JP2004095417A - メモリカードコネクタの挿抜機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メモリカードコネクタ内のスライダ12に設けたキャッチスプリング14の先端を上に延長して他の部分よりも幅広とし、トップカバー16から垂下するロックプレート16aはキャッチスプリング14の先端拡幅部15aにのみ対峙する高さとする。メモリカードを逆向きに挿入したときは、キャッチ部15がメモリカードに押されて外側へ回動するが、先端拡幅部15aがロックプレート16aの外側へ退避した状態でスライダ12がスライドし、キャッチ部15がロックプレート16aに衝突することがなく、キャッチスプリングの破損や変形が防止される。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、メモリカードコネクタの挿抜機構に関するものであり、特に、メモリカードの方向を誤って挿入した場合の機構部の破損を防止したメモリカードコネクタの挿抜機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のメモリカードコネクタを図にしたがって説明する。図6はメモリカードコネクタ1にメモリカード21を装着した状態を示し、メモリカードコネクタ1は、樹脂製のベースフレーム2とこれに嵌合する金属製のトップカバー3とによって筐体を構成している。図7はベースフレーム2を示し、4はスライダであり、ベースフレーム2の後部(図7において左)に、メモリカード21の端子配列に合わせてコンタクトピン5が横並びに配置されている。ベースフレーム2の左辺(図7において下)近傍にはスライダガイド6が形成されていて、スライダガイド6とトップカバー3の左側壁(図示せず)とによってスライダ4を挟んでガイドする。ベースフレーム2の後部壁面とスライダ4との間に挿入された圧縮コイルバネ7によりスライダ4は図示の前進初期位置に保持される。スライダ4に取付けられているキャッチスプリング8は、先端に円弧形のキャッチ部8aがプレス加工されていて、キャッチ部8aはメモリカードコネクタ1の内部空間へ突出している。
【0003】
図8、図9はメモリカード21を示し、挿入方向を規制するために前端左角を斜めに切り欠いた形状となっており、図9に示すように前端左の斜面部22の裏に前後方向の溝23が形成されていて、左側面には半円形の凹部24が形成されている。図7に示すように、メモリカードコネクタ1のスライダ4はメモリカード21の斜面部22ならびに溝23と対偶をなす形状であって、メモリカードコネクタ1にメモリカード21を正しい向きで挿入すると、メモリカード21の溝23へスライダ4のアーム部4aが進入するとともに、キャッチスプリング8のキャッチ部8aがメモリカード21の凹部24に嵌合し、これと同時にメモリカード21の斜面部22がスライダ4の三角プレート部4bに接し、スライダ4はメモリカード21に押されて後退する。
【0004】
図10はメモリカードコネクタ1へメモリカード21が装着された状態を示し、メモリカード21の接点がメモリカードコネクタ1のコンタクトピン5に接触し、キャッチスプリング8のキャッチ部8aはトップカバー3に設けたロックプレート3aにより外側方向への移動を規制され、メモリカード21の凹部24へ嵌合した状態に保持されている。図示は省略するが、メモリカードコネクタ1にはスライダ4の後部側面に形成したハート形溝カムと、ベースフレーム2に設けたロックピンとによる公知のスライダロック機構が設けられており、スライダ4の前後移動に伴ってロックピンはハート形溝カムに沿って動き、スライダ4がロック位置へ後退するとロックピンがハート形溝カムの凹部に係合してスライダ4はロック位置に固定される。メモリカード21を取外す際は、メモリカード21を奥方向へ押せば、ロックピンがハート形溝カムの凹部から外れてスライダ4のロックが解除され、圧縮コイルバネによりスライダが前進してメモリカードが排出される。
【0005】
以上がメモリカード21を正しい向きで装着したときの説明であるが、メモリカード21を逆向きに挿入した場合は、図11に示すようにメモリカード21の側面によってキャッチスプリング8が外側へ撓められた状態でスライダ4が後退し、キャッチスプリング8のキャッチ部8aがトップカバー3のロックプレート3aへ当たってスライダ4が停止する。そして、さらにメモリカード21が押されるとキャッチスプリング8がスライダ4から脱落したり、キャッチ部8aが折り曲がってメモリカード21とロックプレート3aとの間に詰まったりしてキャッチスプリング8が破損することがある。また、さらにメモリカード21が押されるとメモリカード21がコンタクトピン5に衝突してコンタクトピン5が破損することもある。
【0006】
そこで、メモリカードを逆向きに挿入した場合のメモリカードコネクタの破損事故を防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、メモリカードコネクタ内に配置したスライダに板バネであるキャッチスプリングを取付け、キャッチスプリングは先端部に凸形のキャッチ部を備え、メモリカード挿入時にキャッチ部がメモリカードの側面の凹部に係合し、メモリカードを接続位置まで挿入したときにキャッチ部がメモリカードコネクタに設けたロックプレートとメモリカードとに挟まれてメモリカードの凹部から離脱不能に保持されるメモリカードコネクタの挿抜機構において、
キャッチスプリングのキャッチ部の先端を上または下へ拡幅してL形とするとともに、前記ロックプレートをキャッチ部の前記拡幅部にのみ対峙する高さに配置することにより、メモリカードコネクタへメモリカードを逆向きに挿入したときに、キャッチ部の拡幅部がロックプレートの外側へ回動されてスライダが移動し、キャッチ部とロックプレートの衝突を防止したことを特徴とするメモリカードコネクタの挿抜機構を提供するものである。
【0008】
また、上記スライダの内側の側面に凹部を形成し、キャッチスプリングが外側へ回動する際にキャッチ部が前記凹部内に進入するように構成したメモリカードコネクタの挿抜機構を提供するものである。
【0009】
また、メモリカードコネクタ内のコンタクトピンの周囲にリブを形成し、メモリカードコネクタへメモリカードを逆向きに挿入したときにリブによりメモリカードの進入を阻止し、コンタクトピンの破損を防止したことを特徴とするメモリカードコネクタの挿抜機構を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1はメモリカードコネクタのベースフレーム11を示し、スライダ12やコンタクトピン13の配列は、図7に示した従来のメモリカードコネクタ1と同一であるが、キャッチスプリング14並びに後述するトップカバーのロックプレートの形状が相違している。また、ベースフレーム11にコンタクトピン13の周囲を取囲むリブ11aを形成し、メモリカードを逆向きに挿入した場合にメモリカードがリブ11aに当たってコンタクトピン13の手前で挿入を阻止されるようにして、コンタクトピン13の破損を防止している。
【0011】
図2は正しい向きでメモリカード21を装着した状態を示し、従来例と同様にメモリカード21の左側面の凹部24にキャッチスプリング14のキャッチ部15が嵌合してメモリカード21とともにスライダ12が押し込まれ、メモリカード21の接点とメモリカードコネクタのコンタクトピン13が接触する。そして、図2及び図3のようにキャッチ部15の先端拡幅部15aがトップカバー16に形成したロックプレート16aに接して外側への移動を阻止され、キャッチ部15がメモリカード21の凹部24から外れないように保持されるとともに、図2に示すスライダ12の側面に形成したハート形溝カム17とベースフレーム11に取付けたロックピン18による公知のスライダロック機構によりスライダ12がロック位置に固定されてメモリカード21が装着される。
【0012】
図3は図2のA−A線矢視図であり、ここに示すようにキャッチスプリング14はキャッチ部15の先端拡幅部15aのみが一段高いL形の段付形状としている。また、トップカバー16から垂下しているロックプレート16aは従来型よりも短く、先端拡幅部15aにのみ対峙する高さとなっていて、先端拡幅部15a以外の部分には干渉しないようにしている。ロックプレート16aとベースフレーム11の内部底面との間隙の上下寸法はキャッチスプリング15の先端拡幅部15aを除く部分の高さよりも広くなっている。
【0013】
メモリカードコネクタへメモリカードを裏返して挿入した場合は、先ずキャッチスプリング14のキャッチ部15がメモリカード21の側面に押されて外側へ回動し、図4に示すようにキャッチ部15の先端部分がスライダ12の凹部12a内に退避する。そして、スライダ12が後方へスライドするときに、図5に示すようにキャッチ部15の先端拡幅部15aはトップカバー16のロックプレート16aに接触せずロックプレート16aの外側を進み、図4のように逆向きのメモリカード21はスライダ12のアーム部12bが障害となって挿入途中で停止する。ここで、メモリカード21を引き抜けば、スライダ12は前進して図1の初期位置に戻り、キャッチスプリング14もロックプレート16aの外側へ撓んだ状態から初期状態に戻る。
【0014】
このように、キャッチスプリング14が逆向きのメモリカード21に押されて外側へ回動した状態でスライダ12が後退した場合であっても、キャッチスプリング14のキャッチ部15はトップカバー16のロックプレート16aに衝突することがないので、メモリカードを逆向きに挿入した場合におけるキャッチスプリングの破損や変形を防止することができる。
【0015】
また、図4に示すように逆向きのメモリカード21がスライダ12のアーム部12bに当たった状態から、さらに強くメモリカード21が押されて、メモリカード21がアーム部12bを変形させたりアーム部12bに乗上げたりしてメモリカード21が前進した場合は、メモリカード21がコンタクトピン13を取囲むリブ11aに当たって停止し、コンタクトピン13が破損する虞はない。
【0016】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のメモリカードコネクタの挿抜機構は、メモリカードを逆向きに挿入したときに、スライダに設けたキャッチスプリングのキャッチ部がロックプレートの外側へ退避した状態でスライダがスライドするので、キャッチスプリングのキャッチ部がロックプレートに衝突することがなく、キャッチスプリングの破損や変形を防止することができる。
【0018】
また、スライダの内側の側面に凹部を形成し、キャッチスプリングが外側へ回動する際にキャッチ部が前記凹部内に進入するように構成することによりキャッチスプリングの自由回動範囲が拡大され、キャッチスプリングの変形防止に有効である。
【0019】
また、メモリカードコネクタ内のコンタクトピンの周囲にリブを設けることにより、逆向きに挿入したメモリカードがコンタクトピンへ衝突してコンタクトピンを破損することを防止でき、フェイルセーフ作用がより確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、メモリカードコネクタのベースフレームの平面図。
【図2】ベースフレームを示し、メモリカード装着状態を示す平面図。
【図3】図2のA−A線矢視図。
【図4】ベースフレームを示し、メモリカードを逆向き挿入した状態を示す平面図。
【図5】図4のA−A線矢視図。
【図6】メモリカードコネクタへメモリカードを装着した状態の斜視図。
【図7】従来例を示し、メモリカードコネクタのベースフレームの平面図。
【図8】メモリカードの斜視図。
【図9】メモリカードの底面図。
【図10】従来例を示し、メモリカード装着状態を示すベースフレームの平面図。
【図11】従来例を示し、メモリカードを逆向き挿入した状態を示す平面図。
【符号の説明】
11 ベースフレーム
11a リブ
12 スライダ
13 コンタクトピン
14 キャッチスプリング
15 キャッチ部
15a 先端拡幅部
16 トップカバー
16a ロックプレート
21 メモリカード
22 斜面部
23 溝
24 凹部
Claims (3)
- メモリカードコネクタ内に配置したスライダに板バネであるキャッチスプリングを取付け、キャッチスプリングは先端部に凸形のキャッチ部を備え、メモリカード挿入時にキャッチ部がメモリカードの側面の凹部に係合し、メモリカードを接続位置まで挿入したときにキャッチ部がメモリカードコネクタに設けたロックプレートとメモリカードとに挟まれてメモリカードの凹部から離脱不能に保持されるメモリカードコネクタの挿抜機構において、
キャッチスプリングのキャッチ部の先端を上または下へ拡幅してL形とするとともに、前記ロックプレートをキャッチ部の前記拡幅部にのみ対峙する高さに配置することにより、メモリカードコネクタへメモリカードを逆向きに挿入したときに、キャッチ部の拡幅部がロックプレートの外側へ回動されてスライダが移動し、キャッチ部とロックプレートの衝突を防止したことを特徴とするメモリカードコネクタの挿抜機構。 - 上記スライダの内側の側面に凹部を形成し、キャッチスプリングが外側へ回動する際にキャッチ部が前記凹部内に進入するように構成した請求項1記載のメモリカードコネクタの挿抜機構。
- メモリカードコネクタ内のコンタクトピンの周囲にリブを形成し、メモリカードコネクタへメモリカードを逆向きに挿入したときにリブによりメモリカードの進入を阻止し、コンタクトピンの破損を防止したことを特徴とするメモリカードコネクタの挿抜機構。
Priority Applications (4)
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JP2002256196A JP2004095417A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | メモリカードコネクタの挿抜機構 |
KR1020030058230A KR20040019914A (ko) | 2002-08-30 | 2003-08-22 | 메모리카드 커넥터의 삽발기구 |
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Publications (1)
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002256196A patent/JP2004095417A/ja active Pending
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