JP2004086662A - 服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な体型、体格、容姿を持っている者が、画面上で画像合成により服を試着することができる服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバを提供すること。
【解決手段】撮影された利用者の画像を用いて利用者端末装置５０，７０または管理サーバ２０で体型代表点を設定または自動認識し、利用者端末装置５０，７０で管理サーバ２０から服描画用データを取得した後、利用者端末装置５０，７０で体型代表点データに基づき服描画用データを加工し、この加工した試着服の画像を利用者の画像に重ね合わせて合成し、表示手段５２，７１に表示する。
【選択図】 図１
【解決手段】撮影された利用者の画像を用いて利用者端末装置５０，７０または管理サーバ２０で体型代表点を設定または自動認識し、利用者端末装置５０，７０で管理サーバ２０から服描画用データを取得した後、利用者端末装置５０，７０で体型代表点データに基づき服描画用データを加工し、この加工した試着服の画像を利用者の画像に重ね合わせて合成し、表示手段５２，７１に表示する。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面上で画像合成により服を試着するサービスを提供する服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバに係り、例えば、携帯電話を用いて服の試着、あるいは試着した服の在庫確認を行う場合等に利用できる。
【０００２】
【背景技術】
従来より、服飾デザイナーは、コンピュータシステムを用いて服のデザインを行っている。このような服のデザインを行うためのシステムには、画面上に予め用意されたマネキン画像を表示し、そのマネキン画像上にデザインした服を着せる処理を行うもの等がある。
【０００３】
ところで、自分の着る服を購入しようとする者は、オーダーメードする場合を除き、その服が自分に合うか否かを確認するため、店内において、服を試着してみることが多い。また、服を購入しようとする者にとって、自分に合う服、あるいは自分の気に入る服が、どこの店で売られているのかという情報は、重要である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したマネキン画像に服を着せるシステムでは、予め用意されたマネキン画像に服を着せるだけなので、服の試着に応用することは困難である。すなわち、服を購入しようとする者は、様々な体型、体格、容姿を持っているため、予め用意されたマネキン画像に、購入しようとしている服を着せるだけでは、その服が自分に合うか否かを確認することはできないからである。
【０００５】
また、自分の着る服を購入しようとする者は、店に直接に行くのではなく、自宅等で、通信販売のカタログを見て購入したり、インターネットを利用してオンラインで購入する場合もある。しかし、これらの場合には、店に行かなくても服を購入できるという利点はあるものの、服の試着をすることはできないので、購入する服が自分に合うか否かを確認することはできない。従って、店内ではなく、遠隔地（店外）で服の試着をすることができるシステムがあれば便利である。
【０００６】
本発明の目的は、様々な体型、体格、容姿を持っている者が、画面上で画像合成により服を試着することができる服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバを提供するところにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画面上で画像合成により服を試着するサービスを提供する服試着サービス提供方法であって、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバと、利用者の操作する利用者端末装置とをネットワークで接続するとともに、管理サーバに接続された服描画用データ記憶手段に、服を画面上に描くための服描画用データを記憶しておき、撮影手段により撮影された利用者の画像を用いて利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、利用者端末装置からの利用者の要求に応じ、管理サーバの服描画用データ送信手段により、服描画用データ記憶手段に記憶された服描画用データをネットワークを介して利用者端末装置に送信し、利用者端末装置の服描画用データ加工手段により、体型代表点データに基づき服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形した後、利用者端末装置の画像合成手段により、加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示することを特徴とするものである。
【０００８】
ここで、「服描画用データ」は、主としてイメージデータ（現物の服の実写データのみならず、イラストデータを含む。）であり、例えば、ＪＰＥＧ（Ｊｏｉｎｔ Ｐｈｏｔｏｇｒａｐｈｉｃ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）形式、ＧＩＦ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ Ｉｎｔｅｒｃｈａｎｇｅ Ｆｏｒｍａｔ）形式、ＴＩＦＦ（Ｔａｇｇｅｄ Ｉｍａｇｅ Ｆｉｌｅ Ｆｏｒｍａｔ）形式、ＢＭＰ形式、ＰＩＣＴ形式、ＰＮＧ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｇｒａｐｈｉｃｓ）形式等の各種の画像ファイル形式で保存されるデータを採用できるが、これらのイメージデータに限定されるものではなく、２Ｄ（２次元）または３Ｄ（３次元）のコンピュータ・グラフィクス（ＣＧ）用のデータ等であってもよい。例えば、ＣＡＤ（Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ａｉｄｅｄ Ｄｅｓｉｇｎ）や３Ｄデータの事実上の標準となっているＤＸＦ（Ｄｒａｗｉｎｇ Ｉｎｔｅｒｃｈａｎｇｅ Ｆｉｌｅ）形式等のファイル形式で保存されるデータを採用してもよく、あるいは、本発明に特有のデータを採用してもよい。本発明に特有のデータを採用する場合とは、例えば、試着対象となる服やそのパーツの輪郭線あるいは服表面の模様を表す線の座標を一定間隔でとって数値化して服描画用データ記憶手段に保存しておき、服を試着する際に、この数値データを利用者端末装置に送信し、利用者端末装置により各座標を結んで線を引き、その線の中を適宜着色するという描画処理を行う場合等である。
【０００９】
また、「撮影手段により撮影された利用者の画像」には、静止画像のみならず、動画像も含まれ、静止画像の場合には、例えば、ＪＰＥＧ形式等で保存されるデータを採用でき、動画像の場合には、例えば、ＭＰＥＧ（Ｍｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）形式等で保存されるデータを採用できる。なお、「利用者の画像」を動画像とする場合には、「服描画用データ」は、動画像で示される利用者の動きに追従して服を動かすことができるように３Ｄデータとすればよい。
【００１０】
さらに、「利用者端末装置」を操作する「利用者」は、実際に服を試着する者と厳密な意味で一致している必要はなく、実際に服を試着する者に代わって利用者端末装置を操作する操作代行者であってもよい。従って、実際に服を試着する者は、「利用者端末装置」を操作する「利用者」の家族や親族等であってもよく、また、人間に限らず、「利用者端末装置」を操作する「利用者」が飼っているペット等であってもよい。このため、「利用者の画像」や「利用者の体型」には、「利用者端末装置」を操作する「利用者」と関係のある人（例えば、家族や親族や友人等）や動物（例えば、ペットや家畜等）についての画像や体型も含まれ、この場合には、「利用者端末装置」を操作する「利用者」は、実際に服を試着する人や動物が、例えば、知識の少ない子供や老人、あるいは目の見えない人、手足の不自由な人、さらにはペット等のように、利用者端末装置を操作することや試着する服を選択すること（購入する服を決定すること）が困難または不可能である場合等に、これらの人や動物に代わって利用者端末装置を操作する操作代行者となる。
【００１１】
そして、「ネットワーク」には、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ）、メトロポリタン・エリア・ネットワーク（ＭＡＮ）、ワイド・エリア・ネットワーク（ＷＡＮ）、インターネット、イントラネット、エクストラネット、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点（距離の長短は問わない。）間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
【００１２】
また、「利用者の画像」の撮影は、画像合成手段による処理（つまり、表示手段の画面上での服の試着）が行われる利用者端末装置に設けられた「撮影手段」で行ってもよく、あるいは画像合成手段による処理が行われる利用者端末装置以外の端末装置に設けられた「撮影手段」で行ってもよい。前者の場合は、例えば、自分の携帯電話機に設けられたカメラにより撮影し、その携帯電話機の表示手段の画面上で服を試着する場合、自宅にあるパーソナル・コンピュータに接続されたカメラにより撮影し、そのパーソナル・コンピュータの表示手段の画面上で服を試着する場合等であり、後者の場合は、例えば、自宅や服の販売店のパーソナル・コンピュータに接続されたカメラにより撮影し、撮影した画像を自分の携帯電話機に転送し、その携帯電話機の表示手段の画面上で服を試着する場合、服の販売店のパーソナル・コンピュータに接続されたカメラにより撮影し、撮影した画像を自宅にあるパーソナル・コンピュータに転送し、自宅にあるパーソナル・コンピュータの表示手段の画面上で服を試着する場合等である。
【００１３】
さらに、「利用者端末装置」は、主としてコンピュータや携帯電話機（パーソナル・ハンディフォーン・システム（ＰＨＳ）も含む。）により実現されるが、これに限定されるものではなく、例えば、パーソナル・デジタル・アシスタンス（ＰＤＡ）、電子手帳、ゲーム機、腕時計、デジタル・テレビ等であっても、中央演算処理装置（ＣＰＵ）の性能、画面の解像度、記憶手段の容量等が本発明に適するものであれば採用することができる。
【００１４】
このような本発明の服試着サービス提供方法においては、服試着サービスの利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、この体型代表点データに基づき服描画用データを加工してから、試着する服を利用者の画像に重ね合わせて表示するので、利用者が、どのような体型、体格、容姿を持っていても、管理サーバに用意されている服を、その利用者に試着させることが可能となる。このため、利用者は、利用者端末装置の表示手段の画面上で、その服が自分に合うか否かを容易に確認することができるようになり、これにより前記目的が達成される。
【００１５】
また、前述した服試着サービス提供方法において、体型代表点を設定する際には、利用者端末装置の体型代表点設定手段により、利用者の画像を利用者端末装置の表示手段に画面表示し、この画面表示された利用者の画像上で、利用者による体型代表点の入力指定操作を受け付けることが望ましい。
【００１６】
このように利用者端末装置で体型代表点を利用者が設定するようにした場合には、利用者が表示手段の画面を参照しながら、自己の画像上で体型代表点を入力指定すればよいので、体型代表点を容易かつ確実に設定することが可能となる。
【００１７】
さらに、前述した服試着サービス提供方法において、体型代表点を設定する際には、管理サーバの画像解析手段により、撮影手段により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識して得た後、得られた体型代表点データを利用者端末装置に送信するようにしてもよい。
【００１８】
この際、撮影手段により撮影された利用者の画像は、画像合成手段による処理が行われる利用者端末装置から管理サーバに送信されてもよく、他の端末装置（例えば、撮影手段に接続された端末装置等）から管理サーバに送信されてもよい。
【００１９】
このように管理サーバで画像解析を行って体型代表点を自動設定するようにした場合には、利用者は、自ら体型代表点を入力指定する必要がなくなるので、利用者の手間を軽減することが可能となる。
【００２０】
なお、上記の利用者端末装置で体型代表点を利用者が設定する方法と、管理サーバで画像解析を行って体型代表点を自動設定する方法とを併用してもよい。すなわち、複数の体型代表点のうちの一部を前者の方法で設定し、残りの一部を後者の方法で設定するようにしてもよい。
【００２１】
また、以上に述べた本発明の服試着サービス提供方法を実現するシステムとして、以下のような本発明の服試着システムを挙げることができる。
【００２２】
すなわち、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムであって、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバと、利用者の操作する利用者端末装置とがネットワークで接続され、管理サーバには、服を画面上に描くための服描画用データを記憶する服描画用データ記憶手段が接続され、管理サーバは、利用者端末装置からの利用者の要求に応じて服描画用データ記憶手段に記憶された服描画用データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服描画用データ送信手段を備え、利用者端末装置は、撮影手段により撮影された利用者の画像を画面表示する表示手段と、この表示手段に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【００２３】
このような本発明の服試着システムにおいては、前述した本発明の服試着サービス提供方法で得られる作用・効果を、そのまま得ることができ、これにより前記目的が達成される。
【００２４】
そして、前述した服試着システムにおいて、管理サーバは、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識する画像解析手段と、この画像解析手段による解析結果として得られた体型代表点データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する体型代表点データ送信手段とを備え、利用者端末装置は、体型代表点データ送信手段から送信されてくる体型代表点データを受信する体型代表点データ受信手段を備えた構成とすることが望ましい。
【００２５】
ここで、「識別マーク」とは、体型代表点と、それ以外の部分とを識別するためのマークをいい、例えば、赤色等のリボンやテープ、赤色光等を発する発光ダイオード（ＬＥＤ）等の発光手段などであり、要するに、利用者が撮影時に着ている服の色（裸で撮影する場合には、肌色）とは異なる色（服の色や肌色に対して目立つ色）のリボンやテープ、発光手段などとすればよい。
【００２６】
また、「画像解析手段」は、撮影された利用者の画像の中に含まれている識別マークを、他の部分との色彩の相違により抽出し、その位置（座標）を把握する処理を行うものである。
【００２７】
このように体型代表点を自動設定する画像解析手段を備えた構成とした場合には、利用者は、利用者端末装置を操作して体型代表点を自ら入力指定することにより設定するか、あるいは識別マークを付けて撮影を行い、管理サーバで画像解析を行って体型代表点を自動認識することにより設定するかを選択することが可能となる。
【００２８】
そして、「利用者の画像」を動画像とし、かつ、「服描画用データ」を３Ｄデータとする場合には、動画像で示される利用者の動きは、３方向から撮影することにより体型代表点の動きとして把握することができるので、いわゆるモーションキャプチャー技術を用い、画像解析手段により動画像を解析して体型代表点の動きを自動認識し、その体型代表点の動きに合わせて３Ｄデータの服描画用データを用いて服を動かす表示を行えばよい。
【００２９】
また、前述した服試着システムにおいて、管理サーバには、服の在庫の有る店舗情報を含む服在庫データを記憶する服在庫データ記憶手段が接続され、管理サーバは、利用者端末装置からの利用者の服の在庫確認要求に応じて服在庫データ記憶手段に記憶された服在庫データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服在庫データ送信手段を備えた構成とすることが望ましい。
【００３０】
このように服在庫データ記憶手段および服在庫データ送信手段を備えた構成とした場合には、服を購入しようとする利用者は、試着した服が、どこの店で売られているのかという情報を知ることが可能となるので、自分に合う服、あるいは自分が気に入った服を、容易に入手することができるようになる。
【００３１】
さらに、上記のように服在庫データ記憶手段および服在庫データ送信手段を備えた構成とした場合において、利用者端末装置は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、この携帯電話機は、この携帯電話機の現在位置を測定する位置測定手段と、この位置測定手段により測定した携帯電話機の現在位置の情報をネットワークを介して管理サーバに送信する位置情報送信手段とを備え、管理サーバは、携帯電話機からネットワークを介して送信されてくる携帯電話機の現在位置の情報を受信する位置情報受信手段を備え、服在庫データ送信手段は、位置情報受信手段により受信した現在位置の情報に基づき、携帯電話機の現在位置に近い店舗情報を含む服在庫データを送信する構成とされていることが望ましい。
【００３２】
ここで、「位置測定手段」としては、例えば、全地球測位システム（ＧＰＳ：Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ）やＤ−ＧＰＳ（Ｄｉｆｆｅｒｅｎｔｉａｌ Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ）等を採用することができる。
【００３３】
また、「携帯電話機の現在位置に近い店舗情報を含む服在庫データを送信する」ことには、利用者が試着した服について在庫確認要求をしたときに、その服についての在庫がある店舗をいくつか示したうえで、それらの店舗の中で携帯電話機の現在位置に近い店舗を示す形式でデータを送信する場合と、携帯電話機の現在位置に近い店舗のみを示す形式でデータを送信する場合とが含まれる。
【００３４】
このように位置測定手段を備えた携帯電話機から在庫確認要求を行うことができる構成とした場合には、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機の現在位置）に近い店舗で、自分に合う服や自分の気に入った服を売っているという情報を知ることが可能となるので、利用者の買い物の手間を軽減することができるようになる。
【００３５】
そして、前述した服試着システムにおいて、管理サーバには、試着対象となる服のリストを利用者端末装置の表示手段に表示するための服リストデータを記憶する服リストデータ記憶手段が接続され、管理サーバは、利用者端末装置からの利用者の要求に応じて服リストデータ記憶手段に記憶された服リストデータをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服リストデータ送信手段を備え、利用者端末装置の服描画用データ取得手段は、服リストを用いて利用者により試着対象として選択された服についての服描画用データを取得する構成とされていることが望ましい。
【００３６】
ここで、「服リストデータ記憶手段」に記憶される「服リストデータ」は、完成された服リストの状態でファイルとして保存しておき、服リストデータ送信手段で利用者端末装置にそのまま送信するようにしてもよく、あるいはデータベースの一部を構成するデータとして保存しておき、服リストデータ送信手段で利用者端末装置に送信する際に、必要データをデータベースから抽出して服リストを動的に作成するようにしてもよい。後者のように服リストを動的に作成する場合には、データベースを、例えば、”ブランド名、服名、服イメージ画像（服描画用データ）、表示期間”等の構成を有するフィールドで用意しておけばよく、このようにすることで、多数の服リストを予め作成して用意したり、あるいは新製品販売・販売中止・製品入替・製品一部変更等がある都度に、新しい服リストを作成する必要がなくなり、服の試着に必要なデータを一元管理し、抽出条件（例えば、ブランド名、表示期間等）を変えることにより、様々な服リストを作成することが可能となる。
【００３７】
このように服リストデータ記憶手段および服リストデータ送信手段を備えた構成とした場合には、利用者は、利用者端末装置の表示手段に画面表示された服リストの中から、試着する服を選択することが可能となり、服選びを容易に行うことができるようになる。
【００３８】
また、上記のように服リストデータ記憶手段および服リストデータ送信手段を備えた構成とした場合において、利用者端末装置は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、この携帯電話機は、この携帯電話機の現在位置を測定する位置測定手段と、この位置測定手段により測定した携帯電話機の現在位置の情報を管理サーバに送信する位置情報送信手段とを備え、管理サーバは、携帯電話機から送信されてくる携帯電話機の現在位置の情報を受信する位置情報受信手段を備え、服リストデータ送信手段は、位置情報受信手段により受信した現在位置の情報に基づき、携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている服を含む服リストを表示手段に表示するための服リストデータを送信する構成とされていることが望ましい。
【００３９】
ここで、「携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている服を含む服リスト」とは、例えば、携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている服のみを表示するその店舗専用の服リスト、あるいは携帯電話機の現在位置を含むエリア内の店舗を中心に販売されているメーカの服のみを表示するそのメーカ専用の服リスト等である。
【００４０】
このように位置測定手段を備えた携帯電話機で服リストを表示することができる構成とした場合には、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機の現在位置）に近い店舗で販売されている服の中から、自分に合う服や自分の気に入った服を選択することが可能となるので、利用者の買い物の手間を軽減することができるようになる。
【００４１】
さらに、前述した服試着システムにおいて、利用者端末装置は、画像合成手段により処理されて服を試着した状態の利用者の画像を管理サーバに送信して専門家に診断を依頼する診断依頼手段を備え、管理サーバは、診断依頼手段から送信されてきた服を試着した状態の利用者の画像を受信する診断依頼情報受信手段と、診断依頼があった旨を専門家に連絡する診断依頼連絡手段と、専門家による診断結果を受信する診断結果受信手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【００４２】
このように専門家による診断を受けることができる構成とした場合には、利用者は、試着した服が自分に合っているか否かを専門家に診断してもらうことができるので、良い買い物をすることが可能となる。このため、ファッションセンスのない者でも安心して服を購入することが可能となり、また、ファッションに人一倍気を使う者は、より一層自分のファッションセンスに磨きをかけることが可能となる。
【００４３】
また、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバとネットワークで接続され、利用者により操作される利用者端末装置であって、撮影手段により撮影された利用者の画像を画面表示する表示手段と、この表示手段に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【００４４】
さらに、上記の利用者端末装置において、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段により撮影された利用者の画像を管理サーバの画像解析手段により解析した結果として管理サーバから送信されてくる体型代表点データを受信する体型代表点データ受信手段を備え、服描画用データ加工手段による服描画用データの加工に用いられる体型代表点データは、体型代表点データ受信手段により受信した体型代表点データであることが望ましい。
【００４５】
そして、以上に述べた利用者端末装置において、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、管理サーバからネットワークを介して携帯電話機搭載用プログラムを取得するプログラム取得手段と、このプログラム取得手段により取得した携帯電話機搭載用プログラムを記憶する取得プログラム記憶手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【００４６】
また、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバとネットワークで接続され、利用者により操作される利用者端末装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、撮影手段により撮影された利用者の画像を画面表示する表示手段と、この表示手段に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段とを備えたことを特徴とする利用者端末装置として、コンピュータを機能させるためのものである。
【００４７】
さらに、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために服の試着に必要なデータを管理する管理サーバから、ネットワークを介して取得されて携帯電話機に搭載される携帯電話機搭載用プログラムであって、撮影手段により撮影されて表示手段に表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段として、携帯電話機を機能させるためのものである。
【００４８】
なお、以上に述べたプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク（ＭＯ）、コンパクトディスク（ＣＤ）を利用した読出し専用メモリ（ＣＤ−ＲＯＭ）、ＣＤレコーダブル（ＣＤ−Ｒ）、ＣＤリライタブル（ＣＤ−ＲＷ）、デジタル・バーサタイル・ディスク（ＤＶＤ）を利用した読出し専用メモリ（ＤＶＤ−ＲＯＭ）、ＤＶＤを利用したランダム・アクセス・メモリ（ＤＶＤ−ＲＡＭ）、フレキシブルディスク（ＦＤ）、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ（ＲＯＭ）、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ＬＡＮ、ＭＡＮ、ＷＡＮ、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、以上に述べたプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【００４９】
また、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、利用者の操作する利用者端末装置とネットワークで接続され、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバであって、服を画面上に描くための服描画用データを記憶する服描画用データ記憶手段が接続され、利用者端末装置からの利用者の要求に応じて服描画用データ記憶手段に記憶された服描画用データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服描画用データ送信手段を備え、服描画用データ送信手段により利用者端末装置に送信される服描画用データは、利用者の画像を用いて設定された体型代表点データに基づき加工され、服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する処理に用いられることを特徴とするものである。
【００５０】
さらに、上記の管理サーバにおいて、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識する画像解析手段と、この画像解析手段による解析結果として得られた体型代表点データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する体型代表点データ送信手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【００５１】
そして、以上に述べた管理サーバにおいて、利用者端末装置としての携帯電話機に搭載させるための供給用の携帯電話機搭載用プログラムを記憶する供給用プログラム記憶手段が接続され、携帯電話機からの利用者の要求に応じて供給用プログラム記憶手段に記憶された携帯電話機搭載用プログラムをネットワークを介して携帯電話機に送信する供給用プログラム送信手段を備えた構成とすることが望ましい。
【００５２】
なお、以上において、「携帯電話機搭載用プログラム」とは、ブラウザ等の携帯電話機に内蔵されるプログラムではなく、携帯電話機の外部から取得して携帯電話機に搭載されるプログラムである。例えば、ＪＡＶＡプログラミング言語で記述されたプログラム等を好適に用いることができる。また、容量的には、例えば、１０キロバイト（ＫＢ）以下のプログラム等を好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、通信速度の向上や携帯電話機のメモリー容量の増大等に伴い、より大きな容量のプログラムとしてもよく、例えば、３０キロバイト以下の容量のプログラム等としてもよい。
【００５３】
また、携帯電話機に備えられる「携帯電話機搭載用プログラムの実行環境」とは、ブラウザ等の携帯電話機に内蔵されるプログラムの実行環境ではなく、携帯電話機の外部から取得して携帯電話機に搭載されるプログラムの実行環境を意味する。例えば、携帯電話機搭載用プログラムがＪＡＶＡプログラムである場合には、携帯電話に対応するＪＡＶＡの実行環境であり、携帯電話機の内部に携帯電話専用のＪＡＶＡ仮想マシン（例えばＫＶＭ等）を搭載していることを意味する。
【００５４】
より具体的には、例えば、ＣＬＤＣ（Ｃｏｎｎｅｃｔｅｄ Ｌｉｍｉｔｅｄ Ｄｅｖｉｃｅ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ）の規格に従ったＪＡＶＡ実行環境等とすることが好適である。ここで、ＣＬＤＣの規格とは、ＪＡＶＡ２ＭＥの一部として定義されている実行環境のうち、携帯電話やパーソナル・デジタル・アシスタント（ＰＤＡ）等の小型端末であって中央演算処理装置（ＣＰＵ）やメモリ容量等の機能に制限があるデバイスを対象としたコンフィグレーションである。このＣＬＤＣは、次の特性を持つ小型デバイス向けのコンフィグレーションとして、主にＪＡＶＡ言語およびバーチャルマシンの機能、コアライブラリ、入出力、ネットワーク、セキュリティ機能を定義している。すなわち、（１）ＪＡＶＡ環境用に１６０〜５１２キロバイトの合計メモリを有し、（２）１６ビットまたは３２ビットのプロセッサを備え、（３）低電力消費、電池でも動作し、（４）特定のネットワーク（無線、途中切断の可能性のある状況下）での接続性があることが条件となっている。なお、ＭＩＤＰ（Ｍｏｂｉｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｄｅｖｉｃｅ Ｐｒｏｆｉｌｅ：ＪＡＶＡ２で定義されているＡＰＩセットの１つで、携帯電話等での使用を想定したＪＡＶＡ実行環境の仕様）、あるいは携帯電話会社が提供するサービスの仕様である「ｉアプリ」（商標）も、ＣＬＤＣの規格の中に位置付けられるため、これらのいずれにも本発明を好適に適用することができる。
【００５５】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１には、本実施形態の服試着システム１０の全体構成が示されている。また、図２には、服試着システム１０の処理に伴う画面遷移が示され、図３には、体型代表点の設定手順が示されている。さらに、図４は、服の試着をする際の画面遷移を示す図であり、図５は、服描画用データの加工処理の流れの説明図であり、図６および図７は、服試着システム１０による全体的な処理の流れを示すフローチャートの図である。そして、図８には、服を試着した状態の利用者の画像を専門家が診断する診断画面２３０が示されている。
【００５６】
図１において、服試着システム１０は、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバ２０と、本システムによる服試着サービスの提供を受ける利用者の操作する利用者端末装置である一つまたは複数の携帯電話機５０と、携帯電話機５０以外の機器により構成された一つまたは複数の利用者端末装置７０と、販売店に設置された一つまたは複数の販売店端末装置８０と、服に関する批評・相談・アドバイス等を行う専門家の操作する一つまたは複数の専門家端末装置９０と、服を製作するメーカに設置された一つまたは複数のメーカ端末装置１００とを備え、これらがネットワーク１で互いに接続されて構成されている。
【００５７】
ネットワーク１は、本実施形態の場合には、主としてインターネット２と、携帯電話会社が所有・管理するパケット通信網３とを含んで構成され、これらのインターネット２とパケット通信網３とは、携帯電話会社の管理センター４を介して接続されている。なお、本実施形態では、ネットワーク１は、パケット通信網３を含んで構成されているが、本発明におけるネットワークを構成する通信網は、パケット通信網に限定されるものではない。
【００５８】
管理サーバ２０は、コンピュータにより構成され、服描画用データ送信手段２１と、画像解析手段２２と、体型代表点データ送信手段２３と、服在庫データ送信手段２４と、服リストデータ送信手段２５と、位置情報受信手段２６と、診断依頼情報受信手段２７と、診断依頼連絡手段２８と、診断結果受信手段２９と、診断終了通知手段３０と、供給用プログラム送信手段３１と、詳細情報送信手段３２と、発注・予約受付手段３３とを備えている。なお、管理サーバ２０は、一台のコンピュータあるいは一つのＣＰＵにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【００５９】
また、管理サーバ２０には、服描画用データ記憶手段４１と、服在庫データ記憶手段４２と、服リストデータ記憶手段４３と、供給用プログラム記憶手段４４と、個人情報記憶手段４５と、詳細情報記憶手段４６とが接続されている。
【００６０】
服描画用データ送信手段２１は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、服描画用データ記憶手段４１に記憶された服描画用データを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。
【００６１】
画像解析手段２２は、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段５１，７８，８１により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識する処理を行うものである。
【００６２】
体型代表点データ送信手段２３は、画像解析手段２２による解析結果として得られた体型代表点データを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。
【００６３】
服在庫データ送信手段２４は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の服の在庫確認要求に応じ、服在庫データ記憶手段４２に記憶された服在庫データを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。服在庫データ送信手段２４は、利用者端末装置である携帯電話機５０から在庫確認要求を受けた場合には、必要に応じ、または利用者の要求に応じ、位置情報受信手段２６により受信した携帯電話機５０の現在位置の情報に基づき、携帯電話機５０の現在位置に近い店舗情報を含む服在庫データを送信する。
【００６４】
服リストデータ送信手段２５は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、服リストデータ記憶手段４３に記憶された服リストデータを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。服リストデータ送信手段２５は、利用者端末装置である携帯電話機５０から服リストの要求を受けた場合には、必要に応じ、または利用者の要求に応じ、位置情報受信手段２６により受信した携帯電話機５０の現在位置の情報に基づき、携帯電話機５０の現在位置に近い店舗で販売されている服を含む服リストが携帯電話機５０の表示手段５２に画面表示されるように、服リストデータを選択または編集して携帯電話機５０に送信する。
【００６５】
さらに、服リストデータ送信手段２５は、必要に応じ、または利用者の要求に応じ、個人情報記憶手段４５に既に記憶されている利用者の個人情報または今回のアクセスで新規に入力された利用者の個人情報に基づき、各利用者に合った服や各利用者が好んで着ると予想される服を含む服リストが利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１に画面表示されるように、服リストデータを選択または編集して利用者端末装置５０，７０に送信する。この際、利用者の識別は、アクセス時に利用者端末装置５０，７０から送信されてくる利用者ＩＤにより行われる。また、例えば、１０代の女性が好んで着る服等の統計データを参照することにより、利用者端末装置５０，７０に送信する服リストデータを選択または編集してもよい。このような統計データは、本システム１０にアクセスした利用者の試着回数、在庫確認要求をした回数、発注・予約をした回数等の情報を蓄積していくことにより得ることができる。従って、図示は省略されているが、管理サーバ２０には、これらの蓄積情報および蓄積情報から得られる何らかの傾向を記憶する統計データ記憶手段を接続しておくことが好ましい。
【００６６】
位置情報受信手段２６は、利用者端末装置である携帯電話機５０から送信されてくる携帯電話機５０の現在位置の情報を受信する処理を行うものである。
【００６７】
診断依頼情報受信手段２７は、利用者端末装置５０，７０の診断依頼手段６２，７７から送信されてきた合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）、診断を依頼したい専門家、いつまでに診断して欲しいかという診断希望期限等の診断依頼情報を受信する処理を行うものである。
【００６８】
診断依頼連絡手段２８は、利用者からの診断依頼があった旨を専門家に連絡する処理を行うものである。この連絡は、例えば、電子メールの自動送信等により行われるが、ファクシミリの自動送信や郵送や電話連絡等を併用してもよい。専門家は、専門家端末装置９０を操作し、この連絡の内容を確認することができる。また、診断対象となる合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）は、上記の連絡に添付されて専門家に送られてもよく、あるいは連絡を受けた専門家が専門家端末装置９０を操作し、管理サーバ２０にアクセスして閲覧してもよい。
【００６９】
診断結果受信手段２９は、専門家による診断結果を受信する処理を行うものである。この診断結果には、専門家の文章による批評、コメント、アドバイス等の他、専門家が診断依頼者に薦める服の情報（服を特定する情報、またはその服が含まれる服リストを特定する情報）も含まれる。なお、専門家は、専門家端末装置９０を操作し、管理サーバ２０からダウンロードして得た所定の入力フォームを用いて診断結果を入力し、診断結果受信手段２９は、この入力フォームを用いて入力された情報を受信する。
【００７０】
診断終了通知手段３０は、専門家による診断結果が専門家端末装置９０から管理サーバ２０に届いたことを確認し、診断が終了した旨の通知を利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。この通知は、例えば、電子メールの自動送信等により行われるが、ファクシミリの自動送信や郵送や電話連絡等を併用してもよい。利用者は、利用者端末装置５０，７０を操作し、この通知の内容を確認することができる。
【００７１】
供給用プログラム送信手段３１は、利用者端末装置である携帯電話機５０からの利用者の要求に応じ、供給用プログラム記憶手段４４に記憶された携帯電話機搭載用プログラムを、ネットワーク１を介して携帯電話機５０に送信する処理を行うものである。
【００７２】
詳細情報送信手段３２は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、詳細情報記憶手段４６に記憶された服に関する詳細情報を、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。
【００７３】
発注・予約受付手段３３は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、試着して気に入った服を購入しようとする利用者の発注または予約を受け付け、販売店にその旨を連絡する処理を行うものである。この連絡は、例えば、電子メールの自動送信等により行われるが、ファクシミリの自動送信や郵送や電話連絡等を併用してもよい。販売店は、販売店端末装置８０を操作し、この連絡の内容を確認することができる。なお、利用者端末装置５０，７０から管理サーバ２０に送信されてくる発注・予約情報は、例えば、購入する服およびそのサイズを特定する情報、利用者の連絡先（住所、電話番号等）、配送方法（配送先、配送希望日等）、値段および支払方法等である。
【００７４】
服描画用データ記憶手段４１は、服を画面上に描くための服描画用データを記憶するものである。服描画用データは、例えば、ＪＰＥＧ形式やＧＩＦ形式等のイメージデータ、あるいは３Ｄデータ等である。
【００７５】
服在庫データ記憶手段４２は、服の在庫の有る店舗情報を含む服在庫データを記憶するものである。この服在庫データは、販売店から提示される情報に基づき、随時または定期的に更新され、服在庫データ記憶手段４２には、常に最新のデータが保存されるようになっている。なお、販売店からの情報の提示は、販売店端末装置８０等を用いて行われる。
【００７６】
服リストデータ記憶手段４３は、試着対象となる服のリストを利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１に表示するための服リストデータを記憶するものである。この服リストデータは、販売店やメーカから提示される情報に基づき、随時または定期的に更新され、服リストデータ記憶手段４３には、常に最新のデータが保存されるようになっている。なお、販売店やメーカからの情報の提示は、販売店端末装置８０やメーカ端末装置１００等を用いて行われる。
【００７７】
供給用プログラム記憶手段４４は、利用者端末装置である携帯電話機５０に搭載させるための供給用の携帯電話機搭載用プログラムを記憶するものである。この携帯電話機搭載用プログラムは、携帯電話機５０からの要求に応じ、携帯電話機５０にダウンロードするために用意された携帯電話用コンテンツである。この携帯電話機搭載用プログラムは、本実施形態の場合には、ＪＡＶＡプログラミング言語で記述され、容量的には、例えば、１０キロバイト以下のものである。より具体的には、例えば、携帯電話会社の提供するネットワーク接続サービスの一つである「ｉアプリ」（商標）の対象となるＪＡＶＡアプリケーション等である。
【００７８】
個人情報記憶手段４５は、利用者の年令、性別、職業、趣味、好きな色等の個人情報を、各利用者毎に個別に記憶するものである。
【００７９】
詳細情報記憶手段４６は、服リストデータ記憶手段４３に記憶されている服リストデータを構成する各服についての詳細情報、例えば、サイズ、材質、メーカ、製造国、定価等を記憶するものである。
【００８０】
利用者端末装置５０は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境（本実施形態の場合には、携帯電話に対応するＪＡＶＡの実行環境）を備えた携帯電話機であり、内部に携帯電話専用のＪＡＶＡ仮想マシン（例えばＫＶＭ等）を搭載している。
【００８１】
利用者端末装置である携帯電話機５０は、撮影手段５１と、表示手段５２と、体型代表点設定手段５３と、服描画用データ取得手段５４と、服描画用データ加工手段５５と、画像合成手段５６と、体型代表点データ受信手段５７と、位置測定手段５８と、位置情報送信手段５９と、プログラム取得手段６０と、取得プログラム記憶手段６１と、診断依頼手段６２とを備えている。
【００８２】
撮影手段５１は、携帯電話機５０に内蔵されたカメラであり、利用者の画像を撮影するものである。
【００８３】
表示手段５２は、例えば液晶画面等により構成され、撮影手段５１，７８，８１により撮影された利用者の画像、合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）、服リスト等を画面表示するものである。
【００８４】
体型代表点設定手段５３は、表示手段５２に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けることにより、利用者の体型を代表する体型代表点を設定する処理を行うものである。
【００８５】
服描画用データ取得手段５４は、管理サーバ２０からネットワーク１を介して服描画用データを取得する処理を行うものである。服描画用データ取得手段５４は、服リストを用いて利用者により試着対象として選択された服についての服描画用データを取得するか、あるいは、利用者による服リストでの服の選択が行われる前にデフォルト表示される服についての服描画用データを取得する。
【００８６】
服描画用データ加工手段５５は、体型代表点データに基づき、服描画用データ取得手段５４により取得した服描画用データを加工し、服を利用者の体型に合う状態に変形する処理を行うものである。
【００８７】
画像合成手段５６は、服描画用データ加工手段５５により加工された服描画用データを用い、服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段５２に画面表示する処理を行うものである。
【００８８】
体型代表点データ受信手段５７は、管理サーバ２０の体型代表点データ送信手段２３から送信されてくる体型代表点データを受信する処理を行うものである。
【００８９】
位置測定手段５８は、携帯電話機５０の現在位置を測定する処理を行うものであり、例えば、ＧＰＳやＤ−ＧＰＳ等を採用することができる。
【００９０】
位置情報送信手段５９は、位置測定手段５８により測定した携帯電話機５０の現在位置の情報を、ネットワーク１を介して管理サーバ２０に送信する処理を行うものである。
【００９１】
プログラム取得手段６０は、管理サーバ２０からネットワーク１を介して携帯電話機搭載用プログラムをダウンロードして取得する処理を行うものである。
【００９２】
取得プログラム記憶手段６１は、プログラム取得手段６０により取得した携帯電話機搭載用プログラムを記憶するものである。
【００９３】
診断依頼手段６２は、画像合成手段５６により処理して得られた合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）を、管理サーバ２０に送信して専門家に診断を依頼する処理を行うものである。
【００９４】
また、携帯電話機５０には、図２に示すように、利用者がキー入力操作を行う操作手段６３が設けられている。この操作手段６３は、表示手段５２の画面上で選択指示した項目や入力した情報を確定させる決定ボタン６４と、その周囲の上下左右の位置に設けられた４つの移動操作ボタン６５Ａ，６５Ｂ，６５Ｃ，６５Ｄと、左上の隅部に設けられた左上隅ボタン６６と、右上の隅部に設けられた右上隅ボタン６７と、数字や文字等を入力するダイヤルキー６８とを備えている。移動操作ボタン６５Ａ〜６５Ｄは、表示手段５２の画面上の選択指示位置（例えば、色付け表示、枠囲い表示、反転表示、点滅表示等によるフォーカス位置）やカーソル位置等を上下左右に移動させたり、あるいは表示手段５２の画面を切り替える場合等に操作するものである。
【００９５】
利用者端末装置７０は、コンピュータにより構成され、表示手段７１と、体型代表点設定手段７２と、服描画用データ取得手段７３と、服描画用データ加工手段７４と、画像合成手段７５と、体型代表点データ受信手段７６と、診断依頼手段７７とを備えている。これらの各手段７１〜７７は、携帯電話機５０における対応する名称の各手段と同じ機能を有するものである。
【００９６】
なお、表示手段７１としては、例えば、液晶ディスプレイ、ＣＲＴディスプレイ、有機ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）ディスプレイ、ＥＣＬ（エレクトロケミルミネッセンス）ディスプレイ、プロジェクタおよびスクリーン、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
【００９７】
また、利用者端末装置７０には、利用者の画像を撮影する撮影手段７８が接続されている。さらに、販売店端末装置８０にも、同様な機能を有する撮影手段８１が接続されている。
【００９８】
そして、管理サーバ２０の各手段２１〜３３、および利用者端末装置７０の各手段７２〜７７は、管理サーバ２０および利用者端末装置７０を構成する各コンピュータ本体（パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のものも含む。）の内部に設けられた中央演算処理装置（ＣＰＵ）、およびこのＣＰＵの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
【００９９】
また、携帯電話機５０の各手段５３〜６０，６２は、携帯電話機５０の内部に設けられた中央演算処理装置（ＣＰＵ）、並びにこのＣＰＵの動作手順を規定する携帯電話機搭載用プログラム（ＪＡＶＡプログラム）およびこのプログラムの実行環境を形成するために携帯電話機５０に予め搭載されたＪＡＶＡ仮想マシン（ＫＶＭ）、その他のプログラムにより実現される。本実施形態のＪＡＶＡ仮想マシン（ＫＶＭ）は、ＣＬＤＣの規格に従ったＪＡＶＡ実行環境を形成するものであり、例えば、携帯電話会社が提供するサービスの仕様である「ｉアプリ」（商標）、あるいはＭＩＤＰ仕様に対応するものである。
【０１００】
そして、管理サーバ２０に接続された各記憶手段４１〜４６は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、フラッシュ・メモリ、ＲＡＭ、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＡＭ、ＦＤ、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【０１０１】
また、携帯電話機５０の取得プログラム記憶手段６１、および図示されない内蔵ブラウザやＪＡＶＡ仮想マシン（ＫＶＭ）等の記憶手段は、例えば、読出し専用メモリ（ＲＯＭ）、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）等の各種メモリにより構成されている。
【０１０２】
さらに、専門家端末装置９０およびメーカ端末装置１００は、コンピュータにより構成されている。
【０１０３】
このような本実施形態においては、以下のようにして服試着システム１０を用いて画面上で画像合成による服の試着が行われる。ここでは、利用者が携帯電話機５０の表示手段５２の画面上で服の試着を行う場合について説明する。なお、利用者端末装置７０の表示手段７１の画面上で服の試着を行う場合も同様である。
【０１０４】
図６において、先ず、利用者は、自己の携帯電話機５０の電源を入れ、自己の携帯電話機５０に、服の試着処理を行うための携帯電話機搭載用プログラム（ＪＡＶＡプログラム）が未だダウンロードされていない場合には、プログラム取得手段６０により管理サーバ２０に対し、ダウンロード要求を行う。管理サーバ２０は、このダウンロード要求を受信すると、供給用プログラム送信手段３１により、供給用プログラム記憶手段４４に記憶された携帯電話機搭載用プログラムを携帯電話機５０に送信する。携帯電話機５０は、プログラム取得手段６０によりダウンロードして取得した携帯電話機搭載用プログラムを、取得プログラム記憶手段６１に保存する。一方、携帯電話機搭載用プログラムが既にダウンロードされて取得プログラム記憶手段６１に保存されている場合には、そのプログラムを立ち上げて服の試着処理を開始する（ステップＳ１）。
【０１０５】
続いて、携帯電話機５０の撮影手段５１により、利用者の画像を撮影して保存する（ステップＳ２）。また、図６中の一点鎖線で囲まれた枠Ｑ内の処理のように、利用者端末装置７０の撮影手段７８または販売店端末装置８０の撮影手段８１により、利用者の画像を撮影してもよい（ステップＳ２０１）。この場合には、撮影した画像を利用者端末装置７０または販売店端末装置８０から携帯電話機５０に転送し（ステップＳ２０２）、携帯電話機５０でこれを受信して保存する（ステップＳ２０３）。
【０１０６】
次に、携帯電話機５０で、体型代表点を設定し、保存する（ステップＳ３）。図２に示すように、携帯電話機搭載用プログラムを立ち上げると、表示手段５２にはメニュー画面１１０が表示される。このメニュー画面１１０には、メーカ別の服リストを表示するための「メーカリスト」選択部１１１と、ジャンル別の服リストを表示するための「ジャンルリスト」選択部１１２と、キーワード検索により服リストを表示するための「検索」選択部１１３と、利用者の個人情報を入力するための「個人情報入力」選択部１１４と、体型代表点を設定するための「体型代表点設定」選択部１１５とが設けられている。
【０１０７】
従って、メニュー画面１１０において、「体型代表点設定」選択部１１５を選択する。すると、図２および図３に示すように、体型代表点設定手段５３により、表示手段５２には体型代表点設定画面１２０が表示される。図３において、利用者は、移動操作ボタン６５Ａ〜６５Ｄを操作し、体型代表点設定画面１２０内に表示された体型代表点設定用カーソル１２１を移動させる。この体型代表点設定用カーソル１２１は、例えば黄色等の目立つ色彩で表示され、上下左右に自在に移動させることができるようになっている。
【０１０８】
そして、利用者は、先ず、体型代表点設定用カーソル１２１を、利用者の画像１２２上の左肩の位置Ｐ１に合わせ、そこで決定ボタン６４を押すことにより、体型代表点の一つである左肩の位置Ｐ１を設定する。以下同様にして、利用者は、体型代表点設定用カーソル１２１を、利用者の画像１２２上の右肩の位置Ｐ２、首の位置Ｐ３、へその位置Ｐ４、左手首の位置Ｐ５、右手首の位置Ｐ６、左脇腹の位置Ｐ７、右脇腹の位置Ｐ８に順次合わせ、これらの各位置Ｐ２〜Ｐ８で決定ボタン６４を押すことにより、体型代表点である右肩の位置Ｐ２、首の位置Ｐ３、へその位置Ｐ４、左手首の位置Ｐ５、右手首の位置Ｐ６、左脇腹の位置Ｐ７、右脇腹の位置Ｐ８をそれぞれ設定する。なお、この他の位置にも体型代表点を追加して設けてもよく、また、体型代表点は、これらの位置Ｐ１〜Ｐ８に限定されるものではない。但し、少なくとも左肩の位置Ｐ１、右肩の位置Ｐ２、首の位置Ｐ３、へその位置Ｐ４については、画像合成の精度向上や体型代表点設定時の入力の手間の軽減等の観点から、体型代表点として設定することが好ましい。
【０１０９】
以上のようにして体型代表点設定手段５３により体型代表点である位置Ｐ１〜Ｐ８を設定すると、左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２との間の長さで縮尺が決定され、首の位置Ｐ３とへその位置Ｐ４とで中心座標が決定され、左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２とを結んだ線の傾きで肩の傾きが決定され、左肩の位置Ｐ１と左手首の位置Ｐ５とで左腕の長さおよび開き具合が決定され、右肩の位置Ｐ２と右手首の位置Ｐ６とで右腕の長さおよび開き具合が決定され、左脇腹の位置Ｐ７と右脇腹の位置Ｐ８とで腹幅が決定される。
【０１１０】
また、図６中の一点鎖線で囲まれた枠Ｒ内の処理のように、管理サーバ２０で画像解析を行うことにより、体型代表点を自動認識するようにしてもよい。この場合には、ステップＳ２またはステップＳ２０１で利用者の画像を撮影する際には、利用者の身体において体型代表点である位置Ｐ１〜Ｐ８に対応する位置に、赤リボンや赤ランプ等の識別マークを付けて撮影する。そして、携帯電話機５０から利用者の画像を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ３０１）。なお、利用者の画像を利用者端末装置７０の撮影手段７８または販売店端末装置８０の撮影手段８１により撮影した場合（ステップＳ２０１）には、利用者端末装置７０または販売店端末装置８０から利用者の画像を管理サーバ２０に送信してもよい。
【０１１１】
管理サーバ２０では、利用者の画像を受信すると（ステップＳ３０２）、画像解析手段２２により画像解析を行い、画像の中から識別マークを抽出して体型代表点を自動認識する（ステップＳ３０３）。その後、画像解析手段２２による解析結果として得られた体型代表点データを、体型代表点データ送信手段２３により、携帯電話機５０に送信する（ステップＳ３０４）。携帯電話機５０では、管理サーバ２０から送信されてきた体型代表点データを、体型代表点データ受信手段５７により受信し、保存する（ステップＳ３０５）。
【０１１２】
それから、利用者は、服リストの要求信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ４）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの服リストの要求信号を受信すると（ステップＳ５）、服リストデータ送信手段２５により、服リストデータ記憶手段４３に記憶された服リストデータから、利用者の要求に応じた服リストデータを選択または編集して携帯電話機５０に送信する（ステップＳ６）。携帯電話機５０は、管理サーバ２０から服リストデータを受信し、表示手段５２の画面上に服リストを表示する（ステップＳ７）。この際、携帯電話機５０を操作する利用者の立場で、ステップＳ４〜Ｓ７の処理に伴う表示手段５２の画面遷移を追うと、次のようになる。
【０１１３】
先ず、利用者は、服リストを要求するにあたって、未だ個人情報を入力していない場合には、図２のメニュー画面１１０において「個人情報入力」選択部１１４を選択して表示手段５２に個人情報入力画面１３０を表示し、この画面１３０において、年令、性別、職業、趣味、好きな色等の個人情報を入力する。これらの個人情報を入力するか否かは任意であり、利用者は入力したくない場合には、入力する必要はないが、入力しておくことで自分の好みの服や自分に合う服等が含まれる服リストを管理サーバ２０から送信してもらうことができる。入力された個人情報は、携帯電話機５０から管理サーバ２０に送信され、個人情報記憶手段４５に記憶保存される。
【０１１４】
図２のメニュー画面１１０において、利用者が「メーカリスト」選択部１１１を選択した場合には、表示手段５２にはメーカ選択画面１４０が表示される。この画面１４０には、例えば、「メーカＡ」、「メーカＢ」、「メーカＣ」、「メーカＤ」等の各メーカの服リストを選択する選択部が設けられているので、利用者は、自分が試着する服のメーカを選択する。ここでは、例えば、「メーカＡ」選択部１４１を選択するものとする。すると、表示手段５２にはメーカＡの服リストの画面１５０が表示される。この画面１５０には、例えば、「服１」選択部１５１、「服２」選択部１５２、「青服」選択部１５３、「赤服」選択部１５４等の各服の選択部が設けられている。なお、一つの画面１４０に表示されるメーカ数、および一つの画面１５０に表示される服の個数は、例えば５０個等であり、画面を上下にスクロールすることにより全部を表示できるようになっている。
【０１１５】
また、図２のメニュー画面１１０において、利用者が「ジャンルリスト」選択部１１２を選択した場合には、表示手段５２にはジャンル選択画面１６０が表示される。この画面１６０には、各ジャンルを選択する選択部が設けられている。ジャンルとは、例えば、春物、夏物、秋物、冬物、スキーウェア、テニスウェア、ゴルフウェア、背広、学生服、礼服、水着、作業着、白衣、浴衣、Ｔシャツ、Ｙシャツ、和服、チャイナドレス、セーター、カーディガン、ポロシャツ、コート、ジャケット、ジャンバー、スカート、ジーパン、ブラウス、ブラジャー、パンツ、靴下、ストッキング、タイツ等である。ここでは、例えば、「スキーウェア」選択部１６１を選択するものとする。すると、表示手段５２にはスキーウェアの服リストの画面１７０が表示される。この画面１７０には、例えば、「メーカＡの服Ｘ」選択部１７１、「メーカＢの服Ｙ」選択部１７２、「メーカＡの服Ｚ」選択部１７３、「メーカＣの服Ｋ」選択部１７４等のように各メーカが混在した状態で各スキーウェアの選択部が設けられている。なお、一つの画面１６０に表示されるジャンル数、および一つの画面１７０に表示される服の個数は、例えば５０個等であり、画面を上下にスクロールすることにより全部を表示できるようになっている。
【０１１６】
さらに、図２のメニュー画面１１０において、利用者が「検索」選択部１１３を選択した場合には、表示手段５２には検索画面１８０が表示される。この画面１８０には、キーワードを入力するキーワード入力部１８１が設けられている。ここでは、例えば、キーワード入力部１８１に「スキーウェア」と入力するものとする。すると、表示手段５２には、前述したスキーウェアの服リストの画面１７０が表示される。
【０１１７】
その後、利用者は、表示手段５２に表示された服リストの画面（例えば、図２の画面１５０，１７０等）において、自分の試着する服を選択し、服描画用データ取得手段５４により、選択した服の試着要求の信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ８）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの試着要求の信号を受信すると（ステップＳ９）、服描画用データ送信手段２１により、服描画用データ記憶手段４１に記憶された服描画用データから、利用者の要求に応じた服描画用データを選択して携帯電話機５０に送信する（ステップＳ１０）。携帯電話機５０は、管理サーバ２０から服描画用データを受信すると（ステップＳ１１）、服描画用データ加工手段５５により、既に設定されて保存されている体型代表点データに基づき、受信した服描画用データを加工して服の画像を利用者の画像に合うように変形する（ステップＳ１２）。さらに、画像合成手段５６により、加工変形された服の画像と利用者の画像とを合成し、服を試着した状態の利用者の画像を表示手段５２の画面上に表示する（ステップＳ１３）。この際、携帯電話機５０を操作する利用者の立場で、ステップＳ８〜Ｓ１３の処理に伴う表示手段５２の画面遷移を追うと、次のようになる。
【０１１８】
例えば、図４のメーカＡの服リストの画面１５０において、利用者は、上下の移動操作ボタン６５Ａ，６５Ｂを操作してフォーカス位置を上下に移動させ、自分の試着したい服の位置にフォーカス位置を合わせ、そこで決定ボタン６４を押す。ここでは、例えば、「服１」を選択するために、「服１」選択部１５１にフォーカス位置を合わせるものとする。すると、「服１」を試着した状態の利用者の画像である合成画像の画面１９０が表示手段５２の画面上に表示される。この画面１９０の下部には、プログラムを終了させるための「終了」ボタン１９１と、服リストの画面１５０に戻るための「ＬＩＳＴ」ボタン１９２とが設けられている。
【０１１９】
利用者は、別の服を試着したい場合には、右上隅ボタン６７を操作し、「ＬＩＳＴ」ボタン１９２を押して服リストの画面１５０に戻り、同様な操作を行うと、「服２」を試着した状態の利用者の画像である合成画像の画面２００、「白服」を試着した状態の利用者の画像である合成画像の画面２１０等が表示手段５２の画面上に表示される。
【０１２０】
また、利用者は、左右の移動操作ボタン６５Ｃ，６５Ｄを操作することにより、現在試着している服に対し、服リストの画面１５０に表示されている服の中での前後の服を試着することができる。
【０１２１】
さらに、利用者は、左上隅ボタン６６を操作し、メーカＡの服リストの画面１５０の下部に設けられた「戻る」ボタン１５５を押すことにより、前の画面（ここでは、図２のメーカ選択画面１４０）に戻ることができ、右上隅ボタン６７を操作し、画面１５０の下部に設けられた「更新」ボタン１５６を押すことにより、現在表示されている服リストを、別の服リストに切り替えることができる。
【０１２２】
図５には、服描画用データ加工手段５５による服描画用データの加工変形（ステップＳ１２）、および画像合成手段５６による画像合成（ステップＳ１３）の際の処理の流れが示されている。
【０１２３】
図５において、加工変形前のオリジナルの服描画用データは、例えば、右袖部分、左袖部分、胴部分、襟口部分等のような各パーツ毎の画像の組合せとして用意してもよく、あるいは一枚の画像として用意し、加工変形する際に、分割して伸縮や回転等の処理を行うようにしてもよい。
【０１２４】
先ず、試着する服のオリジナルの画像Ｇ１は、撮影した利用者の画像Ｇ６における左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２との間の長さ（図３参照）に基づき決定される縮尺で、拡大・縮小されて画像Ｇ２に加工される。例えば、試着する服のオリジナルの画像Ｇ１の肩幅が１０ピクセルで、撮影した利用者の画像Ｇ６の肩幅が２０ピクセルであった場合には、画像Ｇ１を２倍に拡大する処理を行う。この際、画像Ｇ１の肩幅データは、画像Ｇ１を描くための服描画用データとともに管理サーバ２０から送信される。なお、服描画用データを服描画用データ記憶手段４１に記憶させて用意しておく際に、全ての服描画用データの肩幅を一定値（例えば、１０ピクセル等）になるように調整しておけば、管理サーバ２０から服描画用データを送信する際に、肩幅データを合わせて送信する必要はない。また、試着する服の画像サイズ、および撮影する利用者の画像サイズは、ピクセル等の画素単位で管理するのではなく、利用者に実際の身長（ｃｍ）を入力させることにより、本当の幅（ｃｍ）で管理するようにしてもよい。
【０１２５】
次に、画像Ｇ２は、利用者の画像Ｇ６における首の位置Ｐ３とへその位置Ｐ４とに基づき（図３参照）、中心位置を移動されて画像Ｇ３となる。
【０１２６】
続いて、画像Ｇ３は、利用者の画像Ｇ６における左肩の位置Ｐ１および左手首の位置Ｐ５（図３参照）に基づき決定される左腕の長さおよび開き具合で、左腕を加工されるとともに、利用者の画像Ｇ６における右肩の位置Ｐ２および右手首の位置Ｐ６（図３参照）に基づき決定される右腕の長さおよび開き具合で、右腕を加工されて画像Ｇ４となる。
【０１２７】
さらに、画像Ｇ４は、利用者の画像Ｇ６における左脇腹の位置Ｐ７および右脇腹の位置Ｐ８（図３参照）に基づき決定される腹幅で、腹を加工されて画像Ｇ５となる。
【０１２８】
そして、体型代表点が図３に示す位置Ｐ１〜Ｐ８以外にも設定されている場合等には、その体型代表点データに基づき、その他の様々な補足加工を行った後、加工後の画像（補足加工がない場合には、画像Ｇ５となる。）と、撮影された利用者の画像Ｇ６とが合成され、合成画像Ｇ７が表示手段５２の画面上に表示される。
【０１２９】
その後、利用者は、必要に応じ、操作手段６３（図２参照）を自ら操作することにより、合成画像Ｇ７について微調整を行い、試着した服の画像を利用者の画像に、より一層フィットさせる処理を行う。より具体的には、例えば、ダイヤルキー６８の中の「１」および「２」のキーを押して服全体を横方向に伸縮させたり、「３」および「４」のキーを押して服全体を縦方向に伸縮させたり、「５」および「６」のキーを押して服全体を回転させたり、「７」のキーを押して詳細メニューを表示し、より詳細な微調整を行う。詳細メニューでは、同様に「１」および「２」のキーを押して袖角度のみを変化させたり、「３」および「４」のキーを押して服の上半分のみを部分的に縦方向に伸縮させる等の処理を行う。なお、各キーに割り当てる機能は、これらに限定されるものではなく任意である。
【０１３０】
図６において、利用者が、試着した服について在庫の確認をする場合には、携帯電話機５０から在庫確認要求の信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ１４）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの在庫確認要求を受信すると（ステップＳ１５）、服在庫データ送信手段２４により、服在庫データ記憶手段４２に記憶された服在庫データから、利用者の要求に応じた服在庫データを選択または編集して携帯電話機５０に送信する（ステップＳ１６）。携帯電話機５０は、管理サーバ２０から服在庫データを受信し、表示手段５２の画面上に服の在庫情報を表示する（ステップＳ１７）。この際、携帯電話機５０を操作する利用者の立場で、ステップＳ１４〜Ｓ１７の処理に伴う表示手段５２の画面遷移を追うと、次のようになる。
【０１３１】
図４において、利用者は、表示手段５２の画面上で試着した服が自分に合うと判断した場合、あるいは気に入った場合等には、その服を試着した状態の利用者（自分）の画像である合成画像の画面（例えば、画面１９０，２００，２１０等）を表示しながら、携帯電話機５０の決定ボタン６４を押す。すると、表示手段５２には、その服について各種情報の取得や手続等を行うための手続画面２２０が表示される。この手続画面２２０には、その服についての詳細情報を表示するための「詳細情報」選択部２２１と、その服を販売している店舗の情報を表示するための「店舗情報」選択部２２２と、その服を試着した状態の利用者（自分）の画像について専門家の診断を受けるための「診断依頼」選択部２２３と、その服を購入するための「発注・予約」選択部２２４とが設けられている。
【０１３２】
図４の手続画面２２０において、利用者が、「店舗情報」選択部２２２を選択すると、表示手段５２の画面上には、利用者が試着した服を販売している店舗の情報（例えば、店舗の所在地、電話番号、規模等）が表示される。この際、表示される店舗情報は、携帯電話機５０の現在位置に近い店舗の情報のみであってもよく、あるいは利用者が試着した服を販売している店舗をいつくか表示したうえで、それらの店舗の中で携帯電話機５０の現在位置に近い店舗を示すようにしてもよい。
【０１３３】
また、図４の手続画面２２０において、利用者が、「詳細情報」選択部２２１を選択すると、詳細情報の要求信号が携帯電話機５０から管理サーバ２０に送信される。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの詳細情報の要求信号を受信すると、詳細情報送信手段３２により、詳細情報記憶手段４６に記憶された詳細情報を携帯電話機５０に送信する。すると、携帯電話機５０の表示手段５２の画面上には、利用者が試着した服についての詳細情報として、例えば、サイズ、材質、メーカ、製造国、定価等が表示される。
【０１３４】
図７において、利用者が、試着した服について専門家の診断を受けたい場合には、図４の手続画面２２０において「診断依頼」選択部２２３を選択し、携帯電話機５０から診断依頼情報（服を試着した状態の利用者の画像等）を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ１８）。管理サーバ２０では、診断依頼情報受信手段２７により、携帯電話機５０からの診断依頼情報を受信すると（ステップＳ１９）、診断依頼連絡手段２８により、診断依頼があった旨の連絡情報を専門家端末装置９０に送信する（ステップＳ２０）。専門家は、専門家端末装置９０を操作し、この連絡内容を受信して確認した後（ステップＳ２１）、管理サーバ２０から所定の入力フォームである図８の診断画面２３０をダウンロードして画面表示する。この診断画面２３０には、服を試着した状態の利用者（依頼者）の画像を表示する依頼者画像表示部２３１と、依頼者の個人情報を表示する個人情報表示部２３２と、依頼者へのメッセージを入力するメッセージ入力部２３３と、依頼者に薦める服を選択する推薦服選択部２３４とが設けられている。
【０１３５】
専門家は、図８の診断画面２３０において、依頼者の画像および個人情報を参照しながら診断を行い、その診断結果をメッセージ入力部２３３に入力するとともに、推薦服選択部２３４で依頼者に薦める服を選択した後、これらの診断結果および推薦する服の情報を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ２２）。管理サーバ２０では、診断結果受信手段２９により、専門家端末装置９０からの診断結果および推薦する服の情報を受信すると（ステップＳ２３）、診断終了通知手段３０により、携帯電話機５０に診断終了通知を送信する（ステップＳ２４）。
【０１３６】
利用者（依頼者）は、携帯電話機５０を操作し、管理サーバ２０からの診断終了通知を受信した後（ステップＳ２５）、診断結果の閲覧要求信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ２６）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの診断結果の閲覧要求信号を受信すると（ステップＳ２７）、診断結果および専門家の推薦する服の画像を携帯電話機５０に送信する（ステップＳ２８）。携帯電話機５０では、管理サーバ２０から送信されてくる診断結果および専門家の推薦する服の画像を受信し、これらを所定の表示フォームである診断結果表示画面で表示手段５２に画面表示する（ステップＳ２９）。
【０１３７】
なお、診断結果および専門家の推薦する服の画像を利用者（依頼者）に提示する方法は、利用者（依頼者）が、ステップＳ２５で診断終了通知を受信した後に、ステップＳ２６で診断結果の閲覧要求信号を管理サーバ２０に送信するという方法ではなく、ステップＳ２４で管理サーバ２０から送信する診断終了通知に、診断結果および専門家の推薦する服の画像を添付する方法としてもよい。
【０１３８】
最後に、利用者が、試着した服を購入することを決め、発注または予約をする場合には、図４の手続画面２２０において「発注・予約」選択部２２４を選択し、携帯電話機５０から発注・予約情報を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ３０）。管理サーバ２０では、発注・予約受付手段３３により、携帯電話機５０からの発注・予約情報を受信すると（ステップＳ３１）、発注または予約があった旨の連絡情報を販売店端末装置８０に送信する（ステップＳ３２）。販売店は、販売店端末装置８０を操作し、発注または予約があった旨の連絡情報を受信し（ステップＳ３３）、配送手配等の諸手続を行う。
【０１３９】
そして、利用者は、服の試着、在庫確認、診断依頼、発注・予約等を完了した後、プログラムを終了させ、あるいは携帯電話機５０の電源を切り、服試着システム１０による処理を終了する（ステップＳ３４）。
【０１４０】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、利用者端末装置５０，７０には体型代表点設定手段５３，７２が設けられ、また、管理サーバ２０には、画像解析手段２２が設けられているので、服試着システム１０は、撮影した利用者の画像に基づき、その利用者の体型を代表する体型代表点を設定または自動認識することができる。
【０１４１】
さらに、利用者端末装置５０，７０には、服描画用データ加工手段５５，７４および画像合成手段５６，７５が設けられているので、服試着システム１０は、体型代表点データに基づき服描画用データを加工してから、試着する服の画像を利用者の画像に重ね合わせて表示することができる。
【０１４２】
従って、服試着システム１０は、利用者がどのような体型、体格、容姿を持っていても、管理サーバ２０に用意されている服を、その利用者に試着させることができる。このため、利用者は、利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１の画面上で、その服が自分に合うか否かを容易に確認することができる。
【０１４３】
そして、服試着システム１０には、利用者端末装置５０，７０に体型代表点設定手段５３，７２が設けられているのみならず、管理サーバ２０に画像解析手段２２が設けられているので、利用者は、自ら体型代表点を入力指定する必要がなくなるため、利用者の手間を軽減することができる。
【０１４４】
また、服試着システム１０は、服在庫データ記憶手段４２および服在庫データ送信手段２４を備えているので、服を購入しようとする利用者は、試着した服が、どこの店で売られているのかという情報を知ることができるため、自分に合う服、あるいは自分が気に入った服を、容易に入手することができる。
【０１４５】
さらに、服試着システム１０は、服リストデータ記憶手段４３および服リストデータ送信手段２５を備えているので、利用者は、利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１の画面上に表示された服リストの中から、試着する服を選択することができ、服選びを容易に行うことができる。
【０１４６】
そして、携帯電話機５０には、位置測定手段５８および位置情報送信手段５９が設けられ、管理サーバ２０には、位置情報受信手段２６が設けられているので、服試着システム１０は、携帯電話機５０の現在位置情報を利用したサービスを利用者に提供することができる。つまり、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機５０の現在位置）に近い店舗で、自分に合う服や自分の気に入った服を売っているという在庫情報を得ることができるため、利用者の買い物の手間を軽減することができる。また、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機５０の現在位置）に近い店舗で販売されている服の中から、自分に合う服や自分の気に入った服を選択することができるので、この点でも利用者の買い物の手間を軽減することができる。
【０１４７】
さらに、利用者端末装置５０，７０には、診断依頼手段６２，７７が設けられ、管理サーバ２０には、診断依頼情報受信手段２７と診断依頼連絡手段２８と診断結果受信手段２９と診断終了通知手段３０とが設けられているので、利用者は、試着した服が自分に合っているか否かを専門家に診断してもらうことができる。このため、利用者は、良い買い物をすることができる。そして、ファッションセンスのない者でも安心して服を購入することができ、また、ファッションに人一倍気を使う者は、より一層自分のファッションセンスに磨きをかけることができる。
【０１４８】
また、管理サーバ２０には、発注・予約受付手段３３が設けられているので、利用者は、試着した服が気に入った場合や自分に合うと判断した場合等には、容易に購入手続をとることができる。
【０１４９】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【０１５０】
すなわち、前記実施形態では、管理サーバ２０は、インターネット２を介して携帯電話会社の管理センター４に接続されていたが、インターネット２ではなく、専用線により管理センター４に接続してもよい。
【０１５１】
また、前記実施形態では、図２および図４に示すように、利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１の画面上に、先ず、服リストを表示し、次に、この服リストの中から、試着する服を選択するようになっていたが、この表示順に限定されるものではなく、先ず、デフォルトとして定められた服（ある一つの服に限られるものではなく、一定のルールに従って最初に試着させる服と定められた服であり、時間の経過とともに変化してもよい。）を試着させ、次に、利用者の要求に応じて服リストを表示し、その服リストの中から別の服を選択させて試着させるようにしてもよく、あるいは、先ず、デフォルトとして定められた服を試着させ、次に、利用者による別の服の試着要求を受け付け、以降、服リストを使用せずに、用意された服を順次試着させるようにしてもよく、さらには、先ず、デフォルトとして定められた服を試着させ、次に、利用者による別の服の試着要求を受け付けつつ、利用者の要求に応じて服リストを適宜表示してその服リストの中から別の服を選択させるようにしてもよい。
【０１５２】
さらに、前記実施形態では、管理サーバ２０の画像解析手段２２は、赤リボン等の識別マークを含む画像を解析することにより体型代表点を自動認識する構成とされていたが、画像のエッジ抽出を行うことにより体型代表点を定める構成の画像解析手段を管理サーバ２０に設けてもよい。
【０１５３】
そして、前記実施形態では、「利用者の画像」は静止画像であり、「服描画用データ」は二次元画像であるものとして説明を行っていたが、これに限定されるものではなく、「利用者の画像」を動画像とし、「服描画用データ」を３Ｄデータとしてもよい。
【０１５４】
また、前記実施形態では、体型代表点である左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２との間の長さにより、試着する服の画像の全体的な縮尺が決定され、左脇腹の位置Ｐ７と右脇腹の位置Ｐ８とで腹幅が決定されるようになっていたが、服描画用データ加工手段５５，７４による画像加工方法は、これに限定されるものではない。例えば、試着する服の画像のうち、単独で伸縮や拡大・縮小や回転が可能な範囲を、左右の袖部分、左右の足部分、胴部分、襟口部分等の各パーツ単位で設定してもよい。この際、服描画用データとして用意する服の画像は、各パーツ毎の画像の組合せとして用意してもよく、あるいは一枚の画像として用意し、加工変形する際に、分割して伸縮や回転等の処理を行うようにしてもよい。
【０１５５】
さらに、前記実施形態の図５では、上半身に試着する衣類を中心に画像加工処理方法の説明が行われていたが、本発明は、例えばズボンやスカート等の下半身に試着する衣類にも適用することができる。
【０１５６】
そして、前記実施形態では、服試着システム１０は、服の試着を行うためのシステムとして説明されていたが、本発明の服試着システムは、服の試着のみならず、髪形（かつら）、アクセサリ（例えば、ネックレスやイヤリング等）、眼鏡、靴、帽子、ベルト、ネクタイ、マフラー、手袋等のように、利用者が服とともに身にまとう物を試着したり、試しに付けたりする機能、さらには、これらの在庫確認、診断、発注・予約等を行う機能を有する構成としてもよい。このような構成は、服の試着の場合と同じ手順でデータの送受信を行うことにより、容易に実現することができる。
【０１５７】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、この体型代表点データに基づき服描画用データを加工してから、試着する服を利用者の画像に重ね合わせて表示するので、利用者が、どのような体型、体格、容姿を持っていても、管理サーバに用意されている服を、その利用者に試着させることができるため、利用者は、利用者端末装置の表示手段の画面上で、その服が自分に合うか否かを容易に確認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の服試着システムの全体構成図。
【図２】前記実施形態の服試着システムの処理に伴う画面遷移図。
【図３】前記実施形態の体型代表点の設定手順の説明図。
【図４】前記実施形態の服の試着をする際の画面遷移図。
【図５】前記実施形態の服描画用データの加工処理の流れの説明図。
【図６】前記実施形態の服試着システムによる全体的な処理の流れを示すフローチャートの図。
【図７】図６に続いて、前記実施形態の服試着システムによる全体的な処理の流れを示すフローチャートの図。
【図８】前記実施形態の服を試着した状態の利用者の画像を専門家が診断する診断画面を示す図。
【符号の説明】
１ ネットワーク
１０ 服試着システム
２０ 管理サーバ
２１ 服描画用データ送信手段
２２ 画像解析手段
２３ 体型代表点データ送信手段
２４ 服在庫データ送信手段
２５ 服リストデータ送信手段
２６ 位置情報受信手段
２７ 診断依頼情報受信手段
２８ 診断依頼連絡手段
２９ 診断結果受信手段
３１ 供給用プログラム送信手段
４１ 服描画用データ記憶手段
４２ 服在庫データ記憶手段
４３ 服リストデータ記憶手段
４４ 供給用プログラム記憶手段
５０ 利用者端末装置である携帯電話機
５２，７１ 表示手段
５３，７２ 体型代表点設定手段
５４，７３ 服描画用データ取得手段
５５，７４ 服描画用データ加工手段
５６，７５ 画像合成手段
５７，７６ 体型代表点データ受信手段
５８ 位置測定手段
５９ 位置情報送信手段
６０ プログラム取得手段
６１ 取得プログラム記憶手段
６２，７７ 診断依頼手段
７０ 利用者端末装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面上で画像合成により服を試着するサービスを提供する服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバに係り、例えば、携帯電話を用いて服の試着、あるいは試着した服の在庫確認を行う場合等に利用できる。
【０００２】
【背景技術】
従来より、服飾デザイナーは、コンピュータシステムを用いて服のデザインを行っている。このような服のデザインを行うためのシステムには、画面上に予め用意されたマネキン画像を表示し、そのマネキン画像上にデザインした服を着せる処理を行うもの等がある。
【０００３】
ところで、自分の着る服を購入しようとする者は、オーダーメードする場合を除き、その服が自分に合うか否かを確認するため、店内において、服を試着してみることが多い。また、服を購入しようとする者にとって、自分に合う服、あるいは自分の気に入る服が、どこの店で売られているのかという情報は、重要である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したマネキン画像に服を着せるシステムでは、予め用意されたマネキン画像に服を着せるだけなので、服の試着に応用することは困難である。すなわち、服を購入しようとする者は、様々な体型、体格、容姿を持っているため、予め用意されたマネキン画像に、購入しようとしている服を着せるだけでは、その服が自分に合うか否かを確認することはできないからである。
【０００５】
また、自分の着る服を購入しようとする者は、店に直接に行くのではなく、自宅等で、通信販売のカタログを見て購入したり、インターネットを利用してオンラインで購入する場合もある。しかし、これらの場合には、店に行かなくても服を購入できるという利点はあるものの、服の試着をすることはできないので、購入する服が自分に合うか否かを確認することはできない。従って、店内ではなく、遠隔地（店外）で服の試着をすることができるシステムがあれば便利である。
【０００６】
本発明の目的は、様々な体型、体格、容姿を持っている者が、画面上で画像合成により服を試着することができる服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバを提供するところにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画面上で画像合成により服を試着するサービスを提供する服試着サービス提供方法であって、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバと、利用者の操作する利用者端末装置とをネットワークで接続するとともに、管理サーバに接続された服描画用データ記憶手段に、服を画面上に描くための服描画用データを記憶しておき、撮影手段により撮影された利用者の画像を用いて利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、利用者端末装置からの利用者の要求に応じ、管理サーバの服描画用データ送信手段により、服描画用データ記憶手段に記憶された服描画用データをネットワークを介して利用者端末装置に送信し、利用者端末装置の服描画用データ加工手段により、体型代表点データに基づき服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形した後、利用者端末装置の画像合成手段により、加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示することを特徴とするものである。
【０００８】
ここで、「服描画用データ」は、主としてイメージデータ（現物の服の実写データのみならず、イラストデータを含む。）であり、例えば、ＪＰＥＧ（Ｊｏｉｎｔ Ｐｈｏｔｏｇｒａｐｈｉｃ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）形式、ＧＩＦ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ Ｉｎｔｅｒｃｈａｎｇｅ Ｆｏｒｍａｔ）形式、ＴＩＦＦ（Ｔａｇｇｅｄ Ｉｍａｇｅ Ｆｉｌｅ Ｆｏｒｍａｔ）形式、ＢＭＰ形式、ＰＩＣＴ形式、ＰＮＧ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｇｒａｐｈｉｃｓ）形式等の各種の画像ファイル形式で保存されるデータを採用できるが、これらのイメージデータに限定されるものではなく、２Ｄ（２次元）または３Ｄ（３次元）のコンピュータ・グラフィクス（ＣＧ）用のデータ等であってもよい。例えば、ＣＡＤ（Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ａｉｄｅｄ Ｄｅｓｉｇｎ）や３Ｄデータの事実上の標準となっているＤＸＦ（Ｄｒａｗｉｎｇ Ｉｎｔｅｒｃｈａｎｇｅ Ｆｉｌｅ）形式等のファイル形式で保存されるデータを採用してもよく、あるいは、本発明に特有のデータを採用してもよい。本発明に特有のデータを採用する場合とは、例えば、試着対象となる服やそのパーツの輪郭線あるいは服表面の模様を表す線の座標を一定間隔でとって数値化して服描画用データ記憶手段に保存しておき、服を試着する際に、この数値データを利用者端末装置に送信し、利用者端末装置により各座標を結んで線を引き、その線の中を適宜着色するという描画処理を行う場合等である。
【０００９】
また、「撮影手段により撮影された利用者の画像」には、静止画像のみならず、動画像も含まれ、静止画像の場合には、例えば、ＪＰＥＧ形式等で保存されるデータを採用でき、動画像の場合には、例えば、ＭＰＥＧ（Ｍｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）形式等で保存されるデータを採用できる。なお、「利用者の画像」を動画像とする場合には、「服描画用データ」は、動画像で示される利用者の動きに追従して服を動かすことができるように３Ｄデータとすればよい。
【００１０】
さらに、「利用者端末装置」を操作する「利用者」は、実際に服を試着する者と厳密な意味で一致している必要はなく、実際に服を試着する者に代わって利用者端末装置を操作する操作代行者であってもよい。従って、実際に服を試着する者は、「利用者端末装置」を操作する「利用者」の家族や親族等であってもよく、また、人間に限らず、「利用者端末装置」を操作する「利用者」が飼っているペット等であってもよい。このため、「利用者の画像」や「利用者の体型」には、「利用者端末装置」を操作する「利用者」と関係のある人（例えば、家族や親族や友人等）や動物（例えば、ペットや家畜等）についての画像や体型も含まれ、この場合には、「利用者端末装置」を操作する「利用者」は、実際に服を試着する人や動物が、例えば、知識の少ない子供や老人、あるいは目の見えない人、手足の不自由な人、さらにはペット等のように、利用者端末装置を操作することや試着する服を選択すること（購入する服を決定すること）が困難または不可能である場合等に、これらの人や動物に代わって利用者端末装置を操作する操作代行者となる。
【００１１】
そして、「ネットワーク」には、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ）、メトロポリタン・エリア・ネットワーク（ＭＡＮ）、ワイド・エリア・ネットワーク（ＷＡＮ）、インターネット、イントラネット、エクストラネット、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点（距離の長短は問わない。）間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
【００１２】
また、「利用者の画像」の撮影は、画像合成手段による処理（つまり、表示手段の画面上での服の試着）が行われる利用者端末装置に設けられた「撮影手段」で行ってもよく、あるいは画像合成手段による処理が行われる利用者端末装置以外の端末装置に設けられた「撮影手段」で行ってもよい。前者の場合は、例えば、自分の携帯電話機に設けられたカメラにより撮影し、その携帯電話機の表示手段の画面上で服を試着する場合、自宅にあるパーソナル・コンピュータに接続されたカメラにより撮影し、そのパーソナル・コンピュータの表示手段の画面上で服を試着する場合等であり、後者の場合は、例えば、自宅や服の販売店のパーソナル・コンピュータに接続されたカメラにより撮影し、撮影した画像を自分の携帯電話機に転送し、その携帯電話機の表示手段の画面上で服を試着する場合、服の販売店のパーソナル・コンピュータに接続されたカメラにより撮影し、撮影した画像を自宅にあるパーソナル・コンピュータに転送し、自宅にあるパーソナル・コンピュータの表示手段の画面上で服を試着する場合等である。
【００１３】
さらに、「利用者端末装置」は、主としてコンピュータや携帯電話機（パーソナル・ハンディフォーン・システム（ＰＨＳ）も含む。）により実現されるが、これに限定されるものではなく、例えば、パーソナル・デジタル・アシスタンス（ＰＤＡ）、電子手帳、ゲーム機、腕時計、デジタル・テレビ等であっても、中央演算処理装置（ＣＰＵ）の性能、画面の解像度、記憶手段の容量等が本発明に適するものであれば採用することができる。
【００１４】
このような本発明の服試着サービス提供方法においては、服試着サービスの利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、この体型代表点データに基づき服描画用データを加工してから、試着する服を利用者の画像に重ね合わせて表示するので、利用者が、どのような体型、体格、容姿を持っていても、管理サーバに用意されている服を、その利用者に試着させることが可能となる。このため、利用者は、利用者端末装置の表示手段の画面上で、その服が自分に合うか否かを容易に確認することができるようになり、これにより前記目的が達成される。
【００１５】
また、前述した服試着サービス提供方法において、体型代表点を設定する際には、利用者端末装置の体型代表点設定手段により、利用者の画像を利用者端末装置の表示手段に画面表示し、この画面表示された利用者の画像上で、利用者による体型代表点の入力指定操作を受け付けることが望ましい。
【００１６】
このように利用者端末装置で体型代表点を利用者が設定するようにした場合には、利用者が表示手段の画面を参照しながら、自己の画像上で体型代表点を入力指定すればよいので、体型代表点を容易かつ確実に設定することが可能となる。
【００１７】
さらに、前述した服試着サービス提供方法において、体型代表点を設定する際には、管理サーバの画像解析手段により、撮影手段により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識して得た後、得られた体型代表点データを利用者端末装置に送信するようにしてもよい。
【００１８】
この際、撮影手段により撮影された利用者の画像は、画像合成手段による処理が行われる利用者端末装置から管理サーバに送信されてもよく、他の端末装置（例えば、撮影手段に接続された端末装置等）から管理サーバに送信されてもよい。
【００１９】
このように管理サーバで画像解析を行って体型代表点を自動設定するようにした場合には、利用者は、自ら体型代表点を入力指定する必要がなくなるので、利用者の手間を軽減することが可能となる。
【００２０】
なお、上記の利用者端末装置で体型代表点を利用者が設定する方法と、管理サーバで画像解析を行って体型代表点を自動設定する方法とを併用してもよい。すなわち、複数の体型代表点のうちの一部を前者の方法で設定し、残りの一部を後者の方法で設定するようにしてもよい。
【００２１】
また、以上に述べた本発明の服試着サービス提供方法を実現するシステムとして、以下のような本発明の服試着システムを挙げることができる。
【００２２】
すなわち、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムであって、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバと、利用者の操作する利用者端末装置とがネットワークで接続され、管理サーバには、服を画面上に描くための服描画用データを記憶する服描画用データ記憶手段が接続され、管理サーバは、利用者端末装置からの利用者の要求に応じて服描画用データ記憶手段に記憶された服描画用データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服描画用データ送信手段を備え、利用者端末装置は、撮影手段により撮影された利用者の画像を画面表示する表示手段と、この表示手段に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【００２３】
このような本発明の服試着システムにおいては、前述した本発明の服試着サービス提供方法で得られる作用・効果を、そのまま得ることができ、これにより前記目的が達成される。
【００２４】
そして、前述した服試着システムにおいて、管理サーバは、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識する画像解析手段と、この画像解析手段による解析結果として得られた体型代表点データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する体型代表点データ送信手段とを備え、利用者端末装置は、体型代表点データ送信手段から送信されてくる体型代表点データを受信する体型代表点データ受信手段を備えた構成とすることが望ましい。
【００２５】
ここで、「識別マーク」とは、体型代表点と、それ以外の部分とを識別するためのマークをいい、例えば、赤色等のリボンやテープ、赤色光等を発する発光ダイオード（ＬＥＤ）等の発光手段などであり、要するに、利用者が撮影時に着ている服の色（裸で撮影する場合には、肌色）とは異なる色（服の色や肌色に対して目立つ色）のリボンやテープ、発光手段などとすればよい。
【００２６】
また、「画像解析手段」は、撮影された利用者の画像の中に含まれている識別マークを、他の部分との色彩の相違により抽出し、その位置（座標）を把握する処理を行うものである。
【００２７】
このように体型代表点を自動設定する画像解析手段を備えた構成とした場合には、利用者は、利用者端末装置を操作して体型代表点を自ら入力指定することにより設定するか、あるいは識別マークを付けて撮影を行い、管理サーバで画像解析を行って体型代表点を自動認識することにより設定するかを選択することが可能となる。
【００２８】
そして、「利用者の画像」を動画像とし、かつ、「服描画用データ」を３Ｄデータとする場合には、動画像で示される利用者の動きは、３方向から撮影することにより体型代表点の動きとして把握することができるので、いわゆるモーションキャプチャー技術を用い、画像解析手段により動画像を解析して体型代表点の動きを自動認識し、その体型代表点の動きに合わせて３Ｄデータの服描画用データを用いて服を動かす表示を行えばよい。
【００２９】
また、前述した服試着システムにおいて、管理サーバには、服の在庫の有る店舗情報を含む服在庫データを記憶する服在庫データ記憶手段が接続され、管理サーバは、利用者端末装置からの利用者の服の在庫確認要求に応じて服在庫データ記憶手段に記憶された服在庫データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服在庫データ送信手段を備えた構成とすることが望ましい。
【００３０】
このように服在庫データ記憶手段および服在庫データ送信手段を備えた構成とした場合には、服を購入しようとする利用者は、試着した服が、どこの店で売られているのかという情報を知ることが可能となるので、自分に合う服、あるいは自分が気に入った服を、容易に入手することができるようになる。
【００３１】
さらに、上記のように服在庫データ記憶手段および服在庫データ送信手段を備えた構成とした場合において、利用者端末装置は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、この携帯電話機は、この携帯電話機の現在位置を測定する位置測定手段と、この位置測定手段により測定した携帯電話機の現在位置の情報をネットワークを介して管理サーバに送信する位置情報送信手段とを備え、管理サーバは、携帯電話機からネットワークを介して送信されてくる携帯電話機の現在位置の情報を受信する位置情報受信手段を備え、服在庫データ送信手段は、位置情報受信手段により受信した現在位置の情報に基づき、携帯電話機の現在位置に近い店舗情報を含む服在庫データを送信する構成とされていることが望ましい。
【００３２】
ここで、「位置測定手段」としては、例えば、全地球測位システム（ＧＰＳ：Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ）やＤ−ＧＰＳ（Ｄｉｆｆｅｒｅｎｔｉａｌ Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ）等を採用することができる。
【００３３】
また、「携帯電話機の現在位置に近い店舗情報を含む服在庫データを送信する」ことには、利用者が試着した服について在庫確認要求をしたときに、その服についての在庫がある店舗をいくつか示したうえで、それらの店舗の中で携帯電話機の現在位置に近い店舗を示す形式でデータを送信する場合と、携帯電話機の現在位置に近い店舗のみを示す形式でデータを送信する場合とが含まれる。
【００３４】
このように位置測定手段を備えた携帯電話機から在庫確認要求を行うことができる構成とした場合には、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機の現在位置）に近い店舗で、自分に合う服や自分の気に入った服を売っているという情報を知ることが可能となるので、利用者の買い物の手間を軽減することができるようになる。
【００３５】
そして、前述した服試着システムにおいて、管理サーバには、試着対象となる服のリストを利用者端末装置の表示手段に表示するための服リストデータを記憶する服リストデータ記憶手段が接続され、管理サーバは、利用者端末装置からの利用者の要求に応じて服リストデータ記憶手段に記憶された服リストデータをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服リストデータ送信手段を備え、利用者端末装置の服描画用データ取得手段は、服リストを用いて利用者により試着対象として選択された服についての服描画用データを取得する構成とされていることが望ましい。
【００３６】
ここで、「服リストデータ記憶手段」に記憶される「服リストデータ」は、完成された服リストの状態でファイルとして保存しておき、服リストデータ送信手段で利用者端末装置にそのまま送信するようにしてもよく、あるいはデータベースの一部を構成するデータとして保存しておき、服リストデータ送信手段で利用者端末装置に送信する際に、必要データをデータベースから抽出して服リストを動的に作成するようにしてもよい。後者のように服リストを動的に作成する場合には、データベースを、例えば、”ブランド名、服名、服イメージ画像（服描画用データ）、表示期間”等の構成を有するフィールドで用意しておけばよく、このようにすることで、多数の服リストを予め作成して用意したり、あるいは新製品販売・販売中止・製品入替・製品一部変更等がある都度に、新しい服リストを作成する必要がなくなり、服の試着に必要なデータを一元管理し、抽出条件（例えば、ブランド名、表示期間等）を変えることにより、様々な服リストを作成することが可能となる。
【００３７】
このように服リストデータ記憶手段および服リストデータ送信手段を備えた構成とした場合には、利用者は、利用者端末装置の表示手段に画面表示された服リストの中から、試着する服を選択することが可能となり、服選びを容易に行うことができるようになる。
【００３８】
また、上記のように服リストデータ記憶手段および服リストデータ送信手段を備えた構成とした場合において、利用者端末装置は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、この携帯電話機は、この携帯電話機の現在位置を測定する位置測定手段と、この位置測定手段により測定した携帯電話機の現在位置の情報を管理サーバに送信する位置情報送信手段とを備え、管理サーバは、携帯電話機から送信されてくる携帯電話機の現在位置の情報を受信する位置情報受信手段を備え、服リストデータ送信手段は、位置情報受信手段により受信した現在位置の情報に基づき、携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている服を含む服リストを表示手段に表示するための服リストデータを送信する構成とされていることが望ましい。
【００３９】
ここで、「携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている服を含む服リスト」とは、例えば、携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている服のみを表示するその店舗専用の服リスト、あるいは携帯電話機の現在位置を含むエリア内の店舗を中心に販売されているメーカの服のみを表示するそのメーカ専用の服リスト等である。
【００４０】
このように位置測定手段を備えた携帯電話機で服リストを表示することができる構成とした場合には、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機の現在位置）に近い店舗で販売されている服の中から、自分に合う服や自分の気に入った服を選択することが可能となるので、利用者の買い物の手間を軽減することができるようになる。
【００４１】
さらに、前述した服試着システムにおいて、利用者端末装置は、画像合成手段により処理されて服を試着した状態の利用者の画像を管理サーバに送信して専門家に診断を依頼する診断依頼手段を備え、管理サーバは、診断依頼手段から送信されてきた服を試着した状態の利用者の画像を受信する診断依頼情報受信手段と、診断依頼があった旨を専門家に連絡する診断依頼連絡手段と、専門家による診断結果を受信する診断結果受信手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【００４２】
このように専門家による診断を受けることができる構成とした場合には、利用者は、試着した服が自分に合っているか否かを専門家に診断してもらうことができるので、良い買い物をすることが可能となる。このため、ファッションセンスのない者でも安心して服を購入することが可能となり、また、ファッションに人一倍気を使う者は、より一層自分のファッションセンスに磨きをかけることが可能となる。
【００４３】
また、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバとネットワークで接続され、利用者により操作される利用者端末装置であって、撮影手段により撮影された利用者の画像を画面表示する表示手段と、この表示手段に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【００４４】
さらに、上記の利用者端末装置において、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段により撮影された利用者の画像を管理サーバの画像解析手段により解析した結果として管理サーバから送信されてくる体型代表点データを受信する体型代表点データ受信手段を備え、服描画用データ加工手段による服描画用データの加工に用いられる体型代表点データは、体型代表点データ受信手段により受信した体型代表点データであることが望ましい。
【００４５】
そして、以上に述べた利用者端末装置において、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、管理サーバからネットワークを介して携帯電話機搭載用プログラムを取得するプログラム取得手段と、このプログラム取得手段により取得した携帯電話機搭載用プログラムを記憶する取得プログラム記憶手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【００４６】
また、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバとネットワークで接続され、利用者により操作される利用者端末装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、撮影手段により撮影された利用者の画像を画面表示する表示手段と、この表示手段に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段とを備えたことを特徴とする利用者端末装置として、コンピュータを機能させるためのものである。
【００４７】
さらに、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために服の試着に必要なデータを管理する管理サーバから、ネットワークを介して取得されて携帯電話機に搭載される携帯電話機搭載用プログラムであって、撮影手段により撮影されて表示手段に表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けて利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、管理サーバからネットワークを介して服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、体型代表点データに基づき服描画用データ取得手段により取得した服描画用データを加工して服を利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、この服描画用データ加工手段により加工された服描画用データを用いて服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する画像合成手段として、携帯電話機を機能させるためのものである。
【００４８】
なお、以上に述べたプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク（ＭＯ）、コンパクトディスク（ＣＤ）を利用した読出し専用メモリ（ＣＤ−ＲＯＭ）、ＣＤレコーダブル（ＣＤ−Ｒ）、ＣＤリライタブル（ＣＤ−ＲＷ）、デジタル・バーサタイル・ディスク（ＤＶＤ）を利用した読出し専用メモリ（ＤＶＤ−ＲＯＭ）、ＤＶＤを利用したランダム・アクセス・メモリ（ＤＶＤ−ＲＡＭ）、フレキシブルディスク（ＦＤ）、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ（ＲＯＭ）、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ＬＡＮ、ＭＡＮ、ＷＡＮ、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、以上に述べたプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【００４９】
また、本発明は、画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、利用者の操作する利用者端末装置とネットワークで接続され、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバであって、服を画面上に描くための服描画用データを記憶する服描画用データ記憶手段が接続され、利用者端末装置からの利用者の要求に応じて服描画用データ記憶手段に記憶された服描画用データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する服描画用データ送信手段を備え、服描画用データ送信手段により利用者端末装置に送信される服描画用データは、利用者の画像を用いて設定された体型代表点データに基づき加工され、服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段に表示する処理に用いられることを特徴とするものである。
【００５０】
さらに、上記の管理サーバにおいて、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識する画像解析手段と、この画像解析手段による解析結果として得られた体型代表点データをネットワークを介して利用者端末装置に送信する体型代表点データ送信手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【００５１】
そして、以上に述べた管理サーバにおいて、利用者端末装置としての携帯電話機に搭載させるための供給用の携帯電話機搭載用プログラムを記憶する供給用プログラム記憶手段が接続され、携帯電話機からの利用者の要求に応じて供給用プログラム記憶手段に記憶された携帯電話機搭載用プログラムをネットワークを介して携帯電話機に送信する供給用プログラム送信手段を備えた構成とすることが望ましい。
【００５２】
なお、以上において、「携帯電話機搭載用プログラム」とは、ブラウザ等の携帯電話機に内蔵されるプログラムではなく、携帯電話機の外部から取得して携帯電話機に搭載されるプログラムである。例えば、ＪＡＶＡプログラミング言語で記述されたプログラム等を好適に用いることができる。また、容量的には、例えば、１０キロバイト（ＫＢ）以下のプログラム等を好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、通信速度の向上や携帯電話機のメモリー容量の増大等に伴い、より大きな容量のプログラムとしてもよく、例えば、３０キロバイト以下の容量のプログラム等としてもよい。
【００５３】
また、携帯電話機に備えられる「携帯電話機搭載用プログラムの実行環境」とは、ブラウザ等の携帯電話機に内蔵されるプログラムの実行環境ではなく、携帯電話機の外部から取得して携帯電話機に搭載されるプログラムの実行環境を意味する。例えば、携帯電話機搭載用プログラムがＪＡＶＡプログラムである場合には、携帯電話に対応するＪＡＶＡの実行環境であり、携帯電話機の内部に携帯電話専用のＪＡＶＡ仮想マシン（例えばＫＶＭ等）を搭載していることを意味する。
【００５４】
より具体的には、例えば、ＣＬＤＣ（Ｃｏｎｎｅｃｔｅｄ Ｌｉｍｉｔｅｄ Ｄｅｖｉｃｅ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ）の規格に従ったＪＡＶＡ実行環境等とすることが好適である。ここで、ＣＬＤＣの規格とは、ＪＡＶＡ２ＭＥの一部として定義されている実行環境のうち、携帯電話やパーソナル・デジタル・アシスタント（ＰＤＡ）等の小型端末であって中央演算処理装置（ＣＰＵ）やメモリ容量等の機能に制限があるデバイスを対象としたコンフィグレーションである。このＣＬＤＣは、次の特性を持つ小型デバイス向けのコンフィグレーションとして、主にＪＡＶＡ言語およびバーチャルマシンの機能、コアライブラリ、入出力、ネットワーク、セキュリティ機能を定義している。すなわち、（１）ＪＡＶＡ環境用に１６０〜５１２キロバイトの合計メモリを有し、（２）１６ビットまたは３２ビットのプロセッサを備え、（３）低電力消費、電池でも動作し、（４）特定のネットワーク（無線、途中切断の可能性のある状況下）での接続性があることが条件となっている。なお、ＭＩＤＰ（Ｍｏｂｉｌｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｄｅｖｉｃｅ Ｐｒｏｆｉｌｅ：ＪＡＶＡ２で定義されているＡＰＩセットの１つで、携帯電話等での使用を想定したＪＡＶＡ実行環境の仕様）、あるいは携帯電話会社が提供するサービスの仕様である「ｉアプリ」（商標）も、ＣＬＤＣの規格の中に位置付けられるため、これらのいずれにも本発明を好適に適用することができる。
【００５５】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１には、本実施形態の服試着システム１０の全体構成が示されている。また、図２には、服試着システム１０の処理に伴う画面遷移が示され、図３には、体型代表点の設定手順が示されている。さらに、図４は、服の試着をする際の画面遷移を示す図であり、図５は、服描画用データの加工処理の流れの説明図であり、図６および図７は、服試着システム１０による全体的な処理の流れを示すフローチャートの図である。そして、図８には、服を試着した状態の利用者の画像を専門家が診断する診断画面２３０が示されている。
【００５６】
図１において、服試着システム１０は、服の試着に必要なデータを管理する管理サーバ２０と、本システムによる服試着サービスの提供を受ける利用者の操作する利用者端末装置である一つまたは複数の携帯電話機５０と、携帯電話機５０以外の機器により構成された一つまたは複数の利用者端末装置７０と、販売店に設置された一つまたは複数の販売店端末装置８０と、服に関する批評・相談・アドバイス等を行う専門家の操作する一つまたは複数の専門家端末装置９０と、服を製作するメーカに設置された一つまたは複数のメーカ端末装置１００とを備え、これらがネットワーク１で互いに接続されて構成されている。
【００５７】
ネットワーク１は、本実施形態の場合には、主としてインターネット２と、携帯電話会社が所有・管理するパケット通信網３とを含んで構成され、これらのインターネット２とパケット通信網３とは、携帯電話会社の管理センター４を介して接続されている。なお、本実施形態では、ネットワーク１は、パケット通信網３を含んで構成されているが、本発明におけるネットワークを構成する通信網は、パケット通信網に限定されるものではない。
【００５８】
管理サーバ２０は、コンピュータにより構成され、服描画用データ送信手段２１と、画像解析手段２２と、体型代表点データ送信手段２３と、服在庫データ送信手段２４と、服リストデータ送信手段２５と、位置情報受信手段２６と、診断依頼情報受信手段２７と、診断依頼連絡手段２８と、診断結果受信手段２９と、診断終了通知手段３０と、供給用プログラム送信手段３１と、詳細情報送信手段３２と、発注・予約受付手段３３とを備えている。なお、管理サーバ２０は、一台のコンピュータあるいは一つのＣＰＵにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【００５９】
また、管理サーバ２０には、服描画用データ記憶手段４１と、服在庫データ記憶手段４２と、服リストデータ記憶手段４３と、供給用プログラム記憶手段４４と、個人情報記憶手段４５と、詳細情報記憶手段４６とが接続されている。
【００６０】
服描画用データ送信手段２１は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、服描画用データ記憶手段４１に記憶された服描画用データを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。
【００６１】
画像解析手段２２は、体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて撮影手段５１，７８，８１により撮影された利用者の画像を解析して体型代表点を自動的に認識する処理を行うものである。
【００６２】
体型代表点データ送信手段２３は、画像解析手段２２による解析結果として得られた体型代表点データを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。
【００６３】
服在庫データ送信手段２４は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の服の在庫確認要求に応じ、服在庫データ記憶手段４２に記憶された服在庫データを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。服在庫データ送信手段２４は、利用者端末装置である携帯電話機５０から在庫確認要求を受けた場合には、必要に応じ、または利用者の要求に応じ、位置情報受信手段２６により受信した携帯電話機５０の現在位置の情報に基づき、携帯電話機５０の現在位置に近い店舗情報を含む服在庫データを送信する。
【００６４】
服リストデータ送信手段２５は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、服リストデータ記憶手段４３に記憶された服リストデータを、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。服リストデータ送信手段２５は、利用者端末装置である携帯電話機５０から服リストの要求を受けた場合には、必要に応じ、または利用者の要求に応じ、位置情報受信手段２６により受信した携帯電話機５０の現在位置の情報に基づき、携帯電話機５０の現在位置に近い店舗で販売されている服を含む服リストが携帯電話機５０の表示手段５２に画面表示されるように、服リストデータを選択または編集して携帯電話機５０に送信する。
【００６５】
さらに、服リストデータ送信手段２５は、必要に応じ、または利用者の要求に応じ、個人情報記憶手段４５に既に記憶されている利用者の個人情報または今回のアクセスで新規に入力された利用者の個人情報に基づき、各利用者に合った服や各利用者が好んで着ると予想される服を含む服リストが利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１に画面表示されるように、服リストデータを選択または編集して利用者端末装置５０，７０に送信する。この際、利用者の識別は、アクセス時に利用者端末装置５０，７０から送信されてくる利用者ＩＤにより行われる。また、例えば、１０代の女性が好んで着る服等の統計データを参照することにより、利用者端末装置５０，７０に送信する服リストデータを選択または編集してもよい。このような統計データは、本システム１０にアクセスした利用者の試着回数、在庫確認要求をした回数、発注・予約をした回数等の情報を蓄積していくことにより得ることができる。従って、図示は省略されているが、管理サーバ２０には、これらの蓄積情報および蓄積情報から得られる何らかの傾向を記憶する統計データ記憶手段を接続しておくことが好ましい。
【００６６】
位置情報受信手段２６は、利用者端末装置である携帯電話機５０から送信されてくる携帯電話機５０の現在位置の情報を受信する処理を行うものである。
【００６７】
診断依頼情報受信手段２７は、利用者端末装置５０，７０の診断依頼手段６２，７７から送信されてきた合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）、診断を依頼したい専門家、いつまでに診断して欲しいかという診断希望期限等の診断依頼情報を受信する処理を行うものである。
【００６８】
診断依頼連絡手段２８は、利用者からの診断依頼があった旨を専門家に連絡する処理を行うものである。この連絡は、例えば、電子メールの自動送信等により行われるが、ファクシミリの自動送信や郵送や電話連絡等を併用してもよい。専門家は、専門家端末装置９０を操作し、この連絡の内容を確認することができる。また、診断対象となる合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）は、上記の連絡に添付されて専門家に送られてもよく、あるいは連絡を受けた専門家が専門家端末装置９０を操作し、管理サーバ２０にアクセスして閲覧してもよい。
【００６９】
診断結果受信手段２９は、専門家による診断結果を受信する処理を行うものである。この診断結果には、専門家の文章による批評、コメント、アドバイス等の他、専門家が診断依頼者に薦める服の情報（服を特定する情報、またはその服が含まれる服リストを特定する情報）も含まれる。なお、専門家は、専門家端末装置９０を操作し、管理サーバ２０からダウンロードして得た所定の入力フォームを用いて診断結果を入力し、診断結果受信手段２９は、この入力フォームを用いて入力された情報を受信する。
【００７０】
診断終了通知手段３０は、専門家による診断結果が専門家端末装置９０から管理サーバ２０に届いたことを確認し、診断が終了した旨の通知を利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。この通知は、例えば、電子メールの自動送信等により行われるが、ファクシミリの自動送信や郵送や電話連絡等を併用してもよい。利用者は、利用者端末装置５０，７０を操作し、この通知の内容を確認することができる。
【００７１】
供給用プログラム送信手段３１は、利用者端末装置である携帯電話機５０からの利用者の要求に応じ、供給用プログラム記憶手段４４に記憶された携帯電話機搭載用プログラムを、ネットワーク１を介して携帯電話機５０に送信する処理を行うものである。
【００７２】
詳細情報送信手段３２は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、詳細情報記憶手段４６に記憶された服に関する詳細情報を、ネットワーク１を介して利用者端末装置５０，７０に送信する処理を行うものである。
【００７３】
発注・予約受付手段３３は、利用者端末装置５０，７０からの利用者の要求に応じ、試着して気に入った服を購入しようとする利用者の発注または予約を受け付け、販売店にその旨を連絡する処理を行うものである。この連絡は、例えば、電子メールの自動送信等により行われるが、ファクシミリの自動送信や郵送や電話連絡等を併用してもよい。販売店は、販売店端末装置８０を操作し、この連絡の内容を確認することができる。なお、利用者端末装置５０，７０から管理サーバ２０に送信されてくる発注・予約情報は、例えば、購入する服およびそのサイズを特定する情報、利用者の連絡先（住所、電話番号等）、配送方法（配送先、配送希望日等）、値段および支払方法等である。
【００７４】
服描画用データ記憶手段４１は、服を画面上に描くための服描画用データを記憶するものである。服描画用データは、例えば、ＪＰＥＧ形式やＧＩＦ形式等のイメージデータ、あるいは３Ｄデータ等である。
【００７５】
服在庫データ記憶手段４２は、服の在庫の有る店舗情報を含む服在庫データを記憶するものである。この服在庫データは、販売店から提示される情報に基づき、随時または定期的に更新され、服在庫データ記憶手段４２には、常に最新のデータが保存されるようになっている。なお、販売店からの情報の提示は、販売店端末装置８０等を用いて行われる。
【００７６】
服リストデータ記憶手段４３は、試着対象となる服のリストを利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１に表示するための服リストデータを記憶するものである。この服リストデータは、販売店やメーカから提示される情報に基づき、随時または定期的に更新され、服リストデータ記憶手段４３には、常に最新のデータが保存されるようになっている。なお、販売店やメーカからの情報の提示は、販売店端末装置８０やメーカ端末装置１００等を用いて行われる。
【００７７】
供給用プログラム記憶手段４４は、利用者端末装置である携帯電話機５０に搭載させるための供給用の携帯電話機搭載用プログラムを記憶するものである。この携帯電話機搭載用プログラムは、携帯電話機５０からの要求に応じ、携帯電話機５０にダウンロードするために用意された携帯電話用コンテンツである。この携帯電話機搭載用プログラムは、本実施形態の場合には、ＪＡＶＡプログラミング言語で記述され、容量的には、例えば、１０キロバイト以下のものである。より具体的には、例えば、携帯電話会社の提供するネットワーク接続サービスの一つである「ｉアプリ」（商標）の対象となるＪＡＶＡアプリケーション等である。
【００７８】
個人情報記憶手段４５は、利用者の年令、性別、職業、趣味、好きな色等の個人情報を、各利用者毎に個別に記憶するものである。
【００７９】
詳細情報記憶手段４６は、服リストデータ記憶手段４３に記憶されている服リストデータを構成する各服についての詳細情報、例えば、サイズ、材質、メーカ、製造国、定価等を記憶するものである。
【００８０】
利用者端末装置５０は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境（本実施形態の場合には、携帯電話に対応するＪＡＶＡの実行環境）を備えた携帯電話機であり、内部に携帯電話専用のＪＡＶＡ仮想マシン（例えばＫＶＭ等）を搭載している。
【００８１】
利用者端末装置である携帯電話機５０は、撮影手段５１と、表示手段５２と、体型代表点設定手段５３と、服描画用データ取得手段５４と、服描画用データ加工手段５５と、画像合成手段５６と、体型代表点データ受信手段５７と、位置測定手段５８と、位置情報送信手段５９と、プログラム取得手段６０と、取得プログラム記憶手段６１と、診断依頼手段６２とを備えている。
【００８２】
撮影手段５１は、携帯電話機５０に内蔵されたカメラであり、利用者の画像を撮影するものである。
【００８３】
表示手段５２は、例えば液晶画面等により構成され、撮影手段５１，７８，８１により撮影された利用者の画像、合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）、服リスト等を画面表示するものである。
【００８４】
体型代表点設定手段５３は、表示手段５２に画面表示された利用者の画像上で利用者による入力指定操作を受け付けることにより、利用者の体型を代表する体型代表点を設定する処理を行うものである。
【００８５】
服描画用データ取得手段５４は、管理サーバ２０からネットワーク１を介して服描画用データを取得する処理を行うものである。服描画用データ取得手段５４は、服リストを用いて利用者により試着対象として選択された服についての服描画用データを取得するか、あるいは、利用者による服リストでの服の選択が行われる前にデフォルト表示される服についての服描画用データを取得する。
【００８６】
服描画用データ加工手段５５は、体型代表点データに基づき、服描画用データ取得手段５４により取得した服描画用データを加工し、服を利用者の体型に合う状態に変形する処理を行うものである。
【００８７】
画像合成手段５６は、服描画用データ加工手段５５により加工された服描画用データを用い、服を利用者の画像上に重ね合わせて表示手段５２に画面表示する処理を行うものである。
【００８８】
体型代表点データ受信手段５７は、管理サーバ２０の体型代表点データ送信手段２３から送信されてくる体型代表点データを受信する処理を行うものである。
【００８９】
位置測定手段５８は、携帯電話機５０の現在位置を測定する処理を行うものであり、例えば、ＧＰＳやＤ−ＧＰＳ等を採用することができる。
【００９０】
位置情報送信手段５９は、位置測定手段５８により測定した携帯電話機５０の現在位置の情報を、ネットワーク１を介して管理サーバ２０に送信する処理を行うものである。
【００９１】
プログラム取得手段６０は、管理サーバ２０からネットワーク１を介して携帯電話機搭載用プログラムをダウンロードして取得する処理を行うものである。
【００９２】
取得プログラム記憶手段６１は、プログラム取得手段６０により取得した携帯電話機搭載用プログラムを記憶するものである。
【００９３】
診断依頼手段６２は、画像合成手段５６により処理して得られた合成画像（服を試着した状態の利用者の画像）を、管理サーバ２０に送信して専門家に診断を依頼する処理を行うものである。
【００９４】
また、携帯電話機５０には、図２に示すように、利用者がキー入力操作を行う操作手段６３が設けられている。この操作手段６３は、表示手段５２の画面上で選択指示した項目や入力した情報を確定させる決定ボタン６４と、その周囲の上下左右の位置に設けられた４つの移動操作ボタン６５Ａ，６５Ｂ，６５Ｃ，６５Ｄと、左上の隅部に設けられた左上隅ボタン６６と、右上の隅部に設けられた右上隅ボタン６７と、数字や文字等を入力するダイヤルキー６８とを備えている。移動操作ボタン６５Ａ〜６５Ｄは、表示手段５２の画面上の選択指示位置（例えば、色付け表示、枠囲い表示、反転表示、点滅表示等によるフォーカス位置）やカーソル位置等を上下左右に移動させたり、あるいは表示手段５２の画面を切り替える場合等に操作するものである。
【００９５】
利用者端末装置７０は、コンピュータにより構成され、表示手段７１と、体型代表点設定手段７２と、服描画用データ取得手段７３と、服描画用データ加工手段７４と、画像合成手段７５と、体型代表点データ受信手段７６と、診断依頼手段７７とを備えている。これらの各手段７１〜７７は、携帯電話機５０における対応する名称の各手段と同じ機能を有するものである。
【００９６】
なお、表示手段７１としては、例えば、液晶ディスプレイ、ＣＲＴディスプレイ、有機ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）ディスプレイ、ＥＣＬ（エレクトロケミルミネッセンス）ディスプレイ、プロジェクタおよびスクリーン、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
【００９７】
また、利用者端末装置７０には、利用者の画像を撮影する撮影手段７８が接続されている。さらに、販売店端末装置８０にも、同様な機能を有する撮影手段８１が接続されている。
【００９８】
そして、管理サーバ２０の各手段２１〜３３、および利用者端末装置７０の各手段７２〜７７は、管理サーバ２０および利用者端末装置７０を構成する各コンピュータ本体（パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のものも含む。）の内部に設けられた中央演算処理装置（ＣＰＵ）、およびこのＣＰＵの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
【００９９】
また、携帯電話機５０の各手段５３〜６０，６２は、携帯電話機５０の内部に設けられた中央演算処理装置（ＣＰＵ）、並びにこのＣＰＵの動作手順を規定する携帯電話機搭載用プログラム（ＪＡＶＡプログラム）およびこのプログラムの実行環境を形成するために携帯電話機５０に予め搭載されたＪＡＶＡ仮想マシン（ＫＶＭ）、その他のプログラムにより実現される。本実施形態のＪＡＶＡ仮想マシン（ＫＶＭ）は、ＣＬＤＣの規格に従ったＪＡＶＡ実行環境を形成するものであり、例えば、携帯電話会社が提供するサービスの仕様である「ｉアプリ」（商標）、あるいはＭＩＤＰ仕様に対応するものである。
【０１００】
そして、管理サーバ２０に接続された各記憶手段４１〜４６は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、フラッシュ・メモリ、ＲＡＭ、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＡＭ、ＦＤ、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【０１０１】
また、携帯電話機５０の取得プログラム記憶手段６１、および図示されない内蔵ブラウザやＪＡＶＡ仮想マシン（ＫＶＭ）等の記憶手段は、例えば、読出し専用メモリ（ＲＯＭ）、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）等の各種メモリにより構成されている。
【０１０２】
さらに、専門家端末装置９０およびメーカ端末装置１００は、コンピュータにより構成されている。
【０１０３】
このような本実施形態においては、以下のようにして服試着システム１０を用いて画面上で画像合成による服の試着が行われる。ここでは、利用者が携帯電話機５０の表示手段５２の画面上で服の試着を行う場合について説明する。なお、利用者端末装置７０の表示手段７１の画面上で服の試着を行う場合も同様である。
【０１０４】
図６において、先ず、利用者は、自己の携帯電話機５０の電源を入れ、自己の携帯電話機５０に、服の試着処理を行うための携帯電話機搭載用プログラム（ＪＡＶＡプログラム）が未だダウンロードされていない場合には、プログラム取得手段６０により管理サーバ２０に対し、ダウンロード要求を行う。管理サーバ２０は、このダウンロード要求を受信すると、供給用プログラム送信手段３１により、供給用プログラム記憶手段４４に記憶された携帯電話機搭載用プログラムを携帯電話機５０に送信する。携帯電話機５０は、プログラム取得手段６０によりダウンロードして取得した携帯電話機搭載用プログラムを、取得プログラム記憶手段６１に保存する。一方、携帯電話機搭載用プログラムが既にダウンロードされて取得プログラム記憶手段６１に保存されている場合には、そのプログラムを立ち上げて服の試着処理を開始する（ステップＳ１）。
【０１０５】
続いて、携帯電話機５０の撮影手段５１により、利用者の画像を撮影して保存する（ステップＳ２）。また、図６中の一点鎖線で囲まれた枠Ｑ内の処理のように、利用者端末装置７０の撮影手段７８または販売店端末装置８０の撮影手段８１により、利用者の画像を撮影してもよい（ステップＳ２０１）。この場合には、撮影した画像を利用者端末装置７０または販売店端末装置８０から携帯電話機５０に転送し（ステップＳ２０２）、携帯電話機５０でこれを受信して保存する（ステップＳ２０３）。
【０１０６】
次に、携帯電話機５０で、体型代表点を設定し、保存する（ステップＳ３）。図２に示すように、携帯電話機搭載用プログラムを立ち上げると、表示手段５２にはメニュー画面１１０が表示される。このメニュー画面１１０には、メーカ別の服リストを表示するための「メーカリスト」選択部１１１と、ジャンル別の服リストを表示するための「ジャンルリスト」選択部１１２と、キーワード検索により服リストを表示するための「検索」選択部１１３と、利用者の個人情報を入力するための「個人情報入力」選択部１１４と、体型代表点を設定するための「体型代表点設定」選択部１１５とが設けられている。
【０１０７】
従って、メニュー画面１１０において、「体型代表点設定」選択部１１５を選択する。すると、図２および図３に示すように、体型代表点設定手段５３により、表示手段５２には体型代表点設定画面１２０が表示される。図３において、利用者は、移動操作ボタン６５Ａ〜６５Ｄを操作し、体型代表点設定画面１２０内に表示された体型代表点設定用カーソル１２１を移動させる。この体型代表点設定用カーソル１２１は、例えば黄色等の目立つ色彩で表示され、上下左右に自在に移動させることができるようになっている。
【０１０８】
そして、利用者は、先ず、体型代表点設定用カーソル１２１を、利用者の画像１２２上の左肩の位置Ｐ１に合わせ、そこで決定ボタン６４を押すことにより、体型代表点の一つである左肩の位置Ｐ１を設定する。以下同様にして、利用者は、体型代表点設定用カーソル１２１を、利用者の画像１２２上の右肩の位置Ｐ２、首の位置Ｐ３、へその位置Ｐ４、左手首の位置Ｐ５、右手首の位置Ｐ６、左脇腹の位置Ｐ７、右脇腹の位置Ｐ８に順次合わせ、これらの各位置Ｐ２〜Ｐ８で決定ボタン６４を押すことにより、体型代表点である右肩の位置Ｐ２、首の位置Ｐ３、へその位置Ｐ４、左手首の位置Ｐ５、右手首の位置Ｐ６、左脇腹の位置Ｐ７、右脇腹の位置Ｐ８をそれぞれ設定する。なお、この他の位置にも体型代表点を追加して設けてもよく、また、体型代表点は、これらの位置Ｐ１〜Ｐ８に限定されるものではない。但し、少なくとも左肩の位置Ｐ１、右肩の位置Ｐ２、首の位置Ｐ３、へその位置Ｐ４については、画像合成の精度向上や体型代表点設定時の入力の手間の軽減等の観点から、体型代表点として設定することが好ましい。
【０１０９】
以上のようにして体型代表点設定手段５３により体型代表点である位置Ｐ１〜Ｐ８を設定すると、左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２との間の長さで縮尺が決定され、首の位置Ｐ３とへその位置Ｐ４とで中心座標が決定され、左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２とを結んだ線の傾きで肩の傾きが決定され、左肩の位置Ｐ１と左手首の位置Ｐ５とで左腕の長さおよび開き具合が決定され、右肩の位置Ｐ２と右手首の位置Ｐ６とで右腕の長さおよび開き具合が決定され、左脇腹の位置Ｐ７と右脇腹の位置Ｐ８とで腹幅が決定される。
【０１１０】
また、図６中の一点鎖線で囲まれた枠Ｒ内の処理のように、管理サーバ２０で画像解析を行うことにより、体型代表点を自動認識するようにしてもよい。この場合には、ステップＳ２またはステップＳ２０１で利用者の画像を撮影する際には、利用者の身体において体型代表点である位置Ｐ１〜Ｐ８に対応する位置に、赤リボンや赤ランプ等の識別マークを付けて撮影する。そして、携帯電話機５０から利用者の画像を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ３０１）。なお、利用者の画像を利用者端末装置７０の撮影手段７８または販売店端末装置８０の撮影手段８１により撮影した場合（ステップＳ２０１）には、利用者端末装置７０または販売店端末装置８０から利用者の画像を管理サーバ２０に送信してもよい。
【０１１１】
管理サーバ２０では、利用者の画像を受信すると（ステップＳ３０２）、画像解析手段２２により画像解析を行い、画像の中から識別マークを抽出して体型代表点を自動認識する（ステップＳ３０３）。その後、画像解析手段２２による解析結果として得られた体型代表点データを、体型代表点データ送信手段２３により、携帯電話機５０に送信する（ステップＳ３０４）。携帯電話機５０では、管理サーバ２０から送信されてきた体型代表点データを、体型代表点データ受信手段５７により受信し、保存する（ステップＳ３０５）。
【０１１２】
それから、利用者は、服リストの要求信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ４）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの服リストの要求信号を受信すると（ステップＳ５）、服リストデータ送信手段２５により、服リストデータ記憶手段４３に記憶された服リストデータから、利用者の要求に応じた服リストデータを選択または編集して携帯電話機５０に送信する（ステップＳ６）。携帯電話機５０は、管理サーバ２０から服リストデータを受信し、表示手段５２の画面上に服リストを表示する（ステップＳ７）。この際、携帯電話機５０を操作する利用者の立場で、ステップＳ４〜Ｓ７の処理に伴う表示手段５２の画面遷移を追うと、次のようになる。
【０１１３】
先ず、利用者は、服リストを要求するにあたって、未だ個人情報を入力していない場合には、図２のメニュー画面１１０において「個人情報入力」選択部１１４を選択して表示手段５２に個人情報入力画面１３０を表示し、この画面１３０において、年令、性別、職業、趣味、好きな色等の個人情報を入力する。これらの個人情報を入力するか否かは任意であり、利用者は入力したくない場合には、入力する必要はないが、入力しておくことで自分の好みの服や自分に合う服等が含まれる服リストを管理サーバ２０から送信してもらうことができる。入力された個人情報は、携帯電話機５０から管理サーバ２０に送信され、個人情報記憶手段４５に記憶保存される。
【０１１４】
図２のメニュー画面１１０において、利用者が「メーカリスト」選択部１１１を選択した場合には、表示手段５２にはメーカ選択画面１４０が表示される。この画面１４０には、例えば、「メーカＡ」、「メーカＢ」、「メーカＣ」、「メーカＤ」等の各メーカの服リストを選択する選択部が設けられているので、利用者は、自分が試着する服のメーカを選択する。ここでは、例えば、「メーカＡ」選択部１４１を選択するものとする。すると、表示手段５２にはメーカＡの服リストの画面１５０が表示される。この画面１５０には、例えば、「服１」選択部１５１、「服２」選択部１５２、「青服」選択部１５３、「赤服」選択部１５４等の各服の選択部が設けられている。なお、一つの画面１４０に表示されるメーカ数、および一つの画面１５０に表示される服の個数は、例えば５０個等であり、画面を上下にスクロールすることにより全部を表示できるようになっている。
【０１１５】
また、図２のメニュー画面１１０において、利用者が「ジャンルリスト」選択部１１２を選択した場合には、表示手段５２にはジャンル選択画面１６０が表示される。この画面１６０には、各ジャンルを選択する選択部が設けられている。ジャンルとは、例えば、春物、夏物、秋物、冬物、スキーウェア、テニスウェア、ゴルフウェア、背広、学生服、礼服、水着、作業着、白衣、浴衣、Ｔシャツ、Ｙシャツ、和服、チャイナドレス、セーター、カーディガン、ポロシャツ、コート、ジャケット、ジャンバー、スカート、ジーパン、ブラウス、ブラジャー、パンツ、靴下、ストッキング、タイツ等である。ここでは、例えば、「スキーウェア」選択部１６１を選択するものとする。すると、表示手段５２にはスキーウェアの服リストの画面１７０が表示される。この画面１７０には、例えば、「メーカＡの服Ｘ」選択部１７１、「メーカＢの服Ｙ」選択部１７２、「メーカＡの服Ｚ」選択部１７３、「メーカＣの服Ｋ」選択部１７４等のように各メーカが混在した状態で各スキーウェアの選択部が設けられている。なお、一つの画面１６０に表示されるジャンル数、および一つの画面１７０に表示される服の個数は、例えば５０個等であり、画面を上下にスクロールすることにより全部を表示できるようになっている。
【０１１６】
さらに、図２のメニュー画面１１０において、利用者が「検索」選択部１１３を選択した場合には、表示手段５２には検索画面１８０が表示される。この画面１８０には、キーワードを入力するキーワード入力部１８１が設けられている。ここでは、例えば、キーワード入力部１８１に「スキーウェア」と入力するものとする。すると、表示手段５２には、前述したスキーウェアの服リストの画面１７０が表示される。
【０１１７】
その後、利用者は、表示手段５２に表示された服リストの画面（例えば、図２の画面１５０，１７０等）において、自分の試着する服を選択し、服描画用データ取得手段５４により、選択した服の試着要求の信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ８）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの試着要求の信号を受信すると（ステップＳ９）、服描画用データ送信手段２１により、服描画用データ記憶手段４１に記憶された服描画用データから、利用者の要求に応じた服描画用データを選択して携帯電話機５０に送信する（ステップＳ１０）。携帯電話機５０は、管理サーバ２０から服描画用データを受信すると（ステップＳ１１）、服描画用データ加工手段５５により、既に設定されて保存されている体型代表点データに基づき、受信した服描画用データを加工して服の画像を利用者の画像に合うように変形する（ステップＳ１２）。さらに、画像合成手段５６により、加工変形された服の画像と利用者の画像とを合成し、服を試着した状態の利用者の画像を表示手段５２の画面上に表示する（ステップＳ１３）。この際、携帯電話機５０を操作する利用者の立場で、ステップＳ８〜Ｓ１３の処理に伴う表示手段５２の画面遷移を追うと、次のようになる。
【０１１８】
例えば、図４のメーカＡの服リストの画面１５０において、利用者は、上下の移動操作ボタン６５Ａ，６５Ｂを操作してフォーカス位置を上下に移動させ、自分の試着したい服の位置にフォーカス位置を合わせ、そこで決定ボタン６４を押す。ここでは、例えば、「服１」を選択するために、「服１」選択部１５１にフォーカス位置を合わせるものとする。すると、「服１」を試着した状態の利用者の画像である合成画像の画面１９０が表示手段５２の画面上に表示される。この画面１９０の下部には、プログラムを終了させるための「終了」ボタン１９１と、服リストの画面１５０に戻るための「ＬＩＳＴ」ボタン１９２とが設けられている。
【０１１９】
利用者は、別の服を試着したい場合には、右上隅ボタン６７を操作し、「ＬＩＳＴ」ボタン１９２を押して服リストの画面１５０に戻り、同様な操作を行うと、「服２」を試着した状態の利用者の画像である合成画像の画面２００、「白服」を試着した状態の利用者の画像である合成画像の画面２１０等が表示手段５２の画面上に表示される。
【０１２０】
また、利用者は、左右の移動操作ボタン６５Ｃ，６５Ｄを操作することにより、現在試着している服に対し、服リストの画面１５０に表示されている服の中での前後の服を試着することができる。
【０１２１】
さらに、利用者は、左上隅ボタン６６を操作し、メーカＡの服リストの画面１５０の下部に設けられた「戻る」ボタン１５５を押すことにより、前の画面（ここでは、図２のメーカ選択画面１４０）に戻ることができ、右上隅ボタン６７を操作し、画面１５０の下部に設けられた「更新」ボタン１５６を押すことにより、現在表示されている服リストを、別の服リストに切り替えることができる。
【０１２２】
図５には、服描画用データ加工手段５５による服描画用データの加工変形（ステップＳ１２）、および画像合成手段５６による画像合成（ステップＳ１３）の際の処理の流れが示されている。
【０１２３】
図５において、加工変形前のオリジナルの服描画用データは、例えば、右袖部分、左袖部分、胴部分、襟口部分等のような各パーツ毎の画像の組合せとして用意してもよく、あるいは一枚の画像として用意し、加工変形する際に、分割して伸縮や回転等の処理を行うようにしてもよい。
【０１２４】
先ず、試着する服のオリジナルの画像Ｇ１は、撮影した利用者の画像Ｇ６における左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２との間の長さ（図３参照）に基づき決定される縮尺で、拡大・縮小されて画像Ｇ２に加工される。例えば、試着する服のオリジナルの画像Ｇ１の肩幅が１０ピクセルで、撮影した利用者の画像Ｇ６の肩幅が２０ピクセルであった場合には、画像Ｇ１を２倍に拡大する処理を行う。この際、画像Ｇ１の肩幅データは、画像Ｇ１を描くための服描画用データとともに管理サーバ２０から送信される。なお、服描画用データを服描画用データ記憶手段４１に記憶させて用意しておく際に、全ての服描画用データの肩幅を一定値（例えば、１０ピクセル等）になるように調整しておけば、管理サーバ２０から服描画用データを送信する際に、肩幅データを合わせて送信する必要はない。また、試着する服の画像サイズ、および撮影する利用者の画像サイズは、ピクセル等の画素単位で管理するのではなく、利用者に実際の身長（ｃｍ）を入力させることにより、本当の幅（ｃｍ）で管理するようにしてもよい。
【０１２５】
次に、画像Ｇ２は、利用者の画像Ｇ６における首の位置Ｐ３とへその位置Ｐ４とに基づき（図３参照）、中心位置を移動されて画像Ｇ３となる。
【０１２６】
続いて、画像Ｇ３は、利用者の画像Ｇ６における左肩の位置Ｐ１および左手首の位置Ｐ５（図３参照）に基づき決定される左腕の長さおよび開き具合で、左腕を加工されるとともに、利用者の画像Ｇ６における右肩の位置Ｐ２および右手首の位置Ｐ６（図３参照）に基づき決定される右腕の長さおよび開き具合で、右腕を加工されて画像Ｇ４となる。
【０１２７】
さらに、画像Ｇ４は、利用者の画像Ｇ６における左脇腹の位置Ｐ７および右脇腹の位置Ｐ８（図３参照）に基づき決定される腹幅で、腹を加工されて画像Ｇ５となる。
【０１２８】
そして、体型代表点が図３に示す位置Ｐ１〜Ｐ８以外にも設定されている場合等には、その体型代表点データに基づき、その他の様々な補足加工を行った後、加工後の画像（補足加工がない場合には、画像Ｇ５となる。）と、撮影された利用者の画像Ｇ６とが合成され、合成画像Ｇ７が表示手段５２の画面上に表示される。
【０１２９】
その後、利用者は、必要に応じ、操作手段６３（図２参照）を自ら操作することにより、合成画像Ｇ７について微調整を行い、試着した服の画像を利用者の画像に、より一層フィットさせる処理を行う。より具体的には、例えば、ダイヤルキー６８の中の「１」および「２」のキーを押して服全体を横方向に伸縮させたり、「３」および「４」のキーを押して服全体を縦方向に伸縮させたり、「５」および「６」のキーを押して服全体を回転させたり、「７」のキーを押して詳細メニューを表示し、より詳細な微調整を行う。詳細メニューでは、同様に「１」および「２」のキーを押して袖角度のみを変化させたり、「３」および「４」のキーを押して服の上半分のみを部分的に縦方向に伸縮させる等の処理を行う。なお、各キーに割り当てる機能は、これらに限定されるものではなく任意である。
【０１３０】
図６において、利用者が、試着した服について在庫の確認をする場合には、携帯電話機５０から在庫確認要求の信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ１４）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの在庫確認要求を受信すると（ステップＳ１５）、服在庫データ送信手段２４により、服在庫データ記憶手段４２に記憶された服在庫データから、利用者の要求に応じた服在庫データを選択または編集して携帯電話機５０に送信する（ステップＳ１６）。携帯電話機５０は、管理サーバ２０から服在庫データを受信し、表示手段５２の画面上に服の在庫情報を表示する（ステップＳ１７）。この際、携帯電話機５０を操作する利用者の立場で、ステップＳ１４〜Ｓ１７の処理に伴う表示手段５２の画面遷移を追うと、次のようになる。
【０１３１】
図４において、利用者は、表示手段５２の画面上で試着した服が自分に合うと判断した場合、あるいは気に入った場合等には、その服を試着した状態の利用者（自分）の画像である合成画像の画面（例えば、画面１９０，２００，２１０等）を表示しながら、携帯電話機５０の決定ボタン６４を押す。すると、表示手段５２には、その服について各種情報の取得や手続等を行うための手続画面２２０が表示される。この手続画面２２０には、その服についての詳細情報を表示するための「詳細情報」選択部２２１と、その服を販売している店舗の情報を表示するための「店舗情報」選択部２２２と、その服を試着した状態の利用者（自分）の画像について専門家の診断を受けるための「診断依頼」選択部２２３と、その服を購入するための「発注・予約」選択部２２４とが設けられている。
【０１３２】
図４の手続画面２２０において、利用者が、「店舗情報」選択部２２２を選択すると、表示手段５２の画面上には、利用者が試着した服を販売している店舗の情報（例えば、店舗の所在地、電話番号、規模等）が表示される。この際、表示される店舗情報は、携帯電話機５０の現在位置に近い店舗の情報のみであってもよく、あるいは利用者が試着した服を販売している店舗をいつくか表示したうえで、それらの店舗の中で携帯電話機５０の現在位置に近い店舗を示すようにしてもよい。
【０１３３】
また、図４の手続画面２２０において、利用者が、「詳細情報」選択部２２１を選択すると、詳細情報の要求信号が携帯電話機５０から管理サーバ２０に送信される。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの詳細情報の要求信号を受信すると、詳細情報送信手段３２により、詳細情報記憶手段４６に記憶された詳細情報を携帯電話機５０に送信する。すると、携帯電話機５０の表示手段５２の画面上には、利用者が試着した服についての詳細情報として、例えば、サイズ、材質、メーカ、製造国、定価等が表示される。
【０１３４】
図７において、利用者が、試着した服について専門家の診断を受けたい場合には、図４の手続画面２２０において「診断依頼」選択部２２３を選択し、携帯電話機５０から診断依頼情報（服を試着した状態の利用者の画像等）を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ１８）。管理サーバ２０では、診断依頼情報受信手段２７により、携帯電話機５０からの診断依頼情報を受信すると（ステップＳ１９）、診断依頼連絡手段２８により、診断依頼があった旨の連絡情報を専門家端末装置９０に送信する（ステップＳ２０）。専門家は、専門家端末装置９０を操作し、この連絡内容を受信して確認した後（ステップＳ２１）、管理サーバ２０から所定の入力フォームである図８の診断画面２３０をダウンロードして画面表示する。この診断画面２３０には、服を試着した状態の利用者（依頼者）の画像を表示する依頼者画像表示部２３１と、依頼者の個人情報を表示する個人情報表示部２３２と、依頼者へのメッセージを入力するメッセージ入力部２３３と、依頼者に薦める服を選択する推薦服選択部２３４とが設けられている。
【０１３５】
専門家は、図８の診断画面２３０において、依頼者の画像および個人情報を参照しながら診断を行い、その診断結果をメッセージ入力部２３３に入力するとともに、推薦服選択部２３４で依頼者に薦める服を選択した後、これらの診断結果および推薦する服の情報を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ２２）。管理サーバ２０では、診断結果受信手段２９により、専門家端末装置９０からの診断結果および推薦する服の情報を受信すると（ステップＳ２３）、診断終了通知手段３０により、携帯電話機５０に診断終了通知を送信する（ステップＳ２４）。
【０１３６】
利用者（依頼者）は、携帯電話機５０を操作し、管理サーバ２０からの診断終了通知を受信した後（ステップＳ２５）、診断結果の閲覧要求信号を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ２６）。管理サーバ２０では、携帯電話機５０からの診断結果の閲覧要求信号を受信すると（ステップＳ２７）、診断結果および専門家の推薦する服の画像を携帯電話機５０に送信する（ステップＳ２８）。携帯電話機５０では、管理サーバ２０から送信されてくる診断結果および専門家の推薦する服の画像を受信し、これらを所定の表示フォームである診断結果表示画面で表示手段５２に画面表示する（ステップＳ２９）。
【０１３７】
なお、診断結果および専門家の推薦する服の画像を利用者（依頼者）に提示する方法は、利用者（依頼者）が、ステップＳ２５で診断終了通知を受信した後に、ステップＳ２６で診断結果の閲覧要求信号を管理サーバ２０に送信するという方法ではなく、ステップＳ２４で管理サーバ２０から送信する診断終了通知に、診断結果および専門家の推薦する服の画像を添付する方法としてもよい。
【０１３８】
最後に、利用者が、試着した服を購入することを決め、発注または予約をする場合には、図４の手続画面２２０において「発注・予約」選択部２２４を選択し、携帯電話機５０から発注・予約情報を管理サーバ２０に送信する（ステップＳ３０）。管理サーバ２０では、発注・予約受付手段３３により、携帯電話機５０からの発注・予約情報を受信すると（ステップＳ３１）、発注または予約があった旨の連絡情報を販売店端末装置８０に送信する（ステップＳ３２）。販売店は、販売店端末装置８０を操作し、発注または予約があった旨の連絡情報を受信し（ステップＳ３３）、配送手配等の諸手続を行う。
【０１３９】
そして、利用者は、服の試着、在庫確認、診断依頼、発注・予約等を完了した後、プログラムを終了させ、あるいは携帯電話機５０の電源を切り、服試着システム１０による処理を終了する（ステップＳ３４）。
【０１４０】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、利用者端末装置５０，７０には体型代表点設定手段５３，７２が設けられ、また、管理サーバ２０には、画像解析手段２２が設けられているので、服試着システム１０は、撮影した利用者の画像に基づき、その利用者の体型を代表する体型代表点を設定または自動認識することができる。
【０１４１】
さらに、利用者端末装置５０，７０には、服描画用データ加工手段５５，７４および画像合成手段５６，７５が設けられているので、服試着システム１０は、体型代表点データに基づき服描画用データを加工してから、試着する服の画像を利用者の画像に重ね合わせて表示することができる。
【０１４２】
従って、服試着システム１０は、利用者がどのような体型、体格、容姿を持っていても、管理サーバ２０に用意されている服を、その利用者に試着させることができる。このため、利用者は、利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１の画面上で、その服が自分に合うか否かを容易に確認することができる。
【０１４３】
そして、服試着システム１０には、利用者端末装置５０，７０に体型代表点設定手段５３，７２が設けられているのみならず、管理サーバ２０に画像解析手段２２が設けられているので、利用者は、自ら体型代表点を入力指定する必要がなくなるため、利用者の手間を軽減することができる。
【０１４４】
また、服試着システム１０は、服在庫データ記憶手段４２および服在庫データ送信手段２４を備えているので、服を購入しようとする利用者は、試着した服が、どこの店で売られているのかという情報を知ることができるため、自分に合う服、あるいは自分が気に入った服を、容易に入手することができる。
【０１４５】
さらに、服試着システム１０は、服リストデータ記憶手段４３および服リストデータ送信手段２５を備えているので、利用者は、利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１の画面上に表示された服リストの中から、試着する服を選択することができ、服選びを容易に行うことができる。
【０１４６】
そして、携帯電話機５０には、位置測定手段５８および位置情報送信手段５９が設けられ、管理サーバ２０には、位置情報受信手段２６が設けられているので、服試着システム１０は、携帯電話機５０の現在位置情報を利用したサービスを利用者に提供することができる。つまり、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機５０の現在位置）に近い店舗で、自分に合う服や自分の気に入った服を売っているという在庫情報を得ることができるため、利用者の買い物の手間を軽減することができる。また、利用者は、現在自分がいる位置（携帯電話機５０の現在位置）に近い店舗で販売されている服の中から、自分に合う服や自分の気に入った服を選択することができるので、この点でも利用者の買い物の手間を軽減することができる。
【０１４７】
さらに、利用者端末装置５０，７０には、診断依頼手段６２，７７が設けられ、管理サーバ２０には、診断依頼情報受信手段２７と診断依頼連絡手段２８と診断結果受信手段２９と診断終了通知手段３０とが設けられているので、利用者は、試着した服が自分に合っているか否かを専門家に診断してもらうことができる。このため、利用者は、良い買い物をすることができる。そして、ファッションセンスのない者でも安心して服を購入することができ、また、ファッションに人一倍気を使う者は、より一層自分のファッションセンスに磨きをかけることができる。
【０１４８】
また、管理サーバ２０には、発注・予約受付手段３３が設けられているので、利用者は、試着した服が気に入った場合や自分に合うと判断した場合等には、容易に購入手続をとることができる。
【０１４９】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【０１５０】
すなわち、前記実施形態では、管理サーバ２０は、インターネット２を介して携帯電話会社の管理センター４に接続されていたが、インターネット２ではなく、専用線により管理センター４に接続してもよい。
【０１５１】
また、前記実施形態では、図２および図４に示すように、利用者端末装置５０，７０の表示手段５２，７１の画面上に、先ず、服リストを表示し、次に、この服リストの中から、試着する服を選択するようになっていたが、この表示順に限定されるものではなく、先ず、デフォルトとして定められた服（ある一つの服に限られるものではなく、一定のルールに従って最初に試着させる服と定められた服であり、時間の経過とともに変化してもよい。）を試着させ、次に、利用者の要求に応じて服リストを表示し、その服リストの中から別の服を選択させて試着させるようにしてもよく、あるいは、先ず、デフォルトとして定められた服を試着させ、次に、利用者による別の服の試着要求を受け付け、以降、服リストを使用せずに、用意された服を順次試着させるようにしてもよく、さらには、先ず、デフォルトとして定められた服を試着させ、次に、利用者による別の服の試着要求を受け付けつつ、利用者の要求に応じて服リストを適宜表示してその服リストの中から別の服を選択させるようにしてもよい。
【０１５２】
さらに、前記実施形態では、管理サーバ２０の画像解析手段２２は、赤リボン等の識別マークを含む画像を解析することにより体型代表点を自動認識する構成とされていたが、画像のエッジ抽出を行うことにより体型代表点を定める構成の画像解析手段を管理サーバ２０に設けてもよい。
【０１５３】
そして、前記実施形態では、「利用者の画像」は静止画像であり、「服描画用データ」は二次元画像であるものとして説明を行っていたが、これに限定されるものではなく、「利用者の画像」を動画像とし、「服描画用データ」を３Ｄデータとしてもよい。
【０１５４】
また、前記実施形態では、体型代表点である左肩の位置Ｐ１と右肩の位置Ｐ２との間の長さにより、試着する服の画像の全体的な縮尺が決定され、左脇腹の位置Ｐ７と右脇腹の位置Ｐ８とで腹幅が決定されるようになっていたが、服描画用データ加工手段５５，７４による画像加工方法は、これに限定されるものではない。例えば、試着する服の画像のうち、単独で伸縮や拡大・縮小や回転が可能な範囲を、左右の袖部分、左右の足部分、胴部分、襟口部分等の各パーツ単位で設定してもよい。この際、服描画用データとして用意する服の画像は、各パーツ毎の画像の組合せとして用意してもよく、あるいは一枚の画像として用意し、加工変形する際に、分割して伸縮や回転等の処理を行うようにしてもよい。
【０１５５】
さらに、前記実施形態の図５では、上半身に試着する衣類を中心に画像加工処理方法の説明が行われていたが、本発明は、例えばズボンやスカート等の下半身に試着する衣類にも適用することができる。
【０１５６】
そして、前記実施形態では、服試着システム１０は、服の試着を行うためのシステムとして説明されていたが、本発明の服試着システムは、服の試着のみならず、髪形（かつら）、アクセサリ（例えば、ネックレスやイヤリング等）、眼鏡、靴、帽子、ベルト、ネクタイ、マフラー、手袋等のように、利用者が服とともに身にまとう物を試着したり、試しに付けたりする機能、さらには、これらの在庫確認、診断、発注・予約等を行う機能を有する構成としてもよい。このような構成は、服の試着の場合と同じ手順でデータの送受信を行うことにより、容易に実現することができる。
【０１５７】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、この体型代表点データに基づき服描画用データを加工してから、試着する服を利用者の画像に重ね合わせて表示するので、利用者が、どのような体型、体格、容姿を持っていても、管理サーバに用意されている服を、その利用者に試着させることができるため、利用者は、利用者端末装置の表示手段の画面上で、その服が自分に合うか否かを容易に確認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の服試着システムの全体構成図。
【図２】前記実施形態の服試着システムの処理に伴う画面遷移図。
【図３】前記実施形態の体型代表点の設定手順の説明図。
【図４】前記実施形態の服の試着をする際の画面遷移図。
【図５】前記実施形態の服描画用データの加工処理の流れの説明図。
【図６】前記実施形態の服試着システムによる全体的な処理の流れを示すフローチャートの図。
【図７】図６に続いて、前記実施形態の服試着システムによる全体的な処理の流れを示すフローチャートの図。
【図８】前記実施形態の服を試着した状態の利用者の画像を専門家が診断する診断画面を示す図。
【符号の説明】
１ ネットワーク
１０ 服試着システム
２０ 管理サーバ
２１ 服描画用データ送信手段
２２ 画像解析手段
２３ 体型代表点データ送信手段
２４ 服在庫データ送信手段
２５ 服リストデータ送信手段
２６ 位置情報受信手段
２７ 診断依頼情報受信手段
２８ 診断依頼連絡手段
２９ 診断結果受信手段
３１ 供給用プログラム送信手段
４１ 服描画用データ記憶手段
４２ 服在庫データ記憶手段
４３ 服リストデータ記憶手段
４４ 供給用プログラム記憶手段
５０ 利用者端末装置である携帯電話機
５２，７１ 表示手段
５３，７２ 体型代表点設定手段
５４，７３ 服描画用データ取得手段
５５，７４ 服描画用データ加工手段
５６，７５ 画像合成手段
５７，７６ 体型代表点データ受信手段
５８ 位置測定手段
５９ 位置情報送信手段
６０ プログラム取得手段
６１ 取得プログラム記憶手段
６２，７７ 診断依頼手段
７０ 利用者端末装置
Claims (18)
- 画面上で画像合成により服を試着するサービスを提供する服試着サービス提供方法であって、
前記服の試着に必要なデータを管理する管理サーバと、利用者の操作する利用者端末装置とをネットワークで接続するとともに、前記管理サーバに接続された服描画用データ記憶手段に、前記服を画面上に描くための服描画用データを記憶しておき、
撮影手段により撮影された前記利用者の画像を用いて前記利用者の体型を代表する体型代表点を設定し、
前記利用者端末装置からの前記利用者の要求に応じ、前記管理サーバの服描画用データ送信手段により、前記服描画用データ記憶手段に記憶された前記服描画用データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信し、
前記利用者端末装置の服描画用データ加工手段により、前記体型代表点データに基づき前記服描画用データを加工して前記服を前記利用者の体型に合う状態に変形した後、前記利用者端末装置の画像合成手段により、加工された前記服描画用データを用いて前記服を前記利用者の画像上に重ね合わせて前記表示手段に表示する
ことを特徴とする服試着サービス提供方法。 - 請求項１に記載の服試着サービス提供方法において、
前記体型代表点を設定する際には、前記利用者端末装置の体型代表点設定手段により、前記利用者の画像を前記利用者端末装置の前記表示手段に画面表示し、この画面表示された前記利用者の画像上で、前記利用者による前記体型代表点の入力指定操作を受け付けることを特徴とする服試着サービス提供方法。 - 請求項１に記載の服試着サービス提供方法において、
前記体型代表点を設定する際には、前記管理サーバの画像解析手段により、前記撮影手段により撮影された前記利用者の画像を解析して前記体型代表点を自動的に認識して得た後、得られた体型代表点データを前記利用者端末装置に送信することを特徴とする服試着サービス提供方法。 - 画面上で画像合成により服を試着する服試着システムであって、
前記服の試着に必要なデータを管理する管理サーバと、利用者の操作する利用者端末装置とがネットワークで接続され、
前記管理サーバには、前記服を画面上に描くための服描画用データを記憶する服描画用データ記憶手段が接続され、
前記管理サーバは、前記利用者端末装置からの前記利用者の要求に応じて前記服描画用データ記憶手段に記憶された前記服描画用データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信する服描画用データ送信手段を備え、
前記利用者端末装置は、
撮影手段により撮影された前記利用者の画像を画面表示する表示手段と、
この表示手段に画面表示された前記利用者の画像上で前記利用者による入力指定操作を受け付けて前記利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、
前記管理サーバから前記ネットワークを介して前記服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、
前記体型代表点データに基づき前記服描画用データ取得手段により取得した前記服描画用データを加工して前記服を前記利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、
この服描画用データ加工手段により加工された前記服描画用データを用いて前記服を前記利用者の画像上に重ね合わせて前記表示手段に表示する画像合成手段と
を備えたことを特徴とする服試着システム。 - 請求項４に記載の服試着システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて前記撮影手段により撮影された前記利用者の画像を解析して前記体型代表点を自動的に認識する画像解析手段と、
この画像解析手段による解析結果として得られた体型代表点データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信する体型代表点データ送信手段とを備え、
前記利用者端末装置は、前記体型代表点データ送信手段から送信されてくる前記体型代表点データを受信する体型代表点データ受信手段を備えた
ことを特徴とする服試着システム。 - 請求項４または５に記載の服試着システムにおいて、
前記管理サーバには、前記服の在庫の有る店舗情報を含む服在庫データを記憶する服在庫データ記憶手段が接続され、
前記管理サーバは、前記利用者端末装置からの前記利用者の前記服の在庫確認要求に応じて前記服在庫データ記憶手段に記憶された前記服在庫データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信する服在庫データ送信手段を備えたことを特徴とする服試着システム。 - 請求項６に記載の服試着システムにおいて、
前記利用者端末装置は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、
この携帯電話機は、この携帯電話機の現在位置を測定する位置測定手段と、
この位置測定手段により測定した前記携帯電話機の現在位置の情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する位置情報送信手段とを備え、
前記管理サーバは、前記携帯電話機から前記ネットワークを介して送信されてくる前記携帯電話機の現在位置の情報を受信する位置情報受信手段を備え、
前記服在庫データ送信手段は、前記位置情報受信手段により受信した現在位置の情報に基づき、前記携帯電話機の現在位置に近い店舗情報を含む前記服在庫データを送信する構成とされている
ことを特徴とする服試着システム。 - 請求項４〜７のいずれかに記載の服試着システムにおいて、前記管理サーバには、試着対象となる前記服のリストを前記利用者端末装置の前記表示手段に表示するための服リストデータを記憶する服リストデータ記憶手段が接続され、
前記管理サーバは、前記利用者端末装置からの前記利用者の要求に応じて前記服リストデータ記憶手段に記憶された前記服リストデータを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信する服リストデータ送信手段を備え、
前記利用者端末装置の前記服描画用データ取得手段は、前記服リストを用いて前記利用者により試着対象として選択された前記服についての前記服描画用データを取得する構成とされている
ことを特徴とする服試着システム。 - 請求項８に記載の服試着システムにおいて、
前記利用者端末装置は、携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、
この携帯電話機は、この携帯電話機の現在位置を測定する位置測定手段と、
この位置測定手段により測定した前記携帯電話機の現在位置の情報を前記管理サーバに送信する位置情報送信手段とを備え、
前記管理サーバは、前記携帯電話機から送信されてくる前記携帯電話機の現在位置の情報を受信する位置情報受信手段を備え、
前記服リストデータ送信手段は、前記位置情報受信手段により受信した現在位置の情報に基づき、前記携帯電話機の現在位置に近い店舗で販売されている前記服を含む服リストを前記表示手段に表示するための前記服リストデータを送信する構成とされている
ことを特徴とする服試着システム。 - 請求項４〜９のいずれかに記載の服試着システムにおいて、
前記利用者端末装置は、前記画像合成手段により処理されて前記服を試着した状態の前記利用者の画像を前記管理サーバに送信して専門家に診断を依頼する診断依頼手段を備え、
前記管理サーバは、前記診断依頼手段から送信されてきた前記服を試着した状態の前記利用者の画像を受信する診断依頼情報受信手段と、診断依頼があった旨を前記専門家に連絡する診断依頼連絡手段と、前記専門家による診断結果を受信する診断結果受信手段とを備えた
ことを特徴とする服試着システム。 - 画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、前記服の試着に必要なデータを管理する管理サーバとネットワークで接続され、利用者により操作される利用者端末装置であって、
撮影手段により撮影された前記利用者の画像を画面表示する表示手段と、
この表示手段に画面表示された前記利用者の画像上で前記利用者による入力指定操作を受け付けて前記利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、
前記管理サーバから前記ネットワークを介して前記服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、
前記体型代表点データに基づき前記服描画用データ取得手段により取得した前記服描画用データを加工して前記服を前記利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、
この服描画用データ加工手段により加工された前記服描画用データを用いて前記服を前記利用者の画像上に重ね合わせて前記表示手段に表示する画像合成手段と
を備えたことを特徴とする利用者端末装置。 - 請求項１１に記載の利用者端末装置において、
前記体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて前記撮影手段により撮影された前記利用者の画像を前記管理サーバの画像解析手段により解析した結果として前記管理サーバから送信されてくる体型代表点データを受信する体型代表点データ受信手段を備え、
前記服描画用データ加工手段による前記服描画用データの加工に用いられる体型代表点データは、前記体型代表点データ受信手段により受信した体型代表点データである
ことを特徴とする利用者端末装置。 - 請求項１１または１２に記載の利用者端末装置において、
携帯電話機搭載用プログラムの実行環境を備えた携帯電話機であり、
前記管理サーバから前記ネットワークを介して前記携帯電話機搭載用プログラムを取得するプログラム取得手段と、
このプログラム取得手段により取得した前記携帯電話機搭載用プログラムを記憶する取得プログラム記憶手段と
を備えたことを特徴とする利用者端末装置。 - 画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、前記服の試着に必要なデータを管理する管理サーバとネットワークで接続され、利用者により操作される利用者端末装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
撮影手段により撮影された前記利用者の画像を画面表示する表示手段と、
この表示手段に画面表示された前記利用者の画像上で前記利用者による入力指定操作を受け付けて前記利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、
前記管理サーバから前記ネットワークを介して前記服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、
前記体型代表点データに基づき前記服描画用データ取得手段により取得した前記服描画用データを加工して前記服を前記利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、
この服描画用データ加工手段により加工された前記服描画用データを用いて前記服を前記利用者の画像上に重ね合わせて前記表示手段に表示する画像合成手段と
を備えたことを特徴とする利用者端末装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。 - 画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために前記服の試着に必要なデータを管理する管理サーバから、ネットワークを介して取得されて携帯電話機に搭載される携帯電話機搭載用プログラムであって、
撮影手段により撮影されて表示手段に表示された前記利用者の画像上で前記利用者による入力指定操作を受け付けて前記利用者の体型を代表する体型代表点を設定する体型代表点設定手段と、
前記管理サーバから前記ネットワークを介して前記服を画面上に描くための服描画用データを取得する服描画用データ取得手段と、
前記体型代表点データに基づき前記服描画用データ取得手段により取得した前記服描画用データを加工して前記服を前記利用者の体型に合う状態に変形する服描画用データ加工手段と、
この服描画用データ加工手段により加工された前記服描画用データを用いて前記服を前記利用者の画像上に重ね合わせて前記表示手段に表示する画像合成手段として、
携帯電話機を機能させるための携帯電話機搭載用プログラム。 - 画面上で画像合成により服を試着する服試着システムを構成するために、利用者の操作する利用者端末装置とネットワークで接続され、前記服の試着に必要なデータを管理する管理サーバであって、
前記服を画面上に描くための服描画用データを記憶する服描画用データ記憶手段が接続され、
前記利用者端末装置からの前記利用者の要求に応じて前記服描画用データ記憶手段に記憶された前記服描画用データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信する服描画用データ送信手段を備え、
前記服描画用データ送信手段により前記利用者端末装置に送信される前記服描画用データは、前記利用者の画像を用いて設定された体型代表点データに基づき加工され、前記服を前記利用者の画像上に重ね合わせて前記表示手段に表示する処理に用いられる
ことを特徴とする管理サーバ。 - 請求項１６に記載の管理サーバにおいて、
前記体型代表点に対応する位置に識別マークを付けて前記撮影手段により撮影された前記利用者の画像を解析して前記体型代表点を自動的に認識する画像解析手段と、
この画像解析手段による解析結果として得られた体型代表点データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信する体型代表点データ送信手段と
を備えたことを特徴とする管理サーバ。 - 請求項１６または１７に記載の管理サーバにおいて、
前記利用者端末装置としての携帯電話機に搭載させるための供給用の携帯電話機搭載用プログラムを記憶する供給用プログラム記憶手段が接続され、
前記携帯電話機からの前記利用者の要求に応じて前記供給用プログラム記憶手段に記憶された前記携帯電話機搭載用プログラムを前記ネットワークを介して前記携帯電話機に送信する供給用プログラム送信手段を備えた
ことを特徴とする管理サーバ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002248157A JP2004086662A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 服試着サービス提供方法および服試着システム、利用者端末装置、プログラム、携帯電話機搭載用プログラム、並びに管理サーバ |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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