JP2004095429A - 高分子電解質型燃料電池スタック - Google Patents

高分子電解質型燃料電池スタック Download PDF

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竹口 伸介
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Hiroki Kusakabe
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Shinichi Arisaka
有坂 伸一
Nobunori Hase
長谷 伸啓
Toshihiro Matsumoto
松本 敏宏
Isoichi Shibata
柴田 磯一
Yasuo Takebe
武部 安男
Kazuhito Hado
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Abstract

【課題】高分子電解質型燃料電池スタックにおいて、スタックの内部からしみ出す水がスタック周りの気体の流れの度合いにより、蒸発生が変化するために、運転が不安定になる課題がある。
【解決手段】スタックの周りの気体の対流を防止する対流防止材1を配置することにより、安定した運転の高分子電解質型燃料電池スタックが実現できるのである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質型燃料電池のスタックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質型燃料電池(以降、PEFCと称する)は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させるもので、電気と熱とを同時に発生させるものである。このようなPEFCの基本的な単位電池の構成を図4に示した。 図4に於いて、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜101(以降、膜と称する)の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層102a,102cを密着して配置する。さらに触媒反応層102a,102cの外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた一対の拡散層103a,103cをこれに密着して配置する。この拡散層103a,103cと触媒反応層102a,102cにより電極104a,104cを構成する。105は電極電解質接合体(以降、MEAと称する)であり、電極104a,104cと高分子電解質膜101とで形成している。MEA105外側には、MEA105を機械的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路106a,106cをMEA105に接する面に形成した導電性セパレータ107a.107cを配置する。導電性セパレータ107aでMEA105とは反対の面には、隣の基本的な単位の導電性セパレータ107cが接する。108は導電性セパレータ107a,107c同士が接する側に設けられた循環水通路であり、ここに循環水が流れる。循環水は導電性セパレータ107a,107cを介してMEA105の温度を調整するように熱を移動させる。110a,110cはMEA105と導電性セパレータ107a,107cを封止するMEAガスケットであり、111は導電性セパレータ107a,107c同士を封止するセパレータガスケットである。
【0003】
高分子電解質膜101には固定電荷を有しており、固定電荷の対イオンとして水素イオンが存在している。高分子電解質膜101には水素イオンを選択的に透過させる機能が求められるが、そのためには高分子電解質膜101が水分を保持していることが必要である。高分子電解質膜101は水分を含むことにより、高分子電解質膜101内に固定されている固定電荷が電離し、固定電荷の対イオンである水素がイオン化し、移動できるようになるからである。水素などの燃料ガスの関与する側をアノードと呼び、図では符号の後にaを付け表し、空気などの酸化ガスの関与する側をカソードと呼び、図では符号の後にCを付け表した。
【0004】
基本動作を説明する。ガス流路106cに空気などの酸化ガスを流し、ガス流路106aに水素などの燃料ガスを流す。燃料ガス中の水素は拡散層103aを拡散し、触媒反応層102aに達する。触媒反応層102aで水素は水素イオンと電子に分けられる。電子は外部回路を通じてカソード側に移動される。水素イオンは膜101を透過しカソード側に移動し反応触媒層102cに達する。空気などの酸化ガス中の酸素は拡散層103cを拡散し、反応触媒層102cに達する。触媒反応層102cでは酸素が電子と反応し酸素イオンとなり、さらに酸素イオンは水素イオンと反応し水が生成される。つまりMEA105の周囲で酸化ガスと燃料ガスが反応し水が生成され、電子が流れる。さらに反応時に熱が生成し、MEA105の温度が上昇する。そのため循環水経路108に水などを流すことにより反応で発生した熱を水で外部に運び出す。つまり、熱と電流(電気)が発生するのである。このとき、導入されるガスの湿度と反応で発生する水の量の管理が重要である。水分が少ないと高分子電解質膜101が乾燥し、固定電化の電離が少なくなるために水素の移動が減少するので、熱や電気の発生が小さくなる。一方水分が多すぎると、MEA105の周りまたは触媒反応層102a,102cの周囲に水が溜まってしまい、ガスの供給が阻害され反応が抑制されるため、熱と電気の発生が減少してしまう(以降、この状態をフラッティングと称する)。
【0005】
基本的な単位を複数個積層したPEFCスタックの構成を図5に示した。スタックとは図4で示したような基本的な単位を複数を積層させたものである。101〜111は図4と同じである。図5では図4で示したPEFCの基本的な単位を4つ積層したものである。120は集電板であり、発生する電気を集める導電性の板であり、端子121から電気を外部に取り出す。123は端板でありPEFCを両端から中央部に締め付ける役割を示す。122は絶縁板であり、集電板120で集められた電気を端板123に流れないように電気的に絶縁する役割を示す。
【0006】
上記のようなPEFCスタックにおいては、各部品の間はガスケットで封止されているが、ガスケットを各部品と押し当てているにすぎないため、水分子サイズの隙間は存在しており、毛管現象等でガスケットをすり抜けスタック外部に水が移動している。また、高分子電解質膜101などは端部がスタックの側面に解放されている。よって、スタック内部より、わずかに水がスタック側面に移動している。スタック側面では薄い水の層ができており、この層の水分量が一定で有れば内部の水分量も一定となり、PEFCの性能は一定に保たれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スタックの周辺の空気の対流の状態が変われば、スタック側面にある薄い水の層の状態が変わる。空気の対流が多くなれば、スタック側面の薄い水の層からの水の蒸発が激しくなり、気化熱を奪う。水分が減れば内部からの水分の移動が多くなり、内部は乾燥方向に向かう。気化熱を多く奪うと利用できる熱量が減少する。つまり、発電と発熱の効率が下がるなど運転が不安定になるという課題が生じる。また対流がより少なくなれば、スタック側面の薄い水の蒸発が減少し、奪われる気化熱も小さくなる。蒸発する水分が減れば内部からの水分の移動が小さくなり、内部は加湿方向に向かう。内部の水分が多くなるとフラッティングを起こしてしまう。つまり、運転が不安定になるという課題が生じる。また、ガスケットなどの劣化により押し当てている部品との間に隙間が生じた場合は、スタック内部の水がスタック外に漏れてしまい、運転が不安定になるだけでなく、スタックの周りを濡らしてしまう課題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明のPEFCスタックは、単位電池を複数個積層したPEFCスタックにおいて、スタック本体の周りの気体の流れを防止する対流防止材をスタック本体の周りに配置したことを特徴としたものである。これによって、PEFCスタック本体の周りの気体の流れが減少するために、PEFCスタック本体側面にある薄い水の層からの水の蒸発量が安定するので、PEFCスタック内部の水分量も安定に保たれるために、発電および発熱の運転が安定するのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、高分子電解質膜を挟んだ一対の電極を、ガス供給路を有する導電性セパレータで挟持したものを単位電池とし、前記単位電池を複数個積層した高分子電解質型燃料電池のスタックにおいて、スタック本体の周りの気体の流れを防止する対流防止材をスタック本体の周りに配置することにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れを防止または減少させることができる。これによって、PEFCスタック本体側面にある薄い水の層からの水の蒸発量が安定化するので、PEFCスタック内部の水分量も安定に保たれるために、発電および発熱などの運転が安定するPEFCスタックが実現できるのである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の対流防止材の少なくとも一部はスタック本体との距離が2mm以内に配置することにより、対流防止材とPEFCスタック本体の間の空気の対流を減少させることができるため、より安定した運転ができるPEFCスタックが実現できるのである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1、2に記載の対流防止材は吸水性を有していることを特徴とすることにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れ防止または減少させることにより、運転が安定化するだけでなく、スタックの内部から大量に水が漏れる場合でも、対流防止材が水を吸収するので、PEFCスタック本体の周りを濡らすことを防止することができるのである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項1〜3に記載の対流防止材は防水性を有し、スタック本体より少なくとも下部には配置していることを特徴とすることにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れ防止または減少させることにより、運転が安定化するだけでなく、スタックの内部から大量に水が漏れば場合でも、少なくともスタック本体より下部に配置された対流防止材が水を受け止めるため、周りに水を拡散することがないため、PEFCスタック本体の周りを濡らすことを防止することができるのである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1〜4に記載の対流防止材は断熱性能を有していることを特徴とすることにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れ防止または減少させることができるだけでなく、外部の温度が変化した場合でもPEFCスタック本体の温度の変化を防止または減少させることができる。これによって、PEFCスタック本体側面にある薄い水の層からの水の蒸発量が安定化するので、PEFCスタック内部の水分量も安定に保たれるために、発電および発熱などの運転がさらに安定するのである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項1、2、3、5に記載の対流防止材は無機の繊維よりなることを特徴とすることにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れ防止でき、断熱性を有しさらに吸水性を有効に発揮することができる。これによりPEFCスタック本体の側面の水の蒸発が安定化し、さらに外部の温度変化によるPEFCの温度変化を減少させることができるので運転が安定化するだけでなく、スタックの内部から大量に水が漏れば場合でも、対流防止材がより有効に水を吸収するので、PEFCスタック本体の周りを濡らすことをより有効に防止することができるのである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、特に、請求項1、2、4、5、6に記載の対流防止材は有機の発泡材よりなることを特徴とすることにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れ防止でき、断熱性を有しさらに防水性を有効に発揮することができる。これによりPEFCスタック本体の側面の水の蒸発が安定化し、さらに外部の温度変化によるPEFCの温度変化を減少させることができるので運転が安定化するだけでなく、スタックの内部から大量に水が漏れば場合でも、対流防止材がより有効に水を受け止めるので、PEFCスタック本体の周りを濡らすことをより有効に防止することができるのである。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の第一の実施例を図1に基づいて説明する。図1は本発明PEFCスタックの長手方向から見た側断面図である。符号101から123、PEFCの基本的な単位の構成およびはPEFCスタックの構成は図4および図5と同じである。1は対流防止材である。図2は本発明PEFCスタックの端板方向から見た断面図である。
【0017】
以下動作を説明する。まず、PEFCスタックを動作させる際は、図示されていないスイッチ等からの信号をもとに、循環水経路108に水またはお湯などを流す。これによりPEFCスタックの温度を所定の温度に変温してゆく。次に、ガス流路106Cに空気などの酸化ガスを流し、ガス流路106aに水素などの燃料ガスを流す。本実施例では酸化ガスとしてフィルター等で不純物・汚染物質を除去した空気を用い、燃料ガスとして都市バスを改質した水素を主成分とするガスを用いた。ここで用いたガスの温度はPEFCスタックと同じになるようにし、湿度は相対湿度でほぼ100%となるようにした。燃料ガス中の水素は拡散層103aを拡散し、触媒反応層102aに達する。触媒反応層102aで水素は水素イオンと電子に分けられる。電子は外部回路を通じてカソード側に移動される。水素イオンは高分子電解質膜101を透過しカソード側に移動し反応触媒層102cに達する。空気などの酸化ガス中の酸素は拡散層103cを拡散し、反応触媒層102cに達する。触媒反応層102cでは酸素が電子と反応し酸素イオンとなり、さらに酸素イオンは水素イオンと反応し水が生成される。つまりMEA105の周囲で酸化ガスと燃料ガスが反応し水が生成され、電子が流れる。さらに反応時に熱が生成し、MEA105の温度が上昇する。PEFCスタックが所定の温度に達した後は循環水経路108を流れる循環水は所定の温度に保持する。反応が更に進みMEA105の温度が上昇すると、熱は導電性セパレータ107a,107cを介して循環水に移動する。熱を受け取った循環水はPEFCスタックから熱交換器などを介し外部に熱を伝え、伝えられた熱は給湯などに使用される。このようにPEFCスタックを運転することにより、熱と電流(電気)が生み出されるのである。このとき、導入されるガス中の水分と反応で発生する水分の一部は、ガスケットなどの壁面部で凝縮する。水分が少ないと高分子電解質膜101が乾燥し、固定電化の電離が少なくなるために水素の移動が減少するので、熱や電気の発生が小さくなり、運転が不安定になる。一方水分が多すぎると、MEA105の周りまたは触媒反応層102a.102cの周囲に水が溜まってしまい、ガスの供給が阻害され反応が抑制されるため、フラッティングを起こしてしまう。MEAガスケット110a,110c、セパレータガスケット111a,111c付近で凝縮した水は、毛管現象によりPEFCスタック本体の外部に移動する。外部に移動した水は大気中へと蒸発してゆき、蒸発によって減少した水の量に相当する量が再びPEFCスタックの内部から移動してゆく。
【0018】
対流防止材1は電流やガスの出入りの部分を除きPEFCスタック本体2の周囲に配置され、PEFCスタック本体2と対流防止材1との距離は2mm以下となるようにした。本発明ではPEFCスタック本体2の周りに対流防止材1としてガラスウールを使用した。ガラスウールは無機の繊維よりなっており、多孔質親水性であるので吸水性を有している。また、多孔質な間には空気が対流しないように保持されているので、その熱伝導率は約30mW/m・Kと小さく、断熱性を有している。本実施例では無機の繊維よりなる対流防止材として、ガラスウールを用いたが、セラミックウールや珪酸カルシウム繊維の成型物などを用いても良い。
【0019】
以下に本発明の実験例を示す。実験例1として、本発明品の他に、対流防止材1を除いたもの(以降、無し品と称する)と、対流防止材1をPEFCスタック本体2との距離が常に2mm以上となるように配置したもの(以降、2mm以上品と称する)と、対流防止材1をガラス繊維を緻密にし熱伝導率を約200mW/m・Kと大きくしたもの(以降、緻密品と称する)と、対流防止材1を吸水性のない繊維で構成したもの(以降、非吸水品と称する)とを用いた。実験は各実験品を用いPEFCスタックを運転させるシステムにのせ運転させた。システムではPEFCスタック本体2に自然対流の空気の流れがある状態や風が当たる状態があった。PEFCスタック本体2の雰囲気温度は15℃から45℃の間で変動した。PEFCスタック本体2の温度は約70℃に保つようにした。空気の利用率は40%、燃料ガスの利用率は80%とし、各ガスのPEFCスタック本体2への導入温度は70℃に、ガスの露点は70℃となるように加湿した。発生する電気は触媒反応層102a,102cの面積に対して、電流密度が0.2A/cm2となるように電流を取り出した。その際の総発電電圧はMEAの数で商をとり、一枚あたりに換算した。運転開始500時間後から1000時間後までの、平均と最大と最小の電圧を求めた。結果を(表1)に示す。
【0020】
【表1】
Figure 2004095429
【0021】
このように、本発明品は平均電圧が最も高く、電圧の変動も少ない。本実験例ではPEFCスタック本体の雰囲気温度が変化し、空気の対流が多い場合と少ない場合があった。しかし、本発明品は、対流防止材で覆われているため空気の対流の多い少ないの影響をほとんど受けなかった。さらに、本発明品の対流防止材は断熱性能を有しているため、雰囲気温度の影響もほとんど受けなかった。そのためPEFCスタック本体表面からの水分の蒸発がわずかでありかつ安定しているため、内部の水分が常に適切に保たれたので発電の電圧が高く、変動も少なかったのである。無し品は本発明品とは異なり、PEFCスタック本体周りの空気の対流の変化および雰囲気温度の影響を受けたため、PEFCスタック本体表面からの水分の蒸発が変化した。そのため、内部の水分が適切である状態の時もあるが、多くは水分が過不足している状態であるので、発電の電圧が低く、変動も大きかったのである。2mm以上品は、対流防止材とPEFCスタック本体の間の空気がわずかに対流する。よって、対流防止材の外部雰囲気の影響はほとんど受けないが、対流防止材とPEFCスタック本体の間の空気の間のわずかの空気の対流により、PEFCスタック本体からの水分の蒸発がわずかに変動するため、本発明品に比べ、わずかに発電電圧が低く、変動が大きくなった。緻密品は対流防止性能は本発明品とほぼ同じであるので対流防止材外部の空気の対流の影響はほとんど受けなかったが、本発明品に比べ対流防止材の熱伝導率は大きいので外部雰囲気温度の影響を受けた。よって、本発明品に比べ、わずかに発電電圧が低く、変動が大きくなった。非吸水品の対流防止材の対流防止機能や断熱性能は本発明品と同じであるので、本発明品と同じく発電電圧は高く、変動は少なかった。
【0022】
実験例2として、ガスケットが痛んだ場合を想定して、ガスケットにわずかにキズを付けた。実験品と実験条件は実験例1と同じである。PEFCスタックの下部に受け皿を置き、落下する水の量の1時間あたりの平均量を求めた。結果を(表2)に示す。
【0023】
【表2】
Figure 2004095429
【0024】
このように、対流防止材に吸水性を有しているものは水の落下が無く、対流防止材に吸水性を有していないもの、または対流防止材を有していないものは、水が落下した。水が落下すると周りを濡らしてしますが、対流防止材に吸水性を有しているものは周りを濡らすことが無く安心して使用できる。
【0025】
(実施例2)
以下本発明の第二の実施例を図3に基づいて説明する。図3は本発明PEFCスタックをPEFCシステムに取り付けた際の端板方向から見た断面図である。符号101から123、PEFCの基本的な単位の構成およびはPEFCスタックの構成は図1,2,4および図5と同じである。130はシステム外筐体である。対流防止材1はPEFCスタック本体2の横と下部に配置されている。対流防止材1としては発泡のポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン樹脂、スチロール、ウレタンなどの熱可塑性樹脂、エポキシ、メラミン、フェノール、不飽和ポリエステルなどの樹脂を用いることができるが、本実施例では発泡のポリプロピレンを用いた。また、対流防止材1は防水性を有しているため、水を透過や吸収することがなく、その熱伝導率は約30mW/m・Kと小さい。
【0026】
以下に本発明の実験例を示す。実験例3として、本第2の発明品の他に、対流防止材1を除いたもの(以降、無し品と称する)と、対流防止材1として金属板(熱伝導率約20W/m・K)としたもの(以降、金属品と称する)と、対流防止材1として微細な穴を空け防水性を無くしたもの(以降、非防水品と称する)とを用いた。実験は各実験品を用いPEFCスタックを運転させるシステムにのせ運転させた。その他の条件は実験例1および実験例2と同じとした。結果を(表3)に示す。
【0027】
【表3】
Figure 2004095429
【0028】
このように、本発明品は平均電圧が最も高く、電圧の変動も少ない。本実験例ではPEFCスタック本体の雰囲気温度が変化し、空気の対流が多い場合と少ない場合があった。しかし、本発明品は、対流防止材で覆われているため空気の対流の多い少ないの影響をほとんど受けなかった。さらに、本発明品の対流防止材は断熱性能を有しているため、雰囲気温度の影響もほとんど受けなかった。そのためPEFCスタック本体表面からの水分の蒸発がわずかでありかつ安定しているため、内部の水分が常に適切に保たれたので発電の電圧が高く、変動も少なかったのである。無し品は本発明品とは異なり、PEFCスタック本体周りの空気の対流の変化および雰囲気温度の影響を受けたため、PEFCスタック本体表面からの水分の蒸発が変化した。そのため、内部の水分が適切である状態の時もあるが、多くは水分が過不足している状態であるので、発電の電圧が低く、変動も大きかったのである。金属品は対流防止性能は本発明品とほぼ同じであるので対流防止材外部の空気の対流の影響はほとんど受けなかったが、本発明品に比べ対流防止材の熱伝導率は大きいので外部雰囲気温度の影響を受けた。よって、本発明品に比べ、わずかに発電電圧が低く、変動が大きくなった。非吸水品の対流防止材の対流防止機能や断熱性能は本発明品と同じであるので、本発明品と同じく発電電圧は高く、変動は少なかった。
【0029】
実験例4として、ガスケットが痛んだ場合を想定して、ガスケットにわずかにキズを付けた。実験品と実験条件は実験例3と同じである。PEFCスタックの下部に受け皿を置き、落下する水の量の1時間あたりの平均量を求めた。結果を(表4)に示す。
【0030】
【表4】
Figure 2004095429
【0031】
このように、対流防止材に防水性を有しているものは対流防止材の上部に水が溜まるため、水の落下が無く、対流防止材に防水性を有していないもの、または対流防止材を有していないものは、水が落下した。水が落下すると周りを濡らしてしますが、対流防止材に吸水性を有しているものは周りを濡らすことが無く安心して使用できる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高分子電解質膜を挟んだ一対の電極を、ガス供給路を有する導電性セパレータで挟持したものを単位電池とし、前記単位電池を複数個積層した高分子電解質型燃料電池のスタックにおいて、スタック本体の周りの気体の流れを防止する対流防止材をスタック本体の周りに配置することにより、スタック本体の周りの気体の対流などの流れ防止または減少させることができる。これによって、PEFCスタック本体側面にある薄い水の層からの水の蒸発量が安定化するので、PEFCスタック内部の水分量も安定に保たれるために、発電および発熱などの運転が安定するPEFCスタックが実現できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるPEFCスタックの長手方向から見た側断面図
【図2】本発明の実施例におけるPEFCスタックの端板方向から見た断面図
【図3】本発明の実施例におけるPEFCスタックのシステムに取り付けた際の端板方向から見た断面図
【図4】従来のPEFCの基本的な単位の構成を示す図
【図5】従来のPEFCスタックの構成を示す図
【符号の説明】
1 対流防止材
2 スタック本体
101 高分子電解質膜
104a、104c 電極
105 MEA(高分子電解質膜を挟んだ一対の電極)
107a,107c 導電性セパレータ

Claims (7)

  1. 高分子電解質膜を挟んだ一対の電極を、ガス供給路を有する導電性セパレータで挟持したものを単位電池とし、前記単位電池を複数個積層した高分子電解質型燃料電池のスタックにおいて、スタック本体の周りの気体の流れを防止する対流防止材をスタック本体の周りに配置したことを特徴とする高分子電解質型燃料電池スタック。
  2. 対流防止材の少なくとも一部はスタック本体との距離が2mm以内に配置されたことを特長とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池スタック。
  3. 対流防止材は吸水性を有していることを特徴とする請求項1または2記載の高分子電解質型燃料電池スタック。
  4. 対流防止材は防水性を有し、スタック本体より少なくとも下部には配置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池スタック。
  5. 対流防止材は断熱性能を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池スタック。
  6. 対流防止材は無機の繊維よりなることを特徴とする請求項1、2、3、5のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池スタック。
  7. 対流防止材は有機の発泡材よりなることを特徴とする請求項1、2、4、5、6のいずれか1項に記載の高分子電解質型燃料電池スタック。
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