JP2003308099A - データ変換方法およびデータ変換装置、データ復元方法およびデータ復元装置、データフォーマット、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

データ変換方法およびデータ変換装置、データ復元方法およびデータ復元装置、データフォーマット、記録媒体、並びにプログラム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッダが固定長で、無音再生部分のない、試
聴領域のみを連続して再生する試聴データを生成する。 【解決手段】 オリジナルデータ71のヘッダには、コ
ンテンツID、コンテンツの再生時間Aなどが記載され
る。そして、試聴領域1および試聴領域2と、それ以外
の保護領域1乃至保護領域3とが区別されて、それぞれ
に適した符号化が実行される。そして、フレームの順番
が入れ替えられて、再生時間が変更されたヘッダが付加
されて、試聴領域が全てフレーム列の先頭に移動されて
いる、フレーム順変更後試聴データ73(配布される試
聴データ)が生成される。再生時間Bの試聴領域1と再
生時間Cの試聴領域2がフレーム列の先頭に移動されて
いるので、フレーム順変更後試聴データ73のヘッダに
記載される再生時間は”B+C”となる。本発明は、符
号化装置、データ再生装置、もしくは、データ記録装置
に適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ変換方法お
よびデータ変換装置、データ復元方法およびデータ復元
装置、データフォーマット、記録媒体、並びにプログラ
ムに関し、特に、コンテンツの試聴データをユーザに配
布する場合に用いて好適なデータ変換方法およびデータ
変換装置、データ復元方法およびデータ復元装置、デー
タフォーマット、記録媒体、並びにプログラムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、インターネットなどの通信ネッ
トワーク技術の普及、情報圧縮技術の向上、更に、情報
記録媒体の高集積化、あるいは高密度化が進んだことな
どにより、オーディオ、静止画像、動画像、あるいは、
オーディオと動画像からなる例えば映画など、様々なマ
ルチメディアデータから構成されるデジタルコンテンツ
が、通信ネットワークを介して、視聴者に有料で配信さ
れるという販売形態が実施されるようになった。
【0003】例えば、CD(Compact Disk)やMD(Mi
ni-Disk)(商標)などのパッケージメディア、すなわ
ち、デジタルコンテンツが予め記録された記録媒体を販
売する店舗などは、例えば、音楽データをはじめとする
多数のデジタルコンテンツが蓄積された、いわゆるMM
K(Multi Media KIOSK)などの情報端末を設置するこ
とにより、パッケージメディアを販売するのみならず、
デジタルコンテンツを販売することが可能である。
【0004】ユーザは、MMKに、持参したMDなどの
記録媒体を挿入し、メニュー画面などを参照して、購入
したいデジタルコンテンツのタイトルを選択して、要求
されるコンテンツの代金を支払う。代金の支払方法は、
現金の投入であっても、電子マネーのやり取りであって
も、あるいは、クレジットカードやプリペイドカードを
用いた電子決済であっても良い。MMKは、所定の処理
により、ユーザが挿入した記録媒体に、選択されたデジ
タルコンテンツデータを記録する。
【0005】デジタルコンテンツの販売者は、上述した
ように、MMKを用いてデジタルコンテンツをユーザに
販売する以外にも、例えば、インターネットを介して、
デジタルコンテンツをユーザに配信することも可能であ
る。
【0006】このように、コンテンツが予め記録された
パッケージメディアを販売するのみならず、デジタルコ
ンテンツそのものを販売する手法を取り入れることによ
り、更に効果的にコンテンツが流通されるようになっ
た。
【0007】著作権を保護しながら、デジタルコンテン
ツを流通させるために、例えば、特開平2001−10
3047、あるいは、特開平2001−325460な
どの技術を用いることにより、デジタルコンテンツの試
聴可能な部分以外を暗号化して配信し、暗号化に対する
復号鍵を購入したユーザにのみ、コンテンツ全ての試聴
を許可するようにすることができる。暗号化の方法とし
ては、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)のデ
ジタル音声データのビット列に対する鍵信号となる乱数
系列の初期値を与え、発生した0/1の乱数系列と、配
信するPCMデータとの排他的論理和を、暗号化された
ビット列とする方法が知られている。このように暗号化
されたデジタルコンテンツが、例えば、上述したMMK
などを用いて記録媒体に記録されたり、ネットワークを
介して配信されることにより、ユーザに配布される。暗
号化されたデジタルコンテンツデータを取得したユーザ
は、鍵を手に入れなければ、暗号化されていない試聴可
能な部分しか試聴することができず、暗号化されている
部分を復号せずに再生しても、雑音しか試聴することが
できない。
【0008】また、音声データなどを圧縮して放送した
り、ネットワークを介して配信したり、圧縮されたデー
タを、例えば光磁気ディスクなどの、様々な形態の記録
媒体に記録する技術も向上している。
【0009】音声データの高能率符号化には、様々な方
法があるが、例えば、時間軸上のオーディオ信号をブロ
ック化せず、複数の周波数帯域に分割して符号化する帯
域分割符号化(SBC(Sub Band Coding))や、時間
軸上の信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換して、
複数の周波数帯域に分割し、帯域毎に符号化するブロッ
ク化周波数帯域分割方式(いわゆる、変換符号化)など
がある。また、帯域分割符号化で帯域分割を行った後、
各帯域において、信号を周波数軸上の信号にスペクトル
変換し、スペクトル変換された帯域毎に符号化を施す手
法も考えられている。
【0010】ここで利用されるフィルタには、例えば、
QMF(Quadrature Mirror Filter)があり、QMFに
ついては、R. E. Crochiereによる"Digital coding of
speech in subbands"(Bell Syst. Tech. J. Vol.55,N
o.8 1974)の文献に記載されている。また、Joseph H.
Rothweilerによる"Polyphase Quadrature Fitters-Anew
subband coding technique"(ICASSP 83, BOSTON)な
どの文献には、等しいバンド幅のフィルタ分割手法につ
いて記載されている。
【0011】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定の単位時間(フレー
ム)でブロック化し、そのブロック毎に、離散フーリエ
変換(DFT;Discrete Fourier Transform)、離散コ
サイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)、
モデファイドDCT変換(MDCT;modified Discret
e Cosine Transform)などを行う方法がある。例えば、
MDCTについての詳細は、J. P. Princen, A. B. Bra
dley(Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tec
h.)らによる"Subband / Transform Cording Using Fil
ter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Can
cellation"(ICASSP 1987)の論文に述べられている。
【0012】また、波形信号をスペクトル変換する方法
として、上述したDFTやDCTが用いられた場合、M
個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行うと、M
個の独立した実数データが得られる。時間ブロック間の
接続ひずみを軽減するために、通常、両隣のブロック
と、それぞれN/2個ずつ、すなわち、両側合わせてN
個のサンプルをオーバーラップさせるので、DFTやD
CTにおいては、平均して、(M+N)個のサンプルに
対して、独立したM個の実数データを量子化して符号化
することになる。
【0013】これに対して、スペクトル変換する方法と
して、上述したMDCTが用いられた場合には、M個の
サンプルからなる時間ブロックで変換を行うと、両隣の
ブロックとそれぞれM/2個ずつ、すなわち、両側合わ
せてM個オーバーラップさせた2M個のサンプルから、
M個の独立した実数データが得られるので、MDCTで
は、平均して、M個のサンプルに対して、M個の実数デ
ータを、量子化して符号化することになる。
【0014】復号装置においては、MDCTを用いて得
られた符号から、各ブロックを逆変換して得られた波形
要素を、お互いに干渉させながら加え合わせることによ
り、波形信号を再構成することができる。
【0015】一般に、変換のための時間ブロックを長く
することによって、スペクトルの周波数分解能が高ま
り、特定のスペクトル成分にエネルギが集中する。従っ
て、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせるこ
とにより、長いブロック長で変換を行い、しかも、得ら
れたスペクトル信号の個数が、基となった時間サンプル
の個数に対して増加しないMDCTを用いて変換を施す
ことにより、変換にDFTやDCTを用いた場合より、
効率よく符号化を行うことができる。また、隣接するブ
ロック同士に十分長いオーバーラップを持たせることに
より、波形信号のブロック間歪みを軽減することができ
る。
【0016】上述したように、フィルタリングやスペク
トル変換によって、帯域毎に分割された信号を量子化す
ることにより、量子化雑音が発生する帯域を制御するこ
とができ、マスキング効果などの性質を利用して、聴覚
的に、より高能率な符号化を行うことができる。また、
量子化を行う前に、帯域毎に、例えば、その帯域におけ
る信号成分の絶対値の最大値で正規化を行うようにする
ことにより、更に、高能率な符号化を行うことができ
る。
【0017】周波数帯域分割された各周波数成分を量子
化する場合、例えば、人間の聴覚特性を考慮して、周波
数分割幅が決定されるようにしても良い。すなわち、一
般に臨界帯域(クリティカルバンド)と称される高域ほ
ど帯域幅が広くなるように、オーディオ信号が複数の帯
域(例えば、25バンド)に分割されるようにしても良
い。
【0018】また、クリティカルバンドが広くなるよう
に帯域が分割されている場合に、帯域毎のデータが符号
化されるとき、帯域毎に所定のビット配分が行われるよ
うにしても良いし、帯域毎に適応的にビットが割り当て
られる(ビットアロケーションが行われる)ようにして
も良い。
【0019】例えば、MDCTされて得られた係数デー
タが、ビットアロケーションによって符号化される場
合、ブロック毎のMDCTにより得られる帯域毎のMD
CT係数データに対して、それぞれ、適応的にビット数
が割り当てられて、符号化が行われる。ビット割り当て
手法としては、例えば、次にあげる2つの手法が知られ
ている。
【0020】R. Zelinski, P. Nollらによる、"Adaptiv
e Transform Coding of Speech Signals"(IEEE Transa
ctions of Acoustics, Speech, and Signal Processin
g, Vol. ASSP-25, No. 4, August 1977)の論文では、
帯域毎の信号の大きさを基に、ビット割り当てが行われ
ることについて述べられている。この方式によると、量
子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギは最小
となるが、聴覚的に考慮した場合、マスキング効果が利
用されていないため、人間の耳に実際聞こえる雑音を減
少する点では最適ではない。
【0021】また、M. A. Kransner(Massachusetts In
stitute of Technology)による、"The critical band
coder digital encoding of the perceptual requirem
entsof the auditory system"(ICASSP 1980)の論文に
は、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要
な信号対雑音比を得て、固定的なビット割り当てを行う
手法が記載されている。しかしながら、この手法では、
サイン波入力で特性を測定する場合においても、ビット
割り当てが固定的であるために、その特性値は、それほ
ど良い値とはならない。
【0022】これらの問題を解決するために、ビット割
り当てに使用できる全ビットが、小ブロック毎に予め定
められた固定ビット割り当てパターン分と、各ブロック
の信号の大きさに依存したビット割り当てを行う分とに
分割使用され、その分割比が、入力信号に関係する信号
に依存され、その信号のスペクトルが滑らかなほど、固
定ビット割り当てパターン分への分割比率が大きくされ
るようになされている高能率符号化装置が提案されてい
る。
【0023】この方法を用いることにより、サイン波入
力のように、特定のスペクトルにエネルギが集中する場
合には、そのスペクトルを含むブロックに多くのビット
数を割り当てることができるので、全体的な信号対雑音
特性を著しく改善することができる。一般的に、急峻な
スペクトル成分を持つ信号に対する人間の聴覚は、極め
て敏感であるため、このような方法を用いて信号対雑音
特性を改善することは、測定上の特性値のみならず、人
間が実際に聞く音の音質を改善するのに有効である。
【0024】ビット割り当ての方法には、上述した以外
にも、多くの方法が提案されている。更に、聴覚に関す
るモデルが精緻化され、符号化装置の能力が向上したこ
とにより、測定上の特性値のみならず、人間の聴覚に対
してより高能率な符号化を行うことが可能となってい
る。これらの方法においては、計算によって求められた
信号対雑音特性を、なるべく忠実に実現するような実数
のビット割り当て基準値が求められ、それを近似する整
数値が求められて、割り当てビット数に設定されるのが
一般的である。
【0025】また、本発明者が先に出願した、特願平5
−152865、もしくは、WO94/28633には、
生成されたスペクトル信号から、聴覚上、特に重要なト
ーン性の成分、すなわち、特定の周波数周辺にエネルギ
が集中しているような成分を分離して、他のスペクトル
成分とは別に符号化する方法について記載されている。
この方法により、オーディオ信号などを、聴覚上の劣化
を殆ど感じさせずに、高い圧縮率で効果的に符号化する
ことが可能となっている。
【0026】実際の符号列を生成する場合、まず、正規
化および量子化が行われる帯域毎に、量子化精度情報お
よび正規化係数情報が、所定のビット数で符号化され、
次に、正規化、および量子化されたスペクトル信号が符
号化される。また、ISO/IEC11172-3; (1993(E), a
933)では、帯域によって量子化精度情報を表すビット
数が異なるように設定された高能率符号化方式が記述さ
れており、帯域が高域になるにともなって、量子化精度
情報を表すビット数が少なくなるように規格化されてい
る。
【0027】量子化精度情報を直接符号化する代わり
に、復号装置において、例えば、正規化係数情報から量
子化精度情報を決定する方法も知られているが、この方
法では、規格を設定した時点で、正規化係数情報と、量
子化精度情報との関係が決まってしまうので、将来的
に、更に高度な聴覚モデルに基づいた量子化精度を用い
る制御を導入することができなくなってしまう。また、
実現する圧縮率に幅がある場合には、圧縮率毎に正規化
係数情報と量子化精度情報との関係を定める必要が生じ
てしまう。
【0028】量子化されたスペクトル信号を、より効率
的に符号化する方法として、例えば、D. A. Huffmanに
よる"A Method for Construction of Minimum Redundan
cy Codes"(Proc. I. R. E. , 40, p.1098, 1952)の論
文に記載されている可変長符号を用いて効率的に符号化
を行う方法も知られている。
【0029】以上説明したような方法で符号化された信
号を、PCM信号の場合と同様にして暗号化して配布す
ることも可能であり、このスクランブル方法が用いられ
た場合には、鍵信号を入手していないものは、元の信号
を再生することが出来ない。また、符号化ビット列を暗
号化するのではなく、PCM信号をランダム信号に変換
した後、圧縮のために符号化を行う方法もあるが、この
スクランブル方法が用いられた場合には、鍵信号を入手
していないものは、雑音しか再生することが出来ない。
【0030】また、コンテンツデータの試聴データを配
布することにより、コンテンツデータの販売を促進する
ことができる。試聴データには、例えば、オリジナルデ
ータよりも低音質で再生されるデータや、オリジナルデ
ータのうちの一部(例えば、さびの部分のみ)などを再
生することが出来るデータなどがある。ユーザは、試聴
データを再生して、気に入った場合に、暗号を復号する
鍵を購入して、オリジナルの音声を再生することができ
るようにしたり、オリジナルの音声データが記録された
記録媒体を新たに購入しようとする。
【0031】しかしながら、上述したスクランブル方法
では、データ全体が再生できないか、もしくは、全てが
雑音として再生されるので、例えば、比較的低音質で音
声を録音した記録媒体を、試聴データとして配布すると
いう用途に利用することが出来なかった。これらの方法
によりスクランブルされたデータをユーザに配布して
も、ユーザは、そのデータの全体の概要を把握すること
ができない。
【0032】また、従来の方法では、高能率符号化を施
した信号を暗号化する場合に、通常、広く用いられてい
る再生装置にとって、意味のある符号列を与えながら、
その圧縮効率を下げないようにすることは非常に困難で
あった。すなわち、上述したように、高能率符号化を施
すことによって生成された符号列にスクランブルをかけ
た場合、その符号列をデスクランブルしないまま再生し
ても、雑音が発生するばかりではなく、スクランブルに
よって生成された符号列が、元となる高能率符号の規格
に適合していない場合には、再生処理が全く実行できな
い可能性がある。
【0033】また、逆に、PCM信号にスクランブルを
かけた後に高能率符号化が施された場合、例えば、聴覚
の性質を利用して情報量を削ると、不可逆符号化となっ
てしまう。従って、このような高能率符号を復号して
も、PCM信号にスクランブルをかけた信号が正しく再
現できない。すなわち、このような信号は、デスクラン
ブルを正しく行うことが非常に困難なものとなってしま
う。
【0034】従って、たとえ、圧縮の効率が下がってし
まっても、スクランブルが正しく解除できる方法が選択
されてきた。
【0035】このような課題に対して、本発明者等は、
特開平10−135944において、例えば、音楽デー
タをスペクトル信号に変換して符号化したもののうち、
高帯域に対応する符号のみが暗号化されたデータを、試
聴データとして配布することにより、鍵を保有していな
いユーザであっても、暗号化されていない狭帯域の信号
を復号して再生することができるオーディオ符号化方式
について開示した。この方式においては、高域側の符号
が暗号化されるとともに、高域側のビット割り当て情報
が、ダミーデータに置き換えられ、高域側の真のビット
割り当て情報が、再生処理を行うデコーダが再生処理時
に情報を読み取らない(無視する)位置に記録されるよ
うになされている。
【0036】この方式を採用することにより、ユーザ
は、試聴データの配布を受けて、試聴データを再生し、
試聴の結果、気に入った試聴データをオリジナルデータ
に復号するための鍵を有償で購入して、所望の音楽など
を全ての帯域で正しく再生して、高音質で楽しむことが
可能となる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−1359
44号公報において開示されている技術では、鍵を保有
していないユーザは、無償で配布されるデータの狭帯域
の信号しか復号されないようになされている。しかしな
がら、その安全性は、暗号化にのみ依存されているた
め、暗号が解読されてしまった場合、ユーザは、料金を
支払うことなく、高音質の音楽を再生することが可能と
なるので、音楽データの配信者(コンテンツ提供者)
は、正当に料金を徴収することができない。
【0038】また、特開平2001−103047など
に記載された技術を用いることにより、デジタルコンテ
ンツの試聴可能な部分以外を暗号化して配信し、暗号化
に対する復号鍵を購入したユーザにのみ、コンテンツ全
ての試聴を許可することができるが、この場合、コンテ
ンツの提供を受けるユーザが試聴データを再生するため
に用いる、例えば、データ再生装置は、正式なコンテン
ツを再生するための再生機能以外に、試聴用のコンテン
ツデータのヘッダを解読して再生する機能を別途有する
必要がある。
【0039】また、コンテンツ提供者は、試聴データと
して、コンテンツ全体にわたって品質を制限したもので
はなく、コンテンツの一部、あるいは数箇所のみ、品質
を限定して、試聴を可能とし、他の部分は、品質を制限
したデータであっても、試聴することができないように
したい場合がある。
【0040】例えば、試聴データを無償で配布するにあ
たって、その楽曲のさびの部分の数十秒のみを品質を制
限して再生可能として、ユーザが試聴することが可能な
ようにしたい場合、そのコンテンツのうちの試聴可能な
箇所以外を試聴不可としなければならず、更に、試聴可
能な部分を不自然なく再生することが可能な試聴データ
を作成することが望まれる。
【0041】上述したように、試聴不可の部分を試聴で
きないようにする技術を用いることにより、そのデータ
を再生しても、対応する部分(さび以外の部分)は、無
音となるようにすることができる。しかしながら、さび
の部分以外を無音とし、さびの部分のみが低品質で再生
されるような試聴データを復号して再生する場合、デー
タの先頭から、順次復号処理を行うため、試聴可能な部
分までは、無音のまま再生されてしまい、試聴可能な部
分のデータの復号処理が行われるまで、音声が全く再生
出力されない不自然なものとなってしまう。
【0042】また、コンテンツデータのうち、複数の箇
所が、試聴可能領域として指定された場合、試聴用コン
テンツデータのヘッダには、試聴可能領域の数、試聴可
能領域のそれぞれの開始位置および終了位置などを記載
しなければならない。その場合、ヘッダの情報量が、コ
ンテンツによって可変長になってしまうという課題があ
った。
【0043】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、コンテンツデータの1部のみを低音質で再
生可能とし、他の部分を再生不可とした試聴データを配
布する場合において、再生可能部分のみが自然に再生さ
れ、かつ、試聴データのヘッダ長が変更されない試聴デ
ータを生成することができるようにし、更に、このよう
な試聴データをオリジナルデータに復元することが出来
るようにするものである。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明のデータ変換方法
は、第1のデータ列を構成する複数のフレームの順番を
変更することにより、第1のデータ列を変換して、第2
のデータ列を生成するデータ変換ステップと、データ変
換ステップの処理により変換されて生成された第2のデ
ータ列を、第1のデータ列に復元するために必要な第3
のデータ列を生成する生成ステップとを含むことを特徴
とする。
【0045】第1のデータ列を構成する複数のフレーム
は、第1のフレームと第2のフレームに分類されるもの
とすることができ、データ変換ステップの処理では、第
1のフレームが、第2のフレームよりも前に位置するよ
うに順番が変更されることにより、第1のデータ列を変
換させて、第2のデータ列を生成させるようにすること
ができる。
【0046】生成ステップの処理により生成された第3
のデータ列は、第1のデータ列における第1のフレーム
の位置情報を含むものとすることができる。
【0047】生成ステップの処理により生成された第3
のデータ列は、第1のデータ列において連続する第1の
フレームの合計の長さ情報を含むものとすることができ
る。
【0048】データ変換ステップの処理により第1のデ
ータから変換されて生成された第2のデータ列は、第2
のデータ列が再生される場合の再生時間情報を含むもの
とすることができ、再生時間情報に示される第2のデー
タ列の再生時間は、第2のデータ列に含まれている第1
のフレームの合計再生時間であるものとすることができ
る。
【0049】データ変換ステップの処理では、第2のフ
レームに対応する部分を暗号化する処理および暗号を復
号する復号鍵を生成する処理を更に実行させることによ
り、第2のデータ列を生成させるようにすることがで
き、生成ステップの処理では、データ変換ステップの処
理により生成された復号鍵を含む第3のデータ列を生成
させるようにすることができる。
【0050】入力されたデータを符号化する符号化ステ
ップを更に含ませるようにすることができ、データ変換
ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号
化された符号化データを第1のデータ列として、第2の
データ列に変換させるようにすることができる。
【0051】入力されたデータを周波数成分に変換する
周波数成分変換ステップと、周波数成分変換ステップの
処理により変換された周波数成分を、トーン性成分から
なる第1の信号と、第1の信号以外の第2の信号に分離
する分離ステップとを更に含ませるようにすることがで
き、符号化ステップの処理では、第1の信号と、第2の
信号とで異なる符号化処理が実行させるようにすること
ができる。
【0052】データ変換ステップの処理では、第1のデ
ータ列に含まれているフレームのうちの少なくとも1つ
のフレームに含まれている第1のデータが第2のデータ
に置き換えられて第2のデータ列を生成させ、生成ステ
ップの処理では、データ変換ステップの処理により第2
のデータに置き換えられた第1のデータを含む第3のデ
ータ列を生成させるようにすることができる。
【0053】データ変換ステップの処理では、第1のデ
ータ列に含まれているフレームのうちの少なくとも1つ
のフレームに含まれている第1のデータを第2のデータ
に置き換えさせて、第1のデータ列が再生された場合よ
り、第2のデータ列が再生された場合の方が、再生の品
質が劣るように、第1のデータ列を第2のデータ列に変
換させるようにすることができる。
【0054】入力されたデータを符号化する符号化ステ
ップを更に含ませるようにすることができ、データ変換
ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号
化された符号化データを第1のデータ列として、第2の
データ列に変換させるようにすることができ、第1のデ
ータは、符号化ステップの処理による符号化処理の正規
化係数情報を含むものとすることができる。
【0055】入力されたデータを符号化する符号化ステ
ップを更に含ませるようにすることができ、データ変換
ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号
化された符号化データを第1のデータ列として、第2の
データ列に変換させるようにすることができ、第1のデ
ータは、符号化ステップの処理による符号化処理の量子
化精度情報を含むものとすることができる。
【0056】入力されたデータを符号化する符号化ステ
ップを更に含ませるようにすることができ、データ変換
ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号
化された符号化データを第1のデータ列として、第2の
データ列に変換させるようにすることができ、第1のデ
ータは、符号化ステップの処理による符号化処理の量子
化ユニット数を表す情報を含むものとすることができ
る。
【0057】入力されたデータを周波数成分に変換する
周波数成分変換ステップと、周波数成分変換ステップの
処理により周波数成分に変換されたデータを符号化する
符号化ステップとを更に含ませるようにすることがで
き、データ変換ステップの処理では、符号化ステップの
処理により符号化された符号化データを第1のデータ列
として、第2のデータ列に変換させるようにすることが
でき、第1のデータは、周波数成分変換ステップの処理
により変換された周波数成分のスペクトル係数情報を含
むものとすることができる。
【0058】入力されたデータを符号化する符号化ステ
ップを更に含ませるようにすることができ、データ変換
ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号
化された符号化データを第1のデータ列として、第2の
データ列に変換させるようにすることができ、第1のデ
ータは、可変長符号を含むものとすることができる。
【0059】第1のデータは、所定の数値を示すデータ
であるものとすることができ、第2のデータは、第2の
データの数値を最小化したものであるものとすることが
できる。
【0060】第2のデータは、第1のデータの少なくと
も一部をランダムなデータに置き換えたものであるもの
とすることができる。
【0061】入力されたデータを符号化する符号化ステ
ップを更に含ませるようにすることができ、データ変換
ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号
化された符号化データを第1のデータ列として、第2の
データ列に変換させるようにすることができ、第2のデ
ータは、復号された場合に、第1のデータが復号された
場合のデータ長よりも短いデータ長となるものとするこ
とができる。
【0062】本発明のデータ変換装置は、第1のデータ
列を構成する複数のフレームの順番を変更することによ
り、第1のデータ列を変換して、第2のデータ列を生成
するデータ変換手段と、データ変換手段により変換され
て生成された第2のデータ列を、第1のデータ列に復元
するために必要な第3のデータ列を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする。
【0063】本発明の第1の記録媒体に記録されている
プログラムは、第1のデータ列を構成する複数のフレー
ムの順番を変更することにより、第1のデータ列を変換
して、第2のデータ列を生成するデータ変換ステップ
と、データ変換ステップの処理により変換されて生成さ
れた第2のデータ列を、第1のデータ列に復元するため
に必要な第3のデータ列を生成する生成ステップとを含
むことを特徴とする。
【0064】本発明の第1のプログラムは、第1のデー
タ列を構成する複数のフレームの順番を変更することに
より、第1のデータ列を変換して、第2のデータ列を生
成するデータ変換ステップと、データ変換ステップの処
理により変換されて生成された第2のデータ列を、第1
のデータ列に復元するために必要な第3のデータ列を生
成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0065】本発明のデータ復元方法は、第1のデータ
列を第2のデータ列に復元するために必要な情報を含む
第3のデータ列の取得を制御する取得制御ステップと、
取得制御ステップの処理により取得が制御された第3の
データ列を基に、第1のデータを構成する複数のフレー
ムの順番を変更して、第2のデータ列を復元する復元ス
テップとを含むことを特徴とする。
【0066】第1のデータ列を構成する複数のフレーム
は、第1のフレームと第2のフレームに分類され、第1
のフレームが、第2のフレームよりも前に位置するよう
に配置されるものとすることができ、復元ステップの処
理では、取得制御ステップにより取得が制御された第3
のデータ列に含まれている情報を基に、第1のフレーム
の位置を移動して、第2のデータ列を復元させるように
することができる。
【0067】取得制御ステップの処理により取得が制御
された第3のデータ列は、第2のデータ列における第1
のフレームの位置情報を含むものとすることができる。
【0068】取得制御ステップの処理により取得が制御
された第3のデータ列は、第2のデータ列において連続
している第1のフレームの合計の長さ情報を含むものと
することができる。
【0069】復元ステップの処理により復元された第2
のデータ列の、所定の記録媒体への記録を制御する記録
制御ステップを更に含ませるようにすることができる。
【0070】復元ステップの処理により復元された第2
のデータ列を復号する復号ステップを更に含ませるよう
にすることができる。
【0071】復号ステップの処理により復号された第2
のデータ列の再生を制御する再生制御ステップを更に含
ませるようにすることができる。
【0072】第1のデータ列は、少なくとも一部暗号化
されるものとすることができ、第3のデータ列には、第
1のデータ列の暗号化された部分に対応する復号鍵が含
まれるものとすることができ、復元ステップの処理で
は、取得制御ステップにより取得が制御された第3のデ
ータ列に含まれている復号鍵を用いて、第1のデータ列
の少なくとも一部を復号させるようにすることができ
る。
【0073】復元ステップの処理では、取得制御ステッ
プにより取得が制御された第3のデータ列に含まれてい
る第1のデータを、第1のデータ列に含まれている第2
のデータと置き換えることにより、第2のデータ列を復
元させるようにすることができる。
【0074】第2のデータ列は、符号化されたデータ列
であるものとすることができ、第1のデータは、正規化
係数情報を含むものとすることができる。
【0075】第2のデータ列は、符号化されたデータ列
であるものとすることができ、第1のデータは、量子化
精度情報を含むものとすることができる。
【0076】第2のデータ列は、符号化されたデータ列
であるものとすることができ、第1のデータは、量子化
ユニット数を含むものとすることができる。
【0077】第2のデータ列は、周波数成分に変換され
て符号化されたデータ列であるものとすることができ、
第1のデータは、スペクトル係数情報を含むものとする
ことができる。
【0078】第2のデータ列は、符号化されたデータ列
であるものとすることができ、第1のデータは、可変長
符号を含むものとすることができる。
【0079】第1のデータは、所定の数値を示すデータ
であるものとすることができ、第2のデータは、第1の
データの数値を最小化したものであるものとすることが
できる。
【0080】第2のデータは、第1のデータの少なくと
も一部をランダムなデータに置き換えたものであるもの
とすることができる。
【0081】復元ステップの処理により復元された第2
のデータ列を復号する復号ステップを更に含ませるよう
にすることができ、第2のデータは、復号ステップの処
理により復号された場合に、第1のデータが復号された
場合のデータ長よりも短いデータ長となるものとするこ
とができる。
【0082】復元ステップの処理では、第3のデータ列
に含まれている第1のデータを、第1のデータ列に含ま
れている第2のデータに置き換えさせることにより、第
1のデータ列が再生された場合より、第2のデータ列が
再生された場合の方が、再生の品質が向上するように、
第2のデータ列に復元させるようにすることができる。
【0083】本発明のデータ復元装置は、第1のデータ
列を第2のデータ列に復元するために必要な情報を含む
第3のデータ列を取得する取得手段と、取得手段により
取得された第3のデータ列を基に、第1のデータを構成
する複数のフレームの順番を変更して、第2のデータ列
を復元する復元手段とを備えることを特徴とする。
【0084】本発明の第2の記録媒体に記録されている
プログラムは、第1のデータ列を第2のデータ列に復元
するために必要な情報を含む第3のデータ列の取得を制
御する取得制御ステップと、取得制御ステップの処理に
より取得が制御された第3のデータ列を基に、第1のデ
ータを構成する複数のフレームの順番を変更して、第2
のデータ列を復元する復元ステップとを含むことを特徴
とする。
【0085】本発明の第2のプログラムは、第1のデー
タ列を第2のデータ列に復元するために必要な情報を含
む第3のデータ列の取得を制御する取得制御ステップ
と、取得制御ステップの処理により取得が制御された第
3のデータ列を基に、第1のデータを構成する複数のフ
レームの順番を変更して、第2のデータ列を復元する復
元ステップとを含むことを特徴とする。
【0086】本発明の第1のデータフォーマットは、試
聴データの再生時間情報を含むヘッダ情報と、試聴領域
として設定され、再生品質がコンテンツデータの対応す
る部分よりも劣化するように設定されている第1のフレ
ームと、試聴不可の領域として、再生することが出来な
いように設定されている第2のフレームとを含み、第1
のフレームは、第2のフレームよりも再生時の時間軸で
前となるように配置され、ヘッダ情報には、試聴データ
の再生時間情報として第1のフレームの合計の再生時間
が記載されていることを特徴とする。
【0087】本発明の第2のデータフォーマットは、コ
ンテンツデータの再生時間と、試聴データにおいて試聴
領域として設定されているフレームのコンテンツデータ
における位置情報とを含むヘッダ情報と、試聴データに
含まれている少なくとも1つの第1のデータと置き換え
る第2のデータと、第1のデータを第2のデータに正し
く置き換えるために必要な情報とを含むことを特徴とす
る。
【0088】本発明のデータ変換方法およびデータ変換
装置、ならびに第1のプログラムにおいては、第1のデ
ータ列を構成する複数のフレームの順番を変更すること
により、第1のデータ列が変換されて、第2のデータ列
が生成され、生成された第2のデータ列を、第1のデー
タ列に復元するために必要な第3のデータ列が生成され
る。
【0089】本発明のデータ復元方法およびデータ変換
装置、ならびに第2のプログラムにおいては、第1のデ
ータ列を第2のデータ列に復元するために必要な情報を
含む第3のデータ列が取得され、取得された第3のデー
タ列を基に、第1のデータを構成する複数のフレームの
順番が変更されて、第2のデータ列が復元される。
【0090】本発明の第1のデータフォーマットにおい
ては、試聴データの再生時間情報を含むヘッダ情報と、
試聴領域として設定され、再生品質がコンテンツデータ
の対応する部分よりも劣化するように設定されている第
1のフレームと、試聴不可の領域として、再生すること
が出来ないように設定されている第2のフレームとを含
み、第1のフレームは、第2のフレームよりも再生時の
時間軸で前となるように配置され、ヘッダ情報には、試
聴データの再生時間情報として第1のフレームの合計の
再生時間が記載されている。
【0091】本発明の第2のデータフォーマットにおい
ては、コンテンツデータの再生時間と、試聴データにお
いて試聴領域として設定されているフレームのコンテン
ツデータにおける位置情報とを含むヘッダ情報と、試聴
データに含まれている少なくとも1つの第1のデータと
置き換える第2のデータと、第1のデータを第2のデー
タに正しく置き換えるために必要な情報とを含む。
【0092】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、本発明の実
施の形態について説明する。
【0093】ここでは、オーディオPCM信号などのデ
ジタル信号の入力を受け、帯域分割符号化(SBC)、
適応変換符号化(ATC:Adaptive Transform cordin
g)および、適応ビット割り当てを行うことにより、高
能率符号化を行う場合について説明する。適応変換符号
化とは、離散コサイン変換(DCT)などをベースに、
ビット配分を適応化した符号化方法であり、入力信号を
時間ブロック毎にスペクトル信号に変換し、所定の帯域
毎に、各スペクトル信号をまとめて正規化、すなわち、
最大信号成分を近似する正規化係数で、各信号成分を除
算してから、信号の性質によって適時定められた量子化
精度で量子化して符号化するものである。
【0094】図1は、音響波形信号の入力を受けて、試
聴データを作成する符号化装置1の構成例を示すブロッ
ク図である。
【0095】変換部11は、音響波形信号の入力を受け
て、信号周波数成分に変換し、信号成分符号化部12に
出力する。信号成分符号化部12は、入力された信号周
波数成分を符号化し、符号列生成部13に出力する。符
号列生成部13は、信号成分符号化部12により符号化
された信号周波数成分から符号列を生成し、試聴データ
生成部14に出力する。試聴データ生成部14は、符号
列生成部13から入力された符号列に対して、正規化係
数情報の書き換え、ダミービットの置き換えなどの所定
の処理を行って、高音質で再生可能な音声データ(オリ
ジナルデータ)を、試聴データに変換するとともに、オ
リジナルデータの再生を希望するユーザに対して販売さ
れる、試聴データに対応する追加データ(復元用デー
タ)を生成して出力する。
【0096】図2は、変換部11の更に詳細な構成を示
すブロック図である。
【0097】変換部11に入力された音響波形信号は、
帯域分割フィルタ21によって2つの帯域に分割され、
それぞれの信号が、順スペクトル変換部22−1および
22−2に出力される。順スペクトル変換部22−1お
よび22−2は、例えばMDCTなどを用いて、入力さ
れた信号を、スペクトル信号成分に変換して信号成分符
号化部12に出力する。順スペクトル変換部22−1お
よび22−2に入力される信号は、帯域分割フィルタ2
1に入力される信号の帯域幅の1/2であり、信号の入
力も、それぞれ1/2に間引かれている。
【0098】図2の変換部11においては、帯域分割フ
ィルタ21によって2つの帯域に分割された信号が、M
DCTを用いてスペクトル信号成分に変換されるものと
して説明したが、入力された信号をスペクトル信号成分
に変換する方法は、いずれの方法を用いるようにしても
良く、例えば、入力された信号を帯域分割せずに、MD
CTを用いてスペクトル信号成分に変換するようにして
も良い。あるいは、順スペクトル変換部22−1および
22−2は、DCTやDFTを用いて、入力された信号
をスペクトル信号に変換するようにしても良い。
【0099】いわゆる帯域分割フィルタを用いることに
より、入力された信号を帯域成分に分割することも可能
であるが、多数の周波数成分を比較的少ない演算量で演
算することが可能な、MDCT、DCT、あるいは、D
FCを用いてスペクトル変換を行うと好適である。
【0100】また、図2においては、入力された音響波
形信号が帯域分割フィルタ21において、2つの帯域に
分割されるものとして説明したが、帯域分割数は、2つ
でなくてもかまわないことは言うまでもない。帯域分割
フィルタ21における帯域分割数を示す情報は、信号成
分符号化部12を介して、符号列生成部13に出力され
る。
【0101】図3は、変換部11によって得られるMD
CTによるスペクトル信号の絶対値を、パワーレベルに
変換して示した図である。変換部11に入力された音響
波形信号は、所定の時間ブロック毎に、例えば、64個
のスペクトル信号に変換される。これらのスペクトル信
号は、信号成分符号化部12によって、後述する処理に
より、例えば、図中の実線でかこまれた16個の枠組み
で示されるように、[1]乃至[16]の、16個の帯
域に分けられ、それぞれの帯域毎に量子化および正規化
が行われる。この16個の帯域に分けられたスペクトル
信号の集合、すなわち、量子化および正規化を行うスペ
クトル信号の集合が、量子化ユニットである。
【0102】周波数成分の分布の仕方に基づいて、量子
化精度を量子化ユニット毎に変化させることにより、人
間に聞こえる音の質の劣化を最小限にとどめることが出
来る効率の良い符号化が可能となる。
【0103】図4は、信号成分符号化部12の更に詳細
な構成を示すブロック図である。ここでは、周波数成分
符号化部12は、入力されたスペクトル信号から、聴感
上、特に重要なトーン部分、すなわち、特定の周波数周
辺にエネルギが集中している信号成分を分離して、他の
スペクトル成分とは別に符号化を行うようになされてい
る場合について説明する。
【0104】変換部11から入力されたスペクトル信号
は、トーン成分分離部31により、トーン成分と、非ト
ーン成分に分離され、トーン成分は、トーン成分符号化
部32に出力され、非トーン成分は、非トーン成分符号
化部33に出力される。
【0105】図5を用いて、トーン成分と非トーン成分
について説明する。例えば、トーン成分分離部31に入
力されたスペクトル信号が、図5のような信号である場
合、特にパワーレベルが高い部分が、トーン成分41乃
至43として、非トーン成分から分離される。なお、分
離されたトーン成分41乃至43の位置を示す位置デー
タP1乃至P3、およびトーン成分として抜き出された
周波数の幅がそれぞれ検出されて、トーン成分ととも
に、トーン成分符号化部32に出力される。
【0106】トーン成分の分離方法は、例えば、本発明
者が先に出願した、特願平5−152865号公報、も
しくは、WO94/28633などに記載の方法を用いれ
ばよい。この方法により分離されたトーン成分および非
トーン成分は、後述するトーン成分符号化部32および
非トーン成分符号化部33の処理により、それぞれ、異
なるビット数で量子化される。
【0107】トーン成分符号化部32および非トーン成
分符号化部33は、入力された信号を、それぞれ符号化
するが、トーン成分符号化部32は、トーン成分に対し
て、量子化ビット数を大きく、すなわち、量子化精度を
高くして量子化を行い、非トーン成分符号化部33は、
非トーン成分に対して、量子化ビット数を小さく、すな
わち、量子化精度を低くして量子化を行う。
【0108】各トーン成分に関しては、トーン成分の位
置情報や、トーン成分として抜き出された周波数の幅な
どの情報を新たに付け加える必要があるが、非トーン成
分のスペクトル信号を少ないビット数で量子化すること
が可能となる。特に、符号化装置1に入力された音響波
形信号が、特定のスペクトルにエネルギが集中するよう
な信号である場合には、このような方法を取ることによ
り、聴覚上の劣化を殆ど感じさせずに、高い圧縮率で効
果的に符号化することが可能である。
【0109】図6は、図4のトーン成分符号化部32の
更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0110】正規化部51は、量子化ユニット毎にトー
ン成分のスペクトル信号の入力を受けて、正規化を行
い、量子化部52に出力する。量子化精度決定部53
は、入力された量子化ユニットを参照して、量子化精度
を計算し、計算結果を量子化部52に出力する。入力さ
れる量子化ユニットは、トーン成分であるから、量子化
精度決定部53は、量子化精度が高くなるように量子化
精度を計算する。量子化部52は、正規化部51から入
力された正規化結果を、量子化精度決定部53により決
定された量子化精度で量子化して、符号を生成するとと
もに、生成された符号に加えて、正規化係数情報や量子
化精度情報などの、符号化情報を出力する。
【0111】また、トーン成分符号化部32は、トーン
成分とともに入力されたトーン成分の位置情報なども、
トーン成分とともに符号化して出力する。
【0112】図7は、図4の非トーン成分符号化部33
の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0113】正規化部54は、量子化ユニット毎に非ト
ーン成分のスペクトル信号の入力を受けて、正規化を行
い、量子化部55に出力する。量子化精度決定部56
は、入力された量子化ユニットを参照して、量子化精度
を計算し、計算結果を量子化部55に出力する。入力さ
れる量子化ユニットは、非トーン成分であるから、量子
化精度決定部56は、量子化精度が低くなるように量子
化精度を計算する。量子化部55は、正規化部54から
入力された正規化結果を、量子化精度決定部56により
決定された量子化精度で量子化して、符号を生成すると
ともに、生成された符号に加えて、正規化係数情報や量
子化精度情報などの、符号化情報を出力する。
【0114】上述した符号化方法に対して、更に符号化
効率を高めることが可能である。例えば、可変長符号化
を行い、量子化されたスペクトル信号のうち、頻度の高
いものに対しては、比較的短い符号長を割り当て、頻度
の低いものに対しては、比較的長い符号長を割り当てる
ことにより、符号化効率を更に高めることが出来る。
【0115】そして、図1の符号列生成部13は、信号
成分符号化部12により出力された信号周波数成分の符
号から、例えば、記録媒体に記録したり、データ伝送路
を介して、他の情報処理装置などに送出可能な符号列、
すなわち、複数のフレームにより構成された符号列を生
成し、試聴データ生成部14に出力する。符号列生成部
13により生成される符号列は、通常のデコーダによっ
て高音質で再生可能な音声データである。図8に、符号
列生成部13において生成される高音質で再生可能な音
声データのフレームのフォーマットを示す。
【0116】各フレームの先頭には、同期信号を含む固
定長のヘッダが配置されている。ヘッダには、図2を用
いて説明した変換部11の帯域分割フィルタ21の帯域
分割数等も記録される。
【0117】各フレームには、ヘッダに続いて、分離さ
れたトーン成分に関するトーン成分情報が記録される。
トーン成分情報には、トーン成分数、トーン幅、およ
び、図6を用いて説明したトーン成分符号化部32がト
ーン成分に対して施した量子化の量子化精度情報が記録
される。続いて、トーン成分41乃至43のデータとし
て、それぞれの正規化係数、トーン位置、およびスペク
トル係数が記録されている。ここでは、例えば、トーン
成分41の正規化係数が30であり、トーン成分42の
正規化係数が27であり、トーン成分43の正規化係数
が24であるものとする。
【0118】そして、トーン成分情報に続いて、非トー
ン成分情報が記載される。非トーン成分情報には、量子
化ユニット数(ここでは16)、図7を用いて説明した
トーン成分符号化部33が、非トーン成分に対して施し
た量子化の量子化精度情報、16個の量子化ユニットそ
れぞれの正規化係数情報、およびスペクトル係数情報が
記録されている。正規化係数情報には、最低域の量子化
ユニット[1]の46という値から、最高域の量子化ユ
ニット[16]の8という値までが、量子化ユニット毎
に記録されている。ここでは、正規化係数情報として、
スペクトル信号のパワーレベルのdB値に比例する値が
用いられているものとする。また、コンテンツフレーム
の長さが固定長である場合、スペクトル係数情報の後に
空き領域が設けられるようにしても良い。
【0119】図9は、図1の試聴データ生成部14の更
に詳細な構成を示すブロック図である。
【0120】試聴データ生成処理制御部61は、図示し
ない外部の操作入力部などから入力される、試聴データ
の試聴領域や、試聴領域の試聴帯域などの設定データを
基に、試聴領域判定部62、および帯域制限処理部63
を制御する。試聴領域とは、試聴データのうち、追加デ
ータを用いることなく低品質での再生が可能な部分であ
り、例えば、さびの部分などが試聴領域として設定され
る。試聴領域は、試聴データ内で、複数箇所設定される
ようにしても良い。また、試聴領域の試聴帯域とは、低
品質再生される周波数帯域のことである。例えば、図5
を用いて説明したスペクトルデータのうち、一部の量子
化ユニットのみを指定することにより、一定の範囲の周
波数帯域のみを再生可能として、再生される音声の品質
を下げるようになされている。
【0121】試聴領域判定部62は、図8を用いて説明
した各フレームに対して、試聴データ生成処理制御部6
1の制御に従って、入力されたフレームが、試聴領域内
であるか否かを判断し、判断結果を帯域制限処理部6
3、およびフレーム順変更部64に出力する。試聴領域
判定部62は、試聴データ生成処理制御部61の制御に
従って、例えば、図10に示されるように、入力された
フレーム列を、保護領域、すなわち、試聴を許可されな
い領域と、試聴領域に区別する。
【0122】帯域制限処理部63は、試聴領域判定部6
2から入力される信号を基に、入力されたフレームが、
試聴領域に含まれているフレームであるか否かに基づい
て、試聴帯域が制限されたデータを生成する。試聴領域
内の試聴帯域についての情報は、試聴データ生成処理制
御部61から入力される。
【0123】例えば、試聴可能部分の試聴帯域として、
量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[12]が指
定された場合、帯域制限処理部63は、入力されたフレ
ームが、試聴領域のフレームであるとき、図11に示さ
れるように、試聴帯域より高域側の量子化ユニット[1
3]乃至量子化ユニット[16]の正規化係数情報の値
を、例えば、最小化して、正規化係数0とする。従っ
て、量子化ユニット[13]乃至量子化ユニット[1
6]に対応する部分のスペクトル係数情報には、有効な
値が記述されているが、再生時には、正規化係数情報が
0であるので、対応する部分のスペクトルは、厳密には
0にはならないが、可聴性という観点からは、実質的に
は0と同等の値となる。従って、図中Adで示される位
置より高域側のスペクトル係数情報は、参照されないの
と同義である。
【0124】非トーン成分と同様にして、トーン成分の
うち、試聴帯域から外れている部分の正規化係数の値
も、例えば0として最小化することにより、再生時に
は、対応するトーン成分のスペクトル信号も極小化(実
質的には0と同等の値に変更)される。
【0125】図11に示された試聴データを再生した場
合のスペクトル信号を図12に示す。量子化ユニット
[13]乃至量子化ユニット[16]の正規化係数情報
は0に変更されているため、対応するスペクトル信号は
極小化される。また、量子化ユニット[13]乃至量子
化ユニット[16]に含まれている2つのトーン成分に
対しても、同様に、対応するスペクトル信号は極小化さ
れる。すなわち、試聴データを復号して再生した場合、
試聴可能部分においては、狭帯域のスペクトル信号のみ
が再生される。
【0126】このようにすることにより、試聴データの
試聴領域を再生した場合、狭帯域のデータしか再生され
ないので、図8を用いて説明したオリジナルデータと比
較して、品質の低いデータが再生される。
【0127】また、帯域制限処理部63は、参照されな
いスペクトル係数情報の領域、すなわち、再生品質を制
限したため、試聴データを再生する場合に無視される領
域に、ランダムなダミーデータを記載するようにしても
良い。参照されないスペクトル係数の領域に、ダミーデ
ータが記載された場合のフレームのフォーマットを図1
3に示す。
【0128】特に、スペクトル係数情報が可変長符号化
されており、その可変長符号が、スペクトル係数情報の
記載領域に、低域側から高域側に、順次記述されている
場合、参照されないスペクトル係数情報の領域に、ラン
ダムなダミーデータが記載されていることにより、中域
の可変長符号の一部が欠落するので、その部分を含めた
高域側のデータは、全く復号できなくなる。すなわち、
試聴データに含まれるオリジナルデータに関わるスペク
トル係数情報を、追加データを用いることなく復元する
ことが困難となるので、試聴データの安全性が強化され
る。
【0129】このように、正規化係数やスペクトル係数
などのデータの一部が、0、あるいはダミーデータで置
き換えられている場合、置き換えられたデータに対する
真のデータを推測することは、比較的鍵長の短い暗号鍵
を解読することと比較して、非常に困難である。また、
試聴データを不正に改変しようとすると、かえって音質
を劣化させる原因となる。従って、オリジナルデータの
試聴が許可されていないユーザが、試聴データを基に、
オリジナルデータを推測することが非常に困難となり、
コンテンツデータの著作者や配布者の権利をより強固に
保護することが可能となる。
【0130】また、万が一、ある試聴データにおいて、
置き換えられたデータに対する真のデータが推測されて
しまっても、暗号アルゴリズムを解読されてしまった場
合と異なり、他のコンテンツにその被害が拡大すること
はないので、特定のアルゴリズムを用いて暗号化を施し
たコンテンツデータを試聴データとして配布するよりも
安全性が高い。
【0131】更に、帯域制限処理部63は、試聴不可の
部分に対応するフレームの量子化ユニット[1]乃至
[16]の全ての正規化係数情報の値を0とする。これ
により、試聴不可のフレーム(保護領域)のデータは無
音で再生される。
【0132】以上において、帯域制限処理部63により
変更された正規化係数情報およびスペクトル係数情報の
本来の値(真の正規化係数情報および真のスペクトル係
数情報)を示す情報は、後述する追加フレーム生成部6
5に供給され、追加フレームに記載される。帯域制限処
理部63は、正規化係数情報およびスペクトル係数情報
以外に、例えば、量子化精度情報や量子化ユニット数な
どの値を変更するようにしても良いので、後述する追加
フレーム生成部65は、帯域制限処理部63により変更
された、例えば、量子化精度情報や量子化ユニット数な
どの値を示す情報の入力を受け、追加フレームにそれら
の情報を記載する。
【0133】ただし、正規化係数情報を変更する場合
と、量子化精度情報を変更する場合とでは、追加データ
を用いずに試聴データから不正にオリジナルデータを推
測するための困難さ、すなわち、試聴データの安全強度
が異なってしまう。例えば、オリジナルデータの生成時
に、正規化係数情報に基づいて量子化精度情報を算出す
るようなビット割り当てアルゴリズムが採用されている
場合、量子化精度情報のみダミーデータ、あるいは0に
変更しても、正規化係数情報を手掛かりにして、真の量
子化精度情報を推測される危険性がある。
【0134】これに対して、正規化係数情報のみを変更
しても、量子化精度情報から正規化係数情報を推測する
のは困難であるので、試聴データの安全強度は高いとい
える。なお、正規化係数情報および量子化精度情報の両
方をダミーデータ、あるいは0の値に変更することで、
不正にオリジナルデータを推測される危険性は更に低く
なる。また、試聴データのコンテンツフレームによっ
て、正規化係数情報または量子化精度情報を選択的にダ
ミーデータ、あるいは0の値に変更するようにしてもよ
い。
【0135】あるいは、帯域制限処理部63は、試聴不
可の部分に対応するフレームを暗号化して、暗号を復号
する復号鍵を有さないユーザに再生することが出来ない
ようにしても良い。この場合、帯域制限処理部63は、
暗号に対する復号鍵を生成し、追加フレームに含ませる
ため、追加フレーム生成部65に出力する。
【0136】フレーム順変更部64は、試聴データが再
生されたときに、無音状態が続いた後、試聴部分が突然
流れ出すといったような、不自然な再生が行われるよう
なことがないように、試聴領域が保護領域より先に再生
されるように、フレームの順番を変更する。フレーム順
変更部64は、帯域制限処理部63から入力された、必
要に応じて帯域制限されたフレームを、一時保存し、試
聴領域判定部62から入力される情報に従って、そのフ
レーム位置を変更し、図10を用いて説明したように、
試聴領域が複数ある場合、その複数の試聴領域が連続し
て再生されるように、全ての試聴領域を保護領域よりも
前に移動する。そして、フレーム順変更部64は、順番
が変更されたフレーム列と、フレームの変更内容を示す
情報を、ヘッダ生成部66に出力するとともに、フレー
ムの変更内容を示す情報を、ヘッダ生成部67に出力す
る。
【0137】追加フレーム生成部65は、帯域制限処理
部63により、帯域が制限されて、変更された正規化係
数などに関する情報から、試聴データを試聴したユーザ
が、高音質で楽曲を聞く場合に購入するオリジナルデー
タ復元用の追加データを構成する追加フレームを生成す
る。
【0138】図14に、生成される追加フレームのフォ
ーマットを示す。図13を用いて説明したように、試聴
帯域として、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット
[12]が選択されている場合、試聴データの各フレー
ムにおいて、量子化ユニット[13]乃至量子化ユニッ
ト[16]の4つの量子化ユニットに対応する、トーン
成分および非トーン成分のそれぞれの正規化係数は、0
に置き換えられている。また、必要に応じて、参照され
ないスペクトル係数情報の一部が、ダミーデータに置き
換えられている。追加フレーム生成部65は、帯域制限
処理部63から、変更された正規化係数情報およびスペ
クトル係数情報の本来の値(真の正規化係数情報および
真のスペクトル係数情報)を示す情報の供給を受け、図
14の追加フレームを生成する。
【0139】追加フレームには、トーン成分に対応する
追加情報と、非トーン成分に対応する追加情報が記載さ
れる。図14は、試聴帯域として、量子化ユニット
[1]乃至量子化ユニット[12]が選択されている場
合を示している。トーン成分に対応する追加情報として
は、最小化されたトーン成分数(ここでは2成分最小化
されている)と、それぞれのトーン成分の正規化係数情
報の試聴フレーム上の位置と、真の正規化係数情報が記
載される。また、非トーン成分に対応する追加情報とし
ては、最小化された非トーン成分の正規化係数の数(こ
こでは4成分最小化されている)、その正規化係数の先
頭の位置を示す情報(例えば、正規化係数が0に変更さ
れている先頭の量子化ユニットの番号13などでも良
い)、書き換えられた真の正規化係数、およびダミーデ
ータに書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報が
記載されている。
【0140】ここで、ダミーデータに書き換えられた部
分の真のスペクトル係数情報の位置情報は、生成される
追加フレームに記載されていないが、試聴フレームにお
いて、スペクトル係数情報をダミーデータに書き換える
部分を、参照されないスペクトル係数情報となる部分の
先頭とすれば、正規化係数が0に置き換えられた量子化
ユニットの領域の情報を基に、ダミーデータに書き換え
られた部分の真のスペクトル係数情報の位置を求めるこ
とが可能である。ダミーデータに書き換える位置を、参
照されないスペクトル係数情報となる部分の先頭と異な
る位置とする場合は、追加フレームに、ダミーデータに
書き換えられた部分の真のスペクトル係数情報の位置情
報を記載する必要がある。
【0141】また、帯域制限処理部63が、正規化係数
情報およびスペクトル係数情報以外に、例えば、量子化
精度情報や量子化ユニット数などの値を変更した場合、
追加フレーム生成部65は、帯域制限処理部63により
変更された、量子化精度情報や量子化ユニット数などの
値を示す情報の入力を受け、追加フレームにそれらの真
の値の情報を記載する。
【0142】なお、帯域制限処理部63は、試聴データ
を復号した場合の復号データ長が、オリジナルデータを
復号した場合の復号データ長より長くなることがないよ
うな置き換え用のデータを用いて、試聴フレームを生成
する。
【0143】ヘッダ生成部66は、試聴データのヘッダ
を生成し、入力された試聴データの符号化フレームに、
生成したヘッダを付加して、出力する。図15に示され
るように、オリジナルデータ71のヘッダには、例え
ば、コンテンツを識別するためのコンテンツIDや、コ
ンテンツの再生時間などの情報が含まれる。オリジナル
データ71においては、再生時間は、コンテンツデータ
の全ての長さAに対応する。もちろん、オリジナルデー
タ71のヘッダには、例えば、コンテンツのタイトル
や、符号化方式の情報など、コンテンツIDおよび再生
時間以外の情報が含まれていても良い。
【0144】そして、帯域制限処理部63において、第
4および第5フレームからなる試聴領域1と、第9およ
び第10フレームからなる試聴領域2と、それ以外の保
護領域(ここでは、保護領域1乃至保護領域3)とが区
別されて、それぞれに適したデータ変換が実行される。
もし、フレーム順変更部64において、フレームの順番
が入れ替えられなければ、この符号化データに、オリジ
ナルデータ71と同様のヘッダが付加されて、再生時間
Aのフレーム順変更前試聴データ72が生成される。
【0145】しかしながら、本発明の特徴である処理を
実行する試聴データ生成部14では、フレーム順変更部
64においてフレームの順番が入れ替えられて、ヘッダ
生成部66において再生時間が変更されたヘッダが付加
されて、フレーム順変更後試聴データ73(すなわち、
配布される試聴データ)が生成される。フレーム順変更
後試聴データ73は、試聴領域が全てフレーム列の先頭
に移動されている。例えば、再生時間Bの試聴領域1と
再生時間Cの試聴領域2がフレーム列の先頭に移動され
ている場合、フレーム順変更後試聴データ73のヘッダ
に記載される再生時間は、”B+C”となる。
【0146】このようにして、試聴データの試聴領域を
連続するように配置し、試聴データのヘッダに、試聴デ
ータの再生時間として、複数の試聴領域の合計時間を記
載するようにしたので、試聴データのヘッダ長を、試聴
領域の数に関わらず、固定長とすることができる。
【0147】ヘッダ生成部67は、追加データのヘッダ
を生成する。図15を用いて説明したフレーム順変更後
試聴データ73に対応して生成される追加データを、図
16に示す。追加データのヘッダには、コンテンツを識
別して、試聴データと対応させるためのコンテンツI
D、図15のオリジナルデータ71の再生時間、フレー
ム順変更後試聴データ73の試聴領域情報、および、必
要に応じて暗号を復号する鍵情報や暗号化方式に関する
情報などが含まれた保護領域情報が記載される。追加デ
ータのヘッダに続いて、追加フレームが順次記載され
る。
【0148】試聴領域情報には、例えば、試聴領域がい
くつ設定されているか、フレーム順変更前試聴データ7
2における試聴領域の元の位置、それぞれの再生時間な
どの情報が記載される。図16においては、図15のフ
レーム順変更後試聴データ73において、1つ目の試聴
領域がフレーム順変更前試聴データ72の第4フレーム
目(あるいは、アドレスF4)から始まり、再生時間が
Bであることと、2つ目の試聴領域がフレーム順変更前
試聴データ72の第9フレーム目(あるいは、アドレス
F9)から始まり、再生時間がCであることを示すため
に、”[F4:B]、[F9:C]”の情報が記載され
ている。
【0149】図16を用いて説明した追加データのヘッ
ダには、フレーム順変更前試聴データ72における試聴
領域の元の位置(何番目のフレームであるか、あるい
は、先頭アドレスはどこであるか)、および、それぞれ
の再生時間などの情報が記載されて、オリジナルデータ
を復元することが出来るようになされているが、追加デ
ータのヘッダには、例えば、フレーム順変更前試聴デー
タ72における試聴領域の終了位置および再生時間、あ
るいは、開始位置と終了位置などが記載されることによ
り、オリジナルデータを復元することが出来るようにし
ても良い。
【0150】図15を用いて説明したフレーム順変更後
試聴データ73と、図16を用いて説明した追加データ
とを用いて、後述する処理により、オリジナルデータを
復元することが出来る。
【0151】次に、図17および図18のフローチャー
トを参照して、試聴データ生成処理について説明する。
【0152】ステップS1において、試聴データ生成処
理制御部61は、図示しない操作入力部などから入力さ
れた、試聴データの試聴領域の試聴帯域の設定値を取得
する。ここでは、試聴帯域として、図11および図12
を用いて説明したように、量子化ユニット[1]乃至量
子化ユニット[12]が設定されたものとして説明す
る。試聴データ生成処理制御部61は、試聴帯域の設定
値を、帯域制限処理部63に供給する。
【0153】ステップS2において、試聴データ生成処
理制御部61は、図示しない操作入力部などから入力さ
れた、試聴データの試聴領域を指定する情報を取得す
る。ここでは、試聴領域として、図15を用いて説明し
た第4および第5フレームからなる試聴領域1と、第9
および第10フレームからなる試聴領域2が指定された
ものとして説明する。試聴データ生成処理制御部61
は、試聴領域を指定する情報を、試聴領域判定部62に
供給する。
【0154】ステップS3において、試聴領域判定部6
2および帯域制限処理部63は、例えば図15を用いて
説明した、オリジナルデータ71に相当するフレーム列
に含まれるいずれかのフレームの入力を受ける。
【0155】ステップS4において、試聴領域判定部6
2は、試聴データ生成処理制御部61から供給された情
報を基に、入力されたフレームは試聴フレーム(試聴領
域に含まれるフレーム)であるか否かを判断する。
【0156】ステップS4において、入力されたフレー
ムは試聴フレームであると判断された場合、ステップS
5において、試聴領域判定部62は、判定結果を帯域制
限処理部63およびフレーム順変更部64に供給するの
で、帯域制限処理部63は、入力されたフレームのトー
ン成分の正規化係数情報のうち、試聴データ生成処理制
御部61から供給された試聴帯域の設定値で指定されて
いる帯域以外の部分を、例えば、値0などに変更する。
【0157】ステップS6において、帯域制限処理部6
3は、非トーン成分の正規化係数情報のうち、試聴デー
タ生成処理制御部61から供給された試聴帯域の設定値
で指定されている帯域以外の部分を、例えば、値0に変
更し、図11を用いて説明した試聴フレームを生成す
る。
【0158】ステップS7において、帯域制限処理部6
3は、ステップS6の処理において書き換えられた非ト
ーン成分の正規化係数情報に対応する、参照されないス
ペクトル係数情報の一部を、ランダムなダミーデータに
置き換えることで変更し、図13を用いて説明した試聴
フレームを生成する。帯域制限処理部63は、生成され
た試聴フレームをフレーム順変更部64に出力するとと
もに、ステップS5乃至ステップS7における変更内容
を、追加フレーム生成部65に出力する。
【0159】ここで、スペクトル係数情報に置き換えら
れるダミーデータは、全て値0とするようにしても良い
し、適当に値1および値0を混在させることによって、
ダミーデータであることを識別されにくいようにしても
良い。ここで、スペクトル係数情報が可変長符号化され
ている場合、真のスペクトル係数情報が復号された場合
のビット長より、ダミーデータが復号された場合のビッ
ト長が短くなるようなダミーデータを用いることによ
り、後述する復号処理において、符号列のフレーム長を
オーバーしてしまうことを防ぐようにすることができ
る。
【0160】ステップS8において、追加フレーム生成
部65は、帯域制限処理部63から入力される信号を基
に、図14を用いて説明した、試聴データを試聴したユ
ーザが、高音質で楽曲を聞く場合に購入する追加データ
を構成する追加フレーム用のデータを生成する。
【0161】ステップS9において、フレーム順変更部
64は、入力された試聴領域のフレームを、現在一時保
存中のフレーム列の前方に移動して、フレーム移動情報
を、ヘッダ生成部66およびヘッダ生成部67に出力し
て、処理はステップS14に進む。
【0162】ステップS4において、入力されたフレー
ムは試聴フレームではない、すなわち、保護フレーム
(保護領域に含まれるフレーム)であると判断された場
合、ステップS10において、試聴領域判定部62は、
判定結果を帯域制限処理部63およびフレーム順変更部
64に供給する。帯域制限処理部63は、トーン成分の
正規化係数情報を、全て最小値(値0)に変更する。
【0163】ステップS11において、帯域制限処理部
63は、非トーン成分の正規化係数情報を、全て最小値
(値0)に変更する。
【0164】ステップS12において、帯域制限処理部
63は、ステップS11の処理において書き換えられた
非トーン成分の正規化係数情報に対応する、参照されな
いスペクトル係数情報の一部を、ランダムなダミーデー
タに置き換えることで変更する。帯域制限処理部63
は、生成された試聴フレームをフレーム順変更部64に
出力するとともに、ステップS10乃至ステップS12
における変更内容を、追加フレーム生成部65に出力す
る。フレーム順変更部64は、入力された保護領域の試
聴フレームの順番を変えず、これまでの処理において入
力されたフレームの次に配置して、一時保存する。
【0165】ここでも、同様にして、スペクトル係数情
報に置き換えられるダミーデータは、全て値0とするよ
うにしても良いし、適当に値1および値0を混在させる
ようにしても良い。また、スペクトル係数情報が可変長
符号化されている場合、真のスペクトル係数情報が復号
された場合のビット長より、ダミーデータが復号された
場合のビット長が短くなるようなダミーデータを用いる
ようにしてもよい。
【0166】ステップS13において、追加フレーム生
成部65は、帯域制限処理部63から入力される信号を
基に、試聴データを試聴したユーザが、高音質で楽曲を
聞く場合に購入する追加データを構成する追加フレーム
用のデータを生成する。
【0167】ステップS9の処理の終了後、もしくはス
テップS13の処理の終了後、ステップS14におい
て、フレーム順変更部64は、処理されたフレームは、
最終フレームであるか否かを判断する。ステップS14
において、処理されたフレームは、最終フレームではな
いと判断された場合、処理は、ステップS3に戻り、そ
れ以降の処理が繰り返される。
【0168】ステップS14において、処理されたフレ
ームは、最終フレームであると判断された場合、ステッ
プS15において、フレーム順変更部64は、試聴フレ
ームが前に移動されたフレーム列をヘッダ生成部66に
出力する。ヘッダ生成部66は、全ての試聴領域の再生
時間の合計を算出して、図15を用いて説明した試聴デ
ータのヘッダを生成して、試聴フレーム列に付加して試
聴データを生成し、出力する。
【0169】ステップS16において、ヘッダ生成部6
7は、入力された情報を用いて、図16を用いて説明し
た追加フレームのヘッダを生成して追加フレーム列に付
加して追加データを生成して出力し、処理が終了され
る。
【0170】図17および図18のフローチャートを参
照して説明した処理により、試聴領域のみが低品質で、
データの最初の位置で再生される試聴データと、試聴デ
ータからオリジナルデータを復元するための追加データ
が生成される。
【0171】なお、保護領域のデータが、正規化係数情
報の変更ではなく、暗号化によって保護される場合、ス
テップS10乃至ステップS13の処理に代わって、保
護領域のフレームの暗号化、および、暗号を解除するた
めの鍵の生成処理が行われ、ステップS16の処理によ
り、追加フレームのヘッダには、暗号を解除するための
鍵が記録される。
【0172】また、ユーザの購買意欲を喚起させるため
に、試聴領域のデータを、帯域制限せずに、オリジナル
データと同様の高音質のものとするようにしても良い。
その場合、試聴領域のデータを帯域制限することなく、
オリジナルデータの、試聴領域のフレームをそのまま試
聴フレームにコピーし、その部分の追加フレームを生成
しないようにすればよい。
【0173】なお、符号化装置1の信号成分符号化部1
2は、入力された信号を符号化する場合、トーン成分と
非トーン成分を分離して、それぞれ別に符号化を行うも
のとして説明したが、信号成分符号化部12に代わっ
て、図7の非トーン成分符号化部33を用いることによ
り、入力された信号をトーン成分と非トーン成分を分離
せずに符号化するようにしても良い。
【0174】図19に、入力された信号をトーン成分と
非トーン成分に分離しない場合に符号列生成部13によ
り生成される高音質のオリジナルデータフレームのフォ
ーマットを示す。オリジナルデータフレームの先頭に
は、図8で説明した場合と同様に、同期信号を含む固定
長のヘッダが配置されている。ヘッダには、図2を用い
て説明した変換部11の帯域分割フィルタ21の帯域分
割数なども記録される。ヘッダに続いて、量子化ユニッ
ト数(ここでは16)、非トーン成分符号化部33が施
した量子化の量子化精度情報、16個の量子化ユニット
それぞれの正規化係数情報、およびスペクトル係数情報
が記録されている。正規化係数情報は、最低域の量子化
ユニット[1]の46という値から、最高域の量子化ユ
ニット[16]の8という値までが、量子化ユニット毎
に記録されている。また、コンテンツフレームの長さが
固定長である場合、スペクトル係数情報の後に空き領域
が設けられるようにしても良い。
【0175】そして、図20に、図19を用いて説明し
たオリジナルデータフレームの入力を受けた試聴データ
生成部14により生成される試聴部分の音声データのフ
ォーマットを示す。例えば、試聴可能部分の試聴帯域と
して、量子化ユニット[1]乃至量子化ユニット[1
2]が指定された場合、図11を用いて説明した場合と
同様に、試聴帯域より高域側の量子化ユニット[13]
乃至量子化ユニット[16]の正規化係数情報の値が0
とされる。従って、量子化ユニット[13]乃至量子化
ユニット[16]に対応する部分のスペクトル係数情報
には、有効な値が記述されているが、再生時には、正規
化係数情報が0であるので、対応する部分のスペクトル
は極小化される。
【0176】そして、図21に、図19を用いて説明し
たオリジナルデータフレームの入力を受けた試聴データ
生成部14の追加フレーム生成部65により生成される
追加フレームを示す。追加フレームには、最小化された
量子化フレームの正規化係数の数(ここでは4成分最小
化されている)、その正規化係数の先頭の位置、書き換
えられた真の正規化係数、およびダミーデータに書き換
えられた部分の真のスペクトル係数情報が記載されてい
る。
【0177】図19乃至図21を用いて説明したよう
に、トーン成分が分離されない場合においても、同様の
処理により、試聴領域のみが低品質で、データの最初の
位置で再生される試聴データと、試聴データからオリジ
ナルデータを復元するための追加データが生成される。
【0178】このようにして生成された試聴データは、
インターネットなどを介して、ユーザに配信されたり、
店舗などに備えられたMMKによって、ユーザが保有す
る各種の記録媒体に記録されて配布される。試聴データ
を再生して、気に入ったユーザは、所定の料金をコンテ
ンツデータの配信事業者に支払うなどして、追加データ
を入手することが出来る。ユーザは、試聴データおよび
追加データを用いて、オリジナルデータを復元させ、復
号して再生したり、記録媒体に記録することが可能とな
る。
【0179】次に、試聴データを復号して出力、あるい
は再生する、もしくは、試聴データおよび追加フレーム
から、オリジナルデータを復号して出力、あるいは再生
する場合の処理について説明する。
【0180】図22は、データ再生装置81の構成を示
すブロック図である。
【0181】符号列分解部91は、符号化された試聴デ
ータの入力を受け、符号列を分解して、各信号成分の符
号を抽出し、符号列復元部93に出力する。
【0182】制御部92は、図示しない操作入力部か
ら、ユーザの操作を受け、入力されたデータを高音質再
生するか否かを示す情報の入力を受けるとともに、図1
6を用いて説明した追加データの入力を受け、符号列復
元部93の処理を制御する。また、制御部92は、必要
に応じて、試聴領域情報、真の符号化係数情報、真のス
ペクトル係数情報、あるいは、鍵情報などを、符号復元
部93に供給する。
【0183】符号列復元部93は、制御部92の制御に
基づいて、入力された試聴データが試聴、すなわち、そ
のまま再生される場合は、入力された符号化フレームを
そのまま信号成分復号部94に出力し、入力された試聴
データがオリジナルデータに復元されて再生される場合
は、制御部92から供給される試聴領域情報、真の符号
化係数情報、真のスペクトル係数情報、あるいは、鍵情
報などの各種情報を基に、試聴データの符号化フレーム
を、オリジナルデータの符号化フレームに復元する処理
を実行し、復元されたオリジナルデータの符号化フレー
ムを、信号成分復号部94に出力する。
【0184】信号成分復号部94は、入力された試聴デ
ータ、もしくはオリジナルデータの符号化フレームを復
号する。図23は、入力された符号化フレームが、トー
ン成分と非トーン成分に分割されて符号化された場合、
その符号化フレームを復号する信号成分復号部94の更
に詳細な構成を示すブロック図である。
【0185】フレーム分離部101は、例えば、図13
を用いて説明したような符号化フレームの入力を受け、
トーン部と非トーン部とに分割し、トーン部は、トーン
成分復号部102に、非トーン部は、非トーン成分復号
部103に出力する。
【0186】図24は、トーン成分復号部102の更に
詳細な構成を示すブロック図である。逆量子化部111
は、入力された符号化データを逆量子化し、逆正規化部
112に出力する。逆正規化部112は、入力されたデ
ータを逆正規化する。すなわち、逆量子化部111およ
び逆正規化部112により、復号処理が行われて、トー
ン部分のスペクトル信号が出力される。
【0187】図25は、非トーン成分復号部103の更
に詳細な構成を示すブロック図である。逆量子化部12
1は、入力された符号化データを逆量子化し、逆正規化
部122に出力する。逆正規化部122は、入力された
データを逆正規化する。すなわち、逆量子化部121お
よび逆正規化部122により、復号処理が行われて、非
トーン部分のスペクトル信号が出力される。
【0188】スペクトル信号合成部104は、トーン成
分復号部102および非トーン成分復号部103から出
力されたスペクトル信号の入力を受け、それらの信号を
合成し、オリジナルデータであれば図5、あるいは、試
聴データであれば図12を用いて説明したスペクトラム
信号を生成して、逆変換部95に出力する。
【0189】なお、符号化データが、トーン成分と非ト
ーン成分とに分割されて符号化されていない場合、フレ
ーム分離部101を省略し、トーン成分復号部102、
もしくは、非トーン成分復号部103のうちのいずれか
一方のみを用いて、復号処理を行うようにしても良い。
【0190】図26は、逆変換部95の更に詳細な構成
を示すブロック図である。
【0191】信号分離部131は、入力されたフレーム
のヘッダに記載されている帯域分割数に基づいて、信号
を分離する。ここでは、帯域分割数が2であり、信号分
離部131が、入力されたスペクトル信号を逆スペクト
ル変換部132−1および132−2に分離するものと
する。
【0192】逆スペクトル変換部132−1および13
2−2は、入力されたスペクトル信号に対して、逆スペ
クトル変換し、得られた各帯域の信号を帯域合成フィル
タ133に出力する。帯域合成フィルタ133は、入力
された各帯域の信号を合成して出力する。
【0193】帯域合成フィルタ133から出力された信
号(例えば、オーディオPCM信号)は、例えば、図示
しないD/A変換部でアナログデータに変換され、図示
しないスピーカから、音声として再生出力される。ま
た、帯域合成フィルタ133から出力された信号は、ネ
ットワークなどを介して、他の装置に出力されるように
しても良い。
【0194】次に、図27のフローチャートを参照し
て、図22のデータ再生装置81が実行するデータ再生
処理について説明する。
【0195】符号列分解部91は、ステップS31にお
いて、試聴データの符号化フレームの入力を受け、ステ
ップS32において、入力された符号列を分解し、符号
列復元部93に出力する。
【0196】ステップS33において、符号列復元部9
3は、制御部92から入力される信号を基に、高音質再
生、すなわち、オリジナルデータを復元して再生する処
理が実行されるか否かを判断する。
【0197】ステップS33において、高音質再生が実
行されると判断された場合、ステップS34において、
図28および図29のフローチャートを用いて後述する
符号列復元処理が実行される。
【0198】ステップS33において、高音質再生が実
行されないと判断された場合、もしくは、ステップS3
4の処理の終了後、ステップS35において、信号成分
復号部94は、入力された符号列を、トーン成分と非ト
ーン成分とに分割し、それぞれ、逆量子化および逆正規
化を施すことにより復号し、復号によって生成されたス
ペクトル信号を合成して、逆変換部95に出力する。
【0199】ステップS36において、逆変換部95
は、入力されたスペクトル信号を、必要に応じて帯域分
離し、それぞれ逆スペクトル変換した後、帯域合成し
て、時系列信号に逆変換する。
【0200】ステップS37において、制御部92は、
ステップS36において、逆変換部95によって逆変換
されたのは、試聴データの最終フレームであるか否かを
判断する。
【0201】ステップS37において、最終フレームで
はないと判断された場合、処理は、ステップS35に戻
り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS37に
おいて、最終フレームであると判断された場合、処理は
終了される。
【0202】逆変換部95によって逆変換されて生成さ
れた時系列信号は、図示しないD/A変換部によりアナ
ログデータに変換されて、図示しないスピーカから再生
出力されるようにしても良いし、図示しないネットワー
クを介して、他の装置などに出力されるようにしても良
い。
【0203】なお、ここでは、トーン成分と非トーン成
分とが分割されて符号化されている試聴データ、もしく
は、その試聴データから復元されたオリジナルデータを
復号する場合について説明しているが、トーン成分と非
トーン成分とが分割されていない場合においても、同様
にして、復元処理、および再生処理が可能である。
【0204】次に、図28、および図29のフローチャ
ートを参照して、図27のステップS34において実行
される符合列復元処理について説明する。
【0205】ステップS51において、符号列復元部9
3は、制御部92から、符号列を復元するために、試聴
領域情報、真の符号化係数情報、真のスペクトル係数情
報などの、追加データの情報を取得する。符号列復元部
93は、また、復元されたオリジナルデータのヘッダに
記載される再生時間を、コンテンツの再生時間Aに復元
する。
【0206】ステップS52において、符号列復元部9
3は、符号列分解部91により分解されたフレームの入
力を受ける。
【0207】ステップS53において、符号列復元部9
3は、制御部92から取得した、図16を用いて説明し
た追加データのヘッダに含まれている試聴領域情報を基
に、入力されたフレームは試聴フレームであるか否かを
判断する。
【0208】ステップS53において、入力されたフレ
ームは、試聴フレームであると判断された場合、ステッ
プS54において、符号列復元部93は、図14を用い
て説明した追加フレームに含まれるトーン成分の正規化
係数情報の真の値を用いて、試聴データの試聴フレーム
において0に置き換えられているトーン成分の正規化係
数情報を復元する。
【0209】ステップS55において、符号列復元部9
3は、図14を用いて説明した追加フレームに含まれる
非トーン成分の正規化係数情報の真の値を用いて、試聴
データの試聴フレームにおいて0に置き換えられている
非トーン成分の正規化係数情報を復元する。
【0210】ステップS56において、符号列復元部9
3は、図14を用いて説明した追加フレームに含まれる
非トーン成分のスペクトル係数情報の真の値を用いて、
試聴データの試聴フレームにおいてダミーデータに置き
換えられている非トーン成分のスペクトル係数情報を復
元する。
【0211】ステップS57において、符号列復元部9
3は、復元された符号化フレームを一時保存し、処理
は、ステップS52に戻り、それ以降の処理が繰り返さ
れる。
【0212】ステップS53において、入力されたフレ
ームは、試聴フレームではない、すなわち保護フレーム
であると判断された場合、ステップS58において、符
号列復元部93は、保護フレームに対応する追加フレー
ムに含まれるトーン成分の全ての正規化係数情報の真の
値を用いて、試聴データの試聴フレームにおいて0に置
き換えられているトーン成分の正規化係数情報を復元す
る。
【0213】ステップS59において、符号列復元部9
3は、保護フレームに対応する追加フレームに含まれる
非トーン成分の全ての量子化ユニットの正規化係数情報
の真の値を用いて、試聴データの試聴フレームにおいて
0に置き換えられている非トーン成分の正規化係数情報
を復元する。
【0214】ステップS60において、符号列復元部9
3は、保護フレームに対応する追加フレームに含まれる
非トーン成分のスペクトル係数情報の真の値を用いて、
試聴データの試聴フレームにおいてダミーデータに置き
換えられている非トーン成分のスペクトル係数情報を復
元する。
【0215】ステップS61ステップにおいて、符号列
復元部93は、S57の処理により一時保存されたま
ま、まだ位置が移動されていない試聴フレームがあるか
否かを判断する。
【0216】ステップS61ステップにおいて、一時保
存された試聴フレームがあると判断された場合、ステッ
プS62において、符号列復元部93は、追加データの
ヘッダに記載された試聴領域情報を基に、一時保存され
た試聴フレームは、ステップS58乃至ステップS60
の処理により復元されたフレームに続く位置に復元され
るものであるか否かを判断する。
【0217】ステップS62において、復元されたフレ
ームに続く位置に復元されるものであると判断された場
合、ステップS63において、符号列復元部93は、一
時保存された試聴フレームを、制御部92から取得し
た、図16を用いて説明した追加データのヘッダに含ま
れている試聴領域情報を基に、オリジナルデータにおい
て配置されていた位置に移動する。
【0218】ステップS61ステップにおいて、一時保
存されている試聴フレームはないと判断された場合、ス
テップS62において、復元されたフレームに続く位置
に復元されるものでないと判断された場合、もしくは、
ステップS63の処理の終了後、ステップS64におい
て、符号列復元部93は、処理したフレームは、試聴デ
ータの最終フレームであるか否かを判断する。
【0219】ステップS64において、処理したフレー
ムは、試聴データの最終フレームではないと判断された
場合、処理は、ステップS52に戻り、それ以降の処理
が繰り返される。ステップS64において、処理したフ
レームは、試聴データの最終フレームであると判断され
た場合、処理は、図27のステップS35に戻る。
【0220】図28および図29のフローチャートを用
いて説明した処理により、試聴データと追加データを用
いて、オリジナルデータが復元される。
【0221】なお、保護領域のデータが、正規化係数情
報の変更ではなく、暗号化によって保護されていた場
合、ステップS58乃至ステップS60の処理に代わっ
て、追加データのヘッダに記載されている復号鍵を用い
て、保護領域のフレームの暗号を解除する復号処理が実
行される。
【0222】図22乃至図29を用いて説明した処理に
より、復号された試聴データ、あるいは復元されて復号
されたオリジナルデータは、図示しないスピーカなどを
用いて再生されても、例えば、ネットワークなどを介し
て、他の装置に出力されるようにしても良い。
【0223】次に、試聴データを記録媒体に記録する、
もしくは、試聴データおよび追加フレームからオリジナ
ルデータを復元して記録媒体に記録する場合の処理につ
いて説明する。
【0224】図30は、データ記録装置141の構成を
示すブロック図である。
【0225】なお、図22のデータ再生装置81の場合
と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明
は適宜省略する。
【0226】すなわち、符号列分解部91は、符号化さ
れた試聴データの入力を受け、符号列を分解して、各信
号成分の符号を抽出し、制御部92は、図示しない操作
入力部から、ユーザの操作を受け、入力されたデータを
高音質記録するか、すなわち、オリジナルデータを復元
して記録する処理を実行するか否かを示す情報の入力を
受けるとともに、追加データの入力を受け、符号列復元
部93の処理を制御する。
【0227】符号列復元部93は、制御部92の制御に
基づいて、入力された試聴データが記録される場合は、
入力された符号化フレームをそのまま記録部151に出
力し、オリジナルデータが復元されて記録される場合に
は、入力された試聴データを、制御部92から供給され
る、試聴領域情報、真の符号化係数情報、真のスペクト
ル係数情報などの各種情報を基に、オリジナルデータの
符号化フレームに復元する処理を実行し、復元されたオ
リジナルデータの符号化フレームを、記録部151に出
力する。
【0228】記録部151は、例えば、磁気ディスク、
光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、あるい
は、磁気テープなどの記録媒体に、所定の方法でデータ
を記録する。また、記録部151は、例えば、基板など
に備えられているメモリや、ハードディスクなどのよう
に、その内部に情報を記録するものであってもかまわな
い。例えば、記録部151が、光ディスクにデータを記
録することが可能である場合、記録部151は、光ディ
スクに記録するために適したフォーマットにデータを変
換するエンコーダ、レーザダイオードなどのレーザ光
源、各種レンズ、および、偏向ビームスプリッタなどか
ら構成される光学ユニット、光ディスクを回転駆動する
スピンドルモータ、光学ユニットを光ディスクの所定の
トラック位置に駆動する駆動部、並びにそれらを制御す
る制御部などから構成される。
【0229】なお、記録部151に装着される記録媒体
は、符号列分解部91、あるいは、制御部92に入力さ
れる視聴データ、あるいは、追加データが記録されてい
た記録媒体と同一のものであっても良い。
【0230】次に、図31のフローチャートを参照し
て、データ記録装置141が実行するデータ記録処理に
ついて説明する。
【0231】ステップS81乃至ステップS84におい
て、図27のステップS31乃至ステップS34におい
て実行された処理が実行される。
【0232】すなわち、符号列分解部91は、ステップ
S81において、試聴データの符号化フレームの入力を
受け、ステップS82において、入力された符号列を分
解し、符号列復元部93に出力する。
【0233】ステップS83において、符号列復元部9
3は、制御部92から入力される信号を基に、高音質再
生が実行されるか否かを判断し、高音質再生が実行され
ると判断された場合、ステップS84において、図28
および図29のフローチャートを用いて説明した符号列
復元処理が実行される。
【0234】ステップS83において、高音質再生が実
行されると判断されなかった場合、もしくはステップS
84の処理の終了後、ステップS85において、記録部
151は、入力されたオリジナルデータ、もしくは試聴
データに対応する符号列を、装着された記録媒体などに
記録する。
【0235】ステップS86において、制御部92は、
ステップS85において、記録部151によって記録さ
れたのは、オリジナルデータ、もしくは試聴データに対
応する符号列の最終フレームであるか否かを判断する。
【0236】ステップS86において、最終フレームで
はないと判断された場合、処理は、ステップS85に戻
り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS86に
おいて、最終フレームであると判断された場合、処理は
終了される。
【0237】本発明を適用することにより、正規化係数
情報および可変長符号化されたスペクトル係数情報の値
を変更する、あるいは、ダミーデータに置き換えて、試
聴データを生成することができる。このような試聴デー
タからオリジナルデータを推測することは非常に困難で
あり、また、試聴データを不正に改変しようとすると、
かえって音質を劣化させる原因となるので、コンテンツ
の著作権や、コンテンツ販売者の権利を保護することが
可能である。
【0238】そして、試聴データにおいては、低音質で
試聴可能な試聴領域が、1箇所のみならず複数設定され
ていても、試聴領域に対応する試聴フレームが試聴デー
タの先頭部分に連続して配置され、試聴領域に続いて、
試聴不可の保護領域に対応する保護フレームが配置され
るようになされ、試聴データのヘッダに記載される再生
時間は、試聴領域に対応するフレームの合計の再生時間
となる。従って、試聴データを再生した場合、再生開始
直後に試聴領域が再生され、不自然な無音の再生が行わ
れるようなことがない。また、試聴データのヘッダ長
は、試聴領域の数に関わらず固定長とすることができ
る。更に、試聴用のコンテンツデータのヘッダを解読し
て再生する機能を別途用意することなく、試聴データを
再生することが可能である
【0239】そして、試聴データの生成時に変更され
た、あるいは置き換えられたデータに対応する真の値
(例えば、真の正規化係数情報、真のスペクトル係数情
報、真の量子化精度情報、あるいは、量子化ユニット数
など)が記載された追加フレームにより構成される追加
データを作成し、そのヘッダに、順番が変更された試聴
フレームのオリジナルデータにおける位置を示す情報
(例えば、オリジナルデータにおいて何番目のフレーム
から試聴フレームが開始されているか、連続する視聴フ
レームの合計再生時間、あるいは、オリジナルデータに
おいて何番目のフレームまでが試聴フレームであるかな
ど)を記載するようにしたので、追加データを用いて、
試聴データからオリジナルデータを復元することが可能
である。
【0240】本発明を適用することにより、復元された
オリジナルデータを、再生出力したり、記録媒体に記録
したリ、ネットワークなどを介して他の機器に出力する
ことが可能である。
【0241】以上では、オーディオ信号によるコンテン
ツデータの試聴データおよび対応する追加データを生成
したり、試聴データおよび追加データから、オリジナル
データを復元して、再生したり、記録する処理について
説明したが、本発明は、画像信号、あるいは、画像信号
とオーディオ信号からなるコンテンツデータにも適応す
ることが可能である。
【0242】例えば、画像信号によるコンテンツデータ
を、二次元DCTを用いて変換し、多様な量子化テーブ
ルを用いて量子化する場合、ダミーの量子化テーブルと
して、高域成分を欠落させたものを指定し、必要に応じ
て、ダミーに対応する高域部分のスペクトル係数情報の
領域に、ダミーデータを記録して試聴データとする。追
加データには、欠落された量子化テーブルの高域成分、
および置き換えられたスペクトル係数情報が記載され
る。
【0243】そして、オリジナルデータの復元時には、
追加データを用いて、高域成分が欠落されていない真の
量子化テーブルが復元され、真のスペクトル係数情報が
復元されるので、オリジナルデータを復元して復号する
ことができる。
【0244】上述した一連の処理は、ハードウエアによ
り実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行
させることもできる。この場合、例えば、符号化装置
1、データ再生装置81、もしくは、データ記録装置1
41は、図32に示されるようなパーソナルコンピュー
タ161により構成される。
【0245】図32において、CPU171は、ROM172
に記憶されているプログラム、または記憶部178から
RAM173にロードされたプログラムに従って、各種の
処理を実行する。RAM173にはまた、CPU171が各種
の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記
憶される。
【0246】CPU171、ROM172、およびRAM173
は、バス174を介して相互に接続されている。このバ
ス174にはまた、入出力インタフェース175も接続
されている。
【0247】入出力インタフェース175には、キーボ
ード、マウスなどよりなる入力部176、ディスプレイ
などよりなる出力部177、ハードディスクなどより構
成される記憶部178、モデム、ターミナルアダプタな
どより構成される通信部179が接続されている。通信
部179は、インターネットを含むネットワークを介し
ての通信処理を行う。
【0248】入出力インタフェース175にはまた、必
要に応じてドライブ180が接続され、磁気ディスク1
91、光ディスク192、光磁気ディスク193、或い
は半導体メモリ194などが適宜装着され、それらから
読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて
記憶部178にインストールされる。
【0249】一連の処理をソフトウエアにより実行させ
る場合には、そのソフトウエアを構成するプログラム
が、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュー
タ、または、各種のプログラムをインストールすること
で、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用の
パーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒
体からインストールされる。
【0250】この記録媒体は、図32に示されるよう
に、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを供給する
ために配布される、プログラムが記憶されている磁気デ
ィスク191(フロッピディスクを含む)、光ディスク
192(CD-ROM(CompactDisk-Read Only Memor
y),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光
磁気ディスク193(MD(Mini-Disk)(商標)を含
む)、もしくは半導体メモリ194などよりなるパッケ
ージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に
予め組み込まれた状態でユーザに供給される、プログラ
ムが記憶されているROM172や、記憶部178に含ま
れるハードディスクなどで構成される。
【0251】なお、本明細書において、記録媒体に記憶
されるプログラムを記述するステップは、含む順序に沿
って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系
列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行さ
れる処理をも含むものである。
【0252】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はかかる構成に限定されない。すなわち、
特許請求の範囲に記載された発明およびそれと均等な発
明は、本発明に与えられるであろう特許の権利範囲に含
まれるものと理解される。
【0253】例えば、上記実施の形態では、図8に記載
の符号化フォーマットを有する第1のデータ列を例示し
たが、本発明はかかる構成に限定されない。本発明で
は、第2のデータ列を生成可能な符号化フォーマットで
あれば、他の様々な符号化フォーマットを第1のデータ
列に適用することができる。ここで、第2のデータ列と
は、第1のデータ列を構成する複数のフレームの順番を
変更することにより生成され、第1のデータ列と実質的
に同一の方法で再生可能なデータ列である。なお、本発
明では、第1のデータ列の符号化フォーマットとして、
例えば、符号列上で、少なくともコンテンツデータに係
る部分(例えば、スペクトル係数、画素値等)と該符号
の復号化に必要な符号化パラメータ(例えば、量子化精
度情報、正規化係数情報等)とが多重化されるフォーマ
ットを適用することが好適である。この場合、さらに、
例えば、コンテンツの属性等を記述したメタ情報、著作
権管理情報、或いは暗号化情報等を、当該符号列上に多
重化することも可能である。
【0254】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明によれば、
データ列を変換することができる。また、第1の本発明
によれば、例えば、オリジナルデータなどの元のデータ
列を、フレームの順番が異なった、例えば、試聴データ
などのデータ列に変換し、更に、変換されたデータ列か
ら元のデータ列に復元するために必要な、例えば、追加
データなどのデータ列を生成することができる。
【0255】第2の本発明によれば、データ列を復元す
ることができる。また、第2の本発明によれば、データ
列を復元するための、例えば、追加データなどのデータ
列を、別途取得することにより、試聴データなどのデー
タ列から、オリジナルデータなどの基となるデータ列を
復元することができる。
【0256】第3の本発明によれば、安全性の高い試聴
データをユーザに配布することができる。第4の本発明
によれば、試聴データをオリジナルデータに復元するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した符号化装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】図1の変換部の構成を示すブロック図である。
【図3】スペクトル信号と量子化ユニットについて説明
する図である。
【図4】図1の信号成分符号化部の構成を示すブロック
図である。
【図5】トーン成分および非トーン成分について説明す
るための図である。
【図6】図4のトーン成分符号化部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】図4の非トーン成分符号化部の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】オリジナルデータのフレームのフォーマットに
ついて説明する図である。
【図9】図1の試聴データ生成部の構成を示すブロック
図である。
【図10】入力されるフレーム列の試聴領域および保護
領域について説明する図である。
【図11】試聴フレームのフォーマットについて説明す
る図である。
【図12】図11の試聴フレームに対応するスペクトル
信号について説明する図である。
【図13】ダミーデータを用いてスペクトル係数の一部
を書き換えた試聴フレームについて説明する図である。
【図14】追加フレームを説明する図である。
【図15】フレーム順変更後試聴データおよびそのヘッ
ダについて説明する図である。
【図16】追加データのヘッダについて説明する図であ
る。
【図17】試聴データ生成処理について説明するフロー
チャートである。
【図18】試聴データ生成処理について説明するフロー
チャートである。
【図19】トーン成分が分離されない場合のオリジナル
データのフレームについて説明する図である。
【図20】トーン成分が分離されない場合の試聴フレー
ムについて説明する図である。
【図21】トーン成分が分離されない場合の追加フレー
ムについて説明する図である。
【図22】本発明を適用したデータ再生装置の構成を示
すブロック図である。
【図23】図22の信号成分復号部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図24】図23のトーン成分復号部の構成を示すブロ
ック図である。
【図25】図23の非トーン成分復号部の構成を示すブ
ロック図である。
【図26】図22の逆変換部の構成を示すブロック図で
ある。
【図27】データ再生処理について説明するフローチャ
ートである。
【図28】符号列復元処理について説明するフローチャ
ートである。
【図29】符号列復元処理について説明するフローチャ
ートである。
【図30】本発明を適用したデータ記録装置の構成を示
すブロック図である。
【図31】データ記録処理について説明するフローチャ
ートである。
【図32】パーソナルコンピュータの構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 符号化装置, 11 変換部, 12 信号成分符
号化部, 13 符号列生成部, 14 試聴データ生
成部, 61 試聴データ生成処理制御部,62 試聴
領域判定部, 63 帯域制限処理部, 64 フレー
ム順変更部,65 追加フレーム生成部, 66,67
ヘッダ生成部, 92 制御部,93 符号列復元部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 20/12 H03M 7/40 H03M 7/30 G10L 7/04 G 7/40 9/18 M Fターム(参考) 5D044 AB06 BC04 BC06 CC06 DE48 DE54 DE96 EF05 FG18 FG23 GK12 5D045 DA20 5J064 AA02 BA09 BA16 BB13 BC08 BC11 BC14 BC17 BC18 BC29 BD03

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のデータ列を変換して第2のデータ
    列を生成するデータ変換装置のデータ変換方法におい
    て、 前記第1のデータ列を構成する複数のフレームの順番を
    変更することにより、前記第1のデータ列を変換して、
    前記第2のデータ列を生成するデータ変換ステップと、 前記データ変換ステップの処理により変換されて生成さ
    れた前記第2のデータ列を、前記第1のデータ列に復元
    するために必要な第3のデータ列を生成する生成ステッ
    プとを含むことを特徴とするデータ変換方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のデータ列を構成する複数の前
    記フレームは、第1のフレームと第2のフレームに分類
    され、 前記データ変換ステップの処理では、前記第1のフレー
    ムが、前記第2のフレームよりも前に位置するように順
    番が変更されることにより、前記第1のデータ列を変換
    して、前記第2のデータ列を生成することを特徴とする
    請求項1に記載のデータ変換方法。
  3. 【請求項3】 前記生成ステップの処理により生成され
    た前記第3のデータ列は、前記第1のデータ列における
    前記第1のフレームの位置情報を含むことを特徴とする
    請求項2に記載のデータ変換方法。
  4. 【請求項4】 前記生成ステップの処理により生成され
    た前記第3のデータ列は、前記第1のデータ列において
    連続する前記第1のフレームの合計の長さ情報を含むこ
    とを特徴とする請求項2に記載のデータ変換方法。
  5. 【請求項5】 前記データ変換ステップの処理により前
    記第1のデータから変換されて生成された前記第2のデ
    ータ列は、前記第2のデータ列が再生される場合の再生
    時間情報を含み、 前記再生時間情報に示される前記第2のデータ列の再生
    時間は、前記第2のデータ列に含まれている前記第1の
    フレームの合計再生時間であることを特徴とする請求項
    2に記載のデータ変換方法。
  6. 【請求項6】 前記データ変換ステップの処理では、前
    記第2のフレームに対応する部分を暗号化する処理およ
    び前記暗号を復号する復号鍵を生成する処理を更に実行
    して、前記第2のデータ列を生成し、 前記生成ステップの処理では、前記データ変換ステップ
    の処理により生成された前記復号鍵を含む前記第3のデ
    ータ列を生成することを特徴とする請求項2に記載のデ
    ータ変換方法。
  7. 【請求項7】 入力されたデータを符号化する符号化ス
    テップを更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換することを
    特徴とする請求項1に記載のデータ変換方法。
  8. 【請求項8】 入力されたデータを周波数成分に変換す
    る周波数成分変換ステップと、 前記周波数成分変換ステップの処理により変換された周
    波数成分を、トーン性成分からなる第1の信号と、第1
    の信号以外の第2の信号に分離する分離ステップとを更
    に含み、 前記符号化ステップの処理では、前記第1の信号と、前
    記第2の信号とで異なる符号化処理を実行することを特
    徴とする請求項7に記載のデータ変換方法。
  9. 【請求項9】 前記データ変換ステップの処理では、前
    記第1のデータ列に含まれているフレームのうちの少な
    くとも1つのフレームに含まれている第1のデータを第
    2のデータに置き換える処理を更に実行して前記第2の
    データ列を生成し、 前記生成ステップの処理では、前記データ変換ステップ
    の処理により前記第2のデータに置き換えられた前記第
    1のデータを含む前記第3のデータ列を生成することを
    特徴とする請求項1に記載のデータ変換方法。
  10. 【請求項10】 前記データ変換ステップの処理では、
    前記第1のデータ列に含まれているフレームのうちの少
    なくとも1つのフレームに含まれている第1のデータを
    第2のデータに置き換えることにより、前記第1のデー
    タ列が再生された場合より、前記第2のデータ列が再生
    された場合の方が、再生の品質が劣るように、前記第1
    のデータ列を前記第2のデータ列に変換することを特徴
    とする請求項9に記載のデータ変換方法。
  11. 【請求項11】 入力されたデータを符号化する符号化
    ステップを更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換し、 前記第1のデータは、前記符号化ステップの処理による
    符号化処理の正規化係数情報を含むことを特徴とする請
    求項9に記載のデータ変換方法。
  12. 【請求項12】 入力されたデータを符号化する符号化
    ステップを更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換し、 前記第1のデータは、前記符号化ステップの処理による
    符号化処理の量子化精度情報を含むことを特徴とする請
    求項9に記載のデータ変換方法。
  13. 【請求項13】 入力されたデータを符号化する符号化
    ステップを更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換し、 前記第1のデータは、前記符号化ステップの処理による
    符号化処理の量子化ユニット数を表す情報を含むことを
    特徴とする請求項9に記載のデータ変換方法。
  14. 【請求項14】 入力されたデータを周波数成分に変換
    する周波数成分変換ステップと、 前記周波数成分変換ステップの処理により周波数成分に
    変換された前記データを符号化する符号化ステップとを
    更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換し、 前記第1のデータは、前記周波数成分変換ステップの処
    理により変換された周波数成分のスペクトル係数情報を
    含むことを特徴とする請求項9に記載のデータ変換方
    法。
  15. 【請求項15】 入力されたデータを符号化する符号化
    ステップを更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換し、 前記第1のデータは、可変長符号を含むことを特徴とす
    る請求項9に記載のデータ変換方法。
  16. 【請求項16】 前記第1のデータは、所定の数値を示
    すデータであり、 前記第2のデータは、前記第2のデータの数値を最小化
    したものであることを特徴とする請求項9に記載のデー
    タ変換方法。
  17. 【請求項17】 前記第2のデータは、前記第1のデー
    タの少なくとも一部をランダムなデータに置き換えたも
    のであることを特徴とする請求項9に記載のデータ変換
    方法。
  18. 【請求項18】 入力されたデータを符号化する符号化
    ステップを更に含み、 前記データ変換ステップの処理では、前記符号化ステッ
    プの処理により符号化された符号化データを前記第1の
    データ列として、前記第2のデータ列に変換し、 前記第2のデータは、復号された場合に、前記第1のデ
    ータが復号された場合のデータ長よりも短いデータ長と
    なることを特徴とする請求項9に記載のデータ変換方
    法。
  19. 【請求項19】 第1のデータ列を変換して第2のデー
    タ列を生成するデータ変換装置において、 前記第1のデータ列を構成する複数のフレームの順番を
    変更することにより、前記第1のデータ列を変換して、
    前記第2のデータ列を生成するデータ変換手段と、 前記データ変換手段により変換されて生成された前記第
    2のデータ列を、前記第1のデータ列に復元するために
    必要な第3のデータ列を生成する生成手段とを備えるこ
    とを特徴とするデータ変換装置。
  20. 【請求項20】 第1のデータ列を変換して第2のデー
    タ列を生成するデータ変換装置用のプログラムであっ
    て、 前記第1のデータ列を構成する複数のフレームの順番を
    変更することにより、前記第1のデータ列を変換して、
    前記第2のデータ列を生成するデータ変換ステップと、 前記データ変換ステップの処理により変換されて生成さ
    れた前記第2のデータ列を、前記第1のデータ列に復元
    するために必要な第3のデータ列を生成する生成ステッ
    プとを含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可
    能なプログラムが記録されている記録媒体。
  21. 【請求項21】 第1のデータ列を変換して第2のデー
    タ列を生成するデータ変換装置を制御するコンピュータ
    が実行可能なプログラムであって、 前記第1のデータ列を構成する複数のフレームの順番を
    変更することにより、前記第1のデータ列を変換して、
    前記第2のデータ列を生成するデータ変換ステップと、 前記データ変換ステップの処理により変換されて生成さ
    れた前記第2のデータ列を、前記第1のデータ列に復元
    するために必要な第3のデータ列を生成する生成ステッ
    プとを含むことを特徴とするプログラム。
  22. 【請求項22】 第1のデータ列を第2のデータ列に復
    元するデータ復元装置のデータ復元方法において、 前記第1のデータ列を前記第2のデータ列に復元するた
    めに必要な情報を含む第3のデータ列の取得を制御する
    取得制御ステップと、 前記取得制御ステップの処理により取得が制御された前
    記第3のデータ列を基に、前記第1のデータを構成する
    複数のフレームの順番を変更して、前記第2のデータ列
    を復元する復元ステップとを含むことを特徴とするデー
    タ復元方法。
  23. 【請求項23】 前記第1のデータ列を構成する複数の
    前記フレームは、第1のフレームと第2のフレームに分
    類され、前記第1のフレームが、前記第2のフレームよ
    りも前に位置するように配置され、 前記復元ステップの処理では、前記取得制御ステップに
    より取得が制御された前記第3のデータ列に含まれてい
    る情報を基に、前記第1のフレームの位置を移動して、
    前記第2のデータ列を復元することを特徴とする請求項
    22に記載のデータ復元方法。
  24. 【請求項24】 前記取得制御ステップの処理により取
    得が制御された前記第3のデータ列は、前記第2のデー
    タ列における前記第1のフレームの位置情報を含むこと
    を特徴とする請求項23に記載のデータ変換方法。
  25. 【請求項25】 前記取得制御ステップの処理により取
    得が制御された前記第3のデータ列は、前記第2のデー
    タ列において連続している前記第1のフレームの合計の
    長さ情報を含むことを特徴とする請求項23に記載のデ
    ータ変換方法。
  26. 【請求項26】 前記復元ステップの処理により復元さ
    れた前記第2のデータ列の、所定の記録媒体への記録を
    制御する記録制御ステップを更に含むことを特徴とする
    請求項22に記載のデータ復元方法。
  27. 【請求項27】 前記復元ステップの処理により復元さ
    れた前記第2のデータ列を復号する復号ステップを更に
    含むことを特徴とする請求項22に記載のデータ復元方
    法。
  28. 【請求項28】 前記復号ステップの処理により復号さ
    れた前記第2のデータ列の再生を制御する再生制御ステ
    ップを更に含むことを特徴とする請求項27に記載のデ
    ータ復元方法。
  29. 【請求項29】 前記第1のデータ列は、少なくとも一
    部暗号化され、 前記第3のデータ列には、前記第1のデータ列の暗号化
    された部分に対応する復号鍵が含まれ、 前記復元ステップの処理では、前記取得制御ステップに
    より取得が制御された前記第3のデータ列に含まれてい
    る前記復号鍵を用いて、前記第1のデータ列の少なくと
    も一部を復号する処理を更に実行することを特徴とする
    請求項22に記載のデータ復元方法。
  30. 【請求項30】 前記復元ステップの処理では、前記取
    得制御ステップにより取得が制御された前記第3のデー
    タ列に含まれている第1のデータを、第1のデータ列に
    含まれている第2のデータと置き換えることにより、前
    記第2のデータ列を復元することを特徴とする請求項2
    2に記載のデータ復元方法。
  31. 【請求項31】 前記第2のデータ列は、符号化された
    データ列であり、 前記第1のデータは、正規化係数情報を含む ことを特徴とする請求項30に記載のデータ復元方法。
  32. 【請求項32】 前記第2のデータ列は、符号化された
    データ列であり、 前記第1のデータは、量子化精度情報を含むことを特徴
    とする請求項30に記載のデータ復元方法。
  33. 【請求項33】 前記第2のデータ列は、符号化された
    データ列であり、 前記第1のデータは、量子化ユニット数を含むことを特
    徴とする請求項30に記載のデータ復元方法。
  34. 【請求項34】 前記第2のデータ列は、周波数成分に
    変換されて符号化されたデータ列であり、 前記第1のデータは、スペクトル係数情報を含むことを
    特徴とする請求項30に記載のデータ復元方法。
  35. 【請求項35】 前記第2のデータ列は、符号化された
    データ列であり、 前記第1のデータは、可変長符号を含むことを特徴とす
    る請求項30に記載のデータ復元方法。
  36. 【請求項36】 前記第1のデータは、所定の数値を示
    すデータであり、 前記第2のデータは、前記第1のデータの数値を最小化
    したものであることを特徴とする請求項30に記載のデ
    ータ復元方法。
  37. 【請求項37】 前記第2のデータは、前記第1のデー
    タの少なくとも一部をランダムなデータに置き換えたも
    のであることを特徴とする請求項30に記載のデータ復
    元方法。
  38. 【請求項38】 前記復元ステップの処理により復元さ
    れた前記第2のデータ列を復号する復号ステップを更に
    含み、 前記第2のデータは、前記復号ステップの処理により復
    号された場合に、前記第1のデータが復号された場合の
    データ長よりも短いデータ長となることを特徴とする請
    求項30に記載のデータ復元方法。
  39. 【請求項39】 前記復元ステップの処理では、前記第
    3のデータ列に含まれている前記第1のデータを、前記
    第1のデータ列に含まれている前記第2のデータに置き
    換えることにより、前記第1のデータ列が再生された場
    合より、前記第2のデータ列が再生された場合の方が、
    再生の品質が向上するように、前記第2のデータ列に復
    元することを特徴とする請求項30に記載のデータ復元
    方法。
  40. 【請求項40】 第1のデータ列を第2のデータ列に復
    元するデータ復元装置において、 前記第1のデータ列を前記第2のデータ列に復元するた
    めに必要な情報を含む第3のデータ列を取得する取得手
    段と、 前記取得手段により取得された前記第3のデータ列を基
    に、前記第1のデータを構成する複数のフレームの順番
    を変更して、前記第2のデータ列を復元する復元手段と
    を備えることを特徴とするデータ復元装置。
  41. 【請求項41】 第1のデータ列を第2のデータ列に復
    元するデータ復元装置用のプログラムであって、 前記第1のデータ列を前記第2のデータ列に復元するた
    めに必要な情報を含む第3のデータ列の取得を制御する
    取得制御ステップと、 前記取得制御ステップの処理により取得が制御された前
    記第3のデータ列を基に、前記第1のデータを構成する
    複数のフレームの順番を変更して、前記第2のデータ列
    を復元する復元ステップとを含むことを特徴とするコン
    ピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている
    記録媒体。
  42. 【請求項42】 第1のデータ列を第2のデータ列に復
    元するデータ復元装置を制御するコンピュータが実行可
    能なプログラムであって、 前記第1のデータ列を前記第2のデータ列に復元するた
    めに必要な情報を含む第3のデータ列の取得を制御する
    取得制御ステップと、 前記取得制御ステップの処理により取得が制御された前
    記第3のデータ列を基に、前記第1のデータを構成する
    複数のフレームの順番を変更して、前記第2のデータ列
    を復元する復元ステップとを含むことを特徴とするプロ
    グラム。
  43. 【請求項43】 オリジナルのコンテンツデータに対し
    て、試聴用として配布される試聴データのデータフォー
    マットであって、 前記試聴データの再生時間情報を含むヘッダ情報と、 試聴領域として設定され、再生品質が前記コンテンツデ
    ータの対応する部分よりも劣化するように設定されてい
    る第1のフレームと、 試聴不可の領域として、再生することが出来ないように
    設定されている第2のフレームとを含み、 前記第1のフレームは、前記第2のフレームよりも再生
    時の時間軸で前となるように配置され、 前記ヘッダ情報には、前記試聴データの前記再生時間情
    報として前記第1のフレームの合計の再生時間が記載さ
    れていることを特徴とするデータフォーマット。
  44. 【請求項44】 オリジナルのコンテンツデータに対す
    る試聴データを、前記コンテンツデータに復元するため
    に配布される復元用データのデータフォーマットであっ
    て、 前記コンテンツデータの再生時間と、前記試聴データに
    おいて試聴領域として設定されているフレームの前記コ
    ンテンツデータにおける位置情報とを含むヘッダ情報
    と、 前記試聴データに含まれている少なくとも1つの第1の
    データと置き換える第2のデータと、 前記第1のデータを前記第2のデータに正しく置き換え
    るために必要な情報とを含むことを特徴とするデータフ
    ォーマット。
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