JP2004088066A - 有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】能動半導体にソース・ドレイン電極を効果的に接触させ、容易に集積加工できる電界効果トランジスタ素子を提供する。
【解決手段】基板1と、基板1に形成されるゲート電極2と、基板1とゲート電極2に形成されるゲート絶縁層3とを備える有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタにおいて、能動層4はゲート絶縁層3に形成されて、絶縁層3の一部分を露出し、ソース・ドレイン電極5は能動層4とゲート絶縁層3の一部分に形成され、能動層6は露出されるゲート絶縁層3、能動層4、ソース・ドレイン電極5に形成される。本発明は有機半導体の低温加工のメリットを発揮し、二種類又はそれ以上の材料を採用して共同で能動半導体層を構成するので、能動層とソース・ドレイン電極との効果的な接触を強化させ、素子の閾値電圧を下げ、また半導体とソース・ドレイン電極は絶縁層に緊密に接続することができる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果トランジスタ(FET)及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、有機半導体を含むサンドイッチ型のソース・ドレイン電極構造を有する電界効果トランジスタ(以下はサンドイッチ型電界効果トランジスタと称する)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機半導体材料に関する研究は非常に活発になっている。有機電界効果トランジスタの性能は既に水素化アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a−Si:H TFT)の水準を越えている。特に一部分の有機低分子の重合体(例えば、ペンタセン(Pentacene)、テトラセン(Tetracene)等)の室温でのキャリアの移動度は既に1(cm/Vs)を超えている。従って、有機電界効果トランジスタはフレキシブル集積回路とアクティブマトリクス表示等とにおいて特に実際に潜在的な応用能力を有している。
【0003】
有機電界効果トランジスタは、通常、ボトム電極幾何配置とトップ電極幾何配置の二種類の素子構造を通じて実現される。また、直立の幾何配置の素子構造も知られている(例えば特許文献1参照)。図1は従来の技術を示すものであり、電界効果トランジスタの三種類の幾何配置を実現する実例を示している。ここで1は基板、2はゲート電極、3(3a,3b,3cを含む)は絶縁層、4は能動層、5はソース・ドレイン電極である。
【0004】
ボトム電極配置の素子と直立配置の素子とは容易に加工できるメリットがある。しかし、その上に形成される有機半導体はソース・ドレイン電極との接触が困難であり、これらの配置素子の性能はトップ電極配置の素子よりも低い。有機半導体材料は無機半導体素子の加工の中でよく使われる化学溶媒に敏感に反応するので、通常の無機半導体素子の加工技術を用いてトップ電極配置の素子を加工することは制限される。
【0005】
既存の有機半導体は通常同一の分子材料を利用して電界効果トランジスタの能動層とする。例えば、電子供給体と受容体との有機分子から共同で電界効果トランジスタの能動層を構成することが知られている(例えば特許文献2参照)。このような半導体はP型とN型とを組み合わせて導通する原理を利用するので、その電界効果トランジスタ素子のオンオフ電流比と移動度との性能も低い。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第WO99/40631号パンフレット
【特許文献2】
米国特許第5629530号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、能動半導体にソース・ドレイン電極を効果的に接触させ、しかも容易に集積加工できる電界効果トランジスタ素子を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、上記電界効果トランジスタの製造方法を提供することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタは、基板1と、基板1の上に形成されるゲート電極2と、基板1とゲート電極2との上に形成されるゲート絶縁層3とを備える有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタにおいて、能動層4はゲート絶縁層3の上に形成されて絶縁層3の一部分を露出し、ソース・ドレイン電極5は能動層4とゲート絶縁層3との一部分の上に形成され、能動層6は、露出されるゲート絶縁層3、能動層4、ソース・ドレイン電極5の上に形成されることを特徴とする。
【0010】
また、もう一つの前記目的を達成するために、本発明の電界効果トランジスタの製造方法は、基板上に導電材料層を形成し、フォトエッチング法を用いてゲート電極を形成する工程と、基板とゲート電極との上に絶縁層を形成する工程と、絶縁層上に気相法で半導体層を蒸着し、絶縁層の一部分を露出させる工程と、露出された絶縁層と半導体層上に導電材料を形成し、フォトエッチング法又は剥離方法を用いて、ソース・ドレイン電極を形成する工程と、ソース・ドレイン電極、ソース・ドレイン電極から露出された半導体層、及び露出された絶縁層の上に半導体層を気相蒸着又はスピンコーティングにより形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明は、有機半導体の低温加工のメリットを充分に発揮し、二種類又はそれ以上の材料を採用して共同で能動半導体層を構成するので、能動層とソース・ドレイン電極との効果的な接触を強化させ、素子の閾値電圧を下げ、また半導体とソース・ドレイン電極とは絶縁層に緊密に接続できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明を説明する。図2は本発明のサンドイッチ幾何構造のある電界効果トランジスタの構造を示す。まず、導電材料層を基板1の上に形成してゲート電極2を構成する。次に、絶縁材料層を基板とゲート電極2との上に形成してゲート絶縁層3を構成する。次に、空孔を有する半導体材料層をゲート絶縁層3上に形成して能動層4を構成する。次に、導電材料層を、空孔を有する半導体層4とゲート絶縁層3との形に形成してソース・ドレイン電極5を構成する。そして、他の半導体材料層6が、ゲート絶縁層3、半導体層4、ソース・ドレイン電極5の上に形成されて、空孔を有する半導体層4と共に能動層を構成する。
【0013】
本発明の実施例では、一つの能動半導体は既存のP型半導体CuPcとNiPcとを同時に析出させて共晶を形成し、又は層状構造に複合して構成する(本明細書ではフタロシアニンをPc、ジフタロシアニンをPcと略記する)。この能動半導体の素子は単一材料の素子と比べて、オンオフ電流比は顕著な損失がない。一方、閾値電圧は顕著に低下し、キャリア移動度の性能は明らかに向上する。その原理によって、幾つかの材料を混合し、同時に析出させ又は層状構造に複合して構成する半導体と、ソース・ドレイン電極との表面接触は、単一材料と、ソース・ドレイン電極との表面接触よりも、明らかに改善されることになる。
【0014】
また、本発明の他の実施例では、一つの能動半導体は既存のP型半導体CuPcと電気抵抗性の材料NdPc(ネオジムジフタロシアニン)とを層状に複合させることにより構成される。この能動半導体の素子は単一材料の素子と比べて、オンオフ電流比とキャリアの移動度とは顕著に向上し、閾値電圧は顕著に低下する。その原理によって、二種類の分子を層状に複合して構成する半導体と、ソース・ドレイン電極との表面接触は、CuPcと、ソース・ドレイン電極との表面接触より良く、同時にNdPcはCuPcの電界効果の転移性質を強化することになる。
【0015】
銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンとの共晶の電界効果トランジスタの出力の特性曲線は図6に示されている。ゲート電圧Vが−30Vの場合、その飽和区域の正孔(キャリア)移動度は0.04cm/Vs(平方センチメートル/ボルト・秒)であり、オンオフ電流比は4×10である。ゲート電圧Vが−30Vの場合、閾値電圧は−8Vである。
【0016】
本発明の電界効果トランジスタに用いる有機半導体は、単一の分子材料で半導体又は導体の性質を示す多種類の分子材料を混合し、同時に析出させ、又は層状に複合して構成することにより、電界効果トランジスタ素子の性能(移動度、閾値電圧とオンオフ電流比)が単一材料の素子より明らかに改善される。
【0017】
以下、実施例を通じて本発明を更に説明する。図3は実施形態のステップを示している。
【0018】
(第1実施例)
試験に用いる銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、ニッケルフタロシアニン(NiPc)、コバルトフタロシアニン(CoPc)、遊離フタロシアニン(HPc)、酸化チタンフタロシアニン(TiOPc)、酸化バナジウムフタロシアニン(VOPc)、およびペンタセン(Pentacene)は市販品で、それらを昇華し精製してから利用する。
【0019】
7059ガラス基板(商品名)又は軟質プラスチック基板1に、RF磁気制御スパッタ法で金属Taの膜をコーティングする。その厚さは約200ナノメートル(nm)である。次に、ゲート電極2の形状になるようにフォトエッチングする。ゲート電極2に直流磁気制御スパッタ法でTaをスパッタしてゲート絶縁層3を形成する。厚さは約100ナノメートル(nm)である。その後分子気相蒸着法により、空孔を有する銅フタロシアニンの能動層4を形成する。その厚さは約20ナノメートル(nm)である。それからフォトエッチング又は剥離方法により、ゲート絶縁層3と能動層4との上に、ゲート絶縁層3と能動層4との一部が露出するように、Auのソース・ドレイン電極5を形成する。その厚さは約50ナノメートル(nm)である。なお、前記剥離方法は、露出された絶縁層(ゲート絶縁層3)と半導体層(能動層4)との上に形成された導電材料(Au)の一部を剥離してソース・ドレイン電極5を形成する操作である。
【0020】
最後に分子気相法で約30ナノメートル(nm)の能動層6を蒸着する。この能動層6には銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、遊離フタロシアニン、酸化チタンフタロシアニン、酸化バナジウムフタロシアニン、およびペンタセンの何れかを用いる。
【0021】
能動層6が蒸着されていない素子と、銅フタロシアニンとのサンドイッチ型電界効果トランジスタにおける、ゲート電圧Vが−30Vの場合の出力の特性曲線を図4に示す。図示のように明らかな電界効果の現象が現れない。
【0022】
銅フタロシアニンと銅フタロシアニンとのサンドイッチ型電界効果トランジスタにおける、Vが−30Vの場合の出力の特性曲線を図4に示す。その飽和区域の正孔キャリアの移動度は0.01cm/Vsであり、閾値電圧は−18Vであり、オンオフ電流比は4×10である。
【0023】
ニッケルフタロシアニンとニッケルフタロシアニンとのサンドイッチ型電界効果トランジスタにおける、Vが−30Vの場合の出力の特性曲線を図4に示す。その飽和区域の正孔キャリアの移動度は0.005cm/Vsであり、オンオフ電流比は4×10であり、Vが−30Vの場合の閾値電圧は−16Vである。
【0024】
銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンとのサンドイッチ型電界効果トランジスタにおける、Vが−30Vの場合の出力の特性曲線を図4に示す。その飽和区域の正孔キャリアの移動度は0.01cm/Vsであり、オンオフ電流比は4×10であり、Vが−30Vの場合の閾値電圧は−13.5Vである。
【0025】
銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンとのサンドイッチ電界効果トランジスタの性能は、銅フタロシアニンのサンドイッチ型電界効果トランジスタとニッケルフタロシアニンのサンドイッチ型電界効果トランジスタとの性能と比較して、オンオフ電流比は明らかな変化がなく、閾値電圧は明らかに低下する。表1は既存の有機半導体のサンドイッチ型電界効果トランジスタの性能を示す。表1で正孔移動度と閾値電圧とは、Vが−30Vの場合の性能である。
【0026】
【表1】
Figure 2004088066
【0027】
(第2実施例)
試験に用いられる金属ジフタロシアニン(ただし、金属ジフタロシアニンを構成する金属は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Zr、Hf、Snのうちのいずれかである)、遊離ナフタレンフタロシアニン、コバルトナフタレンフタロシアニン、銅ナフタレンフタロシアニン、亜鉛ナフタレンフタロシアニン、ニッケルナフタレンフタロシアニンは、それ自体公知の方法により合成され、またそれらを昇華し精製してから利用する。
【0028】
なお、上記合成方法は例えば、文献[(1) J. Jiang, R. C. W. Liu, T. C. W.Mack, T. D. W. Chan, D. K. P. Ng, Polyhedron, 1997, 16, 515; (2) W. Liu, J. Jiang, D. Du, D. P. Arnold, Aust. J. Chem., 2000, 53, 131; (3)R. Polley, M. Hanack, J. Org. Chem., 1995, 60, 8278; (4) M. hanack, R.Polley, S. Knecht, U. Schlick, Inorg. Chem., 1995, 34, 3621; (5) M. L. Kaplan, A. J. Lovinger, W. D. Reents, jun, P. H. Schmidt, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1984, 112, 345.] に開示されている。
【0029】
7059ガラス基板(商品名)又は軟質プラスチック基板1に、RF磁気制御スパッタ法で金属Taの膜をコーティングする。その厚さは約200ナノメートル(nm)である。次に、ゲート電極2の形状になるようにフォトエッチングする。ゲート電極2に直流磁気制御スパッタ法でTaをスパッタしてゲート絶縁層3を形成する。厚さは約100ナノメートル(nm)である。その後分子気相蒸着法により、空孔を有する銅フタロシアニンの能動層4を形成する。その厚さは約20ナノメートル(nm)である。それからフォトエッチング又は剥離方法により、ゲート絶縁層3と能動層4との上に、ゲート絶縁層3と能動層4との一部が露出するように、Auのソース・ドレイン電極5を形成する。その厚さは約50ナノメートル(nm)である。最後に分子気相法で約30ナノメートル(nm)の能動層6を蒸着する。その能動層6は金属ジフタロシアニン(ただし、金属ジフタロシアニンを構成する金属は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Zr、Hf、Snのうちのいずれかである)、遊離ナフタレンフタロシアニン、コバルトナフタレンフタロシアニン、銅ナフタレンフタロシアニン、亜鉛ナフタレンフタロシアニン、ニッケルナフタレンフタロシアニンのうちの何れか一つを用いる。
【0030】
ネオジムジフタロシアニンのトップ電極電界効果トランジスタ及び銅フタロシアニンとネオジムジフタロシアニンとのサンドイッチ型電界効果トランジスタの転移の特性曲線は図5に示されるように、ネオジムジフタロシアニンのトップ電極の電界効果トランジスタは電界効果の現象が現れないのに対して、サンドイッチ型電界効果トランジスタは安定した電界効果の現象を示している。Vが−30Vの場合、飽和区域の正孔キャリアの移動度は0.015cm/Vsであり、Vが−30Vの場合の閾値電圧は−12Vである。表2は新型有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタの性能を示し、その移動度はVが−30Vの場合の性能である。なお、本明細書ではナフタレンフタロシアニンをNcと略記する。
【0031】
【表2】
Figure 2004088066
【0032】
(第3実施例)
試験に用いられるフルオロフタロシアニン銅とフルオロフタロシアニン亜鉛とは市販品であり、それらを昇華し精製してから利用する。
【0033】
7059ガラス基板(商品名)又は軟質プラスチック基板1に、RF磁気制御スパッタ法で金属Taの膜をコーティングする。その厚さは約200ナノメートル(nm)である。次に、ゲート電極2の形状になるようにフォトエッチングする。ゲート電極2に直流磁気制御スパッタ法でTaをスパッタしてゲート絶縁層3を形成する。厚さは約100ナノメートル(nm)である。その後分子気相蒸着法により、空孔を有する銅フタロシアニンの能動層4を形成する。その厚さは約20ナノメートル(nm)である。それからフォトエッチング又は剥離方法により、ゲート絶縁層3と能動層4との上に、ゲート絶縁層3と能動層4との一部が露出するように、Auのソース・ドレイン電極5を形成する。その厚さは約50ナノメートル(nm)である。最後に分子気相法で約30ナノメートル(nm)のフルオロフタロシアニン銅の能動層6を蒸着する。サンドイッチ型電界効果素子の飽和区域での電子移動度は0.02cm/Vsである。フルオロフタロシアニン銅とフルオロフタロシアニン亜鉛とのサンドイッチ型電界効果トランジスタの飽和区域での電子移動度は0.016cm/Vsである。
【0034】
本発明は上述した各実施例に限定されるものではない。一般的に言えば、本明細書に開示したサンドイッチ型電界効果トランジスタは、二元又は三元の集積素子の部品に加工されることができる。これらの集積素子は、フレキシブル集積回路、アクティブマトリクス表示などの方面に応用することができる。本発明による電界効果トランジスタ部品を用いて低温加工することができる。本発明のサンドイッチ型電界効果トランジスタを加工する方法は、伝統的なフォトエッチング法に限らず、またプリント、印刷などの加工方法を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は従来技術によるトップ電極配置の電界効果トランジスタの例を説明する図である。図1(b)は従来技術によるボトム電極配置の電界効果トランジスタの例を説明する図である。図1(c)は従来技術による直立配置の電界効果トランジスタの例を説明する図である。
【図2】図2は本発明のサンドイッチ型電界効果トランジスタの実施例の構造を示す図である。
【図3】図3は本発明のサンドイッチ型電界効果トランジスタの製造工程を示す図である。
【図4】図4は本発明のサンドイッチ型電界効果トランジスタの第1実施例で、不完全な銅フタロシアニン層、銅フタロシアニンと銅フタロシアニンとの複合層、ニッケルフタロシアニンとニッケルフタロシアニンとの複合層、銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンとの複合層を採用する能動層の出力特性曲線のグラフである。
【図5】図5(a)は本発明のサンドイッチ型電界効果トランジスタの第2実施例で、銅フタロシアニンと銅フタロシアニンとの複合層、銅フタロシアニンとネオジムジフタロシアニンとの複合層及びネオジムジフタロシアニン単層素子を採用する能動層の出力特性曲線のグラフである。図5(b)は本発明のサンドイッチ型電界効果トランジスタの第2実施例で、銅フタロシアニンと銅フタロシアニンとの複合層、銅フタロシアニンとネオジムジフタロシアニンとの複合層を採用する能動層の移転特性曲線のグラフである。
【図6】図6は本発明の銅フタロシアニンとニッケルフタロシアニンとを同時に析出させた有機半導体を能動層とするトップ電極配置素子の出力特性曲線のグラフである。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・ゲート電極、3・・・ゲート絶縁層、4,6・・・能動層、5・・・ソース・ドレイン電極。

Claims (12)

  1. 基板1と、基板1の上に形成されるゲート電極2と、基板1とゲート電極2との上に形成されるゲート絶縁層3とを備える有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタにおいて、
    能動層4はゲート絶縁層3の上に形成されて絶縁層3の一部分を露出し、ソース・ドレイン電極5は能動層4とゲート絶縁層3との一部分の上に形成され、能動層6は、露出されるゲート絶縁層3、能動層4、ソース・ドレイン電極5の上に形成されることを特徴とする有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  2. 前記能動層4は空孔を有する半導体材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  3. 前記半導体材料は有機半導体材料又は有機/無機ハイブリッド化半導体材料であることを特徴とする請求項2に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  4. 前記有機半導体材料は二種類又はそれ以上の分子から構成され、これらの分子を、混合し、同時に析出させ又は層状に複合することにより構成される固体材料であることを特徴とする請求項3に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  5. 前記有機半導体材料のキャリア移動度は10 cm/Vs以上であることを特徴とする請求項4に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  6. 前記能動層4と能動層6との半導体材料は同一の材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  7. 前記能動層4と能動層6との半導体材料は異なる材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  8. 前記能動層4と能動層6との半導体材料は共晶であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  9. 前記能動層4と能動層6とは、それぞれCuPc(ただし、Pcはフタロシアニンを示す)、NiPc、ZnPc、HPc、TiOPc、VOPc、F16CuPc、F16ZnPc、ペンタセンのうち少なくとも一種又は二種以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  10. 能動層4は、CuPc(ただし、Pcはフタロシアニンを示す)、NiPc、ZnPc、HPc、F16CuPc、F16ZnPc、ペンタセンのうち少なくとも一種又は二種以上の材料から構成され、能動層6は、金属ジフタロシアニン、HNc(ただし、Ncはナフタレンフタロシアニンを示す)、CoNc、CuNc、ZnNc、NiNcのうち少なくとも一種又は二種以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  11. 前記金属ジフタロシアニンを構成する金属は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Zr、Hf、Snのうちのいずれか一種の金属であることを特徴とする請求項10に記載の有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタ。
  12. 基板上に導電材料層を形成し、フォトエッチング法を用いてゲート電極を形成する工程と、
    基板とゲート電極との上に絶縁層を形成する工程と、
    絶縁層上に気相法で半導体層を蒸着し、絶縁層の一部分を露出させる工程と、
    露出された絶縁層と半導体層との上に導電材料を形成し、フォトエッチング法又は剥離方法を用いて、ソース・ドレイン電極を形成する工程と、
    ソース・ドレイン電極、ソース・ドレイン電極から露出された半導体層、及び露出された絶縁層の上に半導体層を気相蒸着又はスピンコーティングにより形成する工程とを備えることを特徴する有機半導体を含むサンドイッチ型電界効果トランジスタの製造方法。
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