JP2004093771A - 情報処理方法および情報処理装置、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

情報処理方法および情報処理装置、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Kiyouya Tsutsui
筒井 京弥
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Abstract

【課題】追加データを基に生成された応答用追加データを用いて、試聴再生データを生成する。
【解決手段】応答用追加データ送信要求を受けた追加データ送信装置は、応答用追加データ83を生成し、要求元に送信する。応答用追加データ83のヘッダには、コンテンツIDや試聴区間数などが記載され、更に、オンライン試聴区間ごとの追加フレームの先頭部分に、試聴開始位置および試聴区間長が記載されている。応答用追加データ83を受信した、応答用追加データの送信要求元は、試聴データ81および応答用追加データ83を用いて、試聴再生データ84を生成する。試聴再生データ84は、試聴区間R1および試聴区間R2においては、応答用追加データ83により高音質なデータに復元されたフレームで構成され、他の区間においては、試聴フレームで構成される。本発明は、符号化装置、追加データ送信装置、データ再生装置、データ記録装置に適用できる。
【選択図】   図19

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理方法および情報処理装置、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、コンテンツの試聴データをユーザに配布する場合に用いて好適な、情報処理方法および情報処理装置、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、インターネットなどの通信ネットワーク技術の普及、情報圧縮技術の向上、更に、情報記録媒体の高集積化、あるいは高密度化が進んだことなどにより、オーディオ、静止画像、動画像、あるいは、オーディオと動画像からなる例えば映画など、様々なマルチメディアデータから構成されるデジタルコンテンツが、通信ネットワークを介して、試聴者に有料で配信されるという販売形態が実施されるようになった。
【0003】
例えば、CD(Compact Disk)やMD(Mini−Disk)(商標)などのパッケージメディア、すなわち、デジタルコンテンツが予め記録された記録媒体を販売する店舗などは、例えば、音楽データをはじめとする多数のデジタルコンテンツが蓄積された、いわゆるMMK(Multi Media KIOSK)などの情報端末を設置することにより、パッケージメディアを販売するのみならず、デジタルコンテンツを販売することが可能である。
【0004】
ユーザは、MMKに、持参したMDなどの記録媒体を挿入し、メニュー画面などを参照して、購入したいデジタルコンテンツのタイトルを選択して、要求されるコンテンツの代金を支払う。代金の支払方法は、現金の投入であっても、電子マネーのやり取りであっても、あるいは、クレジットカードやプリペイドカードを用いた電子決済であっても良い。MMKは、所定の処理により、ユーザが挿入した記録媒体に、選択されたデジタルコンテンツデータを記録する。
【0005】
デジタルコンテンツの販売者は、上述したように、MMKを用いてデジタルコンテンツをユーザに販売する以外にも、例えば、インターネットを介して、デジタルコンテンツをユーザに配信することも可能である。
【0006】
このように、コンテンツが予め記録されたパッケージメディアを販売するのみならず、デジタルコンテンツそのものを販売する手法を取り入れることにより、更に効果的にコンテンツが流通されるようになった。
【0007】
著作権を保護しながら、デジタルコンテンツを流通させるために、例えば、特開平2001−103047、あるいは、特開平2001−325460などの技術を用いることにより、デジタルコンテンツの試聴可能な部分以外を暗号化して配信し、暗号化に対する復号鍵を購入したユーザにのみ、コンテンツ全ての試聴を許可するようにすることができる。暗号化の方法としては、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)のデジタル音声データのビット列に対する鍵信号となる乱数系列の初期値を与え、発生した0/1の乱数系列と、配信するPCMデータとの排他的論理和を、暗号化されたビット列とする方法が知られている。このように暗号化されたデジタルコンテンツが、例えば、上述したMMKなどを用いて記録媒体に記録されたり、ネットワークを介して配信されることにより、ユーザに配布される。暗号化されたデジタルコンテンツデータを取得したユーザは、鍵を手に入れなければ、暗号化されていない試聴可能な部分しか試聴することができず、暗号化されている部分を復号せずに再生しても、雑音しか試聴することができない。
【0008】
また、音声データなどを圧縮して放送したり、ネットワークを介して配信したり、圧縮されたデータを、例えば光磁気ディスクなどの、様々な形態の記録媒体に記録する技術も向上している。
【0009】
音声データの高能率符号化には、様々な方法があるが、例えば、時間軸上のオーディオ信号をブロック化せず、複数の周波数帯域に分割して符号化する帯域分割符号化(SBC(Sub Band Coding))や、時間軸上の信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換して、複数の周波数帯域に分割し、帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分割方式(いわゆる、変換符号化)などがある。また、帯域分割符号化で帯域分割を行った後、各帯域において、信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換し、スペクトル変換された帯域毎に符号化を施す手法も考えられている。
【0010】
ここで利用されるフィルタには、例えば、QMF(Quadrature Mirror Filter)があり、QMFについては、R. E. Crochiereによる”Digital coding of speech in subbands”(Bell Syst. Tech. J. Vol.55,No.8 1974)の文献に記載されている。また、Joseph H. Rothweilerによる”Polyphase Quadrature Fitters−A new subband coding technique”(ICASSP 83, BOSTON)などの文献には、等しいバンド幅のフィルタ分割手法について記載されている。
【0011】
また、上述したスペクトル変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定の単位時間(フレーム)でブロック化し、そのブロック毎に、離散フーリエ変換(DFT;Discrete Fourier Transform)、離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)、モデファイドDCT変換(MDCT;Modified Discrete Cosine Transform)などを行う方法がある。例えば、MDCTについての詳細は、J. P. Princen, A. B. Bradley(Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tech.)らによる”Subband / Transform Cording Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellation”(ICASSP 1987)の論文に述べられている。
【0012】
また、波形信号をスペクトル変換する方法として、上述したDFTやDCTが用いられた場合、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行うと、M個の独立した実数データが得られる。時間ブロック間の接続ひずみを軽減するために、通常、両隣のブロックと、それぞれN/2個ずつ、すなわち、両側合わせてN個のサンプルをオーバーラップさせるので、DFTやDCTにおいては、平均して、(M+N)個のサンプルに対して、独立したM個の実数データを量子化して符号化することになる。
【0013】
これに対して、スペクトル変換する方法として、上述したMDCTが用いられた場合には、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行うと、両隣のブロックとそれぞれM/2個ずつ、すなわち、両側合わせてM個オーバーラップさせた2M個のサンプルから、M個の独立した実数データが得られるので、MDCTでは、平均して、M個のサンプルに対して、M個の実数データを、量子化して符号化することになる。
【0014】
復号装置においては、MDCTを用いて得られた符号から、各ブロックを逆変換して得られた波形要素を、お互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信号を再構成することができる。
【0015】
一般に、変換のための時間ブロックを長くすることによって、スペクトルの周波数分解能が高まり、特定のスペクトル成分にエネルギが集中する。従って、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせることにより、長いブロック長で変換を行い、しかも、得られたスペクトル信号の個数が、基となった時間サンプルの個数に対して増加しないMDCTを用いて変換を施すことにより、変換にDFTやDCTを用いた場合より、効率よく符号化を行うことができる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバーラップを持たせることにより、波形信号のブロック間歪みを軽減することができる。
【0016】
上述したように、フィルタリングやスペクトル変換によって、帯域毎に分割された信号を量子化することにより、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、マスキング効果などの性質を利用して、聴覚的に、より高能率な符号化を行うことができる。また、量子化を行う前に、帯域毎に、例えば、その帯域における信号成分の絶対値の最大値で正規化を行うようにすることにより、更に、高能率な符号化を行うことができる。
【0017】
周波数帯域分割された各周波数成分を量子化する場合、例えば、人間の聴覚特性を考慮して、周波数分割幅が決定されるようにしても良い。すなわち、一般に臨界帯域(クリティカルバンド)と称される高域ほど帯域幅が広くなるように、オーディオ信号が複数の帯域(例えば、25バンド)に分割されるようにしても良い。
【0018】
また、クリティカルバンドが広くなるように帯域が分割されている場合に、帯域毎のデータが符号化されるとき、帯域毎に所定のビット配分が行われるようにしても良いし、帯域毎に適応的にビットが割り当てられる(ビットアロケーションが行われる)ようにしても良い。
【0019】
例えば、MDCTされて得られた係数データが、ビットアロケーションによって符号化される場合、ブロック毎のMDCTにより得られる帯域毎のMDCT係数データに対して、それぞれ、適応的にビット数が割り当てられて、符号化が行われる。ビット割当て手法としては、例えば、次にあげる2つの手法が知られている。
【0020】
R. Zelinski, P. Nollらによる、”Adaptive Transform Coding of Speech Signals”(IEEE Transactions of Acoustics, Speech, and Signal Processing, Vol. ASSP−25, No. 4, August 1977)の論文では、帯域毎の信号の大きさを基に、ビット割り当てが行われることについて述べられている。この方式によると、量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギは最小となるが、聴覚的に考慮した場合、マスキング効果が利用されていないため、人間の耳に実際聞こえる雑音を減少する点では最適ではない。
【0021】
また、M. A. Kransner(Massachusetts Institute of Technology)による、”The critical band coder  digital encoding of the perceptual requirementsof the auditory system”(ICASSP 1980)の論文には、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音比を得て、固定的なビット割り当てを行う手法が記載されている。しかしながら、この手法では、サイン波入力で特性を測定する場合においても、ビット割当てが固定的であるために、その特性値は、それほど良い値とはならない。
【0022】
これらの問題を解決するために、ビット割当てに使用できる全ビットが、小ブロック毎に予め定められた固定ビット割当てパターン分と、各ブロックの信号の大きさに依存したビット割当てを行う分とに分割使用され、その分割比が、入力信号に関係する信号に依存され、その信号のスペクトルが滑らかなほど、固定ビット割当てパターン分への分割比率が大きくされるようになされている高能率符号化装置が提案されている。
【0023】
この方法を用いることにより、サイン波入力のように、特定のスペクトルにエネルギが集中する場合には、そのスペクトルを含むブロックに多くのビット数を割り当てることができるので、全体的な信号対雑音特性を著しく改善することができる。一般的に、急峻なスペクトル成分を持つ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏感であるため、このような方法を用いて信号対雑音特性を改善することは、測定上の特性値のみならず、人間が実際に聞く音の音質を改善するのに有効である。
【0024】
ビット割当ての方法には、上述した以外にも、多くの方法が提案されている。更に、聴覚に関するモデルが精緻化され、符号化装置の能力が向上したことにより、測定上の特性値のみならず、人間の聴覚に対してより高能率な符号化を行うことが可能となっている。これらの方法においては、計算によって求められた信号対雑音特性を、なるべく忠実に実現するような実数のビット割当て基準値が求められ、それを近似する整数値が求められて、割当てビット数に設定されるのが一般的である。
【0025】
また、本発明者が先に出願した、特願平5−152865、もしくは、WO94/28633には、生成されたスペクトル信号から、聴覚上、特に重要なトーン性の成分、すなわち、特定の周波数周辺にエネルギが集中しているような成分を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化する方法について記載されている。この方法により、オーディオ信号などを、聴覚上の劣化を殆ど感じさせずに、高い圧縮率で効果的に符号化することが可能となっている。
【0026】
実際の符号列を生成する場合、まず、正規化および量子化が行われる帯域毎に、量子化精度情報および正規化係数情報が、所定のビット数で符号化され、次に、正規化、および量子化されたスペクトル信号が符号化される。また、ISO/IEC11172−3; (1993(E), a933)では、帯域によって量子化精度情報を表すビット数が異なるように設定された高能率符号化方式が記述されており、帯域が高域になるにともなって、量子化精度情報を表すビット数が少なくなるように規格化されている。
【0027】
量子化精度情報を直接符号化する代わりに、復号装置において、例えば、正規化係数情報から量子化精度情報を決定する方法も知られているが、この方法では、規格を設定した時点で、正規化係数情報と、量子化精度情報との関係が決まってしまうので、将来的に、更に高度な聴覚モデルに基づいた量子化精度を用いる制御を導入することができなくなってしまう。また、実現する圧縮率に幅がある場合には、圧縮率毎に正規化係数情報と量子化精度情報との関係を定める必要が生じてしまう。
【0028】
量子化されたスペクトル信号を、より効率的に符号化する方法として、例えば、D. A. Huffmanによる”A Method for Construction of Minimum Redundancy Codes”(Proc. I. R. E. , 40, p.1098, 1952)の論文に記載されている可変長符号を用いて効率的に符号化を行う方法も知られている。
【0029】
以上説明したような方法で符号化されたコンテンツデータを、PCM信号の場合と同様にして暗号化して配布することも可能であり、このようなコンテンツ保護方法が用いられた場合には、鍵信号を入手していないものは、元の信号を再生することができない。また、符号化ビット列を暗号化するのではなく、PCM信号をランダム信号に変換した後、圧縮のために符号化を行う方法もあるが、このコンテンツ保護方法が用いられた場合には、鍵信号を入手していないものは、雑音しか再生することができない。
【0030】
また、コンテンツデータの試聴データを配布することにより、コンテンツデータの販売を促進することができる。試聴データには、例えば、オリジナルデータよりも低音質で再生されるデータや、オリジナルデータのうちの一部(例えば、さびの部分のみ)などを再生することができるデータなどがある。コンテンツデータの利用者は、試聴データを再生して、気に入った場合に、暗号を復号する鍵を購入して、オリジナルの音声を再生することができるようにしたり、オリジナルの音声データをダウンロードしたり、オリジナルの音声データが記録された記録媒体を新たに購入しようとする。
【0031】
しかしながら、上述したコンテンツ保護方法では、データ全体が再生できないか、もしくは、全てが雑音として再生されるので、例えば、比較的低音質で音声を録音した記録媒体を、試聴データとして配布するという用途に利用することができなかった。これらの方法によりスクランブルされたデータをユーザに配布しても、ユーザは、そのデータの全体の概要を把握することができない。
【0032】
また、従来の方法では、高能率符号化を施した信号を暗号化する場合に、通常、広く用いられている再生装置にとって、意味のある符号列を与えながら、その圧縮効率を下げないようにすることは非常に困難であった。すなわち、上述したように、高能率符号化を施すことによって生成された符号列にスクランブルをかけた場合、その符号列をデスクランブルしないまま再生しても、雑音が発生するばかりではなく、スクランブルによって生成された符号列が、元となる高能率符号の規格に適合していない場合には、再生処理が全く実行できない可能性がある。
【0033】
また、逆に、PCM信号にスクランブルをかけた後に高能率符号化が施された場合、例えば、聴覚の性質を利用して情報量を削ると、不可逆符号化となってしまう。従って、このような高能率符号を復号しても、PCM信号にスクランブルをかけた信号が正しく再現できない。すなわち、このような信号は、デスクランブルを正しく行うことが非常に困難なものとなってしまう。
【0034】
従って、たとえ、圧縮の効率が下がってしまっても、スクランブルが正しく解除できる方法が選択されてきた。
【0035】
このような課題に対して、本発明者等は、特開平10−135944において、例えば、音楽データをスペクトル信号に変換して符号化したもののうち、高帯域に対応する符号のみが暗号化されたデータを、試聴データとして配布することにより、鍵を保有していないユーザであっても、暗号化されていない狭帯域の信号を復号して再生することができるオーディオ符号化方式について開示した。この方式においては、高域側の符号が暗号化されるとともに、高域側のビット割当て情報が、ダミーデータに置き換えられ、高域側の真のビット割当て情報が、再生処理を行うデコーダが再生処理時に情報を読み取らない(無視する)位置に記録されるようになされている。
【0036】
この方式を採用することにより、コンテンツデータの利用者は、試聴データの配布を受けて、試聴データを再生し、試聴の結果、気に入った試聴データをオリジナルデータに復号するための鍵を有償で購入して、所望の音楽などを全ての帯域で正しく再生して、高音質で楽しむことが可能となる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンテンツ提供者は、配布する試聴データとしては、上述した従来技術による、品質は制限されているが、コンテンツ全体を試聴することができる試聴データではなく、コンテンツの著作権を、より安全に保護することを考慮して、コンテンツの一部、あるいは数箇所のみの試聴を可能とし、他の部分は、試聴することができないようにしたい場合がある。
【0038】
コンテンツ提供者は、例えば、試聴データを無償で配布するにあたって、その楽曲の数十秒のみを再生可能として、ユーザが試聴することが可能なようにしたい場合、そのコンテンツのうちの試聴可能な数十秒間以外は、ユーザにより再生することができないようにしなければならない。そのため、ユーザは、その予め決められた短い部分のみを試聴することにより、コンテンツ全体を購入するか否かを決めなければならなかった。すなわち、このような試聴用データは、ユーザに、購買意欲を湧かせるのに充分であるとはいえない場合があった。
【0039】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツデータの試聴データを配布する場合において、ユーザからの試聴の要求に応じて、予め固定されていない箇所を試聴可能なようにするための追加データをユーザに配信し、ユーザがオリジナルデータを要求する場合は、オリジナルデータを再生または記録することができるようにするための追加データをユーザに配信することにより、試聴データの安全性を保ちつつ、ユーザに試聴データの配布およびオリジナルデータの配布を行うことができるようにするものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の情報処理方法は、第2のデータ列を第1のデータ列に復元するために必要な第1のデータを含む第5のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、他の情報処理装置において再生または記録される第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定ステップと、領域決定ステップの処理により決定されたデータ領域に基づいて、取得制御ステップの処理により取得が制御された第5のデータ列から、他の情報処理装置に配信する第3のデータ列を生成する第1の生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0041】
領域決定ステップの処理では、複数のデータ領域候補を予め用意させておき、複数のデータ領域候補から、少なくともひとつのデータ領域候補を選択させて、データ領域を決定させるようにすることができる。
【0042】
領域決定ステップの処理では、処理の実行ごとに、ランダムに、データ領域を決定させるようにすることができる。
【0043】
領域決定ステップの処理では、全てのデータ領域における第4のデータ列の再生または記録の時間の合計が、所定の時間以内になるように、データ領域を決定させるようにすることができる。
【0044】
第1の生成ステップの処理では、データ領域により規定される第4のデータ列の再生開始位置または記録開始位置を示す情報を含む第3のデータ列を生成させるようにすることができる。
【0045】
第1の生成ステップの処理では、データ領域により規定される第4のデータ列の再生データ区間または記録データ区間を示す情報を含む第3のデータ列を生成させるようにすることができる。
【0046】
他の情報処理装置において再生または記録される第4のデータ列の周波数帯域を決定する帯域決定ステップを更に含ませるようにすることができ、第1の生成ステップの処理では、第4のデータ列の再生または記録が帯域決定ステップの処理により決定された周波数帯域で行われるような第3のデータ列を生成させるようにすることができる。
【0047】
第1のデータには、第1のデータ列から第2のデータ列が生成された場合に第1のデータ列から分離された、または、第1のデータと異なる第2のデータによって置き換えられたデータを含ませるようにすることができる。
【0048】
第1のデータ列に含まれている第1のデータを、第1のデータと異なる第2のデータによって置き換える置き換えステップと、置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、第2のデータ列を生成する第2の生成ステップと、第1のデータを含む第5のデータ列を生成する第3の生成ステップとを更に含ませるようにすることができる。
【0049】
置き換えステップの処理では、第2のデータ列が再生される場合に、第1のデータ列が再生される場合よりも再生品質が劣化するように、第1のデータを第2のデータに置き換えさせるようにすることができる。
【0050】
第2のデータは、第1のデータの少なくとも一部をランダムなデータに置き換えたものであるとすることができる。
【0051】
入力されたデータを符号化する符号化ステップを更に含ませるようにすることができ、置き換えステップの処理では、符号化ステップの処理により符号化された符号化データを第1のデータ列として、第1のデータ列に含まれている第1のデータを第2のデータと置き換えさせるようにすることができる。
【0052】
第1のデータには、符号化ステップの処理による符号化処理の正規化係数情報を含ませるようにすることができる。
【0053】
第1のデータには、符号化ステップの処理による符号化処理の量子化精度情報を含ませるようにすることができる。
【0054】
第1のデータには、可変長符号を含ませるようにすることができる。
【0055】
周波数成分を変換する変換ステップを更に含ませるようにすることができ、符号化ステップの処理では、変換ステップの処理により変換されたデータを符号化させるようにすることができ、第1のデータには、スペクトル係数情報を含ませるようにすることができる。
【0056】
第4のデータ列が再生または記録される場合の品質を指定した第3のデータ列を要求する信号の、他の情報処理装置からの受信を制御する受信制御ステップを更に含ませるようにすることができ、第1の生成ステップの処理では、信号により指定された品質で第4のデータ列が再生または記録されるような第3のデータ列を生成させるようにすることができる。
【0057】
本発明の第1の情報処理装置は、第2のデータ列を第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列を取得する取得手段と、他の情報処理装置において再生または記録される第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定手段と、領域決定手段により決定されたデータ領域に基づいて、取得手段により取得された第5のデータ列から、他の情報処理装置に配信する第3のデータ列を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0058】
本発明の第1の記録媒体に記録されているプログラムは、第2のデータ列を第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、他の情報処理装置において再生または記録される第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定ステップと、領域決定ステップの処理により決定されたデータ領域に基づいて、取得制御ステップの処理により取得が制御された第5のデータ列から、他の情報処理装置に配信する第3のデータ列を生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0059】
本発明の第1のプログラムは、第2のデータ列を第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、他の情報処理装置において再生または記録される第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定ステップと、領域決定ステップの処理により決定されたデータ領域に基づいて、取得制御ステップの処理により取得が制御された第5のデータ列から、他の情報処理装置に配信する第3のデータ列を生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0060】
本発明の第2の情報処理方法は、他の情報処理装置から送信される、第3のデータ列の受信を制御する受信制御ステップと、受信制御ステップの処理により受信が制御された第3のデータ列に含まれる第1のデータを、第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換えステップと、置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な第4のデータ列を生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0061】
第3のデータ列には、第4のデータ列が再生または記録される場合の再生開始位置または記録開始位置を示す情報を含ませるようにすることができる。
【0062】
第3のデータ列には、第4のデータ列が再生または記録される場合のデータ区間を示す情報を含ませるようにすることができる。
【0063】
第4のデータ列は、データ区間において、第1のデータ列と同一の品質で、再生または記録可能なデータ列であるものとすることができる。
【0064】
第4のデータ列は、データ区間において、第1のデータ列より狭く、第2のデータ列より広い音声帯域で、再生または記録可能なデータ列であるものとすることができる。
【0065】
置き換えステップの処理では、第2のデータ列より第4のデータ列のほうが、高音質で再生または記録されるデータ列となるように、第1のデータを第2のデータと置き換えさせるようにすることができる。
【0066】
第2のデータ列を復号する復号ステップを更に含ませるようにすることができ、置き換えステップの処理では、復号ステップの処理により復号された第2のデータ列に含まれる第2のデータを、第1のデータで置き換えさせるようにすることができる。
【0067】
第2のデータ列は、符号化されたデータ列であるものとすることができ、第3のデータ列に含まれている第1のデータには、正規化係数情報を含ませるようにすることができる。
【0068】
第2のデータ列は、符号化されたデータ列であるものとすることができ、第3のデータ列に含まれている第1のデータには、量子化精度情報を含ませるようにすることができる。
【0069】
入力されたデータを復号して周波数成分に変換する復号ステップと、復号ステップの処理により変換された周波数成分を信号成分に逆変換する逆変換ステップとを更に含ませるようにすることができ、第3のデータ列に含まれている第1のデータには、周波数成分のスペクトル係数情報を含ませるようにすることができる。
【0070】
第2のデータは、第1のデータの少なくとも一部をランダムなデータに置き換えたものであるものとすることができる。
【0071】
生成ステップの処理により生成される第4のデータ列が再生または記録される場合の品質を指定して、第3のデータ列を要求する信号の、他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップを更に含ませるようにすることができる。
【0072】
本発明の第2の情報処理装置は、他の情報処理装置から送信される、第3のデータ列を受信する受信手段と、受信手段により受信された第3のデータ列に含まれる第1のデータを、第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換え手段と、置き換え手段により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な第4のデータ列を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0073】
本発明の第2の記録媒体に記録されているプログラムは、他の情報処理装置からの、第3のデータ列の受信を制御する受信制御ステップと、受信制御ステップの処理により受信が制御された第3のデータ列に含まれる第1のデータを、第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換えステップと、置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な第4のデータ列を生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0074】
本発明の第2のプログラムは、他の情報処理装置からの、第3のデータ列の受信を制御する受信制御ステップと、受信制御ステップの処理により受信が制御された第3のデータ列に含まれる第1のデータを、第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換えステップと、置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な第4のデータ列を生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0075】
本発明の第1の情報処理方法および情報処理装置、並びにプログラムにおいては、第2のデータ列を第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列が取得され、他の情報処理装置において再生または記録される第4のデータ列の領域が少なくとも1つ決定され、決定されたデータ領域に基づいて、第5のデータ列から、他の情報処理装置に配信する第3のデータ列が生成される。
【0076】
本発明の第2の情報処理方法および情報処理装置、並びにプログラムにおいては、他の情報処理装置から送信される、第3のデータ列が受信され、受信された第3のデータ列に含まれる第1のデータが、第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換えられ、置き換えられて生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な第4のデータ列が生成される。
【0077】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0078】
ここでは、オーディオPCM信号などのデジタル信号の入力を受け、帯域分割符号化(SBC:Sub Band Coding)、適応変換符号化(ATC:Adaptive Transform cording)および、適応ビット割当てを行うことにより、高能率符号化を行う場合について説明する。適応変換符号化とは、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)などをベースに、ビット配分を適応化した符号化方法であり、入力信号を時間ブロック毎にスペクトル信号に変換し、所定の帯域毎に、各スペクトル信号をまとめて正規化、すなわち、最大信号成分を近似する正規化係数で、各信号成分を除算してから、信号の性質によって適時定められた量子化精度で量子化して符号化するものである。
【0079】
図1は、本発明を適応した符号化装置、追加データ送信装置、データ再生装置、およびデータ記録装置によるデータ授受システムを説明するための図である。
【0080】
サーバ2は、符号化装置4および追加データ送信装置5を備えている。符号化装置4は、コンテンツの試聴用のデータ、または、試聴用データに加えることによってオリジナルデータを生成することができる追加データを生成し、試聴用データを、ネットワーク1を介して、クライアント3−1またはクライアント3−2に送出するとともに、追加データを、追加データ送信装置5に出力する。
【0081】
追加データ送信装置5は、追加データを内部に保存し、クライアント3−1またはクライアント3−2から、ネットワーク1を介して、オンライン試聴用の応答用追加データ、または、高音質再生用の追加データの送信要求信号を受けた場合、ネットワーク1を介して、オンライン試聴用の応答用追加データ、または、高音質再生用の追加データを要求したクライアント3−1またはクライアント3−2に送信する。符号化装置4および追加データ送信装置5の詳細な構成については、後述する。
【0082】
クライアント3−1は、後述するデータ再生装置6を有する。データ再生装置6は、ネットワーク1を介して、サーバ2の符号化装置4から試聴データの供給を受ける。そして、データ再生装置6は、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5に、オンライン試聴用の応答用追加データ、または、高音質再生用の追加データを要求して、ネットワーク1を介して、オンライン試聴用の応答用追加データ、または、高音質再生用の追加データを受信し、これらを用いて、試聴データに所定の処理を施すことにより、オンライン試聴データを生成して再生したり、オリジナルデータを復元して再生することができる。
【0083】
また、クライアント3−2は、後述するデータ記録装置7を有する。データ記録装置7は、ネットワーク1を介して、試聴データの供給を受ける。そして、データ記録装置7は、サーバ2の追加データ送信装置5に、高音質再生用の追加データを要求して、追加データを受信し、これを用いて、試聴データに所定の処理を施すことにより、オリジナルデータを復元し、例えば、光磁気ディスクなどの記録媒体に記録することができる。
【0084】
ここでは、クライアント3−1またはクライアント3−2が、それぞれ、データ再生装置6またはデータ記録装置7を有しているものとして説明したが、クライアントは、データ再生装置6とデータ記録装置7の双方を有していても良い。
【0085】
図2は、音響波形信号の入力を受けて、試聴データを作成する符号化装置4の構成例を示すブロック図である。
【0086】
変換部11は、音響波形信号の入力を受けて、信号周波数成分に変換し、信号成分符号化部12に出力する。信号成分符号化部12は、入力された信号周波数成分を符号化し、符号列生成部13に出力する。符号列生成部13は、信号成分符号化部12により符号化された信号周波数成分から符号列を生成し、データ分離部14に出力する。
【0087】
データ分離部14は、符号列生成部13から入力された符号列に対して、正規化係数情報の書換え、ダミーデータの挿入などの所定の処理を行って、高音質で再生可能な音声データ(オリジナルデータ)を、試聴データに変換し、必要に応じて、ネットワーク1を介して、ユーザが保有するクライアント3−1またはクライアント3−2に送信する。また、データ分離部14は、オリジナルデータの再生を希望するユーザに対して販売される、試聴データに対応する追加データ(復元用データ)を生成して、追加データ送信装置5に出力する。オンライン試聴データの再生を希望するユーザに対して配布される応答用追加データは、データ分離部14から出力される追加データを基に、追加データ送信装置5において生成される。
【0088】
図3は、変換部11の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0089】
変換部11に入力された音響波形信号は、帯域分割フィルタ21によって2つの帯域に分割され、それぞれの信号が、順スペクトル変換部22−1および22−2に出力される。順スペクトル変換部22−1および22−2は、例えばMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)などを用いて、入力された信号を、スペクトル信号成分に変換して信号成分符号化部12に出力する。順スペクトル変換部22−1および22−2に入力される信号は、帯域分割フィルタ21に入力される信号の帯域幅の1/2であり、信号の入力も、それぞれ1/2に間引かれている。
【0090】
図3の変換部11においては、帯域分割フィルタ21によって2つの帯域に分割された信号が、MDCTを用いてスペクトル信号成分に変換されるものとして説明したが、入力された信号をスペクトル信号成分に変換する方法は、いずれの方法を用いるようにしても良く、例えば、入力された信号を帯域分割せずに、MDCTを用いてスペクトル信号成分に変換するようにしても良い。あるいは、順スペクトル変換部22−1および22−2は、DCTやDFT(Discrete Fourier Transform)を用いて、入力された信号をスペクトル信号に変換するようにしても良い。
【0091】
いわゆる帯域分割フィルタを用いることにより、入力された信号を帯域成分に分割することも可能であるが、多数の周波数成分を比較的少ない演算量で演算することが可能な、MDCT、DCT、あるいは、DFCを用いてスペクトル変換を行うと好適である。
【0092】
また、図3においては、入力された音響波形信号が帯域分割フィルタ21において、2つの帯域に分割されるものとして説明したが、帯域分割数は、2つでなくてもかまわないことは言うまでもない。帯域分割フィルタ21における帯域分割数を示す情報は、信号成分符号化部12を介して、符号列生成部13に出力される。
【0093】
図4は、変換部11によって得られるMDCTによるスペクトル信号の絶対値を、パワーレベルに変換して示した図である。変換部11に入力された音響波形信号は、所定の時間ブロック毎に、例えば、64個のスペクトル信号に変換される。これらのスペクトル信号は、信号成分符号化部12によって、後述する処理により、例えば、図中の実線でかこまれた16個の枠組みで示されるように、[1]乃至[16]の、16個の帯域に分けられ、それぞれの帯域毎に量子化および正規化が行われる。この16個の帯域に分けられたスペクトル信号の集合、すなわち、量子化および正規化を行うスペクトル信号の集合が、量子化ユニットである。
【0094】
周波数成分の分布の仕方に基づいて、量子化精度を量子化ユニット毎に変化させることにより、人間に聞こえる音の質の劣化を最小限にとどめることができる効率の良い符号化が可能となる。
【0095】
図5は、信号成分符号化部12の更に詳細な構成を示すブロック図である。ここでは、信号成分符号化部12は、入力されたスペクトル信号から、聴感上、特に重要なトーン部分、すなわち、特定の周波数周辺にエネルギが集中している信号成分を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化を行うようになされている場合について説明する。
【0096】
変換部11から入力されたスペクトル信号は、トーン成分分離部31により、トーン成分と、非トーン成分に分離され、トーン成分は、トーン成分符号化部32に出力され、非トーン成分は、非トーン成分符号化部33に出力される。
【0097】
図6を用いて、トーン成分と非トーン成分について説明する。例えば、トーン成分分離部31に入力されたスペクトル信号が、図6のような信号である場合、特にパワーレベルが高い部分が、トーン成分41乃至43として、非トーン成分から分離される。なお、分離されたトーン成分41乃至43の位置を示す位置データP1乃至P3、およびトーン成分として抜き出された周波数の幅がそれぞれ検出されて、トーン成分とともに、トーン成分符号化部32に出力される。
【0098】
トーン成分の分離方法は、例えば、本発明者が先に出願した、特願平5−152865号公報、WO94/28633、もしくは、米国特許5717821などに記載の方法を用いればよい。この方法により分離されたトーン成分および非トーン成分は、後述するトーン成分符号化部32および非トーン成分符号化部33の処理により、それぞれ、異なるビット数で量子化される。
【0099】
トーン成分符号化部32および非トーン成分符号化部33は、入力された信号を、それぞれ符号化する。
【0100】
各トーン成分に関しては、トーン成分の位置情報や、トーン成分として抜き出された周波数の幅などの情報を新たに付け加える必要があるが、特に、符号化装置4に入力された音響波形信号が、特定のスペクトルにエネルギが集中するような信号である場合には、このような方法を取ることにより、聴覚上の劣化を殆ど感じさせずに、高い圧縮率で効果的に符号化することが可能である。
【0101】
図7は、図5のトーン成分符号化部32の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0102】
正規化部51は、トーン成分のスペクトル信号の入力を受けて、正規化を行い、量子化部52に出力する。量子化精度決定部53は、入力されたスペクトル信号の量子化ユニットを参照して、量子化精度を計算し、計算結果を量子化部52に出力する。量子化部52は、正規化部51から入力された正規化結果を、量子化精度決定部53により決定された量子化精度で量子化して、符号を生成するとともに、生成された符号に加えて、正規化係数情報や量子化精度情報などの、符号化情報を出力する。
【0103】
また、トーン成分符号化部32は、トーン成分とともに入力されたトーン成分の位置情報なども、トーン成分とともに符号化して出力する。
【0104】
図8は、図5の非トーン成分符号化部33の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0105】
正規化部54は、量子化ユニット毎に非トーン成分のスペクトル信号の入力を受けて、正規化を行い、量子化部55に出力する。量子化精度決定部56は、入力されたスペクトル信号の量子化ユニットを参照して、量子化精度を計算し、計算結果を量子化部55に出力する。量子化部55は、正規化部54から入力された正規化結果を、量子化精度決定部56により決定された量子化精度で量子化して、符号を生成するとともに、生成された符号に加えて、正規化係数情報や量子化精度情報などの、符号化情報を出力する。
【0106】
上述した符号化方法に対して、更に符号化効率を高めることが可能である。例えば、可変長符号化を行い、量子化されたスペクトル信号のうち、頻度の高いものに対しては、比較的短い符号長を割当て、頻度の低いものに対しては、比較的長い符号長を割り当てることにより、符号化効率を更に高めることができる。
【0107】
そして、図2の符号列生成部13は、信号成分符号化部12により出力された信号周波数成分の符号から、例えば、記録媒体に記録したり、データ伝送路を介して、他の情報処理装置などに送出可能な符号列、すなわち、複数のフレームにより構成された符号列を生成し、データ分離部14に出力する。符号列生成部13により生成される符号列は、通常のデコーダによって高音質で再生可能な音声データである。
【0108】
図9に、符号列生成部13において生成される高音質で再生可能な音声データのフレームのフォーマットの例を示す。
【0109】
各フレームの先頭には、同期信号を含む固定長のヘッダが配置されている。ヘッダには、図3を用いて説明した変換部11の帯域分割フィルタ21の帯域分割数等も記録される。
【0110】
各フレームには、ヘッダに続いて、分離されたトーン成分に関するトーン成分情報が記録される。トーン成分情報には、トーン成分数(ここでは、3)、トーン幅、および、図7を用いて説明したトーン成分符号化部32がトーン成分に対して施した量子化の量子化精度情報が記録されている。続いて、トーン成分41乃至43のデータとして、それぞれの正規化係数、トーン位置、およびスペクトル係数が記録されている。ここでは、例えば、トーン成分41の正規化係数が30、トーン位置がP1、スペクトル係数がSP1であり、トーン成分42の正規化係数が27、トーン位置がP2、スペクトル係数がSP2であり、トーン成分43の正規化係数が24、トーン位置がP3、スペクトル係数がSP3であるものとする。
【0111】
そして、トーン成分情報に続いて、非トーン成分情報が記載される。非トーン成分情報には、量子化ユニット数(ここでは16)、図8を用いて説明した非トーン成分符号化部33が、非トーン成分に対して施した場合における16個の量子化ユニットそれぞれの、量子化の量子化精度情報、正規化係数情報、およびスペクトル係数情報が記録されている。量子化精度情報には、最低域の量子化ユニット[1]の4という値から、最高域の量子化ユニット[16]の4という値までが、量子化ユニット毎に記録されている。また、正規化係数情報には、最低域の量子化ユニット[1]の46という値から、最高域の量子化ユニット[16]の8という値までが、量子化ユニット毎に記録されている。
【0112】
ここでは、正規化係数情報として、スペクトル信号のパワーレベルのdB値に比例する値が用いられているものとする。また、コンテンツフレームの長さが固定長である場合、スペクトル係数情報の後に空き領域が設けられるようにしても良い。
【0113】
図10は、図2のデータ分離部14の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0114】
制御部61は、図示しない外部の操作入力部などから入力される、試聴データのオフライン試聴区間の時間長や、試聴データの周波数帯域などの設定データを基に、帯域制限処理部62を制御する。オフライン試聴区間とは、ネットワーク1に接続しないオフラインの状態で試聴データを再生させる場合、すなわち、追加データ、または応答用追加データを用いることなく試聴データを再生させる場合に、低品質での再生が可能な部分である。また、試聴帯域とは、低品質再生される周波数帯域のことである。例えば、図6を用いて説明したスペクトルデータのうち、一部の量子化ユニットのみを指定することにより、一定の範囲の周波数帯域のみを再生可能として、オフライン試聴再生される音声の品質を、オリジナルデータが再生される場合、および、オンライン試聴データが再生される場合の音質より下げるようになされている。
【0115】
すなわち、オフライン試聴区間のデータは、区間の開始位置(試聴開始位置)、区間の時間長(試聴区間長)、および区間内での周波数帯域(試聴帯域)で定義される。オフライン試聴区間は、試聴データ内で、複数箇所設定されるようにしても良い。
【0116】
帯域制限処理部62は、制御部61から入力される、オフライン試聴区間に関する情報を基に、入力されたフレームのうち、オフライン試聴区間に相当するフレームから、試聴帯域に制限されたデータを生成する。帯域制限処理部62は、例えば、図6を用いて説明したスペクトルデータのうち、試聴帯域に基づいて、一部の量子化ユニットのみを指定することにより、一定の範囲の周波数帯域のみを再生可能として、再生される音声の品質を下げるようになされている。
【0117】
例えば、オフライン試聴区間の試聴帯域を0として、試聴データを再生しても、音声が出力されないようにする場合、制御部61は、オフライン試聴区間の試聴帯域が0であることを帯域制限処理部62に通知する。帯域制限処理部62は、非トーン部分の量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[16]の正規化係数を、例えば、最小化(0とする)ことにより、ダミー化し、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[16]の正規化係数の真の値を、追加フレーム生成部64に出力する。
【0118】
また、帯域制限処理部62は、トーン部分も同様に、試聴帯域外の部分の量子化ユニットの正規化係数を、例えば、最小化(0とする)ことにより、ダミー化し、ダミー化された正規化係数の真の値を、追加フレーム生成部64に出力する。
【0119】
正規化係数の最小化によって、試聴再生時に、対応する部分のスペクトル係数情報は極小化され、厳密には0にはならないが、可聴性という観点からは、実質的には0と同等の値となる。従って、正規化係数が最小化された部分に対応するスペクトル係数情報の記載位置(オフライン試聴区間の試聴帯域を0として、試聴データを再生しても、音声が出力されないようにする場合、スペクトル係数情報の全ての記載位置)には、任意の情報を記載することが可能である。
【0120】
従って、スペクトル情報変更部63は、正規化係数が最小化された部分に対応するスペクトル係数情報の一部、または全部を、ランダムなダミーデータと置き換え、置き換えられた真のスペクトル係数情報と、必要に応じて、ダミーデータを記載した位置(置き換えられた真のスペクトル情報の位置)を、追加フレーム生成部64に出力する。
【0121】
また、帯域制限処理部62は、オフライン試聴区間ではないフレームにおいて、例えば、全ての正規化係数を分離、または最小化して、真の正規化係数の値を追加フレーム生成部64に出力したり、フレーム全体を入力されたフレーム列から分離し、分離されたフレームを追加フレーム生成部64に出力することなどにより、オフライン試聴区間ではないフレームが、オフライン試聴データにおいて再生されないようにする。
【0122】
図11に、帯域制限処理部62により帯域制限がなされ、正規化係数が最小化された部分に対応するスペクトル係数情報の一部が、スペクトル情報変更部63によりランダムなダミーデータと置き換えられて生成される試聴フレームを示す。図11の試聴フレームにおいては、オフライン試聴区間の試聴帯域を0として、試聴データを再生しても、音声が出力されないようになされているものとして説明する。
【0123】
すなわち、この場合の試聴フレームは、全ての正規化係数が0に置き換えられている。従って、対応する全てのスペクトル係数情報は、再生時に、実質的に参照されないので、ここでは、スペクトル係数情報が記載されている領域の先頭部分(図中、Adで示されている位置)より高域側の領域の一部が、ダミーデータ(ダミースペクトル係数情報)で置き換えられている。
【0124】
図11を用いて説明した試聴フレームにおいては、オフライン試聴区間の試聴帯域を0として、試聴データを再生しても、音声が出力されないようにするものとして説明したが、例えば、オフライン試聴区間の試聴帯域として、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[12]が指定された場合、帯域制限処理部62は、試聴帯域より高域側の量子化ユニット[13]乃至量子化ユニット[16]の正規化係数情報の値を、例えば、最小化して、正規化係数0とし、量子化ユニット[13]乃至量子化ユニット[16]の正規化係数情報の真の値を、追加フレーム生成部64に出力する。従って、量子化ユニット[13]乃至量子化ユニット[16]に対応する部分のスペクトル係数情報には、有効な値が記述されているが、再生時には、正規化係数情報が0であるので、対応する部分のスペクトルは、厳密には0にはならないが、可聴性という観点からは、実質的には0と同等の値となる。
【0125】
また、帯域制限処理部62は、非トーン成分と同様にして、トーン成分のうち、試聴帯域から外れている部分の正規化係数の値も、例えば0として最小化するので、再生時には、対応するトーン成分のスペクトル信号も極小化(実質的には0と同等の値に変更)される。このような試聴データを復号して再生した場合、試聴可能部分においては、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[12]に対応する、狭帯域のスペクトル信号のみが再生される。
【0126】
このようにすることにより、試聴データの試聴領域を再生した場合、狭帯域のデータしか再生されないので、図9を用いて説明したオリジナルデータと比較して、品質の低いデータが再生される。
【0127】
なお、スペクトル係数情報のダミーデータは、全てのフレームに挿入しても良いし、一部のフレームのみに挿入するようにしても良い。
【0128】
特に、スペクトル係数情報が可変長符号化されており、その可変長符号が、スペクトル係数情報の記載領域に、低域側から高域側に、順次記述されている場合、参照されないスペクトル係数情報の領域に、ダミーデータが記載されていることにより、中域の可変長符号の一部が欠落するので、その部分を含めた高域側のデータは、全く復号できなくなる。すなわち、試聴データに含まれるオリジナルデータに関わるスペクトル係数情報を、追加データを用いることなく復元することが困難となるので、試聴データの安全性が強化される。
【0129】
このように、正規化係数情報やスペクトル係数情報の一部が、欠落していたり、または、他の情報で置き換えられている場合、欠落したり、置き換えられた真のデータを推測することは、比較的鍵長の短い暗号鍵を解読することと比較して、非常に困難である。また、試聴データを不正に改変しようとすると、かえって音質を劣化させる原因となる。従って、オリジナルデータの試聴が許可されていないユーザが、試聴データを基に、オリジナルデータを推測することが非常に困難となり、コンテンツデータの著作者や配布者の権利をより強固に保護することが可能となる。
【0130】
また、万が一、ある試聴データにおいて、置き換えられたデータに対する真のデータが推測されてしまっても、暗号アルゴリズムを解読されてしまった場合と異なり、他のコンテンツにその被害が拡大することはないので、特定のアルゴリズムを用いて暗号化を施したコンテンツデータを試聴データとして配布するよりも安全性が高い。
【0131】
以上において、帯域制限処理部62またはスペクトル情報変更部63により置き換えられた真の正規化係数情報および真のスペクトル係数情報は、後述する追加フレーム生成部64に供給され、追加フレームに記載される。帯域制限処理部62は、正規化係数情報以外に、例えば、量子化精度情報や量子化ユニット数などの値を、0あるいは、ランダムなダミーデータなどに変更するようにしても良いので、後述する追加フレーム生成部64は、帯域制限処理部62により変更された、例えば、量子化精度情報、量子化ユニット数などの値を示す情報の入力を受け、追加フレームにそれらの情報を記載する。
【0132】
ただし、正規化係数情報を変更する場合と、量子化精度情報を変更する場合とでは、追加データを用いずに試聴データから不正にオリジナルデータを推測するための困難さ、すなわち、試聴データの安全強度が異なってしまう。例えば、オリジナルデータの生成時に、正規化係数情報に基づいて量子化精度情報を算出するようなビット割当てアルゴリズムが採用されている場合、量子化精度情報のみの値を変更しても、正規化係数情報を手掛かりにして、真の量子化精度情報を推測される危険性がある。
【0133】
これに対して、正規化係数情報のみを変更しても、量子化精度情報から正規化係数情報を推測するのは困難であるので、試聴データの安全強度は高いといえる。なお、正規化係数情報および量子化精度情報の両方の値を変更することで、不正にオリジナルデータを推測される危険性は更に低くなる。また、試聴データのコンテンツフレームによって、正規化係数情報または量子化精度情報の値を選択的に変更するようにしてもよい。
【0134】
追加フレーム生成部64は、帯域制限処理部62から供給される真の正規化係数情報や、スペクトル情報変更部63から供給される真のスペクトル係数情報とその位置情報から、試聴データを試聴したユーザが、高音質で楽曲を聞く場合に購入するオリジナルデータ復元用の追加データを構成する追加フレームを生成する。
【0135】
図12に、生成される追加フレームのフォーマットを示す。
【0136】
図11を用いて説明したように、オフライン試聴区間の試聴帯域を0とした場合、試聴データの各フレームにおいて、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[16]の16の量子化ユニットに対応する、トーン成分および非トーン成分のそれぞれの正規化係数は、ダミーの正規化係数0に置き換えられている。また、参照されないスペクトル係数情報の一部が、ダミーデータに置き換えられている。追加フレーム生成部64は、帯域制限処理部62から、変更された正規化係数情報の真の値の供給を受けるとともに、スペクトル情報変更部63から、真のスペクトル係数情報を示す情報の供給を受け、図12の追加フレームを生成する。
【0137】
追加フレームには、トーン成分に対応する追加情報と、非トーン成分に対応する追加情報が記載される。図12は、オフライン試聴区間の試聴帯域を0とした場合に生成される追加フレームを示している。トーン成分に対応する追加情報としては、最小化されたトーン成分の真の正規化係数情報(ここでは、値30、値27、および値24)が記載される。また、非トーン成分に対応する追加情報としては、最小化された非トーン成分の真の正規化係数(ここでは、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[16]の16の量子化ユニットに対応する新の正規化係数)、およびダミーデータに書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報(ここではHC)およびその位置情報(ここではAd)が記載されている。
【0138】
図12においては、ダミーデータに書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報の位置情報は、生成される追加フレームに記載しているが、試聴フレームにおいて、スペクトル係数情報をダミーデータに書き換える部分を、参照されないスペクトル係数情報となる部分の先頭とすれば、真のスペクトル係数情報の位置情報を生成される追加フレームに記載しなくても、正規化係数が0に置き換えられた量子化ユニットの領域の情報を基に、ダミーデータに書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報の位置を求めることが可能である。ダミーデータに書き換える位置を、参照されないスペクトル係数情報となる部分の先頭と異なる位置とする場合は、追加フレームに、ダミーデータに書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報の位置情報を記載する必要がある。
【0139】
また、帯域制限処理部62が、正規化係数情報およびスペクトル係数情報以外に、例えば、量子化精度情報や量子化ユニット数などの値を変更した場合、追加フレーム生成部64は、帯域制限処理部62により変更された、量子化精度情報や量子化ユニット数などの値を示す情報の入力を受け、追加フレームにそれらの真の値の情報を記載する。
【0140】
また、追加フレームに記載される正規化係数情報の一部、あるいは全部を、試聴フレームの空き領域に記載することにより、追加データ、あるいは、応答用追加データの容量を小さくすることができ、追加データ、あるいは、応答用追加データのダウンロード時間を短くすることができる。なお、追加フレームに記載される正規化係数情報の一部、あるいは全部が、試聴フレームの空き領域に記載された場合、対応する部分は、追加フレームに記載されない。
【0141】
試聴データ生成部65は、試聴データのヘッダを生成し、入力された試聴データの符号化フレーム列に、生成したヘッダを付加して、試聴データを生成して出力する。試聴データのヘッダには、例えば、コンテンツを識別するためのコンテンツIDや、コンテンツの再生時間、コンテンツのタイトル、あるいは、符号化方式の情報などの情報が含まれている。
【0142】
追加データ生成部66は、追加データのヘッダを生成し、入力された追加フレーム列に、生成した追加データのヘッダを付加して、追加データを生成して出力する。追加データのヘッダには、コンテンツを識別して、試聴データと対応させるためのコンテンツID、コンテンツの再生時間、必要に応じて符号化方式に関する情報などが記載される。
【0143】
データ分離部14によって生成された試聴データと追加データとを用いて、後述する処理により、オリジナルデータを復元することができる。
【0144】
次に、図13のフローチャートを参照して、試聴データ生成処理について説明する。
【0145】
ステップS1において、制御部61は、図示しない操作入力部などから入力された、試聴データのオフライン試聴区間(試聴開始位置および試聴区間長)、並びに、試聴帯域の設定値を取得する。ここでは、試聴帯域として、0が設定され、試聴開始位置がコンテンツデータの先頭、試聴区間長がコンテンツデータ長として設定されたものとして説明する。制御部61は、試聴帯域の設定値を、帯域制限処理部62に供給する。
【0146】
帯域制限処理部62は、ステップS2において、オリジナルデータに相当するフレーム列に含まれるいずれかのフレーム、すなわち、図9を用いて説明した高音質再生可能なフレームの入力を受け、ステップS3において、制御部61から供給された情報を基に、入力されたフレームはオフライン試聴区間内のフレームであるか否かを判断する。
【0147】
ステップS3において、入力されたフレームはオフライン試聴区間内のフレームではないと判断された場合、入力されたフレームは、オフラインで試聴できないフレームであるので、処理は、ステップS4に進み、オフライン試聴区間ではないフレームが、オフライン試聴データにおいて再生されないようにするために、帯域の設定を0として、ステップS5に進む。また、例えば、オフライン試聴区間外のフレームを分離して、追加フレーム生成部64に出力するなどして、オフライン試聴データにおいて、このフレームが再生されないようにしてもよい。
【0148】
ステップS3において、入力されたフレームはオフライン試聴区間内のフレームであると判断された場合、または、ステップS4の処理の終了後、帯域制限処理部62は、ステップS5において、入力されたフレームのトーン成分の正規化係数情報のうち、制御部61から供給された試聴帯域の設定値で指定されている帯域以外の部分を、例えば、値0などのダミーデータに置き換え、ステップS6において、非トーン成分の正規化係数情報のうち、制御部61から供給された試聴帯域の設定値で指定されている帯域以外の部分を、例えば、値0などのダミーデータに置き換える。更に、帯域制限処理部62は、ステップS6およびステップS7において置き換えられた真の正規化係数情報および、その位置などを示す各種情報を、全部、追加フレーム生成部64に出力するか、その一部をスペクトル情報変更部63に出力して、その他を追加フレーム生成部64に出力する。
【0149】
ステップS7において、スペクトル情報変更部63は、ステップS5の処理において書き換えられた非トーン成分の正規化係数情報に対応する、参照されないスペクトル係数情報の一部を、真の値が推測できないようなダミーデータ(ダミースペクトル係数情報)に置き換え、図11を用いて説明した試聴フレームを生成する。スペクトル情報変更部63は、生成された試聴フレームを試聴データ生成部65に出力するとともに、ステップS7においてダミーデータと置き換えられた真のスペクトル係数情報を、追加フレーム生成部64に出力する。
【0150】
ここで、スペクトル係数情報が可変長符号化されている場合、真のスペクトル係数情報が復号された場合のビット長より、ダミーデータが復号された場合のビット長が短くなるようなダミーデータを用いることにより、後述する復号処理において、符号列のフレーム長をオーバーしてしまうことを防ぐようにすることができる。
【0151】
また、スペクトル情報変更部63は、参照されないスペクトル係数情報の一部に、各種の制御情報を記載するようにしても良い。スペクトル係数情報に置き換えられるダミーデータは、全て値0とするようにしても良いし、適当に値1および値0を混在させるようにしても良い。
【0152】
ステップS8において、追加フレーム生成部64は、帯域制限処理部62およびスペクトル情報変更部63から入力される信号を基に、試聴データを試聴したユーザが、高音質で楽曲を聞く場合に購入する追加データを構成する追加フレーム用のデータを生成する。
【0153】
ステップS9において、試聴データ生成部64は、処理されたフレームは、最終フレームであるか否かを判断する。ステップS9において、処理されたフレームは、最終フレームではないと判断された場合、処理は、ステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0154】
ステップS9において、処理されたフレームは、最終フレームであると判断された場合、ステップS10において、試聴データ生成部65は、試聴データのヘッダを生成して、試聴フレーム列に付加して試聴データを生成し、出力する。
【0155】
ステップS11において、追加データ生成部66は、入力された情報を用いて、追加データのヘッダを生成して追加フレーム列に付加して追加データを生成して出力し、処理が終了される。
【0156】
図13のフローチャートを参照して説明した処理により、試聴領域のみが低品質で再生される(試聴帯域の設定値が0である場合は、音声が再生されない)オフライン試聴データと、オフライン試聴データからオリジナルデータを復元するための追加データが生成される。
【0157】
なお、符号化装置4の信号成分符号化部12は、入力された信号を符号化する場合、トーン成分と非トーン成分を分離して、それぞれ別に符号化を行うものとして説明したが、信号成分符号化部12に代わって、図8の非トーン成分符号化部33を用いることにより、入力された信号をトーン成分と非トーン成分を分離せずに符号化するようにしても良い。
【0158】
図14に、入力された信号をトーン成分と非トーン成分に分離しない場合に符号列生成部13により生成される高音質のオリジナルデータフレームのフォーマットを示す。オリジナルデータフレームの先頭には、図9で説明した場合と同様に、同期信号を含む固定長のヘッダが配置されている。ヘッダには、図3を用いて説明した変換部11の帯域分割フィルタ21の帯域分割数なども記録される。ヘッダに続いて、量子化ユニット数(ここでは16)、非トーン成分符号化部33が施した量子化の量子化精度情報、16個の量子化ユニットそれぞれの正規化係数情報、およびスペクトル係数情報が記録されている。正規化係数情報は、最低域の量子化ユニット[1]の46という値から、最高域の量子化ユニット[16]の8という値までが、量子化ユニット毎に記録されている。また、コンテンツフレームの長さが固定長である場合、スペクトル係数情報の後に空き領域が設けられるようにしても良い。
【0159】
そして、図15に、図14を用いて説明したオリジナルデータフレームの入力を受けたデータ分離部14により生成される試聴フレームのフォーマットを示す。例えば、オフライン試聴領域の試聴帯域が0に設定された場合、図11を用いて説明した場合と同様に、試聴帯域より高域側の量子化ユニット、すなわち、全ての量子化ユニットの正規化係数情報の値が0とされる。従って、全ての量子化ユニットのスペクトル係数情報には、有効な値が記述されているが、正規化係数情報が0であるので、再生時には、対応する部分のスペクトルは極小化される。そして、参照されないスペクトル係数の一部に、ダミーデータ(ダミースペクトル係数情報)が記載される。
【0160】
そして、図16に、図14を用いて説明したオリジナルデータフレームの入力を受けたデータ分離部14の追加フレーム生成部64により生成される追加フレームを示す。ここでは、オフライン試聴領域の試聴帯域として、0が指定された場合の追加フレームについて説明する。追加フレームには、最小化された量子化ユニットの正規化係数、すなわち、全ての真の正規化係数、およびダミーデータに書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報が記載されている。
【0161】
図14乃至図16を用いて説明したように、トーン成分が分離されない場合においても、同様の処理により、試聴領域のみが低品質で、試聴領域のみが再生される試聴データと、試聴データからオリジナルデータを復元するための追加データが生成される。
【0162】
このようにして生成された試聴データは、インターネットなどを介して、ユーザに配信されたり、店舗などに備えられたMMKによって、ユーザが保有する各種の記録媒体に記録されて配布される。試聴データを再生して、気に入ったユーザは、所定の料金をコンテンツデータの配信事業者に支払うなどして、追加データを入手することができる。ユーザは、試聴データおよび追加データを用いて、オリジナルデータを復元させ、復号して再生したり、記録媒体に記録することが可能となる。
【0163】
図17は、追加データ送信装置5の構成を示すブロック図である。
【0164】
追加データ送信装置5は、ネットワーク1を介して、追加データ送信装置5とデータ再生装置6またはデータ記録装置7とが、有線、あるいは無線で接続されている状態、すなわち、オンラインで、データ再生装置6またはデータ記録装置7の利用者から追加データの送信要求を受ける。そして、追加データ送信装置5は、符号化装置4から供給された追加データからオンライン試聴データを復元するための応答用追加データを生成し、生成された応答用追加データ、または、高音質再生用の追加データを、ネットワーク1を介して、要求元の、データ再生装置6またはデータ記録装置7に送信する。
【0165】
オンライン試聴データを復元するための応答用追加データによって、オフライン試聴データよりも高音質で再生、または記録することができる試聴区間をオンライン試聴区間と称するものとする。オンライン試聴区間の試聴帯域、試聴開始位置、試聴区間長は、追加データ送信装置5において設定される。
【0166】
追加データ要求受信部72は、データ再生装置6またはデータ記録装置7から、ネットワーク1を介して送信された追加データの送信要求パケットを基に、コンテンツIDなどを基に、追加データあるいは応答用追加データが要求されているコンテンツを特定し、要求されているのは、オンライン試聴データを復元するための応答用追加データであるか、または、高音質再生用の追加データであるかの情報とともに、追加フレーム取得部71、および制御部73に出力する。
【0167】
データ再生装置6またはデータ記録装置7から、ネットワーク1を介して送信される追加データの送信要求パケットには、コンテンツを特定するコンテンツID、またはタイトルなど、試聴データや追加データのヘッダ情報に含まれているコンテンツを識別するための情報と同様の情報が含まれている。
【0168】
追加フレーム取得部71は、追加データ要求受信部72から指定されたコンテンツに対応する追加データ(符号化装置4において生成された追加データ)のフレームを取得し、試聴区間決定部74に出力する。
【0169】
制御部73は、追加データ要求パケットを送信してきたデータ再生装置6またはデータ記録装置7と、必要な通信を行うために、追加データ要求受信部72および追加データ送信部73を制御する。また、制御部73は、図示しない操作入力部を用いて、コンテンツの提供者(すなわち、サーバ2の管理者)から、オンライン試聴区間の試聴方法に関する操作入力を受け、その操作入力を基に、試聴区間決定部74によるオンライン試聴区間の決定を制御する。更に、制御部73は、オンライン試聴区間の個数を設定し、試聴区間決定部74に供給する。
【0170】
試聴区間決定部74は、制御部73の制御に従って、必要に応じて試聴区間を決定し、追加フレーム取得部71から供給される全ての追加フレームから必要な追加フレームを抽出し、追加データ加工部75に供給する。すなわち、試聴区間決定部74は、データ再生装置6またはデータ記録装置7が、試聴再生を要求している場合、オンライン試聴区間を決定するとともに、追加フレーム取得部71から供給される追加データの追加フレームが、オンライン試聴区間の追加フレームであるか否かを判定し、オンライン試聴区間の追加フレームのみを追加データ加工部75に供給する。また、試聴区間決定部74は、データ再生装置6またはデータ記録装置7が、高音質再生、すなわち、オリジナルデータの再生を要求している場合、全ての追加フレームを追加データ加工部75に供給する。
【0171】
コンテンツ提供者(すなわち、図1のサーバ2の管理者)は、試聴を推奨する区間を、例えば、コンテンツごとにオンライン試聴区間として設定し、試聴区間決定部74が内部に有するメモリに保存しておくことが可能である。試聴区間決定部74は、制御部73を介して、追加データ要求受信部72が受信した追加データ要求パケットに含まれている、例えば、コンテンツIDなどの入力を受け、予め設定されているオンライン試聴区間を示す情報を、内部のメモリから読み出して、オンライン試聴区間に対応する追加フレームのみを追加データ加工部75に供給する。
【0172】
また、コンテンツ提供者は、複数のオンライン試聴区間を設定しておくことも可能である。試聴区間決定部74は、設定されている複数のオンライン試聴区間から、ランダムにオンライン試聴区間を選択して、設定することが可能である。また、コンテンツ提供者が、オンライン試聴区間を予め設定することなく、試聴区間決定部74が、ランダムに試聴開始位置を決定し、決定された試聴開始位置を基に、オンライン試聴区間を決定するようにしても良い。
【0173】
なお、オンライン試聴区間が、複数設定されても、ランダムに設定されても、その合計の試聴区間の再生時間は、所定の時間以内となるように設定される。
【0174】
オンライン試聴区間の試聴帯域は、オフライン試聴区間の試聴帯域よりも広帯域となるように帯域制限されるか、または、オリジナルデータと同等、すなわち、全ての帯域とされる。すなわち、オンライン試聴区間のデータは、オフライン試聴区間の試聴帯域よりも高音質か、または、オリジナルデータと同等な高音質で、再生または記録することが可能である。
【0175】
追加データ加工部75は、オンライン試聴の要求を受けた場合、試聴区間決定部74から、オンライン試聴区間に対応する追加フレームの供給を受け、オンライン試聴区間の試聴帯域が、オフライン試聴区間の試聴帯域よりも広帯域であるが、オリジナルデータより狭帯域であれば、所定の量子化ユニットの正規化係数を0に置き換えるなどして、帯域制限を行い、オンライン試聴区間の試聴帯域が、オリジナルデータと同等であれば、帯域制限を行わず、それらのフレームにより構成されるデータ列に、ヘッダを付加して、オンライン試聴を行うための、応答用追加データを生成し、追加データ送信部76に出力する。応答用追加データのヘッダ情報には、コンテンツID、オンライン試聴区間の区間数、オンライン試聴区間の試聴開始位置、試聴区間長、試聴帯域などが記載される。
【0176】
追加データ加工部75は、高音質再生または高音質記録(オリジナルデータの再生または記録)の要求を受けた場合、試聴区間決定部74から、全ての追加フレームから構成される追加データの供給を受け、追加データ送信部76に出力する。追加データのヘッダ情報には、コンテンツIDなどが記載されている。
【0177】
追加データ送信部76は、制御部73の制御に基づいて、追加データ要求パケットを送信してきたデータ再生装置6またはデータ記録装置7に、追加データ加工部75より供給される、追加データ、または、応答用追加データを送信する。
【0178】
次に、図18のフローチャートを参照して、追加データ送信装置5が実行する追加データ送信処理について説明する。
【0179】
ステップS21において、追加データ要求受信部72は、データ再生装置6またはデータ記録装置7から、ネットワーク1を介して、追加データ要求パケットを受信し、追加フレーム取得部71および制御部73に出力する。制御部73は、供給された追加データ要求パケットに基づいて、要求されているコンテンツのコンテンツIDを、追加フレーム取得部71に出力して、対応する追加フレームを取得させる。
【0180】
ステップS22において、制御部73は、追加データ要求パケットの内容が、高音質再生のための追加データの要求であるか否かを判断する。ステップS22において、追加データ要求パケットの内容が、高音質再生のための追加データの要求であると判断された場合、処理は、後述するステップS29に進む。このとき、制御部73は、試聴区間決定部74に、高音質再生を実行させるための追加データの送信が行われることを通知し、供給された追加データを、試聴区間決定部74および追加データ加工部75を介して、追加データ送信部76に出力させる。
【0181】
ステップS22において、追加データ要求パケットの内容が、高音質再生のための追加データの要求ではないと判断された場合、要求されているのは、試聴再生のための応答用追加データであるので、ステップS23において、制御部73は、図示しない操作入力部から入力される、ユーザの操作に基づいて、オンライン試聴区間の設定方法を決定するとともに、オンライン試聴区間の個数を設定して、試聴区間決定部74に出力する。
【0182】
試聴区間決定部74は、ステップS24において、制御部73より供給されたオンライン試聴区間の設定方法、および、オンライン試聴区間の個数に基づいて、オンライン試聴区間を設定し、ステップS25において、追加フレーム取得部71から、追加フレームの供給を受ける。
【0183】
ステップS26において、試聴区間決定部74は、供給された追加フレームは、ステップS24において設定されたオンライン試聴区間に含まれている追加フレームであるか否かを判断する。ステップS26において、供給された追加フレームは、オンライン試聴区間に含まれている追加フレームではないと判断された場合、試聴区間決定部74は、供給された追加フレームを廃棄し、処理は、ステップS25に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0184】
ステップS26において、供給された追加フレームは、オンライン試聴区間に含まれている追加フレームであると判断された場合、ステップS27において、試聴区間決定部74は、供給された追加フレームを、送信する応答用追加データに加えるために、追加データ加工部75に出力する。追加データ加工部75は、必要に応じて、供給された追加フレームを帯域制限する。
【0185】
ステップS28において、制御部73は、ステップS23において設定された試聴区間数全てにおいて追加フレームの加工が終了したか否かを判断する。ステップS28において、設定された試聴区間数の全てにおいて追加フレームの加工が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS24に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0186】
ステップS28において、設定された試聴区間数の全てにおいて追加フレームの加工が終了したと判断された場合、追加データ加工部75は、供給された追加フレームに、ヘッダを付けて、応答用追加データを生成し、追加データ送信部76に供給する。そして、ステップS28において、設定された試聴区間の追加フレームの加工が終了したと判断された場合、または、ステップS22において、追加データ要求パケットの内容が、高音質再生のための追加データの要求であると判断された場合、ステップS29において、追加データ送信部76は、追加データ要求パケットを送信してきたデータ再生装置6またはデータ記録装置7に、追加データ加工部75から供給された追加データ、または、応答用追加データを、ネットワーク1を介して送信し、処理が終了される。
【0187】
図18を用いて説明した処理により、応答用追加データが生成され、追加データ、または、応答用追加データが、追加データ要求パケットを送信してきたデータ再生装置6またはデータ記録装置7に送信される。データ再生装置6を備えるクライアント3−1、またはデータ記録装置7を備えるクライアント3−2は、ネットワーク1を介して送信される、または、MMKなどを用いて、例えば、光磁気ディスクなどの記録媒体に記録された、オフライン試聴データの供給を受ける。従って、データ再生装置6は、このオフライン試聴データと、追加データ送信装置5から送信された追加データ、あるいは、応答用追加データを用いて、高音質データ、あるいは、オンライン試聴データを復元し、再生することができ、データ記録装置7は、このオフライン試聴データと、追加データ送信装置5から送信された追加データを用いて、高音質データを復元し、記録することができる。
【0188】
例えば、図19に示されるように、試聴フレームM1乃至M12で構成される試聴データ81を予め保有しているデータ再生装置6が、試聴データ81のヘッダに記載されているコンテンツIDが含まれた追加データ要求パケットにより、応答用追加データを要求した場合、追加データ送信装置5の追加フレーム取得部71は、試聴データ81に対応する、追加フレームS1乃至S12で構成されている追加データ82の供給を受け、試聴区間決定部74に供給する。
【0189】
試聴区間決定部74は、試聴区間を決定し、決定された試聴区間に従って、供給された追加データ82を基に、応答用追加データ83を生成する。応答用追加データ83のヘッダには、コンテンツIDや試聴区間数などが記載され、更に、オンライン試聴区間ごとの追加フレームの先頭部分に、試聴開始位置および試聴区間長が記載され、続いて、オンライン試聴区間の追加フレームのデータが挿入されている。応答用追加データ83は、追加データ要求パケットを送信してきたデータ再生装置6に送信される。
【0190】
ここでは、試聴区間が2箇所(試聴区間R1および試聴区間R2)設定され、1つ目の試聴区間である試聴区間R1の試聴開始位置P1が、4番目のフレームに設定され、試聴区間長L1が、3フレームに設定され、2つ目の試聴区間である試聴区間R2の試聴開始位置P2が、9番目のフレームに設定され、試聴区間長L2が、2フレームに設定されているので、オンライン試聴区間の試聴帯域が、オリジナルデータと同様であれば、応答用追加データ83に含まれる追加フレームは、S4乃至S6、並びに、S9およびS10となる。
【0191】
そして、応答用追加データ83を受信したデータ再生装置6において、試聴データ81および応答用追加データ83を用いて、後述する処理により、試聴再生データ84が生成される。試聴再生データ84は、試聴区間R1および試聴区間R2においては、応答用追加データ83により高音質なデータに復元されたフレームC4乃至C6、並びに、C9およびC10で構成され、他の区間においては、試聴フレームで構成される。
【0192】
例えば、試聴データ81の試聴帯域が0に設定され、オンライン試聴データの試聴帯域が、オリジナルデータと同様に全ての帯域であると設定されている場合、試聴再生データ84を再生すると、高音質なデータに復元されたオンライン試聴区間内のフレームC4乃至C6、並びに、C9およびC10のみが、オリジナルデータと同様の高音質で再生され、オンライン試聴区間外のフレームである試聴フレームM1乃至M3、M7およびM8、並びに、M11およびM12は、再生されない。
【0193】
また、図20に示されるように、試聴フレームM1乃至M12で構成される試聴データ81を予め保有しているデータ再生装置6またはデータ記録装置7が、試聴データ81のヘッダに記載されているコンテンツIDが含まれた追加データ要求パケットにより、追加データ82を要求した場合、追加データ送信装置5の追加フレーム取得部71は、試聴データ81に対応する、追加フレームS1乃至S12で構成されている追加データ82の供給を受ける。追加データ82は、試聴区間決定部74、追加データ加工部75、および追加データ送信部76を介して、追加データ要求パケットを送信してきたデータ再生装置6またはデータ記録装置7に送信される。
【0194】
そして、追加データ82を受信した、データ再生装置6またはデータ記録装置7において、試聴データ81および追加データ82を用いて、後述する処理により、高音質再生データ85が生成される。例えば、オンライン試聴データの試聴帯域が、オリジナルデータと同様に全ての帯域であると設定されている場合、高音質再生データ85は、図19を用いて説明した試聴再生データ84における試聴区間R1およびR2において生成されたフレームと同様に、高音質なデータに復元されたフレームC1乃至C12で構成される。
【0195】
次に、試聴データおよび応答用追加データから、オンライン試聴データを生成し、復号して出力、あるいは再生する、もしくは、試聴データおよび追加データから、オリジナルデータを生成し、復号して出力または再生する場合の処理について説明する。
【0196】
図21は、データ再生装置6の構成を示すブロック図である。
【0197】
符号列分解部91は、制御部92から供給される制御信号に従って、所定のコンテンツIDによって指定されるコンテンツに対応する試聴データ(符号化装置4によって生成され、クライアント3−1において、予め保有されている試聴データ)の入力を受け、符号列を分解して、各信号成分の符号を抽出し、符号列復元部93に出力する。
【0198】
制御部92は、図示しない操作入力部から、入力されたデータの再生方法(高音質再生か、オフライン試聴再生か、あるいは、オンライン試聴再生か)を示すユーザの操作を受け、追加データ要求送信部96に、必要に応じて、追加データまたは応答用追加データの送信要求を送信させるための制御信号を生成して、追加データ送信要求部96に出力する。また、制御部92は、追加データ受信部97から、追加データの入力を受け、必要に応じて、追加データまたは応答用追加データに含まれている、正規化係数情報、あるいは、真のスペクトル係数情報などを、符号列復元部93に供給するとともに、符号列復元部93の処理を制御する。
【0199】
追加データ要求送信部96は、制御部92の制御に従って、追加データまたは応答用追加データを要求するための、追加データ要求パケットを生成し、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5に送信する。
【0200】
追加データ受信部97は、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5から送信された追加データまたは応答用追加データ(例えば、図19および図20を用いて説明したような追加データ82、または、応答用追加データ83)を受信し、制御部92に供給する。
【0201】
符号列復元部93は、制御部92の制御に基づいて、入力された試聴データが、オフライン試聴区間において、そのまま再生される場合、入力された符号化フレームをそのまま信号成分復号部94に出力する。また、符号列復元部93は、入力された試聴データを基に、オンライン試聴される場合、あるいは、入力された試聴データがオリジナルデータに復元されて再生される場合、制御部92から供給される追加フレームあるいは応答用追加フレームに含まれている正規化係数情報、あるいは、真のスペクトル係数情報などの各種情報を基に、試聴データの符号化フレームを復元する処理を実行し、復元された符号化フレームを、信号成分復号部94に出力する。
【0202】
また、符号列復元部93は、オンライン試聴データが再生される場合、オンライン試聴領域のフレームのみを復元して、信号成分復号部94に供給するようにしても良い。
【0203】
信号成分復号部94は、入力されたオフライン試聴データ、オンライン試聴データ、もしくはオリジナルデータの符号化フレームを復号する。図22は、入力された符号化フレームが、トーン成分と非トーン成分に分割されて符号化された場合、その符号化フレームを復号する信号成分復号部94の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0204】
フレーム分離部101は、例えば、図11を用いて説明したような符号化フレームの入力を受け、トーン成分と非トーン成分とに分割し、トーン成分は、トーン成分復号部102に、非トーン成分は、非トーン成分復号部103に出力する。
【0205】
図23は、トーン成分復号部102の更に詳細な構成を示すブロック図である。逆量子化部111は、入力された符号化データを逆量子化し、逆正規化部112に出力する。逆正規化部112は、入力されたデータを逆正規化する。すなわち、逆量子化部111および逆正規化部112により、復号処理が行われて、トーン部分のスペクトル信号が出力される。
【0206】
図24は、非トーン成分復号部103の更に詳細な構成を示すブロック図である。逆量子化部121は、入力された符号化データを逆量子化し、逆正規化部122に出力する。逆正規化部122は、入力されたデータを逆正規化する。すなわち、逆量子化部121および逆正規化部122により、復号処理が行われて、非トーン部分のスペクトル信号が出力される。
【0207】
スペクトル信号合成部104は、トーン成分復号部102および非トーン成分復号部103から出力されたスペクトル信号の入力を受け、それらの信号を合成し、オリジナルデータであれば図6を用いて説明したスペクトラム信号を生成して、逆変換部95に出力する。
【0208】
なお、符号化データが、トーン成分と非トーン成分とに分割されて符号化されていない場合、フレーム分離部101およびスペクトル信号合成部104を省略し、トーン成分復号部102、もしくは、非トーン成分復号部103のうちのいずれか一方のみを用いて、復号処理を行うようにしても良い。
【0209】
図25は、逆変換部95の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0210】
信号分離部131は、入力されたフレームのヘッダに記載されている帯域分割数に基づいて、信号を分離する。ここでは、帯域分割数が2であり、信号分離部131が、入力されたスペクトル信号を逆スペクトル変換部132−1および132−2に分離するものとする。
【0211】
逆スペクトル変換部132−1および132−2は、入力されたスペクトル信号に対して、逆スペクトル変換し、得られた各帯域の信号を帯域合成フィルタ133に出力する。帯域合成フィルタ133は、入力された各帯域の信号を合成して出力する。
【0212】
帯域合成フィルタ133から出力された信号(例えば、オーディオPCM信号)は、例えば、図示しないD/A変換部でアナログデータに変換され、図示しないスピーカから、音声として再生出力される。また、帯域合成フィルタ133から出力された信号は、ネットワークなどを介して、他の装置に出力されるようにしても良い。
【0213】
次に、図26のフローチャートを参照して、図21のデータ再生装置6が実行するオンラインでの試聴再生処理について説明する。
【0214】
ステップS41において、制御部92は、図示しない操作入力部から、コンテンツIDによって指定されるコンテンツのオンライン試聴再生を実行するための操作入力を受け、応答用追加データを要求させるための制御信号を生成し、追加データ要求送信部96に出力する。追加データ要求送信部96は、制御部92の制御に基づいて、対応するコンテンツIDによって指定される応答用追加データを要求する追加データ要求パケットを生成し、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5に送信する。
【0215】
なお、コンテンツIDによって指定されるコンテンツの試聴データが、予め記録されていない場合、制御部92は、ネットワーク1を介して、符号化装置4から、コンテンツIDによって指定されるコンテンツの試聴データをクライアント3−1に受信させる処理を制御するようにしてもよい。
【0216】
ステップS42において、追加データ受信部97は、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5から送信された、応答用追加データを受信する。受信された応答用追加データには、例えば、図19を用いて説明した応答用追加データ83のように、コンテンツID、試聴区間数、並びに、試聴区間ごとの試聴開始位置および試聴区間長と、オンライン試聴区間内の追加フレームのデータが含まれている。
【0217】
符号列分解部91は、ステップS43において、制御部92の制御に基づいて、応答用追加データ83に記載されている、コンテンツIDで指定されるコンテンツに対応する試聴データの試聴開始位置にアクセスし、試聴区間長に基づいた数の試聴フレームを読み出し、ステップS44において、読み出した試聴データの試聴フレームの入力を受け、ステップS45において、入力された符号列を分解し、符号列復元部93に出力する。
【0218】
ステップS46において、図27のフローチャートを用いて後述する符号列復元処理が実行されて、オンライン試聴区間内のフレームが復元される。
【0219】
ステップS47において、信号成分復号部94は、入力された符号列を、トーン成分と非トーン成分とに分割し、それぞれ、逆量子化および逆正規化を施すことにより復号し、復号によって生成されたスペクトル信号を合成して、逆変換部95に出力する。
【0220】
ステップS48において、逆変換部95は、入力されたスペクトル信号を、必要に応じて帯域分離し、それぞれ逆スペクトル変換した後、帯域合成して、時系列信号に逆変換する。
【0221】
ステップS49において、制御部92は、ステップS48において、逆変換部95によって逆変換されたのは、試聴データの最終フレームであるか否かを判断する。
【0222】
ステップS49において、最終フレームではないと判断された場合、処理は、ステップS44に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS49において、最終フレームであると判断された場合、ステップS50において、制御部92は、全ての試聴区間を再生したか否かを判断する。
【0223】
ステップS50において、全ての試聴区間を再生していないと判断された場合、処理は、ステップS43に戻り、次の試聴区間の試聴開始位置へのアクセスが実行されて、それ以降の処理が実行される。ステップS50において、全ての試聴区間を再生したと判断された場合、処理は終了される。
【0224】
逆変換部95によって逆変換されて生成された時系列信号は、図示しないD/A変換部によりアナログデータに変換されて、図示しないスピーカから再生出力されるようにしても良いし、図示しないネットワークを介して、他の装置などに出力されるようにしても良い。
【0225】
また、オンライン試聴において、複数の試聴領域が再生される場合、不自然に連続して再生されないように、必要に応じて、例えば、試聴領域の境界でフェードイン、フェードアウトなどの処理を行うようにしてもよい。
【0226】
なお、ここでは、トーン成分と非トーン成分とが分割されて符号化されている試聴データ、もしくは、その試聴データから復元されたオリジナルデータを復号する場合について説明しているが、トーン成分と非トーン成分とが分割されていない場合においても、同様にして、復元処理、および再生処理が可能である。
【0227】
次に、図27のフローチャートを参照して、図26のステップS46において実行される符合列復元処理について説明する。
【0228】
ステップS71において、符号列復元部93は、制御部92から、符号列を復元するために、追加データ、または、応答用追加データに含まれる追加フレームを取得する。追加フレームには、試聴フレームを復元するためのデータ(真の正規化係数情報、真のスペクトル係数情報など)が記載されている。
【0229】
符号列復元部93は、ステップS72において、符号列分解部91により分解されたフレームの入力を受け、ステップS73において、図12を用いて説明した追加フレームに含まれるトーン成分の正規化係数情報の真の値を用いて、試聴データの試聴フレームにおいて0に置き換えられた部分のトーン成分の正規化係数情報を復元する。
【0230】
ステップS74において、符号列復元部93は、図12を用いて説明した追加フレームに含まれる非トーン成分の正規化係数情報の真の値を用いて、試聴データの試聴フレームにおいて0に置き換えられた部分の非トーン成分の正規化係数情報を復元する。
【0231】
ステップS75において、符号列復元部93は、図12を用いて説明した追加フレームに含まれる非トーン成分のスペクトル係数情報の真の値を用いて、ダミーデータに置き換えられた部分の非トーン成分のスペクトル係数情報を復元して、処理は、図26のステップS47に戻る。
【0232】
図26および図27のフローチャートを用いて説明した処理により、試聴データと応答用追加データを用いて、試聴区間内の試聴用のデータフレームが生成される。
【0233】
なお、図26および図27においては、図12を用いて説明した追加データを用いてオリジナルデータを復元する、すなわち、真の正規化係数情報が、全て追加データに記載されているものとして説明したが、真の正規化情報の一部、もしくは全部が、試聴フレーム内の空き領域に記載されている場合、符号列復元部93は、試聴フレーム内の空き領域に記載されている真の正規化係数情報を用いて、置き換えられている部分の正規化係数情報を復元する。
【0234】
次に、図28のフローチャートを参照して、図21のデータ再生装置6が実行する高音質再生処理について説明する。
【0235】
ステップS91において、制御部92は、図示しない操作入力部から、コンテンツIDによって指定されるコンテンツの高音質再生を実行するための操作入力を受け、追加データを要求させるための制御信号を生成し、追加データ要求送信部96に出力する。追加データ要求送信部96は、制御部92の制御に基づいて、対応するコンテンツIDによって指定される追加データを要求する追加データ要求パケットを生成し、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5に送信する。
【0236】
ステップS92において、追加データ受信部97は、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5から送信された、追加データを受信する。受信された追加データには、例えば、図20を用いて説明した追加データ82のように、全ての追加フレームのデータが含まれている。
【0237】
ステップS93乃至ステップS97において、図26のステップS44乃至ステップS48と基本的に同様の処理が実行される。すなわち、符号列分解部91は、試聴データの試聴フレームの入力を受け、入力された符号列を分解し、符号列復元部93に出力する。そして、図27のフローチャートを用いて説明した符号列復元処理が実行される。符号列復元処理により利用されるのは、全ての追加フレームのデータが含まれている追加データであるので、オリジナルデータが復元される。
【0238】
ステップS98において、制御部92は、ステップS97において、逆変換部95によって逆変換されたのは、最終フレームであるか否かを判断する。
【0239】
ステップS98において、最終フレームではないと判断された場合、処理は、ステップS93に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS98において、最終フレームであると判断された場合、処理は終了される。
【0240】
図28を用いて説明した処理により、復元されて復号されたオリジナルデータは、図示しないスピーカなどを用いて再生されても、例えば、ネットワークなどを介して、他の装置に出力されるようにしても良い。
【0241】
次に、試聴データを記録媒体に記録する、もしくは、試聴データおよび追加フレームからオリジナルデータを復元して記録媒体に記録する場合の処理について説明する。
【0242】
図29は、データ記録装置7の構成を示すブロック図である。
【0243】
なお、図21のデータ再生装置6の場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0244】
すなわち、符号列分解部91は、符号化された試聴データの入力を受け、符号列を分解して、各信号成分の符号を抽出し、制御部92は、図示しない操作入力部から、ユーザの操作を受け、入力されたデータを高音質記録するか、オフライン試聴記録するか、換言すれば、オリジナルデータを復元して記録する処理を実行するか否かを指令する情報の入力を受けて、必要に応じて、追加データ要求送信部96から、追加データ要求パケットを送信させ、追加データ受信部97から、追加データの入力を受けて、符号列復元部93の処理を制御する。
【0245】
符号列復元部93は、制御部92の制御に基づいて、入力された試聴データがオフライン試聴記録される場合は、入力された符号化フレームをそのまま記録部151に出力し、オリジナルデータが復元されて高音質記録される場合には、入力された試聴データを、制御部92から供給される、真の正規化係数情報、真のスペクトル係数情報などの各種情報を基に、オリジナルデータの符号化フレームに復元する処理を実行し、復元されたオリジナルデータの符号化フレームを、記録部151に出力する。
【0246】
記録部151は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、あるいは、磁気テープなどの記録媒体に、所定の方法でデータを記録する。また、記録部151は、例えば、基板などに備えられているメモリや、ハードディスクなどのように、その内部に情報を記録するものであってもかまわない。例えば、記録部151が、光ディスクにデータを記録することが可能である場合、記録部151は、光ディスクに記録するために適したフォーマットにデータを変換するエンコーダ、レーザダイオードなどのレーザ光源、各種レンズ、および、偏向ビームスプリッタなどから構成される光学ユニット、光ディスクを回転駆動するスピンドルモータ、光学ユニットを光ディスクの所定のトラック位置に駆動する駆動部、並びにそれらを制御する制御部などから構成される。
【0247】
なお、記録部151に装着される記録媒体は、符号列分解部91、あるいは、制御部92に入力される試聴データ、あるいは、追加データが記録されていた記録媒体と同一のものであっても良い。
【0248】
次に、図30のフローチャートを参照して、データ記録装置7が実行するデータ記録処理について説明する。
【0249】
符号列分解部91は、ステップS111において、試聴データの符号化フレームの入力を受け、ステップS112において、入力された符号列を分解し、符号列復元部93に出力する。
【0250】
ステップS113において、符号列復元部93は、制御部92から入力される信号を基に、高音質記録が実行されるか否かを判断し、高音質記録が実行されると判断された場合、ステップS114およびステップS115において、図28のステップS91およびステップS92と同様の処理が実行される。すなわち、制御部92は、追加データを要求させるための制御信号を生成し、追加データ要求送信部96に出力する。追加データ要求送信部96は、追加データ要求パケットを生成し、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5に送信する。そして、追加データ受信部97は、ネットワーク1を介して、サーバ2の追加データ送信装置5から送信された、追加データを受信する。受信された追加データには、例えば、図20を用いて説明した追加データ82のように、全ての追加フレームのデータが含まれている。
【0251】
ステップS116において、図27のフローチャートを用いて説明した符号列復元処理が実行される。
【0252】
ステップS113において、高音質記録が実行されると判断されなかった場合、もしくはステップS116の処理の終了後、ステップS117において、記録部151は、入力されたオリジナルデータ、もしくはオフライン試聴データに対応する符号列を、装着された記録媒体などに記録する。
【0253】
ステップS118において、制御部92は、ステップS117において、記録部151によって記録されたのは、オリジナルデータ、もしくはオフライン試聴データに対応する符号列の最終フレームであるか否かを判断する。
【0254】
ステップS118において、最終フレームではないと判断された場合、処理は、ステップS111に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS118において、最終フレームであると判断された場合、処理は終了される。
【0255】
図30のフローチャートを用いて説明した処理では、応答用追加データを用いて試聴区間の音質を高音質に復元したオンライン試聴データは、記録することができないものとして説明されているが、例えば、コンテンツごとに、オンライン試聴領域を予め設定するようにして、応答用追加データをサーバ2の追加データ送信装置に要求し、図26を用いて説明した試聴再生処理と同様の処理によりオンライン試聴データを復元して記録することができるようにしても良い。
【0256】
本発明を適用することにより、オフライン試聴においては再生帯域外となる正規化係数情報の値を、例えば0などに変更し、更に、正規化係数情報の値を変更したことにより、再生処理時に参照されなくなるデータ(例えば、対応するスペクトル係数情報)をダミーデータに置き換えて、試聴データを生成することができる。このような試聴データからオリジナルデータを推測することは非常に困難である。特に、オフライン試聴帯域を非常に狭い帯域、または0とすることにより、更に、試聴データからオリジナルデータを推測することが困難となる。また、試聴データを不正に改変しようとすると、かえって音質を劣化させる原因となるので、コンテンツの著作権や、コンテンツ販売者の権利を保護することが可能である。
【0257】
また、オフライン試聴において試聴できないフレームのデータを、例えば、全ての正規化係数情報を分離したり、フレームごと分離することなどにより、予め試聴することができないようにして、試聴データを生成するようにしても良い。
【0258】
そして、試聴データを用いてオンライン試聴が行われる場合、追加データ送信装置5において設定された試聴区間の追加データのみをコンテンツ利用者が保有するクライアント3−1のデータ再生装置6に送信するようにしたので、追加データ送信装置5の管理者が、試聴再生時間や試聴再生位置を制限して、多様な部分においてオフライン試聴再生よりも高音質に再生処理が実行される試聴データをユーザに試聴させるようにすることができる。
【0259】
更に、オフライン試聴データの生成時にダミーデータに対応する真の値(例えば、真の正規化係数情報、あるいは、真のスペクトル係数情報など)が記載された追加フレームにより構成される追加データを作成するようにしたので、追加データを用いて、オフライン試聴データからオリジナルデータを復元させることが可能となる。
【0260】
更に、追加フレームに記載される情報の一部、もしくは全部を、オフライン試聴フレームの空き領域に含ませるようにした場合、追加データ、または応答用追加データのデータ容量を少なくすることができるので、例えば、ユーザが、追加データ、または応答用追加データを、ダウンロード処理により手に入れようとした場合などの通信時間を短くすることができる。
【0261】
以上説明した処理においては、サーバ2に、符号化装置4と追加データ送信装置5が備えられているものとして説明したが、符号化装置4と追加データ送信装置5が実行する処理を、同一の装置において実行するようにしても良いし、符号化装置4と追加データ送信装置5を、それぞれ異なるサーバに備えるようにしても良い。
【0262】
本発明を適用することにより、オフライン試聴データ、オンライン試聴データ、または、復元されたオリジナルデータを、再生出力したり、記録媒体に記録したリ、ネットワークなどを介して他の機器に出力することが可能である。
【0263】
以上では、オーディオ信号によるコンテンツデータのオフライン試聴データおよび対応する追加データを生成したり、オフライン試聴データおよび応答用追加データから、オンライン試聴データを生成して、再生したり、記録する処理、並びに、オフライン試聴データおよび追加データから、オリジナルデータを復元して、再生する処理について説明したが、本発明は、画像信号、あるいは、画像信号とオーディオ信号からなるコンテンツデータにも適応することが可能である。
【0264】
例えば、画像信号によるコンテンツデータを、二次元DCTを用いて変換し、多様な量子化テーブルを用いて量子化する場合、ダミーの量子化テーブルとして、高域成分を欠落させたものを指定し、必要に応じて、ダミーに対応する高域部分のスペクトル係数情報の領域に、ダミーデータを記録して試聴データとする。追加データには、欠落された量子化テーブルの高域成分、および置き換えられたスペクトル係数情報が記載される。
【0265】
そして、オリジナルデータの復元時には、追加データを用いて、高域成分が欠落されていない真の量子化テーブルが復元され、真のスペクトル係数情報が復元されるので、オリジナルデータを復元して復号することができる。
【0266】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、符号化装置4、データ再生装置6、もしくは、データ記録装置7は、図31に示されるようなパーソナルコンピュータ161により構成される。
【0267】
図31において、CPU171は、ROM172に記憶されているプログラム、または記憶部178からRAM173にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM173にはまた、CPU171が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0268】
CPU171、ROM172、およびRAM173は、バス174を介して相互に接続されている。このバス174にはまた、入出力インタフェース175も接続されている。
【0269】
入出力インタフェース175には、キーボード、マウスなどよりなる入力部176、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部177、ハードディスクなどより構成される記憶部178、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部179が接続されている。通信部179は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0270】
入出力インタフェース175にはまた、必要に応じてドライブ180が接続され、磁気ディスク191、光ディスク192、光磁気ディスク193、あるいは半導体メモリ194などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部178にインストールされる。
【0271】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0272】
この記録媒体は、図31に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを供給するために配布される、プログラムが記憶されている磁気ディスク191(フロッピディスクを含む)、光ディスク192(CD−ROM(CompactDisk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク193(MD(Mini−Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ194などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに供給される、プログラムが記憶されているROM172や、記憶部178に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0273】
なお、本明細書において、記録媒体に記憶されるプログラムを記述するステップは、含む順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0274】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、他の情報処理装置においてデータ列を変換するために用いられるデータ列を生成することができる。
また、本発明によれば、他の情報処理装置において、所定の領域のデータのみを再生、または記録することができるようなデータ列に変換するために用いられるデータ列を生成することができる。
【0275】
他の本発明によれば、データ列の入力を受けて変換することができる他、入力されたデータ列に含まれている情報に基づいた所定の領域のみを再生または記録できるようなデータに変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適応した符号化装置、データ再生装置、およびデータ記録装置によるデータ授受システムを説明するための図である。
【図2】本発明を適用した符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の変換部の構成を示すブロック図である。
【図4】スペクトル信号と量子化ユニットについて説明する図である。
【図5】図2の信号成分符号化部の構成を示すブロック図である。
【図6】トーン成分および非トーン成分について説明するための図である。
【図7】図5のトーン成分符号化部の構成を示すブロック図である。
【図8】図5の非トーン成分符号化部の構成を示すブロック図である。
【図9】オリジナルデータのフレームのフォーマットについて説明する図である。
【図10】図2の試聴データ生成部の構成を示すブロック図である。
【図11】試聴フレームのフォーマットについて説明する図である。
【図12】追加フレームを説明する図である。
【図13】試聴データ生成処理について説明するフローチャートである。
【図14】トーン成分が分離されない場合のオリジナルデータのフレームについて説明する図である。
【図15】トーン成分が分離されない場合の試聴フレームについて説明する図である。
【図16】トーン成分が分離されない場合の追加フレームについて説明する図である。
【図17】図1の追加データ送信装置の構成を示すブロック図である。
【図18】追加データ送信処理を説明するフローチャートである。
【図19】応答用追加データと生成される試聴再生データを説明する図である。
【図20】追加データによって生成される高音質再生データについて説明する図である。
【図21】本発明を適用したデータ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図22】図21の信号成分復号部の構成を示すブロック図である。
【図23】図22のトーン成分復号部の構成を示すブロック図である。
【図24】図22の非トーン成分復号部の構成を示すブロック図である。
【図25】図21の逆変換部の構成を示すブロック図である。
【図26】試聴再生処理について説明するフローチャートである。
【図27】符号列復元処理について説明するフローチャートである。
【図28】高音質再生処理について説明するフローチャートである。
【図29】本発明を適用したデータ記録装置の構成を示すブロック図である。
【図30】データ記録処理について説明するフローチャートである。
【図31】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
4 符号化装置, 5 追加データ送信装置,6 データ再生装置, 7 データ記録装置, 11 変換部, 12 信号成分符号化部, 13 符号列生成部, 14 データ分離部, 61 制御部, 62 帯域制限処理部, 63 スペクトル情報変更部, 64 追加フレーム生成部, 65 試聴データ生成部, 66 追加データ生成部, 71 追加フレーム取得部, 72 追加データ要求受信部, 73 制御部, 74 試聴区間決定部, 75 追加データ加工部, 76 追加データ送信部, 92 制御部, 93 符号列復元部, 96 追加データ要求送信部, 97 追加データ受信部

Claims (35)

  1. 第1のデータ列を基に生成された第2のデータ列と、第3のデータ列とを用いて第4のデータ列を生成し、生成された前記第4のデータ列を再生または記録する他の情報処理装置に、前記第3のデータ列を配信する情報処理装置の情報処理方法において、
    前記第2のデータ列を前記第1のデータ列に復元するために必要な第1のデータを含む第5のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、
    前記他の情報処理装置において再生または記録される前記第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定ステップと、
    前記領域決定ステップの処理により決定された前記データ領域に基づいて、前記取得制御ステップの処理により取得が制御された前記第5のデータ列から、前記他の情報処理装置に配信する前記第3のデータ列を生成する第1の生成ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  2. 前記領域決定ステップの処理では、複数のデータ領域候補を予め用意しておき、複数の前記データ領域候補から、少なくともひとつの前記データ領域候補を選択して、前記データ領域を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  3. 前記領域決定ステップの処理では、処理の実行ごとに、ランダムに、前記データ領域を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  4. 前記領域決定ステップの処理では、全ての前記データ領域における前記第4のデータ列の再生または記録の時間の合計が、所定の時間以内になるように、前記データ領域を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  5. 前記第1の生成ステップの処理では、前記データ領域により規定される前記第4のデータ列の再生開始位置または記録開始位置を示す情報を含む前記第3のデータ列を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  6. 前記第1の生成ステップの処理では、前記データ領域により規定される前記第4のデータ列の再生データ区間または記録データ区間を示す情報を含む前記第3のデータ列を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  7. 前記他の情報処理装置において再生または記録される前記第4のデータ列の周波数帯域を決定する帯域決定ステップを更に含み、
    前記第1の生成ステップの処理では、前記第4のデータ列の再生または記録が前記帯域決定ステップの処理により決定された前記周波数帯域で行われるような前記第3のデータ列を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  8. 前記第1のデータは、前記第1のデータ列から前記第2のデータ列が生成された場合に前記第1のデータ列から分離された、または、前記第1のデータと異なる第2のデータによって置き換えられたデータを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  9. 前記第1のデータ列に含まれている前記第1のデータを、前記第1のデータと異なる第2のデータによって置き換える置き換えステップと、
    前記置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、前記第2のデータ列を生成する第2の生成ステップと、
    前記第1のデータを含む前記第5のデータ列を生成する第3の生成ステップと
    を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  10. 前記置き換えステップの処理では、前記第2のデータ列が再生される場合に、前記第1のデータ列が再生される場合よりも再生品質が劣化するように、前記第1のデータを前記第2のデータに置き換える
    ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
  11. 前記第2のデータは、前記第1のデータの少なくとも一部をランダムなデータに置き換えたものである
    ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
  12. 入力されたデータを符号化する符号化ステップを更に含み、
    前記置き換えステップの処理では、前記符号化ステップの処理により符号化された符号化データを前記第1のデータ列として、前記第1のデータ列に含まれている前記第1のデータを前記第2のデータと置き換える
    ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
  13. 前記第1のデータは、前記符号化ステップの処理による符号化処理の正規化係数情報を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
  14. 前記第1のデータは、前記符号化ステップの処理による符号化処理の量子化精度情報を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
  15. 前記第1のデータは、可変長符号を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
  16. 周波数成分を変換する変換ステップを更に含み、
    前記符号化ステップの処理では、前記変換ステップの処理により変換されたデータを符号化し、
    前記第1のデータは、スペクトル係数情報を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
  17. 前記第4のデータ列が再生または記録される場合の品質を指定した前記第3のデータ列を要求する信号の、前記他の情報処理装置からの受信を制御する受信制御ステップを更に含み、
    前記第1の生成ステップの処理では、前記信号により指定された品質で前記第4のデータ列が再生または記録されるような前記第3のデータ列を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  18. 第1のデータ列を基に生成された第2のデータ列と、第3のデータ列とを用いて第4のデータ列を生成し、生成された前記第4のデータ列を再生または記録する他の情報処理装置に、前記第3のデータ列を配信する情報処理装置において、
    前記第2のデータ列を前記第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列を取得する取得手段と、
    前記他の情報処理装置において再生または記録される前記第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定手段と、
    前記領域決定手段により決定された前記データ領域に基づいて、前記取得手段により取得された前記第5のデータ列から、前記他の情報処理装置に配信する前記第3のデータ列を生成する生成手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  19. 第1のデータ列を基に生成された第2のデータ列と、第3のデータ列とを用いて生成される第4のデータ列を再生または記録する他の情報処理装置に、前記第3のデータ列を配信する情報処理装置用のプログラムであって、
    前記第2のデータ列を前記第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、
    前記他の情報処理装置において再生または記録される前記第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定ステップと、
    前記領域決定ステップの処理により決定された前記データ領域に基づいて、前記取得制御ステップの処理により取得が制御された前記第5のデータ列から、前記他の情報処理装置に配信する前記第3のデータ列を生成する生成ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  20. 第1のデータ列を基に生成された第2のデータ列と、第3のデータ列とを用いて生成される第4のデータ列を再生または記録する他の情報処理装置に、前記第3のデータ列を配信する情報処理装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記第2のデータ列を前記第1のデータ列に復元するために必要なデータを含む第5のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、
    前記他の情報処理装置において再生または記録される前記第4のデータ列の領域を少なくとも1つ決定する領域決定ステップと、
    前記領域決定ステップの処理により決定された前記データ領域に基づいて、前記取得制御ステップの処理により取得が制御された前記第5のデータ列から、前記他の情報処理装置に配信する前記第3のデータ列を生成する生成ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  21. 第1のデータ列から生成された第2のデータ列と他の情報処理装置から受信する第3のデータ列とを用いて、第4のデータ列を生成する情報処理装置の情報処理方法において、
    前記他の情報処理装置から送信される、前記第3のデータ列の受信を制御する受信制御ステップと、
    前記受信制御ステップの処理により受信が制御された前記第3のデータ列に含まれる第1のデータを、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換えステップと、
    前記置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な前記第4のデータ列を生成する生成ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  22. 前記第3のデータ列は、前記第4のデータ列が再生または記録される場合の再生開始位置または記録開始位置を示す情報を含む
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  23. 前記第3のデータ列は、前記第4のデータ列が再生または記録される場合の前記データ区間を示す情報を含む
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  24. 前記第4のデータ列は、前記データ区間において、前記第1のデータ列と同一の品質で、再生または記録可能なデータ列である
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  25. 前記第4のデータ列は、前記データ区間において、前記第1のデータ列より狭く、前記第2のデータ列より広い音声帯域で、再生または記録可能なデータ列である
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  26. 前記置き換えステップの処理では、前記第2のデータ列より前記第4のデータ列のほうが、高音質で再生または記録されるデータ列となるように、前記第1のデータを前記第2のデータと置き換える
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  27. 前記第2のデータ列を復号する復号ステップを更に含み、
    前記置き換えステップの処理では、前記第2のデータ列に含まれる前記第2のデータを、前記第1のデータで置き換え、
    前記復号ステップの処理では、前記生成ステップの処理により生成された前記第4のデータ列を復号する
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  28. 前記第2のデータ列は、符号化されたデータ列であり、
    前記第3のデータ列に含まれている前記第1のデータは、正規化係数情報を含む
    ことを特徴とする請求項27に記載の情報処理方法。
  29. 前記第2のデータ列は、符号化されたデータ列であり、
    前記第3のデータ列に含まれている前記第1のデータは、量子化精度情報を含む
    ことを特徴とする請求項27に記載の情報処理方法。
  30. 入力されたデータを復号して周波数成分に変換する復号ステップと、
    前記復号ステップの処理により変換された前記周波数成分を信号成分に逆変換する逆変換ステップと
    を更に含み、
    前記第3のデータ列に含まれている前記第1のデータは、前記周波数成分のスペクトル係数情報を含む
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  31. 前記第2のデータは、前記第1のデータの少なくとも一部をランダムなデータに置き換えたものである
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  32. 前記生成ステップの処理により生成される前記第4のデータ列が再生または記録される場合の品質を指定して、前記第3のデータ列を要求する信号の、前記他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップ
    を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
  33. 第1のデータ列から生成された第2のデータ列と他の情報処理装置から受信する第3のデータ列とを用いて、第4のデータ列を生成する情報処理装置において、
    前記他の情報処理装置から送信される、前記第3のデータ列を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された前記第3のデータ列に含まれる第1のデータを、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換え手段と、
    前記置き換え手段により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な前記第4のデータ列を生成する生成手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  34. 第1のデータ列から生成された第2のデータ列と他の情報処理装置から受信した第3のデータ列とを用いて、第4のデータ列を生成する情報処理装置用のプログラムであって、
    前記他の情報処理装置からの、前記第3のデータ列の受信を制御する受信制御ステップと、
    前記受信制御ステップの処理により受信が制御された前記第3のデータ列に含まれる第1のデータを、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換えステップと、
    前記置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な前記第4のデータ列を生成する生成ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  35. 第1のデータ列から生成された第2のデータ列と他の情報処理装置から受信した第3のデータ列とを用いて、第4のデータ列を生成する情報処理装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記他の情報処理装置からの、前記第3のデータ列の受信を制御する受信制御ステップと、
    前記受信制御ステップの処理により受信が制御された前記第3のデータ列に含まれる第1のデータを、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータと置き換える置き換えステップと、
    前記置き換えステップの処理により生成されたデータを用いて、少なくとも1つのデータ区間において、データの再生または記録が可能な前記第4のデータ列を生成する生成ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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