JP2004085253A - 力検知装置とそれに使用され得る半導体ブロックの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を提供すること
【解決手段】本発明に係る力検知装置10は、抵抗部40が突出して設けられている力検知ブロック22と、力伝達ブロック30とを備え、力伝達ブロック30に作用した力を抵抗部40の抵抗値変化から検知する。この力検知装置10には、抵抗部40より低い突出部50が設けられている。そして、その突出部50が、力伝達ブロック30に作用する力がゼロからW1までの間は力伝達ブロック30と突出部50との接触面積がゼロとなり、力伝達ブロック30に作用する力がW1からW2までの間は力伝達ブロック30と突出部50との接触面積がS1となり、力伝達ブロック30に作用する力がW2以上では力伝達ブロック30と突出部50との接触面積がS1より大きいS2となるように、複数設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る力検知装置10は、抵抗部40が突出して設けられている力検知ブロック22と、力伝達ブロック30とを備え、力伝達ブロック30に作用した力を抵抗部40の抵抗値変化から検知する。この力検知装置10には、抵抗部40より低い突出部50が設けられている。そして、その突出部50が、力伝達ブロック30に作用する力がゼロからW1までの間は力伝達ブロック30と突出部50との接触面積がゼロとなり、力伝達ブロック30に作用する力がW1からW2までの間は力伝達ブロック30と突出部50との接触面積がS1となり、力伝達ブロック30に作用する力がW2以上では力伝達ブロック30と突出部50との接触面積がS1より大きいS2となるように、複数設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力検知装置に関する。また、力検知装置に使用される半導体ブロックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】力検知装置の中には、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、その所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備えるものがある。この装置は、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する。この力検知装置のように抵抗部を突出させることによって、第2ブロックに作用した力が抵抗部にそのまま伝わる。このため、抵抗部の抵抗値変化を感度良く測定できる。しかしながら、その反面、第2ブロックに大きな力が作用した場合に抵抗部が破損してしまうといった問題がある。この点に鑑みて、上記した所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられる場合がある(特許文献1参照)。この構成の場合、大きな力が作用して第2ブロックが撓むと、第2ブロックと突出部が接触する。このため、過大な力が抵抗部に作用することが抑制され、抵抗部の破壊が防止される。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−271363号公報(第7図、第8図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許文献1の力検知装置では、より大きい力が作用して、突出部と接触した後もなお第2ブロックが撓むと、第2ブロックと上記の所定面が接触する場合がある(このとき第2ブロックに作用する力をWpとする)。この場合、作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと上記の所定面との接触面積が徐々に大きくなる。このとき、抵抗部に作用する力は第2ブロックに作用する力に比例しない。第2ブロックと上記の所定面の接触面積が徐々に大きくなるために、その接触面積の変化が抵抗部に作用する力に影響するからである。抵抗部に作用する力が第2ブロックに作用する力に比例しない範囲では、力を精度良く検知することができない。従って上記の力検知装置では、Wpより大きい力を精度良く検知できない。このため、Wpより大きい力は力検知装置の検知範囲外となる。力を精度良く検知できる範囲は広い方が良い。
突出部の頂面を大きく設定することで、第2ブロックと上記の所定面が接触するために必要な力を大きくできる(即ちWpを大きくできる)。従って、突出部の頂面を大きく設定することで力の検知範囲を広くできるように思われる。しかしながら突出部の頂面を単に大きくしても、作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと突出部との接触面積が徐々に大きくなる範囲ができる。即ち突出部の頂面を単に大きく設定すると、Wpを大きくすることはできるが、Wp以下の範囲において検知精度の低い範囲が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を提供することを目的とする。
また、上記構成の力検知装置に使用され得る半導体ブロックを簡単に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】上記課題を解決するために創作された請求項1に記載の発明は、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、上記の所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備え、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する装置である。この力検知装置には、上記の所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられている。そして、第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量(W1)までの間は第2ブロックと突出部との接触面積がゼロとなり、第2ブロックに作用する力が第1所定量(W1)から第2所定量(W2)までの間は第2ブロックと突出部との接触面積が第1所定値(S1)となり、第2ブロックに作用する力が第2所定量(W2)以上では第2ブロックと突出部との接触面積が第1所定値(S1)より大きい第2所定値(S2)となるように、突出部が複数設けられている。
この力検知装置には、突出部が複数設けられている。ここでいう「複数」とは、突出部のピークが複数あることを意味している。例えば、突出部自体は一つの物体で形成されているとしても、その突出部に2つ以上のピークがあれば、ここでいう「複数」に該当する。
また突出部は、第1ブロックに外付けされたものでも良いし、第1ブロックの所定部分が突出したものでも良い。
【0007】
本発明者らは、上記のような複数の突出部を力検知装置に設け、第2ブロックと突出部の接触面積を段階的に増加させ、第2ブロックと突出部の接触面積が徐々に大きくなる範囲ができないようにすることで、Wp(第2ブロックが第1ブロックの上記所定面に接触し始める時に第2ブロックに作用する力)を大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知できるようにすることに成功した。
本発明によると、作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を実現し得る。
【0008】
また上記の力検知装置において、第2ブロックに作用する力が第2所定量(W2)から第3所定量(W3)までの間は第2ブロックと突出部との接触面積が第2所定値(S2)となり、第2ブロックに作用する力が第3所定量(W3)以上では第2ブロックと突出部との接触面積が第2所定値(S2)より大きい第3所定値(S3)となるように、突出部がさらに設けられていても良い(請求項2)。
このような構成にすると、Wpをより大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知し得る。従って、作用した力をより広い範囲で精度良く検知し得る。
【0009】
また本発明の技術は、別の表現で定義できる(請求項3)。即ち、請求項3に記載の発明は、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、上記の所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備え、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する装置である。この力検知装置には、上記の所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられている。そして、第2ブロックに作用する力を横軸にとり抵抗部の抵抗値変化を縦軸にとった場合に以下の3本の直線、即ち、
直線1;第1所定値(a1)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量(W1)までの間)、
直線2;第1所定値(a1)より小さい第2所定値(a2)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第1所定量(W1)から第2所定量(W2)までの間)、
直線3;第2所定値(a2)より小さい第3所定値(a3)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第2所定量(W2)から第3所定量(Wp)までの間、但し第3所定値(a3)>0)、
からなる折れ線を含むグラフになるように、突出部が複数設けられている。
【0010】
作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと突出部の接触面積が徐々に大きくなる範囲では、抵抗値変化を示すグラフが曲線になる。一方、第2ブロックと突出部の接触面積が一定の範囲では、抵抗値変化を示すグラフが直線になる。この直線の傾きは、第2ブロックと突出部の接触面積が大きくなると小さくなる。請求項3の力検知装置では、段階的に傾きが小さくなる折れ線(3つの直線)を含むグラフになる。これは、作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと突出部の接触面積が段階的に増加する(接触面積が徐々に大きくならない)ことを意味する。よって、Wp(第2ブロックが第1ブロックの上記所定面に接触し始める時に第2ブロックに作用する力)を大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知できる。
本発明によると、作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を実現し得る。
【0011】
また上記の力検知装置において、nを4以上の自然数としたときに、以下のn本の直線、即ち、
直線1;第1所定値(a1)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量(W1)までの間)、
直線2;第1所定値(a1)より小さい第2所定値(a2)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第1所定量(W1)から第2所定量(W2)までの間)、…、
直線n−1;第n−2所定値(an−2)より小さい第n−1所定値(an−1)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第n−2所定量(Wn−2)から第n−1所定量(Wn−1)までの間)、
直線n;第n−1所定値(an−1)より小さい第n所定値(an)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第n−1所定量(Wn−1)から第n所定量(Wp)までの間、但し第n所定値(an)>0)、
からなる折れ線を含むグラフになるように、突出部がさらに設けられていても良い(請求項4)。
このような構成にすると、Wpをより大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知し得る。従って、作用した力をより広い範囲で精度良く検知し得る。
【0012】
また本発明者らは、上記した力検知装置に使用され得る半導体ブロックの製造方法を創作した(請求項5)。この製造方法は、半導体ブロックの所定面における不純物添加部分の所定位置と不純物添加部分以外の部分の所定位置とに、その所定面からほぼ同じ高さ突出する突出部(ここでは説明の便宜のために、前者を突出部Aといい後者を突出部Bという)をそれぞれ形成する工程と、各突出部の表面を熱酸化する工程とを順に実施する。
半導体の不純物添加部分は、不純物添加部分以外の部分よりも熱酸化膜が厚く形成される。従って、上記した突出部Aには厚い酸化膜が形成され、それより薄い酸化膜が突出部Bに形成される。従って突出部Aは突出部Bよりも高くなる。突出部Aは、半導体に不純物が添加された部分を含むために、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部として機能する。本製造方法によると、抵抗部(A)より低い突出部(B)が設けられた半導体ブロックを簡単に製造することができる。
【0013】
上記の突出部形成工程は、半導体ブロックの所定面における不純物添加部分の所定位置と不純物添加部分以外の部分の所定位置とにそれぞれレジストを塗布する工程と、上記の所定面をエッチングする工程と、レジストを取り除く工程とを順に実施しても良い(請求項6)。
エッチングすることによって、レジストが塗布された部分以外は削られ、レジストが塗布された部分が突出する。この突出部は、不純物添加部分に少なくとも一つ形成され、不純物添加部分以外の部分に少なくとも一つ形成される。レジストを取り除くと、不純物添加部分と不純物添加部分以外の部分にそれぞれ突出部ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】上記した各請求項に記載の発明は、以下に示す形態で好適に実施することができる。
(形態1)各請求項に記載の抵抗部は、4つの抵抗が連結されて構成される。これにより、ホイートストンブリッジが構成される。4つの抵抗部の全てに接触するように第2ブロックが配置される。
(形態2)形態1の場合、抵抗部で囲まれた四角形の範囲の中心に第1突出部が設けられ、その第1突出部を囲むようにして第2突出部が設けられる。
(形態3)形態2の第1突出部の形状は、平面視すると円形状、四角形状等を採用できる。この場合、第2突出部の形状は、平面視すると中央に開孔を有する円形状、四角形状等を採用できる。
(形態4)各請求項に記載の複数の突出部(突出部のピーク)は、それぞれ同じ高さでも良いし、それぞれ異なる高さでも良い。
(形態5)請求項1から4のいずれかに記載の第1ブロックは、半導体材料(典型的にはシリコン)によって構成される。
【0015】
【実施例】図面を参照して、本発明に係る力検知装置の実施例を説明する。
(第1実施例)図1に、力検知装置10の斜視図を示す。力検知装置10は、力検知ブロック22と力伝達ブロック30等から構成されている。
力検知ブロック22は、その大部分が半導体(典型的にはシリコン)によって構成されている。力検知ブロック22は略直方体形状である。力検知ブロック22には、その上面24から突出して、4つの抵抗部40a〜40dと4つの電極部42a〜42dとストッパ部50が設けられている。対向して配置されている一組の抵抗部40a,40cは、それぞれ長さが等しい。もう一組の抵抗部40b,40dは、それぞれ長さが等しい。抵抗部40aは、その一端に抵抗部40bが連結されている。他端には、抵抗部40dが連結されている。抵抗部40aと抵抗部40bは直角を成しており、抵抗部40aと抵抗部40dも直角を成している。他の抵抗部40b〜40dも、それぞれ両端に抵抗部が直角を成して連結されている。4つの抵抗部40a〜40dによってホイートストンブリッジが構成されている。抵抗部40a〜40dの幅は、全て等しく約10μmに設定されている。
抵抗部40aと40bとの間に電極部42aが接続されている。抵抗部40bと40cとの間には電極部42bが接続されている。抵抗部40cと40dとの間には電極部42cが接続されている。抵抗部40dと40aとの間には電極部42dが接続されている。
【0016】
図2は、図1の力検知ブロック22の平面図である。図2を見ると、抵抗部40a〜40dと電極部42a〜42dの配置の様子が良くわかる。図3は、図2のIII−III線断面図である。図3に良く示されるように、抵抗部40aと40cは同じ高さである。抵抗部40bと抵抗部40dも、抵抗部40aや40cと同じ高さである。即ち4つの抵抗部40a〜40dは、全て同じ高さである。4つの抵抗部40a〜40dは、力検知ブロック22の上面24に対して垂直に設けられている。
図1や図3に示されるように、抵抗部40a〜40dの頂面と接触するように、力伝達ブロック30が配置される。この力伝達ブロック30は、抵抗部40a〜40dに固定される。図1には、固定される前の力伝達ブロック30が示されている。図3には、固定された後の力伝達ブロック30が示されている。力伝達ブロック30には、図3の矢印方向に力Wが作用する。力伝達ブロック30は、作用した力Wを抵抗部40a〜40dに均等に伝達する役割を果たす。
【0017】
4つの抵抗部40a〜40dは、ピエゾ抵抗効果を有する。この抵抗部40a〜40dのピエゾ抵抗係数は、いわゆるπ13’である。抵抗部40aと40cは、図3の上下方向の力Wに対して最大の感度を有する。従って、抵抗部40aと40cは、力伝達ブロック30に力Wが作用すると、ピエゾ抵抗効果によって力Wの大きさに比例して抵抗値が変化する。一方、抵抗部40bと40dは、図3の上下方向の力Wに対して感度ゼロである。抵抗部40bと40dは、力Wが加えられても抵抗値が変化しないので、基準抵抗として機能する。
【0018】
4つの電極部42a〜42dは、その役割から入力電極部42a,42cと出力電極部42b,42dとに分けられる。入力電極部42aと42cの間には、電極42aが高電位、電極42cが接地電位となるように電圧がかけられる。そして、出力電極部42b,42dに現われる電圧が測定される。力伝達ブロック30に力Wが加えられると、その力Wが抵抗部40a〜40dに伝達される。先に述べたように、力Wが抵抗部40a〜40dに伝達されると、抵抗部40aと40cのみがピエゾ抵抗効果を奏し(抵抗値が増加する)、抵抗部40bと40dの抵抗値は変化しない。出力電極部42bに現われる電圧は、抵抗部40bと40cの分圧値となる。このため、抵抗部40cの抵抗値が増加すると、出力電極部42bに現われる電圧は増加する。また、出力電極部42dに現われる電圧は、抵抗部40aと40dの分圧値となる。このため、抵抗値40aの抵抗値が増加すると、出力電極部42dに現われる電圧は減少する。本実施例では、抵抗部40aと40cには同じ大きさの力がかかるようになっている。このため、出力電極部42bの増加電圧と出力電極部42dの減少電圧は等しくなる。出力電極部42b,42dの出力電圧の差をとることによって、抵抗部40aと40cの抵抗値変化を求めることができる。この抵抗値変化から力Wの大きさを求めることができる。
【0019】
ストッパ部50は、力検知ブロック22の上面24に対して垂直に設けられている。ストッパ部50は、第1ストッパ51と第2ストッパ52とから構成されている。第1ストッパ51の上面と下面は、一辺約10μmの正方形である。第1ストッパ51は、直方体形状を有している。第2ストッパ52は、第1ストッパ51を囲んで配置されている。第2ストッパ52は、平面視すると中央に孔が設けられた直方体形状を有している。第2ストッパ52の各辺の幅は、それぞれ約10μmである。
図2に良く示されるように第1ストッパ51は、4つの抵抗部40a〜40dによって囲まれた長方形状の範囲の中心に配置されている。そして、その中心から等距離のところに第2ストッパ52の各頂点が位置している。図3に良く示されるように、第1ストッパ51と第2ストッパ52は同じ高さに設定されている。その高さは各抵抗部40a〜40dの高さより低く設定されている。
【0020】
上記した抵抗部40a〜40dやストッパ部50は、力検知ブロック22の材料であるシリコンに酸化膜が被覆することによって形成されたものである。これらのより詳しい構成については以下の第7実施例で詳述するために、ここでの説明は省略する。
【0021】
次に図4を参照して、上記構成を有する力検知装置10において、力伝達ブロック30に力が作用した場合の現象について説明する。
力伝達ブロック30に力Wが作用すると、図4(A)に示されるように中央付近が撓む。力伝達ブロック30は、大きく撓むと第1ストッパ51に接触する(この状態が図4(A)に示されている;このとき力伝達ブロック30は第2ストッパ52に接触していない)。力伝達ブロック30が第1ストッパ51と接触したときに力伝達ブロック30に作用する力をW1とする。なお第1ストッパ51の頂面は小さく、力W1が作用すると第1ストッパ51の頂面は力伝達ブロック30に完全に覆われるものとみなせる。
【0022】
上記のW1よりも大きい力が作用すると、力伝達ブロック30の中央部はさらに大きく撓み、力伝達ブロック30が第2ストッパ52に接触する(この状態が図4(B)に示されている)。力伝達ブロック30が第2ストッパ52と接触したときに力伝達ブロック30に作用する力をW2とする。なお、第2ストッパ52の頂面は小さく(各辺が細く)設定されているために、力W2が作用すると第2ストッパ52の頂面は力伝達ブロック30によって完全に覆われるものとみなせる。
【0023】
上記のW2よりも大きい力が作用すると、力伝達ブロック30はさらに大きく撓む。そして、ついには力伝達ブロック30が力検知ブロック22の上面24と接触する。力伝達ブロック30が上面24と接触する瞬間に力伝達ブロック30に作用する力をWpとする。このWpよりも大きい力が作用すると、力伝達ブロック30と力検知ブロック22の上面24との接触面積が徐々に大きくなる。
【0024】
図5には、力伝達ブロック30に作用した力(荷重)Wを横軸とし、出力電極部42b,42dの出力電圧の差(これは抵抗部40a,40cの抵抗値変化に比例する)を縦軸としたグラフ(出力特性を示すグラフ)が示されている。図5に良く示されるように、力WがゼロからW1までの間は出力電圧が比例している。この間は、力Wに対して出力電圧が感度良く測定されている(高感度領域)。即ち、力Wが抵抗部40a〜40dにのみ伝わるために(ストッパ部50には伝わらないために)、力Wの増加量に対する抵抗値変化が大きくなる(グラフの直線の傾きが大きい)。
【0025】
力伝達ブロック30に作用した力WがW1からW2までの間も出力電圧が比例している。この間は、高感度領域ほどではないが、力Wに対して出力電圧が感度良く測定されている(中感度領域)。この領域における直線の傾きは、高感度領域における直線の傾きよりも小さい。これは、力Wが第1ストッパ51に伝達されるために、力Wの増加量に対する抵抗値変化が小さくなるからである。
【0026】
力伝達ブロック30に作用した力WがW2からWpまでの間も出力電圧が比例している。この間は、力Wに対して出力電圧の感度が悪い(低感度領域)。この領域における直線の傾きは、中感度領域における直線の傾きより小さい。これは、力Wが第2ストッパ52にも伝達されるために、力Wの増加量に対する抵抗値変化がかなり小さくなるからである。
【0027】
力伝達ブロック30に作用する力WがWpより大きくなると、出力電圧が比例して現われない。先に述べたように、この間は力伝達ブロック30に作用する力が大きくなるに従って、力伝達ブロック30と力検知ブロック22の上面24との接触面積が徐々に増加する。ここで、力伝達ブロック30と、抵抗部40a〜40dやストッパ部50や力検知ブロック22の上面24との接触総面積をSとする。この接触総面積Sは、力WがゼロからW1までの間は抵抗部40a〜40dの各頂面の総面積(S1)である。力WがW1からW2までの間はS1に第1ストッパ51の頂面の面積を加えたもの(S2)である。力WがW2からWpまでの間はS2に第2ストッパ52の頂面の面積を加えたもの(S3)である。従って、力WがゼロからWpまでの間は、図6に示すように接触総面積Sが段階的に増加する。それに対してWpを超えると、接触総面積Sは徐々に増加していく(図6では比例して増加しているように見えるが、実際にはこのような単純増加はしない)。
微視的にみると、S1からS2への変化やS2からS3への変化も一点鎖線で示されるように徐々に増加するものである。しかしながら、力伝達ブロック30と第1ストッパ51や第2ストッパ52との接触が速やかに飽和するので、S1からS2への変化やS2からS3もほぼ段階的な変化をするとみなせる。
作用する力がWpを越えた範囲では、接触総面積Sが変化するために、出力電圧が比例して現われない。このため、抵抗部40a,40cの抵抗値変化を精度良く特定できない。従って、作用する力WがWpを越えた範囲は、力検知装置10の測定対象外となる。
【0028】
図17には、従来の力検知装置における出力特性のグラフが示されている。従来の力検知装置は、Wp’を越えた範囲では出力電圧が比例して現われない。このWp’は、従来の力検知装置において力伝達ブロックと力検知ブロックの上面が接触するときに力伝達ブロックに作用する力である。従って、Wp’を越えた範囲では力伝達ブロックに作用する力を精度良く検知できない。
本実施例の力検知装置10は、ストッパ部50と力伝達ブロック30の接触面積が徐々に大きくなる範囲ができないように工夫してストッパ51,52を設けている。本実施例の力検知装置10におけるWpは、従来の力検知装置におけるWp’より大きいが(図17に良く示されている)、ストッパ部50と力伝達ブロック30の接触面積が徐々に大きくなる範囲が存在しないために、Wp以下の力を精度良く検知できる。本実施例の力検知装置10は、作用した力を精度良く検知できる範囲が従来より広い。
【0029】
(第2実施例)この第2実施例以下では、第1実施例と同じ部分の説明を省略し、第1実施例と異なる部分を説明する。
図7に、本実施例の力検知ブロック22の平面図が示されている。図7に良く示されるように、第1実施例とはストッパ部100の形状が異なる。ストッパ部100は、第1ストッパ102と第2ストッパ104と第3ストッパ106から構成される(図7や以下の図では、明確にするためにストッパ部に斜線を付している)。第1ストッパ102は、円柱形状を有する。第2ストッパ104は、第1ストッパ102を囲んで配置されており、円筒形状を有する。第3ストッパ106は、第2ストッパ104を囲んで配置されており、円筒形状を有する。
ストッパ部を本実施例のような構成にしても、第1実施例の場合と同様の効果が得られる。特に、3つのストッパ102,104,106から構成されることから、4つの感度領域(高感度領域、中感度領域、低感度領域1、低感度領域2)が得られる。即ち、この力検知装置の出力特性は、作用する力が大きくなるに従って、a1,a2,a3,a4(a1>a2>a3>a4>0)と傾きが小さくなる4つの直線からなる折れ線を含むグラフになる。この力検知装置は、ストッパと力伝達ブロックの接触面積が徐々に大きくなる範囲がないよう工夫してストッパを複数設けている。このため、力を精度良く検知できる範囲が広い。
【0030】
(第3実施例)図8に、第2実施例と同様に3つのストッパ142,144,146を有する力検知ブロック22の平面図が示されている。但し、ストッパ142,144,146が四角形状である点が第2実施例と異なる。このような構成にすると、図9に示されるような4つの感度領域が得られる。本実施例の力検知装置は、ストッパと力伝達ブロックの接触面積が徐々に大きくなる範囲ができないように工夫してストッパを複数設けている。このため、力を精度良く検知できる範囲が広い。
【0031】
(第4実施例)図10に、本実施例に係る力検知ブロック22の平面図が示されている。このように、一つのストッパ122を中心に配置し、その外側に4つのストッパ124(図10では一つのストッパにのみ符合を付している)を配置しても良い。この場合、第2ブロック30に力が作用すると、第2ブロック30はストッパ122にまず接触し、さらに大きい力が作用すると、第2ブロック30は4つのストッパ124に同時に接触する。従って本実施例では、第1実施例と同様に3つの感度領域が得られる。
【0032】
(第5実施例)図11に、本実施例に係る力検知ブロック22の平面図が示されている。本実施例の場合、4つの抵抗部40a〜40dによって形成される長方形状の中心にストッパが配置されていない。即ち、中心から同距離のところに、2つのストッパ152,154がそれぞれ配置されている。そして、それぞれのストッパ152,154の外側にストッパ150,156が配置されている。このような構成にしても、第1実施例のように3つの感度領域が得られる。
【0033】
(第6実施例)図12に、本実施例に係る力検知装置300の平面図が示されている。この力検知装置300は、単ゲージ構造である点が上記各実施例と異なる。具体的には、本実施例では力検知ブロック310の抵抗部302が1本の抵抗で構成されている。
この力検知装置300のように単ゲージ構造とすると、ブリッジ構造に比べて、所定の力が加わったときの出力値の変化を大きくすることができる。従って、加わった力を感度良く検知することができる。また、ブリッジ構造に比べて、シンプルな構造の力検知装置を実現し易い。よって、製造工程も簡素化し易い。具体的には、単ゲージ構造では外部端子と接続する電極部を2つ(図12では304,306)にすることが容易である。電極部を2つにできると、電極部と外部端子をワイヤを介さずに接続することも容易となる。ワイヤを介さずに接続できると、電極部と外部端子をワイヤで接続することに起因して生じる問題の発生を回避できる。また、2つの電極部と外部端子をワイヤで接続する場合でも、4つの電極部と外部端子をワイヤで接続する場合に比べれば、ワイヤ接続のデメリットを低減できる。
この力検知装置300は例えば、電極部304に電流源を接続し、電極部306を接地して、抵抗部302に電流を流した状態で用いられる。この状態で電極部304に現れる出力電圧を測定することで抵抗部302の抵抗値変化がわかる。よって、その抵抗値変化から力伝達ブロック308に作用した力を検知できる。
力検知ブロック310には、4つのストッパ320,322,324,326が設けられている。ストッパ320,322,324,326は、それぞれ直方体形状を有する。各ストッパ320,322,324,326は、抵抗部302に平行となるように配置されている。ストッパ322と324は、抵抗部302から等距離の位置にある。ストッパ320と326は、抵抗部302から等距離の位置にある。
なお、単ゲージ構造は抵抗部が1本の抵抗のみで構成されている構造に限られない。複数本の抵抗がある場合でも、これらの抵抗群の各々の一端が1つの電極に共通に接続され、抵抗群の各々の他端が他の1つの電極に共通に接続されている構造(複数本の抵抗が並列接続されている構造)は、等価的に単ゲージ構造といえる。
【0034】
図12のXIII−XIII線断面図が図13に示されている。図13に良く示されるように、ストッパ320,322,324,326よりも抵抗部302が高く設定されている。力Wが作用すると力伝達ブロック308の周辺部が撓む(この様子は図14に良く示されている)。力W1が作用すると、力伝達ブロック308の周辺部がストッパ320,326に同時に接触する。そして、さらに大きな力W2が作用すると、力伝達ブロック308はストッパ322,324に同時に接触する。
図15に、本実施例の力検知装置300における出力特性を示すグラフが示されている。ストッパが複数設けられたために3つの感度領域が得られている。
【0035】
(第7実施例) 次に、第1実施例で使用される力検知ブロック22の製造方法について説明する。図16に、力検知ブロックの製造方法を工程別に示している。力検知ブロック22は、半導体ブロック200を加工して製造される。半導体ブロック200はシリコンである。
(レジスト膜パターニング工程;図16(A))
直方体形状を有する半導体ブロック200の上面202に、レジスト膜204,206を塗布する。レジスト膜206は、平面視すると長方形状を有する。レジスト膜204は、レジスト膜206を囲むように配置されている。即ち、レジスト膜204は、平面視すると中央部分に孔が設けられた長方形状を有する。
(不純物添加工程;図16(B))
半導体ブロック200の上面202にイオンを注入する。この工程では、イオン注入機を用いる。イオン注入機は、ボロン、リン、ヒ素等のガスをアーク放電によりイオン化する。そしてイオンを上面202にビーム照射する。これにより、レジスト膜204,206が塗布されていない部分には、イオン注入層210が形成される。イオン注入層210の深さt1は、約0.5μmである。
不純物添加工程は、上記したイオン注入法に換えて、熱拡散法によって行なっても良い。
【0036】
(レジスト除去工程;図16(C))
半導体ブロック200の上面202に塗布されたレジスト膜204,206を除去する。
(レジスト膜パターニング工程;図16(D))
イオン注入層210の一部にレジスト膜212を塗布する。図16(D)では、レジスト膜212が2箇所に塗布されているように見えるが、その2つに見えるレジスト膜212は同一物である。即ちレジスト膜212は、平面視すると中央部分に孔が設けられた長方形状である。
また、イオン注入層210以外の部分にもレジスト膜214,216を塗布する。レジスト膜216は、平面視すると正方形状を有している。図16(D)では2つあるように見えるレジスト膜214は同一物である。即ち、レジスト膜214は、平面視すると中央部分に孔が形成された長方形状を有している。レジスト膜214は、レジスト膜216を囲むように配置されている。
【0037】
(エッチング工程;図16(E))
次に、半導体ブロック200の上面202をRIE(Reactive Ion Etching)法でドライエッチングする。この工程は、ウェットエッチング等の他のエッチング方法によって実施されても良い。
この工程が実施されることによって、レジスト膜212,214,216が塗布されていない部分が削られる。削られなかった部分210,220,222は、半導体ブロック200の上面202から突出する。ドライエッチングによって削られる深さt2は約3μmである。
(レジスト除去工程;図16(F))
レジスト膜212,214,216を除去する。イオン注入層210の幅t3は約10μmであり、半導体ブロック200の中央から突出している部分220の幅t4も約10μmである。
(熱酸化工程;図16(G))
半導体ブロック200を熱酸化させる。これにより、イオン注入層210の上部にはシリコン酸化膜226が厚めにできる。これは、イオン注入層210では熱酸化反応が活性化されるためである。これに対し、中央の突出部220,222では、イオン注入層210と比べて反応が活性化せず、シリコン酸化膜228,230が薄くできる。このように、イオン注入層210とそれ以外の部分でのシリコン酸化膜の厚さが異なるために、イオン注入層210部分と中央突出部220,222とでは高さに差t5ができる。本実施例における差t5は、約0.2μmである。
【0038】
上記の方法で製造された力検知ブロックは、イオン注入層210部分が各抵抗部40a〜40dとなり、中央突出部分220,222が各抵抗部40a〜40dより低いストッパ部50となる。上記製造方法を実施することにより、力検知ブロック22を簡単に製造することができる。
なお、イオン注入濃度を変えることにより、ストッパ部と抵抗部の高さを自由に設定することができる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0040】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の力検知装置の斜視図である。
【図2】図1の力検知ブロックの平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】力が作用して力伝達ブロックが撓む様子を三段階に亘って示す。
【図5】第1実施例の力検知装置の出力特性を示す。
【図6】第1実施例の力検知装置において、力伝達ブロックに作用する力を横軸とし、力伝達ブロックと力検知ブロックとの接触総面積を縦軸とした場合のグラフを示す。
【図7】第2実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図8】第3実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図9】第3実施例の力検知装置の出力特性を示す。
【図10】第4実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図11】第5実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図12】第6実施例の力検知装置の平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図である。
【図14】力が作用して力伝達ブロックが撓む様子を示す(第6実施例)。
【図15】第6実施例の力検知装置の出力特性を示す。
【図16】第1実施例の力検知ブロックの製造方法を工程別に示す(第7実施例)。
【図17】従来の力検知装置の出力特性を示す。
【符号の説明】
10・・力検知装置
22・・力検知ブロック
24・・力検知ブロックの上面
30・・力伝達ブロック
40・・抵抗部
42・・電極部
50・・ストッパ部
51・・第1ストッパ
52・・第2ストッパ
【発明の属する技術分野】本発明は、力検知装置に関する。また、力検知装置に使用される半導体ブロックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】力検知装置の中には、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、その所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備えるものがある。この装置は、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する。この力検知装置のように抵抗部を突出させることによって、第2ブロックに作用した力が抵抗部にそのまま伝わる。このため、抵抗部の抵抗値変化を感度良く測定できる。しかしながら、その反面、第2ブロックに大きな力が作用した場合に抵抗部が破損してしまうといった問題がある。この点に鑑みて、上記した所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられる場合がある(特許文献1参照)。この構成の場合、大きな力が作用して第2ブロックが撓むと、第2ブロックと突出部が接触する。このため、過大な力が抵抗部に作用することが抑制され、抵抗部の破壊が防止される。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−271363号公報(第7図、第8図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許文献1の力検知装置では、より大きい力が作用して、突出部と接触した後もなお第2ブロックが撓むと、第2ブロックと上記の所定面が接触する場合がある(このとき第2ブロックに作用する力をWpとする)。この場合、作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと上記の所定面との接触面積が徐々に大きくなる。このとき、抵抗部に作用する力は第2ブロックに作用する力に比例しない。第2ブロックと上記の所定面の接触面積が徐々に大きくなるために、その接触面積の変化が抵抗部に作用する力に影響するからである。抵抗部に作用する力が第2ブロックに作用する力に比例しない範囲では、力を精度良く検知することができない。従って上記の力検知装置では、Wpより大きい力を精度良く検知できない。このため、Wpより大きい力は力検知装置の検知範囲外となる。力を精度良く検知できる範囲は広い方が良い。
突出部の頂面を大きく設定することで、第2ブロックと上記の所定面が接触するために必要な力を大きくできる(即ちWpを大きくできる)。従って、突出部の頂面を大きく設定することで力の検知範囲を広くできるように思われる。しかしながら突出部の頂面を単に大きくしても、作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと突出部との接触面積が徐々に大きくなる範囲ができる。即ち突出部の頂面を単に大きく設定すると、Wpを大きくすることはできるが、Wp以下の範囲において検知精度の低い範囲が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を提供することを目的とする。
また、上記構成の力検知装置に使用され得る半導体ブロックを簡単に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】上記課題を解決するために創作された請求項1に記載の発明は、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、上記の所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備え、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する装置である。この力検知装置には、上記の所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられている。そして、第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量(W1)までの間は第2ブロックと突出部との接触面積がゼロとなり、第2ブロックに作用する力が第1所定量(W1)から第2所定量(W2)までの間は第2ブロックと突出部との接触面積が第1所定値(S1)となり、第2ブロックに作用する力が第2所定量(W2)以上では第2ブロックと突出部との接触面積が第1所定値(S1)より大きい第2所定値(S2)となるように、突出部が複数設けられている。
この力検知装置には、突出部が複数設けられている。ここでいう「複数」とは、突出部のピークが複数あることを意味している。例えば、突出部自体は一つの物体で形成されているとしても、その突出部に2つ以上のピークがあれば、ここでいう「複数」に該当する。
また突出部は、第1ブロックに外付けされたものでも良いし、第1ブロックの所定部分が突出したものでも良い。
【0007】
本発明者らは、上記のような複数の突出部を力検知装置に設け、第2ブロックと突出部の接触面積を段階的に増加させ、第2ブロックと突出部の接触面積が徐々に大きくなる範囲ができないようにすることで、Wp(第2ブロックが第1ブロックの上記所定面に接触し始める時に第2ブロックに作用する力)を大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知できるようにすることに成功した。
本発明によると、作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を実現し得る。
【0008】
また上記の力検知装置において、第2ブロックに作用する力が第2所定量(W2)から第3所定量(W3)までの間は第2ブロックと突出部との接触面積が第2所定値(S2)となり、第2ブロックに作用する力が第3所定量(W3)以上では第2ブロックと突出部との接触面積が第2所定値(S2)より大きい第3所定値(S3)となるように、突出部がさらに設けられていても良い(請求項2)。
このような構成にすると、Wpをより大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知し得る。従って、作用した力をより広い範囲で精度良く検知し得る。
【0009】
また本発明の技術は、別の表現で定義できる(請求項3)。即ち、請求項3に記載の発明は、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、上記の所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備え、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する装置である。この力検知装置には、上記の所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられている。そして、第2ブロックに作用する力を横軸にとり抵抗部の抵抗値変化を縦軸にとった場合に以下の3本の直線、即ち、
直線1;第1所定値(a1)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量(W1)までの間)、
直線2;第1所定値(a1)より小さい第2所定値(a2)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第1所定量(W1)から第2所定量(W2)までの間)、
直線3;第2所定値(a2)より小さい第3所定値(a3)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第2所定量(W2)から第3所定量(Wp)までの間、但し第3所定値(a3)>0)、
からなる折れ線を含むグラフになるように、突出部が複数設けられている。
【0010】
作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと突出部の接触面積が徐々に大きくなる範囲では、抵抗値変化を示すグラフが曲線になる。一方、第2ブロックと突出部の接触面積が一定の範囲では、抵抗値変化を示すグラフが直線になる。この直線の傾きは、第2ブロックと突出部の接触面積が大きくなると小さくなる。請求項3の力検知装置では、段階的に傾きが小さくなる折れ線(3つの直線)を含むグラフになる。これは、作用する力が大きくなるに従って第2ブロックと突出部の接触面積が段階的に増加する(接触面積が徐々に大きくならない)ことを意味する。よって、Wp(第2ブロックが第1ブロックの上記所定面に接触し始める時に第2ブロックに作用する力)を大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知できる。
本発明によると、作用した力を広い範囲で精度良く検知できる力検知装置を実現し得る。
【0011】
また上記の力検知装置において、nを4以上の自然数としたときに、以下のn本の直線、即ち、
直線1;第1所定値(a1)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量(W1)までの間)、
直線2;第1所定値(a1)より小さい第2所定値(a2)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第1所定量(W1)から第2所定量(W2)までの間)、…、
直線n−1;第n−2所定値(an−2)より小さい第n−1所定値(an−1)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第n−2所定量(Wn−2)から第n−1所定量(Wn−1)までの間)、
直線n;第n−1所定値(an−1)より小さい第n所定値(an)を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第n−1所定量(Wn−1)から第n所定量(Wp)までの間、但し第n所定値(an)>0)、
からなる折れ線を含むグラフになるように、突出部がさらに設けられていても良い(請求項4)。
このような構成にすると、Wpをより大きくしても、そのWp以下の範囲において力を精度良く検知し得る。従って、作用した力をより広い範囲で精度良く検知し得る。
【0012】
また本発明者らは、上記した力検知装置に使用され得る半導体ブロックの製造方法を創作した(請求項5)。この製造方法は、半導体ブロックの所定面における不純物添加部分の所定位置と不純物添加部分以外の部分の所定位置とに、その所定面からほぼ同じ高さ突出する突出部(ここでは説明の便宜のために、前者を突出部Aといい後者を突出部Bという)をそれぞれ形成する工程と、各突出部の表面を熱酸化する工程とを順に実施する。
半導体の不純物添加部分は、不純物添加部分以外の部分よりも熱酸化膜が厚く形成される。従って、上記した突出部Aには厚い酸化膜が形成され、それより薄い酸化膜が突出部Bに形成される。従って突出部Aは突出部Bよりも高くなる。突出部Aは、半導体に不純物が添加された部分を含むために、ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部として機能する。本製造方法によると、抵抗部(A)より低い突出部(B)が設けられた半導体ブロックを簡単に製造することができる。
【0013】
上記の突出部形成工程は、半導体ブロックの所定面における不純物添加部分の所定位置と不純物添加部分以外の部分の所定位置とにそれぞれレジストを塗布する工程と、上記の所定面をエッチングする工程と、レジストを取り除く工程とを順に実施しても良い(請求項6)。
エッチングすることによって、レジストが塗布された部分以外は削られ、レジストが塗布された部分が突出する。この突出部は、不純物添加部分に少なくとも一つ形成され、不純物添加部分以外の部分に少なくとも一つ形成される。レジストを取り除くと、不純物添加部分と不純物添加部分以外の部分にそれぞれ突出部ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】上記した各請求項に記載の発明は、以下に示す形態で好適に実施することができる。
(形態1)各請求項に記載の抵抗部は、4つの抵抗が連結されて構成される。これにより、ホイートストンブリッジが構成される。4つの抵抗部の全てに接触するように第2ブロックが配置される。
(形態2)形態1の場合、抵抗部で囲まれた四角形の範囲の中心に第1突出部が設けられ、その第1突出部を囲むようにして第2突出部が設けられる。
(形態3)形態2の第1突出部の形状は、平面視すると円形状、四角形状等を採用できる。この場合、第2突出部の形状は、平面視すると中央に開孔を有する円形状、四角形状等を採用できる。
(形態4)各請求項に記載の複数の突出部(突出部のピーク)は、それぞれ同じ高さでも良いし、それぞれ異なる高さでも良い。
(形態5)請求項1から4のいずれかに記載の第1ブロックは、半導体材料(典型的にはシリコン)によって構成される。
【0015】
【実施例】図面を参照して、本発明に係る力検知装置の実施例を説明する。
(第1実施例)図1に、力検知装置10の斜視図を示す。力検知装置10は、力検知ブロック22と力伝達ブロック30等から構成されている。
力検知ブロック22は、その大部分が半導体(典型的にはシリコン)によって構成されている。力検知ブロック22は略直方体形状である。力検知ブロック22には、その上面24から突出して、4つの抵抗部40a〜40dと4つの電極部42a〜42dとストッパ部50が設けられている。対向して配置されている一組の抵抗部40a,40cは、それぞれ長さが等しい。もう一組の抵抗部40b,40dは、それぞれ長さが等しい。抵抗部40aは、その一端に抵抗部40bが連結されている。他端には、抵抗部40dが連結されている。抵抗部40aと抵抗部40bは直角を成しており、抵抗部40aと抵抗部40dも直角を成している。他の抵抗部40b〜40dも、それぞれ両端に抵抗部が直角を成して連結されている。4つの抵抗部40a〜40dによってホイートストンブリッジが構成されている。抵抗部40a〜40dの幅は、全て等しく約10μmに設定されている。
抵抗部40aと40bとの間に電極部42aが接続されている。抵抗部40bと40cとの間には電極部42bが接続されている。抵抗部40cと40dとの間には電極部42cが接続されている。抵抗部40dと40aとの間には電極部42dが接続されている。
【0016】
図2は、図1の力検知ブロック22の平面図である。図2を見ると、抵抗部40a〜40dと電極部42a〜42dの配置の様子が良くわかる。図3は、図2のIII−III線断面図である。図3に良く示されるように、抵抗部40aと40cは同じ高さである。抵抗部40bと抵抗部40dも、抵抗部40aや40cと同じ高さである。即ち4つの抵抗部40a〜40dは、全て同じ高さである。4つの抵抗部40a〜40dは、力検知ブロック22の上面24に対して垂直に設けられている。
図1や図3に示されるように、抵抗部40a〜40dの頂面と接触するように、力伝達ブロック30が配置される。この力伝達ブロック30は、抵抗部40a〜40dに固定される。図1には、固定される前の力伝達ブロック30が示されている。図3には、固定された後の力伝達ブロック30が示されている。力伝達ブロック30には、図3の矢印方向に力Wが作用する。力伝達ブロック30は、作用した力Wを抵抗部40a〜40dに均等に伝達する役割を果たす。
【0017】
4つの抵抗部40a〜40dは、ピエゾ抵抗効果を有する。この抵抗部40a〜40dのピエゾ抵抗係数は、いわゆるπ13’である。抵抗部40aと40cは、図3の上下方向の力Wに対して最大の感度を有する。従って、抵抗部40aと40cは、力伝達ブロック30に力Wが作用すると、ピエゾ抵抗効果によって力Wの大きさに比例して抵抗値が変化する。一方、抵抗部40bと40dは、図3の上下方向の力Wに対して感度ゼロである。抵抗部40bと40dは、力Wが加えられても抵抗値が変化しないので、基準抵抗として機能する。
【0018】
4つの電極部42a〜42dは、その役割から入力電極部42a,42cと出力電極部42b,42dとに分けられる。入力電極部42aと42cの間には、電極42aが高電位、電極42cが接地電位となるように電圧がかけられる。そして、出力電極部42b,42dに現われる電圧が測定される。力伝達ブロック30に力Wが加えられると、その力Wが抵抗部40a〜40dに伝達される。先に述べたように、力Wが抵抗部40a〜40dに伝達されると、抵抗部40aと40cのみがピエゾ抵抗効果を奏し(抵抗値が増加する)、抵抗部40bと40dの抵抗値は変化しない。出力電極部42bに現われる電圧は、抵抗部40bと40cの分圧値となる。このため、抵抗部40cの抵抗値が増加すると、出力電極部42bに現われる電圧は増加する。また、出力電極部42dに現われる電圧は、抵抗部40aと40dの分圧値となる。このため、抵抗値40aの抵抗値が増加すると、出力電極部42dに現われる電圧は減少する。本実施例では、抵抗部40aと40cには同じ大きさの力がかかるようになっている。このため、出力電極部42bの増加電圧と出力電極部42dの減少電圧は等しくなる。出力電極部42b,42dの出力電圧の差をとることによって、抵抗部40aと40cの抵抗値変化を求めることができる。この抵抗値変化から力Wの大きさを求めることができる。
【0019】
ストッパ部50は、力検知ブロック22の上面24に対して垂直に設けられている。ストッパ部50は、第1ストッパ51と第2ストッパ52とから構成されている。第1ストッパ51の上面と下面は、一辺約10μmの正方形である。第1ストッパ51は、直方体形状を有している。第2ストッパ52は、第1ストッパ51を囲んで配置されている。第2ストッパ52は、平面視すると中央に孔が設けられた直方体形状を有している。第2ストッパ52の各辺の幅は、それぞれ約10μmである。
図2に良く示されるように第1ストッパ51は、4つの抵抗部40a〜40dによって囲まれた長方形状の範囲の中心に配置されている。そして、その中心から等距離のところに第2ストッパ52の各頂点が位置している。図3に良く示されるように、第1ストッパ51と第2ストッパ52は同じ高さに設定されている。その高さは各抵抗部40a〜40dの高さより低く設定されている。
【0020】
上記した抵抗部40a〜40dやストッパ部50は、力検知ブロック22の材料であるシリコンに酸化膜が被覆することによって形成されたものである。これらのより詳しい構成については以下の第7実施例で詳述するために、ここでの説明は省略する。
【0021】
次に図4を参照して、上記構成を有する力検知装置10において、力伝達ブロック30に力が作用した場合の現象について説明する。
力伝達ブロック30に力Wが作用すると、図4(A)に示されるように中央付近が撓む。力伝達ブロック30は、大きく撓むと第1ストッパ51に接触する(この状態が図4(A)に示されている;このとき力伝達ブロック30は第2ストッパ52に接触していない)。力伝達ブロック30が第1ストッパ51と接触したときに力伝達ブロック30に作用する力をW1とする。なお第1ストッパ51の頂面は小さく、力W1が作用すると第1ストッパ51の頂面は力伝達ブロック30に完全に覆われるものとみなせる。
【0022】
上記のW1よりも大きい力が作用すると、力伝達ブロック30の中央部はさらに大きく撓み、力伝達ブロック30が第2ストッパ52に接触する(この状態が図4(B)に示されている)。力伝達ブロック30が第2ストッパ52と接触したときに力伝達ブロック30に作用する力をW2とする。なお、第2ストッパ52の頂面は小さく(各辺が細く)設定されているために、力W2が作用すると第2ストッパ52の頂面は力伝達ブロック30によって完全に覆われるものとみなせる。
【0023】
上記のW2よりも大きい力が作用すると、力伝達ブロック30はさらに大きく撓む。そして、ついには力伝達ブロック30が力検知ブロック22の上面24と接触する。力伝達ブロック30が上面24と接触する瞬間に力伝達ブロック30に作用する力をWpとする。このWpよりも大きい力が作用すると、力伝達ブロック30と力検知ブロック22の上面24との接触面積が徐々に大きくなる。
【0024】
図5には、力伝達ブロック30に作用した力(荷重)Wを横軸とし、出力電極部42b,42dの出力電圧の差(これは抵抗部40a,40cの抵抗値変化に比例する)を縦軸としたグラフ(出力特性を示すグラフ)が示されている。図5に良く示されるように、力WがゼロからW1までの間は出力電圧が比例している。この間は、力Wに対して出力電圧が感度良く測定されている(高感度領域)。即ち、力Wが抵抗部40a〜40dにのみ伝わるために(ストッパ部50には伝わらないために)、力Wの増加量に対する抵抗値変化が大きくなる(グラフの直線の傾きが大きい)。
【0025】
力伝達ブロック30に作用した力WがW1からW2までの間も出力電圧が比例している。この間は、高感度領域ほどではないが、力Wに対して出力電圧が感度良く測定されている(中感度領域)。この領域における直線の傾きは、高感度領域における直線の傾きよりも小さい。これは、力Wが第1ストッパ51に伝達されるために、力Wの増加量に対する抵抗値変化が小さくなるからである。
【0026】
力伝達ブロック30に作用した力WがW2からWpまでの間も出力電圧が比例している。この間は、力Wに対して出力電圧の感度が悪い(低感度領域)。この領域における直線の傾きは、中感度領域における直線の傾きより小さい。これは、力Wが第2ストッパ52にも伝達されるために、力Wの増加量に対する抵抗値変化がかなり小さくなるからである。
【0027】
力伝達ブロック30に作用する力WがWpより大きくなると、出力電圧が比例して現われない。先に述べたように、この間は力伝達ブロック30に作用する力が大きくなるに従って、力伝達ブロック30と力検知ブロック22の上面24との接触面積が徐々に増加する。ここで、力伝達ブロック30と、抵抗部40a〜40dやストッパ部50や力検知ブロック22の上面24との接触総面積をSとする。この接触総面積Sは、力WがゼロからW1までの間は抵抗部40a〜40dの各頂面の総面積(S1)である。力WがW1からW2までの間はS1に第1ストッパ51の頂面の面積を加えたもの(S2)である。力WがW2からWpまでの間はS2に第2ストッパ52の頂面の面積を加えたもの(S3)である。従って、力WがゼロからWpまでの間は、図6に示すように接触総面積Sが段階的に増加する。それに対してWpを超えると、接触総面積Sは徐々に増加していく(図6では比例して増加しているように見えるが、実際にはこのような単純増加はしない)。
微視的にみると、S1からS2への変化やS2からS3への変化も一点鎖線で示されるように徐々に増加するものである。しかしながら、力伝達ブロック30と第1ストッパ51や第2ストッパ52との接触が速やかに飽和するので、S1からS2への変化やS2からS3もほぼ段階的な変化をするとみなせる。
作用する力がWpを越えた範囲では、接触総面積Sが変化するために、出力電圧が比例して現われない。このため、抵抗部40a,40cの抵抗値変化を精度良く特定できない。従って、作用する力WがWpを越えた範囲は、力検知装置10の測定対象外となる。
【0028】
図17には、従来の力検知装置における出力特性のグラフが示されている。従来の力検知装置は、Wp’を越えた範囲では出力電圧が比例して現われない。このWp’は、従来の力検知装置において力伝達ブロックと力検知ブロックの上面が接触するときに力伝達ブロックに作用する力である。従って、Wp’を越えた範囲では力伝達ブロックに作用する力を精度良く検知できない。
本実施例の力検知装置10は、ストッパ部50と力伝達ブロック30の接触面積が徐々に大きくなる範囲ができないように工夫してストッパ51,52を設けている。本実施例の力検知装置10におけるWpは、従来の力検知装置におけるWp’より大きいが(図17に良く示されている)、ストッパ部50と力伝達ブロック30の接触面積が徐々に大きくなる範囲が存在しないために、Wp以下の力を精度良く検知できる。本実施例の力検知装置10は、作用した力を精度良く検知できる範囲が従来より広い。
【0029】
(第2実施例)この第2実施例以下では、第1実施例と同じ部分の説明を省略し、第1実施例と異なる部分を説明する。
図7に、本実施例の力検知ブロック22の平面図が示されている。図7に良く示されるように、第1実施例とはストッパ部100の形状が異なる。ストッパ部100は、第1ストッパ102と第2ストッパ104と第3ストッパ106から構成される(図7や以下の図では、明確にするためにストッパ部に斜線を付している)。第1ストッパ102は、円柱形状を有する。第2ストッパ104は、第1ストッパ102を囲んで配置されており、円筒形状を有する。第3ストッパ106は、第2ストッパ104を囲んで配置されており、円筒形状を有する。
ストッパ部を本実施例のような構成にしても、第1実施例の場合と同様の効果が得られる。特に、3つのストッパ102,104,106から構成されることから、4つの感度領域(高感度領域、中感度領域、低感度領域1、低感度領域2)が得られる。即ち、この力検知装置の出力特性は、作用する力が大きくなるに従って、a1,a2,a3,a4(a1>a2>a3>a4>0)と傾きが小さくなる4つの直線からなる折れ線を含むグラフになる。この力検知装置は、ストッパと力伝達ブロックの接触面積が徐々に大きくなる範囲がないよう工夫してストッパを複数設けている。このため、力を精度良く検知できる範囲が広い。
【0030】
(第3実施例)図8に、第2実施例と同様に3つのストッパ142,144,146を有する力検知ブロック22の平面図が示されている。但し、ストッパ142,144,146が四角形状である点が第2実施例と異なる。このような構成にすると、図9に示されるような4つの感度領域が得られる。本実施例の力検知装置は、ストッパと力伝達ブロックの接触面積が徐々に大きくなる範囲ができないように工夫してストッパを複数設けている。このため、力を精度良く検知できる範囲が広い。
【0031】
(第4実施例)図10に、本実施例に係る力検知ブロック22の平面図が示されている。このように、一つのストッパ122を中心に配置し、その外側に4つのストッパ124(図10では一つのストッパにのみ符合を付している)を配置しても良い。この場合、第2ブロック30に力が作用すると、第2ブロック30はストッパ122にまず接触し、さらに大きい力が作用すると、第2ブロック30は4つのストッパ124に同時に接触する。従って本実施例では、第1実施例と同様に3つの感度領域が得られる。
【0032】
(第5実施例)図11に、本実施例に係る力検知ブロック22の平面図が示されている。本実施例の場合、4つの抵抗部40a〜40dによって形成される長方形状の中心にストッパが配置されていない。即ち、中心から同距離のところに、2つのストッパ152,154がそれぞれ配置されている。そして、それぞれのストッパ152,154の外側にストッパ150,156が配置されている。このような構成にしても、第1実施例のように3つの感度領域が得られる。
【0033】
(第6実施例)図12に、本実施例に係る力検知装置300の平面図が示されている。この力検知装置300は、単ゲージ構造である点が上記各実施例と異なる。具体的には、本実施例では力検知ブロック310の抵抗部302が1本の抵抗で構成されている。
この力検知装置300のように単ゲージ構造とすると、ブリッジ構造に比べて、所定の力が加わったときの出力値の変化を大きくすることができる。従って、加わった力を感度良く検知することができる。また、ブリッジ構造に比べて、シンプルな構造の力検知装置を実現し易い。よって、製造工程も簡素化し易い。具体的には、単ゲージ構造では外部端子と接続する電極部を2つ(図12では304,306)にすることが容易である。電極部を2つにできると、電極部と外部端子をワイヤを介さずに接続することも容易となる。ワイヤを介さずに接続できると、電極部と外部端子をワイヤで接続することに起因して生じる問題の発生を回避できる。また、2つの電極部と外部端子をワイヤで接続する場合でも、4つの電極部と外部端子をワイヤで接続する場合に比べれば、ワイヤ接続のデメリットを低減できる。
この力検知装置300は例えば、電極部304に電流源を接続し、電極部306を接地して、抵抗部302に電流を流した状態で用いられる。この状態で電極部304に現れる出力電圧を測定することで抵抗部302の抵抗値変化がわかる。よって、その抵抗値変化から力伝達ブロック308に作用した力を検知できる。
力検知ブロック310には、4つのストッパ320,322,324,326が設けられている。ストッパ320,322,324,326は、それぞれ直方体形状を有する。各ストッパ320,322,324,326は、抵抗部302に平行となるように配置されている。ストッパ322と324は、抵抗部302から等距離の位置にある。ストッパ320と326は、抵抗部302から等距離の位置にある。
なお、単ゲージ構造は抵抗部が1本の抵抗のみで構成されている構造に限られない。複数本の抵抗がある場合でも、これらの抵抗群の各々の一端が1つの電極に共通に接続され、抵抗群の各々の他端が他の1つの電極に共通に接続されている構造(複数本の抵抗が並列接続されている構造)は、等価的に単ゲージ構造といえる。
【0034】
図12のXIII−XIII線断面図が図13に示されている。図13に良く示されるように、ストッパ320,322,324,326よりも抵抗部302が高く設定されている。力Wが作用すると力伝達ブロック308の周辺部が撓む(この様子は図14に良く示されている)。力W1が作用すると、力伝達ブロック308の周辺部がストッパ320,326に同時に接触する。そして、さらに大きな力W2が作用すると、力伝達ブロック308はストッパ322,324に同時に接触する。
図15に、本実施例の力検知装置300における出力特性を示すグラフが示されている。ストッパが複数設けられたために3つの感度領域が得られている。
【0035】
(第7実施例) 次に、第1実施例で使用される力検知ブロック22の製造方法について説明する。図16に、力検知ブロックの製造方法を工程別に示している。力検知ブロック22は、半導体ブロック200を加工して製造される。半導体ブロック200はシリコンである。
(レジスト膜パターニング工程;図16(A))
直方体形状を有する半導体ブロック200の上面202に、レジスト膜204,206を塗布する。レジスト膜206は、平面視すると長方形状を有する。レジスト膜204は、レジスト膜206を囲むように配置されている。即ち、レジスト膜204は、平面視すると中央部分に孔が設けられた長方形状を有する。
(不純物添加工程;図16(B))
半導体ブロック200の上面202にイオンを注入する。この工程では、イオン注入機を用いる。イオン注入機は、ボロン、リン、ヒ素等のガスをアーク放電によりイオン化する。そしてイオンを上面202にビーム照射する。これにより、レジスト膜204,206が塗布されていない部分には、イオン注入層210が形成される。イオン注入層210の深さt1は、約0.5μmである。
不純物添加工程は、上記したイオン注入法に換えて、熱拡散法によって行なっても良い。
【0036】
(レジスト除去工程;図16(C))
半導体ブロック200の上面202に塗布されたレジスト膜204,206を除去する。
(レジスト膜パターニング工程;図16(D))
イオン注入層210の一部にレジスト膜212を塗布する。図16(D)では、レジスト膜212が2箇所に塗布されているように見えるが、その2つに見えるレジスト膜212は同一物である。即ちレジスト膜212は、平面視すると中央部分に孔が設けられた長方形状である。
また、イオン注入層210以外の部分にもレジスト膜214,216を塗布する。レジスト膜216は、平面視すると正方形状を有している。図16(D)では2つあるように見えるレジスト膜214は同一物である。即ち、レジスト膜214は、平面視すると中央部分に孔が形成された長方形状を有している。レジスト膜214は、レジスト膜216を囲むように配置されている。
【0037】
(エッチング工程;図16(E))
次に、半導体ブロック200の上面202をRIE(Reactive Ion Etching)法でドライエッチングする。この工程は、ウェットエッチング等の他のエッチング方法によって実施されても良い。
この工程が実施されることによって、レジスト膜212,214,216が塗布されていない部分が削られる。削られなかった部分210,220,222は、半導体ブロック200の上面202から突出する。ドライエッチングによって削られる深さt2は約3μmである。
(レジスト除去工程;図16(F))
レジスト膜212,214,216を除去する。イオン注入層210の幅t3は約10μmであり、半導体ブロック200の中央から突出している部分220の幅t4も約10μmである。
(熱酸化工程;図16(G))
半導体ブロック200を熱酸化させる。これにより、イオン注入層210の上部にはシリコン酸化膜226が厚めにできる。これは、イオン注入層210では熱酸化反応が活性化されるためである。これに対し、中央の突出部220,222では、イオン注入層210と比べて反応が活性化せず、シリコン酸化膜228,230が薄くできる。このように、イオン注入層210とそれ以外の部分でのシリコン酸化膜の厚さが異なるために、イオン注入層210部分と中央突出部220,222とでは高さに差t5ができる。本実施例における差t5は、約0.2μmである。
【0038】
上記の方法で製造された力検知ブロックは、イオン注入層210部分が各抵抗部40a〜40dとなり、中央突出部分220,222が各抵抗部40a〜40dより低いストッパ部50となる。上記製造方法を実施することにより、力検知ブロック22を簡単に製造することができる。
なお、イオン注入濃度を変えることにより、ストッパ部と抵抗部の高さを自由に設定することができる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0040】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の力検知装置の斜視図である。
【図2】図1の力検知ブロックの平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】力が作用して力伝達ブロックが撓む様子を三段階に亘って示す。
【図5】第1実施例の力検知装置の出力特性を示す。
【図6】第1実施例の力検知装置において、力伝達ブロックに作用する力を横軸とし、力伝達ブロックと力検知ブロックとの接触総面積を縦軸とした場合のグラフを示す。
【図7】第2実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図8】第3実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図9】第3実施例の力検知装置の出力特性を示す。
【図10】第4実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図11】第5実施例の力検知ブロックの平面図である。
【図12】第6実施例の力検知装置の平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図である。
【図14】力が作用して力伝達ブロックが撓む様子を示す(第6実施例)。
【図15】第6実施例の力検知装置の出力特性を示す。
【図16】第1実施例の力検知ブロックの製造方法を工程別に示す(第7実施例)。
【図17】従来の力検知装置の出力特性を示す。
【符号の説明】
10・・力検知装置
22・・力検知ブロック
24・・力検知ブロックの上面
30・・力伝達ブロック
40・・抵抗部
42・・電極部
50・・ストッパ部
51・・第1ストッパ
52・・第2ストッパ
Claims (6)
- ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、前記所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備え、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する装置であり、
前記所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられており、
第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量までの間は第2ブロックと突出部との接触面積がゼロとなり、第2ブロックに作用する力が第1所定量から第2所定量までの間は第2ブロックと突出部との接触面積が第1所定値となり、第2ブロックに作用する力が第2所定量以上では第2ブロックと突出部との接触面積が第1所定値より大きい第2所定値となるように、前記突出部が複数設けられていることを特徴とする力検知装置。 - 第2ブロックに作用する力が第2所定量から第3所定量までの間は第2ブロックと突出部との接触面積が第2所定値となり、第2ブロックに作用する力が第3所定量以上では第2ブロックと突出部との接触面積が第2所定値より大きい第3所定値となるように、突出部がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の力検知装置。
- ピエゾ抵抗効果を有する抵抗部が所定面から突出して設けられている第1ブロックと、前記所定面との間に間隔をもってかつ抵抗部と接触して配置されている第2ブロックとを備え、第2ブロックに作用した力を抵抗部の抵抗値変化から検知する装置であり、
前記所定面の抵抗部と干渉しない位置に抵抗部より低い突出部が設けられており、
第2ブロックに作用する力を横軸にとり抵抗部の抵抗値変化を縦軸にとった場合に以下の3本の直線、即ち、
直線1;第1所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量までの間)、
直線2;第1所定値より小さい第2所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第1所定量から第2所定量までの間)、
直線3;第2所定値より小さい第3所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第2所定量から第3所定量までの間、但し第3所定値>0)、
からなる折れ線を含むグラフになるように、前記突出部が複数設けられていることを特徴とする力検知装置。 - nを4以上の自然数としたときに、以下のn本の直線、即ち、
直線1;第1所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力がゼロから第1所定量までの間)、
直線2;第1所定値より小さい第2所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第1所定量から第2所定量までの間)、…、
直線n−1;第n−2所定値より小さい第n−1所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第n−2所定量から第n−1所定量までの間)、
直線n;第n−1所定値より小さい第n所定値を傾きとする直線(第2ブロックに作用する力が第n−1所定量から第n所定量までの間、但し第n所定値>0)、
からなる折れ線を含むグラフになるように、突出部がさらに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の力検知装置。 - 半導体ブロックの所定面における不純物添加部分の所定位置と不純物添加部分以外の部分の所定位置とに、その所定面からほぼ同じ高さ突出する突出部をそれぞれ形成する工程と、
各突出部の表面を熱酸化する工程とを順に実施する半導体ブロックの製造方法。 - 前記突出部形成工程は、
半導体ブロックの所定面における不純物添加部分の所定位置と不純物添加部分以外の部分の所定位置とにそれぞれレジストを塗布する工程と、前記所定面をエッチングする工程と、レジストを取り除く工程とを順に実施する請求項5に記載の製造方法。
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Cited By (4)
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SG106612A1 (en) * | 2001-05-29 | 2004-10-29 | Sony Electronics Singapore Pte | A force sensing device |
WO2015146154A1 (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-01 | 株式会社デンソー | 力検知装置 |
JP2015184237A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
JP2016014650A (ja) * | 2014-06-12 | 2016-01-28 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
-
2002
- 2002-08-23 JP JP2002243717A patent/JP2004085253A/ja active Pending
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