JP2004095432A - 電子レンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】光センサなどを用いることなく、回転アンテナの回転状態を判定することができる電子レンジを提供する。
【解決手段】制御装置は、昇圧トランスの一次側電圧Vin及び一次側電流Iinと、マグネトロンの陽極電流Ibに基づいて、マイクロ波を調理室2内に拡散させる回転アンテナの回転の有無を判定する。具体的には、比R=(一次側電圧Vin)×(一次側電流Iin)/(陽極電流Ib)の演算結果が所定期間において変動する度合いを、所定期間における比Rの最大値と最小値との差Dを累積的に加算した値Aが増加する値Gとして求め(ステップS4〜S11)、その増加値Gの大きさに基づいて判定を行なう(ステップS12)。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱手段によって照射されるマイクロ波を調理室内に拡散させるために回転する回転アンテナを備えてなる電子レンジに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
電子レンジは、マグネトロン等の加熱手段が発生させたマイクロ波を調理室内に導入して食品に照射し、加熱調理を行なうものである。しかし、マイクロ波を調理室内に導入すると反射波が干渉することで定在波が発生し、その腹に対応する位置に電界が集中するため食品の加熱むらが生じてしまう。そこで、従来の電子レンジでは食品をターンテーブル上に載置し、そのターンテーブルを回転させることで加熱中に食品の位置を変化させて、加熱むらの発生を防止するように構成したものが主流であった。
【0003】
ところが、ターンテーブルを設けると、調理室内の容積がその分だけ小さくならざるを得ず、また、調理室内の清掃を行なうのが不便であるという弊害が生じていた。そのような弊害を解消するため、近年、ターンテーブルを設ける代わりに金属製の回転アンテナを配置し、回転アンテナを回転させてマイクロ波を調理室内に導入する際に拡散させることで加熱むらを回避する方式が採用されつつある。
【0004】
斯様な方式を採用した場合は、加熱調理を行う際に回転アンテナが確実に回転していることが重要である。即ち、例えば断線などの故障が発生することで回転アンテナが回転していない状態で加熱調理を行なえば、著しい加熱むらが発生してしまうからである。
【0005】
回転アンテナの回転検出を行なうようにした従来技術として、例えば、特開平9−102390号公報には、光センサを用いることで検出を行なう構成が開示されている。しかしながら、回転検出を行なうためだけに光センサを設けると、その分だけコストアップすることになる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光センサなどを用いることなく、回転アンテナの回転状態を判定することができる電子レンジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の電子レンジは、食品を収容する調理室と、交流電源を昇圧する昇圧トランスと、この昇圧トランスの一次側に前記交流電源を供給するインバータ回路と、前記昇圧トランスの二次側に接続され、前記調理室内にマイクロ波を照射する加熱手段と、この加熱手段によって照射されるマイクロ波を前記調理室内に拡散させる回転アンテナと、この回転アンテナを駆動するモータと、このモータの回転駆動を制御する駆動制御手段と、前記昇圧トランスの一次側電圧を検出する電圧検出手段と、前記昇圧トランスの一次側電流を検出する電流検出手段と、前記加熱手段の入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記昇圧トランスの一次側電流が所定値となるように前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段と、前記電圧検出手段によって検出される一次側電圧,前記電流検出手段によって検出される一次側電流,前記入力電流検出手段によって検出される入力電流に基づいて、前記回転アンテナが実際に回転しているか否かを判定する回転判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
即ち、回転アンテナが回転することで調理室内に照射されるマイクロ波が拡散される状態にあると調理室内のインピーダンスが変化するため、加熱手段の動作状態が変化する。その変化は、昇圧トランスの一次側電圧及び一次側電流,並びに加熱手段の入力電流に基づいて捉えることができるので、回転判定手段は、回転アンテナが実際に回転しているか否かを判定することが可能となる。そして、電圧検出手段,電流検出手段及び入力電流検出手段は、インバータ制御手段が通常の加熱制御を行う場合に使用する構成要素であるから、回転アンテナが実際に回転しているか否かを判定するためにセンサなどを別途設ける必要がない。
【0009】
この場合、請求項2に記載したように、回転判定手段を、(一次側電圧)×(一次側電流)/(入力電流)の演算結果が所定期間において変動する度合いに基づいて判定を行なうように構成するのが良い。即ち、電子レンジにおける電力消費の大部分は加熱手段によるため、上記演算結果は加熱手段の入力電圧変化を反映した値となる。従って、その変動度合いは加熱手段の動作状態の変化、即ち回転アンテナの回転の有無を示すので、判定を確実に行うことができる。
【0010】
また、この場合、請求項3に記載したように、回転判定手段を、所定期間を回転アンテナの回転周期よりも長い時間に設定する構成とするのが好ましい。即ち、回転アンテナが1回転する間に、調理室内のインピーダンスは最大値と最小値とを示すように変化する。従って、所定期間を回転アンテナの回転周期よりも長い時間に設定すれば、その所定期間内に、回転判定手段の演算結果もインピーダンス変化に応じて最大値,最小値を確実に示すようになる。そして、その最大値と最小値との差を得れば、演算結果の変動度合いを検出できる。
【0011】
更に、この場合、請求項4に記載したように、回転判定手段を、所定期間において得られる演算結果の最大値と最小値との差を累積的に加算し、その加算結果に基づいて判定を行なうように構成すると良い。即ち、回転アンテナの回転が停止した場合でも調理室内のインピーダンスは僅かに変化するので、回転の有無に応じた最大,最小の差の変化は相対的なものとなる。従って、単に演算結果の最大値と最小値との差を求めるだけでは、回転アンテナの回転の有無を判定し難い場合がある。そのような場合に、前記差を累積的に加算すれば回転の有無に対応した演算結果の差の大小が明確に分かるようになるので、判定をより確実に行うことができる。
【0012】
加えて、この場合、請求項5に記載したように、回転判定手段を、最大値と最小値との差が所定範囲内にある場合のみ加算を行う構成とするのが好ましい。即ち、加熱手段を起動した直後はその動作が不安定であるため、最大値と最小値との差が比較的大きい状態にある。そのような状態で得られる演算結果に基づいて正確な判定を行うことは出来ないので、最大値と最小値との差が所定範囲内に入った場合のみ加算を行えば判定を正確に行うことができる。
【0013】
また、以上の場合において、請求項6に記載したように、回転判定手段を、加熱手段の駆動開始後に一次電流の値が所定値以上に達すると判定処理を開始するように構成しても良い。即ち、加熱手段を起動した直後は消費電流量が小さいため昇圧トランスの一次電流値も小さいので、その電流値が所定値以上となった場合に加算を行えば、請求項6と同様に判定を正確に行うことができる。
【0014】
更に、請求項7に記載したように、駆動制御手段がモータを駆動して回転アンテナを回転させているにもかかわらず、回転判定手段が前記回転アンテナの回転が停止していると判断した場合に、その旨を報知する報知手段を備えると良く、斯様に構成すれば、ユーザに回転アンテナの回転が停止していることを報知できる。
【0015】
加えて、請求項8に記載したように、駆動制御手段がモータを駆動して回転アンテナを回転させているにもかかわらず、回転判定手段が前記回転アンテナの回転が停止していると判断した場合に、加熱手段による加熱調理を中止させる加熱中止手段を備えると良い。斯様に構成すれば、調理対象物に加熱むらが発生することを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、電子レンジの概略的な外観を示す図7において、キャビネット1は前面が開口した矩形箱状をなすものであり、その内部に前面が開口した矩形容器状の調理室2(図8参照)が形成されていると共に、前面部に調理室2の開口部を開閉するためのドア3が回動可能に装着されている。
【0017】
キャビネット1内には、調理室2の側方に隣接して機械室50(図8参照)が形成されており、機械室50内には、後述する電源装置15及びマグネトロン27などが収納されている。キャビネット1における機械室50の前面側位置には操作パネル4が設けられており、この操作パネル4には、調理開始用のスタートスイッチ5、複数種類の調理メニューに対応した自動調理スイッチ6、調理時間を設定するための時間設定ダイヤル7、調理情報や時間情報などを表示するためのLEDパネル8(報知手段に相当)が配設されている。
【0018】
図8は、電子レンジの縦断正面図である。調理室2内の天井部には、オーブン調理及びグリル調理用のヒータ9が設けられている。調理室2内の底部裏側には、底板51を介して回転アンテナ10が設けられている。この回転アンテナ10は、例えば鋼板のような導電材料で構成されておりモータ14によって回転駆動され、マグネトロン27より出力されるマイクロ波を調理室2の内部に拡散させて定在波が立つことを防止する目的で設けられている。従って、底板51において回転アンテナ10を介してマイクロ波が照射される部分は、例えばセラミックなどのようなマイクロ波透過材料によって形成されている。
【0019】
また、図9には、調理室2の底部裏面側に配置されている構成を、一部を透過して示す平面図である。機械室50内部に配置されているマグネトロン27より出力されるマイクロ波は図8中で下向きに照射されると、前記底部裏面側に配置されている導波管52によって回転アンテナ10に導かれ、その回転アンテナ10を介して(即ち、回転アンテナの下方側から上方側へ向かって)調理室2の内部に照射されるようになっている。
【0020】
図10には、電子レンジの電気的構成が概略的に示されており、以下これについて説明する。但し、この図10では、周知のドアスイッチ、ショートスイッチ、マグネトロンサーマルスイッチ、庫内灯などの図示を省略している。電源装置15は、商用交流電源16に接続された一対の電源線17、18から給電されるようになっている。この電源装置15は、商用交流電源16の出力を全波整流する整流回路19と、その整流出力を平滑するための平滑用リアクトル20及び平滑用コンデンサ21と、その平滑直流出力を所定周波数の交流出力に変換するためのインバータ回路22とを備えた構成となっている。尚、電源線17、18間には雑音防止コンデンサ23が接続されている。
【0021】
インバータ回路22は、昇圧トランス24の一次巻線24aを共振要素として利用する構成のものであり、前記平滑用コンデンサ21と並列に、共振コンデンサ25及びIGBT26のコレクタ・エミッタ間の直列回路を接続すると共に、共振コンデンサ25の両端に昇圧トランス24の一次巻線24aを接続した構成となっている。
【0022】
昇圧トランス24が有する2個の二次巻線24b、24cのうち、一方の二次巻線24bの両端にはマグネトロン27(加熱手段に相当)の陰極が接続されており、このマグネトロン27の陽極はグランド端子に接続されている。昇圧トランス24の二次側には倍電圧整流回路28が接続されている。この倍電圧整流回路28は、2個の高圧コンデンサ29、30の直列回路と2個の高圧ダイオード31、32の直列回路とを並列接続して成るものであり、高電位側の高圧ダイオード31のアノードがマグネトロン27の陰極(二次巻線24bの一方の端子)に接続され、低電位側の高圧ダイオード32のカソードがサンプリング抵抗33(入力電流検出手段に相当)を介してグランド端子に接続されている。また、高圧コンデンサ29、30の共通接続点が二次巻線24cの一方の端子に接続され、高圧ダイオード31、32の共通接続点が二次巻線24cの他方の端子に接続されている。尚、倍電圧整流回路28には抵抗34が並列に接続されている。
【0023】
この場合、倍電圧整流回路28からマグネトロン27に電源が供給されると、そのマグネトロン27が発振してマイクロ波を発生するようになり、そのマイクロ波は、前述したように導波管52を介し回転アンテナ10により拡散されて調理室2内に照射される構成となっている。そして、サンプリング抵抗33の両端には、マグネトロン27の陽極電流(入力電流)に応じたレベルの電圧信号が発生するものであり、この電圧信号は、マグネトロン27の陽極電流レベルを示す電流検出信号Ibとして後述する制御装置35(駆動制御手段,インバータ制御手段,回転判定手段,報知手段,加熱中止手段)に入力される構成となっている。
【0024】
商用交流電源16の両電源線17、18間には、降圧トランス36の一次巻線36aが接続されている。この降圧トランス36の二次巻線36bには、センタタップ形式の全波整流回路37が接続されており、その全波整流回路37の出力端子とグランド端子との間には、充電用の抵抗38及び放電用の抵抗39の直列回路が接続され、その抵抗39と並列にコンデンサ40が接続されている。上記した降圧トランス36、全波整流回路37、抵抗38、39、コンデンサ40は、電源電圧検出回路41(電圧検出手段に相当)を構成するものであり、コンデンサ40の端子間電圧が電源電圧レベルを示す電圧検出信号Vinとして前記制御装置35に入力される構成となっている。
【0025】
尚、図示しないが、上記降圧トランス36は、制御装置35などのための制御用電源回路にも利用されるものであり、二次巻線36bに安定化電源回路などが接続される構成となっている。
【0026】
また、前記電源線18には、カレントトランス42(電流検出手段に相当)が設けられており、このカレントトランス42の二次側出力は、インバータ回路22に対する入力電流(昇圧トランス24の入力側の電流)のレベルを示す電流検出信号Iinとして制御装置35に入力される構成となっている。
【0027】
商用交流電源16の両電源線17及び18間には、リレースイッチ43と前記ヒータ9との直列回路、リレースイッチ44と前記回転アンテナ10駆動用のモータ14との直列回路、リレースイッチ45とファンモータ46との直列回路が接続されている。尚、上記ファンモータ46は、機械室50内に配設されるものであり、その駆動状態で機械室内部の電気部品を冷却するための送風ファン(図示せず)が運転されるようになっている。
【0028】
制御装置35には、上述した電流検出信号Ib及びIin、電圧検出信号Vinの他に、スタートスイッチ5及び自動調理スイッチ6からの操作信号や時間設定ダイヤル7の操作量を検出するためのエンコーダ7aからの検出信号が入力されるようになっている。そして、制御装置35は、それらの入力信号並びに予め設定されたプログラムなどに基づいて、リレースイッチ43〜44のオンオフ制御、LEDパネル8の表示制御、ドライバIC47を通じたインバータ回路22の動作制御などを行う構成となっている。尚、制御装置35内には、各種の制御用データを記憶するための不揮発性メモリ(図示せず)が設けられている。
【0029】
しかして、上記のように構成された電子レンジでは、回転アンテナ10を回転させながら行うレンジ調理時の開始時において、電流検出信号Iinにより示されるインバータ回路22の入力電流は、図2に示すように過渡的に上昇した後にほぼ安定した状態を呈するようになる。
【0030】
この場合、回転アンテナ10が回転することでマグネトロン27より出力されるマイクロ波は拡散され、調理室2の内部で定在波が立つことはなく負荷インピーダンスは周期的に大きく変動する。ここで、電圧検出信号Vin及び電流検出信号Iinの積と電流検出信号Ibとの比R=Vin×Iin/Ib(つまり、インバータ回路22の入力電圧及び入力電流の積とマグネトロン27の陽極電流との比)は、回転アンテナ10の回転に応じて図3に示すように変化する。即ち、電子レンジにおける電力消費の大部分はマグネトロン27によるため、この比Rは、実質的にマグネトロン27の陽極電圧変化、即ち、調理室2内の負荷インピーダンスの変動を反映している。
【0031】
尚、回転アンテナ10の回転周期は2.4秒であり、図3における横軸の時間には2.5秒単位で区切りを入れているが、この2.5秒は所定期間に対応する。そして、各所定期間内おいて観測される比Rの最大値(MAX1〜3・・・)と最小値(MIN1〜3・・・)との差D=MAX−MIN,をプロットしたものが図4である。
【0032】
図4において、黒丸でプロットしたものが、回転アンテナ10が回転している場合に対応し、白丸でプロットしたものが、回転アンテナ10の回転が停止している場合に対応する。ここで、最大値と最小値とを得るための所定期間を回転アンテナ10の回転周期よりも長い時間に設定したのは、1回転周期内には比Rの最大値,最小値が必ず現れるため、それらを確実に観測できるようにするためである。
【0033】
即ち、回転アンテナ10の回転が停止すると、マグネトロン27より出力されるマイクロ波は拡散されなくなり調理室2の内部で定在波が立つようになるので、負荷インピーダンスの変動は図3に示す場合に比較して小さくなる。従って、差Dは、回転アンテナ10が回転している状態で大きくなり、その回転が停止している状態で小さくなる。その傾向は図4においても現れており、この値に基づいて回転アンテナ10の回転の有無を判定することも可能であるが、一部においては判定が微妙となる箇所もある。
【0034】
そこで、回転アンテナ10の回転の有無をより明確に把握するため、以下の処理を行なう。図4でプロットした差Dを累積加算した値(積算値)Aを図5に示す。尚、図4に示すように、インバータ回路22,マグネトロン27の起動時は、動作状態が安定せずばらつきが大きいため、図5における累積加算の対象からは除外している。
【0035】
図5に示すように、積算値Aは略線形に増加する傾向を示している。そこで、更に、積算値Aが60秒経過する毎に増加した値Gをプロットしたものが図6である。増加値Gは、黒丸,白丸で明確に峻別できる値となっており、両者の略中間に相当する値を判定用閾値(判定値)に設定して判定を行えば、回転アンテナ10の回転の有無を確実に判定することができる。
【0036】
ここで、図1は、制御装置35が上記の原理に基づいて回転アンテナ10の回転の有無を判定するために行なう処理内容を示すフローチャートである。制御装置35は、自動調理スイッチ6及び時間設定ダイヤル7による調理メニュー及び調理時間の設定操作が行われた後に、スタートスイッチ5が操作されたことを検出すると調理を開始する。即ち、リレースイッチ44及び45をオンさせてモータ14及びファンモータ46に通電することにより回転アンテナ10及び図示しない送風ファンの運転を開始すると共に、ドライバIC47を通じてインバータ回路22ひいてはマグネトロン27の駆動を開始する制御が行われる(ステップS1)。
【0037】
次に、制御装置35は積算値Aをゼロクリアすると(ステップS2)、設定された調理時間が経過したか否か、即ち調理終了か否かを判断し(ステップS3)、調理中であれば(「NO」)比R(=Vin×Iin/Ib)の最大値,最小値の検出を開始する(ステップS4)。そして、ステップS6において所定期間2.5秒が経過するまでの間(「NO」)、一次電圧Vin,一次電流Iin及び陽極電流Ibをサンプリングして比Rを演算し、最大値MAX,最小値MINを更新する(ステップS5)。
【0038】
ステップS6において2.5秒が経過すると(「YES」)、制御装置35は差D(=MAX−MIN)を演算し(ステップS7)、その差Dが30以下であるか否かを判断する(ステップS8)。差Dが30以下であれば(「YES」)積算値Aに加算し(ステップS9)、調理開始から60秒を経過していなければ(ステップS10,「NO」)ステップS3に戻る。
【0039】
また、ステップS8において差Dが30を超えている場合は(「NO」)、インバータ回路22,マグネトロン27の駆動開始時であり、動作が不安定な期間にあるものと判断されるので、その差Dを積算値Aに加算することなくステップS10に移行する。
【0040】
ステップS10において60秒が経過すると(「YES」)、制御装置35は増加値Gを計算する(ステップS11)。増加値Gは、60秒間において積算値Aが増加した値である。そして、増加値Gが80以上であれば(ステップS12,「YES」)、60秒のカウントをリセットスタートさせて(ステップS13)ステップS3に戻る。
【0041】
ステップS3〜S13のループを回っている間に設定された調理時間が経過すると(ステップS3,「YES」)、制御装置35は、リレースイッチ44、45をオフさせて回転アンテナ10の回転及び図示しない送風ファンの運転を停止させると共に、ドライバIC47を通じたインバータ回路22の駆動を停止してマグネトロン27を駆動停止させ(ステップS14)、調理を終了する。
【0042】
一方、ステップS3〜S13のループを回っている間に、ステップS12において増加値Gが80未満となった場合は(「NO」)、何らかの故障が発生したことにより回転アンテナ10の回転が停止したものと判断される。従って、制御装置35は、ステップS14と同様に、リレースイッチ44、45をオフさせ、ドライバIC47を通じたインバータ回路22の駆動を停止してマグネトロン27を駆動停止させると共に、LCDパネル6において回転アンテナ10の回転が停止した旨をユーザに報知するための表示(エラー報知)を行う(ステップS15)。
【0043】
以上のように本実施例によれば、制御装置35は、昇圧トランス24の一次側電圧Vin及び一次側電流Iinと、マグネトロン27の陽極電流Ibに基づいて、マイクロ波を調理室2内に拡散させる回転アンテナ10の回転の有無を判定するようにした。具体的には、比R=(一次側電圧Vin)×(一次側電流Iin)/(陽極電流Ib)の演算結果が所定期間において変動する度合いを、所定期間における比Rの最大値と最小値との差Dを累積的に加算した値Aが増加する値Gとして求め、その増加値Gの大きさに基づいて判定を行なうようにした。
【0044】
即ち、一次側電圧Vin及び一次側電流Iin並びに陽極電流Ibは、制御装置35が通常の加熱制御を行う場合に使用する構成要素であるから、従来とは異なり、回転アンテナ10の回転の有無を判定するためにセンサなどを別途設ける必要がなく、コストアップさせることなく判定を行なうことが可能である。
【0045】
また、所定期間を回転アンテナ10の回転周期よりも長い時間に設定するので、その所定期間内に、1回転周期内において現れる比Rの最大値,最小値を確実に捉えることができる。そして、増加値Gに基づいて判定を行なうので、回転アンテナ10が回転している状態と、その回転が停止した状態との間における差Dの値の変化が比較的小さい場合であっても、両状態の差が明確に分かるようになるので、判定をより確実に行うことができる。
【0046】
加えて、制御装置35は、最大値と最小値との差Dが所定範囲内にある場合のみ加算を行うので、マグネトロン27を起動した直後における動作が不安定な状態で得られる演算値を排除して、判定を正確に行うことができる。
【0047】
また、制御装置35は、モータ14を駆動して回転アンテナ10を回転させているにもかかわらず、回転アンテナ10の回転が停止していると判断すると、LCDパネル8によってその旨の報知を行なうので、ユーザに回転アンテナ10の回転が停止していることを報知できる。また、この時制御装置35は、マグネトロン27による加熱調理を中止させるので、調理対象物に加熱むらが発生することを防止できる。
【0048】
その他、本発明は上記し且つ図面に記載した実施例に限定されるものではなく、以下のような変形或いは拡大が可能である。
マグネトロン27の駆動開始後に一次電流の値が所定値以上に達すると、回転の有無の判定処理を開始するように構成しても良い。即ち、マグネトロン27を起動した直後は消費電流量が小さいため昇圧トランス24の一次電流値Iinも小さい。従って、その電流値Iinが所定値以上となった場合に判定処理を行えば、判定を正確に行うことができる。
回転アンテナ10の回転の有無を判定する処理は、その他、例えば図5に示す積算値Aの大きさを、加熱開始から所定の時間が経過した時点において判定したり、また、図4に示す差Dの大きさをのみで判定するようにしても良い。
【0049】
更に、必ずしも比Rを演算することで判定を行なうものに限ることなく、一次側電圧Vin及び一次側電流Iin並びに陽極電流Ibに基づいて調理室内の負荷インピーダンス変動の状態を把握できる方式であれば、どのような演算を行っても良い。
所定期間を、回転アンテナの回転周期よりも短い時間に設定しても良い。
報知手段によるエラー報知は音声やブザー音などを用いて行っても良い。
報知手段や加熱中止手段は、必要に応じて設ければ良い。
上記実施例においては、ヒータ調理機能を有する電子レンジに適用したが、これに限定されるものではなく、例えばレンジ調理専用機に適用しても良い。上記実施例においては、加熱手段としてマグネトロン27を例示したが、マイクロ波を発生して食品を加熱できる加熱手段であれば良い。
【0050】
【発明の効果】
本発明の電子レンジによれば、回転判定手段は、昇圧トランスの一次側電圧及び一次側電流,並びに加熱手段の入力電流に基づいて、加熱手段より出力される回転アンテナが実際に回転しているか否かを判定するようにした。即ち、電圧検出手段,電流検出手段及び入力電流検出手段は、インバータ制御手段が通常の加熱制御を行う場合に使用する構成要素であるから、回転アンテナが実際に回転しているか否かを判定するためにセンサなどを別途設ける必要がなく、コストをアップさせることなく回転の有無の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であり、電子レンジの制御装置が回転アンテナの回転の有無を判定するために行なう処理内容を示すフローチャート
【図2】調理開始からの時間経過に伴って、入力電流Iinが変化する状態を示す図
【図3】調理開始からの時間経過に伴って比Rが変化する状態を示す図
【図4】各所定期間内おいて観測される比Rの最大値と最小値との差Dを、回転アンテナが回転している場合、その回転が停止している場合についてプロットした図
【図5】差Dの積算値Aを示す図
【図6】積算値Aが60秒経過する毎に増加した値Gをプロットした図
【図7】電子レンジの概略的な外観を示す斜視図
【図8】電子レンジの縦断正面図
【図9】調理室の底部裏面側に配置されている構成を、一部を透過して示す平面図
【図10】電子レンジの電気的構成を概略的に示す図
【符号の説明】
2は調理室、8はLEDパネル(報知手段)、10は回転アンテナ、14はモータ、15は電源装置、22はインバータ回路、24は昇圧トランス、27はマグネトロン(加熱手段)、33はサンプリング抵抗(入力電流検出手段)、35は制御装置(駆動制御手段,インバータ制御手段,回転判定手段,報知手段,加熱中止手段)、41は電源電圧検出回路(電圧検出手段)、42はカレントトランス(電流検出手段)を示す。

Claims (8)

  1. 食品を収容する調理室と、
    交流電源を昇圧する昇圧トランスと、
    この昇圧トランスの一次側に前記交流電源を供給するインバータ回路と、
    前記昇圧トランスの二次側に接続され、前記調理室内にマイクロ波を照射する加熱手段と、
    この加熱手段によって照射されるマイクロ波を前記調理室内に拡散させる回転アンテナと、
    この回転アンテナを駆動するモータと、
    このモータの回転駆動を制御する駆動制御手段と、
    前記昇圧トランスの一次側電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記昇圧トランスの一次側電流を検出する電流検出手段と、
    前記加熱手段の入力電流を検出する入力電流検出手段と、
    前記昇圧トランスの一次側電流が所定値となるように前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段と、
    前記電圧検出手段によって検出される一次側電圧と、前記電流検出手段によって検出される一次側電流と、前記入力電流検出手段によって検出される入力電流とに基づいて、前記回転アンテナが実際に回転しているか否かを判定する回転判定手段とを備えたことを特徴とする電子レンジ。
  2. 回転判定手段は、
    (一次側電圧)×(一次側電流)/(入力電流)の演算結果が所定期間において変動する度合いに基づいて判定を行なうことを特徴とする請求項1記載の電子レンジ。
  3. 回転判定手段は、所定期間を回転アンテナの回転周期よりも長い時間に設定することを特徴とする請求項2記載の電子レンジ。
  4. 回転判定手段は、所定期間において得られる演算結果の最大値と最小値との差を累積的に加算し、その加算結果に基づいて判定を行なうことを特徴とする請求項3記載の電子レンジ。
  5. 回転判定手段は、最大値と最小値との差が所定範囲内にある場合のみ加算を行うことを特徴とする請求項4記載の電子レンジ。
  6. 回転判定手段は、加熱手段の駆動開始後に一次電流の値が所定値以上に達すると判定処理を開始することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子レンジ。
  7. 駆動制御手段がモータを駆動して回転アンテナを回転させているにもかかわらず、回転判定手段が前記回転アンテナの回転が停止していると判断した場合に、その旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子レンジ。
  8. 駆動制御手段がモータを駆動して回転アンテナを回転させているにもかかわらず、回転判定手段が前記回転アンテナの回転が停止していると判断した場合に、加熱手段による加熱調理を中止させる加熱中止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電子レンジ。
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