JP2004083908A - 調色塗料の供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベース塗料に対し、少なくとも1種以上の顆粒状色材を計量配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法であって、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御されることを特徴とする調色塗料の供給方法。この調色塗料の供給方法に使用される計量調色システムであって、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する計量調色システム。
【選択図】 図1
Description
1.ベース塗料に対し、少なくとも1種以上の顆粒状色材を計量配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法であって、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御されることを特徴とする調色塗料の供給方法、
2.ベース塗料が、白色塗料又は透明塗料であり、製品としての容器内に収納されている1項記載の調色塗料の供給方法、
3.顆粒状色材が、中空体構造を有するものである1項記載の調色塗料の供給方法、
4.顆粒状色材の計量配合に、液状である1種以上の原色塗料或いは原色ペーストによる計量配合を併用してなる1項記載の調色塗料の供給方法、
5.1ないし4のいずれか1項記載の供給方法によって供給される調色塗料、
6.1ないし4のいずれか1項記載の調色塗料の供給方法に使用される計量調色システムであって、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する計量調色システム、
に関する。
(調色準備 あるいは 原色の光学データ取得)
はじめに、コンピュータ調色システムで利用する基礎データを取得した。コンピュータ調色システムを利用する調色配合量計算の際に広く知られている、クベルカ−ムンクの光学濃度式およびダンカンの混色理論を利用して、白ベース塗料及び各顆粒状色材を透明ベース塗料(関西ペイント社製、「アクアグロス」のクリヤ塗料))へ混合攪拌し作成した原色エナメル塗料(以下原色エナメル塗料と呼ぶ。)の吸収係数および散乱係数(総称して光学データと言う)を取得した。
白ベース塗料100%、白塗料ベース99.5%+黒顆粒状色材0.5%
黒原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料99.5%+黒顆粒状色材0.5%、
黒原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+黒顆粒状色材33.4%)100%
黄土原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料95%+黄土顆粒状色材5%、
黄土原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+黄土顆粒状色材33.4%)
100%
赤さび原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料95%+赤さび顆粒状色材5%、
赤錆原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+赤錆顆粒状色材33.4%)
100%
2.上記作成した塗板を測色し、分光反射率を得る。
調色の目的色である見本には日本塗料工業会2001年版見本帳A22−75D(ベージュ色)を使用し、分光光度計を用いて見本の分光反射率を得た。なお、この見本の色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.53、a*:1.76、b*:15.20である。これを元にコンピュータ調色システムを用いて白ベース塗料と各色顆粒状色材とで調色配合量計算を行った結果、以下の配合比率(A)を得た。
白ベース塗料 92.138%
黒顆粒状色材 1.430%
赤さび顆粒状色材 0.441%
黄土顆粒状色材 5.991%
配合比率(A)で得られた指示量に従い比例配分をすると、予め缶内にある白ベース塗料量が16.0Kgであるので、以下の配合量(1)のとおりとなる。
白ベース塗料 (16.000Kg)
黒顆粒状色材 0.249Kg
赤さび顆粒状色材 0.077Kg
黄土顆粒状色材 1.040Kg
(合計 17.366Kg)
顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、ジャイロミキサー(コロボ社製)を用いて缶を振って缶内の塗料を均一にした後、色確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装した後、常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIE Lab表色系を用いて表すと、L*:77.20、a*:1.80、b*:15.22であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.73であった。
実施例1と同様に光学データおよび配合量計算を実施した。
配合比率(A)で得られた指示量に従い比例配分をすると、予め缶内にある白ベース塗料量は16Kgであるので、以下の配合量(1)のとおりとなる。配合量(1)に従い缶内に顆粒状色材を混合し、缶内の塗料が均一になるよう缶を振った。
白ベース塗料 (16.000Kg)
黒顆粒状色材 0.249Kg
赤顆粒状色材 0.077Kg
黄土顆粒状色材 1.040Kg
(合計 17.366Kg)
次に、缶の内部から必要最小限度の塗料を抜き取り、十分隠ぺいできるように塗装した塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。この塗板の色度をD65光源10度視野の条件でCIE Lab表色系を用いて表すと、L*:77.02、a*:1.83、b*:15.23であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.49であった。得られた塗板の分光反射率と見本の分光反射率から、コンピュータ調色システムを用いて修正配合量計算を行った結果、以下の配合比率(B)を得た。また、配合比率(B)から追加の顆粒状色材配合量(2)を得た。配合比率(B)及び追加の顆粒状色材配合量(2)は、この時点での缶内の塗料量(17.366Kg)に対する配合比率及び追加の配合量である。
黒顆粒状色材 0.109%
赤さび顆粒状色材 0.004%
黄土顆粒状色材 0.249%
追加の顆粒状色材配合量(2)
黒顆粒状色材 0.019Kg
赤さび顆粒状色材 0.001Kg
黄土顆粒状色材 0.043Kg
(合計 0.063Kg)
上記配合量(2)に示される各顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした。ついで、色度確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装し常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.87、a*:1.74、b*:15.17であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.34であった。
実施例1と同様に光学データおよび配合量計算を実施した。
白ベース塗料 (16.000Kg)
黒顆粒状色材 0.222Kg
赤さび顆粒状色材 0.069Kg
黄土顆粒状色材 0.935Kg
(合計 17.226Kg)
上記配合量(3)に示される顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした。ついで、色度確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装し常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:77.63、a*:1.73、b*:15.23であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと1.10であった。得られた塗板の分光反射率と見本の分光反射率から、コンピュータ調色システムを用いて修正配合量計算を行った結果、以下の配合比率(C)を得た。また、配合比率(C)から追加の顆粒状色材配合量(4)を得た。配合比率(C)及び追加の顆粒状色材配合量(4)は、この時点での缶内の塗料量(17.226Kg)に対する配合比率及び追加の配合量である。
黒顆粒状色材 0.268%
赤さび顆粒状色材 0.052%
黄土顆粒状色材 0.249%
追加の顆粒状色材配合量(4)
黒顆粒状色材 0.046Kg
赤さび顆粒状色材 0.009Kg
黄土顆粒状色材 0.155Kg
(合計 0.210Kg)
上記配合量(4)に示される顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした。ついで、色度確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装し常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.88、a*:1.77、b*:15.13であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.36であった。
(調色準備 あるいは 原色の光学データ取得)
はじめに、コンピュータ調色システムで利用する基礎データを取得した。赤錆、黄土に関しては実施例1の調色準備或いは原色の光学データー取得に準じる。
白ベース塗料100%、白ベース塗料99.5%+黒ペースト0.5%
黒ペーストの光学データ作成に際して:
白ベース塗料99.5%+黒ペースト0.5%、黒ペースト100%
黄土原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料95%+黄土顆粒状色材5%、
黄土原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+黄土顆粒状色材33.4%)
100%
赤さび原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料95%+赤さび顆粒状色材5%、
赤錆原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+赤錆顆粒状色材33.4%)
100%
2.上記作成した塗板を測色し、分光反射率を得る。
調色の目的色である見本には日本塗料工業会2001年版見本帳A22−75D(ベージュ色)を使用し、分光光度計を用いて見本の分光反射率を得た。なお、この見本の色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.53、a*:1.76、b*:15.20である。これを元にコンピュータ調色システムを用いて白ベース塗料と各色顆粒状色材とで調色配合量計算を行った結果、以下の配合比率(A)を得た。
白ベース塗料 92.111%
黒ペースト 1.517%
赤さび顆粒状色材 0.436%
黄土顆粒状色材 5.936%
配合比率(A)で得られた指示量に従い比例配分をすると、予め缶内にある白ベース塗料量が16.0Kgであるので、以下の配合量(1)のとおりとなる。
白ベース塗料 (16.000Kg)
黒ペースト 0.264Kg
赤さび顆粒状色材 0.076Kg
黄土顆粒状色材 1.031Kg
(合計 17.371Kg)
顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした後、色確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装した後、常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIE Lab表色系を用いて表すと、L*:76.79、a*:1.74、b*:15.16であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.26であった。
本発明に関する塗料について、基本的性能試験(色安定性、混合色安定性、及び貯蔵安定性)を行なった。試料として水性常乾型アクリルエマルション塗料(関西ペイント社製「アクアグロス白」)を白ベース塗料とし、顆粒状色材としては平均粒径100μmの中空体構造粒子であって水溶解性に優れる色材の青を用いた。また、比較例として、従来使用されている顔料分20%の液状原色ペーストの青および黒、黄土、赤錆を用いた。ここで、比較するにあたっては顆粒状色材と液状原色ペーストの顔料分が同じとなるように配合量を調整して試験を行った。
上記の各試料を、着色塗板の上に該着色が十分隠ぺい可能であるよう乾燥膜厚約30μmとなるように塗装した後、常温乾燥により各試験塗板を作成した(通常部位)。その乾燥過程において、指触乾燥する前に塗板の一部を指でラビングした後、常温乾燥させた部位(ラビング部位)を作成した。また、常温乾燥させた通常部位の一部に、同一試料を新たにたらし塗りすることにより通常よりも厚めに塗布した後、常温乾燥させた部位(たらし塗り部位)を作成した。
○:通常部位との色の変化が確認できない
△:通常部位との色の変化が確認できる
塗料状態の評価基準;
○:色分かれや色浮き等の異常が確認されない
△:色分かれや色浮き等の異常が確認される
2 搬送トラフ
3 ホッパー
4 バケット
5 計量機
6 排出シュート
10、11 支持台
Claims (6)
- ベース塗料に対し、少なくとも1種以上の顆粒状色材を計量配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法であって、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御されることを特徴とする調色塗料の供給方法。
- ベース塗料が、白色塗料又は透明塗料であり、製品としての容器内に収納されている請求項1記載の調色塗料の供給方法。
- 顆粒状色材が、中空体構造を有するものである請求項1記載の調色塗料の供給方法。
- 顆粒状色材の計量配合に、液状である1種以上の原色塗料或いは原色ペーストによる計量配合を併用してなる請求項1記載の調色塗料の供給方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項記載の供給方法によって供給される調色塗料。
- 請求項1ないし4のいずれか1項記載の調色塗料の供給方法に使用される計量調色システムであって、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する計量調色システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003290376A JP2004083908A (ja) | 2002-08-08 | 2003-08-08 | 調色塗料の供給方法 |
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---|---|---|---|
JP2002230676 | 2002-08-08 | ||
JP2003290376A JP2004083908A (ja) | 2002-08-08 | 2003-08-08 | 調色塗料の供給方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2003290376A Pending JP2004083908A (ja) | 2002-08-08 | 2003-08-08 | 調色塗料の供給方法 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006104250A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Rejino Color Kogyo Kk | 塗料組成物 |
JP2011122097A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-23 | Kao Corp | 塗料組成物 |
JP2013524197A (ja) * | 2010-03-30 | 2013-06-17 | テイオキサイド・ユーロプ・リミテツド | 散乱有色顔料の特性を決定する方法 |
-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003290376A patent/JP2004083908A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006104250A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Rejino Color Kogyo Kk | 塗料組成物 |
JP2011122097A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-23 | Kao Corp | 塗料組成物 |
JP2013524197A (ja) * | 2010-03-30 | 2013-06-17 | テイオキサイド・ユーロプ・リミテツド | 散乱有色顔料の特性を決定する方法 |
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