JP2004087530A - 両面配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スルーホールの側面部分に形成された導電部を介して基板の表面と裏面に形成された回路を電気的に接続する両面配線基板の製造方法であって、導電部、及び表面と裏面に形成された回路をめっき処理により同時に形成するステップを有する。これにより、両面配線基板の製造処理に要する工程数を減らすことができる。また、材料の無駄がなく安価に両面配線基板を製造することができると同時に、基板両表面に形成される回路のファイン化も可能となる。さらに、熱膨張や衝撃による信頼を大幅に向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルーホールを介して表面と裏面が導通する両面配線基板およびその製造方法に関し、特に、アディディブ法による回路形成とスルーホールめっき処理を同時に実行することにより、両面配線基板の製造に要する工程数及びコストの上昇を招くことなく、基板両表面上にファイン回路を形成し、熱膨張や衝撃に対する信頼性を向上させる技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、両面配線基板の製造処理は、始めに、図6(a)に示すような、基板両表面に金属箔10を備えた絶縁樹脂フィルム11に対して、レーザやドリルを利用して図6(b)に示すようなスルーホール12を形成する。次に、スルーホール12が形成された絶縁樹脂フィルム11に対して無電解めっき処理又は触媒を付与する処理を施すことにより、導電性を有する下地層(図示せず)を形成した後、電解めっき処理により、金属箔10表面及びスルーホール12部分に図6(c)に示すようなめっき層13を形成する。そして、回路を形成する領域とスルーホール12部分を図6(d)に示すようにドライフィルムレジスト14でマスキングした後、エッチング処理(サブトラクティブ法)を行うことにより図6(e)に示すようにドライフィルムレジスト14でマスキングされている領域以外のめっき層13を除去して回路を形成する。以後、ドライフィルムレジスト14を除去することにより一連の製造処理は終了し、図6(f)に示すような、スルーホール12を介して表面と裏面が導通する両面配線基板が製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来までの両面配線基板の製造方法によれば、スルーホール12部分に対してめっき処理を施した後にエッチング処理を行うことにより回路を形成するので、両面配線基板を製造するまでに多くの時間が必要となる。
【0004】
また、スルーホール12部分に対しめっき処理を施す際には、スルーホール12部分以外の領域をマスキングしていないと、スルーホール12部分以外の領域もめっきされてしまうので、余計な材料費が必要となり、両面配線基板を安価に製造することができない。逆に、このような問題を避けるために、スルーホール12部分以外の領域をマスキングした場合には、マスキング工程が2度必要となる。
【0005】
また、回路を形成する際は、めっきで析出させた金属ごとエッチング処理で除去しなければならないために、エッチング処理に使用する薬剤量、エッチング処理に要する時間、両方の面から見て無駄が多い工程となる。さらに、めっき層13の膜厚はめっき処理で析出した分だけ大きくなるので、ファイン回路を形成する上で大きな問題となる。
【0006】
また、めっき層13を利用してスルーホール12部分と表面回路を接続するために、熱による膨張率の差や、衝撃によって接合部が破断しないように気をつけなければならない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、両面配線基板の製造に要する工程数及びコストの上昇を招くことなく、基板両表面上にファイン回路を形成し、熱膨張や衝撃に対する信頼性を向上させることが可能な両面配線基板およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、両面配線基板であって、絶縁フィルム層と、前記絶縁フィルム層に形成されたスルーホールと、前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に形成された下地層と、前記下地層に対して電解銅めっき処理を施すことにより同時に形成された導電部および回路と、を有し、前記回路が絶縁フィルム層の表面と裏面に形成されると共に、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることである。
【0009】
本発明の他の特徴は、両面配線基板の製造方法であって、絶縁フィルム層にスルーホールを形成するステップと、前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に下地層を形成するステップと、前記下地層に対して電解銅めっき処理を施すことにより導電部および回路とを同時に形成するステップと、を有し、前記回路が絶縁フィルム層の表面と裏面に形成されると共に、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることである。
【0010】
本発明の他の特徴は、スルーホールの側面部分に形成された導電部を介して基板の表面と裏面に形成された回路を電気的に接続する両面配線基板の製造方法であって、導電部、及び表面と裏面に形成された回路をめっき処理により同時に形成するステップを有することにある。
【0011】
すなわち、本発明においては、スルーホール側面部分の導電部と回路部とをめっき処理により同時に形成するので、両面配線基板の製造に要する工程数及びコストの上昇を招くことなく、基板両表面上にファイン回路を形成し、熱膨張や衝撃に対する信頼性を向上させることができる。
【0012】
本発明の他の特徴は、両面配線基板であって、絶縁フィルム層と、前記絶縁フィルム層の両表面に備えられた金属箔と、前記金属箔の備えられた絶縁フィルム層に傾斜を有する側面部を持つ様に形成されたスルーホールと、前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に形成された下地層と、前記下地層に対して電解めっき処理を施すことにより形成された導電部と、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路とを有し、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることである。
【0013】
本発明の他の特徴は、両面配線基板の製造方法であって、絶縁フィルム層の両表面に金属箔を備えるステップと、前記金属箔の備えられた絶縁フィルム層に傾斜を有する側面部を持つ様にスルーホールを形成するステップと、前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に下地層を形成するステップと、前記下地層に対して電解めっき処理を施すことにより導電部を形成するステップと、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に回路を形成するステップとを有し、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態となる両面配線基板およびその製造方法について詳しく説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態となる両面配線基板の製造方法においては、始めに、ガラスエポキシ樹脂、カラミドエポキシ樹脂、BTレジン(ビスマレイミド・トリアジン・レジン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、液晶ポリマー等の材料から成る、図1(a)に示すような絶縁樹脂フィルム層1を用意又は作製した後、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、NCドリル等を利用して、図1(b)に示すように絶縁樹脂フィルム層1にスルーホール2を形成する。
【0016】
スルーホール2を形成すると、次に、図1(c)に示すように、無電解めっき法,スパッタ法等を利用して、スルーホール2の側面部分2aを含む絶縁フィルム層1表面にCu,Ni,Cr,Al,Ag,Au等から導電性を有する下地層3を形成する。なお、この下地層3の膜厚は0.1〜1μm程度にするとよい。そして、下地層3を形成すると、ロールラミネート処理又は真空ラミネート処理を行い、図1(d)に示すように下地層3の表面上にドライフィルムレジスト層4をラミネートする。
【0017】
ドライフィルムレジスト層4をラミネートすると、次に、回路パターンを露光、現像することにより、図1(e)に示すように、回路領域とスルーホール2部分以外のドライフィルムレジスト層4を除去した後、図1(f)に示すように、電解処理又は無電解めっき処理により回路領域とスルーホール2の側面部分2aに対してめっき処理を施し、導電部としてのめっき層5を形成する。すなわち、この処理においては、アディディブ法による回路形成とスルーホールめっき処理の2つの処理を同時に実行する。なお、上記めっき層5の材料としては、導電性を有するものであれば、Cu,Ni,Cr,Al,Ag,Au等、どのような材料であっても構わない。また、上記アディディブ法とは、絶縁層に対して回路を付け加えていく形で回路を形成する方法を意味する。
【0018】
回路領域とスルーホール2の側面部分2aに対してめっき処理を施すと、最後に、図1(g)に示すように、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などの剥離液を利用してドライフィルムレジスト層4を剥離した後、図1(h)に示すように、表面にめっき層5が形成されていない下地層3をエッチング処理により除去することにより、両面配線基板の一連の製造処理は終了する。
【0019】
このように、この第1の実施の形態となる両面配線基板の製造方法においては、アディディブ法による回路形成とスルーホールめっき処理を同時に実行するので、両面配線基板の製造処理に要する工程数を減らすことができる。また、回路をアディディブ法により形成するために、材料の無駄がなく安価に両面配線基板を製造することができると同時に、基板両表面に形成される回路のファイン化も可能となる。さらに、回路とスルーホール部分が同じめっき層5により形成されるために、熱膨張や衝撃による信頼を大幅に向上させることができる。
【0020】
[第2の実施の形態]
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施の形態となる両面配線基板の製造方法について説明する。
【0021】
本発明の第2の実施の形態となる両面配線基板の製造方法においては、第1の実施の形態のそれとは異なり、絶縁樹脂フィルム層1の両表面からレーザ光を照射することにより、図2(b)に示すように、表面部分における直径が中央部に向かって狭くなるような形状のスルーホール2を絶縁樹脂フィルム層1に形成する。すなわち、絶縁フィルム層1に傾斜を有する側面部2aを持つ様にスルーホールを形成する。
【0022】
すなわち、ガラスエポキシ樹脂、カラミドエポキシ樹脂、BTレジン(ビスマレイミド・トリアジン・レジン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、液晶ポリマー等の材料から成る、図2(a)に示すような絶縁樹脂フィルム層1を用意又は作製した後、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、NCドリル等を利用して、図2(b)に示すように絶縁樹脂フィルム層1にスルーホール2を形成する。
【0023】
ここで、スルーホール2の形状が円柱状である場合には、スルーホール2の内壁が垂直となり、投影面積が無くなるため下地層3が付きにくく、スルーホール2内における下地層3の膜厚が均一でなくなり、その後のめっき処理の信頼性に問題が生じることがある。しかしながら、この第2の実施の形態となる両面配線基板の製造方法によれば、直径が中央部に向かって狭くなるようにスルーホール2を形成し、蒸着装置やスパッタ装置等の金属供給源から投射される金属の投影面積が広くなるので、スルーホール2部分に形成される下地層3の膜厚を均一にすることが可能となり、その後に実行するめっき処理の信頼性を向上させることができる。
【0024】
スルーホール2を形成すると、次に、図2(c)に示すように、無電解めっき法,スパッタ法等を利用して、スルーホール2の側面部分2aを含む絶縁フィルム層1表面にCu,Ni,Cr,Al,Ag,Au等から導電性を有する下地層3を形成する。なお、この下地層3の膜厚は0.1〜1μm程度にするとよい。そして、下地層3を形成すると、ロールラミネート処理又は真空ラミネート処理を行い、図2(d)に示すように下地層3の表面上にドライフィルムレジスト層4をラミネートする。
【0025】
ドライフィルムレジスト層4をラミネートすると、次に、回路パターンを露光、現像することにより、図2(e)に示すように、回路領域とスルーホール2部分以外のドライフィルムレジスト層4を除去した後、図2(f)に示すように、電解処理又は無電解めっき処理により回路領域とスルーホール2の側面部分2aに対してめっき処理を施し、導電部としてのめっき層5を形成する。すなわち、この処理においては、アディディブ法による回路形成とスルーホールめっき処理の2つの処理を同時に実行する。なお、上記めっき層5の材料としては、導電性を有するものであれば、Cu,Ni,Cr,Al,Ag,Au等、どのような材料であっても構わない。また、上記アディディブ法とは、絶縁層に対して回路を付け加えていく形で回路を形成する方法を意味する。
【0026】
回路領域とスルーホール2の側面部分2aに対してめっき処理を施すと、最後に、図2(g)に示すように、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などの剥離液を利用してドライフィルムレジスト層4を剥離した後、図2(h)に示すように、表面にめっき層5が形成されていない下地層3をエッチング処理により除去することにより、両面配線基板の一連の製造処理は終了する。
【0027】
[第3の実施の形態]
次に、図3を参照して、本発明の第3の実施の形態となる両面配線基板の製造方法について説明する。
【0028】
本発明の第3の実施の形態となる両面配線基板の製造方法においては、第1の実施の形態のそれとは異なり、絶縁フィルム層1の一表面からレーザ光を照射することにより、図3(b)に示すように表面部分における直径が下方部に向かって狭くなる(0.1μm程度)ようなスルーホール2を絶縁フィルム層1に形成する。すなわち、絶縁フィルム層1に傾斜を有する側面部2aを持つ様にスルーホールを形成する。
【0029】
すなわち、ガラスエポキシ樹脂、カラミドエポキシ樹脂、BTレジン(ビスマレイミド・トリアジン・レジン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、液晶ポリマー等の材料から成る、図3(a)に示すような絶縁樹脂フィルム層1を用意又は作製した後、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、NCドリル等を利用して、図3(b)に示すように絶縁樹脂フィルム層1にスルーホール2を形成する。
【0030】
ここで、スルーホール2の形状が円柱状である場合には、スルーホール2の内壁が垂直となり、投影面積が無くなるため下地層3が付きにくく、スルーホール2内における下地層3の膜厚が均一でなくなり、その後のめっき処理の信頼性に問題が生じることがある。しかしながら、この第3の実施の形態となる両面配線基板の製造方法によれば、表面部分における直径が下方部に向かって狭くなるようにスルーホール2を形成し、蒸着装置やスパッタ装置等の金属供給源から投射される金属の投影面積が広くなるので、スルーホール2部分に形成される下地層3の膜厚を均一にすることが可能となり、その後に実行するめっき処理の信頼性を向上させることができる。
【0031】
スルーホール2を形成すると、次に、図3(c)に示すように、無電解めっき法,スパッタ法等を利用して、スルーホール2の側面部分2aを含む絶縁フィルム層1表面にCu,Ni,Cr,Al,Ag,Au等から導電性を有する下地層3を形成する。なお、この下地層3の膜厚は0.1〜1μm程度にするとよい。そして、下地層3を形成すると、ロールラミネート処理又は真空ラミネート処理を行い、図3(d)に示すように下地層3の表面上にドライフィルムレジスト層4をラミネートする。
【0032】
ドライフィルムレジスト層4をラミネートすると、次に、回路パターンを露光、現像することにより、図3(e)に示すように、回路領域とスルーホール2部分以外のドライフィルムレジスト層4を除去した後、図3(f)に示すように、電解処理又は無電解めっき処理により回路領域とスルーホール2の側面部分2aに対してめっき処理を施し、導電部としてのめっき層5を形成する。すなわち、この処理においては、アディディブ法による回路形成とスルーホールめっき処理の2つの処理を同時に実行する。なお、上記めっき層5の材料としては、導電性を有するものであれば、Cu,Ni,Cr,Al,Ag,Au等、どのような材料であっても構わない。また、上記アディディブ法とは、絶縁層に対して回路を付け加えていく形で回路を形成する方法を意味する。
【0033】
回路領域とスルーホール2の側面部分2aに対してめっき処理を施すと、最後に、図3(g)に示すように、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などの剥離液を利用してドライフィルムレジスト層4を剥離した後、図3(h)に示すように、表面にめっき層5が形成されていない下地層3をエッチング処理により除去することにより、両面配線基板の一連の製造処理は終了する。
【0034】
[第4の実施の形態]
次に、図4を参照して、本発明の第4の実施の形態となる両面配線基板の製造方法について説明する。
【0035】
本発明の第4の実施の形態となる両面配線基板の製造方法においては、図6に示した両面配線基板の製造方法において、絶縁樹脂フィルム層11の両表面からレーザ光を照射することにより、図4(b)に示すように、表面部分における直径が中央部に向かって狭くなるような形状のスルーホール12を絶縁樹脂フィルム層11に形成する。すなわち、絶縁樹脂フィルム層11に傾斜を有する側面部12aを持つようにスルーホール12を形成する。
【0036】
すなわち、図4(a)に示すような、基板両表面に金属箔10を備えた絶縁樹脂フィルム11に対して、両表面からレーザ光を照射することにより、図4(b)に示すように、表面部分における直径が中央部に向かって狭くなるような形状のスルーホール12を絶縁樹脂フィルム層11に形成する。
【0037】
次に、スルーホール12が形成された絶縁樹脂フィルム11に対して無電解めっき処理又は触媒を付与する処理を施すことにより、導電性を有する下地層を形成した後、電解めっき処理により、金属箔10表面及びスルーホール12部分に図4(c)に示すような導電部としてのめっき層13を形成する。
【0038】
ここで、スルーホール12の形状が円柱状である場合には、スルーホール12の内壁が垂直となり、投影面積が無くなるため下地層が付きにくく、スルーホール12内における下地層の膜厚が均一でなくなり、その後のめっき処理の信頼性に問題が生じることがある。しかしながら、この第4の実施の形態となる両面配線基板の製造方法によれば、直径が中央部に向かって狭くなるようにスルーホール12を形成し、蒸着装置やスパッタ装置等の金属供給源から投射される金属の投影面積が広くなるので、スルーホール12部分に形成される下地層の膜厚を均一にすることが可能となり、その後に実行するめっき処理の信頼性を向上させることができる。
【0039】
そして、回路を形成する領域とスルーホール12部分を図4(d)に示すようにドライフィルムレジスト14でマスキングした後、エッチング処理(サブトラクティブ法)を行うことにより図4(e)に示すようにドライフィルムレジスト14でマスキングされている領域以外のめっき層13を除去して回路を形成する。以後、ドライフィルムレジスト14を除去することにより一連の製造処理は終了し、図4(f)に示すような、スルーホール12を介して表面と裏面が導通する両面配線基板が製造される。
【0040】
[第5の実施の形態]
次に、図5を参照して、本発明の第5の実施の形態となる両面配線基板の製造方法について説明する。
【0041】
本発明の第5の実施の形態となる両面配線基板の製造方法においては、図6に示した両面配線基板の製造方法において、絶縁樹脂フィルム層11の一表面からレーザ光を照射することにより、図5(b)に示すように、表面部分における直径が下方部に向かって狭くなるような形状のスルーホール12を絶縁樹脂フィルム層11に形成する。すなわち、絶縁樹脂フィルム層11に傾斜を有する側面部12aを持つようにスルーホール12を形成する。
【0042】
すなわち、図5(a)に示すような、基板両表面に金属箔10を備えた絶縁樹脂フィルム11に対して、一表面からレーザ光を照射することにより、図5(b)に示すように、表面部分における直径が下方部に向かって狭くなるような形状のスルーホール12を絶縁樹脂フィルム層11に形成する。
【0043】
次に、スルーホール12が形成された絶縁樹脂フィルム11に対して無電解めっき処理又は触媒を付与する処理を施すことにより、導電性を有する下地層を形成した後、電解めっき処理により、金属箔10表面及びスルーホール12部分に図5(c)に示すような導電部としてのめっき層13を形成する。
【0044】
ここで、スルーホール12の形状が円柱状である場合には、スルーホール12の内壁が垂直となり、投影面積が無くなるため下地層が付きにくく、スルーホール12内における下地層の膜厚が均一でなくなり、その後のめっき処理の信頼性に問題が生じることがある。しかしながら、この第5の実施の形態となる両面配線基板の製造方法によれば、直径が下方部に向かって狭くなるようにスルーホール12を形成し、蒸着装置やスパッタ装置等の金属供給源から投射される金属の投影面積が広くなるので、スルーホール12部分に形成される下地層の膜厚を均一にすることが可能となり、その後に実行するめっき処理の信頼性を向上させることができる。
【0045】
そして、回路を形成する領域とスルーホール12部分を図5(d)に示すようにドライフィルムレジスト14でマスキングした後、エッチング処理(サブトラクティブ法)を行うことにより図5(e)に示すようにドライフィルムレジスト14でマスキングされている領域以外のめっき層13を除去して回路を形成する。以後、ドライフィルムレジスト14を除去することにより一連の製造処理は終了し、図5(f)に示すような、スルーホール12を介して表面と裏面が導通する両面配線基板が製造される。
【0046】
〔その他の実施の形態〕
以上、本発明の一実施形態の両面配線基板の製造方法について説明したが、上述した実施形態の説明はあくまで本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る両面配線基板の製造方法によれば、アディディブ法による回路形成とスルーホールめっき処理を同時に実行するので、両面配線基板の製造処理に要する工程数を減らすことができる。また、回路をアディディブ法により形成するために、材料の無駄がなく安価に両面配線基板を製造することができると同時に、基板両表面に形成される回路のファイン化も可能となる。さらに、回路とスルーホール部分が同じめっき層により形成されるために、熱膨張や衝撃による信頼を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態となる両面配線基板の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態となる両面配線基板の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態となる両面配線基板の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態となる両面配線基板の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態となる両面配線基板の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図6】従来までの両面配線基板の製造方法を説明するための断面工程図である。
【符号の説明】
1、11…絶縁樹脂フィルム層、2,12…スルーホール、3…下地層、4,14…ドライフィルムレジスト層、5,13…めっき層、10…金属箔
Claims (9)
- 絶縁フィルム層と、
前記絶縁フィルム層に形成されたスルーホールと、
前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に形成された下地層と、
前記下地層に対して電解銅めっき処理を施すことにより同時に形成された導電部および回路と、
を有し、
前記回路が絶縁フィルム層の表面と裏面に形成されると共に、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする両面配線基板。 - 請求項1に記載の両面配線基板であって、
前記スルーホールの口径は基板表面から基板内部に向かって小さくなることを特徴とする両面配線基板。 - 請求項1に記載の両面配線基板であって、
一方の表面における前記スルーホールの口径は他方の表面における口径よりも大きいことを特徴とする両面配線基板。 - スルーホールの側面部分に形成された導電部を介して基板の表面と裏面に形成された回路を電気的に接続する両面配線基板の製造方法であって、
前記導電部、及び前記表面と裏面に形成された回路をめっき処理により同時に形成するステップ
を有する両面配線基板の製造方法。 - 請求項4に記載の両面配線基板の製造方法であって、
前記スルーホールの口径は基板表面から基板内部に向かって小さくなることを特徴とする両面配線基板の製造方法。 - 請求項4に記載の両面配線基板の製造方法であって、
一方の表面における前記スルーホールの口径は他方の表面における口径よりも大きいことを特徴とする両面配線基板の製造方法。 - 絶縁フィルム層にスルーホールを形成するステップと、
前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に下地層を形成するステップと、
前記下地層に対して電解銅めっき処理を施すことにより導電部および回路とを同時に形成するステップと、
を有し、
前記回路が絶縁フィルム層の表面と裏面に形成されると共に、前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする両面配線基板の製造方法。 - 絶縁フィルム層と、
前記絶縁フィルム層の両表面に備えられた金属箔と、
前記金属箔の備えられた絶縁フィルム層に傾斜を有する側面部を持つ様に形成されたスルーホールと、
前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に形成された下地層と、
前記下地層に対して電解めっき処理を施すことにより形成された導電部と、
前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路とを有し、
前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする両面配線基板。 - 絶縁フィルム層の両表面に金属箔を備えるステップと、
前記金属箔の備えられた絶縁フィルム層に傾斜を有する側面部を持つ様にスルーホールを形成するステップと、
前記絶縁フィルム層の表面部、裏面部及び前記スルーホールの側面部に下地層を形成するステップと、
前記下地層に対して電解めっき処理を施すことにより導電部を形成するステップと、
前記絶縁フィルム層の表面と裏面に回路を形成するステップとを有し、
前記絶縁フィルム層の表面と裏面に形成された回路が前記導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする両面配線基板の製造方法。
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JP2002242466A JP2004087530A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 両面配線基板およびその製造方法 |
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