JP2004088457A - 試験装置、移動端末装置及び試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うこと。
【解決手段】試験装置１００は、移動端末装置１５０と、レイヤ３信号を伝送してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現し、被測定用信号を伝送して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う。被測定用信号の伝送の際、移動端末ＭＡＣ制御部１０９は、ＭＡＣ部１５３に送信電力抑制機能の停止を通知し、ＭＡＣ部１５３は、この通知に基づいてＴＦＣ選択による送信電力抑制機能を停止し、被測定用信号を最大の送信電力で送信する。
【選択図】 図１
【解決手段】試験装置１００は、移動端末装置１５０と、レイヤ３信号を伝送してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現し、被測定用信号を伝送して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う。被測定用信号の伝送の際、移動端末ＭＡＣ制御部１０９は、ＭＡＣ部１５３に送信電力抑制機能の停止を通知し、ＭＡＣ部１５３は、この通知に基づいてＴＦＣ選択による送信電力抑制機能を停止し、被測定用信号を最大の送信電力で送信する。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置に対する無線受信特性試験及び無線機能試験を行う試験装置、移動端末装置及び試験方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置には、上り回線の干渉量を低減するために、レイヤ２のＭＡＣ（Ｍｅｄｉａ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ）機能であるＴＦＣ選択（Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｆｏｒｍａｔ Ｃｏｍｂｉｎａｔｉｏｎ Ｓｅｌｅｃｔｉｏｎ）の自律的な送信電力抑制機能が装備されている。この機能は、ＭＡＣが、所定時間に無線上を伝送する制御情報とユーザ情報の取り得るデータの組み合わせ（Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｆｏｒｍａｔ Ｃｏｍｂｉｎａｔｉｏｎ Ｓｅｔ）毎に上り回線の送信電力を決定し、その送信電力が予め設定された最大値を超える場合、より低い電力で送信することができるデータの組み合わせを自動的に判断するものである。
【０００３】
この移動端末装置に対するレイヤ１の無線受信特性試験及び無線機能試験では、試験装置が移動端末装置に被測定用信号を送信し、移動端末装置がループバック機能を用いて試験装置に被測定用信号を折り返し送信する。このとき、移動端末装置の無線機に対して送信回路からの回り込みの影響を最大にした環境下での測定を行うため、移動端末装置の送信電力を最大にする必要がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の試験装置及び試験方法では、無線受信特性試験及び無線機能試験において送信電力が所定の値を超えると、移動端末装置のＴＦＣ選択による自律的な送信電力抑制機能が働いてしまい、送信電力を最大にすることができない場合が生じてしまう。
【０００５】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる試験装置、移動端末装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の試験装置は、移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験を行うための被測定用信号を生成して前記移動端末装置に送信する被測定用信号生成手段と、前記移動端末装置にて折り返し送信され、受信した前記被測定用信号に基づいて無線特性評価を行う被測定用信号判定手段と、前記移動端末装置との間で前記被測定用信号を送受する際に前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する制御を行う制御手段とを具備する構成を採る。
【０００７】
本発明の試験装置における制御手段は、無線インタフェースを介して無線接続により移動端末装置の送信電力抑制機能を制御する構成を採る。
【０００８】
本発明の試験装置における制御手段は、外部インタフェースを介して有線接続により移動端末装置の送信電力抑制機能を制御する構成を採る。
【０００９】
本発明の移動端末装置は、上記いずれかの試験装置と接続し、無線受信特性試験及び無線機能試験を行うための被測定用信号を前記試験装置に送信する際に送信電力抑制機能を停止する構成を採る。
【００１０】
本発明の移動端末装置は、送信電力抑制を行う手段と、無線受信特性試験及び無線機能試験を行う際に送信電力抑制機能を停止する制御手段と、を具備する構成を採る。
【００１１】
本発明の移動端末装置における制御手段は、外部装置からの指示に従って送信電力抑制機能を停止する構成を採る。
【００１２】
本発明の移動端末装置は、使用者の操作による指示を制御手段に伝達する操作手段を具備し、制御手段は、前記操作手段からの指示に従って送信電力抑制機能を停止する構成を採る。
【００１３】
これらの構成により、移動端末装置のＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させることができるので、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる。
【００１４】
本発明の試験方法は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置の試験方法であって、前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する工程と、無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程とを具備する方法を採る。
【００１５】
本発明の試験方法は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置とこの移動端末装置と接続する試験装置とにおいて、レイヤ３信号を送受してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現する工程と、前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する工程と、被測定用信号を送受して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程とを具備する方法を採る。
【００１６】
本発明の試験方法は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置とこの移動端末装置と接続する試験装置とにおいて、ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定を行う工程と、被測定用信号を送受するためのレイヤ１、レイヤ２の条件設定を行う工程と、折り返し処理を実行するための条件設定を行う工程と、前記移動端末装置の送信抑制機能の停止する工程と、前記試験装置によって前記移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程と、試験終了後に前記移動端末装置の送信抑制機能の停止を解除する工程と、前記折り返し処理の解放を行う工程と、ＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を行う工程とを具備する方法を採る。
【００１７】
この方法により、移動端末装置のＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させることができるので、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、無線受信特性試験及び無線機能試験の際に、移動端末装置におけるＭＡＣのＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させる機能を試験装置に搭載することである。
【００１９】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【００２０】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１に係る試験装置及び移動端末装置の構成を示すブロック図である。
【００２１】
図１の試験装置１００は、プロトコル処理部１０１と、ＲＬＣ（Ｒａｄｉｏ Ｌｉｎｋ Ｃｏｎｔｒｏｌ）部１０２と、ＭＡＣ部１０３と、レイヤ１送信部１０４と、レイヤ１受信部１０５と、被測定用信号生成部１０６と、ＰＤＣＰ（Ｐａｃｋｅｔ Ｄａｔａ Ｃｏｎｖｅｒｇｅｎｃｅ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）部１０７と、被測定用信号判定部１０８と、移動端末ＭＡＣ制御部１０９と、これらの制御を行う制御部１１０とから主に構成されている。
【００２２】
図１の移動端末装置１５０は、プロトコル処理部１５１と、ＲＬＣ部１５２と、ＭＡＣ部１５３と、レイヤ１送信部１５４と、レイヤ１受信部１５５と、折り返し部１５６と、ＰＤＣＰ部１５７と、外部インタフェース１５８と、これらの制御を行う制御部１５９とから主に構成されている。
【００２３】
試験装置１００は、移動端末装置１５０と、レイヤ３信号を伝送してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現し、被測定用信号を伝送して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う。
【００２４】
まず、試験装置１００のプロトコル処理部１０１と移動端末装置１５０のプロトコル処理部１５１との間でレイヤ３信号が伝送される。
【００２５】
具体的には、プロトコル処理部１０１にて生成されたレイヤ３信号が、ＲＬＣ部１０２、ＭＡＣ部１０３、レイヤ１送信部１０４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１５５、ＭＡＣ部１５３、ＲＬＣ部１５２を経てプロトコル処理部１５１に受信される。また、プロトコル処理部１５１にて生成されたレイヤ３信号が、ＲＬＣ部１５２、ＭＡＣ部１５３、レイヤ１送信部１５４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１０５、ＭＡＣ部１０３、ＲＬＣ部１０２を経てプロトコル処理部１０１に受信される。
【００２６】
このレイヤ３信号の伝送の際、ＭＡＣ部１５３は、ＴＦＣ選択による自律的な送信電力抑制機能により送信電力を制御する。
【００２７】
このプロトコル処理部１０１とプロトコル処理部１５１との間でレイヤ３信号を伝送することにより、ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定（レイヤ１に関する通信内容や通信速度等の調整）が行われる。
【００２８】
ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定が完了すると、その旨を示す信号が、プロトコル処理部１０１から移動端末ＭＡＣ制御部１０９に出力される。
【００２９】
次に、試験装置１００の被測定用信号生成部１０６、被測定用信号判定部１０８と移動端末装置１５０の折り返し部１５６との間で、無線受信特性試験及び無線機能試験のための被測定用信号が伝送される。
【００３０】
具体的には、被測定用信号生成部１０６にて生成された被測定用信号が、ＰＤＣＰ部１０７、ＲＬＣ部１０２、ＭＡＣ部１０３、レイヤ１送信部１０４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１５５、ＭＡＣ部１５３、ＲＬＣ部１５２、ＰＤＣＰ部１５７を経て折り返し部１５６に受信される。そして、折り返し部１５６に受信された被測定用信号が、ループバック機能により、予め規定されている所定の折り返し規則に従って折り返し送信される（以下、この折り返し部１５６における処理を「折り返し処理」という）。折り返し部１５６から送信された被測定用信号は、ＰＤＣＰ部１５７、ＲＬＣ部１５２、ＭＡＣ部１５３、レイヤ１送信部１５４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１０５、ＭＡＣ部１０３、ＲＬＣ部１０２、ＰＤＣＰ部１０７を経て被測定用信号判定部１０８に受信される。被測定用信号判定部１０８は、受信した被測定用信号に基づいて無線特性評価を行う。
【００３１】
この被測定用信号の伝送の際、移動端末ＭＡＣ制御部１０９は、ＭＡＣ部１５３に送信電力抑制機能の停止を通知し、ＭＡＣ部１５３は、この通知に基づいてＴＦＣ選択による送信電力抑制機能を停止し、被測定用信号を最大の送信電力で送信する。
【００３２】
ＭＡＣ部１５３に送信電力抑制機能の停止を通知する方法として、（１）移動端末ＭＡＣ制御部１０９からプロトコル処理部１０１、ＲＬＣ部１０２、ＭＡＣ部１０３、レイヤ１送信部１０４、レイヤ１受信部１５５、ＭＡＣ部１５３、ＲＬＣ部１５２を介してプロトコル処理部１５１に制御信号を送信し、プロトコル処理部１５１がＭＡＣ部１５３に通知する方法、（２）移動端末ＭＡＣ制御部１０９から外部インタフェース１５８を介して制御部１５９に制御信号を送信し、制御部１５９がＭＡＣ部１５３に通知する方法等が考えられる。
【００３３】
なお、試験装置からの試験信号送信前に予めＭＡＣ部１５３の送信電力抑制機能を停止してもよい。この場合には、図２に示すように、（３）外部制御装置２００と移動端末装置１５０とを接続し、外部制御装置から外部インタフェース１５８を介して制御部１５９に制御信号を送信し、制御部１５９がＭＡＣ部１５３に通知する方法、（４）使用者の操作による指示を制御部１５９に伝達する操作部１６０を移動端末装置１５０に設け、操作部１６０から制御部１５９に制御信号を送信し、制御部１５９がＭＡＣ部１５３に通知する方法等が考えられる。
【００３４】
このように、本実施の形態では、レイヤ３信号を伝送する際には移動端末装置１００のＭＡＣ部１５３のＴＦＣ選択による送信電力抑制機能を動作させ、被測定用信号を伝送する際には送信電力抑制機能を停止させて被測定用信号を最大の送信電力で送信する。
【００３５】
次に、本実施の形態に係る試験装置が行う移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験のための通信手順を、図３のシーケンス図を用いて説明する。
【００３６】
まず、ステップ１で、試験装置が移動端末装置に試験開始を示す着信の信号を送信し、ステップ２で、移動端末装置がこの信号を受信すると試験装置にＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続開始を要求する信号を送信する。そして、ステップ３で、試験装置が移動端末装置にＣＤＭＡ無線インタフェースの設定を要求する信号を送信し、ステップ４で、移動端末装置がこの信号に基づいて設定を行い試験装置にＣＤＭＡ無線インタフェースの設定完了を報告する信号を送信する。そして、ステップ５でステップ１における着信に対する応答信号を送信する。
【００３７】
次に、ステップ６で、試験装置が移動端末装置に試験用のモードとして不要なレイヤ３信号の排除を要求する信号を送信し、ステップ７で、移動端末装置がこの信号に基づいてレイヤ３信号の排除を行い試験装置に排除完了を報告する信号を送信する。
【００３８】
次に、ステップ８で、試験装置が移動端末装置に被測定用信号を伝送するためのレイヤ１、レイヤ２の条件設定を要求する信号を送信し、ステップ９で、移動端末装置がこの信号に基づいてレイヤ１、レイヤ２の条件の設定を行い試験装置に設定完了を報告する信号を送信する。
【００３９】
次に、ステップ１０で、試験装置が移動端末装置の折り返し部１５６に折り返し処理を実行するための条件設定を要求する信号を送信し、ステップ１１で、移動端末装置がこの信号に基づいて折り返し処理の条件の設定を行い試験装置に設定完了を報告する信号を送信する。
【００４０】
次に、ステップ１２で、試験装置の移動端末ＭＡＣ制御部１０９が移動端末装置のＭＡＣ部１５３にＴＦＣ選択機能による送信抑制機能の停止を要求する信号を送信し、ステップ１３で、移動端末装置がこの信号に基づいて送信抑制機能を停止して試験装置に停止完了を報告する信号を送信する。
【００４１】
その後、試験装置によって移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験が行われる。
【００４２】
試験終了後、ステップ１４で、試験装置の移動端末ＭＡＣ制御部１０９が移動端末装置のＭＡＣ部１５３に送信抑制機能の停止の解除を要求する信号を送信し、ステップ１５で、移動端末装置がこの信号に基づいて送信抑制機能の停止を解除して試験装置に解除完了を報告する信号を送信する。
【００４３】
このステップ１２からステップ１５が、本願発明の最も特徴的な通信手順である。
【００４４】
次に、ステップ１６で、試験装置が移動端末装置の折り返し部１５６に折り返し処理の解放を要求する信号を送信し、ステップ１７で、移動端末装置がこの信号に基づいて折り返し処理の解放を行い試験装置に解放完了を報告する信号を送信する。
【００４５】
最後に、ステップ１８で、試験装置が移動端末装置にＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を要求する信号を送信し、ステップ１９で、移動端末装置がこの信号に基づいてＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を行い試験装置に解放完了を報告する信号を送信する。
【００４６】
以上の通信手順により、本実施の形態に係る試験装置が行う移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験が完了する。
【００４７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、移動端末装置のＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させることができるので、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１に係る試験装置及び移動端末装置の構成を示すブロック図
【図２】上記実施の形態に係る試験装置及び移動端末装置の他の構成を示すブロック図
【図３】上記実施の形態に係る試験装置が行う移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験のための通信手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
１００ 試験装置
１０１、１５１ プロトコル処理部
１０２、１５２ ＲＬＣ部
１０３、１５３ ＭＡＣ部
１０４、１５４ レイヤ１送信部
１０５、１５５ レイヤ１受信部
１０６ 被測定用信号生成部
１０７、１５７ ＰＤＣＰ部
１０８ 被測定用信号判定部
１０９ 移動端末ＭＡＣ制御部
１１０、１５９ 制御部
１５０ 移動端末装置
１５６ 折り返し部
１５８ 外部インタフェース
１６０ 操作部
２００ 外部制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置に対する無線受信特性試験及び無線機能試験を行う試験装置、移動端末装置及び試験方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置には、上り回線の干渉量を低減するために、レイヤ２のＭＡＣ（Ｍｅｄｉａ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ）機能であるＴＦＣ選択（Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｆｏｒｍａｔ Ｃｏｍｂｉｎａｔｉｏｎ Ｓｅｌｅｃｔｉｏｎ）の自律的な送信電力抑制機能が装備されている。この機能は、ＭＡＣが、所定時間に無線上を伝送する制御情報とユーザ情報の取り得るデータの組み合わせ（Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｆｏｒｍａｔ Ｃｏｍｂｉｎａｔｉｏｎ Ｓｅｔ）毎に上り回線の送信電力を決定し、その送信電力が予め設定された最大値を超える場合、より低い電力で送信することができるデータの組み合わせを自動的に判断するものである。
【０００３】
この移動端末装置に対するレイヤ１の無線受信特性試験及び無線機能試験では、試験装置が移動端末装置に被測定用信号を送信し、移動端末装置がループバック機能を用いて試験装置に被測定用信号を折り返し送信する。このとき、移動端末装置の無線機に対して送信回路からの回り込みの影響を最大にした環境下での測定を行うため、移動端末装置の送信電力を最大にする必要がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の試験装置及び試験方法では、無線受信特性試験及び無線機能試験において送信電力が所定の値を超えると、移動端末装置のＴＦＣ選択による自律的な送信電力抑制機能が働いてしまい、送信電力を最大にすることができない場合が生じてしまう。
【０００５】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる試験装置、移動端末装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の試験装置は、移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験を行うための被測定用信号を生成して前記移動端末装置に送信する被測定用信号生成手段と、前記移動端末装置にて折り返し送信され、受信した前記被測定用信号に基づいて無線特性評価を行う被測定用信号判定手段と、前記移動端末装置との間で前記被測定用信号を送受する際に前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する制御を行う制御手段とを具備する構成を採る。
【０００７】
本発明の試験装置における制御手段は、無線インタフェースを介して無線接続により移動端末装置の送信電力抑制機能を制御する構成を採る。
【０００８】
本発明の試験装置における制御手段は、外部インタフェースを介して有線接続により移動端末装置の送信電力抑制機能を制御する構成を採る。
【０００９】
本発明の移動端末装置は、上記いずれかの試験装置と接続し、無線受信特性試験及び無線機能試験を行うための被測定用信号を前記試験装置に送信する際に送信電力抑制機能を停止する構成を採る。
【００１０】
本発明の移動端末装置は、送信電力抑制を行う手段と、無線受信特性試験及び無線機能試験を行う際に送信電力抑制機能を停止する制御手段と、を具備する構成を採る。
【００１１】
本発明の移動端末装置における制御手段は、外部装置からの指示に従って送信電力抑制機能を停止する構成を採る。
【００１２】
本発明の移動端末装置は、使用者の操作による指示を制御手段に伝達する操作手段を具備し、制御手段は、前記操作手段からの指示に従って送信電力抑制機能を停止する構成を採る。
【００１３】
これらの構成により、移動端末装置のＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させることができるので、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる。
【００１４】
本発明の試験方法は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置の試験方法であって、前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する工程と、無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程とを具備する方法を採る。
【００１５】
本発明の試験方法は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置とこの移動端末装置と接続する試験装置とにおいて、レイヤ３信号を送受してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現する工程と、前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する工程と、被測定用信号を送受して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程とを具備する方法を採る。
【００１６】
本発明の試験方法は、ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置とこの移動端末装置と接続する試験装置とにおいて、ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定を行う工程と、被測定用信号を送受するためのレイヤ１、レイヤ２の条件設定を行う工程と、折り返し処理を実行するための条件設定を行う工程と、前記移動端末装置の送信抑制機能の停止する工程と、前記試験装置によって前記移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程と、試験終了後に前記移動端末装置の送信抑制機能の停止を解除する工程と、前記折り返し処理の解放を行う工程と、ＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を行う工程とを具備する方法を採る。
【００１７】
この方法により、移動端末装置のＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させることができるので、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、無線受信特性試験及び無線機能試験の際に、移動端末装置におけるＭＡＣのＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させる機能を試験装置に搭載することである。
【００１９】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【００２０】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１に係る試験装置及び移動端末装置の構成を示すブロック図である。
【００２１】
図１の試験装置１００は、プロトコル処理部１０１と、ＲＬＣ（Ｒａｄｉｏ Ｌｉｎｋ Ｃｏｎｔｒｏｌ）部１０２と、ＭＡＣ部１０３と、レイヤ１送信部１０４と、レイヤ１受信部１０５と、被測定用信号生成部１０６と、ＰＤＣＰ（Ｐａｃｋｅｔ Ｄａｔａ Ｃｏｎｖｅｒｇｅｎｃｅ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）部１０７と、被測定用信号判定部１０８と、移動端末ＭＡＣ制御部１０９と、これらの制御を行う制御部１１０とから主に構成されている。
【００２２】
図１の移動端末装置１５０は、プロトコル処理部１５１と、ＲＬＣ部１５２と、ＭＡＣ部１５３と、レイヤ１送信部１５４と、レイヤ１受信部１５５と、折り返し部１５６と、ＰＤＣＰ部１５７と、外部インタフェース１５８と、これらの制御を行う制御部１５９とから主に構成されている。
【００２３】
試験装置１００は、移動端末装置１５０と、レイヤ３信号を伝送してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現し、被測定用信号を伝送して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う。
【００２４】
まず、試験装置１００のプロトコル処理部１０１と移動端末装置１５０のプロトコル処理部１５１との間でレイヤ３信号が伝送される。
【００２５】
具体的には、プロトコル処理部１０１にて生成されたレイヤ３信号が、ＲＬＣ部１０２、ＭＡＣ部１０３、レイヤ１送信部１０４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１５５、ＭＡＣ部１５３、ＲＬＣ部１５２を経てプロトコル処理部１５１に受信される。また、プロトコル処理部１５１にて生成されたレイヤ３信号が、ＲＬＣ部１５２、ＭＡＣ部１５３、レイヤ１送信部１５４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１０５、ＭＡＣ部１０３、ＲＬＣ部１０２を経てプロトコル処理部１０１に受信される。
【００２６】
このレイヤ３信号の伝送の際、ＭＡＣ部１５３は、ＴＦＣ選択による自律的な送信電力抑制機能により送信電力を制御する。
【００２７】
このプロトコル処理部１０１とプロトコル処理部１５１との間でレイヤ３信号を伝送することにより、ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定（レイヤ１に関する通信内容や通信速度等の調整）が行われる。
【００２８】
ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定が完了すると、その旨を示す信号が、プロトコル処理部１０１から移動端末ＭＡＣ制御部１０９に出力される。
【００２９】
次に、試験装置１００の被測定用信号生成部１０６、被測定用信号判定部１０８と移動端末装置１５０の折り返し部１５６との間で、無線受信特性試験及び無線機能試験のための被測定用信号が伝送される。
【００３０】
具体的には、被測定用信号生成部１０６にて生成された被測定用信号が、ＰＤＣＰ部１０７、ＲＬＣ部１０２、ＭＡＣ部１０３、レイヤ１送信部１０４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１５５、ＭＡＣ部１５３、ＲＬＣ部１５２、ＰＤＣＰ部１５７を経て折り返し部１５６に受信される。そして、折り返し部１５６に受信された被測定用信号が、ループバック機能により、予め規定されている所定の折り返し規則に従って折り返し送信される（以下、この折り返し部１５６における処理を「折り返し処理」という）。折り返し部１５６から送信された被測定用信号は、ＰＤＣＰ部１５７、ＲＬＣ部１５２、ＭＡＣ部１５３、レイヤ１送信部１５４を経てＣＤＭＡ無線インタフェース上に送信され、レイヤ１受信部１０５、ＭＡＣ部１０３、ＲＬＣ部１０２、ＰＤＣＰ部１０７を経て被測定用信号判定部１０８に受信される。被測定用信号判定部１０８は、受信した被測定用信号に基づいて無線特性評価を行う。
【００３１】
この被測定用信号の伝送の際、移動端末ＭＡＣ制御部１０９は、ＭＡＣ部１５３に送信電力抑制機能の停止を通知し、ＭＡＣ部１５３は、この通知に基づいてＴＦＣ選択による送信電力抑制機能を停止し、被測定用信号を最大の送信電力で送信する。
【００３２】
ＭＡＣ部１５３に送信電力抑制機能の停止を通知する方法として、（１）移動端末ＭＡＣ制御部１０９からプロトコル処理部１０１、ＲＬＣ部１０２、ＭＡＣ部１０３、レイヤ１送信部１０４、レイヤ１受信部１５５、ＭＡＣ部１５３、ＲＬＣ部１５２を介してプロトコル処理部１５１に制御信号を送信し、プロトコル処理部１５１がＭＡＣ部１５３に通知する方法、（２）移動端末ＭＡＣ制御部１０９から外部インタフェース１５８を介して制御部１５９に制御信号を送信し、制御部１５９がＭＡＣ部１５３に通知する方法等が考えられる。
【００３３】
なお、試験装置からの試験信号送信前に予めＭＡＣ部１５３の送信電力抑制機能を停止してもよい。この場合には、図２に示すように、（３）外部制御装置２００と移動端末装置１５０とを接続し、外部制御装置から外部インタフェース１５８を介して制御部１５９に制御信号を送信し、制御部１５９がＭＡＣ部１５３に通知する方法、（４）使用者の操作による指示を制御部１５９に伝達する操作部１６０を移動端末装置１５０に設け、操作部１６０から制御部１５９に制御信号を送信し、制御部１５９がＭＡＣ部１５３に通知する方法等が考えられる。
【００３４】
このように、本実施の形態では、レイヤ３信号を伝送する際には移動端末装置１００のＭＡＣ部１５３のＴＦＣ選択による送信電力抑制機能を動作させ、被測定用信号を伝送する際には送信電力抑制機能を停止させて被測定用信号を最大の送信電力で送信する。
【００３５】
次に、本実施の形態に係る試験装置が行う移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験のための通信手順を、図３のシーケンス図を用いて説明する。
【００３６】
まず、ステップ１で、試験装置が移動端末装置に試験開始を示す着信の信号を送信し、ステップ２で、移動端末装置がこの信号を受信すると試験装置にＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続開始を要求する信号を送信する。そして、ステップ３で、試験装置が移動端末装置にＣＤＭＡ無線インタフェースの設定を要求する信号を送信し、ステップ４で、移動端末装置がこの信号に基づいて設定を行い試験装置にＣＤＭＡ無線インタフェースの設定完了を報告する信号を送信する。そして、ステップ５でステップ１における着信に対する応答信号を送信する。
【００３７】
次に、ステップ６で、試験装置が移動端末装置に試験用のモードとして不要なレイヤ３信号の排除を要求する信号を送信し、ステップ７で、移動端末装置がこの信号に基づいてレイヤ３信号の排除を行い試験装置に排除完了を報告する信号を送信する。
【００３８】
次に、ステップ８で、試験装置が移動端末装置に被測定用信号を伝送するためのレイヤ１、レイヤ２の条件設定を要求する信号を送信し、ステップ９で、移動端末装置がこの信号に基づいてレイヤ１、レイヤ２の条件の設定を行い試験装置に設定完了を報告する信号を送信する。
【００３９】
次に、ステップ１０で、試験装置が移動端末装置の折り返し部１５６に折り返し処理を実行するための条件設定を要求する信号を送信し、ステップ１１で、移動端末装置がこの信号に基づいて折り返し処理の条件の設定を行い試験装置に設定完了を報告する信号を送信する。
【００４０】
次に、ステップ１２で、試験装置の移動端末ＭＡＣ制御部１０９が移動端末装置のＭＡＣ部１５３にＴＦＣ選択機能による送信抑制機能の停止を要求する信号を送信し、ステップ１３で、移動端末装置がこの信号に基づいて送信抑制機能を停止して試験装置に停止完了を報告する信号を送信する。
【００４１】
その後、試験装置によって移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験が行われる。
【００４２】
試験終了後、ステップ１４で、試験装置の移動端末ＭＡＣ制御部１０９が移動端末装置のＭＡＣ部１５３に送信抑制機能の停止の解除を要求する信号を送信し、ステップ１５で、移動端末装置がこの信号に基づいて送信抑制機能の停止を解除して試験装置に解除完了を報告する信号を送信する。
【００４３】
このステップ１２からステップ１５が、本願発明の最も特徴的な通信手順である。
【００４４】
次に、ステップ１６で、試験装置が移動端末装置の折り返し部１５６に折り返し処理の解放を要求する信号を送信し、ステップ１７で、移動端末装置がこの信号に基づいて折り返し処理の解放を行い試験装置に解放完了を報告する信号を送信する。
【００４５】
最後に、ステップ１８で、試験装置が移動端末装置にＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を要求する信号を送信し、ステップ１９で、移動端末装置がこの信号に基づいてＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を行い試験装置に解放完了を報告する信号を送信する。
【００４６】
以上の通信手順により、本実施の形態に係る試験装置が行う移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験が完了する。
【００４７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、移動端末装置のＴＦＣ選択の送信電力抑制機能を停止させることができるので、移動端末装置の送信電力を最大にして無線受信特性試験及び無線機能試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１に係る試験装置及び移動端末装置の構成を示すブロック図
【図２】上記実施の形態に係る試験装置及び移動端末装置の他の構成を示すブロック図
【図３】上記実施の形態に係る試験装置が行う移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験のための通信手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
１００ 試験装置
１０１、１５１ プロトコル処理部
１０２、１５２ ＲＬＣ部
１０３、１５３ ＭＡＣ部
１０４、１５４ レイヤ１送信部
１０５、１５５ レイヤ１受信部
１０６ 被測定用信号生成部
１０７、１５７ ＰＤＣＰ部
１０８ 被測定用信号判定部
１０９ 移動端末ＭＡＣ制御部
１１０、１５９ 制御部
１５０ 移動端末装置
１５６ 折り返し部
１５８ 外部インタフェース
１６０ 操作部
２００ 外部制御装置
Claims (10)
- 移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験を行うための被測定用信号を生成して前記移動端末装置に送信する被測定用信号生成手段と、前記移動端末装置にて折り返し送信され、受信した前記被測定用信号に基づいて無線特性評価を行う被測定用信号判定手段と、前記移動端末装置との間で前記被測定用信号を送受する際に前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する制御を行う制御手段とを具備することを特徴とする試験装置。
- 制御手段は、無線インタフェースを介して無線接続により移動端末装置の送信電力抑制機能を制御することを特徴とする請求項１記載の試験装置。
- 制御手段は、外部インタフェースを介して有線接続により移動端末装置の送信電力抑制機能を制御することを特徴とする請求項１記載の試験装置。
- 請求項１から請求項３のいずれかに記載の試験装置と接続し、無線受信特性試験及び無線機能試験を行うための被測定用信号を前記試験装置に送信する際に送信電力抑制機能を停止することを特徴とする移動端末装置。
- 送信電力抑制を行う手段と、無線受信特性試験及び無線機能試験を行う際に送信電力抑制機能を停止する制御手段と、を具備することを特徴とする移動端末装置。
- 制御手段は、外部装置からの指示に従って送信電力抑制機能を停止することを特徴とする請求項５記載の移動端末装置。
- 使用者の操作による指示を制御手段に伝達する操作手段を具備し、制御手段は、前記操作手段からの指示に従って送信電力抑制機能を停止することを特徴とする請求項５記載の移動端末装置。
- ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置の試験方法であって、前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する工程と、無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程とを具備することを特徴とする試験方法。
- ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置とこの移動端末装置と接続する試験装置とにおいて、レイヤ３信号を送受してＣＤＭＡ無線インタフェースによる無線接続を実現する工程と、前記移動端末装置の送信電力抑制機能を停止する工程と、被測定用信号を送受して無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程とを具備することを特徴とする試験方法。
- ＣＤＭＡ移動通信システムの移動端末装置とこの移動端末装置と接続する試験装置とにおいて、ＣＤＭＡ無線インタフェースの設定を行う工程と、被測定用信号を送受するためのレイヤ１、レイヤ２の条件設定を行う工程と、折り返し処理を実行するための条件設定を行う工程と、前記移動端末装置の送信抑制機能の停止する工程と、前記試験装置によって前記移動端末装置の無線受信特性試験及び無線機能試験を行う工程と、試験終了後に前記移動端末装置の送信抑制機能の停止を解除する工程と、前記折り返し処理の解放を行う工程と、ＣＤＭＡ無線インタフェースの解放を行う工程とを具備することを特徴とする試験方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002247168A JP2004088457A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 試験装置、移動端末装置及び試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002247168A JP2004088457A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 試験装置、移動端末装置及び試験方法 |
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| JP2004088457A true JP2004088457A (ja) | 2004-03-18 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002247168A Withdrawn JP2004088457A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 試験装置、移動端末装置及び試験方法 |
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| JP (1) | JP2004088457A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102164196A (zh) * | 2011-04-19 | 2011-08-24 | 广东欧珀移动通信有限公司 | 一种手机电流自动化测试方法 |
| CN102387231A (zh) * | 2010-08-27 | 2012-03-21 | 苏州安可信通信技术有限公司 | 手机键盘自动测试设备以及测试方法 |
| CN102594960A (zh) * | 2012-02-23 | 2012-07-18 | 上海华勤通讯技术有限公司 | 手机主板按键功能的测试装置 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247168A patent/JP2004088457A/ja not_active Withdrawn
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