JP2004090524A - 記録装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットタイプの記録装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】記録ヘッドのメモリには、その記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報が記憶されている。駆動する際には、駆動する単位における同時吐出数を計数し、計数結果と前記メモリの内容に基づいて駆動パルスを決定する。このとき、メモリより読み取った推奨駆動パルス条件情報と同時吐出数の2つの値から駆動パルスを決定する場合(S108)と、読み取った推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報と、計数した同時吐出数の4つの値から駆動パルスを決定する場合(S107)とがある。
【選択図】 図3
【解決手段】記録ヘッドのメモリには、その記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報が記憶されている。駆動する際には、駆動する単位における同時吐出数を計数し、計数結果と前記メモリの内容に基づいて駆動パルスを決定する。このとき、メモリより読み取った推奨駆動パルス条件情報と同時吐出数の2つの値から駆動パルスを決定する場合(S108)と、読み取った推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報と、計数した同時吐出数の4つの値から駆動パルスを決定する場合(S107)とがある。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出することで画像を記録媒体上に記録する記録装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体(以下、説明を簡単にするため単に記録紙という)に対してインクを吐出することで記録を行なうインクジェット記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとして利用され、かつ商品化されている。また、情報処理分野に留まらず、所謂、アパレル産業においても広く普及しており、それぞれの利用されている分野の使用形態等に対応した構成をとる。
【0003】
一般にインクジェット記録装置は、記録手段としての記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段とを具備する。そして、複数の吐出口からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせることで、記録ヘッドの有するノズル数で規定される幅のバンド画像を記録する。そして、このバンド画像を記録しては、記録紙をその記録幅に等しい量で搬送し、再び記録ヘッドを走査運動させることを繰り返す。
【0004】
かかる記録装置は、記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静寂性に優れた記録方式として広く用いられている。また、インクを吐出する多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。そのため、記録動作の高速化を達成することが可能である。
【0005】
通常、多数の吐出ヒータを有する記録ヘッドは、プリンタ本体との間の電気接触パッドを介して、単一の電圧線によって電力の供給を受ける。
【0006】
このようなインクジェット記録ヘッドの例を以下に説明する。
【0007】
図1は、インクジェット記録ヘッドの電気的構成を説明するための回路図である。また、図2は図1に示した回路を有する記録ヘッドを駆動させるためのタイミングチャートである。
【0008】
図1における参照符号1は本体の電源ラインとの接続パッド、2は本体のグランドラインとの接続パッド、Hは吐出ヒータ、Tは不図示のコントローラからの信号によりON、OFFFされ吐出ヒータへの電流の流れを制御するトランジスタを表しており、これらは図示するようにグループ分けされて接続されている。本例では、256本と吐出ヒータがあるマルチノズルヘッドを例に示している。吐出ヒータは16本ごとに共通の配線ラインを持つグループ(駆動セグメントとよぶ)に組まれ、さらにこの駆動セグメントが4つ集まり、共通の配線ラインをもつグループ(セグメントブロック)になる。さらにこのセグメントブロックが4つ集まり共通の配線ラインにつながれて本体への接続パッドへと連結されている。各配線の交点を接続パッドから順にA,B,Cと呼び、更に図上部から順位1、2、3、・・・・と番号付けして示した。パッド2への接続はパッド1への接続と同様であるので符号は省略している。
【0009】
図2において、ブロック1〜16は1カラム(ヒータの並び方向に一列分の印字を行う単位)内に同時ヒートする時間なグループである。通常このような構成のマルチノズルヘッドでは、本体駆動電源の容量を考慮して、同一駆動ブロック内では、駆動セグメント中の2本のヒータしか駆動しないよう制限しており、ヘッド全体で最大でも32本のヒータしか駆動できないようになっている。
【0010】
このようなインクジェット記録ヘッドでは、印刷されるデータの負荷が変化するにつれて、電流が線路から引き出され、吐出ヒータで測定される電圧が不所望に変化することがある。例えば、多数のまたは全ての吐出ヒータが同時に駆動されると、インクジェットプリントカートリッジの電圧が寄生効果により下降することがあり、一つまたは少数の吐出ヒータが駆動されるときより低い吐出電圧となり、意図した吐出が行われないことがある。
【0011】
このような、吐出電圧の降下を補償し、同時吐出に応じて吐出エネルギーを一定にするために、同時吐出数に応じて、駆動電圧あるいは、駆動パルス幅を調整することが行われている。通常は、ヘッドの電気的特性(入力電圧パルスに対する吐出応答特性)の違いに対応するために、ヘッドの電気的特性毎に、同時吐出数に対応した駆動パルスが決められた駆動パルス制御テーブルを持ち、ヘッドの電気特性と同時吐出数に応じて、この駆動パルス制御テーブルに基づき、駆動パルスを切り替えることが行われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような駆動パルステーブルを作成する場合、ヘッドの電気的特性は、吐出ヒータ抵抗、吐出ヒータ駆動トランジスタのON抵抗、Al配線抵抗、吐出ヒータの発泡特性等様々な要因が関係するため、間違ったパルスが入らないような十分な正確さで区別すると、数百種類になってしまう。そのため、それに対応した駆動パルス制御テーブルをプリンター本体に持つには大きなメモリー容量が必要となり、本体のコストを上昇させることになる。そのため、従来のプリンタでは、単吐(1ヒータを駆動し吐出させること)の駆動パルス幅が同じヘッドは同一の駆動テーブルとすることで数十種類にし、記録ヘッドには予め推奨する単吐の駆動パルス幅(駆動推奨パルス条件と呼ぶ)を記録しておき、このヘッドに記録された単吐の駆動パルス幅を本体が読み取り、それに基づき駆動パルステーブルを選択するようにしていた。この方法によれば、比較的同時吐出数の少ない領域では誤差が少ない駆動パルスを選択する事が可能であった。
【0013】
しかし、昨今の記録ヘッドの長尺化に伴い同時吐出数が急激に増加したため、従来の方法で決定された駆動パルスでは問題が発生するほどの誤差を生じるようになってきた。このように、従来のインクジェット記録装置においては、長尺ヘッド使用した場合には、吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットプリンタ装置を提供する事が困難であった。また、今後、高い品位及び高い速度が要求されるわけであるから、記録ヘッドは長尺化する方向に発展することが予想され、この問題はますますクローズアップされることになるであろう。
【0014】
本発明はかかる問題点を解決するために成されたものであり、長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットタイプの記録装置及びその制御方法を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、例えば本発明の記録装置は以下に示す構成を備える。すなわち、
インク吐出用ヒータを有するインク吐出用ノズルを複数個有する記録ヘッドを搭載可能とし、前記記録ヘッドが有する複数のインク吐出用ノズルをグループに分け、各グループを単位に駆動することを順位行ないながら、前記記録ヘッドを走査運動させることを画像を記録する記録装置であって、
前記記録ヘッドが有するメモリから、当該記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報を読み取る読取手段と、
駆動する単位における、同時吐出数を計数する計数手段と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報と、前記計数手段で計数された同時吐出数の2つの値から駆動パルスを決定する第1の決定手段と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報と、前記計数手段で計数した同時吐出数の4つの値から駆動パルスを決定する第2の決定手段と、
前記第1、第2の決定手段のいずれか一方で決定された駆動パルスでもって前記記録ヘッドを駆動する制御手段とを備える。
【0016】
また、本発明の好適な実施態様に従えば、インクを吐出するための複数のノズルと、各ノズルに設けられ、かつ上記インクを吐出するためのエネルギーを発生させる吐出ヒータと吐出ヒータのへの通電を制御する駆動制御トランジスタとを含む吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネルギー発生手段をグループにした駆動セグメントと、該駆動セグメントをグループにしたセグメントブロックを備えたインクジェット記録ヘッドを用いて、記録媒体上にインク滴を吐出することにより入力画像情報の記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクジェット記録ヘッドに記録されている推奨駆動パルス条件、吐出ヒータの抵抗値、駆動制御トランジスタのON抵抗を読み取る工程と、吐出エネルギー発生手段各セグメントブロックの同時吐出数の総数をカウントする工程と、読み取った推奨駆動パルス条件と同時吐出数の総数の2つの値から駆動パルスを決定する工程と、更に、読み取った推奨駆動パルス条件、吐出ヒータの抵抗値、駆動制御トランジスタのON抵抗と、カウントした同時吐出数の総数の4つの値から駆動パルスを決定する工程とを有し、上記いずれかの工程で決定されたパラメータを有する上記駆動パルスでもって上記吐出エネルギー発生手段を駆動する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、実施形態では、ホストコンピュータからの印刷データに従って記録紙上に画像を記録するプリンタに適用させた例を説明するが、複写機、ファクシミリ等、インク吐出によって画像を記録する装置でありさえすればよく、これによって本発明が限定されるものではない。また、記録される媒体は紙に限らず、布、プラスチックシート、OHP用シート等、その材質も問われない。
【0018】
<第1の実施形態>
図11は実施形態におけるインクジェット記録装置のブロック構成図であり。図12はプリンタエンジン部の構造図である。
【0019】
図11において、101は装置全体の制御を司るCPUであり、102はCPU101の処理手順であるプログラム、及び、補正テーブル(後述)を記憶しているROMである。103はCPU101のワークエリアとして用いられるRAMであり、内部には受信した印刷データを格納するための受信バッファが確保されている。104は操作パネルであって、各種スイッチ、ボタン、及び、メッセージ等を表示する表示部(LCDディスプレイ等)を備える。105はホストコンピュータからのデータを受信するためのインターフェース(実施形態では、プリンタに適用しているので、米国セントロニクス社のパラレルインターフェース、RS232Cインターフェース、USBインターフェース、イーサネット(登録商標)等)である。106は記録ヘッドの1走査分のイメージデータを格納するイメージメモリである。107はイメージメモリ106に展開されたイメージデータをキャリッジHCに搭載された記録ヘッド(実施形態では、インクタンクと記録ヘッドが一体になったカートリッジタイプとしている)にシリアル送信するための搬送クロック、ラッチ信号、駆動する単位を選択及び駆動信号(パルス幅変調信号)を出力する制御信号発生回路である。108は記録紙を搬送するLFモータやキャリッジHCを走査運動させるモータの駆動信号を発生するモータドライバである。109はキャリッジHCとの信号の授受を行うインターフェースであって、キャリッジHCとはフレキシブルプリント配線で接続されている。なお、このインターフェースを介して、記録ヘッドIJHに搭載されているメモリの内容を読込むことが可能になっている。
【0020】
記録ヘッドIJHには、記録ヘッドが備えるノズル数のインクを吐出する/しないを示すシリアルデータを格納するシフトレジスタ、このシフトレジスタのデータを保持するラッチ(ラッチに保持された場合に、次のタイミングにおけるデータ転送が可能になる)、ラッチに保持されたデータを、複数のブロックに分割し、そのブロック単位に選択し駆動(発熱)させるセレクタ、そして、ノズル(インク吐出口)の内部に設けられたヒーター群としての発熱抵抗体群(その個数はノズル数分)を備える。
【0021】
上記構成における、実施形態における処理手順の一例を図3のフローチャートに従って説明する。以下は、上記構成におけるCPU101の処理内容(ROM102内のプログラムの一部)である。
【0022】
本実施形態では各ノズルごとに1ドットずつ駆動パルス制御を与えている。図3に示すように、ホストから印刷データを受信すると(ステップS101)、本記録装置のCPU101は受信した印刷データを受信バッファに格納し(ステップS102)、記録ヘッドに搭載されているメモリ(ROM)から、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値の読み取る(ステップS103)。本実施形態では、シリアルタイプの記録装置のため、データは一走査ライン分のデータを受信する。つぎに、受信バッファに格納した印刷データをイメージバッファに展開する(ステップS104)し、各セグメントブロック内の同時吐出数の総数をカウントする(ステップS105)。次に、読み取った推奨駆動パルス条件が、あらかじめ設定した範囲に入っているかどうかを調べ(S106)、範囲内の場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、同時吐出総数に基づき駆動テープル(図11に示すように、ROM102に予め格納されている)を参照して駆動パルス幅を決定し、それを制御信号発生回路107に設定する(ステップS107)。また、範囲外の場合(推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、及び、トランジスタON抵抗の全てが合致するものがテーブルに存在しない場合)には、推奨駆動パルス条件と同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動パルス幅を決定し(ステップS108)、1ブロック分の駆動を行う(ステップS109)。
【0023】
図4は、上記ステップS107、S108において参照される、ROM102内の駆動テープルの一例である。テーブル中、左から推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、各全吐数ランク毎の駆動パルス(単位はμs)が記述されている。なお、簡略化のため推奨駆動パルス条件0.8μs以下と1.8μs以上は省略している。このような駆動テーブルを使用した場合、ステップS106で読み取られた推奨駆動パルス条件が1.2μsであった場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき精度の高い駆動パルス幅が決定される。また、それ以外の場合には推奨駆動パルス条件、全吐数ランクにより駆動パルスが決定される。
【0024】
その後、1ライン分の印字を終了したかを判断し(ステップS110)、終了していない場合、ステップS105乃至S110を繰り返し、1走査運動分の印字を終了したら次の走査運動による記録処理を行う。
【0025】
このように、記録ヘッドに書き込まれた推奨駆動パルス条件により、駆動パルスの決定方法を変更し、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにすると、従来方法では同一の駆動パルスで駆動されていた異なる電気特性を持つ記録ヘッドに対して、個別の最適化された駆動パルスを与えることが可能である。したがって、予め発泡エネルギーの変動が大きくなる推奨駆動パルス条件の範囲を指定し、本方法で推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにするすれば、効果的に発泡エネルギーの変動を抑制することが可能である。また、全部の電気特性に対して駆動テーブルを作成する必要がないためテーブルサイズを小さくできメモリ容量を抑制することが可能である。
【0026】
<第2の実施形態>
この第2の実施形態では、駆動電圧の変化を駆動電圧の補正で行なう。
【0027】
上記第1の実施形態では、駆動の集中/分散時の発泡エネルギーを駆動パルス幅を変調することで抑制した。しかし、発泡エネルギーは駆動電圧を変調することでも可能であり、本第2の実施形態では、電圧変調に関して説明する。駆動変調するタイミングは、第1の実施形態のパルス幅を変える場合とおなじである。異なるのは、図11における信号発生回路が駆動信号として電圧変調信号を出力する点である。
【0028】
図5は、本第2の実施形態にもとづくインクジェット記録装置および記録方法の一例を説明するためのフローチャートである。本第2の実施形態では各ノズルごとに1ドットずつ駆動パルス制御を与えている。図5に示すように、ホストから印刷データを受信し(ステップS201)、記録装置のCPU101はそれを受信バッファに格納する(ステップS202)。記録ヘッドのメモリから、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値の読み取る(ステップS203)。本第2の実施形態では、シリアルタイプの記録装置のため、データは一走査ライン分のデータを受信する。つぎに、受信バッファに格納した印刷データをイメージバッファに展開する(ステップS204)し、各セグメントブロック内の同時吐出数の総数をカウントする(ステップS205)。次に、読み取った推奨駆動パルス条件が、あらかじめ設定した範囲に入っているかどうかを調べ(ステップS206)、範囲内の場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動電圧を決定し(ステップS207)、範囲外の場合には、推奨駆動パルス条件、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動電圧を決定し(ステップS208)、1ブロック分の駆動を行う(ステップS209)。
【0029】
図6は、上記ステップS207、S208において参照される駆動テープルの一例である。テーブル中、左から推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、各全吐数ランク毎の駆動電圧(単位はV)が記述されている。なお、簡略化のため推奨駆動パルス条件8V以下と18V以上は省略している。このような駆動テーブルを使用した場合、ステップS206で読み取られた推奨駆動パルス条件が12Vであった場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスが決定され、それ以外の場合には推奨駆動パルス条件、全吐数ランクにより駆動パルスが決定される。
【0030】
その後、1走査運動分の記録を終了したかを判断して(ステップS210)終了していない場合、ステップS205からS210を繰り返し、1走査分の記録を終了したら次の走査の記録に備える。
【0031】
このように、記録ヘッドに書き込まれた推奨駆動パルス条件により、駆動パルスの決定方法を変更し、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにすると、従来方法では同一の駆動パルスで駆動されていた異なる電気特性を持つ記録ヘッドに対して、個別の最適化された駆動パルスを与えることが可能である。したがって、予め発泡エネルギーの変動が大きくなる推奨駆動パルス条件の範囲を指定し、本方法で推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにするすれば、効果的に発泡エネルギーの変動を抑制することが可能である。また、全部の電気特性に対して駆動テーブルを作成する必要がないためテーブルサイズを小さくできメモリ容量を抑制することが可能である。
【0032】
また、駆動パルス幅を変調する場合には、駆動周波数が高くなったり、駆動ノズル数が増えたときには、パルス変調幅が狭くなる(同時駆動数が制限されているため)が、電圧変調の場合には発生せず常に十分な変調幅を確保することができるというメリットがある。
【0033】
<第3の実施形態>
図7は本第3の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
本第3の実施形態は、図9に示す4色一体型ヘッドでの駆動電圧の補正を行うものである。図中、参照符号91は記録ヘッド、92は吐出口、93はインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンク部である。このヘッドにおいては、Y、M、CとKで吐出量が異なった設計になっているために、吐出用のヒータのサイズ、抵抗値等が異なる。そのために、Y、M、CとKでは異なった駆動パルスを与える必要がある。そこで、カラー印字ヘッドでは印字のパターンによって変化する駆動パルスの補正を色ごとに行なう必要がある。換言すれば、この記録ヘッドに搭載されているメモリには、YMCとKの情報が格納されていることになる。なお、YMCは共通のものとするが、別々でも構わない。
【0035】
図7に示すように、ホストから印刷データを受信し(ステップS301)、記録装置はそれを、受信バッファに格納し(ステップS302)、記録ヘッドから、各色毎の推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値の読み取る(ステップS303)。本第3の実施形態では、シリアルタイプの記録装置のため、データは一走査ライン分のデータを受信する。つぎに、受信バッファに格納した印刷データをイメージバッファに展開する(ステップS304)し、各セグメントブロック内の同時吐出数の総数を色毎にカウントする(ステップS305)。次に、読み取った推奨駆動パルス条件が、あらかじめ設定した範囲に入っているかどうかを色毎に調べ(ステップS306)、範囲内の場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動パルス幅を色毎に決定し(ステップS307)、範囲外の場合には、推奨駆動パルス条件、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動パルス幅を色毎に決定し(ステップS308)、1ブロック分の駆動を行う(ステップS309)。
【0036】
図8は、ステップS307、S308において参照される駆動テープルの一例であり、同図(a)はY,M,およびCヘッド用、同図(b)はKヘッド用の駆動テーブルである。両テーブルともテーブル中、左から推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、各全吐数ランク毎の駆動パルス(単位はμs)が記述されている。なお、簡略化のため推奨駆動パルス条件の一部は省略している。このような駆動テーブルを使用した場合、Y,M,およびCヘッドの場合、ステップS306で読み取られた推奨駆動パルス条件が1.2μsであった場合には、駆動テーブル(a)に基づいて推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスが決定され、それ以外の場合には推奨駆動パルス条件、全吐数ランクにより駆動パルスが決定される。Kヘッドの場合も同様である。
【0037】
その後、1走査運動分の記録を終了したかを判断して(ステップS310)終了していない場合、ステップS305からS310を繰り返し、1走査分の記録が終了したら次の走査運動の記録に備える。
【0038】
このように、このようにカラーヘッドの場合においても、記録ヘッドに書き込まれた推奨駆動パルス条件により、駆動パルスの決定方法を変更し、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにすると、従来方法では同一の駆動パルスで駆動されていた異なる電気特性を持つ記録ヘッドに対して、個別の最適化された駆動パルスを与えることが可能である。したがって、予め発泡エネルギーの変動が大きくなる推奨駆動パルス条件の範囲を指定し、本方法で推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにするすれば、効果的に発泡エネルギーの変動を抑制することが可能である。また、全部の電気特性に対して駆動テーブルを作成する必要がないためテーブルサイズを小さくできメモリ容量を抑制することが可能である。
【0039】
図10は、本発明が適用できるインクジェット記録装置IJRAの概観図である。同図において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動される。このキャリッジHCには、インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であり、キャリッジの移動方向に亙って紙をプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0040】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0041】
上記構成からなるインクジェット記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとして利用できる。この場合、インクジェット記録装置は、これら装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。
【0042】
さらに、既に述べたように、カラー対応のインクジェット記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるインク液滴の重ね合わせたり、マトリックス(N×N)に配色することによりカラー画像を形成する。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色またはこれら3原色にブラック(B)を含めた4色に対応する4種類の記録ヘッドおよびインクカートリッジを必要とする。さらにまた、上記インクジェット記録装置は比較的容易にA1等の大判記録が可能な構成を取ることもできる。すなわち、画像を読み取るリーダーを接続し原稿を複写するA1版カラー記録対応の記録装置、例えばCAD出力用プリンター等のプロッターとして利用可能である。また、一方で多様な使い方も可能であり、例えば、会議、講義等におけるプレゼンテーション用に投影可能なOHP フィルムへの記録に対応できる。
【0043】
このように本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野(例えばアパレル産業等)で利用可能であり、かつ従来のものに比べてより一層高品位な画像の提供も可能であろう。
【0044】
なお、上記実施形態では、同時駆動するノズルの最大数を32として説明したが、これらは適宜変更しても良いので、それでもって本発明が限定されるものではない。また、先に説明したように、記録媒体は紙以外の、布やOHPシート等でも良く、記録媒体の種類でもって本発明が限定されるものでもない。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、従来のインクジェット記録装置において発生する、長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットプリンタ装置を提供できるようになる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットタイプの記録装置及びその制御方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録方法に適用されるインクジェット記録ヘッドの吐出制御に関わる回路図である。
【図2】インクジェット記録方法に適用されるインクジェット記録ヘッドの吐出制御のタイミングテーブルである。
【図3】第1の実施形態におけるインクジェット記録処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における駆動テーブルの内容を示す図である。
【図5】第2の実施形態におけるインクジェット記録処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における駆動テーブルの内容を示す図である。
【図7】第3の実施形態におけるインクジェット記録処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態における駆動テーブルの内容を示す図である。
【図9】第3の実施形態における記録ヘッドの斜視図である。
【図10】実施形態が適用するプリンタエンジン部の斜視図である。
【図11】実施形態における記録装置の制御系のブロック構成図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出することで画像を記録媒体上に記録する記録装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体(以下、説明を簡単にするため単に記録紙という)に対してインクを吐出することで記録を行なうインクジェット記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとして利用され、かつ商品化されている。また、情報処理分野に留まらず、所謂、アパレル産業においても広く普及しており、それぞれの利用されている分野の使用形態等に対応した構成をとる。
【0003】
一般にインクジェット記録装置は、記録手段としての記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段とを具備する。そして、複数の吐出口からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせることで、記録ヘッドの有するノズル数で規定される幅のバンド画像を記録する。そして、このバンド画像を記録しては、記録紙をその記録幅に等しい量で搬送し、再び記録ヘッドを走査運動させることを繰り返す。
【0004】
かかる記録装置は、記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静寂性に優れた記録方式として広く用いられている。また、インクを吐出する多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。そのため、記録動作の高速化を達成することが可能である。
【0005】
通常、多数の吐出ヒータを有する記録ヘッドは、プリンタ本体との間の電気接触パッドを介して、単一の電圧線によって電力の供給を受ける。
【0006】
このようなインクジェット記録ヘッドの例を以下に説明する。
【0007】
図1は、インクジェット記録ヘッドの電気的構成を説明するための回路図である。また、図2は図1に示した回路を有する記録ヘッドを駆動させるためのタイミングチャートである。
【0008】
図1における参照符号1は本体の電源ラインとの接続パッド、2は本体のグランドラインとの接続パッド、Hは吐出ヒータ、Tは不図示のコントローラからの信号によりON、OFFFされ吐出ヒータへの電流の流れを制御するトランジスタを表しており、これらは図示するようにグループ分けされて接続されている。本例では、256本と吐出ヒータがあるマルチノズルヘッドを例に示している。吐出ヒータは16本ごとに共通の配線ラインを持つグループ(駆動セグメントとよぶ)に組まれ、さらにこの駆動セグメントが4つ集まり、共通の配線ラインをもつグループ(セグメントブロック)になる。さらにこのセグメントブロックが4つ集まり共通の配線ラインにつながれて本体への接続パッドへと連結されている。各配線の交点を接続パッドから順にA,B,Cと呼び、更に図上部から順位1、2、3、・・・・と番号付けして示した。パッド2への接続はパッド1への接続と同様であるので符号は省略している。
【0009】
図2において、ブロック1〜16は1カラム(ヒータの並び方向に一列分の印字を行う単位)内に同時ヒートする時間なグループである。通常このような構成のマルチノズルヘッドでは、本体駆動電源の容量を考慮して、同一駆動ブロック内では、駆動セグメント中の2本のヒータしか駆動しないよう制限しており、ヘッド全体で最大でも32本のヒータしか駆動できないようになっている。
【0010】
このようなインクジェット記録ヘッドでは、印刷されるデータの負荷が変化するにつれて、電流が線路から引き出され、吐出ヒータで測定される電圧が不所望に変化することがある。例えば、多数のまたは全ての吐出ヒータが同時に駆動されると、インクジェットプリントカートリッジの電圧が寄生効果により下降することがあり、一つまたは少数の吐出ヒータが駆動されるときより低い吐出電圧となり、意図した吐出が行われないことがある。
【0011】
このような、吐出電圧の降下を補償し、同時吐出に応じて吐出エネルギーを一定にするために、同時吐出数に応じて、駆動電圧あるいは、駆動パルス幅を調整することが行われている。通常は、ヘッドの電気的特性(入力電圧パルスに対する吐出応答特性)の違いに対応するために、ヘッドの電気的特性毎に、同時吐出数に対応した駆動パルスが決められた駆動パルス制御テーブルを持ち、ヘッドの電気特性と同時吐出数に応じて、この駆動パルス制御テーブルに基づき、駆動パルスを切り替えることが行われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような駆動パルステーブルを作成する場合、ヘッドの電気的特性は、吐出ヒータ抵抗、吐出ヒータ駆動トランジスタのON抵抗、Al配線抵抗、吐出ヒータの発泡特性等様々な要因が関係するため、間違ったパルスが入らないような十分な正確さで区別すると、数百種類になってしまう。そのため、それに対応した駆動パルス制御テーブルをプリンター本体に持つには大きなメモリー容量が必要となり、本体のコストを上昇させることになる。そのため、従来のプリンタでは、単吐(1ヒータを駆動し吐出させること)の駆動パルス幅が同じヘッドは同一の駆動テーブルとすることで数十種類にし、記録ヘッドには予め推奨する単吐の駆動パルス幅(駆動推奨パルス条件と呼ぶ)を記録しておき、このヘッドに記録された単吐の駆動パルス幅を本体が読み取り、それに基づき駆動パルステーブルを選択するようにしていた。この方法によれば、比較的同時吐出数の少ない領域では誤差が少ない駆動パルスを選択する事が可能であった。
【0013】
しかし、昨今の記録ヘッドの長尺化に伴い同時吐出数が急激に増加したため、従来の方法で決定された駆動パルスでは問題が発生するほどの誤差を生じるようになってきた。このように、従来のインクジェット記録装置においては、長尺ヘッド使用した場合には、吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットプリンタ装置を提供する事が困難であった。また、今後、高い品位及び高い速度が要求されるわけであるから、記録ヘッドは長尺化する方向に発展することが予想され、この問題はますますクローズアップされることになるであろう。
【0014】
本発明はかかる問題点を解決するために成されたものであり、長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットタイプの記録装置及びその制御方法を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、例えば本発明の記録装置は以下に示す構成を備える。すなわち、
インク吐出用ヒータを有するインク吐出用ノズルを複数個有する記録ヘッドを搭載可能とし、前記記録ヘッドが有する複数のインク吐出用ノズルをグループに分け、各グループを単位に駆動することを順位行ないながら、前記記録ヘッドを走査運動させることを画像を記録する記録装置であって、
前記記録ヘッドが有するメモリから、当該記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報を読み取る読取手段と、
駆動する単位における、同時吐出数を計数する計数手段と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報と、前記計数手段で計数された同時吐出数の2つの値から駆動パルスを決定する第1の決定手段と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報と、前記計数手段で計数した同時吐出数の4つの値から駆動パルスを決定する第2の決定手段と、
前記第1、第2の決定手段のいずれか一方で決定された駆動パルスでもって前記記録ヘッドを駆動する制御手段とを備える。
【0016】
また、本発明の好適な実施態様に従えば、インクを吐出するための複数のノズルと、各ノズルに設けられ、かつ上記インクを吐出するためのエネルギーを発生させる吐出ヒータと吐出ヒータのへの通電を制御する駆動制御トランジスタとを含む吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネルギー発生手段をグループにした駆動セグメントと、該駆動セグメントをグループにしたセグメントブロックを備えたインクジェット記録ヘッドを用いて、記録媒体上にインク滴を吐出することにより入力画像情報の記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクジェット記録ヘッドに記録されている推奨駆動パルス条件、吐出ヒータの抵抗値、駆動制御トランジスタのON抵抗を読み取る工程と、吐出エネルギー発生手段各セグメントブロックの同時吐出数の総数をカウントする工程と、読み取った推奨駆動パルス条件と同時吐出数の総数の2つの値から駆動パルスを決定する工程と、更に、読み取った推奨駆動パルス条件、吐出ヒータの抵抗値、駆動制御トランジスタのON抵抗と、カウントした同時吐出数の総数の4つの値から駆動パルスを決定する工程とを有し、上記いずれかの工程で決定されたパラメータを有する上記駆動パルスでもって上記吐出エネルギー発生手段を駆動する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、実施形態では、ホストコンピュータからの印刷データに従って記録紙上に画像を記録するプリンタに適用させた例を説明するが、複写機、ファクシミリ等、インク吐出によって画像を記録する装置でありさえすればよく、これによって本発明が限定されるものではない。また、記録される媒体は紙に限らず、布、プラスチックシート、OHP用シート等、その材質も問われない。
【0018】
<第1の実施形態>
図11は実施形態におけるインクジェット記録装置のブロック構成図であり。図12はプリンタエンジン部の構造図である。
【0019】
図11において、101は装置全体の制御を司るCPUであり、102はCPU101の処理手順であるプログラム、及び、補正テーブル(後述)を記憶しているROMである。103はCPU101のワークエリアとして用いられるRAMであり、内部には受信した印刷データを格納するための受信バッファが確保されている。104は操作パネルであって、各種スイッチ、ボタン、及び、メッセージ等を表示する表示部(LCDディスプレイ等)を備える。105はホストコンピュータからのデータを受信するためのインターフェース(実施形態では、プリンタに適用しているので、米国セントロニクス社のパラレルインターフェース、RS232Cインターフェース、USBインターフェース、イーサネット(登録商標)等)である。106は記録ヘッドの1走査分のイメージデータを格納するイメージメモリである。107はイメージメモリ106に展開されたイメージデータをキャリッジHCに搭載された記録ヘッド(実施形態では、インクタンクと記録ヘッドが一体になったカートリッジタイプとしている)にシリアル送信するための搬送クロック、ラッチ信号、駆動する単位を選択及び駆動信号(パルス幅変調信号)を出力する制御信号発生回路である。108は記録紙を搬送するLFモータやキャリッジHCを走査運動させるモータの駆動信号を発生するモータドライバである。109はキャリッジHCとの信号の授受を行うインターフェースであって、キャリッジHCとはフレキシブルプリント配線で接続されている。なお、このインターフェースを介して、記録ヘッドIJHに搭載されているメモリの内容を読込むことが可能になっている。
【0020】
記録ヘッドIJHには、記録ヘッドが備えるノズル数のインクを吐出する/しないを示すシリアルデータを格納するシフトレジスタ、このシフトレジスタのデータを保持するラッチ(ラッチに保持された場合に、次のタイミングにおけるデータ転送が可能になる)、ラッチに保持されたデータを、複数のブロックに分割し、そのブロック単位に選択し駆動(発熱)させるセレクタ、そして、ノズル(インク吐出口)の内部に設けられたヒーター群としての発熱抵抗体群(その個数はノズル数分)を備える。
【0021】
上記構成における、実施形態における処理手順の一例を図3のフローチャートに従って説明する。以下は、上記構成におけるCPU101の処理内容(ROM102内のプログラムの一部)である。
【0022】
本実施形態では各ノズルごとに1ドットずつ駆動パルス制御を与えている。図3に示すように、ホストから印刷データを受信すると(ステップS101)、本記録装置のCPU101は受信した印刷データを受信バッファに格納し(ステップS102)、記録ヘッドに搭載されているメモリ(ROM)から、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値の読み取る(ステップS103)。本実施形態では、シリアルタイプの記録装置のため、データは一走査ライン分のデータを受信する。つぎに、受信バッファに格納した印刷データをイメージバッファに展開する(ステップS104)し、各セグメントブロック内の同時吐出数の総数をカウントする(ステップS105)。次に、読み取った推奨駆動パルス条件が、あらかじめ設定した範囲に入っているかどうかを調べ(S106)、範囲内の場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、同時吐出総数に基づき駆動テープル(図11に示すように、ROM102に予め格納されている)を参照して駆動パルス幅を決定し、それを制御信号発生回路107に設定する(ステップS107)。また、範囲外の場合(推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、及び、トランジスタON抵抗の全てが合致するものがテーブルに存在しない場合)には、推奨駆動パルス条件と同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動パルス幅を決定し(ステップS108)、1ブロック分の駆動を行う(ステップS109)。
【0023】
図4は、上記ステップS107、S108において参照される、ROM102内の駆動テープルの一例である。テーブル中、左から推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、各全吐数ランク毎の駆動パルス(単位はμs)が記述されている。なお、簡略化のため推奨駆動パルス条件0.8μs以下と1.8μs以上は省略している。このような駆動テーブルを使用した場合、ステップS106で読み取られた推奨駆動パルス条件が1.2μsであった場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき精度の高い駆動パルス幅が決定される。また、それ以外の場合には推奨駆動パルス条件、全吐数ランクにより駆動パルスが決定される。
【0024】
その後、1ライン分の印字を終了したかを判断し(ステップS110)、終了していない場合、ステップS105乃至S110を繰り返し、1走査運動分の印字を終了したら次の走査運動による記録処理を行う。
【0025】
このように、記録ヘッドに書き込まれた推奨駆動パルス条件により、駆動パルスの決定方法を変更し、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにすると、従来方法では同一の駆動パルスで駆動されていた異なる電気特性を持つ記録ヘッドに対して、個別の最適化された駆動パルスを与えることが可能である。したがって、予め発泡エネルギーの変動が大きくなる推奨駆動パルス条件の範囲を指定し、本方法で推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにするすれば、効果的に発泡エネルギーの変動を抑制することが可能である。また、全部の電気特性に対して駆動テーブルを作成する必要がないためテーブルサイズを小さくできメモリ容量を抑制することが可能である。
【0026】
<第2の実施形態>
この第2の実施形態では、駆動電圧の変化を駆動電圧の補正で行なう。
【0027】
上記第1の実施形態では、駆動の集中/分散時の発泡エネルギーを駆動パルス幅を変調することで抑制した。しかし、発泡エネルギーは駆動電圧を変調することでも可能であり、本第2の実施形態では、電圧変調に関して説明する。駆動変調するタイミングは、第1の実施形態のパルス幅を変える場合とおなじである。異なるのは、図11における信号発生回路が駆動信号として電圧変調信号を出力する点である。
【0028】
図5は、本第2の実施形態にもとづくインクジェット記録装置および記録方法の一例を説明するためのフローチャートである。本第2の実施形態では各ノズルごとに1ドットずつ駆動パルス制御を与えている。図5に示すように、ホストから印刷データを受信し(ステップS201)、記録装置のCPU101はそれを受信バッファに格納する(ステップS202)。記録ヘッドのメモリから、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値の読み取る(ステップS203)。本第2の実施形態では、シリアルタイプの記録装置のため、データは一走査ライン分のデータを受信する。つぎに、受信バッファに格納した印刷データをイメージバッファに展開する(ステップS204)し、各セグメントブロック内の同時吐出数の総数をカウントする(ステップS205)。次に、読み取った推奨駆動パルス条件が、あらかじめ設定した範囲に入っているかどうかを調べ(ステップS206)、範囲内の場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動電圧を決定し(ステップS207)、範囲外の場合には、推奨駆動パルス条件、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動電圧を決定し(ステップS208)、1ブロック分の駆動を行う(ステップS209)。
【0029】
図6は、上記ステップS207、S208において参照される駆動テープルの一例である。テーブル中、左から推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、各全吐数ランク毎の駆動電圧(単位はV)が記述されている。なお、簡略化のため推奨駆動パルス条件8V以下と18V以上は省略している。このような駆動テーブルを使用した場合、ステップS206で読み取られた推奨駆動パルス条件が12Vであった場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスが決定され、それ以外の場合には推奨駆動パルス条件、全吐数ランクにより駆動パルスが決定される。
【0030】
その後、1走査運動分の記録を終了したかを判断して(ステップS210)終了していない場合、ステップS205からS210を繰り返し、1走査分の記録を終了したら次の走査の記録に備える。
【0031】
このように、記録ヘッドに書き込まれた推奨駆動パルス条件により、駆動パルスの決定方法を変更し、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにすると、従来方法では同一の駆動パルスで駆動されていた異なる電気特性を持つ記録ヘッドに対して、個別の最適化された駆動パルスを与えることが可能である。したがって、予め発泡エネルギーの変動が大きくなる推奨駆動パルス条件の範囲を指定し、本方法で推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにするすれば、効果的に発泡エネルギーの変動を抑制することが可能である。また、全部の電気特性に対して駆動テーブルを作成する必要がないためテーブルサイズを小さくできメモリ容量を抑制することが可能である。
【0032】
また、駆動パルス幅を変調する場合には、駆動周波数が高くなったり、駆動ノズル数が増えたときには、パルス変調幅が狭くなる(同時駆動数が制限されているため)が、電圧変調の場合には発生せず常に十分な変調幅を確保することができるというメリットがある。
【0033】
<第3の実施形態>
図7は本第3の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
本第3の実施形態は、図9に示す4色一体型ヘッドでの駆動電圧の補正を行うものである。図中、参照符号91は記録ヘッド、92は吐出口、93はインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンク部である。このヘッドにおいては、Y、M、CとKで吐出量が異なった設計になっているために、吐出用のヒータのサイズ、抵抗値等が異なる。そのために、Y、M、CとKでは異なった駆動パルスを与える必要がある。そこで、カラー印字ヘッドでは印字のパターンによって変化する駆動パルスの補正を色ごとに行なう必要がある。換言すれば、この記録ヘッドに搭載されているメモリには、YMCとKの情報が格納されていることになる。なお、YMCは共通のものとするが、別々でも構わない。
【0035】
図7に示すように、ホストから印刷データを受信し(ステップS301)、記録装置はそれを、受信バッファに格納し(ステップS302)、記録ヘッドから、各色毎の推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値の読み取る(ステップS303)。本第3の実施形態では、シリアルタイプの記録装置のため、データは一走査ライン分のデータを受信する。つぎに、受信バッファに格納した印刷データをイメージバッファに展開する(ステップS304)し、各セグメントブロック内の同時吐出数の総数を色毎にカウントする(ステップS305)。次に、読み取った推奨駆動パルス条件が、あらかじめ設定した範囲に入っているかどうかを色毎に調べ(ステップS306)、範囲内の場合には、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動パルス幅を色毎に決定し(ステップS307)、範囲外の場合には、推奨駆動パルス条件、同時吐出総数に基づき駆動テープルを参照して駆動パルス幅を色毎に決定し(ステップS308)、1ブロック分の駆動を行う(ステップS309)。
【0036】
図8は、ステップS307、S308において参照される駆動テープルの一例であり、同図(a)はY,M,およびCヘッド用、同図(b)はKヘッド用の駆動テーブルである。両テーブルともテーブル中、左から推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、各全吐数ランク毎の駆動パルス(単位はμs)が記述されている。なお、簡略化のため推奨駆動パルス条件の一部は省略している。このような駆動テーブルを使用した場合、Y,M,およびCヘッドの場合、ステップS306で読み取られた推奨駆動パルス条件が1.2μsであった場合には、駆動テーブル(a)に基づいて推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスが決定され、それ以外の場合には推奨駆動パルス条件、全吐数ランクにより駆動パルスが決定される。Kヘッドの場合も同様である。
【0037】
その後、1走査運動分の記録を終了したかを判断して(ステップS310)終了していない場合、ステップS305からS310を繰り返し、1走査分の記録が終了したら次の走査運動の記録に備える。
【0038】
このように、このようにカラーヘッドの場合においても、記録ヘッドに書き込まれた推奨駆動パルス条件により、駆動パルスの決定方法を変更し、推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにすると、従来方法では同一の駆動パルスで駆動されていた異なる電気特性を持つ記録ヘッドに対して、個別の最適化された駆動パルスを与えることが可能である。したがって、予め発泡エネルギーの変動が大きくなる推奨駆動パルス条件の範囲を指定し、本方法で推奨駆動パルス条件、ヒータ抵抗値、駆動制御トランジスタON抵抗値、全吐数ランクに基づき駆動パルスを決定するようにするすれば、効果的に発泡エネルギーの変動を抑制することが可能である。また、全部の電気特性に対して駆動テーブルを作成する必要がないためテーブルサイズを小さくできメモリ容量を抑制することが可能である。
【0039】
図10は、本発明が適用できるインクジェット記録装置IJRAの概観図である。同図において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動される。このキャリッジHCには、インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であり、キャリッジの移動方向に亙って紙をプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0040】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0041】
上記構成からなるインクジェット記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとして利用できる。この場合、インクジェット記録装置は、これら装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。
【0042】
さらに、既に述べたように、カラー対応のインクジェット記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるインク液滴の重ね合わせたり、マトリックス(N×N)に配色することによりカラー画像を形成する。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色またはこれら3原色にブラック(B)を含めた4色に対応する4種類の記録ヘッドおよびインクカートリッジを必要とする。さらにまた、上記インクジェット記録装置は比較的容易にA1等の大判記録が可能な構成を取ることもできる。すなわち、画像を読み取るリーダーを接続し原稿を複写するA1版カラー記録対応の記録装置、例えばCAD出力用プリンター等のプロッターとして利用可能である。また、一方で多様な使い方も可能であり、例えば、会議、講義等におけるプレゼンテーション用に投影可能なOHP フィルムへの記録に対応できる。
【0043】
このように本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野(例えばアパレル産業等)で利用可能であり、かつ従来のものに比べてより一層高品位な画像の提供も可能であろう。
【0044】
なお、上記実施形態では、同時駆動するノズルの最大数を32として説明したが、これらは適宜変更しても良いので、それでもって本発明が限定されるものではない。また、先に説明したように、記録媒体は紙以外の、布やOHPシート等でも良く、記録媒体の種類でもって本発明が限定されるものでもない。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、従来のインクジェット記録装置において発生する、長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットプリンタ装置を提供できるようになる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、長尺ヘッド使用した場合に吐出エネルギーの変動を抑えて、安価で高寿命、高画質なインクジェットタイプの記録装置及びその制御方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録方法に適用されるインクジェット記録ヘッドの吐出制御に関わる回路図である。
【図2】インクジェット記録方法に適用されるインクジェット記録ヘッドの吐出制御のタイミングテーブルである。
【図3】第1の実施形態におけるインクジェット記録処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における駆動テーブルの内容を示す図である。
【図5】第2の実施形態におけるインクジェット記録処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における駆動テーブルの内容を示す図である。
【図7】第3の実施形態におけるインクジェット記録処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態における駆動テーブルの内容を示す図である。
【図9】第3の実施形態における記録ヘッドの斜視図である。
【図10】実施形態が適用するプリンタエンジン部の斜視図である。
【図11】実施形態における記録装置の制御系のブロック構成図である。
Claims (3)
- インク吐出用ヒータを有するインク吐出用ノズルを複数個有する記録ヘッドを搭載可能とし、前記記録ヘッドが有する複数のインク吐出用ノズルをグループに分け、各グループを単位に駆動することを順位行ないながら、前記記録ヘッドを走査運動させることを画像を記録する記録装置であって、
前記記録ヘッドが有するメモリから、当該記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報を読み取る読取手段と、
駆動する単位における、同時吐出数を計数する計数手段と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報と、前記計数手段で計数された同時吐出数の2つの値から駆動パルスを決定する第1の決定手段と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報と、前記計数手段で計数した同時吐出数の4つの値から駆動パルスを決定する第2の決定手段と、
前記第1、第2の決定手段のいずれか一方で決定された駆動パルスでもって前記記録ヘッドを駆動する制御手段と
を備えることを特徴とする記録装置。 - 推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報、同時吐出数における駆動パルスの状態値を決定するテーブルを備え、
前記読取り手段で読み取った記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報の3つが前記テーブルに存在する場合、前記制御手段は前記第2の決定手段による駆動パルスを、推奨駆動パルス条件情報のみ合致する場合には前記第1の決定手段による駆動パルスを採用することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - インク吐出用ヒータを有するインク吐出用ノズルを複数個有する記録ヘッドを搭載可能とし、前記記録ヘッドが有する複数のインク吐出用ノズルをグループに分け、各グループを単位に駆動することを順位行ないながら、前記記録ヘッドを走査運動させることを画像を記録する記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドが有するメモリから、当該記録ヘッド用の推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、ヒータの駆動のON/OFFを行うための駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報を読み取る読取工程と、
駆動する単位における、同時吐出数を計数する計数工程と、
前記読取工程で読み取った推奨駆動パルス条件情報と、前記計数手段で計数された同時吐出数の2つの値から駆動パルスを決定する第1の決定工程と、
前記読取手段で読み取った推奨駆動パルス条件情報、吐出ヒータの抵抗値に関する情報、駆動制御トランジスタのON抵抗に関する情報と、前記計数手段で計数した同時吐出数の4つの値から駆動パルスを決定する第2の決定工程と、
前記第1、第2の決定工程のいずれか一方で決定される駆動パルスを採用し、前記記録ヘッドを駆動する制御工程と
を備えることを特徴とする記録装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256838A JP2004090524A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 記録装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256838A JP2004090524A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 記録装置及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004090524A true JP2004090524A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32061943
Family Applications (1)
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JP2002256838A Withdrawn JP2004090524A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 記録装置及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004090524A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7722142B2 (en) | 2004-06-04 | 2010-05-25 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink-jet printer |
US8985722B2 (en) | 2009-02-27 | 2015-03-24 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Printing apparatus |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256838A patent/JP2004090524A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7722142B2 (en) | 2004-06-04 | 2010-05-25 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink-jet printer |
US8985722B2 (en) | 2009-02-27 | 2015-03-24 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Printing apparatus |
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