JP2004085511A - 移動体の移動速度および位置推定方法およびシステムおよびナビゲーションシステム - Google Patents

移動体の移動速度および位置推定方法およびシステムおよびナビゲーションシステム Download PDF

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Kenichiro Kurata
倉田 謙一郎
Munetoshi Unuma
鵜沼 宗利
Atsuya Toyama
外山 敦也
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Abstract

【課題】人間、動物或いは機械等の移動体について、その移動体の移動速度および及び移動距離を推定するにはその初期において多くの煩わしさがあった。本発明は簡単にかつ正確に推定する方法およびシステムおよびそのシステムを使用したナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】上記目的を達成するため、本発明の移動速度推定方法では、前記移動体の振動あるいは移動に伴う変位量を検出する手段と、前記移動物体の移動速度を特徴的に表す信号としての周期および振幅を検出する手段と,前記信号から求めた振幅および周期から移動速度を推定する関係式推定する手段と、前記関係式を記憶する記憶手段とから構成され,前記記憶されている関係式に基づいて前記移動体の速度の推定,あるいは推定された速度から移動距離を推定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の移動速度および位置推定に係り、特に前記移動体の移動時の振動信号を検出して、その移動体の移動速度および位置を正確に推定する移動速度推定および位置推定方法およびシステムおよびこれを用いたナビゲーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体、ことに歩行者の移動速度を推定する先行技術として、特開平10−113343号がある。その記載は、(1)予め動作毎の歩幅を求めておき、(2)加速度変化より動作を推定(認識)する、(3)認識した動作より歩幅を求める、(4)歩幅の積分により移動距離を求める、という手順で前記移動体の移動速度および移動距離を推定している。
【0003】
このように従来の速度推定方法では、移動体の様々な動作毎に、歩数と移動距離の関係などから予め歩幅を求めておき、そのデータを用いて、前記(2)の方法で、前記振幅からゆっくり歩く、早く歩く、走るといった歩行状態を認識し、次いで前記(3)でそのデータから歩行時の歩幅を推定し、その後に前記(4)で前記歩幅を積分することで、前記移動体の移動速度、すなわち歩行速度を推定する方法が示されている。さらに、前記先行技術の公報には、これらの方法により求めた歩行速度と、移動体の進行方向とから前記移動体の現在位置を推定する位置推定システムが開示されている。
【0004】
また、歩行者の歩幅を測定するシステムとして、例えば特開2000−249571号公報がある。この公報に開示されている技術は、歩幅推定装置および位置検出システムにおいて、歩行者の脚部に揺動角を検出するセンサを取り付け、そのセンサにより検出された揺動角に基づいて歩行者の足の角度変化からの歩幅推定による歩行者の位置検出システムである。
【0005】
また、特開平7−333000号公報がある。この公報の記載は、歩行者固有の歩幅ピッチに応じて自動的に歩幅を算出でき、正確な歩行距離および歩行平均速度を検出できる携帯用電子機器について開示がある。歩行者のピッチと歩幅の関係式を記憶しておいて、ピッチ算出手段により算出されたピッチに対応した歩幅を算出する技術について開示がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記先行技術で述べられている技術は、前記移動体、ことに歩行者の歩幅を推定して、前記移動体の移動速度、および移動距離を推定する方法が述べられている。それには、予め、多様な動作毎にそれぞれ前記歩幅を正確に求めておく必要がある。歩幅を正確に求めるためには、前記特開2000−249571号公報に記載されているように、歩行者の脚部に足の動きを測定する装置を装着し、また足の長さを正確に測るなどして、それらの測定結果から歩幅を測定するなどの方法が考えられる。しかしながらこのような方法では、脚部に取り付けた前記測定装置の影響で歩行者が不自然な動きをしてしまい、その人固有の正確な歩幅を測定することが困難である。
【0007】
また、地上に、歩行者の足の着地地点を計測するような装置を設置(あるいは埋設し)し、歩幅を測定するような方法も考えられる。しかし、この場合には歩行者に影響を与えることなく歩幅を測定することが可能であるが、装置が極めて大掛かりなものとなる問題がある。そして、特に複数の機会に複数の歩行者の歩幅を測定するような用途には適していない。
【0008】
前記の従来の方法によれば、様々な動作毎にそれぞれ正確に歩幅を求めておく必要があり、非常に手間がかかるという欠点がある。また、十分な精度で歩幅を測定することが難しい。したがって、前記歩行者の歩行速度、あるいは歩行距離を正確に求めることが困難になってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述したような問題点を考慮してなされたもので、計測が困難であり、かつ誤差も生じやすい歩幅の計測を行うことなしに、正確に移動体の移動速度、あるいは移動した位置を推定できる移動体の移動速度推定方法および移動位置推定方法を提供することを目的とする。また、本発明の移動速度推定方法および移動距離推定方法を用い、移動体の振動、あるいは変位情報を用いて前記移動体の現在位置を正確に推定する方法(いわば自立航法システム)、および前記の推定方法を用いたナビゲーションシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は以下の手段により解決することができる。
移動体の移動速度を推定する方法は、前記移動体の移動にともなう振動信号を検出し、前記検出された振動信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出し、予め記憶されている前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を用いて前記移動体の移動速度を推定し、前記移動体の移動速度を推定することに特徴がある。
【0011】
また、前記移動体の振動信号の検出は、前記移動体の上下方向の振動あるいは変位の加速度を検出し、前記検出された信号の振幅と前記移動体の移動周期を求め、前記移動体の速度を推定する、移動速度推定方法を構成すること。また、前記移動体の振動信号のうち、前記移動体の移動に関連している周波数帯域の信号から移動に関する振幅と周期を求める、移動速度推定方法を構成することにある。
【0012】
移動体の移動速度を推定するシステムは、前記移動体に取り付けられ前記移動体の移動にともなう振動信号を検出する振動信号検出手段と、前記検出された振動信号の振幅を検出する手段と、前記検出された振動信号から前記移動体の移動周期を検出する手段と、前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を予め記憶している記憶手段と、前記記憶手段の関係を用いて、前記移動体の移動速度を推定する移動体速度推定手段、を有することに特徴がある。
【0013】
また、前記移動体の振動信号検出手段は、前記移動体の上下方向の振動あるいは上下方向の変位の加速度を検出する加速度センサにより、移動速度推定システムを構成すること。また、前記移動体から検出された振動信号のうち前記移動に関連した周波数帯域の信号から移動に関する振幅と周期を検出するフィルタリング手段を有し、移動速度推定システムを構成することにある。
【0014】
移動体の位置を推定する方法は、前記移動体の移動にともなう振動信号と移動方向を検出し、前記検出された振動信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出し、予め記憶されている前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を用いて前記移動体の移動速度を推定し、前記推定された移動速度と前記検出された移動体の移動方向とから前記移動体の現在位置を推定することに特徴がある。
【0015】
また、前記検出された移動方向と前記推定演算された移動速度から前記移動体の現在位置を推定し、前記移動体が受信したGPS受信信号あるいは予め定められた位置に設置された発信装置からの信号により前記移動体の現在位置を算出し、前記移動体の推定された現在位置を初期化し、移動体の位置推定方法を構成することにある。
【0016】
移動体の位置を推定システムは、前記移動体の移動にともなう振動信号を検出する手段と、前記移動体の移動方向検出手段と、前記検出された振動信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出する手段と,前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を予め記憶している記憶手段と、前記記憶されている関係を用いて前記移動体の移動速度を推定する手段と, 前記推定された移動速度と前記検出された移動方向とから前記移動体の現在位置を推定することに特徴がある。
【0017】
また、前記移動体に設けられたGPS受信手段あるいは予め定められた位置に設置された発信装置からの信号の読み取り手段の信号に基づいて前記推定された前記移動体の現在位置の初期化をおこなう位置推定システムを構成する。
【0018】
移動体の振動信号を検出して前記移動体の移動速度あるいは移動位置を推定する前記移動体のナビゲーションシステムは、前記移動体に取り付けられ前記移動体の移動による振動を検出する振動検出手段と、前記移動体の移動方向を検出する移動方向検出手段と、前記振動検出手段による検出信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出する振幅および周期検出手段と、前記検出された振幅および周期と前記移動体の移動速度との関係を記憶している記憶手段と、前記検出された振動信号の振幅と周期から前記記憶手段に記憶された関係に基づいて移動速度を推定する移動速度推定手段と、前記推定演算された移動速度と前記検出された移動方向とから前記移動体の位置を推定する手段と、を具備したことに特徴がある。
【0019】
また、前記移動体が受信するGPSシステムからの信号あるいは予め定められた位置に設けられた発信装置からの信号に基づいて前記推定された移動体位置の初期化をおこなうナビゲ−ションシステムを構成することにある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における移動体の移動速度推定方法の第1実施例を、図1により説明する。図1において、本発明の移動体の速度推定方法は、移動体7の移動に伴う振動あるいは変位量を検出する移動体の検出手段1と、前記移動体の移動速度を特徴的に表す信号の周期性を検出する周期性検出手段2と、前記信号の周期性から移動により特徴的に現れる信号を取り出し、その振幅と周期を検出する振幅および周期検出手段3と、前記検出された振幅と周期から、前記移動体の移動速度を推定する移動速度推定手段4と、前記振幅と周期から移動速度を推定する関係式を記憶しておく記憶手段6から構成されている。そして、前記移動速度推定手段4で推定された速度5を出力する。
【0021】
ここでは、前記移動体の例として歩行者をとりあげ、その歩行移動速度すなわち歩行速度を求める場合の例について、詳細に説明する。
【0022】
前記移動体の振動あるいは変位量を検出する検出手段1は、前記移動体7、すなわち歩行者が移動する際の歩行に伴う変位や振動を検出するものである。例えば加速度センサやジャイロ等のセンサを用いることができる。
【0023】
前記歩行者の歩行に伴う振動検出の例として、歩行者の上下方向の振動、あるいは前後方向の振動を検出すること、また前記振動を3次元的にとらえて検出する手段を用いることもできる。一例として、前記移動体の振動、あるいは変位量を検出する検出手段1として、加速度センサを用いた場合について説明する。前記歩行者の上下方向の振動を検出する場合には、前記加速度センサを上下の加速度が検出できる向きに、前記歩行者に取り付ける。
【0024】
また前記加速度センサの歩行者への取り付け位置は、歩行状態を検出できる位置であり、また安定した波形が検出可能な位置として、歩行者の腰部への取り付けが有効である。人間の歩行時には、上下方向に明確でしかも振幅の大きい振動が発生するので、加速度センサを、歩行時の上下方向の振動を検出できる向きに取り付けて使用することで、歩行者の歩行に特徴的な振動波形を、容易に検出することができる。
【0025】
この他にも、前記歩行者の上下方向の振動を検出する手段として、ジャイロや高度計などのセンサを使用すること、あるいはそれらを併用して検出することも可能である。
【0026】
信号の周期性を検出する手段2では、前記移動体の振動あるいは変位量を検出する検出手段1により得られた波形から、前記移動体の移動による振動波形、すなわち移動速度を特徴的に表す信号の周期性を求める。移動体の移動速度を特徴的に表われている信号とは、例えば移動体が人間の場合、この振動信号は歩行周期を表わしている、と考えられる。
【0027】
歩行周期が早ければ速い歩きであることが推定され、移動速度が速くなることが予測される。また、人間以外の動物であっても同様のことが言える。さらに、車両であっても、路面からの振動の周期は速度が上がれば速くなるので同様に用いることができる。
【0028】
この周期性の検出の方法として、例えばフーリエ変換により前記加速度波形を周波数領域に変換する方法がある。また、信号の周期性を検出する手段2において周期性を検出する手段として、自己相関関係を利用する方法、あるいはウェーブレット変換等を利用することも可能であり、これらの処理により移動速度を特徴的に表わしている信号の、周期の候補を複数求めることができる。これが移動体の移動速度を特徴的に表す信号の候補となる。
【0029】
続いて、振幅および周期を検出する手段3において、前記信号の周期性を検出する手段2で求めた周期の候補の中から、移動に伴って現れる特徴的な周期成分の振幅と、周期を検出する。この振幅と周期の検出の方法として、例えば、前記先行技術、特開平10−113343号公報で述べられた、体動スペクトルから歩行周期とスペクトル強度を検出するような方法を用いて、振幅および周期を抽出する方法もある。
【0030】
ところで、前記加速度センサの取り付け具合や、歩行者の歩き方の癖によっては、移動に伴う本来の特徴を示す周期の成分の他に、ノイズ等による不適切な成分が大きく現れる場合が考えられる。そこで、振幅及び周期を検出する手段3において、移動に関連し得る周波数帯域以外の周波数成分を予めフィルタリング処理などの方法により取り除く処理は有効である。そして、残った帯域成分の中から、歩行に伴って現れたスペクトルを取り出し、その振幅と周期を取り出す方法を用いることが考えられる。このような方法によれば、ノイズ等に左右されず、より正確に必要な振幅および周期を取り出すことができる。このように、移動とは関連のない周波数帯域の成分を予め取り除いた後、残った成分の中から、移動に関連する振幅と周期を検出する本発明によれば、ノイズ等に左右されず、より正確に必要な振幅および周期を取り出せるという効果がある。
【0031】
その後、振幅と周期から移動速度を推定する手段4において、前記振幅および周期を検出する手段3で求めた前記振幅と前記周期とから、移動速度が振幅と歩行周期に依存すると仮定して移動体7の移動速度5を推定する。
この、前記振幅および前記周期と、前記移動速度の関係式は、前記振幅、および前記周期と前記移動速度の複数のポイントにおけるデータを利用して予め算出しておくもので、その関係式は、振幅および周期と速度の関係式の記憶手段6に記憶されている。
【0032】
前記のように、前記振幅および前記周期と前記移動速度の関係を求める一例として、移動体7の速度vと、検出された信号の振幅w、周期Tとの関係を、(1)式で表わすことができる。
v=f(w,T、)    ………(1)
【0033】
このように移動体7の移動速度vを、その信号の振幅wと周期Tの関数であると仮定し、前記したように振幅および周期と移動速度の関係式を重回帰分析等の手法を用いて求める。前記関係式(1)、すなわち、振幅および周期と速度との関係式を記憶手段6に一旦記憶し、前記振幅と周期から移動速度を推定する手段4で記憶していた式を用いて移動速度5を求める。
【0034】
この手法を、後述する図2においてより詳しく説明する。なお、移動速度が算出されれば、時間積分等の手法を用いることにより、その移動体7の移動距離を求めることは容易である。例えば(2)式により移動距離を求めることができる。
L=∫vdt       ………(2)
【0035】
なお、前記検出された信号の周期を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4は、マイコンやパーソナルコンピュータ、あるいは携帯型の端末などを用いて、ソフトウェアにより容易に実現可能である。移動距離についても同様である。また、移動体の振動あるいは変位量を検出する手段1のセンサからの信号を取り込むに際しては、A/D変換等を行い、マイコン等でデータとして扱えるデイジタル値に変換して用いる。
【0036】
また、前記振幅および周期と速度の関係式の記憶手段6は、マイコン等のメモリに数式、あるいは数式のパラメータを記憶する形で記憶できる。このようにすることにより、異なった複数の移動体7の移動速度を推定する必要がある場合であっても十分に対応できる。それは、それぞれの移動体7に適した数式あるいは数式上のパラメータを記憶しておく。そして、それぞれの移動体7に適した推定式を選択して用いることにより、移動速度あるいは移動距離を正確に推定することが可能である。
【0037】
このように、本実施例の移動速度推定方法によれば、移動に特徴的な周期性を表す波形の、振幅と周期とから、前記振幅および前記周期と、前記速度との関係式を用いて、直接的に移動速度を推定するようにしている。したがって、歩幅を求める困難さや、歩幅を求める際の誤差の影響により、推定する前記移動速度に誤差を生じてしまうようなことはなくなる。これが本発明の特徴のひとつである。
【0038】
このように、本発明によれば、移動に特徴的な周期性を表す波形の、振幅と周期とから、前記振幅及び前記周期と、前記速度との関係式を用いて、直接的に移動速度を推定するようにしたので、歩幅を求める困難さや、歩幅を求める際の誤差の影響により、推定する前記移動速度に誤差を生じてしまうような欠点を取り除く効果がある。
【0039】
図2は、前記図1で説明した前記振幅および周期と速度の関係式の記憶手段6に記憶される関係式を求める方法およびシステム(以下関係式構築システムと称す)の一実施例の構成を示す図である。
【0040】
図2において、前記関係式構築システムは、移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3により、前記移動体の移動距離を測定する、移動距離の計測手段201、前記移動距離を時間微分、あるいは時間で除算することにより前記移動体の速度を算出する微分手段203、前記速度と前記移動体の移動に特徴的な信号の振幅、および周期との関係式を求める、振幅および周期と速度の関係式を求める手段204、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6で構成される。
【0041】
このうち、移動体の振動、或いは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3については、前記図1で説明したものと同様である。
【0042】
移動距離の計測手段201は、移動体7の所定の位置からの移動距離を計測するもので、例えばレーザー測距器などを用いることができる。レーザー測距器を用いた場合、前記レーザー測距器からレーザー光202が照射されており、レーザー光が移動体7に当たって反射してくるまでの時間を測定することで移動体7までの距離を測定する。このようにレーザー測距器を用い、移動距離の計測手段201では、所定の時刻の間に移動体7がどのくらい移動したかを測定する。
【0043】
前記移動距離とその所要時間に基づいて、前記微分手段203では、例えば所要時間で移動距離を割るような方法で移動体7の速度を計算する。
振幅および周期と速度の関係式を求める手段204では、微分手段203から得られた速度と、振幅及び周期を検出する手段3で得られた振幅および周期の値からその速度と、振幅および周期の関係式を導き出す。
前記関係式の一例として、移動体7の速度v、振幅w、周期Tの関係を、前記(1)式のように表すことができる。
【0044】
それは、振幅wと周期Tの関数であると仮定し、得られた複数のデータの組から重回帰分析の手法を用いて、前記関係式を求める。その代表例は(3)式であらわすことができる。
v=(1/T)×(√w)×1.35)3/4………(3)
この関係式(3)によると、測定した値と本発明による推定速度との間に高い相関が得られた。
【0045】
このようにレーザー測距器を用いて前記移動体の移動距離を計測し、計測されたデータから前記移動体の速度を算出し、前記振幅、および周期との関係式を例えば前記のように重回帰分析の手法により求めることにより、その後はこの式を用いることによって、極めて正確な速度を容易に検出することができる。また、前記回帰分析の手法によれば、前記関係式をも正確に求めることが出来るという効果もある。この代表例の関係式を用い、図1に示した移動速度推定方法により推定した速度と、図2に示したレーザー測距器の計測結果に基づいて算出した実速度との比較を後述する図3においてより詳細に説明する。
【0046】
図2において、前記振幅、および周期と速度の関係を求める手段204で前記関係式を求める別の方法として、測定した前記速度と、前記振幅および前記周期との関係をテーブルの形で振幅、および周期と速度の関係式を記憶手段6に複数記憶しておき、それらのデータを用いて補完、あるいは予測する方法で、前記振幅と周期とから速度を推定するような方法を用いてもよい。
【0047】
このように前記速度と、前記振幅および周期との関係を求めて記憶しておき、その記憶されている関係式を用いて速度を算出するようにしたので、本発明の移動体の移動速度、および移動距離推定方法およびシステム、およびナビゲーションシステムによれば、困難な歩幅の測定をすることなく、移動体の移動速度を精度よく推定することが可能になる。
【0048】
以上説明してきたこのような測定を複数回行うことで、多様な動作における前記移動体の移動に特徴的な振動、あるいは変位と前記速度との関係を複数測定し、記憶させておくことができる。例えば歩行者の歩行速度の推定においては、ゆっくり歩く、早く歩く、走るといった様々な状態でそれぞれ歩行動作を行い、それぞれ上述のような測定を行えば、多様な歩き方においても、それぞれ正確な歩行速度の推定結果を導き出すことが可能となる。また、これはあらかじめ定められた距離を歩行者に歩いてもらえば、前記回帰分析手法により関係式を導き出すことができる。例えば30メートルほど歩行者に歩いてもらえれば、関係式を導きだすことができる特徴がある。
【0049】
さらに、複数の動作を連続して行い、前期移動体の動作における前記移動に伴う特徴的な振動、あるいは変位と前記速度との関係を複数組連続して測定し、それらを一連の動作として、重回帰分析等によりその関係をもとめるようにすれば、それら全ての動作に適応した関係式を求めることができるから、その関係式を用いることにより、前記移動体が様々な移動動作を行った場合でも、前記移動体の速度を正しく推定できるという効果が得られる。
【0050】
歩行者を例について説明すると、例えばゆっくり歩く、速く歩く、走るといった様々な歩き方を連続して行い、それらを一連の動作として認識して、その際の前記歩行者の歩行速度をともに計測し、歩行時の、歩行に特徴的な波形の振幅および周期を求めて、前記速度との関係式を求めるようにすれば、その関係式を用いて、歩行者がいかような歩き方をした場合でも、前記歩行者の様々な歩き方に常に適合して、歩行速度の正しい推定が可能になるという効果が得られる。
【0051】
図3はこのように様々なパターンで歩行した際の、歩行者の歩行に対して検出される特徴的な振動と、その時の速度を測定した例を示している。それらの関係を求めた後、前記振幅および周期を検出する手段6より得られた前記振幅と、前記周期から推定した速度302とレーザー測距器で検出した距離をもとに算出した速度301を比較したデータであり、複数の動作による移動を連続的に行い、一連のデータを用いて前記振幅及び前記周期と前記速度との関係を求め、その関係を用いて前記移動体の移動速度を推定した場合に、複数の移動の動作のパターンにおいて、それぞれ適切な速度推定が可能となっていることが分かる。
【0052】
図3は、本発明の移動体の移動速度および移動距離の推定方法を、歩行者に適用し、前記レーザー測距器で測定した歩行者の移動距離から移動速度を算出したものを正しい値として、本発明による方法で算出した前記歩行者の移動速度の、正確さの比較評価を行った結果を示すグラフである。
【0053】
図3に示した例では、歩行者が比較的に遅い歩行をした場合を303、少し遅めの歩行の場合を304、普通の歩行の場合を305、早足歩行の場合を306、駆け足の場合を307、と様々なパターンで連続的に歩行し、その際の本発明による移動体の移動速度の推定方法により推定した移動速度302と、同時に前記レーザー測距器により測定した前記歩行者の距離を微分して求めた速度301を、ともに前記グラフ上に示したものである。
【0054】
図3のグラフから分かるように、本発明の移動速度、および移動距離の推定方法により求めた速度が、多少の時間遅れを伴うものの、値としてはほぼレーザー測距器を用いて求めた正しい速度に極めて近い値となっていることがわかる。点線はレーザー測距器により求めた速度301を表し、実線は本発明による移動速度推定手段により推定した速度302を表している。このように図3に示した評価結果によっても、本発明の移動速度、および移動距離の推定方法の性能が確認できたことになる。
【0055】
図4は、前記図2で説明した関係式構築システムにおいて、複数の歩行者を対象にした場合でも、それぞれの歩行者毎に、前記振幅と、前記周期の関係式を保持し、また使用する歩行者に合わせて、的確に前記速度推定が出来るように工夫した実施例を示す構成図である。図4に示した構成によれば、前記図2で示した構成に加え、新たに登録ユーザ入力手段405が追加されている。これによって、図1におけるユーザごとの関係式を、記憶しておくことができる。
【0056】
前記登録ユーザ入力手段405では、本発明の関係式構築システムで前記振幅、および周期と速度の関係式を求める際、その関係式の対象となる移動体7の識別情報を入力し、前記関係式と前記移動体7とを関連付けて、前記振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6に記憶しておく。そうすることによって、複数の移動体7を対象に本発明を適用した場合であっても、それぞれの移動体7に対応した前記振幅、および周期と速度の関係式を記憶手段から読み出して用いることができる。すなわち、各移動体に適した移動速度の推定をすることができるようにした。図4の一点鎖線の部分201〜203については図2の場合と同じである。
【0057】
これにより、特徴の異なる複数の移動体7に使用した場合でも、それぞれの移動体7に適したより正確な移動速度の推定が可能になるという効果が得られる。すなわち、本発明を歩行者用のナビゲーションシステムに使用する場合、複数のユーザが使用しても、それぞれのユーザに適した正確な移動速度、あるいは移動距離を求め、個人、あるいは固体の個体差を吸収することができるから、正確な自立航法の実現を可能にする効果が得られる。
【0058】
図5は前記図2で説明した関係式構築システムにおいて、前記振幅、および周期に加えて、前記移動体の移動速度に影響を与えるようなユーザ固有のパラメータ情報(以下ユーザ情報と略す)を含めて、前記図2で説明した速度を求めるための関係式を求め、より正確な前記移動体の速度推定を可能にした実施例を示す構成図である。ここでも一点鎖線で示した部分(および1〜3)は図2の場合と同じである。
【0059】
図5のユーザ情報入力手段501では、速度を推定する移動体7の移動に関する特徴となる要素の値を入力する。例えば、歩行者の歩行速度を推定するような場合には、前記ユーザ情報入力手段501から入力する情報は、例えば歩行者の足の長さ、体重、性別、年齢、性格などである。
【0060】
振幅、および周期と速度の関係式を求める手段204では、前記振幅、前記周期に加え、前記ユーザ情報入力手段501で入力された足の長さ、体重等のユーザ情報をパラメータとして用い、これらと、前記微分手段203で得られた前記速度の関係から、前記図2等で説明したように、重回帰分析等の手法を用いて、振幅、および周期、および入力された前記ユーザ情報と、前記移動速度の関係式を求める。このように求められたその関係式は、振幅、および周期と速度の関係式として前記記憶手段6に記憶して、前記図1で説明したような移動体7の速度推定に使用する。
【0061】
この場合、速度を推定するには、前記振幅および周期を検出する手段3で求めた前記振幅、および周期に加え、ユーザ情報入力手段501から入力された各パラメータを用いて、前記移動体7の速度を推定する。
【0062】
このように、移動体7の特徴を示すパラメータを含めて前記移動体7の速度を推定するようにすることで、移動体7の特徴に合った、より正確な速度推定が可能になるという効果が得られる。
【0063】
図6は、例えばGPSのような人工衛星による測位システムを、前記移動体の絶対位置を知る検知手段として用い、それより前記移動体の移動速度を求め、その移動速度を用いて前記図2で説明した前記振幅、および周期と速度との関係式を求め、前記記憶手段6に記憶する。図6はGPSを用いた場合の、前記関係式構築システムの実施例を示す構成図である。前記人工衛星による絶対位置検知手段として、他にもグラナスやガリレオなどのシステムを用いることも可能である。
【0064】
図6において、前記関係式構築システムは、移動体の振動、あるいは変位量を検出する検出手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、GPS受信機602、位置および時刻算出手段603、時刻、および位置記憶手段604、速度算出手段605、振幅、および周期と速度の関係式を求める手段204、振幅、及び周期と速度の関係式の記憶手段6で構成される。
【0065】
このうち、移動体の振動、或いは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅および周期を検出する手段3については、前記図1で説明したものと同様である。また、振幅、および周期と速度の関係式を求める手段204、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6は前記図2で説明したものと同様であり、説明は省略する。
【0066】
図6の実施例では、GPS受信機602が設けられており、GPS衛星601からの信号を受信し、移動体7の絶対位置、および測位時の時刻を算出する。前記時刻は前記移動体7の位置情報を取得したタイミングを特定し、複数の前記位置と、位置の組み合わせから、前記移動体の速度を算出するために用いるとともに、前記速度で移動していたタイミングを検知し、前記移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1において、移動に特徴的な振動を検出したタイミングとの同期をとり、前記振幅、および周期と速度の関係式が正しく求められるように使用するものである。この時刻はGPSのシステム時刻を利用することも可能であるし、あるいは別途時計を設け、その時刻を利用してもよい。
【0067】
前記のように、GPS等による絶対位置測定結果から、前記移動体の移動速度を算出するため、該移動体7の位置、および時刻は適当なタイミングで時刻、及び位置記憶手段604に出力され、一旦記憶される。速度算出手段605では、前記時刻、及び位置記憶手段604に記憶された時刻と位置の複数の組み合わせから、その時点の速度を算出する。
【0068】
また、移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1にも、前記位置および時刻算出手段603から時刻が入力されており、これにより前記移動体の振動、あるいは変位量を検出したタイミングと前記移動体の速度を算出したタイミングが、データ上において同期がとれるようしている。
【0069】
振幅、及び周期と速度の関係式を求める手段204では、前記速度算出手段605で求めた前記速度と、それに対応した、すなわち速度を計測したタイミングと同じタイミングに前記振幅及び周期を検出する手段において取得した振幅及び周期のデータの組み合わせから、前記図2で説明した方法と同様に、関係式を求め、振幅、および周期と速度の関係式を記憶手段6に記憶する。
【0070】
このように図2あるいは図3の実施例に示したような方法で振幅、及び周期と速度の関係式を求める関係式構築システムによれば、例えば位置取得手段としてGPS受信機を具備した歩行者用ナビゲーション装置に本発明を適用すれば、新たに移動速度、或いは移動距離の測定手段を設けることなく、簡潔な構成で前記移動体の移動に特徴的な振動、或いは変位と前記速度との関係を求めることができ、その関係式を用いることで、前記移動体の、移動に特徴的な振動、あるいは変位から、前記移動体の速度を容易に推定可能になるという効果が得られる。また、図6のようにGPS信号が得られる場合は、例えば前記(3)式の関係式を定期的にあるいは特定の時期にチェック修正できるから、より精度の高い関係式による移動体の速度あるいは移動距離の推定ができる効果がある。
【0071】
図7は前記図2で説明した振幅、及び周期と速度の関係式を求める手段において、発信装置701による絶対位置信号を用いて関係式を求める場合の例を示している。前記速度を、発信装置からの信号の読み取りにより検出した絶対位置を用いて導き出し、その速度と、前記振幅、および周期との関係式を求める前記関係式構築システムの実施例を示す構成図である。発信装置701は予め定められた位置に埋設される形式をとる場合が多いから、発信装置701からの信号データを用いて関係式を導き出す方法をとることができる。また位置情報に関しては、発信装置の設置位置のIDなどを読み出すことによっておこなわれる。
【0072】
図7において、前記関係式構築システムは、移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、発信装置701、発信装置からの信号読取手段702、発信装置の位置情報記憶手段704、現在位置算出手段703、時計705、時刻、及び位置記憶手段604、速度算出手段605、振幅、及び周期と速度の関係式を求める手段204、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6で構成される。
【0073】
このうち、移動体の振動、或いは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3については、前記図1で説明したものと同様である。また、振幅、及び周期と速度の関係式を求める手段204は前記図2で説明したものと同様である。
【0074】
図7に示した関係式構築システムでは、移動体7の位置を取得するために、例えば地面に設置された発信装置701などを用いる。発信装置701として、例えばICチップなどが埋め込まれた無線タグなどを使用することができ、発信装置読み取り手段702を接触、あるいは接近させることで、無接触で発信装置に記憶された様々な情報を読み出すことができる。本実施例では、発信装置701にはIDが記憶されており、発信装置読み取り手段702によって当該IDが読み出されることになる。
【0075】
現在位置算出手段703では、発信装置読み取り手段702で読み出した発信装置のIDを、発信装置の位置情報記憶手段704に記憶されたデータベースと比較し、検出した発信装置の位置を取得する。なお、ここで、その時の前記位置と、時計705から得られた時刻とを時刻、及び位置記憶手段604に記憶する。ここで、発信装置701及び発信装置読み取り手段702は、移動体7の位置を特定できるものであればよく、他にも発信装置やIDの印刷されたカードやバーコードなどを使用することも可能である。
【0076】
前記時刻、及び位置記憶手段604は、図6で説明した機能と同様のもので、複数の時刻と位置の組み合わせを記憶しておき、速度算出手段605において、例えば位置の差分を時刻の差分で割るような方法で、その時点の速度を算出する。振幅、および周期と速度の関係式を求める手段204では、図2で説明したのと同様に複数の速度と振幅、および周期の組み合わせから、重回帰分析等の手法を用いて振幅、及び周期と速度の関係式を求める。
【0077】
前記で求めた振幅、及び周期と速度の関係式は、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6に記憶し、前記図1で説明した移動体7の移動速度、あるいは移動距離の推定に用いられる。
【0078】
このように、発信装置の信号を用いて絶対位置を検出し、それより前記移動体7の移動速度を算出して、前記振幅、及び周期と速度の関係式を求める手段204により前記振幅、および前記周期と速度の関係式を求める本発明の関係式構築システムによれば、例えば、予め無線タグなどが埋め込まれた地域でナビゲーション装置として使用している間に、特別に移動体の速度を計測するための装置を用意することなく、簡単に前記振幅、及び周期と速度の関係式を求めることが出来るという効果がある。
【0079】
前記実施例によると、発信装置が設置されている地域で使用した場合に、発信装置からの信号を受信したタイミングで、推定された前記移動体の現在位置を正しい位置に初期化することが可能であり、速度の推定や進行方向の誤差により位置の推定に誤差が蓄積される場合でも、発信装置からの信号の受信の頻度に応じて正しい位置に初期化を行うことができ、推定位置の誤差を小さく抑えることが出来るという効果を有する
図8は本発明による他の実施例を示している。これは移動体の速度推定方法を用いて、移動体7の位置を把握する移動体位置検出システムの実施例を示す構成図である。図8において、該移動体位置検出システムは移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4、振幅、及び周期と速度の関係式の記憶手段6、方向検出手段801、速度と方向から位置を算出する手段802、位置初期化手段803で構成される。
【0080】
このうち、前記移動体の振動、或いは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6は前記図1の速度推定の実施例で示した構成と同様である。方向検出装置601は、移動体7の進行方向を知るためのもので、例えば地磁気センサ等を用いることができる。移動体7が歩行者の場合、移動の方向とほぼ同一であり、また安定した値が得られる方法として、前記方向センサは歩行者の腰部に取り付けるのが良い。他にも、方向検出装置801として、地上に設けられた電波等の強さを検出して移動の方向を検出するセンサや、ジャイロ等様々なものが考えられる。
【0081】
速度と方向から位置を算出する手段802では、前記方向検出手段801で得られた移動体7の進行方向と、前記振幅と周期から移動速度を推定する手段4において得られた移動体7の速度を用いて、現在位置からの移動量を積分(計算上は加算)していき、漸次現在位置を推定し、記憶していく。その現在位置804は他の手段に出力し(例えば802)、利用することも可能である。位置初期化手段803は、予め定められた所定の条件になると、前記速度と方向から位置を算出する手段802が記憶している現在位置を、所定の位置で初期化する。この所定の位置として、例えば発信装置などにより絶対位置が検出された際に、この絶対位置を所定の位置として、初期化に用いるなどが考えられる。これについては、後述する図9、あるいは図10の実施例で具体的に説明する。
【0082】
図8に示したような移動体位置検出システムでは、推定した速度の誤差や移動体7の進行方向の誤差によって算出される現在位置に次第に誤差が蓄積し、正しい位置から次第に外れてしまう問題点がある。しかしながら、前記位置初期化手段803を設け、所定のタイミングで前記移動体7の現在位置を初期化することにより、蓄積された前記誤差が修正され、正しい初期位置として再度、現在位置を推定していくことが可能になるという効果がある。図8において、前記各手段の間のやりとりを信号の入出力として説明をしたが、これらは全てマイコン、あるいはパソコン等のソフトウェアとしても実現可能である。
【0083】
図9は、前記図8で説明した移動体位置検出システムにおいて、無線タグなどの発信装置からの信号を読み取ることにより絶対位置を検出する。図9はその絶対位置で、前記推定する現在位置を初期化することにより、誤差の蓄積をなくし、より高い精度の位置推定ができる移動体の位置推定システムの実施例を示す構成図である。
【0084】
図9において、前記移動体位置検出システムは移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅および周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6、発信装置701、発信装置からの信号読み取り手段702、現在位置算出手段703、発信装置の位置情報記憶手段704、方向検出手段801、速度と方向から位置を算出する手段802、位置初期化手段803で構成される。
【0085】
このうち、移動物体の振動、あるいは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4、振幅、および周期と速度の関係式の記憶手段6は、前記図1の速度推定の実施例で示した構成と同様である。また、発信装置701、発信装置読み取り手段702、現在位置算出手段703、発信装置の位置情報記憶手段704は、発信装置からの信号を読み取り手段702において発信装置の信号を検出した際に、発信装置に記録された情報から移動体7の位置を得るものであって、前記図7において説明した構成と同様のものである。もちろん、発信装置以外にも発信装置や判別可能なマーカー、バーコード等でも同様に実現可能である。
【0086】
そして、位置情報選択手段では、前記発信装置701からの信号を読み取り手段702で読み取り、発信装置の位置情報記憶手段704により現在位置を求め位置情報選択手段902に入力される。選択手段902では前記移動体の推定速度と方向検出手段801により検出された方向とから推定された位置と、発信装置701の信号から算出された位置のどちらを現在位置とするかの選択手段である。
【0087】
方向検出装置801は、移動体7の進行方向を知るためのもので、例えば地磁気センサ等を用いることができる。移動体7が歩行者の場合、移動の方向とほぼ同一であり、また安定した値が得られる方法として、前記方向センサは歩行者の腰部に取り付けるのが良い。他にも、方向検出装置801として、地上に設けられた電波等の強さを検出して移動の方向を検出するセンサや、ジャイロ等様々なものが考えられる。
【0088】
速度と方向から位置を算出する手段802では、前記方向検出手段801で得られた移動体7の進行方向と、前記振幅と周期から移動速度を推定する手段4において得られた移動体7の速度を用いて、現在位置からの移動量を積分(計算上は加算)していき、漸次現在位置を求め、記憶していく。前記現在位置804は他の手段に出力し、利用することも可能である。
【0089】
位置初期化手段803には前記図8で説明したものと同様の働きをするもので、前記現在位置算出手段703からの信号が入力されるようになっており、前記発信装置読み取り手段702において発信装置701の情報が読み込まれ、これより現在位置が算出された時点で、前記速度と方向から位置を算出する手段802が記憶している現在位置を、前述のように発信装置から得た位置で初期化する。すなわち発信装置から算出した位置に置き換えるように信号を出力する。これは位置初期化手段803を用いておこなわれる。
【0090】
図9において説明してきたような移動体位置検出システムでは、無線タグ等の発信装置が設置されている地域で使用した場合に、発信装置を受信したタイミングで、推定された前記移動体の現在位置を正しい位置に初期化することが可能であり、速度の推定や進行方向の誤差により位置の推定に誤差が蓄積された場合でも、発信装置の受信の頻度に応じて正しい位置に初期化を行うことができ、推定位置の誤差を小さく抑えることが出来るという効果を有する。
【0091】
図10は本発明の他の実施例を示す。前記図8で説明した移動体位置検出システムに加え、GPSなどの人工衛星を利用した測位システムにより絶対位置を検出し、その絶対位置で、前記推定中の現在位置を初期化することを特徴とする移動体検出システムの実施例の構成を示した図である。図10において、前記移動体位置検出システムは移動体の振動、あるいは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4、振幅、及び周期と速度の関係式の記憶手段6、GPS601、GPS受信手段602、現在位置算出手段1001、方向検出手段801、速度と方向から位置を算出する手段802、位置初期化手段803、位置情報選択手段902で構成される。
【0092】
このうち、移動体の振動、或いは変位量を検出する手段1、信号の周期性を検出する手段2、振幅及び周期を検出する手段3、振幅と周期から移動速度を推定する手段4、振幅、及び周期と速度の関係式の記憶手段6は前記図1の速度推定の実施例で示した構成と同様である。また、GPS受信手段602は前記図6で説明したものと同様で、GPS601の信号を受信し、移動体7の位置を検出する。方向検出手段801は前記図6で説明したものと同様で、移動体7の移動方向を検出する。
【0093】
さらに速度と方向から位置を算出する手段802についても前記図8において説明したものと同様であり、推定された前記移動体の速度と方向とから、移動体7の現在位置を漸次算出し記憶するものである。位置初期化手段803は、GPS受信手段602において、GPS601の信号を受信し、移動体7の正しい位置が算出された際に、速度と方向から位置を算出する手段802の記憶している位置を、GPS受信手段で取得した正しい位置に初期化する。
【0094】
このように構成したことで、図8の場合と同様、GPS601の信号を受信できた場合には、推定した速度や方位等の誤差が集積し、記憶している前記移動体7の位置に誤差が生じている場合でも、正しい位置に修正し、その後の自立航法では、上記の正しい位置からの移動量を積分して位置を推定していくことが可能となり、より高精度な移動体位置検出が可能になる効果がある。
【0095】
図10において、位置情報選択手段902には、前記GPS受信手段602により検出した移動体7の位置と、前記速度と方向から位置を算出する手段802で推定した位置の両方が入力されており、適切な方の位置を選択して出力することができる。例えば、GPS601の信号が受信可能な状態のときには、GPS受信手段602からの位置を、受信不可能となった場合に前記速度と方向から位置を算出する手段802で推定した位置を現在位置804として出力するようにすれば、常に可能な限り正確な位置を出力できるという効果があり、本発明をナビゲーション等に利用するような場合には極めて有効である。
【0096】
図9、図10を通して、本発明の前記移動体位置推定システムと前記発信装置あるいは本発明の前記移動体位置推定システムと前記人工衛星を利用した測位システムとを組み合わせたハイブリッド位置検出システムについて説明してきたが、前記移動体位置推定システムと前記発信機、前記人工衛星を利用した測位システムの3つの位置検出手段を備えたハイブリッド位置検出システムについても、考慮することが可能である。
【0097】
このような位置検出システムによれば、例えば屋外のGPS衛星からの信号を受信可能なエリアでは、GPS測位システムにより移動体の位置を検出する。また、前記移動体位置推定システムが記憶している位置を初期化し、また地下街などで前記発信装置などが設置されているエリアでは発信装置からの信号を利用して前記移動体の位置を検出する。そして、前記位置で前記移動体位置推定システムが記憶している位置を初期化し、さらにそれらの測位が不可能なエリア、あるいは位置が検出される間のエリアにおいては、本発明の移動体位置推定システムにより、前記移動体の位置を推定することが出来る。このように、それぞれのケースにおいて適した方法に切り換えて、前記移動体の位置検出を行うことが出来るという特徴がある。
【0098】
このように、GPS等の人工衛星の信号を受信し、測位できた場合には、推定した速度や方位等の誤差が集積し、記憶している前記移動体の位置に誤差が生じている場合でも、正しい位置に修正され誤差の蓄積分がリセットされ、その後の自立航法では、上記の正しい位置からの移動量を積分して位置を推定していくことが可能となり、より高精度な移動体位置検出ができる効果がある。
【0099】
図11は前記図10と同様の構成に、自立航法の動作制御手段1101を追加し、前記動作制御手段により、前記移動体の速度を検出するための機能1102が不要な状況では、これらの動作を停止させるようにした実施例の構成図である。図11において、例えば前記GPS受信手段602で得られた位置情報を使用している間、例えば図に1102で示した前記移動体の速度を検出するための機能は不要である。そこで、本発明の移動体位置検出システムでは、GPSなど、他の情報により前記移動体の速度、あるいは位置推定をする必要がない場合には速度、あるいは位置推定のための機能1102の働きを停止できるように構成した。このことにより、本発明の移動体位置検出システムでは、移動体の速度推定が不要な間、不必要な機能を停止し、その結果として、システムが消費する消費電力を抑制し、あるいはシステムが発生するノイズを低減できるような効果がある。
【0100】
図12は地磁気のずれを説明するための説明図である。いま、仮に図12の縦方向の経路がちょうど南北の方向に向いており、上側がN極、すなわち真北方向、下側がS極すなわち真南の方向であったとする。ここでこの経路上を上から下に向かって進みながら、各地点の地磁気の方位を計測する。はじめの地点A1203において、周囲に地磁気を乱すようなものがない場合、測定された地磁気1209はおおむね方位と等しく、上側が北として示されている。しかし、地点B1204、地点C1205と進んでいくに従って、磁気を帯びた物体1201の影響を受け、測定される地磁気の方向は地磁気1210、地磁気1211と次第に東方向を指し示すようになってきているのが分かる。
【0101】
このように、前記移動体の方向を知るために地磁気センサを使用した場合、例えば磁石、鉄、電磁気の発生施設など、時期に影響を及ぼす物体があると、その影響を受け、正しい方位を計測することが出来なくなり、正しい方位との間に誤差を生じてしまう。
【0102】
同様に、地点X1206、地点Y1207、地点X1208と進むに従って、今度は物体1202の影響で計測される地磁気の方位が方位1212、方位1213、方位1214という風に次第に西向きに歪み、上記の方位1209、方位1210、方位1211の場合とは逆の値の誤差が生じているのがわかる。
【0103】
このように、前記図8から図11で説明したような前記方向検出手段801に地磁気センサを使用した場合、絶対方位を容易に検出できるという点でメリットがあるものの、磁気的な影響を及ぼす物体がある場合には実際の方位と誤差を生じてしまい、ひいては前記速度と方向から位置を算出する手段による位置の算出結果に誤差を生じ、正しい位置を検出できなくなるという欠点がある。
【0104】
図13は前記図12で示された問題点に鑑みてなされた前記移動体位置検出システムの実施例の構成を示す構成図である。図13に示した構成は、前記図9に示した構成に、真の方向算出手段1302、地磁気のずれ情報記憶手段1301を追加したもので、例として前記方向検出手段801に地磁気センサを用い、該センサで検出した方位から、各地点における地磁気のずれを補正し、正しい方位を得る効果を得るものである。
【0105】
図13において、真の方向算出手段1302は、前記方向検出手段801で検出された移動体の方向から前記図8で説明したような地磁気の歪みによる誤差を取り除くための手段である。地磁気のずれ情報記憶手段1301には、表1に示したように各地点1400の座標1401、及びそれらの地点における実際の方位からの地磁気のずれ1402が例えば角度で表現されて記憶されている。
【0106】
【表1】
Figure 2004085511
【0107】
前記真の方向算出手段1302には、本移動体位置検出システムで随時検出している移動体の位置804が入力されており、前記地磁気のずれ情報記憶手段1301に記憶されたデータの中から現在位置の地磁気のずれ1402の情報を取り出し、前記方向検出手段801で検出された移動体の方位から、前記地磁気のずれの値を引くことで、その地点における地磁気のずれによる方向の誤差の影響を取り除くことができる。
【0108】
また、もし地磁気のずれ情報記憶手段に、前記現在位置に対応するずれ情報がなかった場合でも、当該位置付近の複数の位置における地磁気のずれ1402を用いて、補間などの手法を用いてずれ情報を得ることが可能である。
このように、本発明では地磁気の真の方位に対するずれ情報を予め記憶しておき、移動体の移動方向を検出する際に、前記地磁気のずれ情報を用いて値を補正して用いるようにしたため、地磁気の歪んだ場所においても、正確に移動体の移動方向を検出することが可能となり、正確な移動体位置検出システムを実現できるという効果がある。
【0109】
図13に示した実施例では、前記地磁気のずれの情報を、発信装置701に対応させた形で地磁気のずれ情報記憶手段1401に記憶させて利用したが、座標等に対応させて記憶させておけば、GPSやマーカーなどで位置情報を得るような移動体位置検出システムでも同様に構成することが可能である。
或いは、前記地磁気のずれ情報記憶手段1301のような記憶手段を設けずに、発信装置などに直接地磁気のずれの情報を記録しておき、読み出して使用する方法でも同様の効果が得られる。
【0110】
図14は歩行者ナビゲーションの場合の例を示している。歩行者7が歩行による振動あるいは変位量を検出する手段1を身につけている。この信号を処理する2,3,4そして記憶手段6は図1と同じである。速度と方向から位置を算出する手段802は図11と同様に振幅と周期から移動速度を推定する手段4からの信号あるいは方向検出手段801からの信号あるいはGPSからの信号により位置の初期化を行う位置初期化手段803からの信号を入力し、移動体7の位置を算出する。
【0111】
位置情報選択手段902では位置算出手段からの位置情報と、GPSからの信号受信手段602からの信号による現在位置算出手段1001からの位置情報のいずれかを選択する手段である。そして得られた現在位置情報から目的地への経路指示情報を受信器50に送信する。GPSから得られている位置情報を選択したような場合は、より精度の高い位置情報あるいはそれに基づく経路指示を行うことができる。また、方向検出手段801から方向情報が得られているときは、速度情報と組み合わせることによって、より精度の高い位置情報が得られる。また、絶対位置を表す発信装置が設けられている場合についても同様に精度のいい経路指示を行うことができる。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、その移動体の移動に特徴的な検出信号の振幅と周期から移動速度あるいは移動位置を推定しているので、速度推定における歩幅を求める困難さや、歩幅を求める際の誤差のない、移動状態を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動速度推定方法の基本的な構成を示すブロック図である。
【図2】前記図1で説明した振幅及び周期と速度の関係式を求めるシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明による移動体の推定移動速度と、レーザー測距器で測定した速度を比較した比較のグラフである。
【図4】本発明を複数の歩行者が使用した場合の関係式構築システムの構成を示すブロック図である。
【図5】移動に関連するパラメータを追加して、より精度良く速度を推定することの出来る実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】人口衛星による測位システムとの併用における関係式構築システムの実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】振幅、及び周期と速度の関係式と、発信機による絶対位置を用いて導き出し前記関係式を求める実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明による移動体の速度推定方法と、方向を検出するセンサの併用システムの実施例を示すブロック図である。
【図9】無線タグなどの発信装置を読み取ることにより絶対位置を検出する移動体検出システムの実施例の構成を示したブロック図である。
【図10】GPSなどの測位システムにより現在位置を初期化する実施例の構成を示したブロック図である。
【図11】自立航法の動作制御手段を用いた実施例の構成を示したブロック図である。
【図12】地磁気のずれを説明するための説明図である。
【図13】地磁気のずれに影響されずに、移動体の位置を正しく推定することの出来るシステムの実施例の構成を示すブロック図である。
【図14】歩行者ナビゲーションの例を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1;移動体の振動或いは変位量を検出する手段 2;信号の周期性を検出する手段 3;振幅及び周期を検出する手段 4;振幅と、周期とから移動体の移動速度を推定する手段 6;振幅、及び周期と速度の関係式の記憶手段 50;受信器 405;登録ユーザ入力手段 501;ユーザ情報入力手段 601;GPS衛生 602;GPS受信手段 701;発信機 801;方向検出手段
905;現在位置、経路指示手段。

Claims (12)

  1. 移動体の移動速度を推定する方法において、前記移動体の移動にともなう振動信号を検出し、前記検出された振動信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出し、予め記憶されている前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を用いて前記移動体の移動速度を推定し、前記移動体の移動速度を推定することを特徴とする移動体の移動速度推定方法。
  2. 請求項1において、前記移動体の振動信号の検出は、前記移動体の上下方向の振動あるいは変位の加速度を検出し,前記検出された信号の振幅と前記移動体の移動周期を求め,前記移動体の速度を推定することを特徴とする移動体の移動速度推定方法。
  3. 請求項1において、前記移動体の振動信号のうち、前記移動体の移動に関連している周波数帯域の信号から移動に関する振幅と周期を求めることを特徴とする移動体の移動速度推定方法。
  4. 移動体の移動速度を推定するシステムにおいて、前記移動体に取り付けられ前記移動体の移動にともなう振動信号を検出する振動信号検出手段と、前記検出された振動信号の振幅を検出する手段と、前記検出された振動信号から前記移動体の移動周期を検出する手段と、前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を予め記憶している記憶手段と,前記記憶手段の関係を用いて前記移動体の移動速度を推定する移動体速度推定手段、を有することを特徴とする移動体の移動速度推定システム。
  5. 請求項4において、前記移動体の振動信号検出手段は、前記移動体の上下方向の振動あるいは上下方向の変位の加速度を検出する加速度センサであることを特徴とする移動体の移動速度推定システム。
  6. 請求項4において、前記移動体から検出された振動信号のうち前記移動に関連した周波数帯域の信号から移動に関する振幅と周期を検出するフィルタリング手段を有することを特徴とする移動体の移動速度推定システム。
  7. 移動体の位置を推定する方法において、前記移動体の移動にともなう振動信号と移動方向を検出し、前記検出された振動信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出し、予め記憶されている前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を用いて前記移動体の移動速度を推定し、前記推定された移動速度と前記検出された移動体の移動方向とから前記移動体の現在位置を推定することを特徴とする移動体の位置推定方法。
  8. 請求項7において、前記検出された移動方向と前記推定演算された移動速度から前記移動体の現在位置を推定し、前記移動体が受信したGPS受信信号あるいは予め定められた位置に設置された発信装置からの信号により前記移動体の現在位置を算出し、前記移動体の推定された現在位置を初期化することを特徴とする移動体の位置推定方法。
  9. 移動体の位置を推定システムにおいて、前記移動体の移動にともなう振動信号を検出する手段と、前記移動体の移動方向検出手段と、前記検出された振動信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出する手段と,前記移動体の振動信号の振幅と移動周期と移動体の移動速度との関係を予め記憶している記憶手段と、前記記憶されている関係を用いて前記移動体の移動速度を推定する手段と, 前記推定された移動速度と前記検出された移動方向とから前記移動体の現在位置を推定することを特徴とする移動体の位置推定システム。
  10. 請求項9において、前記移動体に設けられたGPS受信手段あるいは予め定められた位置に設置された発信装置からの信号の読み取り手段の信号に基づいて前記推定された前記移動体の現在位置の初期化をおこなうことを特徴とする移動体の位置推定システム。
  11. 移動体の振動信号を検出して前記移動体の移動速度あるいは移動位置を推定する前記移動体のナビゲーションシステムにおいて、前記移動体に取り付けられ前記移動体の移動による振動を検出する振動検出手段と、前記移動体の移動方向を検出する移動方向検出手段と、前記振動検出手段による検出信号からその振幅と前記移動体の移動周期を検出する振幅および周期検出手段と、前記検出された振幅および周期と前記移動体の移動速度との関係を記憶している記憶手段と、前記検出された振動信号の振幅と周期から前記記憶手段に記憶された関係に基づいて移動速度を推定する移動速度推定手段と、前記推定演算された移動速度と前記検出された移動方向とから前記移動体の位置を推定する手段と、を具備したことを特徴とする移動体のナビゲーションシステム。
  12. 請求項12において、前記移動体が受信するGPSシステムからの信号あるいは予め定められた位置に設けられた発信装置からの信号に基づいて前記推定された移動体位置の初期化をおこなうことを特徴とする移動体のナビゲーションシステム。
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