JP2004083908A - 調色塗料の供給方法 - Google Patents

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鈴木 康之
Masayuki Kagamiyama
鏡山 真行
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Abstract

【課題】 塗料、インクなどにおいて、顆粒状色材を用いた調色塗料の供給方法を提供する。
【解決手段】 ベース塗料に対し、少なくとも1種以上の顆粒状色材を計量配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法であって、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御されることを特徴とする調色塗料の供給方法。この調色塗料の供給方法に使用される計量調色システムであって、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する計量調色システム。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、塗料、インクなどにおいて、顆粒状色材を用いた調色塗料の供給方法に関する。
 塗料等において、調色した製品を得るために、缶等の容器に詰められた白色又は透明なベース塗料に1種以上の原色塗料或いは原色ペーストを配合して混合することは従来周知である。
 しかしながら、これら原色塗料或いは原色ペーストは、夫々の色の顔料について、分散樹脂液や分散助剤を用いて数時間にわたって分散処理を行ないペースト状とし用いるか、これを塗料化した原色塗料(エナメル)とする必要があり、多大な労力を要していた。ベース塗料に各色の顔料粉を直接配合できれば工程削減になるが、各顔料粉を一次粒子まで分散するには多大な時間を要し、しかも安定した調色が困難であった。
 本発明の目的は、液状である原色塗料或いは原色ペーストの作成工程を排除し、顆粒状色材を用いて、これをベース塗料に直接配合して調色塗料を供給する方法を提供することにある。
 本発明は、
1.ベース塗料に対し、少なくとも1種以上の顆粒状色材を計量配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法であって、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御されることを特徴とする調色塗料の供給方法、
2.ベース塗料が、白色塗料又は透明塗料であり、製品としての容器内に収納されている1項記載の調色塗料の供給方法、
3.顆粒状色材が、中空体構造を有するものである1項記載の調色塗料の供給方法、
4.顆粒状色材の計量配合に、液状である1種以上の原色塗料或いは原色ペーストによる計量配合を併用してなる1項記載の調色塗料の供給方法、
5.1ないし4のいずれか1項記載の供給方法によって供給される調色塗料、
6.1ないし4のいずれか1項記載の調色塗料の供給方法に使用される計量調色システムであって、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する計量調色システム、
に関する。
 本発明方法によれば、顆粒状色材を用いて、これをベース塗料に直接配合して調色塗料を製造することにより、従来の液状である原色塗料或いは原色ペーストの作成工程を排除でき、大幅な工程削減が可能である。
本発明の調色塗料の供給方法は、塗料メーカーにおけるカラーセンターでの石油缶単位での量産供給から、塗料販売店や日曜大工センターあるいはホームセンターなどにおける小口供給まで対応可能である。
本発明は、ベース塗料に対し、計量した少なくとも1種以上の顆粒状色材を直接配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法である。
ベース塗料は、液状の塗料であり、水希釈型、有機溶剤希釈型のいずれであってもよく、その塗料種、色とも特に限定されるものではないが、通常、白色塗料もしくは透明塗料を好適に使用することができ、特に白色塗料が好適である。本発明において、ベース塗料は、色合せをしていない以外は、基本的には、そのままで、又は水或いは溶剤で粘度調整することによって塗料として使用することができるものであり、塗料用バインダ、顔料成分を含有する。ベース塗料は、必要に応じて、硬化触媒、消泡剤、流動調整剤、塗面調整剤、造膜助剤、可塑剤、凍結安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などの塗料用添加剤を含有していてもよい。
 上記ベース塗料は、通常、缶などの、製品としての容器内に収納された状態で準備される。
 容器内に収納されるベース塗料の量は、最終的に得られる調色塗料の塗膜性能、及び広い範囲の色の調色塗料を得ることなどの観点から、所定の塗料缶詰量の70〜99重量%の範囲内にあることが好適である。また、容器に収納されるベース塗料の量は、塗料種によって、塗膜性能、塗装性などの観点から、該容器に配合される顆粒状色材が、許容割合の範囲内となる量に設定することが好適である。こうすることによって、塗料に基く塗膜性能不良、塗装性不良原因をなくすことができる。
 上記顆粒状色材としては、従来公知のノンダスティングな均一顔料調整物であれば特に制限はなく、好適には該顆粒粒子が主として球形であり、かつ平均粒子径が5〜3000μm、好ましくは20〜2000μmで、比重が0.2〜0.6g/ml程度である、白、赤、青、緑、黄、黒色など各色材が使用できる。該顆粒状色材としては、特に中空体構造を有するものがベース塗料への易分散性の点から好適である。
 このような顆粒状色材は、例えば合成された顔料に対し、ノニオン系界面活性剤等の添加剤を5〜30重量%程度加えて懸濁した後、凍結乾燥や噴霧乾燥などによって球形に製造される。
本発明では、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、上記顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御される。
 上記コンピュータ調色するために、基礎データとして、予め、ベース塗料及び各顆粒状色材の夫々の光学データを得ておく。各顆粒状色材の基礎データは、該顆粒状色材を夫々透明なベース塗料に適当量溶解させて得られる各色エナメル塗料を用いて塗り板を作成し、光学データを取得するのが適当である。光学データとは、ベース塗料及び各顆粒状色材を透明ベース塗料に溶解・混合させ作成した原色エナメル塗料の吸収係数および散乱係数であることができ、例えば、ベース塗料や各顆粒状色材を透明ベース塗料に溶解・混合させ作成した原色エナメル塗料を用いて得た分光反射率からクベルカ−ムンクの光学濃度式およびダンカンの混色理論等を用いて取得することができる。これによって標準的な調色データベースを構築しておく。
具体的には、例えば既存色として色見本帳等を使用し、分光光度計を用いて所望の見本の分光反射率を測定する。これを元にコンピュータ調色システムを用いてベース塗料と顆粒状色材とで調色配合量計算を行ない、ベース塗料重量に対する顆粒状色材の配合量を得るものである。必要に応じて、顆粒状色材のロット差や、該色材の湿度等に対する重量変化や体積変化へ対応する調色データベースの補正を盛り込むことも可能である。
 これによって、各顆粒状色材を一括して配合し調色塗料を製造することができ、必要に応じて、製造された最終の調色塗料による塗板の分光反射率を測定して色確認(測色)することができる。
 また、各顆粒状色材を所定以内の量配合して色確認のための調色経過塗装板を作成し、その塗色を測色して、該測色値に基いてコンピュータ調色システムを用いて、目標色に調色する顆粒状色材の配合残量を求めていく微調色を行なってもよい。該微調整は、顆粒状色材のロット差や、該色材の湿度等に対する重量変化や体積変化への対応の点からも好適である。
 さらに本発明では、顆粒状色材のみの計量配合による調色だけでなく、必要に応じて、該顆粒状色材の計量配合に、液状である1種以上の原色塗料或いは原色ペーストによる計量配合を併用して調色を行なっても良い。
本発明方法に使用される計量調色システムは、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する。各手段は別個の装置であっても同一装置内であってもよい。
 上記顆粒状色材の選択及びその配合重量を決定する制御手段としては、従来公知のコンピュータ調色システムを使用することができ、通常、このシステムはコンピュータと分光光度計で構成される。所望色もしくは既存色の塗板を分光光度計によって測色し、コンピュ−タ内に内蔵された標準の調色データベースから、所定重量のベース塗料に対する顆粒状色材の選択及びその配合量のデータが入手可能となる。
 上記制御手段からの指令によって顆粒状色材を計量する手段としては、重量基準もしくは体積基準で正確な計量が可能であれば特に制限なく従来公知の計量装置が使用可能であり、上記決定された量の顆粒状色材を作業者が計り取ってベース塗料が収納された容器に配合することもできるが、好ましくは顆粒状色材が収納されたホッパー等の容器から供給路を通して顆粒状色材が計量装置の受け皿部位等に排出され、落下して来る該色材の重量を計量したり、顆粒状色材が収納されたホッパー及び供給路全体の重量を計量し排出重量を差し引いて計量したり、さらに供給路の途中に流量計を用いた体積計量を行なってもよい。特に上記計量指令から必要な顆粒状色材の排出、計量、さらにはベース塗料が収納された容器への配給がコンピュータによって自動制御されることが望ましい。
 顆粒状色材の自動計量供給装置としては、例えば図1に示すような装置が例示できる。図1において、1は電磁フィーダー駆動部、2は搬送トラフ、3は各色の顆粒状色材を夫々充填するホッパー、4はバケット、5は計量機、6は排出シュートを夫々示す。搬送トラフ2は、各ホッパー3から排出される顆粒状色材を夫々搬送する搬送路であり、電磁フィーダー駆動部1の駆動によって顆粒状色材の搬送が制御される。計量機5には、搬送トラフ2から落下する顆粒状色材を受け取るバケット4が設けられており、受け取った顆粒状色材を含むバケット4全体の重量を計量するものである。該バケット4から計量された顆粒状色材が、排出シュート6からベース塗料が収納された容器(図示せず)に配給されるものである。
顆粒状色材は湿度等の影響を受け易いので、該顆粒状色材が収納されたホッパー及び供給路などは、装置全体をガラス板やアクリル板などでカバーしたり、ホッパーに蓋をつけたり、ドライエアや不活性気体を循環させる、吸湿材を常備するなどして、耐湿対策を行なうことが望ましい。
 顆粒状色材の搬送方法として、各種フィーダーが適用可能であるが、スムーズに顆粒状色材を搬送可能な電磁振動フィーダーが特に好適である。該電磁振動フィーダーは、搬送路に対して振動を与えることで、該搬送路における顆粒状色材の供給速度を制御するものである。
 上記容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段としては、従来公知の攪拌混合装置が使用可能であり、通常、塗料容器を閉蓋して、該塗料容器自体を振ったり、回転や揺動等に供する装置、例えばジャイロミキサー等によって、内容物であるベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合することが好適である。これによって製品としてそのまま出荷もしくは使用に供し得る塗料缶が得られる。ベース塗料の粘度が高い場合には、加温するなどして見かけの粘度を低下させ、混合し易くしても良い。
 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
本実施例ではコンピューター調色システムとして、関西ペイント社製「アレスマッチ」を用いてコンピューター調色を行った。このシステムはコンピューターと分光光度計で構成される。塗料としては、水性常乾型アクリルエマルション塗料(関西ペイント社製、「アクアグロス白」)を使用し、これを白ベース塗料とした。顆粒状色材としては、平均粒径100μmの中空体構造粒子であって水溶解性に優れる色材の黒、黄土、赤錆を調色に用いた。また、使用する容器である缶は、缶詰量20.0Kgのもので、その中に充填しておく白ベース塗料は16.0kgとした。なお、実施例1は作業中に確認調色を行わない例であり、実施例2、3は作業中に確認調色を行う例である。さらに実施例4は黄土、赤錆は顆粒状色材を用いるが、黒は通常の液体であるペースト型の色材を用いた例である。
  実施例1
(調色準備 あるいは 原色の光学データ取得)
はじめに、コンピュータ調色システムで利用する基礎データを取得した。コンピュータ調色システムを利用する調色配合量計算の際に広く知られている、クベルカ−ムンクの光学濃度式およびダンカンの混色理論を利用して、白ベース塗料及び各顆粒状色材を透明ベース塗料(関西ペイント社製、「アクアグロス」のクリヤ塗料))へ混合攪拌し作成した原色エナメル塗料(以下原色エナメル塗料と呼ぶ。)の吸収係数および散乱係数(総称して光学データと言う)を取得した。
本実施例における光学データの取得方法は次の通りである。
1.白ベース塗料及び各顆粒状色材 、原色エナメル塗料を以下の配合比率で混合し、得た塗料を十分隠ぺいできるように塗装した塗板を作成する。
白ベース塗料の光学データ作成に際して:
  白ベース塗料100%、白塗料ベース99.5%+黒顆粒状色材0.5%
黒原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
  白ベース塗料99.5%+黒顆粒状色材0.5%、
黒原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+黒顆粒状色材33.4%)100%
黄土原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料95%+黄土顆粒状色材5%、
黄土原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+黄土顆粒状色材33.4%)
100%
赤さび原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
  白ベース塗料95%+赤さび顆粒状色材5%、
  赤錆原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+赤錆顆粒状色材33.4%)
  100%
2.上記作成した塗板を測色し、分光反射率を得る。
3. 分光反射率からクベルカ−ムンクの光学濃度式およびダンカンの混色理論等を用いて光学データを取得する。
(配合量計算)
調色の目的色である見本には日本塗料工業会2001年版見本帳A22−75D(ベージュ色)を使用し、分光光度計を用いて見本の分光反射率を得た。なお、この見本の色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.53、a*:1.76、b*:15.20である。これを元にコンピュータ調色システムを用いて白ベース塗料と各色顆粒状色材とで調色配合量計算を行った結果、以下の配合比率(A)を得た。
  配合比率(A)
白ベース塗料   92.138%
黒顆粒状色材    1.430%
赤さび顆粒状色材  0.441%
黄土顆粒状色材   5.991%
配合比率(A)で得られた指示量に従い比例配分をすると、予め缶内にある白ベース塗料量が16.0Kgであるので、以下の配合量(1)のとおりとなる。
  配合量(1)
白ベース塗料   (16.000Kg)
黒顆粒状色材     0.249Kg
赤さび顆粒状色材   0.077Kg
黄土顆粒状色材    1.040Kg
       (合計    17.366Kg)
顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、ジャイロミキサー(コロボ社製)を用いて缶を振って缶内の塗料を均一にした後、色確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装した後、常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIE Lab表色系を用いて表すと、L*:77.20、a*:1.80、b*:15.22であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.73であった。
 実施例2
実施例1と同様に光学データおよび配合量計算を実施した。
調色の目的色である見本にも実施例1と同じ、日本塗料工業会2001年版見本帳A22−75Dを使用し、分光光度計を用いて見本の分光反射率を得た。これを元にコンピュータ調色システムを用いて白ベース塗料と顆粒状色材とで調色配合量計算を行った結果、実施例1における配合比率(A)を得た。
(調色および作成した塗板の評価)
配合比率(A)で得られた指示量に従い比例配分をすると、予め缶内にある白ベース塗料量は16Kgであるので、以下の配合量(1)のとおりとなる。配合量(1)に従い缶内に顆粒状色材を混合し、缶内の塗料が均一になるよう缶を振った。
  配合量(1)
    白ベース塗料   (16.000Kg)
黒顆粒状色材     0.249Kg
   赤顆粒状色材    0.077Kg
黄土顆粒状色材    1.040Kg
       (合計    17.366Kg)
次に、缶の内部から必要最小限度の塗料を抜き取り、十分隠ぺいできるように塗装した塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。この塗板の色度をD65光源10度視野の条件でCIE Lab表色系を用いて表すと、L*:77.02、a*:1.83、b*:15.23であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.49であった。得られた塗板の分光反射率と見本の分光反射率から、コンピュータ調色システムを用いて修正配合量計算を行った結果、以下の配合比率(B)を得た。また、配合比率(B)から追加の顆粒状色材配合量(2)を得た。配合比率(B)及び追加の顆粒状色材配合量(2)は、この時点での缶内の塗料量(17.366Kg)に対する配合比率及び追加の配合量である。  
  配合比率(B)
黒顆粒状色材    0.109%
赤さび顆粒状色材  0.004%
黄土顆粒状色材   0.249%
  追加の顆粒状色材配合量(2)
黒顆粒状色材    0.019Kg
赤さび顆粒状色材  0.001Kg
黄土顆粒状色材   0.043Kg
      (合計     0.063Kg)
上記配合量(2)に示される各顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした。ついで、色度確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装し常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.87、a*:1.74、b*:15.17であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.34であった。
 実施例3
実施例1と同様に光学データおよび配合量計算を実施した。
調色の目的色である見本にも実施例1と同じ、日本塗料工業会2001年版見本帳A22−75Dを使用し、分光光度計を用いて見本の分光反射率を得た。これを元にコンピュータ調色システムを用いて白ベース塗料と顆粒状色材とで調色配合量計算を行った。この結果、実施例1における配合比率Aが得られる。この配合比率Aに基づいて、白ベース塗料16Kgに対する各顆粒状色材の配合量を計算すると、実施例1における配合量(1)となるが、この配合量(1)における各顆粒状色材の配合量が10%少な目になるように計算して、配合量(3)を得た。
   配合量(3)
    白ベース塗料  (16.000Kg)
黒顆粒状色材     0.222Kg
赤さび顆粒状色材   0.069Kg
黄土顆粒状色材    0.935Kg
       (合計    17.226Kg) 
上記配合量(3)に示される顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした。ついで、色度確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装し常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:77.63、a*:1.73、b*:15.23であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと1.10であった。得られた塗板の分光反射率と見本の分光反射率から、コンピュータ調色システムを用いて修正配合量計算を行った結果、以下の配合比率(C)を得た。また、配合比率(C)から追加の顆粒状色材配合量(4)を得た。配合比率(C)及び追加の顆粒状色材配合量(4)は、この時点での缶内の塗料量(17.226Kg)に対する配合比率及び追加の配合量である。
   配合比率(C)
黒顆粒状色材    0.268%
赤さび顆粒状色材  0.052%
黄土顆粒状色材   0.249%
   追加の顆粒状色材配合量(4)
黒顆粒状色材    0.046Kg
赤さび顆粒状色材  0.009Kg
黄土顆粒状色材   0.155Kg
      (合計     0.210Kg)
上記配合量(4)に示される顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした。ついで、色度確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装し常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.88、a*:1.77、b*:15.13であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.36であった。
 実施例4
(調色準備 あるいは 原色の光学データ取得)
はじめに、コンピュータ調色システムで利用する基礎データを取得した。赤錆、黄土に関しては実施例1の調色準備或いは原色の光学データー取得に準じる。
本実施例における光学データの取得方法は次の通りである。
1. 白ベース塗料及び各顆粒状色材 、原色エナメル塗料 、液状である黒ペーストを以下の配合比率で混合し、得た塗料を十分隠ぺいできるように塗装した塗板を作成する。
白ベース塗料の光学データ作成に際して:
  白ベース塗料100%、白ベース塗料99.5%+黒ペースト0.5%
黒ペーストの光学データ作成に際して:
  白ベース塗料99.5%+黒ペースト0.5%、黒ペースト100%
黄土原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
白ベース塗料95%+黄土顆粒状色材5%、
黄土原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+黄土顆粒状色材33.4%)
100%
赤さび原色エナメル塗料の光学データ作成に際して:
  白ベース塗料95%+赤さび顆粒状色材5%、
  赤錆原色エナメル塗料(透明ベース塗料66.6%+赤錆顆粒状色材33.4%)
  100%
2.上記作成した塗板を測色し、分光反射率を得る。
3. 分光反射率からクベルカ−ムンクの光学濃度式およびダンカンの混色理論等を用いて光学データを取得する。
(配合量計算)
調色の目的色である見本には日本塗料工業会2001年版見本帳A22−75D(ベージュ色)を使用し、分光光度計を用いて見本の分光反射率を得た。なお、この見本の色度をD65光源10度視野の条件でCIELAB表色系を用いて表すと、L*:76.53、a*:1.76、b*:15.20である。これを元にコンピュータ調色システムを用いて白ベース塗料と各色顆粒状色材とで調色配合量計算を行った結果、以下の配合比率(A)を得た。
  配合比率(A)
白ベース塗料   92.111%
黒ペースト    1.517%
赤さび顆粒状色材  0.436%
黄土顆粒状色材   5.936%
配合比率(A)で得られた指示量に従い比例配分をすると、予め缶内にある白ベース塗料量が16.0Kgであるので、以下の配合量(1)のとおりとなる。
  配合量(1)
白ベース塗料   (16.000Kg)
黒ペースト     0.264Kg
赤さび顆粒状色材   0.076Kg
黄土顆粒状色材    1.031Kg
       (合計    17.371Kg)
顆粒状色材を缶内の塗料に混合し、缶を振って缶内の塗料を均一にした後、色確認用に塗料を抜き取り、十分隠ぺいする乾燥膜厚約30μmとなるように塗装した後、常温乾燥を行い塗板を作成した。得られた塗板の分光反射率を分光光度計により取得した。色度をD65光源10度視野の条件でCIE Lab表色系を用いて表すと、L*:76.79、a*:1.74、b*:15.16であった。見本との色差は表色条件を同じとしてΔEab*で表すと0.26であった。
 実施例5
本発明に関する塗料について、基本的性能試験(色安定性、混合色安定性、及び貯蔵安定性)を行なった。試料として水性常乾型アクリルエマルション塗料(関西ペイント社製「アクアグロス白」)を白ベース塗料とし、顆粒状色材としては平均粒径100μmの中空体構造粒子であって水溶解性に優れる色材の青を用いた。また、比較例として、従来使用されている顔料分20%の液状原色ペーストの青および黒、黄土、赤錆を用いた。ここで、比較するにあたっては顆粒状色材と液状原色ペーストの顔料分が同じとなるように配合量を調整して試験を行った。
試料(1):白ベース塗料100gに対して、顆粒状色材の青を1.25g添加し、ホモディスパーにより1500回転で5分間十分混合されるまで撹拌した。
 試料(2):白ベース塗料100gに対して、顆粒状色材の青を0.25g添加し、更に、液状原色ペーストの黒を1g、黄土を1g、赤錆を1g添加し、ホモディスパーにより1500回転で5分間十分混合されるまで撹拌した。
試料(3):白ベース塗料100gに対して、液状原色ペーストの青を5g添加し、ホモディスパーにより1500回転で5分間十分混合されるまで撹拌した。
 試料(4):白ベース塗料100gに対して、液状原色ペーストの青を2g、黒を1g、黄土を1g、赤錆を1g添加し、ホモディスパーにより1500回転で5分間十分混合されるまで撹拌した。
試験塗板の作成及び性能試験
 上記の各試料を、着色塗板の上に該着色が十分隠ぺい可能であるよう乾燥膜厚約30μmとなるように塗装した後、常温乾燥により各試験塗板を作成した(通常部位)。その乾燥過程において、指触乾燥する前に塗板の一部を指でラビングした後、常温乾燥させた部位(ラビング部位)を作成した。また、常温乾燥させた通常部位の一部に、同一試料を新たにたらし塗りすることにより通常よりも厚めに塗布した後、常温乾燥させた部位(たらし塗り部位)を作成した。
 色安定性の評価は、通常部位とラビング部またはたらし塗り部位との色の違いを目視および測色によって得られる色差ΔEにて行った。また塗料の状態を目視によって評価した。目視評価の基準は下記の通りである。さらに各試料を40℃で10日間貯蔵後にも同様の評価を行った。結果を表1に示す。
 色安定性の評価基準;
   ○:通常部位との色の変化が確認できない
   △:通常部位との色の変化が確認できる
 塗料状態の評価基準;
   ○:色分かれや色浮き等の異常が確認されない
   △:色分かれや色浮き等の異常が確認される
Figure 2004083908
上記結果から、顆粒状色材を用いた調色塗料の基本的性能試験(色安定性、混合色安定性、貯蔵安定性など)は、従来からの液状原色ペーストを用いた場合と同等以上の基本的性能を有していることが確認できた。
本発明方法に用いる計量供給装置の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 電磁フィーダー駆動部
2 搬送トラフ
3 ホッパー
4 バケット
 5 計量機
 6 排出シュート
10、11 支持台
 

Claims (6)

  1.  ベース塗料に対し、少なくとも1種以上の顆粒状色材を計量配合し、攪拌混合して調色塗料を供給する方法であって、コンピュータへの所望色の入力もしくは既存色の測色結果の入力、及びベース塗料重量の入力によって、顆粒状色材の選択及びその配合量が、予め作成された調色データベースから自動的に決定され、該顆粒状色材の配給が制御されることを特徴とする調色塗料の供給方法。
  2.  ベース塗料が、白色塗料又は透明塗料であり、製品としての容器内に収納されている請求項1記載の調色塗料の供給方法。
  3.  顆粒状色材が、中空体構造を有するものである請求項1記載の調色塗料の供給方法。
  4.  顆粒状色材の計量配合に、液状である1種以上の原色塗料或いは原色ペーストによる計量配合を併用してなる請求項1記載の調色塗料の供給方法。
  5.  請求項1ないし4のいずれか1項記載の供給方法によって供給される調色塗料。
  6.  請求項1ないし4のいずれか1項記載の調色塗料の供給方法に使用される計量調色システムであって、所望色もしくは既存色の測色結果、及びベース塗料重量によって、予め作成された調色データベースから、顆粒状色材の選択及びその配合量を決定する制御手段と、該制御手段からの指令によって顆粒状色材を選択し計量する手段と、計量された顆粒状色材をベース塗料が収納された容器に配給し、該容器内のベース塗料及び顆粒状色材を均一に攪拌混合する手段とを具備する計量調色システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006104250A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Rejino Color Kogyo Kk 塗料組成物
JP2011122097A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Kao Corp 塗料組成物
JP2013524197A (ja) * 2010-03-30 2013-06-17 テイオキサイド・ユーロプ・リミテツド 散乱有色顔料の特性を決定する方法

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