JPH0992308A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JPH0992308A
JPH0992308A JP7241162A JP24116295A JPH0992308A JP H0992308 A JPH0992308 A JP H0992308A JP 7241162 A JP7241162 A JP 7241162A JP 24116295 A JP24116295 A JP 24116295A JP H0992308 A JPH0992308 A JP H0992308A
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JP
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polymer electrolyte
solid polymer
separator
gas
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JP7241162A
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Kyoichi Urabe
恭一 卜部
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04082Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration
    • H01M8/04089Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration of gaseous reactants
    • H01M8/04119Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration of gaseous reactants with simultaneous supply or evacuation of electrolyte; Humidifying or dehumidifying
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
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    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0065Solid electrolytes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応ガス用の加湿部を一体に内蔵する固体高分
子電解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】この発明になる固体高分子電解質型燃料電
池が備える単位燃料電池(単電池)2は、従来例に対し
て、セパレータとしてセパレータ21,22を用いると
共に、透湿性を有する膜である水透過膜23を備えるよ
うにしている。セパレータ21は、従来例に対して側面
81b側に燃料ガス用の加湿部が備えられている。すな
わち、セパレータ21は側面81b側に、凹状の溝21
1Aと水透過膜23を装着するための周縁部214が備
えられている。そうして、溝211A中を通流する燃料
ガスは、隣接する単電池2などが持つ熱交換部である溝
821B中を通流する熱媒(水)によって、水透過膜2
3を介して加湿されるのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体高分子電解
質型燃料電池に係わり、固体高分子電解質型燃料電池に
供給される反応ガスを加湿するための加湿部を、単位燃
料電池内に一体に内蔵するように改良されたその構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は水素と酸素とを利用して直流
電力を発生する一種の発電装置であり、他のエネルギー
機関と比較して電気エネルギーへの変換効率が高く、し
かも炭酸ガスや窒素酸化物等の大気汚染物質の排出量が
少ないことから、いわゆるクリーン・エネルギー源とし
て期待されている。この燃料電池としては、使用される
電解質の種類により、固体高分子電解質型,りん酸型,
溶融炭酸塩型,固体酸化物型などの各種の燃料電池がす
でに知られている。これ等の内、固体高分子電解質型燃
料電池は、分子中にプロトン(水素イオン)交換基を有
する高分子樹脂膜(以降、固体高分子電解質膜または単
にPE膜と略称することがある。)を飽和に含水させる
と、プロトン導電性電解質として機能して低い電気抵抗
率を持つようになることを利用した燃料電池である。固
体高分子電解質膜(PE膜)としては、パ−フルオロス
ルホン酸樹脂膜(例えば、米国のデュポン社製、商品名
ナフィオン膜)を代表とするフッ素系イオン交換樹脂膜
が現時点では著名であるが、この他に炭化水素系イオン
交換樹脂膜、複合樹脂膜等が用いられている。これ等の
PE膜はいずれも、飽和に含水されることによりプロト
ン導電性電解質として機能する膜であり、常温で20
〔Ω・cm〕以下の電気抵抗率を示す。この種の装置と
して同じ出願人より出願された固体高分子電解質型燃料
電池が、特開平6−96777号公報により公知となっ
ている。以下に、この特開平6−96777号公報によ
り公知となっている固体高分子電解質型燃料電池の内容
を基にして、従来例の固体高分子電解質型燃料電池につ
いて説明する。
【0003】まず、従来例の固体高分子電解質型燃料電
池が備える単位燃料電池を、図14〜図17を用いて説
明する。ここで、図14は、従来例の固体高分子電解質
型燃料電池が備える単位燃料電池の要部を展開した状態
で模式的に示したその横断面図である。図15,図1
6,図17は、図14中に示したセパレータの図14に
おけるそれぞれP矢,Q矢,R矢方向から見た図であ
る。図14〜図17において、8は、燃料電池セル7
と、その両主面のそれぞれに対向させて配置されたセパ
レータ81,82などで構成された単位燃料電池(以
降、単電池と略称することがある。)である。燃料電池
セル7(以降、単にセルと略称することがある。)は、
いずれもシート状の固体高分子電解質膜7Cと、固体高
分子電解質膜7Cの両主面のそれぞれに接着された燃料
電極膜(アノード極でもある。)7A、酸化剤電極膜
(カソード極でもある。)7Bとで構成されている。こ
のセル7は、燃料電極膜7Aに後記する燃料ガス97
の、また、酸化剤電極膜7Bに後記する酸化剤ガス98
の供給をそれぞれ受けて、後記する電気化学反応によっ
て直流電力を発生する。固体高分子電解質膜7Cには、
前記のPE膜が用いられており、燃料電極膜7Aの外側
面が,燃料電池セル7の一方の主面7aであり、酸化剤
電極膜7Bの外側面が,燃料電池セル7の他方の主面7
bである。
【0004】燃料電極膜7A,酸化剤電極膜7B(以
降、共に単に電極膜と略称することがある。)は共に、
触媒活物質を含む触媒層と電極基材を備えて構成され、
触媒層側でPE膜7Cの両主面にホットプレスにより密
着させるのが一般である。電極基材は、触媒層を支持す
ると共に反応ガス(以降、燃料ガスと酸化剤ガスを総称
してこのように言うことが有る。)の供給・排出を行
い、しかも集電体としての機能も有する多孔質のシート
(使用材料としては、例えば、カーボンペーパーが用い
られる。)である。電極膜7A,7Bのそれぞれに反応
ガスが供給されると、両電極膜7A,7Bに備えられた
触媒層とPE膜7Cとの界面に、気相(反応ガス)・液
相(PE膜)・固相(両電極膜が持つ触媒)の三相界面
が形成され、電気化学反応を生じさせることで直流電力
を発生させている。なお、触媒層は多くの場合に、微小
な粒子状の白金触媒とはっ水性を有するフッ素樹脂とか
ら形成され、しかも層内に多数の細孔が形成されるよう
にすることで、反応ガスの三相界面までの効率的な拡散
を実現すると共に、十分広い面積の三相界面が形成され
るように構成されている。この三相界面では次記する電
気化学反応が生じる。
【0005】まず、燃料電極膜7A側では「1式」によ
る電気化学反応が起こる。
【0006】
【化1】 H2 →2H+ +2e- ………………(1) また、酸化剤電極膜7B側では「2式」による電気化学
反応が起こる。
【0007】
【化2】 (1/2)O2 +2H+ +2e- →H2 O …(2) すなわち、これらの電気化学反応の結果、電極膜7Aで
生成されたH+ イオン(プロトン)は、PE膜7C中を
電極膜7Bに向かって移動し、また、電子(e - )は、
固体高分子電解質型燃料電池の図示しない負荷装置を通
って電極膜7Bに移動する。一方、電極膜7Bでは、酸
化剤ガス98中に含有される酸素と、PE膜7C中を電
極膜7Aから移動してきたH+ イオンと、図示しない負
荷装置を通って移動してきた電子とが反応し、H2
(水蒸気)が生成される。かくして固体高分子電解質型
燃料電池は、水素と酸素とを得て直流電力を発生し、そ
うして副生成物としてH2 O(水蒸気)を生成すること
になる。前記の機能を備えるセル7の厚さ寸法は、多く
の場合に1〔mm〕前後程度あるいはそれ以下であり、
セル7においてPE膜7Cは、燃料ガス97と酸化剤ガ
ス98との混合を防止するためのシール用膜の役目も兼
ねていることになる。
【0008】また、セパレータ81,82のそれぞれ
は、セル7への反応ガスの供給と、余剰となった反応ガ
スのセル7からの排出、セル7で発生された直流電力の
セル7からの取り出し、直流電力の発生に関連してセル
7で発生する熱をセル7から除去する役目などを担って
いる。セパレータ81,82は、ガスを透過せず、か
つ、良好な熱伝導性・電気伝導性を備え、しかも、生成
水を汚損させることの無い材料(例えば、炭素系の材
料,金属材料が使用されている。)を用いて、直方体状
に形成されている。セパレータ81,82は、セル7と
対向し合う側面81a,82aと、側面81a,82a
と反対側の側面81b,82bを有しており、セパレー
タ81は側面81a側をセル7の主面7a側に、セパレ
ータ82は側面82a側をセル7の主面7b側に、それ
ぞれ密接させてセル7を挟むようにして配設されてい
る。
【0009】セパレータ81,82には、セル7に反応
ガスの供給,排出を行うための通流路として、セル7と
対向される側の面に沿って、それぞれのガスを通流させ
る凹状の溝が複数個備えられている。すなわち、セパレ
ータ81の側面81a側には、燃料ガス97を通流させ
ると共に,未消費の水素を含む余剰となった燃料ガス9
7を排出するための間隔を設けて設けられた凹状の溝8
11Aと、この溝811A間に介在する凸状の隔壁81
2Aとが、互いに交互に形成されている。セパレータ8
2の側面82a側には、酸化剤ガス98を通流させると
共に,未消費の酸素を含む余剰となった酸化剤ガス98
を排出するための間隔を設けて設けられた凹状の溝82
1Aと、この溝821A間に介在する凸状の隔壁822
Aとが、互いに交互に形成されている。
【0010】図15中に示すように、セパレータ81に
形成されているそれぞれの溝811Aの両端部は、これ
等の溝811Aが互いに並列になって、凹形の溝状に形
成されたマニホールド813A,813Aに連通されて
いる。このマニホールド813A,813Aの端部に
は、側面81bに開口する1対の貫通穴815A,81
6Aが形成されている。セパレータ81において、燃料
ガス97は貫通穴815Aから流入され、貫通穴816
Aから流出される。貫通穴827A,828Aは、セパ
レータ81内における酸化剤ガス98通流用の貫通穴で
ある。
【0011】また、図16中に示すように、セパレータ
82に形成されているそれぞれの溝821Aの両端部
は、これ等の溝821Aが互いに並列になって、凹形の
溝状に形成されたマニホールド823A,823Aに連
通されている。このマニホールド823A,823Aの
端部には、側面82bに開口する1対の貫通穴825
A,826Aが形成されている。セパレータ82におい
て、酸化剤ガス98は貫通穴825Aから流入され、貫
通穴826Aから流出される。貫通穴817A,818
Aは、セパレータ82内における燃料ガス97通流用の
貫通穴である。
【0012】また、セパレータ81,82には、セル7
で発生した熱をセル7から除去するための熱交換部とし
て、熱媒99を通流させる溝が備えられている。すなわ
ち、セパレータ81には、その側面81b側に熱媒99
を通流させる凹状の溝811Bが形成され、セパレータ
82にも、その側面82b側に熱媒99を通流させる凹
状の溝821Bが形成されている。セパレータ81に形
成されている貫通穴815B,816Bは、溝811B
に連通された熱媒99通流用の貫通穴であり、セパレー
タ82に形成されている貫通穴825B,826Bは、
溝821Bに連通された熱媒99通流用の貫通穴であ
る。セパレータ82について図17中に示すように、そ
れぞれの溝821Bの両端部は、それぞれ凹形の溝状に
形成されたマニホールドに連通され、その端部で、側面
82aに開口する貫通穴825B,826Bに連なって
いる。セパレータ82においては、熱媒99は貫通穴8
25Bから流入され、貫通穴826Bから流出される。
【0013】さらに、73は、前記したガス通流路中を
通流する反応ガスが、ガス通流路外に漏れ出るのを防止
する役目を負う弾性材製のガスシール体(例えば、Oリ
ングである。)である。ガスシール体73は、それぞれ
のセパレータ81,82の周縁部に形成された凹形状の
溝819,829内に収納されて装着されている。ま
た、熱交換部である溝811B,821Bを取り巻いて
形成された凹形状の溝818B,828Bは、熱媒99
が漏れ出るのを防止するための、弾性材製のシール体
(例えば、Oリングである。)を収納するためのもので
ある。
【0014】ところで公知のごとく、1個のセル7が発
生する電圧は、1〔V〕程度以下と低い値である。この
ため、前記の構成を持つ単電池8は、その複数個(数十
個程度あるいはそれ以上であることが多い。)を、セル
7の発生電圧が互いに直列接続されるように積層した単
電池の積層体として構成し、電圧を高めて用いられるの
が一般である。次に、この単電池の積層体である固体高
分子電解質型燃料電池の従来例について説明する。
【0015】図18は、従来例の固体高分子電解質型燃
料電池を模式的に示した要部の側面図であり、図19
は、図18に示した従来例の固体高分子電解質型燃料電
池の反応ガスの供給経路を説明する説明図である。図1
8,図19において、図14〜図17に示した単電池と
同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。なお
図18,図19中には、図14〜図17で付した符号に
ついては、代表的な符号のみを記した。図18,図19
において、9は、複数(図18では、単電池8の個数が
8個である場合を例示した。)の単電池8を積層して構
成された,単電池8の積層体を主体とする固体高分子電
解質型燃料電池(以降、スタックと略称することがあ
る。)である。
【0016】スタック9は、単電池8の積層体の両端部
に、単電池8で発生した直流電力をスタック9から取り
出すための,銅材等の導電材製の集電板91,92と、
単電池8,集電板91,92を構造体から電気的に絶縁
するための電気絶縁材製の電気絶縁板93,94と、電
気絶縁板93,94の両外側面側に配設される鉄材等の
金属製の加圧板95,96とを順次積層して構成されて
いる。そうして、加圧板95,96にそれぞれの外側面
側から複数の締付けボルト959により適度の加圧力を
与えるようにしている。集電板91,電気絶縁板93に
は、セパレータ81が持つ貫通穴815A,828A,
815Bと合致する部位に、これ等の貫通穴と同様の図
示しない貫通穴がそれぞれ形成され、また加圧板95に
は、貫通穴815A,828Aと合致する部位に、管用
めねじ付きの貫通穴951,952が形成され、貫通穴
815Bと合致する部位に配管接続体991が装着され
ている。集電板92,電気絶縁板94には、セパレータ
82が持つ貫通穴818A,825A,826Bと合致
する部位に、これ等の貫通穴と同様の図示しない貫通穴
がそれぞれ形成され、また加圧板96には、貫通穴81
8A,825Aと合致する部位に、管用めねじ付きの貫
通穴962,961が形成され、貫通穴826Bと合致
する部位に配管接続体991が装着されている。
【0017】これ等により、複数の単電池8を積層する
際に、全部の単電池8がそれぞれに持つ溝811Aは、
燃料ガス97用のガス通流路に関して互いに連通される
ことになる。このことは酸化剤ガス98用の溝821A
に関しても同様である。そうして、加圧板95の貫通穴
951には燃料ガス97が、加圧板96の貫通穴961
には酸化剤ガス98がそれぞれ供給され、図19中に示
したように各セパレータ内を通流し、余剰分の燃料ガス
97は貫通穴962から、余剰分の酸化剤ガス98は貫
通穴952からそれぞれ排出される。そうして反応ガス
は図19中に矢印を付したごとく、ガス通流用の溝81
1A,821A中を、その供給側を重力方向に対して上
側に、その排出側を重力方向に対して下側になるように
配置されるのが一般である。これは、セル7において
は、前記したように、発電時には副生成物として水蒸気
が生成されるが、この水蒸気のために、下流側の反応ガ
スほど多量に水蒸気が含有されることとなり、この結
果、排出端付近の反応ガスでは過飽和に相当する水蒸気
が凝縮して液体状態の水として存在することとなる可能
性が有るためである。前記の配置とすることで、凝縮し
た水は、反応ガス通流用の溝811A,821A中を重
力により自力で流下できるので、その除去が容易になる
のである。また単電池8がそれぞれに持つ溝811B,
821Bも、熱媒99の通流路に関して互いに連通され
ることになり、熱媒99は、加圧板95の配管接続体9
91からスタック9に流入され、加圧板96の配管接続
体991からスタック9の外部に排出される。そうし
て、前記した諸貫通穴とセパレータ81,82が持つ諸
貫通穴の開口部には、それぞれの貫通穴を取り巻いて図
示を省略した凹形状の溝が形成されており、これ等の溝
にはOリング等の図示しないシール体が装着されてい
る。
【0018】締付けボルト959は、加圧板95,96
に跨がって装着される六角ボルト等であり、それぞれの
締付けボルト959は、これ等と嵌め合わされる六角ナ
ット等と、安定した加圧力を与えるための皿ばね等と協
同して、単電池8をその積層方向に加圧する。この締付
けボルト959が単電池8を加圧する加圧力は、セル7
の見掛けの表面積あたりで、5〔kg/cm2〕内外程度であ
るのが一般である。
【0019】前述のように構成されたスタック9におい
て、セル7に使用されているPE膜7Cは、前述したと
おりに飽和に含水させることにより良好なプロトン導電
性電解質として機能する膜であり、乾燥して含水量が低
下した場合には、その電気抵抗値が増大することでスタ
ック9の発電性能は低下する。こうしたことの発生を防
止するために、セル7に供給される反応ガスは適度の湿
度値に加湿され、しかも、後記するスタック9の運転温
度に対応させた温度に加熱されてスタック9に供給され
ている。ところで、PE膜7C部の温度,従って,単電
池8の温度は、発電運転時にセル7で生成される水分を
円滑に蒸発させるなどのために、70〜80〔℃〕程度
の温度で使用されるのが一般である。また、セル7で行
われる前記の「1式」,「2式」で記述した電気化学反
応は、発熱反応である。従って、セル7で「1式」,
「2式」による電気化学反応によって発電を行う際に
は、発生される直流電力値とほぼ同等値の熱が発生する
ことも避けられないものである。単電池8の温度を70
〜80〔℃〕程度に維持するためには、この損失による
熱をセル7から除去する必要が有る。
【0020】始動時におけるまだ低温のスタック9を7
0〜80〔℃〕程度の温度に加熱し、また、運転時温度
を70〜80〔℃〕程度の温度に維持するために発電運
転中のスタック9から発熱反応により発生した熱量を除
去するのが、市水などの水である熱媒99の主たる役目
である。単電池8では、例えば、70〜80〔℃〕程度
の温度に調整された熱媒である水99が、セパレータ8
1,82に形成された溝811B,821B中を通流す
ることで、セル7は、その適温に維持されて運転される
のである。なおセパレータとして、一方の側面に燃料ガ
ス97を通流させる溝811Aを、また、他方の側面に
酸化剤ガス98を通流させる溝821Aを、それぞれ形
成するようにしたものも知られている。なおまた、単電
池として、熱交換部としての熱媒99を通流させる溝が
備えられていないセパレータを用い、その替わりに、単
電池の積層体中に、熱交換部としての専用の冷却体を介
挿するようにしたスタックも知られている。この場合に
は、冷却体には適宜の配管を介して熱媒99の供給を行
うことが一般である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る固体高分子電解質型燃料電池(スタック)、例えば、
前述のスタック9では、前述したところにより、供給さ
れる反応ガスは適度の湿度値に加湿されて供給される必
要があるが、このために、反応ガスの供給経路には反応
ガスの加湿用装置が備えられている。この加湿用装置と
しては、バブリング式の加湿用装置が採用されるのが一
般である。バブリング式の加湿用装置は、一定量の水を
貯留したタンクを有しており、反応ガスの加湿をこの貯
留された水中に反応ガスを吹き込む(バブリング)こと
により行うものであり、貯留水の温度値を適宜に設定す
ることにより、反応ガスの加湿度を簡便に調整すること
ができる利点を備えている。しかしバブリング式による
加湿方式を採用した固体高分子電解質型燃料電池発電装
置では、スタックの他に、一定量の水を貯留できるタン
ク,加熱用のヒータなどを必要とし、発電装置が大形化
することになっていた。小型・軽量化を意図する車載用
などの固体高分子電解質型燃料電池発電装置にあって
は、このことが大きな問題となっている。
【0022】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、反応ガス用の加湿
部を一体に内蔵する固体高分子電解質型燃料電池を提供
することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)シート状の固体高分子電解質材の電解質膜と,その
両主面のそれぞれに接合された燃料電極膜および酸化剤
電極膜とを持ち,燃料ガスおよび酸化剤ガスでなる反応
ガスの供給を受けて直流電力を発生する燃料電池セル
と、燃料電池セルの両主面のそれぞれに対向させて配置
されたセパレータとを有する単位燃料電池(単電池)の
複数個を互いに積層して備え、セパレータは、燃料電池
セルと対向される側の面に燃料電池セルに供給されるそ
れぞれの反応ガスを通流させるための通流路が形成され
てなる固体高分子電解質型燃料電池(スタック)におい
て、少なくとも一方の反応ガスを加湿する加湿部を単電
池の積層部分に備えた構成すること、により達成され
る。
【0024】そうして、反応ガスを加湿する加湿部が単
電池の積層部分に備えられることで加湿部はスタックに
内蔵されることとなり、スタック外の反応ガスの供給経
路に反応ガス用の加湿用装置を設置することが不要とな
る。また、 2)前記1項に記載の手段において、加湿部は透湿性を
有する膜を用いてなり、この膜はいずれかの単位燃料電
池(単電池)が有するセパレータに装着され、少なくと
も一方の反応ガスは前記の膜の一方の側面に接触され、
前記の膜の他方の側面には加湿用の水が接触されてなる
構成とすること、により達成される。
【0025】そうして、前記1項による作用を得るに当
たり、反応ガスは、透湿性を有する膜によって加湿用の
水から隔離されると共に、前記の膜を介して前記の水に
よって加湿されることとなる。また、 3)前記2項に記載の手段において、加湿部に用いられ
る透湿性を有する膜は、シート状の固体高分子電解質材
の電解質膜と隣接する部位に、前記の電解質膜が配置さ
れている面とほぼ同等位置となる面に配置されてなる構
成とすること、により達成される。
【0026】そうして、前記1項による作用を得るに当
たり、反応ガスは、燃料電池セルが持つ燃料電極膜およ
び/または酸化剤電極膜に供給される過程で、透湿性を
有する膜を介して加湿用の水によって加湿されることに
なるのである。また、 4)前記2項に記載の手段において、加湿部に用いられ
る透湿性を有する膜は、セパレータの反応ガスを通流さ
せるための通流路が形成された側に対して反対となる側
に配置されてなる構成とすること、により達成される。
【0027】そうして、透湿性を有する膜が設置される
スペースは、燃料電極膜および/または酸化剤電極膜と
同等の面積の範囲内に納められるので、前記1項による
作用を得るに当たり、単電池の面積を、加湿部を持たな
いものと同等程度とすることが可能となるのである。さ
らにまた、 5)前記4項に記載の手段において、それぞれの単位燃
料電池(単電池)は、燃料ガスを通流させるための通流
路を有する一方のセパレータと酸化剤ガスを通流させる
ための通流路を有する他方のセパレータとでなる1対の
セパレータを備え、少なくとも他方のセパレータの全て
には,酸化剤ガスを通流させるための通流路が形成され
た側とは反対となる側に水を用いる熱交換部が形成され
てなり、透湿性を有する膜が配置されたセパレータを有
する単電池は、前記の膜の外側面が、隣接する単電池が
有するセパレータに形成された熱交換部に用いられてい
る水に接触されてなる構成とすること、により達成され
る。
【0028】そうして、前記1項による作用を得るに当
たり、前記の膜が熱交換部用の水のシール体を兼用する
ことになり、熱交換部のシール構造と加湿部の構造とが
単純化され、スタックの単電池積層方向の長さ寸法を、
加湿部を持たないものと同等程度とすることが可能とな
るのである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明におい
て、図18〜図19に示した従来例の固体高分子電解質
型燃料電池(スタック)、図14〜図17に示した従来
例のスタックに用いられた単位燃料電池(単電池)と同
一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。ま
た、以下の説明に用いる図中には、図14〜図19で付
した符号については、代表的な符号のみを記すことがあ
る。
【0030】実施例1;図8は、請求項1〜3に対応す
るこの発明の一実施例による固体高分子電解質型燃料電
池が備える単位燃料電池の要部を模式的に示したその縦
断面図であり、図9は、図8におけるA−A断面図であ
る。図10は、図8中に示したセパレータの前記図15
の場合と同一方向から見た図であり、図11は、図8中
に示したセパレータの前記図16の場合と同一方向から
見た図である。図12は、図8に示した単位燃料電池を
用いた固体高分子電解質型燃料電池を模式的に示した要
部の側面図であり、図13は、図12に示したこの発明
による固体高分子電解質型燃料電池の反応ガスと熱媒の
供給経路を説明する説明図である。なお、図12,図1
3中には、図8〜図11で付した符号については、代表
的な符号のみを記した。図8〜図13において、4は、
図14〜図17に示した従来例によるスタック9が備え
る単電池8に対して、燃料電池セル(セル)7、セパレ
ータ81,82などに替えて、セル5、セパレータ4
1,42などを用いるようにした単電池である。セル5
は、セル7に対して、固体高分子電解質膜(PE膜)7
Cに替えて、PE膜5Cを用いるようにしており、この
事例の場合には、PE膜5CはPE膜7Cの2倍程度の
面積を有している。セル5では、燃料電極膜7Aの外側
面が,燃料電池セル5の一方の主面5aであり、酸化剤
電極膜7Bの外側面が,燃料電池セル5の他方の主面5
bである。
【0031】セパレータ41は、セパレータ81に対し
て、溝811Aに替えて、燃料ガス97の通流方向に沿
う長さが溝811Aよりも長い溝411Aを用いてお
り、これに伴って、隔壁812A,溝819も隔壁41
2A,溝419を用いている。セパレータ42は、セパ
レータ82に対して、酸化剤ガス98用の溝821A
と,例えば市水である熱媒99用の溝821Bとが共
に、図11に示すごとく、セル5の主面5bと対向する
側面42a側に形成されていることが異なっている。セ
パレータ42では、酸化剤ガス98用の貫通穴825A
の形成位置をセパレータ82の場合とは多少異ならせて
いるが、これは、熱交換部である溝821Bの形成部と
溝821Aの形成部との間隔を短くするためのものであ
る。またこれに伴い、貫通穴825Aと直接連なるマニ
ホールドには、マニホールド823Aに替えてマニホー
ルド423Aが用いられているが、これ等のことはこの
発明にとって本質的なものではない。
【0032】そうして単電池4は、従来例の単電池8の
場合と同様に、セパレータ41はその側面41a側をセ
ル5の主面5a側に、セパレータ42はその側面42a
側をセル5の主面5b側にして、セル5を挟むようにし
て配設されている。単電池4では、図8中に明示したよ
うに、セパレータ41,42とを、電極膜7A,7Bの
形成部と対向する部位に、溝821Aと溝411Aとを
共に位置させるようにして組み合わされている。そうし
て、電極膜7A,7Bが存在していない部分のPE膜5
Cの主要部は、溝821Bと溝411Aとに対向させて
いる。なお単電池4では、熱媒99漏出防止用のガスシ
ール体としてガスシール体73を、燃料ガス97漏出防
止用のガスシール体として、ガスシール体73と同様の
断面構造を持つガスシール体49を使用している。
【0033】また、図12,図13において、3は、図
18,図19に示した従来例によるスタック9に対し
て、単電池8、集電板91,92、電気絶縁板93,9
4、加圧板95,96に替えて、それぞれ、スタック3
に用いられるセパレータであるセパレータ41,42に
対応する形状,貫通穴位置(図12を参照。)などを持
つ、集電板31,32、電気絶縁板33,34、加圧板
35,36と、前述した単電池4を用いるようにしてい
る。
【0034】実施例1では前述の構成としたので、図
8,図13中に明示したように、個々の単電池4内にお
いて、燃料ガス97は電極膜7Aに到達する前に、PE
膜5Cを介して溝821B,したがって,熱媒である水
99と対向する部位を通流することになる。ところで、
PE膜は、プロトン導電性電解質として機能する前記し
た性質と共に、すでに良く知られているごとく、膜を通
して水を移動できる性質も有している。このため、溝8
21Bと対向する部位のPE膜5Cは水99によって湿
潤にされることになり、燃料ガス97は湿潤にされたP
E膜5Cに沿って通流する間に水99によって加湿され
る。すなわち実施例1では、溝821Bと対向する部位
のPE膜5Cが、燃料ガス97を加湿するための加湿部
の主要部分であり、水99が燃料ガス97を加湿するた
めの加湿用の水であることになる。また、燃料ガス97
は、PE膜5Cによって水99とは直接に接触しないよ
うに隔離されていることになり、加湿用の水99が電極
膜7Aに侵入することは有り得ないのである。なお、燃
料ガス97の加湿度は、従来例の場合と同様に、水99
の温度値を変更することで調整することが可能である。
【0035】スタック3では、PE膜5Cを介して水9
9によって加湿された燃料ガス97が燃料電極膜7Aに
供給されるので、電極膜7A,7Bの形成部のPE膜5
Cは、燃料ガス97から水分が供給されることになる。
そうして、電極膜7A,7Bの形成部のPE膜5Cを加
湿するに当たって、スタック3に対する反応ガスの供給
経路には、反応ガス用の加湿用装置を設置することが不
要となる。また実施例1では、スタックに供給される反
応ガスの内、燃料ガス97のみを加湿するようにした事
例を示すものであるが、このような構成としても、スタ
ック3では電極膜7A,7Bの形成部のPE膜5Cは、
常に適正な含水状態に保たれることが確認されている。
このことは、スタック3の発電運転時においては、酸化
剤電極膜7Bでは、前記の「2式」で述べたごとく、副
生成物として水蒸気が生成されるので、酸化剤ガス98
をあえて加湿する必要が無かったものと考えられる。
【0036】実施例1における今までの説明では、単電
池4は、セパレータ42に対向させて、溝821Aの形
成部分と溝821Bの形成部分の両者を一体に覆うこと
ができる面積を持つPE膜5Cを備えるとしてきたが、
これに限定されるものではなく、例えば、このPE膜
は、溝821Aの形成部分と溝821Bの形成部分との
それぞれを、別個のPE膜で覆うようにしてもよいもの
である。
【0037】実施例2;図1は、請求項1,2,4,5
に対応するこの発明の一実施例による固体高分子電解質
型燃料電池が備える単位燃料電池の要部を模式的に示し
たその横断面図であり、図2は、図1中に示したセパレ
ータの図1におけるS矢方向から見た図である。図3,
図4,図5は、図1中に示したセパレータのそれぞれ前
記の図15,図17,図16の場合と同一方向から見た
図である。図6は、図1に示した単位燃料電池を用いた
固体高分子電解質型燃料電池を模式的に示した要部の側
面図であり、図7は、図6に示したこの発明による固体
高分子電解質型燃料電池の反応ガスと熱媒の供給経路を
説明する説明図である。なお、図6,図7中には、図1
〜図5で付した符号については、代表的な符号のみを記
した。図1〜図7において、2は、図14〜図17に示
した従来例によるスタック9が備える単電池8に対し
て、セパレータ81,82に替えて、セパレータ21,
22を用いると共に、透湿性を有する膜である水透過膜
23を備えるようにした単電池である。セパレータ21
は、従来例のセパレータ81に対して、側面81a側に
形成される燃料ガス97の供給部に関しては溝811A
に連通される貫通穴などが変更され、側面81b側に関
しては、熱交換部である溝811Bなどに替えて、燃料
ガス97用の加湿部が備えられている。すなわち、セパ
レータ21では、溝811Aに連通される貫通穴とし
て、従来例のセパレータ81における貫通穴816A
が、貫通穴215Aとその符号が変更され、この貫通穴
215Aと対になる貫通穴216Aの形成位置が、従来
例のセパレータ81における貫通穴815Aとは異なっ
た位置とされている(図3参照。)。これに関連して、
貫通穴216Aに隣接されるマニホールド217Aの形
状が、従来例のセパレータ81におけるマニホールド8
13Aから見直されている。また、セパレータ21が備
える燃料ガス97用の加湿部の、燃料ガス97用の通流
部は図2中に示したごとくに、燃料ガス97を通流させ
るための通流路である凹状の溝211Aの複数個が、こ
の溝211A間に介在する凸状の隔壁212Aと共に、
互いに交互に形成されている。
【0038】溝211Aの両端部は、これ等の溝211
Aが互いに並列になって、凹形の溝状に形成されたマニ
ホールド213A,213Aに連通され、このマニホー
ルド213A,213Aの端部には、側面81aに開口
する1対の貫通穴815A,215Aが形成されてい
る。溝211A,マニホールド213A,貫通穴815
A,215Aなどからなる燃料ガス97の通流部を巡っ
て、凹形状の溝219が形成されている。セパレータ8
1において、燃料ガス97は貫通穴815Aから流入さ
れ、加湿された燃料ガス97は貫通穴215Aから流出
されることになる。ここで、溝211A,隔壁212
A,マニホールド213A,溝219は、従来例のセパ
レータ81が備える、溝811A,隔壁812A,マニ
ホールド813A,溝819と同形に形成されている。
セパレータ21の側面81b側には、周縁部214が額
縁形をした堰堤状に形成されている。セパレータ22
は、従来例のセパレータ82に対して、貫通穴818A
が削除され、それに替えて貫通穴226Aが追加して形
成されていることのみが異なっている。
【0039】そうして単電池2は、セパレータ21をそ
の側面81a側をセル7の主面7a側にし、セパレータ
22をその側面82a側をセル7の主面7b側にしてセ
ル7を挟むようにして配設すると共に、この発明による
特徴的な構成として、水透過膜23が周縁部214に嵌
め込まれて装着されている。この水透過膜23の装着部
においては、燃料ガス97は、溝219に装着されたガ
スシール体73によってシールされている。ところで水
透過膜23は、PE膜製であって、PE膜が持っている
膜を通して水を移動できる性質を利用したものである。
また、図6,図7において、1は、図18,図19に示
した従来例によるスタック9に対して、単電池8に替え
て、単電池2を用いると共に、端部に位置する単電池2
のセパレータ21と集電板91との間に介挿された,セ
パレータ11を用いるようにしたスタックである。セパ
レータ11は、セパレータ21,22と同等の材料を用
いて構成され、面積方向の寸法,形状はセパレータ22
と同一にされ、かつ、セパレータ21と対向する側面側
に、重複を避けるためにその図示は省略するが、セパレ
ータ22が持つ熱交換部と同一構成の熱交換部が形成さ
れている。そうして、セパレータ11が持つ熱交換部に
も、熱媒である水99が通流される。
【0040】実施例2では前述の構成としたので、図7
中にも示したように、燃料ガス97は、貫通穴815A
から個々の単電池2のセパレータ21に流入し、セパレ
ータ21内を,貫通穴815A→溝211A→貫通穴2
15A→溝811A→貫通穴216Aの経路で通流す
る。この間、溝211A中を通流している際に、水透過
膜23を介して、隣接している単電池2が有するセパレ
ータ22、または、セパレータ11が持つ熱交換部内を
通流する熱媒である水99によって加湿される。すなわ
ち実施例2では、溝211Aと対向する部位の水透過膜
23が、燃料ガス97を加湿するための加湿部の主要部
分であり、水99が燃料ガス97を加湿するための加湿
用の水であることになる。また、燃料ガス97は、水透
過膜23によって水99とは直接に接触しないように隔
離されていることになり、加湿用の水99が電極膜7A
に侵入することは有り得ないのである。
【0041】スタック1では、水透過膜23を介して水
99によって加湿された燃料ガス97が燃料電極膜7A
に供給されるので、PE膜7Cには、燃料ガス97から
水分が供給されることになる。そうして、スタック1に
対する反応ガスの供給経路に反応ガス用の加湿用装置の
設置が不要であること、および、燃料ガス97のみの加
湿でPE膜7Cを適正な含水状態に保持できることが確
認されていることは、スタック3の場合と同様である。
そうしてスタック1では、第1に、加湿部をセパレータ
21の側面81b側に配置することで、セパレータ2
1,22の面積を、従来例のセパレータ81,82と同
等寸法に納めることが可能であること.第2に、水透過
膜23が熱交換部用の水99のシール体を兼用すること
によって熱交換部のシール構造が単純化され、スタック
1の単電池積層方向の長さ寸法を、加湿部を持たないも
のと同等程度とすることが可能となること.第3に、水
透過膜23に与える水を、熱交換部用の水99と共用で
きることでスタック1に供給される水源の数を低減する
ことが可能となること.などの特長を有している。
【0042】ところで単電池2では、水透過膜23をセ
パレータ21に形成された周縁部214に嵌め込むこと
で装着しているが、これは電極膜7A,7Bが装着され
ていない部位のPE膜7Cは、プロトンが供給されない
ことで電気絶縁性を示すことに対処するためである。セ
パレータ21に周縁部214が形成されて、水透過膜2
3が装着された単電池2には、水透過膜23によって覆
われない、したがって露出している側面81bが得られ
る。この露出部が隣接する単電池2が持つセパレータ2
2の側面82bなどと直接接触し合うことで、スタック
1は、集電板91と集電板92間の電気的な導通を確保
することができているのである。
【0043】実施例2における今までの説明では、セパ
レータ21には周縁部214が形成されるとしてきた
が、これに限定されるものではなく、周縁部214に替
えて、例えば、セパレータ21,22,11に電気接続
部を形成し、互いに隣接する単電池2のそれぞれが備え
る前記セパレータの相互間を、適宜の電気接続体を用い
て前記の電気接続部によって接続し合ってもよいもので
ある。
【0044】実施例1,2における今までの説明では、
スタックに供給される反応ガスの内、燃料ガス97のみ
を加湿するとしてきたが、これに限定されるものではな
く、必要である場合には、酸化剤ガス98も加湿しても
よいことは、勿論のことである。また、実施例1,2に
おける今までの説明では、燃料ガス97と酸化剤ガス9
8とは互いに異なる加圧板からスタックに供給されると
してきたが、これに限定されるものではなく、例えば、
両ガスを同一の加圧板からスタックに供給するようにし
ても何等差し支えは無いものである。また、実施例1,
2における今までの説明では、加湿部は、スタックが備
える全ての単電池に備えるとしてきたが、これに限定さ
れるものではなく、例えば、反応ガスの下流部に位置す
る単電池には、加湿部の設置が不要である場合も有りえ
るものである。また、実施例1,2における今までの説
明では、加湿部に用いられる透湿性を有する膜はPE膜
であるとしてきたが、これに限定されるものではなく、
例えば、セロハン,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂
などの、透湿性を有する膜であれば適宜の膜であっても
よいものである。なお、これ等の透湿性を有する膜もプ
ロトンが供給されない場合のPE膜と同様に、電気絶縁
性を持つ材料である。さらにまた、実施例1,2におけ
る今までの説明では、加湿部に用いられる透湿性を有す
る膜は、単体で使用されるとしてきたが、これに限定さ
れるものではなく、例えば、その両側面または片側面に
多孔質のシート材を用いた支持板を介在させてもよいも
のである。この支持板に用いられる多孔質のシート材と
しては、電極膜7A,7Bなどの電極基材として用いら
れているカーボンペーパーなどが使用可能である。
【0045】
【発明の効果】この発明においては、前記の課題を解決
するための手段の項で述べた構成とすることにより、次
記する効果を奏する。 スタックに供給される反応ガスを加湿する例えば透湿
性を有する膜を用いた加湿部を単電池の積層部分に備え
る構成とすることにより、スタックの外部に反応ガスを
加湿する加湿装置を設置することが不要となるので、固
体高分子電解質型燃料電池装置を用いた発電装置を小型
化することが可能となる。また、 加湿部に用いられる透湿性を有する膜を、セパレータ
の反応ガスを通流させるための溝が形成された側に対し
て反対となる側に配置する構成とすることにより、セパ
レータの面積が、加湿部を持たない場合と同等に納める
こおとが可能となることで、前記項による効果を得な
がら、スタックの面積を加湿部を持たない場合と同等に
小型化することが可能となる。
【0046】それぞれの単電池は1対のセパレータを
備え、少なくとも片側のセパレータの全てに酸化剤ガス
を通流させるための溝が形成された側とは反対となる側
に水を用いる熱交換部を形成し、かつ、透湿性を有する
膜の外側面を隣接する単電池などが持つ熱交換部に用い
られる水に接触させる構成とすることにより、透湿性を
有する膜に水を与えるための構成が単純化されること
で、前記項,項による効果を得ながら、スタックの
長さ寸法を、加湿部を持たないものと同等程度とするこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2,4,5に対応するこの発明の一
実施例による固体高分子電解質型燃料電池が備える単位
燃料電池の要部を模式的に示したその横断面図
【図2】図1中に示したセパレータの図1におけるS矢
方向から見た図
【図3】図1中に示したセパレータの後記の図15の場
合と同一方向から見た図
【図4】図1中に示したセパレータの後記の図17の場
合と同一方向から見た図
【図5】図1中に示したセパレータの後記の図16の場
合と同一方向から見た図
【図6】図1に示した単位燃料電池を用いた固体高分子
電解質型燃料電池を模式的に示した要部の側面図
【図7】図6に示したこの発明による固体高分子電解質
型燃料電池の反応ガスと熱媒の供給経路を説明する説明
【図8】請求項1〜3に対応するこの発明の一実施例に
よる固体高分子電解質型燃料電池が備える単位燃料電池
の要部を模式的に示したその縦断面図
【図9】図8におけるA−A断面図
【図10】図8中に示したセパレータの後記の図15の
場合と同一方向から見た図
【図11】図8中に示したセパレータの後記の図16の
場合と同一方向から見た図
【図12】図8に示した単位燃料電池を用いた固体高分
子電解質型燃料電池を模式的に示した要部の側面図
【図13】図10に示したこの発明による固体高分子電
解質型燃料電池の反応ガスと熱媒の供給経路を説明する
説明図
【図14】従来例の固体高分子電解質型燃料電池が備え
る単位燃料電池の要部を展開した状態で模式的に示した
その横断面図
【図15】図14中に示したセパレータの図14におけ
るP矢方向から見た図
【図16】図14中に示したセパレータの図14におけ
るQ矢方向から見た図
【図17】図14中に示したセパレータの図14におけ
るR矢方向から見た図
【図18】従来例の固体高分子電解質型燃料電池を模式
的に示した要部の側面図
【図19】図18に示した従来例の固体高分子電解質型
燃料電池の反応ガスの供給経路を説明する説明図
【符号の説明】
2 単位燃料電池(単電池) 21 セパレータ 211A 溝 214 周縁部 22 セパレータ 23 水透過膜 81b 側面 821B 溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状の固体高分子電解質材の電解質膜
    と,その両主面のそれぞれに接合された燃料電極膜およ
    び酸化剤電極膜とを持ち,燃料ガスおよび酸化剤ガスで
    なる反応ガスの供給を受けて直流電力を発生する燃料電
    池セルと、燃料電池セルの両主面のそれぞれに対向させ
    て配置されたセパレータとを有する単位燃料電池の複数
    個を互いに積層して備え、セパレータは、燃料電池セル
    と対向される側の面に燃料電池セルに供給されるそれぞ
    れの反応ガスを通流させるための通流路が形成されてな
    る固体高分子電解質型燃料電池において、 少なくとも一方の反応ガスを加湿する加湿部を単位燃料
    電池の積層部分に備えたことを特徴とする固体高分子電
    解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 加湿部は透湿性を有する膜を用いてなり、この膜はいず
    れかの単位燃料電池が有するセパレータに装着され、少
    なくとも一方の反応ガスは前記の膜の一方の側面に接触
    され、前記の膜の他方の側面には加湿用の水が接触され
    てなることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 加湿部に用いられる透湿性を有する膜は、シート状の固
    体高分子電解質材の電解質膜と隣接する部位に、前記の
    電解質膜が配置されている面とほぼ同等位置となる面に
    配置されてなることを特徴とする固体高分子電解質型燃
    料電池。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 加湿部に用いられる透湿性を有する膜は、セパレータの
    反応ガスを通流させるための通流路が形成された側に対
    して反対となる側に配置されてなることを特徴とする固
    体高分子電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 それぞれの単位燃料電池は、燃料ガスを通流させるため
    の通流路を有する一方のセパレータと酸化剤ガスを通流
    させるための通流路を有する他方のセパレータとでなる
    1対のセパレータを備え、少なくとも他方のセパレータ
    の全てには,酸化剤ガスを通流させるための通流路が形
    成された側とは反対となる側に水を用いる熱交換部が形
    成されてなり、透湿性を有する膜が配置されたセパレー
    タを有する単位燃料電池は、前記の膜の外側面が、隣接
    する単位燃料電池が有するセパレータに形成された熱交
    換部に用いられている水に接触されてなることを特徴と
    する固体高分子電解質型燃料電池。
JP7241162A 1995-09-20 1995-09-20 固体高分子電解質型燃料電池 Pending JPH0992308A (ja)

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