JP2004095236A - Coating varnish for insulating film and insulating film - Google Patents

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JP2004095236A JP2002252111A JP2002252111A JP2004095236A JP 2004095236 A JP2004095236 A JP 2004095236A JP 2002252111 A JP2002252111 A JP 2002252111A JP 2002252111 A JP2002252111 A JP 2002252111A JP 2004095236 A JP2004095236 A JP 2004095236A
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Nobuhiro Higashida
東田 進弘
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an insulating film excelling in all aspects of thermal, electrical, physical and mechanical characteristics for use in semiconductor field, particularly having thermal resistance and an extremely low dielectric constant. <P>SOLUTION: This coating varnish comprises (1) one or more kinds of polybenzoxazole precursors having recurring units expressed by a general formula (A) or by the general formula (A) and a general formula (F), wherein n is an integer of 0 to 1,000 and m is an integer of 10 to 1,000, (2) an organic compound with a thermal decomposition temperature of 200 to 400°C, and (3) an organic solvent that can simultaneously dissolve or disperse the precursors (1) and the component (2). This insulating film is formed by adjusting the coating varnish and making it into the insulating film. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜用コーティングワニス及び絶縁膜に関するものでである。更に詳しくは、熱特性、機械特性、物理特性に優れ、特に、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に適した、絶縁膜用コーティングワニス及び絶縁膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁膜において、中でも半導体用の層間絶縁膜としては、化学気相法等で作製した酸化膜が使用されている。しかしながら、酸化膜等の無機絶縁膜は誘電率が高く、高速化、高性能化のため、絶縁膜として有機材料の適用が検討されている。半導体用途の有機材料としては、耐熱性、電気特性、機械的特性などに優れたポリイミド樹脂が用いられている。近年、半導体の高機能化、高性能化にともない、さらに、耐熱性、電気特性、吸湿性、熱膨張係数等の著しい向上の要求があり、更に高性能な樹脂が必要とされるようになっている。
【0003】
このような事情から、ポリイミド樹脂に比べて、吸水性、電気特性に関して優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール樹脂を、半導体用途の絶縁材料に適用することが試みられている。ポリベンゾオキサゾール樹脂は、熱特性、電気特性、機械的特性、物理特性に優れており、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸からなるポリベンゾオキサゾール樹脂や、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸からのポリベンゾオキサゾール樹脂等がある。しかしながら、近年のさらなる低誘電率化の要求は厳しく、有機樹脂等の高密度膜では、要求される誘電率を満足することが難しくなってきている。そのため、酸化膜等の無機膜の膜中に孔を開けることにより、絶縁膜としての誘電率を大幅に低減させる方法が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱特性、電気特性、物理特性及び機械特性のすべてに優れる絶縁膜用コーティングワニス及びこれを用いて得られる絶縁膜であり、特に、半導体用途に好適な、誘電率が極めて低く、高耐熱性の絶縁膜を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のような従来の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定構造のポリベンゾオキサゾール前駆体に、熱分解温度が200℃〜400℃の有機化合物を加えて調製した、ワニスを用いて作製したポリベンゾオキサゾールの膜が、本発明の目標を満たし得ることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、(1)一般式(A)、又は一般式(A)及び一般式(F)で表わされる構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、
(2)熱分解温度が、200℃〜400℃の有機化合物、並びに、
(3)上記成分(1)及び成分(2)を同時に溶解もしくは分散することが可能な有機溶媒、からなることを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス。
【0007】
【化7】

Figure 2004095236
【0008】
【化8】
Figure 2004095236
【0009】
[式(A)及び式(F)中、mは10〜1000の整数、nは0〜1000の整数を示す。R〜RはHまたは一価の有機基で、Xは式(B)で表される四価の基、Yは式(C)で表される二価の基、およびZ,Zは式(D)で表される一価の基より、それぞれ選ばれる基を示す。]
【0010】
【化9】
Figure 2004095236
【0011】
【化10】
Figure 2004095236
【0012】
[式(B)及び式(C)中、Xは式(E)で表される二価の基より選ばれる基を示す。]
【0013】
【化11】
Figure 2004095236
【0014】
【化12】
Figure 2004095236
【0015】
[これら式(B)〜(E)の構造中、ベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、およびフェニル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていてもよい。]
【0016】
またさらに本発明は、前記絶縁膜用コーティング用ワニスから作製したことを特徴とする、絶縁膜である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる一般式(A)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体は、前記式(B)で表される四価の基を有するビスアミノフェノール化合物、式(C)で表される二価の基を有するジカルボン酸、および式(D)で表される一価の基を有するベンジル構造含有カルボン酸とから、また、一般式(F)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体は、式(B)で表される四価の基を有するビスアミノフェノール化合物と式(C)で表される二価の基を有するジカルボン酸とから、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応、等の方法により得ることができる。
【0018】
本発明で用いるポリベンゾオキサゾール前駆体において、式(B)で表される四価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、9,9−ビス−(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス−(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)−フェノキシ)−フェニル)−フルオレン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、2種類以上のビスアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0019】
本発明に用いる式(C)で表される二価の基を有するジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニルジ安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、2種類以上のジカルボン酸化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0020】
本発明に用いる式(D)で表される一価の基を有するベンジル構造含有カルボン酸の例としては、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、1,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、1,3,5−トリメチル安息香酸、2−メチル−1−ナフトエ酸、3−メチル−1−ナフトエ酸、4−メチル−1−ナフトエ酸、5−メチル−1−ナフトエ酸、6−メチル−1−ナフトエ酸、7−メチル−1−ナフトエ酸、8−メチル−1−ナフトエ酸、2−メチル−2−ナフトエ酸、3−メチル−2−ナフトエ酸、4−メチル−2−ナフトエ酸、5−メチル−2−ナフトエ酸、6−メチル−2−ナフトエ酸、7−メチル−2−ナフトエ酸、8−メチル−2−ナフトエ酸、3,5−ジメチル−1−ナフトエ酸、3,6−ジメチル−1−ナフトエ酸、3,7−ジメチル−1−ナフトエ酸、3,8−ジメチル−1−ナフトエ酸、4,5−ジメチル−1−ナフトエ酸、4,6−ジメチル−1−ナフトエ酸、4,7−ジメチル−1−ナフトエ酸、4,8−ジメチル−1−ナフトエ酸、3,5−ジメチル−2−ナフトエ酸、3,6−ジメチル−2−ナフトエ酸、3,7−ジメチル−2−ナフトエ酸、3,8−ジメチル−2−ナフトエ酸、4,5−ジメチル−2−ナフトエ酸、4,6−ジメチル−2−ナフトエ酸、4,7−ジメチル−2−ナフトエ酸、4,8−ジメチル−2−ナフトエ酸、3,5,6−トリメチル−1−ナフトエ酸、3,5,7−トリメチル−1−ナフトエ酸、3,5,8−トリメチル−1−ナフトエ酸、3,6,7−トリメチル−1−ナフトエ酸、4,5,7−トリメチル−2−ナフトエ酸、4,5,8−トリメチル−2−ナフトエ酸、4,6,8−トリメチル−2−ナフトエ酸、2−メチル−シクロペンチルカルボン酸、3−メチル−シクロペンチルカルボン酸、2−メチル−シクロヘキシルカルボン酸、3−メチル−シクロヘキシルカルボン酸、4−メチル−シクロヘキシルカルボン酸、2,4−ジメチル−シクロヘキシルジカルボン酸、3,5−ジメチル−シクロヘキシルジカルボン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、2種類以上のベンジル構造含有カルボン酸を組み合わせて使用することも可能である。
【0021】
本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法の中で、例えば、酸クロリド法では、使用する酸クロリドは、まず、N,N−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下で、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを、室温ないし75℃で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。また、ベンジル構造含有カルボン酸も、同様にして、酸クロリドとすることができる。このようにして製造した酸クロリドを、ビスアミノフェノール化合物と共に、通常N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存在下で、室温ないし−30℃で反応させ、ベンジル基含有カルボン酸を反応させる場合は、ここで加えて、更に反応させることにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることが出来る。
【0022】
一般式(A)で表されるポリベンゾオキサゾールの骨格に含まれているベンジル構造は、互いに反応して炭素−炭素結合を形成する。この結合形成反応は、無触媒下においても熱処理により進行するが、触媒としてジクミルパーオキサイドなどのラジカル反応開始剤等を添加することで反応速度が増加する。
【0023】
本発明に用いる熱分解可能温度が200℃〜400℃の有機化合物の例としては、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシイソプロピレン、ポリオキシメチレン−オキシエチレン共重合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体等のポリオキシアルキレンや、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等が、好ましく挙げられる。必要により、前記有機化合物の片末端又は両末端に、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アリル基、ビニル基、メタクリル基等の、官能基を導入したものを用いることが出来る。また、これらをポリベンゾオキサゾール前駆体の末端の、カルボキシ基、アミノ基、水酸基、または主鎖構造中の水酸基に反応させて、共重合体として用いる事も可能である。
また、これらを2種以上組み合わせて使用することも可能である。
【0024】
本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体及び熱分解温度が200℃〜400℃の有機化合物を、同時に溶解もしくは分散することが可能な有機溶媒としては、用いる溶質の構造により、それぞれ異なるが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を、1種、または2種以上混合して用いることが出来る。
【0025】
本発明の絶縁膜用コーティングワニスの製造方法としては、ポリベンゾオキサゾール前駆体と熱分解温度が200℃〜400℃の有機化合物とを、有機溶媒中で溶解させるか、均一に分散させて得られる。また、前駆体(A)10gに対して、前駆体(F)は0〜80g、望ましくは0〜50g、さらに望ましくは0〜30gの割合が好ましい。また前駆体(A)10gに対して、熱分解性有機化合物は0〜20g、望ましくは2〜18g、さらに望ましくは3〜15gの割合が好ましい。また、溶媒に関して、前駆体(A)と前駆体(F)の総量10gに対して、5〜200g、望ましくは10〜150g、さらに望ましくは15〜100gの割合が好ましい。
【0026】
このワニスには、必要により、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生するラジカル開始剤等の各種添加剤を添加することができ、このようにして得られた絶縁膜用ワニスは、半導体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に用いることが出来る。
【0027】
また、本発明におけるポリベンゾオキサゾール前駆体は、前記一般式(A)で表される前駆体の構造中の、R及びR、R及びRの少なくとも一方、又、一般式(F)で表される前駆体のR及びRの少なくとも一方がHである場合は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物ワニスとして、また、R及びRの少なくとも一方が、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基である場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物ワニスとして用いることが可能である。
【0028】
本発明の絶縁膜の製造方法としては、まず、コーティングワニスを適当な支持体、例えば、シリコーンウエハーやセラミック基盤等に塗布して塗膜を形成する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。その後、乾燥し、加熱処理をして、絶縁膜とすることができるが、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、ポリベンゾオキサゾール樹脂架橋体に変換することが好ましい。また、ジカルボン酸成分を選択することにより、溶剤に可溶なポリベンゾオキサゾール樹脂としてから、膜を形成することもできる。
【0029】
本発明においてポリベンゾオキサゾール前駆体は、加熱することによって架橋を生じ、また、熱分解温度が200℃〜400℃の有機化合物は、この熱分解温度より高い温度で加熱することで、このとき熱分解して揮散し、ポリベンゾオキサゾール樹脂の膜に微細孔を形成させるので、本発明によるコーティング用ワニスを用いることにより、多孔質の絶縁膜を得ることができる。
本発明の絶縁膜は、特に、半導体用層間絶縁膜、保護膜等の半導体用途に好適である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。実施例及び比較例で合成したポリマーより得られたワニス及びこのワニスから作製した絶縁膜を用いて、特性評価のため、ガラス転移温度、熱分解温度、溶解性、比誘電率を測定した。各特性の測定方法は次の通りとし、その測定結果は表1にまとめて示した。
【0031】
1.熱分解温度
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA220を用いて、窒素ガス200ml/min.フロー下、昇温速度10℃/min.の条件により測定し、重量の減少が5%に到達した温度を熱分解温度とした。
【0032】
2.溶解性
ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体1gと、N−メチル−2−ピロリドン3gを、ふた付きのガラス製サンプル容器に精秤し、攪拌子で1時間攪拌後の不溶物の有無により判断した。
【0033】
3.比誘電率
JIS−K6911に準拠し、周波数100KHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて絶縁膜の容量測定を行い下記計算式により比誘電率を算出した。
比誘電率=(容量測定値×絶縁膜の厚み)/(真空の誘電率×測定面積)
【0034】
「実施例1」
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン73.2g(0.2mol)を、乾燥したジメチルアセトアミド200gに溶解し、ピリジン39.6g(0.5mol)を添加した後、γ−ブチロラクトン70gにイソフタル酸クロリド32.5g(0.16mol)を溶解した溶液を、乾燥窒素下、−15℃で30分掛けて滴下する。続いて、γ−ブチロラクトン30gに4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)を溶解した溶液を、15分掛けて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で5時間攪拌した。
その後、反応液を蒸留水7リットルに滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得た。得られたポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、5200であった。
【0035】
このポリベンゾオキサゾール前駆体85gを、ポリメチルメタクリレート(数平均分子量:50000)15gと共に、N−メチル−2−ピロリドン400gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターで濾過し、ワニスを得た。このワニスを、ガラス板上にギャップ300μmのドクターナイフを用いて塗布した。その後、オーブン中で70℃1時間乾燥し、はく離して膜厚20μmのポリベンゾオキサゾール前駆体フィルムを得た。そのフィルムを金枠で固定し、150℃/30分、250℃/30分、350℃/30分の順で、窒素雰囲気下で加熱し、ポリベンゾオキサゾール樹脂絶縁膜を得た。この絶縁膜を用いて、各種特性の評価を行なった。
【0036】
「実施例2」
実施例1において、4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)の代わりに、3,5−ジメチル安息香酸クロリド13.5g(0.08mol)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜を作製した。得られたポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、5700であった。
【0037】
「実施例3」
実施例1において、4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)の代わりに、6−メチル−2−ナフトエ酸クロリド16.4g(0.08mol)を用い、また、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン73.2g(0.2mol)の代わりに、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン73.2g(0.2mol)を用いた以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜を作製した。得られたポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、6000であった。
【0038】
「実施例4」
実施例1において、イソフタル酸クロリドの32.5g(0.16mol)および4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)の代わりに、イソフタル酸クロリドの38.6g(0.19mol)を用いて調製した、ポリベンゾオキサゾール前駆体(数平均分子量20000)30.5g、および、ポリメチルメタクリレート(数平均分子量:50000)樹脂15g、および、実施例1において作成したポリベンゾオキサゾール前駆体(数平均分子量5200)12.5gを、N−メチル−2−ピロリドン200gに溶解したワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製した。
【0039】
「実施例5」
実施例1において、イソフタル酸クロリドの32.5g(0.16mol)および4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)の代わりに、イソフタル酸クロリドの38.6g(0.19mol)を用いて調製した、ポリベンゾオキサゾール前駆体(数平均分子量20000)25g、および、ポリα−メチルスチレン(数平均分子量:40000)樹脂12g、および、実施例2において作成したポリベンゾオキサゾール前駆体(数平均分子量5700)15gを、N−メチル−2−ピロリドン200gに溶解したワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製した。
【0040】
「比較例1」
実施例1において、イソフタル酸クロリドの32.5g(0.16mol)および4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)の代わりに、イソフタル酸クロリドの38.6g(0.19mol)を用いて、ポリベンゾオキサゾール前駆体を調製し、実施例1と同様にして絶縁膜を作成した。ここで得られたポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、10000であった。
【0041】
「比較例2」
実施例1において、イソフタル酸クロリドの32.5g(0.16mol)および4−メチル安息香酸クロリド12.4g(0.08mol)の代わりに、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロリド5.6g(0.20mol)を用いて、ポリベンゾオキサゾール前駆体を調製し、実施例1と同様にして絶縁膜を作成した。
ここで得られたポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、12000であった。
【0042】
【表1】
Figure 2004095236
【0043】
表1にまとめた結果から明らかなように、本発明のワニスを用いて作製した、実施例のポリベンゾオキサゾール樹脂絶縁膜は、いずれも誘電率が2.5〜2.6と低く、さらに耐熱性が高く、可溶性を有するという良好な特性を示した。これに対して、比較例では、ポリベンゾオキサゾール樹脂ではあるものの、本発明の一般式(A)で表される繰り返し単位を有していないので、実施例に比べて誘電率が高く、2.9を下回る値は得られなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の絶縁膜用コーティングワニスは、フィルム加工性が良好で、優れた熱特性、電気特性、機械特性、及び物理特性を達成することができ、特に、誘電率の極めて低い絶縁膜を形成させることが出来、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途に、好適に使用することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating varnish for an insulating film and an insulating film. More specifically, it has excellent thermal, mechanical, and physical properties, especially interlayer insulating films for semiconductors, protective films, interlayer insulating films for multilayer circuits, cover coats for flexible copper clad boards, solder resist films, liquid crystal alignment films, etc. The present invention relates to a coating varnish for an insulating film and an insulating film, which are suitable for the above application.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, an oxide film formed by a chemical vapor deposition method or the like has been used as an insulating film, particularly as an interlayer insulating film for a semiconductor. However, an inorganic insulating film such as an oxide film has a high dielectric constant, and the use of an organic material as the insulating film is being studied in order to achieve higher speed and higher performance. As an organic material for semiconductor use, a polyimide resin having excellent heat resistance, electrical properties, mechanical properties, and the like is used. In recent years, as semiconductors have become more sophisticated and more sophisticated, there has been a demand for remarkable improvements in heat resistance, electrical properties, hygroscopicity, thermal expansion coefficient, and the like. ing.
[0003]
Under such circumstances, attempts have been made to apply a polybenzoxazole resin, which exhibits better performance in terms of water absorption and electrical properties than a polyimide resin, to an insulating material for semiconductor use. Polybenzoxazole resins are excellent in thermal properties, electrical properties, mechanical properties, and physical properties. For example, polybenzoxazole resins composed of 4,4′-diamino-3,3′-dihydroxybiphenyl and terephthalic acid, There is a polybenzoxazole resin from 2,2'-bis (3-amino-4-hydroxyphenyl) hexafluoropropane and terephthalic acid. However, recent demands for further lowering the dielectric constant are severe, and it is becoming difficult to satisfy the required dielectric constant with a high-density film such as an organic resin. Therefore, a method of significantly reducing the dielectric constant as an insulating film by making holes in an inorganic film such as an oxide film has been performed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is a coating varnish for an insulating film excellent in all of thermal properties, electrical properties, physical properties and mechanical properties and an insulating film obtained by using the same, particularly suitable for semiconductor applications, and has a very low dielectric constant. An object is to provide an insulating film having high heat resistance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have made intensive studies in view of the conventional problems as described above, and as a result, prepared by adding an organic compound having a thermal decomposition temperature of 200 ° C to 400 ° C to a polybenzoxazole precursor having a specific structure. The inventors have found that a polybenzoxazole film produced using a varnish can satisfy the object of the present invention, and have further studied to complete the present invention.
[0006]
That is, the present invention provides (1) a polybenzoxazole precursor having a structure represented by the general formula (A), or the general formula (A) and the general formula (F),
(2) An organic compound having a thermal decomposition temperature of 200 ° C to 400 ° C, and
(3) A coating varnish for an insulating film, comprising an organic solvent capable of simultaneously dissolving or dispersing the components (1) and (2).
[0007]
Embedded image
Figure 2004095236
[0008]
Embedded image
Figure 2004095236
[0009]
[In the formulas (A) and (F), m represents an integer of 10 to 1000, and n represents an integer of 0 to 1000. R 1 to R 6 are H or a monovalent organic group, X is a tetravalent group represented by the formula (B), Y is a divalent group represented by the formula (C), and Z 1 , Z 2 represents a group selected from the monovalent groups represented by the formula (D). ]
[0010]
Embedded image
Figure 2004095236
[0011]
Embedded image
Figure 2004095236
[0012]
[In the formulas (B) and (C), X 1 represents a group selected from the divalent groups represented by the formula (E). ]
[0013]
Embedded image
Figure 2004095236
[0014]
Embedded image
Figure 2004095236
[0015]
[In these structures of formulas (B) to (E), a hydrogen atom on the benzene ring is a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a t-butyl group, a fluorine atom, It may be substituted with at least one group selected from a trifluoromethyl group, a trifluoroethyl group, and a phenyl group. ]
[0016]
Still further, the present invention is an insulating film produced from the insulating varnish for coating an insulating film.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The polybenzoxazole precursor represented by the general formula (A) used in the present invention is a bisaminophenol compound having a tetravalent group represented by the formula (B), and a divalent compound represented by the formula (C). And a benzyl structure-containing carboxylic acid having a monovalent group represented by the formula (D), and a polybenzoxazole precursor represented by the general formula (F) has a formula (F) From a bisaminophenol compound having a tetravalent group represented by B) and a dicarboxylic acid having a divalent group represented by the formula (C), a conventional acid chloride method, an activated ester method, a polyphosphoric acid, It can be obtained by a method such as a condensation reaction in the presence of a dehydrating condensing agent such as dicyclohexylcarbodiimide.
[0018]
In the polybenzoxazole precursor used in the present invention, the bisaminophenol compound having a tetravalent group represented by the formula (B) includes 2,4-diaminoresorcinol, 4,6-diaminoresorcinol, and 2,2 ′ -Bis (3-amino-4-hydroxyphenyl) hexafluoropropane, 2,2'-bis (4-amino-3-hydroxyphenyl) hexafluoropropane, 2,2'-bis (3-amino-4-hydroxy Phenyl) propane, 2,2′-bis (4-amino-3-hydroxyphenyl) propane, 3,3′-diamino-4,4′-dihydroxydiphenylsulfone, 4,4′-diamino-3,3′- Dihydroxydiphenylsulfone, 3,3'-diamino-4,4'-dihydroxybiphenyl, 4,4'-diamino-3,3'-dihydro Sibiphenyl, 9,9-bis- (4-((4-amino-3-hydroxy) -phenoxy) -phenyl) -fluorene, 9,9-bis- (4-((3-amino-4-hydroxy) -Phenoxy) -phenyl) -fluorene, 3,3'-diamino-4,4'-dihydroxydiphenyl ether, 4,4'-diamino-3,3'-dihydroxydiphenyl ether, 2,2'-bis (3-amino- 4-hydroxy-2-trifluoromethyl) propane, 2,2′-bis (4-amino-3-hydroxy-2-trifluoromethyl) propane, 2,2′-bis (3-amino-4-hydroxy- 6-trifluoromethyl) propane, 2,2′-bis (4-amino-3-hydroxy-6-trifluoromethyl) propane, 2,2′-bis (3-amino-4-hydroxy 2-trifluoromethyl) hexafluoropropane, 2,2′-bis (4-amino-3-hydroxy-2-trifluoromethyl) hexafluoropropane, 2,2′-bis (3-amino-4-hydroxy- 5-trifluoromethyl) hexafluoropropane, 2,2′-bis (4-amino-3-hydroxy-5-trifluoromethyl) hexafluoropropane, 2,2′-bis (3-amino-4-hydroxy- 6-trifluoromethyl) hexafluoropropane, 2,2′-bis (4-amino-3-hydroxy-6-trifluoromethyl) hexafluoropropane, 3,3′-diamino-4,4′-dihydroxy-2 , 2'-trifluoromethylbiphenyl, 4,4'-diamino-3,3'-dihydroxy-2,2'-trifluoromethylbiphenyl, 3, '-Diamino-4,4'-dihydroxy-5,5'-trifluoromethylbiphenyl, 4,4'-diamino-3,3'-dihydroxy-5,5'-trifluoromethylbiphenyl, 3,3'- Diamino-4,4'-dihydroxy-6,6'-trifluoromethylbiphenyl, 4,4'-diamino-3,3'-dihydroxy-6,6'-trifluoromethylbiphenyl, and the like. It is not limited. It is also possible to use two or more bisaminophenol compounds in combination.
[0019]
Examples of the dicarboxylic acid having a divalent group represented by the formula (C) used in the present invention include isophthalic acid, terephthalic acid, 4,4′-biphenyldicarboxylic acid, 4,4′-biphenylenedicarboxylic acid, 2,4-naphthalenedicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 4,4′-sulfonyldibenzoic acid, 4,4′-oxybisbenzoic acid, 2,2-bis (4-carboxyphenyl) propane, 2,2 -Bis (4-carboxyphenyl) hexafluoropropane, 2,2'-bis (trifluoromethyl) -4,4'-biphenylenedicarboxylic acid, 3-fluoroisophthalic acid, 2-fluoroisophthalic acid, 2-fluoroterephthalic acid 2,4,5,6-tetrafluoroisophthalic acid, 2,3,5,6-tetrafluoroterephthalic acid, 5-trifluoromethyliso Like barrel acid, and the like, but not limited thereto. It is also possible to use two or more dicarboxylic acid compounds in combination.
[0020]
Examples of the carboxylic acid having a monovalent group and having a monovalent group represented by the formula (D) used in the present invention include 2-methylbenzoic acid, 3-methylbenzoic acid, 4-methylbenzoic acid, and 1,3-methylbenzoic acid. Dimethylbenzoic acid, 2,4-dimethylbenzoic acid, 3,5-dimethylbenzoic acid, 1,3,5-trimethylbenzoic acid, 2-methyl-1-naphthoic acid, 3-methyl-1-naphthoic acid, 4- Methyl-1-naphthoic acid, 5-methyl-1-naphthoic acid, 6-methyl-1-naphthoic acid, 7-methyl-1-naphthoic acid, 8-methyl-1-naphthoic acid, 2-methyl-2-naphthoic acid Acid, 3-methyl-2-naphthoic acid, 4-methyl-2-naphthoic acid, 5-methyl-2-naphthoic acid, 6-methyl-2-naphthoic acid, 7-methyl-2-naphthoic acid, 8-methyl -2-Naphthoic acid, 3,5-dimethyl 1-naphthoic acid, 3,6-dimethyl-1-naphthoic acid, 3,7-dimethyl-1-naphthoic acid, 3,8-dimethyl-1-naphthoic acid, 4,5-dimethyl-1-naphthoic acid, 4 2,6-dimethyl-1-naphthoic acid, 4,7-dimethyl-1-naphthoic acid, 4,8-dimethyl-1-naphthoic acid, 3,5-dimethyl-2-naphthoic acid, 3,6-dimethyl-2 -Naphthoic acid, 3,7-dimethyl-2-naphthoic acid, 3,8-dimethyl-2-naphthoic acid, 4,5-dimethyl-2-naphthoic acid, 4,6-dimethyl-2-naphthoic acid, 4, 7-dimethyl-2-naphthoic acid, 4,8-dimethyl-2-naphthoic acid, 3,5,6-trimethyl-1-naphthoic acid, 3,5,7-trimethyl-1-naphthoic acid, 3,5 8-trimethyl-1-naphthoic acid, 3,6,7-trime 1-naphthoic acid, 4,5,7-trimethyl-2-naphthoic acid, 4,5,8-trimethyl-2-naphthoic acid, 4,6,8-trimethyl-2-naphthoic acid, 2-methyl- Cyclopentylcarboxylic acid, 3-methyl-cyclopentylcarboxylic acid, 2-methyl-cyclohexylcarboxylic acid, 3-methyl-cyclohexylcarboxylic acid, 4-methyl-cyclohexylcarboxylic acid, 2,4-dimethyl-cyclohexyldicarboxylic acid, 3,5- Examples thereof include, but are not limited to, dimethyl-cyclohexyldicarboxylic acid. It is also possible to use two or more carboxylic acids having a benzyl structure in combination.
[0021]
In the method for producing a polybenzoxazole precursor used in the present invention, for example, in the acid chloride method, the acid chloride to be used is firstly mixed with a dicarboxylic acid and an excess amount in the presence of a catalyst such as N, N-dimethylformamide. It can be obtained by reacting thionyl chloride at room temperature to 75 ° C., distilling off excess thionyl chloride by heating and reduced pressure, and recrystallizing the residue with a solvent such as hexane. Similarly, a benzyl structure-containing carboxylic acid can be converted into an acid chloride. The acid chloride thus produced is usually dissolved in a polar solvent such as N-methyl-2-pyrrolidone and N, N-dimethylacetamide together with a bisaminophenol compound, and the solution is heated at room temperature in the presence of an acid acceptor such as pyridine. When a benzyl group-containing carboxylic acid is reacted at a temperature of from −30 ° C. to -30 ° C., a polybenzoxazole precursor can be obtained by adding and further reacting here.
[0022]
The benzyl structures contained in the polybenzoxazole skeleton represented by the general formula (A) react with each other to form a carbon-carbon bond. This bond formation reaction proceeds by heat treatment even in the absence of a catalyst, but the reaction rate is increased by adding a radical reaction initiator such as dicumyl peroxide as a catalyst.
[0023]
Examples of the organic compound having a heat decomposable temperature of 200 ° C. to 400 ° C. used in the present invention include polyoxymethylene, polyoxyethylene, polyoxyisopropylene, polyoxymethylene-oxyethylene copolymer, and polyoxymethylene-oxy. Preferable examples include polyoxyalkylene such as propylene copolymer and polyoxyethylene-oxypropylene copolymer, polymethyl methacrylate, polystyrene, poly α-methyl styrene, and the like. If necessary, a compound in which a functional group such as a hydroxyl group, an amino group, a nitro group, a carboxy group, an allyl group, a vinyl group, or a methacryl group is introduced into one or both ends of the organic compound can be used. Further, these can be reacted with a carboxy group, an amino group, a hydroxyl group, or a hydroxyl group in the main chain structure at the terminal of the polybenzoxazole precursor to be used as a copolymer.
It is also possible to use two or more of these in combination.
[0024]
The organic solvent capable of simultaneously dissolving or dispersing the polybenzoxazole precursor and the organic compound having a thermal decomposition temperature of 200 ° C to 400 ° C used in the present invention is different depending on the structure of the solute used, for example, N-methyl-2-pyrrolidone, γ-butyrolactone, N, N-dimethylacetamide, dimethyl sulfoxide, diethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol dibutyl ether, propylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether acetate, Methyl lactate, ethyl lactate, butyl lactate, methyl-1,3-butylene glycol acetate, 1,3-butylene glycol-3-monomethyl Ether, methyl pyruvate, ethyl pyruvate, methyl 3-methoxy propionate, one, or can be used as a mixture of two or more.
[0025]
The method for producing a coating varnish for an insulating film of the present invention is obtained by dissolving or uniformly dispersing a polybenzoxazole precursor and an organic compound having a thermal decomposition temperature of 200 ° C to 400 ° C in an organic solvent. . The ratio of the precursor (F) is preferably 0 to 80 g, preferably 0 to 50 g, and more preferably 0 to 30 g, with respect to 10 g of the precursor (A). The ratio of the thermally decomposable organic compound to the precursor (A) is preferably from 0 to 20 g, more preferably from 2 to 18 g, and still more preferably from 3 to 15 g. The solvent is preferably used in a proportion of 5 to 200 g, preferably 10 to 150 g, and more preferably 15 to 100 g, based on the total amount of the precursor (A) and the precursor (F) of 10 g.
[0026]
If necessary, various additives such as a surfactant, a coupling agent represented by a silane group, a radical initiator that generates oxygen radicals and sulfur radicals by heating can be added to the varnish. The varnish for an insulating film thus obtained can be used for applications such as an interlayer insulating film for a semiconductor, a protective film, an interlayer insulating film for a multilayer circuit, a cover coat for a flexible copper clad board, a solder resist film, and a liquid crystal alignment film.
[0027]
In addition, the polybenzoxazole precursor in the present invention is a precursor of the general formula (A) in which at least one of R 1 and R 2 , R 3 and R 4 , and the general formula (F In the case where at least one of R 5 and R 6 of the precursor represented by the formula (I) is H, the precursor is used together with a naphthoquinonediazide compound as a sensitizer to form a positive photosensitive resin composition varnish; When at least one of R 1 and R 2 is a group having a photocrosslinkable group such as a methacryloyl group, it can be used as a negative photosensitive resin composition varnish by using a photoinitiator.
[0028]
In the method for producing an insulating film of the present invention, first, a coating varnish is applied to a suitable support, for example, a silicon wafer or a ceramic substrate to form a coating film. Examples of the coating method include spin coating using a spinner, spray coating using a spray coater, dipping, printing, and roll coating. After that, drying and heat treatment can be performed to form an insulating film. It is preferable that the polybenzoxazole precursor be converted to a crosslinked polybenzoxazole resin. Further, by selecting a dicarboxylic acid component, a film can be formed from a polybenzoxazole resin soluble in a solvent.
[0029]
In the present invention, the polybenzoxazole precursor causes cross-linking by heating, and an organic compound having a thermal decomposition temperature of 200 ° C. to 400 ° C. is heated at a temperature higher than the thermal decomposition temperature. Since it decomposes and volatilizes to form micropores in the polybenzoxazole resin film, a porous insulating film can be obtained by using the coating varnish according to the present invention.
The insulating film of the present invention is particularly suitable for semiconductor applications such as an interlayer insulating film for a semiconductor and a protective film.
[0030]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto. Using a varnish obtained from the polymers synthesized in Examples and Comparative Examples and an insulating film produced from the varnish, the glass transition temperature, the thermal decomposition temperature, the solubility, and the relative permittivity were measured for the property evaluation. The measurement method of each characteristic is as follows, and the measurement results are summarized in Table 1.
[0031]
1. Pyrolysis temperature Using TG / DTA220 manufactured by Seiko Instruments Inc., nitrogen gas 200 ml / min. Under flow, the temperature was raised at a rate of 10 ° C./min. The temperature at which the weight loss reached 5% was taken as the thermal decomposition temperature.
[0032]
2. 1 g of the soluble polybenzoxazole resin precursor and 3 g of N-methyl-2-pyrrolidone were precisely weighed in a glass sample container with a lid, and judged by the presence or absence of insoluble matter after stirring for 1 hour with a stirrer.
[0033]
3. Based on JIS-K6911, the capacitance of the insulating film was measured at a frequency of 100 KHz using a Hewlett-Packard HP-4284A Precision LCR meter, and the relative dielectric constant was calculated by the following formula.
Relative permittivity = (capacitance measured value × insulating film thickness) / (dielectric constant of vacuum × measured area)
[0034]
"Example 1"
After dissolving 73.2 g (0.2 mol) of 2,2-bis (3-amino-4-hydroxyphenyl) hexafluoropropane in 200 g of dried dimethylacetamide and adding 39.6 g (0.5 mol) of pyridine A solution of 32.5 g (0.16 mol) of isophthalic chloride in 70 g of γ-butyrolactone is added dropwise at -15 ° C. over 30 minutes under dry nitrogen. Subsequently, a solution of 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoyl chloride dissolved in 30 g of γ-butyrolactone was added dropwise over 15 minutes. After completion of the dropwise addition, the mixture was returned to room temperature and stirred at room temperature for 5 hours.
Thereafter, the reaction solution was dropped into 7 liters of distilled water, and the precipitate was collected and dried to obtain a polybenzoxazole precursor. The number average molecular weight (Mn) of the obtained polybenzoxazole precursor determined by GPC by Tosoh Corporation in terms of polystyrene was 5,200.
[0035]
85 g of this polybenzoxazole precursor was dissolved in 400 g of N-methyl-2-pyrrolidone together with 15 g of polymethyl methacrylate (number average molecular weight: 50,000), and the solution was filtered through a Teflon (R) filter having a pore size of 0.2 μm to remove the varnish. Obtained. The varnish was applied on a glass plate using a doctor knife having a gap of 300 μm. Thereafter, the film was dried in an oven at 70 ° C. for 1 hour and peeled off to obtain a polybenzoxazole precursor film having a thickness of 20 μm. The film was fixed with a metal frame, and heated in a nitrogen atmosphere in the order of 150 ° C./30 minutes, 250 ° C./30 minutes, and 350 ° C./30 minutes to obtain a polybenzoxazole resin insulating film. Various characteristics were evaluated using this insulating film.
[0036]
"Example 2"
Example 1 is the same as Example 1 except that 13.5 g (0.08 mol) of 3,5-dimethylbenzoic acid chloride was used instead of 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoic acid chloride. Similarly, an insulating film was formed. The number average molecular weight (Mn) of the obtained polybenzoxazole precursor determined by GPC from Tosoh Corporation in terms of polystyrene was 5,700.
[0037]
"Example 3"
In Example 1, 16.4 g (0.08 mol) of 6-methyl-2-naphthoic acid chloride was used in place of 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoic acid chloride. Instead of 73.2 g (0.2 mol) of (3-amino-4-hydroxyphenyl) hexafluoropropane, 73.2 g (0.2 mol) of 2,2-bis (4-amino-3-hydroxyphenyl) hexafluoropropane An insulating film was produced in the same manner as in Example 1 except that the above was used. The number average molecular weight (Mn) of the obtained polybenzoxazole precursor was 6000, as determined in terms of polystyrene using GPC manufactured by Tosoh Corporation.
[0038]
"Example 4"
In Example 1, 38.6 g (0.19 mol) of isophthalic chloride was used instead of 32.5 g (0.16 mol) of isophthalic chloride and 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoic chloride. 30.5 g of polybenzoxazole precursor (number average molecular weight 20,000) and 15 g of polymethyl methacrylate (number average molecular weight: 50,000) resin prepared in Example 1 and the polybenzoxazole precursor (number average An insulating film was produced in the same manner as in Example 1 using a varnish in which 12.5 g of a polymer (molecular weight: 5200) was dissolved in 200 g of N-methyl-2-pyrrolidone.
[0039]
"Example 5"
In Example 1, 38.6 g (0.19 mol) of isophthalic chloride was used instead of 32.5 g (0.16 mol) of isophthalic chloride and 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoic chloride. 25 g of polybenzoxazole precursor (number average molecular weight 20,000) and 12 g of poly-α-methylstyrene (number average molecular weight: 40000) resin, and the polybenzoxazole precursor (number average An insulating film was produced in the same manner as in Example 1 using a varnish in which 15 g of (molecular weight: 5700) was dissolved in 200 g of N-methyl-2-pyrrolidone.
[0040]
"Comparative Example 1"
In Example 1, 38.6 g (0.19 mol) of isophthalic chloride was used instead of 32.5 g (0.16 mol) of isophthalic chloride and 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoic chloride. Thus, a polybenzoxazole precursor was prepared, and an insulating film was formed in the same manner as in Example 1. When the number average molecular weight (Mn) of the obtained polybenzoxazole precursor was determined in terms of polystyrene using GPC manufactured by Tosoh Corporation, it was 10,000.
[0041]
"Comparative Example 2"
In Example 1, instead of 32.5 g (0.16 mol) of isophthalic acid chloride and 12.4 g (0.08 mol) of 4-methylbenzoic acid chloride, 5.6 g (0,4) -biphenyldicarboxylic acid chloride was used. .20 mol) to prepare a polybenzoxazole precursor, and an insulating film was formed in the same manner as in Example 1.
The number average molecular weight (Mn) of the polybenzoxazole precursor obtained here was calculated to be 12000 using GPC manufactured by Tosoh Corporation in terms of polystyrene.
[0042]
[Table 1]
Figure 2004095236
[0043]
As is clear from the results summarized in Table 1, the polybenzoxazole resin insulating films of the examples manufactured using the varnish of the present invention have a low dielectric constant of 2.5 to 2.6, and furthermore have a high heat resistance. It showed good properties of high solubility and solubility. On the other hand, in the comparative example, although it is a polybenzoxazole resin, it does not have the repeating unit represented by the general formula (A) of the present invention. No values below 9 were obtained.
[0044]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY The coating varnish for an insulating film of the present invention has good film workability and can achieve excellent thermal, electrical, mechanical, and physical properties, and in particular, forms an insulating film having an extremely low dielectric constant. It can be suitably used for applications such as interlayer insulating films for semiconductors, protective films, interlayer insulating films for multilayer circuits, cover coats for flexible copper clad boards, solder resist films, and liquid crystal alignment films.

Claims (3)

(1)一般式(A)、又は一般式(A)及び一般式(F)で表わされる構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、
(2)熱分解温度が、200℃〜400℃の有機化合物、並びに、
(3)上記成分(1)及び成分(2)を同時に溶解もしくは分散することが可能な有機溶媒、からなることを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス。
Figure 2004095236
Figure 2004095236
[式(A)及び式(F)中、mは10〜1000の整数、nは0〜1000の整数を示す。R〜RはHまたは一価の有機基で、Xは式(B)で表される四価の基、Yは式(C)で表される二価の基、およびZ,Zは式(D)で表される一価の基より、それぞれ選ばれる基を示す。]
Figure 2004095236
Figure 2004095236
[式(B)及び式(C)中、Xは式(E)で表される二価の基より選ばれる基を示す。]
Figure 2004095236
Figure 2004095236
[これら式(B)〜(E)の構造中、ベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、およびフェニル基の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていてもよい。]
(1) a polybenzoxazole precursor having a structure represented by the general formula (A), or the general formula (A) and the general formula (F),
(2) An organic compound having a thermal decomposition temperature of 200 ° C to 400 ° C, and
(3) A coating varnish for an insulating film, comprising an organic solvent capable of simultaneously dissolving or dispersing the components (1) and (2).
Figure 2004095236
Figure 2004095236
[In the formulas (A) and (F), m represents an integer of 10 to 1000, and n represents an integer of 0 to 1000. R 1 to R 6 are H or a monovalent organic group, X is a tetravalent group represented by the formula (B), Y is a divalent group represented by the formula (C), and Z 1 , Z 2 represents a group selected from the monovalent groups represented by the formula (D). ]
Figure 2004095236
Figure 2004095236
[In the formulas (B) and (C), X 1 represents a group selected from the divalent groups represented by the formula (E). ]
Figure 2004095236
Figure 2004095236
[In these structures of formulas (B) to (E), a hydrogen atom on the benzene ring is a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a t-butyl group, a fluorine atom, It may be substituted with at least one group selected from a trifluoromethyl group, a trifluoroethyl group, and a phenyl group. ]
熱分解温度が200℃〜400℃の有機化合物が、ポリオキシアルキレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、およびポリα−メチルスチレンの中から選ばれる、少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記載のコーティングワニス。The organic compound having a thermal decomposition temperature of 200C to 400C is at least one selected from polyoxyalkylene, polymethyl methacrylate, polystyrene, and poly [alpha] -methylstyrene. A coating varnish as described. 請求項1又は請求項2記載の、コーティングワニスから作製したことを特徴とする絶縁膜。An insulating film produced from the coating varnish according to claim 1 or 2.
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