JP2004093259A - 導線の導通状態検出回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用環境により生じる雑音の影響を排除でき、コスト面、信頼度面で優れると共に、導線の短絡(開閉)検出と断線検出を同時に行うことができる。
【解決手段】2本の導線1A、1Bの終端部をダイオード10で接続し、2本の導線1A、1Bの起端部を、それぞれ抵抗13A、13Bを介して電源端子14に接続すると共に、互いに相補的に開閉するスイッチ21A、21Bを有する機械的又は電子的なスイッチ20の開閉部に接続されている。スイッチ21A、21Bを互いに開閉させることにより、ダイオード10にかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には導線1A、1Bの断線状態を、逆方向時には導線1A、1Bの短絡状態を電圧又は電流の変化として検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】2本の導線1A、1Bの終端部をダイオード10で接続し、2本の導線1A、1Bの起端部を、それぞれ抵抗13A、13Bを介して電源端子14に接続すると共に、互いに相補的に開閉するスイッチ21A、21Bを有する機械的又は電子的なスイッチ20の開閉部に接続されている。スイッチ21A、21Bを互いに開閉させることにより、ダイオード10にかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には導線1A、1Bの断線状態を、逆方向時には導線1A、1Bの短絡状態を電圧又は電流の変化として検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーススイッチ、配線コード等の断線状態及び短絡状態を検出するための導線の導通状態検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が適用される一例として、例えば特開平10−321070号公報及び特開平11−3629号公報に開示されているホーススイッチについて説明する。ホーススイッチは、ホースと導線とから構成されている。ホースは、弾力性及び絶縁性を有するゴムや樹脂から形成されている。導線は、ホース内面に、導線の表面の一部が内部空間に露出するように導電性及び柔軟性の有る複数条螺旋状に配置して固定されている。そこで、ホースの上から一定の外力を加えると、その部位で2本の導線が短絡し、電気的にホーススイッチがオン状態になる。このホーススイッチは、防犯、防災や道路等の工事現場における保安規制等に使用される。
【0003】
かかる構成よりなるホーススイッチの導線の導通状態検出回路は次のようになっている。2本の導線の終端部は接続され、2本の導線の起端部はコネクタを介して電圧計に接続されている。コネクタには、導線の有する線路抵抗に比べて十分大きな抵抗が設けられている。このようにすると、ホーススイッチの導線に一定の電流が流れる。そこで、ホーススイッチの任意の部位に外力が加えられてオン状態になると、起端部の導線間の電位差に変化が生じる。この電位差の変化を電圧計で観察し、ホーススイッチがオン状態になったことを検出している。このように、導線に一定の電流を流しておき、ホーススイッチのオンによる線路抵抗の変化を電位の差に変換して、ホーススイッチの開閉状態を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この検出方法では、ホーススイッチの線路抵抗の直線性が保証されれば、起端部からのスイッチオンの位置と当該電位差は一次比例関係になるので、電位差の大きさを比較回路で検出することで、ホーススイッチがオンになった位置を知ることができる。しかし、かかる検出方法は、次に述べるような問題があった。
【0005】
(1) ホーススイッチの線路抵抗は20〜50mΩ/mと小さく、相当に大きな電流で定電流駆動するか、線路長を長くしない限り僅かな電位差の変化しか得られない。このように、扱う信号が微小なため、ホーススイッチを施設する使用環境に起因する雑音の影響を受け易く、導線の導通状態検出回路の信頼性が低い。
(2) 開閉状態の検出を電気的な微小変化を捉えて判定するため、導線の導通状態検出回路が複雑で大掛かりなものになる。
(3) ホーススイッチの導線の断線状態の検出については、何ら配慮されていな。
【0006】
本発明の課題は、使用環境により生じる雑音の影響を排除でき、コスト面、信頼度面で優れると共に、導線の短絡(開閉)検出と断線検出を同時に行うことができる導線の導通状態検出回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、2本の導線の終端部をダイオードで接続し、2本の導線の起端部を、それぞれ抵抗を介して電源に接続すると共に、互いに相補的に開閉する機械的又は電子的なスイッチの開閉部に接続してなり、前記スイッチを互いに開閉させることにより、前記ダイオードにかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には2本の導線の断線状態を、逆方向時には2本の導線の短絡状態を電圧又は電流の変化として検出することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1により説明する。本実施の形態は、ホーススイッチ1に適用した例を示す。ホーススイッチ1は、従来の技術の項で述べたように、2本の導線1A、1Bを有している。
【0009】
導線の導通状態検出回路は、次のような構成となっている。導線1A及び1Bの終端部には、導線1Aから導線1Bに向けて順方向になるようにダイオード10が接続されている。導線1A及び1Bの起端部は、それぞれ配線11A及び11Bを介して断線検出用出力端子12A及び開閉検出用出力端子12Bに接続されている。配線11A及び11Bは、抵抗13A及び13Bを介してそれぞれ電源端子14に接続されると共に、互いに相補的にオン・オフする相補的スイッチ20に接続されている。
【0010】
相補的スイッチ20は、配線11Aに接続されたスイッチ21Aと、配線11Bに接続されたスイッチ21Bとからなっており、スイッチ21Aと21Bを互いに相補的にオン・オフさせることにより、導線1A、1Bの断線状態を断線検出用出力端子12Aからの出力で検出し、導線1A、1Bの開閉状態を開閉検出用出力端子12Bからの出力で検出するようになっている。
【0011】
前記相補的スイッチ20は、図3に示すように、トランジスタに置き換えてもよい。図3において、22A、22Bはオープンドレイン形式のCMOSインバータゲートで、23は通常のCMOSインバータゲート、24はタイミング制御信号Tswの入力端子を示す。入力端子24は、CMOSインバータゲート23、22Aを介して配線11Aに接続され、また、CMOSインバータゲート22Bを介して配線11Bに接続されている。即ち、図1のスイッチ21A及び21Bは図3のCMOSインバータゲート22A及び22Bに対応し、図3のCMOSインバータゲート23は、図1のスイッチ21A及び21Bを交互、つまり相補的に動作させるためにタイミング制御信号Tswを反転させるためのゲートとなる。入力端子24にタイミング制御信号Tswを印加すると、CMOSインバータゲート23によりタイミング制御信号Tswの否定信号がCMOSインバータゲート22Aに印加される。
【0012】
そこで、図4(a)に示すようなタイミング制御信号Tswを入力端子24に入力すると、タイミング制御信号Tswが論理的に「H」(ハイ)の期間、つまり導線1A、1Bの断線検出期間T1ではCMOSインバータゲート22Bの出力段トランジスタはオンとなる(図1においてはスイッチ21Bがオンとなる)。
【0013】
一方、この時、CMOSインバータゲート22AにはCMOSインバータゲート23により図4(b)に示すように逆相のタイミング制御信号Tswが加わり、CMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタはオフとなる(図1においてはスイッチ21Aがオフとなる)。その結果、開閉検出期間T2では抵抗13A、導線1A、ダイオード10、導線1BにCMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタを通して電流が流れ、断線検出用出力端子12Aはこの期間、論理的に「L」(ロー)の状態になる。
【0014】
即ち、図4(a)は、入力端子24に入力されるタイミング制御信号Tswを示し、論理的に「H」の期間を導線1A、1Bの断線を検出する断線検出期間T1、論理的に「L」の期間を導線1A、1Bの開閉を検出する開閉検出期間T2に割り当てている。
【0015】
図2は図1において、前記それぞれの検出期間における等価的な検出回路の接続状態を示す。図2(a)は断線検出期間T1時の等価回路、図2(b)は開閉検出期間T2時の等価回路である。次にこれらの等価回路に基づき検出の原理を説明する。
【0016】
図4(a)の断線検出期間T1時には、図2(a)に示すように、スイッチ21Aをオフ状態に、スイッチ21Bをオン状態にする。この場合、ダイオード10は順方向にバイアスされて導通状態になる。従って、導線1Aと1Bの直列回路に抵抗13Aを通して電流が流れている状態にあり、断線検出用出力端子12Aには、抵抗13Aと導線1Aと1Bの線路抵抗の合成抵抗とで分圧された電圧が現れる。導線1A、1Bの抵抗は抵抗13Aに比べて十分に小さいので、抵抗13Aの電位はほぼゼロに近い状態である。ここでもし、導線1A又は導線1Bの任意の部位が断線したとすると、抵抗13Aから導線1Aを経て導線1Bからグランドへとの電流が流れる回路が遮断される。その結果、断線検出用出力端子12Aの電位は電源電圧Vccまで上昇し、ホーススイッチ1の断線が検出される。
【0017】
一方、図4(b)の開閉検出期間T2時には、断線検出の時と反対に、図2(b)に示すように、スイッチ21Aをオンでスイッチ21Bをオフにする。この場合、ダイオード10には逆バイアスがかかり遮断状態になる。その結果、導線1Bは電源電圧Vccに、導線1Aはスイッチ21Aを通して接地されほぼグランド電位になっている。従って、スイッチ21Bがオフの状態では、開閉検出用出力端子12Bはほぼ電源電圧Vccに近い状態にある。ここで、導線1A、1Bの任意の部位が外力によって押され導線1A、1Bがオン状態になると、抵抗13Bを通して導線1Bから導線1Aを通じてグランドに電流が流れ、開閉検出用出力端子12Bの電位がグランド電位近くまで下降し、ホーススイッチ1のオン状態の検出が可能になる。
【0018】
このように、本実施の形態の導線の導通状態検出回路はダイオード10の導通/遮断特性をうまく活用し、簡単な回路でホーススイッチ1の導線1A、1Bの断線及び開閉を確実に検出できる。
【0019】
図3の場合は、図4の断線検出期間T1時において、CMOSインバータゲート22Bの出力段トランジスタはオンとなり、CMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタはオフとなるので、導線1A又は導線1Bのどこかで断線が生じると、断線検出用出力端子12Aの電位が上昇し論理的に「H」になり、ホーススイッチ1の断線が検出できる。
【0020】
次にタイミング制御信号Tswが論理的に「L」の期間、つまりホーススイッチ1の開閉状態の開閉検出期間T2では、上記と全く反対にCMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタがオン、CMOSインバータゲート22Bの出力段トランジスタがオフになる。この場合、ダイオード10には逆バイアスがかかり、導線1A及び1Bの間は電気的に遮断され、開閉検出用出力端子12Bはこの期間論理的に「H」レベルにある。この状態で導線1Aと導線1Bの間が接触すると、ダイオード10が導線1A及び1Bにより短絡状態になり、開閉検出用出力端子12Bは論理的に「L」になり、ホーススイッチ1のオン状態を検出できる。
【0021】
図5は図1及び図3の断線検出用出力端子12A及び開閉検出用出力端子12Bで検出される検出信号の検出回路の一実施の形態を示す。同図において、30、31はCMOS形式のNANDゲート、32、33はCMOS形式のインバータゲート、34はホーススイッチ1のオン状態を記憶するためのCMOS形式Dタイプのフリップフロップ、35は導線1A、1Bの断線状態を記憶するためのCMOS形式Dタイプのフリップフロップ、36はホーススイッチ1の開閉信号出力端子、37はホーススイッチ1の導線断線信号出力端子、38、39はそれぞれ対応するフリップフロップ34、35のリセット端子である。
【0022】
図4の説明から明らかなように、導線の導通状態検出回路の断線検出用出力端子12Aは、導線1A、1Bの断線検出期間T1内では、断線していない状態で論理的に「L」であり、断線した時には論理的に「H」に変化する。また、開閉検出用出力端子12Bはホーススイッチ1の開閉検出期間T2内では、ホーススイッチ1がオフ状態で論理的に「H」であり、ホーススイッチ1がオン状態で論理的に「L」に変化する。
【0023】
図5に示すように、タイミング制御信号Tswが論理的に「H」の状態、つまり導線1A、1Bの断線検出期間T1ではタイミング制御信号Tswは論理的に「H」であり、この時導線1A、1Bの断線が検出されるとNANDゲート31の入力が論理的に「L」から「H」に変化し、該NANDゲート31の出力が論理的に「H」から「L」に変化する。NANDゲート31の出力は、フリップフロップ35のセット端子に接続されており、この信号によってフリップフロップ35がセットされる。その結果、フリップフロップ35の導線断線信号出力端子37に論理的な「H」信号が得られる。この信号は、フリップフロップ35のリセット端子39にリセット信号が印加されるまで保たれる。
【0024】
一方、ホーススイッチ1の開閉状態の検出は、フリップフロップ34により行われる。即ち、ホーススイッチ1の開閉検出期間T2ではタイミング制御信号Tswが、インバータゲート33により反転し、NANDゲート30に与えられる。また、タイミング制御信号Tswにて得られる開閉検出用出力端子12Bの開閉信号は、インバータゲート32にて位相反転されてNANDゲート30に入力される。もし、ホーススイッチ1がオン状態になるとNANDゲート30の入力が論理的に「H」になり、該NANDゲート30の出力は論理的に「H」から「L」に変わる。この変化によってフリップフロップ34はセットされ、該フリップフロップ34の開閉信号出力端子36に論理的な「H」信号が得られる。この信号は、フリップフロップ34のリセット端子38にリセット信号が印加されるまで保たれる。
【0025】
このように、導線1A、1Bの断線時には、断線検出期間T1においてそれが検出され検出信号検出回路にてフリップフロップ35にセットされる。また、同じくホーススイッチ1のオン状態は、開閉検出期間T2においてフリップフロップ34にセットされる。
【0026】
ここで、フリップフロップ34及び35のリセットに触れておく。導線1A、1Bの断線やホーススイッチ1のオン状態を検出した時、いかなる処置を行うかはホーススイッチ1の利用状態によって種々変わる。例えばホーススイッチ1を盗難防止の目的で利用する場合、ホーススイッチ1がオンになったと言うことは、外部から不法侵入者があったことを意味する。この場合、前記の開閉信号出力端子36の出力を用いて強力なサーチライトを照射するとか、サイレンを鳴らすとかの処置を行う。これらの処置により正常に戻った時にフリップフロップ34をリセットする。
【0027】
一方、導線1A、1Bの断線が検出された場合は、機器の管理者にその旨を通報すれば良いわけで、例えばブザーを鳴らして警報ランプを点滅させたりする。機器の管理者がこの警報を受け、ホーススイッチ1の保守を済ませた段階でフリップフロップ35をリセットする。また、共通のリセットとして機器に電源を投入した際、つまり検出信号検出回路を初期状態におくためのパワーオンリセットを行うことは言うまでもない。
【0028】
図6は図1のスイッチ21Aと21Bを制御及び図3の入力端子24に入力するタイミング制御信号Tswを生成するタイミング制御信号生成回路の一実施の形態を示す。タイミング制御信号Tswは、図4に示すように、断線検出期間T1と開閉検出期間T2を交互に繰り返す制御信号が必要となる。図4では断線検出期間T1の時間幅と開閉検出期間T2の時間幅を等しく、即ちデュティサイクルを50%としているが、必ずしも等しくなくても良い。図6のタイミング制御信号生成回路は、タイマIC40を利用した無安定マルチバイブレータ回路である。41、42は発振パルスの幅や周期を決める抵抗、43は発振パルスの幅や周期を決める静電容量43である。
【0029】
タイマIC40において、Vccは図1及び図3の電源端子14に4.5〜16Vを印加する。Gndはアース端子、Disはディスチャージ端子で、タイミングを決めるCR定数の充放電を行う。Thrはスレッシュホールド端子、Ctlはコントロール端子、Trgはトリガ端子、Outは出力端子、Rstはリセット端子である。このように、電源端子14のトリガ入力端子(Trg)に発振パルス幅を決める静電容量43の端子電圧をフィードバックするように接続する。このように接続すると、静電容量43は、抵抗41と抵抗42を通して充電され、抵抗42を通して放電される。従って、発振のデュティサイクルは抵抗41と抵抗42の値によって制御される。
【0030】
図6の回路では、タイマIC40のデータシートより、図4の断線検出期間T1及び開閉検出期間T2は〔数1〕のようになる。抵抗41を360KΩ、抵抗42を1.5KΩ、静電容量43を1μFとし、抵抗41、42の単位をΩ、静電容量43の単位をFに換算して〔数1〕に代入すると、断線検出期間T1は1ms、開閉検出期間T2は250msとなる。即ち、デュティサイクルを99.6%に設計した場合を示す。
【0031】
【数1】
T1=0.693×(抵抗42)×(静電容量43)
T2=0.693×〔(抵抗41)+(抵抗42)〕×(静電容量43)
【0032】
導線1A、1Bの断線やホーススイッチ1のオンが発生するタイミングは、当然のことながら前記タイミング制御信号Tswのタイミングとは非同期であり、タイミング制御信号Tswのどの時点でホーススイッチ1がオンになるか、また、導線1A、1Bが断線するかは判らない。導線1A、1Bの断線は一度断線してしまえば、その状態が固定されてしまうので、仮に断線検出期間T1が短くとも断線時点以降の断線検出期間のいずれかで必ず検出が可能である。
【0033】
しかし、ホーススイッチ1の開閉検出は、一旦、外力によってホーススイッチ1がオンになっても、外力が取り除かれるとまた元の状態、つまりホーススイッチ1がオフの状態に戻るので、図6の場合のようにT1<T2になるように設計するのが良い。またT1、T2の個々の値はホーススイッチ1の線路としての特性並びにホーススイッチ1の応用システム側から要求される応答時間等を考慮して決める必要がある。即ち、ホーススイッチ1の長さと単位長当たりの浮遊容量によって、NANDゲート31による検出期間の切り替え時に波形なまりが発生するので、その影響を受けない範囲のパルス幅であること、更に応用システムから決まる応答性との兼ね合いを以て決めていくことになる。
【0034】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。例えば、図3の導線の導通状態検出回路及び図5の検出信号検出回路にオープンドレイン形式のCMOSインバータゲート22A、22B、32、33を用いたが、通常のTTLインバータゲートは勿論のこと、単体のトランジスタを利用しても良い。また、導線の導通状態検出回路以外の論理ゲートは全てCMOS論理素子を用いて説明したが、これらについても通常のTTL論理素子と置き換えても良い。更には、ワンチップ形式のマイコンを使用することで、前述の各論理回路をプログラムに置き換えることも可能である。
【0035】
また前記実施の形態においては、ホーススイッチ1に適用した場合について説明したが、本発明は、ホーススイッチに限定されなく、広く一般の配線コードの短絡状態の検出及び断線状態の検出にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、2本の導線の終端部を予め定められた向きにダイオードで接続し、2本の導線の起端部を、それぞれ抵抗を介して電源に接続すると共に、互いに相補的に開閉する機械的又は電子的なスイッチの開閉部に接続してなり、前記スイッチを互いに開閉させることにより、前記ダイオードにかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には2本の導線の断線状態を、逆方向時には2本の導線の短絡状態を電圧又は電流の変化として検出するので、使用環境により生じる雑音の影響を排除でき、コスト面、信頼度面で優れると共に、導線の短絡(開閉)検出と断線検出を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導線の導通状態検出回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】(a)は断線検出期間時の等価回路図、(b)は開閉検出期間時の等価回路図である。
【図3】図1の相補的スイッチの一具体例を設けた導線の導通状態検出回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図4】タイミング制御信号のタイミング波形図である。
【図5】検出信号検出回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図6】タイミング制御信号生成回路の一実施の形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ホーススイッチ
1A、1B 導線
10 ダイオード
11A、11B 配線
12A 断線検出用出力端子
12B 開閉検出用出力端子
13A、13B 抵抗
14 電源端子
20 相補的スイッチ
21A、21B スイッチ
22A、22B、23 CMOSインバータゲート
24 入力端子
Tsw タイミング制御信号
T1 断線検出期間
T2 開閉検出期間
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーススイッチ、配線コード等の断線状態及び短絡状態を検出するための導線の導通状態検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が適用される一例として、例えば特開平10−321070号公報及び特開平11−3629号公報に開示されているホーススイッチについて説明する。ホーススイッチは、ホースと導線とから構成されている。ホースは、弾力性及び絶縁性を有するゴムや樹脂から形成されている。導線は、ホース内面に、導線の表面の一部が内部空間に露出するように導電性及び柔軟性の有る複数条螺旋状に配置して固定されている。そこで、ホースの上から一定の外力を加えると、その部位で2本の導線が短絡し、電気的にホーススイッチがオン状態になる。このホーススイッチは、防犯、防災や道路等の工事現場における保安規制等に使用される。
【0003】
かかる構成よりなるホーススイッチの導線の導通状態検出回路は次のようになっている。2本の導線の終端部は接続され、2本の導線の起端部はコネクタを介して電圧計に接続されている。コネクタには、導線の有する線路抵抗に比べて十分大きな抵抗が設けられている。このようにすると、ホーススイッチの導線に一定の電流が流れる。そこで、ホーススイッチの任意の部位に外力が加えられてオン状態になると、起端部の導線間の電位差に変化が生じる。この電位差の変化を電圧計で観察し、ホーススイッチがオン状態になったことを検出している。このように、導線に一定の電流を流しておき、ホーススイッチのオンによる線路抵抗の変化を電位の差に変換して、ホーススイッチの開閉状態を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この検出方法では、ホーススイッチの線路抵抗の直線性が保証されれば、起端部からのスイッチオンの位置と当該電位差は一次比例関係になるので、電位差の大きさを比較回路で検出することで、ホーススイッチがオンになった位置を知ることができる。しかし、かかる検出方法は、次に述べるような問題があった。
【0005】
(1) ホーススイッチの線路抵抗は20〜50mΩ/mと小さく、相当に大きな電流で定電流駆動するか、線路長を長くしない限り僅かな電位差の変化しか得られない。このように、扱う信号が微小なため、ホーススイッチを施設する使用環境に起因する雑音の影響を受け易く、導線の導通状態検出回路の信頼性が低い。
(2) 開閉状態の検出を電気的な微小変化を捉えて判定するため、導線の導通状態検出回路が複雑で大掛かりなものになる。
(3) ホーススイッチの導線の断線状態の検出については、何ら配慮されていな。
【0006】
本発明の課題は、使用環境により生じる雑音の影響を排除でき、コスト面、信頼度面で優れると共に、導線の短絡(開閉)検出と断線検出を同時に行うことができる導線の導通状態検出回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、2本の導線の終端部をダイオードで接続し、2本の導線の起端部を、それぞれ抵抗を介して電源に接続すると共に、互いに相補的に開閉する機械的又は電子的なスイッチの開閉部に接続してなり、前記スイッチを互いに開閉させることにより、前記ダイオードにかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には2本の導線の断線状態を、逆方向時には2本の導線の短絡状態を電圧又は電流の変化として検出することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1により説明する。本実施の形態は、ホーススイッチ1に適用した例を示す。ホーススイッチ1は、従来の技術の項で述べたように、2本の導線1A、1Bを有している。
【0009】
導線の導通状態検出回路は、次のような構成となっている。導線1A及び1Bの終端部には、導線1Aから導線1Bに向けて順方向になるようにダイオード10が接続されている。導線1A及び1Bの起端部は、それぞれ配線11A及び11Bを介して断線検出用出力端子12A及び開閉検出用出力端子12Bに接続されている。配線11A及び11Bは、抵抗13A及び13Bを介してそれぞれ電源端子14に接続されると共に、互いに相補的にオン・オフする相補的スイッチ20に接続されている。
【0010】
相補的スイッチ20は、配線11Aに接続されたスイッチ21Aと、配線11Bに接続されたスイッチ21Bとからなっており、スイッチ21Aと21Bを互いに相補的にオン・オフさせることにより、導線1A、1Bの断線状態を断線検出用出力端子12Aからの出力で検出し、導線1A、1Bの開閉状態を開閉検出用出力端子12Bからの出力で検出するようになっている。
【0011】
前記相補的スイッチ20は、図3に示すように、トランジスタに置き換えてもよい。図3において、22A、22Bはオープンドレイン形式のCMOSインバータゲートで、23は通常のCMOSインバータゲート、24はタイミング制御信号Tswの入力端子を示す。入力端子24は、CMOSインバータゲート23、22Aを介して配線11Aに接続され、また、CMOSインバータゲート22Bを介して配線11Bに接続されている。即ち、図1のスイッチ21A及び21Bは図3のCMOSインバータゲート22A及び22Bに対応し、図3のCMOSインバータゲート23は、図1のスイッチ21A及び21Bを交互、つまり相補的に動作させるためにタイミング制御信号Tswを反転させるためのゲートとなる。入力端子24にタイミング制御信号Tswを印加すると、CMOSインバータゲート23によりタイミング制御信号Tswの否定信号がCMOSインバータゲート22Aに印加される。
【0012】
そこで、図4(a)に示すようなタイミング制御信号Tswを入力端子24に入力すると、タイミング制御信号Tswが論理的に「H」(ハイ)の期間、つまり導線1A、1Bの断線検出期間T1ではCMOSインバータゲート22Bの出力段トランジスタはオンとなる(図1においてはスイッチ21Bがオンとなる)。
【0013】
一方、この時、CMOSインバータゲート22AにはCMOSインバータゲート23により図4(b)に示すように逆相のタイミング制御信号Tswが加わり、CMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタはオフとなる(図1においてはスイッチ21Aがオフとなる)。その結果、開閉検出期間T2では抵抗13A、導線1A、ダイオード10、導線1BにCMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタを通して電流が流れ、断線検出用出力端子12Aはこの期間、論理的に「L」(ロー)の状態になる。
【0014】
即ち、図4(a)は、入力端子24に入力されるタイミング制御信号Tswを示し、論理的に「H」の期間を導線1A、1Bの断線を検出する断線検出期間T1、論理的に「L」の期間を導線1A、1Bの開閉を検出する開閉検出期間T2に割り当てている。
【0015】
図2は図1において、前記それぞれの検出期間における等価的な検出回路の接続状態を示す。図2(a)は断線検出期間T1時の等価回路、図2(b)は開閉検出期間T2時の等価回路である。次にこれらの等価回路に基づき検出の原理を説明する。
【0016】
図4(a)の断線検出期間T1時には、図2(a)に示すように、スイッチ21Aをオフ状態に、スイッチ21Bをオン状態にする。この場合、ダイオード10は順方向にバイアスされて導通状態になる。従って、導線1Aと1Bの直列回路に抵抗13Aを通して電流が流れている状態にあり、断線検出用出力端子12Aには、抵抗13Aと導線1Aと1Bの線路抵抗の合成抵抗とで分圧された電圧が現れる。導線1A、1Bの抵抗は抵抗13Aに比べて十分に小さいので、抵抗13Aの電位はほぼゼロに近い状態である。ここでもし、導線1A又は導線1Bの任意の部位が断線したとすると、抵抗13Aから導線1Aを経て導線1Bからグランドへとの電流が流れる回路が遮断される。その結果、断線検出用出力端子12Aの電位は電源電圧Vccまで上昇し、ホーススイッチ1の断線が検出される。
【0017】
一方、図4(b)の開閉検出期間T2時には、断線検出の時と反対に、図2(b)に示すように、スイッチ21Aをオンでスイッチ21Bをオフにする。この場合、ダイオード10には逆バイアスがかかり遮断状態になる。その結果、導線1Bは電源電圧Vccに、導線1Aはスイッチ21Aを通して接地されほぼグランド電位になっている。従って、スイッチ21Bがオフの状態では、開閉検出用出力端子12Bはほぼ電源電圧Vccに近い状態にある。ここで、導線1A、1Bの任意の部位が外力によって押され導線1A、1Bがオン状態になると、抵抗13Bを通して導線1Bから導線1Aを通じてグランドに電流が流れ、開閉検出用出力端子12Bの電位がグランド電位近くまで下降し、ホーススイッチ1のオン状態の検出が可能になる。
【0018】
このように、本実施の形態の導線の導通状態検出回路はダイオード10の導通/遮断特性をうまく活用し、簡単な回路でホーススイッチ1の導線1A、1Bの断線及び開閉を確実に検出できる。
【0019】
図3の場合は、図4の断線検出期間T1時において、CMOSインバータゲート22Bの出力段トランジスタはオンとなり、CMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタはオフとなるので、導線1A又は導線1Bのどこかで断線が生じると、断線検出用出力端子12Aの電位が上昇し論理的に「H」になり、ホーススイッチ1の断線が検出できる。
【0020】
次にタイミング制御信号Tswが論理的に「L」の期間、つまりホーススイッチ1の開閉状態の開閉検出期間T2では、上記と全く反対にCMOSインバータゲート22Aの出力段トランジスタがオン、CMOSインバータゲート22Bの出力段トランジスタがオフになる。この場合、ダイオード10には逆バイアスがかかり、導線1A及び1Bの間は電気的に遮断され、開閉検出用出力端子12Bはこの期間論理的に「H」レベルにある。この状態で導線1Aと導線1Bの間が接触すると、ダイオード10が導線1A及び1Bにより短絡状態になり、開閉検出用出力端子12Bは論理的に「L」になり、ホーススイッチ1のオン状態を検出できる。
【0021】
図5は図1及び図3の断線検出用出力端子12A及び開閉検出用出力端子12Bで検出される検出信号の検出回路の一実施の形態を示す。同図において、30、31はCMOS形式のNANDゲート、32、33はCMOS形式のインバータゲート、34はホーススイッチ1のオン状態を記憶するためのCMOS形式Dタイプのフリップフロップ、35は導線1A、1Bの断線状態を記憶するためのCMOS形式Dタイプのフリップフロップ、36はホーススイッチ1の開閉信号出力端子、37はホーススイッチ1の導線断線信号出力端子、38、39はそれぞれ対応するフリップフロップ34、35のリセット端子である。
【0022】
図4の説明から明らかなように、導線の導通状態検出回路の断線検出用出力端子12Aは、導線1A、1Bの断線検出期間T1内では、断線していない状態で論理的に「L」であり、断線した時には論理的に「H」に変化する。また、開閉検出用出力端子12Bはホーススイッチ1の開閉検出期間T2内では、ホーススイッチ1がオフ状態で論理的に「H」であり、ホーススイッチ1がオン状態で論理的に「L」に変化する。
【0023】
図5に示すように、タイミング制御信号Tswが論理的に「H」の状態、つまり導線1A、1Bの断線検出期間T1ではタイミング制御信号Tswは論理的に「H」であり、この時導線1A、1Bの断線が検出されるとNANDゲート31の入力が論理的に「L」から「H」に変化し、該NANDゲート31の出力が論理的に「H」から「L」に変化する。NANDゲート31の出力は、フリップフロップ35のセット端子に接続されており、この信号によってフリップフロップ35がセットされる。その結果、フリップフロップ35の導線断線信号出力端子37に論理的な「H」信号が得られる。この信号は、フリップフロップ35のリセット端子39にリセット信号が印加されるまで保たれる。
【0024】
一方、ホーススイッチ1の開閉状態の検出は、フリップフロップ34により行われる。即ち、ホーススイッチ1の開閉検出期間T2ではタイミング制御信号Tswが、インバータゲート33により反転し、NANDゲート30に与えられる。また、タイミング制御信号Tswにて得られる開閉検出用出力端子12Bの開閉信号は、インバータゲート32にて位相反転されてNANDゲート30に入力される。もし、ホーススイッチ1がオン状態になるとNANDゲート30の入力が論理的に「H」になり、該NANDゲート30の出力は論理的に「H」から「L」に変わる。この変化によってフリップフロップ34はセットされ、該フリップフロップ34の開閉信号出力端子36に論理的な「H」信号が得られる。この信号は、フリップフロップ34のリセット端子38にリセット信号が印加されるまで保たれる。
【0025】
このように、導線1A、1Bの断線時には、断線検出期間T1においてそれが検出され検出信号検出回路にてフリップフロップ35にセットされる。また、同じくホーススイッチ1のオン状態は、開閉検出期間T2においてフリップフロップ34にセットされる。
【0026】
ここで、フリップフロップ34及び35のリセットに触れておく。導線1A、1Bの断線やホーススイッチ1のオン状態を検出した時、いかなる処置を行うかはホーススイッチ1の利用状態によって種々変わる。例えばホーススイッチ1を盗難防止の目的で利用する場合、ホーススイッチ1がオンになったと言うことは、外部から不法侵入者があったことを意味する。この場合、前記の開閉信号出力端子36の出力を用いて強力なサーチライトを照射するとか、サイレンを鳴らすとかの処置を行う。これらの処置により正常に戻った時にフリップフロップ34をリセットする。
【0027】
一方、導線1A、1Bの断線が検出された場合は、機器の管理者にその旨を通報すれば良いわけで、例えばブザーを鳴らして警報ランプを点滅させたりする。機器の管理者がこの警報を受け、ホーススイッチ1の保守を済ませた段階でフリップフロップ35をリセットする。また、共通のリセットとして機器に電源を投入した際、つまり検出信号検出回路を初期状態におくためのパワーオンリセットを行うことは言うまでもない。
【0028】
図6は図1のスイッチ21Aと21Bを制御及び図3の入力端子24に入力するタイミング制御信号Tswを生成するタイミング制御信号生成回路の一実施の形態を示す。タイミング制御信号Tswは、図4に示すように、断線検出期間T1と開閉検出期間T2を交互に繰り返す制御信号が必要となる。図4では断線検出期間T1の時間幅と開閉検出期間T2の時間幅を等しく、即ちデュティサイクルを50%としているが、必ずしも等しくなくても良い。図6のタイミング制御信号生成回路は、タイマIC40を利用した無安定マルチバイブレータ回路である。41、42は発振パルスの幅や周期を決める抵抗、43は発振パルスの幅や周期を決める静電容量43である。
【0029】
タイマIC40において、Vccは図1及び図3の電源端子14に4.5〜16Vを印加する。Gndはアース端子、Disはディスチャージ端子で、タイミングを決めるCR定数の充放電を行う。Thrはスレッシュホールド端子、Ctlはコントロール端子、Trgはトリガ端子、Outは出力端子、Rstはリセット端子である。このように、電源端子14のトリガ入力端子(Trg)に発振パルス幅を決める静電容量43の端子電圧をフィードバックするように接続する。このように接続すると、静電容量43は、抵抗41と抵抗42を通して充電され、抵抗42を通して放電される。従って、発振のデュティサイクルは抵抗41と抵抗42の値によって制御される。
【0030】
図6の回路では、タイマIC40のデータシートより、図4の断線検出期間T1及び開閉検出期間T2は〔数1〕のようになる。抵抗41を360KΩ、抵抗42を1.5KΩ、静電容量43を1μFとし、抵抗41、42の単位をΩ、静電容量43の単位をFに換算して〔数1〕に代入すると、断線検出期間T1は1ms、開閉検出期間T2は250msとなる。即ち、デュティサイクルを99.6%に設計した場合を示す。
【0031】
【数1】
T1=0.693×(抵抗42)×(静電容量43)
T2=0.693×〔(抵抗41)+(抵抗42)〕×(静電容量43)
【0032】
導線1A、1Bの断線やホーススイッチ1のオンが発生するタイミングは、当然のことながら前記タイミング制御信号Tswのタイミングとは非同期であり、タイミング制御信号Tswのどの時点でホーススイッチ1がオンになるか、また、導線1A、1Bが断線するかは判らない。導線1A、1Bの断線は一度断線してしまえば、その状態が固定されてしまうので、仮に断線検出期間T1が短くとも断線時点以降の断線検出期間のいずれかで必ず検出が可能である。
【0033】
しかし、ホーススイッチ1の開閉検出は、一旦、外力によってホーススイッチ1がオンになっても、外力が取り除かれるとまた元の状態、つまりホーススイッチ1がオフの状態に戻るので、図6の場合のようにT1<T2になるように設計するのが良い。またT1、T2の個々の値はホーススイッチ1の線路としての特性並びにホーススイッチ1の応用システム側から要求される応答時間等を考慮して決める必要がある。即ち、ホーススイッチ1の長さと単位長当たりの浮遊容量によって、NANDゲート31による検出期間の切り替え時に波形なまりが発生するので、その影響を受けない範囲のパルス幅であること、更に応用システムから決まる応答性との兼ね合いを以て決めていくことになる。
【0034】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。例えば、図3の導線の導通状態検出回路及び図5の検出信号検出回路にオープンドレイン形式のCMOSインバータゲート22A、22B、32、33を用いたが、通常のTTLインバータゲートは勿論のこと、単体のトランジスタを利用しても良い。また、導線の導通状態検出回路以外の論理ゲートは全てCMOS論理素子を用いて説明したが、これらについても通常のTTL論理素子と置き換えても良い。更には、ワンチップ形式のマイコンを使用することで、前述の各論理回路をプログラムに置き換えることも可能である。
【0035】
また前記実施の形態においては、ホーススイッチ1に適用した場合について説明したが、本発明は、ホーススイッチに限定されなく、広く一般の配線コードの短絡状態の検出及び断線状態の検出にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、2本の導線の終端部を予め定められた向きにダイオードで接続し、2本の導線の起端部を、それぞれ抵抗を介して電源に接続すると共に、互いに相補的に開閉する機械的又は電子的なスイッチの開閉部に接続してなり、前記スイッチを互いに開閉させることにより、前記ダイオードにかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には2本の導線の断線状態を、逆方向時には2本の導線の短絡状態を電圧又は電流の変化として検出するので、使用環境により生じる雑音の影響を排除でき、コスト面、信頼度面で優れると共に、導線の短絡(開閉)検出と断線検出を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導線の導通状態検出回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】(a)は断線検出期間時の等価回路図、(b)は開閉検出期間時の等価回路図である。
【図3】図1の相補的スイッチの一具体例を設けた導線の導通状態検出回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図4】タイミング制御信号のタイミング波形図である。
【図5】検出信号検出回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図6】タイミング制御信号生成回路の一実施の形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ホーススイッチ
1A、1B 導線
10 ダイオード
11A、11B 配線
12A 断線検出用出力端子
12B 開閉検出用出力端子
13A、13B 抵抗
14 電源端子
20 相補的スイッチ
21A、21B スイッチ
22A、22B、23 CMOSインバータゲート
24 入力端子
Tsw タイミング制御信号
T1 断線検出期間
T2 開閉検出期間
Claims (1)
- 2本の導線の終端部をダイオードで接続し、2本の導線の起端部を、それぞれ抵抗を介して電源に接続すると共に、互いに相補的に開閉する機械的又は電子的なスイッチの開閉部に接続してなり、前記スイッチを互いに開閉させることにより、前記ダイオードにかかるバイアス電圧を順方向と逆方向に互いに切り替え、順方向時には2本の導線の断線状態を、逆方向時には2本の導線の短絡状態を電圧又は電流の変化として検出することを特徴とする導線の導通状態検出回路。
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CN101949991A (zh) * | 2010-09-30 | 2011-01-19 | 淮南市博泰矿山电器有限公司 | 合闸控制引线短路检测装置 |
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JP2018031675A (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | 電流インターフェース回路 |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002252947A patent/JP2004093259A/ja active Pending
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