JP2004084736A - 給排水管の制振方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不織布にアクリルエマルションを発泡塗布し、そのシートを積層することにより、給排水管の寸法に合わせて切断したり、給排水管周りに貼り付け作業をする上で作業性等が悪いという従来技術の課題を解消して、薄くて軽量で取り扱いやすい制振シートを用いる給排水管の制振方法を提供する。
【解決手段】以下の工程1〜工程3により、連続気泡を有する樹脂層が不織布に積層された制振シートを給排水管外周に少なくとも2枚積層する。工程1:発泡倍率が3〜10倍であるアクリルエマルションの発泡工程。工程2:不織布にアクリルエマルションを含浸・塗布して含浸層の厚みを少なくとも0.2mmとする含浸・塗布工程。工程3:工程1及び工程2によりアクリルエマルションが含浸・塗布された不織布を60〜160℃で乾燥する工程。
【選択図】図3
【解決手段】以下の工程1〜工程3により、連続気泡を有する樹脂層が不織布に積層された制振シートを給排水管外周に少なくとも2枚積層する。工程1:発泡倍率が3〜10倍であるアクリルエマルションの発泡工程。工程2:不織布にアクリルエマルションを含浸・塗布して含浸層の厚みを少なくとも0.2mmとする含浸・塗布工程。工程3:工程1及び工程2によりアクリルエマルションが含浸・塗布された不織布を60〜160℃で乾燥する工程。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅、マンション、オフィスビル等の給排水管中を水が流れる時に発生する振動及び騒音の低減のために使用され、且つ軽量で取り扱いが簡単である給排水管用制振シート及び制振方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅、マンション、オフィスビル等の給排水管の静粛性等を保つため、制振材が用いられている。この制振材は、振動を発生する部位に装着して発生する振動を制御し、あるいは周囲に振動を伝導させないことが要求される。そのため、発生する振動の周波数に応じて、その振動を有効に制御できることが求められる。これら制振材として、一般的には鉛シートやアスファルトまたはゴムと高比重骨材とを含むものが提案されているが、これら従来の制振材は、重量があるため使用時の取り扱いや切断等の加工が非常に劣るものであった。また、緩衝性がないため衝撃吸収性に劣っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、不織布にアクリルエマルションを発泡塗布し、そのシートを積層することにより、給排水管の寸法に合わせ切断したり、給排水管周りに貼り付け作業をする上で作業性等が悪いという上記従来技術の課題を解消して、薄くて軽量で取り扱いやすい制振シートを用いる給排水管の制振方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程1〜工程3により、連続気泡を有する樹脂層が不織布に積層された制振シートを給排水管外周に少なくとも2枚積層することを特徴とする給排水管の制振方法に関する。
工程1:発泡倍率が3〜10倍であるアクリルエマルションの発泡工程。
工程2:不織布にアクリルエマルションを含浸・塗布して含浸層の厚みを少なくとも0.2mmとする含浸・塗布工程。
工程3:工程1及び工程2によりアクリルエマルションが含浸・塗布された不織布を60〜160℃で乾燥する工程。
【0005】
【発明の実施の形態】
○アクリルエマルション
本発明で使用されるアクリルエマルションは、主体となる単量体としてアクリル系単量体を含有する単量体混合物を乳化重合してなるものである。
好ましいアクリル系単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル等の炭素数が1〜22のアルキル基を有するメタアクリル酸エステル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルがある。
【0006】
その他の単量体をアクリル系重合体の性能を損なわない範囲で共重合することが出来る。その他の単量体として、例えば、エチレン、クロトン酸、ビニル酢酸、アクリロキシプロピオン酸等の不飽和一塩基酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等の不飽和酸無水物、プロピオン酸ビニル、スチレン,ブタジエン、イソプレン、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び酢酸ビニル等がある。
【0007】
上記単量体の内、以下のものはカルボキシル基を有しないが、親水性単量体(20℃における水への溶解度が2重量%より大きい単量体)である。
即ち、アクリル酸メチル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び酢酸ビニルである。
【0008】
乳化重合は公知の方法で行うことができる。例えば、上記単量体を水性媒体中に仕込んで重合させる方法、上記単量体を連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法、又は上記単量体に水を加えてモノマーエマルションを調製してこれを連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法等が挙げられる。
【0009】
乳化重合において用いる乳化剤は通常用いられているものでよく、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤等がある。
【0010】
上記乳化重合においては公知の重合開始剤を使用することができ、重合開始剤の添加方法についても特に限定はなく、重合開始時に一括添加する方法、逐次添加する方法、単量体混合物に重合開始剤を溶解させて滴下する方法等が利用できる。また、これらの方法を2種類以上併用しても良い。
【0011】
重合開始剤としては、水溶性重合開始剤、及び油溶性重合開始剤の何れも使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、これらの過酸化物と亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸塩等の還元剤とからなるレドックス系重合開始剤等がある。
【0012】
必要に応じて、連鎖移動剤としての各種メルカプタン類、α−メチルスチレン、ハロゲン化アルキル等を用いることができる。
【0013】
アクリルエマルション中のカルボキシル基と架橋剤との反応により、耐久性に優れる発泡体を形成することができるので、乳化重合において、カルボキシル基との反応性を有する架橋剤を添加することが望ましい。
好ましい架橋剤として、亜鉛、カルシウムなどの多価金属の酸化物をアルカリ(例えばアンモニア水、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど)で可溶化したものがある。架橋剤の好ましい配合量は、アクリルエマルション中のカルボキシル基に対して、多価金属のイオン当量が10〜90%となる量である。多価金属のイオン当量が10%未満であると、耐久性が低下し、一方90%を超えるとアクリルエマルションの保存安定性が低下する恐れがある。
エマルションの好ましいガラス転移温度は、−10〜40℃である。ガラス転移温度が低すぎると、室温において制振シートの表面が粘着性となり、逆にガラス転移温度が高すぎると、室温において制振シート表面の柔軟性が損なわれる恐れがある。
【0014】
本発明に使用するエマルションには、本発明の効果を損なわない範囲で、上記水性樹脂分散体の他に一般に使用されている成分、例えば油分、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、染料、顔料、香料等を適宜配合することができる。
【0015】
好ましい顔料として、R−221、R−226、B−404、Y−401等の有機顔料;及び二酸化チタン、褐色酸化鉄、ベンガラ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等の無機顔料がある.
【0016】
顔料の分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤及びモノステアリン酸エチレングリコール等のノニオン界面括性剤がある。
【0017】
さらに増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化セルロース等の有機系増粘剤や、無機系のベントナイト系増粘剤、モンモリロナイト、ソーユナイト、ハイデライト、ヘクトライト、サポナイト等の増粘剤、べ一マイト等の含水酸化物等が使用できる。
【0018】
本発明におけるエマルションは連続気泡を有するように発泡させる必要があり、好ましい発泡剤として、アゾ化合物としてアゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトニル(AIBN)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)、ニトロソ化合物としてN,N’−ジニトロソペンタメチレンテロラミン(DPT)、ヒドラジン誘導体として4,4’−オキシビス(ベンゼンスホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、セルカルバジド化合物、アジド化合物、テロラゾール化合物、重炭酸塩類、炭酸塩類などがある。
また、発泡剤もしくは発泡助剤として、各種界面活性を使用しても良い。例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエステル等が上げられる。
気泡を安定化させる目的で添加する製泡剤としては、ステリン酸アンモニウム、アルキルスルホサクシネート、第4級アルキルアンモニウムクロリド等が上げられる。
【0019】
好ましい発泡倍率は、3〜10倍である。発泡倍率が小さいと、連続気泡になりにくく、また気泡が変形することにより振動エネルギーを吸収する能力が低下し、衝撃吸収性が悪くなる。一方、発泡倍率が大きくなり過ぎると、破泡しやすくなり、気泡の強度低下を招く。また、この気泡は、連続気泡のため吸音にも効果がある。
【0020】
○不織布
本発明における不織布は、上記アクリルエマルションを含浸塗布する基材であり、好ましくは合成繊維からなるものである。
好ましい合成繊維として、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン及びポリプロピレン等がある。
好ましい不織布の製法として、スパンボンド法、スパンレース法、メルトブロー法、カーディング法、フラッシュ紡糸法、トウ開繊法、バーストファイバー法等がある。
不織布の好ましい面重量は、30g/m2〜300g/m2である。
【0021】
○制振シート
本発明の制振シートは、上記アクリルエマルションからなり、且つ連続気泡を有する多孔性樹脂層を不織布に積層したものである。
本発明の制振シートに骨材を含有させることができる。この骨材は、特に限定されないが、通常は炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウム、クレイ、ケイソウ土、石膏、スラグ、硝子粉末などの無機微粉末やマイクロバルーン等が用いられる。これらの骨材は、2種以上混合して用いることができる。
骨材の好ましい割合は、アクリルエマルションの固形分100質量部当たり 2〜15部である。
【0022】
本発明の給排水管用制振シートは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、アクリルエマルションと発泡剤と架橋剤、必要に応じて骨材を混合し、ミキサー等で発泡させる。そして、この発泡したアクリルエマルション混合液を不織布あるいは織布に均一に一定量塗布する。この時、不織布へアクリルエマルションが含浸し含浸層が形成される。このシートを乾燥機に入れ60〜160℃で乾燥させることによりシート状にする。乾燥温度が60℃より低い場合は、架橋結合が進みにくく、また160℃より高い場合は、有機物が分解する可能性がある。
エマルションの好ましい含浸・塗布量は、200〜1500g/m2である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を説明する。また、給排水管に対する制振シートの評価は下記の方法に従った。
【0024】
外周に制振シートを貼り付けた配管を、加振力センサー付き加振ハンマーで一定の強さで叩き、その配管に取り付けたピックアップからその時の減衰曲線を測定した。その減衰曲線から加振力を補正し、60dB減少するまでの時間を求め、その時間の長さにより制振シートを評価した。
【0025】
アクリルエマルションの参考例
《参考例1》
(1) アクリロニトリル4.5質量部(以下、部と略す)、アクリル酸エチル65部、メタクリル酸メチル10部、アクリル酸ブチル15.5部、アクリルアマイド3.5部およびイタコン酸1.5部に、重合用乳化剤としてドデシルベンゼンスフォン酸ナトリム0.2部と脱イオン水20部を混合して単量体混合物を調製した。
(2) 撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水45部および上記(1)で調製した単量体混合物を15部添加しておき、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、過硫酸アンモニウムの10%水溶液0.5部、続いてロンガリット(商品名;ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート二水塩)の10%水溶液0.5部添加した後に、上記(1)で調製した単量体混合物の残り分である120部を3時間かけて滴下した。同時に過硫酸アンモニウムの2%水溶液5部を3時間かけて別系統で滴下した。その後、同温度でさらに2時間反応を継続させて重合を終了して、終了時に脱イオン水を8部、およびアンモニアの25%水溶液を2部添加し、固形分濃度が約55%のアクリルエマルシヨンを得た。アクリルエマルションの、重合体のガラス転移点は−2℃であった。
【0026】
実施例1
参考例1のアクリルエマルション100部(固形分濃度50%)に対して、発泡剤(サンノプコ製ノプコDC−100A)を40部、亜鉛架橋剤を2部と分散剤(東亞合成製T−40)を0.4部、また骨材として樹脂マイクロバルーンを15部混合し、ミキサーにて発泡させた(発泡倍率5倍)。この発泡アクリルエマルションを不織布に含浸・塗布し(含浸深度:0.5mm)、100℃の乾燥機で乾燥させシート化した。塗布量はアクリル樹脂として一枚当たり100g/m2であった。得られた給排水管用制振シートは、走査型電子顕微鏡写真(図2)に示されているように多孔性であり、シート面に水を流すと、その反対の面から水が流出することから明らかなように、連続気泡を有しているものであった。
図3と図4に示したように、この制振シートを配管に2枚積層し(アクリル樹脂量の合計:200g/m2)、制振性に関する評価結果を表1に示した。
【0027】
実施例2
実施例1と同様な方法、条件で制振シートを作製した。但し、アクリル樹脂の塗布量は、制振シート一枚当たり400g/m2であった。この制振シートを配管に2枚積層し(アクリル樹脂量の合計:800/m2)、制振性に関する評価結果を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示した。
【0028】
実施例3
アクリルエマルション100部に対して、発泡剤(サンノプコ製ノプコDC−100A)を40部、亜鉛架橋剤を2部と分散剤(東亞合成製T−40)を0.4部、また骨材として粉末マイカを30部混合し、ミキサーにて発泡させた(発泡倍率5倍)。この発泡アクリルエマルションを不織布に含浸・塗布し(含浸深度:0.5mm)、100℃の乾燥機で乾燥させシート化した。塗布量はアクリル樹脂一枚当たり400g/m2であった。
図3と図4に示したように、この制振シートを配管に2枚積層し(アクリル樹脂量の合計:800g/m2)、制振性に関する評価結果を表1に示した。
【0029】
比較例1
配管に貼り付けたシートを1枚のみとした以外は実施例1と同様にして制振シートを施工した(アクリル樹脂量の合計:100g/m2)。制振性に関する評価結果を表1に示した。
【0030】
比較例2
アクリルエマルションの発泡倍率を2倍にし、アクリル樹脂量を一枚当たり400g/m2として、配管に貼り付けたシートを1枚のみとした以外は実施例1と同様にして施工した(アクリル樹脂量の合計:400g/m2)。制振性に関する評価結果を表1に示す。
【0031】
比較例3
発泡させたアクリルエマルションを不織布に含浸・塗布させることなく、発泡させたアクリルエマルションのみからなるアクリルフォームシートを作製した。このアクリルフォームシートにおけるアクリル樹脂量は、一枚当たり200g/m2であった。このアクリルフォームシートを用いること以外は実施例1と同様に配管に施工した(アクリル樹脂量の合計:400g/m2)。その評価結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例1から3によれば、配管に制振シートを施工しなかった場合に比較して2kHzの振動の減衰時間が約半分以下になった。このことから、本発明の制振方法は、住宅、マンション、オフィスビル等の給排水管の静粛性等を保つ手段として有効であることがわかる。
比較例1から3によれば、アクリルフォーム給排水管用制振シートがない場合に比較して減衰時間が短くなったが、制振性能は不十分である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の制振方法は、連続気泡を有するアクリル樹脂を積層した制振シートを用いるため、制振シートの加工、取り扱い、施工が容易である。
本発明の制振方法によれば、給排水管に対する優れた制振性、衝撃吸収性及び吸音効果を簡便に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリルフォーム制振シートを2枚積層して本発明の方法を実施するときの断面図である。
【図2】本発明の制振方法に用いるアクリルフォーム制振シートの走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の方法を実施する際の配管施行例(断面図)である。
【図4】本発明の方法を実施する際の配管施行例(平面図)である。
【符号の説明】
1 アクリルフォーム
2 不織布
3 アクリルフォーム給排水管用制振シート第1層目
4 アクリルフォーム給排水管用制振シート第2層目
5 制振シート
6 モルタル
7 スラブ
8 配管
9 壁
10 パイプスペース
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅、マンション、オフィスビル等の給排水管中を水が流れる時に発生する振動及び騒音の低減のために使用され、且つ軽量で取り扱いが簡単である給排水管用制振シート及び制振方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅、マンション、オフィスビル等の給排水管の静粛性等を保つため、制振材が用いられている。この制振材は、振動を発生する部位に装着して発生する振動を制御し、あるいは周囲に振動を伝導させないことが要求される。そのため、発生する振動の周波数に応じて、その振動を有効に制御できることが求められる。これら制振材として、一般的には鉛シートやアスファルトまたはゴムと高比重骨材とを含むものが提案されているが、これら従来の制振材は、重量があるため使用時の取り扱いや切断等の加工が非常に劣るものであった。また、緩衝性がないため衝撃吸収性に劣っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、不織布にアクリルエマルションを発泡塗布し、そのシートを積層することにより、給排水管の寸法に合わせ切断したり、給排水管周りに貼り付け作業をする上で作業性等が悪いという上記従来技術の課題を解消して、薄くて軽量で取り扱いやすい制振シートを用いる給排水管の制振方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程1〜工程3により、連続気泡を有する樹脂層が不織布に積層された制振シートを給排水管外周に少なくとも2枚積層することを特徴とする給排水管の制振方法に関する。
工程1:発泡倍率が3〜10倍であるアクリルエマルションの発泡工程。
工程2:不織布にアクリルエマルションを含浸・塗布して含浸層の厚みを少なくとも0.2mmとする含浸・塗布工程。
工程3:工程1及び工程2によりアクリルエマルションが含浸・塗布された不織布を60〜160℃で乾燥する工程。
【0005】
【発明の実施の形態】
○アクリルエマルション
本発明で使用されるアクリルエマルションは、主体となる単量体としてアクリル系単量体を含有する単量体混合物を乳化重合してなるものである。
好ましいアクリル系単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル等の炭素数が1〜22のアルキル基を有するメタアクリル酸エステル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルがある。
【0006】
その他の単量体をアクリル系重合体の性能を損なわない範囲で共重合することが出来る。その他の単量体として、例えば、エチレン、クロトン酸、ビニル酢酸、アクリロキシプロピオン酸等の不飽和一塩基酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等の不飽和酸無水物、プロピオン酸ビニル、スチレン,ブタジエン、イソプレン、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び酢酸ビニル等がある。
【0007】
上記単量体の内、以下のものはカルボキシル基を有しないが、親水性単量体(20℃における水への溶解度が2重量%より大きい単量体)である。
即ち、アクリル酸メチル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び酢酸ビニルである。
【0008】
乳化重合は公知の方法で行うことができる。例えば、上記単量体を水性媒体中に仕込んで重合させる方法、上記単量体を連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法、又は上記単量体に水を加えてモノマーエマルションを調製してこれを連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法等が挙げられる。
【0009】
乳化重合において用いる乳化剤は通常用いられているものでよく、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤等がある。
【0010】
上記乳化重合においては公知の重合開始剤を使用することができ、重合開始剤の添加方法についても特に限定はなく、重合開始時に一括添加する方法、逐次添加する方法、単量体混合物に重合開始剤を溶解させて滴下する方法等が利用できる。また、これらの方法を2種類以上併用しても良い。
【0011】
重合開始剤としては、水溶性重合開始剤、及び油溶性重合開始剤の何れも使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、これらの過酸化物と亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸塩等の還元剤とからなるレドックス系重合開始剤等がある。
【0012】
必要に応じて、連鎖移動剤としての各種メルカプタン類、α−メチルスチレン、ハロゲン化アルキル等を用いることができる。
【0013】
アクリルエマルション中のカルボキシル基と架橋剤との反応により、耐久性に優れる発泡体を形成することができるので、乳化重合において、カルボキシル基との反応性を有する架橋剤を添加することが望ましい。
好ましい架橋剤として、亜鉛、カルシウムなどの多価金属の酸化物をアルカリ(例えばアンモニア水、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなど)で可溶化したものがある。架橋剤の好ましい配合量は、アクリルエマルション中のカルボキシル基に対して、多価金属のイオン当量が10〜90%となる量である。多価金属のイオン当量が10%未満であると、耐久性が低下し、一方90%を超えるとアクリルエマルションの保存安定性が低下する恐れがある。
エマルションの好ましいガラス転移温度は、−10〜40℃である。ガラス転移温度が低すぎると、室温において制振シートの表面が粘着性となり、逆にガラス転移温度が高すぎると、室温において制振シート表面の柔軟性が損なわれる恐れがある。
【0014】
本発明に使用するエマルションには、本発明の効果を損なわない範囲で、上記水性樹脂分散体の他に一般に使用されている成分、例えば油分、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、染料、顔料、香料等を適宜配合することができる。
【0015】
好ましい顔料として、R−221、R−226、B−404、Y−401等の有機顔料;及び二酸化チタン、褐色酸化鉄、ベンガラ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等の無機顔料がある.
【0016】
顔料の分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤及びモノステアリン酸エチレングリコール等のノニオン界面括性剤がある。
【0017】
さらに増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化セルロース等の有機系増粘剤や、無機系のベントナイト系増粘剤、モンモリロナイト、ソーユナイト、ハイデライト、ヘクトライト、サポナイト等の増粘剤、べ一マイト等の含水酸化物等が使用できる。
【0018】
本発明におけるエマルションは連続気泡を有するように発泡させる必要があり、好ましい発泡剤として、アゾ化合物としてアゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトニル(AIBN)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)、ニトロソ化合物としてN,N’−ジニトロソペンタメチレンテロラミン(DPT)、ヒドラジン誘導体として4,4’−オキシビス(ベンゼンスホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、セルカルバジド化合物、アジド化合物、テロラゾール化合物、重炭酸塩類、炭酸塩類などがある。
また、発泡剤もしくは発泡助剤として、各種界面活性を使用しても良い。例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエステル等が上げられる。
気泡を安定化させる目的で添加する製泡剤としては、ステリン酸アンモニウム、アルキルスルホサクシネート、第4級アルキルアンモニウムクロリド等が上げられる。
【0019】
好ましい発泡倍率は、3〜10倍である。発泡倍率が小さいと、連続気泡になりにくく、また気泡が変形することにより振動エネルギーを吸収する能力が低下し、衝撃吸収性が悪くなる。一方、発泡倍率が大きくなり過ぎると、破泡しやすくなり、気泡の強度低下を招く。また、この気泡は、連続気泡のため吸音にも効果がある。
【0020】
○不織布
本発明における不織布は、上記アクリルエマルションを含浸塗布する基材であり、好ましくは合成繊維からなるものである。
好ましい合成繊維として、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン及びポリプロピレン等がある。
好ましい不織布の製法として、スパンボンド法、スパンレース法、メルトブロー法、カーディング法、フラッシュ紡糸法、トウ開繊法、バーストファイバー法等がある。
不織布の好ましい面重量は、30g/m2〜300g/m2である。
【0021】
○制振シート
本発明の制振シートは、上記アクリルエマルションからなり、且つ連続気泡を有する多孔性樹脂層を不織布に積層したものである。
本発明の制振シートに骨材を含有させることができる。この骨材は、特に限定されないが、通常は炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウム、クレイ、ケイソウ土、石膏、スラグ、硝子粉末などの無機微粉末やマイクロバルーン等が用いられる。これらの骨材は、2種以上混合して用いることができる。
骨材の好ましい割合は、アクリルエマルションの固形分100質量部当たり 2〜15部である。
【0022】
本発明の給排水管用制振シートは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、アクリルエマルションと発泡剤と架橋剤、必要に応じて骨材を混合し、ミキサー等で発泡させる。そして、この発泡したアクリルエマルション混合液を不織布あるいは織布に均一に一定量塗布する。この時、不織布へアクリルエマルションが含浸し含浸層が形成される。このシートを乾燥機に入れ60〜160℃で乾燥させることによりシート状にする。乾燥温度が60℃より低い場合は、架橋結合が進みにくく、また160℃より高い場合は、有機物が分解する可能性がある。
エマルションの好ましい含浸・塗布量は、200〜1500g/m2である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を説明する。また、給排水管に対する制振シートの評価は下記の方法に従った。
【0024】
外周に制振シートを貼り付けた配管を、加振力センサー付き加振ハンマーで一定の強さで叩き、その配管に取り付けたピックアップからその時の減衰曲線を測定した。その減衰曲線から加振力を補正し、60dB減少するまでの時間を求め、その時間の長さにより制振シートを評価した。
【0025】
アクリルエマルションの参考例
《参考例1》
(1) アクリロニトリル4.5質量部(以下、部と略す)、アクリル酸エチル65部、メタクリル酸メチル10部、アクリル酸ブチル15.5部、アクリルアマイド3.5部およびイタコン酸1.5部に、重合用乳化剤としてドデシルベンゼンスフォン酸ナトリム0.2部と脱イオン水20部を混合して単量体混合物を調製した。
(2) 撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水45部および上記(1)で調製した単量体混合物を15部添加しておき、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、過硫酸アンモニウムの10%水溶液0.5部、続いてロンガリット(商品名;ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート二水塩)の10%水溶液0.5部添加した後に、上記(1)で調製した単量体混合物の残り分である120部を3時間かけて滴下した。同時に過硫酸アンモニウムの2%水溶液5部を3時間かけて別系統で滴下した。その後、同温度でさらに2時間反応を継続させて重合を終了して、終了時に脱イオン水を8部、およびアンモニアの25%水溶液を2部添加し、固形分濃度が約55%のアクリルエマルシヨンを得た。アクリルエマルションの、重合体のガラス転移点は−2℃であった。
【0026】
実施例1
参考例1のアクリルエマルション100部(固形分濃度50%)に対して、発泡剤(サンノプコ製ノプコDC−100A)を40部、亜鉛架橋剤を2部と分散剤(東亞合成製T−40)を0.4部、また骨材として樹脂マイクロバルーンを15部混合し、ミキサーにて発泡させた(発泡倍率5倍)。この発泡アクリルエマルションを不織布に含浸・塗布し(含浸深度:0.5mm)、100℃の乾燥機で乾燥させシート化した。塗布量はアクリル樹脂として一枚当たり100g/m2であった。得られた給排水管用制振シートは、走査型電子顕微鏡写真(図2)に示されているように多孔性であり、シート面に水を流すと、その反対の面から水が流出することから明らかなように、連続気泡を有しているものであった。
図3と図4に示したように、この制振シートを配管に2枚積層し(アクリル樹脂量の合計:200g/m2)、制振性に関する評価結果を表1に示した。
【0027】
実施例2
実施例1と同様な方法、条件で制振シートを作製した。但し、アクリル樹脂の塗布量は、制振シート一枚当たり400g/m2であった。この制振シートを配管に2枚積層し(アクリル樹脂量の合計:800/m2)、制振性に関する評価結果を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示した。
【0028】
実施例3
アクリルエマルション100部に対して、発泡剤(サンノプコ製ノプコDC−100A)を40部、亜鉛架橋剤を2部と分散剤(東亞合成製T−40)を0.4部、また骨材として粉末マイカを30部混合し、ミキサーにて発泡させた(発泡倍率5倍)。この発泡アクリルエマルションを不織布に含浸・塗布し(含浸深度:0.5mm)、100℃の乾燥機で乾燥させシート化した。塗布量はアクリル樹脂一枚当たり400g/m2であった。
図3と図4に示したように、この制振シートを配管に2枚積層し(アクリル樹脂量の合計:800g/m2)、制振性に関する評価結果を表1に示した。
【0029】
比較例1
配管に貼り付けたシートを1枚のみとした以外は実施例1と同様にして制振シートを施工した(アクリル樹脂量の合計:100g/m2)。制振性に関する評価結果を表1に示した。
【0030】
比較例2
アクリルエマルションの発泡倍率を2倍にし、アクリル樹脂量を一枚当たり400g/m2として、配管に貼り付けたシートを1枚のみとした以外は実施例1と同様にして施工した(アクリル樹脂量の合計:400g/m2)。制振性に関する評価結果を表1に示す。
【0031】
比較例3
発泡させたアクリルエマルションを不織布に含浸・塗布させることなく、発泡させたアクリルエマルションのみからなるアクリルフォームシートを作製した。このアクリルフォームシートにおけるアクリル樹脂量は、一枚当たり200g/m2であった。このアクリルフォームシートを用いること以外は実施例1と同様に配管に施工した(アクリル樹脂量の合計:400g/m2)。その評価結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例1から3によれば、配管に制振シートを施工しなかった場合に比較して2kHzの振動の減衰時間が約半分以下になった。このことから、本発明の制振方法は、住宅、マンション、オフィスビル等の給排水管の静粛性等を保つ手段として有効であることがわかる。
比較例1から3によれば、アクリルフォーム給排水管用制振シートがない場合に比較して減衰時間が短くなったが、制振性能は不十分である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の制振方法は、連続気泡を有するアクリル樹脂を積層した制振シートを用いるため、制振シートの加工、取り扱い、施工が容易である。
本発明の制振方法によれば、給排水管に対する優れた制振性、衝撃吸収性及び吸音効果を簡便に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリルフォーム制振シートを2枚積層して本発明の方法を実施するときの断面図である。
【図2】本発明の制振方法に用いるアクリルフォーム制振シートの走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の方法を実施する際の配管施行例(断面図)である。
【図4】本発明の方法を実施する際の配管施行例(平面図)である。
【符号の説明】
1 アクリルフォーム
2 不織布
3 アクリルフォーム給排水管用制振シート第1層目
4 アクリルフォーム給排水管用制振シート第2層目
5 制振シート
6 モルタル
7 スラブ
8 配管
9 壁
10 パイプスペース
Claims (1)
- 以下の工程1〜工程3により、連続気泡を有する樹脂層が不織布に積層された制振シートを給排水管外周に少なくとも2枚積層することを特徴とする給排水管の制振方法。
工程1:発泡倍率が3〜10倍であるアクリルエマルションの発泡工程。
工程2:不織布にアクリルエマルションを含浸・塗布して含浸層の厚みを少なくとも0.2mmとする含浸・塗布工程。
工程3:工程1及び工程2によりアクリルエマルションが含浸・塗布された不織布を60〜160℃で乾燥する工程。
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JP2002244274A JP2004084736A (ja) | 2002-08-23 | 2002-08-23 | 給排水管の制振方法 |
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- 2002-08-23 JP JP2002244274A patent/JP2004084736A/ja active Pending
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