JP2004092586A - 蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関 - Google Patents

蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の排気ガスエネルギーを回収タービンや蒸気タービン等の膨張機器類を設置することなく、簡単な構成かつ低コストの装置で以って回収し得る蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関を提供する。
【解決手段】クロスヘッド式内燃機関において、ピストンの背面、シリンダライナの内面及びピストンロッドの外周面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換える切換弁とを備えてなることを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として大型2サイクルディーゼル機関に適用され、ピストン及びピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにしたクロスヘッド式内燃機関において、ピストン背面に加圧蒸気を供給して膨張仕事を行わせるようにした蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関の排気ガスエネルギーを回収する技術として、過給機を駆動した後の排気ガスを熱交換器(排熱ボイラ)に導き、該熱交換器にて給水と熱交換して蒸気を発生し、該蒸気により発電機駆動用の蒸気タービンを駆動する複合システムが多く用いられている。
また、特開平6−88533号公報(特許文献1)においては、過給機を駆動した後の排気ガスを第2パワータービンに導いて該第2パワータービンを駆動し、該第2パワータービンにより発電機を駆動して、排気ガスエネルギーを電力として回収している。
【0003】
さらに、蒸気タービン及び発電機あるいは第2パワータービン及び発電機を不要として装置コストを低減し、簡単かつ低コストの構造で以って排気ガスエネルギーを回収する手段としては、本件出願人の出願に係る特開平5−44491号公報(特許文献2)の発明がある。
かかる発明においては、2サイクルクロスヘッド型ディーゼル機関において、過給機とは別個に排気ガスにより駆動される回収タービンを設け、排気ガスが導入される熱交換器において該回収タービンのコンプレッサで加圧した空気を回収タービン駆動後の排気ガスで加圧し、ディーゼル機関のピストン背面が臨む空気室に導入し、圧縮行程時に前記空気室内の加圧空気を膨張させてピストンの上昇仕事をなすことにより、排気ガスエネルギーを回収している。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−88533号公報
【特許文献2】
特開平5−44491号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような、排気ガスエネルギーを利用して蒸気を発生しこの蒸気で蒸気タービンを駆動して発電電力を得る複合システムや、前記特許文献1のように排気ガス流路において過給機と直列に設けた第2パワータービンにより発電電力を得るシステムにおいては、排気ガスエネルギーを回収するのに蒸気タービン及び発電機あるいは第2パワータービン及び発電機を設置する必要があり、プラントの装置コストが高くなる。
【0006】
また、蒸気タービン及び発電機あるいは第2パワータービン及び発電機を不要として装置コストを低減し、簡単かつ低コストの構造で以って排気ガスエネルギーを回収する手段として前記した特許文献2の発明にあっては、過給機とは別個に排気ガスにより駆動される回収タービンを設け、該該回収タービンのコンプレッサで加圧した空気を熱交換器にて排気ガスにより加熱して機関のピストン背面空気室に供給するというシステムであるため、熱交換器の他に加圧空気を生成するための回収タービンを設置する必要があり、該回収タービン設置に伴い機器数が増加し装置コストも高くならざるを得ない、
等の問題点を有している。
【0007】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、内燃機関の排気ガスエネルギーを回収タービンや蒸気タービン等の膨張機器類を設置することなく、簡単な構成かつ低コストの装置で以って回収し得る蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、シリンダライナの内面に往復摺動可能に嵌合されたピストン及びその下部に連結されたピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにしたクロスヘッド式内燃機関において、前記ピストンの背面及びシリンダライナの内面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により前記加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して前記蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換える切換弁とを備えてなることを特徴とする蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関を提案する。
【0009】
請求項1において、好ましくは請求項2ないし3のように構成する。
即ち請求項2においては、前記蒸気発生源は機関の排ガスにより給水を加熱して蒸気を発生せしめる排熱ボイラからなる。
また請求項3においては、前記切換弁に復水器を備えた蒸気排出管路を接続し、前記蒸気発生源から切換弁及び蒸気室を経て復水器を通り前記蒸気発生源に還流される閉ループの蒸気通路を構成してなる。
【0010】
請求項4記載の発明は請求項1において、機関出力、機関回転数等の機関運転条件を検出する機関運転条件検出器と、機関の排ガスにより給水を加熱して蒸気を発生せしめる排熱ボイラの蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出器と、前記機関運転条件検出器からの機関運転条件検出値または前記蒸気圧力検出器からの蒸気圧力検出値の何れか一方または双方に基づき前記切換弁を開閉する弁制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4において、好ましくは請求項5のように、前記弁制御装置は機関運転条件検出値あるいは蒸気圧力検出値に基づき機関の一定出力以上の高出力時あるいは前記蒸気圧力が一定圧力以上の高圧時の何れかにおいて前記切換弁を切り換えて前記蒸気室に加圧蒸気を供給せしめるように構成されてなるのがよい。
【0012】
請求項6記載の発明は、本発明を2サイクルクロスヘッド式内燃機関に適用したものであり、シリンダライナの内面に往復摺動可能に嵌合されたピストンにより該シリンライナの下部に複数個穿設された掃気孔を開閉するとともに、前記ピストン及びその下部に連結されたピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにした2サイクルクロスヘッド式内燃機関において、前記ピストンの背面及びシリンダライナの内面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により前記加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して前記蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換える切換弁と、前記シリンダライナの内周の前記蒸気室に臨む部位に往復動可能に嵌合され前記ピストンの背面と共働して前記掃気孔を開閉する前記掃気孔開閉弁とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
請求項6において、好ましくは請求項7のように、前記掃気孔開閉弁は排気行程終期に前記ピストンの背面に当接して下降することにより前記掃気孔を開口し圧縮行程時に前記ピストンが一定以上上昇したとき該掃気孔開閉弁に付設されたばねの弾力により上昇して前記掃気孔を閉鎖するように構成されてなるのがよい。
【0014】
請求項8記載の発明は、本発明を4サイクルクロスヘッド式内燃機関に適用したものであり、給気弁及び排気弁を備え、シリンダライナの内面に往復摺動可能に嵌合されたピストン及びその下部に連結されたピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにした4サイクルクロスヘッド式内燃機関において、前記ピストンの背面及びシリンダライナの内面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により前記加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して前記蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換えるとともに圧縮行程及び排気行程の何れか一方または双方において前記蒸気室に加圧蒸気を供給せしめる切換弁とを備えてなることを特徴とする。
【0015】
かかる発明によれば、請求項6、7のような2サイクル内燃機関における圧縮行程、請求項8のような4サイクル内燃機関における圧縮行程及び排気行程、つまりピストンの上昇行程時に、請求項2の排熱ボイラ等の蒸気発生源に接続される蒸気管とピストンの背面が臨む蒸気室とを切換弁により接続させて該蒸気発生源からの加圧蒸気を該蒸気室内に導入する。
該蒸気室内に導入された加圧蒸気はピストンの上昇に伴う該蒸気室の容積増大とともに膨張し、該加圧蒸気の膨張仕事によりピストンの背面に上昇力が付与される。
そして、ピストンの下降行程では前記切換弁を切り換えて前記蒸気室内の蒸気を復水器に排出して復水し、請求項3のように閉ループの蒸気通路に乗せて前記蒸気発生源に還流する。
【0016】
また請求項4、5のように、弁制御装置によって、機関出力、機関回転数等の機関運転条件の検出値あるいは排熱ボイラ(蒸気発生手段)における蒸気圧力検出値に基づき、機関の一定出力以上の高出力時あるいは前記蒸気圧力が一定圧力以上の高圧時の何れかにおいて前記切換弁を切り換えて前記蒸気室に加圧蒸気を供給するように前記切換弁を切り換え操作することにより、十分な排気エネルギーが得られる機関運転状態において、前記蒸気室内における加圧蒸気の膨張仕事をなさしめるようにして、効率良く排熱を回収する。
【0017】
従ってかかる発明によれば、機関の排熱エネルギー(排気エネルギー)を蒸気発生源において加圧蒸気を生成することにより回収し、該加圧蒸気をピストンの背面が臨む蒸気室に導入して膨張仕事をなしピストンの背面に上昇力を付与するように構成したので、従来技術のような蒸気タービン、回収タービン等の膨張機器類を必要とせず、加圧蒸気をピストンの背面が臨む蒸気室にて直接膨張せしめてピストンの背面に上昇力を作用させる膨張仕事を得ることができる。
これにより、格別な膨張機器類を設置することなく、簡単な構成でまた少ない機器数でさらには低コストの装置で以って、機関の排熱エネルギーを効率良く回収することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0019】
図1、2は本発明の第1実施例に係る蒸気膨張装置を備えた2サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関の排熱回収システムの系統図で、図1は加圧蒸気の作用時、図2は加圧蒸気の排出時を示す。図3は本発明の第2実施例に係る蒸気膨張装置を備えた4サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関の排熱回収システムの系統図である。図4の(A)は本発明に係る蒸気膨張装置を備えた2サイクルディーゼル機関のシリンダ内圧力線図、(B)は蒸気室における蒸気圧力線図である。
【0020】
第1実施例を示す図1、2において、100は2サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関で次のように構成されている。
30はシリンダライナ、33はシリンヘッド、39は該シリンダライナ30の内面を往復摺動するピストン、39aは該ピストン39の下部に固定されたピストンロッドで、該ピストンロッド39aの他端には図示しないクロスヘッドが連結され該クロスヘッドにおいて前記ピストン39及びピストンロッド39aの往復運動を回転運動に変換している。
【0021】
31は前記シリンダライナ30の下部に円周方向に沿って複数個穿設された掃気孔、45は該掃気孔31を囲んで形成された掃気室である。46は前記ピストンロッド39aの外周をシールするシールリングである。
35は前記シリンヘッド33に装着された燃料噴射弁で、図示を省略したが、通常2個装着されている。32は前記シリンダライナ30の内面、シリンヘッド33の下面及びピストン39の上面により区画形成された燃焼室である。34は排気弁、36は排気管である。37は過給機で、前記排気管36から導入される排気ガスにより駆動されるタービン37a及び該タービン37aに直結駆動されるコンプレッサ37bからなる。
以上に示すディーゼル機関100及び過給機37の構成は、従来技術と同様である。
【0022】
本発明は、前記のように構成されたディーゼル機関100における排熱回収システムに係るものである。
図1、2において、4は蒸気室で、前記ピストン39の背面、シリンダライナ30の内面及びピストンロッド39aの外周面により区画形成され下部をシールリング5を備えたカバー05にて覆蓋された密閉空間に構成され、該カバー05に設けられた蒸気出入口6を通して後述する加圧蒸気が給排されるようになっている。
【0023】
1は円筒状に形成された掃気孔開閉弁で、前記シリンダライナ30内面に形成された摺動面49に沿って往復摺動可能に嵌合されて、後述するように前記掃気孔31を開閉するものであり、下部に形成されたつば部1aが前記ピストン39の下面に当接可能となっている。
3は前記掃気孔開閉弁の下部位置を規制する下部ストッパで、前記シリンダライナ30の下面に前記カバー05と共締めにて固定されている。
2は前記掃気孔開閉弁1の下面とカバー05の上面との間に架設された前記掃気孔開閉弁1の戻し用のばねである。30aは前記摺動面49の上端に形成されて前記掃気孔開閉弁1の上部位置を規制する上部ストッパである。
【0024】
また、38は排熱ボイラで、前記過給機37のタービン37a出口から排気管47を通って導入される排気ガスと後述する給水管13を経て導入された水とを熱交換して蒸気を発生するものである。
8は前記蒸気室4への蒸気の給排を切り換える切換弁、9は前記排熱ボイラ38で発生した蒸気が通流する蒸気供給官で、前記切換弁8の蒸気入口ポートに接続されている。7は該切換弁8と前記蒸気室4の蒸気出入口6とを接続する蒸気管である。
10は前記切換弁8の出口ポートに接続される蒸気排出管で、該蒸気排出管10には、蒸気を復水する復水器11が設けられている。13は前記復水器11の給水(復水)出口と前記排熱ボイラ38の給水入口とも接続する給水管、12は該給水管13に設けられた給水ポンプである。
【0025】
14は前記切換弁8を開閉操作する弁制御装置、15は機関出力を検出する出力検出器、16は機関回転数を検出する回転数検出器、48は前記排熱ボイラ38における蒸気の圧力を検出する蒸気圧力検出器で、前記弁制御装置14は前記出力検出器15及び回転数検出器16からの機関出力検出値及び機関回転数検出値、または前記蒸気圧力検出器48からの蒸気圧力検出値の何れか一方または双方に基づき前記切換弁8を切り換え制御するようになっている。
【0026】
かかる構成からなる蒸気膨張装置を備えた2サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関の排熱回収システムにおいて、排気行程において排気弁34が開かれると、機関100からの排気ガスは過給機のタービン37aを駆動した後排熱ボイラ38に導入され、給水ポンプ12により給水管13を通して送られた給水と熱交換して蒸気を発生せしめる。該排熱ボイラ38で発生した加圧蒸気は、蒸気供給管9を通って前記切換弁8に送られる。
【0027】
前記切換弁8においては、図1に示す圧縮行程つまりピストンの上昇行程時には前記蒸気供給管9側と蒸気管7側とを接続する。これにより、蒸気供給管9からの加圧蒸気は蒸気管7を通って蒸気室4に導入され該蒸気室4内にてピストン39の上昇に伴う該蒸気室4の容積増大とともに膨張し、該加圧蒸気の膨張仕事によりピストン39の背面に上昇力が付与される。
このとき前記掃気孔開閉弁1はばね2のばね力により上方に移動せしめられて掃気孔31を閉塞せしめた後、上方の上部ストッパ30aにより係止せしめられる。
【0028】
また、図2に示す燃焼行程及び排気行程つまりピストン39の下降行程では前記切換弁8は、前記蒸気室4側と蒸気排出管10側とを接続する。これにより蒸気室4内の蒸気は蒸気排出管10を通って復水器11に排出され、該復水器11において冷却水と熱交換して復水し、前記給水ポンプ12により給水管13内を前記排熱ボイラ38へと還流せしめられる。
このとき前記掃気孔開閉弁1は、前記ピストン39の下降とともに該ピストン39の背面がつば部1aを下方に押すことによりばね2を押し縮めながら下方に移動せしめられ、排気行程終期に掃気孔31を開放した後、下部ストッパ3により係止せしめられる。
【0029】
図4は前記蒸気膨張装置を備えた2サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関におけるシリンダ内(燃焼室32内)及び蒸気室4内の圧力線図であり、(A)はシリンダ内圧力で面積Aが機関の図示出力、(B)は蒸気室4内の圧力のクランク角に対する変化を示す。
図4(B)においてαがBDC(下死点)後のピストン39の上昇行程において前記切換弁8が開き始めて前記蒸気室4に加圧蒸気が供給される期間、αがTDC(上死点)後のピストン39の下降行程において前記切換弁8が閉じ始めて前記蒸気室4内の蒸気が蒸気排出管10に排出される期間である。
図に示されるように、前記蒸気室4内における加圧蒸気の吸入、膨張サイクルにより面積Bに相当する膨張仕事が得られる。
【0030】
また前記弁制御装置14は、出力検出器15からの機関出力の検出値及び回転検出器16からの機関回転数の検出値に基づき機関の一定出力以上の高出力または高回転時、あるいは蒸気圧力検出器48からの蒸気圧力検出値に基づき該排熱ボイラ38の発生蒸気圧力が一定圧力以上の高圧時の何れかになったときに、前記切換弁8を切り換えて前記蒸気室4に加圧蒸気を供給するように操作する。
これにより、十分な排気エネルギーが得られる機関運転状態において、前記蒸気室4内における加圧蒸気の膨張仕事をなさしめるようにして効率良く排熱を回収することが可能となる。
【0031】
図3に示す本発明の第2実施例に係る蒸気膨張装置を備えた4サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関の排熱回収システムにおいて、200は4サイクルディーゼル機関、42は給気ポート、40は給気弁、41は排気ポート、34は排気弁であり、かかるディーゼル機関200自体の構成は従来技術と同様である。
【0032】
かかる第2実施例においては、4サイクルディーゼル機関であるため、ピストン39の背面、シリンダライナ30の内面及びピストンロッド39aの外周面により区画形成され下部をカバー05にて覆蓋された密閉空間に構成された蒸気室4に、ピストンの上昇行程である圧縮行程及び排気行程時に前記切換弁8により加圧蒸気を供給し該蒸気室4内において膨張仕事をなさしめ、ピストンの下降行程である燃焼行程及び吸入行程時に蒸気室4内の蒸気を排出するように構成している。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0033】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、機関の排熱エネルギー(排気エネルギー)を蒸気発生源において加圧蒸気を生成することにより回収し、該加圧蒸気をピストンの背面が臨む蒸気室に導入して膨張仕事をなしピストンの背面に上昇力を付与するように構成したので、従来技術のような蒸気タービン、回収タービン等の膨張機器類を必要とせず、加圧蒸気をピストンの背面が臨む蒸気室にて直接膨張せしめてピストンの背面に上昇力を作用させる膨張仕事を得ることができる。
これにより、格別な膨張機器類を設置することなく、簡単な構成でまた少ない機器数でさらには低コストの装置で以って、機関の排熱エネルギーを効率良く回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る蒸気膨張装置を備えた2サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関の排熱回収システムの系統図で加圧蒸気の作用時を示す。
【図2】前記第1実施例における系統図で加圧蒸気の排出時を示す。
【図3】本発明の第2実施例に係る蒸気膨張装置を備えた4サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関の排熱回収システムの系統図である。
【図4】(A)は本発明に係る蒸気膨張装置を備えた2サイクルディーゼル機関のシリンダ内圧力線図、(B)は蒸気室における蒸気圧力線図である。
【符号の説明】
1 掃気孔開閉弁
2 ばね
3 下部ストッパ
4 蒸気室
05 カバー
6 蒸気出入口
7 蒸気管
8 切換弁
9 蒸気供給官
10 蒸気排出管
11 復水器
12 給水ポンプ
13 給水管
14 弁制御装置
15 出力検出器
16 回転数検出器
30 シリンダライナ
31 掃気孔
32 燃焼室
33 シリンヘッド
34 排気弁
35 燃料噴射弁
37 過給機
38 排熱ボイラ
39 ピストン
39a ピストンロッド
40 給気弁
48 蒸気圧力検出器
49 摺動面
100 2サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関
200 4サイクルクロスヘッド式ディーゼル機関

Claims (8)

  1. シリンダライナの内面に往復摺動可能に嵌合されたピストン及びその下部に連結されたピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにしたクロスヘッド式内燃機関において、前記ピストンの背面及びシリンダライナの内面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により前記加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して前記蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換える切換弁とを備えてなることを特徴とする蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  2. 前記蒸気発生源は、機関の排ガスにより給水を加熱して蒸気を発生せしめる排熱ボイラからなることを特徴とする請求項1記載の蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  3. 前記切換弁に復水器を備えた蒸気排出管路を接続し、前記蒸気発生源から切換弁及び蒸気室を経て復水器を通り前記蒸気発生源に還流される閉ループの蒸気通路を構成してなることを特徴とする請求項1記載の蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  4. 機関出力、機関回転数等の機関運転条件を検出する機関運転条件検出器と、機関の排ガスにより給水を加熱して蒸気を発生せしめる排熱ボイラの蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出器と、前記機関運転条件検出器からの機関運転条件検出値または前記蒸気圧力検出器からの蒸気圧力検出値の何れか一方または双方に基づき前記切換弁を開閉する弁制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  5. 前記弁制御装置は、機関運転条件検出値あるいは蒸気圧力検出値に基づき機関の一定出力以上の高出力時あるいは前記蒸気圧力が一定圧力以上の高圧時の何れかにおいて前記切換弁を切り換えて前記蒸気室に加圧蒸気を供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項4記載の蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  6. シリンダライナの内面に往復摺動可能に嵌合されたピストンにより該シリンライナの下部に複数個穿設された掃気孔を開閉するとともに、前記ピストン及びその下部に連結されたピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにした2サイクルクロスヘッド式内燃機関において、前記ピストンの背面及びシリンダライナの内面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により前記加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して前記蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換える切換弁と、前記シリンダライナの内周の前記蒸気室に臨む部位に往復動可能に嵌合され前記ピストンの背面と共働して前記掃気孔を開閉する前記掃気孔開閉弁とを備えてなることを特徴とする蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  7. 前記掃気孔開閉弁は、排気行程終期に前記ピストンの背面に当接して下降することにより前記掃気孔を開口し圧縮行程時に前記ピストンが一定以上上昇したとき該掃気孔開閉弁に付設されたばねの弾力により上昇して前記掃気孔を閉鎖するように構成されてなることを特徴とする請求項6記載の蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
  8. 給気弁及び排気弁を備え、シリンダライナの内面に往復摺動可能に嵌合されたピストン及びその下部に連結されたピストンロッドの往復動をクロスヘッドを介して回転運動に変換するようにした4サイクルクロスヘッド式内燃機関において、前記ピストンの背面及びシリンダライナの内面により区画形成され前記ピストンの背面に作用する加圧蒸気が給排される蒸気室と、該蒸気室と機関の排熱により前記加圧蒸気を生成する蒸気発生源とを接続する蒸気管と、該蒸気管路を開閉して前記蒸気室への加圧蒸気の給排を切り換えるとともに圧縮行程及び排気行程の何れか一方または双方において前記蒸気室に加圧蒸気を供給せしめる切換弁とを備えてなることを特徴とする蒸気膨張装置を備えたクロスヘッド式内燃機関。
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