JP2004089823A - 基板表面の洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板表面の洗浄方法及び洗浄装置に関し、被洗浄基板の表面を損傷することなく、付着異物を除去して表面を清浄に洗浄する。
【解決手段】輸送用気体4とともに固体微粒子3を噴射し、基板1の表面に衝突させて基板1の表面の付着異物を除去するとともに、固体微粒子3の噴射位置と異なる位置で基板1の表面を加熱する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板表面の洗浄方法及び洗浄装置に関するものであり、例えば、磁気記録媒体用基板などの電子機器の製造において使用される各種基板の表面洗浄の構成に特徴のある基板表面の洗浄方法及び洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク媒体、半導体素子、プリント回路基板などの各種電子機器の製造工程のうち、特に基板の製造工程においては、様々な薬液を使用して基板表面への加工或いは処理が繰り返し行われている。
【0003】
この様な製造工程において、製造途中の基板が前工程から後工程に移動する際には、前工程で使用された薬液や作業中に付着する塵埃などの不要な付着物を基板表面から除去する目的で、必ず基板表面に対する洗浄処理が行われる。
そして、対象となる基板の種類や処理の目的(除去する付着物の種類)に応じて、様々な洗浄方法が開発され、適用されている。
【0004】
その一例として、以下において磁気ディスク媒体の製造工程について示すが、磁気ディスク媒体は、中央に穴の開いた円盤状の基板の上に、スパッタリングなどの成膜プロセスにより、磁気により情報を記録する磁性膜と、これを保護するための保護膜が形成され、さらにその上に、潤滑剤が塗布された構造をとる。
【0005】
この場合、磁性膜の磁気特性を向上(S/N比が向上)するために、磁性膜を形成する際の下地となる基板の表面に、数Åから数十Åの粗さの筋状の微細な凹凸、テクスチャ溝をを同心円状に形成することが積極的に行われている。
また、このようなテクスチャを施すことによって、磁気ヘッドと磁気ディスク媒体の間に働く吸着力や摩擦力を低減し、磨耗や損傷を防止する効果も得られる。
【0006】
このように、基板表面のテクスチャ溝は, 磁気特性および信頼性の向上という観点から、非常に重要な役割を果たしているので、ここで、図7を参照して従来のテクスチャ加工工程を説明する。
図7(a)及び(b)参照
図7(a)は、テクスチャ加工工程を説明する上面図であり、また、図7(b)はその正面図であり、磁気ディスク用基板61を回転させ、その表面の一部分に、樹脂製の切削加工用テープ62を順送りにしながらローラ63で押し付けた状態で、有機溶剤や水、界面活性剤、化学反応促進剤などを含んだ液体成分中に、微小なダイヤモンド砥粒を分散させた研磨用のスラリー65を、切削加工用テープ62と磁気ディスク用基板61が接触し摩擦する界面にノズル64から供給することにより、メカノケミカル反応の進行とともに、磁気ディスク用基板61の表面に同心円状の微小なテクスチャ溝が彫られ、テクスチャが形成される。
【0007】
図7(c)参照
次いで、テクスチャ加工後の磁気ディスク用基板61を、超音波洗浄槽66内に収容した洗剤あるいは洗剤或いはpHを調整した洗浄液67中に浸漬した状態で超音波を印加することにより、テクスチャ加工後の磁気ディスク用基板61の表面に付着したスラリー65の成分、例えば、ダイヤモンド砥粒や、液体成分中の種々の有機化合物を除去する。
これらの異物は、次の磁性層の成膜工程に移る前に除去しなければ、その後の様々な不良発生の原因となる。
【0008】
図8(a)及び(b)参照
図8(a)は、上記の工程を経た後の磁気ディスク用基板61の上面図であり、また、図8(b)は図8(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った要部断面図であり、化学強化処理を施したガラス基板69上に設けた、例えば、厚さ10μmのNiP層70の表面にテクスチャ溝68が同心円状に形成される。
【0009】
図8(c)参照
図8(c)は、ガラス基板71の表面に直接テクスチャ溝72を形成した場合の要部断面図であり、工程の簡略化によるコストダウンの効果を狙い、今後積極的に採用されていくものと予想される。
【0010】
なお、テクスチャ加工後の洗浄方法は上述の超音波洗浄に限られず各種の洗浄方法が採用されているので、ここで、図9を参照して従来の他の洗浄方法を説明する。
図9(a)参照
図9(a)は、スピン洗浄法の説明図であり、磁気ディスク用基板61を高速で回転させながら加圧した純水やイソプロピルアルコール(IPA)等の洗浄液73を磁気ディスク用基板61の表面にノズル(図示を省略)から噴射することによって、磁気ディスク用基板61の表面に付着している異物を除去する。
【0011】
図9(b)参照
図9(b)は、スクラブ洗浄法の説明図であり、回転する磁気ディスク用基板61にスポンジ76等を接触させ、摩擦が生じる部分に純水や洗剤等の洗浄液75をノズル74から供給して異物をこすり落とすものであり、これらの手法を組み合わせて洗浄が行われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、テクスチャ加工後の基板表面の洗浄が各種の洗浄方法を用いて行われているが、それでもなお、様々な異物が洗浄残りとして磁気ディスク基板表面に付着したまま、次の磁性膜の成膜工程に進んでしまうことがある。
【0013】
例えば、テクスチャ加工において使用されるスラリーの液成分中に含まれる様々な種類の有機化合物や、テクスチャ加工後の洗浄工程で使用される洗剤成分、或いは、基板との摩擦によって基板側にこすり付けられたスポンジの微小な断片などが、洗浄工程が完了した段階で完全に除去しきれずに、基板表面に残る場合がある。
【0014】
磁気ディスク基板表面にこのような付着異物が残ったまま磁性膜を成膜すると、磁性膜のうちの異物上の部分は、所定の磁気特性を発揮することができず、その部分は記録エラーが発生し、不良個所となるという問題がある。
このように、磁気ディスク基板の洗浄残りは、磁気ディスク媒体の製造歩留りに深刻な影響を与える問題である。
【0015】
このような洗浄残りは、従来の洗浄方法による異物除去能力が充分でないことに起因する問題であり、本発明者はこれを改善する目的で、これまで適用されてこなかった洗浄方法を採用することを検討した。
その一つとして注目したのが、ブラスト洗浄法、特に、氷粒子やドライアイス粒子を用いたアイスブラスト法(必要ならば、特開2002−079465号公報参照)やドライアイスブラスト法(必要ならば、特開2002−205267号公報参照)と呼ばれる手法である。
【0016】
このブラスト洗浄法は、基板などの被洗浄物の表面に向けて、ノズルから純水を冷却して凝固させた氷微粒子或いはドライアイスを粉砕したドライアイス微粒子を輸送用気体とともに高圧で噴射し、氷微粒子が被洗浄物の表面の付着異物に衝突することにより物理的なエネルギーにより付着異物を飛散異物として弾き飛ばすことによって異物を除去する方法である。
【0017】
この場合、氷微粒子或いはドライアイス微粒子の噴射速度を調節することにより、被洗浄物の表面を損傷させることなく、付着異物のみを除去することが可能であり、また、被洗浄物に噴射されるのは氷微粒子或いはドライアイス微粒子のみであり、これらが溶融或いは昇華したところで単なる純水或いはCO2 であり、被洗浄物の表面が汚染されることはないという特徴がある。
このブラスト洗浄法は、異物除去の効果が非常に高い手法として、被洗浄物の表面に固体微粒子の衝突による物理的な損傷が心配されないような分野においては盛んに利用されている。
【0018】
磁気ディスク媒体用のガラス基板は、非常に表面硬度が硬く、氷やドライアイスの微粒子の衝突に対しても充分な耐久性を発揮するので、このようなブラスト洗浄法を表面の洗浄に適用することが可能であり、このブラスト洗浄法を利用することにより、テクスチャ加工後のガラス基板の表面から、付着異物をほとんど除去することが可能である。
【0019】
しかしながら、ガラス基板をブラスト洗浄法で洗浄した場合、氷あるいはドライアイスの微粒子が次々にガラス基板表面に衝突し、また、極めて低い温度まで冷却された輸送用気体が噴射されることにより、ガラス基板そのものが急速に冷却され、やがてガラス基板の表面にこれらの微粒子が凝結し始め、最終的には微粒子によってガラス基板の表面を直接叩く効果が失われ、付着異物の除去ができなくなるという問題が発生する。
【0020】
通常、このような場合には、被洗浄物の表面を叩く微粒子の運動エネルギーを大きくしていくことで、表面に凝結した微粒子の固まりさえも微粒子の衝突により破壊、粉砕することができるため、洗浄効果を持続させることは可能であるが、極めて高い平滑性を備えた平面上に微細なテクスチャが形成されている磁気ディスク媒体用ガラス基板では、ガラス基板の表面を損傷させることは許されず、基板の表面に衝突させる微粒子のエネルギーの大きさには限界があり、洗浄効果を持続させることは困難であるという問題がある。
【0021】
したがって、被洗浄基板の表面を損傷することなく、付着異物を除去して表面を清浄に洗浄することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記目的を達成するため、本発明は、基板表面の洗浄方法において、輸送用気体4とともに固体微粒子3を噴射し、基板1の表面に衝突させて前記基板1の表面の付着異物を除去するとともに、固体微粒子3の噴射位置と異なる位置で前記基板1の表面を加熱することを特徴とする。
【0023】
この様に、ブラスト法を用いて基板1の表面を洗浄する際に、固体微粒子3の噴射位置と異なる位置で前記基板1の表面を加熱することによって、輸送用気体4の吹きつけ及び固体微粒子3の衝突に伴う基板1の冷却を抑制することができ、それによって、固体微粒子3のエネルギーを大きくする必要がなくなるので、基板1の表面が損傷することがない。
【0024】
この場合、基板1の2つの主面の両方に対し、洗浄工程中、上記の固体微粒子3の噴射と、上記の基板1の加熱体の噴射を同時に行っても良いものであり、それによってスループットを向上することができる。
【0025】
また、固体微粒子3としては、室温かつ標準大気圧の環境(20℃、1気圧)の下では気体もしくは液体である物質を冷却し凝固させることによって得られる固体微粒子3であることが望ましく、それによって、通常の環境下で洗浄作業が可能になる。
例えば、固体微粒子3を形成するために使用する物質としては、水、二酸化炭素(ドライアイス、−78.9℃で固体から直接気体に昇華)、或いは、イソプロピルアルコール(融点−90℃)が望ましい。
【0026】
この基板1の洗浄工程においては、基板1を回転させながら行うことが望ましく、それによって、固体微粒子3が溶融した液滴7を振り落とすスピン洗浄と同様の効果を得ることができる。
【0027】
また、加熱工程としては、赤外線の輻射工程でも良いが、固体微粒子3を溶融或いは昇華するに十分な温度に加熱した気体、即ち、温風6を噴射する工程が望ましい。
【0028】
この様な洗浄工程を、テクスチャ加工直後の磁気ディスク媒体用基板に適用することにより、磁気ディスク媒体用基板の表面を損傷させることなく表面に付着した異物を除去することができる。
【0029】
この様な洗浄工程を実現するには、基板1を回転自在に支持するチャック機構、前記基板1の表面に固体微粒子3を噴射する固体微粒子噴射手段2、前記基板1の固体微粒子3の噴射位置と異なる位置で前記基板1の表面を加熱する加熱手段5とを少なくとも備えたことを特徴とする洗浄装置を用いれば良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図5を参照して、本発明の第1の実施の形態の磁気ディスク用基板の洗浄方法を説明する。
図2(a)及び(b)参照
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態の洗浄装置の概略的側面図であり、また、図2(b)は、概略的正面図である。
この洗浄装置は、被処理基板である磁気ディスク用基板11の穴の開いた中央部で保持・固定するチャック12、チャック12に固着されて磁気ディスク用基板11を回転させる回転軸13、磁気ディスク用基板11の表面に氷微粒子を吹き付ける粒子ノズル21を備えた粒子噴射装置、及び、磁気ディスク用基板11の表面に温風を噴射する温風ノズル31を備えた温風装置によって構成される。
この場合、それぞれから噴射された氷微粒子および温風の効果が相殺されることのないように、粒子ノズル21及び温風ノズル31、互いの噴射口が対向しないような位置に配置する。
【0031】
図3参照
図3は、本発明の第1の実施の形態の洗浄装置を構成する粒子噴射装置の概念的構成図であり、粒子噴射装置20は、キャリアガスとなるN2 ガスを供給するN2 ガスボンベ26、供給されたN2 ガスを高速の流速にする送風機25、送風されたN2 ガスを例えば、−30℃に冷却する冷凍機24、冷却したN2 ガス中に含まれる異物・パーティクルを除去するエアフィルタ23、エアフィルタ23を通過した冷却N2 ガスに冷却した純水を噴霧して氷微粒子27を生成する噴霧器22、及び、生成した氷微粒子27をN2 ガスとともに噴射する粒子ノズル21から構成される。
【0032】
この場合、N2 ガスとしては、できるだけ純度の高いN2 ガスが望ましい。
また、冷凍機24により冷却されたN2 ガスの温度は、噴霧された純水が瞬時に凍結するような温度であることが必要であるが、それだけではなく、N2 ガスの温度と送風機25と温風ノズル31による加熱効率とのバランスを取ってこれらを設定する必要がある。
【0033】
また、送風機25の出力を調節することで、噴射される氷微粒子27の運動エネルギーを調節するものであり、化学強化ガラス製の磁気ディスク用基板11の表面に損傷を与えず、且つ、良好な洗浄効果を得るためには、氷微粒子27の速度は、20〜50m/秒が望ましい。
【0034】
また、噴霧器22で生成される氷微粒子27の大きさは、磁気ディスク基板11の表面のテクスチャの凹凸の程度や、付着物質の種類、性質、量に応じて適切な大きさに設定する必要があり、例えば、平均粒径を50μmとする。
【0035】
図4参照
図4は、本発明の第1の実施の形態の洗浄装置を構成する温風装置の概念的構成図であり、温風装置30は、キャリアガスとなるN2 ガスを供給するN2 ガスボンベ35、供給されたN2 ガスを高速の流速にする送風機34、送風されたN2 ガスを加熱するヒータ33、加熱したN2 ガス中に含まれる異物・パーティクルを除去するエアフィルタ32、エアフィルタ32を通過した加熱N2 ガスを温風36として噴射する温風ノズル31から構成される。
【0036】
図5(a)参照
図5(a)は、本発明の第1の実施の形態の洗浄工程の説明図であり、磁気ディスク用基板11をチャック12によって保持・固定し、回転軸13を軸にして、例えば、500rpmの回転速度で回転させ状態で、磁気ディスク用基板11の中心より上側に配置した粒子ノズル21から、冷却されたN2 ガスからなるキャリアガスとともに平均粒径が例えば50μmの氷微粒子27を磁気ディスク用基板11の一方の面に噴射するとともに、磁気ディスク用基板11の他方の面の中心より下側に温風ノズル31からヒータ33の出力を変化させて温風36を吹き付け、磁気ディスク用基板11の表面の温度が75℃で平衡状態となるように調節を行う。
この条件のもとで、テクスチャ加工後の磁気ディスク用基板11に対し、180秒間の洗浄作業を行って、充分に乾燥させることによって、洗浄工程が終了する。
【0037】
図5(b)参照
図5(b)は洗浄原理の説明図であり、テクスチャ加工後の磁気ディスク用基板11の表面のテクスチャ溝14の表面に付着した付着異物15は、氷微粒子27が衝突することにより、物理的なエネルギーにより付着異物15を飛散異物16として弾き飛ばすことによって除去するものである。
【0038】
この様に、本発明の第1の実施の形態においては、磁気ディスク用基板11の氷微粒子27の噴射面と異なる位置で磁気ディスク用基板11の表面の温度が75℃で平衡状態となるように温風36を吹き付けているので、磁気ディスク用基板11の表面に溶融した水滴37が再氷結して、氷微粒子27のブラスト効果を減ずることがなくなる。
【0039】
したがって、氷微粒子の速度を大きくする必要がないので、化学強化ガラス製の磁気ディスク用基板11の表面が損傷を受けることがなく、異物を完全に除去することが可能になるので、その上にスパッタ法等により磁性膜、保護膜を形成したのち、潤滑剤を塗布して磁気ディスク媒体を作製した場合、所期の磁気特性を得ることができる。
【0040】
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態の洗浄装置を説明する。
図6参照
図6は、本発明の第2の実施の形態の洗浄装置の概念的構成図であり、粒子ノズル及び温風ノズルを磁気ディスク用基板の両面に対向するように設けたものである。
【0041】
即ち、被処理基板である磁気ディスク用基板11の穴の開いた中央部で保持・固定するチャック12、チャック12に固着されて磁気ディスク用基板11を回転させる回転軸13、磁気ディスク用基板11の両面に氷微粒子27,42を吹き付ける一対の粒子ノズル21,41を備えた粒子噴射装置、及び、磁気ディスク用基板11の両面に温風36,52を噴射する温風ノズル31,51を備えた温風装置によって構成される。
【0042】
この場合、一対の粒子ノズル21,41は、磁気ディスク用基板11の中心より上側に対向するように配置し、一方、一対の温風ノズル31,51は磁気ディスク用基板11の中心より下側に対向するように配置する。
【0043】
この様に、本発明の第2の実施の形態においては、粒子ノズル及び温風ノズルを磁気ディスク用基板11の両面に設けているので、両面一度に洗浄を行うことができ、作業効率を高めることができる。
【0044】
以上、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明は各実施の形態に記載した構成及び条件に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態においては、粒子ノズルから噴射される微粒子としては、純水の微粒子を凍結させた氷微粒子を用いているが、必ずしも純水である必要はなく、超純水を用いても良い。
【0045】
また、微粒子は氷微粒子に限られるものではなく、室温かつ標準大気圧の環境(20℃、1気圧)のもとでは気体もしくは液体である清浄な物質であれば良く、例えば、二酸化炭素(ドライアイス、−78.9℃で固体から直接気体に昇華)或いは、室温で水よりも揮発しやすいイソプロピルアルコール(融点−90℃)を用いても良いものである。
なお、二酸化炭素を用いる場合には、他の場所で予め作製したドライアイスを微粉砕する微粉砕装置を粒子噴射装置に設けることが実用上望ましい。
【0046】
さらに、氷微粒子を用いる場合にも、ドライアイスと同様に、他の場所で予め作製した氷を微粉砕する微粉砕装置を粒子噴射装置に設けても良いものであり、これら場合の粒径はメッシュ状フィルタを介して微粒子を取り出すことによって制御すれば良い。
【0047】
また、上記の各実施の形態においては、キャリアガス或いは温風となるN2 ガスを純度を考慮してN2 ガスボンベから供給しているが、フィルタ装置を取り付ける場合には、パージガス等として用いている配管系のN2 ガスを用いても良いものである。
【0048】
また、キャリアガス或いは温風となるガスはN2 ガスに限られるものではなく、Arガス等の希ガスを用いても良いものであり、さらに、スーパークリーン化した空気を用いても良いものである。
【0049】
また、上記の各実施の形態においては、粒子ノズルを上側に配置し、温風ノズルを下側に配置しているが、逆に、粒子ノズルを下側に配置し、温風ノズルを上側に配置しても良く、さらには、粒子のノズルと温風ノズルを基板の中心の高さの位置に併置しても良いものである。
【0050】
また、上記の第1の実施の形態においては、粒子噴射装置と温風装置の大きさを考慮し、配置がし易いように、粒子噴射装置と温風装置とを基板に対して互いに反対側に配置しているが、第2の実施の形態のように粒子噴射装置と温風装置を小型にすれば、基板に対して同じ側に配置しても良いものである。
【0051】
また、上記の第2の実施の形態においては、粒子ノズル同士及び温風装置同士を対向するように配置しているが、必ずしも対向させる必要はなく、互いに投影的にずらして配置しても良いものであり、それによって、冷却位置及び加熱位置を分散することができる。
【0052】
また、上記の各実施の形態においては、加熱手段として温風装置を用いているが、必ずしも温風装置である必要はなく、赤外線を照射するランプ加熱装置を用いても良いものである。
【0053】
また、上記の各実施の形態においては、磁気ディスク媒体の製造工程として説明しているが、磁気ディスク媒体の製造工程に限られるものではなく、他の電子機器等に用いられるガラス基板等の脆弱性の高い基板の洗浄処理にも適用されるものである。
【0054】
ここで、再び図1を参照して、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
再び、図1参照
(付記1) 輸送用気体4とともに固体微粒子3を噴射し、基板1の表面に衝突させて前記基板1の表面の付着異物を除去するとともに、固体微粒子3の噴射位置と異なる位置で前記基板1の表面を加熱することを特徴とする基板表面の洗浄方法。
(付記2) 上記基板1の2つの主面の両方に対し、洗浄工程中、上記の固体微粒子3の噴射と、上記の基板1の加熱体の噴射を同時に行うことを特徴とする付記1記載の基板表面の洗浄方法。
(付記3) 上記基板1の表面に噴射される固体微粒子3が、室温かつ標準大気圧の環境(20℃、1気圧)の下では気体もしくは液体である物質を冷却し凝固させることによって得られる固体微粒子3であることを特徴とする付記1または2に記載の基板表面の洗浄方法。
(付記4) 上記固体微粒子3を形成するために使用する物質が、水、二酸化炭素、或いは、イソプロピルアルコールのいずれかであることを特徴とする付記3記載の基板表面の洗浄方法。
(付記5) 上記基板1の洗浄工程において、前記基板1を回転させながら洗浄を行うことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の基板表面の洗浄方法。
(付記6) 上記加熱工程が、上記固体微粒子3を溶融或いは昇華するに十分な温度に加熱した気体を噴射する工程であることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の基板表面の洗浄方法。
(付記7) 上記基板1が、磁気ディスク媒体用基板1であることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の基板表面の洗浄方法。
(付記8) 基板1を回転自在に支持するチャック機構、前記基板1の表面に固体微粒子3を噴射する固体微粒子噴射手段2、前記基板1の固体微粒子3の噴射位置と異なる位置で前記基板1の表面を加熱する加熱手段5とを少なくとも備えたことを特徴とする洗浄装置。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、固体微粒子を用いたブラスト工程において、同時に加熱も行っているので、従来の洗浄方法に比べて大幅に洗浄残りの少ない基板の洗浄方法が可能になり、且つ、基板表面に損傷が発生することもないので、磁気ディスク媒体用基板をはじめとする、各種基板の製造歩留りの向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の洗浄装置の概念的構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の洗浄装置を構成する粒子噴射装置の概念的構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の洗浄装置を構成する温風装置の概念的構成図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の洗浄工程の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の洗浄装置の概念的構成図である。
【図7】従来のテクスチャ加工工程の説明図である。
【図8】テクスチャ溝の説明図である。
【図9】従来の他の洗浄方法の説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 固体微粒子噴射手段
3 固体微粒子
4 輸送用気体
5 加熱手段
6 温風
7 液滴
11 磁気ディスク用基板
12 チャック
13 回転軸
14 テクスチャ溝
15 付着異物
16 飛散異物
20 粒子噴射装置
21 粒子ノズル
22 噴霧器
23 エアフィルタ
24 冷凍機
25 送風機
26 N2 ガスボンベ
27 氷微粒子
28 キャリアガス
30 温風装置
31 温風ノズル
32 エアフィルタ
33 ヒータ
34 送風機
35 N2 ガスボンベ
36 温風
37 水滴
41 粒子ノズル
42 氷微粒子
51 温風ノズル
52 温風
61 磁気ディスク用基板
62 切削加工用テープ
63 ローラ
64 ノズル
65 スラリー
66 超音波洗浄槽
67 洗浄液
68 テクスチャ溝
69 ガラス基板
70 NiP層
71 ガラス基板
72 テクスチャ溝
73 洗浄液
74 ノズル
75 洗浄液
76 スポンジ

Claims (5)

  1. 輸送用気体とともに固体微粒子を噴射し、基板の表面に衝突させて前記基板の表面の付着異物を除去するとともに、固体微粒子の噴射位置と異なる位置で前記基板の表面を加熱することを特徴とする基板表面の洗浄方法。
  2. 上記基板の2つの主面の両方に対し、洗浄工程中、上記の固体微粒子の噴射と、上記の基板の加熱体の噴射を同時に行うことを特徴とする請求項1記載の基板表面の洗浄方法。
  3. 上記基板の表面に噴射される固体微粒子が、室温かつ標準大気圧の環境の下では気体もしくは液体である物質を冷却し凝固させることによって得られる固体微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の基板表面の洗浄方法。
  4. 上記基板が、磁気ディスク媒体用基板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板表面の洗浄方法。
  5. 基板を回転自在に支持するチャック機構、前記基板の表面に固体微粒子を噴射する固体微粒子噴射手段、前記基板の固体微粒子の噴射位置と異なる位置で前記基板の表面を加熱する加熱手段とを少なくとも備えたことを特徴とする洗浄装置。
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