JP2004085725A - 撮像レンズ、集光光学素子及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1枚構成のレンズにおいて長焦点距離でも全長を短くする。
【解決手段】撮像装置は、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12をレンズ保持部13により保持し、レンズ保持部13を回転させることで、撮像素子14に対向する撮像レンズを切り替える。また、この第1の撮像レンズ11は、第1の中心部21及び周辺部22からなる物体側面11aと第2の中心部23及び周辺部24からなる結像側面11bとを有し、第1の外周部22へ入射した物体からの光を内部に透過させ、第2の外周部24で内面反射させ、第1の中心部21でさらに内面反射させ、第2の中心部23を透過させて外部に出射する。
【選択図】 図2
【解決手段】撮像装置は、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12をレンズ保持部13により保持し、レンズ保持部13を回転させることで、撮像素子14に対向する撮像レンズを切り替える。また、この第1の撮像レンズ11は、第1の中心部21及び周辺部22からなる物体側面11aと第2の中心部23及び周辺部24からなる結像側面11bとを有し、第1の外周部22へ入射した物体からの光を内部に透過させ、第2の外周部24で内面反射させ、第1の中心部21でさらに内面反射させ、第2の中心部23を透過させて外部に出射する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像に用いる撮像レンズ、この撮像レンズを有する集光光学素子及びこの集光光学素子を備える撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型の無線電話装置やPDA(Personal Digital Assistant)等の薄型で小型の機器には、撮像装置が備えられたものがある。この薄型で小型の機器では、取り付けられる撮像装置が、小型の撮像レンズと小型のCCD(Charge−CoupledDevice)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の撮像素子とを有することで小型化されており、機器全体の小型化が図られている。
【0003】
上述した薄型で小型の機器が備える撮像装置の撮像レンズは、広い範囲を撮像するために短焦点距離とされている。一方、薄型で小型の機器が備える撮像装置の撮像素子は、例えば、対角線の長さが略1/4インチ(略6.3mm)である略方形状の受光面を有するCCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の光電変換素子であり、格子状に画素が配設され、画素ごとの受光量に応じた電気信号を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した撮像装置では、狭い範囲を拡大して撮像したい場合に、光学的に焦点距離を変えることができないため、撮像素子から出力される電気信号に基づく画像データを処理することで画像の中央部分を拡大する、いわゆるデジタルズーム等を行っていた。デジタルズームでは、画像の中央部のみを抽出して拡大処理をするため、撮像素子の受光面の有効範囲が通常よりも狭い、すなわち有効な画素数が少なくなる。このため、撮像した画像は粗くなり、細かいものは識別が難しくなってしまう。特に、文章などを画像として保存する場合には、文字データを識別できる程度の解像度、すなわち有効な画素数が要求されるが、デジタルズームを行い撮像した場合には、画像から文字の認識をすることが容易でない場合がある。
【0005】
また、上述した撮像装置では、小型で薄型の機器に収納できるように、例えば、撮像レンズの焦点距離にかかわらず撮像素子を含めた厚みを所定の厚み以下となるようにしている。このため、撮像装置は、焦点距離の長い望遠用の撮像レンズを用いると、所定の厚みよりも全長の長い光学設計となってしまい、小型化の妨げとなってしまう。
【0006】
さらに、上述した撮像装置では、全長を抑えるための光学設計をすることも可能であるが、レンズ枚数が増えてしまい、部品点数が増加し重量も増加するといった問題がある。また、撮像装置は、全長を抑えた光学設計がなされた望遠用のレンズを用いた場合、逆に広い範囲が撮像できないといった問題もある。
【0007】
さらにまた、感光体として35mmフィルムを用いる撮像装置において、ミラーを用いて100mmを超えるような長焦点距離の撮像レンズがあるが、このような撮像レンズは、ミラー面の傾きを高精度に調整する必要があるため製作が困難であり、薄型で小型の機器に備える撮像装置に用いる場合、調整機構やミラーの空中保持の必要性があるため好適であるとはいえない。
【0008】
本発明は、上述した問題を鑑みて創案されたものであり、小型で長焦点距離の撮像レンズ、この撮像レンズを備える集光光学素子及びこの集光光学素子を備える撮像装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮像レンズは、上述した問題を解決するために、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを備え、第1の透過部へ入射した物体から光を内部に透過させ、第1の透過部から内部に入射した光を第2の反射部で内面反射させ、第2の反射部で内面反射された光を第1の反射部でさらに内面反射させ、第1の反射部で内面反射された光を第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする。
【0010】
以上のように構成された撮像レンズは、全長の短い1枚構成のレンズでありながら、第1の反射部及び第2の反射部を用いて光を内面反射させることで長焦点距離を可能とし、高倍率の撮像を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る集光光学素子は、焦点距離の異なる2つ以上の撮像レンズと、2つ以上の撮像レンズを保持し、2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置に移動する保持手段とを備え、2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを有し、第1の透過部へ入射した光を内部に透過させ、第1の透過部から内部に入射した光を第2の反射部で内面反射させ、第2の反射部で内面反射された光を第1の反射部でさらに内面反射させ、第1の反射部で内面反射された光を第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする。
【0012】
以上のように構成された集光光学素子は、異なる焦点距離の撮像レンズを選択的に用いることができ、少なくとも一つの撮像レンズが、全長の短い1枚構成のレンズでありながら、第1の反射部及び第2の反射部を用いて光を内面反射させることで長焦点距離を可能とし、高倍率の撮像を行うことができる。
【0013】
さらに、本発明に係る撮像装置は、焦点距離の異なる2つ以上の撮像レンズと、2つ以上の撮像レンズを保持し、2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置に移動する保持手段と、保持手段により選択的に所定の位置に移動された撮像レンズが物体からの光を集光する位置に配設され、撮像レンズが集光した光を受光する受光素子とを備え、2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを有し、第1の透過部へ入射した物体からの光を内部に透過させ、第1の透過部から内部に入射した光を第2の反射部で内面反射させ、第2の反射部で内面反射された光を第1の反射部でさらに内面反射させ、第1の反射部で内面反射された光を第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする。
【0014】
上述したように構成された撮像装置は、異なる焦点距離の撮像レンズを選択的に用いることができ、少なくとも一つの撮像レンズが、全長の短い1枚構成のレンズでありながら、第1の反射部及び第2の反射部を用いて光を内面反射させることで長焦点距離を可能とし、高倍率の撮像を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
撮像装置は、例えば、携帯型の無線電話装置やPDA等の内部に備えられて用いられる。
【0017】
撮像装置1は、図1に示すように、第1の撮像レンズ11と、第2の撮像レンズ12と、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を保持するレンズ保持部13と、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12により選択的に集光された光を受光する撮像素子14とを備えている。
【0018】
第1の撮像レンズ11は、第2の撮像レンズ12と比して長焦点距離の望遠型レンズであり、焦点距離が15.0mmとされた1枚構成のレンズである。なお、この第1の撮像レンズ11の焦点距離は、35mmフィルム換算で200mmに相当する。
【0019】
第2の撮像レンズ12は、第1の撮像レンズ11と比して短焦点距離のズームレンズであり、焦点距離が2.5mm〜7.5mmの範囲で可変可能な変倍光学系を有するレンズ群である。なお、第2の撮像レンズ12の焦点距離は、35mmフィルム換算で35mm〜100mmの範囲に相当する。
【0020】
レンズ保持部13は、第1の撮像レンズ11と第2の撮像レンズ12とを保持して、回転軸cを中心に回転可能とされている。レンズ保持部13は、第1の撮像レンズ11の光軸中心及び第2の撮像レンズ12の光軸中心から回転軸cまでの距離が等しくなる位置に第1の撮像レンズ11と第2の撮像レンズ12とを保持している。レンズ保持部13は、回転することで第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を、図示しないベースに固定された撮像素子14と対向する位置へ選択的に移動させることができる。
【0021】
第1の撮像レンズ11、第2の撮像レンズ12及びレンズ保持部13は、集光機能を有する光学ブロックを形成し、上述したようにレンズ保持部13が回転されることにより第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を選択的に利用することができる構成とされている。なお、この光学ブロックを以下では集光光学素子2と称する。
【0022】
撮像素子14は、例えば、対角線の長さが略1/6インチ(略3.0mm)である略方形状の後述する受光面14aを有するCCDやCMOS等の光電変換素子であり、受光面14aに略格子状に画素が配設され、それぞれの画素ごとの受光量に基づく電気信号を出力する。撮像素子14は、例えば、縦横に352×288個の画素が配設されたCIF(Common Intermediate Format)規格や、640×480個の画素が配設されたVGA(Video Graphics Array)規格に対応する解像度とされている。
【0023】
また、撮像素子14は、図2に示すように、受光面14aが望む方向にシールガラス15を有する。シールガラス15は、形状が平行平板状とされており、撮像素子14の受光面14aを保護する。シールガラス15を構成する材料としては、透光性を有するガラス材料や樹脂材料を用いる。シールガラス15は、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12により選択的に集光される光が入射される入射面15aと、入射面15aから入射された光を出射する出射面15bとが互いに平行な平面とされている。
【0024】
撮像素子14は、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12が選択的に受光面14aと対向する位置にあるときに、対向する撮像レンズの光軸方向の適切な位置に受光面14aが合うように調整されている。そして、撮像素子14は、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12が集光する光を受光することで、物体像を撮像する。撮像素子14は、各画素の受光量に基づく電気信号を後述する制御回路に出力する。なお、制御回路に出力された電気信号は、この制御回路内においてデジタル信号に変換され、画像データとして各種記憶媒体に記録される。
【0025】
以上のように構成された撮像装置1は、集光光学素子2を撮像素子14に対して回転させることで、レンズ保持部13に保持された第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を撮像素子14の受光面14aと対向する位置に選択的に移動させて、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を切り替えて物体からの光を集光することができる。そして、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12により物体像を撮像素子14の受光面14aに結像することで、物体を撮像する。
【0026】
以下では、具体的な第1の撮像レンズ11の構造について説明する。
【0027】
第1の撮像レンズ11は、第2の撮像レンズ12と比して長焦点距離の望遠型レンズであり、撮像素子14の受光面14aの対角線の長さであるイメージャサイズが略1/6インチ(略3.0mm)であるのに対して、入射面から撮像素子14の受光面14aまでの距離である全長が5.5mm、焦点距離が15.0mm、F値が2.8、有効像円直径が3.1mm、TV歪曲が2%以下とされた1枚構成のレンズ素子である。
【0028】
第1の撮像レンズ11は、屈折率が1.53226、アッベ数が55.7であるモールドガラス材料により形成されており、図2及び図3に示すように、撮像対象となる物体と対向する物体側面11aと、結像面となる受光素子14の受光面14aと対向する結像側面11bとを有した1枚構成のレンズである。
【0029】
物体側面11aは、光軸を中心に略円形状の第1の中心部21と、第1の中心部21の外側に略リング状の第1の外周部22とを有している。第1の中心部21と第1の外周部22とは、それぞれ異なる曲率の面形状とされている。第1の外周部22の最大外径は、Φ5.3mmであり、第1の中心部21の最大外径は、Φ2.0mmである。ここで、第1の外周部22の面積を100%とした場合、第1の中心部21の面積は、略17%となる。
【0030】
第1の中心部21は、内面が光を反射するミラー面とされており、内面に入射した光を反射し、表面から光が入射しないようになっている。第1の中心部21は、アルミ等の金属薄膜が成膜されており、この金属薄膜によりミラー面が形成されている。
【0031】
第1の外周部22は、光を透過する透過面とされており、物体からの光を第1の撮像レンズ11の内部に導くようになっている。
【0032】
結像側面11bは、光軸を中心に略円形状の第2の中心部23と、第2の中心部23の外側に略リング状の第2の外周部24とを有している。第2の中心部23と第2の外周部24とは、それぞれ異なる曲率の面形状とされている。第2の外周部24の最大外径は、Φ5.3mmであり、第2の中心部23の最大外径は、Φ2.0mmである。ここで、第2の外周部24の面積を100%とすると第2の中心部23の面積は、略17%の大きさとなる。
【0033】
第2の中心部23は、光を透過する透過面とされており、第1の撮像レンズ11の内部から光を透過させて撮像素子14側に出射するようになっている。
【0034】
第2の外周部24は、内面が光を反射するミラー面とされており、内面に入射した光を反射し、表面から光が入射しないようになっている。第2の外周部24は、アルミ等の金属薄膜が成膜されており、この金属薄膜によりミラー面が形成されている。
【0035】
なお、第1の撮像レンズ11は、物体側面11a及び結像側面11bに誘電体層等の図示しない反射防止膜が形成されている。
【0036】
以上のように構成された第1の撮像レンズ11に向かう物体からの光は、物体側面11aの第1の外周部22を透過して結像側面11bの第2の外周部24に入射し、第2の外周部24で反射されて物体側面11aの第1の中心部21に入射し、第1の中心部21で反射されて結像面側11bの第2の中心部23から出力される。
【0037】
そこで、光学的な第1面を図示しないフード面として、第2面を第1の外周部22、第3面を第2の外周部24、第4面を第1の中心部21、第5面を第2の中心部23として、具体的な各面の形状を示すパラメータを以下の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
ここで、表1において、rは曲率半径、THIは次の面までの距離(面と光軸との交点の間隔)、kは円錐係数、a,b,c,dはそれぞれ非球面係数を示し、各非球面係数は以下の式1に示す非球面の式に対応している。
【0040】
【数1】
【0041】
第2面である第1の外周部22は、透過面とされており、曲率半径rが13mm、非球面係数aが−0.893429×10−3、非球面係数bが−0.677235×10−5とされた非球面である。
【0042】
第3面である第2の外周部24は、ミラー面とされており、曲率半径rが−12mm、非球面係数aが0.133287×10−3とされた非球面である。
【0043】
第4面である第1の中心部21は、ミラー面とされており、曲率半径rが−4.5mmとされた球面である。
【0044】
第5面である第2の中心部23は、透過面とされており、曲率半径rが5.0m、円錐係数kが15.793090、非球面係数aが−0.997747×10−2とされた非球面である。
【0045】
なお、表1における第6面及び第7面は、シールガラス15の入射面15a及び出射面15bに対応している。シールガラス15の入射面15a及び出射面15bは、平面であるため曲率半径rが無限大である。
【0046】
第1の撮像レンズ11は、上述のような構成とすることで、焦点距離を15mmと長くしても、全長が焦点距離の略1/3の5.5mmと短くすることができ、小型化が達成できる。
【0047】
このような第1の撮像レンズ11は、上述したように1枚構成のレンズでありながら、4つの面を有効利用することができるため、光学収差の適切な補正をすることができる。具体的に、第1の撮像レンズ11は、第2面の第1の外周部22、第3面の第2の外周部24及び第5面の第2の中心部23を上述したように非球面とすることで光学収差を補正し、図4乃至10に示すような良好な光学特性を得ることができる。
【0048】
ここで、図4乃至図6は、縦収差図であり、それぞれ球面収差、非点・像面湾曲、歪曲収差を示している。また、図7乃至図10は、横収差図であり、それぞれ最大像高に対する比が、1.00,0.80,0.60,0.00である場合のタンジェンシャル方向及びサジタル方向の横収差を示している。
【0049】
図4乃至図10に示すように、第1の撮像レンズ11は、各収差が補正されており、良好な光学特性が得られる。
【0050】
なお、第2の撮像レンズ12は、一般的なズームレンズであるが、撮像装置を小型化するために第1の撮像レンズ11と比して略同等の厚みである。第2の撮像レンズ12は、第1の撮像レンズ11と略同等の厚みとするために焦点距離が2.5mm〜7.5mmの範囲で可変するレンズである。
【0051】
以下では、上述したような撮像装置を備える携帯型の無線電話装置(以下では短に無線電話装置と記述する。)について、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を切り替えて撮像する動作を説明する。
【0052】
無線電話装置は、図11及び図12に示すように、上述した撮像装置1と、撮像した画像や各種情報を表示する表示部32と、各種入力を行う操作部33と、無線電波の送受信を行うアンテナ部34と、これら撮像装置1、表示部32、入力部33を内蔵する筐体35とを備えている。
【0053】
表示部32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスであり、撮像装置1により撮像された画像や、各種情報を表示する。
【0054】
操作部33は、撮像を実行する命令や無線電話を行うための入力がされる複数の釦を有し、使用者がこの釦を押下することにより無線電話装置が撮像や無線電話を行うことができる。
【0055】
アンテナ部34は、後述する通信部42から出力された信号を無線電波として空間に出力し、外部から入力される無線電波を受信して通信部42へ出力する。
【0056】
筐体35は、上述した撮像装置1、表示部32、入力部33を内蔵しており、撮像装置1のレンズ保持部13の一部が外部に露呈されている。この外部に露呈されているレンズ保持部13の一部は、集光光学素子2を回転するための回転操作部13aである。使用者が、この回転操作部13aを回転することで、集光光学素子2が回転軸cを中心に回転する。
【0057】
また、この無線電話装置の制御回路は、図13に示すように、撮像素子14から出力された電気信号が入力されてデジタル処理を行う信号処理部41と、無線電話の通信制御を行う通信部42と、信号処理部41で処理されたデジタル信号に基づく画像データを記憶保持する記録部43と、各部の制御を行う制御部44とを備えている。
【0058】
信号処理部41は、撮像素子14から出力された電気信号をデジタル信号に変換し、画像データとして制御部44へ出力する。
【0059】
通信部42は、制御部44からの制御信号に基づき、撮像した画像データを含む各種データや無線電話の音声を高周波信号に変換してアンテナ部34へ出力する。また、通信部42は、アンテナ部34から入力された高周波信号を、画像データを含む各種データや無線電話の音声に変換して制御部44へ出力する。
【0060】
記録部43は、例えば、RAMや等の半導体を用いた記録手段であり、画像データや無線電話のための各種データが記録する。なお、記録部43は、着脱自在の他の記録部を有するようにしてもよく、例えば、着脱可能な記録部として、ICカードや、磁気ディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。
【0061】
制御部44は、入力部33から入力された各種命令に基づき各部を制御する。具体的に、制御部44は、入力部33から撮像命令が入力されて場合、撮像素子14を制御して受光面14aの受光量に基づく電気信号を信号処理部41に出力させ、信号処理部41を制御して撮像素子14から入力された電気信号をデジタル信号に変換し画像データとして制御部44に出力させる。そして、制御部44は、画像データを記録部43に記録する。
【0062】
また、制御部44は、通信部42を制御して、記録部43に記録した画像データを外部に送信し、また画像データを外部から受信し記録部43に記録することができる。
【0063】
以上のような構成とされた無線電話装置により所望の被写体を撮像するときは、入力部33から撮像命令を入力し、無線電話装置を撮像モードにする。
【0064】
次に、無線電話装置の回転操作部13aを回転操作し、第2の撮像レンズ12を撮像素子14の受光面14aと対向する位置に移動させ、第2の撮像レンズ12が撮像対象を向くように、筐体35の裏面を撮像対象に向ける。
【0065】
このとき、制御部44は、撮像素子14を制御して第2の撮像レンズ12により集光された光に基づく信号を信号処理部41に出力させて、信号処理部41が出力する画像データを表示部32に表示する。
【0066】
次に、表示部32に表示された画像を見て、撮像対象を視認しながら、筐体35を微動させて所望の範囲が画面に納まるようにする。そして、入力部32により撮像決定の入力がされると、制御部44は、表示部32に表示されている画像を、画像データを記録部43に記録する。
【0067】
ここで、表示部32に表示されている画像を視認した際に、画像を拡大して撮像した場合には、無線電話装置の回転操作部13aを回転操作し、第1の撮像レンズ11を撮像素子14の受光面14aと対向する位置に移動させる。
【0068】
このとき、制御部44は、撮像素子14を制御して第1の撮像レンズ11により集光された光に基づく信号を信号処理部41に出力させて、信号処理部41が出力する画像データを表示部32に表示する。
【0069】
次に、表示部32に表示された画像を見て、撮像対象を視認しながら、筐体35を微動させて所望の範囲が画面に納まるようにする。そして、入力部32により撮像決定の入力がされると、制御部44は、表示部32に表示されている画像を、画像データを記録部43に記録する。
【0070】
以上のような手順で撮像を行うことにより、無線電話装置は、焦点距離の異なる第1のレンズ11及び第2の撮像レンズ12を選択的に切り替えて、光学倍率を容易に変えることができる。
【0071】
以下では、上述した第1の撮像レンズ11の製造方法について図14に示すフローチャートに基づき説明する。
【0072】
まず、ステップS1において、図15に示すように、ガラス材料を略球状に研磨してプリフォーム51を成形する。
【0073】
次に、ステップS2において、図16に示すように、プリフォーム51を熱間成形することで、第1の撮像レンズ11の概形と略々同等の形状のレンズベース52を成形する。
【0074】
次に、ステップS3において、図17に示すように、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの第1の外周部22に対応するレンズベース52の部分にレジスト53を塗布する。
【0075】
次に、ステップS4において、図18に示すように、第1の撮像レンズ11の物体側面11aに対応するレンズベース52の一方の面に、アルミ等の金属薄膜54を成膜する。
【0076】
次に、ステップS5において、図19に示すように、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの第1の外周部22に対応するレンズベース52の部分に塗布されたレジスト53を除去することで、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの内周部21に対応する部分にのみ金属薄膜54が残り、ミラー面を形成する。
【0077】
次に、ステップS6において、図20に示すように、第1の撮像レンズ11の結像側面11bの内周部23に対応するレンズベース52の部分にレジスト55を塗布する。
【0078】
次に、ステップS7において、図21に示すように、第1の撮像レンズ11の結像側面11bに対応するレンズベース52の他方の面に、アルミ等の金属薄膜56を成膜する。
【0079】
次に、ステップS8において、図22に示すように、第1の撮像レンズ11の結像側面11bの内周部23に対応するレンズベース52の部分に塗布されたレジスト55を除去することで、第1の撮像レンズ11の結像側面11bの第2の外周部24に対応する部分にのみ金属薄膜56が残り、ミラー面を形成する。
【0080】
次に、ステップS9では、レジスト55が除去されたレンズベース52の物体側面11a及び結像側面11bに、MgF2等を蒸着することで、図示しない反射防止膜を成膜する。
【0081】
なお、反射防止膜は、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの第1の外周部22及び結像側面11bの第2の中心部23を透過する光の反射を防止し、また物体側面11aの第1の中心部21及び結像側面11bの第2の外周部24に対して保護膜となるように設けられている。この反射防止膜は、上述したMgF2のような誘電体を用いる。
【0082】
このような手順により第1の撮像レンズ11を作成することができる。
【0083】
なお、第1の撮像レンズ11は、上述の製造方法に限定されず、例えば、第1の撮像レンズ11の物体側面11a及び結像側面11bに対応するレンズベース52の両面に、レジスト53,55の塗布、金属薄膜54,56の成膜、レジスト53,55の除去を同時に行うようにしてもよい。
【0084】
以上のように本発明を適用した撮像装置1は、無線電話装置等に内蔵され、焦点距離の異なる第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を備えることで、デジタルズーム機能を用いなくとも望遠と広角とを切り替えて、撮像することができる。これにより、撮像装置1では、望遠で撮像した場合においても、画像が粗くならずに、細かいものまで識別することができる。
【0085】
また、撮像装置1は、長焦点距離の第1の撮像レンズ11が、焦点距離に比して十分に全長が短くされているため、薄型で小型の筐体35内に十分納まる大きさとすることができる。
【0086】
さらに、撮像装置1は、長焦点距離の第1の撮像レンズ11を、ミラー面を有する1枚構成のレンズ素子とすることで全長を短くすることができ、小型化及び軽量化が可能となる。
【0087】
さらにまた、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11のミラー面が物体側面11a及び結像側面11bに固定されているため、ミラー面の傾きが調整不要となり、またミラー面の空中保持の必要もなくなる。そして、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11が内面反射を用いることでミラー面へのごみの付着や結露による汚れが発生しない。また、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11のミラー面が内面反射のみを利用しているため、耐候性に優れており、第1の撮像レンズ11が1枚構成のレンズ素子であるために面の偏芯の精度や、傾きの精度、すなわちティルト精度を高めることができる。
【0088】
さらにまた、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11が4つの面を有効利用することができるため、光学収差の適切な補正をすることができ、良好な光学特性を得ることができる。
【0089】
なお、上述では、第2の撮像レンズ12をズームレンズとしたが、第1の撮像レンズ11よりも短焦点距離の固定焦点のレンズであってもよい。この場合は、ズームレンズよりもレンズ素子の枚数を減らし、部品点数や重量を少なくすることができる。
【0090】
また、上述では、レンズ保持部13が回転軸cを中心に回転することで、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を所定の位置へ移動させていたが、レンズ保持部13を直線方向へスライドするようにしてもよい。この場合にレンズ保持部13は、スライド方向に沿って第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を保持する。
【0091】
さらに、上述しでは、第1の撮像レンズ11をガラス成形により作成したが、ガラス成形に限定されず、樹脂材料を射出成形するようにしてもよい。
【0092】
【発明の効果】
上述したように、本発明では、第1の撮像レンズが1枚構成のレンズ素子でありながら内部反射を行うミラー面を有することで、長焦点距離で短い全長とすることができる。
【0093】
また、本発明では、第1の撮像レンズのミラー面の傾きが調整不要となり、またミラー面の空中保持の必要もなくなり、内面反射を用いることでミラー面へのごみの付着や結露による汚れが発生しない。
【0094】
さらに、本発明では、第1の撮像レンズのミラー面が内面反射のみを利用しているため、耐候性に優れている。
【0095】
さらにまた、本発明では、第1の撮像レンズが1枚構成のレンズ素子であるために面の偏芯の精度や、ティルト精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した撮像装置の構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明を適用した撮像装置が備える第1の撮像レンズと撮像素子を説明するための側面図である。
【図3】本発明を適用した撮像装置が備える第1の撮像レンズと撮像素子を説明するための斜視図である。
【図4】第1の撮像レンズの球面収差を測定した結果を示す図である。
【図5】第1の撮像レンズの非点・像面湾曲を測定した結果を示す図である。
【図6】第1の撮像レンズの歪曲収差を測定した結果を示す図である。
【図7】第1の撮像レンズの像高の割合が1.00における横収差図である。
【図8】第1の撮像レンズの像高の割合が0.80における横収差図である。
【図9】第1の撮像レンズの像高の割合が0.60における横収差図である。
【図10】第1の撮像レンズの像高の割合が0.00における横収差図である。
【図11】撮像装置を内蔵する携帯型の無線電話装置の構成を説明するための斜視図である。
【図12】撮像装置を内蔵する携帯型の無線電話装置の構成を説明するための他の斜視図である。
【図13】撮像装置を内蔵する携帯型の無線電話装置の回路構成を説明するためのブロック図である。
【図14】第1の撮像レンズの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、ガラス材料を球形状に研磨したプリフォームを説明するための図である。
【図16】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、プリフォームの成形を説明するための図である。
【図17】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの物体側面の外周部に対応する部分にレジストを塗布する工程を説明するための図である。
【図18】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの物体側面に対応する面に金属薄膜を成膜する工程を説明するための図である。
【図19】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの物体側面に対応する面のレジストを除去する工程を説明するための図である。
【図20】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの結像側面の内周部に対応する部分にレジストを塗布する工程を説明するための図である。
【図21】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの結像側面に対応する面に金属薄膜を成膜する工程を説明するための図である。
【図22】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの結像側面に対応する面のレジストを除去する工程を説明するための図である。
【符号の説明】
1 撮像装置、2 集光光学素子、11 第1の撮像レンズ、11a 物体側面、11b 結像側面、12 第2の撮像レンズ、13 レンズ保持部、13a回転操作部、14 撮像素子、15 シールガラス、15a 入射面、15b出射面、21 第1の中心部、22 第1の外周部、23 第2の中心部、24 第2の外周部、32 表示部、33 入力部、34 アンテナ部、35 筐体、41 信号処理部、42 通信部、43 記録部、44 制御部、51 プリフォーム、52 レンズベース、53 レジスト、54 金属薄膜、55 レジスト、56 金属薄膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像に用いる撮像レンズ、この撮像レンズを有する集光光学素子及びこの集光光学素子を備える撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型の無線電話装置やPDA(Personal Digital Assistant)等の薄型で小型の機器には、撮像装置が備えられたものがある。この薄型で小型の機器では、取り付けられる撮像装置が、小型の撮像レンズと小型のCCD(Charge−CoupledDevice)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の撮像素子とを有することで小型化されており、機器全体の小型化が図られている。
【0003】
上述した薄型で小型の機器が備える撮像装置の撮像レンズは、広い範囲を撮像するために短焦点距離とされている。一方、薄型で小型の機器が備える撮像装置の撮像素子は、例えば、対角線の長さが略1/4インチ(略6.3mm)である略方形状の受光面を有するCCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の光電変換素子であり、格子状に画素が配設され、画素ごとの受光量に応じた電気信号を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した撮像装置では、狭い範囲を拡大して撮像したい場合に、光学的に焦点距離を変えることができないため、撮像素子から出力される電気信号に基づく画像データを処理することで画像の中央部分を拡大する、いわゆるデジタルズーム等を行っていた。デジタルズームでは、画像の中央部のみを抽出して拡大処理をするため、撮像素子の受光面の有効範囲が通常よりも狭い、すなわち有効な画素数が少なくなる。このため、撮像した画像は粗くなり、細かいものは識別が難しくなってしまう。特に、文章などを画像として保存する場合には、文字データを識別できる程度の解像度、すなわち有効な画素数が要求されるが、デジタルズームを行い撮像した場合には、画像から文字の認識をすることが容易でない場合がある。
【0005】
また、上述した撮像装置では、小型で薄型の機器に収納できるように、例えば、撮像レンズの焦点距離にかかわらず撮像素子を含めた厚みを所定の厚み以下となるようにしている。このため、撮像装置は、焦点距離の長い望遠用の撮像レンズを用いると、所定の厚みよりも全長の長い光学設計となってしまい、小型化の妨げとなってしまう。
【0006】
さらに、上述した撮像装置では、全長を抑えるための光学設計をすることも可能であるが、レンズ枚数が増えてしまい、部品点数が増加し重量も増加するといった問題がある。また、撮像装置は、全長を抑えた光学設計がなされた望遠用のレンズを用いた場合、逆に広い範囲が撮像できないといった問題もある。
【0007】
さらにまた、感光体として35mmフィルムを用いる撮像装置において、ミラーを用いて100mmを超えるような長焦点距離の撮像レンズがあるが、このような撮像レンズは、ミラー面の傾きを高精度に調整する必要があるため製作が困難であり、薄型で小型の機器に備える撮像装置に用いる場合、調整機構やミラーの空中保持の必要性があるため好適であるとはいえない。
【0008】
本発明は、上述した問題を鑑みて創案されたものであり、小型で長焦点距離の撮像レンズ、この撮像レンズを備える集光光学素子及びこの集光光学素子を備える撮像装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮像レンズは、上述した問題を解決するために、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを備え、第1の透過部へ入射した物体から光を内部に透過させ、第1の透過部から内部に入射した光を第2の反射部で内面反射させ、第2の反射部で内面反射された光を第1の反射部でさらに内面反射させ、第1の反射部で内面反射された光を第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする。
【0010】
以上のように構成された撮像レンズは、全長の短い1枚構成のレンズでありながら、第1の反射部及び第2の反射部を用いて光を内面反射させることで長焦点距離を可能とし、高倍率の撮像を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る集光光学素子は、焦点距離の異なる2つ以上の撮像レンズと、2つ以上の撮像レンズを保持し、2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置に移動する保持手段とを備え、2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを有し、第1の透過部へ入射した光を内部に透過させ、第1の透過部から内部に入射した光を第2の反射部で内面反射させ、第2の反射部で内面反射された光を第1の反射部でさらに内面反射させ、第1の反射部で内面反射された光を第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする。
【0012】
以上のように構成された集光光学素子は、異なる焦点距離の撮像レンズを選択的に用いることができ、少なくとも一つの撮像レンズが、全長の短い1枚構成のレンズでありながら、第1の反射部及び第2の反射部を用いて光を内面反射させることで長焦点距離を可能とし、高倍率の撮像を行うことができる。
【0013】
さらに、本発明に係る撮像装置は、焦点距離の異なる2つ以上の撮像レンズと、2つ以上の撮像レンズを保持し、2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置に移動する保持手段と、保持手段により選択的に所定の位置に移動された撮像レンズが物体からの光を集光する位置に配設され、撮像レンズが集光した光を受光する受光素子とを備え、2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを有し、第1の透過部へ入射した物体からの光を内部に透過させ、第1の透過部から内部に入射した光を第2の反射部で内面反射させ、第2の反射部で内面反射された光を第1の反射部でさらに内面反射させ、第1の反射部で内面反射された光を第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする。
【0014】
上述したように構成された撮像装置は、異なる焦点距離の撮像レンズを選択的に用いることができ、少なくとも一つの撮像レンズが、全長の短い1枚構成のレンズでありながら、第1の反射部及び第2の反射部を用いて光を内面反射させることで長焦点距離を可能とし、高倍率の撮像を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
撮像装置は、例えば、携帯型の無線電話装置やPDA等の内部に備えられて用いられる。
【0017】
撮像装置1は、図1に示すように、第1の撮像レンズ11と、第2の撮像レンズ12と、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を保持するレンズ保持部13と、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12により選択的に集光された光を受光する撮像素子14とを備えている。
【0018】
第1の撮像レンズ11は、第2の撮像レンズ12と比して長焦点距離の望遠型レンズであり、焦点距離が15.0mmとされた1枚構成のレンズである。なお、この第1の撮像レンズ11の焦点距離は、35mmフィルム換算で200mmに相当する。
【0019】
第2の撮像レンズ12は、第1の撮像レンズ11と比して短焦点距離のズームレンズであり、焦点距離が2.5mm〜7.5mmの範囲で可変可能な変倍光学系を有するレンズ群である。なお、第2の撮像レンズ12の焦点距離は、35mmフィルム換算で35mm〜100mmの範囲に相当する。
【0020】
レンズ保持部13は、第1の撮像レンズ11と第2の撮像レンズ12とを保持して、回転軸cを中心に回転可能とされている。レンズ保持部13は、第1の撮像レンズ11の光軸中心及び第2の撮像レンズ12の光軸中心から回転軸cまでの距離が等しくなる位置に第1の撮像レンズ11と第2の撮像レンズ12とを保持している。レンズ保持部13は、回転することで第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を、図示しないベースに固定された撮像素子14と対向する位置へ選択的に移動させることができる。
【0021】
第1の撮像レンズ11、第2の撮像レンズ12及びレンズ保持部13は、集光機能を有する光学ブロックを形成し、上述したようにレンズ保持部13が回転されることにより第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を選択的に利用することができる構成とされている。なお、この光学ブロックを以下では集光光学素子2と称する。
【0022】
撮像素子14は、例えば、対角線の長さが略1/6インチ(略3.0mm)である略方形状の後述する受光面14aを有するCCDやCMOS等の光電変換素子であり、受光面14aに略格子状に画素が配設され、それぞれの画素ごとの受光量に基づく電気信号を出力する。撮像素子14は、例えば、縦横に352×288個の画素が配設されたCIF(Common Intermediate Format)規格や、640×480個の画素が配設されたVGA(Video Graphics Array)規格に対応する解像度とされている。
【0023】
また、撮像素子14は、図2に示すように、受光面14aが望む方向にシールガラス15を有する。シールガラス15は、形状が平行平板状とされており、撮像素子14の受光面14aを保護する。シールガラス15を構成する材料としては、透光性を有するガラス材料や樹脂材料を用いる。シールガラス15は、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12により選択的に集光される光が入射される入射面15aと、入射面15aから入射された光を出射する出射面15bとが互いに平行な平面とされている。
【0024】
撮像素子14は、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12が選択的に受光面14aと対向する位置にあるときに、対向する撮像レンズの光軸方向の適切な位置に受光面14aが合うように調整されている。そして、撮像素子14は、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12が集光する光を受光することで、物体像を撮像する。撮像素子14は、各画素の受光量に基づく電気信号を後述する制御回路に出力する。なお、制御回路に出力された電気信号は、この制御回路内においてデジタル信号に変換され、画像データとして各種記憶媒体に記録される。
【0025】
以上のように構成された撮像装置1は、集光光学素子2を撮像素子14に対して回転させることで、レンズ保持部13に保持された第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を撮像素子14の受光面14aと対向する位置に選択的に移動させて、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を切り替えて物体からの光を集光することができる。そして、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12により物体像を撮像素子14の受光面14aに結像することで、物体を撮像する。
【0026】
以下では、具体的な第1の撮像レンズ11の構造について説明する。
【0027】
第1の撮像レンズ11は、第2の撮像レンズ12と比して長焦点距離の望遠型レンズであり、撮像素子14の受光面14aの対角線の長さであるイメージャサイズが略1/6インチ(略3.0mm)であるのに対して、入射面から撮像素子14の受光面14aまでの距離である全長が5.5mm、焦点距離が15.0mm、F値が2.8、有効像円直径が3.1mm、TV歪曲が2%以下とされた1枚構成のレンズ素子である。
【0028】
第1の撮像レンズ11は、屈折率が1.53226、アッベ数が55.7であるモールドガラス材料により形成されており、図2及び図3に示すように、撮像対象となる物体と対向する物体側面11aと、結像面となる受光素子14の受光面14aと対向する結像側面11bとを有した1枚構成のレンズである。
【0029】
物体側面11aは、光軸を中心に略円形状の第1の中心部21と、第1の中心部21の外側に略リング状の第1の外周部22とを有している。第1の中心部21と第1の外周部22とは、それぞれ異なる曲率の面形状とされている。第1の外周部22の最大外径は、Φ5.3mmであり、第1の中心部21の最大外径は、Φ2.0mmである。ここで、第1の外周部22の面積を100%とした場合、第1の中心部21の面積は、略17%となる。
【0030】
第1の中心部21は、内面が光を反射するミラー面とされており、内面に入射した光を反射し、表面から光が入射しないようになっている。第1の中心部21は、アルミ等の金属薄膜が成膜されており、この金属薄膜によりミラー面が形成されている。
【0031】
第1の外周部22は、光を透過する透過面とされており、物体からの光を第1の撮像レンズ11の内部に導くようになっている。
【0032】
結像側面11bは、光軸を中心に略円形状の第2の中心部23と、第2の中心部23の外側に略リング状の第2の外周部24とを有している。第2の中心部23と第2の外周部24とは、それぞれ異なる曲率の面形状とされている。第2の外周部24の最大外径は、Φ5.3mmであり、第2の中心部23の最大外径は、Φ2.0mmである。ここで、第2の外周部24の面積を100%とすると第2の中心部23の面積は、略17%の大きさとなる。
【0033】
第2の中心部23は、光を透過する透過面とされており、第1の撮像レンズ11の内部から光を透過させて撮像素子14側に出射するようになっている。
【0034】
第2の外周部24は、内面が光を反射するミラー面とされており、内面に入射した光を反射し、表面から光が入射しないようになっている。第2の外周部24は、アルミ等の金属薄膜が成膜されており、この金属薄膜によりミラー面が形成されている。
【0035】
なお、第1の撮像レンズ11は、物体側面11a及び結像側面11bに誘電体層等の図示しない反射防止膜が形成されている。
【0036】
以上のように構成された第1の撮像レンズ11に向かう物体からの光は、物体側面11aの第1の外周部22を透過して結像側面11bの第2の外周部24に入射し、第2の外周部24で反射されて物体側面11aの第1の中心部21に入射し、第1の中心部21で反射されて結像面側11bの第2の中心部23から出力される。
【0037】
そこで、光学的な第1面を図示しないフード面として、第2面を第1の外周部22、第3面を第2の外周部24、第4面を第1の中心部21、第5面を第2の中心部23として、具体的な各面の形状を示すパラメータを以下の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
ここで、表1において、rは曲率半径、THIは次の面までの距離(面と光軸との交点の間隔)、kは円錐係数、a,b,c,dはそれぞれ非球面係数を示し、各非球面係数は以下の式1に示す非球面の式に対応している。
【0040】
【数1】
【0041】
第2面である第1の外周部22は、透過面とされており、曲率半径rが13mm、非球面係数aが−0.893429×10−3、非球面係数bが−0.677235×10−5とされた非球面である。
【0042】
第3面である第2の外周部24は、ミラー面とされており、曲率半径rが−12mm、非球面係数aが0.133287×10−3とされた非球面である。
【0043】
第4面である第1の中心部21は、ミラー面とされており、曲率半径rが−4.5mmとされた球面である。
【0044】
第5面である第2の中心部23は、透過面とされており、曲率半径rが5.0m、円錐係数kが15.793090、非球面係数aが−0.997747×10−2とされた非球面である。
【0045】
なお、表1における第6面及び第7面は、シールガラス15の入射面15a及び出射面15bに対応している。シールガラス15の入射面15a及び出射面15bは、平面であるため曲率半径rが無限大である。
【0046】
第1の撮像レンズ11は、上述のような構成とすることで、焦点距離を15mmと長くしても、全長が焦点距離の略1/3の5.5mmと短くすることができ、小型化が達成できる。
【0047】
このような第1の撮像レンズ11は、上述したように1枚構成のレンズでありながら、4つの面を有効利用することができるため、光学収差の適切な補正をすることができる。具体的に、第1の撮像レンズ11は、第2面の第1の外周部22、第3面の第2の外周部24及び第5面の第2の中心部23を上述したように非球面とすることで光学収差を補正し、図4乃至10に示すような良好な光学特性を得ることができる。
【0048】
ここで、図4乃至図6は、縦収差図であり、それぞれ球面収差、非点・像面湾曲、歪曲収差を示している。また、図7乃至図10は、横収差図であり、それぞれ最大像高に対する比が、1.00,0.80,0.60,0.00である場合のタンジェンシャル方向及びサジタル方向の横収差を示している。
【0049】
図4乃至図10に示すように、第1の撮像レンズ11は、各収差が補正されており、良好な光学特性が得られる。
【0050】
なお、第2の撮像レンズ12は、一般的なズームレンズであるが、撮像装置を小型化するために第1の撮像レンズ11と比して略同等の厚みである。第2の撮像レンズ12は、第1の撮像レンズ11と略同等の厚みとするために焦点距離が2.5mm〜7.5mmの範囲で可変するレンズである。
【0051】
以下では、上述したような撮像装置を備える携帯型の無線電話装置(以下では短に無線電話装置と記述する。)について、第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を切り替えて撮像する動作を説明する。
【0052】
無線電話装置は、図11及び図12に示すように、上述した撮像装置1と、撮像した画像や各種情報を表示する表示部32と、各種入力を行う操作部33と、無線電波の送受信を行うアンテナ部34と、これら撮像装置1、表示部32、入力部33を内蔵する筐体35とを備えている。
【0053】
表示部32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスであり、撮像装置1により撮像された画像や、各種情報を表示する。
【0054】
操作部33は、撮像を実行する命令や無線電話を行うための入力がされる複数の釦を有し、使用者がこの釦を押下することにより無線電話装置が撮像や無線電話を行うことができる。
【0055】
アンテナ部34は、後述する通信部42から出力された信号を無線電波として空間に出力し、外部から入力される無線電波を受信して通信部42へ出力する。
【0056】
筐体35は、上述した撮像装置1、表示部32、入力部33を内蔵しており、撮像装置1のレンズ保持部13の一部が外部に露呈されている。この外部に露呈されているレンズ保持部13の一部は、集光光学素子2を回転するための回転操作部13aである。使用者が、この回転操作部13aを回転することで、集光光学素子2が回転軸cを中心に回転する。
【0057】
また、この無線電話装置の制御回路は、図13に示すように、撮像素子14から出力された電気信号が入力されてデジタル処理を行う信号処理部41と、無線電話の通信制御を行う通信部42と、信号処理部41で処理されたデジタル信号に基づく画像データを記憶保持する記録部43と、各部の制御を行う制御部44とを備えている。
【0058】
信号処理部41は、撮像素子14から出力された電気信号をデジタル信号に変換し、画像データとして制御部44へ出力する。
【0059】
通信部42は、制御部44からの制御信号に基づき、撮像した画像データを含む各種データや無線電話の音声を高周波信号に変換してアンテナ部34へ出力する。また、通信部42は、アンテナ部34から入力された高周波信号を、画像データを含む各種データや無線電話の音声に変換して制御部44へ出力する。
【0060】
記録部43は、例えば、RAMや等の半導体を用いた記録手段であり、画像データや無線電話のための各種データが記録する。なお、記録部43は、着脱自在の他の記録部を有するようにしてもよく、例えば、着脱可能な記録部として、ICカードや、磁気ディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。
【0061】
制御部44は、入力部33から入力された各種命令に基づき各部を制御する。具体的に、制御部44は、入力部33から撮像命令が入力されて場合、撮像素子14を制御して受光面14aの受光量に基づく電気信号を信号処理部41に出力させ、信号処理部41を制御して撮像素子14から入力された電気信号をデジタル信号に変換し画像データとして制御部44に出力させる。そして、制御部44は、画像データを記録部43に記録する。
【0062】
また、制御部44は、通信部42を制御して、記録部43に記録した画像データを外部に送信し、また画像データを外部から受信し記録部43に記録することができる。
【0063】
以上のような構成とされた無線電話装置により所望の被写体を撮像するときは、入力部33から撮像命令を入力し、無線電話装置を撮像モードにする。
【0064】
次に、無線電話装置の回転操作部13aを回転操作し、第2の撮像レンズ12を撮像素子14の受光面14aと対向する位置に移動させ、第2の撮像レンズ12が撮像対象を向くように、筐体35の裏面を撮像対象に向ける。
【0065】
このとき、制御部44は、撮像素子14を制御して第2の撮像レンズ12により集光された光に基づく信号を信号処理部41に出力させて、信号処理部41が出力する画像データを表示部32に表示する。
【0066】
次に、表示部32に表示された画像を見て、撮像対象を視認しながら、筐体35を微動させて所望の範囲が画面に納まるようにする。そして、入力部32により撮像決定の入力がされると、制御部44は、表示部32に表示されている画像を、画像データを記録部43に記録する。
【0067】
ここで、表示部32に表示されている画像を視認した際に、画像を拡大して撮像した場合には、無線電話装置の回転操作部13aを回転操作し、第1の撮像レンズ11を撮像素子14の受光面14aと対向する位置に移動させる。
【0068】
このとき、制御部44は、撮像素子14を制御して第1の撮像レンズ11により集光された光に基づく信号を信号処理部41に出力させて、信号処理部41が出力する画像データを表示部32に表示する。
【0069】
次に、表示部32に表示された画像を見て、撮像対象を視認しながら、筐体35を微動させて所望の範囲が画面に納まるようにする。そして、入力部32により撮像決定の入力がされると、制御部44は、表示部32に表示されている画像を、画像データを記録部43に記録する。
【0070】
以上のような手順で撮像を行うことにより、無線電話装置は、焦点距離の異なる第1のレンズ11及び第2の撮像レンズ12を選択的に切り替えて、光学倍率を容易に変えることができる。
【0071】
以下では、上述した第1の撮像レンズ11の製造方法について図14に示すフローチャートに基づき説明する。
【0072】
まず、ステップS1において、図15に示すように、ガラス材料を略球状に研磨してプリフォーム51を成形する。
【0073】
次に、ステップS2において、図16に示すように、プリフォーム51を熱間成形することで、第1の撮像レンズ11の概形と略々同等の形状のレンズベース52を成形する。
【0074】
次に、ステップS3において、図17に示すように、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの第1の外周部22に対応するレンズベース52の部分にレジスト53を塗布する。
【0075】
次に、ステップS4において、図18に示すように、第1の撮像レンズ11の物体側面11aに対応するレンズベース52の一方の面に、アルミ等の金属薄膜54を成膜する。
【0076】
次に、ステップS5において、図19に示すように、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの第1の外周部22に対応するレンズベース52の部分に塗布されたレジスト53を除去することで、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの内周部21に対応する部分にのみ金属薄膜54が残り、ミラー面を形成する。
【0077】
次に、ステップS6において、図20に示すように、第1の撮像レンズ11の結像側面11bの内周部23に対応するレンズベース52の部分にレジスト55を塗布する。
【0078】
次に、ステップS7において、図21に示すように、第1の撮像レンズ11の結像側面11bに対応するレンズベース52の他方の面に、アルミ等の金属薄膜56を成膜する。
【0079】
次に、ステップS8において、図22に示すように、第1の撮像レンズ11の結像側面11bの内周部23に対応するレンズベース52の部分に塗布されたレジスト55を除去することで、第1の撮像レンズ11の結像側面11bの第2の外周部24に対応する部分にのみ金属薄膜56が残り、ミラー面を形成する。
【0080】
次に、ステップS9では、レジスト55が除去されたレンズベース52の物体側面11a及び結像側面11bに、MgF2等を蒸着することで、図示しない反射防止膜を成膜する。
【0081】
なお、反射防止膜は、第1の撮像レンズ11の物体側面11aの第1の外周部22及び結像側面11bの第2の中心部23を透過する光の反射を防止し、また物体側面11aの第1の中心部21及び結像側面11bの第2の外周部24に対して保護膜となるように設けられている。この反射防止膜は、上述したMgF2のような誘電体を用いる。
【0082】
このような手順により第1の撮像レンズ11を作成することができる。
【0083】
なお、第1の撮像レンズ11は、上述の製造方法に限定されず、例えば、第1の撮像レンズ11の物体側面11a及び結像側面11bに対応するレンズベース52の両面に、レジスト53,55の塗布、金属薄膜54,56の成膜、レジスト53,55の除去を同時に行うようにしてもよい。
【0084】
以上のように本発明を適用した撮像装置1は、無線電話装置等に内蔵され、焦点距離の異なる第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を備えることで、デジタルズーム機能を用いなくとも望遠と広角とを切り替えて、撮像することができる。これにより、撮像装置1では、望遠で撮像した場合においても、画像が粗くならずに、細かいものまで識別することができる。
【0085】
また、撮像装置1は、長焦点距離の第1の撮像レンズ11が、焦点距離に比して十分に全長が短くされているため、薄型で小型の筐体35内に十分納まる大きさとすることができる。
【0086】
さらに、撮像装置1は、長焦点距離の第1の撮像レンズ11を、ミラー面を有する1枚構成のレンズ素子とすることで全長を短くすることができ、小型化及び軽量化が可能となる。
【0087】
さらにまた、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11のミラー面が物体側面11a及び結像側面11bに固定されているため、ミラー面の傾きが調整不要となり、またミラー面の空中保持の必要もなくなる。そして、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11が内面反射を用いることでミラー面へのごみの付着や結露による汚れが発生しない。また、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11のミラー面が内面反射のみを利用しているため、耐候性に優れており、第1の撮像レンズ11が1枚構成のレンズ素子であるために面の偏芯の精度や、傾きの精度、すなわちティルト精度を高めることができる。
【0088】
さらにまた、撮像装置1は、第1の撮像レンズ11が4つの面を有効利用することができるため、光学収差の適切な補正をすることができ、良好な光学特性を得ることができる。
【0089】
なお、上述では、第2の撮像レンズ12をズームレンズとしたが、第1の撮像レンズ11よりも短焦点距離の固定焦点のレンズであってもよい。この場合は、ズームレンズよりもレンズ素子の枚数を減らし、部品点数や重量を少なくすることができる。
【0090】
また、上述では、レンズ保持部13が回転軸cを中心に回転することで、第1の撮像レンズ11又は第2の撮像レンズ12を所定の位置へ移動させていたが、レンズ保持部13を直線方向へスライドするようにしてもよい。この場合にレンズ保持部13は、スライド方向に沿って第1の撮像レンズ11及び第2の撮像レンズ12を保持する。
【0091】
さらに、上述しでは、第1の撮像レンズ11をガラス成形により作成したが、ガラス成形に限定されず、樹脂材料を射出成形するようにしてもよい。
【0092】
【発明の効果】
上述したように、本発明では、第1の撮像レンズが1枚構成のレンズ素子でありながら内部反射を行うミラー面を有することで、長焦点距離で短い全長とすることができる。
【0093】
また、本発明では、第1の撮像レンズのミラー面の傾きが調整不要となり、またミラー面の空中保持の必要もなくなり、内面反射を用いることでミラー面へのごみの付着や結露による汚れが発生しない。
【0094】
さらに、本発明では、第1の撮像レンズのミラー面が内面反射のみを利用しているため、耐候性に優れている。
【0095】
さらにまた、本発明では、第1の撮像レンズが1枚構成のレンズ素子であるために面の偏芯の精度や、ティルト精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した撮像装置の構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明を適用した撮像装置が備える第1の撮像レンズと撮像素子を説明するための側面図である。
【図3】本発明を適用した撮像装置が備える第1の撮像レンズと撮像素子を説明するための斜視図である。
【図4】第1の撮像レンズの球面収差を測定した結果を示す図である。
【図5】第1の撮像レンズの非点・像面湾曲を測定した結果を示す図である。
【図6】第1の撮像レンズの歪曲収差を測定した結果を示す図である。
【図7】第1の撮像レンズの像高の割合が1.00における横収差図である。
【図8】第1の撮像レンズの像高の割合が0.80における横収差図である。
【図9】第1の撮像レンズの像高の割合が0.60における横収差図である。
【図10】第1の撮像レンズの像高の割合が0.00における横収差図である。
【図11】撮像装置を内蔵する携帯型の無線電話装置の構成を説明するための斜視図である。
【図12】撮像装置を内蔵する携帯型の無線電話装置の構成を説明するための他の斜視図である。
【図13】撮像装置を内蔵する携帯型の無線電話装置の回路構成を説明するためのブロック図である。
【図14】第1の撮像レンズの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、ガラス材料を球形状に研磨したプリフォームを説明するための図である。
【図16】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、プリフォームの成形を説明するための図である。
【図17】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの物体側面の外周部に対応する部分にレジストを塗布する工程を説明するための図である。
【図18】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの物体側面に対応する面に金属薄膜を成膜する工程を説明するための図である。
【図19】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの物体側面に対応する面のレジストを除去する工程を説明するための図である。
【図20】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの結像側面の内周部に対応する部分にレジストを塗布する工程を説明するための図である。
【図21】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの結像側面に対応する面に金属薄膜を成膜する工程を説明するための図である。
【図22】第1の撮像レンズの製造方法を説明するための図であり、第1の撮像レンズの結像側面に対応する面のレジストを除去する工程を説明するための図である。
【符号の説明】
1 撮像装置、2 集光光学素子、11 第1の撮像レンズ、11a 物体側面、11b 結像側面、12 第2の撮像レンズ、13 レンズ保持部、13a回転操作部、14 撮像素子、15 シールガラス、15a 入射面、15b出射面、21 第1の中心部、22 第1の外周部、23 第2の中心部、24 第2の外周部、32 表示部、33 入力部、34 アンテナ部、35 筐体、41 信号処理部、42 通信部、43 記録部、44 制御部、51 プリフォーム、52 レンズベース、53 レジスト、54 金属薄膜、55 レジスト、56 金属薄膜
Claims (22)
- 光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを備え、
上記第1の透過部へ入射した物体からの光を内部に透過させ、上記第1の透過部から内部へ入射した光を上記第2の反射部で内面反射させ、上記第2の反射部で内面反射された光を上記第1の反射部でさらに内面反射させ、上記第1の反射部で内面反射された光を上記第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする撮像レンズ。 - 上記物体側の面は、上記第1の反射部が光軸を中心とした中央部に設けられ、上記第1の透過部が上記第1の反射部の外側に設けられており、上記結像側の面は、上記第2の透過部が光軸を中心とする中央部に設けられ、上記第2の反射部が上記第2の透過部の外側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
- 上記第1の透過部及び第1の反射部は、互いに曲率が異なる面形状とされ、
上記第2の透過部及び第2の反射部は、互いに曲率が異なる面形状とされていることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。 - 透光性を有するガラス材料又は樹脂材料により形成されてなることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
- 上記第1の透過部、第1の反射部、第2の透過部及び第2の透過部のうち少なくとも一つの面形状が非球面とされていることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
- 上記第1の透過部は、曲率中心が上記物体側の面よりも結像側とされ、
上記第1の反射部は、曲率中心が上記物体側の面よりも物体側とされ、
上記第2の透過部は、曲率中心が上記結像側の面よりも結像側とされ、
上記第2の反射部は、曲率中心が上記結像側の面よりも物体側とされていることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。 - 焦点距離の異なる2つ以上の撮像レンズと、
上記2つ以上の撮像レンズを保持し、上記2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置に移動する保持手段とを備え、
上記2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを有し、上記第1の透過部へ入射した物体からの光を内部に透過させ、上記第1の透過部から内部に入射した光を上記第2の反射部で内面反射させ、上記第2の反射部で内面反射された光を上記第1の反射部でさらに内面反射させ、上記第1の反射部で内面反射された光を上記第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする集光光学素子。 - 上記保持手段は、上記2つ以上の撮像レンズのそれぞれの光軸中心までの距離が等しい位置を回転軸として回転することで、上記2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置へ移動することを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。
- 上記物体側の面は、上記第1の反射部が光軸を中心とした中央部に設けられ、上記第1の透過部が上記第1の反射部の外側に設けられており、上記結像側の面は、上記第2の透過部が光軸を中心とする中央部に設けられ、上記第2の反射部が上記第2の透過部の外側に設けられていることを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。
- 上記第1の透過部及び第1の反射部は、互いに曲率が異なる面形状とされ、
上記第2の透過部及び第2の反射部は、互いに曲率が異なる面形状とされていることを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。 - 上記2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、透光性を有するガラス材料又は樹脂材料により形成されてなることを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。
- 上記第1の透過部、第1の反射部、第2の透過部及び第2の透過部のうち少なくとも一つの面形状が非球面とされていることを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。
- 上記第1の透過部は、曲率中心が上記物体側の面よりも結像側とされ、
上記第1の反射部は、曲率中心が上記物体側の面よりも物体側とされ、
上記第2の透過部は、曲率中心が上記結像側の面よりも結像側とされ、
上記第2の反射部は、曲率中心が上記結像側の面よりも物体側とされていることを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。 - 上記2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも他の一つは、変倍光学系を有する複数枚のレンズ素子からなることを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。
- 焦点距離の異なる2つ以上の撮像レンズと、
上記2つ以上の撮像レンズを保持し、上記2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置に移動する保持手段と、
上記保持手段により選択的に所定の位置に移動された上記撮像レンズが物体からの光を集光する位置に配設され、上記撮像レンズが集光した光を受光する受光素子とを備え、
上記2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、光を透過する第1の透過部と光を反射する第1の反射部とを有する物体側の面と、光を透過する第2の透過部と光を反射する第2の反射部とを有する結像側の面とを有し、上記第1の透過部へ入射した上記物体からの光を内部に透過させ、上記第1の透過部から内部に入射した光を上記第2の反射部で内面反射させ、上記第2の反射部で内面反射された光を上記第1の反射部でさらに内面反射させ、上記第1の反射部で内面反射された光を上記第2の透過部を透過させて外部に出射することを特徴とする撮像装置。 - 上記保持手段は、上記2つ以上の撮像レンズのそれぞれの光軸中心までの距離が等しい位置を回転軸として回転することで、上記2つ以上の撮像レンズを選択的に所定の位置へ移動することを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
- 上記物体側の面は、上記第1の反射部が光軸を中心とした中央部に設けられ、上記第1の透過部が上記第1の反射部の外側に設けられており、
上記結像側の面は、上記第2の透過部が光軸を中心とする中央部に設けられ、上記第2の反射部が上記第2の透過部の外側に設けられていることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。 - 上記第1の透過部及び第1の反射部は、互いに曲率が異なる面形状とされ、
上記第2の透過部及び第2の反射部は、互いに曲率が異なる面形状とされていることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。 - 上記2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも一つは、透光性を有するガラス材料又は樹脂材料により形成されてなることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
- 上記第1の透過部、第1の反射部、第2の透過部及び第2の透過部のうち少なくとも一つの面形状が非球面とされていることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
- 上記第1の透過部は、曲率中心が上記物体側の面よりも結像側とされ、
上記第1の反射部は、曲率中心が上記物体側の面よりも物体側とされ、
上記第2の透過部は、曲率中心が上記結像側の面よりも結像側とされ、
上記第2の反射部は、曲率中心が上記結像側の面よりも物体側とされていることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。 - 上記2つ以上の撮像レンズのうち少なくとも他の一つは、変倍光学系を有する複数枚のレンズ素子からなることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
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