JP2004089087A - 蔓性植物の栽培装置、栽培補助具および栽培方法 - Google Patents

蔓性植物の栽培装置、栽培補助具および栽培方法 Download PDF

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Mitsunori Hayashi
林 三▲徳▼
Kazutaka Tsukiji
月時 和隆
Tomoyuki Ezaki
江嵜 智幸
Hidekuni Ryu
龍 日出邦
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Abstract

【課題】簡単な構造で汎用の設備を利用できる蔓性植物の栽培装置、栽培補助具および栽培方法を提供する。
【解決手段】本発明の蔓性植物の栽培装置1は、蔓性植物2の蔓3が巻き付く誘引部材19〜21を昇降可能に設けた栽培装置において、上方に伸びる棒状部8〜11を両側に備えた支持枠5と、支持枠5の棒状部8〜11に設けられ、誘引部材19〜21の両端部をそれぞれ取り付けて、横方向に伸びる誘引部材19〜21を複数段に配置した栽培補助具12〜14とを備え、しかも、栽培補助具12〜14は、棒状部8〜11に側方から着脱自在かつ昇降可能に設けられていることを特徴とする。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウリ科作物やトマト等の蔓性植物の栽培に適用される蔓性植物の栽培装置、栽培補助具および栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、輸入野菜の増加が続いており、国産の農産物価格の伸びは期待し難くなっている。このような状況の中で、国内の野菜農家の経営を安定させるため、少ない経費で品質と収穫量を高める技術が強く求められている。
【0003】
従来のウリ科作物やトマト等の蔓性植物のように、収穫物が一定の間隔をおいて連なって生産される果菜類は、蔓が栽培枠に巻き付きながら成長するため、栽培枠の高さまで成長すると、蔓葉が過繁茂になり、果実の着色不良が発生する。このため、一定の高さに成長したときに収穫を終了しなければならず、さらに収穫を継続したい場合は、特別な栽培枠や装置、資材等を使用する必要がある。
【0004】
図8は、従来の誘引栽培装置の使用状態を示す正面図である。図8に示すように、特開2001−275496号公報には、対となるローラ70,71に無端ワイヤ72を取り付けたものを二組、相対移動可能に設け、吊り紐73の端部を、一組目の無端ワイヤ72に取り付け、二組目の無端ワイヤに連結したガイドリングを挿通させて吊り下げている。
二組の無端ワイヤ72を相対移動させ、また、ローラ70,71を回転させることにより、植物74を取り付けた吊り紐73を昇降させることができる機構である。このような装置を用いることにより、蔓性植物が所定の高さまで成長した後に、吊り紐73を引き下ろすことにより、蔓性植物を、さらに成長させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の誘引栽培装置は構造が複雑であり、特に多数の回転部を有しているので、機構が故障すると、栽培が続けられなくなるという問題がある。
【0006】
また、既存の栽培設備とは異なる構造であるため、栽培設備に大掛かりな改造を施す必要がある。
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で汎用の設備を利用できる蔓性植物の栽培装置、栽培補助具および栽培方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の蔓性植物の栽培装置は、蔓性植物の蔓が巻き付く誘引部材を昇降可能に設けた栽培装置において、上方に伸びる棒状部を両側に備えた支持枠と、前記支持枠の前記棒状部に設けられ、前記誘引部材の両端部をそれぞれ取り付けて、横方向に伸びる前記誘引部材を複数段に配置した栽培補助具とを備え、しかも、前記栽培補助具は、前記棒状部に側方から着脱自在かつ昇降可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
上方には斜め上方も含まれるものとする。支持枠は、棒状部を少なくとも1カ所ずつ有していればよく、例えば、2カ所の棒状部を備えたU字状やV字状の部材や3カ所以上の棒状部を備えたものも含まれる。対となる栽培補助具は、両側にそれぞれ1または2以上ずつ設けられている。また、誘引部材は、1組の栽培補助具に1または2以上設けられている。
【0010】
キュウリ、トマト、太ニガウリ等の蔓性植物は、成長して誘引部材に蔓を巻き付ける。栽培補助具が両側に1ずつ設けられている場合には、蔓性植物が所定の高さまで成長した後は、栽培補助具の下部を棒状部から取り外し、栽培補助具とともに誘引部材を下降させる。
【0011】
また、栽培補助具が両側に2以上ずつ設けられている場合は、最下段の栽培補助具を棒状部から取り外し、他の栽培補助具とともに誘引部材を下降させる。
【0012】
このようにして、誘引部材に巻き付いている蔓性植物の蔓を引き下ろすことができる。
棒状部の上部には、新たな栽培補助具および誘引部材を取り付けることができ、蔓性植物は、この誘引部材に向けてさらに成長する。栽培補助具が誘引部材とともに下降するので、蔓が、栽培補助具に巻き付いていた場合でも、蔓を切らずに下降させることができる。
【0013】
また、栽培補助具を直線状にスライド移動させる機構なので、回転機構に比べて部品数が少なくなり、動作が簡単になり故障が少なくなる。
【0014】
前記栽培補助具を、中心角が180°を超えた断面円弧状に形成して可撓性を設けている構成とすることも可能である。誘引部材を棒状部材に接触しにくくするため、中心角は300°以上、さらに好ましくは、自然状態で360°に形成することが好ましい。
【0015】
栽培補助具は、中心角が180°を超えるように形成されているので、棒状部材を挟み込んで、外れにくくなる。また、可撓性を有しているので、栽培補助具の周方向の両端部を拡げて、棒状部材の半径方向外側から取り付け、また、半径方向外側に取り外すことができる。
【0016】
前記栽培補助具の内径を、前記棒状部に有嵌状態に取り付け可能な大きさに形成し、前記栽培補助具に、前記栽培補助具を前記棒状部に着脱可能に固定する締結手段を設けることが好ましい。
【0017】
栽培補助具が棒状部に有嵌状態に取り付けられるので、小さい力で昇降させることができ、無理な力を加えて蔓を切断することがなくなる。また、栽培補助具に締結手段を設けるので、昇降させて誘引部材の高さを調整した後に、その高さ位置で固定することができる。締結手段としては、例えば、紐状物や面状ファスナ等を用いることができる。
【0018】
前記誘引部材を紐状に形成し、この誘引部材の両端部に、同誘引部材の中間部の張力を調整可能な張力調整部を設けることが好ましい。
【0019】
誘引部材は、両端部を栽培補助具に取り付けられているが、栽培補助具を昇降させることにより、誘引部材が弛むことがある。誘引部材の両端部に張力調整部を設けることにより、栽培補助具の昇降後に、弛んだ誘引部材を直線状に張ることができる。
【0020】
前記張力調整部に、先側に掛止部を有する掛合金具を設け、前記誘引部材の端部を、前記栽培補助具に半周以上巻き付け、前記掛止部を、前記誘引部材の中間部に掛合解除可能に掛止させることも可能である。ここでいう中間部とは、誘引部材のうち、栽培補助具に接していない部分をいう。
【0021】
誘引部材の一側の端部を、一側の栽培補助具に取り付け、誘引部材の他側の端部を直線状に引っ張った状態で他側の栽培補助具に巻き付け、さらに掛合金具の掛止部を誘引部材に掛止するので、誘引部材に加わる張力を増すことができる。また、掛止部を取り外すことにより誘引部材を緩めることができる。
【0022】
本発明の栽培補助具は、上方に伸びる棒状部が両側に設けられた支持枠を有する栽培装置に設けられ、前記支持枠に、蔓性植物の蔓が巻き付く誘引部材を昇降可能に設ける栽培補助具であって、中心角が180°を超えた断面円弧状に形成されて、可撓性を有し、一端部には、前記栽培補助具を前記棒状部に着脱可能に固定する締結手段が設けられ、前記支持枠の前記棒状部に昇降可能に外挿されるとともに、中間部は、前記誘引部材の端部を取り付け可能に形成されている。
【0023】
栽培補助具を用いることにより、誘引部材を、栽培補助具とともに蔓の切断を防止しながら下降させて、蔓性植物の過繁茂を防止することができる。
【0024】
本発明の蔓性植物の栽培方法は、上方に伸びる棒状部を両側に備えた支持枠の間に、横方向に延びて蔓性植物の蔓を巻き付ける誘引部材を、複数段に配置した栽培装置を用いた栽培方法において、両前記棒状部に側方から昇降可能に取り付けられ、複数段に配置された栽培補助具に、多段に配置した前記誘引部材の両端部をそれぞれ取り付け、前記蔓性植物を育成して前記誘引部材に蔓を巻き付けさせる初期育成工程の後に、前記栽培補助具を前記棒状部から取り外し、他の前記栽培補助具を下側に移動させ、前記棒状部の上部に新規の栽培補助具および新規の誘引部材を取り付ける蔓下ろし工程を繰り返し行うことを特徴とする。
【0025】
初期育成工程においては、蔓性植物は上方に伸び、多段に配置された誘引部材に蔓を巻き付ける。ここで、各栽培補助具は、誘引部材を1または2以上設けることができる。
【0026】
蔓下ろし工程では、栽培補助具を取り外し、栽培補助具に設けられている誘引部材を取り外すとともに、栽培補助具に巻き付いている蔓性植物の蔓から誘引部材を引き抜く。
【0027】
次いで棒状部に設けられた他の栽培補助具を下側に移動させると、栽培補助具とともに誘引部材が下降するので、誘引部材に巻き付いている蔓性植物の蔓を引き下ろすことができる。
【0028】
そして、棒状部の上部に新規の栽培補助具および新規の誘引部材を取り付けるので、蔓性植物の蔓は、新たに設けられた誘引部材に向かって成長する。ここで、新規の栽培補助具および新規の誘引部材には、最下段に設けられていて、先に取り外された栽培補助具およびこの栽培補助具に取り付けられていた誘引部材も含まれる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の蔓性植物の栽培装置の使用状態を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の蔓性植物の栽培装置1は、蔓性植物の一例である太ニガウリ2の蔓3が巻き付く誘引部材の一例である誘引紐19〜21を、支持枠5に昇降可能に設けた装置である。
【0030】
支持枠5は、逆U字状の側フレーム6,7を両側にそれぞれ備え、側フレーム6,7の上部の2カ所ずつと、下部の2カ所ずつとを、水平に伸びる合計4本のパイプ部材27により接合して形成されている。
【0031】
側フレーム6の両側には、直線状の棒状部8,9が設けられている。棒状部8,9は、断面円形で、上側ほどその間の幅を狭めるように形成されている。また、側フレーム7は側フレーム6と同一形状に形成され、棒状部8,9に対応する棒状部10,11をそれぞれ有している。
【0032】
支持枠5の棒状部8〜11の最下段、中段および上段には、同形状の栽培補助具12〜14がそれぞれ設けられている。
図2は、栽培補助具の斜視図である。栽培補助具12〜14は、可撓性プラスチック素材、ゴムの他、発泡ポリエチレン等の空洞部を有する素材を用いることができ、可撓性を有している。また、栽培補助具12〜14は屋外で使用されるため、耐候性や耐水性を有していることが好ましい。
【0033】
栽培補助具12〜14は、長さ40〜50cm程度の円筒状の可撓性部材の外周部の一部を長手方向に切断して形成された断面円弧状に形成されている。また、栽培補助具12〜14の内径は、取り付けられる棒状部8〜11の外径より少し大きく形成されている。
【0034】
栽培補助具12〜14は可撓性を有しているので、切断した部分、すなわち周方向の両端部を開いて棒状部8〜11に側方から取り付けることができる。また、栽培補助具12〜14は内径が大きいので、棒状部8〜11に有嵌状態で昇降可能に外挿することができる。
【0035】
また、栽培補助具12〜14の周方向の一方の端面の下端部には布体15が設けられ、他方の端面の下端部には切欠き部16が形成されている。また、布体15と、この布体15が当接する栽培補助具12〜14の下端部には、締結手段の一例である対となる面状ファスナ17,18が着脱可能に設けられている。
【0036】
栽培補助具12〜14の面状ファスナ17,18は、離反した状態で、棒状部8〜11に取り付けられる。そして、栽培補助具12〜14を棒状部8〜11に沿って昇降させ、高さ位置を決めた後に面状ファスナ17,18を掛合させることにより、高さ位置がずれないように固定することができる。
【0037】
棒状部8,10の同じ高さに配置され、それぞれ2つずつ対となる栽培補助具12〜14の中央部は、誘引部材の一例である誘引紐19,20,21の各両端部がそれぞれ着脱可能に締結固定されている。また、棒状部9,11にも誘引紐19〜21が栽培補助具12〜14を介して、同じ方法で、同じ高さに着脱可能に締結固定されている。
【0038】
図3(A)は栽培装置の誘引紐の取り付け状態を示す部分平断面図、(B)は同栽培装置の誘引紐の取り付け状態を示す部分正面図である。図3(A)、(B)に示すように、各誘引紐19〜21のそれぞれの両端部には、S字状に形成された金属製の張力調整部の一例である掛合金具22が固定されている。掛合金具22は、2つの円弧部を備え、誘引紐19〜21のそれぞれの端部は、一方の円弧部23aに締結固定され、他方の円弧部は掛止部23を形成している。
【0039】
誘引紐19〜21は、栽培用補助具12〜14の外周に1回半巻き付けられており、また、端部に近い中間部を掛止部23に掛止している。また、誘引紐19〜21は両側の掛止部23に掛止されており、両掛止部23間では横方向に直線状に張設されている。
【0040】
このようにして、誘引紐19〜21を上下3段に配置することができる。また、誘引紐19は、掛合金具22の掛止部23を掛止させ、また、掛止部23から外すことにより、誘引紐19の中間部の張力を調整でき、張力を加えて弛みをなくしたり、緩めたりすることができる。
【0041】
図4は他の掛合金具を示す斜視図である。図4に示すように、他の掛合金具24は、中間部に形成された大形のU字状部25と、この大形のU字状部の両端部にそれぞれ接続された2つの小形のU字状部26とを有している。大形のU字状部25が形成された平面と、小形のU字状部26が形成された平面は、互いに直交し、かつ、大形のU字状部25と小形のU字状部26の開口方向とが、逆方向になるように配置されている。
誘引紐は、大形のU字状部25の中央部に接続され、2つの小形のU字状部26のうちの一方または両方は、掛止部として用いることができる。
なお、掛合金具として、他にC字状に形成した金具も使用することができる。
【0042】
次に、栽培装置1を用いた蔓性植物の栽培方法について説明する。図5(A)〜(D)は、蔓性植物の栽培方法の手順を示す説明図である。
【0043】
(初期育成工程)
図5(A)に示すように、支持枠5の棒状部8〜11に栽培補助具12〜14をそれぞれ取り付けて3段に配置し、対となる栽培補助具12〜14に誘引紐19〜21の両端部をそれぞれ取り付ける。この状態では、栽培補助具12〜14は、面状ファスナ17,18で昇降不可能に固定されており、誘引紐19〜21は、それぞれ掛合金具22によって直線状に張設されている。対となる栽培補助具12〜14および誘引紐19〜21はH形に形成され、3段に配置されている。
【0044】
誘引紐19の下方位置の土壌に太ニガウリ2の種または苗を植える。太ニガウリ2は、上方に向かって成長し、誘引紐19〜21に順に蔓を巻き付ける。この状態で、太ニガウリ2の果実を採取することができる。
【0045】
(蔓下ろし工程)
まず、図5(B)に示すように、太ニガウリ2の葉が過繁茂となり、果実の日当たりが悪くなる前に、最下段の誘引紐19の掛合金具22の掛止部23を誘引紐19から外す。次いで、掛合金具22を誘引紐19の端部から外し、蔓が絡まった誘引紐19を側方に引き抜く。そして、最下段の両側の栽培補助具19の面状ファスナ17,18の掛合を解除して、周方向の両端部を開き、棒状部8〜11の半径方向外側(側方)からそれぞれ取り外す。
【0046】
次に、図5(C)に示すように、中段および上段の栽培補助具13,14の面状ファスナ17,18の掛合を解除して、栽培補助具13,14およびこれに取り付けられている誘引紐20,21を下側に移動させる。
【0047】
このとき、誘引紐20,21の張力が大きすぎて、栽培補助具13,14がスムーズに動かないときは、誘引紐20,21の掛合金具22の掛止部23を一旦外して、または調整して、誘引紐20,21を弛んだ状態にしてから栽培補助具13,14を移動させる。栽培補助具13,14の移動幅は任意であり、所定位置まで降ろした後に面状ファスナ17,18を掛合させ、固定する。そして、誘引紐20,21を、掛止部23を利用して再度直線状に張設する。この状態で、太ニガウリ2の先端は、栽培装置1の中段に配置されている。
【0048】
次いで、棒状部8〜11の上部に先ほど取り外した栽培補助具12および誘引紐19を取り付ける。太ニガウリ2は、さらに成長して、誘引紐19に蔓を巻き付けることができる。
この蔓下ろし工程を、太ニガウリ2の成長に合わせて繰り返し行うことにより、果実の日当たりをよくして、着色不良となることが防止される。なお、太ニガウリ2の下部の引き下ろされた蔓は、支持枠5の下段のパイプ部材27に巻き付いており、収穫や日当たりの邪魔になることはない。
【0049】
なお、棒状部を備えた支持枠を3以上並べて配置し、各支持枠の同じ高さに配置された栽培補助具12を一組とし、この一組の栽培補助具ごとに誘引紐19をそれぞれ取り付けることも可能である。
この場合、両端部の栽培補助具12には掛合金具22を用いずに誘引紐19を直接取り付け、中間部に配置された栽培補助具12に、掛合金具22を介して誘引紐19の中間部を取り付けることが好ましい。
【0050】
図6(A)、(B)は、掛合金具の他の使用方法を示す説明図である。図6に示すように、中間部に配置された栽培補助具12には、誘引紐19の中間部が1回以上巻き付けられ、誘引紐19の両側は、掛合金具22の円弧部23aおよび掛止部23に掛合してから両側に引っ張られている。掛合金具22を誘引紐19から外すと、誘引紐19は緩むが、両端部が固定されているので、誘引紐が外れることはなく、この状態で、中間部の栽培補助具12を迅速に昇降させることができる。
【0051】
図7(A)、(B)は、他の掛合金具の他の使用方法を示す説明図である。図6に示す栽培補助具12の代わりに掛合金具24を用いた場合も、同様に大形のU字状部25と小形のU字状部26に誘引紐19を掛合させて引っ張ったり、誘引紐19から外して緩めたりすることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果を奏する。
(1)本発明の蔓性植物の栽培装置は、上方に伸びる棒状部を両側に備えた支持枠と、支持枠の棒状部にそれぞれ側方から昇降可能に取り付けられているとともに誘引部材の両端部をそれぞれ取り付けて、横方向に伸びる誘引部材を複数段に配置した対となる栽培補助具とを備えているので、簡単な構造の栽培補助具を用いて、汎用の設備である栽培枠を利用して蔓の引き下ろし作業を行うことができる。特に、栽培補助具が誘引部材とともに下降するので、蔓が、栽培補助具に巻き付いていた場合でも、蔓を切らずに下降させることができる。また、栽培補助具を直線状にスライド移動させる機構なので、回転機構に比べて部品数が少なくなり、動作が簡単になり故障が少なくなる。
(2)栽培補助具を、中心角が180°を超えた断面円弧状に形成して可撓性を設けている構成とすると、棒状部材を挟み込んで、外れにくくなり、昇降時の操作性がよくなる。また、可撓性を有しているので、栽培補助具の周方向の両端部を拡げて、棒状部材の半径方向外側から取り付け、また、半径方向外側に取り外すことができる。
(3)栽培補助具の内径を、棒状部に有嵌状態に取り付け可能な大きさに形成し、栽培補助具に締結手段を設けると、小さい力で昇降させることができ、無理な力を加えて蔓を切断することがなくなり、蔓性植物の成長を邪魔することがない。また、栽培補助具に締結手段を設けるので、昇降させて誘引部材の高さを調整した後に、その高さ位置で固定することができ、蔓性植物の日当たりを調整することができる。
(4)誘引部材を紐状に形成し、この誘引部材の両端部に張力調整部を設けると、誘引部材を緩めることにより栽培補助具の昇降時の抵抗をなくして蔓下ろし作業を迅速に行うことができる。また、誘引部材を直線状に張ることにより、栽培時の風等の影響を少なくして、蔓性植物の成長を促進することができる。
(5)張力調整部に、先側に掛止部を有する掛合金具を設けると、掛止部を張力調整部に掛合することにより誘引部材に張力を加え、掛合を解除することにより誘引部材を緩めることができるので、張力の調整を簡単に行うことができる。
(6)本発明の栽培補助具は、中心角が180°を超えた断面円弧状に形成されて、可撓性を有し、一端部には、締結手段が設けられ、支持枠の棒状部に昇降可能に外挿されるとともに、中間部は、誘引部材の端部を取り付け可能に形成されているので、誘引部材を、栽培補助具とともに、蔓の切断を防止しながら下降させて、蔓性植物の過繁茂を防止することができる。
(7)本発明の蔓性植物の栽培方法は、蔓性植物を育成して誘引部材に蔓を巻き付けさせる初期育成工程の後に、栽培補助具を棒状部から取り外し、他の栽培補助具を下側に移動させ、棒状部の上部に新規の栽培補助具および新規の誘引部材を取り付ける蔓下ろし工程を繰り返し行うので、蔓下ろし作業を簡単かつ迅速に行うことができ、また、新たな誘引部材の設置も簡単かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蔓性植物の栽培装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】栽培補助具の斜視図である。
【図3】栽培装置の誘引紐の取り付け状態を示す図で、(A)は部分平断面図、(B)は部分正面図である。
【図4】他の掛合金具を示す斜視図である。
【図5】蔓性植物の栽培方法の手順を示す説明図である。
【図6】掛合金具の他の使用方法を示す説明図である。
【図7】他の掛合金具の他の使用方法を示す説明図である。
【図8】従来の誘引栽培装置の使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 栽培装置
2 太ニガウリ(蔓性植物)
3 蔓
5 支持枠
6,7 側フレーム
8〜11 棒状部
12〜14 栽培補助具
15 布体
16 切欠き部
17,18 面状ファスナ(締結手段)
19〜21 誘引紐(誘引部材)
22 掛合金具(張力調整部)
23 掛止部
23a 円弧部
24 掛合金具
25 大形のU字状部
26 小形のU字状部
27 パイプ部材

Claims (7)

  1. 蔓性植物の蔓が巻き付く誘引部材を昇降可能に設けた栽培装置において、
    上方に伸びる棒状部を両側に備えた支持枠と、
    前記支持枠の前記棒状部に設けられ、前記誘引部材の両端部をそれぞれ取り付けて、横方向に伸びる前記誘引部材を複数段に配置した栽培補助具とを備え、
    しかも、前記栽培補助具は、前記棒状部に側方から着脱自在かつ昇降可能に設けられていることを特徴とする蔓性植物の栽培装置。
  2. 前記栽培補助具は、中心角が180°を超えた断面円弧状に形成されて可撓性を有していることを特徴とする請求項1記載の蔓性植物の栽培装置。
  3. 前記栽培補助具の内径は、前記棒状部に有嵌状態に取り付け可能な大きさに形成され、前記栽培補助具には、同栽培補助具を前記棒状部に着脱可能に固定する締結手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の蔓性植物の栽培装置。
  4. 前記誘引部材は紐状に形成され、この誘引部材の両端部には、同誘引部材の中間部の張力を調整可能な張力調整部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の蔓性植物の栽培装置。
  5. 前記張力調整部は、先側に掛止部を有する掛合金具を備え、前記誘引部材の端部は、前記栽培補助具に半周以上巻き付けられ、前記掛止部は、前記誘引部材の中間部に掛合解除可能に掛止していることを特徴とする請求項4記載の蔓性植物の栽培装置。
  6. 上方に伸びる棒状部が両側に設けられた支持枠を有する栽培装置に設けられ、前記支持枠に、蔓性植物の蔓が巻き付く誘引部材を昇降可能に設ける栽培補助具であって、
    中心角が180°を超えた断面円弧状に形成されて、可撓性を有し、一端部には、前記栽培補助具を前記棒状部に着脱可能に固定する締結手段が設けられ、
    前記支持枠の前記棒状部に昇降可能に外挿されるとともに、中間部は、前記誘引部材の端部を取り付け可能に形成されていることを特徴とする栽培補助具。
  7. 上方に伸びる棒状部を両側に備えた支持枠の間に、横方向に延びて蔓性植物の蔓を巻き付ける誘引部材を、複数段に配置した栽培装置を用いた栽培方法において、
    両前記棒状部に側方から昇降可能に取り付けられ、複数段に配置された栽培補助具に、多段に配置した前記誘引部材の両端部をそれぞれ取り付け、前記蔓性植物を育成して前記誘引部材に蔓を巻き付けさせる初期育成工程の後に、
    最下段の前記栽培補助具を前記棒状部から取り外し、他の前記栽培補助具を下側に移動させ、前記棒状部の上部に新規の栽培補助具および新規の誘引部材を取り付ける蔓下ろし工程を繰り返し行うことを特徴とする蔓性植物の栽培方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104996198A (zh) * 2015-07-08 2015-10-28 会同县丰裕蔬菜专业合作社 一种藤蔓植物的新型攀爬支架
CN105165320A (zh) * 2015-08-03 2015-12-23 北京工业大学 基于一种生长架的藤蔓类果蔬定向种植方法
KR20220083079A (ko) * 2020-12-11 2022-06-20 송주현 토마토 줄기의 유인 장치

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