JP2004083174A - コンベヤベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】編布を補強材としたエラストマー素材からなるコンベヤベルトにおいて、前記編布が線条部材10を用いて作るネットに網目Dを形成し、前記網目Dの形状が4角形に形成されるネット18であり、前記ネット18が各種繊維の糸状を用いて編まれる網糸を用いて作り、前記4角形の網目Dにおいて、前記コンベヤベルトの長手方向に平行な線と前記各々の線条部材10との交差角が略45°となるコンベヤベルトである。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種積載物の搬送をするために用いられるコンベヤベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダンボール箱等の各種積載物を搬送するコンベヤベルトは、前記ベルト上にダンボール箱等が落下し、落下したダンボール箱を搬送するようになっている。近年においてはベルト表面の耐摩耗性を向上させる為に、ベルト表面に耐摩耗性板状片等を貼着し、ベルト表面の偏摩耗を防止するような対策が講じられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ベルト表面に傷がつかないようにする為の対策は講じられてきたが、搬送物がベルトに衝突する際に搬送物がベルト上で弾み、ベルトから落下したり、搬送物間の距離を一定に搬送することができない場合があった。
本発明はこのような問題点を解消する為に、弛ませて張らなくても衝撃吸収能力を向上させたネットを補強材として埋設したコンベヤベルトを提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明の請求項1は上記のような目的を達成する為に、編布を補強材としたエラストマー素材からなるコンベヤベルトにおいて、前記編布が線条部材を用いて作るネットに網目を形成したものであることを特徴とするコンベヤベルトにある。
【0005】
請求項1に記載の発明によると、前記編布が線条部材を用いて作るネットに網目を形成したコンベヤベルトであることから、ネットには空間部が多くその空間内に柔軟なエラストマーが充填されることから、前記エラストマーが搬送物落下時の衝撃を吸収し、この為ベルトを弛ませて張らなくても、その衝撃吸収能力を著しく向上させることが可能となる。
【0006】
請求項2に記載の発明は前記ネットの網目の形状が4角形に形成される請求項1に記載のコンベヤベルトにある。
【0007】
請求項2に記載の発明によると、前記ネットの網目の形状が4角形に形成される請求項1に記載のコンベヤベルトであることから、より衝撃吸収能力が向上する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記ネットが各種繊維の糸状を用いて編まれる網糸を用いて作り、前記4角形の網目において、前記コンベヤベルトの長手方向に平行な線と前記各々の網糸との交差角度が略45°となる請求項2に記載のコンベヤベルトにある。
【0009】
請求項3に記載の発明によると、前記コンベヤベルトの長手方向に平行な線と前記各々の網糸との交差角度が略45°となる請求項2に記載のコンベヤベルトであることから、ベルトの幅方向や長手方向に対するネットのモジュラスが高くなく、そのことからベルトが幅方向及び長手方向に比較的伸び易い。その為、搬送物が衝突した衝撃をベルトが幅方向及び長手方向に伸びることによって吸収でき、この為ベルトを弛ませて張らなくても、その衝撃吸収能力を著しく向上させることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面にしたがって本発明を説明する。図1は本発明のコンベヤベルトの一実施形態の要部断面斜視図である。
本発明のコンベヤベルト1は、エラストマー2に挟まれて補強材としてネット18が配置されているが、このネット18はエラストマー2に対して埋設状態にて設けられている。
図2は、ネット18を拡大して示す図である。このネットは太さが1mm〜6mmの網糸10により網目Dの形状が4角形に形成したものを用いた。ネット18に用いられる網糸10(線条部材)には、図3に示すようなラッセル編みの網糸10が用いられる。ラッセル編みの網糸10は基本的には、一並びの鎖状糸11と、2種類の挿入糸12,13とから構成されている。すなわち、鎖状糸11は図4に示すように編まれており、この鎖状糸11に、図3に示すように挿入糸12,13が編み込まれて、ラッセル編みの網糸10が形成されている。
【0011】
図5に示すように、網糸10の縦糸10aと横糸10bは結び目10cができるように固く結ばれて(有結節)網目Dの大きさや形が一定に保たれるようになっている。
【0012】
そして、この4角形に形成したネット18をベルト中に埋設して用いる場合は、前記ネット18の各々の糸の方向とベルト幅及びベルト長手方向が同一方向とはならないようにした方が好ましい。
【0013】
より好ましくは図6に示すようにネット18の各々の網糸10の方向とベルト幅及びベルトの長手方向とが略45°となるようにネット18をベルト中に埋設することが好ましい。そうすることによって、ベルト幅方向や長手方向に対するネットのモジュラスがネットの各網糸10がベルト幅方向及び長手方向に一致する場合と比べて高くなく、比較的ベルトは幅方向及び長手方向に伸び易くなり、その為、搬送物が衝突した衝撃を吸収し易くなる。
【0014】
網糸10を構成する鎖状糸11及び挿入糸12、13は、ポリエチレン糸、ポリエステル糸、ナイロン糸、ビニロン糸、アラミド糸等の各種合成繊維材料により作られている。網糸10の太さは1mm〜6mmである。
【0015】
このようにして網目Dが4角形に形成されたネット18を内部に斜めに埋設したベルトを使用すると、搬送物がベルト背面に衝突した際に、図6に示すように、その衝突により生じた網糸10の引張力は糸に沿う引張力Tc,Tdと、糸に沿わない引張力Ta,Tbとに分かれるが、ベルトのエラストマーに対する引張力Ta,Tbについては、力の掛かる方向と同方向におけるネット18の網糸10の抗張力が存在せず、前記引張力Ta,Tbはベルト1のエラストマー部2が伸びることによって吸収される。従って、搬送物9はベルト1からの反発力が小さくなることにより、搬送物9が弾み、ベルト1背面から落下することはない。
【0016】
本発明のコンベヤベルト1のベルト本体を構成するエラストマーとしては、特に限定されるものではないが、水素化二トリルゴム(HNBR)、二トリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレン・ターポリマー(EPT)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、ミラブルウレタン、ウレタンなどを用いることができる。
【0017】
その他、ベルト本体を構成するエラストマーには必要に応じて、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、可塑剤、着色剤、加硫剤、加硫促進剤、短繊維などを配合してもよい。短繊維に用いられる素材としては、ポリアミド、ポリエステル、レーヨン、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1では、前記編布が線条部材を用いて作るネットに網目を形成したコンベヤベルトであることから、ネットには空間部が多くその空間内に柔軟なエラストマーが充填されることから、前記エラストマーが搬送物落下時の衝撃を吸収し、この為ベルトを弛ませて張らなくても、その衝撃吸収能力を著しく向上させることが可能となるという効果がある。
【0019】
請求項2記載の発明では、前記ネットの網目の形状が4角形に形成される請求項1に記載のコンベヤベルトであることから、より衝撃吸収能力が向上するという効果がある。
【0020】
請求項3記載の発明では、前記コンベヤベルトの長手方向に平行な線と前記各々の網糸との交差角度が略45°となる請求項2に記載のコンベヤベルトであることから、ベルトの幅方向や長手方向に対するネットのモジュラスが高くなく、そのことからベルトが幅方向及び長手方向に比較的伸び易い。その為、搬送物が衝突した衝撃をベルトが幅方向及び長手方向に伸びることによって吸収でき、この為ベルトを弛ませて張らなくても、その衝撃吸収能力を著しく向上させることが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンベヤベルトの一実施形態を示す要部断面斜視図である。
【図2】本発明に使用するネットの一実施例を示すその拡大図である。
【図3】鎖状糸11に挿入糸12,13をラッセル編みで編み込んだ状態を示す詳細図である。
【図4】ラッセル編みの1本分の網糸10の一部を構成する鎖状糸11の詳細図である。
【図5】図2に示すネットの網糸の縦糸と横糸の交差部の結び目を示す部分拡大図である。
【図6】図2に示すネットを使用したベルトに搬送物が衝突した際の衝撃による網糸の引張力の伝播する方向を示すベルトの背面図である。
【符号の説明】
1 コンベヤベルト
1a 搬送面
2 エラストマー
9 搬送物
10,10a〜10f 網糸
11 鎖状糸
12,13 挿入糸
18 ネット
D 網目
Ta〜Td 引張力
Claims (3)
- 編布を補強材としたエラストマー素材からなるコンベヤベルトにおいて、前記編布が線条部材を用いて作るネットに網目を形成したものであることを特徴とするコンベヤベルト。
- 前記ネットの網目の形状が4角形に形成される請求項1に記載のコンベヤベルト。
- 前記ネットが各種繊維の糸状を用いて編まれる網糸を用いて作り、前記4角形の網目において、前記コンベヤベルトの長手方向に平行な線と前記各々の網糸との交差角度が略45°となる請求項2に記載のコンベヤベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244780A JP2004083174A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | コンベヤベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244780A JP2004083174A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | コンベヤベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004083174A true JP2004083174A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32053160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002244780A Pending JP2004083174A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | コンベヤベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004083174A (ja) |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002244780A patent/JP2004083174A/ja active Pending
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