JP2004094439A - 画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】RIP処理をするFEPを備えた画像形成システムにおいて、オンデマンド印刷として要求される高度な画像品質を得ることができるようにする。
【解決手段】フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に、画像オブジェクトの属性を示すイメージ識別情報(LW/CT)を透過コード方式もしくはスクリーンフラグ方式で伝達する。バックエンドプロセッサBEP部600は、イメージ識別情報LW/CTに基づいて、1ページ内において個々のオブジェクトごとに、たとえば階調特性を切り替える。また、IOTコア部20に対して、オブジェクト単位のスクリーン切替えをするよう制御する。これにより、文字・線画と背景部の階調特性やスクリーンによる高画質が達成可能となり、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な画像品質を得ることが可能となる。
【選択図】 図3
【解決手段】フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に、画像オブジェクトの属性を示すイメージ識別情報(LW/CT)を透過コード方式もしくはスクリーンフラグ方式で伝達する。バックエンドプロセッサBEP部600は、イメージ識別情報LW/CTに基づいて、1ページ内において個々のオブジェクトごとに、たとえば階調特性を切り替える。また、IOTコア部20に対して、オブジェクト単位のスクリーン切替えをするよう制御する。これにより、文字・線画と背景部の階調特性やスクリーンによる高画質が達成可能となり、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な画像品質を得ることが可能となる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、この画像処理装置を構成要素とする画像処理システム、画像処理装置やシステムで使用する画像処理方法、並びにプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。より詳細には、印刷用のイメージデータを線画データと連続階調画像データとに分けるなど、画像オブジェクトごとにイメージデータを分けて取り扱う際の画像処理手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置や複写装置などの印刷機能を備えた画像形成装置が様々な分野で使用されている。また、今日では、画像形成装置がカラー化され、ユーザの様々な表現手段として利用されるようになってきている。たとえば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラーページプリンタ装置は、高品質な画質あるいは高速プリンティングの点で注目されている。
【0003】
一方、印刷機能という点では、家庭内での個人ユースやオフィスでのビジネスユースといった比較的小規模(たとえば1ジョブが数枚〜数十枚程度)の印刷出力を要求されるものと、製本などの印刷業界で使用される比較的大規模(たとえば1ジョブが数千枚以上)の印刷出力を要求されるものとに大別される。前者の比較的小規模の印刷出力を要求されるものにおいては、その多くが(たとえば孔版印刷を除いて)、印刷データを受け取り版下を生成せずに印刷物を出力する。一方、後者の比較的大規模の印刷出力を要求されるものにおいては、従来は、印刷データに基づいて版下を生成し、この生成した版下を使用して印刷物を出力していた。
【0004】
ところが、今日では、DTP(DeskTop Publishing/Prepress)の普及による印刷工程の変化、いわゆる「印刷のデジタル革命」により、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」もしくは「オンデマンド印刷」(以下オンデマンドプリンティングという)が着目されている。このオンデマンドプリンティングでは、従来の印刷(たとえばオフセット印刷)における写植などの紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版などの中間成果物を生成せずに、プリプレス工程を完全にデジタル化することで電子データだけに基づいて印刷物を出力する仕組み(CTP;Computer To Print or Paper)が採られている。そして、このオンデマンドプリンティングの要求に対して、電子写真プロセスを用いた印刷機能が着目されている。
【0005】
一方、高品質を要求する印刷業者向けの画像処理システムは、文字,絵柄などの画像を総合的に統合して編集するシステムであり、特に、デスクトップパブリッシング分野はページ記述言語(PDL:Page Description Language )により可能となりつつある。
【0006】
このような印刷業者向けの画像処理システムは、文字、画像を統合的に処理する際のデータハンドリング性を向上させるべく、イメージデータを圧縮して電送することが行なわれる。
【0007】
また圧縮/伸張の処理に際しては、たとえば特開平8−6238号に記載のように、線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(線画文字オブジェクトLW(Line Work ))と、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone ))など、画像オブジェクトの特性に応じてイメージデータを分けて取り扱う仕組みもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−6238号に記載の手法では、ページ記述言語PDLから背景・線画独立に展開し、圧縮を施して出力装置へ転送するが、出力装置側では、それぞれ同一の網種(スクリーン)を掛けているなど、背景と線画とに対して同様の画像処理を加えている。
【0009】
オンデマンドプリンティングでは、一般的にゼログラフィエンジンが主流であるが、線画・文字は高精細・ハイガンマγな画像を得たく、たとえば600線などのスクリーンを選ぶことが推奨される一方で、背景部はリニアな画像を得るために200線ローテーションなどのスクリーン種が推奨される。
【0010】
しかしながら、1ページ中で同一スクリーンを選んだ場合、高精細・リニアな画像が両立しない。すなわち、1ページ中で背景と線画とに対して、それぞれのオブジェクトに好適な画像処理を施すことはできていない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、線画などの線画文字オブジェクトと背景部などの多階調画像オブジェクトなど、個々の画像オブジェクトに対して、それぞれに好適な画像処理を施すことのできる画像処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、本発明の画像処理方法を実施する画像処理システムや画像処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、本発明の画像処理方法を実施する画像処理装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る画像処理方法は、印刷データを構成するイメージデータと、イメージデータの属性を示す情報とを対応付けて受け取り、この受け取ったイメージデータの属性を示す情報に基づいて、イメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施すようにした。
【0015】
本発明に係る画像処理システムは、印刷データに基づいてイメージデータを生成するイメージデータ生成装置と、イメージデータ生成装置により生成されたイメージデータに対して所定の画像処理を施す画像処理装置とから構成されていて、本発明に係る画像処理方法を実施するシステムである。
【0016】
この画像処理システムのイメージデータ生成装置は、印刷データを構成するイメージデータを生成して画像処理装置に送出するとともに、この生成したイメージデータの属性を示す情報(イメージ識別情報)をイメージデータに対応付けて画像処理装置に送出する。これに対応して、画像処理装置は、イメージデータ生成装置から受け取ったイメージデータの属性を示す情報(イメージ識別情報)に基づいて、イメージデータ生成装置から受け取ったイメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施す。
【0017】
本発明に係る画像処理処理装置は、本発明に係る画像処理方法を実施するのに好適な装置であって、印刷データを構成するイメージデータとイメージデータの属性を示すイメージ識別情報とを対応付けて所定のイメージデータ生成装置から受け取る印刷ファイル受信部と、印刷ファイル受信部が受け取ったイメージ識別情報に基づいて、イメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施す画像処理部とを備えた。
【0018】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像処理システムや画像処理装置のさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像処理装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0019】
上記において、印刷データは、たとえばページ記述言語PDLで表されたデータのように、文字や絵柄などを明確に峻別可能なデータを意味する。「印刷データを構成するイメージデータ」は、印刷データに記述されている文字や絵柄など情報を参照して生成されたイメージデータであり、複写装置やFAX装置などのように読み取りによって得られたイメージデータを含まない。
【0020】
また、「イメージデータに対して」とは、受け取ったイメージデータの全てに対してに限らず、受け取ったイメージデータの一部だけでもかまわない。また、「イメージデータの属性を示す情報に基づいて、イメージデータに適応した所定の画像処理を施す」とは、イメージデータに応じて画像処理の特性を切り替える(調整する)ことを意味する。
【0021】
たとえば、イメージデータの属性を示す情報を参照して、出力画像の階調再現性を各イメージデータに応じて補正する階調補正処理をする、個々のイメージデータの加算比率を各イメージデータに応じて調整することで合成画像を得るイメージデータ結合処理をする、あるいは疑似中間調処理に関わるスクリーン処理において使用するスクリーン種別を各イメージデータに応じて切り替えるなどである。
【0022】
なお、テキストオブジェクトとグラフィックスオブジェクトという個々の画像オブジェクトに対応する2つの圧縮イメージデータを複数のレイアで送り、また個々の画素ごとにオブジェクト属性情報を付帯情報として対応付けて送る場合においては、レイアの情報(つまりイメージデータの属性情報)に基づいて各レイアごとに圧縮/伸張の特性を適用することは、本発明の「イメージデータの属性を示す情報に基づいてイメージデータに適応した所定の画像処理を施す」には含まない。
【0023】
【作用】
上記構成においては、イメージデータ生成装置は、印刷データを構成するイメージデータを生成するとともに、この生成したイメージデータの属性を示すイメージ識別情報をイメージデータに対応付けて画像処理装置に送出する。
【0024】
これを受けて、画像処理装置は、受け取ったイメージ識別情報に基づいて(参照して)、イメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施す。たとえば、階調補正特性の切り替えや画像統合処理(マージ)の優先情報に、あるいはエンジン側のスクリーン線種の切り替えに用いる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る画像処理システムを適用した画像形成システムの一実施形態を示す図である。ここで、図1(A)はシステム構成の概略図、図1(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0027】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor )装置とから構成されている。
【0028】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するものである。この画像形成装置1は、クライアント端末から入力された印刷データに基づいて可視画像を所定の記録媒体上に形成する印刷装置(プリンタ)として機能するようになっている。
【0029】
すなわち、この画像形成システムにおける画像形成装置1は、IOT(Image Output Terminal)モジュール(IOT本体)2と、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5と、出力モジュール7と、パソコン(PC)などのユーザインタフェース装置8と、IOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。なお、フィードモジュール5は、多段構成としてもよい。
【0030】
また、出力モジュール7の後段に、さらにフィニッシャ(Finisher;後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、たとえば、用紙をスタック処理をし、そのコーナ部の1個所または一辺の2個所以上を綴じるステープラを備えたもの、あるいはファイリング用のパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたものなどがある。このフィニッシャモジュールは、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能とすることが望ましい。
【0031】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、IOT(Image OutPut )モジュール2、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5、出力モジュール7、ユーザインタフェース装置8、およびIOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。
【0032】
DFE装置は、描画機能を備えており、たとえばページ記述言語PDLで記述された印刷データを図示しないクライアント端末から順次受け取り、この印刷データに基づいてラスターイメージを生成(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置1に送る。
【0033】
DFE装置から画像形成装置1に送付される印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分がある。また、この4色に加えて、第5の色成分、たとえばグレイ(G)分を含めてもよい。
【0034】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されるようになっている。
【0035】
IOTコア部20は、光走査装置31や感光体ドラム32などを有するプリントエンジン(印字ユニット)30を前述の色成分に対応する色ごとに備えており、このプリントエンジン30をベルト回転方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。またIOTコア部20は、プリントエンジン30を制御する電気回路あるいは各モジュール用の電源回路などを収容する電気系制御収納部39を備える。
【0036】
さらに、IOTコア部20は、画像転写方式として、感光体ドラム32上のトナー像を1次転写器35にて中間転写ベルト43に転写(1次転写)し、その後、2次転写部45にて中間転写ベルト43上のトナー像を印刷用紙に転写(2次転写)する方式を用いている。このような構成では、YMCKの各色トナーにより画像形成を各別の感光体ドラム32上に行なって、このトナー像を中間転写ベルト43に多重転写する。
【0037】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール5から搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48で定着器(Fuser )70まで搬送され、この定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、排紙トレイ(スタッカ)74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0038】
描画機能を備えたDFE装置は、イメージデータ生成装置の一例であるフロントエンドプロセッサFEP(Front End Processor )部500を備えている。フロントエンドプロセッサFEP部500は、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント(Client)からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する。IOTモジュール2の高速処理に対応可能なようにRIP処理や圧縮処理が高速処理対応になっている。なお、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えておらず、主にRIP処理のみをする。
【0039】
ユーザインタフェース装置8は、キーボード81やマウス82などの入力デバイスを有し、ユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えるとともに、その本体(図示せず)内に画像形成装置1の各モジュールやDFE装置との間の接続インタフェース機能やサーバ機能をなすSys(システム制御)部85を備える。また、ユーザインタフェース装置8は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えている。
【0040】
このような構成におけるユーザインタフェース装置8の画像形成装置1に依存した処理の制御機能を果たすプリンタコントローラ機能部分と、接続インタフェースに関わる部分とを、纏めてバックエンドプロセッサBEP(Back End Processor)部600という。結果として、本実施形態の構成におけるユーザインタフェース装置8は、GUI部80と、IOTコア部20などエンジン特性に応じた制御するプリンタコントローラ機能部分とを含むようになっている。なお、バックエンドプロセッサBEP部600やIOTコア部20は、本発明に係る画像処理装置の機能を備えている。
【0041】
フロントエンドプロセッサFEP部500にはクライアント端末から受け取った印刷データを保存しておくデータ格納部(図示せず)が用意される(後述する図2を参照)。同様に、バックエンドプロセッサBEP部600には、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取ったイメージデータやジョブチケットを保存しておくデータ格納部(図示せず)が用意される(後述する図2を参照)。
【0042】
DFE装置では、クライアント端末で生成されたコードデータをフロントエンジン側のRIP処理でラスタデータ化し、圧縮処理を施す。DFE装置側のフロントエンドプロセッサFEP部500と画像形成装置1側のバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的疎な(ほぼ独立した)関係にある。つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に対して非依存の通信インタフェース(汎用ネットワークによる疎結合)で構築される。
【0043】
たとえば、図1(A)に示すように、DFE装置とバックエンドプロセッサBEP部との間は、たとえば通信速度が1GBPS(Giga Bit Per Sec)程度の汎用の通信プロトコルによる高速有線LAN(Local Area Network)などで接続するとよい。印刷ファイルは、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600へファイル転送される。
【0044】
これに対して、バックエンドプロセッサBEP部600と画像記録部を構成する(その主要部である)IOTコア部20との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的密な関係にある、つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に依存した通信インタフェースで構築される。たとえば、専用の通信プロトコルで接続される。
【0045】
ユーザインタフェース装置8には、画像形成装置1を操作するための制御ソフトウェアが組み込まれている。このユーザインタフェース装置8は、画像処理装置IPS(Image Process System)の機能を備えたDFE装置と接続されており、たとえば、RIP(Raster Image Process)処理済みの印刷データ、および印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報をDFE装置から受け取り、要求された印刷処理を画像形成装置1に実行させる。
【0046】
図2は、DFE装置が備えるフロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600の機能役割分担の一例を纏めて示した図である。
【0047】
フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600には、画像バッファ(データ格納部)の一例であるハードディスク装置(HDD)が搭載される。
【0048】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、画像圧縮やデバイス差を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)の機能など担当する一方で、バックエンドプロセッサBEP部600は、画像伸張、電子帳合い、両面制御、ジョブリカバリ、CMYKのグレイバランスの補正(キャリブレーション)機能などを担当する。
【0049】
たとえば、プリンタコントローラ機能をなすバックエンドプロセッサBEP部600は、DFE装置からのイメージデータとともに印刷制御情報(印刷コマンド)を画像形成装置1内のインタフェース部を介して受け取り、画像形成装置1に依存した印刷処理(エンジン特性に依存した処理)の制御機能を果たす。また、たとえば、コレーション(Collation ;帳合い)設定による複数部出力やプリントアウト後もう1枚欲しいときのリプリントなど、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。
【0050】
このため、バックエンドプロセッサBEP部600には、DFE装置から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置1内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御するコントローラが設けられる。また、バックエンドプロセッサBEP部600は、IOTモジュール2やフィードモジュール5あるいは出力モジュール7などのエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール2に画像データを渡す。バックエンドプロセッサBEP部は、エンジン特性に依存した制御処理をする。
【0051】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、エンジン特性に依存した紙詰まりなどのリカバリ処理を自動的に行なう。また、クライアントからの指示をフロントエンドプロセッサFEP部500で判断し、IOTコア部20や定着器70あるいはフィニッシャ部などの画像形成装置1の各部に依存せず専らフロントエンドプロセッサFEP部500のみで処理可能なものはフロントエンドプロセッサFEP部500で処理し、画像形成装置1の各部に依存するものであってバックエンドプロセッサBEP部600で行なうべき処理はバックエンドプロセッサBEP部600側へコマンドをスルーさせる。
【0052】
たとえば、DFE装置からバックエンドプロセッサBEP部600には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含む印刷ファイルデータが送られる。印刷ファイルデータとしては、ラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無など印刷制御情報などが含まれる。
【0053】
そしてたとえば、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するカラー管理システムCMS、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)などのRIP処理と関わりのある処理は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて処理し、その制御コマンドをバックエンドプロセッサBEP部600へは通知しない(非通知)。
【0054】
一方、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラなどのフィニッシャ装置あるいは用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正などのキャリブレーション処理、スクリーン指定処理など、画像形成装置1の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをフロントエンドプロセッサFEP部500がスルーすることで、バックエンドプロセッサBEP部600にて処理する。
【0055】
なお、用紙サイズ合わせに関しては、フロントエンドプロセッサFEP部500だけでなく、バックエンドプロセッサBEP部600にても処理してもかまわない。
【0056】
このように、本実施形態の構成では、画像データが所定形式の圧縮データとして、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりユーザインタフェース装置8側にファイル転送される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にバックエンドプロセッサBEP部600側へ一方的に転送する。
【0057】
バックエンドプロセッサBEP部600では、印刷用にページ再配置をし、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
【0058】
このプリントエンジン30などの処理特性に適応した処理(同期処理)よりもフロントエンドプロセッサFEP部500からのデータ送出の方が早ければ、バックエンドプロセッサBEP部600は、間に合わない画像データやジョブチケットをデータ格納部に一時的に保管しておく。そして、ユーザが希望する排出条件(ページ順や向き、あるいはフィニッシング処理の有無など)に合致するようにページデータを読み出し、また必要に応じて画像編集し、用紙上における画像位置の補正や、ユーザが希望する画像処理をし、処理済の画像データをIOTモジュール2側に送出する。
【0059】
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500と画像記録部としてのプリントエンジン30や定着器70などの出力側とが非同期の処理、バックエンドプロセッサBEP部600と出力側とは同期の処理となり、その差がデータ格納部へのデータ格納と読出しとで相殺されるようになる。また、画像データの圧縮/伸張をする場合においても、フロントエンドプロセッサFEP部500における圧縮処理とバックエンドプロセッサBEP部600における伸張処理とは非同期の処理となる。つまり、このような構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500におけるRIP処理やその後の圧縮処理は、印刷ジョブ内容や画像記録部を構成するIOTコア部20や定着器70などの処理特性とは独立的に処理される。
【0060】
このように、本実施形態の構成によれば、DFE装置と画像形成装置1との関係はルーズであってよい(Loosely connection)。たとえば、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500にてRIP処理や圧縮処理をしておくだけでよい。そしてそこまでは、RIPエンジンの性能次第に任せた処理としており、特にプリントエンジン側の処理速度(同期)や制御に依存する必要は一切ない。つまり、DFE装置にての処理としては、画像形成装置1の性能の影響を受けないRIP処理や圧縮処理などの範囲に留めることができる。バックエンドプロセッサBEP部600は、画像形成装置1に合わせたページ再配置や、IOTコア部20と同期した印刷制御をする。
【0061】
これらの処理は、バックエンドプロセッサBEP部600が備えるプリンタコントローラ機能が、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、各部を制御することで実現される。
【0062】
このように、本実施形態の構成によれば、DFE装置はエンジン特性に応じた煩雑な処理から開放されるので、一般的なPC(パソコン)をDFE装置として使用し、このPC上にソフトウェアを搭載することによって、フロントエンドプロセッサFEP部500の機能を果たすことができるようになる。
【0063】
加えて、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部600側は、RIP処理から開放され、IOTモジュール2や定着器70あるいはフィニッシャなどの性能に応じて、柔軟に処理や制御を変更することができる。これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなくてもよくなる。
【0064】
また、フロントエンドプロセッサFEP部500がプリントエンジン30に非依存であるため、ユーザはプリントエンジンを新規に購入しても従来のフロントエンドを流用することできる。また、他のメーカのフロントエンドとの接続も可能となる。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500の汎用化が実現でき、たとえば汎用印刷RIPエンジンや他社のRIPエンジンが使用可能となる。あるいは、容易にビジネス上必要なターゲットとしたいエンジンにプリンタコントローラを提供していくことが可能になる。
【0065】
また、画像形成用の画像データと画像形成条件(部数、片面/両面、、ソート有無、など)とをフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600が受け取り、バックエンドプロセッサBEP部600にて、エンジン特性に応じて、当該装置の画像形成動作を制御することができる。バックエンドプロセッサBEP部600は標準コントローラの使用の制約がないので、このバックエンドプロセッサBEP部600による画像形成動作の制御は、DFE装置によるものよりも高速性や拡張性に富む。したがって、画像形成装置1の高速化、高機能化に柔軟に対応することが容易となる。
【0066】
なお、本実施形態の構成においては、画像圧縮やそれに対応する画像伸張は、ページ内における画像オブジェクトごとに個別の形式を選択可能となっている。たとえば、クライアント端末から受け取る印刷データは、文字や線画などの2値画像を表す線画文字オブジェクトLWと、写真画像や背景部などの多階調画像を表す多階調画像オブジェクトCTとから構成されている。
【0067】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、この個々の画像オブジェクトの属性情報(Tag)を参照して、線画文字オブジェクトLWに着目した圧縮イメージデータと、多階調画像オブジェクトCTに着目した圧縮イメージデータと、それぞれの圧縮イメージデータの属性を示す信号、たとえば線画文字オブジェクトLWに対してはパス信号、多階調画像オブジェクトCTに対してはイメージ信号を生成する。
【0068】
たとえば、フロントエンドプロセッサFEP部500は、画像オブジェクトごとに異なる圧縮形式に対応するように、それぞれの圧縮形式で生成したイメージデータ(分離した複数のイメージデータ)をバックエンドプロセッサBEP部600に転送する。フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間の転送画像フォーマットは、画像オブジェクトに関わらず、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマットベースのものとする。勿論、他の形式の画像圧縮フォーマットを用いてもかまわない。
【0069】
圧縮イメージデータ(LW,CT)とそれぞれのデータ属性を示す信号とは、ジョブチケットなどともに1つの印刷ファイルとして纏められて(対応付けられて)、バックエンドプロセッサBEP部600に伝達される。たとえば、個々の画像オブジェクトに対応する2つの圧縮イメージデータLW,CTを2レイアで送り、また個々の画素ごとにオブジェクト属性情報(すなわちイメージ識別情報)を付帯情報として対応付けて送る。
【0070】
圧縮イメージデータの属性は、バックエンドプロセッサBEP部600側において何れか一方を判別できれば十分であるので、たとえば、LW/CTを切り替える1ビットのマスク信号(セレクト信号)としてバックエンドプロセッサBEP部600に伝達すればよい。ただし、バスバンド(Bus Band)幅の狭いシステムでは、電送ビット数を少なくするために、このマスク信号を濃度情報(たとえばLWのイメージデータ)に埋め込んで伝達する透過コード方式を採ることが好ましい(詳細は後述する)。
【0071】
また、圧縮イメージデータの属性を1ビットで判別するだけでは不十分な場合もある。たとえば、IOTコア部20側での疑似中間調処理(ハーフトーン化)にてスクリーン処理を施すが(詳細は後述する)、どのような種類のスクリーンを使用するかによって階調再現性やモアレなどの画像品質に影響を及ぼす。このため、画像オブジェクトに応じてだけでなく、個々のオブジェクトについても、スクリーン種や線数や角度などを細かに切り替えたい場合もある。このような要求に応えるには、1ビットの情報では足りないので、たとえば2ビット以上で現された専用の識別情報をイメージデータとは独立に使用することが好ましい。
【0072】
この専用の識別情報としては、たとえば、疑似中間調処理に関わるスクリーンの種別を現す情報(以下スクリーンフラグ;Screen flag ともいう)を利用することが好ましい(詳細は後述する)。つまり、専用の識別情報は、スクリーンフラグを兼ねるものであるのがよい。こうすることで、専用の識別情報を使用する場合であっても、バックエンドプロセッサBEP部600に送出する印刷ファイルの電送ビット幅を極力少なくすることができる。なお、1ビットの識別情報(スクリーンフラグなど)を使用して、圧縮イメージデータの属性のみを峻別するものとしてもかまわない。
【0073】
バックエンドプロセッサBEP部600側にて複数種のDFE装置に対応可能なように(たとえば異なるメーカへの対応など)、フロントエンドプロセッサFEP部500は、LW/CTの分離情報が濃度に埋めこまれた透過コード方式を採用しているのか、イメージデータとは別にスクリーンフラグとして電送する方式を採用しているのかを示す情報(以下属性記述方式情報ともいう)も印刷ファイルの付加情報(たとえばヘッダ情報)に記述しておくようにする。
【0074】
たとえば、バックエンドプロセッサBEP部600に送る印刷ファイルの付加データDSELに属性記述方式情報を含める。また、スクリーンフラグ方式を採用する場合、スクリーンフラグも、この付加データDSELに含める。
【0075】
これに対応して、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られてきた印刷ファイルのヘッダ情報に記述されている属性記述方式情報を参照し、イメージデータの属性LW/CTを区別する信号に置き換える。たとえばLW/CT独立に2種類のスクリーンが切り替えられる信号(Tag)に置き換える。そして、透過コード方式からLW/CT独立に階調補正特性、スクリーン種、マージの優先度を決めるのか、あるいはスクリーンフラグからそれらを決めるのかを自動的に選択し、画像処理した後に、プリントエンジン30側へイメージを出力する。
【0076】
図3は、DFE装置と画像形成装置1との間のデータの流れに着目した図であって、フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600の一実施形態を示すブロック図である。
【0077】
線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(以下線画文字オブジェクトLW(Line Work )という)と、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(以下多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone )など、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とするようにしている。
【0078】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、ネットワークを介して接続されたクライアント端末(図示せず)からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部502と、データ格納部502からPDLデータを読み出して解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部(ラスターイメージ処理部)510とを備える。
【0079】
RIP処理部510は、イメージデータ生成部の一例であって、ぺージ記述言語(PDL)で記述された電子データを展開してイメージデータを生成する。すなわち、RIP処理部510は、ページ記述言語PDLで表されたデータに含まれている文字や絵柄などを峻別可能な情報を参照してイメージデータを生成する。また、RIP処理部510は、イメージデータの個々の画素がテキストやグラフィックスの何れであるのかを示す属性情報を、ページ記述言語PDLで表されたデータに含まれている文字や絵柄などを峻別可能な情報を参照して生成し、イメージデータとともに後段(特にバックエンドプロセッサBEP部600)に送る。
【0080】
RIP処理部510は、イメージデータ生成部の一例であって、ぺージ記述言語(PDL)で記述された電子データを展開してイメージデータを生成する。このため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、いわゆるRIPエンジンが組み込まれている。後述するように、このRIP処理部510は、本実施形態特有のプリントエンジンに応じた専用RIPエンジンを搭載したものであってもよいし、汎用の印刷RIP処理エンジンを搭載したものであってもよい。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500全体として、他社のRIP装置(DFE装置)を利用してもかまわない。
【0081】
また、フロントエンドプロセッサFEP部500は、画像オブジェクトの特性に適応した処理とするため、RIP処理部510により生成されたイメージデータを線画文字オブジェクトLWを現す線画データDLWおよび多階調画像オブジェクトCTを現す連続階調画像データDCTに分離した状態に展開するイメージデータ分離部520と、イメージデータ分離部520により分離された各イメージデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530とを備えている。
【0082】
圧縮処理部530は、イメージデータ分離部520からの各イメージデータを圧縮し、圧縮済のイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600へ即時に転送する。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500は、印刷ジョブに付帯して受け取った印刷ジョブ内容を示すジョブチケットの内自身に不要なものは、所定のタイミングでバックエンドプロセッサBEP部600にそのまま転送する。
【0083】
この圧縮処理部530は、イメージデータ分離部520に対応して、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを個別に圧縮処理するため、それぞれイメージデータ分離部520により分離された、線画データDLWを圧縮処理するLW圧縮処理部532と、連続階調画像データDCTを圧縮処理するCT圧縮処理部534とを備える。
【0084】
フロントエンドプロセッサFEP部500にてページ記述言語で記述されたPDLデータは、RIP処理部510に入力された後RIP処理されてラスターイメージに変換され、さらに後段のイメージデータ分離部520にて、線画データDLWおよび連続階調画像データDCTに分離される。
【0085】
分離された線画データDLWはLW圧縮処理部532に送られ、連続階調画像データDCTはCT圧縮処理部534に送られ、それぞれに適した方法で圧縮される。
【0086】
ここで、線画に適した圧縮方法としては、G3,G4,TIFF−IT8のBL(バイナリラインアート),JBIG(Joint Bi−level Image Group)などがあり、連続階調画像に適した圧縮方法としては、TIFF6.0のPackBit,JPEG(Joint Photographic Expert Group )などがあり、共通の圧縮方法としてSH8,Lempel−Ziv,ハフマン符号化などがある。
【0087】
G3,G4,ハフマン符号化はファクシミリの分野で広く利用されている方法であり、ハフマン符号化は文字列の生起確率のバラツキを圧縮原理とするものである。
【0088】
JBIGは、伝送の初期の段階でラフではあるが全体画像を表示し、その後必要に応じて追加情報を加え、画品質の向上を図るプログレッシブビルドアップであり、白黒2値画像および中間調画像に対して統一的に適用できる。
【0089】
また、TIFF−IT8のBLはBLデータの各ラインを、背景色(黒)ランと前景色(白)ランのペアのシーケンスとして符号化するもので、各ラインは背景色ランで始まる。BLデータのランレングス符号化では2つの基本符号化構造が使用され、254画素までのランレングスを符号化するショート形式(8ビット長)を65,535画素までのランレングスを符号化するロング形式(24ビット長)があり、この2つの形式を混合使用できる。個々のラインンデータは2つのゼロのバイトで始まり、2つのゼロのバイトで終る。
【0090】
JPEGは、DCT(Discrete Cosine Transform)に基づくロスあり(lossy)の非可逆圧縮と、2次元DPCM(Differential Pulse Code Modulation)に基づくロスレス(lossless)の可逆圧縮に大きく分けられる。DCT方式はベースラインとエクテンデッド方式に分類され、ベースラインプロセスは最も簡単なDCT方式でJPEGの必須機能である。
【0091】
圧縮処理部530の後段には、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画データDLW1とCT圧縮処理部534により圧縮処理された連続階調画像データDCT1とをジョブチケットとともに1つの印刷ファイルに纏めてバックエンドプロセッサBEP部600にファイル転送するファイル転送部540を備える。
【0092】
このファイル転送部540には、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送を採るインタフェース部が組み込まれている。
【0093】
フロントエンドプロセッサFEP部側の処理は、プリントエンジン30の処理速度に非同期で処理される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500は、クライアント端末からPDLデータを受け取ると、順にラスタライズおよび圧縮処理をし、直ちに圧縮処理済のイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に送出する。この過程で、ラスタライズや圧縮などの処理よりもクライアント端末からのPDLデータ受信処理の方が早ければ、フロントエンドプロセッサFEP部500は、間に合わないPDLデータをデータ格納部502に一時的に保管しておく。そして、受け取った順に(先入れ先出し法で)もしくは適当な順に(たとえば先入れ後出し法で)PDLデータをデータ格納部502から読み出して処理する。
【0094】
図4は、線画データDLWと連続階調画像データDCTの分離を説明する図である。ここで、図4(A)は第1の方法を示す図、図4(B)は第2の方法を示す図である。また、図4(C)および図4(D)は、線画データDLWと連続階調画像データDCTとを1つの印刷ファイルに纏める際の、線画データDLWと連続階調画像データDCTの優先度合いを説明する図である。
【0095】
図4(A)に示す第1の方法は、PDLデータ(ページ記述言語データ)から画像データを抽出して連続階調画像データDCTとし、残りのデータを線画データDLWとする。
【0096】
また、図4(B)に示す第2の方法は、RIP処理部510とイメージデータ分離部520とが連携して処理する構成となっている。すなわち、PDLデータD0を画像の配置情報D6とともに前処理部512に入力し、前処理部512はPDLデータD0の内の線画オブジェクトに対して、RIP処理機能と線画文字オブジェクトLWの分離機能とを備えたLWラスタメージ処理部523でラスター化して線画データDLWとして出力する。
【0097】
そして、画像の配置情報D6は前処理部512をそのまま通過して画像配置処理部516に入力され、画像データD8も画像配置処理部516に入力され、画像配置されたデータが、RIP処理機能と多階調画像オブジェクトCTの分離機能とを備えたCTラスタメージ処理部525でラスター化され、連続階調画像データDCTとして出力される。または、LWラスタメージ処理部525を経ないで、連続階調画像データDCTとして出力される。
【0098】
分離された2つの画像データ(線画データDLWと連続階調画像データDCT)は、それぞれ別のレイアとして配置され、1つの印刷ファイルに纏められる。ここで、線画データDLWは、階調画像を含まないパレットカラーまたは2値画像であり、連続階調画像データDCTは階調画像を含む階調データであり、線画データDLWより解像度は低い。
【0099】
ただし、線画データDLWがパレットカラーのときは、線画データの情報として最小限白/黒/透明を有する。そこでこの場合、図4(C)に示すように、線画データDLWが優先(上位)画像となる。また、線画データDLWが2値画像のときは透明の情報は持たず、連続階調画像データDCTに透明の情報を持つことになる。たとえば0=透明、1=白、…、255=黒である。この場合、図4(D)に示すように、連続階調画像データDCTが優先(上位)画像となる。
【0100】
一方、図3に示すように、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて印刷ジョブやプリントエンジン30の処理特性とは独立的に処理された(たとえばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済のイメージデータを含む印刷ファイル(線画データDLW1、連続階調画像データDCT1、およびジョブチケットを含む)をファイル転送部540から受け取り、受け取った印刷ファイルを画像記憶部602に格納する印刷ファイル受信部の一例である分離データ受信部601を備える。
【0101】
この分離データ受信部601には、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりフロントエンドプロセッサFEP部500との間の電気信号の伝送を採るインタフェース部が組み込まれている。
【0102】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して、フロントエンドプロセッサFEP部500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済のイメージデータをIOTコア部20側に送出する伸張処理部610を備える。
【0103】
伸張処理部610は、画像記憶部602から読み出し伸張処理したイメージデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、あるいは拡大もしくは縮小など、画像編集機能を備えている。なお、この画像編集機能なす機能部分を伸張処理部610とは独立に設けてもかまわない。
【0104】
この伸張処理部610は、フロントエンドプロセッサFEP部500の圧縮処理部530に対応して、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを個別に伸張処理するため、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画データDLW1を伸張処理するLW伸張処理部612と、CT圧縮処理部534により圧縮処理された連続階調画像データDCT1を伸張処理するCT伸張処理部614とを備える。
【0105】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、IOTコア部20の処理性能に依存してバックエンドプロセッサBEP部600の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620を備える。
【0106】
なお図示していないが、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着部70あるいはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、あるいはページ排出順や向きなど)を特定する出力形態特定部と、この出力形態特定部が特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着部70あるいはフィニッシャなどの各部を制御する制御部とを備える。
【0107】
また、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達されるイメージデータを含む印刷ファイルから、属性記述方式情報を抽出する属性記述方式情報抽出部の機能も備える。さらに、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達される画像オブジェクト(すなわちイメージデータ)の属性を示すイメージ識別情報LW/CTを抽出する属性情報抽出部の機能も備える。
【0108】
印刷制御部620は、たとえば、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られた印刷ファイルの付加データDSELに含まれている属性記述方式情報を参照して、先ずイメージデータの属性を示すイメージ識別情報の電送方式を特定する。そして、特定した電送方式が透過コード方式の場合には、線画文字オブジェクトLWに対応するイメージデータLWの濃度情報からイメージ識別情報LW/CTを抽出する。一方、特定した電送方式がスクリーンフラグ方式の場合、印刷ファイルの付加データDSELに含まれているスクリーンフラグを取り出して、イメージ識別情報LW/CTとする。
【0109】
なお、イメージデータの属性を示す情報をイメージデータに添付して送付する技術として、複写装置やFAX装置などにおいては、スキャナで読み取りによって得られたイメージデータとともに、原稿の領域属性情報を送付する技術がある。しかしながら、この場合、読み取ったイメージデータから個々の画素がテキスト部分なのかグラフィックス部分なのかを判別(領域判別)し、この領域判別の結果をイメージデータとともに送付するものであるので、画素の属性は必ずしも正確ではなく、領域判別の性能の影響を受ける。
【0110】
これに対して、本実施形態では、たとえばページ記述言語PDLで表されたデータのように、文字や絵柄などを明確に峻別可能なデータに基づいてイメージデータを生成するとともに、ページ記述言語PDLなどで表された文字や絵柄など情報を参照して、そのイメージの画素の属性を示す属性情報を生成するので、画素の属性は正確である。したがって、この正確な属性情報に基づいて、それぞれに応じた処理を施すことで、精度のよい処理が可能となる。
【0111】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、伸張処理部610の後段に、個別に伸張処理された線画データDLWおよび連続階調画像データDCTを結合することで合成画像を得るイメージデータ結合部の一例であるマージ部630を備える。
【0112】
フロントエンドプロセッサFEP部500のイメージデータ分離部520にて分離された線画データDLWは、LW圧縮処理部532で圧縮されて出力側(フロントエンドプロセッサFEP部600)のLW伸張処理部612に転送され、連続階調画像データDCTはCT圧縮処理部534で圧縮されて出力側(フロントエンドプロセッサFEP部600)のCT伸張処理部614に転送される。
【0113】
伸張処理部612,614は、それぞれの圧縮方法に合った方法でデータ伸長し、データ伸長した線画データDLW2をマージ部630のLW解像度整合部632に、データ伸長した連続階調画像データDCT2をマージ部630のCT解像度整合部634に送る。
【0114】
マージ部630は、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとの解像度を合わせる機能部分としてLW解像度整合部632およびCT解像度整合部634を備え、さらに解像度が合わされた線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを1つの画像に統合する(纏める)画像結合部636を備える。
【0115】
LW解像度整合部632およびCT解像度整合部634は、2つの画像オブジェクトの解像度を合わせる。たとえば、連続階調画像データDCT2の解像度が400dpi(dot per inch;1インチ当たりの画素数)で線画データDLW2の解像度1200dpiの場合、連続階調画像データDCT2を3倍拡大して2種類の画像オブジェクトの解像度を合せる。LW解像度整合部632,634で解像度(dpi)を合せられた両データは画像結合部114に送られる。
【0116】
画像結合部114は、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られた個々の画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを切り分けることで1つの画像データD2に統合する。
【0117】
たとえば、線画文字オブジェクトLWは8ビット、多階調画像オブジェクトCTも8ビットで、画像オブジェクトの属性を示す情報(セレクト信号)が1ビットであるケースを考える。単純に、これらをフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に伝達しようとすると、トータルで17(=8+8+1)ビットが必要となる。
【0118】
これに対して、画像オブジェクトの属性を示す情報の伝達方式として、透過コード方式を使用する場合、たとえば線画文字オブジェクトLWの濃度情報“0”(階調がゼロ)に、属性判別情報を割り当てる。すなわち、線画文字オブジェクトLWの濃度情報が“0”の場合には、多階調画像オブジェクトCTの濃度情報が優先され、線画文字オブジェクトLWの濃度情報が“0”以外の場合には、線画文字オブジェクトLWの濃度情報が優先されるようにする。この場合、線画文字オブジェクトLWが再現し得る階調は255階調となる。
【0119】
たとえば、LW値=“0”時には、画像結合部636は、多階調画像オブジェクトCTの画像濃度を、出力画像データD2にそのまま載せる。たとえば、LW値=“0”,CT値=“200”の画素については、CT値=“200”を出力画像データD2の値として選択する。
【0120】
一方、LW値=“0”以外のときには、LW値が“1”の場合とLW値=2〜255の場合とで処理を切り分ける。たとえば、画像結合部636は、LW値=“1”のとき、線画文字オブジェクトLWの画像データを優先して選択することで画像を統合(マージ)する。そして、階調補正処理部640における階調補正にて不要な画像成分が生じないよう(たとえばかぶり防止)、この後に、LW値=“1”を“0”に置換する。たとえば、LW値=“1”,CT値=“200”の画素については、LW値=“1”を出力画像データD2の値として選択し、その後“0”に置換する。このため、線画文字オブジェクトLWがマージ後に取り得るLW値は、0,2,3,4,…,255の255階調になる。
【0121】
また、LW値=2〜255の場合、画像結合部636は、LW画像を優先して選択し、マージ後も出力画像データD2にそのままリニアに載せる。たとえば、LW値=“255”,CT値=“0”の画素については、LW値=“255”を出力画像データD2の値として選択し、“255”のまま出力する。
【0122】
なお、IOTコア部20のパターンジェネレータ部762(後述する図6(B)を参照)から発せられるテスト信号を用いたPG冶具モードで稼動する場合は、イメージ種(画像オブジェクトの属性)に関わらず、線画文字オブジェクトLW(RAW値)で処理する。
【0123】
前述の例では、イメージ識別情報に基づいて、何れか一方の濃度情報のみを出力画像データD2に反映させるようにしていた、すなわち、2レイアで送られたイメージデータLW,CTの加算比率(いわゆる重付け)を、“100対0”にしていたが、必ずしも、このような画像統合(マージ)でなくてもよい。
【0124】
たとえば、線画文字オブジェクトLW部分はイメージデータLWの割合が多くなり、逆に多階調画像オブジェクトCT部分はイメージデータCTの割合が多くなるよう、イメージ識別情報に基づいて2レイアで送られたイメージデータLW,CTの加算比率(いわゆる重付け)を“100対0”以外のものに切り替える、つまりマージの優先度を調整するようにしてもよい。また、スキャン系画像とプリント系画像の識別を示す情報もフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に伝達することとし、この情報とイメージ識別情報の両者を参照して、画像統合時の重付けを調整する構成としてもよい。
【0125】
以上のように、本実施形態の構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500のRIP処理部510から出力側であるバックエンドプロセッサBEP部600側に転送する画像データの圧縮において、線画文字オブジェクトLWおよび多階調画像オブジェクトCTに分離してそれぞれに適した圧縮方法を使用しているため、データの圧縮率を上げることができる。
【0126】
たとえば、A2サイズの270MBが従来(第1実施形態も)では67MBの圧縮であったが、第2実施形態では16MBまで圧縮できる。また、PDLデータのラスターイメージ処理には時間が掛かるが、オブジェクト属性に応じて分離してから個々にラスターイメージ処理(ラスタライズ)をするようにすれば、RIP処理時間を短縮することもできる。
【0127】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、マージ部630にて統合された画像データD2に対して、プリントエンジン30や定着器70の特性に依存した階調特性(TRC;Tone Reproduction Curve )の補正処理(TRC;ToneReproduction Correction;色調補正制御処理)をする階調補正処理部640を備えている。
【0128】
階調補正処理部640は、YMCKの各色のデジタル画像データを、たとえばルックアップテーブルLUTを参照してガンマ(γ)補正する。また、階調補正処理部640は、プリント出力信号処理系統の内部の特性値である濃度あるいは明度を表す各色の画像データY,M,C,Kを、プリントエンジン30の特性値の面積率に応じて、色補正処理する。これらの手法に関しては公知技術であるので、その詳細説明を割愛する。
【0129】
この階調補正処理部640により処理されたYMCKデータは、インタフェース部650を介してIOTコア部20の中間調処理部に入力され、この中間調処理部にてハーフトーニング処理(疑似中間調処理)やスクリーン処理が施された後に、プリントエンジン30の光源に変調2値化信号として入力される。
【0130】
階調補正処理部640は、TRC面として、後述するスクリーン種に対応した数のものを使用する。たとえば、後述するように、スクリーンは150C(Cluster;クラスタ),200C,200R(Rotation ;ローテーション/斜交スクリーン),300,600の5種類を基本構成とするので、スクリーン種5×1面=5面(色剤ごと)を持つものとする。なお、ページ間でダイナミックに補正をかける場合を考慮し、事前展開用RAMエリアを十分に確保することが望ましい。
【0131】
本実施形態においては、階調補正処理におけるグレイバランス補正は、ジョブ前に装置内の各部の状態を診断する診断処理(Diagnostic)機能にて行なう非同期の手法を用いる。
【0132】
それぞれの色調補正制御処理TRCは画像オブジェクト単位(事実上、画素単位)で切り替え可能とし、1ページ中には最大3スクリーンが存在するため(後述のスクリーンについての説明を参照)、3種類の色調補正制御処理(3TRC)の切替えが発生する。切替えの方法は、ハードウェアHW外部タグ(Tag)による方法と、ASIC(特定用途向けIC)で実装しているエリアタグ(Areatag)による内部Tag切替えの両方を実装する。
【0133】
ここで、外部tagの場合、線画文字オブジェクトLWのLW値=“00h”(hはヘキサデータを意味する)を参照して、色調補正制御処理TRCを切り替える場合と、スクリーンフラグを参照して切り替える場合が存在する。
【0134】
また、ルックアップテーブルLUT切替え時(SWLUT)の設定時間を考慮し、色調補正制御処理をパスさせること(TRCスルー)の実現は、LUTパラメータでスルーを構成しなくてもよいように、各面独立にスルーモードレジスタ(バイパスでも可)を設けておく。
【0135】
この階調補正処理部640においては、フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に伝達される画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、階調補正カーブを切り替える。
【0136】
図5は、画像オブジェクト(すなわちイメージデータ)の属性を示す情報に基づいて、階調補正カーブを切り替える手法の一例を示す図である。たとえば、プリントエンジン30の階調再現特性がリニアでなく、図5(A)に示すように、やや硬調の(ガンマγが立っている)場合を考える。
【0137】
多階調画像オブジェクトCTは、階調再現性が重要視されるので、印刷出力時の階調再現性がリニアとなるように、階調補正処理部640は、図5(B)に示すように、プリントエンジン30の階調再現特性と逆特性のやや軟調の補正カーブを多階調画像オブジェクトCTに適用する。こうすることで、補正後の階調再現性は略リニアになる。
【0138】
これに対して、線画文字オブジェクトLWの場合には、コントラストが強い方が好ましい。本例においては、プリントエンジン30の階調再現特性が硬調であるので、プリントエンジン30の階調再現性をそのまま適用してもかまわない。そこで、階調補正処理部640は、図5(C)に示すように、略リニアな補正カーブを線画文字オブジェクトLWに適用する。こうすることで、補正後の階調再現性は硬調となり、コントラストの強い画像が得られるようになる。
【0139】
このように、本実施形態の構成によれば、階調補正処理部640は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達されたイメージ識別情報を参照することで、1ページ内においてオブジェクト単位で階調補正特性を切り替えることができる。これにより、文字・線画と背景部のきめ細かな階調調整が達成でき、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な印刷品質を得ることが可能となる。
【0140】
図6は、IOTコア部20における中間調処理部の一例を示す図である。ここで、図6(A)は、中間調処理部760の全体構成を示す図、図6(B)は、スクリーン処理部766の一構成例を示す図、図6(C)は、スクリーン生成の概念を説明する図である。なお、図6(B)に示すスクリーン処理部766の構成例は、スクリーン切替えの原理を説明するために用いたもので、実際のものは、この図6(B)に示したものとは異なる。
【0141】
図6(A)に示すように、IOTコア部20は、前述のプリントエンジン30の他に、中間調処理をする信号処理系統として、パターンジェネレータ部(PG)762、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal processor)部764、アナログスクリーンの手法を利用するスクリーン処理部766、およびROS制御部768を具備した中間調処理部760をYMCKの色ごと(ハーフトーンY〜K;HalftoneY〜K)に備える。
【0142】
パターンジェネレータ部(PG)762は、IOTコア部20単体で検査をするためのテスト信号を発生する。また、1次色〜3次色のキャリブレーション処理に使用される、所定の1次色、所定の2次色、および所定の3次色(特に記憶色)を表すテストパッチデータを出力する。また、グレイバランス用のテストパッチデータも出力する。
【0143】
このパターンジェネレータ部(PG)762からのテストパッチデータと、バックエンドプロセッサBEP部600からのテストパッチを配した1ページ分の標準画像データとの違いは、ページ単位であるのか否かである。何れのデータをテスト信号として使うかは、キャリブレーションの手法に依る。ここではその詳細についての説明を割愛する。
【0144】
デジタルシグナルプロセッサ部764は、たとえば1次元ルックアップテーブルLUTを用いて入り口側との間で階調補正をする機能部分764a、ユーザの好みの階調に合わせる機能部分764b、プリントエンジン30側との間で階調補正をする機能部分764cを備える。
【0145】
クリーン処理部766は、プロセスカラーの階調トナー信号をオン/オフの2値化トナー信号に変換し出力するものであり、閾値マトリクスと階調表現されたデータ値との比較による2値化処理とエラー拡散処理を行なう。本構成例のスクリーン処理部766は、網点形状やスクリーン角設定の自由度は少ないが、解像度と階調数のトレードオフのない方式であるアナログ方式のスクリーン生成技術を利用する。
【0146】
ROS制御部768は、スクリーン処理部766によりハーフトン化された2値化トナー信号をプリントエンジン30の光源37に送り、たとえば400dpi(略16ドット/mm)に対応するように、ほぼ縦80mφ、幅60μmφの楕円形状のレーザビームをオン/オフして中間調の可視画像を用紙上に再現する。
【0147】
スクリーン処理部766は、図6(B)に示すように、デジタルシグナルプロセッサ部764からの8ビットのデジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器782、D/A変換後のアナログ画像信号に対してのバッファ機能をなすバッファ部(BA;Buffer Amp)783、およびスクリーン処理用のパターン信号(本例では所定周波数の三角波)を生成するパターン生成器784a,784bを備える。パターン生成器784aは、200線用の三角波を発生し、パターン生成器784bは、400線用の三角波を発生する。
【0148】
また、スクリーン処理部766は、D/A変換後のアナログ画像信号とパターン生成器784a,784bからの三角波のDCレベルを合わせるためのDCバイアスを発生するDCバイアス部786a,786b、DCバイアス部786a,786bからのDC成分をパターン生成器784a,784bからの三角波に重畳する加算部787a,787b、D/A変換後のアナログ画像信号とDCバイアス分が重畳された三角波とを比較するコンパレータ(COMP)788a,788b、および2つのコンパレータ788a,788bの出力の何れか一方を選択して出力する選択部789を備える。
【0149】
この構成においては、図6(C)に示すように、たとえば、256階調を有するデジタル信号をD/A変換器782でD/A変換してアナログ信号化した後、このアナログ信号化した信号SAとパターン生成器784a,784bで発生された三角波信号SPa,SPbとをコンパレータ788a,788bで大小比較することで、画素ごとに256分割(すなわち256階調)のパルス幅変調信号を得る。そして、プリントエンジン30の光源37を駆動することで画像記録を行なわせる。
【0150】
この方式によってできるスクリーンは、パターン生成器784a,784bで生成可能な波形で決定されるため、通常、万線スクリーンとなり、ドット形状を自由に変えることはできない。なお、三角波のリニアリティが階調特性のリニアリティに影響を与え、周波数が高いほどリニアリティが悪いので、一般的には、線数の小さいスクリーンの方が階調特性のリニアな画像が得られる。
【0151】
なお、図6(B),(C)に示した構成は、スクリーンを切り替えるための原理を説明するものであり、本実施形態では、さらに後述するように、3種以上のスクリーンの中から、画像オブジェクトごとにスクリーンを切り替えるようにする。たとえば、IOTコア部20で選択可能なスクリーン種として、150C,200C,200R,300R,600dpi/8ビットの5種を基本とし、さらに1200dpi/1ビットや2400dpi/1ビットを拡張機能として切替え可能にしてもよい。たとえばスクリーンフラグ有りのときのみ、拡張機能を有効とする。
【0152】
ここで、DFE装置すなわちフロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間の信号として、スクリーンフラグ(flag)有りを指定可能なときには、画像オブジェクトごとのスクリーン指定はDFE装置上で行なわれ、DFE装置側は1ページ中で3〜4種のスクリーン種を切り替えたい場合は2ビットのスクリーンフラグビットでバックエンドプロセッサBEP部600側へスクリーン種を指示する。すなわち、基本的には、1ページ中で取り得るスクリーン種は最大4種類である。
【0153】
具体的には、先ずDFE装置は、ジョブチケットでスクリーンフラグ(tag)有りを受信する。DFE装置は、スクリーンの画像オブジェクト1(本例では線画文字オブジェクトLW)、画像オブジェクト2(本例では多階調画像オブジェクトCT)といった、それぞれのスクリーン種(150C/200C/200R/300/600)を指定し、ジョブチケットでバックエンドプロセッサBEP部600へ通知する。
【0154】
なお、ここで想定しているのは、図9のように、線画文字オブジェクトLWは200C,300,600の中で1種類指定し、多階調画像オブジェクトCTは200C,200R,300,150Cの中から1種類指定可能とし、黒文字(Black text)や黒線(Black line)では1200dpi/1ビットをIOTコア部20側に指示させることも可能とする。
【0155】
なお、フロントエンドプロセッサFEP部500(DFE装置)とバックエンドプロセッサBEP部600との間では、2ビット/4種類のスクリーンが取り得ても、実際はIOTコア部20の回路上の制限から、実際には3種のスクリーンが最大である。
【0156】
IOTコア部20側に出力させるスクリーンは4ビットであり、DFE装置から指示されたスクリーンフラグビット(2ビット)からのデコードは、バックエンドプロセッサBEP部600で行なう。
【0157】
バックエンドプロセッサBEP部600はDFE装置から指定された画像オブジェクト1,2(LW/CT)のスクリーン種類をSys部85経由でIOTコア部20へ通知する。
【0158】
DFE装置からは、スクリーンビットに関して、表1に示すような意味付けを持たせることができる。そのため、バックエンドプロセッサBEP部600内部に各色ごとに2ビット→4ビットデコードのロジックRAMやレジスタを実装する。
【表1】
【0159】
図7は、バックエンドプロセッサBEP部600におけるイメージ識別情報LW/CTのデコード手法の一例を示す図である。ここで、図7(A)は、属性記述方式情報がスクリーンフラグ方式で示される場合のバックエンドプロセッサBEP部600とIOTコア部20との間のスクリーンタグ(Screen Tag)信号の一例を示し、図7(B)は、属性記述方式情報が透過コード方式で示される場合のバックエンドプロセッサBEP部600とIOTコア部20との間のスクリーンタグ信号の一例を示す。
【0160】
図7(A)に示すように、スクリーンフラグ方式が採用される場合、フロントエンドプロセッサFEP部500側では、たとえば2ビットの属性情報を各8ビットのイメージデータとパックして(纏めて)、1つの印刷ファイルとしてバックエンドプロセッサBEP部600へ転送する。これを受けて、バックエンドプロセッサBEP部600の印刷制御部620は、それをデコードして階調補正特性の切り替えや画像統合処理(マージ)の優先情報に、あるいはエンジン側のスクリーン線種の切り替えに用いる。
【0161】
また、図7(B)に示すように、透過コード方式が採用される場合、フロントエンドプロセッサFEP部500は、線画文字オブジェクトLWに対応するイメージデータの濃度情報にイメージ識別情報LW/CTを埋め込む。これを受けて、バックエンドプロセッサBEP部600側では、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られてきたLW側の00h(透過コード)を参照し、印刷制御部620でLW/CT独立に2種類のスクリーンが切り替えられるスクリーンタグ信号に置き換える。そして、00hならCT側の濃度を出力し、00h以外ならLW側をマージ時に選択する。また、この透過コードを参照し、LWとCT用の階調特性(TRC)を切り替える、画像統合処理(マージ)の優先度合いを切り替える、あるいはエンジン側のスクリーン線種を切り替えさせる。これを受けて、IOTコア部20は、バックエンドプロセッサBEP部600にてデコードされた情報を参照して、1ページ内において、個々の画像オブジェクトに応じて、スクリーン線種を切り替える。
【0162】
図8および図9は、IOTコア部20にてスクリーンを切り替える態様の一例を示す図である。ここで、図8は、バックエンドプロセッサBEP部600とIOTコア部20との間の信号として、スクリーンフラグがある場合の一例を示し、図9は、スクリーンフラグがない場合の一例を示す。
【0163】
図10は、クラスタスクリーンとローテーションスクリーンの概要を示す図である。ここで、図10(A)はクラスタスクリーンマトリクス(単位パターン×4)の例を示し、図10(B)はローテーションクリーンの例を示す。
【0164】
疑似中間調画像を生成するためのハーフトーンスクリーンとは、原画像の画素値との大小比較を行ない、その結果により2値のハーフトーン画素値を生成するための、2次元閾値値配列である。通常、この2次元閾値配列は単位パターンとして構成し、画像に対して2次元的に繰り返して適用される。
【0165】
単位パターンは、ハーフトーン階調を表現する基本単位であり、いわゆる渦巻型ディザパターンでの例では、4×4マトリクスの各セルに格納した閾値配列が単位パターンである。この場合、階調数は16である。単位パターンを複数連結することでより階調数の多いスクリーンを作成することも行なわれる。これは、クラスタタイプのスクリーンといわれ、たとえば図10(A)にて示す通りである。
【0166】
この図10(A)のスクリーンでは、階調数は64である。単位パターンが大きい程、またクラスタとしての連結数が多い程、階調数は多くなるが、基本単位は2次元的に拡大するので、解像度は低下する。すなわち、階調数と解像度は相反する関係にあり、要求仕様に基づいて最適化された関係に設計される。
【0167】
画像処理装置、たとえばゼログラフィによるプリンタ装置では、通常、網点形成法によるハーフトーン化が用いられている。ゼログラフィでは、単独のドットを複数個出力するよりも、クラスタ状に固めて出力した方が安定した画像出力が得られるという性質があり、この点で網点形成法は、ゼログラフィに適したハーフトーニング法であるということができる。
【0168】
一方、直交格子または斜交格子を用いて網点の核を生成し、この核から目標の網点形状に合わせた成長を行なうことによって閾値マトリックスを生成するのがローテーションスクリーンである。ここで、空間座標に対して任意角度を持った直交格子を閾値マトリックスに利用したスクリーンが直交格子スクリーンといわれ、格子の交わり角度が90度以外のものを含む格子から作成されるスクリーン全般が斜交格子スクリーンといわれている。
【0169】
直交格子スクリーンは、斜交格子スクリーンの特別な場合、すなわち格子の交わり角度が90度の場合である。このことから、斜交格子スクリーンは、直交格子スクリーンよりも幅広いスクリーンサイズ、角度、線数の条件を満たすことは明らかである。以下特に断らない限り、直交格子スクリーンも斜交格子スクリーンに含めて考える。
【0170】
斜交格子は、空間座標のx軸、y軸に対して、それぞれ角度θと角度ωの平行直線で作成する。この場合、平行直線の線間隔は固定値をとらなくてはならないが、図10(B)に示すように、それぞれの角度が異なる線間隔L1,L2をとることは可能である。
【0171】
なお、スクリーンによっては、たとえばハイライト部やシャドー部が潰れてしまうという現象が起こることがある。このため、ハーフトーン化処理を行なう前に、この潰れなどを見込んで、階調補正処理部640にて階調補正を行なって、元の多階調画像のトーンカーブ修正を行なうようにしてもよい。
【0172】
次に、スクリーンを画像オブジェクトに応じて使い分ける手法の考え方について説明する。スクリーンとしてクラスタCを使用すると、ドットなのでスクリーン角度が90度範囲で振れる。また印字部分が集中しているのでローテーションR(ライン)よりも階調性がよい。これに対して、ローテーションR(ライン)を使用すると、ラインなのでスクリーン角度が180度で振れるのでモアレに強いが、角度方向成分が強いので中間調の細線が抜け易い。
【0173】
また150線では、ガンマγがリニアに近くエンジンの安定性がよいが、キメが粗くなり、中間調細線が消失し易い。200線では、ガンマγが若干立っているが、その他の特性は普通である。300線は、ガンマγがきつく粒状性が悪いが、キメが細かい。ただし、階調性に関しては改善の余地がある。
【0174】
各スクリーンの性質は上記の通りであるが、実際には、使っているエンジン特性ともからむので、一概には言えない部分もある。どのようなスクリーンを選択すべきかの判定に際しては、たとえば、以下の点を考慮するのがよい。
1)階調性最重視、安定性重視のプレゼンテーション原稿(プリンタのクリエーション出力)などには150C(150線クラスタ)が向いている。
2)地図のような精細画像の出力には300線が向いている。
3)印画紙写真のスキャン画像は周期構造を持たず、キメ細かさと素直なガンマγが要求されるので、200C(200線クラスタ)が向いている。
4)印刷写真のスキャン画像やプリントの混在原稿は周期構造を持っているので、モアレ懸念のため200R(200線ローテーション)が適している。
5)中間調細線を表の罫線として使用するアプリケーションソフトウェアの画像を印刷する場合は、200C(200線クラスタ)が向いている場合もある。
【0175】
なお、クラスタCとローテーションRの使い分けは難しく、エンジン特性と関係する。モアレが見え難いものであれば、クラスタCで一本化することも可能である。ただ、装置によっては、クラスタCよりもローテーションRの方が階調性がよいというケースもある。このような場合には、200Rを各モード(プリンタ/コピーとも)のメインとして使用してもよい。
【0176】
本実施形態のバックエンドプロセッサBEP部600は、画像オブジェクトの属性を示す情報をイメージデータともにフロントエンドプロセッサFEP部500から受け取る。そして、1ページ内において、たとえば、線画文字オブジェクトLWについては600線スクリーンを使用し、多階調画像オブジェクトCTについては200線スクリーンを使用するというように、画像オブジェクトごとにスクリーンを切り替えるよう、IOTコア部20を制御する。
【0177】
また、印画紙写真のスキャン画像の印刷時には、200線クラスタスクリーンを使用することで、周期構造を持たずキメ細かさと素直なガンマγの画像を出力可能とし、印刷写真のスキャン画像やプリントの混在原稿の印刷時には、モアレの生じ難い200線ローテーションスクリーンを使用することができる。
【0178】
このように、本実施形態によれば、IOTコア部20側で、画像オブジェクト単位(事実上画素単位)のスクリーン切替えが可能となり、文字・線画と背景部の階調特性やスクリーンによる高画質が達成可能となり、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な印刷品質を得ることが可能となる。
【0179】
また、透過コード方式とスクリーンフラグ方式などイメージ識別情報の電送方式を峻別する属性記述方式情報を印刷ファイルに記述しておき、バックエンドプロセッサ側では受け取った印刷ファイルの記述を参照して透過コード方式とスクリーンフラグ方式とを自動的に判別することで、たとえばLW/CT独立に、階調補正特性、スクリーン種、マージの優先度を自動的に決めることができる。
【0180】
すなわち、システムに接続されるフロントエンド側が異なる仕様のメーカである場合に、両者間でイメージ識別情報の電送方式に関してのネゴシエーションを行なわなくても、イメージデータ生成装置が採用しているイメージ識別情報の電送方式を自動判別することができるので、生産性を低下させることなく、個々の画像オブジェクトに対して、それぞれに好適な画像処理を施すことができる。
【0181】
これにより、システムに接続されるフロントエンド側が異なる仕様のメーカであったとしても、混在してバックエンドを経由してエンジン側へイメージデータを出力することが可能となり、ビジネスチャンスの拡大とお客様の既存RIPエンジンを生かした印刷システムを構築することができるようになる。
【0182】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0183】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0184】
たとえば、上記実施形態では、テキストオブジェクトとグラフィックスオブジェクトという個々の画像オブジェクトに対応する2つの圧縮イメージデータLW,CTを2レイアで送り、また個々の画素ごとにオブジェクト属性情報(すなわちイメージ識別情報)を付帯情報として対応付けて送るようにしていたが、テキストオブジェクトとグラフィックスオブジェクトとを纏めて1つのイメージデータとして送るとともに、そのイメージを構成する個々の画像オブジェクトごとにオブジェクト属性情報を付帯情報として対応付けて送るようにしてもよい。この場合においても、オブジェクト属性情報を参照して、個々の画像オブジェクトに対応するように画像処理(たとえば階調補正処理やスクリーン種別など)の特性を切り替えるとよい。
【0185】
また、上記実施形態では、記録媒体上に可視画像を形成する主要部であるプリントエンジンとして電子写真プロセスを利用するものに対して、本発明を適用した事例を説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置を備えた画像形成システムに本発明を適用し得る。
【0186】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用したプリントエンジンを備える印刷装置(プリンタ)を例に説明したが、画像形成装置は、これに限らず、カラー複写機やファクシミリなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有するものであればよい。
【0187】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、上記実施形態で述べた効果は達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0188】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0189】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像オブジェクトの属性を示す情報を、たとえば透過コード方式やスクリーンフラグ方式などで、イメージデータを生成するフロントエンドプロセッサFEP部からバックエンドプロセッサBEP部に伝達するようにした。そして、画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、1ページ内において個々のオブジェクトごとに、たとえば階調特性を切り替えたり、IOTコア部側でオブジェクト単位のスクリーン切替えたりするようにした。
【0190】
これにより、文字・線画と背景部の階調特性やスクリーンによる高画質が達成可能となり、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な印刷品質(画像品質)を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理システムを適用した画像形成システムの一実施形態を示す図である。
【図2】フロントエンドプロセッサFEP部とバックエンドプロセッサBEP部の機能役割分担の一例を纏めて示した図である。
【図3】フロントエンドプロセッサFEP部およびバックエンドプロセッサBEP部の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】線画データDLWと連続階調画像データDCTの分離を説明する図である。
【図5】画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、階調補正カーブを切り替える手法の一例を示す図である。
【図6】中間調処理部の一例を示す図である。
【図7】バックエンドプロセッサBEP部におけるイメージ識別情報のデコード手法の一例を示す図である。
【図8】IOTコア部にてスクリーンを切り替える態様の一例を示す図である。(スクリーンフラグがある場合)
【図9】IOTコア部にてスクリーンを切り替える態様の一例を示す図である。(スクリーンフラグがない場合)
【図10】クラスタスクリーンとローテーションスクリーンの概要を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…IOTモジュール、5…フィードモジュール、7…出力モジュール、8…ユーザインタフェース装置、9…連結モジュール、20…IOTコア部、30…プリントエンジン、31…光走査装置、32…感光体ドラム、39…電気系制御収納部、43…中間転写ベルト、45…2次転写部、70…定着器、80…GUI部、500…フロントエンドプロセッサFEP部(イメージデータ生成装置)、502…データ格納部、510…RIP処理部、516…画像配置処理部、520…イメージデータ分離部、523…LWラスターイメージ処理部、525…CTラスターイメージ処理部、530…圧縮処理部、532…LW圧縮処理部、534…CT圧縮処理部、540…ファイル転送部、550…結合部、600…バックエンドプロセッサBEP部(画像処理装置)、601…分離データ受信部(印刷ファイル受信部)、602…画像記憶部、610…伸張処理部、612…LW伸張処理部、614…CT伸張処理部、620…印刷制御部(属性情報抽出部)、630…マージ部、632…LW解像度整合部、634…CT解像度整合部、636…画像結合部、640…階調補正処理部、760…中間調処理部、762…パターンジェネレータ部、764…デジタルシグナルプロセッサ部、766…スクリーン処理部、768…ROS制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、この画像処理装置を構成要素とする画像処理システム、画像処理装置やシステムで使用する画像処理方法、並びにプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。より詳細には、印刷用のイメージデータを線画データと連続階調画像データとに分けるなど、画像オブジェクトごとにイメージデータを分けて取り扱う際の画像処理手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置や複写装置などの印刷機能を備えた画像形成装置が様々な分野で使用されている。また、今日では、画像形成装置がカラー化され、ユーザの様々な表現手段として利用されるようになってきている。たとえば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラーページプリンタ装置は、高品質な画質あるいは高速プリンティングの点で注目されている。
【0003】
一方、印刷機能という点では、家庭内での個人ユースやオフィスでのビジネスユースといった比較的小規模(たとえば1ジョブが数枚〜数十枚程度)の印刷出力を要求されるものと、製本などの印刷業界で使用される比較的大規模(たとえば1ジョブが数千枚以上)の印刷出力を要求されるものとに大別される。前者の比較的小規模の印刷出力を要求されるものにおいては、その多くが(たとえば孔版印刷を除いて)、印刷データを受け取り版下を生成せずに印刷物を出力する。一方、後者の比較的大規模の印刷出力を要求されるものにおいては、従来は、印刷データに基づいて版下を生成し、この生成した版下を使用して印刷物を出力していた。
【0004】
ところが、今日では、DTP(DeskTop Publishing/Prepress)の普及による印刷工程の変化、いわゆる「印刷のデジタル革命」により、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」もしくは「オンデマンド印刷」(以下オンデマンドプリンティングという)が着目されている。このオンデマンドプリンティングでは、従来の印刷(たとえばオフセット印刷)における写植などの紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版などの中間成果物を生成せずに、プリプレス工程を完全にデジタル化することで電子データだけに基づいて印刷物を出力する仕組み(CTP;Computer To Print or Paper)が採られている。そして、このオンデマンドプリンティングの要求に対して、電子写真プロセスを用いた印刷機能が着目されている。
【0005】
一方、高品質を要求する印刷業者向けの画像処理システムは、文字,絵柄などの画像を総合的に統合して編集するシステムであり、特に、デスクトップパブリッシング分野はページ記述言語(PDL:Page Description Language )により可能となりつつある。
【0006】
このような印刷業者向けの画像処理システムは、文字、画像を統合的に処理する際のデータハンドリング性を向上させるべく、イメージデータを圧縮して電送することが行なわれる。
【0007】
また圧縮/伸張の処理に際しては、たとえば特開平8−6238号に記載のように、線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(線画文字オブジェクトLW(Line Work ))と、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone ))など、画像オブジェクトの特性に応じてイメージデータを分けて取り扱う仕組みもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−6238号に記載の手法では、ページ記述言語PDLから背景・線画独立に展開し、圧縮を施して出力装置へ転送するが、出力装置側では、それぞれ同一の網種(スクリーン)を掛けているなど、背景と線画とに対して同様の画像処理を加えている。
【0009】
オンデマンドプリンティングでは、一般的にゼログラフィエンジンが主流であるが、線画・文字は高精細・ハイガンマγな画像を得たく、たとえば600線などのスクリーンを選ぶことが推奨される一方で、背景部はリニアな画像を得るために200線ローテーションなどのスクリーン種が推奨される。
【0010】
しかしながら、1ページ中で同一スクリーンを選んだ場合、高精細・リニアな画像が両立しない。すなわち、1ページ中で背景と線画とに対して、それぞれのオブジェクトに好適な画像処理を施すことはできていない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、線画などの線画文字オブジェクトと背景部などの多階調画像オブジェクトなど、個々の画像オブジェクトに対して、それぞれに好適な画像処理を施すことのできる画像処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、本発明の画像処理方法を実施する画像処理システムや画像処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、本発明の画像処理方法を実施する画像処理装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る画像処理方法は、印刷データを構成するイメージデータと、イメージデータの属性を示す情報とを対応付けて受け取り、この受け取ったイメージデータの属性を示す情報に基づいて、イメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施すようにした。
【0015】
本発明に係る画像処理システムは、印刷データに基づいてイメージデータを生成するイメージデータ生成装置と、イメージデータ生成装置により生成されたイメージデータに対して所定の画像処理を施す画像処理装置とから構成されていて、本発明に係る画像処理方法を実施するシステムである。
【0016】
この画像処理システムのイメージデータ生成装置は、印刷データを構成するイメージデータを生成して画像処理装置に送出するとともに、この生成したイメージデータの属性を示す情報(イメージ識別情報)をイメージデータに対応付けて画像処理装置に送出する。これに対応して、画像処理装置は、イメージデータ生成装置から受け取ったイメージデータの属性を示す情報(イメージ識別情報)に基づいて、イメージデータ生成装置から受け取ったイメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施す。
【0017】
本発明に係る画像処理処理装置は、本発明に係る画像処理方法を実施するのに好適な装置であって、印刷データを構成するイメージデータとイメージデータの属性を示すイメージ識別情報とを対応付けて所定のイメージデータ生成装置から受け取る印刷ファイル受信部と、印刷ファイル受信部が受け取ったイメージ識別情報に基づいて、イメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施す画像処理部とを備えた。
【0018】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像処理システムや画像処理装置のさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像処理装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0019】
上記において、印刷データは、たとえばページ記述言語PDLで表されたデータのように、文字や絵柄などを明確に峻別可能なデータを意味する。「印刷データを構成するイメージデータ」は、印刷データに記述されている文字や絵柄など情報を参照して生成されたイメージデータであり、複写装置やFAX装置などのように読み取りによって得られたイメージデータを含まない。
【0020】
また、「イメージデータに対して」とは、受け取ったイメージデータの全てに対してに限らず、受け取ったイメージデータの一部だけでもかまわない。また、「イメージデータの属性を示す情報に基づいて、イメージデータに適応した所定の画像処理を施す」とは、イメージデータに応じて画像処理の特性を切り替える(調整する)ことを意味する。
【0021】
たとえば、イメージデータの属性を示す情報を参照して、出力画像の階調再現性を各イメージデータに応じて補正する階調補正処理をする、個々のイメージデータの加算比率を各イメージデータに応じて調整することで合成画像を得るイメージデータ結合処理をする、あるいは疑似中間調処理に関わるスクリーン処理において使用するスクリーン種別を各イメージデータに応じて切り替えるなどである。
【0022】
なお、テキストオブジェクトとグラフィックスオブジェクトという個々の画像オブジェクトに対応する2つの圧縮イメージデータを複数のレイアで送り、また個々の画素ごとにオブジェクト属性情報を付帯情報として対応付けて送る場合においては、レイアの情報(つまりイメージデータの属性情報)に基づいて各レイアごとに圧縮/伸張の特性を適用することは、本発明の「イメージデータの属性を示す情報に基づいてイメージデータに適応した所定の画像処理を施す」には含まない。
【0023】
【作用】
上記構成においては、イメージデータ生成装置は、印刷データを構成するイメージデータを生成するとともに、この生成したイメージデータの属性を示すイメージ識別情報をイメージデータに対応付けて画像処理装置に送出する。
【0024】
これを受けて、画像処理装置は、受け取ったイメージ識別情報に基づいて(参照して)、イメージデータに対して、そのイメージデータに適応した所定の画像処理を施す。たとえば、階調補正特性の切り替えや画像統合処理(マージ)の優先情報に、あるいはエンジン側のスクリーン線種の切り替えに用いる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る画像処理システムを適用した画像形成システムの一実施形態を示す図である。ここで、図1(A)はシステム構成の概略図、図1(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0027】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor )装置とから構成されている。
【0028】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するものである。この画像形成装置1は、クライアント端末から入力された印刷データに基づいて可視画像を所定の記録媒体上に形成する印刷装置(プリンタ)として機能するようになっている。
【0029】
すなわち、この画像形成システムにおける画像形成装置1は、IOT(Image Output Terminal)モジュール(IOT本体)2と、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5と、出力モジュール7と、パソコン(PC)などのユーザインタフェース装置8と、IOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。なお、フィードモジュール5は、多段構成としてもよい。
【0030】
また、出力モジュール7の後段に、さらにフィニッシャ(Finisher;後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、たとえば、用紙をスタック処理をし、そのコーナ部の1個所または一辺の2個所以上を綴じるステープラを備えたもの、あるいはファイリング用のパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたものなどがある。このフィニッシャモジュールは、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能とすることが望ましい。
【0031】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、IOT(Image OutPut )モジュール2、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5、出力モジュール7、ユーザインタフェース装置8、およびIOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。
【0032】
DFE装置は、描画機能を備えており、たとえばページ記述言語PDLで記述された印刷データを図示しないクライアント端末から順次受け取り、この印刷データに基づいてラスターイメージを生成(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置1に送る。
【0033】
DFE装置から画像形成装置1に送付される印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分がある。また、この4色に加えて、第5の色成分、たとえばグレイ(G)分を含めてもよい。
【0034】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されるようになっている。
【0035】
IOTコア部20は、光走査装置31や感光体ドラム32などを有するプリントエンジン(印字ユニット)30を前述の色成分に対応する色ごとに備えており、このプリントエンジン30をベルト回転方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。またIOTコア部20は、プリントエンジン30を制御する電気回路あるいは各モジュール用の電源回路などを収容する電気系制御収納部39を備える。
【0036】
さらに、IOTコア部20は、画像転写方式として、感光体ドラム32上のトナー像を1次転写器35にて中間転写ベルト43に転写(1次転写)し、その後、2次転写部45にて中間転写ベルト43上のトナー像を印刷用紙に転写(2次転写)する方式を用いている。このような構成では、YMCKの各色トナーにより画像形成を各別の感光体ドラム32上に行なって、このトナー像を中間転写ベルト43に多重転写する。
【0037】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール5から搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48で定着器(Fuser )70まで搬送され、この定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、排紙トレイ(スタッカ)74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0038】
描画機能を備えたDFE装置は、イメージデータ生成装置の一例であるフロントエンドプロセッサFEP(Front End Processor )部500を備えている。フロントエンドプロセッサFEP部500は、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント(Client)からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する。IOTモジュール2の高速処理に対応可能なようにRIP処理や圧縮処理が高速処理対応になっている。なお、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えておらず、主にRIP処理のみをする。
【0039】
ユーザインタフェース装置8は、キーボード81やマウス82などの入力デバイスを有し、ユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えるとともに、その本体(図示せず)内に画像形成装置1の各モジュールやDFE装置との間の接続インタフェース機能やサーバ機能をなすSys(システム制御)部85を備える。また、ユーザインタフェース装置8は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えている。
【0040】
このような構成におけるユーザインタフェース装置8の画像形成装置1に依存した処理の制御機能を果たすプリンタコントローラ機能部分と、接続インタフェースに関わる部分とを、纏めてバックエンドプロセッサBEP(Back End Processor)部600という。結果として、本実施形態の構成におけるユーザインタフェース装置8は、GUI部80と、IOTコア部20などエンジン特性に応じた制御するプリンタコントローラ機能部分とを含むようになっている。なお、バックエンドプロセッサBEP部600やIOTコア部20は、本発明に係る画像処理装置の機能を備えている。
【0041】
フロントエンドプロセッサFEP部500にはクライアント端末から受け取った印刷データを保存しておくデータ格納部(図示せず)が用意される(後述する図2を参照)。同様に、バックエンドプロセッサBEP部600には、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取ったイメージデータやジョブチケットを保存しておくデータ格納部(図示せず)が用意される(後述する図2を参照)。
【0042】
DFE装置では、クライアント端末で生成されたコードデータをフロントエンジン側のRIP処理でラスタデータ化し、圧縮処理を施す。DFE装置側のフロントエンドプロセッサFEP部500と画像形成装置1側のバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的疎な(ほぼ独立した)関係にある。つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に対して非依存の通信インタフェース(汎用ネットワークによる疎結合)で構築される。
【0043】
たとえば、図1(A)に示すように、DFE装置とバックエンドプロセッサBEP部との間は、たとえば通信速度が1GBPS(Giga Bit Per Sec)程度の汎用の通信プロトコルによる高速有線LAN(Local Area Network)などで接続するとよい。印刷ファイルは、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600へファイル転送される。
【0044】
これに対して、バックエンドプロセッサBEP部600と画像記録部を構成する(その主要部である)IOTコア部20との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的密な関係にある、つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に依存した通信インタフェースで構築される。たとえば、専用の通信プロトコルで接続される。
【0045】
ユーザインタフェース装置8には、画像形成装置1を操作するための制御ソフトウェアが組み込まれている。このユーザインタフェース装置8は、画像処理装置IPS(Image Process System)の機能を備えたDFE装置と接続されており、たとえば、RIP(Raster Image Process)処理済みの印刷データ、および印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報をDFE装置から受け取り、要求された印刷処理を画像形成装置1に実行させる。
【0046】
図2は、DFE装置が備えるフロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600の機能役割分担の一例を纏めて示した図である。
【0047】
フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600には、画像バッファ(データ格納部)の一例であるハードディスク装置(HDD)が搭載される。
【0048】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、画像圧縮やデバイス差を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)の機能など担当する一方で、バックエンドプロセッサBEP部600は、画像伸張、電子帳合い、両面制御、ジョブリカバリ、CMYKのグレイバランスの補正(キャリブレーション)機能などを担当する。
【0049】
たとえば、プリンタコントローラ機能をなすバックエンドプロセッサBEP部600は、DFE装置からのイメージデータとともに印刷制御情報(印刷コマンド)を画像形成装置1内のインタフェース部を介して受け取り、画像形成装置1に依存した印刷処理(エンジン特性に依存した処理)の制御機能を果たす。また、たとえば、コレーション(Collation ;帳合い)設定による複数部出力やプリントアウト後もう1枚欲しいときのリプリントなど、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。
【0050】
このため、バックエンドプロセッサBEP部600には、DFE装置から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置1内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御するコントローラが設けられる。また、バックエンドプロセッサBEP部600は、IOTモジュール2やフィードモジュール5あるいは出力モジュール7などのエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール2に画像データを渡す。バックエンドプロセッサBEP部は、エンジン特性に依存した制御処理をする。
【0051】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、エンジン特性に依存した紙詰まりなどのリカバリ処理を自動的に行なう。また、クライアントからの指示をフロントエンドプロセッサFEP部500で判断し、IOTコア部20や定着器70あるいはフィニッシャ部などの画像形成装置1の各部に依存せず専らフロントエンドプロセッサFEP部500のみで処理可能なものはフロントエンドプロセッサFEP部500で処理し、画像形成装置1の各部に依存するものであってバックエンドプロセッサBEP部600で行なうべき処理はバックエンドプロセッサBEP部600側へコマンドをスルーさせる。
【0052】
たとえば、DFE装置からバックエンドプロセッサBEP部600には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含む印刷ファイルデータが送られる。印刷ファイルデータとしては、ラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無など印刷制御情報などが含まれる。
【0053】
そしてたとえば、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するカラー管理システムCMS、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)などのRIP処理と関わりのある処理は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて処理し、その制御コマンドをバックエンドプロセッサBEP部600へは通知しない(非通知)。
【0054】
一方、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラなどのフィニッシャ装置あるいは用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正などのキャリブレーション処理、スクリーン指定処理など、画像形成装置1の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをフロントエンドプロセッサFEP部500がスルーすることで、バックエンドプロセッサBEP部600にて処理する。
【0055】
なお、用紙サイズ合わせに関しては、フロントエンドプロセッサFEP部500だけでなく、バックエンドプロセッサBEP部600にても処理してもかまわない。
【0056】
このように、本実施形態の構成では、画像データが所定形式の圧縮データとして、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりユーザインタフェース装置8側にファイル転送される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にバックエンドプロセッサBEP部600側へ一方的に転送する。
【0057】
バックエンドプロセッサBEP部600では、印刷用にページ再配置をし、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
【0058】
このプリントエンジン30などの処理特性に適応した処理(同期処理)よりもフロントエンドプロセッサFEP部500からのデータ送出の方が早ければ、バックエンドプロセッサBEP部600は、間に合わない画像データやジョブチケットをデータ格納部に一時的に保管しておく。そして、ユーザが希望する排出条件(ページ順や向き、あるいはフィニッシング処理の有無など)に合致するようにページデータを読み出し、また必要に応じて画像編集し、用紙上における画像位置の補正や、ユーザが希望する画像処理をし、処理済の画像データをIOTモジュール2側に送出する。
【0059】
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500と画像記録部としてのプリントエンジン30や定着器70などの出力側とが非同期の処理、バックエンドプロセッサBEP部600と出力側とは同期の処理となり、その差がデータ格納部へのデータ格納と読出しとで相殺されるようになる。また、画像データの圧縮/伸張をする場合においても、フロントエンドプロセッサFEP部500における圧縮処理とバックエンドプロセッサBEP部600における伸張処理とは非同期の処理となる。つまり、このような構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500におけるRIP処理やその後の圧縮処理は、印刷ジョブ内容や画像記録部を構成するIOTコア部20や定着器70などの処理特性とは独立的に処理される。
【0060】
このように、本実施形態の構成によれば、DFE装置と画像形成装置1との関係はルーズであってよい(Loosely connection)。たとえば、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500にてRIP処理や圧縮処理をしておくだけでよい。そしてそこまでは、RIPエンジンの性能次第に任せた処理としており、特にプリントエンジン側の処理速度(同期)や制御に依存する必要は一切ない。つまり、DFE装置にての処理としては、画像形成装置1の性能の影響を受けないRIP処理や圧縮処理などの範囲に留めることができる。バックエンドプロセッサBEP部600は、画像形成装置1に合わせたページ再配置や、IOTコア部20と同期した印刷制御をする。
【0061】
これらの処理は、バックエンドプロセッサBEP部600が備えるプリンタコントローラ機能が、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、各部を制御することで実現される。
【0062】
このように、本実施形態の構成によれば、DFE装置はエンジン特性に応じた煩雑な処理から開放されるので、一般的なPC(パソコン)をDFE装置として使用し、このPC上にソフトウェアを搭載することによって、フロントエンドプロセッサFEP部500の機能を果たすことができるようになる。
【0063】
加えて、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部600側は、RIP処理から開放され、IOTモジュール2や定着器70あるいはフィニッシャなどの性能に応じて、柔軟に処理や制御を変更することができる。これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなくてもよくなる。
【0064】
また、フロントエンドプロセッサFEP部500がプリントエンジン30に非依存であるため、ユーザはプリントエンジンを新規に購入しても従来のフロントエンドを流用することできる。また、他のメーカのフロントエンドとの接続も可能となる。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500の汎用化が実現でき、たとえば汎用印刷RIPエンジンや他社のRIPエンジンが使用可能となる。あるいは、容易にビジネス上必要なターゲットとしたいエンジンにプリンタコントローラを提供していくことが可能になる。
【0065】
また、画像形成用の画像データと画像形成条件(部数、片面/両面、、ソート有無、など)とをフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600が受け取り、バックエンドプロセッサBEP部600にて、エンジン特性に応じて、当該装置の画像形成動作を制御することができる。バックエンドプロセッサBEP部600は標準コントローラの使用の制約がないので、このバックエンドプロセッサBEP部600による画像形成動作の制御は、DFE装置によるものよりも高速性や拡張性に富む。したがって、画像形成装置1の高速化、高機能化に柔軟に対応することが容易となる。
【0066】
なお、本実施形態の構成においては、画像圧縮やそれに対応する画像伸張は、ページ内における画像オブジェクトごとに個別の形式を選択可能となっている。たとえば、クライアント端末から受け取る印刷データは、文字や線画などの2値画像を表す線画文字オブジェクトLWと、写真画像や背景部などの多階調画像を表す多階調画像オブジェクトCTとから構成されている。
【0067】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、この個々の画像オブジェクトの属性情報(Tag)を参照して、線画文字オブジェクトLWに着目した圧縮イメージデータと、多階調画像オブジェクトCTに着目した圧縮イメージデータと、それぞれの圧縮イメージデータの属性を示す信号、たとえば線画文字オブジェクトLWに対してはパス信号、多階調画像オブジェクトCTに対してはイメージ信号を生成する。
【0068】
たとえば、フロントエンドプロセッサFEP部500は、画像オブジェクトごとに異なる圧縮形式に対応するように、それぞれの圧縮形式で生成したイメージデータ(分離した複数のイメージデータ)をバックエンドプロセッサBEP部600に転送する。フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間の転送画像フォーマットは、画像オブジェクトに関わらず、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマットベースのものとする。勿論、他の形式の画像圧縮フォーマットを用いてもかまわない。
【0069】
圧縮イメージデータ(LW,CT)とそれぞれのデータ属性を示す信号とは、ジョブチケットなどともに1つの印刷ファイルとして纏められて(対応付けられて)、バックエンドプロセッサBEP部600に伝達される。たとえば、個々の画像オブジェクトに対応する2つの圧縮イメージデータLW,CTを2レイアで送り、また個々の画素ごとにオブジェクト属性情報(すなわちイメージ識別情報)を付帯情報として対応付けて送る。
【0070】
圧縮イメージデータの属性は、バックエンドプロセッサBEP部600側において何れか一方を判別できれば十分であるので、たとえば、LW/CTを切り替える1ビットのマスク信号(セレクト信号)としてバックエンドプロセッサBEP部600に伝達すればよい。ただし、バスバンド(Bus Band)幅の狭いシステムでは、電送ビット数を少なくするために、このマスク信号を濃度情報(たとえばLWのイメージデータ)に埋め込んで伝達する透過コード方式を採ることが好ましい(詳細は後述する)。
【0071】
また、圧縮イメージデータの属性を1ビットで判別するだけでは不十分な場合もある。たとえば、IOTコア部20側での疑似中間調処理(ハーフトーン化)にてスクリーン処理を施すが(詳細は後述する)、どのような種類のスクリーンを使用するかによって階調再現性やモアレなどの画像品質に影響を及ぼす。このため、画像オブジェクトに応じてだけでなく、個々のオブジェクトについても、スクリーン種や線数や角度などを細かに切り替えたい場合もある。このような要求に応えるには、1ビットの情報では足りないので、たとえば2ビット以上で現された専用の識別情報をイメージデータとは独立に使用することが好ましい。
【0072】
この専用の識別情報としては、たとえば、疑似中間調処理に関わるスクリーンの種別を現す情報(以下スクリーンフラグ;Screen flag ともいう)を利用することが好ましい(詳細は後述する)。つまり、専用の識別情報は、スクリーンフラグを兼ねるものであるのがよい。こうすることで、専用の識別情報を使用する場合であっても、バックエンドプロセッサBEP部600に送出する印刷ファイルの電送ビット幅を極力少なくすることができる。なお、1ビットの識別情報(スクリーンフラグなど)を使用して、圧縮イメージデータの属性のみを峻別するものとしてもかまわない。
【0073】
バックエンドプロセッサBEP部600側にて複数種のDFE装置に対応可能なように(たとえば異なるメーカへの対応など)、フロントエンドプロセッサFEP部500は、LW/CTの分離情報が濃度に埋めこまれた透過コード方式を採用しているのか、イメージデータとは別にスクリーンフラグとして電送する方式を採用しているのかを示す情報(以下属性記述方式情報ともいう)も印刷ファイルの付加情報(たとえばヘッダ情報)に記述しておくようにする。
【0074】
たとえば、バックエンドプロセッサBEP部600に送る印刷ファイルの付加データDSELに属性記述方式情報を含める。また、スクリーンフラグ方式を採用する場合、スクリーンフラグも、この付加データDSELに含める。
【0075】
これに対応して、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られてきた印刷ファイルのヘッダ情報に記述されている属性記述方式情報を参照し、イメージデータの属性LW/CTを区別する信号に置き換える。たとえばLW/CT独立に2種類のスクリーンが切り替えられる信号(Tag)に置き換える。そして、透過コード方式からLW/CT独立に階調補正特性、スクリーン種、マージの優先度を決めるのか、あるいはスクリーンフラグからそれらを決めるのかを自動的に選択し、画像処理した後に、プリントエンジン30側へイメージを出力する。
【0076】
図3は、DFE装置と画像形成装置1との間のデータの流れに着目した図であって、フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600の一実施形態を示すブロック図である。
【0077】
線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(以下線画文字オブジェクトLW(Line Work )という)と、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(以下多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone )など、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とするようにしている。
【0078】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、ネットワークを介して接続されたクライアント端末(図示せず)からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部502と、データ格納部502からPDLデータを読み出して解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部(ラスターイメージ処理部)510とを備える。
【0079】
RIP処理部510は、イメージデータ生成部の一例であって、ぺージ記述言語(PDL)で記述された電子データを展開してイメージデータを生成する。すなわち、RIP処理部510は、ページ記述言語PDLで表されたデータに含まれている文字や絵柄などを峻別可能な情報を参照してイメージデータを生成する。また、RIP処理部510は、イメージデータの個々の画素がテキストやグラフィックスの何れであるのかを示す属性情報を、ページ記述言語PDLで表されたデータに含まれている文字や絵柄などを峻別可能な情報を参照して生成し、イメージデータとともに後段(特にバックエンドプロセッサBEP部600)に送る。
【0080】
RIP処理部510は、イメージデータ生成部の一例であって、ぺージ記述言語(PDL)で記述された電子データを展開してイメージデータを生成する。このため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、いわゆるRIPエンジンが組み込まれている。後述するように、このRIP処理部510は、本実施形態特有のプリントエンジンに応じた専用RIPエンジンを搭載したものであってもよいし、汎用の印刷RIP処理エンジンを搭載したものであってもよい。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500全体として、他社のRIP装置(DFE装置)を利用してもかまわない。
【0081】
また、フロントエンドプロセッサFEP部500は、画像オブジェクトの特性に適応した処理とするため、RIP処理部510により生成されたイメージデータを線画文字オブジェクトLWを現す線画データDLWおよび多階調画像オブジェクトCTを現す連続階調画像データDCTに分離した状態に展開するイメージデータ分離部520と、イメージデータ分離部520により分離された各イメージデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530とを備えている。
【0082】
圧縮処理部530は、イメージデータ分離部520からの各イメージデータを圧縮し、圧縮済のイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600へ即時に転送する。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500は、印刷ジョブに付帯して受け取った印刷ジョブ内容を示すジョブチケットの内自身に不要なものは、所定のタイミングでバックエンドプロセッサBEP部600にそのまま転送する。
【0083】
この圧縮処理部530は、イメージデータ分離部520に対応して、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを個別に圧縮処理するため、それぞれイメージデータ分離部520により分離された、線画データDLWを圧縮処理するLW圧縮処理部532と、連続階調画像データDCTを圧縮処理するCT圧縮処理部534とを備える。
【0084】
フロントエンドプロセッサFEP部500にてページ記述言語で記述されたPDLデータは、RIP処理部510に入力された後RIP処理されてラスターイメージに変換され、さらに後段のイメージデータ分離部520にて、線画データDLWおよび連続階調画像データDCTに分離される。
【0085】
分離された線画データDLWはLW圧縮処理部532に送られ、連続階調画像データDCTはCT圧縮処理部534に送られ、それぞれに適した方法で圧縮される。
【0086】
ここで、線画に適した圧縮方法としては、G3,G4,TIFF−IT8のBL(バイナリラインアート),JBIG(Joint Bi−level Image Group)などがあり、連続階調画像に適した圧縮方法としては、TIFF6.0のPackBit,JPEG(Joint Photographic Expert Group )などがあり、共通の圧縮方法としてSH8,Lempel−Ziv,ハフマン符号化などがある。
【0087】
G3,G4,ハフマン符号化はファクシミリの分野で広く利用されている方法であり、ハフマン符号化は文字列の生起確率のバラツキを圧縮原理とするものである。
【0088】
JBIGは、伝送の初期の段階でラフではあるが全体画像を表示し、その後必要に応じて追加情報を加え、画品質の向上を図るプログレッシブビルドアップであり、白黒2値画像および中間調画像に対して統一的に適用できる。
【0089】
また、TIFF−IT8のBLはBLデータの各ラインを、背景色(黒)ランと前景色(白)ランのペアのシーケンスとして符号化するもので、各ラインは背景色ランで始まる。BLデータのランレングス符号化では2つの基本符号化構造が使用され、254画素までのランレングスを符号化するショート形式(8ビット長)を65,535画素までのランレングスを符号化するロング形式(24ビット長)があり、この2つの形式を混合使用できる。個々のラインンデータは2つのゼロのバイトで始まり、2つのゼロのバイトで終る。
【0090】
JPEGは、DCT(Discrete Cosine Transform)に基づくロスあり(lossy)の非可逆圧縮と、2次元DPCM(Differential Pulse Code Modulation)に基づくロスレス(lossless)の可逆圧縮に大きく分けられる。DCT方式はベースラインとエクテンデッド方式に分類され、ベースラインプロセスは最も簡単なDCT方式でJPEGの必須機能である。
【0091】
圧縮処理部530の後段には、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画データDLW1とCT圧縮処理部534により圧縮処理された連続階調画像データDCT1とをジョブチケットとともに1つの印刷ファイルに纏めてバックエンドプロセッサBEP部600にファイル転送するファイル転送部540を備える。
【0092】
このファイル転送部540には、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送を採るインタフェース部が組み込まれている。
【0093】
フロントエンドプロセッサFEP部側の処理は、プリントエンジン30の処理速度に非同期で処理される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500は、クライアント端末からPDLデータを受け取ると、順にラスタライズおよび圧縮処理をし、直ちに圧縮処理済のイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に送出する。この過程で、ラスタライズや圧縮などの処理よりもクライアント端末からのPDLデータ受信処理の方が早ければ、フロントエンドプロセッサFEP部500は、間に合わないPDLデータをデータ格納部502に一時的に保管しておく。そして、受け取った順に(先入れ先出し法で)もしくは適当な順に(たとえば先入れ後出し法で)PDLデータをデータ格納部502から読み出して処理する。
【0094】
図4は、線画データDLWと連続階調画像データDCTの分離を説明する図である。ここで、図4(A)は第1の方法を示す図、図4(B)は第2の方法を示す図である。また、図4(C)および図4(D)は、線画データDLWと連続階調画像データDCTとを1つの印刷ファイルに纏める際の、線画データDLWと連続階調画像データDCTの優先度合いを説明する図である。
【0095】
図4(A)に示す第1の方法は、PDLデータ(ページ記述言語データ)から画像データを抽出して連続階調画像データDCTとし、残りのデータを線画データDLWとする。
【0096】
また、図4(B)に示す第2の方法は、RIP処理部510とイメージデータ分離部520とが連携して処理する構成となっている。すなわち、PDLデータD0を画像の配置情報D6とともに前処理部512に入力し、前処理部512はPDLデータD0の内の線画オブジェクトに対して、RIP処理機能と線画文字オブジェクトLWの分離機能とを備えたLWラスタメージ処理部523でラスター化して線画データDLWとして出力する。
【0097】
そして、画像の配置情報D6は前処理部512をそのまま通過して画像配置処理部516に入力され、画像データD8も画像配置処理部516に入力され、画像配置されたデータが、RIP処理機能と多階調画像オブジェクトCTの分離機能とを備えたCTラスタメージ処理部525でラスター化され、連続階調画像データDCTとして出力される。または、LWラスタメージ処理部525を経ないで、連続階調画像データDCTとして出力される。
【0098】
分離された2つの画像データ(線画データDLWと連続階調画像データDCT)は、それぞれ別のレイアとして配置され、1つの印刷ファイルに纏められる。ここで、線画データDLWは、階調画像を含まないパレットカラーまたは2値画像であり、連続階調画像データDCTは階調画像を含む階調データであり、線画データDLWより解像度は低い。
【0099】
ただし、線画データDLWがパレットカラーのときは、線画データの情報として最小限白/黒/透明を有する。そこでこの場合、図4(C)に示すように、線画データDLWが優先(上位)画像となる。また、線画データDLWが2値画像のときは透明の情報は持たず、連続階調画像データDCTに透明の情報を持つことになる。たとえば0=透明、1=白、…、255=黒である。この場合、図4(D)に示すように、連続階調画像データDCTが優先(上位)画像となる。
【0100】
一方、図3に示すように、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて印刷ジョブやプリントエンジン30の処理特性とは独立的に処理された(たとえばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済のイメージデータを含む印刷ファイル(線画データDLW1、連続階調画像データDCT1、およびジョブチケットを含む)をファイル転送部540から受け取り、受け取った印刷ファイルを画像記憶部602に格納する印刷ファイル受信部の一例である分離データ受信部601を備える。
【0101】
この分離データ受信部601には、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりフロントエンドプロセッサFEP部500との間の電気信号の伝送を採るインタフェース部が組み込まれている。
【0102】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して、フロントエンドプロセッサFEP部500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済のイメージデータをIOTコア部20側に送出する伸張処理部610を備える。
【0103】
伸張処理部610は、画像記憶部602から読み出し伸張処理したイメージデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、あるいは拡大もしくは縮小など、画像編集機能を備えている。なお、この画像編集機能なす機能部分を伸張処理部610とは独立に設けてもかまわない。
【0104】
この伸張処理部610は、フロントエンドプロセッサFEP部500の圧縮処理部530に対応して、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを個別に伸張処理するため、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画データDLW1を伸張処理するLW伸張処理部612と、CT圧縮処理部534により圧縮処理された連続階調画像データDCT1を伸張処理するCT伸張処理部614とを備える。
【0105】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、IOTコア部20の処理性能に依存してバックエンドプロセッサBEP部600の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620を備える。
【0106】
なお図示していないが、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着部70あるいはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、あるいはページ排出順や向きなど)を特定する出力形態特定部と、この出力形態特定部が特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着部70あるいはフィニッシャなどの各部を制御する制御部とを備える。
【0107】
また、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達されるイメージデータを含む印刷ファイルから、属性記述方式情報を抽出する属性記述方式情報抽出部の機能も備える。さらに、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達される画像オブジェクト(すなわちイメージデータ)の属性を示すイメージ識別情報LW/CTを抽出する属性情報抽出部の機能も備える。
【0108】
印刷制御部620は、たとえば、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られた印刷ファイルの付加データDSELに含まれている属性記述方式情報を参照して、先ずイメージデータの属性を示すイメージ識別情報の電送方式を特定する。そして、特定した電送方式が透過コード方式の場合には、線画文字オブジェクトLWに対応するイメージデータLWの濃度情報からイメージ識別情報LW/CTを抽出する。一方、特定した電送方式がスクリーンフラグ方式の場合、印刷ファイルの付加データDSELに含まれているスクリーンフラグを取り出して、イメージ識別情報LW/CTとする。
【0109】
なお、イメージデータの属性を示す情報をイメージデータに添付して送付する技術として、複写装置やFAX装置などにおいては、スキャナで読み取りによって得られたイメージデータとともに、原稿の領域属性情報を送付する技術がある。しかしながら、この場合、読み取ったイメージデータから個々の画素がテキスト部分なのかグラフィックス部分なのかを判別(領域判別)し、この領域判別の結果をイメージデータとともに送付するものであるので、画素の属性は必ずしも正確ではなく、領域判別の性能の影響を受ける。
【0110】
これに対して、本実施形態では、たとえばページ記述言語PDLで表されたデータのように、文字や絵柄などを明確に峻別可能なデータに基づいてイメージデータを生成するとともに、ページ記述言語PDLなどで表された文字や絵柄など情報を参照して、そのイメージの画素の属性を示す属性情報を生成するので、画素の属性は正確である。したがって、この正確な属性情報に基づいて、それぞれに応じた処理を施すことで、精度のよい処理が可能となる。
【0111】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、伸張処理部610の後段に、個別に伸張処理された線画データDLWおよび連続階調画像データDCTを結合することで合成画像を得るイメージデータ結合部の一例であるマージ部630を備える。
【0112】
フロントエンドプロセッサFEP部500のイメージデータ分離部520にて分離された線画データDLWは、LW圧縮処理部532で圧縮されて出力側(フロントエンドプロセッサFEP部600)のLW伸張処理部612に転送され、連続階調画像データDCTはCT圧縮処理部534で圧縮されて出力側(フロントエンドプロセッサFEP部600)のCT伸張処理部614に転送される。
【0113】
伸張処理部612,614は、それぞれの圧縮方法に合った方法でデータ伸長し、データ伸長した線画データDLW2をマージ部630のLW解像度整合部632に、データ伸長した連続階調画像データDCT2をマージ部630のCT解像度整合部634に送る。
【0114】
マージ部630は、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとの解像度を合わせる機能部分としてLW解像度整合部632およびCT解像度整合部634を備え、さらに解像度が合わされた線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを1つの画像に統合する(纏める)画像結合部636を備える。
【0115】
LW解像度整合部632およびCT解像度整合部634は、2つの画像オブジェクトの解像度を合わせる。たとえば、連続階調画像データDCT2の解像度が400dpi(dot per inch;1インチ当たりの画素数)で線画データDLW2の解像度1200dpiの場合、連続階調画像データDCT2を3倍拡大して2種類の画像オブジェクトの解像度を合せる。LW解像度整合部632,634で解像度(dpi)を合せられた両データは画像結合部114に送られる。
【0116】
画像結合部114は、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られた個々の画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを切り分けることで1つの画像データD2に統合する。
【0117】
たとえば、線画文字オブジェクトLWは8ビット、多階調画像オブジェクトCTも8ビットで、画像オブジェクトの属性を示す情報(セレクト信号)が1ビットであるケースを考える。単純に、これらをフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に伝達しようとすると、トータルで17(=8+8+1)ビットが必要となる。
【0118】
これに対して、画像オブジェクトの属性を示す情報の伝達方式として、透過コード方式を使用する場合、たとえば線画文字オブジェクトLWの濃度情報“0”(階調がゼロ)に、属性判別情報を割り当てる。すなわち、線画文字オブジェクトLWの濃度情報が“0”の場合には、多階調画像オブジェクトCTの濃度情報が優先され、線画文字オブジェクトLWの濃度情報が“0”以外の場合には、線画文字オブジェクトLWの濃度情報が優先されるようにする。この場合、線画文字オブジェクトLWが再現し得る階調は255階調となる。
【0119】
たとえば、LW値=“0”時には、画像結合部636は、多階調画像オブジェクトCTの画像濃度を、出力画像データD2にそのまま載せる。たとえば、LW値=“0”,CT値=“200”の画素については、CT値=“200”を出力画像データD2の値として選択する。
【0120】
一方、LW値=“0”以外のときには、LW値が“1”の場合とLW値=2〜255の場合とで処理を切り分ける。たとえば、画像結合部636は、LW値=“1”のとき、線画文字オブジェクトLWの画像データを優先して選択することで画像を統合(マージ)する。そして、階調補正処理部640における階調補正にて不要な画像成分が生じないよう(たとえばかぶり防止)、この後に、LW値=“1”を“0”に置換する。たとえば、LW値=“1”,CT値=“200”の画素については、LW値=“1”を出力画像データD2の値として選択し、その後“0”に置換する。このため、線画文字オブジェクトLWがマージ後に取り得るLW値は、0,2,3,4,…,255の255階調になる。
【0121】
また、LW値=2〜255の場合、画像結合部636は、LW画像を優先して選択し、マージ後も出力画像データD2にそのままリニアに載せる。たとえば、LW値=“255”,CT値=“0”の画素については、LW値=“255”を出力画像データD2の値として選択し、“255”のまま出力する。
【0122】
なお、IOTコア部20のパターンジェネレータ部762(後述する図6(B)を参照)から発せられるテスト信号を用いたPG冶具モードで稼動する場合は、イメージ種(画像オブジェクトの属性)に関わらず、線画文字オブジェクトLW(RAW値)で処理する。
【0123】
前述の例では、イメージ識別情報に基づいて、何れか一方の濃度情報のみを出力画像データD2に反映させるようにしていた、すなわち、2レイアで送られたイメージデータLW,CTの加算比率(いわゆる重付け)を、“100対0”にしていたが、必ずしも、このような画像統合(マージ)でなくてもよい。
【0124】
たとえば、線画文字オブジェクトLW部分はイメージデータLWの割合が多くなり、逆に多階調画像オブジェクトCT部分はイメージデータCTの割合が多くなるよう、イメージ識別情報に基づいて2レイアで送られたイメージデータLW,CTの加算比率(いわゆる重付け)を“100対0”以外のものに切り替える、つまりマージの優先度を調整するようにしてもよい。また、スキャン系画像とプリント系画像の識別を示す情報もフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に伝達することとし、この情報とイメージ識別情報の両者を参照して、画像統合時の重付けを調整する構成としてもよい。
【0125】
以上のように、本実施形態の構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500のRIP処理部510から出力側であるバックエンドプロセッサBEP部600側に転送する画像データの圧縮において、線画文字オブジェクトLWおよび多階調画像オブジェクトCTに分離してそれぞれに適した圧縮方法を使用しているため、データの圧縮率を上げることができる。
【0126】
たとえば、A2サイズの270MBが従来(第1実施形態も)では67MBの圧縮であったが、第2実施形態では16MBまで圧縮できる。また、PDLデータのラスターイメージ処理には時間が掛かるが、オブジェクト属性に応じて分離してから個々にラスターイメージ処理(ラスタライズ)をするようにすれば、RIP処理時間を短縮することもできる。
【0127】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、マージ部630にて統合された画像データD2に対して、プリントエンジン30や定着器70の特性に依存した階調特性(TRC;Tone Reproduction Curve )の補正処理(TRC;ToneReproduction Correction;色調補正制御処理)をする階調補正処理部640を備えている。
【0128】
階調補正処理部640は、YMCKの各色のデジタル画像データを、たとえばルックアップテーブルLUTを参照してガンマ(γ)補正する。また、階調補正処理部640は、プリント出力信号処理系統の内部の特性値である濃度あるいは明度を表す各色の画像データY,M,C,Kを、プリントエンジン30の特性値の面積率に応じて、色補正処理する。これらの手法に関しては公知技術であるので、その詳細説明を割愛する。
【0129】
この階調補正処理部640により処理されたYMCKデータは、インタフェース部650を介してIOTコア部20の中間調処理部に入力され、この中間調処理部にてハーフトーニング処理(疑似中間調処理)やスクリーン処理が施された後に、プリントエンジン30の光源に変調2値化信号として入力される。
【0130】
階調補正処理部640は、TRC面として、後述するスクリーン種に対応した数のものを使用する。たとえば、後述するように、スクリーンは150C(Cluster;クラスタ),200C,200R(Rotation ;ローテーション/斜交スクリーン),300,600の5種類を基本構成とするので、スクリーン種5×1面=5面(色剤ごと)を持つものとする。なお、ページ間でダイナミックに補正をかける場合を考慮し、事前展開用RAMエリアを十分に確保することが望ましい。
【0131】
本実施形態においては、階調補正処理におけるグレイバランス補正は、ジョブ前に装置内の各部の状態を診断する診断処理(Diagnostic)機能にて行なう非同期の手法を用いる。
【0132】
それぞれの色調補正制御処理TRCは画像オブジェクト単位(事実上、画素単位)で切り替え可能とし、1ページ中には最大3スクリーンが存在するため(後述のスクリーンについての説明を参照)、3種類の色調補正制御処理(3TRC)の切替えが発生する。切替えの方法は、ハードウェアHW外部タグ(Tag)による方法と、ASIC(特定用途向けIC)で実装しているエリアタグ(Areatag)による内部Tag切替えの両方を実装する。
【0133】
ここで、外部tagの場合、線画文字オブジェクトLWのLW値=“00h”(hはヘキサデータを意味する)を参照して、色調補正制御処理TRCを切り替える場合と、スクリーンフラグを参照して切り替える場合が存在する。
【0134】
また、ルックアップテーブルLUT切替え時(SWLUT)の設定時間を考慮し、色調補正制御処理をパスさせること(TRCスルー)の実現は、LUTパラメータでスルーを構成しなくてもよいように、各面独立にスルーモードレジスタ(バイパスでも可)を設けておく。
【0135】
この階調補正処理部640においては、フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に伝達される画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、階調補正カーブを切り替える。
【0136】
図5は、画像オブジェクト(すなわちイメージデータ)の属性を示す情報に基づいて、階調補正カーブを切り替える手法の一例を示す図である。たとえば、プリントエンジン30の階調再現特性がリニアでなく、図5(A)に示すように、やや硬調の(ガンマγが立っている)場合を考える。
【0137】
多階調画像オブジェクトCTは、階調再現性が重要視されるので、印刷出力時の階調再現性がリニアとなるように、階調補正処理部640は、図5(B)に示すように、プリントエンジン30の階調再現特性と逆特性のやや軟調の補正カーブを多階調画像オブジェクトCTに適用する。こうすることで、補正後の階調再現性は略リニアになる。
【0138】
これに対して、線画文字オブジェクトLWの場合には、コントラストが強い方が好ましい。本例においては、プリントエンジン30の階調再現特性が硬調であるので、プリントエンジン30の階調再現性をそのまま適用してもかまわない。そこで、階調補正処理部640は、図5(C)に示すように、略リニアな補正カーブを線画文字オブジェクトLWに適用する。こうすることで、補正後の階調再現性は硬調となり、コントラストの強い画像が得られるようになる。
【0139】
このように、本実施形態の構成によれば、階調補正処理部640は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達されたイメージ識別情報を参照することで、1ページ内においてオブジェクト単位で階調補正特性を切り替えることができる。これにより、文字・線画と背景部のきめ細かな階調調整が達成でき、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な印刷品質を得ることが可能となる。
【0140】
図6は、IOTコア部20における中間調処理部の一例を示す図である。ここで、図6(A)は、中間調処理部760の全体構成を示す図、図6(B)は、スクリーン処理部766の一構成例を示す図、図6(C)は、スクリーン生成の概念を説明する図である。なお、図6(B)に示すスクリーン処理部766の構成例は、スクリーン切替えの原理を説明するために用いたもので、実際のものは、この図6(B)に示したものとは異なる。
【0141】
図6(A)に示すように、IOTコア部20は、前述のプリントエンジン30の他に、中間調処理をする信号処理系統として、パターンジェネレータ部(PG)762、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal processor)部764、アナログスクリーンの手法を利用するスクリーン処理部766、およびROS制御部768を具備した中間調処理部760をYMCKの色ごと(ハーフトーンY〜K;HalftoneY〜K)に備える。
【0142】
パターンジェネレータ部(PG)762は、IOTコア部20単体で検査をするためのテスト信号を発生する。また、1次色〜3次色のキャリブレーション処理に使用される、所定の1次色、所定の2次色、および所定の3次色(特に記憶色)を表すテストパッチデータを出力する。また、グレイバランス用のテストパッチデータも出力する。
【0143】
このパターンジェネレータ部(PG)762からのテストパッチデータと、バックエンドプロセッサBEP部600からのテストパッチを配した1ページ分の標準画像データとの違いは、ページ単位であるのか否かである。何れのデータをテスト信号として使うかは、キャリブレーションの手法に依る。ここではその詳細についての説明を割愛する。
【0144】
デジタルシグナルプロセッサ部764は、たとえば1次元ルックアップテーブルLUTを用いて入り口側との間で階調補正をする機能部分764a、ユーザの好みの階調に合わせる機能部分764b、プリントエンジン30側との間で階調補正をする機能部分764cを備える。
【0145】
クリーン処理部766は、プロセスカラーの階調トナー信号をオン/オフの2値化トナー信号に変換し出力するものであり、閾値マトリクスと階調表現されたデータ値との比較による2値化処理とエラー拡散処理を行なう。本構成例のスクリーン処理部766は、網点形状やスクリーン角設定の自由度は少ないが、解像度と階調数のトレードオフのない方式であるアナログ方式のスクリーン生成技術を利用する。
【0146】
ROS制御部768は、スクリーン処理部766によりハーフトン化された2値化トナー信号をプリントエンジン30の光源37に送り、たとえば400dpi(略16ドット/mm)に対応するように、ほぼ縦80mφ、幅60μmφの楕円形状のレーザビームをオン/オフして中間調の可視画像を用紙上に再現する。
【0147】
スクリーン処理部766は、図6(B)に示すように、デジタルシグナルプロセッサ部764からの8ビットのデジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器782、D/A変換後のアナログ画像信号に対してのバッファ機能をなすバッファ部(BA;Buffer Amp)783、およびスクリーン処理用のパターン信号(本例では所定周波数の三角波)を生成するパターン生成器784a,784bを備える。パターン生成器784aは、200線用の三角波を発生し、パターン生成器784bは、400線用の三角波を発生する。
【0148】
また、スクリーン処理部766は、D/A変換後のアナログ画像信号とパターン生成器784a,784bからの三角波のDCレベルを合わせるためのDCバイアスを発生するDCバイアス部786a,786b、DCバイアス部786a,786bからのDC成分をパターン生成器784a,784bからの三角波に重畳する加算部787a,787b、D/A変換後のアナログ画像信号とDCバイアス分が重畳された三角波とを比較するコンパレータ(COMP)788a,788b、および2つのコンパレータ788a,788bの出力の何れか一方を選択して出力する選択部789を備える。
【0149】
この構成においては、図6(C)に示すように、たとえば、256階調を有するデジタル信号をD/A変換器782でD/A変換してアナログ信号化した後、このアナログ信号化した信号SAとパターン生成器784a,784bで発生された三角波信号SPa,SPbとをコンパレータ788a,788bで大小比較することで、画素ごとに256分割(すなわち256階調)のパルス幅変調信号を得る。そして、プリントエンジン30の光源37を駆動することで画像記録を行なわせる。
【0150】
この方式によってできるスクリーンは、パターン生成器784a,784bで生成可能な波形で決定されるため、通常、万線スクリーンとなり、ドット形状を自由に変えることはできない。なお、三角波のリニアリティが階調特性のリニアリティに影響を与え、周波数が高いほどリニアリティが悪いので、一般的には、線数の小さいスクリーンの方が階調特性のリニアな画像が得られる。
【0151】
なお、図6(B),(C)に示した構成は、スクリーンを切り替えるための原理を説明するものであり、本実施形態では、さらに後述するように、3種以上のスクリーンの中から、画像オブジェクトごとにスクリーンを切り替えるようにする。たとえば、IOTコア部20で選択可能なスクリーン種として、150C,200C,200R,300R,600dpi/8ビットの5種を基本とし、さらに1200dpi/1ビットや2400dpi/1ビットを拡張機能として切替え可能にしてもよい。たとえばスクリーンフラグ有りのときのみ、拡張機能を有効とする。
【0152】
ここで、DFE装置すなわちフロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間の信号として、スクリーンフラグ(flag)有りを指定可能なときには、画像オブジェクトごとのスクリーン指定はDFE装置上で行なわれ、DFE装置側は1ページ中で3〜4種のスクリーン種を切り替えたい場合は2ビットのスクリーンフラグビットでバックエンドプロセッサBEP部600側へスクリーン種を指示する。すなわち、基本的には、1ページ中で取り得るスクリーン種は最大4種類である。
【0153】
具体的には、先ずDFE装置は、ジョブチケットでスクリーンフラグ(tag)有りを受信する。DFE装置は、スクリーンの画像オブジェクト1(本例では線画文字オブジェクトLW)、画像オブジェクト2(本例では多階調画像オブジェクトCT)といった、それぞれのスクリーン種(150C/200C/200R/300/600)を指定し、ジョブチケットでバックエンドプロセッサBEP部600へ通知する。
【0154】
なお、ここで想定しているのは、図9のように、線画文字オブジェクトLWは200C,300,600の中で1種類指定し、多階調画像オブジェクトCTは200C,200R,300,150Cの中から1種類指定可能とし、黒文字(Black text)や黒線(Black line)では1200dpi/1ビットをIOTコア部20側に指示させることも可能とする。
【0155】
なお、フロントエンドプロセッサFEP部500(DFE装置)とバックエンドプロセッサBEP部600との間では、2ビット/4種類のスクリーンが取り得ても、実際はIOTコア部20の回路上の制限から、実際には3種のスクリーンが最大である。
【0156】
IOTコア部20側に出力させるスクリーンは4ビットであり、DFE装置から指示されたスクリーンフラグビット(2ビット)からのデコードは、バックエンドプロセッサBEP部600で行なう。
【0157】
バックエンドプロセッサBEP部600はDFE装置から指定された画像オブジェクト1,2(LW/CT)のスクリーン種類をSys部85経由でIOTコア部20へ通知する。
【0158】
DFE装置からは、スクリーンビットに関して、表1に示すような意味付けを持たせることができる。そのため、バックエンドプロセッサBEP部600内部に各色ごとに2ビット→4ビットデコードのロジックRAMやレジスタを実装する。
【表1】
【0159】
図7は、バックエンドプロセッサBEP部600におけるイメージ識別情報LW/CTのデコード手法の一例を示す図である。ここで、図7(A)は、属性記述方式情報がスクリーンフラグ方式で示される場合のバックエンドプロセッサBEP部600とIOTコア部20との間のスクリーンタグ(Screen Tag)信号の一例を示し、図7(B)は、属性記述方式情報が透過コード方式で示される場合のバックエンドプロセッサBEP部600とIOTコア部20との間のスクリーンタグ信号の一例を示す。
【0160】
図7(A)に示すように、スクリーンフラグ方式が採用される場合、フロントエンドプロセッサFEP部500側では、たとえば2ビットの属性情報を各8ビットのイメージデータとパックして(纏めて)、1つの印刷ファイルとしてバックエンドプロセッサBEP部600へ転送する。これを受けて、バックエンドプロセッサBEP部600の印刷制御部620は、それをデコードして階調補正特性の切り替えや画像統合処理(マージ)の優先情報に、あるいはエンジン側のスクリーン線種の切り替えに用いる。
【0161】
また、図7(B)に示すように、透過コード方式が採用される場合、フロントエンドプロセッサFEP部500は、線画文字オブジェクトLWに対応するイメージデータの濃度情報にイメージ識別情報LW/CTを埋め込む。これを受けて、バックエンドプロセッサBEP部600側では、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られてきたLW側の00h(透過コード)を参照し、印刷制御部620でLW/CT独立に2種類のスクリーンが切り替えられるスクリーンタグ信号に置き換える。そして、00hならCT側の濃度を出力し、00h以外ならLW側をマージ時に選択する。また、この透過コードを参照し、LWとCT用の階調特性(TRC)を切り替える、画像統合処理(マージ)の優先度合いを切り替える、あるいはエンジン側のスクリーン線種を切り替えさせる。これを受けて、IOTコア部20は、バックエンドプロセッサBEP部600にてデコードされた情報を参照して、1ページ内において、個々の画像オブジェクトに応じて、スクリーン線種を切り替える。
【0162】
図8および図9は、IOTコア部20にてスクリーンを切り替える態様の一例を示す図である。ここで、図8は、バックエンドプロセッサBEP部600とIOTコア部20との間の信号として、スクリーンフラグがある場合の一例を示し、図9は、スクリーンフラグがない場合の一例を示す。
【0163】
図10は、クラスタスクリーンとローテーションスクリーンの概要を示す図である。ここで、図10(A)はクラスタスクリーンマトリクス(単位パターン×4)の例を示し、図10(B)はローテーションクリーンの例を示す。
【0164】
疑似中間調画像を生成するためのハーフトーンスクリーンとは、原画像の画素値との大小比較を行ない、その結果により2値のハーフトーン画素値を生成するための、2次元閾値値配列である。通常、この2次元閾値配列は単位パターンとして構成し、画像に対して2次元的に繰り返して適用される。
【0165】
単位パターンは、ハーフトーン階調を表現する基本単位であり、いわゆる渦巻型ディザパターンでの例では、4×4マトリクスの各セルに格納した閾値配列が単位パターンである。この場合、階調数は16である。単位パターンを複数連結することでより階調数の多いスクリーンを作成することも行なわれる。これは、クラスタタイプのスクリーンといわれ、たとえば図10(A)にて示す通りである。
【0166】
この図10(A)のスクリーンでは、階調数は64である。単位パターンが大きい程、またクラスタとしての連結数が多い程、階調数は多くなるが、基本単位は2次元的に拡大するので、解像度は低下する。すなわち、階調数と解像度は相反する関係にあり、要求仕様に基づいて最適化された関係に設計される。
【0167】
画像処理装置、たとえばゼログラフィによるプリンタ装置では、通常、網点形成法によるハーフトーン化が用いられている。ゼログラフィでは、単独のドットを複数個出力するよりも、クラスタ状に固めて出力した方が安定した画像出力が得られるという性質があり、この点で網点形成法は、ゼログラフィに適したハーフトーニング法であるということができる。
【0168】
一方、直交格子または斜交格子を用いて網点の核を生成し、この核から目標の網点形状に合わせた成長を行なうことによって閾値マトリックスを生成するのがローテーションスクリーンである。ここで、空間座標に対して任意角度を持った直交格子を閾値マトリックスに利用したスクリーンが直交格子スクリーンといわれ、格子の交わり角度が90度以外のものを含む格子から作成されるスクリーン全般が斜交格子スクリーンといわれている。
【0169】
直交格子スクリーンは、斜交格子スクリーンの特別な場合、すなわち格子の交わり角度が90度の場合である。このことから、斜交格子スクリーンは、直交格子スクリーンよりも幅広いスクリーンサイズ、角度、線数の条件を満たすことは明らかである。以下特に断らない限り、直交格子スクリーンも斜交格子スクリーンに含めて考える。
【0170】
斜交格子は、空間座標のx軸、y軸に対して、それぞれ角度θと角度ωの平行直線で作成する。この場合、平行直線の線間隔は固定値をとらなくてはならないが、図10(B)に示すように、それぞれの角度が異なる線間隔L1,L2をとることは可能である。
【0171】
なお、スクリーンによっては、たとえばハイライト部やシャドー部が潰れてしまうという現象が起こることがある。このため、ハーフトーン化処理を行なう前に、この潰れなどを見込んで、階調補正処理部640にて階調補正を行なって、元の多階調画像のトーンカーブ修正を行なうようにしてもよい。
【0172】
次に、スクリーンを画像オブジェクトに応じて使い分ける手法の考え方について説明する。スクリーンとしてクラスタCを使用すると、ドットなのでスクリーン角度が90度範囲で振れる。また印字部分が集中しているのでローテーションR(ライン)よりも階調性がよい。これに対して、ローテーションR(ライン)を使用すると、ラインなのでスクリーン角度が180度で振れるのでモアレに強いが、角度方向成分が強いので中間調の細線が抜け易い。
【0173】
また150線では、ガンマγがリニアに近くエンジンの安定性がよいが、キメが粗くなり、中間調細線が消失し易い。200線では、ガンマγが若干立っているが、その他の特性は普通である。300線は、ガンマγがきつく粒状性が悪いが、キメが細かい。ただし、階調性に関しては改善の余地がある。
【0174】
各スクリーンの性質は上記の通りであるが、実際には、使っているエンジン特性ともからむので、一概には言えない部分もある。どのようなスクリーンを選択すべきかの判定に際しては、たとえば、以下の点を考慮するのがよい。
1)階調性最重視、安定性重視のプレゼンテーション原稿(プリンタのクリエーション出力)などには150C(150線クラスタ)が向いている。
2)地図のような精細画像の出力には300線が向いている。
3)印画紙写真のスキャン画像は周期構造を持たず、キメ細かさと素直なガンマγが要求されるので、200C(200線クラスタ)が向いている。
4)印刷写真のスキャン画像やプリントの混在原稿は周期構造を持っているので、モアレ懸念のため200R(200線ローテーション)が適している。
5)中間調細線を表の罫線として使用するアプリケーションソフトウェアの画像を印刷する場合は、200C(200線クラスタ)が向いている場合もある。
【0175】
なお、クラスタCとローテーションRの使い分けは難しく、エンジン特性と関係する。モアレが見え難いものであれば、クラスタCで一本化することも可能である。ただ、装置によっては、クラスタCよりもローテーションRの方が階調性がよいというケースもある。このような場合には、200Rを各モード(プリンタ/コピーとも)のメインとして使用してもよい。
【0176】
本実施形態のバックエンドプロセッサBEP部600は、画像オブジェクトの属性を示す情報をイメージデータともにフロントエンドプロセッサFEP部500から受け取る。そして、1ページ内において、たとえば、線画文字オブジェクトLWについては600線スクリーンを使用し、多階調画像オブジェクトCTについては200線スクリーンを使用するというように、画像オブジェクトごとにスクリーンを切り替えるよう、IOTコア部20を制御する。
【0177】
また、印画紙写真のスキャン画像の印刷時には、200線クラスタスクリーンを使用することで、周期構造を持たずキメ細かさと素直なガンマγの画像を出力可能とし、印刷写真のスキャン画像やプリントの混在原稿の印刷時には、モアレの生じ難い200線ローテーションスクリーンを使用することができる。
【0178】
このように、本実施形態によれば、IOTコア部20側で、画像オブジェクト単位(事実上画素単位)のスクリーン切替えが可能となり、文字・線画と背景部の階調特性やスクリーンによる高画質が達成可能となり、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な印刷品質を得ることが可能となる。
【0179】
また、透過コード方式とスクリーンフラグ方式などイメージ識別情報の電送方式を峻別する属性記述方式情報を印刷ファイルに記述しておき、バックエンドプロセッサ側では受け取った印刷ファイルの記述を参照して透過コード方式とスクリーンフラグ方式とを自動的に判別することで、たとえばLW/CT独立に、階調補正特性、スクリーン種、マージの優先度を自動的に決めることができる。
【0180】
すなわち、システムに接続されるフロントエンド側が異なる仕様のメーカである場合に、両者間でイメージ識別情報の電送方式に関してのネゴシエーションを行なわなくても、イメージデータ生成装置が採用しているイメージ識別情報の電送方式を自動判別することができるので、生産性を低下させることなく、個々の画像オブジェクトに対して、それぞれに好適な画像処理を施すことができる。
【0181】
これにより、システムに接続されるフロントエンド側が異なる仕様のメーカであったとしても、混在してバックエンドを経由してエンジン側へイメージデータを出力することが可能となり、ビジネスチャンスの拡大とお客様の既存RIPエンジンを生かした印刷システムを構築することができるようになる。
【0182】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0183】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0184】
たとえば、上記実施形態では、テキストオブジェクトとグラフィックスオブジェクトという個々の画像オブジェクトに対応する2つの圧縮イメージデータLW,CTを2レイアで送り、また個々の画素ごとにオブジェクト属性情報(すなわちイメージ識別情報)を付帯情報として対応付けて送るようにしていたが、テキストオブジェクトとグラフィックスオブジェクトとを纏めて1つのイメージデータとして送るとともに、そのイメージを構成する個々の画像オブジェクトごとにオブジェクト属性情報を付帯情報として対応付けて送るようにしてもよい。この場合においても、オブジェクト属性情報を参照して、個々の画像オブジェクトに対応するように画像処理(たとえば階調補正処理やスクリーン種別など)の特性を切り替えるとよい。
【0185】
また、上記実施形態では、記録媒体上に可視画像を形成する主要部であるプリントエンジンとして電子写真プロセスを利用するものに対して、本発明を適用した事例を説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置を備えた画像形成システムに本発明を適用し得る。
【0186】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用したプリントエンジンを備える印刷装置(プリンタ)を例に説明したが、画像形成装置は、これに限らず、カラー複写機やファクシミリなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有するものであればよい。
【0187】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、上記実施形態で述べた効果は達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0188】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0189】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像オブジェクトの属性を示す情報を、たとえば透過コード方式やスクリーンフラグ方式などで、イメージデータを生成するフロントエンドプロセッサFEP部からバックエンドプロセッサBEP部に伝達するようにした。そして、画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、1ページ内において個々のオブジェクトごとに、たとえば階調特性を切り替えたり、IOTコア部側でオブジェクト単位のスクリーン切替えたりするようにした。
【0190】
これにより、文字・線画と背景部の階調特性やスクリーンによる高画質が達成可能となり、オンデマンドプリンティングとして要求される高度な印刷品質(画像品質)を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理システムを適用した画像形成システムの一実施形態を示す図である。
【図2】フロントエンドプロセッサFEP部とバックエンドプロセッサBEP部の機能役割分担の一例を纏めて示した図である。
【図3】フロントエンドプロセッサFEP部およびバックエンドプロセッサBEP部の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】線画データDLWと連続階調画像データDCTの分離を説明する図である。
【図5】画像オブジェクトの属性を示す情報に基づいて、階調補正カーブを切り替える手法の一例を示す図である。
【図6】中間調処理部の一例を示す図である。
【図7】バックエンドプロセッサBEP部におけるイメージ識別情報のデコード手法の一例を示す図である。
【図8】IOTコア部にてスクリーンを切り替える態様の一例を示す図である。(スクリーンフラグがある場合)
【図9】IOTコア部にてスクリーンを切り替える態様の一例を示す図である。(スクリーンフラグがない場合)
【図10】クラスタスクリーンとローテーションスクリーンの概要を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…IOTモジュール、5…フィードモジュール、7…出力モジュール、8…ユーザインタフェース装置、9…連結モジュール、20…IOTコア部、30…プリントエンジン、31…光走査装置、32…感光体ドラム、39…電気系制御収納部、43…中間転写ベルト、45…2次転写部、70…定着器、80…GUI部、500…フロントエンドプロセッサFEP部(イメージデータ生成装置)、502…データ格納部、510…RIP処理部、516…画像配置処理部、520…イメージデータ分離部、523…LWラスターイメージ処理部、525…CTラスターイメージ処理部、530…圧縮処理部、532…LW圧縮処理部、534…CT圧縮処理部、540…ファイル転送部、550…結合部、600…バックエンドプロセッサBEP部(画像処理装置)、601…分離データ受信部(印刷ファイル受信部)、602…画像記憶部、610…伸張処理部、612…LW伸張処理部、614…CT伸張処理部、620…印刷制御部(属性情報抽出部)、630…マージ部、632…LW解像度整合部、634…CT解像度整合部、636…画像結合部、640…階調補正処理部、760…中間調処理部、762…パターンジェネレータ部、764…デジタルシグナルプロセッサ部、766…スクリーン処理部、768…ROS制御部
Claims (19)
- 印刷データを構成するイメージデータと、前記イメージデータの属性を示す情報とを対応付けて受け取り、
この受け取った前記イメージデータの属性を示す情報に基づいて、前記イメージデータに対して、当該イメージデータに適応した所定の画像処理を施す
ことを特徴とする画像処理方法。 - 印刷データに基づいてイメージデータを生成するイメージデータ生成装置と、前記イメージデータ生成装置により生成された前記イメージデータに対して所定の画像処理を施す画像処理装置とから構成されている画像処理システムであって、
前記イメージデータ生成装置は、前記印刷データを構成する前記イメージデータを生成して前記画像処理装置に送出するとともに、この生成したイメージデータの属性を示す情報を当該イメージデータに対応付けて前記画像処理装置に送出し、
前記画像処理装置は、前記イメージデータ生成装置から受け取った前記イメージデータの属性を示す情報に基づいて、前記イメージデータ生成装置から受け取った前記イメージデータに対して、当該イメージデータに適応した前記所定の画像処理を施す
ことを特徴とする画像処理システム。 - 前記イメージデータ生成装置は、前記イメージデータの属性を示す情報を、当該イメージデータの濃度情報に埋め込んで前記画像処理装置に送出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
- 前記イメージデータ生成装置は、前記イメージデータの属性を示す情報を、当該イメージデータとは独立の識別情報として前記画像処理装置に送出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
- 前記独立の識別情報は、疑似中間調処理に関わるスクリーンの種別を現す情報を兼ねるものであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
- 前記画像処理装置は、前記イメージデータに適応した所定の画像処理として、出力画像の階調再現性を補正する階調補正処理、前記イメージデータに基づいて合成画像を得るイメージデータ結合処理、疑似中間調処理に関わるスクリーン処理のうちの少なくとも1つを施すことを特徴とする請求項2から5のうちの何れか1項に記載の画像処理システム。
- 前記イメージデータ生成装置は、前記イメージデータの属性に対応する前記イメージデータをページ単位で生成することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の画像処理システム。
- 画像を所定の記録媒体上に記録する画像記録部を備え、
前記画像処理装置は、前記画像処理を施したイメージデータを前記画像記録部に送出して前記画像記録部を制御することを特徴とする請求項2から7のうちの何れか1項に記載の画像処理システム。 - 前記イメージデータ生成装置は、前記画像記録部の処理特性とは独立的に前記イメージデータを生成するものであり、
前記画像処理装置は、前記イメージデータ生成装置にて前記画像記録部の処理特性とは独立的に処理されたイメージデータを受け取り保持する画像記憶部と、前記画像記憶部から前記イメージデータを読み出して前記画像記録部に依存した処理をしてから、処理済の前記イメージデータを前記画像記録部に送出するよう制御する印刷制御部とを備えている
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理システム。 - 前記イメージデータ生成装置と前記画像処理装置との間の電気信号の伝送は、前記画像記録部に対して非依存の通信インタフェースで構築されており、
前記画像処理装置と前記画像記録部との間の電気信号の伝送は、前記画像記録部に依存した通信インタフェースで構築されている
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理システム。 - 印刷データを構成するイメージデータと、前記イメージデータの属性を示す情報とを対応付けて所定のイメージデータ生成装置から受け取る印刷ファイル受信部と、
前記印刷ファイル受信部が受け取った前記イメージデータの属性を示す情報に基づいて、前記イメージデータに対して、当該イメージデータに適応した所定の画像処理を施す画像処理部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記印刷ファイル受信部は、前記イメージデータの属性を示す情報を、前記イメージデータの濃度情報に埋め込まれた形態で受信するものであり、
前記印刷ファイル受信部が受信した前記イメージデータの濃度情報から、前記イメージデータの属性を示す情報を抽出する属性情報抽出部を備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 - 前記印刷ファイル受信部は、前記イメージデータの属性を示す情報を、前記イメージデータとは独立の識別情報として受信することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
- 前記イメージデータの属性を示す情報に基づいて前記画像処理を施す機能部分であって、
出力画像の階調再現性を補正する階調補正処理部、
前記イメージデータに基づいて合成画像を得るイメージデータ結合処理部、
疑似中間調処理に関わるスクリーン処理をするスクリーン処理部、
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項11から13のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。 - 画像を所定の記録媒体上に記録する画像記録部に向けて前記画像処理を施したイメージデータを送出して前記画像記録部を制御する印刷制御部を備えていることを特徴とする請求項11から14のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
- 前記イメージデータ生成装置において前記画像記録部の処理特性とは独立的に処理されたイメージデータを受け取り保持する画像記憶部を備え、
前記印刷制御部は、前記画像記憶部から前記イメージデータを読み出して前記画像記録部に依存した処理をしてから、処理済の前記イメージデータを前記画像記録部に送出するよう制御する
ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 - 前記画像記録部に非依存の通信インタフェースにより前記イメージデータ生成装置との間の電気信号の伝送を採るフロントエンド側のインタフェース部と、
前記画像記録部に依存した通信インタフェースにより前記画像記録部との間の電気信号の伝送を採る出力側のインタフェース部と
を備えていることを特徴とする請求項15または16に記載の画像処理装置。 - 所定のイメージデータ生成装置にて生成された、印刷データを構成するイメージデータに対して、所定の画像処理を施すためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記イメージデータ生成装置から送られた前記イメージデータの属性を示す情報に基づいて、前記イメージデータに対して、当該イメージデータに適応した前記所定の画像処理を施す画像処理部として機能させることを特徴とするプログラム。 - 所定のイメージデータ生成装置にて生成された、印刷データを構成するイメージデータに対して、所定の画像処理を施すためのプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体であって、
前記プログラムは、コンピュータを、
前記イメージデータ生成装置から送られた前記イメージデータの属性を示す情報に基づいて、前記イメージデータに対して、当該イメージデータに適応した前記所定の画像処理を施す画像処理部として機能させるものであることを特徴とする記憶媒体。
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2002
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