JP2004089482A - 外科用処置具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】挿入部2と、挿入部2の先端部に備えられその軸に対し回動可能及び開閉可能な処置部3と、挿入部2の基端部に備えられその軸に対して回動可能及び開閉可能な操作部4と、処置部3と操作部4とを連結する支持体8・31と、支持体8・31に対し平行又は略平行かつ進退自在に配置される複数の駆動棒5・6・7とからなる外科用処置具1において、処置部3の開閉操作手段と操作部の開閉操作手段とが挿入部2に沿う平行写像関係となるように構成する。
【選択図】 図20
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外科用処置具、詳しくは外科手術、特に内視鏡下外科手術を行なう際に用いる処置具であって、術者が挿入部の基端部に設けられた操作部を把持し操作することで挿入部の先端部に設けられる処置部を回動及び開閉させるように構成した多自由度鉗子装置等の外科用処置具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外科手術を行なう際に用いられる外科用処置具については、例えばUSP5275608号・USP5702408号・USP5383888号・USP4763669号等によって種々の提案がなされている。
【0003】
上述のUSP5275608号による手段は、シャフトと、このシャフトの先端部に設けられた開閉可能な処置部と、前記シャフトの基端部に設けられたハンドルとから構成され、処置部は開閉以外にハンドル操作によって一対の処置部を同一平面内で回動できるように構成したものである。
【0004】
また、上述のUSP5702408号による手段は、リンクレバー状の第1のリンクと、第1のリンクに接続された第2及び第3のリンクと、第2及び第3のリンクは互いに内側に移動可能であると共に、両リンク端部に第4のリンクが接続されている。そして、第1のリンクを第1の方向に回動させると、第4のリンクも第1の方向に回動する平行リンク機構によって処置部と操作部とが同じ角度になるように構成されている。
【0005】
そして、上述のUSP5383888号による手段は、シャフトと、このシャフト先端部に設けられた開閉及び回動可能な処置部と、前記シャフトの基端部に設けられたハンドルとから構成されている。ハンドルによって処置部を開閉させると共に、ハンドル側に設けられたレバーによって操作ワイヤーを進退させることで処置部を回動させるように構成している。
【0006】
さらに、上述のUSP4763669号による手段は、シャフトと、このシャフト先端部に設けられた開閉及び回動可能な処置部と、前記シャフトの基端部に設けられたハンドルとから構成されている。ハンドルによって処置部を開閉させると共に、ハンドル側に設けられたレバーによってプッシュロッドを進退させることで処置部を回動させるように構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のUSP5275608号・USP5702408号・USP5383888号・USP4763669号等によって開示されている手段では、回動平面が一平面内のみであるものがほとんどであるので、特に組織を縫合したり結紮する等、処置部を持針器等として利用する際の複雑な操作を行なうためには、回動の自由度が不充分であるという問題点があった。
【0008】
また、上述の各手段においては、操作部側から処置部を回動させ得るものの、操作部に片手の親指及びその他の指を掛けたままの状態で、その同一の片手のみの操作によって処置部を回動させて所望の部位に当該処置部を接近させ、さらに処置部を開閉させる等の複雑な動作を得ることは困難である。したがって、このような構成のものでは、組織を縫合したり結紮したりする等の複雑な作業を行なうことは、極めて困難であった。
【0009】
そこで、処置部の回動動作を任意に行なうことができ、かつ片手のみの操作で処置部の回動及び開閉動作を実現し得るように構成した外科用処置具であって多自由度鉗子装置について、本出願人は、先に特願2001−119901号によって提案を行なっている。
【0010】
この特願2001−119901号による手段は、先端処置部を上下左右に回動操作させると共に先端処置部を開閉操作をさせることが片手のみで実行し得るようにしたものである。これにより操作性に優れた装置を実現できるというものである。
【0011】
また、回動操作及び開閉操作を剛性を有する駆動棒を含むリンク機構によって構成しているので、操作自体に剛性が保たれ不要な遊びを発生させることがなく、確実な操作が可能であるという利点もある。
【0012】
さらに、先端処置部を開閉操作するための開閉軸と、操作部を開閉操作するための開閉軸とは、外科用処置具自身の主軸に関して互いに相反する側に配置している。このような構成は、全ての回動操作において操作部のリンクが外科用処置具自体に干渉することなく、かつ操作部の小型化に寄与することのできる構成となっている。
【0013】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、処置部を開閉する開閉操作手段と、同処置部を回動させる回動操作手段との連動性を向上させ、当該処置部の取り得るあらゆる姿勢においても、操作部による操作姿勢と処置部の動作とが略一致するように構成し、これによって良好な操作性を備えた外科用処置具を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明による外科用処置具は、挿入部と、この挿入部の先端部に備えられ前記挿入部の軸に対して回動可能及び開閉可能な処置部と、前記挿入部の基端部に備えられ、前記挿入部の軸に対して回動可能及び開閉可能な操作部と、前記処置部と前記操作部とを連結する支持体と、前記支持体に対して平行又は略平行かつ進退自在に配置される複数の駆動棒とからなる外科用処置具において、前記処置部の開閉操作手段と前記操作部の開閉操作手段とが前記挿入部に沿う平行写像関係にあることを特徴とする。
【0015】
また、第2の発明は、上記第1の発明による外科用処置具において、前記駆動棒のうちの少なくとも一本の駆動棒の先端側及び基端側に設けられ前記処置部の開閉軸に対して垂直方向の軸を有する二つの関節の離間距離と、前記支持体の先端側及び基端側に設けられ前記処置部の開閉軸に対して垂直方向の軸を有する二つの回動軸の離間距離とが等長に構成されたことを特徴とする。
【0016】
そして、第3の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明のいずれかによる外科用処置具において、前記処置部は、前記支持体に対して回動可能な回動処置片と、この回動処置片に対し第1開閉軸を介して開閉可能に連結された開閉処置片とからなり、前記開閉処置片の基端部に備えられた第1関節とその基端側に隣接する第2関節との離間距離と、前記回動処置片の基端部に設けられた第1回動軸とその基端側に隣接する第2回動軸との離間距離とが等長に構成されたことを特徴とする。
【0017】
第4の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明又は上記第3の発明のいずれか一つによる外科用処置具において、前記操作部は、前記支持体に対して回動可能な回動操作片と、この回動操作片に対し第2開閉軸を介して開閉可能に連結された開閉操作片とからなり、前記開閉操作片に備えられた第3関節と、実質的に前記第3関節に隣接する前記駆動棒上に設けられた第4関節との前後方向の離間距離と、前記開閉処置片の基端部に備えられた第1関節とその基端側に隣接する第2関節との離間距離とが等長に構成されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1〜図20は、本発明の第1の実施形態の外科用処置具を示す図である。このうち、図1は、本実施形態の外科用処置具の全体構成の概略を示す斜視図である。図2・図3・図4は、図1の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図である。このうち、図2は当該処置部の上面側を主に示し、図3は当該処置部の下面側を主に示している。また、図4は当該処置部を開放状態にしたときの、その上面側を主に示している。
【0019】
また、図5・図6は、図1の外科用処置具における操作部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図である。このうち、図5は当該操作部の上面側を主に示し、図6は当該操作部の下面側を主に示している。図7〜図11は、図1の外科用処置具の操作部から一部の部材を取り外した状態を示す要部拡大斜視図である。このうち、図7は当該操作部からハンドル及びガードの一部を取り外した状態を示している。また、図8・図9は当該操作部からハンドル及びガードを取り外した状態を示し、図8はその上面側を主に示し、図9はその下面側を主に示している。図10・図11は、図8・図9の状態からさらに他の構成部材を取り外した状態を示し、図10はその上面側を主に示し、図11はその下面側を主に示している。
【0020】
そして、図12〜図19は、図1の外科用処置具における動作形態を示す図である。このうち、図12・図13・図14は当該外科用処置具の処置部を水平にした際の状態を示す図であって、図12は側面図を、図13は上面側を示す平面図を、図14は下面側を示す平面図をそれぞれ示している。図15は、図12に示す状態(水平状態)にある処置部を上方(矢印Y1)に向けて回動させた場合の状態を示す側面図である。図16・図17は、図13・図14に示す状態(水平状態)にある処置部を所定方向(矢印X3方向)に回動させた場合を示す平面図であって、図16は上面側を、図17は下面側をそれぞれ示している。図18は、図12に示す状態(水平状態)にある処置部を開放状態に変位させた場合の状態を示す側面図である。即ち当該外科用処置具の処置部を水平にした状態で、かつ処置部を開放状態にした場合を示す側面図である。図19は、図18に示す状態(処置部が水平状態かつ開放状態)にある処置部を上方に向けて回動させた状態を示す側面図である。
【0021】
さらに、図20は、本実施形態の外科用処置具におけるリンク構成を概念的に示すリンク構成概念図である。
【0022】
まず、本実施形態の外科用処置具の概略的な構成について、図1を用いて説明する。
【0023】
本実施形態の外科用処置具1は、外科手術、特に内視鏡下外科手術を行なう際に用いる処置具であって、術者が挿入部2の基端部に設けられた操作部4を把持した状態で所定の操作を行なうことにより、挿入部2の先端部に設けられる処置部3を回動及び開閉させるように構成した多自由度鉗子装置である。
【0024】
この外科用処置具1は、図1に示すように複数の細径棒(6・7等)や本外科用処置具1の支持体(8・31)等によって構成される挿入部2と、この挿入部2の先端側に設けられる二つの処置片(12・14)やこれら二つの処置片を動作させるリンク機構等によって構成される処置部3と、上述の挿入部2の基端側に設けられるグリップ(37a・39a)等によって構成されるハンドル(37・39)等とこのハンドルを操作することで生じる力量を処置部3へと伝達するリンク機構等からなる操作部4とによって構成されている。
【0025】
挿入部2には、処置部3と操作部4との間を機械的に連結する複数の細径棒からなる駆動棒、即ち第1駆動棒5(図1では図示できず。図2以降を参照。)・第2駆動棒6・第3駆動棒7が、当該挿入部2の軸方向(図2〜図4等において矢印Sで示す方向)に沿うように配設されている。
【0026】
このうち第1駆動棒5は、操作部4の所定の操作に従動して処置部3の開閉動作を実現するための開閉リンク機構(開閉操作手段)の一部を構成する部材となっている。また、第2駆動棒6及び第3駆動棒7は、それぞれが互いに平行又は略平行に配置されており、操作部4の所定の操作に従動して処置部3の回動動作を実現する回動リンクを構成する部材となっている。
【0027】
第1駆動棒5は、挿入部2の軸中心に対して一方の側(本外科用処置具1の下寄りの側。図2〜図4等において矢印A1方向の側)に偏った所定の位置に配置されている。また、第2駆動棒6及び第3駆動棒7は、上述したようにそれぞれが図2〜図4等に示す矢印Sに沿う方向に互いに平行又は略平行に配置され、かつ挿入部2の軸中心に対して他方の側(本外科用処置具1の上寄りの側。図2〜図4等において矢印A2方向の側)に偏った所定の位置に配置されている。そして、これら複数の駆動棒(5・6・7)はそれぞれが挿入部2の軸方向Sに対して進退自在となるように設けられている。
【0028】
なお、挿入部2の外周部位にはシース2a及び気密手段2b(図1において破線で示す部材)等が設けられている。このシース2a及び気密手段2b等の部材は、トロッカー(鉗子孔)を介した内視鏡下外科手術を行なう際に必要となる構成部材であるが、本発明には直接関係しない部材であることから、従来の外科用処置具に用いられる一般的なシース・気密手段等を利用するものとして、本実施形態においては、その説明を省略する。
【0029】
次に、本実施形態の外科用処置具1における処置部3と操作部4とのそれぞれの詳細な構成について、図2〜図11を用いて以下に説明する。
【0030】
まず、本実施形態の外科用処置具1における処置部3についての詳細構成を、主に図2〜図4に基づいて、以下に説明する。
処置部3は、上述したように、また図2〜図4にも示されるように挿入部2の先端側に設けられており、支持体8に対して回動可能な回動処置片である第1処置片12と、この第1処置片12に対して第1開閉軸である第1開閉枢支ピン13を介して開閉可能に連結される開閉処置片である第2処置片14と、これら二つの処置片(12・14)を動作させるためのリンク機構等によって構成されている。
【0031】
挿入部2の先端側(処置部3寄りの側)には、前方(処置部3の側)に向けて突出するように設けられ所定の剛性を備え当該挿入部2の支持体の一部を構成する第1支持部8が形成されている。この第1支持部8の先端部には、断面が略C形状に形成されるすり割り部8aが形成されている。このすり割り部8aには、これを貫通するように挿入部2の軸方向Sに対して直交する方向であって図に示す矢印Aに沿う方向に軸中心を持つ第1枢支軸9が配置されている。
【0032】
当該すり割り部8aの内部には、第1回動板10の所定の部位が挟持されており、上述の第1枢支軸9は、第1回動板10をすり割り部8aと共に貫通している。これにより、第1支持部8と第1回動板10とは、第1枢支軸9を介して連結され、かつ第1回動板10は、第1支持部8に対して第1枢支軸9を支軸とする図2・図3等に示す矢印X方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0033】
また、第1回動板10の他端部には、第1枢支軸9に対して直交する方向に軸中心を持つ第1回動軸である第1枢支ピン11が配設されている。そして、この第1枢支ピン11は、第1処置片12の基端部12bの所定の部位に貫通し連結されている。
【0034】
つまり、第1回動板10の他端部と第1処置片12の基端部12bとは、第1枢支ピン11を介して回動自在に連結されている。したがって、この場合において第1処置片12は、第1回動板10に対して第1枢支ピン11を支軸とする図2〜図4等に示す矢印Y方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0035】
一方、第1処置片12の基端部12bにおいて第1枢支ピン11の近傍には、第2駆動棒6及び第3駆動棒7が所定の手段を介して連結されている(詳細は後述する)。
【0036】
また、第1処置片12の中程の所定の位置においては、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第1開閉枢支ピン13が固設されている。一方、第1処置片12の基端部12bは、略すり割り形状に形成されており、このすり割り形状部に第2処置片14が挟み込まれるように配置されている。そして、第2処置片14の中程の所定の位置において、第1開閉枢支ピン13が貫通している。したがって、これにより第2処置片14は、第1開閉枢支ピン13を支軸として図に示す矢印Y方向と同方向への回動が自在となるように構成されている。つまり、第2処置片14は、第1処置片12に対して開閉自在となっている。
【0037】
また、第2処置片14の基端側の腕部14bには、その先端部において図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第1連結ピン15が配設されている。この第1連結ピン15は、処置部3を開閉駆動するための第1駆動棒5と当該処置部3とを連結するための連結手段であって処置部3の開閉操作手段である開閉リンク機構の一部を構成する第1連結部材16の一端部を貫通することで、第2処置片14の基端側の腕部14bの先端部と第1連結部材16とを連結している。したがって、これにより第2処置片14は、第1連結部材16に対して第1連結ピン15を支軸として図に示す矢印Y方向と同方向への回動が自在となるように構成されている。
【0038】
さらに、第1連結部材16の他端部には、図に示す矢印Aに沿う方向に軸中心を持つ第2連結ピン17(図2では図示できず。図3・図4参照)が貫通するように設けられている。そして、この第2連結ピン17には、処置部3を開閉駆動するための第1駆動棒5と当該処置部3とを連結するための連結手段の他の一部を構成する第2連結部材18の一端部が連結されている。
【0039】
つまり、この第2連結部材18の一端部は、略すり割り形状に形成されていて、当該すり割り形状部に第1連結部材16の他端部が挟み込まれるように配置されている。そして、第2連結ピン17は、第2連結部材18の一端部と第1連結部材16の他端部とを所定の位置において貫通し、これにより、第1連結部材16は、第2連結部材18に対して第2連結ピン17を支軸として図に示すX方向と同方向への回動が自在となるように構成されている。
【0040】
また、第2連結部材18の他端部には、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第3連結ピン19が配設されている。この第3連結ピン19は、第1駆動棒5の先端部を貫通することで、第2連結部材18の他端部と第1駆動棒5の先端部とを連結している。したがって、これにより第2連結部材18は、第1駆動棒5に対して第3連結ピン19を支軸として図に示す矢印Y方向と同方向への回動が自在となるように構成されている。
【0041】
このように、第1連結部材16と、その一端の所定の部位を貫通する第2連結ピン17と、この第2連結ピン17を一端に有する第2連結部材18と、この第2連結部材18の他端に設けられる第3連結ピン19と、第1駆動棒5等とによって、処置部3の開閉動作を行なわしめる処置部3側の開閉操作手段(開閉リンク機構)が構成されている。
【0042】
他方、第1処置片12の基端部12bにおいて第1枢支ピン11の近傍には、上述したように第2駆動棒6及び第3駆動棒7が所定の手段を介して連結されている。
【0043】
即ち、第1処置片12の基端部12bにおいて第1枢支ピン11の近傍には、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第2枢支ピン20が配設されており、この第2枢支ピン20には、処置部3を回動駆動するための第2駆動棒6及び第3駆動棒7と当該処置部3とを連結するための連結手段の一部を構成する第2回動板21の凸部21aが連結されている。
【0044】
第2回動板21は、幅広に形成された二枚の平板状部材からなる本体部21bと、この本体部21bの中程の位置から一方の外部に向けて突設され、本体部21bの二枚の平板状部材を支持する凸部21aとによって形成されている部材である。
【0045】
そして、この凸部21aには第2枢支ピン20が図に示す矢印Bに沿う方向に貫通している。これにより、第1処置片12の基端部12bの所定の位置と第2回動板21の凸部21aとが連結され、かつ第1処置片12は、第2回動板21に対して第2枢支ピン20を支軸として図に示す矢印Y方向と同方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0046】
第2回動板21の本体部21bにおいて図に示す矢印Bに沿う方向の両端部近傍には、各端部のそれぞれに図に示す矢印Aに沿う方向に軸中心を持つ第1回動ピン22及び第2回動ピン23が配設されている。
【0047】
そして、一方の端部の第1回動ピン22には、処置部3(の第1処置片12)を回動駆動するための第2駆動棒6が連結されており、他方の端部の第2回動ピン23には、処置部3(の第1処置片12)を回動駆動するための第3駆動棒7が同様に連結されている。
【0048】
したがってこれにより、操作部4の所定の操作に連動して第2駆動棒6が図に示す矢印Sに沿う方向に進退すると、第2回動板21は、第1回動ピン22を支軸とする図4に示す矢印X1方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0049】
同様に、操作部4の所定の操作に連動して第3駆動棒7が図に示す矢印Sに沿う方向に進退すると、第2回動板21は、第2回動ピン23を支軸とする図4に示す矢印X2方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0050】
なお、処置部3を構成する主要部材である第1処置片12及び第2処置片14のそれぞれには、各所定の位置に把持面12a・14aが形成されている。当該把持面12a・14aには、必要に応じて所定の凹凸加工等が施されており、把持対象物、例えば縫合針・縫合糸・生体組織等等を確実に把持し得るような形状に形成されている。そして、この把持面12a・14aは、図4に示すように両処置片12・14を組み立てた際の状態において互いに対向するように配置されている。
【0051】
次に、本実施形態の外科用処置具1における操作部4についての詳細構成を、主に図5〜図11に基づいて、以下に説明する。
操作部4は、上述したように、また図5・図6にも示されるように挿入部2の基端側に設けられており、支持体31に対して回動可能な回動操作片である第1ハンドル37及び第1ハンドル37に対して第2開閉軸(38)を介して開閉可能に連結される開閉操作片である第2ハンドル39と、これらの二つのハンドル(37・39)を操作することによって生じる力量を処置部3へと伝達するためのリンク機構等によって構成されている。
【0052】
第1ハンドル37は、術者に把持される部位である第1グリップ37aと、当該操作部4の側面を支持する側面支持板37cと、当該操作部4を挿入部2に連結する第1ハンドル連結部材36等の各部材によって構成されている。また、第2ハンドル39は、術者に把持される部位である第2グリップ39aと、当該第2グリップ39aと第1ハンドル37とを連結する第2ハンドル連結部材39c等の各部材によって構成されている。
【0053】
第1ハンドル37を構成する部材のうち第1グリップ37aは、当該外科用処置具1を術者が操作する際に、その親指・薬指・小指を用いて把持するのに最適な形状となるように形成されている。また、第2ハンドル39を構成する部材のうち第2グリップ39aは、当該外科用処置具1を術者が操作する際に、その人差指及び中指を用いて操作するのに最適な形状となるように形成されている。
【0054】
第1ハンドル37の一端側に設けられる第1ハンドル連結部材36の両側面部には、図5・図6に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ複数の軸状部材からなるサポート軸37bが外部に向けて植設されている。これらの各サポート軸37bの先端部には、略L字形状の平面を持つ板状部材からなる二枚の側面支持板37cが、各サポート軸37bとは直交する面に沿うように一体に配設されている。つまり、側面支持板37cは、第1ハンドル連結部材36の一端側の両側面部からそれぞれ所定の間隔(サポート軸37bの長さ分)を隔てて配設されている。
【0055】
各側面支持板37cの腕部37eの先端部近傍には、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第2開閉枢支ピン38がそれぞれに植設されている。この第2開閉枢支ピン38は、第2ハンドル39の第2ハンドル連結部材39cの一端部39eの近傍の所定の位置において一体に軸支されている。これにより、第2ハンドル39は、第1ハンドル37に対して第2開閉枢支ピン38を支軸として図に示す矢印Y方向と同方向への回動が自在となるように構成されている。
【0056】
また、第2開閉枢支ピン38の近傍には、これと略平行するように同方向に沿う軸中心を持つ第5連結ピン49が配設されている。この第5連結ピン49には、図7に示すようにレバー形状の第5連結部材44の自由端部が回動自在に連結されている。
【0057】
第5連結部材44の基端部においては、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第4連結部材43が固設されている。そして、この第4連結部材43の中程の位置には、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ力点軸43aが配設されている。さらに、この力点軸43aは、後述する第3連結部材41の所定の位置に配設される力点軸収容孔41cに回動自在に嵌合している。
【0058】
第2ハンドル連結部材39cの他端部近傍においては、図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ複数の第2ハンドル連結軸39bが内側に向けて植設されている。そして、この複数の第2ハンドル連結軸39bの各端部は、それぞれが第2グリップ39aの一端寄りの両側面部における所定の部位に固設されている。これにより、第2グリップ39aと第2ハンドル連結部材39cは、一体的に形成されている。
【0059】
また、第1ハンドル連結部材36と第1グリップ37aとは、図7に示すように第1ハンドル連結軸37fによって連結されており、これによって両者は一体的に形成されている。
【0060】
一方、挿入部2の基端側(操作部4寄りの側)には、後方(操作部4の側)に向けて突出するように設けられ所定の剛性を備え当該挿入部2の支持体の一部を構成する第2支持部31が設けられている。この第2支持部31の先端部には、図8〜図11に示すように断面が略C形状に形成されるすり割り部31aが形成されている。このすり割り部31aには、これを貫通するように挿入部2の軸方向Sに対して直交する方向であって図に示す矢印Aに沿う方向に軸中心を持つ第2枢支軸32が配置されている。
【0061】
当該すり割り部31aの内部には、第3回動板34の一端側の所定の部位が挟持されており、第2枢支軸32は、第1回動板10をすり割り部31aと共に貫通している。これにより、第2支持部31と第3回動板34とは、第2枢支軸32を介して連結され、かつ第3回動板34は、第2支持部31に対して第2枢支軸32を支軸とする図8・図10等に示す矢印X方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0062】
第3回動板34の他端側の所定の部位には、図10・図11に示すように図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ貫通孔である第2平行ガイドピン受容孔34aが穿設されている。そして、この第2平行ガイドピン受容孔34aには、後述する第2平行ガイドピン52が回動自在に収容されている(図8・図9参照)。
【0063】
また、第3回動板34の側面部であって一端寄りの所定の位置には、図8〜図11に示すように図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第3枢支ピン35が配設されている。そして、この第3枢支ピン35には、図5〜図7に示すように第1ハンドル37の所定の部位が連結されている。これにより、第1ハンドル37は、第3枢支ピン35を支軸として図5・図8等に示す矢印Y方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0064】
一方、複数の駆動棒(5・6・7)のうち第1駆動棒5は、後述する所定の手段を介して第3連結部材41に連結されており、また第2駆動棒6及び第3駆動棒7は、後述する所定の手段を介して第4回動板46に連結されている。
【0065】
即ち、第2駆動棒6及び第3駆動棒7は、図8・図10に示すようにそれぞれの端部が略平板状に形成されており、この端部が第4回動板46の一方の端部に形成されるすり割り部46dの内部に嵌入している。そして、第4回動板46のすり割り部46dを貫通するように図に示す矢印Aに沿う方向に軸中心を持つ二本の回動ピン、即ち第3回動ピン47及び第4回動ピン48が配設されている。そして、この第3回動ピン47及び第4回動ピン48のそれぞれは、第2駆動棒6及び第3駆動棒7のそれぞれをすり割り部46dと共に貫通している。
【0066】
したがってこれにより、操作部4の所定の操作に連動して第4回動板46が第3回動ピン47を支軸とする図8・図10等に示す矢印X方向と同方向に所定の範囲内で回動すると、これに従動して第2駆動棒6が図に示す矢印Sに沿う方向に進退自在となるように構成されている。
【0067】
同様に、操作部4の所定の操作に連動して第4回動板46が第4回動ピン48を支軸とする図8・図10に示す矢印X方向と同方向に所定の範囲内で回動すると、これに従動して第3駆動棒7が図に示す矢印Sに沿う方向に進退自在となるように構成されている。
【0068】
また、第4回動板46の他端側の所定の部位には、図10・図11に示すように図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ貫通孔である第1平行ガイドピン受容孔46aが穿設されている。そして、この第1平行ガイドピン受容孔46aには、後述する第1平行ガイドピン51が回動自在に収容されている(図8・図9参照)。
【0069】
さらに、第4回動板46のすり割り部46d寄りの両側面部の所定の位置には、図8〜図11に示すように図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ第4枢支ピン45が配設されている。そして、この第4枢支ピン45には、図5〜図7に示すように第1ハンドル37の所定の部位が連結されている。これにより、操作部4(第1ハンドル37)の所定の操作に連動して第4回動板46の先端側が第4枢支ピン45を支軸として図5・図8等に示す矢印Y方向と同方向への回動が所定の範囲内で自在となるように構成されている。
【0070】
また、第1駆動棒5は、図9・図11に示すようにその端部が略平板状に形成されており、この端部が第3連結部材41の一方の端部に形成されるすり割り部41dの内部に嵌入している。そして、第3連結部材41のすり割り部41dを貫通するように図に示す矢印Aに沿う方向に軸中心を持つ第4連結ピン42が配設されている。そして、この第4連結ピン42は、第1駆動棒5をすり割り部41dと共に貫通し、よって第1駆動棒5と第3連結部材41とを連結している。
【0071】
このように、第1駆動棒5と、第3連結部材41と、力点軸43aと、第4連結ピン42と、第4連結部材43と、第5連結部材44と、第5連結ピン49等によって、処置部3の開閉動作を行なわしめる操作部4側の開閉操作手段(開閉リンク機構)が構成されている。
【0072】
第3連結部材41の両側面部には、一端寄り(すり割り部41d寄り)の所定の位置において図に示す矢印Sに沿う方向に長辺を有する第1溝部41aが、他端よりの所定の位置に図に示す矢印Sに沿う方向に長辺を有する第2溝部41bが、中程の所定の位置に図に示す矢印Bに沿う方向に軸中心を持つ力点軸収容孔41cがそれぞれ形成されている。
【0073】
そして、第1溝部41aには、第1ハンドル37の第3枢支ピン35の近傍に設けられるガイドピン40(図5〜図7参照)が摺動自在に嵌合するようになっている。また、第2溝部41bには、後述する第3平行ガイドピン53が摺動自在に嵌合するようになっている。そして、力点軸収容孔41cには、上述の第4連結部材43の力点軸43a(図6・図7参照))が回動自在に嵌合している。
【0074】
このように第3連結部材41の両側面には第1溝部41a・第2溝部41bを設け、それぞれにガイドピン40及び第3平行ガイドピン53(後述する)を摺動自在に嵌合するようにしたので、第3連結部材41は、第3回動板34・第4回動板46に対して平行関係を保持したまま前後方向(矢印S方向)に進退し得るようになっている。また、このために第3連結部材41の力点軸収容孔41cに加えられる力量が第3連結部材41の水平軸の方向から外れてしまうような場合においても、第3連結部材41の水平状態を損なうことのないようになっている。したがって、処置部3の第3連結ピン19と、これに対応する部位である操作部4の力点軸43aとの平行写像関係を確実に維持し得るように構成されている。
【0075】
第4回動板46・第3回動板34・第4連結部材43のそれぞれの他端部においては、上述したように第1平行ガイドピン51・第2平行ガイドピン52・第3平行ガイドピン53が所定の手段で配設されている。そして、第4回動板46・第3回動板34・第4連結部材43のそれぞれと各平行ガイドピン51・52・53との間には、図8・図9に示すようにカゴ形状に形成されたクレードル50が介在するようになっている。したがってこれにより、第4回動板46と第3回動板34と第4連結部材43とは、クレードル50によって互いが一体となるように連結されている。
【0076】
さらに、第1平行ガイドピン51・第2平行ガイドピン52・第3平行ガイドピン53は、第1ハンドル37に連結される第4枢支ピン45・第3枢支ピン35及び第1ハンドル37に設けられるガイドピン40に対してそれぞれが図に示す矢印Sに沿う方向において略等しい距離だけ離間した位置に配置されるように設定されている。このために第1ハンドル37の回動可能範囲内においては、第4回動板46・第3回動板34・第3連結部材41を常に平行な関係に規制することができるようになっている。
【0077】
このような構成によって、本実施形態の外科用処置具1における操作部4は、挿入部2の基端側の第2支持部31に連結されており、当該操作部4を構成する第1ハンドル37及び第2ハンドル39は、第2支持部31に対して第2枢支軸32及び第3枢支ピン35を支軸として図8等に示す矢印X方向及び矢印Y方向への回動が自在となるように構成されている。
【0078】
なお、操作部4の一部を構成する第1グリップ37aと第2グリップ39aとの間には、所定のラチェット手段及び開放ばね手段が設けられている。このラチェット手段及び開放ばね手段は、第1グリップ37aと第2グリップ39aとの開閉状態を所定の位置で規制し又は第1グリップ37aと第2グリップ39aを開放する方向へ付勢するための機構であるが、本発明に直接関連しない部分である。したがって、このラチェット手段等の構成については、従来の一般的なものが用いられるものとして、その説明を省略する。
【0079】
また、操作部4には、例えば挿入部2の基端部との連結部位近傍を覆い保護するための第1ガード部材61・第2ガード部材62や、第1ハンドル連結部材36の所定の部位を覆い保護する第3ガード部材63・第4ガード部材64等の保護部材が設けられているが、これについても、本発明の主旨には直接関連しない部分であるので、その説明は省略する。
【0080】
このように構成された本実施形態の外科用処置具1における作用を、以下に説明する。
【0081】
まず、図12に示す状態、即ち処置部3及び操作部4が共に水平状態(挿入部2の軸方向Sに対する角度0度の状態)にある場合おいて当該外科用処置具1を操作する術者は、操作部4の所定の位置を把持する。具体的には、第1ハンドル37の第1グリップ37aと第2ハンドル39の第2グリップ39aを把持する。
【0082】
この状態において、第1ハンドル37を第3枢支ピン35を中心として図12に示す矢印Y2方向に回動させる。すると、これに伴って第2駆動棒6及び第3駆動棒7は同時に図12に示す矢印S1方向へと移動する。これと共に第1駆動棒5は、同図に示す矢印S2方向へと移動する。その結果、処置部3は、これを構成する第1処置片12及び第2処置片14が閉状態のまま図12に示す矢印Y1方向へと回動する。そして、図15に示す状態となる。即ち処置部3が矢印Y1方向(上方)に向けて角度略90度だけ回動し、操作部4が同角度だけ矢印Y2方向(下方)に向けて回動した状態となる。
【0083】
したがって、処置部3及び操作部4は、図12・図15の矢印Y1・Y2に沿う方向への回動については、図12に示す状態と図15に示す状態との間の範囲内において回動自在となっている。
【0084】
一方、図12〜図14に示す状態(処置部3及び操作部4が共に水平状態(挿入部2の軸方向Sに対する角度0度の状態))にある場合おいて、術者は操作部4の所定の部位(第1ハンドル37の第1グリップ37aと第2ハンドル39の第2グリップ39a)を把持し、当該操作部4を第2枢支軸32を中心として図13・図14に示す矢印X4方向へと回動させる。すると、これに伴って第2駆動棒6及び第3駆動棒7は、一方が図12〜図14に示す矢印S1方向へ、他方が同図に示す矢印S2方向へと進退する。このとき第1駆動棒5は、その操作部4側の端部の第4連結ピン42が、操作部4の回動中心としての第2枢支軸32の近傍にあるためほとんど進退することがない。その結果、処置部3は、これを構成する第1処置片12及び第2処置片14が閉状態のまま図13・図14に示す矢印X3方向へと回動する。そして、図16・図17に示す状態となる。即ち処置部3が矢印X3方向に向けて角度略60度程度回動し、操作部4も同角度だけ矢印X4方向に向けて回動した状態となる。
【0085】
また、操作部4を図13・図14において矢印X4とは反対方向の矢印X5方向へと回動させた場合には、処置部3は同図に示す矢印X6方向へと同角度だけ移動する。
【0086】
したがって、処置部3及び操作部4は、図13・図14及び図16・図17の矢印X3・X4に沿う方向への回動については、図13・図14に示す状態と図16・図17に示す状態との間の範囲内において回動自在となっている。これと同様に、矢印X6・X5に沿う方向への回動についても同角度の回動範囲内で回動自在となっている。
【0087】
そして、本実施形態の外科用処置具1においては、処置部3の上下方向(図12の矢印Y1方向)の回動と、左右方向(図13・図14の矢印X3・X6方向)の回動とは、同時に実行することができるようになっている。つまり、操作部4を任意に図12の矢印Y2方向及び図13・図14の矢印X4・X5方向へと回動操作することによって、処置部3を任意に所定の範囲内で自在に回動させることができるようになっている。
【0088】
さらに、操作部4を任意に回動させた状態において、術者は第2ハンドル39を第1ハンドル37に対して図18に示す矢印Y方向に向けて(開方向へ向けて)操作すると、当該第2ハンドル39は、第2開閉枢支ピン38を回動中心として所定の範囲内で回動する。すると、この第2ハンドル39の回動に連動して、第5連結部材44・第4連結部材43(図6・図7参照)を介して第3連結部材41が図18に示す矢印S方向に進退する。これと共に第1駆動棒5も連動して同S方向に進退移動する。
【0089】
こうして第1駆動棒5が同方向へと進退移動すると、第2連結部材18・第1連結部材16(図4参照)も同方向へと移動する。したがって、第1処置片12は、第1開閉枢支ピン13を回動中心として第2処置片14を図18に示す矢印Y3方向へと回動させる。その結果、第2処置片14は、第1処置片12に対して任意に所定の範囲内で開閉動作することになる。
【0090】
そして、処置部3を図18に示す開状態としたときに、例えば操作部4を図19に示す矢印Y2方向へと回動させると、処置部3は、その開状態を保持したままで同図の矢印Y1へと回動する。つまり、処置部3の開閉状態を維持しながら、操作部4を回動操作することで当該処置部3を任意に回動させることができる。また、処置部3がその移動可能範囲内における任意の位置にあるときに、操作部4の開閉操作をすることで処置部3の開閉動作をいつでも実行することができる。
【0091】
以上説明した本実施形態の外科用処置具1において、各構成部材を連結するリンク配置と、これを構成する各軸及び各支点(ピン)の離間距離について、図20のリンク構成概念図を用いて以下に説明する。
【0092】
なお、図20において、破線で示すのは、挿入部2の先端側に配設される処置部3を挿入部2の基端側へ向けてその軸方向Sに沿って平行移動した場合の仮想線である。つまり、挿入部2を排除して処置部3と操作部4とを直接的に連結した場合を想定した仮想線を示している。
【0093】
まず、処置部3のリンク構成は、次のようになっている。即ち、図20に示すように第1処置片12と第2処置片14とが第1開閉枢支ピン13によって開閉自在に連結されている。第1処置片12の基端側には第1枢支ピン11(第1回動軸)と第2枢支ピン20とが連結されており、第2処置片14の基端側には第2処置片14の腕部14bを介して距離B2を隔てた位置に第1連結ピン15(第1関節)が連結されている。
【0094】
第1枢支ピン11の基端側には、図20に示す矢印S方向における距離A3を隔てて第1枢支軸9(第2回動軸)が設けられており、第2枢支ピン20の基端側には同図矢印S方向への所定の距離B3(距離A3と同一距離に設定するのが望ましい)を隔てて第1回動ピン22及び第2回動ピン23が設けられている。
【0095】
また、第1連結ピン15の基端側には、同図矢印S方向における距離A1を隔てて第2連結ピン17(第2関節)が設けられており、さらにこの第2連結ピン17の基端側には第3連結ピン19が設けられている。
【0096】
一方、操作部4のリンク構成は、次のようになっている。即ち、同図に示すように第1ハンドル37と第2ハンドル39とが第2開閉枢支ピン38によって開閉自在に連結されている。第1ハンドル37の一端側には、第3枢支ピン35と第4枢支ピン45とが連結されており、第2ハンドル39の一端側には、第2処置片14の腕部14bと同一の離間距離(距離B2)を隔てた位置に第5連結ピン49(第3関節)が連結されている。
【0097】
第3枢支ピン35から処置部3寄りの側(前方)には、離間距離A4を隔てた位置に第2枢支軸32(回動軸)が設けられており、第4枢支ピン45の前方には、同図矢印S方向への所定の離間距離(距離A4と同一距離に設定するのが望ましい)を隔てて第3回動ピン47及び第4回動ピン48が設けられている。
【0098】
また、第5連結ピン49の一端側には、第1連結ピン15と第3連結ピン19との離間距離と同一の離間距離B4だけ隔てた位置に力点軸43aが設けられており、また他端側には、所定の離間距離を隔てて第4連結ピン42(第4関節)が設けられている。
【0099】
ここで、破線上の仮想符号(15)で示す軸(ピン)は、第5連結ピン49に相当する位置に存在する。そして、この第5連結ピン49の一側には、同図矢印S方向に距離A2を隔てた位置に第4連結ピン42が設けられている。
【0100】
即ち、
第1開閉枢支ピン13は、第2開閉枢支ピン38に相当し、
第1枢支ピン11は、第3枢支ピン35に相当し、
第2枢支ピン20は、第4枢支ピン45に相当し、
第1連結ピン15は、第5連結ピン49に相当し、
第3連結ピン19は、力点軸43aに相当する。
以上のような関係となっていることがわかる。
【0101】
他方、処置部3と操作部4との間の部位には、両者を連結するための挿入部2のリンク構成が存在する。
【0102】
即ち、第1枢支軸9と第2枢支軸32とには、同図矢印S方向における距離L2を隔てて外科用処置具1の支持体(第1支持部8及び第2支持部31)が連結されている。
【0103】
第1回動ピン22と第3回動ピン47との間、第2回動ピン23と第4回動ピン48との間には、それぞれが所定の距離(距離L2と同一距離に設定されるのが望ましい)を隔て得るように第2駆動棒6及び第3駆動棒7が配設されている。
【0104】
また、第2連結ピン17と第4連結ピン42とは、同図矢印S方向における距離L1を隔て得るように第1駆動棒5が配設されている。
【0105】
そして、本実施形態においては、各軸及び各支点(ピン)の離間距離は、
L1=L2
A1=A3
A1=A2
となるように構成している。
【0106】
なお、距離A3及び距離A4については、略同一距離となるように、即ち、
A3=A4
となるように構成するのが望ましい。
【0107】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、処置部3を操作部4の側に平行移動した場合と同様の関係(平行写像関係)となるように処置部3を開閉させるためのリンク構成を形成したので、処置部3が取り得る任意の姿勢において、操作部4の開閉操作を行なうことで、いつでも処置部3の開閉動作を実行することが容易にできる。
【0108】
次に、本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。
図21・図22・図23は、本発明の第2の実施形態の外科用処置具を示す図である。このうち、図21・図22は本実施形態の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、図21は当該処置部の上面側を主に示し、図22は当該処置部の下面側を主に示している。また、図23は本実施形態の外科用処置具の操作部から一部の部材(ハンドル及びガード)を取り外した状態を示す要部拡大斜視図であって、その下面側を主に示している。
【0109】
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様のものであり、一部の部材形状が若干異なるのみである。したがって、本実施形態では、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその説明及び図示を省略し異なる部位についてのみ、以下に詳述する。
【0110】
本実施形態の外科用処置具(1)の処置部3において、第1連結ピン15(図21・図22参照)と第2連結ピン17(図22参照)との間の図21・図22に示す矢印S方向における離間距離(図20の距離A1参照)は、上述の第1実施形態の場合に比べて長くなるように設定されている。そのために、当該処置部3における第1連結部材16Aは、上述の第1の実施形態の第1連結部材16に比べて、その形状が若干異なるように形成されている。
【0111】
また、本実施形態の外科用処置具(1)の操作部4においては、第4連結ピン42(図23参照)と第5連結ピン49(図示せず;図20参照)との間の離間距離、即ち第4連結ピン42と、処置部3を操作部4の側へと平行移動したと仮定した場合において第1連結ピン15が配置され得べき部位(図20参照)との間の図23の矢印S方向における離間距離(図20の距離A2参照)は、上述の第1の実施形態の場合に比べて短くなるように設定されている。そのために、当該操作部4における第3連結部材41Aは、上述の第1の実施形態の第3連結部材41に比べて、その形状が若干異なるように、つまり第4連結ピン42の配設位置が若干異なるように形成されている。
【0112】
そして、処置部3のがわの第2連結ピン17と、操作部4のがわの第4連結ピン42との間の挿入部2の軸方向Sに沿う方向での離間距離(図20参照)は、上述の第1の実施形態と同様に距離L1を有するように構成されている。
【0113】
より簡略に示すと、本実施形態においては、
L1=L2
となるように構成されている一方、
A1≠A3
A1≠A2
となるように構成されている。
【0114】
なお、距離A3及び距離A4については、略同一距離となるように、即ち、
A3=A4
となるように構成するのが望ましい点は上述の第1の実施形態と同様である。 その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。また、本実施形態における作用も、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0115】
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。これと共に、本外科用処置具1において取り得るいずれの姿勢において、処置部3及び操作部4の開閉動作を円滑に行なわしめることができ、よって、当該外科用処置具1を使用する際の操作性の向上に寄与することができる。
【0116】
また、本実施形態におけるリンク構成を採用すれば、処置部3の開閉リンク機構(開閉操作手段)を構成する所定の部位、即ち図20において示す符号A1及び符号A3に相当する部位が、例えば寸法的な制約等によって、距離A1=距離A3の関係で構成し得ないような場合でも、上述の第1の実施形態と同様の効果を得るようにすることができる。
【0117】
次に、本発明の第3の実施形態について、以下に説明する。
図24〜図33は、本発明の第3の実施形態の外科用処置具を示す図であって、図24は、本実施形態の外科用処置具の全体構成の概略を示す斜視図である。図25・図26・図27は、図24の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図である。このうち、図25は当該処置部の上面側を主に示し、図26は当該処置部の下面側を主に示している。また、図27は当該処置部を開放状態にしたときの、その上面側を主に示している。図28・図29は、図24の外科用処置具における操作部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、図28は当該操作部の上面側を主に示し、図29は当該操作部の下面側を主に示している。図30・図31・図32は、図24の外科用処置具の操作部から一部の部材を取り外した状態を示す要部拡大斜視図である。このうち、図30は当該操作部からハンドル及びガードの一部を取り外した状態を示している。また、図31・図32は当該操作部からハンドル及びガードを取り外した状態を示し、図31はその上面側を主に示し、図32はその下面側を主に示している。そして、図33は、本実施形態の外科用処置具におけるリンク構成を概念的に示すリンク構成概念図である。
【0118】
本実施形態の基本的な構成も、上述の第1の実施形態と略同様のものであり、一部の部材構成が若干異なるのみである。したがって、本実施形態では、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその説明及び図示を省略し異なる部位についてのみ、以下に詳述する。
【0119】
図25〜図27に示すように、本実施形態の外科用処置具1Aの処置部3Aにおいては、上述の第1の実施形態の外科用処置具1の処置部3における第3連結ピン19(図2〜図4参照)を除去した形態で構成している。
【0120】
したがって、第2処置片14の基端側の腕部14bには、その先端部に第1連結ピン15が設けられており、これを介して第1連結部材16Bの一端部が連結されている。また、この第1連結部材16Bの他端部には、第2連結ピン17(図25では図示できず。図26参照)が設けられており、これを介して第2連結部材18Aの一端部が連結されている。そして、この第2連結部材18Aの他部は、第1駆動棒5に直接的に所定の手段により連結されている。
【0121】
一方、図28〜図32に示すように、本実施形態の外科用処置具1Aの操作部4Aにおいては、上述の第1の実施形態における第5連結ピン49及び第5連結部材44を除去した形態で構成している。したがって、第2ハンドル39Aに対して第4連結部材43Aの力点軸43Aaが直接的に所定の手段を用いて連結されており、力点軸43Aaは、第3連結部材41Bの側面に配設される力点軸収容孔41cに回動自在に嵌合している。
【0122】
また、図31・図32に示すように、本実施形態においては、上述の第1の実施形態におけるクレードル50及びその周辺の構成部材を除去して構成している。これによって、第3回動板34A・第4回動板46A・第3連結部材41Bは、上述の第1の実施形態における第3回動板34・第4回動板46・第3連結部材41(図8〜図11等参照)に比べて簡略化した形態で構成されている。
【0123】
さらに、本実施形態におけるリンク構成については、図33に示すようになる。即ち、第2連結ピン17と第4連結ピン42との間の図に示す矢印S方向における離間距離L1と、第1枢支軸9と第2枢支軸32との間の同図矢印S方向における離間距離L2とは、
L1=L2
となるように構成されている。
【0124】
そして、第1連結ピン15と第2連結ピン17との間の矢印S方向における離間距離A1と、第1枢支ピン11と第1枢支軸9との間の矢印S方向における離間距離A3とは、
A1=A3
となるように構成されている。
【0125】
また、第1連結ピン15と第2連結ピン17との間の矢印S方向における離間距離A1と、第4連結ピン42と力点軸43Aa(処置部3Aを操作部4Aの側へと平行移動したと仮定した場合において第1連結ピン15が配置され得べき部位)との間の矢印S方向における離間距離A2とは、
A1=A2
となるように構成されている。
【0126】
なお、距離A3及び距離A4については、略同一距離となるように、即ち、
A3=A4
となるように構成するのが望ましい点は上述の第1の実施形態と同様である。
その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0127】
このように構成された本実施形態の外科用処置具1Aの作用を、以下に簡単に説明する。
本実施形態の外科用処置具1Aにおいて、操作部4Aを図28に示す矢印Y方向へと回動操作することによって、処置部3Aは、図25に示す矢印Y方向(挿入部2の軸方向Sに沿う方向に対して上下方向)へと回動する。図25・図28は、この場合における最大屈曲姿勢を示している。
【0128】
即ち、本実施形態の外科用処置具1Aにおける処置部3Aは、図25に示す矢印Y方向について、処置部3及び操作部4が挿入部2に対して共に水平(角度0度)となる状態(図24参照)と、処置部3及び操作部4が挿入部2に対して角度略60度となる状態(図25・図28に示す最大屈曲姿勢参照)との間の範囲内で回動自在となっている。
【0129】
このように、本実施形態においては、上述の第1の実施形態に比べて処置部3Aの上下方向における回動範囲が若干狭くなっている。このことは、上述したように、本実施形態の処置部3Aにおいては、上述の第1の実施形態における第3連結ピン19を除去し、簡略化した形態で構成したことに起因する。つまり、処置部3Aを開閉させるための開閉リンク機構(開閉操作手段)の構成が操作部4のがわに若干移動した位置に配置されているからである。しかしながら、外科用処置具1Aを使用するに際しては充分な回動範囲は確保している。
【0130】
なお、左右方向の回動については、上述の第1の実施形態と全く同等の回動範囲が確保されている。また、その他の作用、例えば処置部3Aの開閉動作等については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0131】
以上説明したように上記第3の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに、処置部3Aのリンク構成を上述の第1の実施形態に比べてより簡略化しながら、略同等の動作範囲を確保することができる。したがって、装置全体の簡素化に寄与し、製造コストの低減化にも寄与することができる。
【0132】
次に、本発明の第4の実施形態について、以下に説明する。
図34・図35・図36は、本発明の第4の実施形態の外科用処置具を示す図である。このうち、図34・図35は本実施形態の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、図34は当該処置部の上面側を主に示し、図35は当該処置部の下面側を主に示している。また、図36は本実施形態の外科用処置具の操作部から一部の部材(ハンドル及びガード)を取り外した状態を示す要部拡大斜視図であって、その下面側を主に示している。
【0133】
本実施形態の基本的な構成は、上述の第3の実施形態と略同様のものであって、一部の部材形状が若干異なるのみである。したがって、本実施形態では、上述の第3の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその説明及び図示を省略し異なる部位についてのみ、以下に詳述する。
【0134】
本実施形態の外科用処置具(1A)の処置部3Aにおいて、第1連結ピン15(図34・図35参照)と第2連結ピン17(図35参照)との間の図34・図35に示す矢印S方向における離間距離(図33の距離A1参照)は、上述の第3の実施形態の場合に比べて長くなるように設定されている。そのために、当該処置部3Aにおける第1連結部材16Cは、上述の第3の実施形態の第1連結部材16Bに比べて、その形状が若干異なるように形成されている。
【0135】
また、本実施形態の外科用処置具(1A)の操作部4Aにおいては、第4連結ピン42(図36参照)と、処置部3Aを操作部4Aの側へと平行移動したと仮定した場合において第1連結ピン15が配置され得べき部位(図33参照)、即ち図33に示す力点軸43Aaに相当する部位との間の図34・図35に示す矢印S方向における離間距離(図33に示す距離A2参照)は、上述の第3の実施形態の場合に比べて短くなるように設定されている。そのために、当該操作部4Bにおける第3連結部材41Bは、上述の第3の実施形態の第3連結部材41に比べて、その形状が若干異なるように、つまり第4連結ピン42の配設位置が若干異なるように形成されている。
【0136】
そして、処置部3Aのがわの第2連結ピン17と、操作部4Aのがわの第4連結ピン42との間の挿入部2の軸方向Sに沿う方向での離間距離(図33参照)は、上述の第3の実施形態と同様に距離L1を有するように構成されている。
【0137】
より簡略に示すと、本実施形態においても、第3の実施形態と同様に、
L1=L2
となるように構成されている一方、
A1≠A3
A1≠A2
となるように構成されている。
【0138】
なお、距離A3及び距離A4については、略同一距離となるように、即ち、
A3=A4
となるように構成するのが望ましい点も、上述の第3の実施形態と同様である。その他の構成については、上述の第3の実施形態と全く同様である。
【0139】
さらに、本実施形態の外科用処置具(1A)における作用は、上述の第3の実施形態と全く同様となる。
【0140】
以上説明したように、上記第4の実施形態によれば、上述の第3の実施形態と同様に、装置の簡略化を実現することによって、製造コストの低減化に寄与することができる。
【0141】
また、本実施形態におけるリンク構成を採用すれば、処置部3Aの開閉リンク機構(開閉操作手段)を構成する所定の部位、即ち図33において示す符号A1及び符号A3に相当する部位が、例えば寸法的な制約等によって、距離A1=距離A3の関係で構成し得ないような場合でも、上述の第3の実施形態と同様の効果を得るようにすることができる。
【0142】
次に、本発明の第5の実施形態について、以下に説明する。
図37は、本発明の第5の実施形態の外科用処置具におけるリンク構成を概念的に示すリンク構成概念図である。
【0143】
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1・第2の実施形態と略同様のものであって、リンク構成の形態が異なるのみである。
【0144】
したがって、本実施形態においては、装置の構成それ自体の詳細な説明及び図示は省略し、そのリンク構成において異なる部分についてのみ、以下に詳述する。なお、各構成部材等を明示するに際しては、上述の第1・第2の実施形態において用いたのと同じ構成部材に対して、同じ符号を附して説明する。
【0145】
本実施形態において、処置部3Bを開閉させるための開閉リンク機構(開閉操作手段)は、次のようになっている。即ち、処置部3Bの基端部に設けられる第1連結ピン15の基端側に第2連結ピン17が設けられ、この第2連結ピン17の基端側に第3連結ピン19が設けられている。
【0146】
一方、操作部4Bの先端側においては、処置部3Bを操作部4Bの側へと平行移動したと仮定した場合において第1連結ピン15が配置され得べき部位(図37の点線参照)に第5連結ピン49が設けられ、この第5連結ピン49の基端側に第4連結ピン42が設けられている。この第4連結ピン42の基端側には、同様に処置部3Bを操作部4Bの側へと平行移動したと仮定した場合において第3連結ピン19が配置され得べき部位に力点軸43aが設けられている。
【0147】
また、処置部3Bを回動させるための回動リンク機構は、次のようになっている。即ち、処置部3Bの基端部に設けられる第1枢支ピン11の基端側に第1枢支軸9が設けられ、第2枢支ピン20の基端側に第1回動ピン22及び第2回動ピン23が設けられている。
【0148】
一方、操作部4Bの先端側においては、処置部3Bを操作部4Bの側へと平行移動したと仮定した場合において第1枢支ピン11が配置され得べき部位に第3枢支ピン35が設けられ、この第3枢支ピン35の基端側に第2枢支軸32が設けられている。また、同様に処置部3Bを操作部4Bの側へと平行移動したと仮定した場合において第2枢支ピン20が配置され得べき部位に第4枢支ピン45が設けられ、この第4枢支ピン45の基端側に第3回動ピン47及び第4回動ピン48が設けられている。
【0149】
そして、本実施形態においては、第2連結ピン17と第4連結ピン42との間の図に示す矢印S方向における離間距離L1と、第1枢支軸9と第2枢支軸32との間の同図矢印S方向における離間距離L2とは、上述の第1の実施形態と同様に、
L1=L2
となるように構成されている。
【0150】
また、第1連結ピン15と第2連結ピン17との間の矢印S方向における離間距離A1と、第1枢支ピン11と第1枢支軸9との間の矢印S方向における離間距離A3とは、上述の第1の実施形態と同様に、
A1=A3
となるように構成されている。
【0151】
さらに、第1連結ピン15と第2連結ピン17との間の矢印S方向における離間距離A1と、第4連結ピン42と第5連結ピン49(処置部3Bを操作部4Bの側へと平行移動したと仮定した場合において第1連結ピン15が配置され得べき部位)との間の矢印S方向における離間距離A2とは、上述の第1の実施形態と同様に、
A1=A2
となるように構成されている。
【0152】
なお、距離A3及び距離A4については、略同一距離となるように、即ち、
A3=A4
となるように構成するのが望ましい点は上述の第1の実施形態と同様である。 その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。また、本実施形態における作用も、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0153】
以上説明したように上記第5の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、処置部3を操作部4の側に平行移動したと仮定した場合と同様の関係となるように、処置部3を開閉させるためのリンク構成及び同処置部3を回動させるためのリンク構成を形成したので、処置部3が取り得る任意の姿勢において、操作部4の開閉操作及び回動操作を行なうと、いつでも処置部3の開閉動作及び回動動作を実行することが容易にできる。
【0154】
なお、上述の第5の実施形態においては、上述の第2・第4の実施形態と同様に、
L1=L2
A1≠A3
A1≠A2
となるように構成してもよい
この場合においても、距離A3及び距離A4については、略同一距離となるように、即ち、
距離A3=距離A4
となるように構成するのが望ましいのは同様である。
【0155】
このような構成とした場合にも、上述の第2・第4の実施形態と同様に作用することになる。
【0156】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、処置部を開閉する開閉操作手段と、同処置部を回動させる回動操作手段との連動性を向上させ、当該処置部の取り得るあらゆる姿勢においても、操作部による操作姿勢と処置部の動作とが略一致するように構成し、これによって良好な操作性を備えた外科用処置具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の外科用処置具の全体構成の概略を示す斜視図。
【図2】図1の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、当該処置部の上面側を主に示す図。
【図3】図2の処置部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図4】図2の処置部を開放状態にしたときの上面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図5】図1の外科用処置具における操作部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、当該操作部の上面側を主に示す図。
【図6】図5の操作部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図7】図5の操作部から一部の部材(ハンドル及びガードの一部)を取り外した状態を示す要部拡大斜視図。
【図8】図5の操作部から一部の部材(ハンドル及びガード)を取り外した状態の上面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図9】図8に示す状態の操作部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図10】図8に示す状態の操作部からさらに他の構成部材を取り外した状態の上面側を示す要部拡大斜視図。
【図11】図10に示す状態の操作部の下面側を示す要部拡大斜視図。
【図12】図1の外科用処置具における動作形態を示し、当該外科用処置具の処置部が水平状態にある場合の側面図。
【図13】図12に示す状態(処置部が水平状態)の外科用処置具の上面側の平面図。
【図14】図12に示す状態(処置部が水平状態)の外科用処置具の下面側の平面図。
【図15】図12に示す状態の処置部を上方(矢印Y1)に向けて回動させた場合の状態を示す側面図。
【図16】図13に示す状態の処置部を所定方向(矢印X3方向)に回動させた場合を示す上面側の平面図。
【図17】図14に示す状態の処置部を所定方向(矢印X3方向)に回動させた場合を示す下面側の平面図。
【図18】図12に示す状態の処置部を開放状態に変位させた場合を示す側面図。
【図19】図18に示す状態(処置部が水平状態かつ開放状態)にある処置部を上方に向けて回動させた状態を示す側面図。
【図20】本発明の第1の実施形態の外科用処置具におけるリンク構成を概念的に示すリンク構成概念図。
【図21】本発明の第2の実施形態の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、当該処置部の上面側を主に示す図。
【図22】図21の処置部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図23】本発明の第2の実施形態の外科用処置具の操作部から一部の部材(ハンドル及びガード)を取り外した状態の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図24】本発明の第3の実施形態の外科用処置具の全体構成の概略を示す斜視図。
【図25】図24の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、当該処置部の上面側を主に示す図。
【図26】図25の処置部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図27】図25の処置部を開放状態にしたときの要部拡大斜視図であって、当該処置部の上面側を主に示す図。
【図28】図24の外科用処置具における操作部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、当該操作部の上面側を主に示す図。
【図29】図28の操作部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図30】図28の操作部から一部の部材(ハンドル及びガードの一部)を取り外した状態を示す要部拡大斜視図。
【図31】図28の操作部から一部の部材(ハンドル及びガード)を取り外した状態の上面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図32】図31の操作部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図33】本発明の第3の実施形態の外科用処置具におけるリンク構成を概念的に示すリンク構成概念図。
【図34】本発明の第4の実施形態の外科用処置具における処置部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、当該処置部の上面側を主に示す図。
【図35】図34の処置部の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図36】本実施形態の外科用処置具の操作部から一部の部材(ハンドル及びガード)を取り外した状態の下面側を主に示す要部拡大斜視図。
【図37】本発明の第5の実施形態の外科用処置具におけるリンク構成を概念的に示すリンク構成概念図。
【符号の説明】
1・1A……外科用処置具
2……挿入部
2a……シース
2b……気密手段
3・3A・3B……処置部
4・4A・4B……操作部
5……第1駆動棒(駆動棒)
6……第2駆動棒(駆動棒)
7……第3駆動棒(駆動棒)
8……第1支持部(支持体)
8a……すり割り部
9……第1枢支軸(二つの回動軸のうちの一つ;第2回動軸)
10……第1回動板
11……第1枢支ピン(第1回動軸)
12……第1処置片(回動処置片)
12a・14a……把持面
12b……基端部(第1処置片の)
13……第1開閉枢支ピン(第1開閉軸;処置部側の開閉軸)
14……第2処置片(開閉処置片)
14b……腕部(第2処置片の)
15……第1連結ピン(第1関節)
16・16A・16B・16C……第1連結部材
17……第2連結ピン(二つの関節のうちの一つ;第2関節)
18・18A……第2連結部材
19……第3連結ピン
20……第2枢支ピン
21……第2回動板
21a……凸部(第2回動板の)
21b……本体部(第2回動板の)
22……第1回動ピン
23……第2回動ピン
31……第2支持部(支持体)
31a……すり割り部
32……第2枢支軸(二つの回動軸のうちの一つ)
34・34A……第3回動板
34a……第2平行ガイドピン受容孔
35……第3枢支ピン
36……第1ハンドル連結部材
37・37A・37B……第1ハンドル(回動操作片)
37a……第1グリップ
37b……サポート軸
37c……側面支持板
37e……腕部(側面支持板の)
37f……第1ハンドル連結軸
38……第2開閉枢支ピン(第2開閉軸;操作部側の開閉軸)
39・39A・39B……第2ハンドル(開閉操作片)
39a……第2グリップ
39b……第2ハンドル連結軸
39c……第2ハンドル連結部材
39e……一端部(第2ハンドル連結部材の)
40……ガイドピン
41・41A・41B・41C……第3連結部材
41a……第1溝部
41b……第2溝部
41c……力点軸収容孔
41d……すり割り部
42……第4連結ピン(二つの関節のうちの一つ;第4関節)
43・43A……第4連結部材
43a・43Aa……力点軸
44……第5連結部材
45……第4枢支ピン
46・46A……第4回動板
46a……第1平行ガイドピン受容孔
46d……すり割り部
47……第3回動ピン
48……第4回動ピン
49……第5連結ピン(第3関節)
50……クレードル
51……第1平行ガイドピン
52……第2平行ガイドピン
53……第3平行ガイドピン
61……第1ガード部材
62……第2ガード部材
63……第3ガード部材
64……第4ガード部材
70……ラチェット手段
71……開放ばね手段
Claims (4)
- 挿入部と、この挿入部の先端部に備えられ前記挿入部の軸に対して回動可能及び開閉可能な処置部と、前記挿入部の基端部に備えられ、前記挿入部の軸に対して回動可能及び開閉可能な操作部と、前記処置部と前記操作部とを連結する支持体と、前記支持体に対して平行又は略平行かつ進退自在に配置される複数の駆動棒とからなる外科用処置具において、
前記処置部の開閉操作手段と前記操作部の開閉操作手段とが前記挿入部に沿う平行写像関係にあることを特徴とする外科用処置具。 - 前記駆動棒のうちの少なくとも一本の駆動棒の先端側及び基端側に設けられ前記処置部の開閉軸に対して垂直方向の軸を有する二つの関節の離間距離と、前記支持体の先端側及び基端側に設けられ前記処置部の開閉軸に対して垂直方向の軸を有する二つの回動軸の離間距離とが等長に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の外科用処置具。
- 前記処置部は、前記支持体に対して回動可能な回動処置片と、この回動処置片に対し第1開閉軸を介して開閉可能に連結された開閉処置片とからなり、
前記開閉処置片の基端部に備えられた第1関節とその基端側に隣接する第2関節との離間距離と、前記回動処置片の基端部に設けられた第1回動軸とその基端側に隣接する第2回動軸との離間距離とが等長に構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外科用処置具。 - 前記操作部は、前記支持体に対して回動可能な回動操作片と、この回動操作片に対し第2開閉軸を介して開閉可能に連結された開閉操作片とからなり、
前記開閉操作片に備えられた第3関節と、実質的に前記第3関節に隣接する前記駆動棒上に設けられた第4関節との前後方向の離間距離と、前記開閉処置片の基端部に備えられた第1関節とその基端側に隣接する第2関節との離間距離とが等長に構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の外科用処置具。
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