JP2004084514A - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車において、モータの回生時(減速・制動時等)にモータの回生状態が変動しても、運転者にトルクショックを感じさせないように制御する。
【解決手段】モータ13の回生発電中は、モータ13の回生によるエンジン負荷を算出し、そのエンジン負荷とエンジン12のポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように、要求ポンピング損失を算出する。或は、モータ13の回生によるエンジン負荷が大きくなるほど、要求ポンピング損失を少なくするように設定しても良い。この後、要求ポンピング損失に応じて目標スロットル開度を算出してスロットル開度を制御することで、エンジン12の実際のポンピング損失を要求ポンピング損失に一致させる。このようにすれば、モータ13の回生時に、モータ13の回生状態が変動しても、エンジン12の損失トルク、正味トルクの変動を抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】モータ13の回生発電中は、モータ13の回生によるエンジン負荷を算出し、そのエンジン負荷とエンジン12のポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように、要求ポンピング損失を算出する。或は、モータ13の回生によるエンジン負荷が大きくなるほど、要求ポンピング損失を少なくするように設定しても良い。この後、要求ポンピング損失に応じて目標スロットル開度を算出してスロットル開度を制御することで、エンジン12の実際のポンピング損失を要求ポンピング損失に一致させる。このようにすれば、モータ13の回生時に、モータ13の回生状態が変動しても、エンジン12の損失トルク、正味トルクの変動を抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車の減速・制動時等にモータで回生した電力をバッテリに蓄えるようにしたハイブリッド車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の車輪を駆動する動力源としてエンジンとモータを併用するハイブリッド車が実用化されている。このハイブリッド車は、運転条件等に応じて、燃費効率が最大となるようにエンジンの駆動力とモータの駆動力とを使い分けて車輪を駆動し、車両の減速・制動時等に、車輪でモータが駆動されることによってモータで回生した電力を該モータの電源となるバッテリに蓄えるようにしている。また、車両停車時にエンジンを自動停止させるアイドルストップ機能とハイブリッド技術を組み合わせたシステムも実用化されている。このシステムは、エンジン自動停止後の車両発進時に、モータで車両を発進させると共にエンジンを始動させ、エンジン運転中は、エンジンのみで車両を駆動し、減速・制動時にモータで回生発電した電力をバッテリに蓄えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ハイブリッド車では、減速・制動時等にモータで回生発電した電力をバッテリに蓄えるようにしているため、このモータの回生によりエンジンに負荷がかかる。しかも、減速・制動時等には、エンジンのスロットル開度が絞られて吸気抵抗が大きくなるため、エンジンのポンピング損失が大きくなる。従って、減速・制動時等のモータの回生時には、エンジンの損失トルク(車輪の駆動に使われないトルク)がモータの回生による負荷とポンピング損失によって変化し、エンジンの正味トルク(実際に車輪の駆動に使われるトルク)がモータの回生による負荷とポンピング損失によって変化する。
【0004】
しかし、従来のハイブリッド車のエンジン制御では、減速・制動時等のモータの回生時にモータの回生状態によらず、ポンピング損失を一定にするように制御しているため、モータの回生状態が変動したときにエンジンの損失トルク、正味トルクが変動して、その変動がトルクショックとして運転者に不快感を与えてしまう懸念がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、モータの回生時(減速・制動時等)に、モータの回生状態が変動しても、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができるハイブリッド車の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のハイブリッド車の制御装置は、ポンピング損失制御手段によって、モータの回生状態の変化に応じてエンジンのポンピング損失を変化させるようにしたものである。このように、モータの回生状態の変化に応じてエンジンのポンピング損失を変化させれば、モータの回生状態が変動したときに、エンジンの損失トルク、正味トルクが急激に変動することを防止できて、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができる。
【0007】
この場合、請求項2のように、スロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から少なくとも1つを変化させることでエンジンのポンピング損失を変化させるようにすると良い。例えば、スロットル開度を小さくしたり、吸気バルブリフト量を小さくすれば、吸気抵抗が増加してポンピング損失が大きくなる。また、吸排気バルブタイミングをバルブオーバーラップ量が大きくなるように制御すれば、ポンピング損失が小さくなる。従って、モータの回生状態の変化に応じてスロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から少なくとも1つを変化させれば、モータの回生状態の変化に応じてポンピング損失を変化させることができる。
【0008】
具体的には、請求項3のように、モータの回生によるエンジンの負荷が大きくなるほど、エンジンのポンピング損失を少なくするように制御したり、或は、請求項4のように、モータの回生によるエンジンの負荷とポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように制御するようにしても良い。これらいずれの場合でも、モータの回生時(減速・制動時等)に、モータの回生状態が変動しても、それによるエンジン負荷変動を抑える方向にポンピング損失を変化させて、エンジンの損失トルク、正味トルクの変動を抑制することができて、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてハイブリッドシステム全体の構成を説明する。車両の車輪11を駆動する動力源としてガソリンエンジン12とモータ13が搭載されている。エンジン12の動力は、遊星ギア(図示せず)を用いた動力分割機構14により車輪11の駆動力と発電機15の駆動力とに分割される。発電機15で発電した電力は、インバータ16で交流から直流に変換され、バッテリ18に蓄えられる。発電機15の発電中にモータ13を駆動する場合は、発電機15の発電電力をインバータ16を介してモータ13に供給する。また、発電機15の停止中にモータ13を駆動する場合は、バッテリ18に蓄えられた電力をインバータ16を介してモータ13に供給する。
【0010】
動力分割機構14の車輪駆動側出力軸とモータ13の出力軸は、減速機構19の入力軸に連結され、該減速機構19の出力軸によって左右の車輪11が駆動される。モータ13と発電機15とインバータ16の動作は、ハイブリッドECU20によって制御される。
【0011】
一方、エンジン12の吸気管21には、モータ等のアクチュエータ22で駆動されるスロットルバルブ23が設けられ、このスロットルバルブ23の下流側にサージタンク24が設けられている。このサージタンク24からエンジン12の各気筒に導入する吸気マニホールド25の吸気ポート近傍には、燃料噴射弁(図示せず)が設けられ、エンジン12のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ(図示せず)が設けられている。このエンジン12のスロットル開度、燃料噴射量、点火時期等は、エンジンECU26によって制御される。
【0012】
以上のように構成されたハイブリッドシステムは、エンジンECU26とハイブリッドECU20によって、運転条件に応じて、燃費効率が最大となるようにエンジン12の駆動力とモータ13の駆動力とを次のように使い分けて車輪11を駆動する。
【0013】
[発進時及び低負荷時]
発進時、低負荷時(例えば緩やかな下り坂を走行する時など)は、エンジン12の燃費効率が悪い領域を使用するので、エンジン12を停止して、モータ13の駆動力のみで車輪11を駆動する。
【0014】
[通常走行時]
通常走行時には、エンジン12の燃費効率が最大となるようにエンジン12の動力を動力分割機構14により2経路に分割し、その一方のエンジン動力で車輪11を直接駆動すると共に、他方のエンジン動力で発電機15を駆動して発電し、この電力をモータ13に供給することで、モータ13とエンジン12の両方で車輪11を駆動する。
【0015】
[全開加速時]
全開加速時は、最も出力が要求されるので、エンジン12の動力を全て車輪11の駆動力に使用すると共に、バッテリ18に蓄えられた電力をインバータ16を介してモータ13に供給し、モータ13とエンジン12の両方を使用して最大の駆動力で車輪11を駆動する。
【0016】
[減速時・制動時]
減速時・制動時には、車輪11がモータ13を駆動して回生発電を行い、その回生電力をインバータ16を介してバッテリ18に蓄える。このとき、エンジン12は、運転を継続し、エンジンブレーキを働かせる。尚、急な下り坂を走行する場合は、スロットルバルブ23を全閉して減速しようとしても、急な下り坂によって車速が上昇することがあるが、この場合も、モータ13で回生発電を行い、その回生電力をバッテリ18に蓄える。
【0017】
一方、エンジンECU26は、エンジン12の運転中に、図2に示すスロットル制御ルーチンを実行することで、モータ13の回生発電中は、モータ13の回生状態に応じて目標スロットル開度を設定してエンジン12のポンピング損失を制御し、モータ13の駆動中は、エンジン運転状態等に応じて目標スロットル開度を設定する。
【0018】
図2に示すスロットル制御ルーチンは、エンジン12の運転中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうポンピング損失制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、モータ13の回生発電中であるか否かを判定し、モータ13の回生発電中でなければ、ステップ102に進み、エンジン運転状態等に応じて目標スロットル開度を算出する。
【0019】
一方、上記テップ101で、モータ13の回生発電中と判定された場合は、ステップ103に進み、モータ13の回生によるエンジン負荷を算出する。この際、モータ13の回生状態を評価するパラメータとしてモータ13の発電電流値(又は回転速度)を用い、予め、発電電流値(又は回転速度)とエンジン負荷との関係をマップ又は数式で設定しておき、現在の発電電流値(又は回転速度)を検出してマップ又は数式によりエンジン負荷を算出する。
【0020】
この後、ステップ104に進み、上記ステップ103で算出したモータ13の回生によるエンジン負荷を用いて要求ポンピング損失を次のようにして算出する。例えば、モータ13の回生によるエンジン負荷と要求ポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように、要求ポンピング損失を算出する。或は、図3に示すマップを用いて、モータ13の回生によるエンジン負荷が大きくなるほど、要求ポンピング損失を少なくするように設定しても良い。
【0021】
要求ポンピング損失の算出後、ステップ105に進み、図4に示すマップを用いて、要求ポンピング損失に応じて目標スロットル開度を算出する。これにより、要求ポンピング損失が大きくなるほど、目標スロットル開度が小さくなるように設定される。
【0022】
以上のようにしてステップ102又は105で、目標スロットル開度を算出した後、ステップ106に進み、アクチュエータ22でスロットルバルブ23を駆動して、実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させる。これにより、モータ13の回生発電中は、エンジン12の実際のポンピング損失を要求ポンピング損失に一致させる。
【0023】
以上説明した本実施形態では、モータ13の回生によるエンジン負荷とポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように制御するようにしたり、或は、モータ13の回生によるエンジン負荷が大きくなるほど、ポンピング損失を少なくするように制御するようにしたので、モータ13の回生時(減速・制動時等)に、モータ13の回生状態が変動しても、それによるエンジン負荷変動を抑える方向にポンピング損失を変化させて、エンジン12の損失トルク、正味トルクの変動を抑制することができ、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができる。
【0024】
尚、本実施形態では、スロットル開度を変化させてポンピング損失を変化させるようにしたが、可変バルブ機構を搭載したエンジンでは、吸気バルブリフト量又は吸排気バルブタイミングを変化させることでポンピング損失を変化させるようにしても良い。例えば、吸気バルブリフト量を小さくすれば、吸気抵抗が増加してポンピング損失が大きくなり、また、吸排気バルブタイミングをバルブオーバーラップ量が大きくなるように制御すれば、ポンピング損失が小さくなる。また、スロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から2つ以上のパラメータを選択して、それらを同時に変化させることでポンピング損失を変化させるようにしても良い。
【0025】
図1に例示したハイブリッドシステムでは、発電機15を設けているが、発電機の無いパラレル型のハイブリッドシステムに本発明を適用して実施するようにしても良い。要は、車輪を駆動する動力源としてエンジンとモータを併用するハイブリッド車であれば、ハイブリッドシステムの具体的構成を問わず、本発明を適用して実施できる。
【0026】
その他、本発明は、エンジンECU26とハイブリッドECU20の機能を1つのECU(マイクロコンピュータ)で実現するようにしても良い等、種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のハイブリッドシステムの構成を示す図
【図2】スロットル制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図3】モータの回生によるエンジン負荷から要求ポンピング損失を算出するマップを概念的に示す図
【図4】要求ポンピング損失から目標スロットル開度を算出するマップを概念的に示す図
【符号の説明】
11…車輪、12…エンジン、13…モータ、14…動力分割機構、15…発電機、16…インバータ、18…バッテリ、19…減速機構、20…ハイブリッドECU、23…スロットルバルブ、26…エンジンECU(ポンピング損失制御手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車の減速・制動時等にモータで回生した電力をバッテリに蓄えるようにしたハイブリッド車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の車輪を駆動する動力源としてエンジンとモータを併用するハイブリッド車が実用化されている。このハイブリッド車は、運転条件等に応じて、燃費効率が最大となるようにエンジンの駆動力とモータの駆動力とを使い分けて車輪を駆動し、車両の減速・制動時等に、車輪でモータが駆動されることによってモータで回生した電力を該モータの電源となるバッテリに蓄えるようにしている。また、車両停車時にエンジンを自動停止させるアイドルストップ機能とハイブリッド技術を組み合わせたシステムも実用化されている。このシステムは、エンジン自動停止後の車両発進時に、モータで車両を発進させると共にエンジンを始動させ、エンジン運転中は、エンジンのみで車両を駆動し、減速・制動時にモータで回生発電した電力をバッテリに蓄えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ハイブリッド車では、減速・制動時等にモータで回生発電した電力をバッテリに蓄えるようにしているため、このモータの回生によりエンジンに負荷がかかる。しかも、減速・制動時等には、エンジンのスロットル開度が絞られて吸気抵抗が大きくなるため、エンジンのポンピング損失が大きくなる。従って、減速・制動時等のモータの回生時には、エンジンの損失トルク(車輪の駆動に使われないトルク)がモータの回生による負荷とポンピング損失によって変化し、エンジンの正味トルク(実際に車輪の駆動に使われるトルク)がモータの回生による負荷とポンピング損失によって変化する。
【0004】
しかし、従来のハイブリッド車のエンジン制御では、減速・制動時等のモータの回生時にモータの回生状態によらず、ポンピング損失を一定にするように制御しているため、モータの回生状態が変動したときにエンジンの損失トルク、正味トルクが変動して、その変動がトルクショックとして運転者に不快感を与えてしまう懸念がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、モータの回生時(減速・制動時等)に、モータの回生状態が変動しても、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができるハイブリッド車の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のハイブリッド車の制御装置は、ポンピング損失制御手段によって、モータの回生状態の変化に応じてエンジンのポンピング損失を変化させるようにしたものである。このように、モータの回生状態の変化に応じてエンジンのポンピング損失を変化させれば、モータの回生状態が変動したときに、エンジンの損失トルク、正味トルクが急激に変動することを防止できて、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができる。
【0007】
この場合、請求項2のように、スロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から少なくとも1つを変化させることでエンジンのポンピング損失を変化させるようにすると良い。例えば、スロットル開度を小さくしたり、吸気バルブリフト量を小さくすれば、吸気抵抗が増加してポンピング損失が大きくなる。また、吸排気バルブタイミングをバルブオーバーラップ量が大きくなるように制御すれば、ポンピング損失が小さくなる。従って、モータの回生状態の変化に応じてスロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から少なくとも1つを変化させれば、モータの回生状態の変化に応じてポンピング損失を変化させることができる。
【0008】
具体的には、請求項3のように、モータの回生によるエンジンの負荷が大きくなるほど、エンジンのポンピング損失を少なくするように制御したり、或は、請求項4のように、モータの回生によるエンジンの負荷とポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように制御するようにしても良い。これらいずれの場合でも、モータの回生時(減速・制動時等)に、モータの回生状態が変動しても、それによるエンジン負荷変動を抑える方向にポンピング損失を変化させて、エンジンの損失トルク、正味トルクの変動を抑制することができて、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてハイブリッドシステム全体の構成を説明する。車両の車輪11を駆動する動力源としてガソリンエンジン12とモータ13が搭載されている。エンジン12の動力は、遊星ギア(図示せず)を用いた動力分割機構14により車輪11の駆動力と発電機15の駆動力とに分割される。発電機15で発電した電力は、インバータ16で交流から直流に変換され、バッテリ18に蓄えられる。発電機15の発電中にモータ13を駆動する場合は、発電機15の発電電力をインバータ16を介してモータ13に供給する。また、発電機15の停止中にモータ13を駆動する場合は、バッテリ18に蓄えられた電力をインバータ16を介してモータ13に供給する。
【0010】
動力分割機構14の車輪駆動側出力軸とモータ13の出力軸は、減速機構19の入力軸に連結され、該減速機構19の出力軸によって左右の車輪11が駆動される。モータ13と発電機15とインバータ16の動作は、ハイブリッドECU20によって制御される。
【0011】
一方、エンジン12の吸気管21には、モータ等のアクチュエータ22で駆動されるスロットルバルブ23が設けられ、このスロットルバルブ23の下流側にサージタンク24が設けられている。このサージタンク24からエンジン12の各気筒に導入する吸気マニホールド25の吸気ポート近傍には、燃料噴射弁(図示せず)が設けられ、エンジン12のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ(図示せず)が設けられている。このエンジン12のスロットル開度、燃料噴射量、点火時期等は、エンジンECU26によって制御される。
【0012】
以上のように構成されたハイブリッドシステムは、エンジンECU26とハイブリッドECU20によって、運転条件に応じて、燃費効率が最大となるようにエンジン12の駆動力とモータ13の駆動力とを次のように使い分けて車輪11を駆動する。
【0013】
[発進時及び低負荷時]
発進時、低負荷時(例えば緩やかな下り坂を走行する時など)は、エンジン12の燃費効率が悪い領域を使用するので、エンジン12を停止して、モータ13の駆動力のみで車輪11を駆動する。
【0014】
[通常走行時]
通常走行時には、エンジン12の燃費効率が最大となるようにエンジン12の動力を動力分割機構14により2経路に分割し、その一方のエンジン動力で車輪11を直接駆動すると共に、他方のエンジン動力で発電機15を駆動して発電し、この電力をモータ13に供給することで、モータ13とエンジン12の両方で車輪11を駆動する。
【0015】
[全開加速時]
全開加速時は、最も出力が要求されるので、エンジン12の動力を全て車輪11の駆動力に使用すると共に、バッテリ18に蓄えられた電力をインバータ16を介してモータ13に供給し、モータ13とエンジン12の両方を使用して最大の駆動力で車輪11を駆動する。
【0016】
[減速時・制動時]
減速時・制動時には、車輪11がモータ13を駆動して回生発電を行い、その回生電力をインバータ16を介してバッテリ18に蓄える。このとき、エンジン12は、運転を継続し、エンジンブレーキを働かせる。尚、急な下り坂を走行する場合は、スロットルバルブ23を全閉して減速しようとしても、急な下り坂によって車速が上昇することがあるが、この場合も、モータ13で回生発電を行い、その回生電力をバッテリ18に蓄える。
【0017】
一方、エンジンECU26は、エンジン12の運転中に、図2に示すスロットル制御ルーチンを実行することで、モータ13の回生発電中は、モータ13の回生状態に応じて目標スロットル開度を設定してエンジン12のポンピング損失を制御し、モータ13の駆動中は、エンジン運転状態等に応じて目標スロットル開度を設定する。
【0018】
図2に示すスロットル制御ルーチンは、エンジン12の運転中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうポンピング損失制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、モータ13の回生発電中であるか否かを判定し、モータ13の回生発電中でなければ、ステップ102に進み、エンジン運転状態等に応じて目標スロットル開度を算出する。
【0019】
一方、上記テップ101で、モータ13の回生発電中と判定された場合は、ステップ103に進み、モータ13の回生によるエンジン負荷を算出する。この際、モータ13の回生状態を評価するパラメータとしてモータ13の発電電流値(又は回転速度)を用い、予め、発電電流値(又は回転速度)とエンジン負荷との関係をマップ又は数式で設定しておき、現在の発電電流値(又は回転速度)を検出してマップ又は数式によりエンジン負荷を算出する。
【0020】
この後、ステップ104に進み、上記ステップ103で算出したモータ13の回生によるエンジン負荷を用いて要求ポンピング損失を次のようにして算出する。例えば、モータ13の回生によるエンジン負荷と要求ポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように、要求ポンピング損失を算出する。或は、図3に示すマップを用いて、モータ13の回生によるエンジン負荷が大きくなるほど、要求ポンピング損失を少なくするように設定しても良い。
【0021】
要求ポンピング損失の算出後、ステップ105に進み、図4に示すマップを用いて、要求ポンピング損失に応じて目標スロットル開度を算出する。これにより、要求ポンピング損失が大きくなるほど、目標スロットル開度が小さくなるように設定される。
【0022】
以上のようにしてステップ102又は105で、目標スロットル開度を算出した後、ステップ106に進み、アクチュエータ22でスロットルバルブ23を駆動して、実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させる。これにより、モータ13の回生発電中は、エンジン12の実際のポンピング損失を要求ポンピング損失に一致させる。
【0023】
以上説明した本実施形態では、モータ13の回生によるエンジン負荷とポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように制御するようにしたり、或は、モータ13の回生によるエンジン負荷が大きくなるほど、ポンピング損失を少なくするように制御するようにしたので、モータ13の回生時(減速・制動時等)に、モータ13の回生状態が変動しても、それによるエンジン負荷変動を抑える方向にポンピング損失を変化させて、エンジン12の損失トルク、正味トルクの変動を抑制することができ、運転者にトルクショックを感じさせないように制御することができる。
【0024】
尚、本実施形態では、スロットル開度を変化させてポンピング損失を変化させるようにしたが、可変バルブ機構を搭載したエンジンでは、吸気バルブリフト量又は吸排気バルブタイミングを変化させることでポンピング損失を変化させるようにしても良い。例えば、吸気バルブリフト量を小さくすれば、吸気抵抗が増加してポンピング損失が大きくなり、また、吸排気バルブタイミングをバルブオーバーラップ量が大きくなるように制御すれば、ポンピング損失が小さくなる。また、スロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から2つ以上のパラメータを選択して、それらを同時に変化させることでポンピング損失を変化させるようにしても良い。
【0025】
図1に例示したハイブリッドシステムでは、発電機15を設けているが、発電機の無いパラレル型のハイブリッドシステムに本発明を適用して実施するようにしても良い。要は、車輪を駆動する動力源としてエンジンとモータを併用するハイブリッド車であれば、ハイブリッドシステムの具体的構成を問わず、本発明を適用して実施できる。
【0026】
その他、本発明は、エンジンECU26とハイブリッドECU20の機能を1つのECU(マイクロコンピュータ)で実現するようにしても良い等、種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のハイブリッドシステムの構成を示す図
【図2】スロットル制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図3】モータの回生によるエンジン負荷から要求ポンピング損失を算出するマップを概念的に示す図
【図4】要求ポンピング損失から目標スロットル開度を算出するマップを概念的に示す図
【符号の説明】
11…車輪、12…エンジン、13…モータ、14…動力分割機構、15…発電機、16…インバータ、18…バッテリ、19…減速機構、20…ハイブリッドECU、23…スロットルバルブ、26…エンジンECU(ポンピング損失制御手段)。
Claims (4)
- 車両の車輪を駆動する動力源としてエンジンとモータを併用し、減速・制動時等に前記モータで回生した電力を該モータの電源となるバッテリに蓄えるようにしたハイブリッド車の制御装置において、
前記モータの回生状態の変化に応じて前記エンジンのポンピング損失を変化させるポンピング損失制御手段を備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。 - 前記ポンピング損失制御手段は、スロットル開度、吸気バルブリフト量、吸排気バルブタイミングの中から少なくとも1つを変化させることでエンジンのポンピング損失を変化させることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
- 前記ポンピング損失制御手段は、前記モータの回生による前記エンジンの負荷が大きくなるほど、前記エンジンのポンピング損失を少なくするように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車の制御装置。
- 前記ポンピング損失制御手段は、前記モータの回生による前記エンジンの負荷と前記ポンピング損失との合計値がほぼ一定となるように制御することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244459A JP2004084514A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | ハイブリッド車の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002244459A JP2004084514A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | ハイブリッド車の制御装置 |
Publications (1)
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JP2004084514A true JP2004084514A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32052909
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004084514A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8744677B2 (en) | 2010-03-25 | 2014-06-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Regenerative control system for a vehicle |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002244459A patent/JP2004084514A/ja active Pending
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