JP2004095726A - 液膜形成方法、または液膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】螺旋塗布装置1は、回転する被処理基板10に対してその上を径方向に移動する薬液供給ノズル8から薬液を吐出し、被処理基板10上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板10上に液膜を形成する。被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側に、径方向の中心側6xが薄くて径方向の外周側6yが厚い断面形状となるようなテーパ面6zを形成し、薬液供給ノズル8から薬液を吐出する塗布開始位置を、被処理基板10の径方向の中心側10aに設定し、薬液の塗布終了位置を被処理基板10の径方向の外周側10bに設定する。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理基板に対して薬液を螺旋状の軌跡を描くように塗布して成膜を行う液膜形成方法及び液膜形成装置に関し、更に詳細には、被処理基板上に形成された液膜の均一化を図ることができる液膜形成方法及び液膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス製造におけるリソグラフィ工程では、被処理基板の表面に薬液を塗布する液膜形成方法にスピンコート法が採用されていた。しかし、この方法ではウェハ表面から薬液が多く飛散してしまうために無駄が多く、そうして排出された薬液による環境への影響もあった。また、方形の基板や12インチ以上の大きい円形基板の場合には、基板の外周部で乱気流が生じて膜厚が不均一になるという問題があった。
そこで従来から、膜厚を均一にしたり、使用する薬液の量を少なくするための方法として、特開2000−288450号公報や特開2000−350955号公報などで、回転する被処理基板に対して薬液供給ノズルを径方向へ移動させる間に薬液を吐出し、その被処理基板に対して薬液を螺旋状の軌跡を描くようにして塗布する液膜形成方法が採用されている。
【0003】
そして当該公報には、その液膜形成を行うに際して、被処理基板上を移動する際、薬液供給ノズルからのレジスト液の吐出、その吐出の際の薬液供給速度、薬液供給ノズルの移動、その移動速度、基板の回転、およびその回転速度を適宜制御することが記載されている。
すなわち特開2000−288450号公報の方法では、例えば薬液供給ノズルからの薬液の吐出に関し、薬液供給ノズルを基板上で移動している際、薬液の吐出を連続し、または薬液供給ノズルの基板上の位置に応じて薬液の吐出を中断して、膜厚の均一化やレジスト使用量の削減を図るようにしている。そして、特開2000−350955号公報の方法では、薬液供給ノズルが移動する間に薬液供給量を漸次多くして基板の中央部と周辺部との間で単位面積あたりの薬液塗布量を等量にして均一な膜を形成するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、薬液を被処理基板に塗布すると、塗布した直後から薬液の乾燥が始まるため、被処理基板上の最初に塗布した場所と、最後に塗布した場所とでは、薬液の乾燥度の違いが生じ、この乾燥度の違いにより、均一な液膜を形成することができない問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するべく、被処理基板上の最初に薬液を塗布した場所と、最後に薬液を塗布した場所との乾燥度の違いの発生をなるべく防止して、できるだけ均一な液膜を形成することができる優れた液膜形成方法、または液膜形成装置を提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆い、前記被処理基板の径方向の中心側より、前記薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了することを特徴とする。
【0006】
また、請求項1に係る液膜形成方法によれば、回転する被処理基板上の最初に塗布した径方向の中心側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の外周側の乾燥が最後になる場合、径方向の中心側が薄くて外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、外周側から中心側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側の上方において、溶剤の雰囲気を密にする。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の中心側と、最後に塗布した径方向の外周側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0007】
また、請求項2に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆い、前記被処理基板の径方向の外周側より、前記薬液の塗布を開始し、前記被処理基板の中心側で前記薬液の塗布を終了することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る液膜形成方法によれば、回転する被処理基板上の最初に塗布した径方向の外周側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥が最後になる場合、径方向の中心側が厚くて外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、中心側から外周側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側の上方において、溶剤の雰囲気を密にする。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の外周側と、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0009】
また、請求項3に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成装置において、前記被処理基板の上方を覆う蓋体の被処理基板側に、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を形成し、前記薬液供給部から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の中心側に設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記径方向の外周側に設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る液膜形成装置によれば、回転する被処理基板上の塗布開始位置である径方向の中心側から乾燥が始まり、塗布終了位置である径方向の外周側の乾燥が最後になる場合、径方向の中心側が薄くて外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、径方向の外周側から中心側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側の上方において、溶剤の雰囲気を密にする。これにより、被処理基板上の塗布開始位置である径方向の中心側と、塗布終了位置である径方向の外周側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0011】
また、請求項4に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成装置において、前記被処理基板の上方を覆う蓋体の被処理基板側に、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を形成し、前記薬液供給部から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の外周側に設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記被処理基板の中心側に設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る液膜形成装置によれば、回転する被処理基板上の塗布開始位置である径方向の外周側から乾燥が始まり、塗布終了位置である径方向の中心側の乾燥が最後になる場合、径方向の中心側が厚くて外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、径方向の中心側から外周側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側の上方において、溶剤の雰囲気を密にする。これにより、被処理基板上の塗布開始位置である径方向の外周側と、塗布終了位置である径方向の中心側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0013】
また、請求項5に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記被処理基板の径方向の中心側より、前記薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了する場合、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る液膜形成方法によれば、回転する被処理基板上の最初に塗布した径方向の中心側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の外周側の乾燥が最後になる場合、径方向の中心側が薄くて外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させると、径方向の外周側から中心側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側の上方において、溶剤の雰囲気を密にする。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の中心側と、最後に塗布した径方向の外周側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0015】
また、請求項6に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記被処理基板の径方向の外周側より、前記薬液の塗布を開始し、前記被処理基板の中心側で前記薬液の塗布を終了する場合、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に係る液膜形成方法によれば、回転する被処理基板上の最初に塗布した径方向の外周側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥が最後になる場合、径方向の中心側が厚くて外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させると、径方向の中心側から外周側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側の上方において、溶剤の雰囲気を密にする。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の外周側と、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥度の違いの発生をなるべく防止して、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液膜形成方法、または液膜形成装置につき具体化した実施形態に基づいて図面参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施の形態の液膜形成装置を示す模式図である。
【0018】
螺旋塗布装置1の装置本体2の底面側には、回転駆動モータを備える回転駆動部3が配置され、回転駆動部3から上方に突き出る回転軸3aの嵌合凹部3bに回転テーブル4の下方に突き出る嵌合凸部4aがはめ込まれている。回転テーブル4の上面には、多孔質からなる円盤状の吸着プレート5が設けられている。吸着プレート5の下方には、吸引用管部5aが嵌合凸部4a及び回転軸3aを上下方向に貫通するように設けられ、回転軸3aを覆う処理容器支持部Qを水平方向に貫通する吸引用管部Q1が吸引用管部5aと連結するので、吸引用管部Q1及び吸引用管部5aを介して吸引装置(図示せず)が、吸着プレート5はその上に載置された被処理基板10を真空吸着して固定する。そのため、被処理基板10を回転軸3aに対してセンタリングした後、被処理基板10を吸着プレート5を介して吸引する回転テーブル4は、回転駆動部3の回転出力によって所定の回転速度で回転するように構成されている。
【0019】
処理容器支持部Q上には、被処理基板10の形状に沿った空間を有する処理容器6が支持され、処理容器6は回転テーブル4及びその上の被処理基板10を包み込むような形状になっている。そして、その処理容器6の蓋体6aには、その上から被処理基板10に対して薬液を落とすためのスリット6sが径方向に形成されている。スリット6sは、回転テーブル4の中心、すなわち載置された被処理基板の中心から液膜の最外径となる位置まで直線状に切り欠かれている。
【0020】
装置本体2内には、被処理基板10へ薬液を塗布するための薬液供給部としての薬液供給ノズル8が移動可能に設けられており、この薬液供給ノズル8は、被処理基板10の径方向に沿ったスリット6s上を移動できるように処理容器6上に構成されている。具体的には、スライドレール11とノズル移動モータ12に連結された回転軸13とが並設されており、スライドレール11を摺動して直線往復運動するため、薬液供給ノズル8と回転軸13との間には、ノズル移動モータ12の回転力を薬液供給ノズル8の直線運動に変えるボールネジや磁気ネジが構成されている。
【0021】
薬液供給ノズル8は、薬液を収容した薬液タンク15に対し、薬液供給ポンプ16を介してチューブ17a、17bによって接続されている。この薬液供給ポンプ16は、空気圧供給弁18からの空気圧によってポンプ室25上に設けられたダイヤフラム21を動作させることによって、薬液タンク15から薬液供給ノズル8へと薬液を所定の圧力で供給するようにしたものである。薬液供給ポンプ16には、薬液の吐出圧力を検出する圧力センサ22が内蔵されており、ポンプ室25の入力側及び出力側には、ポンプ室25に薬液を蓄えて所定圧で供給するための、薬液供給遮断弁23と薬液排出遮断弁24とがそれぞれ設けられている。このような構成により、薬液供給ノズル8から、安定した噴流の薬液が被処理基板10に対して吐出されることになる。
【0022】
螺旋塗布装置1は、被処理基板10の回転数、薬液供給ノズル8の移動速度、そして薬液供給ノズル8からの薬液供給速度(薬液の吐出圧力)をパラメータとして、これらを同時に制御するように構成されており、回転駆動部3に対しては回転用コントローラ31が、ノズル移動モータ12に対してはノズル移動用コントローラ32が、また空気圧供給弁18と圧力センサ22にはポンプ用コントローラ33がそれぞれ接続されている。そして、薬液が被処理基板上に供給される間、被処理基板10の回転数、薬液供給ノズル8の駆動速度、及び薬液供給ノズル8からの薬液供給速度が各コントローラ31、32、33により管理されるが、更にこれらにはメインコントローラ30が接続され統括管理できるように構成されている。
【0023】
螺旋塗布装置1の場合、薬液供給ノズル8から吐出される微細噴流の薬液を、回転する被処理基板10に対して螺旋状に塗布するいわゆる螺旋塗布を実行する。そのため、回転駆動部3によって回転テーブル4に回転が与えられ、螺旋塗布の実行時には、吸着プレート5に保持された被処理基板10は、回転駆動部3の出力に応じた所定の回転速度で回転する。また、薬液タンク15内の薬液が薬液供給ポンプ16によって薬液供給ノズル8へ圧送され、所定の供給速度の微細噴流となった薬液が、薬液供給ノズル8から直下に吐出されるので、薬液は細い流線となって途切れることなく吐出され、薬液供給ノズル8が被処理基板10に対して相対的に移動する間に、スリット6sを通って被処理基板10上に供給される。
【0024】
被処理基板10に対する薬液の供給は、その中心側から外周側に向けて、又は外周側から中心側に向けて薬液供給ノズル8が移動する際に行われる。薬液供給ノズル8の移動は、ノズル移動モータ12の駆動によって行われ、回転軸13に回転が与えられると、その回転が不図示のボールネジや磁気ネジによって薬液供給ノズル8の直線運動に変換される。そのため、薬液供給ノズル8は、スライドレール11を摺動してスリット6sの上方を、吐出口が真下になる姿勢を崩さずに移動していく。そして、薬液供給ノズル8による被処理基板10全面の塗布の終了後に、薬液供給ノズル8を被処理基板10以外に退避させ、薬液の吐出を終了するが、被処理基板10上の液膜を均一にするため、塗布の終了後に更に回転を継続することにより、レベリング処理を行う。
【0025】
図2は、螺旋塗布のイメージ図であるが、液膜形成時には、回転する被処理基板10に対して径方向に移動する薬液供給ノズル8から薬液が吐出されると、被処理基板10上には、図示するように微細噴流の薬液が流線になって渦巻き状に順次供給されていく。そして渦巻き状に供給された薬液は広がって隣接する薬液同士が結合し、被処理基板10上には一つの液膜が形成される。
図3は、処理容器6内の構成及び回転駆動部3等を拡大して示す断面図である。被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側には、前記径方向の中心側6xが薄くて前記径方向の外周側6yが厚い断面形状となるようなテーパ面6zが形成されている。そのため、蓋体6aの径方向の中心側6xは、被処理基板10上に大きい空間(空間長さL1=5.5mm)が形成されているのに対して、蓋体6aの径方向の外周側6yは、被処理基板10上に小さい空間(空間長さL2=3.5mm)が形成されることになる。この場合、蓋体6aの径方向の中心から径方向の最外周までの距離はおよそ120mmであり、また、被処理基板10上の小さい空間(空間長さL2=3.5mm)は、被処理基板10上の大きい空間(空間長さL1=5.5mm)のおよそ6割程度となる。
【0026】
図4は、図3の場合の気流の流れ等を示すイメージ図である。蓋体6aの被処理基板10側に中心側6xから外周側6yに向かって下るテーパ面6zが形成されている場合、薬液供給ノズル8から薬液を吐出する塗布開始位置を、被処理基板10の前記径方向の中心側10aに設定し、薬液の塗布終了位置を被処理基板10の径方向の外周側10bに設定する。すると、図4に示すように、被処理基板10上から揮発する薬液には、外周側10bから中心側10aへ向かう気流K1が生じるために、被処理基板10上の径方向の中心側10aの上方において、溶剤の雰囲気の密の部分K2を形成することになる。その結果、被処理基板10上の最初に塗布した径方向の中心側10aと、最後に塗布した径方向の外周側10bとの乾燥度の時間的な違いの発生をなるべく防止でき、特に径方向の中心側10aにおいて、被処理基板10上の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0027】
ここで被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側にテーパ面6zを形成しない場合、すなわち、平板状の場合を図5に示すが、図3と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。この場合、図5に示すように、蓋体6aの径方向の中心側6xから径方向の外周側6yに亘って、被処理基板10上に一定幅の空間(空間長さL3=3.5mm)が形成されることになる。その場合の被処理基板10上の空間における薬液塗布時濃度分布を、図6に示す。
図6は横軸に被処理基板10上の塗布開始位置(0mm)から塗布終了位置(最大100mm程度)までの位置を表し、縦軸に被処理基板10から上方へ向かっての距離(最大3.0mm程度)を表し、グラフは揮発した薬液の同一濃度のポイントを結んだ場合の分布を表している。薬液は有機溶剤を含み、その有機溶剤は塗布するためのものであるが、被処理基板10上に塗布されると、揮発する性質がある。
このグラフによると、薬液塗布時濃度分布には、塗布開始位置(0mm)から塗布終了位置(100mm)に向かって濃淡があり、また、被処理基板10から上方へ向かって濃淡があることが分かり、これは塗布開始位置(0mm)から乾燥が始まり、塗布終了位置(100mm)で、乾燥が最後になることを意味している。
【0028】
こうして形成された被処理基板10上の液膜は、その後、液膜中にある溶剤を乾燥除去する乾燥除去工程が行われるが、その乾燥除去工程によって、液膜の膜厚は薄くなる。ここで、乾燥除去工程後の液膜の膜厚の状態を、図7及び図8に示す。図7は、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aが平板状の場合の塗布開始位置(0mm)から塗布終了位置(100mm)までの位置と被処理基板10上の膜厚との関係を示す。それに対し、図8は、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側にテーパ面6zを形成する場合の塗布開始位置(0mm)から塗布終了位置(100mm)までの位置と被処理基板10上の膜厚との関係を示す。
それによると、図7は、膜厚4000オングストロームを基準として上下に大きく振れがあるのに対して、図8は、膜厚4000オングストロームを基準として上下の振れが少ない。これは、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aが平板状の場合(図7参照)、膜厚4000オングストロームを基準として上下に大きく振れて、膜厚が均一でないのに対して、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側にテーパ面6zを形成する場合(図8参照)、膜厚4000オングストロームを基準として上下の振れが少なく、図7の場合に比べて、膜厚が均一であることを意味する。
【0029】
このような結果は、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側にテーパ面6zを形成するので、被処理基板10上から揮発する薬液には、径方向の外周側10bから中心側10aへ向かう気流K1が生じるために(図4参照)、被処理基板10上の径方向の中心側10aの上方において、溶剤の雰囲気の密の部分K2が形成され、特に径方向の中心側10aにおいて、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができると推察できるのに対して、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側にテーパ面6zを形成しない平板の場合、このような現象が生じないと推察できる。
薬液供給ノズル8から薬液を吐出して薬液を被処理基板10に塗布した後、被処理基板10の上方を蓋体6aで覆った状態で、被処理基板10を更に一定時間回転させ続け、蓋体6aを開けた状態で一定時間だけ回転数を変化させるレベリングを行う。その後、被処理基板10を、図9に示す乾燥室H1内に移してベイクして乾燥させるが、ベイクにより有機溶剤が抜けることになる。図9は、乾燥室H1内を示すイメージ図である。
【0030】
乾燥室H1は、図9に示すように、底面部にヒ−タH2を備える密閉空間となっており、ヒ−タH2と被処理基板10とが直接に接触しないように、ヒ−タH2上に断熱支持材H3が設けられ、断熱支持材H3上に被処理基板10が支持されている。その被処理基板10の下側には、溶剤雰囲気が回り込まない程度の空間(高さ5mm程度)が設けられている。この場合、被処理基板10の径方向の中心側より薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了するので、乾燥室H1は、径方向の中心側6xが薄くて径方向の外周側6yが厚い断面形状となるようなテーパ面6zを被処理基板側10に形成した蓋体6aでもって前記被処理基板10の上方を覆って乾燥させる。
このような蓋体6aでもって、前記被処理基板10の上方を覆って乾燥させると、径方向の外周側10bから中心側10aへ向かう気流K1が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側10aの上方において、溶剤の雰囲気が密になる部分K2が形成される。そして、被処理基板10の上方の溶剤雰囲気が飽和状態の場合、特に径方向の中心側において、被処理基板10上の最初に塗布した径方向の中心側10aと、最後に塗布した径方向の外周側10bとの乾燥度の違いの発生をなるべく防止して、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態によれば、回転する被処理基板10に対してその上を径方向に移動する薬液供給ノズル8から薬液を吐出し、被処理基板10上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板10上に液膜を形成する螺旋塗布装置1において、被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側に、径方向の中心側6xが薄くて前記径方向の外周側6yが厚い断面形状となるようなテーパ面6zを形成し、前記薬液供給ノズル8から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記被処理基板10の前記径方向の中心側10aに設定し、薬液の塗布終了位置を前記被処理基板10の径方向の外周側10bに設定するので、塗布開始位置である径方向の中心側10aから乾燥が始まり、塗布終了位置である径方向の外周側10bの乾燥が最後になる場合、前記蓋体6aでもって、前記被処理基板10の上方を覆って乾燥させると、外周側10bから中心側10aへ向かう気流K1が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側10aの上方において、溶剤の雰囲気に密の部分K2が形成される。これにより、被処理基板10上の塗布開始位置である径方向の中心側10aと、塗布終了位置である径方向の外周側10bとの乾燥度の時間的な違いの発生をなるべく防止でき、被処理基板10上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、レベリングにより薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0032】
次に、他の実施の形態について、図10乃至図12を参照して説明する。
図10は、他の実施の形態の液膜形成装置の要部を拡大して示す断面図であり、図11は、図10の場合の気流の流れ等を示すイメージ図であり、図12は、乾燥室内を示すイメージ図である。図10乃至図12に示す部材については、図3、図4及び図9に示す部材と同一の部材についてはそれぞれ同一の符号を付して詳細な説明を省略する。被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側には、径方向の中心側6xが厚くて前記径方向の外周側6yが薄い断面形状となるようなテーパ面6wが形成されている。そのため、蓋体6aの径方向の中心側6xは、被処理基板10上に小さい空間(空間長さL4=1.5mm)が形成されているのに対して、蓋体6aの径方向の外周側6yは、被処理基板10上に大きい空間(空間長さL5=3.5mm)が形成されることになる。
【0033】
このように蓋体6aの被処理基板10側に径方向の外周側6yから中心側6xに向かって下るテーパ面6wが形成されている場合、薬液供給ノズル8から薬液を吐出する塗布開始位置を、前記被処理基板10の前記径方向の外周側10bに設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記被処理基板10の径方向の中心側10aに設定すると、図11に示すように、被処理基板10上から揮発する薬液には、中心側10aから外周側10bへ向かう気流K3が生じるために、被処理基板10上の径方向の外周側10bの上方において、溶剤の雰囲気の密の部分K4を形成する。
【0034】
このように径方向の外周側10bの上方における溶剤の雰囲気の密の部分K4が形成されると、被処理基板10上の塗布開始位置である径方向の外周側10bと、塗布終了位置である径方向の中心側10aとの乾燥度の時間的な違いの発生をなるべく防止できる。そのため、特に径方向の外周側10bにおいて、被処理基板10上の薬液の流動性を確保して、レベリングにより薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができると推察される。
【0035】
また、薬液供給ノズル8から薬液を吐出して薬液を塗布した後、被処理基板10を、図12に示す乾燥室H1内に移してベイクして乾燥させる。乾燥室H1は、底面部にヒ−タH2を備える密閉空間となっており、ヒ−タH2上に断熱支持材H3が設けられ、断熱支持材H3上に被処理基板10が支持されている。この場合、被処理基板10の径方向の外周側10bより、薬液の塗布を開始し、被処理基板10の中心側10aで薬液の塗布を終了するので、乾燥室H1は、径方向の中心側6xが厚くて径方向の外周側6yが薄い断面形状となるようなテーパ面6wを被処理基板10側に形成した蓋体6aでもって被処理基板10の上方を覆って乾燥させる。
このようなテーパ面6wを備える蓋体6aでもって、前記被処理基板10の上方を覆って乾燥させると、径方向の中心側10aから外周側10bへ向かう気流K3が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側10bの上方において、溶剤の雰囲気が密になる部分K4が形成される。これにより、被処理基板10上の塗布開始位置である径方向の外周側10bと、塗布終了位置である径方向の中心側10aとの乾燥度の時間的な違いの発生をなるべく防止できる。そして、特に径方向の外周側10bにおいて、被処理基板10上の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0036】
以上説明したように、他の実施の形態によれば、回転する被処理基板10に対してその上を径方向に移動する薬液供給ノズル8から薬液を吐出し、被処理基板10上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板10上に液膜を形成する螺旋塗布装置1において、前記被処理基板10の上方を覆う蓋体6aの被処理基板10側に、前記径方向の中心側6xが厚くて前記径方向の外周側6yが薄い断面形状となるようなテーパ面6wを形成し、前記薬液供給ノズル8から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の外周側10bに設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記被処理基板10の中心側10aに設定する。それにより、回転する被処理基板10上の塗布開始位置である径方向の外周側10bから乾燥が始まり、塗布終了位置である径方向の中心側10aの乾燥が最後になる場合、径方向の中心側6xが厚くて外周側6yが薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板10側に形成した蓋体6aでもって、前記被処理基板10の上方を覆うと、中心側10aから外周側10bへ向かう気流K3が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側10bの上方において、溶剤の雰囲気に密の部分K4が形成される。これにより、被処理基板10上の塗布開始位置である径方向の外周側10bと、塗布終了位置である径方向の中心側10aとの乾燥度の時間的な違いの発生をなるべく防止できる。そして、特に径方向の外周側10bにおいて、被処理基板10上の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0037】
尚、径方向の中心側6xが厚くて前記径方向の外周側6yが薄い断面形状となるようなテーパ面6wを形成した蓋体6aと、径方向の中心側6xが薄くて前記径方向の外周側6yが厚い断面形状となるようなテーパ面6zを形成した蓋体6aとは、被処理基板10側のテーパ面が異なるにすぎず、その他同一形状であるので、必要に応じて蓋体6aを取り替えることができる。それにより、塗布開始位置を被処理基板10の径方向の中心側10aに設定するとともに、薬液の塗布終了位置を被処理基板10の径方向の外周側10bに設定した場合、乾燥工程において、径方向の中心側6xが薄くて前記径方向の外周側6yが厚い断面形状となるようなテーパ面6zを形成した蓋体6aを使用するのに対して、塗布開始位置を被処理基板10の径方向の外周側10bに設定するとともに、薬液の塗布終了位置を被処理基板10の径方向の中心側10aに設定した場合、乾燥工程において、径方向の中心側6xが厚くて前記径方向の外周側6yが薄い断面形状となるようなテーパ面6wを形成した蓋体6aを使用することができる。
尚、本発明の実施の形態は上述した例に限らず、様々な形態に応用が可能である。例えば、実施の形態では半導体製造装置で製造される半導体ウエハ等の被処理基板に適用したが、別の被処理基板などにも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した通り、請求項1に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆い、前記被処理基板の径方向の中心側より、前記薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了するので、最初に塗布した径方向の中心側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の外周側の乾燥が最後になる場合、前記蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、外周側から中心側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側の上方において、溶剤の雰囲気が密になる。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の中心側と、最後に塗布した径方向の外周側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止できる。そして、特に径方向の中心側において、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0039】
また、請求項2に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆い、前記被処理基板の径方向の外周側より、前記薬液の塗布を開始し、前記被処理基板の中心側で前記薬液の塗布を終了するので、最初に塗布した径方向の外周側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥が最後になる場合、前記蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、径方向の中心側から外周側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側の上方において、溶剤の雰囲気が密になる。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の外周側と、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥度の違いの発生をなるべく防止できる。そして、特に径方向の外周側において、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0040】
また、請求項3に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成装置において、前記被処理基板の上方を覆う蓋体の被処理基板側に、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を形成し、前記薬液供給部から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の中心側に設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記径方向の外周側に設定するので、塗布開始位置である径方向の中心側から乾燥が始まり、塗布終了位置である径方向の外周側の乾燥が最後になる場合、前記蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、外周側から中心側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側の上方において、溶剤の雰囲気が密になる。これにより、被処理基板上の塗布開始位置である径方向の中心側と、塗布終了位置である径方向の外周側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止できる。そして、特に径方向の中心側において、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0041】
また、請求項4に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成装置において、前記被処理基板の上方を覆う蓋体の被処理基板側に、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を形成し、前記薬液供給部から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の外周側に設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記被処理基板の中心側に設定するので、塗布開始位置である径方向の外周側から乾燥が始まり、塗布終了位置である径方向の中心側の乾燥が最後になる場合、前記蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆うと、径方向の中心側から外周側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側の上方において、溶剤の雰囲気が密になる。これにより、被処理基板上の塗布開始位置である径方向の外周側と、塗布終了位置である径方向の中心側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止できる。そして、特に径方向の外周側において、被処理基板上の最初に塗布した部分の薬液の流動性を確保して、薬液中の固形分を分散させることができるので、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0042】
また、請求項5に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記被処理基板の径方向の中心側より、前記薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了する場合、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させるので、最初に塗布した径方向の中心側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の外周側の乾燥が最後になり、前記蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆って乾燥させると、径方向の外周側から中心側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の中心側の上方において、溶剤の雰囲気が密になる。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の中心側と、最後に塗布した径方向の外周側との乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【0043】
また、請求項6に係る発明によれば、回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、前記被処理基板の径方向の外周側より、前記薬液の塗布を開始し、前記被処理基板の中心側で前記薬液の塗布を終了する場合、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させるので、最初に塗布した径方向の外周側から乾燥が始まり、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥が最後になり、前記蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆って乾燥させると、径方向の中心側から外周側へ向かう気流が生じるために、塗布開始位置である径方向の外周側の上方において、溶剤の雰囲気が密になる。これにより、被処理基板上の最初に塗布した径方向の外周側と、最後に塗布した径方向の中心側の乾燥度の違いの発生をなるべく防止でき、できるだけ均一な液膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の液膜形成装置全体を示す模式図である。
【図2】螺旋塗布のイメージ図である。
【図3】本実施の形態の液膜形成装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】図3の場合の気流の流れ等を示すイメージ図である。
【図5】比較のために示す一般的な液膜形成装置要部を拡大断面図である。
【図6】図5の場合の薬液塗布時濃度分布を示す図である。
【図7】図5の装置で形成された膜厚と位置との関係を示すグラフ図である。
【図8】図3の装置で形成された膜厚と位置との関係を示すグラフ図である。
【図9】乾燥室を示すイメージ図である。
【図10】他の実施の形態の液膜形成装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図11】図10の場合の気流の流れ等を示すイメージ図である。
【図12】乾燥室を示すイメージ図である。
【符号の説明】
1 螺旋塗布装置(液膜形成装置)
2 装置本体
3 回転駆動部
4 回転テーブル
6 処理容器
6s スリット
6a 蓋体
6x 蓋体の径方向の中心側
6y 蓋体の径方向の外周側
6z テーパ面
6w テーパ面
8 薬液供給ノズル(薬液供給部)
10 被処理基板
10a 径方向の中心側
10b 径方向の外周側
K1 気流
K2 溶剤雰囲気の密の部分
K3 気流
K4 溶剤雰囲気の密の部分
Claims (6)
- 回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、
前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆い、
前記被処理基板の径方向の中心側より、前記薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了することを特徴とする液膜形成方法。 - 回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、
前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって前記被処理基板の上方を覆い、
前記被処理基板の径方向の外周側より、前記薬液の塗布を開始し、前記被処理基板の中心側で前記薬液の塗布を終了することを特徴とする液膜形成方法。 - 回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成装置において、
前記被処理基板の上方を覆う蓋体の被処理基板側に、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を形成し、
前記薬液供給部から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の中心側に設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記径方向の外周側に設定することを特徴とする液膜形成装置。 - 回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成装置において、
前記被処理基板の上方を覆う蓋体の被処理基板側に、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を形成し、
前記薬液供給部から前記薬液を吐出する塗布開始位置を、前記径方向の外周側に設定し、前記薬液の塗布終了位置を前記被処理基板の中心側に設定することを特徴とする液膜形成装置。 - 回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、
前記被処理基板の径方向の中心側より、前記薬液の塗布を開始し、前記径方向の外周側で前記薬液の塗布を終了する場合、前記径方向の中心側が薄くて前記径方向の外周側が厚い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させることを特徴とする液膜形成方法。 - 回転する被処理基板に対してその上を径方向に移動する薬液供給部から薬液を吐出し、被処理基板上に螺旋状の軌跡を描いて薬液を塗布することにより、被処理基板上に液膜を形成する液膜形成方法において、
前記被処理基板の径方向の外周側より、前記薬液の塗布を開始し、前記被処理基板の中心側で前記薬液の塗布を終了する場合、前記径方向の中心側が厚くて前記径方向の外周側が薄い断面形状となるようなテーパ面を被処理基板側に形成した蓋体でもって、前記被処理基板の上方を覆って乾燥させることを特徴とする液膜形成方法。
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