JP2004095052A - マスター情報担体とその製造方法および磁気記録媒体 - Google Patents

マスター情報担体とその製造方法および磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】マスター情報担体を用いて磁気転写したとき、磁気ディスク上の少なくともサーボバースト信号領域においてノイズの発生を抑止することができ、ファイナルサーボパターンを記録する領域をあらかじめ磁気ヘッドで消去する必要がなく、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができるマスター情報担体とその製造方法およびこれにより作製された磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】マスター情報担体1上にレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜のパターン3からなるウェッジ4および隣接する2つのウェッジ4に挟まれた領域に長パターン強磁性膜6を構成させることによって、転写記録された磁気ディスクのファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域で発生するノイズレベルを抑止することができ、サーボライトする前の磁気ヘッドによる消去工程が不要となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体へ所定のサーボ情報信号をあらかじめ記録するために用いられるマスター情報担体とその製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの処理システムおよび計算システムにおいて、磁気ディスク装置などのデータ記憶装置が、データを記憶するために用いられる。典型的な磁気ディスク装置は、データ記憶面を有する1つ以上の磁気ディスクを回転させるためのロータを備えるスピンドルモータと、磁気ディスク上の同心のデータトラックへデータなどを書込みまたはそこからデータなどを読取るトランスデューサ機能を有する磁気ヘッドと、それを支持するヘッドキャリアアームと、ヘッドキャリアアームを磁気ディスクの半径方向に移動させることで磁気ヘッドを半径位置の異なるデータトラックへ位置決めするアクチュエータとを含む。
【0003】
近年、磁気ディスク装置の記録密度の上昇は目覚しく、そのトラックピッチは1μm以下となっている。磁気ヘッドがこのような狭いトラックを正確に走査し、高いS/N比をもって信号を再生するためには、磁気ヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たす。このようなトラッキングサーボ技術に関しては、例えば、『山口:磁気ディスク装置の高精度サーボ技術、日本応用磁気学会誌、Vol.20,No.3,pp.771(1966)』に詳細に記載されている。この文献によれば、現在の磁気ディスク装置では、磁気ディスクの1周、すなわち角度にして360度中に、データトラックに一定の角度間隔でサーボパターンが埋め込まれている。その一定の角度間隔で埋め込まれた一塊の信号領域をウェッジ(Wedge)と呼ぶ。そしてデータの記録再生を行っている磁気ヘッドがこれを再生することで、磁気ヘッドの現在位置と追従すべき目標データトラックとの相対位置関係を検出し、磁気ディスクの径方向における変位を必要に応じて修正しながら正確にトラック上を走査することができる。
【0004】
現在の磁気ディスク装置における磁気記録媒体(以下、磁気ディスクと記す)のデータトラックに一定の角度間隔で埋め込まれたサーボパターンについて図面を用いて概要を説明する。
【0005】
図8は、一般的に用いられているサーボパターンの概略構成を説明するための構成概念図である。領域81は、自動利得制御回路(AGC回路)により再生波形の振幅を一定にしたり、クロック同期に用いたりする同期信号領域であり、領域82はセクタの開始位置を示し、各信号領域の基準位置となるタイミング信号領域である。領域83は、グレイコードと呼ばれるトラック番号識別信号領域であり、領域84が、トラック内の位置信号を生成するためのサーボバースト信号領域である。現在磁気ディスク装置で一般的に用いられているサーボバースト信号領域は4つのサーボバースト信号(84A、84B、84C、84D)からなる。これらのサーボバースト信号はトラックピッチと略同幅であり、トラック幅方向に無信号領域と交互に配置されている。このため、各サーボバースト信号からの再生出力は、磁気ヘッドの再生素子(例えば、MR素子など)がサーボバースト信号にかかる割合で変化する。そしてさらに、各サーボバースト信号の再生出力から、(84A)−(84B)相と(84C)−(84D)相の2つの組でバースト信号の振幅差を計算し、それぞれの直線性の高い部分を接続して線形な位置誤差信号を求める。このようにした磁気ディスク装置における磁気ヘッドのサーボシステムが2相サーボ方式と呼ばれるものである。
【0006】
このようなサーボパターンは磁気ディスク装置の出荷前にあらかじめ記録しておく。磁気ディスク装置の出荷後に使用するこのようなサーボパターンを本明細書ではファイナルサーボパターンと記すことにする。
【0007】
サーボパターンの記録は一般に専用のサーボトラックライターを用いて行われてきた。この場合、外部から磁気ディスク装置に挿入された外部アクチュエータにより、磁気ディスク装置に組み込まれた磁気ヘッドを位置決めしてサーボパターンを記録する。これに対し、磁気転写技術を用いたセルフサーボライト方式が提案されている(例:特開2001−243733号公報)。
【0008】
この方式は、磁気ディスクの少なくとも1つの記録面にマスター情報担体を磁気転写によってサーボライト工程でのみ使用する第1のサーボパターンであるレファレンスサーボパターンを転写記録し、磁気ディスク装置を組み立てて密閉し、レファレンスサーボパターンを磁気ヘッドと磁気ディスクの相対的な位置関係の基準として磁気ヘッドを位置決めし、磁気ディスク装置の出荷後に使用する最終的なサーボパターンであるファイナルサーボパターンを磁気ヘッドによりセルフライトするものである。
【0009】
この方式では、磁気ヘッドを位置決めするための外部アクチュエータを備えた専用のサーボトラックライターが不要となる。また、サーボライトは磁気ディスク装置組み立て後に行うため、サーボライト工程におけるクリーンルームが不要となる。これらの結果、磁気ディスク装置の製造コストを低減することができる。
【0010】
また、磁気転写技術としてマスター情報担体(マスターディスクとも記す)を用いたセルフサーボライト方式が実用化されており、それに関して『宮田:磁気転写によるサーボ信号記録技術の開発、電子情報通信学会、信学技報 MR2001−97』に記載されている。
【0011】
マスター情報担体上には、磁気ディスクに記録すべき信号パターンに対応した磁性膜パターンがリソグラフィ技術を用いて形成されている。
【0012】
現在用いられているマスター情報担体の製造プロセスは、磁性膜パターンをSiなどの基板に埋め込むプロセスとなっている。すなわち、まずフォトマスクアライナー等を用いて、レファレンスサーボ信号に対応するレジストパターンをSi基板上に形成する。次に、Si基板表面を反応性イオンエッチング法などによってエッチングし、磁性膜をスパッタリングにより成膜する。このときのエッチング深さと磁性膜の堆積厚はほぼ同一としてSi基板のエッチングされていない部分と磁性膜表面とがほぼ同一面になるようにし、マスター情報担体を磁気ディスクに密着させた際に磁性膜パターンと磁気ディスクとの間のスペーシングが小さくなるようにする。最後にレジストおよびレジスト上に堆積した磁性膜を剥離(リフトオフ)する。これらの工程により、レファレンスサーボ信号に対応した磁性膜の形状パターンがSi基板に埋め込まれた状態で形成されたマスター情報担体が製造される。このような強磁性膜パターンを非磁性基板に埋め込まれたマスター情報担体の構成とその製造方法については、例えば、特開2001−34938号公報および特開2001−312818号公報等に開示されている。また、マスター情報担体の製造におけるリフトオフ工程については、例えば、特開2001−126247号公報等に開示されている。その他に強磁性薄膜に信号パターンに対応した凹凸を形成したり、信号パターンに対応して形成された基板の凸部に強磁性膜を形成したマスター情報単体の構成が、例えば特開平10−40544号公報等に開示されている。
【0013】
さらに付け加えるとマスター情報担体と磁気ディスクとの密着性をよくするために、空気の吸引経路として磁性膜パターンが形成されていない領域にグルーブを形成する。そのためにグルーブ形状に沿ってSi基板面が露出し、レファレンスサーボ信号に対応した磁性膜パターンを覆うようにしてレジスト膜などオーバーコート層を形成する。次にSi基板表面を反応性イオンエッチング法などによってエッチングすることでグルーブを形成する。後にオーバーコート層を除去することでグルーブの形成されたマスター情報担体を製造する。なお、グルーブのあるマスター情報担体の構成とそれを用いた磁気転写方法は、例えば、特開平10−269566号公報等に、そのマスター情報担体の製造方法については、例えば、特開2001−312818号公報等に開示されている。
【0014】
次に、マスター情報担体を用いる磁気転写の原理について述べる。
【0015】
磁気ディスクは、あらかじめ周方向に初期化磁界Hiにより直流消去することによって、磁気ディスクの磁化の方向を一定の向きになるように初期化する。そしてマスターディスクとを密着させ、初期化の向きとは逆極性の直流外部磁界(転写磁界Hp)を印加する。転写磁界Hpが印加されたとき、磁気ディスクの磁性層とマスター情報担体上の磁性膜パターンとが近接している部位においては、磁性膜パターンのシールド効果により、磁気ディスクは初期化のために直流消去した際の磁化の向きが保持される。一方、マスター情報担体上に磁性膜パターンが形成されていない部位においては、磁性膜パターン間に漏洩する磁束によって、初期化した際の磁化が反転する。このようにして、磁性膜パターンに対応した磁化パターンが磁気ディスクに転写記録される。
【0016】
磁気テープの複製に用いられる従来の磁気転写記録と根本的に異なり、上述のマスター情報担体におけるマスター情報は磁化情報ではなく、信号パターンに対応した磁性膜パターンという『形状』情報であるということである。したがって、磁気転写の工程においていかに大きな直流外部磁界を印加しても、その形状情報は決して消えることはない。また、上述のマスターディスクの磁性膜の保磁力は前述のシールド効果を発揮するために、磁気ディスク記録磁性層の保磁力より小さいことが必要であり、高い磁気モーメントを持つ軟磁性材料を用いる。
【0017】
この方式によれば、レファレンスサーボ信号を磁気ディスク全面に一括して記録することができる。
【0018】
以上のような磁気転写技術としてマスター情報担体を用いたセルフサーボライト方式の手順について図9を用いて説明する。
【0019】
図9において、工程(901)では、磁気ディスクを初期化磁界Hiで初期化する。この初期化磁界は、磁気ディスクの記録磁性層を一方向に向けるために、磁気ディスクの記録磁性層の飽和磁界と同程度以上の十分に強い磁界強度であることが望ましい。
【0020】
工程(902)として、上述のプロセスで作製されたマスター情報担体を磁気ディスクに密着させる。マスター情報担体の回転周方向の構成を示す部分断面図としての図10に示すように、マスター情報担体にはレファレンスサーボパターンに対応した磁性膜パターン101が形成されている。レファレンスサーボパターンは、ファイナルサーボパターンと同様に、磁気ディスクの1周すなわち角度にして360度に相当する中に、一定の角度間隔で埋め込まれている。そのレファレンスサーボパターンの一塊の磁性膜パターン101からなるウェッジ102と隣接するウェッジ102の間の領域103には、磁性膜パターン101がなく、上述のグルーブを構成する領域として利用される。
【0021】
工程(903)では、密着したマスター情報担体と磁気ディスクに転写磁界Hpを印加し、マスター情報担体上のレファレンスサーボパターンを磁気ディスクに転写記録する。このときの転写磁界は、マスター情報担体上に形成されたレファレンスサーボパターンを構成する磁性膜パターンの密集部において、各磁性膜パターンに挟まれている部位を磁化反転できる強さであればよい。磁性膜パターンの密集部で、磁性膜パターンに挟まれた部位は、磁性膜パターンによって磁束の集中がなされるため印加磁界としての転写磁界Hpは、磁気ディスクの記録磁性層の飽和磁界ほど強い必要はない。むしろ、転写磁界を必要以上に強くすると磁性膜パターンが飽和し、シールド効果が損なわれ、良好な転写記録が行えない。これらの点から転写磁界Hpは磁気ディスクの記録磁性層の抗磁力近傍の強さが最適となることが多い。
【0022】
工程(904)では、レファレンスサーボパターンを転写記録されたものを含む磁気ディスクおよび磁気ヘッドを組み入れて、磁気ディスク装置を組み立て、周囲環境からの粒子汚染を防ぐように磁気ディスク装置を密閉する。
【0023】
工程(905)では、レファレンスサーボパターンを磁気ヘッドを介して磁気ディスクから読取り、レファレンスサーボパターン中のヘッド位置情報およびタイミング位置情報を用いて磁気ヘッドを磁気ディスクの同心トラックに位置決めし、少なくともファイナルサーボパターン記録領域を磁気ヘッドにより消去する。
【0024】
工程(906)では、磁気ヘッドを介して磁気ディスクからレファレンスサーボパターンを読取り、レファレンスサーボパターン中のヘッド位置情報およびタイミング位置情報を用いて磁気ヘッドを磁気ディスクの同心トラックに位置決めし、最終的なサーボパターンであるファイナルサーボパターンを消去状態にあるファイナルサーボパターン記録領域に磁気ヘッドによりセルフライトする。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来構成のマスター情報担体を用いる磁気転写技術によるレファレンスサーボパターンの転写記録では、ファイナルサーボパターン書込み領域を配置すべきレファレンスサーボパターンのウェッジ間の領域においては、マスター情報担体上の磁性膜パターンの間隔が広いため、磁性膜から離れた領域では転写磁界の収束効果が小さく、磁気ディスクの記録磁性層は部分的な磁化反転が生じ、この領域でのノイズの増大をまねく。現在、一般的に用いられているファイナルサーボパターンは、トラックピッチと略同幅のサーボバースト信号と無信号領域とがトラック幅方向に交互に配置された構成となっていて、磁気ヘッドの再生素子(例えば、MR素子など)がサーボバースト信号にかかる割合でサーボバースト信号からの再生出力レベルが変化することを用いて磁気ヘッドの位置を検出している。したがって、無信号領域に無用な信号が存在したり、無信号領域のノイズレベルが高かったりすると、サーボバースト信号のレベルを誤検出することになり、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する正しい位置情報が得られず、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることが困難となる。このため、無信号領域は信号がなく、ノイズレベルの低い状態であることが必要である。したがって、従来は、ファイナルサーボパターン記録領域をノイズレベルの低い状態にするために、磁気ヘッドを用いてこの領域にあるノイズ成分を消去する工程が必須であった。この消去工程は専用のサーボトラックライターを用いてサーボライトする場合でも行われている。
【0026】
そして、ファイナルサーボパターン記録領域を消去する際に磁気ヘッドを用いているため、ファイナルサーボパターン記録領域に対応する磁気ディスクの半径方向全域にわたって消去を行うには多くの時間を要し、セルフサーボライト工程全体に要する時間が長くなる要因となっている。さらに、近年のトラックピッチの狭小化は目覚しく、それに伴い磁気ヘッドの記録トラック幅も狭小化し、消去に要する時間はますます増加するという課題があった。
【0027】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、マスター情報担体を用いる磁気転写技術において、磁気転写後における磁気ディスクのファイナルサーボパターン記録領域のノイズレベルを低減し、磁気ヘッドを用いて消去する工程を省略することを可能とし、サーボライト工程に要する時間を低減することを可能にするマスター情報担体とその製造方法およびそれらを用いてファイナルサーボパターンがサーボライトされた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のマスター情報担体は、磁気ヘッドとの相対移動方向に離散的な配置でサーボバースト信号領域を磁気ヘッドで記録形成すべき磁気記録媒体に、サーボバースト信号を磁気ヘッドで記録する前にサーボ情報信号の磁化パターンを転写記録するためのマスター情報担体であって、非磁性材料の基体と、磁化パターンに対応する強磁性膜のパターンと、磁気ヘッドに対する磁気記録媒体の相対移動方向において、磁気記録媒体に離散的に配置された個々のサーボバースト信号領域の長さ以上の所定の長さを有する長パターン強磁性膜とからなる構成を有し、さらに、磁化パターンが、磁気ディスク装置においてセルフサーボライトを行うための第1のサーボパターンであるレファレンスサーボパターンの少なくとも一部であって、磁化パターンと長パターン強磁性膜との位置関係が、磁気ディスクに転写記録されるべきレファレンスサーボパターンとサーボバースト信号領域との位置関係と一致している構成を有する。
【0029】
この構成により、少なくとも磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域において、転写磁界が長パターン強磁性膜によりシールドされ、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態で保持され、その領域でノイズレベルの発生が抑止されている。したがって、ファイナルサーボパターンを記録する前に行っていた磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができる。
【0030】
また、本発明のマスター情報担体は、磁気記録媒体と密着させたときに空気抜き溝となるグルーブを備え、長パターン強磁性膜の上面、左側面、右側面のうち少なくともいずれか一方の面に、グルーブが設けられた構成を有する。
【0031】
この構成により、磁気転写時のマスター情報担体と磁気ディスクとの密着性を良好にすることができ、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズレベルの発生が抑止され、サーボライト工程の生産性を大きく向上することができる。
【0032】
また、本発明のマスター情報担体は、基体上に配置された強磁性膜および長パターン強磁性膜の厚みは、複数の厚みを有し、強磁性膜の厚みより、長パターン強磁性膜の厚みが少なくとも厚い構成を有する。
【0033】
この構成により、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、そのシールド効果が損なわれず、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズレベルの発生を一層抑止することができる。したがって、ファイナルサーボパターンを記録する前に行っていた磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができる。
【0034】
また、本発明のマスター情報担体は、基体上に、深さの異なる凹部を備え、深さの異なる凹部を含む凹部の少なくとも一部に、異なる厚さの強磁性薄膜が形成されており、深い凹部に形成された強磁性薄膜の厚みが、浅い凹部に形成された強磁性薄膜の厚みより厚く、かつ、サーボバースト信号領域の磁気ヘッドに対する磁気記録媒体の相対移動方向の長さ以上の所定の長さを有する構成である。
【0035】
この構成により、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、そのシールド効果が損なわれず、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズの発生を一層抑止することができ、ファイナルサーボパターンを記録する前に行っていた磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができる。
【0036】
また、本発明のマスター情報担体は、強磁性膜および長パターン強磁性膜が、飽和磁束密度の異なる少なくとも2種以上の強磁性材料を用いて、それぞれ単層構造をした強磁性薄膜で構成されており、強磁性膜の飽和磁束密度より、長パターン強磁性膜の飽和磁束密度が大きい構成を有する。
【0037】
この構成により、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、長パターン強磁性膜のシールド効果が損なわれず、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズの発生を一層抑止することができ、ファイナルサーボパターンを記録する前に行っていた磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができる。
【0038】
また、この目的を達成するために本発明のマスター情報担体の製造方法は、非磁性材料の基体にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第1の工程と、レファレンスサーボパターンに対応する強磁性膜のパターンおよびサーボバースト信号に対応した長パターン強磁性膜を形成するために、レジスト膜をパターニングした基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第2の工程と、エッチングで所定の凹形状パターンが形成された基体にスパッタリングすることにより、第2の工程におけるエッチングの深さと略同じ厚みの強磁性薄膜を堆積する第3の工程と、残留したレジスト膜およびレジスト膜上に形成された不要な強磁性薄膜を除去するために、第3の工程により強磁性薄膜が堆積された基体をリフトオフ処理する第4の工程とを有する。
【0039】
この方法により、1つの工程でレファレンスサーボパターンと長パターン強磁性膜に対応するパターンを一括して形成することができ、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜とそれらに挟まれた領域に長パターン強磁性膜を有するマスター情報担体を作製することができる。
【0040】
また、本発明のマスター情報担体の製造方法は、非磁性材料の基体に第1の強磁性膜パターンを形成する第1の工程と、さらに、その上にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第2の工程と、レジスト膜をパターニングした基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第3の工程と、エッチングで所定の凹形状パターンが形成された基体にスパッタリングすることにより、長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜を堆積する第4の工程と、残留したレジスト膜およびレジスト膜上に形成された不要な強磁性薄膜を除去するために、第4の工程により長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜が堆積された基体をリフトオフ処理する第5の工程とを有する。さらに、第4の工程により堆積される長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の飽和磁束密度は、第1の工程において強磁性膜パターンを形成した強磁性膜の飽和磁束密度より大きい構成を有する。
【0041】
この方法により、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、長パターン強磁性膜のシールド効果が損なわれず、転写記録時における磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でのノイズの発生を一層抑止することができるマスター情報担体を作製することができる。
【0042】
また、本発明のマスター情報担体の製造方法は、第4の工程により堆積される長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の厚みが、第1の工程において第1の強磁性膜パターンを形成した強磁性膜の厚みより大きい構成を有する。
【0043】
この方法によって、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜の厚みより、それらに挟まれた領域に長パターン強磁性膜の厚みが大きいマスター情報担体を作製することができ、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合に、非常に有効なマスター情報担体を作製することができる。
【0044】
また、本発明のマスター情報担体の製造方法は、非磁性材料の基体にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第1の工程と、レジスト膜をパターニングした基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第2の工程と、エッチングで所定の凹形状パターンが形成された基体にスパッタリングにより、強磁性薄膜を堆積する第3の工程と、残留したレジスト膜およびレジスト膜上に形成された不要な強磁性薄膜を除去するために、第3の工程により強磁性薄膜が堆積された基体をリフトオフ処理する第4の工程と、さらに、その上にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第5の工程と、第5の工程でレジスト膜をパターニングした基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第6の工程と、第6の工程でエッチングにより所定の凹形状パターンが形成された基体にスパッタリングにより、長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜を堆積する第7の工程と、残留したレジスト膜およびレジスト膜上に形成された不要な長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜を除去するために、第7の工程により長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜が堆積された基体をリフトオフ処理する第8の工程とを有し、第6の工程による凹形状パターンのエッチング深さは、第2の工程により形成される凹形状パターンのエッチング深さより大きい構成を有し、さらに、第6の工程における凹形状パターンのエッチング深さよりも、第7の工程におけるスパッタリングにより堆積される長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の厚みが小さい構成を有する。
【0045】
この方法により、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜とそれらに挟まれた領域に長パターン強磁性膜および長パターン強磁性膜の上面にグルーブを有するマスター情報担体を作製することができ、転写記録時の磁気ディスクとマスター情報担体との密着性を良好にすると共に、転写記録時の磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域におけるノイズの発生を抑止することのできるマスター情報担体を作製することができる。
【0046】
また、本発明のマスター情報担体の製造方法は、第7の工程において堆積される長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の厚みが、第3の工程において堆積される強磁性薄膜の厚みより少なくとも大きい構成を有する。また、第7の工程において堆積される長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の飽和磁束密度は、第3の工程において堆積される強磁性薄膜の飽和磁束密度より大きい構成を有する。
【0047】
この方法により、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜とそれらに挟まれた領域に長パターン強磁性膜および長パターン強磁性膜の上面にグルーブを有するマスター情報担体を作製することができ、転写記録時の磁気ディスクとマスター情報担体との密着性を良好にすると共に、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域における転写記録時のノイズの発生を抑止することのできるマスター情報担体を作製することができる。
【0048】
また、この目的を達成するために本発明の磁気記録媒体は、請求項1〜請求項8に記載のマスター情報担体を用いて転写記録された構成を有する。さらに、本発明の磁気記録媒体は、請求項9〜請求項17に記載のマスター情報担体の製造方法によって作製されたマスター情報担体を用いて転写記録した構成をも有する。
【0049】
これらの構成により、トラックピッチと略同幅のサーボバースト信号と無信号領域とがトラック幅方向に交互に配置された構成のファイナルサーボパターンにおいて、無信号領域におけるノイズレベルが非常に低い状態を実現したものとなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることのできる磁気記録媒体を作製することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。
【0051】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の一部を示す概略断面図であり、磁気ディスク装置の磁気ヘッドと磁気ディスクの相対移動方向、すなわち回転周方向に沿って切断して展開した断面図である。実施の形態1におけるマスター情報担体は、磁気ディスク装置においてセルフサーボライトを行うための第1のサーボパターンであるレファレンスサーボパターンを磁気ディスクに転写記録するために供されるものであって、図1を用いてこのマスター情報担体の概要を説明する。
【0052】
図1において、マスター情報担体1の基体2上に、レファレンスサーボパターンの一部である磁化パターンに対応する強磁性膜のパターン3からなるウェッジ4が磁気ディスク回転周方向に離散的に配置されている。セルフサーボライトするファイナルサーボパターンに含まれ、磁気ヘッドと磁気ディスクとの磁気ディスク半径方向の相対位置情報を示すサーボバースト信号領域を記録する磁気ディスク上の領域に対応した位置5に、少なくともサーボバースト信号領域の磁気ヘッドに対する磁気ディスクの相対移動方向(ディスクの回転周方向)の長さ以上の長さの長パターン強磁性膜6を互いに隣接するウェッジ4で挟まれる領域に備えており、磁化パターンと長パターン強磁性膜6との相対的な位置関係が、磁気ディスクに転写記録されるべきレファレンスサーボパターンとサーボバースト信号領域を記録する磁気ディスク上の領域に対応した位置5の相対的な位置関係に一致している。すなわち、長パターン強磁性膜6は、少なくともファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域をカバーするだけの長さが必要である。例えば、市販の5種類の磁気ディスク装置についてサーボバースト信号領域が占有する長さを調査したところ、それぞれウェッジが配置されている周期の1.1%、1.6%、2.2%、2.9%、4.2%であった。調査した磁気ディスク装置の中では1.1%がもっとも短い場合であったが、磁気ディスク装置ごとにファイナルサーボパターンの構成が異なるので、長パターン強磁性膜6の長さを各々の場合に合わせてサーボバースト信号領域をカバーするだけの長さとすることが必要である。
【0053】
図2は、実施の形態1におけるマスター情報担体の製造方法を示す工程図であり、マスター情報担体を回転周方向に沿って切断して展開した断面図である。基体2は、非磁性であることが望ましく、入手しやすさ、表面平坦性、平滑性のよさ、加工しやすさ、品質の安定性などから片面を鏡面研磨したSiウエーハがよく用いられる。以後、基体2としてSiウエーハを用いた場合について述べる。
【0054】
第1の工程として、図2(a)に示すように、基体2の鏡面研磨面にレジスト膜21をスピンコーターなどにより所定の厚さに塗布した後、露光、現像することにより、レファレンスサーボパターンに対応する形状パターンを領域22に、また、長パターン強磁性膜に対応させて領域23をパターニングする。パターン形成方法には、フォトマスクを用いて一括露光を行うことが望ましいが、EB露光など他の手段でもよい。
【0055】
次に、第2の工程として、図2(b)に示すように、CHFとSFの混合ガスを用いて反応性イオンエッチングを行うことによって、基体2に所定の形状の微細な凹形状パターン24を形成する。ここで、反応性イオンエッチングを用いるのは、エッチングの異方性制御の容易さおよびエッチング速度において格段に優れるため、高速かつ精度のよいエッチングを行うことができるからである。なお、このときのエッチング深さは、後述の強磁性薄膜25をスパッタ成膜する膜厚と略同じとすることが好ましい。
【0056】
次に、第3の工程として、図2(c)に示すように、スパッタリング法によって、基体2に形成した微細な凹形状パターン24に強磁性薄膜25を堆積せしめる。
【0057】
最後に、第4の工程として、図2(d)に示すように、残留したレジスト膜21とその上に形成した不要な強磁性薄膜25を、薬液等を用いてリフトオフ処理によって除去する。
【0058】
このようにして、基体2の表面には、レジスト膜21およびその上に形成された不要な強磁性薄膜25が除去されて残留したレファレンスサーボパターンと長パターン強磁性膜に対応するパターンを形成することができ、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜のパターンである強磁性膜26とそれらに挟まれた領域に長パターン強磁性膜27を有するマスター情報担体1を作製することができる。なお、ここではマスター情報担体と磁気ディスクの密着性をよくするグルーブ構造についてはその製造工程を省略している。
【0059】
上述のように構成されたマスター情報担体1を用いて磁気ディスクに転写記録すると、少なくとも磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域において、転写磁界が長パターン強磁性膜によりシールドされ、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態になったまま保持され、その領域で発生するノイズレベルを抑止することができる。
【0060】
その結果、磁気転写からセルフサーボライトまでの工程は、従来例の工程(905)における磁気ヘッドによる消去工程が不要となり、図3に示すようになる。
【0061】
図3において、工程(301)では、磁気ディスクを初期化磁界Hiで初期化する。この初期化磁界は、磁気ディスクの記録磁性層を完全に一方向に向けるために、磁気ディスクの記録磁性層の飽和磁界と同程度以上の十分に強い磁界強度であることが望ましい。
【0062】
工程(302)では、上述のプロセスで作製されたマスター情報担体を磁気ディスクに密着させる。
【0063】
工程(303)では、密着したマスター情報担体と磁気ディスクに転写磁界Hpを印加し、マスター情報担体上のレファレンスサーボパターンを磁気ディスクに転写記録する。このときの転写磁界は、マスター情報担体上に形成されたレファレンスサーボパターンを構成する磁性膜パターンの密集部において、各磁性膜パターンに挟まれている部位を磁化反転できる強さであればよい。磁性膜パターンの密集部で、磁性膜パターンに挟まれた部位は、磁性膜パターンによって磁束の集中がなされるため印加磁界としての転写磁界Hpは、磁気ディスクの記録磁性層の飽和磁界ほど強い必要はない。むしろ、転写磁界を必要以上に強くすると磁性膜パターンが飽和し、シールド効果が損なわれる。これらの点から転写磁界Hpは磁気ディスクの記録磁性層の抗磁力近傍の強さが最適となることが多い。また、マスター情報担体に長パターン強磁性膜が形成されているため、少なくとも磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域において、転写磁界が長パターン強磁性膜によりシールドされ、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態になったまま保持され、その領域でノイズレベルの増加が抑止されている。
【0064】
工程(304)では、少なくともレファレンスサーボパターンを転写記録されたものを含む磁気ディスクおよび磁気ヘッドを組み入れて、磁気ディスク装置を組み立て、周囲環境からの粒子汚染を防ぐように磁気ディスク装置を密閉する。
【0065】
工程(305)では、磁気ヘッドを介して磁気ディスクからレファレンスサーボパターンを読取り、レファレンスサーボパターン中のヘッド位置情報およびタイミング位置情報を用いて、磁気ヘッドを磁気ディスクの同心トラックに位置決めし、最終的なサーボパターンであるファイナルサーボパターンを初期化による消去状態にあるノイズレベルの非常に低いファイナルサーボパターン記録領域に磁気ヘッドによりセルフライトする。
【0066】
なお、上述の実施の形態1において、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜のパターン3として配置された強磁性膜26の磁性材料と、ウェッジ4と隣接するウェッジ4に挟まれる領域に配置された長パターン強磁性膜27としての磁性材料を、異種の材料を用いて形成してもよい。さらに、長パターン強磁性膜27としての磁性材料は、強磁性膜のパターン3として配置された強磁性膜26の磁性材料よりも飽和磁束密度の大きい磁性材料とすることが望ましい。一般的に、レファレンスパターンを構成する強磁性膜にはCoが用いられることが多く、強磁性膜としてCoが用いられた場合には、長パターン強磁性膜27としてはFe、FeCo、FeSiなどFe元素を多く含み、飽和磁束密度の大きい強磁性材料を選択するとよい。レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜のパターン3として配置された強磁性膜26の磁性材料と、ウェッジ4と隣接するウェッジ4に挟まれる領域に配置された長パターン強磁性膜27としての磁性材料とを、異種の材料を用いて形成する場合の製造方法について図4を用いて説明する。図4において、図2における構成要素と対応する要素には、図2における符号と同じ符号を付している。
【0067】
第1の工程として、図4(a)に示すように、基体2の鏡面研磨面にレジスト膜41をスピンコーターなどにより所望の厚さに塗布した後、露光、現像することにより、レファレンスサーボパターンに対応する形状パターンを領域22にパターニングする。このとき、長パターン強磁性膜に対応した領域23は、レジスト膜41によりオーバーコートされている。パターン形成方法には、フォトマスクを用いて一括露光行うことが望ましいが、EB露光など他の手段でもよい。
【0068】
第2の工程として、図4(b)に示すように、CHFとSFの混合ガスを用いて反応性イオンエッチングを行うことによって、基体2に微細な凹形状パターン42を形成する。ここで、反応性イオンエッチングを用いるのは、上述の実施の形態1における第2の工程と同様であり、ここでの説明は省略する。なお、このときのエッチング深さは、後述の強磁性薄膜43をスパッタ成膜する膜厚と略同じとすることが好ましい。
【0069】
第3の工程として、図4(c)に示すように、スパッタリング法によって、基体2に形成した微細な凹形状パターン42に強磁性薄膜43を堆積せしめる。
【0070】
第4の工程として、図4(d)に示すように、残留したレジスト膜41とその上に形成した不要な強磁性薄膜43を、薬液等を用いてリフトオフ処理によって除去する。
【0071】
以上、第1から第4の工程は信号パターンに対応した強磁性膜パターンを基体に埋め込んだ構成で形成する方法であるが、信号パターンに対応した強磁性膜パターンである第1の強磁性膜を形成する方法はこの方法に限ることはなく、例えば、特開平10−40544号公報等に開示されているような信号パターンに対応して強磁性薄膜に凹凸を形成したり、信号パターンに対応して形成された基板の凸部に強磁性膜を形成するなどの方法に対応した工程であってもよい。
【0072】
第5の工程として、図4(e)に示すように、強磁性薄膜43が堆積された基体2の鏡面研磨面上にレジスト膜44をスピンコーターなどにより所定の厚さに塗布した後、露光、現像することによって、長パターン強磁性膜に対応した領域23を所定の位置にパターニングする。なお、パターン形成方法は上述の第1の工程と同様の方法を用いてもよい。このとき、レファレンスサーボパターンに対応する領域22は、レジストによりオーバーコートされている。
【0073】
第6の工程として、図4(f)に示すように、上述の第2の工程と同様の反応性イオンエッチングを行うことによって、基体2に凹形状パターン45を形成する。反応性イオンエッチングを用いる利点は、上述の第2の工程における説明と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0074】
第7の工程として、図4(g)に示すように、スパッタリング法によって、基体2に形成した凹形状パターン45に上述の第3の工程における強磁性薄膜43よりも飽和磁束密度の大きい強磁性材料を用いて強磁性薄膜46を堆積せしめる。一般的に、レファレンスパターンを構成する強磁性膜にはCoが用いられることが多く、強磁性膜としてCoが用いられた場合には、長パターン強磁性膜としては、例えばFe、FeCo、FeSiなどFe元素を多く含み、飽和磁束密度の大きい強磁性材料を選択するとよい。
【0075】
第8の工程として、図4(h)に示すように、上述の第4の工程と同様の方法によって、残留したレジスト膜44とその上に形成した不要な強磁性薄膜46を、薬液等を用いてリフトオフ処理によって除去する。このようにして、基体2の表面にレファレンスサーボパターンと長パターン強磁性膜に対応するパターンを形成することができ、レファレンスサーボパターンに対応する強磁性膜47とそれらに挟まれた領域に強磁性膜47よりも飽和磁束密度の大きい強磁性材料の長パターン強磁性膜48を有するマスター情報担体1を作製することができる。
【0076】
なお、ここではマスター情報担体と磁気ディスクの密着性をよくするグルーブ構造についてはその製造工程を省略している。
【0077】
また、第6の工程におけるエッチング深さと、第7の工程で強磁性薄膜46をスパッタ成膜する膜厚と、形成後の長パターン強磁性膜48の基体2表面からの高さとが、転写記録時にマスター情報担体1と磁気ディスクを密着させたときに信号パターンに対応した強磁性膜パターンの磁気ディスクに近接する部分の高さと同じようにすることが望ましい。図4のように信号パターンに対応した強磁性膜パターンを基体2に埋め込んだ構成で形成し、その表面と基体2表面とが略一致する場合には、第6の工程におけるエッチング深さと、第7の工程で強磁性薄膜46をスパッタ成膜する膜厚は略同じとすることが好ましい。
【0078】
上述のように構成されたマスター情報担体1を用いて磁気ディスクにセルフサーボライトする手順は、上述の工程(301)〜工程(305)と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0079】
上述のように、強磁性膜のパターン3として配置された強磁性膜47より、長パターン強磁性膜48の方を飽和磁束密度の大きい磁性材料とする異種の磁性材料を用いて、長パターン強磁性膜48を形成する場合も、同種の磁性材料とした場合と同様の効果を有することは勿論である。
【0080】
ここで一般に、信号パターンに対応して形成される微細な強磁性膜のパターン3として配置された強磁性膜47より、長パターン強磁性膜48の方が長い。このため転写磁界により磁化されやすく、飽和磁化しやすい。本実施の形態1の長パターン強磁性膜の方が、飽和磁束密度の大きい磁性材料とする異種の磁性材料を用いる構成のマスター情報担体によれば、特に、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、転写磁界を印加したときの長パターン強磁性膜は磁化飽和しにくくなり、シールド効果が損なわれないようにすることができ、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態になったまま保持され、その領域でノイズレベルの発生が抑止されている。すなわち、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録するための非常に有効なマスター情報担体を実現することができる。
【0081】
したがって、このようなマスター情報担体を用いて磁気転写し、セルフサーボライトした磁気ディスクは、サーボバースト信号と無信号領域とがトラック幅方向に交互に配置された構成のファイナルサーボパターンにおいて、無信号領域におけるノイズレベルが非常に小さい状態を実現したものとなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることのできる磁気ディスクを実現することができる。
【0082】
なお、基体2の材料としては、Siウエーハに限ることはなく、他の非磁性材料を用いてもよいのは言うまでもない。
【0083】
以上のように本実施の形態1によれば、マスター情報担体に少なくともファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域をカバーするだけの長さを有する長パターン強磁性膜を形成しているため、少なくとも磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域において、転写磁界が長パターン強磁性膜によりシールドされ、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態で保持され、その領域でノイズレベルの発生が抑止されている。したがって、従来のように、ファイナルサーボパターンを記録する前に行っていた磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができる。
【0084】
また、このようなマスター情報担体を用いて磁気転写し、セルフサーボライトした磁気ディスクは、トラックピッチと略同幅のサーボバースト信号と無信号領域とがトラック幅方向に交互に配置された構成のファイナルサーボパターンにおいて、無信号領域におけるノイズレベルが非常に小さい状態を実現したものとなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることのできる磁気ディスクを実現することができる。
【0085】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるマスター情報担体の構成は、前述の実施の形態1におけるレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜のパターン3および互いに隣接するウェッジ4で挟まれる領域にある長パターン強磁性膜6(図1参照)のそれぞれの厚みが異なる、すなわち、レファレンスサーボパターンに対応する強磁性膜26および長パターン強磁性膜27(図2参照)のそれぞれの厚みが異なることを除いて前述の実施の形態1と概略同じである。
【0086】
図5は、本発明の実施の形態2におけるマスター情報担体の製造方法の前述の実施の形態1と異なる工程を示す工程図であり、マスター情報担体を回転周方向に沿って切断して展開した断面図である。図5において、前述の実施の形態1の図4における構成要素と対応する要素には、図4における符号と同じ符号を付している。なお、ここでは前述の実施の形態1の図4に示された製造方法と異なる点について説明する。また、前述の実施の形態1と同様に、基体2として、Siウエーハを用いた場合について述べる。
【0087】
第1の工程〜第5の工程は、前述の実施の形態1の図4における第1の工程〜第5の工程と同じであり、ここでの詳細な説明は省略する。また、第1の工程〜第4の工程は信号パターンに対応した強磁性膜パターンを基体に埋め込んだ構成で形成する方法であるが、前述の実施の形態1と同様に、例えば、特開平10−40544号公報等に開示されているような信号パターンに対応して強磁性薄膜に凹凸を形成したり、信号パターンに対応して形成された基板の凸部に強磁性膜を形成するなどの方法に対応した工程であってもよい。
【0088】
第5の工程が完了した段階で、前述の実施の形態1における図4(e)と同じように、基体2の鏡面研磨面にレジスト膜44をスピンコーターなどにより所定の厚さに塗布した後、露光、現像することにより、長パターン強磁性膜に対応した領域23がパターニングされ、レファレンスサーボパターンに対応する領域22は、レジスト膜44によりオーバーコートされた状態になっている。
【0089】
次に、第6の工程として、図5(a)に示すように、前述の実施の形態1における第2の工程と同様の方法により、反応性イオンエッチングを行うことによって、基体2に凹形状パターン51を形成する。なお、このときのエッチング深さは、前述の実施の形態1における図4に示された第2の工程において形成されたレファレンスサーボパターンに対応する凹形状パターン42より深くする。また、その深さは後述の長パターン強磁性薄膜52をスパッタ成膜する膜厚と略同じとすることが好ましい。
【0090】
次に、第7の工程として、図5(b)に示すように、スパッタリング法によって、基体2に形成した凹形状パターン51に長パターン強磁性薄膜52を堆積せしめ、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜43の間に挟まれ、かつ、強磁性薄膜43の厚みよりも厚い長パターン強磁性薄膜52を形成する。
【0091】
なお、この長パターン強磁性薄膜52の材料はレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜43と同じ磁性材料であってもよいし、また、異なる磁性材料であってもよい。強磁性薄膜43と異なる磁性材料を用いる場合には、強磁性薄膜43として用いられた磁性材料の飽和磁束密度よりも長パターン強磁性薄膜52の材料の飽和磁束密度の方が、少なくとも大きいことが望ましい。
【0092】
最後に、第8の工程として、図5(c)に示すように、残留したレジスト膜44とその上に形成した不要な長パターン強磁性薄膜52を、薬液等を用いてリフトオフ処理によって除去する。このようにして、基体2表面に前述の実施の形態1の第4の工程と同様の工程によって凹形状パターン42に堆積残留したレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜47と第8の工程によって凹形状パターン51に堆積残留したそれらより厚みの厚い長パターン強磁性膜53を形成することができ、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜47と隣接する強磁性膜47の間にそれらより厚みの厚い長パターン強磁性膜53を有するマスター情報担体1を作製することができる。
【0093】
なお、レファレンスサーボパターンに対応する強磁性膜47および長パターン強磁性膜53のそれぞれの厚みが異なるマスター情報担体1としたが、強磁性膜47および長パターン強磁性膜53のそれぞれの厚みが2つ以上の複数の異なる厚みを有するマスター情報担体1としてもよい。この場合にも、長パターン強磁性膜53の厚みは他のいずれの強磁性膜47の厚みよりも大きいことが必要である。また、前述の実施の形態1の図4における第1の工程と同様のレジスト膜のパターニング工程と、第2の工程と同様のエッチング工程と、第3の工程と同様の強磁性薄膜のスパッタリング工程と、第4の工程と同様のリフトオフ処理工程を繰り返すことが必要になるのは言うまでもない。例えば、強磁性膜47の厚みを3つの異なる厚みを有するようにするときには、上述の第1の工程〜第4の工程と同様の工程を3回繰り返し、エッチング深さの異なる凹形状パターンを形成して、スパッタリングによりそれぞれ深さの異なる凹部に強磁性膜を形成し、さらに、それらの強磁性膜の厚みよりも大きい厚みを有する長パターン強磁性膜53を形成するための工程を実施することが必要になる。なお、深さの異なる凹部に形成される強磁性膜の厚みは同じである必要はない。
【0094】
なお、ここではマスター情報担体と磁気ディスクの密着性をよくするグルーブ構造についてはその製造工程を省略している。
【0095】
上述のように構成されたマスター情報担体1を用いて磁気ディスクにセルフサーボライトする手順は、前述の実施の形態1の図3における工程(301)〜工程(305)と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0096】
上述のように構成されたマスター情報担体1を用いて磁気ディスクに転写記録する際、長パターン強磁性膜がレファレンスサーボパターンを構成する強磁性膜パターンより厚く形成されているため、転写磁界を印加したときの長パターン強磁性膜の反磁界は大きくなり、磁化飽和しにくくなり、特に、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、そのシールド効果が損なわれないようにすることができ、上述の実施の形態1と同様に、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態になったまま保持され、その領域で発生するノイズレベルを抑止することができる。さらに、長パターン強磁性膜の材料をレファレンスサーボパターンが構成される強磁性膜の材料より飽和磁束密度の大きな材料とすることによって、転写磁界を印加したときの長パターン強磁性膜は一層磁化飽和しにくくなり、そのシールド効果がより強化され、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、そのシールド効果が損なわれないようにすることができ、発生ノイズを抑止することができる。
【0097】
したがって、このようなマスター情報担体を用いて磁気転写し、セルフサーボライトした磁気ディスクは、前述の実施の形態1と同様に、無信号領域におけるノイズレベルが非常に小さい状態を実現したものとなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることができる。
【0098】
以上のように本発明の実施の形態2によれば、前述の実施の形態1と同様に、マスター情報担体に長パターン強磁性膜を形成しているため、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズレベルの増加が抑止されている。したがって、従来のような磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上することができる。特に、長パターン強磁性膜の厚みを大きくすることによって、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、そのシールド効果が損なわれず、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズレベルの発生を一層抑止することができる。また、長パターン強磁性膜の飽和磁束密度の方を大きくすることによって、シールド効果が一層増加し、ノイズレベルの増加をさらに一層抑止することができる。
【0099】
このようなマスター情報担体を用いて磁気転写し、セルフサーボライトした磁気ディスクは、前述の実施の形態1と同様に、無信号領域におけるノイズレベルが非常に小さい状態を実現したものとなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることのできる磁気ディスクを実現することができる。
【0100】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3におけるグルーブを有するマスター情報担体の製造方法を説明する工程の一部を示す図であり、グルーブを有するマスター情報担体を回転周方向に沿って切断して展開した断面図である。図6において、前述の実施の形態1の図4および前述の実施の形態2の図5における構成要素と対応する要素には、図4および図5における符号と同じ符号を付している。なお、ここでは前述の実施の形態1の図4および前述の実施の形態2の図5に示された製造方法と異なる点について説明する。また、前述の実施の形態1および前述の実施の形態2と同様に、基体2として、Siウエーハを用いた場合について述べる。
【0101】
第1の工程〜第5の工程は、前述の実施の形態1の図4における第1の工程〜第5の工程と同じ、すなわち、前述の実施の形態2と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。また、第1の工程〜第4の工程は信号パターンに対応した強磁性膜パターンを基体に埋め込んだ構成で形成する方法であるが、前述の実施の形態1および実施の形態2と同様であり、この部分の構成は、例えば、特開平10−40544号公報等に開示されているような信号パターンに対応して強磁性薄膜に凹凸を形成したり、信号パターンに対応して形成された基板の凸部に強磁性膜を形成するなど他の構成に対応した工程であってもよい。
【0102】
第5の工程が完了した段階で、前述の実施の形態1における図4(e)と同じように、長パターン強磁性膜に対応した領域23がパターニングされ、レファレンスサーボパターンに対応する領域22は、レジスト膜44によりオーバーコートされた状態になっている。
【0103】
第6の工程として、図6(a)に示すように、前述の実施の形態1における第2の工程と同様の方法により、反応性イオンエッチングを行うことによって、基体2に凹形状パターン61を形成する。なお、このときのエッチング深さは、前述の実施の形態1における図4に示された第2の工程において形成されたレファレンスサーボパターンに対応する凹形状パターン42より深くする。
【0104】
第7の工程として、図6(b)に示すように、スパッタリング法によって、基体2に形成した凹形状パターン61に長パターン強磁性薄膜62となる強磁性薄膜を堆積せしめ、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜43の間に挟まれた領域に長パターン強磁性薄膜62を形成する。このとき、凹形状パターン61に堆積された長パターン強磁性薄膜62の上面63と基体2の表面64との間に段差を有するように、かつ、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜43の厚みと比較して同等以上の厚みになるように、長パターン強磁性薄膜62の堆積する厚みを設定する。ここで、転写記録時にマスター情報担体1と磁気ディスクを密着させたときにレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜43と磁気ディスクとの間の隙間が大きくならないように、第6の工程におけるエッチング深さと、第7の工程で長パターン強磁性薄膜62をスパッタ成膜する膜厚と、形成後の長パターン強磁性膜65の基体2表面からの高さとが、転写記録時にマスター情報担体1と磁気ディスクを密着させたときにレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜47の磁気ディスクに近接する部分の高さと比較して同等以下である必要がある。図6の場合、後述するように、長パターン強磁性膜65の上面63にグルーブ66を形成するので、その分も考慮して第6の工程におけるエッチング深さと、第7の工程で長パターン強磁性薄膜62をスパッタ成膜する膜厚を設定する必要がある。
【0105】
なお、前述の実施の形態2と同様に、この長パターン強磁性薄膜62の材料は、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性薄膜43と同じ磁性材料であってもよいし、また、強磁性薄膜43として用いられた磁性材料の飽和磁束密度よりも少なくとも大きい飽和磁束密度を有する異なる磁性材料であってもよい。
【0106】
第8の工程として、図6(c)に示すように、残留したレジスト膜44とその上に形成した不要な長パターン強磁性薄膜62を、薬液等を用いてリフトオフ処理によって除去する。このようにして、基体2表面に前述の実施の形態1の第4の工程と同様の工程によって凹形状パターン42に堆積残留したレファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜47と第8の工程によって凹形状パターン61に堆積残留した長パターン強磁性膜65を形成することができ、かつ、長パターン強磁性膜65の上面63と基体2の表面64とに微小な段差を有する形状にして、基体2の表面64から少し窪んだ位置に長パターン強磁性膜65の上面63があるようにして長パターン強磁性膜65の上面63上に空気の通路となるグルーブ66を形成する。このようにして、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜47と隣接する強磁性膜47の間に、長パターン強磁性膜65および長パターン強磁性膜65の上面63上にグルーブ66を有するマスター情報担体1を作製することができる。
【0107】
マスター情報担体1を用いて磁気ディスクに磁気転写する場合、マスター情報担体1に磁気ディスクを密着させる必要があり、マスター情報担体1に磁気ディスクを密着させるときに、マスター情報担体1と磁気ディスクとの間に挟まれた空気がグルーブ66を通って外部に逃げることができ、マスター情報担体1と磁気ディスクとの密着性を良好にすることができる。
【0108】
なお、長パターン強磁性膜65の上面63上にグルーブ66を有するため、長パターン強磁性膜65の上面63と基体2の表面64との段差に対応して転写磁界の回り込みが生じ、長パターン強磁性膜65のシールド範囲が回転周方向において少し小さくなる。その分を見込んで長パターン強磁性膜65の回転周方向の長さをあらかじめ大きく設定しておくことが望ましい。
【0109】
また、上述の第6の工程の後に、レジスト膜を塗布、現像し、長パターン強磁性膜に対応した所定の形状にパターニングし、上述の第7の工程および第8の工程を施すことによって、図7(a)に示すように、長パターン強磁性膜71の上面にグルーブ72、左側面にグルーブ73および右側面にグルーブ74を形成してもよい。あるいは図7(b)に示すように、長パターン強磁性膜75の上面にグルーブ76および右側面にグルーブ77を形成してもよい。なお、図7(b)において、右側面にグルーブ77の代わりに長パターン強磁性膜75の左側面にグルーブを設けてもよいのは言うまでもない。また、それぞれの長パターン強磁性膜71および長パターン強磁性膜75の厚みを凹形状パターンのエッチング深さと略同じ、すなわち基体2の表面とそれぞれの長パターン強磁性膜71および長パターン強磁性膜75の上面が略同じ面になるようにして、グルーブを長パターン強磁性膜の左右側面の少なくともいずれか一方にのみ形成してもよいのは言うまでもない。
【0110】
上述のように構成されたマスター情報担体1を用いて磁気ディスクにセルフサーボライトする手順は、前述の実施の形態1の図3における工程(301)〜工程(305)と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0111】
また、このようなマスター情報担体を用いて磁気転写し、セルフサーボライトした磁気ディスクは、前述の実施の形態1および前述の実施の形態2と同様に、無信号領域におけるノイズレベルが非常に小さい状態を実現したものとなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることのできる磁気ディスクを実現することができる。
【0112】
以上のように本発明の実施の形態3によれば、前述の実施の形態1および前述の実施の形態2と同様に、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズレベルの発生が抑止され、サーボライト工程の生産性を大きく向上することができる。さらに、長パターン強磁性膜の上に空気の通路であるグルーブを形成することによって、マスター情報担体と磁気ディスクとの密着性を良好にすることができ、磁気転写によるノイズの発生を抑止することができ、かつ、そのような有効なグルーブは長パターン強磁性膜の形成と同時に形成することができ、グルーブ形成に追加した工程が不要であるという大きな効果を有する。
【0113】
以上、実施の形態1から実施の形態3において、レファレンスサーボパターンを転写記録するためのマスター情報担体について述べたが、本発明は、サーボバースト信号領域を、磁気ヘッドとの相対移動方向に離散的な配置で磁気ヘッドで記録する磁気記録媒体に、サーボバースト信号を磁気ヘッドで記録する前に、情報信号の磁化パターンを転写記録するためのマスター情報担体について有効である。
【0114】
また、長パターン強磁性膜が、レファレンスサーボパターンのウェッジとウェッジの間にある場合について説明したが、レファレンスサーボパターンのウェッジと長パターンとの数の関係は必ずしも1対1であることに限る必要がないことは言うまでもない。
【0115】
【発明の効果】
以上のように本発明は、レファレンスサーボパターンの磁化パターンに対応する強磁性膜および隣接する2つのレファレンスサーボパターンに対応した強磁性膜に挟まれた領域に長パターン強磁性膜によって構成されたマスター情報担体である。
【0116】
このようなマスター情報担体とすることによって、磁気ディスクに転写記録する際、少なくとも磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域において、転写磁界が長パターン強磁性膜によりシールドされ、サーボバースト信号領域が転写磁界により部分的に反転されず、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域の磁化状態は初期化時に消去された状態で保持され、ノイズの発生を抑止することができる。したがって、磁気ディスクにファイナルサーボパターンを記録する前に行っていた磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減することになり、サーボライト工程の生産性を大きく向上させることができる。
【0117】
さらに、レファレンスサーボパターンに対応した強磁性膜よりも長パターン強磁性膜の方の飽和磁束密度が大きい磁性材料を用いた構成、あるいは、レファレンスサーボパターンに対応した強磁性膜よりも長パターン強磁性膜の方の厚みが大きくなるような構成、あるいは、飽和磁束密度および厚み共に大きな長パターン強磁性膜の構成を有するマスター情報担体とすることによって、より大きい抗磁力の記録磁性層を有する磁気ディスクに転写記録する場合にも、転写磁界を印加したときの長パターン強磁性膜は磁化飽和しにくくなり、シールド効果が損なわれることがなく、磁気ディスク上のファイナルサーボパターンに含まれるサーボバースト信号領域でノイズの発生が抑止され、磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程に要する時間を低減させ、サーボライト工程の生産性の向上に大きな効果を有する。
【0118】
また、長パターン強磁性膜の上に空気の通路であるグルーブを形成することによって、マスター情報担体と磁気ディスクとの密着性を良好にすることができ、磁気転写によるノイズの発生を抑止することもでき、したがって、磁気ヘッドによる消去工程を省略することができ、サーボライト工程の生産性を向上することができ、かつ、そのような有効なグルーブは長パターン強磁性膜の形成と同時に形成することができ、グルーブ形成のための工程を追加する必要がないという大きな効果を有する。
【0119】
また、このように構成されたマスター情報担体を用いて磁気転写され、セルフサーボライトされた磁気ディスクは、トラックピッチと略同幅のサーボバースト信号と無信号領域とがトラック幅方向に交互に配置された構成のファイナルサーボパターンにおいて、無信号領域におけるノイズレベルが非常に小さくなり、磁気ヘッドを精度よく位置決めすることができる磁気ディスクを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の一部を示す概略断面図
【図2】(a)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の製造方法の第1の工程を示す工程図
(b)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の製造方法の第2の工程を示す概略断面図
(c)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の製造方法の第3の工程を示す概略断面図
(d)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の製造方法の第4の工程を示す概略断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体を用いた転写記録とセルフサーボライト工程のフローチャート
【図4】(a)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第1の工程を示す工程図
(b)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第2の工程を示す概略断面図
(c)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第3の工程を示す概略断面図
(d)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第4の工程を示す概略断面図
(e)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第5の工程を示す概略断面図
(f)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第6の工程を示す概略断面図
(g)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第7の工程を示す概略断面図
(h)は、本発明の実施の形態1におけるマスター情報担体の他の一例の製造方法の第8の工程を示す概略断面図
【図5】(a)は、本発明の実施の形態2におけるマスター情報担体の製造方法の第6の工程を示す工程図
(b)は、本発明の実施の形態2におけるマスター情報担体の製造方法の第7の工程を示す概略断面図
(c)は、本発明の実施の形態2におけるマスター情報担体の製造方法の第8の工程を示す概略断面図
【図6】(a)は、本発明の実施の形態3におけるマスター情報担体の製造方法の第6の工程を示す概略断面図
(b)は、本発明の実施の形態3におけるマスター情報担体の製造方法の第7の工程を示す概略断面図
(c)は、本発明の実施の形態3におけるマスター情報担体の製造方法の第8の工程を示す概略断面図
【図7】(a)は、本発明の実施の形態3のマスター情報担体における長パターン強磁性膜の他の一例を示す概略断面図
(b)は、本発明の実施の形態3のマスター情報担体における長パターン強磁性膜の他の例を示す概略断面図
【図8】磁気ディスクに形成される一般的なファイナルサーボパターンの構成概念図
【図9】従来のマスター情報担体を用いた転写記録とセルフサーボライト工程のフローチャート
【図10】従来のマスター情報担体の一部を示す概略断面図
【符号の説明】
1 マスター情報担体
2 基体
3 強磁性膜のパターン
4,102 ウェッジ
5 位置
6,27,48,53,65,71,75 長パターン強磁性膜
21,41,44 レジスト膜
22,23,81,82,83,84,103 領域
24,42,45,51,61 凹形状パターン
25,43,46,52 強磁性薄膜
26,47 強磁性膜
52,62 長パターン強磁性薄膜
63 上面
64 表面
66,72,73,74,76,77 グルーブ
84A,84B,84C,84D サーボバースト信号
101 磁性膜パターン

Claims (19)

  1. 磁気ヘッドとの相対移動方向に離散的な配置でサーボバースト信号領域を前記磁気ヘッドで記録形成すべき磁気記録媒体に、前記サーボバースト信号を前記磁気ヘッドで記録する前にサーボ情報信号の磁化パターンを転写記録するためのマスター情報担体であって、
    非磁性材料の基体と、
    前記磁化パターンに対応する強磁性膜のパターンと、
    前記磁気ヘッドに対する前記磁気記録媒体の相対移動方向において、前記磁気記録媒体に離散的に配置された個々の前記サーボバースト信号領域の長さ以上の所定の長さを有する長パターン強磁性膜とからなる構成を有することを特徴とするマスター情報担体。
  2. 前記磁化パターンが、磁気ディスク装置においてセルフサーボライトを行うための第1のサーボパターンであるレファレンスサーボパターンの少なくとも一部であって、前記磁化パターンと前記長パターン強磁性膜との位置関係は、前記磁気記録媒体に転写記録されるべき前記レファレンスサーボパターンと前記サーボバースト信号領域との位置関係と一致していることを特徴とする請求項1に記載のマスター情報担体。
  3. 前記磁気記録媒体と密着させたときに空気抜き溝となるグルーブを備え、前記長パターン強磁性膜の上面、左側面、右側面のうち少なくともいずれか一方の面に、前記グルーブが設けられた構成を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスター情報担体。
  4. 前記基体上に配置された前記強磁性膜および前記長パターン強磁性膜の厚みは、複数の厚みを有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマスター情報担体。
  5. 前記強磁性膜の厚みより、前記長パターン強磁性膜の厚みが厚いことを特徴とする請求項4に記載のマスター情報担体。
  6. 基体上に、深さの異なる凹部を備え、深さの異なる前記凹部を含む前記凹部の少なくとも一部に、異なる厚さの強磁性薄膜が形成されており、深い前記凹部に形成された強磁性薄膜の厚みが、浅い前記凹部に形成された強磁性薄膜の厚みより厚く、かつ、サーボバースト信号領域の磁気ヘッドに対する磁気記録媒体の相対移動方向の長さ以上の所定の長さを有することを特徴とするマスター情報担体。
  7. 前記強磁性膜および前記長パターン強磁性膜は、飽和磁束密度の異なる少なくとも2種以上の強磁性材料を用いて、それぞれ単層構造をした強磁性薄膜で構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマスター情報担体。
  8. 前記強磁性膜の飽和磁束密度より、前記長パターン強磁性膜の飽和磁束密度が大きいことを特徴とする請求項7に記載のマスター情報担体。
  9. 非磁性材料の基体にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第1の工程と、
    レファレンスサーボパターンに対応する強磁性膜のパターンおよびサーボバースト信号に対応した長パターン強磁性膜を形成するために、前記レジスト膜をパターニングした前記基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第2の工程と、
    エッチングで所定の凹形状パターンが形成された前記基体にスパッタリングすることにより、前記第2の工程における前記エッチングの深さと略同じ厚みの強磁性薄膜を堆積する第3の工程と、
    残留した前記レジスト膜および前記レジスト膜上に形成された不要な前記強磁性薄膜を除去するために、前記第3の工程により前記強磁性薄膜が堆積された前記基体をリフトオフ処理する第4の工程とを有することを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  10. 非磁性材料の基体に第1の強磁性膜パターンを形成する第1の工程と、
    さらに、その上にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第2の工程と、
    前記レジスト膜をパターニングした前記基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第3の工程と、
    エッチングで所定の凹形状パターンが形成された前記基体にスパッタリングすることにより、長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜を堆積する第4の工程と、
    残留した前記レジスト膜および前記レジスト膜上に形成された不要な前記強磁性薄膜を除去するために、前記第4の工程により前記長パターン強磁性膜に対応した前記強磁性薄膜が堆積された前記基体をリフトオフ処理する第5の工程とを有することを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  11. 前記第4の工程により堆積される前記長パターン強磁性膜に対応した前記強磁性薄膜の飽和磁束密度は、前記第1の工程において前記第1の強磁性膜パターンを形成した強磁性膜の飽和磁束密度より大きいことを特徴とする請求項10に記載のマスター情報担体の製造方法。
  12. 前記第4の工程により堆積される前記長パターン強磁性膜に対応した前記強磁性薄膜の厚みは、前記第1の工程において前記第1の強磁性膜パターンを形成した強磁性膜の厚みより大きいことを特徴とする請求項10に記載のマスター情報担体の製造方法。
  13. 非磁性材料の基体にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第1の工程と、
    前記レジスト膜をパターニングした前記基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第2の工程と、
    エッチングで所定の凹形状パターンが形成された前記基体にスパッタリングにより、強磁性薄膜を堆積する第3の工程と、
    残留した前記レジスト膜および前記レジスト膜上に形成された不要な前記強磁性薄膜を除去するために、前記第3の工程により前記強磁性薄膜が堆積された前記基体をリフトオフ処理する第4の工程と、
    さらに、その上にレジスト膜を所定の厚さに塗布した後、露光、現像して、所定の形状にパターニングする第5の工程と、
    前記第5の工程でレジスト膜をパターニングした前記基体をエッチングすることにより所定の凹形状パターンを形成する第6の工程と、
    前記第6の工程でエッチングにより所定の前記凹形状パターンが形成された前記基体にスパッタリングにより、長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜を堆積する第7の工程と、
    残留した前記レジスト膜および前記レジスト膜上に形成された不要な前記長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜を除去するために、前記第7の工程により前記長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜が堆積された前記基体をリフトオフ処理する第8の工程とを有し、
    前記第6の工程による前記凹形状パターンのエッチング深さは、前記第2の工程により形成される前記凹形状パターンのエッチング深さより大きいことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  14. 前記第6の工程における前記凹形状パターンのエッチング深さよりも、前記第7の工程におけるスパッタリングにより堆積される前記長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の厚みが小さいことを特徴とする請求項13に記載のマスター情報担体の製造方法。
  15. 前記第7の工程において堆積される前記長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の厚みは、前記第3の工程において堆積される強磁性薄膜の厚みより少なくとも大きいことを特徴とする請求項13あるいは請求項14のいずれかに記載のマスター情報担体の製造方法。
  16. 前記第7の工程において堆積される前記長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の飽和磁束密度は、前記第3の工程において堆積される前記強磁性薄膜の飽和磁束密度より大きいことを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載のマスター情報担体の製造方法。
  17. 前記第7の工程において堆積される前記長パターン強磁性膜に対応した強磁性薄膜の材料と、前記第3の工程において堆積される前記強磁性薄膜の材料は同じ磁性材料であることを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載のマスター情報担体の製造方法。
  18. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のマスター情報担体を用いて転写記録したことを特徴とする磁気記録媒体。
  19. 請求項9〜請求項17のいずれか1項に記載のマスター情報担体の製造方法によって作製されたマスター情報担体を用いて転写記録したことを特徴とする磁気記録媒体。
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