JP2004096163A - 水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記の目的を達成する為に本発明は、圧電振動子と半導体部品の間に板状の誘電体が挟み込まれた構造とし、また圧電振動子と半導体部品の間に挟み込まれる板状の誘電体の半導体側の面に金属膜がコーティングされ、また先の圧電振動子と半導体部品の間に挟み込まれる板状の誘電体の半導体側の面にコーティングされた金属膜が接地された構造により目的を達成する。
【選択図】 図１
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水晶デバイスに属し、主として通信分野の伝送系装置に使用される１００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動をする小型高周波振動子と半導体部品を収納した水晶発振器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の水晶素板薄板の振動部とその周囲を囲う水晶素板厚板の補強部とが一体に成った周波数 １００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動をして、電極と支持部のあいだに導電性接着剤が充填されてこの支持部で支持される圧電振動子と半導体部品を収納して構成される図３に示すような水晶発振器においては起動時に内部に収納された半導体部分から生じる発熱により同じ空間内に搭載される水晶振動子にこの熱が伝播して水晶発振器の発振周波数がドリフトするという問題があった。
【０００３】
一方最近の傾向では通信分野の伝送系装置等を中核としてそれらの高周波化に伴い搭載部品についても非常に急速な市場からの小型化や低背化、加えて軽量化や低価格化の要求がある。
【０００４】
その為、先述の圧電振動子と半導体部品を収納して構成される水晶発振器においても例えばその容器外形の寸法が７ｍｍ角程度、高さが３ｍｍ程度と容器の水晶発振器内部に搭載される水晶振動子と半導体部品との互いの距離も非常に短くなっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の振動子の振動部は高周波化に伴い１００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動出力を得るために振動部の厚みが極めて薄い薄板状であることから振動部の厚みが薄い水晶振動子への周囲の僅かな雰囲気の変化や、水晶発振器においては半導体部品といった同じ空間内に搭載される他部品の発熱の影響を受けるという問題があった。
【０００６】
また、先述の内部に収納された半導体部分から生じる発熱により同じ空間内に搭載される水晶振動子にこの熱が伝播して起動時に水晶発振器の発振周波数出力がドリフトするという問題があった。
【０００７】
本発明は、以上のような技術的背景のもとでなされたものであり、従がってその目的は、蓋によって密閉構造を持つ容器に水晶素板薄板の振動部とその周囲を囲う水晶素板厚板の補強部とが一体に成った周波数 １００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動をして、電極と支持部のあいだに導電性接着剤が充填されて先の支持部で支持される圧電振動子と半導体部品を収納して構成される水晶発振器において、起動時から安定した発振周波数の出力が得られる水晶発振器を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は蓋によって密閉構造を持つ容器に水晶素板薄板の振動部とその周囲を囲う水晶素板厚板の補強部とが一体に成った周波数 １００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動をして電極と支持部のあいだに導電性接着剤が充填されて該支持部で支持される圧電振動子と半導体部品を収納して構成される水晶発振器において、先の圧電振動子と半導体部品の間に板状の誘電体が挟み込まれたことを特徴とする。
【０００９】
また、先の圧電振動子と半導体部品の間に挟み込まれる板状の誘電体の半導体側の面に金属膜がコーティングされたことを特徴とする。
【００１０】
また、先の圧電振動子と半導体部品の間に挟み込まれる板状の誘電体の半導体側の面にコーティングされた金属膜が接地されていることを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の一形態について説明する。
なお、各図においての同一の符号は同じ対象を示すものとする。
【００１２】
図１は、本発明を用いる実施の一形態に係る水晶発振器の概略の側面断面図である。図１のように、蓋１によって密閉構造を持つ容器２に水晶素板薄板の振動部３とその周囲を囲う水晶素板厚板の補強部４とが一体に成った周波数 １００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動をして、電極５と支持部６のあいだに導電性接着剤７が充填され支持部６で支持される圧電振動子８と半導体部品９を収納して構成される水晶発振器１０で圧電振動子８と半導体部品９の間に板状の誘電体１１が挟み込まれた構造と成っている。
【００１３】
図１において圧電振動子８と半導体部品９を収納して構成される水晶発振器１０において、例えばその容器外形の寸法が７ｍｍ角程度、高さが３ｍｍ程度といったように容器２の水晶発振器１０の内部に搭載される圧電振動子８と半導体部品９との相互の間隔が非常に短いため、熱源である半導体部品９からの発熱の影響を回避する為に圧電振動子８と半導体部品９の間に板状の誘電体１１を挟み込み半導体部品９から発生した熱を圧電振動子８に伝えない構造としている。板状の誘電体１１の材質にはその上部に搭載する圧電振動子８と同じ材質であり、熱伝導の悪い水晶板を用いるのが熱膨張の影響を考慮しても良好な特性が得られる。
【００１４】
また、圧電振動子８と半導体部品９の間に設けられる板状の誘電体１１の半導体側の面１２には熱伝導の良い金属膜１３がコーティングされ、かつ金属膜１３は発振器の内部で接地した構造とする。
【００１５】
熱源である半導体部品９側の面１２に熱伝導の良い金属膜１３をコーティングしてかつ発振器１０の内部で接地した構造とすることにより、半導体部品９から発生した熱を逃して圧電振動子８に伝えない構造とする。接地された金属膜１３に伝播した熱は容器内部の接続を経て容器２の接地されている金属の蓋１、及び図には無いが外部接続の為に設けられた接地端子を通じて容器２の外部に逃がされるため熱が容器２の内部に残留することはない。
【００１６】
また、板状の誘電体１１の半導体側の面１２に金属膜１３がコーティングされることにより接地されている金属の蓋１と併せて圧電振動子８を電磁的にシールドする構造となる。
【００１７】
図２は本発明を用いる水晶発振器から蓋を外して上方からみた概略の上面図である。この図にもあるように熱源である半導体部品９からの発熱の影響を回避する為に圧電振動子８と半導体部品９の間には板状の誘電体１１が挟み込まれ半導体部品９から発生した熱は圧電振動子８に伝わらない構造と成っている。
【００１８】
【発明の効果】
本発明により、半導体から生じる発熱の影響を水晶振動子に与えず安定した、かつ良好な起動特性を得ることが出来る。
【００１９】
また、本発明により、良好な電磁的シールドの構造を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を用いる水晶発振器の概略の側面断面図である。
【図２】本発明を用いる水晶発振器を蓋を外して上方からみた概略の上面図である。
【図３】従来の水晶発振器の概略の側面図である。
【符号の説明】
１ 蓋
２ 容器
３ 水晶素板薄板の振動部
４ 水晶素板厚板の補強部
５ 電極
６ 支持部
７ 導電性接着剤
８ 圧電振動子
９ 半導体部品
１０ 水晶発振器
１１ 板状の誘電体
１２ 半導体側の面
１３ 金属膜
Claims (3)
- 蓋によって密閉構造を持つ容器に水晶素板薄板の振動部とその周囲を囲う水晶素板厚板の補強部とが一体に成った周波数 １００ＭＨｚ以上のＡＴカットの基本波厚み滑り振動をし、電極と支持部のあいだに導電性接着剤が充填されて該支持部で支持される圧電振動子と半導体部品を収納して構成される水晶発振器において、該圧電振動子と該半導体部品の間に板状の誘電体が挟み込まれたことを特徴とする水晶発振器。
- 請求項１に記載の該圧電振動子と該半導体部品の間に挟み込まれる板状の該誘電体の該半導体側の面に金属膜がコーティングされたことを特徴とする水晶発振器。
- 請求項１に記載の該圧電振動子と該半導体部品の間に挟み込まれる板状の該誘電体の該半導体側の面にコーティングされた該金属膜が接地されていることを特徴とする水晶発振器。
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