JP2004089137A - 培養装置および培地交換方法 - Google Patents

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Hiroki Hibino
日比野 浩樹
Hiroyuki Irie
入江 洋之
Akira Inoue
井上 晃
Hideki Koyanagi
小柳 秀樹
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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/02Form or structure of the vessel
    • C12M23/04Flat or tray type, drawers

Abstract

【課題】簡易な構成で培地交換作業の自動化を図る。
【解決手段】細胞を培養する細胞培養部2と、培地Aを貯留する培地貯留部3とを備え、細胞培養部2が、その上部に、該細胞培養部2内に収容されている培地Aの上方から培地貯留部3に貯留されている培地Aを供給可能な供給口2aと、細胞培養部2内に収容されている培地Aの液位が所定の液位に達したときに、培地Aを細胞培養部2外に流出させる流出口2bとを備える培養装置1を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、培養装置および培地交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、間葉系幹細胞等の幹細胞は、様々な組織に分化でき、その組織を再生することができる細胞として知られている。間葉系幹細胞は、骨髄液等に含まれている。しかしながら、骨髄液等から採取可能な間葉系幹細胞はごく微量であり、組織の再生に必要な量の間葉系幹細胞を得るためには、骨髄液等に含まれる間葉系幹細胞を培養することにより増殖させる必要がある。
【0003】
間葉系幹細胞を培養するには、患者から採取した骨髄液を平坦な培養容器上に播種して、適当な培地内において培養する。骨髄液内の赤血球や白血球などの造血系の細胞は培地内に浮遊する一方、間葉系幹細胞は培養容器の底面に付着して増殖する性質を有している。したがって、培地交換によって造血系の細胞を廃棄することにより、培養容器の底面に付着して増殖した間葉系幹細胞のみを抽出することが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−69508号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
特公平3−57744号公報(第7頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、培地交換作業は、作業者が培養容器を持ち上げて傾斜させ培養容器から培地を流出させた後に、新たな培地を電動ピペット等によって培養容器内に供給していた。
しかしながら、多種の細胞を培養する場合には、作業者による培地交換作業は現実的ではなく、これを自動化する必要がある。この場合に、作業者による培地交換作業をそのまま装置に置き換えたのでは、装置が複雑になる不都合がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で培地交換作業の自動化を図ることができる培養装置および培地交換方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、細胞を培養する細胞培養部と、培地を貯留する培地貯留部とを備え、前記細胞培養部が、その上部に、該細胞培養部内に収容されている培地の上方から前記培地貯留部に貯留されている培地を供給可能な供給口と、細胞培養部内に収容されている培地の液位が所定の液位に達したときに、培地を細胞培養部外に流出させる流出口とを備える培養装置を提供する。
【0008】
この発明によれば、培地貯留部に貯留されている培地が供給口から供給されると、細胞培養部内に培地が貯留される。供給口は、細胞培養部内に収容されている培地の上方から培地を供給するので、供給口が細胞培養部内の培地に接触することがなく、廃培地によって汚染されることがない。また、供給口から新たな培地を供給されることにより、細胞培養部内の培地の液位が所定の液位に達すると、培地は流出口から細胞培養部外に流出させられるので、細胞培養部内の培地が順次新たな培地へと入れ替わり、簡易に培地交換されることになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の培養装置において、前記培地貯留部の液位が、前記細胞培養部の液位よりも高い位置に配置され、重力により培地を供給する培養装置を提供する。
この発明によれば、重力を利用して培地を供給できるので、動力を低減して装置を簡易なものとすることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の培養装置において、前記培地貯留部から細胞培養部への培地の流量を調節する流量調節手段が設けられている培養装置を提供する。
この発明によれば、流量調節手段の作動により、細胞培養部に供給される培地の流量を適正な量に調節することが可能となる。したがって、培地を徐々に供給することにより連続的に培地交換を行い、あるいは、定期的に培地の流量を増大させることにより定期的に培地交換を行うことが可能となる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の培養装置において、前記流量調節手段が、前記培地貯留部または前記細胞培養部を昇降させて、前記培地貯留部内の液位の前記細胞培養部内の液位に対する相対的な高さを調節する昇降手段である培養装置を提供する。
この発明によれば、昇降手段の作動により培地貯留部または細胞培養部の一方が他方に対して昇降させられ、両者内に収容されている培地の液位の相対的な高さが調節される。これにより、培地貯留部内の液位を細胞培養部内の液位より高くし、その相対的な高さを増減することにより、培地貯留部から細胞培養部へ供給される培地の流量を調節することが可能となる。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の培養装置において、前記細胞培養部が、筒状の側壁と、該側壁内に密封状態に嵌合される底面部材と、前記側壁の上部に設けられた流出口と前記底面部材との相対的な高さを変更可能な相対高さ変更手段とを備える培養装置を提供する。
この発明によれば、筒状の側壁と、該側壁内に嵌合される底面部材とにより構成された細胞培養部内に培地を貯留して細胞の培養が行われる。培地交換を行う際には、相対高さ変更手段を作動させることにより、筒状の側壁に対して底面部材を相対的に上昇させることで、細胞培養部の深さを低減していき、培地を側壁の上部から外部に流出させることが可能となる。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の培養装置において、前記細胞培養部の下方に廃培地貯留部が設けられた容器本体と、前記細胞培養部において細胞の培養を行う中立位置から前記容器本体を傾斜させる揺動手段とを備える培養装置を提供する。
この発明によれば、揺動手段を作動させて容器本体を中立位置に配することにより、細胞培養部内に培地と細胞とを混合したものを貯留して細胞の培養が行われる。また、培地交換時には、揺動手段を作動させて、容器本体を中立位置から傾斜させることにより、細胞培養部の液位を変化させ、流出口から培地を排出する。細胞培養部の下方には廃培地貯留部が設けられているので、排出された培地は廃培地貯留部に貯留されることになる。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の培養装置において、前記容器本体内の細胞培養部の上方に、培地貯留部が固定され、該培地貯留部の上部に、該培地貯留部に収容されている培地の液位が所定の液位に達したときに、培地を細胞培養部に流出させる流出口が設けられ、該培地貯留部の流出口と前記細胞培養部の流出口とが、前記容器本体の揺動方向に沿って逆方向に配置されている培養装置を提供する。
【0015】
この発明によれば、揺動手段を作動させて、容器本体を一方向に傾斜させることにより細胞培養部から廃培地貯留部へ培地を排出した後に、揺動手段により容器本体を逆方向に傾斜させることにより、細胞培養部の上方に配されている培地貯留部内の培地の液位をを変化させて、その流出口から培地を流出させる。培地貯留部の下方には細胞培養部が設けられているので、培地貯留部の流出口から排出された培地は細胞培養部に供給され、培地交換が行われることになる。
【0016】
請求項8に係る発明は、細胞を培養する細胞培養部に、培地を貯留する培地貯留部から培地を供給し、前記細胞培養部から培地を溢れさせることにより、細胞培養部内の培地を交換する培地交換方法を提供する。
細胞培養部に培地貯留部から培地を供給すると新たに供給された培地は細胞培養部内に既に貯留されている培地と混合され、一部が細胞培養部から溢れて排出される。そして、培地貯留部からの培地の供給を継続することにより、既に貯留されていた培地が新たに供給された培地に徐々に置き換わり、培地交換が行われることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態に係る培養装置および培地交換方法について、図1を参照して、以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置1は、細胞を培養する細胞培養部2と、培地Aを貯留する培地貯留部3と、不要となった培地である廃培地A’を貯留する廃培地貯留部4とを備えている。
培地貯留部3には、その底部に、培地を流出させる供給管5が接続されている。供給管5の途中位置には、流出する培地Aの流量を調節するための流量調節バルブ6が配置されている。
【0018】
前記細胞培養部2は、上方を開口した有底筒状の容器であって、内部に培地Aを貯留可能に設けられている。上部開口2aは、前記培地貯留部3からの培地Aを受け入れる供給口を構成している。また、細胞培養部2は、貯留している培地Aの液位が所定の高さ以上になったときに、その上縁に配されている流出口2bから培地A’を溢れさせるように構成されている。
前記廃培地貯留部4は、前記細胞培養部2の下方に配置され、細胞培養部2の流出口2bから流出する培地A’を受け止めることができるようになっている。
【0019】
このように構成された本実施形態に係る培養装置1によれば、細胞培養部2内に適当な培地Aを貯留し、かつ、培地A内に細胞を投入した状態で、所定の培養条件、例えば、37±0.5℃、5%CO濃度に保持することにより、細胞の培養が行われる。細胞、特に、間葉系の幹細胞は、細胞培養部2の底面2cに付着して成長する。
【0020】
この場合において、本実施形態に係る培養装置1では、流量調節バルブ6を調節することにより、適当な流量の培地Aが、培地貯留部3から供給管5を介して、常時、細胞培養部2に滴下される。すなわち、細胞の培養中に培地A内から栄養分が消費される以上の速度で、培地貯留部3から新たな培地Aを滴下させることにより、栄養分が常時補給され、適正な培養条件が達成されることになる。
【0021】
また、新たな培地Aを供給されることにより、細胞培養部2内の培地Aの液位が上昇する。この場合において、培地Aの液位が細胞培養部2の流出口2bを超えると、該流出口2bから溢れた培地A’が細胞培養部2から流出し、その下方に配されている廃培地貯留部4に排出される。したがって、本実施形態に係る培養装置1によれば、細胞培養部2の培地Aが常時入れ替えられるので。常に適正な培養条件下において細胞の培養を行うことが可能となる。しかも、細胞培養部2への新たな培地Aの供給を細胞培養部2の上方から滴下させることにより行い、かつ、廃培地A’の排出を細胞培養部2から溢れさせることにより行うので、培地交換の際に外部部材を培地Aに接触させることがなく、細菌等の感染を防止することができる。
【0022】
なお、上記実施形態においては、培地貯留部3から細胞培養部2への培地Aの供給を、微小流量で継続して行うことにより、細胞培養部2内の培地Aを常時入れ替えていく培地交換方法を提供しているが、これに代えて、定期的に所定量の培地Aを供給する方法を採用してもよい。
また、細胞の培養を開始した後の所定期間は、細胞を細胞培養部2の底面2cに定着させる必要があるため、培地Aを循環させないように静定させ、所定期間経過後から継続的な滴下を開始してもよい。
【0023】
また、上記実施形態においては、培地貯留部3から培地Aを供給することで、細胞培養部2内の培地Aの液位を上昇させ、細胞培養部2から培地Aを溢れさせることで培地Aの交換を行うこととしたが、これに代えて、図2に示されるように構成してもよい。すなわち、図2に実線で示す水平位置の細胞培養部2内において細胞を培養し、鎖線で示すように細胞培養部2を傾斜させて、培地Aの液位を変動させ、これによって培地交換を行うようにしてもよい。
【0024】
また、この場合に、培地貯留部からの供給管5の他に、トリプシンのような蛋白質分解酵素の供給管7を設けておき、細胞の培養が終了した後に、トリプシンを細胞培養部2に供給して、細胞培養部2の底面2cに付着している細胞を剥離させることにしてもよい。
【0025】
次に、この発明の第2の実施形態に係る培養装置10について、図3を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置10は、第1の実施形態に係る培養装置1と同様の細胞培養部2と、培地Aを貯留する培地貯留部3と、該培地貯留部3内の培地Aと細胞培養部2内の培地Aとを連絡する連絡管11と、培地貯留部3の液位の高さを調節する昇降装置12とを備えている。
【0026】
前記連絡管11は、柔軟に折り曲げ可能な材質からなり、その一端が培地貯留部3内の培地A内に開口し、他端が細胞培養部2内の培地A内に開口し、その内部全体に培地Aが充満している。これにより、連絡管11内の培地Aは、液位の高い方から低い方へ流れるようになっている。
【0027】
前記昇降装置は、例えば、エアシリンダやボールネジのような直動機構である。この昇降機構は、例えば、前記培地貯留部を搭載し、該培地貯留部内の培地の液面の高さを細胞培養部内の培地の液面の高さより常に高くなるように、培地貯留部を一定速度で上昇させるようになっている。
【0028】
このように構成された本実施形態に係る培養装置10の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置10によれば、細胞培養部2内に適当な培地Aを貯留し、かつ、培地A内に細胞を投入した状態で、所定の培養条件、例えば、37±0.5℃、5%CO濃度に保持することにより、細胞の培養が行われる。
【0029】
この場合において、本実施形態に係る培養装置10によれば、昇降装置12を作動させることにより、培地貯留部3を上昇させる。これにより、培地貯留部3内に貯留されている培地Aの液面の高さが細胞培養部2内に貯留されている培地Aの液面の高さよりも相対的に高い位置に配置される。したがって、培地貯留部3と細胞培養部2の培地Aどうしを連絡している連絡管11内の培地Aは、培地貯留部3から細胞培養部2側へと移動する。
【0030】
その結果、細胞培養部2には常に新しい培地Aが供給される。そして、細胞培養部2内の培地Aが所定の液位に達すると、培地Aは細胞培養部2の上縁に配されている流出口2bから流出して、その下方に配されている廃培地貯留部(図示略)に排出される。この状態においては、細胞培養部2内の培地Aの液面の高さは一定の高さに保持されるので、これに合わせて培地貯留部3の上昇速度を調節することにより、培地貯留部3内の培地Aの液面と細胞培養部2内の培地Aの液面との相対高さを一定に保持して、培地貯留部3から細胞培養部2への培地Aの流量を一定値に設定することができる。
【0031】
このように、本実施形態に係る培養装置10によれば、培地貯留部3を上昇させるだけで、細胞培養部2内の培地Aを常時入れ替えることができる。なお、昇降装置12による培地貯留部3の上昇を定期的に行うことにより、培地貯留部3から細胞培養部2への培地Aの供給を定期的に断続して行うことにしてもよい。
【0032】
また、上記実施形態においては、細胞培養部2の液面に対して培地貯留部3の液面が常に高くなるように培地貯留部3を上昇させることとしたが、これに代えて、培地貯留部3を固定し、細胞培養部2を下降させることにしてもよい。
【0033】
次に、この発明の第3の実施形態に係る培養装置20について、図4および図5を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置20は、図4に示されるように、円筒状の側壁21と該側壁21内を上下に移動可能な底面部材22とにより構成される細胞培養部23と、側壁21の外側に設けられた円環状の廃培地貯留部24と、前記底面部材22を昇降可能な昇降装置(相対高さ変更手段)25とを備えている。
【0034】
前記細胞培養部23を構成する側壁21内面と底面部材22との間は、例えば、図示しないOリングのようなシール部材によって、内部の培地Aが漏洩しないように密封されている。
前記細胞培養部23の上方には、図示しない培地貯留部から新たな培地Aを供給する供給管26が配置されている。
【0035】
このように構成された本実施形態に係る培養装置20の作用について以下に説明する。
本実施形態の培養装置20により細胞を培養するには、まず、図4に示されるように、昇降装置25を作動させることにより、底面部材22を側壁21の上端の流出口21aに対して所定距離だけ下降させた位置に停止させ、供給管26から新たな培地Aを供給する。この培地A内に、培養すべき細胞を混合する。そして、この状態で、所定の培養条件、例えば、37±0.5℃、5%CO濃度に保持することにより、細胞の培養が行われる。
【0036】
次に、本実施形態の培養装置20において培地の交換を行う場合には、図5に示されるように、昇降装置25を作動させることにより、側壁21内部において底面部材22を上昇させる。これにより、細胞培養部23内の液面の高さが上昇し、側壁21の上端の流出口21aを超えた時点で、培地Aが側壁21の流出口21aから溢れ、側壁21の外部に配置されている廃培地貯留部24に排出される。そして、細胞培養部23内の培地Aが所定量排出された時点で昇降装置25を作動させ、底面部材22を下降させることにより、新たな培地Aを収容可能なスペースを設ける。その後に、供給管26から新たな培地Aを細胞培養部23内に供給することにより、培地交換が行われることになる。
【0037】
このように本実施形態に係る培養装置20によれば、昇降装置25の作動による底面部材22の昇降動作だけで、培地Aを簡易に交換することができる。
なお、本実施形態においては、昇降装置25の作動により底面部材22を側壁21に対して昇降させることとしたが、これに代えて、底面部材22を固定し、側壁21を昇降させることによって、同等の効果を得るようにしてもよい。
また、側壁21を円筒状としたが、これに限定されるものではなく、内部に底面部材22を密封可能かつ昇降可能に嵌合させることができれば、任意の形状の筒状部材を側壁21としてもよい。
【0038】
次に、この発明の第4の実施形態に係る培養装置30について、図6から図10を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置30は、図6および図7に示されるように、密封可能な容器本体31と、該容器本体31を一水平軸線32回りに揺動させる揺動装置33とから構成されている。容器本体31の内部には、培地Aを貯留する培地貯留部34と、細胞を培養する細胞培養部35と、不要となった培地A’を貯留する廃培地貯留部36とが上から順に設けられている。
【0039】
前記廃培地貯留部36は、前記容器本体31の底部に形成されている。前記細胞培養部35および前記培地貯留部34は、それぞれ容器本体31の底面31aに平行な平板状の底面部材34a,35aと、該底面部材34a,35aの周囲に立ち上がる側壁31a,31b,31c,31d,34b,35bとから底面部材34a,35a上に培地Aを貯留可能に形成されている。
【0040】
本実施形態では、容器本体31が直方体状に形成されており、培地貯留部34および細胞培養部35の底面部材34a,35aは、それぞれ長方形の平板状に形成されている。各底面部材34a,35aの4辺から立ち上がる4つの側壁の内、3つ辺から立ち上がる3つの側壁は、それぞれ容器本体31の側壁31a,31b,31c,31dにより構成されている。残りの1つの辺は容器本体31の内面から離れた位置に配置され、その辺から立ち上がる側壁34b,35bは、容器本体31の内面に対して間隔をあけて平行に設けられている。また、それらの側壁34b,35bと容器本体31の内面との間には、底面部材34a,35aの上下の空間を連通する連通孔37,38がそれぞれ設けられている。
【0041】
また、前記側壁34b,35bの上方には、底面部材34a,35a上の培地Aを連通孔37,38へ流出させる流出口39,40がそれぞれ設けられている。これらの流出口39,40は、図6に示される容器本体31の揺動方向に沿って反対方向に向かって開口している。したがって、容器本体31を軸線32回りに回転させて一方向に傾けると一方の底面部材34a(35a)上の培地Aは流出口39(40)から遠ざけられて底面部材34a(35a)上に保持されるが、他方の底面部材35a(34a)上の培地Aは流出口40(39)から溢れ、連通孔38(37)を介してより下方へ流出するようになっている。
【0042】
このように構成された本実施形態に係る培養装置30の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置30において細胞を培養するには、図6および図7に示されるように、揺動装置33を作動させて、容器本体31の底面および底面部材34a,35aが水平に配される位置に停止させる。そして、細胞培養部35内に適当な培地Aと細胞とを投入し、所定の培養条件下に配することにより細胞が培養される。
【0043】
次いで、本実施形態に係る培養装置30において細胞培養部35内の培地Aを交換するには、まず、図8に示されるように、揺動装置33を作動させて容器本体31を一方向に傾ける。これにより、培地貯留部34内の培地Aは、流出口39から遠ざけられて培地貯留部34内に保持される。一方、細胞培養部35内の培地Aは、流出口40から溢れ、連通孔38を介してその下方に配されている廃培地貯留部36へ流出する。
【0044】
その後に、図9に示されるように、揺動装置33を作動させて容器本体31を上記とは逆方向に傾ける。これにより、今度は、培地貯留部34内の培地Aが、流出口39から溢れ、連通孔37を介してその下方に配されている細胞培養部35内に流れ込む。一方、細胞培養部35に残っていた培地Aと、培地貯留部34から流れ込んだ新たな培地Aとは流出口40から遠ざけられて細胞培養部35内に保持される。
そして、図10に示されるように、再度、揺動装置33を作動させて容器本体31を水平位置に戻すことにより、新たな培地Aを貯留した細胞培養部35内において、細胞の培養が継続され、廃培地A’が廃培地貯留部36に貯留されることになる。
【0045】
このように、本実施形態に係る培養装置30によれば、揺動装置33を作動させるだけで、培地交換作業を容易に行うことができるという効果がある。また、密封可能な容器本体31内において、細胞の培養および培地交換作業が行われるので、外部から細菌等が侵入することを防止でき、また、培地交換作業時に生ずる培地Aの飛沫が周囲環境に飛散すること等を防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、培地Aの交換が1回だけ可能な培養装置30について例示して説明したが、これに代えて、培地貯留部34を複数段にわたって設け、隣接する培地貯留部34の流出口39を揺動方向に沿って逆方向に開口させておくことにより、複数回にわたる培地交換を密封された容器本体31内において行うことにしてもよい。また、図5に示した容器本体31の外部から、培地貯留部34内にあらたな培地Aを常に供給できるようにしておいてもよい。
また、廃培地A’に含まれる浮遊細胞を回収する目的で、細胞培養部35からの流出口40あるいは連通孔38に細胞を捕獲するフィルタ(図示略)を設けることにしてもよい。
【0047】
また、揺動装置33による揺動を1軸回りに揺動させることとしたが、これに代えて、相互に交差する2軸回りに揺動させることにしてもよい。この場合には、細胞培養部35への供給対排出を1:3、2:2、3:1等任意の比率に設定することができる。また、供給するものとしては培地の他、成長因子やトリプシン等が考えられる。また排出するものとしては、廃培地の他、トリプシンによって剥がされた細胞が考えられる。
【0048】
また、培養する細胞は、間葉系幹細胞のみならず、ES細胞、体性幹細胞、骨細胞、軟骨細胞や神経細胞等でもよい。
また、細胞培養部には、生体組織補填材として、例えば、βリン酸三カルシウム多孔体等のセラミックス多孔体のブロックや顆粒、あるいはコラーゲン、ポリ乳酸、多孔性のメタル等を配置しておいてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る培養装置および培地交換方法によれば、細胞培養部内の培地の液位を変動させて細胞培養部内から培地を排出させることにより、簡易に培地を交換することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る培養装置を示す模式図である。
【図2】図1の培養装置の変形例を示す模式図である。
【図3】この発明の第2の実施形態に係る培養装置を示す模式図である。
【図4】この発明の第3の実施形態に係る培養装置を示す模式図である。
【図5】図4の培養装置における培地放出状態を示す模式図である。
【図6】この発明の第4の実施形態に係る培養装置を示す斜視図である。
【図7】図6の培養装置における培養状態を示す模式図である。
【図8】図6の培養装置における培地排出状態を示す模式図である。
【図9】図6の培養装置における培地供給状態を示す模式図である。
【図10】図6の培養装置における培地交換後の培養状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1,10,20,30 培養装置
2,23,35 細胞培養部
2a 供給口
2b,21a,39,40 流出口
3,34 培地貯留部
4,24,36 廃培地貯留部
6 流量調節手段
12 昇降装置(昇降手段)
21 側壁
22 底面部材
25 昇降装置(相対高さ変更手段)
31 容器本体
33 揺動手段

Claims (8)

  1. 細胞を培養する細胞培養部と、培地を貯留する培地貯留部とを備え、
    前記細胞培養部が、その上部に、該細胞培養部内に収容されている培地の上方から前記培地貯留部に貯留されている培地を供給可能な供給口と、細胞培養部内に収容されている培地の液位が所定の液位に達したときに、培地を細胞培養部外に流出させる流出口とを備える培養装置。
  2. 前記培地貯留部の液位が、前記細胞培養部の液位よりも高い位置に配置され、重力により培地を供給する請求項1に記載の培養装置。
  3. 前記培地貯留部から細胞培養部への培地の流量を調節する流量調節手段が設けられている請求項1または請求項2に記載の培養装置。
  4. 前記流量調節手段が、前記培地貯留部または前記細胞培養部を昇降させて、前記培地貯留部内の液位の前記細胞培養部内の液位に対する相対的な高さを調節する昇降手段である請求項3に記載の培養装置。
  5. 前記細胞培養部が、筒状の側壁と、該側壁内に密封状態に嵌合される底面部材と、前記側壁の上部に設けられた流出口と前記底面部材との相対的な高さを変更可能な相対高さ変更手段とを備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の培養装置。
  6. 前記細胞培養部の下方に廃培地貯留部が設けられた容器本体と、前記細胞培養部において細胞の培養を行う中立位置から前記容器本体を傾斜させる揺動手段とを備える請求項1に記載の培養装置。
  7. 前記容器本体内の細胞培養部の上方に、培地貯留部が固定され、
    該培地貯留部の上部に、該培地貯留部に収容されている培地の液位が所定の液位に達したときに、培地を細胞培養部に流出させる流出口が設けられ、
    該培地貯留部の流出口と前記細胞培養部の流出口とが、前記容器本体の揺動方向に沿って逆方向に配置されている請求項6に記載の培養装置。
  8. 細胞を培養する細胞培養部に、培地を貯留する培地貯留部から培地を供給し、前記細胞培養部から培地を溢れさせることにより、細胞培養部内の培地を交換する培地交換方法。
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