JP2004096941A - 蓄電装置を備えたモータ駆動車両の充放電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置を過充電、過放電することなく、蓄電装置で吸収することができるようにする。
【解決手段】
モータ、発電装置間で発生する電力の位相ずれにより発生しうる蓄電装置への最大充電エネルギーE1および蓄電装置からの最大放電エネルギーE2を推定し、推定された最大充電エネルギーE1に対する最大放電エネルギーE2の比が大きくなるほど目標蓄電状態を高く設定し、蓄電装置の蓄電状態が目標蓄電状態に等しくなるように発電装置の発電電力を制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】
モータ、発電装置間で発生する電力の位相ずれにより発生しうる蓄電装置への最大充電エネルギーE1および蓄電装置からの最大放電エネルギーE2を推定し、推定された最大充電エネルギーE1に対する最大放電エネルギーE2の比が大きくなるほど目標蓄電状態を高く設定し、蓄電装置の蓄電状態が目標蓄電状態に等しくなるように発電装置の発電電力を制御する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ハイブリッド車両、燃料電池車両といったモータ駆動車両の蓄電装置の充放電制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−164402号は、ハイブリッド車両において、車両の持つ運動エネルギーや位置エネルギーに応じて蓄電装置の目標蓄電状態を変更する技術が開示されている。例えば、現在の車速が高いときには目標蓄電状態を低く設定し、逆に、低いときには目標蓄電状態を高く設定し、その後に起こりうる充放電に備えている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかし、上記従来技術では目標蓄電状態を現在車両が持つエネルギーに完全に依存しているため、車速が高いとき(運動エネルギーが高いとき)や標高が高いとき(位置エネルギーが高いとき)は蓄電状態が低く、更なる加速時にはモータと発電装置間での位相ずれがもとで生じる電力により蓄電装置が過放電となる、あるいは放電不可能となって車両の運動性能を低下させるという問題が生じうる。逆に、標高が低いとき等は蓄電状態が高くなるので、前記位相ずれによって余分となった減速時の回生電力を蓄電装置で吸収しきれず、蓄電装置が過充電となるという問題も生じうる。
【0004】
本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたもので、電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置を過充電、過放電することなく、蓄電装置で吸収することができるようにすることを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
モータ、発電装置間で発生する電力の位相ずれにより生じうる蓄電装置への最大充電エネルギーおよび蓄電装置からの最大放電エネルギーを推定し、推定された最大充電エネルギーに対する最大放電エネルギーの比が大きくなるほど蓄電装置の目標蓄電状態を高く設定し、蓄電装置の蓄電状態が目標蓄電状態に等しくなるように発電装置の発電電力を制御する。
【0006】
【作用及び効果】
本発明によれば、モータ、発電装置間で発生する電力の位相差を吸収するために生じうる蓄電装置の最大充放電エネルギーに応じて蓄電装置の目標蓄電状態が設定され、これが実現されるように発電電力が制御される。具体的には、生じうる最大充電エネルギーに対する最大放電エネルギーの比が大きくなるほど蓄電状態は高く設定される。
【0007】
蓄電状態が将来起こりうる充放電に対応した状態に設定されることで、大きな電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置が過充電、過放電となる可能性が低くなり、蓄電装置で吸収することができるようになる。また、蓄電装置で電力の位相ずれをすべて吸収することができれば駆動パワーを制限する必要もなくなり、動力性能、運転性能への影響が減少する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1は本発明に係る充放電制御装置を備えたシリーズハイブリッド車両の概略構成を示す。パワートレインはエンジン1と、エンジン1に直結されエンジン1のパワーを電力に変換する発電機2と、発電機2で変換された電力、蓄電装置6に蓄えられている電力、さらにはそれら両方の電力により駆動されるモータ3とで構成され、モータ3のトルクはファイナルギヤ4を介して駆動輪5に伝達される。
【0010】
エンジン1のトルクは統合コントローラ9から出力されるエンジントルク指令値Tsに基づき、エンジンコントローラ7が電子制御式スロットルの開度を制御することによって制御される。また、エンジン1および発電機2の回転速度は、統合コントローラ9から出力される回転速度指令値Nsと等しくなるように発電機コントローラ8により制御される。回転速度制御は指令値Nsと実回転速度Neの偏差に応じたトルク指令値を決定し、トルクがその指令値通りとなるようにベクトル制御することで行われる。またこのとき、発電機2はエンジン1のトルクを吸収し、発電を行なう。
【0011】
蓄電装置コントローラ10は、蓄電装置6の電圧、電流を電圧センサ21、電流センサ22で検出し、検出結果に基づき蓄電装置6の蓄電状態rSOCを演算して統合コントローラ9に送る(蓄電状態検出手段)。また、モータコントローラ11は、統合コントローラ9から出力されるモータトルク指令値Tsmに基づきモータ3のトルクをベクトル制御する。さらに統合コントローラ9にはアクセルペダルの操作量APSを検出するアクセル操作量センサ23と、車速VSPを検出する車速センサ24の信号が入力される。
【0012】
図2は図1の統合コントローラ9の制御ブロック図である。この制御ブロックは一定時間(例えば10msec)毎に演算結果が得られるように各ブロックが動作する。
【0013】
これによると、ブロックB1では、アクセル操作量センサ23から検出したアクセル操作量APSと車速センサ24から検出した車速VSPに基づき、車軸駆動力マップM1を参照して目標車軸駆動力Tsdを求める。
【0014】
ブロックB2では、この目標車軸駆動力Tsdをファイナルギヤ4のギヤ比Gfで除算し、モータ軸でのトルク指令値となるモータトルク指令値Tsmを演算する。モータトルク指令値Tsmはモータコントローラ11に送られ、モータコントローラ11はその値に基づきモータ3のトルクをベクトル制御する。このブロックB2とモータコントローラ11がモータ出力制御手段に相当する。
【0015】
一方、ブロックB3では、目標車軸駆動力Tsdに車速VSPから求まる車軸回転速度Nd(∝VSP)を乗じて目標駆動パワーPsdを求める。ブロックB1〜B3が目標駆動パワー演算手段に相当する。
【0016】
ブロックB4では、モータ3で生じる損失を推定し、それを目標駆動パワーPsdに加算する。モータ3の損失を推定する方法としては、あらかじめトルク、回転速度毎の損失を測定してモータ損失マップを作成しておき、ブロックB2で演算したモータトルク指令値Tsmとモータ3の実回転速度からそのマップを参照して求める方法が考えられる。また、補機の消費電力を考慮する場合は、ブロックB4で補機の消費電力を目標駆動パワーPsdに加算すればよい。補機消費電力の演算方法としては、直接補機の消費電力を検出する方法、蓄電装置6の入出力電力から発電機2、モータ3の電力を引いて演算する方法、平均消費電力や最大定格電力などの固定値を用いる方法が考えられる。
【0017】
ブロックB5では、目標駆動パワーPsdに応じて目標蓄電状態tSOCを演算し、この目標蓄電状態tSOCが実現されるよう、目標蓄電状態tSOCと蓄電装置コントローラ10で演算した蓄電装置6の蓄電状態rSOCに応じてエンジン1と発電機2の目標発電電力Pgenを演算する。
【0018】
図3はブロックB5における目標発電電力演算処理の内容を示したフローチャートである。
【0019】
これによると、まず、ステップS1では、目標駆動パワーPsd、発電機2の応答速度Rgenを読み込む。
【0020】
ステップS2では、目標駆動パワーPsd、アクセルペダルを踏み込んだ場合に得られる最大駆動パワーPmax、発電機2の応答速度Rgenに基づきアクセルペダルを踏み込んだ場合の発電機2の発電電力の時間推移を予測する。発電電力の推移は、例えば、一次遅れによって発電機2の応答遅れを近似することによって求めることができる。そして、予測された発電電力の推移とアクセルペダルを最大限踏み込んだ場合に得られる最大駆動パワーPmaxとの差から、アクセルペダルを最大限踏み込んだ場合に発生する電力の位相ずれによって不足するエネルギー、すなわち、蓄電装置6からモータ3に供給する必要があるエネルギーE1(最大放電エネルギー推定値)を演算する。
【0021】
同様にして、目標駆動パワーPsd、アクセルペダルを離した場合に得られる最小駆動パワーPmin(負値)、発電機2の応答速度Rgenに基づきアクセルペダルを離した場合の発電機2の発電電力の時間推移を予測する。そして、予測された発電電力の推移とアクセルペダルを離した場合に得られる最小駆動パワーPminとの差から、アクセルペダルを離した場合に発生する位相ずれによって余るエネルギー、すなわち、蓄電装置6に充電する必要があるエネルギーE2(最大充電エネルギー推定値)を演算する。このステップS2における処理が位相ずれ充放電エネルギー推定手段に相当する。
【0022】
ステップS3では、最大放電エネルギー推定値E1と最大充電エネルギー推定値E2の比に応じて蓄電装置6の目標蓄電状態tSOCを演算する。目標蓄電状態tSOCは、例えば、次式、
tSOC=E1/(E1+E2)×100[%]
により演算され、最大放電エネルギー推定値E1の最大充電エネルギー推定値E2に対する比が大きくなるほど目標蓄電状態tSOCが高くなるように演算される。このステップS3における処理が目標蓄電状態設定手段に相当する。
【0023】
ステップS4では、蓄電装置6の実蓄電状態rSOCを読み込み、ステップS5では、実蓄電状態rSOCが目標蓄電状態tSOCと等しくなるように蓄電装置6の目標充放電電力を算出し、これを目標駆動パワーPgenに加算することで発電機2の目標発電電力Pgenを演算する。
【0024】
図4は、目標駆動パワーPsdがPsd1のときにアクセルペダルが踏み込まれた場合と離された場合の発電電力の推移を示したものである。最大駆動パワーPmaxと発電電力の差がアクセルペダルが最大限踏み込まれた場合に発生する位相ずれによって不足する電力で、蓄電装置6から放電される電力である。また、最小駆動パワーPminと発電電力の差がアクセルペダルが離された場合に発生する位相ずれによって余る電力で、蓄電装置6に充電される電力である。
【0025】
駆動パワーの推移線と発電電力の推移線によって囲まれた領域(図中斜線領域)の面積が、電力の位相ずれによって生じうる放電エネルギーの最大値(最大放電エネルギー推定値)E1、放電エネルギーの最大値(最大充電エネルギー推定値)E2となる。目標蓄電状態tSOCはこれらの比に応じて設定され、例えば、E1:E2=6:4であれば目標蓄電状態tSOCは60%、E1:E2=8:2であれば目標蓄電状態tSOCは80%に設定される。
【0026】
なお、上記演算を車両運転時に繰り返すとすると統合コントローラ9の演算負荷が大きくなるので、好ましくは、予め各目標駆動パワー(最小駆動パワー〜最大駆動パワー)について最大放電エネルギー推定値E1の最大充電エネルギー推定値E2を求めて目標蓄電状態を求めておき、図5に示すような目標駆動パワーと目標蓄電状態との関係を規定するテーブルを作成して統合コントローラ9内のメモリに格納しておき、運転中は目標駆動パワーPsdに基づきこれを参照することで目標蓄電状態tSOCを演算するようにする。
【0027】
また、ここでは発電機2の応答速度が、発電電力が増加する場合と減少する場合とで等しいとして最大充放電エネルギーE1、E2を推定しているが、発電電力が増加する場合と減少する場合とで応答速度が異なる場合はこれを考慮して最大充放電エネルギーE1、E2を推定するようにしてもよい。
【0028】
図6は、発電機2の応答速度が、発電電力が増加する場合の応答速度(発電電力増加側応答速度)よりも発電電力が減少する場合の応答速度(発電電力減少側応答速度)が速い場合を示している。この場合、アクセルペダルを離した場合、発電電力は速やかに駆動パワーに近づき、発電電力が減少するので、駆動パワーと発電電力の位相差による余分なエネルギーは先の場合と比べて縮小する。最大充電エネルギー推定値E2’に対する最大放電エネルギー推定値E1’の比が大きくなる結果、図7に示すように、同じ目標駆動パワーPsd1であっても設定される目標蓄電状態tSOC’は大きくなる。
【0029】
また、ここでは最大放電エネルギー推定値E1と最大充電エネルギー放電値E2との比に応じて目標蓄電状態tSOCを設定しているが、これに代えて、電力の位相ずれによって生じうる放電電力の最大値(最大放電電力推定値)P1と生じうる充電電力の最大値(最大充電電力推定値)P2との比に応じて目標蓄電状態tSOCを設定するようにしてもよい。最大放電電力推定値P1は、図8に示すように、目標駆動パワーPsd1とアクセルペダルが踏み込まれた場合の最大駆動パワーPmaxとの差となり、最大充電電力推定値P2は目標駆動パワーPsd1とアクセルペダルが離された場合の最小駆動パワーPminの差となる。最大駆動パワーPmax、最小駆動パワーPminが既知であれば、最大放電電力推定値P1、最大充電電力推定値P2は目標駆動パワーPsd1から容易に演算することができるので、この演算方法によれば、より簡単な処理で目標蓄電状態tSOCを設定し、目標発電電力Pgenを設定することが可能となる。
【0030】
なお、最大充放電電力P1、P2に応じて目標蓄電状態tSOCを設定する場合であっても、発電機2の応答速度が、発電電力が増加する場合と減少する場合で異なるということを考慮するようにしてもよく、応答速度の違いを考慮する場合には設定された目標蓄電状態tSOCを応答速度の違いに応じて補正するようにする。例えば、図6に示したように、発電電力が増加する場合の応答速度よりも発電電力が減少する場合の応答速度が速い場合は、設定された蓄電状態tSOCを大側に補正すればよい。
【0031】
再び図2に戻り説明を続けると、ブロックB5で目標発電電力Pgenを決定したら、ブロックB6で発電機2で発電を行なう場合に生じる損失を推定し、これを目標発電電力Pgenに加算して目標エンジン出力Pseを求める。発電機2の損失を推定する方法は、ブロックB5で演算した目標発電電力Pgenをエンジン1と発電機2で発電する際の最も燃費のよい動作点における発電機2の損失を予め求めておきテーブルにしておく方法や、あらかじめ発電電力、回転速度毎の損失を測定して発電モータ損失マップを作成しておき、そのマップを参照して求める方法などが考えられる。
【0032】
ブロックB7で目標エンジン出力Pseをエンジン回転速度Neで除算し、エンジントルク指令値Tsを求める。なおエンジン回転速度Neの代わりにブロックB7で算出する発電機回転速度指令値Nsを用いてもよい。エンジントルク指令値Tsはエンジンコントローラ7に送られ、エンジンコントローラ7はその値に基づきエンジン1のスロット開度を制御してトルクを制御する。
【0033】
ブロックB8では最良燃費線テーブルT1を参照し、目標発電電力Pgenを出力するエンジン1の動作点で最も燃費のよい回転速度となる最良燃費回転速度を求め、それを発電機回転速度指令値Nsとする。回転速度指令値Nsは発電機コントローラ8に送られ、発電機コントローラ8は、エンジン1、発電機2の回転速度がその値と等しくなるように発電機2で回転速度制御を行なう。回転速度制御では指令値Nsと実回転速度Neの偏差に応じたトルク指令値を決定し、トルクがその指令値通りとなるようにベクトル制御を行なう。なおブロックB6〜B8とエンジン1とエンジンコントローラ7、発電機2と発電機コントローラ8が発電装置制御手段に相当する。
【0034】
次に、上記制御を行うことによる全体的な作用について説明する。
【0035】
上記充放電制御装置を備えた車両においては、発電装置2、モータ3間で発生する電力の位相ずれは蓄電装置6で吸収される。このとき、電力の位相ずれを吸収するために生じうる蓄電装置6の最大充放電エネルギーE1、E2が推定され、最大充放電エネルギー推定値E1、E2に応じて蓄電装置6の目標蓄電状態tSOCが設定され、これが実現されるように発電電力が制御される。上記実施形態では、電力の位相ずれによって生じうる最大放電エネルギーE1の最大充電エネルギーE2に対する比が大きくなるほど目標蓄電状態tSOCが高く設定され、逆の場合には、目標蓄電状態tSOCが低く設定される。
【0036】
蓄電装置の蓄電状態が将来起こりうる充放電に対応した状態となる結果、アクセルペダルが大きく踏み込まれる、あるいは離されることによって、発電機2とモータ3との間で大きな電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置6で吸収することができ、蓄電装置6を過充電、過放電する可能性が低くなる。また、蓄電装置6で電力の位相ずれをすべて吸収することができれば位相ずれを抑えるために駆動パワーを制限する必要もなくなるので、動力性能、運転性能への影響が減少する。
【0037】
また、最大充放電エネルギーE1、E2の推定は目標駆動パワーPsdに基づき行われる。最大充放電エネルギーE1、E2が現在の駆動パワーに応じて決まることから、目標駆動パワーPsdに基づき推定するようにすればこれらを正確に推定することができる。さらに、発電機2の応答速度が発電電力増大側と発電電力減少側で異なるときは、これを考慮して最大充放電エネルギーE1、E2を推定するようにすれば、さらに推定精度が向上し、蓄電装置6が過充電、過放電となる可能性がさらに低くなる。
【0038】
なお、最大充放電エネルギーE1、E2ではなく、発電機2とモータ3との間の電力の位相ずれによって生じうる最大放電電力P1と最大充電電力P2を求め、これらの比に応じて目標蓄電状態tSOCを設定するようにしても同様の制御が可能であり、この方法によれば制御内容を簡略化し、統合コントローラ9の負荷を下げることができる。
【0039】
以上本発明の実施の形態を、発電装置としてエンジン1と発電機2を備えた構成として説明したが、本発明は、他の方式の発電装置、例えば、発電装置として燃料電池を備えた燃料電池車両に対しても同様に適用することができ、蓄電装置を過充電、過放電の防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る充放電制御装置を備えたシリーズハイブリッド車両の概略構成図である。
【図2】統合コントローラの制御ブロック図である。
【図3】目標発電電力演算処理の内容を示したフローチャートである。
【図4】目標蓄電状態の設定処理を説明するための図であり、目標蓄電状態を最大放電エネルギー推定値と最大充電エネルギー推定値との比に応じて設定する場合を示している。
【図5】目標駆動パワーと目標蓄電状態の関係を規定したテーブルの一例である。
【図6】目標蓄電状態の設定処理を説明するための図であり、発電機の応答性が、発電電力が増加する場合よりも減少する場合の方が速い場合を示している。
【図7】目標駆動パワーと目標蓄電状態の関係を規定したテーブルの一例である。
【図8】同じく目標蓄電状態の設定処理を説明するための図であり、目標蓄電状態を最大放電電力推定値と最大充電電力推定値との比に応じて設定する場合を示している。
【符号の説明】
1 エンジン
2 発電機
3 モータ
4 ファイナルギヤ
5 駆動輪
6 蓄電装置
7−11 コントローラ
21 電圧センサ
22 電流センサ
23 アクセル操作量センサ
24 車速センサ
【産業上の利用分野】
本発明は、ハイブリッド車両、燃料電池車両といったモータ駆動車両の蓄電装置の充放電制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−164402号は、ハイブリッド車両において、車両の持つ運動エネルギーや位置エネルギーに応じて蓄電装置の目標蓄電状態を変更する技術が開示されている。例えば、現在の車速が高いときには目標蓄電状態を低く設定し、逆に、低いときには目標蓄電状態を高く設定し、その後に起こりうる充放電に備えている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかし、上記従来技術では目標蓄電状態を現在車両が持つエネルギーに完全に依存しているため、車速が高いとき(運動エネルギーが高いとき)や標高が高いとき(位置エネルギーが高いとき)は蓄電状態が低く、更なる加速時にはモータと発電装置間での位相ずれがもとで生じる電力により蓄電装置が過放電となる、あるいは放電不可能となって車両の運動性能を低下させるという問題が生じうる。逆に、標高が低いとき等は蓄電状態が高くなるので、前記位相ずれによって余分となった減速時の回生電力を蓄電装置で吸収しきれず、蓄電装置が過充電となるという問題も生じうる。
【0004】
本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたもので、電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置を過充電、過放電することなく、蓄電装置で吸収することができるようにすることを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
モータ、発電装置間で発生する電力の位相ずれにより生じうる蓄電装置への最大充電エネルギーおよび蓄電装置からの最大放電エネルギーを推定し、推定された最大充電エネルギーに対する最大放電エネルギーの比が大きくなるほど蓄電装置の目標蓄電状態を高く設定し、蓄電装置の蓄電状態が目標蓄電状態に等しくなるように発電装置の発電電力を制御する。
【0006】
【作用及び効果】
本発明によれば、モータ、発電装置間で発生する電力の位相差を吸収するために生じうる蓄電装置の最大充放電エネルギーに応じて蓄電装置の目標蓄電状態が設定され、これが実現されるように発電電力が制御される。具体的には、生じうる最大充電エネルギーに対する最大放電エネルギーの比が大きくなるほど蓄電状態は高く設定される。
【0007】
蓄電状態が将来起こりうる充放電に対応した状態に設定されることで、大きな電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置が過充電、過放電となる可能性が低くなり、蓄電装置で吸収することができるようになる。また、蓄電装置で電力の位相ずれをすべて吸収することができれば駆動パワーを制限する必要もなくなり、動力性能、運転性能への影響が減少する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1は本発明に係る充放電制御装置を備えたシリーズハイブリッド車両の概略構成を示す。パワートレインはエンジン1と、エンジン1に直結されエンジン1のパワーを電力に変換する発電機2と、発電機2で変換された電力、蓄電装置6に蓄えられている電力、さらにはそれら両方の電力により駆動されるモータ3とで構成され、モータ3のトルクはファイナルギヤ4を介して駆動輪5に伝達される。
【0010】
エンジン1のトルクは統合コントローラ9から出力されるエンジントルク指令値Tsに基づき、エンジンコントローラ7が電子制御式スロットルの開度を制御することによって制御される。また、エンジン1および発電機2の回転速度は、統合コントローラ9から出力される回転速度指令値Nsと等しくなるように発電機コントローラ8により制御される。回転速度制御は指令値Nsと実回転速度Neの偏差に応じたトルク指令値を決定し、トルクがその指令値通りとなるようにベクトル制御することで行われる。またこのとき、発電機2はエンジン1のトルクを吸収し、発電を行なう。
【0011】
蓄電装置コントローラ10は、蓄電装置6の電圧、電流を電圧センサ21、電流センサ22で検出し、検出結果に基づき蓄電装置6の蓄電状態rSOCを演算して統合コントローラ9に送る(蓄電状態検出手段)。また、モータコントローラ11は、統合コントローラ9から出力されるモータトルク指令値Tsmに基づきモータ3のトルクをベクトル制御する。さらに統合コントローラ9にはアクセルペダルの操作量APSを検出するアクセル操作量センサ23と、車速VSPを検出する車速センサ24の信号が入力される。
【0012】
図2は図1の統合コントローラ9の制御ブロック図である。この制御ブロックは一定時間(例えば10msec)毎に演算結果が得られるように各ブロックが動作する。
【0013】
これによると、ブロックB1では、アクセル操作量センサ23から検出したアクセル操作量APSと車速センサ24から検出した車速VSPに基づき、車軸駆動力マップM1を参照して目標車軸駆動力Tsdを求める。
【0014】
ブロックB2では、この目標車軸駆動力Tsdをファイナルギヤ4のギヤ比Gfで除算し、モータ軸でのトルク指令値となるモータトルク指令値Tsmを演算する。モータトルク指令値Tsmはモータコントローラ11に送られ、モータコントローラ11はその値に基づきモータ3のトルクをベクトル制御する。このブロックB2とモータコントローラ11がモータ出力制御手段に相当する。
【0015】
一方、ブロックB3では、目標車軸駆動力Tsdに車速VSPから求まる車軸回転速度Nd(∝VSP)を乗じて目標駆動パワーPsdを求める。ブロックB1〜B3が目標駆動パワー演算手段に相当する。
【0016】
ブロックB4では、モータ3で生じる損失を推定し、それを目標駆動パワーPsdに加算する。モータ3の損失を推定する方法としては、あらかじめトルク、回転速度毎の損失を測定してモータ損失マップを作成しておき、ブロックB2で演算したモータトルク指令値Tsmとモータ3の実回転速度からそのマップを参照して求める方法が考えられる。また、補機の消費電力を考慮する場合は、ブロックB4で補機の消費電力を目標駆動パワーPsdに加算すればよい。補機消費電力の演算方法としては、直接補機の消費電力を検出する方法、蓄電装置6の入出力電力から発電機2、モータ3の電力を引いて演算する方法、平均消費電力や最大定格電力などの固定値を用いる方法が考えられる。
【0017】
ブロックB5では、目標駆動パワーPsdに応じて目標蓄電状態tSOCを演算し、この目標蓄電状態tSOCが実現されるよう、目標蓄電状態tSOCと蓄電装置コントローラ10で演算した蓄電装置6の蓄電状態rSOCに応じてエンジン1と発電機2の目標発電電力Pgenを演算する。
【0018】
図3はブロックB5における目標発電電力演算処理の内容を示したフローチャートである。
【0019】
これによると、まず、ステップS1では、目標駆動パワーPsd、発電機2の応答速度Rgenを読み込む。
【0020】
ステップS2では、目標駆動パワーPsd、アクセルペダルを踏み込んだ場合に得られる最大駆動パワーPmax、発電機2の応答速度Rgenに基づきアクセルペダルを踏み込んだ場合の発電機2の発電電力の時間推移を予測する。発電電力の推移は、例えば、一次遅れによって発電機2の応答遅れを近似することによって求めることができる。そして、予測された発電電力の推移とアクセルペダルを最大限踏み込んだ場合に得られる最大駆動パワーPmaxとの差から、アクセルペダルを最大限踏み込んだ場合に発生する電力の位相ずれによって不足するエネルギー、すなわち、蓄電装置6からモータ3に供給する必要があるエネルギーE1(最大放電エネルギー推定値)を演算する。
【0021】
同様にして、目標駆動パワーPsd、アクセルペダルを離した場合に得られる最小駆動パワーPmin(負値)、発電機2の応答速度Rgenに基づきアクセルペダルを離した場合の発電機2の発電電力の時間推移を予測する。そして、予測された発電電力の推移とアクセルペダルを離した場合に得られる最小駆動パワーPminとの差から、アクセルペダルを離した場合に発生する位相ずれによって余るエネルギー、すなわち、蓄電装置6に充電する必要があるエネルギーE2(最大充電エネルギー推定値)を演算する。このステップS2における処理が位相ずれ充放電エネルギー推定手段に相当する。
【0022】
ステップS3では、最大放電エネルギー推定値E1と最大充電エネルギー推定値E2の比に応じて蓄電装置6の目標蓄電状態tSOCを演算する。目標蓄電状態tSOCは、例えば、次式、
tSOC=E1/(E1+E2)×100[%]
により演算され、最大放電エネルギー推定値E1の最大充電エネルギー推定値E2に対する比が大きくなるほど目標蓄電状態tSOCが高くなるように演算される。このステップS3における処理が目標蓄電状態設定手段に相当する。
【0023】
ステップS4では、蓄電装置6の実蓄電状態rSOCを読み込み、ステップS5では、実蓄電状態rSOCが目標蓄電状態tSOCと等しくなるように蓄電装置6の目標充放電電力を算出し、これを目標駆動パワーPgenに加算することで発電機2の目標発電電力Pgenを演算する。
【0024】
図4は、目標駆動パワーPsdがPsd1のときにアクセルペダルが踏み込まれた場合と離された場合の発電電力の推移を示したものである。最大駆動パワーPmaxと発電電力の差がアクセルペダルが最大限踏み込まれた場合に発生する位相ずれによって不足する電力で、蓄電装置6から放電される電力である。また、最小駆動パワーPminと発電電力の差がアクセルペダルが離された場合に発生する位相ずれによって余る電力で、蓄電装置6に充電される電力である。
【0025】
駆動パワーの推移線と発電電力の推移線によって囲まれた領域(図中斜線領域)の面積が、電力の位相ずれによって生じうる放電エネルギーの最大値(最大放電エネルギー推定値)E1、放電エネルギーの最大値(最大充電エネルギー推定値)E2となる。目標蓄電状態tSOCはこれらの比に応じて設定され、例えば、E1:E2=6:4であれば目標蓄電状態tSOCは60%、E1:E2=8:2であれば目標蓄電状態tSOCは80%に設定される。
【0026】
なお、上記演算を車両運転時に繰り返すとすると統合コントローラ9の演算負荷が大きくなるので、好ましくは、予め各目標駆動パワー(最小駆動パワー〜最大駆動パワー)について最大放電エネルギー推定値E1の最大充電エネルギー推定値E2を求めて目標蓄電状態を求めておき、図5に示すような目標駆動パワーと目標蓄電状態との関係を規定するテーブルを作成して統合コントローラ9内のメモリに格納しておき、運転中は目標駆動パワーPsdに基づきこれを参照することで目標蓄電状態tSOCを演算するようにする。
【0027】
また、ここでは発電機2の応答速度が、発電電力が増加する場合と減少する場合とで等しいとして最大充放電エネルギーE1、E2を推定しているが、発電電力が増加する場合と減少する場合とで応答速度が異なる場合はこれを考慮して最大充放電エネルギーE1、E2を推定するようにしてもよい。
【0028】
図6は、発電機2の応答速度が、発電電力が増加する場合の応答速度(発電電力増加側応答速度)よりも発電電力が減少する場合の応答速度(発電電力減少側応答速度)が速い場合を示している。この場合、アクセルペダルを離した場合、発電電力は速やかに駆動パワーに近づき、発電電力が減少するので、駆動パワーと発電電力の位相差による余分なエネルギーは先の場合と比べて縮小する。最大充電エネルギー推定値E2’に対する最大放電エネルギー推定値E1’の比が大きくなる結果、図7に示すように、同じ目標駆動パワーPsd1であっても設定される目標蓄電状態tSOC’は大きくなる。
【0029】
また、ここでは最大放電エネルギー推定値E1と最大充電エネルギー放電値E2との比に応じて目標蓄電状態tSOCを設定しているが、これに代えて、電力の位相ずれによって生じうる放電電力の最大値(最大放電電力推定値)P1と生じうる充電電力の最大値(最大充電電力推定値)P2との比に応じて目標蓄電状態tSOCを設定するようにしてもよい。最大放電電力推定値P1は、図8に示すように、目標駆動パワーPsd1とアクセルペダルが踏み込まれた場合の最大駆動パワーPmaxとの差となり、最大充電電力推定値P2は目標駆動パワーPsd1とアクセルペダルが離された場合の最小駆動パワーPminの差となる。最大駆動パワーPmax、最小駆動パワーPminが既知であれば、最大放電電力推定値P1、最大充電電力推定値P2は目標駆動パワーPsd1から容易に演算することができるので、この演算方法によれば、より簡単な処理で目標蓄電状態tSOCを設定し、目標発電電力Pgenを設定することが可能となる。
【0030】
なお、最大充放電電力P1、P2に応じて目標蓄電状態tSOCを設定する場合であっても、発電機2の応答速度が、発電電力が増加する場合と減少する場合で異なるということを考慮するようにしてもよく、応答速度の違いを考慮する場合には設定された目標蓄電状態tSOCを応答速度の違いに応じて補正するようにする。例えば、図6に示したように、発電電力が増加する場合の応答速度よりも発電電力が減少する場合の応答速度が速い場合は、設定された蓄電状態tSOCを大側に補正すればよい。
【0031】
再び図2に戻り説明を続けると、ブロックB5で目標発電電力Pgenを決定したら、ブロックB6で発電機2で発電を行なう場合に生じる損失を推定し、これを目標発電電力Pgenに加算して目標エンジン出力Pseを求める。発電機2の損失を推定する方法は、ブロックB5で演算した目標発電電力Pgenをエンジン1と発電機2で発電する際の最も燃費のよい動作点における発電機2の損失を予め求めておきテーブルにしておく方法や、あらかじめ発電電力、回転速度毎の損失を測定して発電モータ損失マップを作成しておき、そのマップを参照して求める方法などが考えられる。
【0032】
ブロックB7で目標エンジン出力Pseをエンジン回転速度Neで除算し、エンジントルク指令値Tsを求める。なおエンジン回転速度Neの代わりにブロックB7で算出する発電機回転速度指令値Nsを用いてもよい。エンジントルク指令値Tsはエンジンコントローラ7に送られ、エンジンコントローラ7はその値に基づきエンジン1のスロット開度を制御してトルクを制御する。
【0033】
ブロックB8では最良燃費線テーブルT1を参照し、目標発電電力Pgenを出力するエンジン1の動作点で最も燃費のよい回転速度となる最良燃費回転速度を求め、それを発電機回転速度指令値Nsとする。回転速度指令値Nsは発電機コントローラ8に送られ、発電機コントローラ8は、エンジン1、発電機2の回転速度がその値と等しくなるように発電機2で回転速度制御を行なう。回転速度制御では指令値Nsと実回転速度Neの偏差に応じたトルク指令値を決定し、トルクがその指令値通りとなるようにベクトル制御を行なう。なおブロックB6〜B8とエンジン1とエンジンコントローラ7、発電機2と発電機コントローラ8が発電装置制御手段に相当する。
【0034】
次に、上記制御を行うことによる全体的な作用について説明する。
【0035】
上記充放電制御装置を備えた車両においては、発電装置2、モータ3間で発生する電力の位相ずれは蓄電装置6で吸収される。このとき、電力の位相ずれを吸収するために生じうる蓄電装置6の最大充放電エネルギーE1、E2が推定され、最大充放電エネルギー推定値E1、E2に応じて蓄電装置6の目標蓄電状態tSOCが設定され、これが実現されるように発電電力が制御される。上記実施形態では、電力の位相ずれによって生じうる最大放電エネルギーE1の最大充電エネルギーE2に対する比が大きくなるほど目標蓄電状態tSOCが高く設定され、逆の場合には、目標蓄電状態tSOCが低く設定される。
【0036】
蓄電装置の蓄電状態が将来起こりうる充放電に対応した状態となる結果、アクセルペダルが大きく踏み込まれる、あるいは離されることによって、発電機2とモータ3との間で大きな電力の位相ずれが発生しても、蓄電装置6で吸収することができ、蓄電装置6を過充電、過放電する可能性が低くなる。また、蓄電装置6で電力の位相ずれをすべて吸収することができれば位相ずれを抑えるために駆動パワーを制限する必要もなくなるので、動力性能、運転性能への影響が減少する。
【0037】
また、最大充放電エネルギーE1、E2の推定は目標駆動パワーPsdに基づき行われる。最大充放電エネルギーE1、E2が現在の駆動パワーに応じて決まることから、目標駆動パワーPsdに基づき推定するようにすればこれらを正確に推定することができる。さらに、発電機2の応答速度が発電電力増大側と発電電力減少側で異なるときは、これを考慮して最大充放電エネルギーE1、E2を推定するようにすれば、さらに推定精度が向上し、蓄電装置6が過充電、過放電となる可能性がさらに低くなる。
【0038】
なお、最大充放電エネルギーE1、E2ではなく、発電機2とモータ3との間の電力の位相ずれによって生じうる最大放電電力P1と最大充電電力P2を求め、これらの比に応じて目標蓄電状態tSOCを設定するようにしても同様の制御が可能であり、この方法によれば制御内容を簡略化し、統合コントローラ9の負荷を下げることができる。
【0039】
以上本発明の実施の形態を、発電装置としてエンジン1と発電機2を備えた構成として説明したが、本発明は、他の方式の発電装置、例えば、発電装置として燃料電池を備えた燃料電池車両に対しても同様に適用することができ、蓄電装置を過充電、過放電の防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る充放電制御装置を備えたシリーズハイブリッド車両の概略構成図である。
【図2】統合コントローラの制御ブロック図である。
【図3】目標発電電力演算処理の内容を示したフローチャートである。
【図4】目標蓄電状態の設定処理を説明するための図であり、目標蓄電状態を最大放電エネルギー推定値と最大充電エネルギー推定値との比に応じて設定する場合を示している。
【図5】目標駆動パワーと目標蓄電状態の関係を規定したテーブルの一例である。
【図6】目標蓄電状態の設定処理を説明するための図であり、発電機の応答性が、発電電力が増加する場合よりも減少する場合の方が速い場合を示している。
【図7】目標駆動パワーと目標蓄電状態の関係を規定したテーブルの一例である。
【図8】同じく目標蓄電状態の設定処理を説明するための図であり、目標蓄電状態を最大放電電力推定値と最大充電電力推定値との比に応じて設定する場合を示している。
【符号の説明】
1 エンジン
2 発電機
3 モータ
4 ファイナルギヤ
5 駆動輪
6 蓄電装置
7−11 コントローラ
21 電圧センサ
22 電流センサ
23 アクセル操作量センサ
24 車速センサ
Claims (6)
- 車両駆動用のモータと、前記モータに電力を供給する発電装置と、前記モータと発電装置との間で発生する電力の位相ずれを吸収する蓄電装置とを備えた車両の充放電制御装置において、
車速とアクセル操作量から目標駆動パワーを演算する目標駆動パワー演算手段と、
目標駆動パワーに応じて前記モータの出力を制御するモータ出力制御手段と、
前記蓄電装置の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、
前記位相ずれにより発生しうる前記蓄電装置への最大充電エネルギーおよび前記蓄電装置からの最大放電エネルギーを推定する位相ずれ充放電エネルギー推定手段と、
推定された最大充電エネルギーに対する最大放電エネルギーの比が大きくなるほど目標蓄電状態を高く設定する目標蓄電状態設定手段と、
前記蓄電装置の蓄電状態が目標蓄電状態に等しくなるように発電装置の発電電力を制御する発電装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする充放電制御装置。 - 前記位相ずれ充放電エネルギー推定手段は、目標駆動パワーに基づき最大充電エネルギーおよび最大放電エネルギーを推定することを特徴とする請求項1に記載の充放電制御装置。
- 前記位相ずれ充放電エネルギー推定手段は、前記発電装置の発電量増大側応答速度と発電量減少側応答速度とに基づき最大充電エネルギーおよび最大放電エネルギーを推定することを特徴とする請求項1または2に記載の充放電制御装置。
- 車両駆動用のモータと、前記モータに電力を供給する発電装置と、前記モータと発電装置との間で発生する電力の位相ずれを吸収する蓄電装置とを備えた車両の充放電制御装置において、
車速とアクセル操作量から目標駆動パワーを演算する目標駆動パワー演算手段と、
目標駆動パワーに応じて前記モータの出力を制御するモータ出力制御手段と、
前記蓄電装置の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、
前記位相ずれにより発生しうる前記蓄電装置への最大充電電力および前記蓄電装置からの最大放電電力を推定する位相ずれ充放電電力推定手段と、
推定された最大充電電力に対する最大放電電力の比が大きくなるほど前記目標蓄電状態を高く設定する目標蓄電状態設定手段と、
前記蓄電装置の蓄電状態が目標蓄電状態に等しくなるように前記発電装置の発電電力を制御する発電装置制御手段と、
を備えたことを特徴とする充放電制御装置。 - 前記位相ずれ充放電電力推定手段は、目標駆動パワーに基づき最大充電電力および最大放電電力を推定することを特徴とする請求項4に記載の充放電制御装置。
- 目標蓄電状態設定手段は、前記発電装置の発電量増大側応答速度と発電量減少側応答速度の違いに応じて前記目標蓄電状態を補正することを特徴とする請求項4または5に記載の充放電制御装置。
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JP2008049818A (ja) * | 2006-08-24 | 2008-03-06 | Mazda Motor Corp | ハイブリッド車両の制御装置 |
JP2014220860A (ja) * | 2013-05-01 | 2014-11-20 | 三菱電機株式会社 | 発電制御装置および発電制御方法 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257517A patent/JP2004096941A/ja active Pending
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