JP2004095623A - レジストパターン形成方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法ならびに半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体基板上の所望領域のレジストパターンを、寸法精度を精度良く制御する。
【解決手段】半導体基板1上に形成されたレジスト膜3をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターン3aに真空雰囲気にて電子ビーム5を照射し、レジストパターン3aの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物3bを形成して枠付けする。これにより、寸法補正された枠付けレジストパターン3cを得ることができるので、リソグラフィーの限界を超えて、容易に制御性良く寸法補正できる。また、電子ビーム5が、レジストパターン3aに照射されたことにより発生した2次電子4から算出された寸法情報を、寸法補正制御に使用できる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板1上に形成されたレジスト膜3をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターン3aに真空雰囲気にて電子ビーム5を照射し、レジストパターン3aの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物3bを形成して枠付けする。これにより、寸法補正された枠付けレジストパターン3cを得ることができるので、リソグラフィーの限界を超えて、容易に制御性良く寸法補正できる。また、電子ビーム5が、レジストパターン3aに照射されたことにより発生した2次電子4から算出された寸法情報を、寸法補正制御に使用できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子等を製造する時に用いられるマスク、パターニング、およびプロセス技術で、露光光源として、波長450nm以下の紫外線、X線、荷電ビーム、特にG線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Arfエキシマレーザ(193nm)、電子ビーム、X線、VUV光、EUV光を用いるリソグラフィー工程で用いられるマスク、パターニング、及びプロセス技術であるレジストパターン形成方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法ならびに半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置における一般的なパターン形成方法を以下に説明する。まず、半導体基板上の全面に、パターン形成したい被加工膜を成膜し、その上の全面にフォトレジスト膜を塗布する。次に、公知のフォトリソグラフィー技術により、フォトレジスト膜をパターニングし、このレジストパターンをマスクとして、下地の被加工膜をエッチング加工し、その後レジストパターンを除去する。これにより、半導体基板上に被加工膜のパターンが得られる。
【0003】
このような方法における微細パターンの形成では、厳密に寸法制御されたレジストパターンを形成することが重要であるが、レジストパターンの寸法制御に影響を与える要因としては、下地膜の反射率のばらつきを主とするロット間差とマスクの寸法加工精度を主とするマスク間差、レジスト材料の感度性能と主とするレジストバッチ間差等があり、それを露光ドーズ量のみで補正制御する公知の手法では、今以上の寸法精度の厳格化要求には応えられないものがあった。
【0004】
しかも、測長検査工程はパターニング工程の後にあるため、測長検査結果が不合格の場合、再生するしか仕方が無く、再生率との兼合いで寸法精度の厳格化要求には応えられないものがあった。
【0005】
上記の問題点を改善するために利用できる方法として、特開平11−193978号公報に記載される従来のレジストパターンの形成方法を以下に示す。
【0006】
リソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、有機ガス雰囲気中で電子ビームを照射し、レジストパターンの膜表面に上記有機ガス成分による0.2μm程度の厚みの堆積物を、形成して枠付けすることにより、該レジストパターン寸法を変更するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
まず、この発明は、リソグラフィーの限界を超えた微細パターンの形成を主目的においており、0.01μmという薄い枠付けによる寸法制御を全く念頭においていない。
【0008】
しかも、このような従来のレジストパターンの形成方式は、有機ガス雰囲気での電子ビーム照射による有機ガス成分の堆積であるため、電子ビームの照射された場所に、一様の膜厚の有機堆積物が形成されてしまう。
【0009】
つまり、本来レジストパターンの枠付けを意図しても、該抜きパターンの底辺部にも同時に有機堆積物が形成されてしまい、下地の被加工膜のエッチング加工がしにくい問題があった。
【0010】
また、真空雰囲気ではなく有機ガス雰囲気下を想定しており、寸法情報を得られる程の質の良い2次電子ビームを確保できないため、寸法測長と堆積物枠付けを平行してできず、おのずと寸法制御性能にも限界があった。
【0011】
付け加えて、この方法では、パターニング形成工程の後に、寸法測定工程、枠付け工程、寸法測定工程と3ステップの工程が必要となるため、処理時間と費用が大きくなる問題があった。
【0012】
したがって、この発明の目的は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、半導体基板上の所望領域のレジストパターンを、露光ドーズ量補正の限界を超えて、容易に寸法精度良く補正制御できるものであり、寸法測定と寸法補正を平行して実施することで、再生を出さずにコストを抑え、寸法精度を精度良く制御できるレジストパターン形成方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法ならびに半導体製造装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載のレジストパターン形成方法は、半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、前記レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けする。
【0014】
このように、半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けするので、寸法補正された枠付けレジストパターンを得ることができ、リソグラフィーの限界を超えて、容易に制御性良く寸法補正できる。しかも、乖離成分からなる堆積物はレジストパターン近傍にしか存在しないため、枠付けの過程で、抜きパターンの底辺部に堆積物が生成されることがなく、ドライエッチング工程に負荷をかけることもない。
【0015】
請求項2記載のレジストパターン形成方法は、請求項1記載のレジストパターン形成方法において、電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、前記寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施する。
【0016】
このように、電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施するので、真空雰囲気下においては寸法情報を得られる程の質の良い2次電子ビームを確保できることにより、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用することができる。このため、寸法測定と堆積物枠付けを平行してできるため、測長検査工程がパターニング工程の後にあると、測長検査結果が不合格の場合、再生するしか仕方がなかったが、再生することなく、精度良く寸法補正できる。
【0017】
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、前記レジストパターンを除去して前記被加工膜をパターン形成する。
【0018】
このように、請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、レジストパターンを除去して被加工膜をパターン形成するので、レジストパターンの枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物が被加工膜のエッチングに対し耐性を有することにより、制御性良く被加工膜をパターニングできる。また、枠付けレジストパターンを用いることにより、被加工膜パターンも、リソグラフィーの限界を超えて、寸法精度を厳格に補正制御することができる。
【0019】
請求項4記載の半導体製造装置は、処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、前記処理室内で被処理基板を載置するステージと、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを前記被処理基板表面の所定の照射領域に照射して前記被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、前記レジスト膜に前記電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、前記2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して前記電子ビーム発生手段および前記走査手段を制御する制御回路とを備えた。
【0020】
このように、処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、処理室内で被処理基板を載置するステージと、電子ビーム発生手段からの電子ビームを被処理基板表面の所定の照射領域に照射して被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、レジスト膜に電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して電子ビーム発生手段および走査手段を制御する制御回路とを備えたので、被処理基板の所望の場所に、容易で確実に、精度良く寸法補正されたレジストパターンの枠付けが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態によるレジストパターンの形成方法を示す断面図である。
【0022】
図1に示すように、半導体基板1上に形成されたレジスト膜3をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターン3aに真空雰囲気にて電子ビーム5を照射し、レジストパターン3aの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物3bを形成して枠付けする。
【0023】
この場合、まず、図1(a)に示すように、例えば半導体基板1上の全面に、例えばゲート配線膜等、パターン加工したい被加工膜2を全面に形成し、さらにその上の全面にレジスト膜3を約0.4〜1.0μmの膜厚で塗布する。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、公知のリソグラフィー技術によりレジスト膜3をパターニングしてレジストパターン3aを形成する。このとき、リソグラフィー工程で例えば、Krfエキシマレーザを用いて露光し、Krfエキシマレーザを使用したパターニングでの限界露光ピッチであるP=0.4μmのピッチで、L1=0.10μmのパターンを形成を目的とし、L1=0.09μmが得られたとする。
【0025】
次に真空雰囲気中で、図1(c)に示すように、レジストパターン3aに電子ビーム5を照射する。これにより、図1(d),(e)に示すように、レジストパターン3a表面のレジストが乖離し、剥離した近傍にあるレジストパターン3a表面に、該レジスト乖離成分による堆積物3bが形成されて、レジストパターン3aに約0.01μmの枠で枠付けされる。
【0026】
即ち、この枠付けレジストパターン3cは、L2=0.10μmの微細化パターンへと精度良く寸法補正されたこととなる。この時、乖離成分は、レジストパターン近傍にしか存在しないので、堆積物はレジストパターン上部もしくは側壁にのみ生成され、抜きパターン底部には生成されない。
【0027】
以上のように、公知のリソグラフィー技術により形成されたレジストパターン3aに真空雰囲気中で電子ビーム5を照射することにより、レジストパターン3aを枠付けし、リソグラフィーの限界を超えてパターンの寸法精度を精度良く補正制御できる。また、このように形成された枠付けレジストパターン3cは、半導体基板1等の被加工基板上にマスターとして形成することにより、上記被加工基板表面に精度良く寸法補正された微細パターン形成が可能となる。
【0028】
この発明の第2の実施の形態を図2および図3に基づいて説明する。図2はこの発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法を示す説明図、図3はこの発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法の別の例を示す説明図である。
【0029】
この実施の形態では、上記第1の実施の形態で形成された枠付けパターン3cのパターン形成方法について示す。すなわち、電子ビーム5をレジストパターン3cに照射することにより生成された2次電子4から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施する。
【0030】
この場合、図2に示すように、例えば、L1=0.10μmを要求されているパターンがあったとする。電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム照射加速電圧800V、電子ビーム照射スポット系1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、寸法検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL1=0.09μmの寸法データを得たとする。次に、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流1A、電子ビーム照射加速電圧1500V,電子ビーム照射スポット系2μmφ、電子ビーム照射時間60秒の条件で、チップ全面(20mm角)に、1回だけ走査照射する。
【0031】
そして、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム照射加速電圧800V、電子ビーム照射スポット系1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、寸法検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL2=0.10μmの寸法データを得る。
【0032】
また、図3に示すように、例えば、L1=0.10μmを要求されているパターンがあったとする。電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム照射加速電圧800V、電子ビーム照射スポット1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、寸法検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL1=0.09μmの寸法データを得たとする。次に、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流0.1A、電子ビーム照射加速電圧1500V,電子ビーム照射スポット系2μmφの条件で、チップ全面(20mm角)に、電子ビーム走査照射を数回にわけて実施する。
【0033】
そして、電子ビーム走査照射の合間に、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム加速電圧800V、電子ビーム照射スポット系1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL2=0.10μmの寸法データを得た時点で、電子ビーム走査照射を停止する。
【0034】
また、電子ビーム走査回数ごとに、電子ビーム照射電流に重みをつけることも可能であることは言うまでもない。
【0035】
また、電子ビーム照射電流のかわりに、電子ビーム照射スポット系を変えたり、電子ビーム走査速度を変えたり、電子ビーム照射加速電圧を変えたりすることも可能である。
【0036】
この発明の第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。図4はこの発明の第3の実施の形態の半導体装置のパターン形成方法を示す断面図である。
【0037】
この実施の形態では、上記第2の実施の形態で形成された枠付けパターン3cを用いたパターン形成方法について示す。まず、第1の実施の形態と同様に、半導体基板1上の全面に形成された被加工膜2上の全面にレジスト膜3を形成する(図1(a))。次に上記第1または2の実施の形態に示す方法を用いて、枠付けされたレジストパターン3cを形成する(図1(e))。
【0038】
次に、図4(a)に示すように、枠付けされたレジストパターン3cをマスクとして下地の上記被加工膜2を異方性エッチングし、被加工膜パターン2aを形成する。このとき、枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物3bは、被加工膜2のエッチングに対し耐性を有するため、制御性良く被加工膜2をパターニングできる。
【0039】
その後、図4(b)に示すように、レジスト膜3を除去する。枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物3bも、通常のレジスト膜3除去により同時に除去される。これにより、L2=0.10μmの微細な被加工膜パターン2aが形成される。
【0040】
このように、枠付けレジストパターン3cを用いることにより、被加工膜パターン2aも、リソグラフィーの限界を超えて、寸法精度を厳格に補正制御することができる。また、パターン寸法の厳格補正制御は、例えば、ゲートのライン寸法制御、活性層のスペース寸法制御、コンタクトホールなどのホール系寸法制御や、配線のライン・スペース寸法制御に特に有効である。
【0041】
この発明の第4の実施の形態を図5および図6に基づいて説明する。図5はこの発明の第4の実施の形態による半導体製造装置の概略構成図である。
【0042】
この実施の形態では、上記第2の実施の形態で示したレジストパターン形成におけるレジストパターン3aの枠付けを実施する半導体製造装置を示す。
【0043】
図5に示すように、この半導体製造装置は、処理室としての真空チャンバ6と、この真空チャンバ6の真空度を制御する排気手段(図示せず)と、電子ビーム発生手段としての電子銃9と、真空チャンバ6内で被処理基板8を載置するステージ7と、電子銃9からの電子ビームを被処理基板8表面の所定の照射領域に照射して被処理基板8に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段(図示せず)と、レジスト膜に電子ビーム5が照射されたことにより発生した2次電子4を計測する手段(2次電子検出器10)と、2次電子4から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して電子銃9および走査手段を制御する制御回路11とを備えている。
【0044】
次に半導体製造装置の動作について説明する。上記のように排気手段を備えた真空チャンバ6内のステージ7上に、リソグラフィー技術によりレジストパターン3aが形成された被処理基板8を載置し、次に、真空雰囲気中で、電子銃9から電子ビーム5を走査することにより、電子ビーム5が照射された領域のレジストパターン3aに、上記第1の実施の形態で示したようなレジスト乖離成分による堆積物3bが形成されて枠付けされ、パターン寸法が補正された枠付けレジストパターン3cが形成される。
【0045】
照射された電子ビーム5が照射された領域のレジストパターン3aの表面から2次電子4が発生する。その2次電子4を2次電子検出器10で検出し、制御回路11で寸法情報の抽出及び電子銃制御信号の発生を行い、電子銃9にフィードバックすることで、寸法測定しながら枠付けを実施ができるので、寸法精度を格段に向上する補正制御を実現している。
【0046】
また、図6はこの発明の第4の実施の形態の半導体製造装置によるレジストパターン形成過程を示す断面図である。図6(a)に示すように、チップ内に密なL/Sパターン領域12と、その周囲に粗な孤立ラインパターン領域13があり、密と疎のパターン共にL1,L3=0.10μmが要求されており、疎なパターンではL3=0.10μmの寸法で仕上がっているが、密のパターン12ではL1=0.09μmの寸法であったとする。P1はP(図1)と同寸法とする。
【0047】
図6(b)に示すように、真空雰囲気中での電子ビーム5の照射は、密のパターン領域12のみ行う。
【0048】
この照射領域において、図6(c)に示すように、0.01μmの枠付けが実施され、密のパターン12、疎のパターン13共にL2,L3=0.10μmの寸法を得ることができる。
【0049】
このように、電子ビーム5を走査することにより、被処理基板8表面の所望の領域のみを電子ビーム照射できるため、所望の領域のみレジストパターンの枠付けによるパターン寸法の微調整が行える。
【0050】
なお、被処理基板8表面の全領域に電子ビーム5を照射することも、もちろん可能である。
【0051】
また電子ビームを走査する代わりに、被処理基板8を載置するステージを走査しても良く、また双方の走査を行っても良い。これらにより、容易に照射領域を可変にでき、所望の領域のみへ確実に照射できる。
【0052】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載のレジストパターン形成方法によれば、半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けするので、寸法補正された枠付けレジストパターンを得ることができ、リソグラフィーの限界を超えて、容易に制御性良く寸法補正できる。しかも、乖離成分からなる堆積物はレジストパターン近傍にしか存在しないため、枠付けの過程で、抜きパターンの底辺部に堆積物が生成されることがなく、ドライエッチング工程に負荷をかけることもない。
【0053】
請求項2では、電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施するので、真空雰囲気下においては寸法情報を得られる程の質の良い2次電子ビームを確保できることにより、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用することができる。このため、寸法測定と堆積物枠付けを平行してできるため、測長検査工程がパターニング工程の後にあると、測長検査結果が不合格の場合、再生するしか仕方がなかったが、再生することなく、精度良く寸法補正できる。
【0054】
この発明の請求項3記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、レジストパターンを除去して被加工膜をパターン形成するので、レジストパターンの枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物が被加工膜のエッチングに対し耐性を有することにより、制御性良く被加工膜をパターニングできる。また、枠付けレジストパターンを用いることにより、被加工膜パターンも、リソグラフィーの限界を超えて、寸法精度を厳格に補正制御することができる。
【0055】
この発明の請求項4記載の半導体製造装置によれば、処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、処理室内で被処理基板を載置するステージと、電子ビーム発生手段からの電子ビームを被処理基板表面の所定の照射領域に照射して被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、レジスト膜に電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して電子ビーム発生手段および走査手段を制御する制御回路とを備えたので、被処理基板の所望の場所に、容易で確実に、精度良く寸法補正されたレジストパターンの枠付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるレジストパターンの形成方法を示す断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法を示す説明図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法の別の例を示す説明図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態の半導体装置のパターン形成方法を示す断面図である。
【図5】この発明の第4の実施の形態による半導体製造装置の概略構成図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態の半導体製造装置によるレジストパターン形成過程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 被加工膜
2a 被加工膜パターン
3 レジスト膜
3a レジストパターン
3b レジスト剥離成分の再堆積物
3c 枠付けレジストパターン
4 2次電子
5 電子ビーム
6 処理室としての真空チャンバ
7 ステージ
8 被処理基板
9 電子ビーム発生手段としての電子銃
10 2次電子検出器
11 制御回路
12 密なパターン
13 疎なパターン
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子等を製造する時に用いられるマスク、パターニング、およびプロセス技術で、露光光源として、波長450nm以下の紫外線、X線、荷電ビーム、特にG線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Arfエキシマレーザ(193nm)、電子ビーム、X線、VUV光、EUV光を用いるリソグラフィー工程で用いられるマスク、パターニング、及びプロセス技術であるレジストパターン形成方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法ならびに半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置における一般的なパターン形成方法を以下に説明する。まず、半導体基板上の全面に、パターン形成したい被加工膜を成膜し、その上の全面にフォトレジスト膜を塗布する。次に、公知のフォトリソグラフィー技術により、フォトレジスト膜をパターニングし、このレジストパターンをマスクとして、下地の被加工膜をエッチング加工し、その後レジストパターンを除去する。これにより、半導体基板上に被加工膜のパターンが得られる。
【0003】
このような方法における微細パターンの形成では、厳密に寸法制御されたレジストパターンを形成することが重要であるが、レジストパターンの寸法制御に影響を与える要因としては、下地膜の反射率のばらつきを主とするロット間差とマスクの寸法加工精度を主とするマスク間差、レジスト材料の感度性能と主とするレジストバッチ間差等があり、それを露光ドーズ量のみで補正制御する公知の手法では、今以上の寸法精度の厳格化要求には応えられないものがあった。
【0004】
しかも、測長検査工程はパターニング工程の後にあるため、測長検査結果が不合格の場合、再生するしか仕方が無く、再生率との兼合いで寸法精度の厳格化要求には応えられないものがあった。
【0005】
上記の問題点を改善するために利用できる方法として、特開平11−193978号公報に記載される従来のレジストパターンの形成方法を以下に示す。
【0006】
リソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、有機ガス雰囲気中で電子ビームを照射し、レジストパターンの膜表面に上記有機ガス成分による0.2μm程度の厚みの堆積物を、形成して枠付けすることにより、該レジストパターン寸法を変更するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
まず、この発明は、リソグラフィーの限界を超えた微細パターンの形成を主目的においており、0.01μmという薄い枠付けによる寸法制御を全く念頭においていない。
【0008】
しかも、このような従来のレジストパターンの形成方式は、有機ガス雰囲気での電子ビーム照射による有機ガス成分の堆積であるため、電子ビームの照射された場所に、一様の膜厚の有機堆積物が形成されてしまう。
【0009】
つまり、本来レジストパターンの枠付けを意図しても、該抜きパターンの底辺部にも同時に有機堆積物が形成されてしまい、下地の被加工膜のエッチング加工がしにくい問題があった。
【0010】
また、真空雰囲気ではなく有機ガス雰囲気下を想定しており、寸法情報を得られる程の質の良い2次電子ビームを確保できないため、寸法測長と堆積物枠付けを平行してできず、おのずと寸法制御性能にも限界があった。
【0011】
付け加えて、この方法では、パターニング形成工程の後に、寸法測定工程、枠付け工程、寸法測定工程と3ステップの工程が必要となるため、処理時間と費用が大きくなる問題があった。
【0012】
したがって、この発明の目的は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、半導体基板上の所望領域のレジストパターンを、露光ドーズ量補正の限界を超えて、容易に寸法精度良く補正制御できるものであり、寸法測定と寸法補正を平行して実施することで、再生を出さずにコストを抑え、寸法精度を精度良く制御できるレジストパターン形成方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法ならびに半導体製造装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載のレジストパターン形成方法は、半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、前記レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けする。
【0014】
このように、半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けするので、寸法補正された枠付けレジストパターンを得ることができ、リソグラフィーの限界を超えて、容易に制御性良く寸法補正できる。しかも、乖離成分からなる堆積物はレジストパターン近傍にしか存在しないため、枠付けの過程で、抜きパターンの底辺部に堆積物が生成されることがなく、ドライエッチング工程に負荷をかけることもない。
【0015】
請求項2記載のレジストパターン形成方法は、請求項1記載のレジストパターン形成方法において、電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、前記寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施する。
【0016】
このように、電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施するので、真空雰囲気下においては寸法情報を得られる程の質の良い2次電子ビームを確保できることにより、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用することができる。このため、寸法測定と堆積物枠付けを平行してできるため、測長検査工程がパターニング工程の後にあると、測長検査結果が不合格の場合、再生するしか仕方がなかったが、再生することなく、精度良く寸法補正できる。
【0017】
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、前記レジストパターンを除去して前記被加工膜をパターン形成する。
【0018】
このように、請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、レジストパターンを除去して被加工膜をパターン形成するので、レジストパターンの枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物が被加工膜のエッチングに対し耐性を有することにより、制御性良く被加工膜をパターニングできる。また、枠付けレジストパターンを用いることにより、被加工膜パターンも、リソグラフィーの限界を超えて、寸法精度を厳格に補正制御することができる。
【0019】
請求項4記載の半導体製造装置は、処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、前記処理室内で被処理基板を載置するステージと、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを前記被処理基板表面の所定の照射領域に照射して前記被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、前記レジスト膜に前記電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、前記2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して前記電子ビーム発生手段および前記走査手段を制御する制御回路とを備えた。
【0020】
このように、処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、処理室内で被処理基板を載置するステージと、電子ビーム発生手段からの電子ビームを被処理基板表面の所定の照射領域に照射して被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、レジスト膜に電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して電子ビーム発生手段および走査手段を制御する制御回路とを備えたので、被処理基板の所望の場所に、容易で確実に、精度良く寸法補正されたレジストパターンの枠付けが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態によるレジストパターンの形成方法を示す断面図である。
【0022】
図1に示すように、半導体基板1上に形成されたレジスト膜3をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターン3aに真空雰囲気にて電子ビーム5を照射し、レジストパターン3aの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物3bを形成して枠付けする。
【0023】
この場合、まず、図1(a)に示すように、例えば半導体基板1上の全面に、例えばゲート配線膜等、パターン加工したい被加工膜2を全面に形成し、さらにその上の全面にレジスト膜3を約0.4〜1.0μmの膜厚で塗布する。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、公知のリソグラフィー技術によりレジスト膜3をパターニングしてレジストパターン3aを形成する。このとき、リソグラフィー工程で例えば、Krfエキシマレーザを用いて露光し、Krfエキシマレーザを使用したパターニングでの限界露光ピッチであるP=0.4μmのピッチで、L1=0.10μmのパターンを形成を目的とし、L1=0.09μmが得られたとする。
【0025】
次に真空雰囲気中で、図1(c)に示すように、レジストパターン3aに電子ビーム5を照射する。これにより、図1(d),(e)に示すように、レジストパターン3a表面のレジストが乖離し、剥離した近傍にあるレジストパターン3a表面に、該レジスト乖離成分による堆積物3bが形成されて、レジストパターン3aに約0.01μmの枠で枠付けされる。
【0026】
即ち、この枠付けレジストパターン3cは、L2=0.10μmの微細化パターンへと精度良く寸法補正されたこととなる。この時、乖離成分は、レジストパターン近傍にしか存在しないので、堆積物はレジストパターン上部もしくは側壁にのみ生成され、抜きパターン底部には生成されない。
【0027】
以上のように、公知のリソグラフィー技術により形成されたレジストパターン3aに真空雰囲気中で電子ビーム5を照射することにより、レジストパターン3aを枠付けし、リソグラフィーの限界を超えてパターンの寸法精度を精度良く補正制御できる。また、このように形成された枠付けレジストパターン3cは、半導体基板1等の被加工基板上にマスターとして形成することにより、上記被加工基板表面に精度良く寸法補正された微細パターン形成が可能となる。
【0028】
この発明の第2の実施の形態を図2および図3に基づいて説明する。図2はこの発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法を示す説明図、図3はこの発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法の別の例を示す説明図である。
【0029】
この実施の形態では、上記第1の実施の形態で形成された枠付けパターン3cのパターン形成方法について示す。すなわち、電子ビーム5をレジストパターン3cに照射することにより生成された2次電子4から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施する。
【0030】
この場合、図2に示すように、例えば、L1=0.10μmを要求されているパターンがあったとする。電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム照射加速電圧800V、電子ビーム照射スポット系1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、寸法検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL1=0.09μmの寸法データを得たとする。次に、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流1A、電子ビーム照射加速電圧1500V,電子ビーム照射スポット系2μmφ、電子ビーム照射時間60秒の条件で、チップ全面(20mm角)に、1回だけ走査照射する。
【0031】
そして、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム照射加速電圧800V、電子ビーム照射スポット系1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、寸法検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL2=0.10μmの寸法データを得る。
【0032】
また、図3に示すように、例えば、L1=0.10μmを要求されているパターンがあったとする。電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム照射加速電圧800V、電子ビーム照射スポット1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、寸法検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL1=0.09μmの寸法データを得たとする。次に、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流0.1A、電子ビーム照射加速電圧1500V,電子ビーム照射スポット系2μmφの条件で、チップ全面(20mm角)に、電子ビーム走査照射を数回にわけて実施する。
【0033】
そして、電子ビーム走査照射の合間に、電子ビーム5を、電子ビーム照射電流2pA、電子ビーム加速電圧800V、電子ビーム照射スポット系1μmφ、電子ビーム照射時間1秒の条件で、検査パターンに照射し、発生した2次電子4からL2=0.10μmの寸法データを得た時点で、電子ビーム走査照射を停止する。
【0034】
また、電子ビーム走査回数ごとに、電子ビーム照射電流に重みをつけることも可能であることは言うまでもない。
【0035】
また、電子ビーム照射電流のかわりに、電子ビーム照射スポット系を変えたり、電子ビーム走査速度を変えたり、電子ビーム照射加速電圧を変えたりすることも可能である。
【0036】
この発明の第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。図4はこの発明の第3の実施の形態の半導体装置のパターン形成方法を示す断面図である。
【0037】
この実施の形態では、上記第2の実施の形態で形成された枠付けパターン3cを用いたパターン形成方法について示す。まず、第1の実施の形態と同様に、半導体基板1上の全面に形成された被加工膜2上の全面にレジスト膜3を形成する(図1(a))。次に上記第1または2の実施の形態に示す方法を用いて、枠付けされたレジストパターン3cを形成する(図1(e))。
【0038】
次に、図4(a)に示すように、枠付けされたレジストパターン3cをマスクとして下地の上記被加工膜2を異方性エッチングし、被加工膜パターン2aを形成する。このとき、枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物3bは、被加工膜2のエッチングに対し耐性を有するため、制御性良く被加工膜2をパターニングできる。
【0039】
その後、図4(b)に示すように、レジスト膜3を除去する。枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物3bも、通常のレジスト膜3除去により同時に除去される。これにより、L2=0.10μmの微細な被加工膜パターン2aが形成される。
【0040】
このように、枠付けレジストパターン3cを用いることにより、被加工膜パターン2aも、リソグラフィーの限界を超えて、寸法精度を厳格に補正制御することができる。また、パターン寸法の厳格補正制御は、例えば、ゲートのライン寸法制御、活性層のスペース寸法制御、コンタクトホールなどのホール系寸法制御や、配線のライン・スペース寸法制御に特に有効である。
【0041】
この発明の第4の実施の形態を図5および図6に基づいて説明する。図5はこの発明の第4の実施の形態による半導体製造装置の概略構成図である。
【0042】
この実施の形態では、上記第2の実施の形態で示したレジストパターン形成におけるレジストパターン3aの枠付けを実施する半導体製造装置を示す。
【0043】
図5に示すように、この半導体製造装置は、処理室としての真空チャンバ6と、この真空チャンバ6の真空度を制御する排気手段(図示せず)と、電子ビーム発生手段としての電子銃9と、真空チャンバ6内で被処理基板8を載置するステージ7と、電子銃9からの電子ビームを被処理基板8表面の所定の照射領域に照射して被処理基板8に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段(図示せず)と、レジスト膜に電子ビーム5が照射されたことにより発生した2次電子4を計測する手段(2次電子検出器10)と、2次電子4から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して電子銃9および走査手段を制御する制御回路11とを備えている。
【0044】
次に半導体製造装置の動作について説明する。上記のように排気手段を備えた真空チャンバ6内のステージ7上に、リソグラフィー技術によりレジストパターン3aが形成された被処理基板8を載置し、次に、真空雰囲気中で、電子銃9から電子ビーム5を走査することにより、電子ビーム5が照射された領域のレジストパターン3aに、上記第1の実施の形態で示したようなレジスト乖離成分による堆積物3bが形成されて枠付けされ、パターン寸法が補正された枠付けレジストパターン3cが形成される。
【0045】
照射された電子ビーム5が照射された領域のレジストパターン3aの表面から2次電子4が発生する。その2次電子4を2次電子検出器10で検出し、制御回路11で寸法情報の抽出及び電子銃制御信号の発生を行い、電子銃9にフィードバックすることで、寸法測定しながら枠付けを実施ができるので、寸法精度を格段に向上する補正制御を実現している。
【0046】
また、図6はこの発明の第4の実施の形態の半導体製造装置によるレジストパターン形成過程を示す断面図である。図6(a)に示すように、チップ内に密なL/Sパターン領域12と、その周囲に粗な孤立ラインパターン領域13があり、密と疎のパターン共にL1,L3=0.10μmが要求されており、疎なパターンではL3=0.10μmの寸法で仕上がっているが、密のパターン12ではL1=0.09μmの寸法であったとする。P1はP(図1)と同寸法とする。
【0047】
図6(b)に示すように、真空雰囲気中での電子ビーム5の照射は、密のパターン領域12のみ行う。
【0048】
この照射領域において、図6(c)に示すように、0.01μmの枠付けが実施され、密のパターン12、疎のパターン13共にL2,L3=0.10μmの寸法を得ることができる。
【0049】
このように、電子ビーム5を走査することにより、被処理基板8表面の所望の領域のみを電子ビーム照射できるため、所望の領域のみレジストパターンの枠付けによるパターン寸法の微調整が行える。
【0050】
なお、被処理基板8表面の全領域に電子ビーム5を照射することも、もちろん可能である。
【0051】
また電子ビームを走査する代わりに、被処理基板8を載置するステージを走査しても良く、また双方の走査を行っても良い。これらにより、容易に照射領域を可変にでき、所望の領域のみへ確実に照射できる。
【0052】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載のレジストパターン形成方法によれば、半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けするので、寸法補正された枠付けレジストパターンを得ることができ、リソグラフィーの限界を超えて、容易に制御性良く寸法補正できる。しかも、乖離成分からなる堆積物はレジストパターン近傍にしか存在しないため、枠付けの過程で、抜きパターンの底辺部に堆積物が生成されることがなく、ドライエッチング工程に負荷をかけることもない。
【0053】
請求項2では、電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施するので、真空雰囲気下においては寸法情報を得られる程の質の良い2次電子ビームを確保できることにより、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用することができる。このため、寸法測定と堆積物枠付けを平行してできるため、測長検査工程がパターニング工程の後にあると、測長検査結果が不合格の場合、再生するしか仕方がなかったが、再生することなく、精度良く寸法補正できる。
【0054】
この発明の請求項3記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、レジストパターンを除去して被加工膜をパターン形成するので、レジストパターンの枠付け層であるレジスト乖離成分による堆積物が被加工膜のエッチングに対し耐性を有することにより、制御性良く被加工膜をパターニングできる。また、枠付けレジストパターンを用いることにより、被加工膜パターンも、リソグラフィーの限界を超えて、寸法精度を厳格に補正制御することができる。
【0055】
この発明の請求項4記載の半導体製造装置によれば、処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、処理室内で被処理基板を載置するステージと、電子ビーム発生手段からの電子ビームを被処理基板表面の所定の照射領域に照射して被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、レジスト膜に電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して電子ビーム発生手段および走査手段を制御する制御回路とを備えたので、被処理基板の所望の場所に、容易で確実に、精度良く寸法補正されたレジストパターンの枠付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるレジストパターンの形成方法を示す断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法を示す説明図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態によるレジストパターン形成方法の別の例を示す説明図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態の半導体装置のパターン形成方法を示す断面図である。
【図5】この発明の第4の実施の形態による半導体製造装置の概略構成図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態の半導体製造装置によるレジストパターン形成過程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 被加工膜
2a 被加工膜パターン
3 レジスト膜
3a レジストパターン
3b レジスト剥離成分の再堆積物
3c 枠付けレジストパターン
4 2次電子
5 電子ビーム
6 処理室としての真空チャンバ
7 ステージ
8 被処理基板
9 電子ビーム発生手段としての電子銃
10 2次電子検出器
11 制御回路
12 密なパターン
13 疎なパターン
Claims (4)
- 半導体基板上に形成されたレジスト膜をリソグラフィー技術によりパターニングした後、このレジストパターンに真空雰囲気にて電子ビームを照射し、前記レジストパターンの膜表面に、電子ビーム照射によって乖離したレジスト乖離成分からなる堆積物を形成して枠付けすることを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 電子ビームをレジストパターンに照射することにより生成された2次電子から算出された寸法と、別途与えられた狙い寸法との差分を計算して寸法測定を実施し、電子ビーム照射電流、電子ビーム照射加速電圧、電子ビーム照射時間、電子ビーム照射スポット系、電子ビーム走査速度もしくはステージ走査速度、もしくはこれらの任意の組み合わせの形に変換した制御信号を電子ビーム供給源に与えて堆積物枠付けを実施する工程を含み、前記寸法測定と堆積物枠付けを同時または別々に、またはその組み合わせで実施する請求項1記載のレジストパターン形成方法。
- 請求項1または2記載のレジストパターン形成方法を用いて枠付けされたレジストパターンをマスクとして、その下地となる半導体基板上に形成された被加工膜をパターニングした後、前記レジストパターンを除去して前記被加工膜をパターン形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 処理室と、この処理室の真空度を制御する排気手段と、電子ビーム発生手段と、前記処理室内で被処理基板を載置するステージと、前記電子ビーム発生手段からの電子ビームを前記被処理基板表面の所定の照射領域に照射して前記被処理基板に形成されたレジスト膜表面に堆積物を形成する走査手段と、前記レジスト膜に前記電子ビームが照射されたことにより発生した2次電子を計測する手段と、前記2次電子から算出された寸法情報を寸法補正制御に使用して前記電子ビーム発生手段および前記走査手段を制御する制御回路とを備えた半導体製造装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7553606B2 (en) | 2006-02-21 | 2009-06-30 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Methods of forming patterns in semiconductor devices using photo resist patterns |
JP2015115524A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 大日本印刷株式会社 | インプリントモールドの製造方法 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251160A patent/JP2004095623A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7553606B2 (en) | 2006-02-21 | 2009-06-30 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Methods of forming patterns in semiconductor devices using photo resist patterns |
JP2015115524A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 大日本印刷株式会社 | インプリントモールドの製造方法 |
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