JP2004090111A - 冗長マニピュレータ、制御装置、制御方法および制御プログラム - Google Patents

冗長マニピュレータ、制御装置、制御方法および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】冗長マニピュレータの冗長性及び汎用性を確保するとともに、冗長マニピュレータの各軸の駆動装置の寿命を延ばすことができる冗長マニピュレータ、制御装置、制御方法及び制御プログラム並びに冗長マニピュレータシステムを提供すること。
【解決手段】冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際に、目標先端位置姿勢値〔T〕から求められた各軸の指令値(軸角速度〔θ´〕)のうち、先端軸の指令値(軸角速度θ´)を先端軸に出力せず、先端軸の指令値(軸角速度θ´)から先端軸の予想軸角度θを生成し、先端軸の予想軸角度θと冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度θ〜θから現在先端位置姿勢値〔T〕を求め、目標先端位置姿勢値〔T〕と現在先端位置姿勢値〔T〕を比較することでフィードバック制御を行う。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冗長マニピュレータ、制御装置、制御方法及び制御プログラム並びに冗長マニピュレータシステムに関し、更に詳しくは、回転工具を先端軸により回転させる冗長マニピュレータ、制御装置、制御方法及び制御プログラム並びに冗長マニピュレータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、産業用ロボットなどとして使用されるマニピュレータは、制御軸を6軸有するマニピュレータが大部分であった。これはマニピュレータの先端(手先)の位置と姿勢は、マニピュレータの先端の3次元的の位置x、y、zとこの位置におけるマニピュレータの先端の姿勢yaw、pitch、rollの6つの要素を有するからである。一方、人間の腕は制御軸を7軸有するマニピュレータに相当する。人間は、手の位置と方向(姿勢)を固定しても、肘を動かすことができる。従って、人間の腕は、手を固定していても、肘を動かすことで障害物などを回避することができる。
【0003】
そこで、マニピュレータの先端(手先)の位置・姿勢(x、y、z、yaw、pitch、roll)を制御することができ、且つ冗長性(人間の腕のように手を固定していても、肘を動かすことできる)を有する制御軸を7軸有する冗長マニピュレータが開発されている。この冗長マニピュレータは、先端にメカニカルインターフェースを有し、このメカニカルインターフェースに工具を脱着することができる。これにより、冗長マニピュレータ、種々の作業が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように冗長マニピュレータは汎用性を有するので、工具が回転することで行う作業にも用いることができる。この作業としては、例えばドリルを冗長マニピュレータのメカニカルインターフェースに装着して対象物を穿孔する作業、研磨工具をメカニカルインターフェースに装着して対象物の表面などを研磨する作業などがある。これらの回転工具(ドリル、研磨工具)が回転することで行う作業には、回転工具を回転させるための駆動装置、例えばモータが必要である。
【0005】
ここで、回転工具の多くは、高回転(例えば、ドリルでは数千rpm)させる必要があるため、出力の大きい駆動装置が必要である。従って、冗長マニピュレータのメカニカルインターフェースには、工具と重量のある駆動装置を装着しなければならなかった。これにより、冗長マニピュレータの先端の重量が増加し、この重量の増加により、先端の位置・姿勢を制御する際に悪影響を与える恐れがあった。また、冗長マニピュレータの先端の重量が重くなることで、各軸に備えられた駆動装置に負担をかけ、この駆動装置の寿命を縮める恐れがあった。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、冗長マニピュレータの冗長性及び汎用性を確保するとともに、冗長マニピュレータの各軸の駆動装置の寿命を延ばすことができる冗長マニピュレータ、制御装置、制御方法及び制御プログラム並びに冗長マニピュレータシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明では、先端の工具を取り替えることで、種々の作業を行うことができる冗長マニピュレータにおいて、回転工具を取り付ける際には、当該回転工具の回転運動を冗長マニピュレータの先端軸により行うことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、回転工具を取り付ける際には、当該回転工具の回転運動を冗長マニピュレータの先端軸により行うので、回転工具の回転運動をさせるために必要な駆動装置を別個設ける必要がなく、冗長マニピュレータの先端の重量を増加させないで、回転工具を装着することができる。これにより、冗長マニピュレータの汎用性を確保するとともに、冗長マニピュレータの各軸の駆動装置の寿命を伸ばすことができる。ここで、回転工具とは、工具が回転することで対象物に対して作業を行うものをいい、例えばドリル、研磨工具などである(以下同様)。
【0009】
また、この発明では、請求項1に記載の冗長マニピュレータにおいて、回転工具は、回転工具用アタッチメントを介して冗長マニピュレータの先端軸に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、回転工具を回転工具用アタッチメントを介して冗長マニピュレータの先端軸に取り付けるので、種々の回転工具(例えば、ドリル、研磨工具など)を容易に冗長マニピュレータの先端軸に取り付けることができる。また、短時間で種々の回転工具を取り替えることができる。
【0011】
また、この発明では、先端の工具を取り替えることで、種々の作業を行うことができる冗長マニピュレータの各軸をフィードバック制御により制御する制御装置において、冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際には、目標先端位置姿勢値から求められた各軸の軸角速度指令値のうち、先端軸の軸角速度指令値を先端軸に出力せず、先端軸の軸角速度指令値から先端軸の予想軸角度を生成し、先端軸の予想軸角度と冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度とから現在先端位置姿勢値を求め、目標先端位置姿勢値と現在先端位置姿勢値を比較することを特徴とする。
【0012】
また、この発明では、先端の工具を取り替えることで、種々の作業を行うことができる冗長マニピュレータの各軸をフィードバック制御により制御する制御方法において、冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際には、目標先端位置姿勢値から求められた各軸の軸角速度指令値のうち、先端軸の軸角速度指令値を先端軸に出力せず、先端軸の軸角速度指令値から先端軸の予想軸角度を生成し、先端軸の予想軸角度と冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度とから現在先端位置姿勢値を求め、目標先端位置姿勢値と現在先端位置姿勢値を比較することを特徴とする。
【0013】
上記これら発明によれば、冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際には、目標先端位置姿勢値から求められた各軸の軸角速度指令値のうち、先端軸の軸角速度指令値を先端軸に出力せず、先端軸の軸角速度指令値から先端軸の予想軸角度を生成し、先端軸の予想軸角度と冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度とから現在先端位置姿勢値を求め、目標先端位置姿勢値と現在先端位置姿勢値を比較するので、冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付けても、冗長マニピュレータの冗長性を確保することができる。また、冗長マニピュレータに回転工具以外の工具を取り付けた場合における制御方法又は制御装置を用いて、この冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付けた場合における冗長マニピュレータの制御を容易に行うことができる。
【0014】
また、この発明の制御プログラムは、請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、制御プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項4に記載の制御方法をコンピュータを利用して実現することができ、この方法と同様の効果を得ることができる。
【0016】
また、この発明では、少なくとも冗長マニピュレータと当該冗長マニピュレータを制御する制御装置とを備える冗長マニピュレータシステムにおいて、冗長マニピュレータに請求項1又は2に記載の冗長マニピュレータを用い、制御装置に請求項3に記載の制御装置を用いることを特徴とする。
【0017】
また、この発明によれば、回転工具の回転運動をさせるために必要な駆動装置を別個設ける必要がなく、冗長マニピュレータの先端の重量を増加させないで、回転工具を装着することができる。また、冗長マニピュレータに回転工具以外の工具を取り付けた場合における制御装置を用いて、この冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付けた場合における冗長マニピュレータの制御を容易に行うことができる。これにより、冗長マニピュレータの冗長性及び汎用性を確保するとともに、冗長マニピュレータの各軸の駆動装置の寿命を延ばすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものが含まれるものとする。
【0019】
図1は、この発明にかかる冗長マニピュレータシステムの概略構成例を示す図である。同図に示すように、冗長マニピュレータシステムは、冗長マニピュレータ1と、制御装置10と、サーボドライバ20とにより構成されている。冗長マニピュレータ1は、床などに固定されている肩部3と、上腕部4と、肘部5と、下腕部6と、手首部7とにより構成されている。肩部3は、冗長マニピュレータ1の各軸に備えられたモータの制御信号を入出力するコネクタ2を有する。なお、冗長マニピュレータ1には、上記コネクタ2を介して、サーボドライバ20及び制御装置10が接続されている。ここで、制御装置10は、サーボドライバ20から出力される冗長マニピュレータ1の各軸の軸角度の現在値に基づいて、冗長マニピュレータ1の各軸角速度をサーボドライバ20に出力する。一方、サーボドライバ20は、制御装置10から出力される各軸角速度に基づいて、冗長マニピュレータ1の各軸に駆動信号を出力する。
【0020】
肩部3と上腕部4との間には、上腕部4を左右旋回するための軸S1と上腕部4を上下旋回するための軸S2が設けられている。また、上腕部4と肘部5との間には、肘部5を左右旋回するための軸S3が設けられている。また、肘部5と下腕部6との間には、下腕部6を上下旋回するための軸S4が設けられている。また、下腕部6と手首部7との間には、手首部7を左右旋回するための軸S5が設けられている。手首部7には、ドリル8を上下旋回させるための軸S6とこのドリル8を回転させるための軸S7が設けられている。なお、各軸S1〜S7は、ハーモニックギアなどの減速機と駆動装置であるモータにより構成されており、各モータが駆動することにより各軸S1〜S7は低速回転することができる。なお、各軸S1〜S7の回転方向は、θ〜θで示す。
【0021】
図2は、冗長マニピュレータの先端の概略構成例を示す図であり、同図(a)は従来の冗長マニピュレータの先端に回転工具を取り付けた状態、同図(b)はこの発明にかかる冗長マニピュレータの先端に回転工具を取り付けた状態、同図(c)はこの発明にかかる冗長マニピュレータの先端に他の工具を取り付けた状態を示す図である。同図(a)に示すように、従来において軸S7は、手首部7に取り付けられたハーモニックギアなどの減速機31、モータ30などにより構成されている。モータ30の回転運動は、モータ30の図示しない回転軸に接続された減速機31により減速され、メカニカルインターフェース32に伝達することで低速回転していた。この場合は、モータ30の回転軸、すなわち軸S7を軸を中心に高速回転する回転工具(例えば、ドリル8など)を用いて冗長マニピュレータ1に作業をさせる際は、別個回転工具の駆動装置として高速回転するモータ40が必要であった。つまり、軸S7に取り付けられた(減速機31の出力側に取り付けたれた)メカニカルインターフェース32にモータ40を装着し、このモータ40の回転軸にドリル8を取り付ける必要があった。
【0022】
一方、この発明にかかる冗長マニピュレータ1にドリル8を取り付ける場合は、同図(b)に示すように、手首部7の減速機31及びメカニカルインターフェース32の替わりに、この手首部7に回転工具用アタッチメント33を取り付け、モータ30と回転工具用アタッチメント33を接続し、この回転工具用アタッチメント33にドリル8を取り付ける。すなわち、回転工具であるドリル8を減速機31を介さずに先端軸である軸S7(モータ30)に接続し、ドリル8の回転運動を冗長マニピュレータ1の先端軸により行う。従って、回転工具(ドリル8)に回転運動をさせるために必要な駆動装置であるモータ40を別個設ける必要がなく、冗長マニピュレータ1の先端の重量を増加させないで、回転工具を装着することができる。
【0023】
なお、冗長マニピュレータ1の先端には、同図(c)に示すように、ハンド9などの回転工具以外の工具を取り付けることもできる。この場合は、同図(b)に示す、回転工具用アタッチメント33を手首部7から取り外し、この手首部7に減速機31及びメカニカルインターフェース32を取り付け、このメカニカルインターフェース32にハンド9を装着する。これにより、冗長マニピュレータ1には、回転工具(ドリル8)や回転工具以外の工具(ハンド9)を取り付けることができ、この冗長マニピュレータの汎用性を確保することができる。
【0024】
次に、この発明にかかる冗長マニピュレータの制御方法について説明する。図3は、この発明にかかる冗長マニピュレータの制御ブロック図である。冗長マニピュレータ1をある決まった軌道上を移動させたい場合は、目標先端位置姿勢値設定手段11により目標先端位置姿勢値〔T〕を設定し、この設定された目標先端位置姿勢値〔T〕から各軸S1〜S7の軸角速度〔θ´〕を求める。求められた軸角速度〔θ´〕をサンプリング周期における各軸S1〜S7のモータの指令値として図1に示すサーボドライバ20に与える。サーボドライバ20は、軸角速度〔θ´〕に基づいて各軸S1〜S7のモータを駆動する。ここで、先端位置姿勢値とは、冗長マニピュレータ1の先端の3次元の位置x、y、zとこの位置における冗長マニピュレータ1の先端の姿勢yaw、pitch、rollの6つの要素からなる。
【0025】
次に、この発明にかかる冗長マニピュレータ1の先端軸に回転工具を取り付けた場合の制御方法について、詳細に説明する。図示しない冗長マニピュレータ1の各軸S1〜S7のモータに取り付けられたエンコーダなどの軸角度検出手段から各軸S1〜S7の軸角度θ〜θを現在値としてサーボドライバ20が検出し、このサーボドライバ20は検出された現在値(軸角度θ〜θ)を制御装置10に出力する。ここで、冗長マニピュレータ1の先端軸である軸S7には、回転工具(図1では、ドリル8)が取り付けられているため、この軸S7の現在の軸角度は制御装置10に入力しない。これは、回転工具を軸S7のモータに取り付けているので、軸S7は回転工具を駆動するための別の制御が行われているからである。
【0026】
制御装置10に入力された現在値(軸角度θ〜θ)と後述する先端軸角度生成手段17により生成された先端軸である軸S7の予想軸角度θと〔θ〕として先端位置姿勢座標変換手段16とヤコビ行列及び擬似逆ヤコビ行列生成手段15に入力する。先端位置姿勢座標変換手段16は、〔θ〕を現在の冗長マニピュレータ1の先端位置姿勢値〔T〕に変換する。変換された先端位置姿勢値〔T〕は比較手段12に入力される。
【0027】
一方、目標先端位置姿勢値設定手段11は、冗長マニピュレータ1の先端の目標先端位置姿勢値〔T〕を設定し、この設定した目標先端位置姿勢値〔T〕は比較手段12に入力される。入力された目標先端位置姿勢値〔T〕は、比較手段12により先端位置姿勢値〔T〕と比較され、先端位置姿勢値偏差〔E〕が求められる。求められた先端位置姿勢値偏差〔E〕は、位置制御ゲイン13に入力され、この位置制御ゲイン13から、冗長マニピュレータ1の各軸S1〜S7の修正速度〔Vpw〕が求められる。求められた修正速度〔Vpw〕は、軸角速度変換手段14に入力される。
【0028】
ヤコビ行列及び擬似逆ヤコビ行列生成手段15は、〔θ〕から、ヤコビ行列〔J〕及び擬似逆ヤコビ行列〔J〕を生成する。生成されたヤコビ行列〔J〕及び擬似逆ヤコビ行列〔J〕は、軸角速度変換手段14に入力される。
【0029】
軸角速度変換手段14は、修正速度〔Vpw〕とヤコビ行列〔J〕及び擬似逆ヤコビ行列〔J〕とを下記の式を用いて、冗長マニピュレータ1の各軸S1〜S7のモータの軸角速度〔θ´〕に変換する。
〔θ´〕=〔J〕・〔Vpw〕+(〔I〕−〔J〕・〔J〕)ξ(θ)・〔K〕 (1)
ここで、〔I〕は単位行列、ξ(θ)は評価関数、〔K〕は調整ゲイン(冗長軸例えば、肘部5に設けられている軸S3が落ち着く速度)である。
【0030】
ここで、上記式(1)は、第1項と第2項の和で構成されており、第1項の〔J〕・〔Vpw〕はヤコビアンと呼ばれ周知の項であり、冗長マニピュレータ1においては、無限個の解が存在する項である。一方、第2項の(〔I〕−〔J〕・〔J〕)ξ(θ)・〔K〕は、評価関数ξ(θ)に基づいて各軸S1〜S7を1つに定める働きを有する項である。
【0031】
変換された軸角速度〔θ´〕のうち、軸角速度θ´〜θ´は、冗長マニピュレータ1の軸S1〜S6のモータに与える指令値として、サーボドライバ20に入力される。このサーボドライバ20は、軸角速度θ´〜θ´に基づいて、軸S1〜S6のモータを駆動する。一方、軸角速度θ´は、先端軸角度生成手段17に入力され、この先端軸角度生成手段17は、下記の式を用いて軸角速度θ´より予想軸角度θを生成する。
θ=θ+θ´Δt                       (2)
ここで、Δtは、サンプリングの時間である。
【0032】
先端軸角度生成手段17で上記式(2)により生成された予想軸角度θは、現在の軸角度θ〜θとともに〔θ〕として先端位置姿勢座標変換手段16とヤコビ行列及び擬似逆ヤコビ行列生成手段15に入力される。以上により、冗長マニピュレータ1の先端軸に回転工具を取り付けた場合の制御が行われる。従って、冗長マニピュレータ1の先端軸(軸S7)に回転工具を取り付けても、冗長マニピュレータ1の冗長性を確保することができる。ここで、制御装置10は、サーボドライバ20を介して軸S7のモータに指令値である軸角速度θ´を出力しないが、これは、通常、軸S7は固定されていない状態となる。つまり、冗長マニピュレータ1の先端位置姿勢値のうちrollについては、制御されていない状態となる。しかし、軸S7のモータは回転工具を高速回転させる駆動装置として用いられており、回転工具の回転方向はroll方向であるので特に問題はない。
【0033】
なお、回転工具以外の工具を取り付けた場合の冗長マニピュレータの制御方法は、図3において、冗長マニピュレータ1の各軸S1〜S7のモータのすべての現在値(軸角度θ〜θ)をサーボドライバ20を介して制御装置10の先端位置姿勢座標変換手段16及びヤコビ行列及び擬似逆ヤコビ行列生成手段15に入力し、軸角速度変換手段14から出力される軸角速度〔θ´〕(θ´〜θ´)を冗長マニピュレータ1の軸S1〜S7のモータに与える指令値として、サーボドライバ20に入力し、軸角速度θ´〜θ´に基づいて、軸S1〜S7のモータを駆動する。つまり、冗長マニピュレータ1に回転工具以外の工具を取り付けた場合は、予想軸角度θを生成する先端軸角度生成手段17が必要ではなくなる。従って、冗長マニピュレータ1に回転工具以外の工具を取り付けた場合における制御方法を用いて、この冗長マニピュレータ1の先端軸に回転工具を取り付けた場合における冗長マニピュレータ1の制御を容易に行うことができる。
【0034】
また、上記制御方法をプログラムとして処理することで、制御装置10としてコンピュータを用いることもできる。この場合、冗長マニピュレータ1の先端に取り付ける工具(回転工具、回転工具以外の工具)により、冗長マニピュレータ1の先端軸に回転工具を取り付けた場合の制御方法か回転工具以外の工具を取り付けた場合の冗長マニピュレータの制御方法かのいずれにより処理するかをコンピュータが自動的に判断することで、冗長マニピュレータ1を制御しても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、回転工具を取り付ける際には、当該回転工具の回転運動を冗長マニピュレータの先端軸により行うので、回転工具の回転運動をさせるために必要な駆動装置を別個設ける必要がなく、冗長マニピュレータの先端の重量を増加させないで、回転工具を装着することができる。これにより、冗長マニピュレータの汎用性を確保するとともに、冗長マニピュレータの各軸の駆動装置の寿命を伸ばすことができる。
【0036】
また、請求項2に記載の発明によれば、回転工具を回転工具用アタッチメントを介して冗長マニピュレータの先端軸に取り付けるので、種々の回転工具(例えば、ドリル、研磨工具など)を容易に冗長マニピュレータの先端軸に取り付けることができる。また、短時間で種々の回転工具を取り替えることができる。
【0037】
また、請求項3又は4に記載の発明によれば、冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際には、目標先端位置姿勢値から求められた各軸の軸角速度指令値のうち、先端軸の軸角速度指令値を先端軸に出力せず、先端軸の軸角速度指令値から先端軸の予想軸角度を生成し、先端軸の予想軸角度と冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度とから現在先端位置姿勢値を求め、目標先端位置姿勢値と現在先端位置姿勢値を比較するので、冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付けても、冗長マニピュレータの冗長性を確保することができる。また、冗長マニピュレータに回転工具以外の工具を取り付けた場合における制御方法又は制御装置を用いて、この冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付けた場合における冗長マニピュレータの制御を容易に行うことができる。
【0038】
また、請求項5に記載の発明によれば、制御プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項4に記載の制御方法をコンピュータを利用して実現することができ、この方法と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、請求項6に記載の発明によれば、回転工具の回転運動をさせるために必要な駆動装置を別個設ける必要がなく、冗長マニピュレータの先端の重量を増加させないで、回転工具を装着することができる。また、冗長マニピュレータに回転工具以外の工具を取り付けた場合における制御装置を用いて、この冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付けた場合における冗長マニピュレータの制御を容易に行うことができる。これにより、冗長マニピュレータの冗長性及び汎用性を確保するとともに、冗長マニピュレータの各軸の駆動装置の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる冗長マニピュレータシステムの概略構成例を示す図である。
【図2】冗長マニピュレータの先端の概略構成例を示す図であり、同図(a)は従来の冗長マニピュレータの先端に回転工具を取り付けた状態、同図(b)はこの発明にかかる冗長マニピュレータの先端に回転工具を取り付けた状態、同図(c)はこの発明にかかる冗長マニピュレータ先端に回転工具以外の工具を取り付けた状態を示す図である。
【図3】この発明にかかる冗長マニピュレータの制御ブロック図である。
【符号の説明】
1     冗長マニピュレータ
2     コネクタ
3     肩部
4     上腕部
5     肘部
6     下腕部
7     手首部
8     ドリル
9     ハンド
10    制御装置
11    目標先端位置姿勢値設定手段
12    比較手段
13    位置制御ゲイン
14    軸角速度変換手段
15    ヤコビ行列及び擬似逆ヤコビ行列生成手段
16    先端位置姿勢座標変換手段
17    先端軸角度生成手段
20    サーボドライバ
30    モータ
31    減速機
32    メカニカルインターフェース
33    回転工具用アタッチメント
40    モータ

Claims (6)

  1. 先端の工具を取り替えることで、種々の作業を行うことができる冗長マニピュレータにおいて、
    回転工具を取り付ける際には、当該回転工具の回転運動を前記冗長マニピュレータの先端軸により行うことを特徴とする冗長マニピュレータ。
  2. 前記回転工具は、回転工具用アタッチメントを介して前記冗長マニピュレータの先端軸に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の冗長マニピュレータ。
  3. 先端の工具を取り替えることで、種々の作業を行うことができる冗長マニピュレータの各軸をフィードバック制御により制御する制御装置において、
    前記冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際には、
    目標先端位置姿勢値から求められた各軸の軸角速度指令値のうち、前記先端軸の軸角速度指令値を先端軸に出力せず、
    前記先端軸の軸角速度指令値から先端軸の予想軸角度を生成し、
    前記先端軸の予想軸角度と前記冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度とから現在先端位置姿勢値を求め、
    前記目標先端位置姿勢値と前記現在先端位置姿勢値を比較することを特徴とする制御装置。
  4. 先端の工具を取り替えることで、種々の作業を行うことができる冗長マニピュレータの各軸をフィードバック制御により制御する制御方法において、
    前記冗長マニピュレータの先端軸に回転工具を取り付ける際には、
    目標先端位置姿勢値から求められた各軸の軸角速度指令値のうち、前記先端軸の軸角速度指令値を先端軸に出力せず、
    前記先端軸の軸角速度指令値から先端軸の予想軸角度を生成し、
    前記先端軸の予想軸角度と前記冗長マニピュレータの先端軸以外の現在の軸角度とから現在先端位置姿勢値を求め、
    前記目標先端位置姿勢値と前記現在先端位置姿勢値を比較することを特徴とする制御方法。
  5. 請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
  6. 少なくとも冗長マニピュレータと当該冗長マニピュレータを制御する制御装置とを備える冗長マニピュレータシステムにおいて、
    前記冗長マニピュレータに請求項1または2に記載の冗長マニピュレータを用い、
    前記制御装置に請求項3に記載の制御装置を用いることを特徴とする冗長マニピュレータシステム。
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