JP2004092426A - 熱電併給方法及び熱電併給システム - Google Patents

熱電併給方法及び熱電併給システム Download PDF

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Abstract

【課題】電力と熱の供給バランスの融通性を向上させることにある。
【解決手段】圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器102で発生した燃焼ガスで回転駆動するタービン103に連結された発電機105と、タービン103の廃熱で蒸気を発生させるガスタービン排ガスボイラ2と、VOCガスを燃焼する脱臭炉3の廃熱で蒸気を発生させる脱臭炉排ガスボイラ4と、ガスタービン排ガスボイラ2と脱臭炉排ガスボイラ4の少なくとも一方で発生した蒸気を脱臭炉3の廃熱で過熱する蒸気再過熱器47とを備え、この蒸気再過熱器47で過熱された蒸気を燃焼器102に導くことにより、電力と熱の供給バランスの融通性を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンにより電力と蒸気などの熱を発生させて供給する熱電併給システムと、揮発性有機化合物ガスの燃焼処理熱により蒸気等の熱を発生させる熱供給システムとを組み合わせた熱電併給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生産プラントなどへのエネルギー供給方法として、コージェネレーションと呼ばれる熱電併給システムが知られている。この熱電併給システムは、電力と熱(例えば、蒸気や温水)を発生させるものであり、原動機などで発電機を駆動して電力を発生させるとともに、原動機で発生する排ガスを排熱回収ボイラに導いて蒸気や温水を発生させるものである。なお、蒸気と温水はともに排熱から作ることに変わりないため、以下では、熱の需給を説明する場合、蒸気の需給として説明する。
【0003】
このような熱電併給システムの原動機としては、ガスタービン、ガスエンジン、及びディーゼルエンジンなどがあり、特に、熱の需要が比較的多い場合にガスタービンが広く用いられる。このようなガスタービンには、種々の形式があり、発電出力の上昇や、燃料の燃焼に伴って発生する窒素酸化物の発生量の低減を目的として、蒸気を燃焼器内に噴射する手段を備えた蒸気噴射型ガスタービンと呼ばれるものが提案されている。この蒸気噴射型ガスタービンは、燃焼器に噴射する蒸気の量を調整することで電力と熱の供給量の割合を調整することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、化学産業や電機機械産業などの生産プラントでは、例えば、トルエンなどの揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)を含有する排ガス(以下、VOCガスと称する)が発生する。このVOCガスは有臭かつ有害であることから、VOCガスを分解温度以上の高温(800〜850℃)で燃焼させる脱臭炉で処理した後に大気中に排出するようにしている(例えば、特許文献2参照)。このような脱臭炉から排出される燃焼排ガスは、高温であることから、この熱を排熱回収ボイラなどで蒸気として回収する必要がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−196401号(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−193227号(第3−5頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガスタービンによる熱電併給の場合は、燃焼器に噴射する蒸気の量を調整することで電力と熱の供給量の割合を調整することができるが、噴射蒸気をガスタービンの燃焼排ガス(例えば、460℃)で過熱するので、過熱蒸気の温度を十分高くできない。その結果、過熱蒸気から電力に変換できる熱量が制限され、電力と熱の供給バランスの融通性も制限されるという問題がある。
【0006】
一方、VOCガスの組成、濃度、流量などは生産プラントの運転に応じて変化するから、回収熱量も変化し、蒸気の供給量が変動する。そこで、蒸気を安定に供給するため、一般に、貫流ボイラ、水管ボイラ、煙管ボイラ、及び排気再燃ボイラなどのボイラを別に設けて蒸気を補うことが考えられる。しかし、VOCガスの流量などが大きく増加すると逆に蒸気が余剰となるため、熱回収効率が低下するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、熱電併給システムにおける電力と熱の供給バランスの融通性を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、脱臭炉による熱供給とガスタービンによる熱電併給を組み合わせ、脱臭炉の燃焼排ガスで過熱した蒸気をガスタービンの燃焼器に噴射することに思い至った。
【0009】
具体的には、本発明の熱電併給方法及びシステムは、圧縮空気により燃料を燃焼器にて燃焼させ、その燃焼ガスによりガスタービンを駆動して発電させ、ガスタービンから排出される燃焼排ガスをガスタービン排ガスボイラに導いて蒸気を発生させるとともに、揮発性有機化合物ガスを燃焼処理する脱臭炉から排出される燃焼排ガスを脱臭炉排ガスボイラに導いて蒸気を発生させ、ガスタービン排ガスボイラ及び脱臭炉排ガスボイラの少なくとも一方で発生した蒸気を脱臭炉から排出される燃焼排ガスの熱で過熱し、この過熱蒸気を燃焼器に噴射することを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明は、VOCガスを分解温度以上の温度で燃焼処理する脱臭炉から排出される燃焼排ガスの温度が、例えば、ガスタービンの排ガスの温度より高いことに着目し、このVOCガスの燃焼排ガスで過熱した蒸気を燃焼器へ導くようにしたものである。これにより、例えば、第1の過熱部からガスタービンの燃焼器へ過熱蒸気を供給する場合よりも燃焼器の入熱量を増加させ、この結果、過熱蒸気から電力に変換できる熱量を増加させることが可能になり、電力と熱の供給バランスの融通性を向上させることができる。さらに、第2の過熱部で熱を回収してガスタービンへの供給することにより、第2の蒸発部で発生する蒸気の量を減少させて蒸気の需要量に対する余剰を抑制することができるので、熱回収効率の向上を可能にする。
【0011】
また、過熱蒸気から電力に変換できる熱量を増加させることで発電効率を向上させることも可能となる。例えば、第1の場合は、ガスタービンの運転制御方法として、燃焼器内の温度が予め定められた上限値よりも低く保たれており、入熱量の増加に応じて燃焼器内の温度が上昇することを一定範囲まで許容できるような場合である。これは、ガスタービンの燃焼器内の温度が、例えば材料の耐熱温度等の点からみて一定の上限値があるものの、定常運転時の温度はこれよりも低い値に保たれており、昇温の余地があるような場合である。この場合、ガスタービンへの噴射蒸気の熱量の増加によって燃焼器内の温度が昇温するため、ガスタービン発電機の出力を向上させることができる。
【0012】
第2の場合は、ガスタービンの運転制御方法として、燃焼器内の温度を一定値に保つような温度制御方法が採用されている場合である。これは例えば、上記と同様にガスタービン燃焼器内の温度に一定の上限値があり、定常運転時の温度がこの上限値の付近に設定されており、昇温の余地がないような場合である。この場合、ガスタービンの運転方法としては、燃焼器内の温度上昇を抑制するために、噴射蒸気の持込熱量の増加分に応じて、燃焼器に投入する燃料量を減少させるように運転制御する。したがってこの場合、燃焼消費量を削減することができる。
【0013】
これら第1、第2の場合はいずれも発電効率を向上させることができる。式(1)に示すように、発電効率ηはガスタービンの発電出力Qoutと燃料入熱量Qinの比で表されるが、第1の場合は発電出力Qoutが増加し、第2の場合は燃料入熱量Qinが減少するため、いずれの場合も発電効率ηは増加する。
η=Qout/Qin     (1)
ここで、Qout:ガスタービンの発電出力
Qin:ガスタービンへの燃料入熱量
このように、本発明で導入する第2の過熱部で過熱させた蒸気を燃焼器に導くことで、ガスタービンの発電出力を向上するか、あるいは、ガスタービンの燃料消費量を削減することができる。つまり、発電効率を向上させることができる。また、ガスタービンは、飽和蒸気を発生させる第2の蒸発部などに比べて高い温度を必要とすることから、比較的温度の高い(800〜850℃)脱臭炉からの燃焼排ガスを利用することでエクセルギを有効に利用することができるので好ましい。
【0014】
さらに、好ましくは、ガスタービン排ガスボイラの蒸発部(第1の蒸発部)で発生する蒸気をガスタービン排ガスボイラの過熱部(第1の過熱部)及び脱臭炉排ガスボイラの過熱部(第2の過熱部)に順次通流させて燃焼器に導く配管系統を設けた構成とすることで、燃焼器に噴射する過熱蒸気の温度を上げることができる。
【0015】
この場合において、第2の蒸発部で発生する蒸気の一部を第2の過熱部の蒸気流入側に合流させる配管系統を設けることで、第2の蒸発部で発生した蒸気を第2の過熱部に導き入れることができる。このため、例えば、ガスタービン設備が定期点検等で休止している場合であっても、第2の過熱部への蒸気供給が停止して脱臭炉の高温燃焼排ガスによって空焼きされるのを防止し、安全に運用することを可能にする。さらに、第2の過熱部に導入する蒸気を第1の蒸発部又は第1の過熱部から導くに限らず、第2の蒸発部からも導くとともに、第2の蒸発部で発生する蒸気を第2の過熱部の流入側に流量調整可能にすることにより、燃焼器に導入する蒸気温度をより広い範囲で調整することが可能である。
【0016】
ここで、第1の過熱部を通流した蒸気を第2の過熱部をバイパスさせて第2の過熱部の蒸気流出側に導く配管系統を設けることで、第2の過熱部を通流させて燃焼器へ導くラインと第2の過熱部をバイパスさせて燃焼器に導くラインを並列に備え、それぞれのラインの流量配分を調整することができるので、燃焼器へ噴射する蒸気の温度、すなわち蒸気の加熱の程度を加減できる。したがって、蒸気の需給を見ながら、蒸気の余剰の程度に応じて、蒸気再過熱器での受熱量を調整し、後段の蒸発器・ドラムでの蒸気発生量を加減することが可能となる。このようにして、蒸気需給バランスの調整の課題に、より精緻に対応することができる。なお、ここでバイパスとは、ラインの流れの全流を迂回させることだけでなく一部を迂回させることを指す。
【0017】
また、脱臭炉が定期点検等で休止している場合であっても、第1の過熱部で過熱した蒸気を、第2の過熱部を通さずに燃焼器へと導くことができる。これにより、脱臭炉及びその排ガスボイラの点検等の作業をガスタービンの運用と切り離して実施できる。また、脱臭炉の休止時に第2の過熱部に蒸気を導入すると、脱臭炉の燃焼排熱がないために逆に第2の過熱部の伝熱面から蒸気の熱の一部を損失することになるが、このような熱損失を防止できる。
【0018】
また、第1の過熱部に流入する蒸気を第1の過熱部をバイパスさせて第2の過熱部の蒸気流入側に導く配管系統を設けることで、第1の過熱部から第2の過熱部を経て燃焼器へ導くラインと第1の蒸発部から第2の過熱部を経て燃焼器へ導くラインを並列に備え、それぞれのラインの流量配分を調整することができるので燃焼器へ噴射する蒸気の温度、すなわち蒸気の加熱の程度を加減できる。したがって、蒸気の需給を見ながら、蒸気の余剰の程度に応じて、蒸気再過熱器での受熱量を調整し、後段の蒸発器・ドラムでの蒸気発生量を加減することが可能となる。このようにして、蒸気需給バランスの調整の課題に、より精緻に対応することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、脱臭炉を備えた熱電併給システムにおいて、システムの熱効率を向上する実施例の1つを図1で詳述する。図1は本発明を適用してなる熱電併給システムの一実施形態を示した系統図である。
【0020】
全体の系統は大きく、(1)発電機105を備えた蒸気噴射型ガスタービン1(以下、単にガスタービンと記す)及び、このガスタービン1から排出される燃焼排ガスの供給を受けて蒸気を発生させる排熱回収ボイラ2(以下、ガスタービン排ガスボイラと記す)を有するガスタービン側系統と、(2)揮発性有機化合物(VOC)を含有するガスを燃焼分解する脱臭炉3及び、この脱臭炉3から導き出された高温燃焼排ガスの供給を受けて蒸気を発生させる排熱回収ボイラ4(以下、脱臭炉排ガスボイラと記す)を有する脱臭炉側系統、(3)原水50を系51から系21と系41に配分してそれぞれガスタービン排ガスボイラ2及び脱臭炉排ガスボイラ4へと供給する給水系統、(4)の両系統(1)、(2)から発生した蒸気をそれぞれ系26、系46を介して蒸気ヘッダ65に導き、最終的に系604から生産プロセス等の需要側へと供給する蒸気供給系統からなる。また本システムは、後述するようにガスタービン1に噴射する蒸気を過熱する第2の過熱部であるところの蒸気再過熱器47を脱臭炉排ガスボイラ4内に備えている。以下に、本発明のシステムの基本的な作動を前述の(1)〜(4)の各系統に分けて説明する。
【0021】
まず、(1)のガスタービン側系統の作動を以下に述べる。ガスタービン1では、燃料14(図示例では78,700MJ/h。以下、同様の図示例は括弧内に数値と単位のみ記す。)が系13から燃焼器102内に供給されて燃焼し、この燃焼によって生じる燃焼ガスがタービン103に導入されてこのタービンを駆動せしめ、このタービン103の駆動力がタービン103と発電機105を結ぶ軸104を介して発電機105に伝達され、発電機105を駆動して発電出力を発生させる。タービン103を駆動させた後の燃焼ガスは依然として高温の状態であり(460℃)、系17を介してガスタービン排ガスボイラ2に導入される。また燃焼器102には、後述するように系15から導かれた過熱蒸気16が噴射されている(この過熱蒸気16を以下、噴射蒸気と記す)。この噴射蒸気16の目的は、燃焼器102内の燃焼ガスにさらに顕熱を付与して発電出力を増加させることと、この燃焼器102内の特に高温燃焼部分に蒸気を注入して減温して、例えばサーマルNoxなどの発生を抑制することにある。
【0022】
ガスタービン排ガスボイラ2の内部の排ガス流路には、排ガスの流れに沿って上流側から順に、ガスタービン1への噴射蒸気16を過熱する第1の過熱部であるところの過熱器27と、後述するドラム24から導かれるボイラ水を加熱して蒸発させる第1の蒸発部であるところの蒸発器25と、系21から補給される給水を予熱する給水予熱器22が配置されている。系17から導入された高温排ガスは過熱器27、蒸発器25及び給水予熱器22と熱交換して、自身は降温し(170℃)、系61を経て煙突62より大気中に排出される。
【0023】
一方、ガスタービン排ガスボイラ2には、系21より水が供給されており、この水はポンプ229に導かれて給水予熱器22内に入り予熱された後、一部はポンプ239に導かれて系23より再び系21に循環され、給水予熱器22に流入する水の温度を(原水の20℃から)60℃に昇温させており、残りはドラム24に導入される。ドラム24には、このようにして給水予熱機22から供給された水が内部に保有されており、その一部は蒸発器25に供給され、この蒸発器25で発生した蒸気はこのドラム24に還流される。ドラム24に還流された蒸気は、飽和蒸気となり系261からこのドラム24を出て、系26と系262へと分配される。系262へ分配された飽和蒸気は、前述した過熱器27にて過熱されて過熱蒸気となり、一方、系26へ分配された飽和蒸気は蒸気ヘッダ65へと導かれる。
【0024】
次に、(2)の脱臭炉側系統の作動を以下に述べる。例えば、塗装工程等のVOCガス発生工程30で発生した揮発性有機化合物VOCを含有するガス(以下、VOCガスと記す)(流量0〜51000Nm3/h、温度40℃、濃度500〜3000ppm)は、系31により脱臭炉3内に具備されている蓄熱体32に導入される。なお、VOCの濃度とは、VOCガスのトルエン換算濃度をさし、これは、組成や発熱量の異なる各種VOCガスあるいはその混合ガスを、発熱量の等価なトルエンの相当濃度に換算したものである。以降、「ppm」「濃度」とはこのトルエン換算濃度をさすものとする。
【0025】
この蓄熱体32はハニカム形状になっておりガスを通過させることができ、また後述する作用により高温になっているために、この蓄熱体32に導入されたVOCガスは昇温した後、脱臭炉3の燃焼室33に導入される。
【0026】
燃焼室33内では導入されたVOCガスが高温(850℃)で燃焼されており、ガス中のVOC成分は燃焼反応により酸化されて二酸化炭素と水、あるいはその他の酸化物に分解されて無害化される。高温燃焼をした排ガスの一部は、系35により脱臭炉排ガスボイラ4に導入される(0〜15,000Nm3/h)。燃焼室33内の温度は次に述べるようにして予め定められた一定の設定範囲内に保たれている。すなわち、脱臭炉3に導入されるVOCガスの濃度あるいは風量が大きい場合、換言すれば発熱量が高い場合、系35に抜き出す高温燃焼排ガス量を増加させて、炉内の高温化を抑制する。逆に、VOCガスの濃度あるいは風量が小さい場合、換言すれば発熱量が低い場合、系35に抜き出す高温燃焼排ガス量を減少させて、炉内温度の低下を抑制する。
【0027】
このように、系35に抜き出す高温燃焼排ガスの流量の制御は、例えば、燃焼室33内の温度を監視して、予め定めた一定の温度範囲の上限値を上回った場合に、系35への抜出口に備えたダンパーの開度を大きくし、逆に一定の温度範囲の下限値を下回った場合には系35への抜出口に備えたダンパーを閉じる、といった操作によってなされる。系35に抜き出す高温燃焼排ガスの流量は、VOCガスの発熱量(すなわち流量または濃度)が減少するにともなって減少し、VOCガスの発熱量が一定以下の範囲では、系35からの抜出流量はゼロになる。この場合には、燃焼室33内の温度がさらに低下するのを防ぐために、補助燃料39をバーナ38から燃焼室33内に吹き込んで燃焼させることで、炉内温度を前述の設定範囲内に保つ。
【0028】
一方、高温燃焼排ガスの残量は脱臭炉の蓄熱体36を加熱し、自身は、(VOCガス条件によって異なるが約50〜150℃に)冷却されて系37を経て大気中へと排出される。脱臭炉3へのVOCガス入口系31と出口系37は一定時間間隔(例えば約60〜90秒毎)で、接続する蓄熱体32と蓄熱体36を互いに切替えられるようになっている。この結果、蓄熱体32と蓄熱体36では、上述した、流入VOCガスを加熱することによる蓄熱体の放熱と、高温燃焼ガスを冷却することによる蓄熱体の加熱が交互に繰り返される。この作用により、前述したように、蓄熱体32に導入されたVOCガスは昇温される。以上の操作により、無害化されたガスは系35と系37により脱臭炉3から排出される。
【0029】
前述の系35より排出された脱臭炉排ガスは、脱臭炉排ガスボイラ4に導入される。脱臭炉排ガスボイラ4は、この排ガスボイラ4に供給される水を加熱する給水予熱器42と、この給水予熱器42にて加熱された温水の供給を受けるドラム44と、このドラムから温水の供給を受けて加熱し蒸発させ、再びドラム44に還流させる第2の蒸発部であるところの蒸発器45を備えており、さらに排ガスの流れに沿って蒸発器45よりも上流の位置に、ガスタービン排ガスボイラの過熱器27から接続されており、系35より排出された脱臭炉の高温燃焼排ガスの熱を受けて蒸気を過熱する第2の過熱部であるところの蒸気再過熱器47を備えている。
【0030】
脱臭炉排ガスボイラ4に導入された排ガスは、その流れに沿って順に、蒸気再過熱器47、蒸発器45、給水予熱器42と熱交換して自身は約170℃に降温し、系63を経て煙突64より大気中へと排出される。一方、系41から脱臭炉排ガスボイラ4に導入された水(約20℃)は、ポンプ429に導かれて給水予熱器42内に入って加熱されて昇温後、一部はポンプ439に導かれて系43より再び系41へと循環して、給水予熱器42に流入する水の温度を60℃に昇温させており、一方、残りはドラム44に導かれる。ドラム44に導入された水は、蒸発器45に供されて蒸気としてこのドラム44に還流し、さらに系46により飽和蒸気として取り出されて蒸気ヘッダ65へと導かれる。また、蒸気再過熱器47には系401から、前述したガスタービン排ガスボイラ2の過熱器27で過熱された蒸気が導入され、この蒸気は系35より流入した高温燃焼排ガスの熱を受けて昇温された後、系402を経て、ガスタービン1への蒸気噴射経路15に導かれ、このガスタービンの燃焼器102内に噴射される。このように、系262、401、402により、蒸発器25で発生した蒸気の一部を過熱器27及び蒸気再過熱器47に順次通流させて燃焼器102に噴射する配管系統が形成されている。
【0031】
(3)の給水系統の作動を以下に述べる。給水系統では、原水50(約20℃)が、系51より水処理装置53、ホットウェルタンク54を経て、ポンプ219によって、前述したガスタービン排ガスボイラ2への給水配管である系21と、脱臭炉排ガスボイラ4への給水配管である系41へと導かれる。この系21とこの系41への給水流量は、それぞれポンプ229とポンプ429の吐出流量によって制御される。水処理装置53は軟水化装置や純水製造装置等を用いるとよい。
【0032】
(4)の蒸気供給系統の作動を以下に述べる。蒸気供給系統では、前述のガスタービン側系統(1)と、脱臭炉側系統(2)から発生した蒸気が、それぞれ系26、系46を介して蒸気ヘッダ65(ヘッダ蒸気圧力20atg)に導かれ、また、前述した蒸気再蒸気再過熱器47で過熱された蒸気の一部が、この再蒸気再過熱器47からガスタービン燃焼器102へと導かれる経路15の途中に設けられた三方弁406より導き出された系404を介して蒸気ヘッダ65に導かれる。この系404へと導かれる蒸気の流量は、ガスタービン燃焼器102に噴射する蒸気の所望量に応じて調整される。なお、三方弁406は、経路15に流す蒸気の量を増やすことでガスタービン1の出力を向上させ、系404へ導く蒸気の量を増やすことで生産プロセスへ供給される蒸気の量を増やせるようになっている。すなわち、例えば、ドラム24での蒸気発生量をS1[トン/時]、燃焼器102への噴射蒸気16の流量をS2[トン/時]とすると、系404の流量はS1からS2を差し引いた量S3=S1−S2[トン/時] となる。このようにして蒸気ヘッダ65に導かれた蒸気は、系69より減圧弁699を介して、あるいは、系66を経て蒸気アキュムレータ67に蓄えられた後、減圧されて系68より、蒸気ヘッダ603(ヘッダ蒸気圧力5atg)に導かれる。蒸気ヘッダ603に導かれた蒸気は系604を経て需要側である生産プロセスへと送気される。
【0033】
また、化学産業や電機機械産業等の工場では、電力と熱の需要が時々刻々変化することが多い。したがって、熱電併給システムの効率的な運用のためには、これら電力と熱の需要の変動に応じて電力と蒸気を発生させ、余らせずに消費することが重要になる。このため、年間の想定運転時間の大半の時間帯で、ガスタービンの定格発電出力が、需要側系統での電力需要よりも低くなるように、ガスタービンの容量を決定する。そして、需要側系統での電力需要に対して、ガスタービンからの供給電力だけでは電力量が不足するが、この不足分は図示していない商用電力系統から受電することで賄うようになっている。さらに、蒸気についても同様に、需要側系統での蒸気需要に対して、ガスタービン側系統からの供給蒸気だけでは蒸気量が不足することが多いが、予め、この不足分に対応するための例えば、貫流ボイラ601を設置しておき、この貫流ボイラ601にて不足分の蒸気を発生させ602を介して蒸気ヘッダ603に供給するようになっている。
【0034】
以上に述べた本システムの作動には、以下に述べるような効果がある。すなわち、前述したように、本システムでは、ガスタービン排ガスボイラ2に備えられた過熱器27で生成した過熱蒸気を、系401を経てさらに脱臭炉排ガスボイラに備えられた再蒸気再過熱器47に導いて、再度過熱している。このことにより、系15からガスタービン燃焼器102に噴射される蒸気は、ガスタービン排ガスボイラ2の過熱器27から直接ガスタービン燃焼器102に噴射される場合に比べて、さらに高い温度に昇温された上で燃焼器102に導入されている。すなわち、本システムでは蒸気再過熱器47を設けて、噴射蒸気16を再過熱することにより、ガスタービン燃焼器102に持ちこむ熱量を増加させることができるようになる。これにより、燃焼器102に供給する熱量の上限が上がるので電力と蒸気の供給量を調整する範囲を拡大することができ、さらに、脱臭炉側系統で発生する蒸気が余剰になることを抑制することができる。
【0035】
また、ガスタービン燃焼器102への入熱量の増加が、ガスタービン1の性能に及ぼす影響を説明すると以下のようになる。まず、ガスタービン1の発電機105の出力は、タービン部分103の仕様が同一であれば、燃焼器102内の温度が高いほど増加する。燃焼器102内では、燃料14と燃焼用空気12が、それぞれ系13と系11から供給されて燃焼しており、あわせて噴射蒸気16が系15から供給されていることから、燃焼器102内の温度は、燃料14の供給流量と、噴射蒸気16の温度及び流量によって決まる。一方、燃焼器102内の温度は、この燃焼器102及びガスタービン1の構成材料の耐熱温度によって、一定の許容上限値がある。
【0036】
したがって、前述のように燃焼器102への入熱量が増加すると、ガスタービンの運転方法によって、次のいずれかの効果がある。第1に、ガスタービン1の運転制御方法として、燃焼器102内の温度がの許容上限値よりも余裕を持って低く保たれており、入熱量の増加に応じて燃焼器102内の温度が一定程度上昇することを許容できる場合、すなわち例えば、燃焼器102内の温度が材料の耐熱温度等の点からみてさらに昇温させる余地があるような場合、噴射蒸気16の持込熱量の増加によって燃焼器102内の温度が昇温するので、ガスタービン発電機105の出力が向上する。すなわちこの場合、発電出力を増加することができる。
【0037】
第2に、ガスタービン1の運転制御方法として、燃焼器102内の温度を許容上限値に近い範囲で一定値に保つような温度制御方法が採用されている場合、すなわち例えば、ガスタービンの燃焼器102内の温度が(材料の耐熱温度等の理由により)昇温の余地がないような場合には、このガスタービン1の運転方法として、燃焼器102内の昇温を抑制するために、噴射蒸気16の持込熱量の増加分に応じて、燃焼器102に投入する燃料14の量を減少させるよう運転制御することになる。したがってこの場合、燃料消費量を削減することができる。
【0038】
これら第1、第2の場合はいずれも発電効率を向上させることができる。発電効率はガスタービンの発電出力sと投入燃料の熱量(燃料入熱量)の比で表され、第1の場合は発電出力が増加し、第2の場合は燃料入熱量が減少するため、いずれの場合も発電効率が増加する。
【0039】
したがって以上をまとめると、本システムでは、蒸気再過熱器47を設けて、過熱器27で発生した蒸気をさらに過熱することによって、燃焼器102に供給する熱量を増加させ、電力の需要増により対応できるようになり、電力と熱の供給バランスの融通性を向上させることができる。さらに、蒸気再過熱器47で熱を回収して燃焼器102への供給することにより、蒸発器45で発生する蒸気の量を減少させて蒸気の需要量に対する余剰を抑制することができるので、熱回収効率の向上を可能にする。また、燃焼器102に供給する熱量が増えることから、当然に、ガスタービン発電機105の発電出力を向上するか、あるいは、ガスタービン1の燃料消費量を削減でき、またいずれの場合もガスタービン1の発電効率を向上させることができる。
【0040】
前述の再蒸気再過熱器47を導入することによる発電効率の向上例について表1を援用して説明する。ここでは、効率向上の内容を燃料削減効果として評価する。表に示すように、再蒸気再過熱器47を導入しない場合は、ガスタービンへの燃料入熱量は78,700MJ/h、発電出力は7,210kW、発電効率は33.0%であるのに対して、再蒸気再過熱器47を導入すると、蒸気の持込熱量が増加することにより、発電出力を同じに保ったまま燃料入熱量を77,600MJ/hに減少でき、これにより発電効率が33.5%に向上する。
【0041】
【表1】
Figure 2004092426
本発明のシステムは、設備の休止時や蒸気の異常高温化等に対応して運転するための、各種バイパス経路や弁を備えている。これらについて、以下、ガスタービン側系統が休止時の運転方法、脱臭炉側系統が休止時の運転方法、蒸気の異常高温時の運転方法を例に、前述の図1の他、表2を援用して説明する。
【0042】
ガスタービン側系統が定期点検等で休止している場合の運用方法について述べる。ガスタービン設備が休止している場合、脱臭炉排ガスボイラ4に備えられた蒸気再過熱器47を通過する蒸気が無ければ、この蒸気再過熱器47は前述の脱臭炉3の高温燃焼排ガスから受けた熱量を蒸気に与えることができず異常高温化して、空焼き状態となり損傷する。これを防止するために、本システムは、脱臭炉排ガスボイラ4のドラム44から飽和水又は飽和蒸気を導くための配管系統であるバイパス経路48及び弁489を備えている。(ここで弁とは、流路を開閉、またはその開度を調節する手段を指す。以下においても同様である)。バイパス経路48と弁489の運用は、表2のガスタービン休止時の欄に示すように、弁489を開くことにより系48を通して蒸気再過熱器47に蒸気又は飽和水を導入し、一方で弁405及び弁407を閉止してガスタービン側の蒸気系統と分離する。
【0043】
脱臭炉側系統が定期点検等で休止している場合の運用方法について述べる。脱臭炉3が休止している場合、ガスタービン排ガスボイラ2の過熱器27から導かれた蒸気を再過熱するための蒸気再過熱器47は、蒸気を加熱せず、むしろ伝熱部分での放熱により熱損失の要因となる。このような熱損失を避けるため、本システムはバイパス経路403及び弁407、弁405を備えている。その運用は、表2の脱臭炉休止時の欄に示すように、弁407を開くことにより過熱器27を出た蒸気を系403から系402へと導き、一方で弁405及び弁408を閉止して蒸気再過熱器47への蒸気の流れを遮断する。
【0044】
蒸気が異常高温への対処方法について、ここではガスタービン1への噴射蒸気16が異常高温にならないようにするための運用方法を例に説明する。ガスタービン1の燃焼器102に噴射する噴射蒸気16の温度は、燃焼器102周りの耐熱温度やヒートバランス、その他の要因によって、上限側の制約値が存在し、本図の例ではこの温度は約350℃である。ガスタービン1又は脱臭炉3からの排ガスが何らかの異常によって高温化、あるいは流量が増加したりすると、過熱器27又は蒸気再過熱器47での受熱量が設計値よりも増加して、噴射蒸気16の温度が350℃を超えて異常高温になる可能性がある。これを防止するために本システムでは、過熱器27に流入する蒸気を過熱器27をバイパスさせて再蒸気過熱器47の蒸気流入側に導く配管系統であるバイパス経路28及び弁289、及び過熱器27を通流した蒸気を蒸気再過熱器47をバイパスさせて蒸気再過熱器47の蒸気流出側に導く配管系統である蒸気再過熱器47のバイパス経路403及び弁407を備えている。
【0045】
運用方法の例としては、蒸気噴射経路15に温度計測端を設けて噴射蒸気16の温度情報の信号を取得し、この信号を監視して設定温度(350℃)を超過した場合、第1段階としては、弁279の開度を絞って弁289の開度を大きくすることで、過熱器27をバイパスして系28を通過する流量を増加させて異常高温化を抑制し、このように制御しても噴射蒸気16の温度が設定温度よりも低くならないような場合は、さらに第2段階として、弁405の開度を絞って弁407の開度を大きくすることで、蒸気再過熱器47をバイパスして系403を通過する流量を増加させる。あるいは別の運用例としては、脱臭炉の高温燃焼排ガスを通す系35の途中において、この高温燃焼排ガスを脱臭炉排ガスボイラ4に導かずに大気に放出するための弁359及び放出経路70を設け、噴射蒸気16の温度が設定温度を超過した場合はこの放出経路70への排ガス流量が大きくなるように弁359の開度を操作することで、噴射蒸気16の異常高温化を抑制するよう制御してもよい。
【0046】
【表2】
Figure 2004092426
以上で述べた本システムの運用方法では、蒸気の流れは、脱臭炉排ガスボイラ4で発生した蒸気は蒸気ヘッダ65を経由して最終的に生産プロセスに供給され、ガスタービン排ガスボイラ2で発生した蒸気は、一部は過熱器27と蒸気再過熱器47を経てガスタービン1への蒸気噴射経路15へと導かれ、残りは系26又は系404より蒸気ヘッダ65へと導かれ生産プロセスに供給される。これに対して、弁489を開き、脱臭炉排ガスボイラドラム44から蒸気再過熱器47へのバイパス経路48にも蒸気を送気して運用することも可能である。すなわち、ガスタービン排ガスボイラ過熱器27のまわりでは、弁279と弁289の開度調整によって系279と系289の間の流量を配分してガスタービン1の排熱からの受熱量を調整し、また蒸気再過熱器47のまわりでは、弁405と弁489と弁407の開度調整によって系47と系403の間の流量を配分調整して脱臭炉3からの排熱からの受熱量を調整できる。
【0047】
この場合、蒸気の再過熱に供する蒸気をガスタービン排ガスボイラ2からだけでなく、脱臭炉排ガスボイラ4からも取ることができるため、蒸気再過熱器47での受熱量、すなわち全体の熱吸収量を大きくすることができる。この場合、前述した蒸気の余剰の問題に対して、より広い範囲で蒸気の余剰エネルギーを電力エネルギーに転換して吸収することができる。
【0048】
なお、本発明による熱電併給システムの実施形態は以上で説明した図1の例に限定されるものではない。例えば、脱臭炉排ガスボイラ4の形式はドラム44を有する水管式として説明したが、これに限る必要はなく、排熱を用いて蒸気を発生させるものであれば、炉頭煙管式や貫流式など他の形式のものでもよい。同様にガスタービン1の排ガスボイラ2の形式についても、水管式で過熱器を備えたものを例に説明したが、これに限る必要はなく、排熱を用いて蒸気を発生させるものであれば、例えば、同じ水管式で過熱器27を備えていないものでもよい。
【0049】
同様に、ガスタービン1への噴射蒸気16を過熱蒸気の場合を例として説明したが、飽和蒸気であってもよい。同様に排ガスボイラ4及び排ガスボイラ2への給水についても、給水予熱器42及び給水予熱器22への給水を系43及び系23によって循環させて加温させる例を示したが、このような循環による加温がないものでもよく、さらには給水予熱器42や給水予熱器22を有しないものであってもよい。同様に脱臭炉排ガスボイラ4のドラム44から蒸気再加熱手段47へのバイパス経路48について蒸気を通すものとして説明したが、同じドラム44から飽和水を抜き出して通すものとしてもよく、この場合蒸気再加熱手段での吸収熱量をより多くすることができる。またその他、図1及び先に述べた実施形態例で示した数値は1例にすぎないことは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、熱電併給システムにおける電力と熱の供給バランスの融通性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる一実施形態の熱電併給システムを示す系統図である。
【符号の説明】
2 ガスタービン排ガスボイラ
3 脱臭炉
4 脱臭炉排ガスボイラ
47 蒸気再過熱器
102 燃焼器
105 発電機

Claims (6)

  1. 圧縮空気により燃料を燃焼器にて燃焼させ、その燃焼ガスによりガスタービンを駆動して発電させ、前記ガスタービンから排出される燃焼排ガスをガスタービン排ガスボイラに導いて蒸気を発生させるとともに、揮発性有機化合物ガスを燃焼処理する脱臭炉から排出される燃焼排ガスを脱臭炉排ガスボイラに導いて蒸気を発生させ、前記ガスタービン排ガスボイラ及び脱臭炉排ガスボイラの少なくとも一方で発生した前記蒸気を前記脱臭炉から排出される燃焼排ガスの熱で過熱し、該過熱蒸気を前記燃焼器に噴射するようにした熱電併給方法。
  2. 圧縮空気により燃料を燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で発生した燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、該ガスタービンの排熱で蒸気を発生させるガスタービン排ガスボイラと、揮発性有機化合物ガスを燃焼処理する脱臭炉と、該脱臭炉の燃焼排ガスの熱で蒸気を発生させる脱臭炉排ガスボイラと、前記ガスタービン排ガスボイラと前記脱臭炉排ガスボイラの少なくとも一方で発生した前記蒸気を前記脱臭炉から排出される燃焼排ガスの熱で過熱する過熱器とを備え、該過熱器で過熱された前記蒸気を前記燃焼器に導くようにした熱電併給システム。
  3. 圧縮空気により燃料を燃焼器にて燃焼させ、その燃焼ガスにより駆動するガスタービンと、該ガスタービンにより駆動する発電機と、前記ガスタービンの燃焼排ガスの熱で蒸気を発生させる第1の蒸発部及び第1の過熱部を有するガスタービン排ガスボイラと、揮発性有機化合物ガスを燃焼させる脱臭炉と、該脱臭炉の燃焼排ガスの熱で蒸気を発生させる第2の蒸発部及び第2の過熱部を有する脱臭炉排ガスボイラとを備え、
    前記第1の蒸発部で発生する蒸気の一部を前記第1の過熱部及び前記第2の過熱部に順次通流させて前記燃焼器に噴射する配管系統を設けた熱電併給システム。
  4. 前記第2の蒸発部で発生する蒸気の一部を前記第2の過熱部の蒸気流入側に合流させる配管系統を設けたことを特徴とする請求項3に記載の熱電併給システム。
  5. 前記第1の過熱部を通流した蒸気を前記第2の過熱部をバイパスさせて該第2の過熱部の蒸気流出側に導く配管系統を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の熱電併給システム。
  6. 前記第1の過熱部に流入する蒸気を該第1の過熱部をバイパスさせて前記第2の過熱部の蒸気流入側に導く配管系統を設けたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の熱電併給システム。
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