JP2004082468A - 給液装置、ヘッドユニットおよび液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な給液装置およびヘッドを一体的に組み付けたヘッドユニットを備えた液体吐出装置を提供する。
【解決手段】ノズルを4対8列で複数開口し各列毎にそれぞれ連通する8つの流通路314Dを設けてヘッド310を構成する。ヘッド310の各流通路314Dにそれぞれ連通する8つの流路と、これら流路にそれぞれ連通しタンクから液状体を導入する8つの供給針とを設けて第1給液装置を構成する。流通路314Dにそれぞれ連通する8つの流路373Aと、中間のノズル列に対応する2つの流路に連通する1つの分流供給針372と、両側のノズル列に対応する各流路に連通する6つの非分流供給針371とを設けて第2給液装置370を構成し、いずれかを選択してヘッドユニット300を構成する。
【選択図】 図7
【解決手段】ノズルを4対8列で複数開口し各列毎にそれぞれ連通する8つの流通路314Dを設けてヘッド310を構成する。ヘッド310の各流通路314Dにそれぞれ連通する8つの流路と、これら流路にそれぞれ連通しタンクから液状体を導入する8つの供給針とを設けて第1給液装置を構成する。流通路314Dにそれぞれ連通する8つの流路373Aと、中間のノズル列に対応する2つの流路に連通する1つの分流供給針372と、両側のノズル列に対応する各流路に連通する6つの非分流供給針371とを設けて第2給液装置370を構成し、いずれかを選択してヘッドユニット300を構成する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体を吐出する吐出口を有したヘッドへ液状体を供給する給液装置、供給される液状体を吐出口から吐出させるヘッドユニット、および、ヘッドユニットを備えた液体吐出装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、液状体をヘッドの吐出口から吐出させる液体吐出装置として、例えばインクカートリッジに貯留する液状体である1種類のインクを導入して複数のノズルに分配する構成と、複数のインクをそれぞれ導入して各ノズルにそれぞれ恐々する非分配の構成とを適宜選択するインクジェット方式の記録装置の構成が知られている。
【0003】
そして、この記録装置は、移動手段にて移動される台座部に一体的に取り付けられ、主走査方向に移動されるヘッドユニットを備えている。このヘッドユニットには、給液装置と、この給液装置に一体的に組み付けられる複数のヘッドとを備えている。
【0004】
給液装置は、液状体であるインクを貯留するインクカートリッジが着脱可能に装着され、インクカートリッジからインクを導入してヘッドへ供給する。この給液装置は、複数のヘッドにそれぞれインクを供給する複数の流路を有した流路形成部材と、この流路形成部材に内周側が流路に連通する状態で一体的に設けられインクカートリッジに嵌挿してインクを内周側に導入する針部とを備えている。なお、この給液装置には、複数の流路に連通する1つの針部を備えた構成と、複数の流路にそれぞれ連通する複数の針部を備えた構成との異なる形態がある。
【0005】
また、複数のヘッドは、一体的に組み付けるための取付部材にて、異なる形態の給液装置にそれぞれ取付可能に構成されている。そして、針部が1つの給液装置にヘッドが組み付けられた構成のヘッドユニットでは、1種類のインクを複数のヘッドにて吐出させるので、高速印刷が可能となる。また、針部を複数設けた給液装置にヘッドが組み付けられた構成のヘッドユニットでは、複数の異なるインクを針部でそれぞれ導入してヘッドに供給し吐出させることにより、多色印刷が可能となる。
【0006】
しかしながら、上記従来の記録装置では、1種類のインクを複数のノズルに分配する構成と、複数のインクをそれぞれ導入して各ノズルにそれぞれ供給する非分配の構成とを利用できるのみである。そして、このヘッドユニットにおける異なる形態の給液装置をユーザが交換することは困難である。このことから、ユーザは、印刷目的に応じて、多色印刷の記録装置か単色印刷の記録装置を選択して利用しなければならず、複数の記録装置を確保する必要がある。したがって、1台の記録装置における多色印刷および単色印刷を切り替える印刷特性の変更が可能な構成が望まれる。
【0007】
一方、液状体をヘッドの吐出口から吐出させる液体吐出装置として、例えば特開平10−309815号公報に記載の記録装置も知られている。この記録装置は、インクカートリッジが着脱可能に装着されてインクを導入する給液装置と、この給液装置に一体的に組み付けられ給液装置から供給されるインクを吐出するノズルが複数列で設けられたヘッドとを有したヘッドユニットを備えている。
【0008】
そして、給液装置は、複数の流路を有した流路形成部材と、この流路形成部材に内周側が流路に連通する状態で一体的に設けられインクカートリッジに嵌挿してインクを内周側に導入する複数の針部とを備えている。なお、流路は、片側に位置して隣接する複数のノズル列にそれぞれ液状体を供給可能に、ヘッド側である下流側が所定の複数のノズル列に分配する枝分かれ状態に拡開形成されている。具体的には、ノズル列は6つあり、インクは、黒色、シアン、マゼンタおよびイエロの4色で、黒色のインクは、片側から3列分のノズル列に供給される状態となり、シアン、マゼンタ、イエロの各インクは、それぞれ反対側の片側から3列のノズル列にそれぞれ供給される状態になっている。このような構成により、1つの記録装置でも、黒色の単色印刷と多色印刷との双方が得られるとともに、黒色のインクは複数のノズル列から吐出されるので、印刷の高速化も図ることができる。
【0009】
ところで、従来の記録装置においては、ヘッドユニットを主走査方向に移動してインクを液滴で吐出する際に、主走査方向での往復移動時にそれぞれ液滴を吐出して印刷の高速化を図っている。そして、高画質を実現するにあたって、他のインクが着弾された位置に他のインクを着弾させて色の表現を多様化させている。
【0010】
しかしながら、上記特開平10−309815号公報に記載のものでは、片側の流路を分岐する状態に液状体を供給しており、主走査の往路における重ねられるインクの順番と、復路における重ねられるインクの順番とが逆転し、色の表現が異なって色の表現が異なるおそれがある。このため、同一の色表現とするためには、重ねる色の順番も考慮する必要があり、ヘッドユニットのインクを吐出させる制御が複雑となって回路設計が煩雑となるおそれがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、インクの分配を選択できる従来の記録装置では、製造段階における多色印刷か単色印刷かの選択に限られ、1台の記録装置における多色印刷および単色印刷を切り替える印刷特性の変更ができない。また、特開平10−309815号公報に記載の従来の記録装置では、主走査移動における往復路でのインクの重ねる順番が異なってしまうことから、良好な色表現とするために重ねるインクの順番を考慮した複雑な制御が必要となり、回路設計が煩雑となるおそれがある問題がある。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な給液装置、ヘッドユニットおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開口可能に閉塞された供給部を有した貯液装置に貯留された液状体を、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられ前記液状体を吐出する吐出口および各列毎の吐出口にそれぞれ連通して前記液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドへ供給する給液装置であって、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置の供給部に嵌挿して開口させ前記貯留する液状体を導入して前記流路に流通させる複数の導入部とを具備し、前記導入部は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路に前記液状体を分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路にそれぞれ対応して前記液状体を供給する複数の非分流導入部とを有したことを特徴とした給液装置である。
【0014】
この発明では、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口の列にそれぞれ連通する複数の供給路を設けて構成されたヘッドに液状体を供給するもので、吐出口の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路を設け、これら流路に貯液装置から導入する液状体を分配供給する分流導入部を連通して設ける。さらに、中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路を設け、これら流路に貯液装置から導入する液状体をそれぞれ対応して供給する複数の非分流導入部を連通して設ける。
【0015】
このことにより、例えば分流導入部にて液状体として黒色インクを導入させて中間に位置する複数の列に供給して高速印刷させ、中間に位置する複数の列以外の列には非分流導入部にて各色のインクを導入させて供給し高画質印刷させることが可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。特に、中間に位置する複数の列以外の列は、配列方向における領外に位置する列の数が同数となる状態であることから、例えば両側から対称となる対応する列に供給するインクを同一種類とすることにより、主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でも、重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0016】
一方、本発明は、貯液装置に貯留された液状体を、この液状体を吐出する複数の吐出口およびこれら吐出口に連通する複数の供給路を有したヘッドへ供給する給液装置であって、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体をそれぞれ導入して前記流路にそれぞれ流通させる複数の導入部とを備えた第1給液装置と、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体を導入して前記吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路にそれぞれ分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて液状体が分配供給される流路以外の流路にそれぞれ前記液状体を供給する非分流導入部とを備えた第2給液装置と、を具備し、前記第1給液装置と前記第2給液装置とは、同一の前記ヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成されたことを特徴とした給液装置である。
【0017】
この発明では、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の分流導入部を吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる状態に連通させるとともに、分流導入部にて分配供給される流路以外の流路に、液状体を導入する中空の非分流導入部をそれぞれ連通して複数設けた第2給液装置とを、同一のヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成する。
【0018】
このことにより、ヘッドが導入部にて導入する液状体を対応する供給路にそれぞれ供給する構成の第1給液装置、あるいは主走査方向における中間の吐出口に連通する複数の供給路には同一の液状体を分配供給する構成の第2給液装置のいずれかにもヘッドが一体的に組み付け可能で、液状体の吐出特性に対応した第1給液装置または第2給液装置を適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0019】
さらに、この発明では、流路は、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口および各列の吐出口に連通して液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドの前記供給路にそれぞれ連通する状態に複数設けられ、第2給液装置の分流導入部は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路に前記液状体を分配供給し、第2給液装置の非分流導入部は、前記分流導入部にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路にそれぞれ前記液状体を供給する構成とすることが好ましい。
【0020】
このことにより、例えば分流導入部にて液状体として黒色インクを導入させて中間に位置する複数の列に供給して高速印刷させ、中間に位置する複数の列以外の列には非分流導入部にて各色のインクを導入させて供給し高画質印刷させることが可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。特に、中間に位置する複数の列以外の列は、配列方向における列外に位置する列の数が同数となる状態であることから、例えば両側から対称となる対応する列に供給するインクを同一種類とすることにより、主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でも、重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0021】
そして、上記発明では、導入部は、吐出口の複数の列の配列方向におけるそれぞれ両側から中央に向けた並び順が同一の順番となる列にそれぞれ連通する流路に対応する各非分流導入部がそれぞれ同種の液状体を供給可能に貯液装置から前記液状体を導入することが好ましい。
【0022】
このことにより、導入部により、吐出口の複数の列の配列方向におけるそれぞれ両側から中央に向けた並び順が同一の順番となる列にそれぞれ連通する流路に対応する各非分流導入部にて、それぞれ同種の液状体を供給可能に導入して供給させる。このことにより、例えば主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でもインクの重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0023】
また、上記発明では、流路は、同種の液状体が供給される複数の吐出口が主走査方向に沿った直線上に位置しないヘッドの供給路にそれぞれ連通する状態に複数設けられたことが好ましい。
【0024】
このことにより、同種の液状体が供給される複数の吐出口が主走査方向に沿った直線上に位置しないヘッドの供給路に、流路をそれぞれ連通する状態に複数設けるので、主走査方向で同種の液状体が同一箇所に吐出されず、効率よく液状体の吐出効率が向上する。
【0025】
さらに、上記発明では、導入部は、略直線上に位置して複数配設されたことが好ましい。
【0026】
このことにより、液状体を導入する複数の導入部が略直線上に位置するので、例えば両側から対称となる対応する吐出口の列に供給する液状体を同一種類としたり、異種類とすることを同一構造の貯液装置の交換のみで可能となり、他の構成を用いることなく吐出する液状体の変更が可能となり、さらには貯液装置の構造も同一化し、液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0027】
一方、本発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置と、この給液装置に一体的に組み付けられ供給される液状体を吐出するヘッドと、を具備したことを特徴としたヘッドユニットである。
【0028】
この発明では、液状体を吐出するヘッドが一体的に組み付けられる給液装置として、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置を用いるので、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更される。
【0029】
また、本発明は、貯液装置に貯留された液状体を導入し、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられ前記液状体を吐出する吐出口と、各列毎の吐出口にそれぞれ連通して前記導入した液状体を供給する複数の流路とを備えたヘッドユニットであって、流路は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に同種の液状体を分配供給させる分配流路と、この分配流路にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ前記液状体を供給する複数の非分配流路と、を備えたことを特徴としたヘッドユニットである。
【0030】
この発明では、主走査方向に対して交差する方向に列をなす吐出口の複数列毎にそれぞれ連通する流路を、配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に同種の液状体を分配供給する分配流路と、中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ液状体を供給する複数の非分配流路と、で構成する。
【0031】
このことにより、例えば分流導入部にて液状体として黒色インクを導入させて中間に位置する複数の列に供給して高速印刷させ、中間に位置する複数の列以外の列には非分流導入部にて各色のインクを導入させて供給し高画質印刷させることが可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。特に、中間に位置する複数の列以外の列は、配列方向における領外に位置する列の数が同数となる状態であることから、例えば両側から対称となる対応する列に供給するインクを同一種類とすることにより、主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でも、重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0032】
そして、この発明では、複数列で設けられた吐出口、および、各列毎の吐出口にそれぞれ連通して液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドと、前記吐出口の中間に位置する列に連通する前記複数の供給路とにて分配流路を構成し導入した前記液状体を前記複数の供給路に分配供給する併合流路と、この流路にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路とにてそれぞれ非分配流路を構成し導入した液状体をそれぞれの列に供給する独立流路とを備えた給液装置と、を具備する構成とすることが好ましい。
【0033】
このことにより、複数列の吐出口にそれぞれ連通する供給路を設け、吐出口の中間に位置する列に連通する複数の供給路に液状体を分配供給する併合流路を設け、中間に位置する列以外の列に連通する複数の供給路に液状体をそれぞれ供給する独立流路とを設けるので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な構成が得られる。
【0034】
また、この発明では、給液装置の併合流路は、ヘッドの吐出口の中間に位置する列に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路と、これら流路に液状体を分配供給する導入部とを備えたことが好ましい。
【0035】
このことにより、中間に位置する列に連通する供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、導入部にて導入する液状体を分配供給させるので、より簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な構成が容易に得られる。
【0036】
一方、本発明は、液状体を吐出する複数の吐出口およびこれら吐出口に連通し前記液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドと、このヘッドが一体的に組み付けられ貯液装置に貯留された液状体を導入して前記ヘッドに供給する給液装置とを備えたヘッドユニットであって、給液装置は、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体をそれぞれ導入して前記流路にそれぞれ流通させる複数の導入部とを備えた第1給液装置と、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体を導入して前記吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路にそれぞれ分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて液状体が分配供給される流路以外の流路にそれぞれ前記液状体を供給する非分流導入部とを備えた第2供給装置と、が適宜交換可能に選択されてヘッドが一体的に組み付けられることを特徴としたヘッドユニットである。
【0037】
この発明では、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の分流導入部を吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる状態に連通させるとともに、分流導入部にて分配供給される流路以外の流路に、液状体を導入する中空の非分流導入部をそれぞれ連通して複数設けた第2給液装置とを、適宜交換可能に選択してヘッドを一体的に組み付ける。
【0038】
このことにより、ヘッドが導入部にて導入する液状体を対応する供給路にそれぞれ供給する構成の第1給液装置、あるいは主走査方向における中間の吐出口に連通する複数の供給路には同一の液状体を分配供給する構成の第2給液装置を、液状体の吐出特性に対応して適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0039】
また、本発明は、液状体を吐出する吐出口を有したヘッドとこのヘッドへ液状体を供給する請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とを備えたヘッドユニット、および、請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットのうちのいずれか一方と、このヘッドユニットおよび前記液状体が吐出される被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に主走査方向に移動させる移動手段と、前記ヘッドユニットおよび前記被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に副走査方向に移動させる搬送手段と、を具備したことを特徴とした液体吐出装置である。
【0040】
この発明では、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とヘッドとを備えたヘッドユニット、あるいは、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更可能な請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットと被吐出物とのうちの少なくともいずれか一方を、移動手段にて相対的に主走査方向に移動させ、搬送手段にて相対的に副走査方向に移動させるので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易で、汎用性および製造性の向上が図れる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体吐出装置について図面を参照して説明する。
【0042】
〔液体吐出装置の構成〕
まず、液体吐出装置の構成について図面を参照して説明する。図1は、液体吐出装置を示す一部を切り欠いた斜視図である。図2は、台座部にタンクを装着する状況を示す斜視図である。図3は、ヘッドを示す断面図である。図4は、ヘッドを示す平面図である。図5は、ヘッドのヘッドプレートを示す平面図である。図6は、一形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。図7は、他形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。
【0043】
図1において、100は液体吐出装置で、この液体吐出装置100は、例えばインクジェット方式の記録装置などで、インクなどの液状体を液滴で吐出させて文字や絵画を印刷して描画するなどし、紙などの被吐出物101にデータを出力させる。そして、液体吐出装置100は、筐体200と、ヘッドユニット300と、このヘッドユニット300を移動させる移動手段400と、被吐出物101を搬送する搬送手段500と、を備えている。
【0044】
移動手段400は、ガイド軸410と、移動用駆動モータ420と、駆動伝達部材430と、台座部440と、を備えている。ガイド軸410は、軸方向の両端が筐体200に保持されて配設されている。移動用駆動モータ420は、ガイド軸410の一端側の近傍に位置して配設されている。この移動用駆動モータ420の出力軸421には、出力プーリ422が一体的に設けられている。駆動伝達部材430は、プーリ431と、駆動ベルト432とを有している。プーリ431は、ガイド軸410の他端側の近傍で出力プーリ422に対応する位置に回転自在に配設されている。駆動ベルト432は、無端ベルト状に形成され、プーリ431および出力プーリ422に掛け渡されている。台座部440は、ガイド軸410に摺動可能に配設されているとともに駆動ベルト432に連結され、駆動ベルト432の回行によりガイド軸410に沿って主走査方向に移動する。
【0045】
また、台座部440には、ヘッドユニット300が一体的に取り付けられる。さらに、台座部440には、図1および図2に示すように、液状体601を貯留するタンク600を着脱可能に取り付ける取付機構部441が設けられている。この取付機構部441は、保持部442と、取付ハンドル部443とを備えている。保持部442は、タンク600を位置決め保持する。取付ハンドル部443は、一端側が揺動する状態に他端側が軸支されている。この取付ハンドル部443は、一端側を揺動させることにより、タンク600をヘッドユニット300に連結させて貯留する液状体601を供給可能とする状態と、ヘッドユニット300との連結状態を解除して取り外し可能な状態とにタンク600を移動させる。
【0046】
ここで、タンク600は、1種類の液状体601を貯留する構成と、複数種類の液状体601をそれぞれ混合不可能に貯留する構成と、の異なる構成がある。なお、図2は、複数種類の液状体601を貯留するタンク600を示している。
【0047】
そして、これらタンク600は、液状体601を貯留可能な略箱状の本体部602を有している。なお、複数種類の液状体601を貯留する構成では、本体部602は内部に液状体601をそれぞれ分離して貯留する貯留空間を区画形成している。そして、本体部602の底部には、貯留する液状体601を導入可能な図示しない供給部が設けられている。なお、複数種類の液状体601を貯留する構成では、供給部は各貯留空間に対応して複数設けられている。また、本体部602には、貯留する液状体601の種類やタンク600の構成などの情報が記録された図示しない情報記録部が設けられている。この情報記録部に記録された情報は、台座部440に設けられた図示しない検出手段にて読み取られる。そして、液体吐出装置100は、装着されたタンク600、貯留する液状体601の種類などを判別する。
【0048】
搬送手段500は、図1に示すように、搬送用駆動モータ510と、ガイド軸410と略平行に配設され搬送用駆動モータ510の回転駆動により回転する図示しないシャフトと、このシャフトに一体的に設けられた図示しないローラとを備えている。この搬送手段500は、図示しない載置部に載置された印刷用紙などの被吐出物101を、搬送用駆動モータ510の回転駆動でシャフトとともに回転するローラにより、移動手段400の台座部440と対向する位置に搬送させる。この搬送される被吐出物101は、移動手段400によるヘッドユニット300が装着された台座部440の主走査方向への移動に対して直交する副走査方向への移動となる。
【0049】
ヘッドユニット300は、例えばピエゾの縦振動方式にて液滴を吐出する構成で、図3および図4に示すヘッド310と、図示しない配線基板と、図示しない連結部材と、図6および図7に示す給液装置340と、図示しないカバー部材と、を備えている。ヘッド310は、ノズルプレート311、流路形成層としてのキャビティプレート312、弾性層としての振動板313、本体部としてのケース部材314およびピエゾ取付基板315を備えている。
【0050】
ノズルプレート311は、図3および図4に示すように、例えばポリテトラフルオロエチレンなどにて撥水処理されたステンレス製の平板に、略円形の吐出口としてのノズル311Aがプレス加工にて複数開口形成されている。ノズル311Aは、例えば図5に示すように、略等間隔で180個開口形成されたノズル列が4対の8列で設けられている。なお、図3は、説明の都合上、3対のうちの3列分のみを示している。また、図4は、説明の都合上、ノズル311Aが1列で4個開口する状態で示されている。さらに、図5は、説明の都合上、ノズル列を中間省略して示されている。
【0051】
キャビティプレート312は、図3に示すように、例えばシリコンウェハにてノズルプレート311と略同形状の平板状に形成され、ノズルプレート311のノズル311Aに対応して適宜エッチング処理されて形成されている。
【0052】
振動板313は、ノズルプレート311と略同形状のステンレス製の平板の一面にポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide:PPS)が層状に形成されたステンレス層313AおよびPPS層313Bの2層構造で、ノズル311Aに対応して適宜エッチング処理されている。
【0053】
ケース部材314は、合成樹脂製、例えば特にエンジニアリングプラスチックなどの機械的強度が比較的に高い合成樹脂にて形成され、一面側に四角柱状の取付台座部314Aが突設されている。この取付台座部314Aの先端には、ノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313が収容される図示しない収容凹部が設けられている。なお、振動板313は、PPS層313Bがキャビティプレート312側に対応する状態で収容される。また、収容凹部内には、ノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313を積層する状態に位置決めする図示しない位置決めピンが設けられている。
【0054】
また、ケース部材314には、ノズルプレート311の対をなすノズル列に対応して、取付台座部314Aを貫通しノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313が収容される収容凹部に連通する4つのスリット314Cが略等間隔に設けられている。さらに、ケース部材314には、取付台座部314Aを貫通する供給路としての流通路314Dがノズル列に対応して8つ設けられている。これら流通路314Dは、一端が取付台座部314Aの収容凹部に開口し、他端が取付台座部314Aの突出する側と反対側に突出する状態に設けられている。
【0055】
そして、収容凹部にノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313が積層する状態では、図3および図4に示すように、スリット314Cの収容凹部側が振動板313にて閉塞された状態で、流通路314Dはノズルプレート311のノズル311Aに連通する。すなわち、流通路314Dは、ノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313で区画される供給路を構成するリザーバ351に連通する。このリザーバ351は、供給路を構成する供給路352を介して、後述するピエゾ素子315Aが接続された位置に対応しピエゾ素子315Aの伸縮により容積が変動する流路を構成するキャビティ353に連通する。このキャビティ353は、ノズル311Aに連通する。
【0056】
ピエゾ取付基板315は、図3ないし図6に示すように、例えばノズル列の180個のノズル311Aに対応して複数のピエゾ素子315Aが設けられた長手矩形状のステンレス鋼板製の基板315Bを有している。ピエゾ素子315Aとしては、例えばジルコン酸チタン酸鉛(lead zirconate titanate:PZT)などが用いられる。このピエゾ素子315Aは、例えば長手矩形状に形成され、長手方向の一端が基板315Bの長手方向の一縁から突出する状態に、基板315Bの一縁に沿って1列に複数配設されている。そして、この基板315Bの一面には、図示しないテープ状の配線基板(TCP:Tape Carrier Package)に設けられたICが接着されている。また、TCPの長手方向の一縁には、ICに接続される図示しない端子が複数設けられた端子部315Dが舌片状に突出する状態に設けられている。
【0057】
そして、このピエゾ取付基板315は、ピエゾ素子315Aがあらかじめ塗布された接着剤315Eなどにて振動板313のステンレス層313Aに接着され、基板315Bが接着剤315Eにてケース部材314に接着され、スリット314C内に配設されて固定される。なお、各ピエゾ取付基板315は、同じ向き、すなわち基板315Bに対してピエゾ素子315Aが設けられた側が、ケース部材314において同じ側に位置する状態でケース部材314に配設されている。
【0058】
配線基板には、ピエゾ取付基板315の端子部315Dが接続される図示しない動作回路が搭載されている。そして、配線基板には、動作回路に接続され、図1に示す印刷データなどを電送するフレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable)700が着脱可能に接続されるコネクタが設けられている。
【0059】
連結部材は、例えば合成ゴムなどにて平板状に形成されている。そして、連結部材には、配線基板から臨むケース部材314の流通路314Dの端部にそれぞれ周縁が密着する複数、すなわち8つの図示しない連結流通孔が開口形成されている。
【0060】
給液装置340は、図6に示す第1給液装置360と、図7に示す第2給液装置370との異なる2種類の形態がある。
【0061】
第1給液装置360は、導入部としての非分流導入部である中空の供給針361と、図示しないフィルタと、独立流路形成部材362と、を備えている。
【0062】
供給針361は、針部361Aと取付リング361Bとを有している。針部361Aは、略円筒状の胴体部361A1を有している。この胴体部361A1の一端には、一端側に向けて拡開する漏斗状の整流部361A2が一連に設けられている。そして、この整流部361A2の拡開する周縁には、取付リング361Bが外方に向けて鍔状に一連に設けられている。また、胴体部361A1の他端には、他端側に向けて縮径して閉塞する略円錐形状に突出する破封部361A3が一連に設けられている。この破封部361A3には、複数の導入口361A4が開口形成されている。そして、供給針361は、タンク600の供給部に液密に嵌挿し、内部の液状体601を導入口361A4から導入する。
【0063】
独立流路形成部材362には、ヘッド310のノズル列の数に対応して8つの独立流路としての流路362Aが設けられている。これら流路362Aは、一端側がヘッド310の流通路314Dに連結部材の連結流通孔を介して連通し、他端側となるタンク600が装着される側が略所定間隔で略等間隔となる状態で、それぞれ略傾斜する状態に設けられている。具体的には、独立流路形成部材362は、ヘッド310側から一平面上で放射状に複数の流路362Aを傾斜して設けている。そして、これら流路362Aの他端側には、端部に向けて拡開する漏斗状の集液部362Bが設けられている。また、独立流路形成部材362には、集液部362Bの開口する周縁に、段差凹状に供給針361の取付リング361Bが取り付けられる取付凹部362Cが設けられている。
【0064】
フィルタは、例えば線径が数μmのステンレス鋼線を用いて形成された焼結不織布が利用される。このフィルタは、液状体601の透過の際の動圧損が小さく(流路抵抗が低く)、メニスカス強度が可能な限り高く形成されている。すなわち、不純物や異物、空気などを捕捉して流路に流入させない構成となっている。そして、フィルタは、略円形のシート状に形成され、独立流路形成部材362の取付凹部362Cと供給針361の取付リング361Bとの間に周縁が挾持される状態に配設されている。これら配設されたフィルタは、略同一平面上に位置する状態となっている。
【0065】
なお、このフィルタは、複数の不織布が積層された構造のもの、織布など、また材料もステンレス鋼線に限らず、いずれのものを用いてもできる。また、フィルタは、例えば流路362Aのヘッド310側の端部に位置して配設するなどしてもよい。
【0066】
この第1給液装置360がヘッド310と一体的に組み付けられて構成されるヘッドユニット300において、供給針361と、この供給針361に連通する流路362Aとにて独立流路が構成され、この独立流路と、流通路314Dと、リザーバ351と、供給路352と、キャビティ353とにて、非分配流路が構成される。
【0067】
一方、第2給液装置370は、導入部としての非分流導入部である中空の非分流供給針371と、導入部としての分流導入部である中空の分流供給針372と、第1給液装置360と同様の図示しないフィルタと、分流流路形成部材373と、を備えている。
【0068】
非分流供給針371は、第1給液装置360の供給針361と同様に、胴体部371A1、整流部371A2、破封部371A3および導入口371A4を有した針部371Aと、取付リング371Bとを有して形成されている。また、分流供給針372も同様に、胴体部372A1、整流部372A2、破封部372A3および導入口372A4を有した針部372Aと、取付リング372Bとを有して形成されている。なお、この分流供給針372の整流部372A2は、非分流供給針371の整流部371A2より、大きく拡開する状態に形成されている。これら非分流供給針371および分流供給針372は、それぞれタンク600の供給部に液密に嵌挿し、内部の液状体601をそれぞれ導入口371A4,372A4から導入する。
【0069】
分流流路形成部材373には、ヘッド310のノズル列の数に対応して8つの独立流路としての流路373Aが設けられている。これら流路373Aは、独立流路形成部材362の流路362Aと同様に、ヘッド310側から一平面上で放射状に傾斜して設けている。なお、中間に位置する2つの流路373A1は、他の流路373A2に比して比較的に互いに近接する状態の間隔で設けられている。これら流路373Aのタンク600が装着される側には、流路362Aと同様に、漏斗状の集液部373Bがそれぞれ設けられている。
【0070】
また、分流流路形成部材373には、近接する2つの流路373A1の集液部373Bを囲む状態で、段差凹状に分流供給針372の取付リング372Bが取り付けられる第1取付凹部373C1が設けられている。さらに、分流流路形成部材373には、両側に位置する流路373A2の集液部373Bの開口する周縁に、段差凹状に非分流供給針371の取付リング371Bが取り付けられる取付凹部362Cと同様の第2取付凹部373C2が設けられている。
【0071】
この第2給液装置370がヘッド310と一体的に組み付けられて構成されるヘッドユニット300において、分流供給針372と、この分流供給針372に連通する複数、例えば2つの流路373A1とにて併合流路が構成され、この併合流路と、流通路314Dと、リザーバ351と、供給路352と、キャビティ353とにて、分配流路が構成される。また、非分流供給針371と、この非分流供給針371に連通する流路373A2とにて独立流路が構成され、この独立流路と、流通路314Dと、リザーバ351と、供給路352と、キャビティ353とにて、非分配流路が構成される。
【0072】
そして、これら独立流路形成部材362と分流流路形成部材373とは、いずれか一方が適宜選択され、ヘッド310が図示しないカバー部材にて一体的に取り付けられてヘッドユニット300が構成される。また、ヘッドユニット300は、移動手段400の台座部440に、搬送手段500にて搬送される被吐出物101の表面にノズルプレート311が対向し、各針部361A,371A,372Aが上方に向けて突出する状態で一体的に配設される。
【0073】
なお、第1給液装置360および第2給液装置370は、ヘッド310が取付可能にそれぞれ同一の構造、すなわち同一のカバー部材にてヘッド310が取付可能に同一の取付構造に形成されている。
【0074】
〔液体吐出装置の動作〕
次に、上記液体吐出装置の動作について説明する。ここで、被吐出物101として印刷用紙を用い液状体として印刷用インクを液滴で吐出して印刷する動作を例示して説明する。
【0075】
まず、図6に示す第1給液装置360が選択されて構成されたヘッドユニット300を備えた液体吐出装置100について説明する。
【0076】
印刷に際して、タンク600を移動手段400の台座部440に装着する。この装着するタンク600としては、例えば液状体601である印刷用インクが1種類ずつ貯留するタンク600が異なる色で複数、例えば8つ装着される。ここでは、まず8つのタンク600としてそれぞれ異なる色で8種類装着した場合とする。
【0077】
そして、タンク600の装着は、台座部440の取付機構部441を構成する取付ハンドル部443の一端側を上方に回動させる。このことにより、台座部440の上方が開放されてヘッドユニット300の第1給液装置360が臨む状態となる。この状態で、取付機構部441の保持部442に保持しつつ台座部440の開放する上方からタンク600を供給部側である下端部側から挿入する。
【0078】
この後、取付ハンドル部443の一端側を手前側から下方に回動させ、タンク600を下方に移動させる。このタンク600の下方への移動により、第1給液装置360の供給針361の破封部361A3が供給部に液密に嵌挿する。
【0079】
そして、タンク600が第1給液装置360に一体的に連結されて装着されることにより、タンク600内の液状体601は、供給針361からそれぞれ連通する流路362Aを流通する。さらに、液状体601は、流路362Aからヘッド310のそれぞれ連通する流通路314Dに流通し、リザーバ351および供給路352を介してキャビティ353に流入しノズル311Aの位置まで供給される。
【0080】
この状態で、例えばパーソナルコンピュータや記録媒体などの外部メディアから取得した所定の印字データに基づいて、移動手段400の移動用駆動モータ420を駆動させて台座部440とともにヘッドユニット300を主走査方向に移動させる。さらに、この移動の際に、所定の信号をヘッドユニット300の配線基板に出力し、適宜ピエゾ取付基板315を制御し、所定のピエゾ素子315Aに所定の電圧を印加して歪みを生じさせる、すなわち伸縮(伸長および復元)させる。このピエゾ素子315Aの伸縮により、ノズル311Aまでの流路を構成するキャビティ353の容積が縮小・復元し、キャビティ353に流入する液状体601が押し出される状態となり、液状体601がノズル311Aから液滴として吐出され、印刷用紙などの被吐出物101の表面に着弾する。そして、適宜液状体601を吐出させつつガイド軸の一端側にヘッドユニット300を移動させた後に、印刷用紙などの被吐出物101を搬送手段500にて副走査方向に所定距離だけ搬送させ、再び液状体601を液滴として吐出させつつヘッドユニット300を主走査方向に移動させる動作を繰り返し、印刷用紙などの被吐出物101に印字データに基づいて印刷する。
【0081】
このように、複数のノズル列にそれぞれ異なる色の印刷用インクが供給されて印刷されるので、多彩な色表現が得られ、高画質の印刷が得られる。
【0082】
ここで、カラー印刷であって印刷速度を高速とするため、8種類のタンク600に代えて、4種類のタンク600を適宜装着する。これら4種類のタンク600としては、例えば黒色(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の印刷用インクをそれぞれ貯留するもので、図6に示すように、中間に位置する2つの供給針361には、それぞれ黒色のタンク600を装着する。また、両側に位置する供給針361には、両側から中央に向かう順番で同じ順番となる供給針361が同色となるように、すなわち両側から同色となる状態でそれぞれ例えばイエロ、マゼンタ、シアンの順で装着する。
【0083】
この装着されたタンク600は、それまで装着されたタンク600と異なる。このため、移動手段400の台座部440に配設された検出手段にて情報記録部から読み取った情報に基づいて、液体吐出装置100は異なるタンク600が装着されたものと判断し、流路中に残留する前の液状体601を引き抜く動作をし、混色するのを防止する処理をする。
【0084】
そして、同様に印刷を実行する。この4種類のタンク600を装着した場合には、中央に位置する2つのノズル列にはそれぞれ同色の黒色インクが供給されるので、黒色インクを吐出させる領域が倍増することとなり、高速印刷が可能となる。また、両側に位置する同一の黒色インクが供給されるノズル列以外の両側に分類されるノズル列には、外側から対照的に同色が供給されるようにタンク600を装着する。このことにより、黒色インクの場合と同様に吐出される領域が倍増することとなり、さらなる高速印刷が可能となる。さらに、主走査方向における往復移動の際にノズル311Aからそれぞれ液状体601を吐出して重ね合わせるように印刷する場合、重ね合う液状体601の順番が同じとなる。このため、重ねる順番で彩色が異なることを防止でき、高画質の印刷が得られるとともに、主走査方向における往路と復路とで重ねる順番が所定の順番となるように異なる制御をする必要がなく、印刷制御も容易となり、より高速印刷が可能で、回路構成も簡略化できる。
【0085】
なお、4色の場合でも、対称的に印刷用インクが供給されるようにタンク600を装着せず、適宜装着してもよい。また、8色や4色に限らず、1色から8色まで任意で印刷できる。このため、第1給液装置360を用いる場合では、装着するタンク600を適宜変更すればよく、印刷特性を容易に変更できる。すなわち、流路362Aが略等間隔で配置し、同一の形状の供給針361をそれぞれ連通して装着する構成であることから、1種類の液状体601を貯留するタンク600の構成で、貯留する液状体601を異なる種類とする構成を利用でき、装着するタンク600を容易に変更できる。
【0086】
なお、あらかじめ複数の液状体601を貯留する一体型のタンク600を用いてもよい。この場合には、タンク600の着脱が一動作ででき、作業性を向上できる。また、対照的に中央2つのノズル列に同種類の液状体601を供給するようにタンク600を装着したが、例えば2に限らず4つや6つのそれぞれ対照的に供給するようにしてもよい。
【0087】
次に、図7に示す第2給液装置370が選択されて構成されたヘッドユニット300を備えた液体吐出装置100について説明する。
【0088】
印刷に際して、タンク600を移動手段400の台座部440に装着する。この装着するタンク600としては、例えば分流供給針372に対応するタンク600と、非分流供給針371に対応するタンク600とが用いられる。なお、各タンク600は、それぞれ異なる液状体601が貯留されている。ここでは、図7に示すように、まず非分流供給針371に対応するタンク600がそれぞれ異なる色で複数、例えば6色と、分流供給針372に対応するタンク600の色の計7種類装着した場合とする。
【0089】
具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、淡いシアン(Lc)、淡いマゼンタ(Lm)、濃いイエロ(DY)の6色と、黒色(K)の計7色である。特に外側から同系列、例えば濃いイエロ(DY)およびイエロ(Y)、淡いマゼンタ(Lm)およびマゼンタ(M)、淡いシアン(Lc)およびシアン(C)の組み合わせとなるようにするとよい。
【0090】
そして、上述した場合と同様の取付機構部441にて台座部440に各タンク600を装着する。分流供給針372からは黒色インクが導入され、中央に位置する2列のノズル列に供給される。また、非分流供給針371からは各色の印刷インクがそれぞれ導入されて対応するノズル列に供給される。この状態で印刷する。
【0091】
この7色の場合には、中央に位置する2つのノズル列にはそれぞれ同色の黒色インクが供給されるので、黒色インクを吐出させる領域が倍増することとなり、高速印刷が可能となる。さらに、第1給液装置360のように同色のタンク600を装着するのではなく、分流させるので、装着するタンク600の数が少なくなり、小型化が容易に図れる。なお、両側に位置するノズル列からはそれぞれ異なる液状体601が吐出されるので、多彩な色表現が得られ、高画質の印刷が得られる。
【0092】
また、カラー印刷であってさらなる印刷速度の高速化をするため、7種類のタンク600に代えて、4種類のタンク600を適宜装着する。これら4種類のタンク600は、図7に示すように、非分流供給針371に対応したタンク600として、第1給液装置360の場合と同様に、両側から同色となる状態とする。具体的には、DY、Lm、Lc、K、C、M、Yの7種類の印刷用インクを貯留するタンク600から、Y、M、C、K、C、M、Yの4種類の印刷用インクを貯留するタンク600に交換することで、DYからYへ交換、LmからMへ交換、およびLcからCへ交換をすることになる。このため、それぞれ同系色なので、流路中の混色が少なく、例えばタンク600の交換時に流路内を洗浄してとも洗いすることによるインクの消費を抑制できる。この逆に、4種類の印刷用インクを貯留するタンク600から7種類の印刷用インクを貯留するタンク600に交換する場合も同系色となるので、同様の効果が得られる。
【0093】
そして、このタンク600の交換により、混色を防止する処理を実施した後、同様に印刷を実行する。このことにより、第1給液装置360と同様に、主走査方向における色の重ね合わせる順番が同じとなって彩色が異なることを防止でき、高画質の印刷が得られるとともに、高速印刷が可能となり、回路構成の簡略化もできる。
【0094】
このように、第2給液装置370を用いることにより、タンク600を適宜交換するのみでより高画質の7色印刷および高画質を得られつつ高速印刷が可能な4色印刷に切り替えでき、印刷特性を容易に変更できる。さらには、ノズル列が全て独立して供給針361に連通する第1給液装置360と選択してヘッドユニット300を構成できるようにしたので、さらには8色印刷も可能なさらにより高画質の印刷ができる液体吐出装置100を構成することもでき、簡単な構成で印刷特性が異なる液体吐出装置100を設定できる。すなわち、第1給液装置360および第2給液装置370の構成以外は、全て共通で、用いる第1給液装置360および第2給液装置370を単に選択するので印刷特性が変更されることとなり、印刷特性が異なる液体吐出装置100が容易に構成できる。
【0095】
なお、この第2給液装置370の場合でも、第1給液装置360の場合と同様に、1色から7色まで任意で印刷できる。また、一体型のタンク600を用いてもよい。
【0096】
そして、上記実施の形態では、第1給液装置360および第2給液装置370に取り付けられるヘッド310の構成として、隣り合うノズル列のノズル311Aが主走査方向に沿った一直線上に位置しないように変位、すなわち略千鳥状となるように対をなすノズル列としている。このため、第1給液装置360および第2給液装置370で同一の液状体601が供給される中間に位置するノズル列では、吐出される液滴が主走査方向で重ならず、吐出する領域が倍増する状態となり、効率よく液状体601が吐出され、より高速印刷が得られる。
【0097】
さらに、第1給液装置360では各供給針361の針部361Aが直線上に位置する状態とし、第2給液装置370では非分流供給針371および分流供給針372の各針部371Aおよび372Aが直線上に位置する状態としたため、タンク600における供給部の位置が同一の位置関係となり、タンク600の構造を共通化でき、タンク600の汎用性を向上でき、コストの低減、タンク600構造の品種が低減して製造性の向上や品種管理の向上などが図れる。
【0098】
また、上記実施の形態では、基板315Bの一面の一縁近傍にピエゾ素子315Aを複数配設したピエゾ取付基板315を、基板315Bに対してピエゾ素子315Aが配設された側を同じ向きで配設する。具体的には、ケース部材314にスリット314Cを閉塞する状態で弾性変形可能な振動板313、この振動板313に積層され液状体601が流通する流路を区画形成するキャビティプレート312と、このキャビティプレート312に積層され流路に連通して液状体601を吐出する複数のノズル311Aを開口したノズルプレート311を設ける。また、ケース部材314に固定される基板315Bの一面の一縁近傍に振動板313に接続されて電圧の印加により流路の一部であるキャビティ353の容積を縮小させてキャビティ353内の液状体601をノズル311Aから吐出させる複数のピエゾ素子315Aを有した複数のピエゾ取付基板315を、基板315Bに対してピエゾ素子315Aが配設された側がケース部材314に対して同じ側に面する状態でケース部材314のスリット314C内に配設する。
【0099】
このため、ピエゾ取付基板315を配設する際に、例えば一括して自動的にケース部材314に配設することができ、製造性を向上できる。
【0100】
また、ケース部材314は、液状体601に対して耐性を有することが好ましい。このことにより、供給される液状体601にてケース部材314が変質することを防止して、同じ向きとなるピエゾ取付基板315のピエゾ素子315Aが液状体601をノズル311Aから吐出させる際に電圧が印加されて歪む際の応力によりケース部材314が損傷することを防止でき、長期間安定した特性を得ることができる。
【0101】
さらに、ケース部材314を、例えば比較的に機械的強度が高いエンジニアリングプラスチックにて形成することが好ましい。このことにより、ピエゾ取付基板315のピエゾ素子315Aが液状体601をノズル311Aから吐出させる際に電圧が印加されて歪む際の応力によりケース部材314が損傷することを防止でき、長期間安定した特性を得ることができる。
【0102】
また、フィルタを液状体601が流通する方向に対して略円形、すなわち円形のフィルタを用いる。このため、流通する液状体601が淀みなくフィルタを透過でき、単にフィルタを円形とする簡単な構造で安定した液状体601の供給を容易に得ることができ、安定して液状体601の吐出が得られる。さらには、フィルタを略同一平面に配置しているため、供給する液状体601の水頭差のばらつきを容易に防止でき、安定した液状体601の供給が容易に得られる。そして、フィルタを供給針361、非分流供給針371あるいは分流供給針372で挾持するように配設しているため、フィルタの配設作業性が向上し、製造性の向上を容易に図ることができる。
【0103】
〔実施形態の変形例〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0104】
すなわち、被吐出物101としては、印刷用紙に限らず、ガラス基板、木片、布地など、いずれのものでもできる。
【0105】
そして、液状体601としては、印刷用のインクの他、蛍光材料、EL(electoroluminescence)材料など、さらにはプリント回路基板の電気配線を形成するために、液状金属や導電性材料、金属含有塗料などをインクジェット方式で吐出させて金属配線などを形成する構成、ガラス基板などに液状のカラーフィルタ材料などを吐出して液晶のカラーフィルタなどを形成する構成、基材上に形成される微細なマイクロレンズをインクジェット方式による吐出にて光学部材を形成する構成、基板上に塗布するレジストを必要な部分だけに塗布するようにインクジェット方式にて吐出する構成、プラスチックなどの透光性基板などに光を散乱させる凸部や微小白パターンなどをインクジェット方式にて吐出形成して光散乱板を形成する構成、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)チップ上にマトリクス配列するスパイクスポットにRNA(ribonucleic acid:リボ核酸)をインクジェット方式にて吐出させて蛍光標識プローブを作製してDNAチップ上でハイブリタゼーションさせるなど、基材に区画されたドット状の位置に、試料や抗体、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)などをインクジェット方式にて吐出させてバイオチップを形成するものなど、液滴として吐出させることができるいずれの液状体をも利用できる。
【0106】
また、搬送手段500として被吐出物101を搬送する構成について説明したが、液状体601を吐出する際に被吐出物101は移動させず、ヘッドユニット300を移動手段400にて移動させる走査方向に対して略直行する副走査方向へ移動させる構成としてもよい。
【0107】
そして、ヘッドユニット300としては、給液装置340にヘッド310が一体的に取り付けられた構成について説明したが、例えば別体として配管で接続する構成などとしてもよい。
【0108】
ヘッド310は、180個のノズル311Aを1つのノズル列として、対をなすノズル列を4対8列設けた構成に限らず、対をなさない構成、1列のみあるいは複数列、1列の数が180個以外のもの、等間隔でないもの、直列状に並んでいないものなど、いずれの構成でもできる。さらには、縦振動方向のヘッド310に限らず、例えばピエゾの横振動方式など、さらにはピエゾ素子315Aを用いないものなどでも適用できる。
【0109】
また、供給針361、非分流供給針371あるいは分流供給針372としては、上記構成に限らず、タンク600から液状体601を導入可能ないずれのものでもできる。
【0110】
そして、供給針361あるいは非分流供給針371および分流供給針372を一直線上に位置して設けたが、例えば略千鳥状に変位させて取り付けたり、複数列で設けるなど、いずれの構成でもできる。なお、このような構成とすることにより、小型化が容易に図れる。
【0111】
また、タンク600を上下方向に移動させて着脱可能に装着する構成で説明したが、例えば水平方向に移動させて着脱可能に装着するなどでもできる。
【0112】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0113】
【発明の効果】
本発明の給液装置によれば、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口の列にそれぞれ連通する複数の供給路であって、吐出口の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路に液状体を分配供給する分配導入部を連通して設け、中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路に液状体をそれぞれ対応して供給する複数の非分配導入部を連通して設けるため、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。
【0114】
また、本発明の給液装置によれば、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる分配導入部を連通させるとともに、分配供給される流路以外の流路に非分配導入部をそれぞれ連通させる第2給液装置とを、同一のヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成するため、液状体の吐出特性に対応した第1給液装置または第2給液装置を適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0115】
さらに、本発明のヘッドユニットによれば、液状体を吐出するヘッドが一体的に組み付けられる給液装置として、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置を用いるので、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更される。
【0116】
また、本発明のヘッドユニットによれば、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる分流導入部を連通して設けるとともに、分流導入部にて分配供給される流路以外の流路に非分配導入部をそれぞれ連通して複数設けた第2給液装置とを、適宜交換可能に選択してヘッドを一体的に組み付けるため、第1給液装置および第2給液装置を、液状体の吐出特性に対応して適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0117】
そして、本発明の液体吐出装置では、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とヘッドとを備えたヘッドユニット、あるいは、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更可能な請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットと被吐出物とのうちの少なくともいずれか一方を、移動手段にて相対的に主走査方向に移動させ、搬送手段にて相対的に副走査方向に移動させるので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易で、汎用性および製造性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出装置の構成を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】前記台座部にタンクを装着する状況を示す斜視図である。
【図3】前記ヘッドを示す断面図である。
【図4】前記ヘッドを示す平面図である。
【図5】前記ヘッドのヘッドプレートを示す平面図である。
【図6】前記一形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。
【図7】前記他形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。
【符号の説明】
100 液体吐出装置
300 ヘッドユニット
310 ヘッド
311A 吐出口としてのノズル
314D 供給路としての流通路
340 給液装置
360 第1給液装置
361 導入部としての供給針
362A,373A,373A1,373A2 流路
370 第2給液装置
371 導入部としての非分流導入部としての非分流供給針
372 導入部としての分流導入部としての分流供給針
600 貯液装置としてのタンク
601 液状体
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体を吐出する吐出口を有したヘッドへ液状体を供給する給液装置、供給される液状体を吐出口から吐出させるヘッドユニット、および、ヘッドユニットを備えた液体吐出装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、液状体をヘッドの吐出口から吐出させる液体吐出装置として、例えばインクカートリッジに貯留する液状体である1種類のインクを導入して複数のノズルに分配する構成と、複数のインクをそれぞれ導入して各ノズルにそれぞれ恐々する非分配の構成とを適宜選択するインクジェット方式の記録装置の構成が知られている。
【0003】
そして、この記録装置は、移動手段にて移動される台座部に一体的に取り付けられ、主走査方向に移動されるヘッドユニットを備えている。このヘッドユニットには、給液装置と、この給液装置に一体的に組み付けられる複数のヘッドとを備えている。
【0004】
給液装置は、液状体であるインクを貯留するインクカートリッジが着脱可能に装着され、インクカートリッジからインクを導入してヘッドへ供給する。この給液装置は、複数のヘッドにそれぞれインクを供給する複数の流路を有した流路形成部材と、この流路形成部材に内周側が流路に連通する状態で一体的に設けられインクカートリッジに嵌挿してインクを内周側に導入する針部とを備えている。なお、この給液装置には、複数の流路に連通する1つの針部を備えた構成と、複数の流路にそれぞれ連通する複数の針部を備えた構成との異なる形態がある。
【0005】
また、複数のヘッドは、一体的に組み付けるための取付部材にて、異なる形態の給液装置にそれぞれ取付可能に構成されている。そして、針部が1つの給液装置にヘッドが組み付けられた構成のヘッドユニットでは、1種類のインクを複数のヘッドにて吐出させるので、高速印刷が可能となる。また、針部を複数設けた給液装置にヘッドが組み付けられた構成のヘッドユニットでは、複数の異なるインクを針部でそれぞれ導入してヘッドに供給し吐出させることにより、多色印刷が可能となる。
【0006】
しかしながら、上記従来の記録装置では、1種類のインクを複数のノズルに分配する構成と、複数のインクをそれぞれ導入して各ノズルにそれぞれ供給する非分配の構成とを利用できるのみである。そして、このヘッドユニットにおける異なる形態の給液装置をユーザが交換することは困難である。このことから、ユーザは、印刷目的に応じて、多色印刷の記録装置か単色印刷の記録装置を選択して利用しなければならず、複数の記録装置を確保する必要がある。したがって、1台の記録装置における多色印刷および単色印刷を切り替える印刷特性の変更が可能な構成が望まれる。
【0007】
一方、液状体をヘッドの吐出口から吐出させる液体吐出装置として、例えば特開平10−309815号公報に記載の記録装置も知られている。この記録装置は、インクカートリッジが着脱可能に装着されてインクを導入する給液装置と、この給液装置に一体的に組み付けられ給液装置から供給されるインクを吐出するノズルが複数列で設けられたヘッドとを有したヘッドユニットを備えている。
【0008】
そして、給液装置は、複数の流路を有した流路形成部材と、この流路形成部材に内周側が流路に連通する状態で一体的に設けられインクカートリッジに嵌挿してインクを内周側に導入する複数の針部とを備えている。なお、流路は、片側に位置して隣接する複数のノズル列にそれぞれ液状体を供給可能に、ヘッド側である下流側が所定の複数のノズル列に分配する枝分かれ状態に拡開形成されている。具体的には、ノズル列は6つあり、インクは、黒色、シアン、マゼンタおよびイエロの4色で、黒色のインクは、片側から3列分のノズル列に供給される状態となり、シアン、マゼンタ、イエロの各インクは、それぞれ反対側の片側から3列のノズル列にそれぞれ供給される状態になっている。このような構成により、1つの記録装置でも、黒色の単色印刷と多色印刷との双方が得られるとともに、黒色のインクは複数のノズル列から吐出されるので、印刷の高速化も図ることができる。
【0009】
ところで、従来の記録装置においては、ヘッドユニットを主走査方向に移動してインクを液滴で吐出する際に、主走査方向での往復移動時にそれぞれ液滴を吐出して印刷の高速化を図っている。そして、高画質を実現するにあたって、他のインクが着弾された位置に他のインクを着弾させて色の表現を多様化させている。
【0010】
しかしながら、上記特開平10−309815号公報に記載のものでは、片側の流路を分岐する状態に液状体を供給しており、主走査の往路における重ねられるインクの順番と、復路における重ねられるインクの順番とが逆転し、色の表現が異なって色の表現が異なるおそれがある。このため、同一の色表現とするためには、重ねる色の順番も考慮する必要があり、ヘッドユニットのインクを吐出させる制御が複雑となって回路設計が煩雑となるおそれがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、インクの分配を選択できる従来の記録装置では、製造段階における多色印刷か単色印刷かの選択に限られ、1台の記録装置における多色印刷および単色印刷を切り替える印刷特性の変更ができない。また、特開平10−309815号公報に記載の従来の記録装置では、主走査移動における往復路でのインクの重ねる順番が異なってしまうことから、良好な色表現とするために重ねるインクの順番を考慮した複雑な制御が必要となり、回路設計が煩雑となるおそれがある問題がある。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な給液装置、ヘッドユニットおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開口可能に閉塞された供給部を有した貯液装置に貯留された液状体を、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられ前記液状体を吐出する吐出口および各列毎の吐出口にそれぞれ連通して前記液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドへ供給する給液装置であって、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置の供給部に嵌挿して開口させ前記貯留する液状体を導入して前記流路に流通させる複数の導入部とを具備し、前記導入部は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路に前記液状体を分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路にそれぞれ対応して前記液状体を供給する複数の非分流導入部とを有したことを特徴とした給液装置である。
【0014】
この発明では、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口の列にそれぞれ連通する複数の供給路を設けて構成されたヘッドに液状体を供給するもので、吐出口の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路を設け、これら流路に貯液装置から導入する液状体を分配供給する分流導入部を連通して設ける。さらに、中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路を設け、これら流路に貯液装置から導入する液状体をそれぞれ対応して供給する複数の非分流導入部を連通して設ける。
【0015】
このことにより、例えば分流導入部にて液状体として黒色インクを導入させて中間に位置する複数の列に供給して高速印刷させ、中間に位置する複数の列以外の列には非分流導入部にて各色のインクを導入させて供給し高画質印刷させることが可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。特に、中間に位置する複数の列以外の列は、配列方向における領外に位置する列の数が同数となる状態であることから、例えば両側から対称となる対応する列に供給するインクを同一種類とすることにより、主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でも、重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0016】
一方、本発明は、貯液装置に貯留された液状体を、この液状体を吐出する複数の吐出口およびこれら吐出口に連通する複数の供給路を有したヘッドへ供給する給液装置であって、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体をそれぞれ導入して前記流路にそれぞれ流通させる複数の導入部とを備えた第1給液装置と、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体を導入して前記吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路にそれぞれ分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて液状体が分配供給される流路以外の流路にそれぞれ前記液状体を供給する非分流導入部とを備えた第2給液装置と、を具備し、前記第1給液装置と前記第2給液装置とは、同一の前記ヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成されたことを特徴とした給液装置である。
【0017】
この発明では、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の分流導入部を吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる状態に連通させるとともに、分流導入部にて分配供給される流路以外の流路に、液状体を導入する中空の非分流導入部をそれぞれ連通して複数設けた第2給液装置とを、同一のヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成する。
【0018】
このことにより、ヘッドが導入部にて導入する液状体を対応する供給路にそれぞれ供給する構成の第1給液装置、あるいは主走査方向における中間の吐出口に連通する複数の供給路には同一の液状体を分配供給する構成の第2給液装置のいずれかにもヘッドが一体的に組み付け可能で、液状体の吐出特性に対応した第1給液装置または第2給液装置を適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0019】
さらに、この発明では、流路は、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口および各列の吐出口に連通して液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドの前記供給路にそれぞれ連通する状態に複数設けられ、第2給液装置の分流導入部は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路に前記液状体を分配供給し、第2給液装置の非分流導入部は、前記分流導入部にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路にそれぞれ前記液状体を供給する構成とすることが好ましい。
【0020】
このことにより、例えば分流導入部にて液状体として黒色インクを導入させて中間に位置する複数の列に供給して高速印刷させ、中間に位置する複数の列以外の列には非分流導入部にて各色のインクを導入させて供給し高画質印刷させることが可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。特に、中間に位置する複数の列以外の列は、配列方向における列外に位置する列の数が同数となる状態であることから、例えば両側から対称となる対応する列に供給するインクを同一種類とすることにより、主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でも、重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0021】
そして、上記発明では、導入部は、吐出口の複数の列の配列方向におけるそれぞれ両側から中央に向けた並び順が同一の順番となる列にそれぞれ連通する流路に対応する各非分流導入部がそれぞれ同種の液状体を供給可能に貯液装置から前記液状体を導入することが好ましい。
【0022】
このことにより、導入部により、吐出口の複数の列の配列方向におけるそれぞれ両側から中央に向けた並び順が同一の順番となる列にそれぞれ連通する流路に対応する各非分流導入部にて、それぞれ同種の液状体を供給可能に導入して供給させる。このことにより、例えば主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でもインクの重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0023】
また、上記発明では、流路は、同種の液状体が供給される複数の吐出口が主走査方向に沿った直線上に位置しないヘッドの供給路にそれぞれ連通する状態に複数設けられたことが好ましい。
【0024】
このことにより、同種の液状体が供給される複数の吐出口が主走査方向に沿った直線上に位置しないヘッドの供給路に、流路をそれぞれ連通する状態に複数設けるので、主走査方向で同種の液状体が同一箇所に吐出されず、効率よく液状体の吐出効率が向上する。
【0025】
さらに、上記発明では、導入部は、略直線上に位置して複数配設されたことが好ましい。
【0026】
このことにより、液状体を導入する複数の導入部が略直線上に位置するので、例えば両側から対称となる対応する吐出口の列に供給する液状体を同一種類としたり、異種類とすることを同一構造の貯液装置の交換のみで可能となり、他の構成を用いることなく吐出する液状体の変更が可能となり、さらには貯液装置の構造も同一化し、液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0027】
一方、本発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置と、この給液装置に一体的に組み付けられ供給される液状体を吐出するヘッドと、を具備したことを特徴としたヘッドユニットである。
【0028】
この発明では、液状体を吐出するヘッドが一体的に組み付けられる給液装置として、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置を用いるので、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更される。
【0029】
また、本発明は、貯液装置に貯留された液状体を導入し、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられ前記液状体を吐出する吐出口と、各列毎の吐出口にそれぞれ連通して前記導入した液状体を供給する複数の流路とを備えたヘッドユニットであって、流路は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に同種の液状体を分配供給させる分配流路と、この分配流路にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ前記液状体を供給する複数の非分配流路と、を備えたことを特徴としたヘッドユニットである。
【0030】
この発明では、主走査方向に対して交差する方向に列をなす吐出口の複数列毎にそれぞれ連通する流路を、配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に同種の液状体を分配供給する分配流路と、中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ液状体を供給する複数の非分配流路と、で構成する。
【0031】
このことにより、例えば分流導入部にて液状体として黒色インクを導入させて中間に位置する複数の列に供給して高速印刷させ、中間に位置する複数の列以外の列には非分流導入部にて各色のインクを導入させて供給し高画質印刷させることが可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。特に、中間に位置する複数の列以外の列は、配列方向における領外に位置する列の数が同数となる状態であることから、例えば両側から対称となる対応する列に供給するインクを同一種類とすることにより、主走査方向における往復移動の際にそれぞれインクを重ね合わせて吐出させる構成でも、重ね合う順番が同一となり、色表現が同一となって、より高画質印刷が可能となるなど、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易となる。
【0032】
そして、この発明では、複数列で設けられた吐出口、および、各列毎の吐出口にそれぞれ連通して液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドと、前記吐出口の中間に位置する列に連通する前記複数の供給路とにて分配流路を構成し導入した前記液状体を前記複数の供給路に分配供給する併合流路と、この流路にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路とにてそれぞれ非分配流路を構成し導入した液状体をそれぞれの列に供給する独立流路とを備えた給液装置と、を具備する構成とすることが好ましい。
【0033】
このことにより、複数列の吐出口にそれぞれ連通する供給路を設け、吐出口の中間に位置する列に連通する複数の供給路に液状体を分配供給する併合流路を設け、中間に位置する列以外の列に連通する複数の供給路に液状体をそれぞれ供給する独立流路とを設けるので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な構成が得られる。
【0034】
また、この発明では、給液装置の併合流路は、ヘッドの吐出口の中間に位置する列に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路と、これら流路に液状体を分配供給する導入部とを備えたことが好ましい。
【0035】
このことにより、中間に位置する列に連通する供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、導入部にて導入する液状体を分配供給させるので、より簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な構成が容易に得られる。
【0036】
一方、本発明は、液状体を吐出する複数の吐出口およびこれら吐出口に連通し前記液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドと、このヘッドが一体的に組み付けられ貯液装置に貯留された液状体を導入して前記ヘッドに供給する給液装置とを備えたヘッドユニットであって、給液装置は、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体をそれぞれ導入して前記流路にそれぞれ流通させる複数の導入部とを備えた第1給液装置と、前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体を導入して前記吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路にそれぞれ分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて液状体が分配供給される流路以外の流路にそれぞれ前記液状体を供給する非分流導入部とを備えた第2供給装置と、が適宜交換可能に選択されてヘッドが一体的に組み付けられることを特徴としたヘッドユニットである。
【0037】
この発明では、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に、貯液装置から液状体を導入する中空の分流導入部を吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる状態に連通させるとともに、分流導入部にて分配供給される流路以外の流路に、液状体を導入する中空の非分流導入部をそれぞれ連通して複数設けた第2給液装置とを、適宜交換可能に選択してヘッドを一体的に組み付ける。
【0038】
このことにより、ヘッドが導入部にて導入する液状体を対応する供給路にそれぞれ供給する構成の第1給液装置、あるいは主走査方向における中間の吐出口に連通する複数の供給路には同一の液状体を分配供給する構成の第2給液装置を、液状体の吐出特性に対応して適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0039】
また、本発明は、液状体を吐出する吐出口を有したヘッドとこのヘッドへ液状体を供給する請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とを備えたヘッドユニット、および、請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットのうちのいずれか一方と、このヘッドユニットおよび前記液状体が吐出される被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に主走査方向に移動させる移動手段と、前記ヘッドユニットおよび前記被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に副走査方向に移動させる搬送手段と、を具備したことを特徴とした液体吐出装置である。
【0040】
この発明では、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とヘッドとを備えたヘッドユニット、あるいは、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更可能な請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットと被吐出物とのうちの少なくともいずれか一方を、移動手段にて相対的に主走査方向に移動させ、搬送手段にて相対的に副走査方向に移動させるので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易で、汎用性および製造性の向上が図れる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体吐出装置について図面を参照して説明する。
【0042】
〔液体吐出装置の構成〕
まず、液体吐出装置の構成について図面を参照して説明する。図1は、液体吐出装置を示す一部を切り欠いた斜視図である。図2は、台座部にタンクを装着する状況を示す斜視図である。図3は、ヘッドを示す断面図である。図4は、ヘッドを示す平面図である。図5は、ヘッドのヘッドプレートを示す平面図である。図6は、一形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。図7は、他形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。
【0043】
図1において、100は液体吐出装置で、この液体吐出装置100は、例えばインクジェット方式の記録装置などで、インクなどの液状体を液滴で吐出させて文字や絵画を印刷して描画するなどし、紙などの被吐出物101にデータを出力させる。そして、液体吐出装置100は、筐体200と、ヘッドユニット300と、このヘッドユニット300を移動させる移動手段400と、被吐出物101を搬送する搬送手段500と、を備えている。
【0044】
移動手段400は、ガイド軸410と、移動用駆動モータ420と、駆動伝達部材430と、台座部440と、を備えている。ガイド軸410は、軸方向の両端が筐体200に保持されて配設されている。移動用駆動モータ420は、ガイド軸410の一端側の近傍に位置して配設されている。この移動用駆動モータ420の出力軸421には、出力プーリ422が一体的に設けられている。駆動伝達部材430は、プーリ431と、駆動ベルト432とを有している。プーリ431は、ガイド軸410の他端側の近傍で出力プーリ422に対応する位置に回転自在に配設されている。駆動ベルト432は、無端ベルト状に形成され、プーリ431および出力プーリ422に掛け渡されている。台座部440は、ガイド軸410に摺動可能に配設されているとともに駆動ベルト432に連結され、駆動ベルト432の回行によりガイド軸410に沿って主走査方向に移動する。
【0045】
また、台座部440には、ヘッドユニット300が一体的に取り付けられる。さらに、台座部440には、図1および図2に示すように、液状体601を貯留するタンク600を着脱可能に取り付ける取付機構部441が設けられている。この取付機構部441は、保持部442と、取付ハンドル部443とを備えている。保持部442は、タンク600を位置決め保持する。取付ハンドル部443は、一端側が揺動する状態に他端側が軸支されている。この取付ハンドル部443は、一端側を揺動させることにより、タンク600をヘッドユニット300に連結させて貯留する液状体601を供給可能とする状態と、ヘッドユニット300との連結状態を解除して取り外し可能な状態とにタンク600を移動させる。
【0046】
ここで、タンク600は、1種類の液状体601を貯留する構成と、複数種類の液状体601をそれぞれ混合不可能に貯留する構成と、の異なる構成がある。なお、図2は、複数種類の液状体601を貯留するタンク600を示している。
【0047】
そして、これらタンク600は、液状体601を貯留可能な略箱状の本体部602を有している。なお、複数種類の液状体601を貯留する構成では、本体部602は内部に液状体601をそれぞれ分離して貯留する貯留空間を区画形成している。そして、本体部602の底部には、貯留する液状体601を導入可能な図示しない供給部が設けられている。なお、複数種類の液状体601を貯留する構成では、供給部は各貯留空間に対応して複数設けられている。また、本体部602には、貯留する液状体601の種類やタンク600の構成などの情報が記録された図示しない情報記録部が設けられている。この情報記録部に記録された情報は、台座部440に設けられた図示しない検出手段にて読み取られる。そして、液体吐出装置100は、装着されたタンク600、貯留する液状体601の種類などを判別する。
【0048】
搬送手段500は、図1に示すように、搬送用駆動モータ510と、ガイド軸410と略平行に配設され搬送用駆動モータ510の回転駆動により回転する図示しないシャフトと、このシャフトに一体的に設けられた図示しないローラとを備えている。この搬送手段500は、図示しない載置部に載置された印刷用紙などの被吐出物101を、搬送用駆動モータ510の回転駆動でシャフトとともに回転するローラにより、移動手段400の台座部440と対向する位置に搬送させる。この搬送される被吐出物101は、移動手段400によるヘッドユニット300が装着された台座部440の主走査方向への移動に対して直交する副走査方向への移動となる。
【0049】
ヘッドユニット300は、例えばピエゾの縦振動方式にて液滴を吐出する構成で、図3および図4に示すヘッド310と、図示しない配線基板と、図示しない連結部材と、図6および図7に示す給液装置340と、図示しないカバー部材と、を備えている。ヘッド310は、ノズルプレート311、流路形成層としてのキャビティプレート312、弾性層としての振動板313、本体部としてのケース部材314およびピエゾ取付基板315を備えている。
【0050】
ノズルプレート311は、図3および図4に示すように、例えばポリテトラフルオロエチレンなどにて撥水処理されたステンレス製の平板に、略円形の吐出口としてのノズル311Aがプレス加工にて複数開口形成されている。ノズル311Aは、例えば図5に示すように、略等間隔で180個開口形成されたノズル列が4対の8列で設けられている。なお、図3は、説明の都合上、3対のうちの3列分のみを示している。また、図4は、説明の都合上、ノズル311Aが1列で4個開口する状態で示されている。さらに、図5は、説明の都合上、ノズル列を中間省略して示されている。
【0051】
キャビティプレート312は、図3に示すように、例えばシリコンウェハにてノズルプレート311と略同形状の平板状に形成され、ノズルプレート311のノズル311Aに対応して適宜エッチング処理されて形成されている。
【0052】
振動板313は、ノズルプレート311と略同形状のステンレス製の平板の一面にポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide:PPS)が層状に形成されたステンレス層313AおよびPPS層313Bの2層構造で、ノズル311Aに対応して適宜エッチング処理されている。
【0053】
ケース部材314は、合成樹脂製、例えば特にエンジニアリングプラスチックなどの機械的強度が比較的に高い合成樹脂にて形成され、一面側に四角柱状の取付台座部314Aが突設されている。この取付台座部314Aの先端には、ノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313が収容される図示しない収容凹部が設けられている。なお、振動板313は、PPS層313Bがキャビティプレート312側に対応する状態で収容される。また、収容凹部内には、ノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313を積層する状態に位置決めする図示しない位置決めピンが設けられている。
【0054】
また、ケース部材314には、ノズルプレート311の対をなすノズル列に対応して、取付台座部314Aを貫通しノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313が収容される収容凹部に連通する4つのスリット314Cが略等間隔に設けられている。さらに、ケース部材314には、取付台座部314Aを貫通する供給路としての流通路314Dがノズル列に対応して8つ設けられている。これら流通路314Dは、一端が取付台座部314Aの収容凹部に開口し、他端が取付台座部314Aの突出する側と反対側に突出する状態に設けられている。
【0055】
そして、収容凹部にノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313が積層する状態では、図3および図4に示すように、スリット314Cの収容凹部側が振動板313にて閉塞された状態で、流通路314Dはノズルプレート311のノズル311Aに連通する。すなわち、流通路314Dは、ノズルプレート311、キャビティプレート312および振動板313で区画される供給路を構成するリザーバ351に連通する。このリザーバ351は、供給路を構成する供給路352を介して、後述するピエゾ素子315Aが接続された位置に対応しピエゾ素子315Aの伸縮により容積が変動する流路を構成するキャビティ353に連通する。このキャビティ353は、ノズル311Aに連通する。
【0056】
ピエゾ取付基板315は、図3ないし図6に示すように、例えばノズル列の180個のノズル311Aに対応して複数のピエゾ素子315Aが設けられた長手矩形状のステンレス鋼板製の基板315Bを有している。ピエゾ素子315Aとしては、例えばジルコン酸チタン酸鉛(lead zirconate titanate:PZT)などが用いられる。このピエゾ素子315Aは、例えば長手矩形状に形成され、長手方向の一端が基板315Bの長手方向の一縁から突出する状態に、基板315Bの一縁に沿って1列に複数配設されている。そして、この基板315Bの一面には、図示しないテープ状の配線基板(TCP:Tape Carrier Package)に設けられたICが接着されている。また、TCPの長手方向の一縁には、ICに接続される図示しない端子が複数設けられた端子部315Dが舌片状に突出する状態に設けられている。
【0057】
そして、このピエゾ取付基板315は、ピエゾ素子315Aがあらかじめ塗布された接着剤315Eなどにて振動板313のステンレス層313Aに接着され、基板315Bが接着剤315Eにてケース部材314に接着され、スリット314C内に配設されて固定される。なお、各ピエゾ取付基板315は、同じ向き、すなわち基板315Bに対してピエゾ素子315Aが設けられた側が、ケース部材314において同じ側に位置する状態でケース部材314に配設されている。
【0058】
配線基板には、ピエゾ取付基板315の端子部315Dが接続される図示しない動作回路が搭載されている。そして、配線基板には、動作回路に接続され、図1に示す印刷データなどを電送するフレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable)700が着脱可能に接続されるコネクタが設けられている。
【0059】
連結部材は、例えば合成ゴムなどにて平板状に形成されている。そして、連結部材には、配線基板から臨むケース部材314の流通路314Dの端部にそれぞれ周縁が密着する複数、すなわち8つの図示しない連結流通孔が開口形成されている。
【0060】
給液装置340は、図6に示す第1給液装置360と、図7に示す第2給液装置370との異なる2種類の形態がある。
【0061】
第1給液装置360は、導入部としての非分流導入部である中空の供給針361と、図示しないフィルタと、独立流路形成部材362と、を備えている。
【0062】
供給針361は、針部361Aと取付リング361Bとを有している。針部361Aは、略円筒状の胴体部361A1を有している。この胴体部361A1の一端には、一端側に向けて拡開する漏斗状の整流部361A2が一連に設けられている。そして、この整流部361A2の拡開する周縁には、取付リング361Bが外方に向けて鍔状に一連に設けられている。また、胴体部361A1の他端には、他端側に向けて縮径して閉塞する略円錐形状に突出する破封部361A3が一連に設けられている。この破封部361A3には、複数の導入口361A4が開口形成されている。そして、供給針361は、タンク600の供給部に液密に嵌挿し、内部の液状体601を導入口361A4から導入する。
【0063】
独立流路形成部材362には、ヘッド310のノズル列の数に対応して8つの独立流路としての流路362Aが設けられている。これら流路362Aは、一端側がヘッド310の流通路314Dに連結部材の連結流通孔を介して連通し、他端側となるタンク600が装着される側が略所定間隔で略等間隔となる状態で、それぞれ略傾斜する状態に設けられている。具体的には、独立流路形成部材362は、ヘッド310側から一平面上で放射状に複数の流路362Aを傾斜して設けている。そして、これら流路362Aの他端側には、端部に向けて拡開する漏斗状の集液部362Bが設けられている。また、独立流路形成部材362には、集液部362Bの開口する周縁に、段差凹状に供給針361の取付リング361Bが取り付けられる取付凹部362Cが設けられている。
【0064】
フィルタは、例えば線径が数μmのステンレス鋼線を用いて形成された焼結不織布が利用される。このフィルタは、液状体601の透過の際の動圧損が小さく(流路抵抗が低く)、メニスカス強度が可能な限り高く形成されている。すなわち、不純物や異物、空気などを捕捉して流路に流入させない構成となっている。そして、フィルタは、略円形のシート状に形成され、独立流路形成部材362の取付凹部362Cと供給針361の取付リング361Bとの間に周縁が挾持される状態に配設されている。これら配設されたフィルタは、略同一平面上に位置する状態となっている。
【0065】
なお、このフィルタは、複数の不織布が積層された構造のもの、織布など、また材料もステンレス鋼線に限らず、いずれのものを用いてもできる。また、フィルタは、例えば流路362Aのヘッド310側の端部に位置して配設するなどしてもよい。
【0066】
この第1給液装置360がヘッド310と一体的に組み付けられて構成されるヘッドユニット300において、供給針361と、この供給針361に連通する流路362Aとにて独立流路が構成され、この独立流路と、流通路314Dと、リザーバ351と、供給路352と、キャビティ353とにて、非分配流路が構成される。
【0067】
一方、第2給液装置370は、導入部としての非分流導入部である中空の非分流供給針371と、導入部としての分流導入部である中空の分流供給針372と、第1給液装置360と同様の図示しないフィルタと、分流流路形成部材373と、を備えている。
【0068】
非分流供給針371は、第1給液装置360の供給針361と同様に、胴体部371A1、整流部371A2、破封部371A3および導入口371A4を有した針部371Aと、取付リング371Bとを有して形成されている。また、分流供給針372も同様に、胴体部372A1、整流部372A2、破封部372A3および導入口372A4を有した針部372Aと、取付リング372Bとを有して形成されている。なお、この分流供給針372の整流部372A2は、非分流供給針371の整流部371A2より、大きく拡開する状態に形成されている。これら非分流供給針371および分流供給針372は、それぞれタンク600の供給部に液密に嵌挿し、内部の液状体601をそれぞれ導入口371A4,372A4から導入する。
【0069】
分流流路形成部材373には、ヘッド310のノズル列の数に対応して8つの独立流路としての流路373Aが設けられている。これら流路373Aは、独立流路形成部材362の流路362Aと同様に、ヘッド310側から一平面上で放射状に傾斜して設けている。なお、中間に位置する2つの流路373A1は、他の流路373A2に比して比較的に互いに近接する状態の間隔で設けられている。これら流路373Aのタンク600が装着される側には、流路362Aと同様に、漏斗状の集液部373Bがそれぞれ設けられている。
【0070】
また、分流流路形成部材373には、近接する2つの流路373A1の集液部373Bを囲む状態で、段差凹状に分流供給針372の取付リング372Bが取り付けられる第1取付凹部373C1が設けられている。さらに、分流流路形成部材373には、両側に位置する流路373A2の集液部373Bの開口する周縁に、段差凹状に非分流供給針371の取付リング371Bが取り付けられる取付凹部362Cと同様の第2取付凹部373C2が設けられている。
【0071】
この第2給液装置370がヘッド310と一体的に組み付けられて構成されるヘッドユニット300において、分流供給針372と、この分流供給針372に連通する複数、例えば2つの流路373A1とにて併合流路が構成され、この併合流路と、流通路314Dと、リザーバ351と、供給路352と、キャビティ353とにて、分配流路が構成される。また、非分流供給針371と、この非分流供給針371に連通する流路373A2とにて独立流路が構成され、この独立流路と、流通路314Dと、リザーバ351と、供給路352と、キャビティ353とにて、非分配流路が構成される。
【0072】
そして、これら独立流路形成部材362と分流流路形成部材373とは、いずれか一方が適宜選択され、ヘッド310が図示しないカバー部材にて一体的に取り付けられてヘッドユニット300が構成される。また、ヘッドユニット300は、移動手段400の台座部440に、搬送手段500にて搬送される被吐出物101の表面にノズルプレート311が対向し、各針部361A,371A,372Aが上方に向けて突出する状態で一体的に配設される。
【0073】
なお、第1給液装置360および第2給液装置370は、ヘッド310が取付可能にそれぞれ同一の構造、すなわち同一のカバー部材にてヘッド310が取付可能に同一の取付構造に形成されている。
【0074】
〔液体吐出装置の動作〕
次に、上記液体吐出装置の動作について説明する。ここで、被吐出物101として印刷用紙を用い液状体として印刷用インクを液滴で吐出して印刷する動作を例示して説明する。
【0075】
まず、図6に示す第1給液装置360が選択されて構成されたヘッドユニット300を備えた液体吐出装置100について説明する。
【0076】
印刷に際して、タンク600を移動手段400の台座部440に装着する。この装着するタンク600としては、例えば液状体601である印刷用インクが1種類ずつ貯留するタンク600が異なる色で複数、例えば8つ装着される。ここでは、まず8つのタンク600としてそれぞれ異なる色で8種類装着した場合とする。
【0077】
そして、タンク600の装着は、台座部440の取付機構部441を構成する取付ハンドル部443の一端側を上方に回動させる。このことにより、台座部440の上方が開放されてヘッドユニット300の第1給液装置360が臨む状態となる。この状態で、取付機構部441の保持部442に保持しつつ台座部440の開放する上方からタンク600を供給部側である下端部側から挿入する。
【0078】
この後、取付ハンドル部443の一端側を手前側から下方に回動させ、タンク600を下方に移動させる。このタンク600の下方への移動により、第1給液装置360の供給針361の破封部361A3が供給部に液密に嵌挿する。
【0079】
そして、タンク600が第1給液装置360に一体的に連結されて装着されることにより、タンク600内の液状体601は、供給針361からそれぞれ連通する流路362Aを流通する。さらに、液状体601は、流路362Aからヘッド310のそれぞれ連通する流通路314Dに流通し、リザーバ351および供給路352を介してキャビティ353に流入しノズル311Aの位置まで供給される。
【0080】
この状態で、例えばパーソナルコンピュータや記録媒体などの外部メディアから取得した所定の印字データに基づいて、移動手段400の移動用駆動モータ420を駆動させて台座部440とともにヘッドユニット300を主走査方向に移動させる。さらに、この移動の際に、所定の信号をヘッドユニット300の配線基板に出力し、適宜ピエゾ取付基板315を制御し、所定のピエゾ素子315Aに所定の電圧を印加して歪みを生じさせる、すなわち伸縮(伸長および復元)させる。このピエゾ素子315Aの伸縮により、ノズル311Aまでの流路を構成するキャビティ353の容積が縮小・復元し、キャビティ353に流入する液状体601が押し出される状態となり、液状体601がノズル311Aから液滴として吐出され、印刷用紙などの被吐出物101の表面に着弾する。そして、適宜液状体601を吐出させつつガイド軸の一端側にヘッドユニット300を移動させた後に、印刷用紙などの被吐出物101を搬送手段500にて副走査方向に所定距離だけ搬送させ、再び液状体601を液滴として吐出させつつヘッドユニット300を主走査方向に移動させる動作を繰り返し、印刷用紙などの被吐出物101に印字データに基づいて印刷する。
【0081】
このように、複数のノズル列にそれぞれ異なる色の印刷用インクが供給されて印刷されるので、多彩な色表現が得られ、高画質の印刷が得られる。
【0082】
ここで、カラー印刷であって印刷速度を高速とするため、8種類のタンク600に代えて、4種類のタンク600を適宜装着する。これら4種類のタンク600としては、例えば黒色(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の印刷用インクをそれぞれ貯留するもので、図6に示すように、中間に位置する2つの供給針361には、それぞれ黒色のタンク600を装着する。また、両側に位置する供給針361には、両側から中央に向かう順番で同じ順番となる供給針361が同色となるように、すなわち両側から同色となる状態でそれぞれ例えばイエロ、マゼンタ、シアンの順で装着する。
【0083】
この装着されたタンク600は、それまで装着されたタンク600と異なる。このため、移動手段400の台座部440に配設された検出手段にて情報記録部から読み取った情報に基づいて、液体吐出装置100は異なるタンク600が装着されたものと判断し、流路中に残留する前の液状体601を引き抜く動作をし、混色するのを防止する処理をする。
【0084】
そして、同様に印刷を実行する。この4種類のタンク600を装着した場合には、中央に位置する2つのノズル列にはそれぞれ同色の黒色インクが供給されるので、黒色インクを吐出させる領域が倍増することとなり、高速印刷が可能となる。また、両側に位置する同一の黒色インクが供給されるノズル列以外の両側に分類されるノズル列には、外側から対照的に同色が供給されるようにタンク600を装着する。このことにより、黒色インクの場合と同様に吐出される領域が倍増することとなり、さらなる高速印刷が可能となる。さらに、主走査方向における往復移動の際にノズル311Aからそれぞれ液状体601を吐出して重ね合わせるように印刷する場合、重ね合う液状体601の順番が同じとなる。このため、重ねる順番で彩色が異なることを防止でき、高画質の印刷が得られるとともに、主走査方向における往路と復路とで重ねる順番が所定の順番となるように異なる制御をする必要がなく、印刷制御も容易となり、より高速印刷が可能で、回路構成も簡略化できる。
【0085】
なお、4色の場合でも、対称的に印刷用インクが供給されるようにタンク600を装着せず、適宜装着してもよい。また、8色や4色に限らず、1色から8色まで任意で印刷できる。このため、第1給液装置360を用いる場合では、装着するタンク600を適宜変更すればよく、印刷特性を容易に変更できる。すなわち、流路362Aが略等間隔で配置し、同一の形状の供給針361をそれぞれ連通して装着する構成であることから、1種類の液状体601を貯留するタンク600の構成で、貯留する液状体601を異なる種類とする構成を利用でき、装着するタンク600を容易に変更できる。
【0086】
なお、あらかじめ複数の液状体601を貯留する一体型のタンク600を用いてもよい。この場合には、タンク600の着脱が一動作ででき、作業性を向上できる。また、対照的に中央2つのノズル列に同種類の液状体601を供給するようにタンク600を装着したが、例えば2に限らず4つや6つのそれぞれ対照的に供給するようにしてもよい。
【0087】
次に、図7に示す第2給液装置370が選択されて構成されたヘッドユニット300を備えた液体吐出装置100について説明する。
【0088】
印刷に際して、タンク600を移動手段400の台座部440に装着する。この装着するタンク600としては、例えば分流供給針372に対応するタンク600と、非分流供給針371に対応するタンク600とが用いられる。なお、各タンク600は、それぞれ異なる液状体601が貯留されている。ここでは、図7に示すように、まず非分流供給針371に対応するタンク600がそれぞれ異なる色で複数、例えば6色と、分流供給針372に対応するタンク600の色の計7種類装着した場合とする。
【0089】
具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、淡いシアン(Lc)、淡いマゼンタ(Lm)、濃いイエロ(DY)の6色と、黒色(K)の計7色である。特に外側から同系列、例えば濃いイエロ(DY)およびイエロ(Y)、淡いマゼンタ(Lm)およびマゼンタ(M)、淡いシアン(Lc)およびシアン(C)の組み合わせとなるようにするとよい。
【0090】
そして、上述した場合と同様の取付機構部441にて台座部440に各タンク600を装着する。分流供給針372からは黒色インクが導入され、中央に位置する2列のノズル列に供給される。また、非分流供給針371からは各色の印刷インクがそれぞれ導入されて対応するノズル列に供給される。この状態で印刷する。
【0091】
この7色の場合には、中央に位置する2つのノズル列にはそれぞれ同色の黒色インクが供給されるので、黒色インクを吐出させる領域が倍増することとなり、高速印刷が可能となる。さらに、第1給液装置360のように同色のタンク600を装着するのではなく、分流させるので、装着するタンク600の数が少なくなり、小型化が容易に図れる。なお、両側に位置するノズル列からはそれぞれ異なる液状体601が吐出されるので、多彩な色表現が得られ、高画質の印刷が得られる。
【0092】
また、カラー印刷であってさらなる印刷速度の高速化をするため、7種類のタンク600に代えて、4種類のタンク600を適宜装着する。これら4種類のタンク600は、図7に示すように、非分流供給針371に対応したタンク600として、第1給液装置360の場合と同様に、両側から同色となる状態とする。具体的には、DY、Lm、Lc、K、C、M、Yの7種類の印刷用インクを貯留するタンク600から、Y、M、C、K、C、M、Yの4種類の印刷用インクを貯留するタンク600に交換することで、DYからYへ交換、LmからMへ交換、およびLcからCへ交換をすることになる。このため、それぞれ同系色なので、流路中の混色が少なく、例えばタンク600の交換時に流路内を洗浄してとも洗いすることによるインクの消費を抑制できる。この逆に、4種類の印刷用インクを貯留するタンク600から7種類の印刷用インクを貯留するタンク600に交換する場合も同系色となるので、同様の効果が得られる。
【0093】
そして、このタンク600の交換により、混色を防止する処理を実施した後、同様に印刷を実行する。このことにより、第1給液装置360と同様に、主走査方向における色の重ね合わせる順番が同じとなって彩色が異なることを防止でき、高画質の印刷が得られるとともに、高速印刷が可能となり、回路構成の簡略化もできる。
【0094】
このように、第2給液装置370を用いることにより、タンク600を適宜交換するのみでより高画質の7色印刷および高画質を得られつつ高速印刷が可能な4色印刷に切り替えでき、印刷特性を容易に変更できる。さらには、ノズル列が全て独立して供給針361に連通する第1給液装置360と選択してヘッドユニット300を構成できるようにしたので、さらには8色印刷も可能なさらにより高画質の印刷ができる液体吐出装置100を構成することもでき、簡単な構成で印刷特性が異なる液体吐出装置100を設定できる。すなわち、第1給液装置360および第2給液装置370の構成以外は、全て共通で、用いる第1給液装置360および第2給液装置370を単に選択するので印刷特性が変更されることとなり、印刷特性が異なる液体吐出装置100が容易に構成できる。
【0095】
なお、この第2給液装置370の場合でも、第1給液装置360の場合と同様に、1色から7色まで任意で印刷できる。また、一体型のタンク600を用いてもよい。
【0096】
そして、上記実施の形態では、第1給液装置360および第2給液装置370に取り付けられるヘッド310の構成として、隣り合うノズル列のノズル311Aが主走査方向に沿った一直線上に位置しないように変位、すなわち略千鳥状となるように対をなすノズル列としている。このため、第1給液装置360および第2給液装置370で同一の液状体601が供給される中間に位置するノズル列では、吐出される液滴が主走査方向で重ならず、吐出する領域が倍増する状態となり、効率よく液状体601が吐出され、より高速印刷が得られる。
【0097】
さらに、第1給液装置360では各供給針361の針部361Aが直線上に位置する状態とし、第2給液装置370では非分流供給針371および分流供給針372の各針部371Aおよび372Aが直線上に位置する状態としたため、タンク600における供給部の位置が同一の位置関係となり、タンク600の構造を共通化でき、タンク600の汎用性を向上でき、コストの低減、タンク600構造の品種が低減して製造性の向上や品種管理の向上などが図れる。
【0098】
また、上記実施の形態では、基板315Bの一面の一縁近傍にピエゾ素子315Aを複数配設したピエゾ取付基板315を、基板315Bに対してピエゾ素子315Aが配設された側を同じ向きで配設する。具体的には、ケース部材314にスリット314Cを閉塞する状態で弾性変形可能な振動板313、この振動板313に積層され液状体601が流通する流路を区画形成するキャビティプレート312と、このキャビティプレート312に積層され流路に連通して液状体601を吐出する複数のノズル311Aを開口したノズルプレート311を設ける。また、ケース部材314に固定される基板315Bの一面の一縁近傍に振動板313に接続されて電圧の印加により流路の一部であるキャビティ353の容積を縮小させてキャビティ353内の液状体601をノズル311Aから吐出させる複数のピエゾ素子315Aを有した複数のピエゾ取付基板315を、基板315Bに対してピエゾ素子315Aが配設された側がケース部材314に対して同じ側に面する状態でケース部材314のスリット314C内に配設する。
【0099】
このため、ピエゾ取付基板315を配設する際に、例えば一括して自動的にケース部材314に配設することができ、製造性を向上できる。
【0100】
また、ケース部材314は、液状体601に対して耐性を有することが好ましい。このことにより、供給される液状体601にてケース部材314が変質することを防止して、同じ向きとなるピエゾ取付基板315のピエゾ素子315Aが液状体601をノズル311Aから吐出させる際に電圧が印加されて歪む際の応力によりケース部材314が損傷することを防止でき、長期間安定した特性を得ることができる。
【0101】
さらに、ケース部材314を、例えば比較的に機械的強度が高いエンジニアリングプラスチックにて形成することが好ましい。このことにより、ピエゾ取付基板315のピエゾ素子315Aが液状体601をノズル311Aから吐出させる際に電圧が印加されて歪む際の応力によりケース部材314が損傷することを防止でき、長期間安定した特性を得ることができる。
【0102】
また、フィルタを液状体601が流通する方向に対して略円形、すなわち円形のフィルタを用いる。このため、流通する液状体601が淀みなくフィルタを透過でき、単にフィルタを円形とする簡単な構造で安定した液状体601の供給を容易に得ることができ、安定して液状体601の吐出が得られる。さらには、フィルタを略同一平面に配置しているため、供給する液状体601の水頭差のばらつきを容易に防止でき、安定した液状体601の供給が容易に得られる。そして、フィルタを供給針361、非分流供給針371あるいは分流供給針372で挾持するように配設しているため、フィルタの配設作業性が向上し、製造性の向上を容易に図ることができる。
【0103】
〔実施形態の変形例〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0104】
すなわち、被吐出物101としては、印刷用紙に限らず、ガラス基板、木片、布地など、いずれのものでもできる。
【0105】
そして、液状体601としては、印刷用のインクの他、蛍光材料、EL(electoroluminescence)材料など、さらにはプリント回路基板の電気配線を形成するために、液状金属や導電性材料、金属含有塗料などをインクジェット方式で吐出させて金属配線などを形成する構成、ガラス基板などに液状のカラーフィルタ材料などを吐出して液晶のカラーフィルタなどを形成する構成、基材上に形成される微細なマイクロレンズをインクジェット方式による吐出にて光学部材を形成する構成、基板上に塗布するレジストを必要な部分だけに塗布するようにインクジェット方式にて吐出する構成、プラスチックなどの透光性基板などに光を散乱させる凸部や微小白パターンなどをインクジェット方式にて吐出形成して光散乱板を形成する構成、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)チップ上にマトリクス配列するスパイクスポットにRNA(ribonucleic acid:リボ核酸)をインクジェット方式にて吐出させて蛍光標識プローブを作製してDNAチップ上でハイブリタゼーションさせるなど、基材に区画されたドット状の位置に、試料や抗体、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)などをインクジェット方式にて吐出させてバイオチップを形成するものなど、液滴として吐出させることができるいずれの液状体をも利用できる。
【0106】
また、搬送手段500として被吐出物101を搬送する構成について説明したが、液状体601を吐出する際に被吐出物101は移動させず、ヘッドユニット300を移動手段400にて移動させる走査方向に対して略直行する副走査方向へ移動させる構成としてもよい。
【0107】
そして、ヘッドユニット300としては、給液装置340にヘッド310が一体的に取り付けられた構成について説明したが、例えば別体として配管で接続する構成などとしてもよい。
【0108】
ヘッド310は、180個のノズル311Aを1つのノズル列として、対をなすノズル列を4対8列設けた構成に限らず、対をなさない構成、1列のみあるいは複数列、1列の数が180個以外のもの、等間隔でないもの、直列状に並んでいないものなど、いずれの構成でもできる。さらには、縦振動方向のヘッド310に限らず、例えばピエゾの横振動方式など、さらにはピエゾ素子315Aを用いないものなどでも適用できる。
【0109】
また、供給針361、非分流供給針371あるいは分流供給針372としては、上記構成に限らず、タンク600から液状体601を導入可能ないずれのものでもできる。
【0110】
そして、供給針361あるいは非分流供給針371および分流供給針372を一直線上に位置して設けたが、例えば略千鳥状に変位させて取り付けたり、複数列で設けるなど、いずれの構成でもできる。なお、このような構成とすることにより、小型化が容易に図れる。
【0111】
また、タンク600を上下方向に移動させて着脱可能に装着する構成で説明したが、例えば水平方向に移動させて着脱可能に装着するなどでもできる。
【0112】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0113】
【発明の効果】
本発明の給液装置によれば、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口の列にそれぞれ連通する複数の供給路であって、吐出口の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路に液状体を分配供給する分配導入部を連通して設け、中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ連通する複数の供給路に対応してそれぞれ連通する複数の流路に液状体をそれぞれ対応して供給する複数の非分配導入部を連通して設けるため、簡単な構成で液状体の吐出特性が幅広く設定される状態となり、吐出特性の変更が容易となる。
【0114】
また、本発明の給液装置によれば、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる分配導入部を連通させるとともに、分配供給される流路以外の流路に非分配導入部をそれぞれ連通させる第2給液装置とを、同一のヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成するため、液状体の吐出特性に対応した第1給液装置または第2給液装置を適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0115】
さらに、本発明のヘッドユニットによれば、液状体を吐出するヘッドが一体的に組み付けられる給液装置として、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置を用いるので、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更される。
【0116】
また、本発明のヘッドユニットによれば、複数の吐出口に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路に導入部をそれぞれ連通して複数設けた第1給液装置と、複数の吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路に液状体を分配供給させる分流導入部を連通して設けるとともに、分流導入部にて分配供給される流路以外の流路に非分配導入部をそれぞれ連通して複数設けた第2給液装置とを、適宜交換可能に選択してヘッドを一体的に組み付けるため、第1給液装置および第2給液装置を、液状体の吐出特性に対応して適宜選択すればよく、簡単な構成で液状体の吐出特性が異なる構成に容易に変更可能となり、部材の共用化も図れる。
【0117】
そして、本発明の液体吐出装置では、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易な請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とヘッドとを備えたヘッドユニット、あるいは、簡単な構成で液状体の吐出特性が容易に変更可能な請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットと被吐出物とのうちの少なくともいずれか一方を、移動手段にて相対的に主走査方向に移動させ、搬送手段にて相対的に副走査方向に移動させるので、簡単な構成で液状体の吐出特性の変更が容易で、汎用性および製造性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出装置の構成を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】前記台座部にタンクを装着する状況を示す斜視図である。
【図3】前記ヘッドを示す断面図である。
【図4】前記ヘッドを示す平面図である。
【図5】前記ヘッドのヘッドプレートを示す平面図である。
【図6】前記一形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。
【図7】前記他形態のヘッドユニットを示す一部を切り欠いた側面図である。
【符号の説明】
100 液体吐出装置
300 ヘッドユニット
310 ヘッド
311A 吐出口としてのノズル
314D 供給路としての流通路
340 給液装置
360 第1給液装置
361 導入部としての供給針
362A,373A,373A1,373A2 流路
370 第2給液装置
371 導入部としての非分流導入部としての非分流供給針
372 導入部としての分流導入部としての分流供給針
600 貯液装置としてのタンク
601 液状体
Claims (12)
- 開口可能に閉塞された供給部を有した貯液装置に貯留された液状体を、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられ前記液状体を吐出する吐出口および各列毎の吐出口にそれぞれ連通して前記液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドへ供給する給液装置であって、
前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、
内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置の供給部に嵌挿して開口させ前記貯留する液状体を導入して前記流路に流通させる複数の導入部とを具備し、
前記導入部は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路に前記液状体を分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路にそれぞれ対応して前記液状体を供給する複数の非分流導入部とを有した
ことを特徴とした給液装置。 - 貯液装置に貯留された液状体を、この液状体を吐出する複数の吐出口およびこれら吐出口に連通する複数の供給路を有したヘッドへ供給する給液装置であって、
前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体をそれぞれ導入して前記流路にそれぞれ流通させる複数の導入部とを備えた第1給液装置と、
前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体を導入して前記吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路にそれぞれ分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて液状体が分配供給される流路以外の流路にそれぞれ前記液状体を供給する非分流導入部とを備えた第2給液装置と、を具備し、
前記第1給液装置と前記第2給液装置とは、同一の前記ヘッドが一体的に組み付け可能に同一取付構造に形成された
ことを特徴とした給液装置。 - 請求項2に記載の給液装置において、
流路は、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられた吐出口および各列の吐出口に連通して液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドの前記供給路にそれぞれ連通する状態に複数設けられ、
第2給液装置の分流導入部は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路に前記液状体を分配供給し、
第2給液装置の非分流導入部は、前記分流導入部にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路に対応する前記複数の流路にそれぞれ前記液状体を供給する
ことを特徴とした給液装置。 - 請求項1または3に記載の給液装置において、
導入部は、吐出口の複数の列の配列方向におけるそれぞれ両側から中央に向けた並び順が同一の順番となる列にそれぞれ連通する流路に対応する各非分流導入部がそれぞれ同種の液状体を供給可能に貯液装置から前記液状体を導入する
ことを特徴とした給液装置。 - 請求項4に記載の給液装置において、
流路は、同種の液状体が供給される複数の吐出口が主走査方向に沿った直線上に位置しないヘッドの供給路にそれぞれ連通する状態に複数設けられた
ことを特徴とした給液装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の給液装置において、
導入部は、略直線上に位置して複数配設された
ことを特徴とした給液装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置と、
この給液装置に一体的に組み付けられ供給される液状体を吐出するヘッドと、
を具備したことを特徴としたヘッドユニット。 - 貯液装置に貯留された液状体を導入し、主走査方向に対して交差する方向に列をなして複数列で設けられ前記液状体を吐出する吐出口と、各列毎の吐出口にそれぞれ連通して前記導入した液状体を供給する複数の流路とを備えたヘッドユニットであって、
流路は、前記吐出口の複数の列の配列方向における両側に位置する列の数が同数となる状態で分類される中間に位置する列に同種の液状体を分配供給させる分配流路と、この分配流路にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列にそれぞれ前記液状体を供給する複数の非分配流路と、を備えたことを特徴としたヘッドユニット。 - 請求項8に記載のヘッドユニットにおいて、
複数列で設けられた吐出口、および、各列毎の吐出口にそれぞれ連通して液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドと、
前記吐出口の中間に位置する列に連通する前記複数の供給路とにて分配流路を構成し導入した前記液状体を前記複数の供給路に分配供給する併合流路と、この流路にて前記液状体が分配供給される前記中間に位置する吐出口の列以外の列に連通する前記複数の供給路とにてそれぞれ非分配流路を構成し導入した液状体をそれぞれの列に供給する独立流路とを備えた給液装置と、
を具備したことを特徴としたヘッドユニット。 - 請求項9に記載のヘッドユニットにおいて、
給液装置の併合流路は、ヘッドの吐出口の中間に位置する列に連通する複数の供給路にそれぞれ連通する複数の流路と、これら流路に液状体を分配供給する導入部とを備えた
ことを特徴としたヘッドユニット。 - 液状体を吐出する複数の吐出口およびこれら吐出口に連通し前記液状体を供給する複数の供給路を有したヘッドと、このヘッドが一体的に組み付けられ貯液装置に貯留された液状体を導入して前記ヘッドに供給する給液装置とを備えたヘッドユニットであって、
給液装置は、
前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体をそれぞれ導入して前記流路にそれぞれ流通させる複数の導入部とを備えた第1給液装置と、
前記供給路にそれぞれ連通する状態で複数設けられ前記液状体が流通可能な流路と、内周が前記流路に連通する中空で、前記貯液装置に貯留された液状体を導入して前記吐出口の主走査方向における中間に位置する吐出口の供給路に対応する複数の流路にそれぞれ分配供給する分流導入部と、この分流導入部にて液状体が分配供給される流路以外の流路にそれぞれ前記液状体を供給する非分流導入部とを備えた第2供給装置と、
が適宜交換可能に選択されてヘッドが一体的に組み付けられることを特徴としたヘッドユニット。 - 液状体を吐出する吐出口を有したヘッドとこのヘッドへ液状体を供給する請求項1ないし6のいずれかに記載の給液装置とを備えたヘッドユニット、および、請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のヘッドユニットのうちのいずれか一方と、
このヘッドユニットおよび前記液状体が吐出される被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に主走査方向に移動させる移動手段と、
前記ヘッドユニットおよび前記被吐出物のうちの少なくともいずれか一方を相対的に副走査方向に移動させる搬送手段と、
を具備したことを特徴とした液体吐出装置。
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