JP2004098191A - ボールねじ及びそのねじ溝研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えることができ、機械へ組付けられた後の共振による異常信号、異音を防ぐことのできるボールねじを提供する。またそのねじ溝研削方法を提供する。
【解決手段】ねじ軸2またはナット3のねじ溝5,6が研削仕上げされたものである。その研削仕上げ面は、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりを持つ。このようなボールねじ1において、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないものとする。この周期性を有しないものとするために、研削加工は、研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を変化させるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】ねじ軸2またはナット3のねじ溝5,6が研削仕上げされたものである。その研削仕上げ面は、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりを持つ。このようなボールねじ1において、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないものとする。この周期性を有しないものとするために、研削加工は、研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を変化させるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、種々の機器に用いられるねじ溝研削仕上げのボールねじ、及びそのねじ溝の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじのねじ溝加工方法には、大きく分けて▲1▼研削、▲2▼転造の2種類がある。この中で、研削によるボールねじは、位置決め精度や高速送りが求められる工作機械の他、半導体製造装置、射出成形機、電動プレス機、および自動車用ボールねじなどに主として使用されている。
ねじ軸のねじ溝研削では、図2(A)に示すように、ねじ軸2に対して、ねじ溝断面形状にドレスした砥石8を、リード角θ分傾けてセットする。次に、ねじ軸2と砥石8を相対的に回転させ、さらにねじ軸2の1回転に対して砥石8を1リードの割合で軸方向(d)に送り、ねじ溝5を研削する。このとき、ねじ軸2の回転速度nと砥石8の回転速度Nは各々一定として研削している。
【0003】
上記のように研削を行うが、機械剛性等による砥石8やねじ軸2の芯ぶれにより、ねじ溝5には周期的な変動成分であるラジアル方向に出入りした加工うねりe(図2(C))が発生してしまう。すなわち、ねじ軸2の回転速度nと砥石8の回転速度Nが一定であると、ねじ溝21の内面にはN/nで示される角数を持った一定間隔の加工うねりeが発生してしまう。ねじ溝5の内面に加工うねりeがあると、この上をボールが通過した時に、ねじ軸回転速度に比例した特定周波数の振動や音が発生する。特に、機械の基台やカバー等がこの特定周波数と同一の固有振動数を持っていたとすると、お互いが共振して更に大きな異常振動や異音が発生する。
【0004】
この周期的な振動の発生を抑えるために、例えばボール間に幅寸法の異なる間座を挿入し、ボール間隔を不均一にして、特定周波数の振動を発生させないようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、研削後に超仕上げを行うことも提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−141020号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の間座を用いる提案では、ボール間に多種類の間座を挿入する必要があること、また多数の間座を不規則にボール間に挿入する必要があること、間座の幅もボールの循環を妨げる程度にまでしか広げられないこと、間座を挿入することにより組立工数が増えて価格が高くなること、間座を挿入するために負荷を受けられるボール個数が減少し定格荷重が減少してしまうこと、等の問題があった。また、研削後に超仕上げを行うのでは、加工工数が増えて価格が高くなる。
【0007】
この発明の目的は、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えることができ、機械へ組付けられた後の共振による異常振動、異音を防ぐことのできるボールねじを提供することである。
この発明の他の目的は、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えたボールねじを得ることのできるねじ溝研削方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のボールねじは、ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝との間にボールが介在し、上記ねじ軸およびナットのねじ溝のうち、少なくとも片方のねじ溝が、素材と砥石との相対回転で研削仕上げされたものであり、その研削仕上げ面が、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりを持つボールねじであって、次の特徴を有するものである。すなわち、この発明における第1の発明のボールねじは、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないことを特徴とする。
ねじ溝を研削仕上げとすると、素材剛性や砥石軸等の機械剛性で生じる加工時の振動により、ラジアル方向に出入りした微小な加工うねりを生じることが避けられない。しかし、この加工うねりの素材周方向の周期性を無くすことは可能であり、この周期性を有しなければ、各ボールがねじ溝内面の加工うねりの頂部を通過する際に発生する振動周波数成分を打ち消し合う。このため、ボールねじが特定周波数の振動や騒音を発生することが防止される。したがって、ボールねじが機械へ組付けられた後の共振による異常振動や異音を防ぐことができる。
【0009】
この発明における第2の発明のボールねじは、上記研削仕上げ面が、上記加工うねりの素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面であることを特徴とする。この互いの相殺は、完全に相殺し合わなくても良く、相殺部分が生じれば良い。
上記研削仕上げ面は、ボールねじの性能面からは、加工うねりが素材周方向に周期性を有しないことが理想である。しかし多少の周期性があっても、素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面であれば、ボールねじの駆動時に、各ボールがねじ溝内面の加工うねりの頂部を通過する際に発生する振動周波数成分を打ち消し合う作用が得られ、特定周波数の振動や騒音の発生が軽減される。また、研削加工後に超仕上げ等の別加工を行うものと異なり、研削仕上げとしてその研削加工を、加工うねりの素材周方向の周期性が互いに相殺されるように複数の研削条件で行うため、加工工程が増えず、コスト増が避けられる。
【0010】
この発明のボールねじのねじ溝研削方法は、ボールねじのねじ軸またはナットのねじ溝を、これらねじ軸またはナットの素材と砥石との相対回転により研削仕上げするボールねじのねじ溝研削方法であって、研削途中で研削条件を変更することにより、上記加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削することを特徴とする。
このように、加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削することにより、ねじ溝内面を、加工うねりが素材周方向に周期性を有しない研削仕上げ面とすることができる。このような研削仕上げ面とすることにより、ボールねじの駆動時に、特定周波数の振動や騒音を発生することが軽減される。研削加工後に別加工を施す方法と異なり、研削加工の途中で研削条件を変更する方法であるため、加工工程が増えず、コスト増が避けられる。
【0011】
加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削する方法としては、例えば、研削途中で上記素材と砥石の相対回転の速度を変化させる方法が採用できる。この速度変化により、ねじ溝内面の加工うねりが、各速度の加工時の加工毎に角数の異なるものとなって、素材周方向の周期性が無くなり、あるいは低減する。このため、ボールねじ駆動時に特定の回転速度で発生する強制振動や騒音を無くしたり、低減することが可能である。速度変更だけで良いため、研削盤の制御が容易に行える。
【0012】
研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を変化させる処置は、素材の回転速度を変化させることで行っても良く、また砥石の回転速度を変化させることで行っても良い。素材の回転速度を変化させるときは、この変化する回転速度と同期して、砥石の軸方向の送り速度も変化させる制御が必要となる。
上記研削途中の相対回転速度の変化は、段階的に変化させるようにしても良く、また無段階に変化させるようにしても良い。段階壁な変化とすると、制御が容易である。無段階の変化とすると、加工うねりの素材周方向の周期性を無くす効果が、より効果的に得られる。
研削途中の相対回転速度の変化は、低速から高速へ、または高速から低速へ一方向に行うようにしても良いが、加工途中で相対回転速度が低速になったり、高速になったりする変化が繰り返して行われるようにしても良い。この繰り返しは周期的に行われるようにしても良い。繰り返し変化させることで、加工うねりの周期性を無くし効果が得易くなる。また周期的に変化させるようにすると、制御が容易である。
【0013】
研削途中の相対回転速度の変化を周期的に行わせ、また素材を回転させる場合に、相対回転の速度を異ならせる周期を、素材の1回転の周期と同じか、または1回転の周期よりも短くしても良い。また相対回転の速度を異ならせる周期を、素材の1回転の周期の整数分の1としても良い。
この場合、素材の1回転毎、または1回転に達する前に相対回転の速度を異ならせる周期を完了させることになるため、速度を変えたことによる加工うねりの素材周方向の周期性無くし効果が顕著となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。このボールねじ1は、ねじ軸2の外周にナット3が遊嵌し、これらねじ軸2の外径面とナット3の内径面に対向して形成されたねじ溝5,6の間に複数のボール4を介在させたものである。ナット3には、ねじ溝5,6間のボール4を循環させる循環部7が形成してある。循環部7は、図示の例ではエンドキャップ形式としてあるが、循環部7は、この他にガイドプレート形式、リターンチューブ形式、こま式等、任意の形式のものが使用できる。
【0015】
ねじ軸2およびナット3は、いずれも鋼製であり、そのねじ溝5,6は研削仕上げされたものとしてある。これらねじ溝5,6は、ねじ軸2またはナット3となる軸状または円筒状の素材に旋削等により溝形状を形成した後、図2にねじ軸2の例を示すように、砥石8を用いて研削仕上げされる。砥石8は、いわゆる総形の砥石であり、ねじ溝5の断面形状に応じた断面形状に整形されている。砥石8には回転砥石が用いられる。
ねじ溝5の内面の研削仕上げは、ねじ軸2の素材Wと砥石8との相対回転で行われたものである。この研削仕上げ面は、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりeを持つが、この加工うねりeは、素材周方向に周期性を有しないものとされている。なお、加工うねりeは、素材周方向に周期性があっても良いが、少なくとも、素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面とされている。
図2はねじ軸2につき示したが、ナット3のねじ溝6についても、ねじ軸2と同様な研削仕上げが行われる。
【0016】
図2と共に、ねじ軸2のねじ溝5の研削方法を説明する。ねじ溝5が旋削等により加工されたねじ軸素材Wに対して、ねじ溝断面形状に形成された砥石8を、ねじ溝5のリード角θ分だけ傾けて位置させる。次に、ねじ軸素材Wと砥石8とを相対的に回転させる。両者の回転方向は互いに逆とする。このとき、砥石8は、ねじ溝5の1リード/1回転分の割合でねじ軸素材Wに対して軸方向に送りながら研削を行う。ねじ軸素材Wと砥石8の相対回転は、例えば、ねじ軸素材Wと砥石8の両方を共に回転させることで行う。両者の回転方向は互いに逆方向とする。
【0017】
この研削加工では、研削途中で研削条件を変更することにより、加工うねりeの素材周方向の周期性を相殺しながら研削する。具体的には、研削途中で素材Wと砥石8の相対回転の速度を変化させる。この場合に、研削途中で素材Wと砥石8の相対回転の速度を変化させる処置は、砥石8の回転速度を一定に保ち、素材Wの回転速度を変化させることで行っても良く、また素材Wの回転速度を一定に保ち、砥石8の回転速度を変化させることで行っても良い。素材Wの回転速度を変化させるときは、この変化する回転速度と同期して、砥石8の軸方向の送り速度も変化させる制御が必要となる。
この研削途中の相対回転速度の変化は、段階的に変化させるようにしても良く、また無段階に変化させるようにしても良い。段階壁な変化とすると制御が容易である。無段階の変化とすると、加工うねりeの素材周方向の周期性を無くす効果が、より効果的に得られる。
【0018】
研削途中の相対回転速度の変化は、低速から高速へ、または高速から低速へ一方向に行うようにしても良いが、加工途中で相対回転速度が低速になったり、高速になったりする変化が繰り返し行われるようにしても良い。この繰り返しは、例えば図3(B),(C)に示すように、周期的に行われるようにしても良い。繰り返し変化させると、加工うねりeの周期性無くし効果が得易い。周期的に変化させるようにすると、制御が容易である。
研削途中の相対回転速度の変化を周期的に行わせる場合に、相対回転の速度を異ならせる周期T(図3)を、素材Wの1回転の周期と同じか、または素材Wの1回転の周期の整数分の1としても良い。また、周期Tは、1回転の周期よりも短くしても良い。これにより、加工うねりeの周期性無くし効果が顕著に得られる。
【0019】
次に、試験例を説明する。砥石8とねじ軸素材Wの回転速度を図3(A)のように一定とした従来の研削条件下での騒音測定データを図4に示す。砥石回転速度をN、素材回転速度をnとすると、N/n=41とした。理論上、ねじ軸2には41角のラジアル方向の加工うねりeが発生する。
図4は、上記条件で研削したねじ軸2を用いたボールねじ1において、ねじ軸2の回転速度を800〜2000r/minまで100r/min間隔で13段階変化させ、各々の回転速度の時の音を周波数を分析し、3次元表示したものである。縦軸は騒音値をdBで示し、横軸は右に大となる周波数を示している。図4の曲線部分▲1▼に示されるように、回転速度が速くなるのに比例して周波数が高くなる騒音が認められた。解析の結果、この周波数成分は41角に対応する周波数であることが判明した。
【0020】
次の段階として、図3(B)に示すように、ねじ軸研削時に、ねじ軸2の回転速度を4段階に繰り返して周期的に変化させた。同図は1周期Tの部分の変化を示す。各条件下での理論うねり角数は、段階▲1▼は66角、段階▲2▼は55角、段階▲3▼は47角、段階▲4▼は41角である。周期Tをねじ軸2の12回転分として研削を行い、このねじ軸2を用いたボールねじ1の騒音を測定した結果が図5である。同図から、4段階の角数に伴う4種類の騒音の周波数が認められた。同図における符号▲1▼〜▲4▼は、図3(B)の段階▲1▼〜▲4▼に対応する騒音高まり部分を示す。同じく周期Tをねじ軸2の6回転分(素材Wの1回転毎に素材回転数を別段階に変更)で研削した結果を図6に示すが、図5と同様に4種類の周波数成分が認められ、当初の予測効果は認められなかった。
【0021】
次に、周期Tをねじ軸2の1回転分(ねじ軸2が60°回転する毎にねじ軸2の回転速度を変更)として研削したボールねじ1を用い、騒音測定を行った結果を図7に示す。同図では、回転速度に比例した騒音の周波数成分は認められなかった。4段階の角数▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼から発生する各々の周波数成分は、お互いが打ち消し合い、騒音として現れていないことが解る。
【0022】
上記と同様に図3(C)に示すように、周期Tをねじ軸2の1回転分として、無段階にねじ軸2の回転速度を変化させて騒音を測定したが、特定の周波数成分を持った騒音は認められなかった。
【0023】
これらの試験結果を含め、ねじ溝研削加工時のねじ軸回転速度の段階数、および変化させる周期T(1周期におけるねじ軸回転数で示す)と、特定周波数成分の騒音(強制振動音)の発生状況の関係を表1にまとめて示す。なお、表1の研削時は、ねじ軸回転速度に同期させて砥石の軸方向送りも制御している。
【0024】
【表1】
【0025】
この表1から、ねじ軸素材Wの回転速度変化の段階数と周期Tの関係の設定により、強制振動の発生を抑えることができることが理解される。すなわち、段階数が4段階および5段階の場合は、いずれも周期Tが1の場合に強制振動の発生がない。5段階の場合は、周期Tを0.5とした場合(1/2の場合)についても測定したが、強制振動はなかった。これより、周期Tが1以下の場合(ねじ軸素材Wの1回転の周期よりも短いか、または同じである場合)に、強制振動の発生がないと考えられる。無段階の場合は、周期Tの設定に関係なく強制振動の発生を抑えることができ、より効果的であることも理解される。
【0026】
なお、上記実施例では、ねじ溝2のねじ溝5について説明したが、ナット3のねじ溝6の研削加工においても、加工途中に素材と砥石の相対回転速度を変化させることで、ねじ軸2の場合と同様に、加工うねりeの周期性を無くし、または低減させることができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明のボールねじは、ねじ溝内面が研削仕上げされ、その研削仕上げ面が加工うねりを持つものにおいて、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないものとしたため、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えることができて、安価に振動抑制が行え、機械へ組付けられた後の共振による異常振動、異音を防ぐことができる。
この発明のボールねじのねじ溝研削方法は、研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を変化させるなど、研削途中で研削条件を変更することにより、加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削する方法であるため、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えたボールねじを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるボールねじの断面図である。
【図2】(A)は同ボールねじのねじ溝加工方法を示す正面図、(B)は同側面図、(C)はその加工うねりの説明図である。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ砥石と素材間の相対回転速度の各種変化パターン例を示すグラフである。
【図4】比較例の研削条件下で研削したボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【図5】実施例のボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【図6】他の実施例のボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【図7】さらに他の実施例のボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【符号の説明】
1…ボールねじ
2…ねじ軸
3…ナット
4…ボール
5,6…ねじ溝
8…砥石
e…加工うねり
W…素材
【発明の属する技術分野】
この発明は、種々の機器に用いられるねじ溝研削仕上げのボールねじ、及びそのねじ溝の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじのねじ溝加工方法には、大きく分けて▲1▼研削、▲2▼転造の2種類がある。この中で、研削によるボールねじは、位置決め精度や高速送りが求められる工作機械の他、半導体製造装置、射出成形機、電動プレス機、および自動車用ボールねじなどに主として使用されている。
ねじ軸のねじ溝研削では、図2(A)に示すように、ねじ軸2に対して、ねじ溝断面形状にドレスした砥石8を、リード角θ分傾けてセットする。次に、ねじ軸2と砥石8を相対的に回転させ、さらにねじ軸2の1回転に対して砥石8を1リードの割合で軸方向(d)に送り、ねじ溝5を研削する。このとき、ねじ軸2の回転速度nと砥石8の回転速度Nは各々一定として研削している。
【0003】
上記のように研削を行うが、機械剛性等による砥石8やねじ軸2の芯ぶれにより、ねじ溝5には周期的な変動成分であるラジアル方向に出入りした加工うねりe(図2(C))が発生してしまう。すなわち、ねじ軸2の回転速度nと砥石8の回転速度Nが一定であると、ねじ溝21の内面にはN/nで示される角数を持った一定間隔の加工うねりeが発生してしまう。ねじ溝5の内面に加工うねりeがあると、この上をボールが通過した時に、ねじ軸回転速度に比例した特定周波数の振動や音が発生する。特に、機械の基台やカバー等がこの特定周波数と同一の固有振動数を持っていたとすると、お互いが共振して更に大きな異常振動や異音が発生する。
【0004】
この周期的な振動の発生を抑えるために、例えばボール間に幅寸法の異なる間座を挿入し、ボール間隔を不均一にして、特定周波数の振動を発生させないようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、研削後に超仕上げを行うことも提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−141020号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の間座を用いる提案では、ボール間に多種類の間座を挿入する必要があること、また多数の間座を不規則にボール間に挿入する必要があること、間座の幅もボールの循環を妨げる程度にまでしか広げられないこと、間座を挿入することにより組立工数が増えて価格が高くなること、間座を挿入するために負荷を受けられるボール個数が減少し定格荷重が減少してしまうこと、等の問題があった。また、研削後に超仕上げを行うのでは、加工工数が増えて価格が高くなる。
【0007】
この発明の目的は、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えることができ、機械へ組付けられた後の共振による異常振動、異音を防ぐことのできるボールねじを提供することである。
この発明の他の目的は、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えたボールねじを得ることのできるねじ溝研削方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のボールねじは、ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝との間にボールが介在し、上記ねじ軸およびナットのねじ溝のうち、少なくとも片方のねじ溝が、素材と砥石との相対回転で研削仕上げされたものであり、その研削仕上げ面が、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりを持つボールねじであって、次の特徴を有するものである。すなわち、この発明における第1の発明のボールねじは、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないことを特徴とする。
ねじ溝を研削仕上げとすると、素材剛性や砥石軸等の機械剛性で生じる加工時の振動により、ラジアル方向に出入りした微小な加工うねりを生じることが避けられない。しかし、この加工うねりの素材周方向の周期性を無くすことは可能であり、この周期性を有しなければ、各ボールがねじ溝内面の加工うねりの頂部を通過する際に発生する振動周波数成分を打ち消し合う。このため、ボールねじが特定周波数の振動や騒音を発生することが防止される。したがって、ボールねじが機械へ組付けられた後の共振による異常振動や異音を防ぐことができる。
【0009】
この発明における第2の発明のボールねじは、上記研削仕上げ面が、上記加工うねりの素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面であることを特徴とする。この互いの相殺は、完全に相殺し合わなくても良く、相殺部分が生じれば良い。
上記研削仕上げ面は、ボールねじの性能面からは、加工うねりが素材周方向に周期性を有しないことが理想である。しかし多少の周期性があっても、素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面であれば、ボールねじの駆動時に、各ボールがねじ溝内面の加工うねりの頂部を通過する際に発生する振動周波数成分を打ち消し合う作用が得られ、特定周波数の振動や騒音の発生が軽減される。また、研削加工後に超仕上げ等の別加工を行うものと異なり、研削仕上げとしてその研削加工を、加工うねりの素材周方向の周期性が互いに相殺されるように複数の研削条件で行うため、加工工程が増えず、コスト増が避けられる。
【0010】
この発明のボールねじのねじ溝研削方法は、ボールねじのねじ軸またはナットのねじ溝を、これらねじ軸またはナットの素材と砥石との相対回転により研削仕上げするボールねじのねじ溝研削方法であって、研削途中で研削条件を変更することにより、上記加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削することを特徴とする。
このように、加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削することにより、ねじ溝内面を、加工うねりが素材周方向に周期性を有しない研削仕上げ面とすることができる。このような研削仕上げ面とすることにより、ボールねじの駆動時に、特定周波数の振動や騒音を発生することが軽減される。研削加工後に別加工を施す方法と異なり、研削加工の途中で研削条件を変更する方法であるため、加工工程が増えず、コスト増が避けられる。
【0011】
加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削する方法としては、例えば、研削途中で上記素材と砥石の相対回転の速度を変化させる方法が採用できる。この速度変化により、ねじ溝内面の加工うねりが、各速度の加工時の加工毎に角数の異なるものとなって、素材周方向の周期性が無くなり、あるいは低減する。このため、ボールねじ駆動時に特定の回転速度で発生する強制振動や騒音を無くしたり、低減することが可能である。速度変更だけで良いため、研削盤の制御が容易に行える。
【0012】
研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を変化させる処置は、素材の回転速度を変化させることで行っても良く、また砥石の回転速度を変化させることで行っても良い。素材の回転速度を変化させるときは、この変化する回転速度と同期して、砥石の軸方向の送り速度も変化させる制御が必要となる。
上記研削途中の相対回転速度の変化は、段階的に変化させるようにしても良く、また無段階に変化させるようにしても良い。段階壁な変化とすると、制御が容易である。無段階の変化とすると、加工うねりの素材周方向の周期性を無くす効果が、より効果的に得られる。
研削途中の相対回転速度の変化は、低速から高速へ、または高速から低速へ一方向に行うようにしても良いが、加工途中で相対回転速度が低速になったり、高速になったりする変化が繰り返して行われるようにしても良い。この繰り返しは周期的に行われるようにしても良い。繰り返し変化させることで、加工うねりの周期性を無くし効果が得易くなる。また周期的に変化させるようにすると、制御が容易である。
【0013】
研削途中の相対回転速度の変化を周期的に行わせ、また素材を回転させる場合に、相対回転の速度を異ならせる周期を、素材の1回転の周期と同じか、または1回転の周期よりも短くしても良い。また相対回転の速度を異ならせる周期を、素材の1回転の周期の整数分の1としても良い。
この場合、素材の1回転毎、または1回転に達する前に相対回転の速度を異ならせる周期を完了させることになるため、速度を変えたことによる加工うねりの素材周方向の周期性無くし効果が顕著となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。このボールねじ1は、ねじ軸2の外周にナット3が遊嵌し、これらねじ軸2の外径面とナット3の内径面に対向して形成されたねじ溝5,6の間に複数のボール4を介在させたものである。ナット3には、ねじ溝5,6間のボール4を循環させる循環部7が形成してある。循環部7は、図示の例ではエンドキャップ形式としてあるが、循環部7は、この他にガイドプレート形式、リターンチューブ形式、こま式等、任意の形式のものが使用できる。
【0015】
ねじ軸2およびナット3は、いずれも鋼製であり、そのねじ溝5,6は研削仕上げされたものとしてある。これらねじ溝5,6は、ねじ軸2またはナット3となる軸状または円筒状の素材に旋削等により溝形状を形成した後、図2にねじ軸2の例を示すように、砥石8を用いて研削仕上げされる。砥石8は、いわゆる総形の砥石であり、ねじ溝5の断面形状に応じた断面形状に整形されている。砥石8には回転砥石が用いられる。
ねじ溝5の内面の研削仕上げは、ねじ軸2の素材Wと砥石8との相対回転で行われたものである。この研削仕上げ面は、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりeを持つが、この加工うねりeは、素材周方向に周期性を有しないものとされている。なお、加工うねりeは、素材周方向に周期性があっても良いが、少なくとも、素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面とされている。
図2はねじ軸2につき示したが、ナット3のねじ溝6についても、ねじ軸2と同様な研削仕上げが行われる。
【0016】
図2と共に、ねじ軸2のねじ溝5の研削方法を説明する。ねじ溝5が旋削等により加工されたねじ軸素材Wに対して、ねじ溝断面形状に形成された砥石8を、ねじ溝5のリード角θ分だけ傾けて位置させる。次に、ねじ軸素材Wと砥石8とを相対的に回転させる。両者の回転方向は互いに逆とする。このとき、砥石8は、ねじ溝5の1リード/1回転分の割合でねじ軸素材Wに対して軸方向に送りながら研削を行う。ねじ軸素材Wと砥石8の相対回転は、例えば、ねじ軸素材Wと砥石8の両方を共に回転させることで行う。両者の回転方向は互いに逆方向とする。
【0017】
この研削加工では、研削途中で研削条件を変更することにより、加工うねりeの素材周方向の周期性を相殺しながら研削する。具体的には、研削途中で素材Wと砥石8の相対回転の速度を変化させる。この場合に、研削途中で素材Wと砥石8の相対回転の速度を変化させる処置は、砥石8の回転速度を一定に保ち、素材Wの回転速度を変化させることで行っても良く、また素材Wの回転速度を一定に保ち、砥石8の回転速度を変化させることで行っても良い。素材Wの回転速度を変化させるときは、この変化する回転速度と同期して、砥石8の軸方向の送り速度も変化させる制御が必要となる。
この研削途中の相対回転速度の変化は、段階的に変化させるようにしても良く、また無段階に変化させるようにしても良い。段階壁な変化とすると制御が容易である。無段階の変化とすると、加工うねりeの素材周方向の周期性を無くす効果が、より効果的に得られる。
【0018】
研削途中の相対回転速度の変化は、低速から高速へ、または高速から低速へ一方向に行うようにしても良いが、加工途中で相対回転速度が低速になったり、高速になったりする変化が繰り返し行われるようにしても良い。この繰り返しは、例えば図3(B),(C)に示すように、周期的に行われるようにしても良い。繰り返し変化させると、加工うねりeの周期性無くし効果が得易い。周期的に変化させるようにすると、制御が容易である。
研削途中の相対回転速度の変化を周期的に行わせる場合に、相対回転の速度を異ならせる周期T(図3)を、素材Wの1回転の周期と同じか、または素材Wの1回転の周期の整数分の1としても良い。また、周期Tは、1回転の周期よりも短くしても良い。これにより、加工うねりeの周期性無くし効果が顕著に得られる。
【0019】
次に、試験例を説明する。砥石8とねじ軸素材Wの回転速度を図3(A)のように一定とした従来の研削条件下での騒音測定データを図4に示す。砥石回転速度をN、素材回転速度をnとすると、N/n=41とした。理論上、ねじ軸2には41角のラジアル方向の加工うねりeが発生する。
図4は、上記条件で研削したねじ軸2を用いたボールねじ1において、ねじ軸2の回転速度を800〜2000r/minまで100r/min間隔で13段階変化させ、各々の回転速度の時の音を周波数を分析し、3次元表示したものである。縦軸は騒音値をdBで示し、横軸は右に大となる周波数を示している。図4の曲線部分▲1▼に示されるように、回転速度が速くなるのに比例して周波数が高くなる騒音が認められた。解析の結果、この周波数成分は41角に対応する周波数であることが判明した。
【0020】
次の段階として、図3(B)に示すように、ねじ軸研削時に、ねじ軸2の回転速度を4段階に繰り返して周期的に変化させた。同図は1周期Tの部分の変化を示す。各条件下での理論うねり角数は、段階▲1▼は66角、段階▲2▼は55角、段階▲3▼は47角、段階▲4▼は41角である。周期Tをねじ軸2の12回転分として研削を行い、このねじ軸2を用いたボールねじ1の騒音を測定した結果が図5である。同図から、4段階の角数に伴う4種類の騒音の周波数が認められた。同図における符号▲1▼〜▲4▼は、図3(B)の段階▲1▼〜▲4▼に対応する騒音高まり部分を示す。同じく周期Tをねじ軸2の6回転分(素材Wの1回転毎に素材回転数を別段階に変更)で研削した結果を図6に示すが、図5と同様に4種類の周波数成分が認められ、当初の予測効果は認められなかった。
【0021】
次に、周期Tをねじ軸2の1回転分(ねじ軸2が60°回転する毎にねじ軸2の回転速度を変更)として研削したボールねじ1を用い、騒音測定を行った結果を図7に示す。同図では、回転速度に比例した騒音の周波数成分は認められなかった。4段階の角数▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼から発生する各々の周波数成分は、お互いが打ち消し合い、騒音として現れていないことが解る。
【0022】
上記と同様に図3(C)に示すように、周期Tをねじ軸2の1回転分として、無段階にねじ軸2の回転速度を変化させて騒音を測定したが、特定の周波数成分を持った騒音は認められなかった。
【0023】
これらの試験結果を含め、ねじ溝研削加工時のねじ軸回転速度の段階数、および変化させる周期T(1周期におけるねじ軸回転数で示す)と、特定周波数成分の騒音(強制振動音)の発生状況の関係を表1にまとめて示す。なお、表1の研削時は、ねじ軸回転速度に同期させて砥石の軸方向送りも制御している。
【0024】
【表1】
【0025】
この表1から、ねじ軸素材Wの回転速度変化の段階数と周期Tの関係の設定により、強制振動の発生を抑えることができることが理解される。すなわち、段階数が4段階および5段階の場合は、いずれも周期Tが1の場合に強制振動の発生がない。5段階の場合は、周期Tを0.5とした場合(1/2の場合)についても測定したが、強制振動はなかった。これより、周期Tが1以下の場合(ねじ軸素材Wの1回転の周期よりも短いか、または同じである場合)に、強制振動の発生がないと考えられる。無段階の場合は、周期Tの設定に関係なく強制振動の発生を抑えることができ、より効果的であることも理解される。
【0026】
なお、上記実施例では、ねじ溝2のねじ溝5について説明したが、ナット3のねじ溝6の研削加工においても、加工途中に素材と砥石の相対回転速度を変化させることで、ねじ軸2の場合と同様に、加工うねりeの周期性を無くし、または低減させることができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明のボールねじは、ねじ溝内面が研削仕上げされ、その研削仕上げ面が加工うねりを持つものにおいて、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないものとしたため、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えることができて、安価に振動抑制が行え、機械へ組付けられた後の共振による異常振動、異音を防ぐことができる。
この発明のボールねじのねじ溝研削方法は、研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を変化させるなど、研削途中で研削条件を変更することにより、加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削する方法であるため、研削条件の変更だけで特定周波数の振動発生を抑えたボールねじを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるボールねじの断面図である。
【図2】(A)は同ボールねじのねじ溝加工方法を示す正面図、(B)は同側面図、(C)はその加工うねりの説明図である。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ砥石と素材間の相対回転速度の各種変化パターン例を示すグラフである。
【図4】比較例の研削条件下で研削したボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【図5】実施例のボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【図6】他の実施例のボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【図7】さらに他の実施例のボールねじの騒音測定結果のグラフである。
【符号の説明】
1…ボールねじ
2…ねじ軸
3…ナット
4…ボール
5,6…ねじ溝
8…砥石
e…加工うねり
W…素材
Claims (10)
- ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝との間にボールが介在し、上記ねじ軸およびナットのねじ溝のうち、少なくとも片方のねじ溝が素材と砥石との相対回転で研削仕上げされたものであり、その研削仕上げ面が、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりを持つボールねじであって、上記加工うねりが素材周方向に周期性を有しないことを特徴とするボールねじ。
- ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝との間にボールが介在し、上記ねじ軸およびナットのねじ溝のうち、少なくとも片方のねじ溝が、素材と砥石との相対回転で研削仕上げされたものであり、その研削仕上げ面が、加工時の振動で生じるラジアル方向に出入りした加工うねりを持つボールねじであって、上記研削仕上げ面が、上記加工うねりの素材周方向の周期性を互いに相殺する複数の研削条件の研削加工が行われた面であることを特徴とするボールねじ。
- ボールねじのねじ軸またはナットのねじ溝を、これらねじ軸またはナットの素材と砥石との相対回転により研削仕上げするボールねじのねじ溝研削方法であって、研削途中で研削条件を変更することにより、上記加工うねりの素材周方向の周期性を相殺しながら研削することを特徴とするボールねじのねじ溝研削方法。
- ボールねじのねじ軸またはナットのねじ溝を、これらねじ軸またはナットの素材と砥石との相対回転により研削仕上げするボールねじのねじ溝研削方法であって、研削途中で上記素材と砥石の相対回転の速度を変化させることを特徴とするボールねじのねじ溝研削方法。
- 請求項4において、素材の回転速度を変化させることで、素材と砥石の相対回転の速度を変化させるボールねじのねじ溝研削方法。
- 請求項4において、砥石の回転速度を変化させることで、素材と砥石の相対回転の速度を変化させるボールねじのねじ溝研削方法。
- 請求項4ないし請求項6のいずれかにおいて、回転速度を段階的に変化させるボールねじのねじ溝研削方法。
- 請求項4ないし請求項7のいずれかにおいて、回転速度を無段階に変化させるボールねじのねじ溝研削方法。
- 請求項4ないし請求項8のいずれかにおいて、研削途中で素材と砥石の相対回転の速度を周期的に変化させるボールねじのねじ溝研削方法。
- 請求項9において、素材を回転させ、かつ相対回転の速度を異ならせる周期を、素材の1回転の周期と同じか、またはこの1回転の周期よりも短くしたボールねじのねじ溝研削方法。
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2002
- 2002-09-06 JP JP2002260842A patent/JP2004098191A/ja active Pending
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