JP2004094038A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半透過型の液晶表示装置において、両基板の位置合わせずれに影響されることなく、優れた色再現性を得る。
【解決手段】外光を反射して画像を表示する反射部16とバックライト光17を透過して画像を表示する透過部18とで構成される画素電極15が規則的に複数配置されたTFT基板11と、各画素電極15に対応するカラーフィルタ23が画素電極15と相対する共通電極24上に形成されたカラーフィルタ基板21とが対向配置され、両基板間に液晶層26が充填された液晶表示装置において、反射部16と透過部18との境界域上にあるカラーフィルタ23に、反射部16と透過部18にそれぞれ平面的に重なる開口部31,32を2箇所設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】外光を反射して画像を表示する反射部16とバックライト光17を透過して画像を表示する透過部18とで構成される画素電極15が規則的に複数配置されたTFT基板11と、各画素電極15に対応するカラーフィルタ23が画素電極15と相対する共通電極24上に形成されたカラーフィルタ基板21とが対向配置され、両基板間に液晶層26が充填された液晶表示装置において、反射部16と透過部18との境界域上にあるカラーフィルタ23に、反射部16と透過部18にそれぞれ平面的に重なる開口部31,32を2箇所設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一つの画素内に反射表示領域と透過表示領域とを備えた半透過型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋外での使用を想定した液晶表示装置として、一画素内に反射表示領域(以下、反射部)と、透過表示領域(以下、透過部)とを備えた半透過型液晶表示装置が開発されている。
【0003】
この半透過型液晶表示装置では、TFT基板側に反射電極と透明電極が形成され、対向するカラーフィルタ基板側にカラーフィルタが形成されている。そして、反射部は外光を、また透過部はバックライト光を光源として、画像表示を行っている。
【0004】
上記のように構成された半透過型液晶表示装置において、透過部ではバックライトからの透過光がカラーフィルタを一回だけ通過するのに対し、反射部ではカラーフィルタを通過した外光が反射電極で反射され、再度カラーフィルタを通過して取り出されることになる。このように、反射部ではカラーフィルタを2回通過した光が観察者の目に映るため、同一のカラーフィルタを使用した場合、透過部による透過表示と反射部による反射表示とでは色再現性が異なって認識される。すなわち、反射部では色再現性は高くなるが反射率は低くなるため、透過部とは色再現性が異なることになる。これを解決するため、反射部と透過部とでカラーフィルタの透過率を換える方法、反射部に対応するカラーフィルタにのみレジストに穴を開ける方法などが提案されている。
【0005】
例えば、後者の具体例として特開2000−111902号公報には、カラーフィルタ基板側の反射部に対応する領域において、カラーフィルターが形成された領域とカラーフィルタが形成されていない領域(穴)とを設けた液晶表示装置が開示されている。これによれば、反射部においては、入射した光の一部はカラーフィルタが形成されていない領域を通過するため、すべての光がカラーフィルタを2回通過しなくなることから、反射部での反射率を低下させることなしに、反射表示と透過表示の色再現性の範囲をほぼ等しくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反射部に対応するカラーフィルタのみレジストに穴を開ける方法では、画素の反射部が狭い場合に、反射部と透過部との境界域上では、セルの組み立て工程においてTFT基板とカラーフィルタ基板との位置合わせずれに影響されやすく、少しの位置合わせずれでも設計通りの色再現性が得られなくなるという問題点があった。
【0007】
この発明の目的は、両基板の位置合わせずれに影響されることなく、優れた色再現性を得ることができる液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、外光を反射して画像を表示する反射部とバックライト光を透過して画像を表示する透過部とで構成される画素電極が規則的に複数配置された第1の基板と、前記各画素電極に対応するカラーフィルタが前記画素電極と相対する共通電極上に形成された第2の基板とが対向配置され、前記第1及び第2の基板間に液晶層が充填された液晶表示装置において、前記反射部と前記透過部との境界域上にある前記カラーフィルタに、前記反射部と前記透過部にそれぞれ平面的に重なる開口部が2箇所設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、反射部では入射した光の一部が第2の基板側に形成された開口部を通過することになるため、すべての光がカラーフィルタを2回通過しなくなり、この結果、反射表示と透過表示の色再現性の範囲はほぼ等しくなる。また、位置合わせの際に、カラーフィルタ基板がTFT基板に対してずれても、反射部と重なる領域の面積の増減と、透過部と重なる領域の面積の増減は等しくなる。すなわち、反射部と重なる領域の面積と、透過部と重なる領域の面積は変わらないため、反射部での反射率がほとんど変化することなく、設計通りの色再現性を得ることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記開口部が、前記画素電極の長手方向と直交する方向に設定された同一線上に2箇所設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記カラーフィルタが、更に前記透過部と平面的に重ならない位置に少なくとも一つの開口部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記開口部の前記反射部に重なる領域の面積が、前記透過部に重なる領域の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項3において、前記開口部の前記反射部に重なる領域と、前記透過部に重なる領域の面積とがほぼ等しいことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる液晶表示装置の実施の形態を添付の図面を参照しながら説明する。
【0015】
図3は、本実施の形態に係わる液晶表示装置の画素構造を示す概略平面図、図1は、図3のA−A線領域に相当する概略断面図、図2は、図3のB−B線領域に相当する概略断面図である。各図においては、説明に必要な部分のみを図示している。例えば、図3では、TFT、走査線、信号線等を省略している。以下、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0016】
TFT基板11は、透明なガラス基板12で構成されており、その平面領域は表示領域と額縁領域とに区分されている。このうち表示領域には、図示しない複数の信号線及びこれと直交する複数の走査線が絶縁膜13を介してマトリクス状に配置されており、このマトリクスの各格子毎に薄膜トランジスタからなる画素TFT14と画素電極15が形成されている。以下、画素電極15で構成される領域(符号なし)を画素という。
【0017】
表示領域内に配置された各画素において、画素電極15は、外光を反射して画像を表示する反射部16と、バックライト光17を透過して画像を表示する透過部18とで構成されている。反射部16は画素の周辺域に、透過部18は画素の中央域にそれぞれ配置されている。また、画素電極15は、反射部16では金属膜等により反射電極151として構成され、透過部18ではITO膜等により透明電極152として構成されている。なお、透過部18を画素の中央域に配置するのは、画素の周辺域には、図示しない信号線や走査線等の不透明配線が多く存在するため、光利用効率上、有利なためである。
【0018】
TFT基板11の外部には、図示しない偏光板、バックライト等が配置され、また内側には、その表面を覆うように図示しない配向膜が形成されている。
【0019】
一方、カラーフィルタ基板21は、TFT基板11と同じく透明なガラス基板22で構成されており、その表面にはカラーフィルタ23R、23G、23B(以下、総称を23という)、共通電極24等が形成され、さらに、その表面を覆うように図示しない配向膜が形成されている。また、カラーフィルタ基板21の外側には図示しない偏光板が配置されている。
【0020】
これらTFT基板11及びカラーフィルタ基板21は、セルギャップを規定するスペーサー柱25により所定間隔を保持した状態で対向配置され、基板の周囲を囲むように形成された図示しないシール材により貼り合わされている。また基板間には液晶層26が注入され、内部に充填されている。なお、TFT基板11とカラーフィルタ基板21は、それぞれ本実施の形態における第1の基板、第2の基板を構成している。
【0021】
次に、カラーフィルタ23に形成された開口部について説明する。
【0022】
カラーフィルタ23は、それぞれの画素に設定された色のレジストにより形成されている。ここでは、隣接する3つの画素について、R(赤),G(緑),B(青)に対応するカラーフィルタ23R、23G、23Bが形成されているものとする。なお、R,G,Bのそれぞれの画素をサブ画素とすると、この3つのサブ画素で表示単位としての一画素が構成されることになる。
【0023】
各画素に対応するカラーフィルタ23には、反射部16と透過部18との境界域上に開口部31,32が形成されている。この開口部31,32は、反射部16と透過部18にそれぞれ平面的に重なる位置に形成されている。また、図3に示すように、開口部31,32は画素電極15の長手方向であるY方向と直交するX方向に設定された同一線(図3ではA−A線と同じ)上であって、一画素のうち、反射部16と透過部18との境界域となる2箇所に設けられている。本実施の形態では、開口部31,32のそれぞれについて、反射部16に重なる領域の面積と、透過部18に重なる領域の面積とがほぼ等しくなるように設定されている。
【0024】
一方、カラーフィルタ23には、透過部18と平面的に重ならない位置に開口部33,34が形成されている。この開口部33,34は、画素電極15の長手方向であるY方向と直交するX方向に設定された同一線(図3ではB−B線と同じ)上であって、一画素につき2箇所に設けられている。なお、開口部33,34は、従来例の穴に相当するものであり、その位置、大きさ、数は開口部31,32との関係で設定される。例えば、開口部31,32の面積が十分に確保されていれば、開口部33,34は不要となる。
【0025】
上記のように構成された液晶表示装置によれば、TFT基板11の反射部16と透過部18との境界域上にあるカラーフィルタ23に開口部31,32が設けられ、また同じくTFT基板11の反射部16上にあるカラーフィルタ23に開口部33,34が設けられているため、反射部16では、入射した光の一部はこれら開口部31〜34を通過することになり、すべての光がカラーフィルタを2回通過しなくなるため、反射表示と透過表示の色再現性の範囲をほぼ等しくすることができる。
【0026】
また、本実施の形態では、カラーフィルタ基板21側のカラーフィルタ23に、TFT基板11側の反射部16と透過部18にそれぞれ平面的に重なる開口部31,32が2箇所設けられているため、セルの組み立て工程での両基板の位置合わせずれの影響を少なくすることができる。例えば、位置合わせの際に、カラーフィルタ基板21がTFT基板11に対して図の右側にずれたとする。この場合、開口部32では反射部16と重なる領域の面積が増え、透過部18と重なる領域の面積が減ることになるが、開口部31では反射部16と重なる領域の面積が減り、透過部18と重なる領域の面積が増えることになる。すなわち、開口部31,32を合計した面積で見てみると、反射部16と重なる領域の面積の増減と、透過部18と重なる領域の面積の増減は等しくなるため、反射部16と重なる領域の面積と透過部18と重なる領域の面積は全体としては変わらないことになる。したがって、位置合わせずれが開口部31,32のX方向の長さ以内に収まる範囲であれば、両基板の位置合わせずれが生じても反射部16での反射率がほとんど変化することがなく、設計通りの色再現性を得ることができる。
【0027】
本実施の形態では、カラーフィルタ23に開口部33,34を設けているため、開口部31,32では、反射部16に重なる領域の面積と、透過部18に重なる領域の面積とがほぼ等しくなるように設定しているが、カラーフィルタ23に開口部33,34を設けない構成とした場合には、開口面積を補うために、反射部16に重なる領域の面積が透過部18に重なる領域の面積よりも大きくなるように設定する。
【0028】
なお、開口部31,32の平面的な形状は本実施の形態のような矩形状に限定されるものではなく、円形や楕円形等であってもよい。
【0029】
また、開口部31,32は、本実施の形態のように同一線上に形成されていなくてもよい。すなわち、開口部31,32は、画素電極15の長手方向となる2辺(反射部16と透過部18の境界線)上にそれぞれ形成されていればよい。
【0030】
次に、本実施の形態による液晶表示装置と従来構成の液晶表示装置とを比較した実施例について説明する。
【0031】
ここでは、上記実施の形態で示すカラーフィルタ基板と、従来構成のカラーフィルタ基板とを作製し、それぞれの基板を用いて半透過型の液晶表示装置を組み立て、光学特性を比較した。カラーフィルタとしては、レジストに穴を開けない場合において、NTSC比40%のレジストを使用した。従来構成のカラーフィルタ基板には、反射部と対向する位置に面積換算で15%の開口部を2つ形成した。この開口部は、例えば図3の開口部33,34に相当する。一方、本実施の形態のカラーフィルタ基板には、TFT基板上の反射部と対向する位置に面積換算で15%の開口部を2つ形成するとともに、TFT基板上の反射部と透過部にそれぞれ平面的に重なり、かつ同一線上の2箇所に面積換算で10%の開口部をそれぞれ形成した。これらの開口部は、例えば図3の開口部33,34並びに開口部31,32に相当する。また、対向するTFT基板は同一構成とし、対角サイズ2インチ、ドット数160×160、反射開口率30%、透過開口率50%とした。
【0032】
これらカラーフィルタ基板とTFT基板とを通常のセル組み立て工程を経て液晶表示装置とし、それぞれ実施例、比較例とした。見栄え評価は2000cd/cm2 のバックライトを使用し、3000Lxの部屋で行った。結果を図4に示す。図4では、実施例、比較例のサンプルをそれぞれ20個作製して比較した場合の平均値を表記している(特性不良を除く)。
【0033】
図4に示すように、透過率、反射率、見栄え等の評価では、実施例、比較例ともにほぼ同等となった。しかし、比較例のサンプルでは基板の位置合わせずれによる特性不良が10%のサンプルで見られたのに対し、実施例のサンプルでは特性不良は観察されなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による液晶表示装置によれば、反射表示と透過表示の色再現性の範囲をほぼ等しくすることができるうえ、セルの組み立て工程においてTFT基板とカラーフィルタ基板との位置合わせずれが生じた場合でも、反射部での反射率の変化をほとんど生じることがないため、設計通りの色再現性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のA−A線領域に相当する概略断面図。
【図2】図3のB−B線領域に相当する概略断面図。
【図3】実施の形態に係わる液晶表示装置の画素構造を示す概略平面図。
【図4】実施例と比較例の評価結果を示す説明図。
【符号の説明】
11 TFT基板
15 画素電極
16 反射部
18 透過部
23 カラーフィルタ
21 カラーフィルタ基板
31,32,33,34 開口部
【発明の属する技術分野】
この発明は、一つの画素内に反射表示領域と透過表示領域とを備えた半透過型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋外での使用を想定した液晶表示装置として、一画素内に反射表示領域(以下、反射部)と、透過表示領域(以下、透過部)とを備えた半透過型液晶表示装置が開発されている。
【0003】
この半透過型液晶表示装置では、TFT基板側に反射電極と透明電極が形成され、対向するカラーフィルタ基板側にカラーフィルタが形成されている。そして、反射部は外光を、また透過部はバックライト光を光源として、画像表示を行っている。
【0004】
上記のように構成された半透過型液晶表示装置において、透過部ではバックライトからの透過光がカラーフィルタを一回だけ通過するのに対し、反射部ではカラーフィルタを通過した外光が反射電極で反射され、再度カラーフィルタを通過して取り出されることになる。このように、反射部ではカラーフィルタを2回通過した光が観察者の目に映るため、同一のカラーフィルタを使用した場合、透過部による透過表示と反射部による反射表示とでは色再現性が異なって認識される。すなわち、反射部では色再現性は高くなるが反射率は低くなるため、透過部とは色再現性が異なることになる。これを解決するため、反射部と透過部とでカラーフィルタの透過率を換える方法、反射部に対応するカラーフィルタにのみレジストに穴を開ける方法などが提案されている。
【0005】
例えば、後者の具体例として特開2000−111902号公報には、カラーフィルタ基板側の反射部に対応する領域において、カラーフィルターが形成された領域とカラーフィルタが形成されていない領域(穴)とを設けた液晶表示装置が開示されている。これによれば、反射部においては、入射した光の一部はカラーフィルタが形成されていない領域を通過するため、すべての光がカラーフィルタを2回通過しなくなることから、反射部での反射率を低下させることなしに、反射表示と透過表示の色再現性の範囲をほぼ等しくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反射部に対応するカラーフィルタのみレジストに穴を開ける方法では、画素の反射部が狭い場合に、反射部と透過部との境界域上では、セルの組み立て工程においてTFT基板とカラーフィルタ基板との位置合わせずれに影響されやすく、少しの位置合わせずれでも設計通りの色再現性が得られなくなるという問題点があった。
【0007】
この発明の目的は、両基板の位置合わせずれに影響されることなく、優れた色再現性を得ることができる液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、外光を反射して画像を表示する反射部とバックライト光を透過して画像を表示する透過部とで構成される画素電極が規則的に複数配置された第1の基板と、前記各画素電極に対応するカラーフィルタが前記画素電極と相対する共通電極上に形成された第2の基板とが対向配置され、前記第1及び第2の基板間に液晶層が充填された液晶表示装置において、前記反射部と前記透過部との境界域上にある前記カラーフィルタに、前記反射部と前記透過部にそれぞれ平面的に重なる開口部が2箇所設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、反射部では入射した光の一部が第2の基板側に形成された開口部を通過することになるため、すべての光がカラーフィルタを2回通過しなくなり、この結果、反射表示と透過表示の色再現性の範囲はほぼ等しくなる。また、位置合わせの際に、カラーフィルタ基板がTFT基板に対してずれても、反射部と重なる領域の面積の増減と、透過部と重なる領域の面積の増減は等しくなる。すなわち、反射部と重なる領域の面積と、透過部と重なる領域の面積は変わらないため、反射部での反射率がほとんど変化することなく、設計通りの色再現性を得ることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記開口部が、前記画素電極の長手方向と直交する方向に設定された同一線上に2箇所設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記カラーフィルタが、更に前記透過部と平面的に重ならない位置に少なくとも一つの開口部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記開口部の前記反射部に重なる領域の面積が、前記透過部に重なる領域の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項3において、前記開口部の前記反射部に重なる領域と、前記透過部に重なる領域の面積とがほぼ等しいことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる液晶表示装置の実施の形態を添付の図面を参照しながら説明する。
【0015】
図3は、本実施の形態に係わる液晶表示装置の画素構造を示す概略平面図、図1は、図3のA−A線領域に相当する概略断面図、図2は、図3のB−B線領域に相当する概略断面図である。各図においては、説明に必要な部分のみを図示している。例えば、図3では、TFT、走査線、信号線等を省略している。以下、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0016】
TFT基板11は、透明なガラス基板12で構成されており、その平面領域は表示領域と額縁領域とに区分されている。このうち表示領域には、図示しない複数の信号線及びこれと直交する複数の走査線が絶縁膜13を介してマトリクス状に配置されており、このマトリクスの各格子毎に薄膜トランジスタからなる画素TFT14と画素電極15が形成されている。以下、画素電極15で構成される領域(符号なし)を画素という。
【0017】
表示領域内に配置された各画素において、画素電極15は、外光を反射して画像を表示する反射部16と、バックライト光17を透過して画像を表示する透過部18とで構成されている。反射部16は画素の周辺域に、透過部18は画素の中央域にそれぞれ配置されている。また、画素電極15は、反射部16では金属膜等により反射電極151として構成され、透過部18ではITO膜等により透明電極152として構成されている。なお、透過部18を画素の中央域に配置するのは、画素の周辺域には、図示しない信号線や走査線等の不透明配線が多く存在するため、光利用効率上、有利なためである。
【0018】
TFT基板11の外部には、図示しない偏光板、バックライト等が配置され、また内側には、その表面を覆うように図示しない配向膜が形成されている。
【0019】
一方、カラーフィルタ基板21は、TFT基板11と同じく透明なガラス基板22で構成されており、その表面にはカラーフィルタ23R、23G、23B(以下、総称を23という)、共通電極24等が形成され、さらに、その表面を覆うように図示しない配向膜が形成されている。また、カラーフィルタ基板21の外側には図示しない偏光板が配置されている。
【0020】
これらTFT基板11及びカラーフィルタ基板21は、セルギャップを規定するスペーサー柱25により所定間隔を保持した状態で対向配置され、基板の周囲を囲むように形成された図示しないシール材により貼り合わされている。また基板間には液晶層26が注入され、内部に充填されている。なお、TFT基板11とカラーフィルタ基板21は、それぞれ本実施の形態における第1の基板、第2の基板を構成している。
【0021】
次に、カラーフィルタ23に形成された開口部について説明する。
【0022】
カラーフィルタ23は、それぞれの画素に設定された色のレジストにより形成されている。ここでは、隣接する3つの画素について、R(赤),G(緑),B(青)に対応するカラーフィルタ23R、23G、23Bが形成されているものとする。なお、R,G,Bのそれぞれの画素をサブ画素とすると、この3つのサブ画素で表示単位としての一画素が構成されることになる。
【0023】
各画素に対応するカラーフィルタ23には、反射部16と透過部18との境界域上に開口部31,32が形成されている。この開口部31,32は、反射部16と透過部18にそれぞれ平面的に重なる位置に形成されている。また、図3に示すように、開口部31,32は画素電極15の長手方向であるY方向と直交するX方向に設定された同一線(図3ではA−A線と同じ)上であって、一画素のうち、反射部16と透過部18との境界域となる2箇所に設けられている。本実施の形態では、開口部31,32のそれぞれについて、反射部16に重なる領域の面積と、透過部18に重なる領域の面積とがほぼ等しくなるように設定されている。
【0024】
一方、カラーフィルタ23には、透過部18と平面的に重ならない位置に開口部33,34が形成されている。この開口部33,34は、画素電極15の長手方向であるY方向と直交するX方向に設定された同一線(図3ではB−B線と同じ)上であって、一画素につき2箇所に設けられている。なお、開口部33,34は、従来例の穴に相当するものであり、その位置、大きさ、数は開口部31,32との関係で設定される。例えば、開口部31,32の面積が十分に確保されていれば、開口部33,34は不要となる。
【0025】
上記のように構成された液晶表示装置によれば、TFT基板11の反射部16と透過部18との境界域上にあるカラーフィルタ23に開口部31,32が設けられ、また同じくTFT基板11の反射部16上にあるカラーフィルタ23に開口部33,34が設けられているため、反射部16では、入射した光の一部はこれら開口部31〜34を通過することになり、すべての光がカラーフィルタを2回通過しなくなるため、反射表示と透過表示の色再現性の範囲をほぼ等しくすることができる。
【0026】
また、本実施の形態では、カラーフィルタ基板21側のカラーフィルタ23に、TFT基板11側の反射部16と透過部18にそれぞれ平面的に重なる開口部31,32が2箇所設けられているため、セルの組み立て工程での両基板の位置合わせずれの影響を少なくすることができる。例えば、位置合わせの際に、カラーフィルタ基板21がTFT基板11に対して図の右側にずれたとする。この場合、開口部32では反射部16と重なる領域の面積が増え、透過部18と重なる領域の面積が減ることになるが、開口部31では反射部16と重なる領域の面積が減り、透過部18と重なる領域の面積が増えることになる。すなわち、開口部31,32を合計した面積で見てみると、反射部16と重なる領域の面積の増減と、透過部18と重なる領域の面積の増減は等しくなるため、反射部16と重なる領域の面積と透過部18と重なる領域の面積は全体としては変わらないことになる。したがって、位置合わせずれが開口部31,32のX方向の長さ以内に収まる範囲であれば、両基板の位置合わせずれが生じても反射部16での反射率がほとんど変化することがなく、設計通りの色再現性を得ることができる。
【0027】
本実施の形態では、カラーフィルタ23に開口部33,34を設けているため、開口部31,32では、反射部16に重なる領域の面積と、透過部18に重なる領域の面積とがほぼ等しくなるように設定しているが、カラーフィルタ23に開口部33,34を設けない構成とした場合には、開口面積を補うために、反射部16に重なる領域の面積が透過部18に重なる領域の面積よりも大きくなるように設定する。
【0028】
なお、開口部31,32の平面的な形状は本実施の形態のような矩形状に限定されるものではなく、円形や楕円形等であってもよい。
【0029】
また、開口部31,32は、本実施の形態のように同一線上に形成されていなくてもよい。すなわち、開口部31,32は、画素電極15の長手方向となる2辺(反射部16と透過部18の境界線)上にそれぞれ形成されていればよい。
【0030】
次に、本実施の形態による液晶表示装置と従来構成の液晶表示装置とを比較した実施例について説明する。
【0031】
ここでは、上記実施の形態で示すカラーフィルタ基板と、従来構成のカラーフィルタ基板とを作製し、それぞれの基板を用いて半透過型の液晶表示装置を組み立て、光学特性を比較した。カラーフィルタとしては、レジストに穴を開けない場合において、NTSC比40%のレジストを使用した。従来構成のカラーフィルタ基板には、反射部と対向する位置に面積換算で15%の開口部を2つ形成した。この開口部は、例えば図3の開口部33,34に相当する。一方、本実施の形態のカラーフィルタ基板には、TFT基板上の反射部と対向する位置に面積換算で15%の開口部を2つ形成するとともに、TFT基板上の反射部と透過部にそれぞれ平面的に重なり、かつ同一線上の2箇所に面積換算で10%の開口部をそれぞれ形成した。これらの開口部は、例えば図3の開口部33,34並びに開口部31,32に相当する。また、対向するTFT基板は同一構成とし、対角サイズ2インチ、ドット数160×160、反射開口率30%、透過開口率50%とした。
【0032】
これらカラーフィルタ基板とTFT基板とを通常のセル組み立て工程を経て液晶表示装置とし、それぞれ実施例、比較例とした。見栄え評価は2000cd/cm2 のバックライトを使用し、3000Lxの部屋で行った。結果を図4に示す。図4では、実施例、比較例のサンプルをそれぞれ20個作製して比較した場合の平均値を表記している(特性不良を除く)。
【0033】
図4に示すように、透過率、反射率、見栄え等の評価では、実施例、比較例ともにほぼ同等となった。しかし、比較例のサンプルでは基板の位置合わせずれによる特性不良が10%のサンプルで見られたのに対し、実施例のサンプルでは特性不良は観察されなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による液晶表示装置によれば、反射表示と透過表示の色再現性の範囲をほぼ等しくすることができるうえ、セルの組み立て工程においてTFT基板とカラーフィルタ基板との位置合わせずれが生じた場合でも、反射部での反射率の変化をほとんど生じることがないため、設計通りの色再現性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のA−A線領域に相当する概略断面図。
【図2】図3のB−B線領域に相当する概略断面図。
【図3】実施の形態に係わる液晶表示装置の画素構造を示す概略平面図。
【図4】実施例と比較例の評価結果を示す説明図。
【符号の説明】
11 TFT基板
15 画素電極
16 反射部
18 透過部
23 カラーフィルタ
21 カラーフィルタ基板
31,32,33,34 開口部
Claims (5)
- 外光を反射して画像を表示する反射部とバックライト光を透過して画像を表示する透過部とで構成される画素電極が規則的に複数配置された第1の基板と、前記各画素電極に対応するカラーフィルタが前記画素電極と相対する共通電極上に形成された第2の基板とが対向配置され、前記第1及び第2の基板間に液晶層が充填された液晶表示装置において、
前記反射部と前記透過部との境界域上にある前記カラーフィルタに、前記反射部と前記透過部にそれぞれ平面的に重なる開口部が2箇所設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記開口部は、前記画素電極の長手方向と直交する方向に設定された同一線上に2箇所設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記カラーフィルタは、更に前記透過部と平面的に重ならない位置に少なくとも一つの開口部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
- 前記開口部の前記反射部に重なる領域の面積は、前記透過部に重なる領域の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
- 前記開口部の前記反射部に重なる領域と、前記透過部に重なる領域の面積とがほぼ等しいことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
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CN100373243C (zh) * | 2005-07-22 | 2008-03-05 | 友达光电股份有限公司 | 电极及其应用的半穿半反液晶显示组件 |
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CN106842679A (zh) * | 2013-11-28 | 2017-06-13 | 京东方科技集团股份有限公司 | 彩膜基板及其制作方法 |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256859A patent/JP2004094038A/ja active Pending
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