JP2004084484A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車両において、エンジンの自動停止の可否を適切に判断して、自動停止の頻度を高めることを目的とする。
【解決手段】車両の駆動装置1は、ECU2を備え、ECU2には、エンジン3を自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段21と、エンジン3とモータ/ジェネレータ4により駆動されるコンプレッサ7,8の制御を行う空調制御手段22とを設けた。自動停止再始動制御手段21は、補機9の消費電力および電動コンプレッサ8の消費電力からエンジン3の自動停止時の高圧バッテリ11の放電電力を見積もり、この放電電力と高圧バッテリ11の残容量とからエンジン3の自動停止の実施可能時間を推定し、実施可能時間が所定以上の場合にエンジン3の自動停止を許可するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】車両の駆動装置1は、ECU2を備え、ECU2には、エンジン3を自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段21と、エンジン3とモータ/ジェネレータ4により駆動されるコンプレッサ7,8の制御を行う空調制御手段22とを設けた。自動停止再始動制御手段21は、補機9の消費電力および電動コンプレッサ8の消費電力からエンジン3の自動停止時の高圧バッテリ11の放電電力を見積もり、この放電電力と高圧バッテリ11の残容量とからエンジン3の自動停止の実施可能時間を推定し、実施可能時間が所定以上の場合にエンジン3の自動停止を許可するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両エンジンを自動停止させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンとモータを搭載したハイブリッド車両が実用化されている。ハイブリッド車両においてモータは、車両の制動時には発電機(ジェネレータ)として機能させることができる。つまり、車両の制動時などには、運動エネルギを電気エネルギ(回生エネルギ)に変換し、補機の駆動用の低圧バッテリとは別に設けられた高圧バッテリに蓄える(充電する)ことができる。一方、加速を行うときなどには、蓄えられている電気エネルギを高圧バッテリから取り出して(放電して)利用することができる。このため、ハイブリッド車両は、従来の内燃機関だけで走行する通常の車両に比べて大幅にエネルギの有効利用を図ることができる。
【0003】
ここで、このようなハイブリッド車両においては、停車時など、所定の運転条件下でエンジンの作動を自動的に停止させるものがある。このとき、補機の消費電力が多いと、高圧バッテリの残容量が所定値以下になって、エンジンの再始動が困難になる可能性があるので、エンジンの再始動に必要な電力を確保できるようにエンジンの自動停止を制御する必要がある。このような場合の制御手法の従来技術としては、特許第2587202号公報や、特開2000−257461号公報があげられる。
【0004】
特許第2587202号公報では、高圧バッテリの残容量を把握する手段を設け、バッテリの残容量が判定値以下、あるいは残容量が急激に減少して走行に必要な駆動力が得られない虞れのあるときに、発電機による給電が行われる。残容量が急激に減少する場合としては、大気圧の低下があげられる。このため、判定値を大気圧に応じて設定できるようにしてある。
【0005】
特開2000−257461号公報では、補機の消費電力と、高圧バッテリの残容量に応じてエンジンの停止許可、始動許可を行うようにしている。すなわち、高圧バッテリの残容量と、補機の消費電力と、低圧バッテリの残容量とを取得し、高圧バッテリの残容量が、所定の下限閾値以下、つまりエンジンの再始動が不可能と判定された場合には、エンジンの自動停止を行わない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、判定時の高圧バッテリの残容量と、そのときの消費電力とから自動停止の可否を判断するために、消費電力が多くても確実にエンジンの再始動ができるように、自動停止の実施を許可する閾値(判定値)を十分に高い値に設定しなければならない。このため、例えば、高圧バッテリの残容量は多くないが、消費電力が少ないため、長時間の自動停止が見込める場合であっても自動停止が実施されないことがある。つまり、従来の技術では、自動停止の頻度を高めることは困難であった。また、この問題は、高圧バッテリでコンプレッサを稼動させる車両の場合には、顕著にあらわれる。これは、車両の状態によって高圧バッテリの放電電力の変化が大きくなるために、自動停止を許可する閾値(判定値)をより高い値に設定しなければならないからである。
したがって、本発明は、エンジンの自動停止の可否を適切に判断して、自動停止の頻度を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、エンジンを自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段と、エンジンとモータにより駆動されるコンプレッサの制御を行う空調制御手段とを設けた車両用制御装置であって、補機の消費電力およびモータで駆動するコンプレッサの消費電力をそれぞれ算出する手段と、算出した消費電力からエンジンの停止時のバッテリの放電電力を算出する手段と、バッテリの残容量を算出する手段と、エンジンの始動時に必要なバッテリの容量の下限値を設定する手段と、エンジンの自動停止を許可する許可手段とを備え、許可手段は、残容量、下限値および放電電力から、エンジンの自動停止の実施可能時間を推定し、実施可能時間が所定以上の場合にエンジンの自動停止を許可するように構成した車両用制御装置とした。
【0008】
この構成によれば、エンジンの自動停止の可否を判定するにあたり、現在の残容量と消費電力とからエンジンをどれだけの時間止めていられるかを推定し、この時間に基づいて自動停止の可否を判定する。残容量の閾値をあらかじめ設定する場合には不許可となるような場合、例えば、残容量が多くないが、消費電力が少なくて長時間の自動停止が見込める場合は、実施可能時間が大きくなるので、エンジンの自動停止が許可されることになる。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、エンジンを自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段と、エンジンとモータにより駆動されるコンプレッサの制御を行う空調制御手段とを設けた車両用制御装置であって、補機の消費電力およびモータで駆動するコンプレッサの消費電力をそれぞれ算出する手段と、算出した消費電力からエンジンの自動停止時のバッテリの放電電力を算出する手段と、バッテリの残容量を算出する手段と、エンジンの始動時に必要なバッテリの容量の下限値を設定する手段と、エンジンの自動停止を許可する許可手段とを備え、許可手段は、エンジンの自動停止の持続時間として推定される時間と、放電電力、ならびに下限値からバッテリに必要とされる容量を推定し、推定した容量よりも残容量が多い場合にエンジンの自動停止を許可するように構成した車両用制御装置とした。
【0010】
この構成によれば、エンジンの自動停止の可否を判定するにあたり、推定される持続時間と消費電力を用いてバッテリに必要とされる容量を推定し、この容量よりも現在の残容量が多い場合に自動停止を許可する。残容量の閾値をあらかじめ設定する場合には不許可となるような場合、例えば、残容量が多くないが、消費電力が少なくて長時間の自動停止が見込める場合は、必要とされる容量も少なくて済むので、残容量が多くなくてもエンジンの自動停止を許可することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態の車両用制御装置を含む駆動装置の概略構成図であり、図3は自動停止再始動制御手段のブロック図である。図4は車両用制御装置による制御のフローチャートである。
【0012】
図1に示す駆動装置1は、車両用制御装置であるECU(Electrical ControlUnit)2により制御され、エンジン3とモータ/ジェネレータ(以下、モータとする)4とが回転軸5で直結されたハイブリッド型の構成を有し、エンジン3およびモータ4の回転が、変速機6を経て回転軸5の一端側の連結された駆動輪Wに伝達されるようになっている。また、この駆動装置1には、回転軸5の他端側に連結されるエンジン駆動コンプレッサ7と、モータ4にPDU(Power Drive Unit)13を介して接続される蓄電手段10からの電力供給により駆動する電動コンプレッサ8、および補機9が接続されている。蓄電手段10は、高圧バッテリ11や低圧バッテリ12、DC―DCコンバータ14などからなる。
【0013】
ここで、本実施形態における駆動装置1は、ECU2の制御によりエンジン3の自動停止、自動再始動が可能であることを特徴としている。
【0014】
エンジン3の自動停止とは、所定の条件下において、エンジン3への燃料供給を停止し、エンジン3を自動的に停止させて、燃費の向上を図るものである。所定の条件とは、例えば、図2(a)の論理回路図に示す「車速=0km/h」、「ブレーキSW[ON]」(SW=スイッチ)、「エンジン3の水温所定値以上」、「R・Lレンジ以外」、「バッテリ容量所定値以上」、「TH OFF」(TH=スロットル開度)、が少なくともあげられ、ECU2において、これらのすべてを満たした場合にエンジン3の自動停止が実施されるようになっている。なお、「ブレーキSW[ON]」とは運転者の意思によりブレーキがかけられている状態をいう。また、「エンジン3の水温所定値以上」とは、必要に応じて、すぐにエンジン3を再始動できるようにするために設けられた条件である。「R・Lレンジ以外」とは、シフトポジションがR(リバース)レンジ、またはL(ロウ)レンジ以外であることを意味する。そして、「バッテリ容量所定値以上」は高圧バッテリ11の残容量が所定値以上であること、「TH OFF」はアクセルペダルが踏み込まれていないこと、をそれぞれ示す。
【0015】
一方、エンジン3の自動再始動とは、エンジン3が前記した自動停止状態にある場合に、所定の条件を満たしたときに、エンジン3への燃料供給を再開し、エンジン3を自動的に再始動させるものである。ここでの所定の条件とは、例えば、図2(b)の論理回路図に示すように、「ブレーキSW[OFF]」、「R・Lレンジ」、「バッテリ容量所定値以下」、「TH ON」、があげられ、ECU2において、これらのうちの少なくとも一つを満たした場合にエンジン3の再始動が実施されるようになっている。なお、「ブレーキSW[OFF]」はブレーキが解除された状態、「TH ON」はアクセルペダルが踏み込まれた状態を、それぞれ示す。
【0016】
このように、エンジン3の自動停止、自動再始動を制御するための条件は多様であるが、本実施形態では、バッテリ残容量、つまり図1の高圧バッテリ11の残容量について着目し、特に、高圧バッテリ11で直接駆動させる電動コンプレッサ8を有する場合に、エンジン3の自動停止の実施頻度を高める制御について説明する。
【0017】
以下に、図1の駆動装置1およびこれに接続される機器について説明する。
まず、エンジン3は、ガソリンなどを燃料とする内燃機関であり、図示しない燃料噴射弁を介して噴射される燃料とスロットル弁を介して吸入される空気を吸気弁から吸い込んで、点火プラグにより点火して燃焼する。燃焼ガスは、排気弁、排気管を介して触媒処理され排出される。このエンジン3は、駆動輪Wを回転させる役割、モータ4を回転させて蓄電手段10に電気エネルギを蓄積させる役割、エンジン駆動コンプレッサ7を駆動させる役割を有している。
【0018】
モータ4は、駆動手段としての機能、つまりエンジン3やエンジン駆動コンプレッサ7を駆動させたり、運転状態に応じてエンジン3の出力補助を行ったりする役割に加えて、発電電動機としての機能、つまり車両制動時に発電して回生エネルギを発生させる役割、ならびに車両の運転状態に応じてエンジン3の出力で発電する役割を有している。
【0019】
モータ4に接続されているPDU13は、インバータなどから構成され、モータ4の駆動および回生動作をECU2からの指令値に基づいて行う。インバータは、例えばパルス幅変調によるPWM(Pulse Width Modulation)インバータであり、複数のスイッチング素子をブリッジ接続した図示しないブリッジ回路を備える。
【0020】
蓄電手段10は、高圧バッテリ11と、DC−DCコンバータ14を介して接続される低圧バッテリ12とからなる。高圧バッテリ11は、ニッケル水素電池を多数本まとめて直列接続した組電池になっている。つまり、高圧バッテリ11は、複数のセルから構成されるモジュールを複数配列した集合体である。DC−DCコンバータ14は、PDU13または高圧バッテリ11から供給される電圧を補機9の稼動に適した電圧(例えば12V)まで降下させる。なお、高圧バッテリ11と電動コンプレッサ8とはインバータ15を介して接続されており、このインバータ15としては、例えばPWMインバータが使用できる。
【0021】
エンジン駆動コンプレッサ7は、車内エアコンの稼動のために用いられるエアコンプレッサで、回転軸5の回転が伝達されることで駆動する。回転伝達機構としては、エンジン駆動コンプレッサ7の回転軸16に取り付けられたプーリ17と、エンジン3側の回転軸5の他端に取り付けられたプーリ18と、プーリ17,18の間に巻き掛けられたベルト19とからなる。エンジン駆動コンプレッサ7側の回転軸16は、電磁クラッチ20で断続可能になっている。
【0022】
電動コンプレッサ8は、搭乗者が要求する車内温度と実際の車内温度との差が大きい場合に、エンジン駆動コンプレッサ7をアシストしたり、エンジン3を自動停止させているときにエンジン駆動コンプレッサ7の代わりに駆動したりするエアコンプレッサである。図1では電動コンプレッサ8とエンジン駆動コンプレッサ7とは、別々に示されているが、二種類の駆動源で駆動可能な一つのコンプレッサユニットであっても良い。
【0023】
ECU2は、電気・電子回路と所定のプログラムからなり、エンジン3への燃料の供給や、蓄電手段10への充放電の切り替えなど、駆動装置1の全体を制御する。本実施形態における特徴的な制御であるエンジン3の自動停止の可否を判断する制御は、主にECU2の自動停止再始動制御手段21において行われ、エンジン駆動コンプレッサ7および電動コンプレッサ8の制御は空調制御手段22において行われる。
【0024】
図3のブロック図に示すように、自動停止再始動制御手段21は、補機9の電圧VLおよび電流IL、電動コンプレッサ8の消費電流IC、高圧バッテリ11の電圧Vuおよび電流Iuの入力を受けて、補機9の消費電力PS、電動コンプレッサ8の駆動時の消費電力PC、高圧バッテリ11の残容量SOCを算出し、これらに基づいてエンジン3の自動停止の可否を判定する手段で、判定結果は許可フラグFBとして出力される。すなわち、補機9の消費電力PSおよび電動コンプレッサ8の駆動時の消費電力PCをそれぞれ算出する電力算出手段31と、電力算出手段31で算出した消費電力PS,PCからエンジン3の自動停止時の高圧バッテリ11の放電電力PUを算出する放電電力算出手段32と、高圧バッテリ11の残容量SOCを算出する残容量算出手段33と、エンジン3の再始動に必要な高圧バッテリ11の残容量の下限値LCを設定する下限値設定手段34と、エンジン3の自動停止を許可する許可手段35とを備えている。なお、自動停止再始動制御手段21にインプットされる情報を取得するために、図1のDC−DCコンバータ14には電圧計および電流計が、インバータ15には電流計が、高圧バッテリ11には電圧計および電流計が、それぞれ設けられている(電流計、電圧計は不図示)。
【0025】
本実施形態における許可手段35は、高圧バッテリ11の残容量SOCから下限値LCを減算する算出器36と、除算結果の差分値DSと補機9および電動コンプレッサ8から演算した放電電力PUからエンジン3の自動停止の実施可能時間tsを推定する実施可能時間推定手段37と、実施可能時間tsが所定値以上か否かを判定し、判定結果に基づいて許可フラグFBを設定する判定手段38とからなる。
【0026】
図1に示すECU2の空調制御手段22は、エンジン3の稼動中に、搭乗者が車内エアコンを稼動させた場合には、電磁クラッチ20を繋いで、エンジン駆動コンプレッサ7を稼動させる。車内温度が設定温度に到達したり、搭乗者が車内エアコンを停止させた場合には、電磁クラッチ20を切って、エンジン駆動コンプレッサ7を停止させる。また、エンジン3を再始動させる場合には負荷を低減させるために電磁クラッチ20を切って、エンジン駆動コンプレッサ7を停止させる。一方、エンジン3の自動停止中や、エンジン駆動コンプレッサ7をアシストする必要がある場合には、電動コンプレッサ8に稼動信号を送り、電動コンプレッサ8を稼動させる。
【0027】
次に、このような駆動装置1においてECU2が行うエンジン3の自動停止や、自動再始動の制御を図1、図3、および図4を用いて説明する。なお、前記したように、エンジン3の自動停止や、自動再始動は、車速などの条件も加味して行われるが、ここでは、高圧バッテリ11の容量のみに着目して行われるものとして説明する。
【0028】
図4のステップS1で補機9の消費電力PSを算出する。ここでの消費電力PSは、図3の電力算出手段31が、補機9に供給される電流ILと、電圧VLとを掛け合わして算出する。
【0029】
ステップS2では、電動コンプレッサ8の消費電力PCを算出する。ここでの消費電力PCは、電力算出手段31が電動コンプレッサ8の消費電流ICと、高圧バッテリ11の電圧Vuとを掛け合わして算出する。
【0030】
ステップS3では、現在の車両の状態が継続される場合に、高圧バッテリ11が消費すると思われる放電電力PUを算出する。放電電力PUは、放電電力算出手段32が補機9の消費電力PSと電動コンプレッサ8の消費電力PCの合計値を求め、合計値を高圧バッテリ11の放電効率で除算した値として得られる。
【0031】
さらに、ステップS4として高圧バッテリ11の現在の残容量SOCを計測する。残容量SOCは、残容量算出手段33が高圧バッテリ11の電圧Vuと、高圧バッテリ11から供給される電流Iuとを掛け合わした値として得られる。
【0032】
ここまでの各ステップで取得したデータと、エンジン3の再始動に必要とされる高圧バッテリ11の容量(下限値LC)とに基づき、ステップS5でエンジン3を自動停止できる時間の推定値(実施可能時間ts)を算出する。具体的には、ステップS4で算出した現在の残容量SOCから下限値LCを引いた値を、ステップS3で算出した放電電力PUで除算した結果を用いる。この演算は、図3の許可手段25の実施可能時間推定手段37により行われる。
【0033】
実施可能時間tsを算出したら、ステップS6として現在の状態でエンジン3の自動停止が可能か否かを判定する。判定基準には、あらかじめ設定されている所定値CPを用い、実施可能時間tsが所定値CP以上の場合(Yes)には、判定手段38が自動停止可能と判定し、ステップS7に進んで、許可フラグFBに「1」を設定し、ここでの処理を終了する。一方、ステップS6で実施可能時間trが所定値CP未満の場合(No)は、自動停止不可とみなし、ステップS8に進んで、許可フラグFBを「0」として、ここでの処理を終了する。
【0034】
以上の処理を所定の時間間隔ごとに行い、許可フラグFBとして「1」が出力されている間は、ECU2は燃料供給をストップし、エンジン3を自動停止させ、許可フラグFBが「0」になったら、燃料供給を開始して自動停止を中断し、エンジン3を自動的に再始動させる。
【0035】
このように、本実施形態は、高圧バッテリ11の残容量SOCと、残容量SOCの下限値LCと、エンジン3の自動停止時に予想される高圧バッテリ11の放電電力PUとからエンジン3の自動停止が実施可能な時間を推定し、この推定した時間が所定以上であった場合にエンジン3の自動停止を許可するようにした。このような制御は、残容量SOCと放電電力PUとにより変化する実施可能時間tsに応じて自動停止の可否を判定するので、例えば、高圧バッテリ11の残容量があまり多くない場合など、固定された閾値のみを判定基準とする場合には自動停止が許可されないようなときであっても、低圧バッテリ12の消費電力PSが少なく、許可手段35の処理の結果、自動停止を長く実施できることが判明した場合には、エンジン3の自動停止が可能になる、などの制御が可能になる。したがって、エンジン3の自動停止の頻度を増加させることができる。車両の状況を確実に判断してエンジン3の稼動制御を行うことで、搭乗者に快適な環境を提供しつつも、燃費向上を図ることができる。また、所定時間の間、自動停止が継続できることが許可条件となるので、自動停止後すぐにエンジン3が再始動して搭乗者に不快感を与えることを防止できる。
【0036】
なお、所定値CPとは、あらかじめ設定された値で、任意に設定することができ、例えば、エンジン3を一旦、自動停止させた場合に、その自動停止が継続すると見積もられる時間の最低値が設定される。具体的には、信号待ちに要する時間、例えば1分間があげられる。
【0037】
(第二実施形態)
本実施形態は、図1に示すエンジン3の自動停止の可否を判定するにあたり、自動停止を継続する時間に応じて推定される高圧バッテリ11の残容量の比較を行うことを特徴とする。このような制御について、図1、図5および図6を参照しながら説明する。なお、前記の実施形態と重複する部分は説明を省略する。
【0038】
図5は本実施形態におけるECU2(図1参照)の自動停止再始動制御手段41のブロック図である。
自動停止再始動制御手段41は、電力算出手段31、放電電力算出手段32、下限値設定手段34、残容量算出手段33に加えて、最低実施時間設定手段44を有し、許可手段45で許可フラグFBを設定するようになっている。許可手段45は、エンジン3の自動停止を所定時間継続するために必要なバッテリ容量BCを推定するバッテリ容量推定手段46と、推定したバッテリ容量BCと現在の残容量SOCとを比較・判定し、判定結果に基づいて許可フラグFBを設定し、出力する判定手段47とを有している。
【0039】
ここで、最低実施時間設定手段44には、エンジン3を、一旦、自動停止させた場合に、その自動停止が継続すると見積もられる時間の最低値が設定される。最低実施時間tmとしては、信号待ちの最小時間などがあげられる。例えば、最低実施時間tmを1分とした場合には、少なくとも1分間はエンジン3の自動停止が可能であると判定された場合に、自動停止が許可(実施)されることになる。このため、自動停止後にすぐにエンジン3が再始動して搭乗者に不快感を与えることを防止できる。
【0040】
自動停止再始動制御手段41を含むECU2における処理について、図5、図6および図7を参照しながら説明する。なお、図6は自動停止再始動制御手段41における処理を示すフローチャートであり、図7は処理の概念を説明するための図である。図7における数値は一例であり、車両の仕様により変化するものである。
【0041】
図6に示すように、自動停止再始動制御手段41は、ステップS1で補機9の消費電力PSの算出を行い、ステップS2で電動コンプレッサ8の消費電力PCを算出する。そして、消費電力PSと消費電力PCとに基づいて、ステップS3で高圧バッテリ11の単位時間あたりの放電電力PUの算出を行う。そして、ステップS14で、放電電力PUに最低実施時間tmを乗じて、最低実施時間tmの間、エンジン3を自動停止させた場合に高圧バッテリ11から放出される放電電力量を算出する。さらに、ステップS15では、放電電力量に高圧バッテリ11の容量に変換し、自動再始動に必要なバッテリ容量の下限値LC(下限値設定手段34から取得)と足し合わせて、最低実施時間tmだけ自動停止を継続するのに必要とされるバッテリ容量BCを推定する。
【0042】
ステップS16では高圧バッテリ11の現在の残容量SOCの計測を行い、ステップS17で残容量SOCが、必要とされるバッテリ容量BCよりも多いか否かを判定する。残容量SOCが多い場合(Yes)には、ステップS18に進んで、許可フラグFBに「1」を設定、つまり自動停止を許可する。一方、残容量SOCが少ない場合(No)には、ステップS19に進んで、許可フラグFBに「0」を設定、つまり自動停止を不許可にする。
【0043】
このような処理を、図7の例を用いて具体的に説明すると、電動コンプレッサ8の消費電力PC(1kW)と、コンデンサの冷却ファンや、送風機、ECUなどに供給される補機8の消費電力PS(0.5+0.4=0.9kW)との合計(1.9kW)をバッテリ11の放電効率(0.8)で除算すると、これらの消費電力PC,PSを賄うために高圧バッテリ11に要求される放電電力PU(2.3kW)が得られる。
【0044】
算出された放電電力PUに対しては、最低実施時間tmが乗じられ、最低実施時間tmの間に高圧バッテリ11が放電すると想定される放電電力量を算出する。ここで、最低実施時間tmが1分である場合には、1分あたりの放電電力量(2.3kWh×1/60=38.3kW)が求められる。これにより、高圧バッテリ11の全容量(850Wh)に対する、前記の放電電力量の割合である残容量換算値(4.5%)が得られ、エンジン始動に必要な高圧バッテリ11の容量として下限値LC(25%)に残容量換算値(4.5%)を足した値(29.5%)が最低実施時間tmから推定されるバッテリ容量BC(推定残容量)となる。
【0045】
そして、必要とされるバッテリ容量BCと現在の残容量SOCとを比較し、この場合であれば、現在の残容量SOCが29.5%よりも多ければ、エンジン3の自動停止が許可される。なお、図1に示すベルト駆動コンプレッサ7、電動コンプレッサ8がECU2の空調制御手段22により制御されるのは、前記の実施形態と同様である。
【0046】
本実施形態では、エンジン3を自動停止させる間に消費が予想される放電電力量から見積もったバッテリ容量BC、つまり高圧バッテリ11に必要とされる容量と、現在の残容量SOCとから自動停止の可否を判定する。補機9や電動コンプレッサ8の使用状況を加味し、所定時間だけ自動停止を実施できるか否かを判定基準とすることで、車両の状況を確実に判断してエンジン3の稼動制御を行うことが可能になり、搭乗者に快適な環境を提供しつつも、燃費向上を図ることができる。
【0047】
なお、本発明は前記の各実施形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、エンジン3とモータ4の配置は、図1の直列に限定されずに、並列配置であっても良い。また、モータ4は、モータと、モータと別体のジェネレータであっても良い。
さらに、蓄電手段10は、低圧バッテリ12を備えずに、補機9は高圧バッテリ11からDC−DCコンバータ14を経て供給される電力により稼動しても良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、バッテリの残容量と、自動停止中に消費すると考えられる放電電力とから、自動停止が実施可能な時間を推定して、エンジンの自動停止の可否を判定する。残容量や放電電力に応じて変化する実施可能時間に応じて判定を行うことで、自動停止の実施頻度を高めることができる。
請求項2によれば、自動停止を行う時間の間に消費される電力から必要とされるバッテリ容量を算出し、実際の残容量と比較してエンジンの自動停止の許可を判断する。放電電力に応じて変化する容量に応じて判定を行うことで、自動停止の実施頻度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両用制御装置を含む駆動装置の概略構成図である。
【図2】エンジンの(a)自動停止の条件を説明する論理回路図、(b)自動再始動の条件を説明する論理回路図である。
【図3】自動停止再始動制御手段のブロック図である。
【図4】車両用制御装置による制御のフローチャートである。
【図5】自動停止再始動制御手段のブロック図である。
【図6】車両用制御装置による制御のフローチャートである。
【図7】処理の概念を説明するための図である。
【符号の説明】
1 駆動装置
2 ECU(車両用制御装置)
3 エンジン
4 モータ
7 エンジン駆動コンプレッサ
8 電動コンプレッサ
9 補機
12 高圧バッテリ
21 自動停止再始動制御手段
22 空調制御手段
31 電力算出手段
32 放電電力算出手段
33 残容量算出手段
34 下限値設定手段
35,45 許可手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両エンジンを自動停止させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンとモータを搭載したハイブリッド車両が実用化されている。ハイブリッド車両においてモータは、車両の制動時には発電機(ジェネレータ)として機能させることができる。つまり、車両の制動時などには、運動エネルギを電気エネルギ(回生エネルギ)に変換し、補機の駆動用の低圧バッテリとは別に設けられた高圧バッテリに蓄える(充電する)ことができる。一方、加速を行うときなどには、蓄えられている電気エネルギを高圧バッテリから取り出して(放電して)利用することができる。このため、ハイブリッド車両は、従来の内燃機関だけで走行する通常の車両に比べて大幅にエネルギの有効利用を図ることができる。
【0003】
ここで、このようなハイブリッド車両においては、停車時など、所定の運転条件下でエンジンの作動を自動的に停止させるものがある。このとき、補機の消費電力が多いと、高圧バッテリの残容量が所定値以下になって、エンジンの再始動が困難になる可能性があるので、エンジンの再始動に必要な電力を確保できるようにエンジンの自動停止を制御する必要がある。このような場合の制御手法の従来技術としては、特許第2587202号公報や、特開2000−257461号公報があげられる。
【0004】
特許第2587202号公報では、高圧バッテリの残容量を把握する手段を設け、バッテリの残容量が判定値以下、あるいは残容量が急激に減少して走行に必要な駆動力が得られない虞れのあるときに、発電機による給電が行われる。残容量が急激に減少する場合としては、大気圧の低下があげられる。このため、判定値を大気圧に応じて設定できるようにしてある。
【0005】
特開2000−257461号公報では、補機の消費電力と、高圧バッテリの残容量に応じてエンジンの停止許可、始動許可を行うようにしている。すなわち、高圧バッテリの残容量と、補機の消費電力と、低圧バッテリの残容量とを取得し、高圧バッテリの残容量が、所定の下限閾値以下、つまりエンジンの再始動が不可能と判定された場合には、エンジンの自動停止を行わない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、判定時の高圧バッテリの残容量と、そのときの消費電力とから自動停止の可否を判断するために、消費電力が多くても確実にエンジンの再始動ができるように、自動停止の実施を許可する閾値(判定値)を十分に高い値に設定しなければならない。このため、例えば、高圧バッテリの残容量は多くないが、消費電力が少ないため、長時間の自動停止が見込める場合であっても自動停止が実施されないことがある。つまり、従来の技術では、自動停止の頻度を高めることは困難であった。また、この問題は、高圧バッテリでコンプレッサを稼動させる車両の場合には、顕著にあらわれる。これは、車両の状態によって高圧バッテリの放電電力の変化が大きくなるために、自動停止を許可する閾値(判定値)をより高い値に設定しなければならないからである。
したがって、本発明は、エンジンの自動停止の可否を適切に判断して、自動停止の頻度を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、エンジンを自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段と、エンジンとモータにより駆動されるコンプレッサの制御を行う空調制御手段とを設けた車両用制御装置であって、補機の消費電力およびモータで駆動するコンプレッサの消費電力をそれぞれ算出する手段と、算出した消費電力からエンジンの停止時のバッテリの放電電力を算出する手段と、バッテリの残容量を算出する手段と、エンジンの始動時に必要なバッテリの容量の下限値を設定する手段と、エンジンの自動停止を許可する許可手段とを備え、許可手段は、残容量、下限値および放電電力から、エンジンの自動停止の実施可能時間を推定し、実施可能時間が所定以上の場合にエンジンの自動停止を許可するように構成した車両用制御装置とした。
【0008】
この構成によれば、エンジンの自動停止の可否を判定するにあたり、現在の残容量と消費電力とからエンジンをどれだけの時間止めていられるかを推定し、この時間に基づいて自動停止の可否を判定する。残容量の閾値をあらかじめ設定する場合には不許可となるような場合、例えば、残容量が多くないが、消費電力が少なくて長時間の自動停止が見込める場合は、実施可能時間が大きくなるので、エンジンの自動停止が許可されることになる。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、エンジンを自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段と、エンジンとモータにより駆動されるコンプレッサの制御を行う空調制御手段とを設けた車両用制御装置であって、補機の消費電力およびモータで駆動するコンプレッサの消費電力をそれぞれ算出する手段と、算出した消費電力からエンジンの自動停止時のバッテリの放電電力を算出する手段と、バッテリの残容量を算出する手段と、エンジンの始動時に必要なバッテリの容量の下限値を設定する手段と、エンジンの自動停止を許可する許可手段とを備え、許可手段は、エンジンの自動停止の持続時間として推定される時間と、放電電力、ならびに下限値からバッテリに必要とされる容量を推定し、推定した容量よりも残容量が多い場合にエンジンの自動停止を許可するように構成した車両用制御装置とした。
【0010】
この構成によれば、エンジンの自動停止の可否を判定するにあたり、推定される持続時間と消費電力を用いてバッテリに必要とされる容量を推定し、この容量よりも現在の残容量が多い場合に自動停止を許可する。残容量の閾値をあらかじめ設定する場合には不許可となるような場合、例えば、残容量が多くないが、消費電力が少なくて長時間の自動停止が見込める場合は、必要とされる容量も少なくて済むので、残容量が多くなくてもエンジンの自動停止を許可することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態の車両用制御装置を含む駆動装置の概略構成図であり、図3は自動停止再始動制御手段のブロック図である。図4は車両用制御装置による制御のフローチャートである。
【0012】
図1に示す駆動装置1は、車両用制御装置であるECU(Electrical ControlUnit)2により制御され、エンジン3とモータ/ジェネレータ(以下、モータとする)4とが回転軸5で直結されたハイブリッド型の構成を有し、エンジン3およびモータ4の回転が、変速機6を経て回転軸5の一端側の連結された駆動輪Wに伝達されるようになっている。また、この駆動装置1には、回転軸5の他端側に連結されるエンジン駆動コンプレッサ7と、モータ4にPDU(Power Drive Unit)13を介して接続される蓄電手段10からの電力供給により駆動する電動コンプレッサ8、および補機9が接続されている。蓄電手段10は、高圧バッテリ11や低圧バッテリ12、DC―DCコンバータ14などからなる。
【0013】
ここで、本実施形態における駆動装置1は、ECU2の制御によりエンジン3の自動停止、自動再始動が可能であることを特徴としている。
【0014】
エンジン3の自動停止とは、所定の条件下において、エンジン3への燃料供給を停止し、エンジン3を自動的に停止させて、燃費の向上を図るものである。所定の条件とは、例えば、図2(a)の論理回路図に示す「車速=0km/h」、「ブレーキSW[ON]」(SW=スイッチ)、「エンジン3の水温所定値以上」、「R・Lレンジ以外」、「バッテリ容量所定値以上」、「TH OFF」(TH=スロットル開度)、が少なくともあげられ、ECU2において、これらのすべてを満たした場合にエンジン3の自動停止が実施されるようになっている。なお、「ブレーキSW[ON]」とは運転者の意思によりブレーキがかけられている状態をいう。また、「エンジン3の水温所定値以上」とは、必要に応じて、すぐにエンジン3を再始動できるようにするために設けられた条件である。「R・Lレンジ以外」とは、シフトポジションがR(リバース)レンジ、またはL(ロウ)レンジ以外であることを意味する。そして、「バッテリ容量所定値以上」は高圧バッテリ11の残容量が所定値以上であること、「TH OFF」はアクセルペダルが踏み込まれていないこと、をそれぞれ示す。
【0015】
一方、エンジン3の自動再始動とは、エンジン3が前記した自動停止状態にある場合に、所定の条件を満たしたときに、エンジン3への燃料供給を再開し、エンジン3を自動的に再始動させるものである。ここでの所定の条件とは、例えば、図2(b)の論理回路図に示すように、「ブレーキSW[OFF]」、「R・Lレンジ」、「バッテリ容量所定値以下」、「TH ON」、があげられ、ECU2において、これらのうちの少なくとも一つを満たした場合にエンジン3の再始動が実施されるようになっている。なお、「ブレーキSW[OFF]」はブレーキが解除された状態、「TH ON」はアクセルペダルが踏み込まれた状態を、それぞれ示す。
【0016】
このように、エンジン3の自動停止、自動再始動を制御するための条件は多様であるが、本実施形態では、バッテリ残容量、つまり図1の高圧バッテリ11の残容量について着目し、特に、高圧バッテリ11で直接駆動させる電動コンプレッサ8を有する場合に、エンジン3の自動停止の実施頻度を高める制御について説明する。
【0017】
以下に、図1の駆動装置1およびこれに接続される機器について説明する。
まず、エンジン3は、ガソリンなどを燃料とする内燃機関であり、図示しない燃料噴射弁を介して噴射される燃料とスロットル弁を介して吸入される空気を吸気弁から吸い込んで、点火プラグにより点火して燃焼する。燃焼ガスは、排気弁、排気管を介して触媒処理され排出される。このエンジン3は、駆動輪Wを回転させる役割、モータ4を回転させて蓄電手段10に電気エネルギを蓄積させる役割、エンジン駆動コンプレッサ7を駆動させる役割を有している。
【0018】
モータ4は、駆動手段としての機能、つまりエンジン3やエンジン駆動コンプレッサ7を駆動させたり、運転状態に応じてエンジン3の出力補助を行ったりする役割に加えて、発電電動機としての機能、つまり車両制動時に発電して回生エネルギを発生させる役割、ならびに車両の運転状態に応じてエンジン3の出力で発電する役割を有している。
【0019】
モータ4に接続されているPDU13は、インバータなどから構成され、モータ4の駆動および回生動作をECU2からの指令値に基づいて行う。インバータは、例えばパルス幅変調によるPWM(Pulse Width Modulation)インバータであり、複数のスイッチング素子をブリッジ接続した図示しないブリッジ回路を備える。
【0020】
蓄電手段10は、高圧バッテリ11と、DC−DCコンバータ14を介して接続される低圧バッテリ12とからなる。高圧バッテリ11は、ニッケル水素電池を多数本まとめて直列接続した組電池になっている。つまり、高圧バッテリ11は、複数のセルから構成されるモジュールを複数配列した集合体である。DC−DCコンバータ14は、PDU13または高圧バッテリ11から供給される電圧を補機9の稼動に適した電圧(例えば12V)まで降下させる。なお、高圧バッテリ11と電動コンプレッサ8とはインバータ15を介して接続されており、このインバータ15としては、例えばPWMインバータが使用できる。
【0021】
エンジン駆動コンプレッサ7は、車内エアコンの稼動のために用いられるエアコンプレッサで、回転軸5の回転が伝達されることで駆動する。回転伝達機構としては、エンジン駆動コンプレッサ7の回転軸16に取り付けられたプーリ17と、エンジン3側の回転軸5の他端に取り付けられたプーリ18と、プーリ17,18の間に巻き掛けられたベルト19とからなる。エンジン駆動コンプレッサ7側の回転軸16は、電磁クラッチ20で断続可能になっている。
【0022】
電動コンプレッサ8は、搭乗者が要求する車内温度と実際の車内温度との差が大きい場合に、エンジン駆動コンプレッサ7をアシストしたり、エンジン3を自動停止させているときにエンジン駆動コンプレッサ7の代わりに駆動したりするエアコンプレッサである。図1では電動コンプレッサ8とエンジン駆動コンプレッサ7とは、別々に示されているが、二種類の駆動源で駆動可能な一つのコンプレッサユニットであっても良い。
【0023】
ECU2は、電気・電子回路と所定のプログラムからなり、エンジン3への燃料の供給や、蓄電手段10への充放電の切り替えなど、駆動装置1の全体を制御する。本実施形態における特徴的な制御であるエンジン3の自動停止の可否を判断する制御は、主にECU2の自動停止再始動制御手段21において行われ、エンジン駆動コンプレッサ7および電動コンプレッサ8の制御は空調制御手段22において行われる。
【0024】
図3のブロック図に示すように、自動停止再始動制御手段21は、補機9の電圧VLおよび電流IL、電動コンプレッサ8の消費電流IC、高圧バッテリ11の電圧Vuおよび電流Iuの入力を受けて、補機9の消費電力PS、電動コンプレッサ8の駆動時の消費電力PC、高圧バッテリ11の残容量SOCを算出し、これらに基づいてエンジン3の自動停止の可否を判定する手段で、判定結果は許可フラグFBとして出力される。すなわち、補機9の消費電力PSおよび電動コンプレッサ8の駆動時の消費電力PCをそれぞれ算出する電力算出手段31と、電力算出手段31で算出した消費電力PS,PCからエンジン3の自動停止時の高圧バッテリ11の放電電力PUを算出する放電電力算出手段32と、高圧バッテリ11の残容量SOCを算出する残容量算出手段33と、エンジン3の再始動に必要な高圧バッテリ11の残容量の下限値LCを設定する下限値設定手段34と、エンジン3の自動停止を許可する許可手段35とを備えている。なお、自動停止再始動制御手段21にインプットされる情報を取得するために、図1のDC−DCコンバータ14には電圧計および電流計が、インバータ15には電流計が、高圧バッテリ11には電圧計および電流計が、それぞれ設けられている(電流計、電圧計は不図示)。
【0025】
本実施形態における許可手段35は、高圧バッテリ11の残容量SOCから下限値LCを減算する算出器36と、除算結果の差分値DSと補機9および電動コンプレッサ8から演算した放電電力PUからエンジン3の自動停止の実施可能時間tsを推定する実施可能時間推定手段37と、実施可能時間tsが所定値以上か否かを判定し、判定結果に基づいて許可フラグFBを設定する判定手段38とからなる。
【0026】
図1に示すECU2の空調制御手段22は、エンジン3の稼動中に、搭乗者が車内エアコンを稼動させた場合には、電磁クラッチ20を繋いで、エンジン駆動コンプレッサ7を稼動させる。車内温度が設定温度に到達したり、搭乗者が車内エアコンを停止させた場合には、電磁クラッチ20を切って、エンジン駆動コンプレッサ7を停止させる。また、エンジン3を再始動させる場合には負荷を低減させるために電磁クラッチ20を切って、エンジン駆動コンプレッサ7を停止させる。一方、エンジン3の自動停止中や、エンジン駆動コンプレッサ7をアシストする必要がある場合には、電動コンプレッサ8に稼動信号を送り、電動コンプレッサ8を稼動させる。
【0027】
次に、このような駆動装置1においてECU2が行うエンジン3の自動停止や、自動再始動の制御を図1、図3、および図4を用いて説明する。なお、前記したように、エンジン3の自動停止や、自動再始動は、車速などの条件も加味して行われるが、ここでは、高圧バッテリ11の容量のみに着目して行われるものとして説明する。
【0028】
図4のステップS1で補機9の消費電力PSを算出する。ここでの消費電力PSは、図3の電力算出手段31が、補機9に供給される電流ILと、電圧VLとを掛け合わして算出する。
【0029】
ステップS2では、電動コンプレッサ8の消費電力PCを算出する。ここでの消費電力PCは、電力算出手段31が電動コンプレッサ8の消費電流ICと、高圧バッテリ11の電圧Vuとを掛け合わして算出する。
【0030】
ステップS3では、現在の車両の状態が継続される場合に、高圧バッテリ11が消費すると思われる放電電力PUを算出する。放電電力PUは、放電電力算出手段32が補機9の消費電力PSと電動コンプレッサ8の消費電力PCの合計値を求め、合計値を高圧バッテリ11の放電効率で除算した値として得られる。
【0031】
さらに、ステップS4として高圧バッテリ11の現在の残容量SOCを計測する。残容量SOCは、残容量算出手段33が高圧バッテリ11の電圧Vuと、高圧バッテリ11から供給される電流Iuとを掛け合わした値として得られる。
【0032】
ここまでの各ステップで取得したデータと、エンジン3の再始動に必要とされる高圧バッテリ11の容量(下限値LC)とに基づき、ステップS5でエンジン3を自動停止できる時間の推定値(実施可能時間ts)を算出する。具体的には、ステップS4で算出した現在の残容量SOCから下限値LCを引いた値を、ステップS3で算出した放電電力PUで除算した結果を用いる。この演算は、図3の許可手段25の実施可能時間推定手段37により行われる。
【0033】
実施可能時間tsを算出したら、ステップS6として現在の状態でエンジン3の自動停止が可能か否かを判定する。判定基準には、あらかじめ設定されている所定値CPを用い、実施可能時間tsが所定値CP以上の場合(Yes)には、判定手段38が自動停止可能と判定し、ステップS7に進んで、許可フラグFBに「1」を設定し、ここでの処理を終了する。一方、ステップS6で実施可能時間trが所定値CP未満の場合(No)は、自動停止不可とみなし、ステップS8に進んで、許可フラグFBを「0」として、ここでの処理を終了する。
【0034】
以上の処理を所定の時間間隔ごとに行い、許可フラグFBとして「1」が出力されている間は、ECU2は燃料供給をストップし、エンジン3を自動停止させ、許可フラグFBが「0」になったら、燃料供給を開始して自動停止を中断し、エンジン3を自動的に再始動させる。
【0035】
このように、本実施形態は、高圧バッテリ11の残容量SOCと、残容量SOCの下限値LCと、エンジン3の自動停止時に予想される高圧バッテリ11の放電電力PUとからエンジン3の自動停止が実施可能な時間を推定し、この推定した時間が所定以上であった場合にエンジン3の自動停止を許可するようにした。このような制御は、残容量SOCと放電電力PUとにより変化する実施可能時間tsに応じて自動停止の可否を判定するので、例えば、高圧バッテリ11の残容量があまり多くない場合など、固定された閾値のみを判定基準とする場合には自動停止が許可されないようなときであっても、低圧バッテリ12の消費電力PSが少なく、許可手段35の処理の結果、自動停止を長く実施できることが判明した場合には、エンジン3の自動停止が可能になる、などの制御が可能になる。したがって、エンジン3の自動停止の頻度を増加させることができる。車両の状況を確実に判断してエンジン3の稼動制御を行うことで、搭乗者に快適な環境を提供しつつも、燃費向上を図ることができる。また、所定時間の間、自動停止が継続できることが許可条件となるので、自動停止後すぐにエンジン3が再始動して搭乗者に不快感を与えることを防止できる。
【0036】
なお、所定値CPとは、あらかじめ設定された値で、任意に設定することができ、例えば、エンジン3を一旦、自動停止させた場合に、その自動停止が継続すると見積もられる時間の最低値が設定される。具体的には、信号待ちに要する時間、例えば1分間があげられる。
【0037】
(第二実施形態)
本実施形態は、図1に示すエンジン3の自動停止の可否を判定するにあたり、自動停止を継続する時間に応じて推定される高圧バッテリ11の残容量の比較を行うことを特徴とする。このような制御について、図1、図5および図6を参照しながら説明する。なお、前記の実施形態と重複する部分は説明を省略する。
【0038】
図5は本実施形態におけるECU2(図1参照)の自動停止再始動制御手段41のブロック図である。
自動停止再始動制御手段41は、電力算出手段31、放電電力算出手段32、下限値設定手段34、残容量算出手段33に加えて、最低実施時間設定手段44を有し、許可手段45で許可フラグFBを設定するようになっている。許可手段45は、エンジン3の自動停止を所定時間継続するために必要なバッテリ容量BCを推定するバッテリ容量推定手段46と、推定したバッテリ容量BCと現在の残容量SOCとを比較・判定し、判定結果に基づいて許可フラグFBを設定し、出力する判定手段47とを有している。
【0039】
ここで、最低実施時間設定手段44には、エンジン3を、一旦、自動停止させた場合に、その自動停止が継続すると見積もられる時間の最低値が設定される。最低実施時間tmとしては、信号待ちの最小時間などがあげられる。例えば、最低実施時間tmを1分とした場合には、少なくとも1分間はエンジン3の自動停止が可能であると判定された場合に、自動停止が許可(実施)されることになる。このため、自動停止後にすぐにエンジン3が再始動して搭乗者に不快感を与えることを防止できる。
【0040】
自動停止再始動制御手段41を含むECU2における処理について、図5、図6および図7を参照しながら説明する。なお、図6は自動停止再始動制御手段41における処理を示すフローチャートであり、図7は処理の概念を説明するための図である。図7における数値は一例であり、車両の仕様により変化するものである。
【0041】
図6に示すように、自動停止再始動制御手段41は、ステップS1で補機9の消費電力PSの算出を行い、ステップS2で電動コンプレッサ8の消費電力PCを算出する。そして、消費電力PSと消費電力PCとに基づいて、ステップS3で高圧バッテリ11の単位時間あたりの放電電力PUの算出を行う。そして、ステップS14で、放電電力PUに最低実施時間tmを乗じて、最低実施時間tmの間、エンジン3を自動停止させた場合に高圧バッテリ11から放出される放電電力量を算出する。さらに、ステップS15では、放電電力量に高圧バッテリ11の容量に変換し、自動再始動に必要なバッテリ容量の下限値LC(下限値設定手段34から取得)と足し合わせて、最低実施時間tmだけ自動停止を継続するのに必要とされるバッテリ容量BCを推定する。
【0042】
ステップS16では高圧バッテリ11の現在の残容量SOCの計測を行い、ステップS17で残容量SOCが、必要とされるバッテリ容量BCよりも多いか否かを判定する。残容量SOCが多い場合(Yes)には、ステップS18に進んで、許可フラグFBに「1」を設定、つまり自動停止を許可する。一方、残容量SOCが少ない場合(No)には、ステップS19に進んで、許可フラグFBに「0」を設定、つまり自動停止を不許可にする。
【0043】
このような処理を、図7の例を用いて具体的に説明すると、電動コンプレッサ8の消費電力PC(1kW)と、コンデンサの冷却ファンや、送風機、ECUなどに供給される補機8の消費電力PS(0.5+0.4=0.9kW)との合計(1.9kW)をバッテリ11の放電効率(0.8)で除算すると、これらの消費電力PC,PSを賄うために高圧バッテリ11に要求される放電電力PU(2.3kW)が得られる。
【0044】
算出された放電電力PUに対しては、最低実施時間tmが乗じられ、最低実施時間tmの間に高圧バッテリ11が放電すると想定される放電電力量を算出する。ここで、最低実施時間tmが1分である場合には、1分あたりの放電電力量(2.3kWh×1/60=38.3kW)が求められる。これにより、高圧バッテリ11の全容量(850Wh)に対する、前記の放電電力量の割合である残容量換算値(4.5%)が得られ、エンジン始動に必要な高圧バッテリ11の容量として下限値LC(25%)に残容量換算値(4.5%)を足した値(29.5%)が最低実施時間tmから推定されるバッテリ容量BC(推定残容量)となる。
【0045】
そして、必要とされるバッテリ容量BCと現在の残容量SOCとを比較し、この場合であれば、現在の残容量SOCが29.5%よりも多ければ、エンジン3の自動停止が許可される。なお、図1に示すベルト駆動コンプレッサ7、電動コンプレッサ8がECU2の空調制御手段22により制御されるのは、前記の実施形態と同様である。
【0046】
本実施形態では、エンジン3を自動停止させる間に消費が予想される放電電力量から見積もったバッテリ容量BC、つまり高圧バッテリ11に必要とされる容量と、現在の残容量SOCとから自動停止の可否を判定する。補機9や電動コンプレッサ8の使用状況を加味し、所定時間だけ自動停止を実施できるか否かを判定基準とすることで、車両の状況を確実に判断してエンジン3の稼動制御を行うことが可能になり、搭乗者に快適な環境を提供しつつも、燃費向上を図ることができる。
【0047】
なお、本発明は前記の各実施形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、エンジン3とモータ4の配置は、図1の直列に限定されずに、並列配置であっても良い。また、モータ4は、モータと、モータと別体のジェネレータであっても良い。
さらに、蓄電手段10は、低圧バッテリ12を備えずに、補機9は高圧バッテリ11からDC−DCコンバータ14を経て供給される電力により稼動しても良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、バッテリの残容量と、自動停止中に消費すると考えられる放電電力とから、自動停止が実施可能な時間を推定して、エンジンの自動停止の可否を判定する。残容量や放電電力に応じて変化する実施可能時間に応じて判定を行うことで、自動停止の実施頻度を高めることができる。
請求項2によれば、自動停止を行う時間の間に消費される電力から必要とされるバッテリ容量を算出し、実際の残容量と比較してエンジンの自動停止の許可を判断する。放電電力に応じて変化する容量に応じて判定を行うことで、自動停止の実施頻度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両用制御装置を含む駆動装置の概略構成図である。
【図2】エンジンの(a)自動停止の条件を説明する論理回路図、(b)自動再始動の条件を説明する論理回路図である。
【図3】自動停止再始動制御手段のブロック図である。
【図4】車両用制御装置による制御のフローチャートである。
【図5】自動停止再始動制御手段のブロック図である。
【図6】車両用制御装置による制御のフローチャートである。
【図7】処理の概念を説明するための図である。
【符号の説明】
1 駆動装置
2 ECU(車両用制御装置)
3 エンジン
4 モータ
7 エンジン駆動コンプレッサ
8 電動コンプレッサ
9 補機
12 高圧バッテリ
21 自動停止再始動制御手段
22 空調制御手段
31 電力算出手段
32 放電電力算出手段
33 残容量算出手段
34 下限値設定手段
35,45 許可手段
Claims (2)
- エンジンを自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段と、前記エンジンとモータにより駆動されるコンプレッサの制御を行う空調制御手段とを設けた車両用制御装置であって、
補機の消費電力および前記モータで駆動するコンプレッサの消費電力をそれぞれ算出する手段と、算出した消費電力から前記エンジンの自動停止時の前記バッテリの放電電力を算出する手段と、前記バッテリの残容量を算出する手段と、前記エンジンの始動時に必要な前記バッテリの容量の下限値を設定する手段と、前記エンジンの自動停止を許可する許可手段とを備え、
前記許可手段は、前記残容量、前記下限値および前記放電電力から、前記エンジンの自動停止の実施可能時間を推定し、前記実施可能時間が所定以上の場合に前記エンジンの自動停止を許可するように構成したことを特徴とする車両用制御装置。 - エンジンを自動停止、または自動的に再始動させる自動停止再始動制御手段と、前記エンジンとモータにより駆動されるコンプレッサの制御を行う空調制御手段とを設けた車両用制御装置であって、
補機の消費電力および前記モータで駆動するコンプレッサの消費電力をそれぞれ算出する手段と、算出した消費電力から前記エンジンの自動停止時の前記バッテリの放電電力を算出する手段と、前記バッテリの残容量を算出する手段と、前記エンジンの始動時に必要な前記バッテリの容量の下限値を設定する手段と、前記エンジンの自動停止を許可する許可手段とを備え、
前記許可手段は、前記エンジンの自動停止の持続時間として推定される時間と、前記放電電力、ならびに前記下限値から前記バッテリに必要とされる容量を推定し、推定した前記容量よりも前記残容量が多い場合に前記エンジンの自動停止を許可するように構成したことを特徴とする車両用制御装置。
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