piston pumps
    • B05B11/1005Piston pumps with means for adjusting or modifying pump stroke
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Abstract

【課題】着脱が容易で、しかも装着後には不用意に外れることがない吐出量制限具を得る。
【解決手段】ポンプ式液体容器Aにおける吸い上げ管A2に装着して吸い上げ管A2の押し込み量を制限するものであり、その本体部材10は、弾性変形可能な単一部材から成り、ノズルA3の押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部10a、吸い上げ管A2が装着される装着孔10b、本体部材10の外縁から装着孔10bに至る閉じた切り込み部10c、本体部材10を弾性変形させて切り込み部10cを開放させるつまみ部10dとを有している。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ式液体容器の液体吐出量を制限する吐出量制限具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポンプ式液体容器は、石鹸,シャンプー,リンス等の容器として広く普及している。このポンプ式液体容器は、容器内に配備されたポンプ機構の作動部材を兼ねる吸い上げ管を、容器の口部から該口部を気密に封止するキャップを介して垂直に突出させ、該吸い上げ管の上部に設けたノズルの頭部を下方に押圧して吸い上げ管を押し込むことで、容器内の液体を吸い上げ管及びノズルを介して吐出させるものである。
【0003】
このようなポンプ式液体容器は、キャップから突出した吸い上げ管を押し込むストロークに応じて一動作での吐出量を調整できる構造になっている。しかしながら、このストロークの調整によって必要な量を吐出させるのは困難であり、特に子供が使用する場合には、一般に1回の必要量は少なくて済むにも拘わらず、ノズルがキャップに当接する限界まで吸い上げ管を押し込んでしまい、容器内液体を無駄に吐出してしまうという問題がある。また、これは、経済的な問題に止まらず、石鹸やシャンプー等を濯ぐために要する水の無駄遣いや容器内液体の過剰流出による環境問題としても問題視されている。
【0004】
これに対処するための比較簡単な解決手段として、下記の特許文献1,特許文献2,特許文献3に記載のものでは、C字型の吐出量制限具をキャップとノズルとの間の吸い上げ管に装着し、この制限具の厚みによって、吸い上げ管の押し込み量を規制することが提案されている。この従来技術を図1(a)によって説明すると、容器A0のキャップA1から吸い上げ管A2が突出され、この吸い上げ管A2の上部にノズルA3が装着されたポンプ式液体容器Aに対して、吸い上げ管A2に吐出量制限具Bを装着するものである。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第3019811号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3068498号公報
【特許文献3】
実用新案登録第3085437号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の吐出量制限具Bは、図1(b)に示されるように、略C字型の部材であって、ノズルA3の押し込み時にノズルA3の下面を受け止める受け部B1を有すると共に吸い上げ管A2の押し込み量を制限するだけの厚さを備える部材であり、中央に吸い上げ管A2が装着される装着孔B2が形成され、また、吸い上げ管A2への装着或いは取り外しを容易にするために間隙B3が形成されている。
【0007】
このような構造の吐出量制限具Bによると、装着時には、間隙B3を介して吸い上げ管A2を装着孔B2に嵌装し、取り外し時には、間隙B3を介して吸い上げ管A2を装着孔B2から外すことができる。しかしながら、常に間隙B3が開放している構造であるから、吸い上げ管A2に装着した吐出量制限具Bが不用意に外れてしまうことがあり、これによって、装着した吐出量制限具Bが紛失し易いという問題があった。
【0008】
また、従来の吐出量制限具Bは、吐出量制限具Bの厚さに応じて吐出量が制限されるものであるが、厚さは一定であるので、使用者の個人差や使用状況に応じた吐出量制限の調整を行うことができないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一つとするものである。すなわち、ポンプ式液体容器の吸い上げ管を押し込む際の押し込み量を制限することで押し込み量の調整を行うことなく1回の押し込み動作による吐出量を制限すること、これによって、例えば押し込み量を調整して吐出させることが困難な子供等が容器内液体を無駄に吐出してしまうという不都合を解消すること、また、その不都合の解消により、容器内液体の無駄遣いによる経済的な問題だけでなく、環境保全或いは環境汚染等の環境問題にも対処できること、そして、ポンプ式液体容器に対してこのような問題解決のために装着される吐出量制限具が、容易に着脱できると共に、一旦装着した後には不用意に外れないようにすること、或いは使用者の個人差等に応じて吐出量制限の調整を行うことができること等が本発明の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明によるポンプ式液体容器の吐出量制限具は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
【0011】
請求項1に係る発明は、容器のキャップから吸い上げ管が突出され、この吸い上げ管の上部にノズルが装着されたポンプ式液体容器に対して、前記吸い上げ管に装着して該吸い上げ管の押し込み量を制限する吐出量制限具であって、前記ノズルの押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部を有すると共に前記吸い上げ管の押し込み量を制限するだけの厚さを備える弾性変形可能な本体部材からなり、該本体部材は、前記吸い上げ管が装着される装着孔と、前記本体部材の外縁から前記装着孔に至る閉じた切り込み部と、前記本体部材を弾性変形させて前記切り込み部を開放させるつまみ部とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、容器のキャップから吸い上げ管が突出され、この吸い上げ管の上部にノズルが装着されたポンプ式液体容器に対して、前記吸い上げ管に装着して該吸い上げ管の押し込み量を制限する吐出量制限具であって、前記ノズルの押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部を有すると共に前記吸い上げ管の押し込み量を制限するだけの厚さを備える弾性変形可能な本体部材からなり、該本体部材は、前記吸い上げ管が装着される装着孔と、前記本体部材の外縁から前記装着孔に至る閉じた切り込み部と、該切り込み部の端に形成された案内凹部とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、容器のキャップから吸い上げ管が突出され、この吸い上げ管の上部にノズルが装着されたポンプ式液体容器に対して、前記吸い上げ管に装着して該吸い上げ管の押し込み量を制限する吐出量制限具であって、前記ノズルの押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部を有すると共に前記吸い上げ管の押し込み量を制限するだけの厚さを備える弾性変形可能な本体部材からなり、該本体部材は、異なる前記厚さに対応する前記受け面を形成し、前記吸い上げ管が前記厚さに応じて装着される装着孔と、前記本体部材の外縁から前記装着孔に至る閉じた切り込み部とを有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図2及び図3は本発明の第1又は第2実施形態に係るポンプ式液体容器の吐出量制限具を説明する説明図である。図2はポンプ式液体容器に吐出量制限具を装着した状態を示す説明図であり、図3はその吐出量制限具自体の平面図である。
【0015】
第1実施形態について説明する。この実施形態に係る吐出量制限具1は、図2に示すように、図1に示したものと同様のポンプ式液体容器A(図1と同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。)における吸い上げ管A2に装着して吸い上げ管A2の押し込み量を制限するものであり、その本体部材10は、弾性変形可能な単一部材から成り、ノズルA3の押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部10a、吸い上げ管A2が装着される装着孔10b、本体部材10の外縁から装着孔10bに至る閉じた切り込み部10c、本体部材10を弾性変形させて切り込み部10cを開放させるつまみ部10dとを有している。
【0016】
このような実施形態によると、ポンプ式液体容器Aの吸い上げ管A2に吐出量制限具1を装着することで、ノズルA3の頭を押圧して吸い上げ管A2を押し込んだ際にノズルの下面が受け面10aに当接して、本体部材10の厚さ分だけ吸い上げ管A2の押し込み量が制限される。これによって、吸い上げ管A2の押し込み量を調整することなく1回の押し込み動作を限界まで行った場合にも吐出量を制限することができるので、1回の吐出量が少なくて済む子供の使用等の場合に容器内の溶液を無駄に吐出させることがない。
【0017】
また、装着する場合には、つまみ部10dにより本体部材10を弾性変形させることによって閉じている切り込み部10cを開放させて、この開放口を介して装着孔10b内に吸い上げ管A2を入れることができるので、装着を容易に行うことができ、また、取り外す場合には、同様につまみ部10dにより本体部材10を弾性変形させることにより切り込み部10cを開放させて、この開放口を介して装着孔10dから吸い上げ管A2を外すことができるので、取り外しも容易に行うことができる。
【0018】
更には、一旦装着すると、本体部材10は弾性的に復元して、切り込み部10cは閉じた状態に戻るので、装着孔10bから吸い上げ管A2が外れ難い状態になり、不用意に吸い上げ管A2から吐出量制限具1が外れて、紛失してしまうことを回避できる。なお、本体部材10の材料としてスポンジなどを用いた場合には、完全に復元せず切り込み部10cが完全に閉じないで間隔が形成される場合がある。このような場合でも、装着孔10bから吸い上げ管A2が外れにくくなり、吐出量制限具1が外れて紛失することを回避できる。
【0019】
第2実施形態について説明すると、この実施形態は、第1の実施形態に係る吐出量制限具1において、図3に示すように、切り込み部10cの形成位置と対向する側の側部に一対の突部1dを形成して、前述のつまみ部10dとしたものである。
【0020】
この実施形態によると、前述した第1の実施形態と同様の作用を奏することができると共に、一対の突部1d,1dを矢印のように寄せ合わせることにより、容易に切り込み部10cを開放させることができる(図3(b)参照)。
【0021】
図4,図5は、本発明の第3又は第4実施形態に係るポンプ式液体容器の吐出量制限具を説明する説明図である。図4はポンプ式液体容器に吐出量制限具を装着した状態を示す説明図であり、図5はその吐出量制限具自体の平面図である。
【0022】
第3実施形態について説明する。この実施形態に係る吐出量制限具1は、図4に示すように(前述の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。)、吸い上げ管A2に装着して吸い上げ管A2の押し込み量を制限するものであり、その本体部材10は、弾性変形可能な単一部材から成り、ノズルA3の押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部10a、吸い上げ管A2が装着される装着孔10b、本体部材10の外縁から装着孔10bに至る閉じた切り込み部10c、切り込み部10cの端に形成された案内凹部10e1とを有している。
【0023】
このような実施形態によると、吸い上げ管A2の押し込み量を調整することなく1回の押し込み動作を限界まで行った場合にも、本体部材10の厚さ分だけ吐出量を制限することができるので、1回の吐出量が少なくて済む子供の使用等の場合に容器内溶液を無駄に吐出させることがない点は、前述の各実施形態と同様である。
【0024】
そして、この実施形態では、装着時には、図5(b)に示すように、案内凹部10e1を吸い上げ管A2に押し当てることにより、本体部材10が弾性的に変形して、切り込み部10cが拡げられ、この拡げられた切り込み部10cを介して装着孔10b内に吸い上げ管A2を入れることができるので、装着を容易に行うことができる。また、一旦装着すると、本体部材10は弾性的に復元して、切り込み部10cは閉じた状態の戻るので、装着孔10bから吸い上げ管A2が外れ難い状態になり、不用意に吸い上げ管A2から吐出量制限具1が外れて、紛失してしまうことを回避できる。
【0025】
第4実施形態について説明すると、この実施形態は、第3の実施形態に係る吐出量制限具1において、図5(a)に示すように、切り込み部10cの外側及び内側の両端に案内凹部10e1,10e2を形成したものである。
【0026】
この実施形態によると、前述した第3の実施形態と同様の作用を奏することができると共に、図5(c)に示すように、取り外し時には、案内凹部10e2に内側から吸い上げ管A2を当てて、本体部材10を切り込み部10cと逆側に引くことにより、本体部材10が弾性的に変形して切り込み部10cが拡げられ、この拡げられた切り込み部10cを介して装着孔10bから吸い上げ管A2を外すことができるので、吐出量制限具1の取り外しを容易に行うことができる。
【0027】
図6は、本発明の第5実施形態を説明する説明図である。この実施形態は、同図に示すように(前述の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。)、第3又は第4実施形態と同様の構成を具備すると共に、本体部材10の側部に取っ手部10fを形成したものである。この実施形態によると、取っ手部10fを持って装着或いは取り外しを行うことができるので、装着或いは取り外しを更に容易に行うことができる。また、取っ手部10fにキャラクター形状や模様を付加することにより、吐出量制限具1を使用する対象者である子供が喜んで使用することを期待することができ、商品価値を高めることができる。
【0028】
第6実施形態について説明する。この実施形態に係る吐出量制限具1は、図7に示すように(前述の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。)、吸い上げ管A2に装着して吸い上げ管A2の押し込み量を制限するものであり、その本体部材10は、弾性変形可能な単一部材から成り、ノズルA3の押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部10a、吸い上げ管A2が装着される装着孔10b、本体部材10の外縁から装着孔10bに至る閉じた切り込み部10cを有している。そして、本体部材10は異なる厚さtを有しており、その厚さtに対応して受け面10aが形成されている。また、装着孔10bは、異なる厚さtに応じて吸い上げ管A2が装着できるように、厚さ変化に沿った長孔になっている。
【0029】
このような実施形態によると、吸い上げ管A2の押し込み量を調整することなく1回の押し込み動作を限界まで行った場合にも、本体部材10の厚さ分だけ吐出量を制限することができるので、1回の吐出量が少なくて済む子供の使用等の場合に容器内溶液を無駄に吐出させることがない点は、前述の各実施形態と同様である。
【0030】
そして、この実施形態では、装着時には、切り込み部10c付近を持って本体部材10を弾性的に変形させて切り込み部10cを拡げ、この拡げられた切り込み部10cを介して装着孔10b内に吸い上げ管A2を入れる。また、一旦装着すると、本体部材10は弾性的に復元して、切り込み部10cは閉じた状態の戻るので、装着孔10bから吸い上げ管A2が外れ難い状態になり、不用意に吸い上げ管A2から吐出量制限具1が外れて、紛失してしまうことを回避できる。
【0031】
更には、本外部材10は異なる厚さtを有しているので、その厚さtを適宜に選択して、それに応じた装着孔10bの位置に吸い上げ管A2をセットすることにより、押し込み量の制限量を厚さtに応じて変更することができる。これによって、吐出量の制限を個人差等に応じて調整することができる。
【0032】
第8図及び第9図は、第6実施形態をより具体的に示した第7実施形態及び第8実施形態を示す説明図である(前述の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。)。図8に示す第7実施形態は、本体部材10が傾斜する側面を有しており、この傾斜する側面によって異なる厚さtを形成することで、吐出量制限を連続的に調整できるようにしたものである。図9に示す第8実施形態は、本体部材10が階段状の側面を有しており、この階段状に形成された側面によって異なる厚さt(ta,tb,tc)を形成することで、吐出量制限を段階的に調整できるようにしたものである。
【0033】
図10は、本発明の第9実施形態を示す説明図である(前述の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。)。この実施形態は、異なる厚さta,tbに対応した受け面10aを有する複数の本体部材10,10が選択的に積層されたものである。これによっても、積層される本体部材を適宜に選択することによって段階的に吐出量制限を調整することができる。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する(以下、前述の説明と同一の箇所には同一の符号を付して一部説明を省略している。)。図11(a)は、本発明の実施例において、ポンプ式液体容器とそれに装着される吐出量制限具との寸法関係を説明する説明図である。
【0035】
吐出量制限具1における本体部材10の幅L1に関しては、ノズルA3の下面が受け部10aに当接して吸い上げ管A2の押し込みが止まることが必要であるから、ノズルA3の幅Wより大きいことが必要となる。また、本体部材10における装着孔10bの径L2に関しては、吸い上げ管A2に通常形成されているねじ部A4の外径より大きく、ねじ部A4が装着孔10bの内面に引っ掛からない大きさが好ましい。
【0036】
なお、ノズルA3は通常プラスチックにより構成されており、図11(b)に示すように吸い上げ管A2とノズルA3とを複数のリブA5により連結しているものもある。図11(b)は吸い上げ管A2とノズルA3の部分を下から見た斜視図である。このような構成のものにおいては、リブA5が受け部10aに当接して吸い上げ管A2の押し込みを止めるようにすることができる。したがって、このような場合には、本体部材10の幅L1はノズルA3の幅Wより小さくしてもよい。
【0037】
また、吸い上げ管A2の押し込み時にねじ部A4の下方端部をノズルA3の下面に換えて受け部10aに当接させたり、或いはねじ部A4を装着孔10bの内面に引っ掛かるようにして、吸い上げ管A2の押し込み量を制限させるようにしてもよい。
【0038】
吐出量制限具1における本体部材10の厚さtは、必要とする吐出量の制限に応じて設定されるものである。この厚さtによって、限界までの吸い上げ管押し込み量H0がHsに制限されることになり、これに応じて吐出量が制限されることになる。吐出量を段階的に制限したい場合には、図12に示すように、本体部材(10,10,10)の厚さが異なる(t1,t2,t3)吐出量制限具を複数用意し、これらを組み合わせることによって行うことができる。
【0039】
また、吐出量をどの程度制限するかについては、使用者の個人差によって異なることも考えられるので、その多様性に対応するためには、例えば、図13(a)に示すように、大きめの厚さTを有する本体部材100を形成しておき、これを破線で示すように水平にスライスし、使用者自身が要求する制限量に応じた厚さtを設定することもできる(図13(b)参照)。また、スライスされた本体部材10に対して使用者が切り込み部10cをはさみ等で形成するようにすることで、製造工程の一部を省くことが可能になり(図13(c)参照)、コストダウンを図ることができる。
【0040】
図2或いは図3に示したつまみ部10dを有する実施形態において、これらの図では、2個の突部によってつまみ部10dを形成しているが、これに限定されるものではなく、更に複数個の突部によってつまみ部10dを形成することができる。図14及び図15に示す吐出量制限具1は、複数個の突部によってつまみ部10dを形成した例である。
【0041】
図14に示した例は、本体部材10に設けられた2個の突部(1d,1d)に加えて象の鼻をモチーフとした突部2dを設けたものである。吸い上げ管A2に対する装着或いは取り外し時には、3つの突部のうち任意の二つを選んで寄せ合わせることにより、本体部材10を弾性変形させて、切り込み部10cを開放させることができる(図14(b)参照)。
【0042】
図15に示した例は、星形状をモチーフとして複数の突部3dを形成してつまみ部10dとしたものである。この例においても、吸い上げ管A2に対する装着或いは取り外し時には、複数の突部3dのうち任意の二つを選んで寄せ合わせることにより、本体部材10を弾性変形させて、切り込み部10cを開放させることができる(図15(b)参照)。
【0043】
前述した実施形態又は実施例は何れも本体部材10の形状を円柱状にしているが、本体部材10の形状はこれに限定されるものではない。本体部材10の要素として、受け部10a,装着孔10b,切り込み部10c,つまみ部10dを有するものであれば特に形状は限定されない。図16及び図17は、他の形状からなる本体部材10の例を示すものである。
【0044】
図16に示す例は、矩形状の本体部材10からなり、カニの爪をモチーフとした突部4dによってつまみ部10dを形成している。同図(b)に示すように、つまみ部10dを互いに寄せ合わせることによって、本体部材10を弾性変形させて切り込み部10cを開放させるものである。
【0045】
図17に示す例は、これも矩形状の本体部材10からなり、車のタイヤをモチーフとした突部5dによってつまみ部10dを形成している。同図(b)に示すように、つまみ部10dを互いに寄せ合わせることによって、本体部材10を弾性変形させて切り込み部10cを開放させるものである。
【0046】
図18に示す例は、図2又は図3に示した実施形態における変形例である。ここでは、動物キャラクタの体から延びる尻尾をモチーフとした本体部材10によって吐出量制限具を形成している。これによると、尻尾を吸い上げ管A2に巻き付けることで装着孔10bが形成されており、その先端が巻き付く手前部分に一部当接することで閉じた切り込み部10cが形成されている。また、巻き付いた部分の上面が受け部10aを形成している。これによると、巻き付いた状態を保持する弾性部材で本体部材10が形成されており、その先端がつまみ部10dを形成し、これを開くように弾性変形させることで先端の切り込み部10cが開放するようになっている。
【0047】
図19に示す例は、図6に示した実施形態の変形例である(同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を一部省略する。)。同図(a)は吐出量制限具の全体斜視図、同図(b)は側面図である。この例は、本体部材10における切り込み部10cと対向する側の側上部に突片1fを形成して、これを取っ手部10fとしている。
【0048】
これによると、装着時には、この突片1fを指先でつまんで、吸い上げ管A2に案内凹部10e1を押し付けて本体部材10を弾性変形させることができるので、容易に吸い上げ管A2を装着孔10b内に入れることができる。また、取り外し時には、この突片1fを指先でつまんで、切り込み部10cの逆側に引くことによって、装着孔10b内の吸い上げ管A2が案内凹部10e2に押し当てられて本体部材10を弾性変形させる。これによって、容易に吸い上げ管A2を装着孔10b内から外すことができる。
【0049】
図20に示す例は、図4又は図5に示した実施形態の変形例である(同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を一部省略する。)。同図(a)は吐出量制限具をポンプ式液体容器に装着した状態を示す説明図であり、同図(b),(c)はその作用を示す説明図である。この例は、動物(又は人)キャラクタの手をモチーフとした本体部材10によって吐出量制限具を形成している。手が吸い上げ管A2を握った状態で吐出量制限具がポンプ式液体容器に装着される。したがって、手の平内に装着孔10bが形成され、親指と他の指の先端が当接して切り込み部10cが形成されている。また、人差し指と親指の上側が受け部10aになる。
【0050】
これによると、同図(b),(c)に示すように、親指と他の指の外側(爪側)に案内凹部10e1が形成されることになる。したがって、装着時には、この部分に吸い上げ管A2を押し当てることによって親指と他の指が弾性変形して容易に装着孔10b内に吸い上げ管A2を入れることができる(同図(a)参照)。一旦吸い上げ管A2に装着すると、親指と他の指との間の切り込み部10cは弾性的に復元して閉じるので、不用意に本体部材10が外れることはない。そして、取り外し時には、本体部材10を指先と逆側に引くことで指先が変形して案内凹部10e2が形成され、更に引くと指先の切り込み部10cが開放されて、容易に吸い上げ管A2を装着孔10b内から外すことができる(同図(c)参照)。
【0051】
図21に示す例は、図7〜図9に示した実施形態の変形例である(同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を一部省略する。)。同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図を示す。この例は、長孔として形成された装着孔10bに吸い上げ管A2を位置決めするための凹凸部10gを形成したものである。これによると、長孔の必要な位置に吸い上げ管A2を固定させることができるので使用時に位置がずれる不都合を解消することができ、設定した吐出量制限の調整位置で繰り返し使用することができる。また、本体部材10の側面は、図8或いは図9に示した実施形態のように傾斜状又は階段状にしても良いが、図21(b)に示すように中央付近で最大厚さとなる凸状にすることもできる。
【0052】
図22は、図7で示した実施形態の更なる変形例を示すものである(同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を一部省略する。)。この例では、厚さtが異なる本体部材10に対して、同図(a)に示すように直線状のスリットを設けるか又は同図(b)に示すように曲線状のスリットを設けることで装着孔10bを形成している。これによると、同図(c)に示すように、スリットによって形成された装着孔10bを弾性的に拡げるだけで、長孔で形成された装着孔10bをノズルA3が通過する大きさに拡げることができ、吸い上げ管A2に対して本体部材10を装着した後は装着孔10bが閉じて、ノズルA3の下面に受け面10aが対面するようになる。この例の場合には、装着孔10bが長孔になることを利用して切り込み部10cを無くしており、これにより、装着後に吐出量制限具が不用意に外れてしまう問題を確実に解消している。
【0053】
図23は、図10で示した実施形態の更に具体的な実施例を示すものである(同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を一部省略する。)。この例では、異なる厚さta,tbに対応した受け面10aを有する複数の本体部材10,10が選択的に積層されたものにおいて、これらを適当な位置(例では、つまみ部10d)でピンPにより軸支したものである。これによると、積層された本体部材10,10を必要なものだけ残し他を回転させて除くことにより、複数の本体部材を選択して厚さ調整を行うことができる。また、複数の本体部材は常に軸支されて一体になっているので、これらがバラバラになって紛失することを回避できる。
【0054】
前述した各実施形態又は実施例における本体部材10の材質例を挙げると、弾性を有し且つ成形が容易な材料であれば良く、シリコンゴム、エラストマ、スポンジゴム、スポンジ、PP、EVA、或いはその他の合成ゴムや発泡体等を用いることができる。これらのゴム材を用いる場合には、型による成型或いは打ち抜きによって形成することができる。
【0055】
また、本体部材10は、プラスチックエラストマーによる成形によっても得ることができる。この場合には、図24及び図25に示すように、内部に空洞k1を形成するか(図24参照)、中空部k2を有し薄肉状に形成(図25)することが望ましく、これによって、容易に変形し且つある程度の弾性を有する本体部材10を得ることができる。
【0056】
図26に示す例は、本体部材10の肉厚を薄くすることにより、本体部材10を二つ折りにした例である。これによれば、本体部材10を二つ折りにした状態で吸い上げ管A2に押し当てて切り込み部10cを拡げることにより、装着孔10b内に吸い上げ管A2を入れることができる(同図(b)参照)ので、装着を容易に行うことができる。
【0057】
また、本体部材10の上面,下面,側面の少なくともいずれかの面或いは全面にゴムやビニールなどのコーティング材をコーティングしたり、これらの材料によって多層構造にすることもできる。この場合には、本体部材10自体が反発弾性の弱い材料で復元が弱いものであっても、コーティング又は多層構造によって所望の復元力を得て本体部材10の戻りを良好にすることができる。
【0058】
本発明の前述した各実施形態又は実施例は、以上のような特徴を有するので、以下の効果を奏することができる。
【0059】
(1)ポンプ式液体容器の吸い上げ管を押し込む際の押し込み量を制限することで押し込み量の調整を行うことなく1回の押し込み動作による吐出量を制限することができる。
【0060】
(2)これによって、例えば押し込み量を調整して吐出させることが困難な子供等が容器内液体を無駄に吐出してしまうという不都合を解消することができる。
【0061】
(4)また、その不都合の解消により、容器内液体の無駄遣いによる経済的な問題だけでなく、環境保全或いは環境汚染等の環境問題にも対処することができる。
【0062】
(5)そして、ポンプ式液体容器に対してこのような問題解決のために装着される吐出量制限具が、容易に着脱できると共に、一旦装着した後には不用意に外れることがないので、吐出量制限具の紛失を回避できる。
【0063】
(6)更には、つまみ部、取っ手部、或いは案内凹部等の形状を子供が喜ぶキャラクタ形状等にすることで、吐出量制限具を使用する主要な対象者である子供が喜んで使用することを期待することができ、商品価値を高めることができる。
【0064】
(7)本体部材の厚さを使用時に適宜に設定することにより、使用者の個人差等に応じて吐出量制限の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を示す説明図である。
【図2】本発明の第1又は第2実施形態に係るポンプ式液体容器の吐出量制限具を説明する説明図であり、ポンプ式液体容器に吐出量制限具を装着した状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第1又は第2実施形態に係るポンプ式液体容器の吐出量制限具を説明する説明図であり、吐出量制限具自体の平面図である。
【図4】本発明の第3又は第4実施形態に係るポンプ式液体容器の吐出量制限具を説明する説明図であり、ポンプ式液体容器に吐出量制限具を装着した状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第3又は第4実施形態に係るポンプ式液体容器の吐出量制限具を説明する説明図であり、吐出量制限具自体の平面図である。
【図6】本発明の第5実施形態を説明する説明図である。
【図7】本発明の第6実施形態を説明する説明図である。
【図8】本発明の第7実施形態を説明する説明図である。
【図9】本発明の第8実施形態を説明する説明図である。
【図10】本発明の第9実施形態を説明する説明図である。
【図11】本発明の実施例を説明する説明図であり、同図(a)は、ポンプ式液体容器とそれに装着される吐出量制限具との寸法関係を説明する説明図であり、同図(b)は吸い上げ管とノズルの部分を下から見た斜視図である。
【図12】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図13】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図14】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図15】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図16】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図17】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図18】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図19】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図20】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図21】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図22】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図23】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図24】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図25】本発明の実施例を説明する説明図である。
【図26】本発明の実施例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 吐出量制限具
1d,2d,3d,4d,5d 突部
10 本体部材
10a 受け部
10b 装着孔
10c 切り込み部
10d つまみ部
10e1,10e2 案内凹部
10f 取っ手部
10g 凹凸部
A ポンプ式液体容器
A0 容器
A1 キャップ
A2 吸い上げ管
A3 ノズル
A4 ねじ部
A5 リブ

Claims (9)

  1. 容器のキャップから吸い上げ管が突出され、この吸い上げ管の上部にノズルが装着されたポンプ式液体容器に対して、前記吸い上げ管に装着して該吸い上げ管の押し込み量を制限する吐出量制限具であって、
    前記ノズルの押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部を有すると共に前記吸い上げ管の押し込み量を制限するだけの厚さを備える弾性変形可能な本体部材からなり、該本体部材は、前記吸い上げ管が装着される装着孔と、前記本体部材の外縁から前記装着孔に至る閉じた切り込み部と、前記本体部材を弾性変形させて前記切り込み部を開放させるつまみ部とを有することを特徴とするポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  2. 前記つまみ部は、前記本体部材における前記切り込み部形成位置と対向する側の側部に形成された一対の突部であること特徴とする請求項1に記載されたポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  3. 容器のキャップから吸い上げ管が突出され、この吸い上げ管の上部にノズルが装着されたポンプ式液体容器に対して、前記吸い上げ管に装着して該吸い上げ管の押し込み量を制限する吐出量制限具であって、
    前記ノズルの押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部を有すると共に前記吸い上げ管の押し込み量を制限するだけの厚さを備える弾性変形可能な本体部材からなり、該本体部材は、前記吸い上げ管が装着される装着孔と、前記本体部材の外縁から前記装着孔に至る閉じた切り込み部と、該切り込み部の端に形成された案内凹部とを有することを特徴とするポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  4. 前記案内凹部は、前記切り込み部の外側及び内側の両端に形成されることを特徴とする請求項3に記載されたポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  5. 前記本体部材の側部に取っ手部を形成したことを特徴とする請求項3又は4に記載されたポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  6. 容器のキャップから吸い上げ管が突出され、この吸い上げ管の上部にノズルが装着されたポンプ式液体容器に対して、前記吸い上げ管に装着して該吸い上げ管の押し込み量を制限する吐出量制限具であって、
    前記ノズルの押し込み時に該ノズルの下面を受け止める受け部を有すると共に前記吸い上げ管の押し込み量を制限するだけの厚さを備える弾性変形可能な本体部材からなり、該本体部材は、異なる前記厚さに対応する前記受け面を形成し、前記吸い上げ管が前記厚さに応じて装着される装着孔と、前記本体部材の外縁から前記装着孔に至る閉じた切り込み部とを有するすることを特徴とするポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  7. 前記本体部材は、傾斜する側面によって前記厚さが形成されることを特徴とする請求項6に記載されたポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  8. 前記本体部材は、階段状に形成された側面によって前記厚さが形成されることを特徴とする請求項6に記載されたポンプ式液体容器の吐出量制限具。
  9. 前記本体部材は、前記厚さに対応した受け面を有する複数の部材が選択的に積層されることを特徴とする請求項6に記載されたポンプ式液体容器の吐出量制限具。
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