JP2004082403A - 液体噴射ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】水平方向から液体カートリッジを装着する際の液体の漏出を防止することができる液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】ケースヘッド37に、供給針ユニット34を取り付ける第1ベース部38と、配線基板36を取り付ける第2ベース部39と、これらの第1ベース部38と第2ベース部39との間を区画する隔壁58とを設け、この隔壁58の第1ベース部38側の面の左右両端部に、リブ59L,59Rを設ける。また、供給針ユニット34にインク供給針33の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁44L,44Rを設け、この側壁44L,44Rの第2ベース部側の端面が隔壁58のリブ59L,59Rに当接する状態で、供給針ユニット34を第1ベース部38に取り付ける。
【選択図】 図4
【解決手段】ケースヘッド37に、供給針ユニット34を取り付ける第1ベース部38と、配線基板36を取り付ける第2ベース部39と、これらの第1ベース部38と第2ベース部39との間を区画する隔壁58とを設け、この隔壁58の第1ベース部38側の面の左右両端部に、リブ59L,59Rを設ける。また、供給針ユニット34にインク供給針33の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁44L,44Rを設け、この側壁44L,44Rの第2ベース部側の端面が隔壁58のリブ59L,59Rに当接する状態で、供給針ユニット34を第1ベース部38に取り付ける。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生素子の駆動によって圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、ノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドに関し、特に、液体を貯留したカートリッジを水平方向から装着可能な液体噴射ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
【0003】
そして、インクジェット式記録ヘッドでは、液体状のインク、色材噴射ヘッドではR(Red),G(Green),B(Blue)の色材を溶かした液体、電極材噴射ヘッドでは電極材を溶かした液体、生体有機物噴射ヘッドでは有機物を溶かした液体を吐出する。
【0004】
このような液体噴射ヘッドには種々の形式があるが、例えば、着脱可能なインクカートリッジからインクを導入し、導入したインクをインク滴として記録媒体である記録紙に吐出させて記録を行うインクジェット式記録ヘッドがある。
【0005】
一般に、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、先端が垂直方向に向く状態でインク供給針が配設され、その上方からインクカートリッジが装着されるようになっている。インクカートリッジが装着されると、インクカートリッジの針挿入部に記録ヘッドのインク供給針が挿入され、インクカートリッジに貯留されたインクがインク供給針内に導入される。針内に導入されたインクは、インク供給路を通って記録ヘッド内に供給される。
【0006】
インクカートリッジを装置の上方から装着する方式では、使用済みとなったインクカートリッジを交換する際の便宜のため、インクジェット記録装置の上方の空間を確保する必要がある。例えば、インクジェット記録装置をラック等に収納する際には、常にラックの一番上に置く必要があった。また、インクジェット記録装置の上に他の周辺機器を重ねて置くことができないなど、レイアウト上の制約があって使い勝手が悪い問題があった。そのため、インクジェット記録装置の前面においてインクカートリッジを水平方向から着脱可能とした方式のものが提案されている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。本明細書においては、この方式をフロントローディング方式とよぶ。
【0007】
図9は、フロントローディング方式のインクジェット記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと略記する)の構成例を示している。記録ヘッド70は、インク供給針71を有する供給針ユニット72と、インク供給針71より導入されたインクを、圧力発生素子(図示せず)を駆動することにより吐出するヘッドユニット73と、ヘッドユニット73の圧力発生素子に駆動信号を供給するための配線基板74等を、ケースヘッド75に備えて構成される。
【0008】
インク供給針71は、インクカートリッジ77に挿入される中空針状の部材であり、先端が装置前方を向いた姿勢で供給針ユニット72に配設される。また、供給針ユニット72とケースヘッド75との接合部には、接合部の密閉性を確保するためのシール材76が設けられている。そして、インクカートリッジ77は、図において右から左へ向けて(即ち、インクジェット記録装置の前方から後方に向けて)水平に移動して記録ヘッド70に装着される。
【0009】
記録ヘッドをこのような構成にすることにより、インクジェット記録装置の上方からインクカートリッジを装着する構成と違って、インクジェット記録装置の上方を空けておく必要がなく、且つ、インクジェット記録装置の上を覗き込むようにしてインクカートリッジを装着する必要がない。
【0010】
なお、上記の特許文献1とは、特開2000−190516号公報であり、特許文献2とは、特開2002−187291号公報である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクカートリッジ77を水平方向から装着する際、インク供給針71(供給針ユニット72)は、インクカートリッジ77によって配線基板74側に押される。そして、この応力が供給針ユニット72とケースヘッド75との接合部に加わると、シール材76による密閉機能が低下し、インク漏出の原因となる虞がある。
また、インクが漏出すると、このインクが配線基板74側に染みて絶縁不良などのトラブル等を引き起こす原因となる。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水平方向から液体カートリッジを装着する際の液体の漏出を防止することができる液体噴射ヘッドを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、先端が水平方向に突出した姿勢で配設された液体供給針を有し、液体を貯留した液体カートリッジが水平方向から装着される供給針ユニットと、
前記液体供給針より導入された液体を、圧力発生素子を駆動することにより液滴として吐出するヘッドユニットと、
該ヘッドユニットの圧力発生素子に駆動信号を供給するための配線基板と、
をケースヘッドに備えた液体噴射ヘッドにおいて、
前記ケースヘッドは、前記供給針ユニットを取り付ける第1ベース部と、前記配線基板を取り付ける第2ベース部と、該第2ベース部と第1ベース部との間を区画する隔壁とを備え、
前記供給針ユニットは、前記液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁を備え、該側壁の第2ベース部側の端面が前記隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする液体噴射ヘッドである。
なお、本願における「水平方向」とは、上方、下方に対する横方向と同様の意味であり、水平面に多少傾斜した範囲も含む方向をいう。
【0014】
請求項2に記載のものは、前記隔壁の、前記側壁の端面が当接される部分に、突起状の当接受部を設け、
前記供給針ユニットは、前記側壁の端面が当接受部に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドである。
【0015】
請求項3に記載のものは、当接受部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドである。
【0016】
請求項4に記載のものは、前記側壁の端面に、突起状の当接部を設け、
前記供給針ユニットは、前記当接部が隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドである。
【0017】
請求項5に記載のものは、前記当接部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッドである。
【0018】
請求項6に記載のものは、前記隔壁の第2ベース部側の面から前記液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する複数の補強壁を前記第2ベース部に備え、
前記補強壁が左右に位置する状態で、前記配線基板を前記第2ベース部に取り付けることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の液体噴射ヘッドである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)が用いられるインクジェット式プリンタ1(以下、プリンタ1と略す)の外観を示す斜視図である。このプリンタ1は、装置の前面側だけで必要な操作が行える所謂フロントローディング方式のものである。なお、図1において、図の左斜め下方側がプリンタ1の前面側である。
【0020】
プリンタ1は、インクカートリッジ2(図2参照)を保持すると共に、記録ヘッド3(図3参照)が取り付けられるキャリッジ4と、このキャリッジ4を主走査方向に往復移動させるヘッド走査機構と、記録ヘッド3のノズル面を封止するキャッピング機構(図示せず)と、記録紙を保持する給紙カセット5と、給紙カセット5に保持された記録紙を装置前面に搬送する紙送り機構等を備えている。
【0021】
キャリッジ4は、ベース板部6を有しており、このベース板部6に記録ヘッド3を取り付ける。また、このベース板部6の左右両側縁及び後縁から壁7を上方に立設すると共に、ベース板部6の前縁部に開閉レバー8を設け、これらのベース板部6、壁7、及び開閉レバー8によってインクカートリッジ2を収納保持可能なカートリッジホルダ部9を形成している。
開閉レバー8は、下端部に設けられたヒンジ機構によって前方側に傾倒可能に取り付けられている。このため、開閉レバー8の開放状態にあっては、カートリッジホルダ部9の前面開口部が装置前面側に開口し、この前面開口部を通じてインクカートリッジ2の着脱が行える。そして、このキャリッジ4は、筐体に架設したガイド部材10に案内されて移動可能に取り付けられており、ヘッド走査機構によりこのガイド部材10に沿った記録幅方向(即ち、主走査方向)に往復移動される。なお、インクカートリッジ2の装着については、図8を用いて後述する。
【0022】
ヘッド走査機構は、キャリッジ4(記録ヘッド3)を主走査方向に移動させることができれば、任意の構成を採り得る。本実施形態では、筐体の一部を構成する起立フレーム11の左右一端部に設けたパルスモータ12と、このパルスモータ12の回転軸に減速ギアを介して接続された駆動プーリー13と、起立フレーム11の左右他端部に設けられた遊転プーリー14と、駆動プーリー13と遊転プーリー14との間に架け渡されると共に、キャリッジ4に接続されたタイミングベルト15と、パルスモータ12の回転を制御するプリンタコントローラ(図示せず)等を備えて構成してある。即ち、このヘッド走査機構は、パルスモータ12を駆動させることによって、キャリッジ4を記録紙の幅方向(記録幅方向)に往復移動させる。
【0023】
給紙カセット5は、略長方形状の底板16と、この底板16の左右両側縁及び後縁から壁17を立設することで形成され、上面及び前面が開放されたトレー状の部材である。この給紙カセット5は、図示しない案内部によって前後方向に移動可能に構成されている。
記録紙をセットする際には、給紙カセット5を前方に引き出した状態で記録紙を前方側の開口から挿入し、その後、給紙カセット5を後方側に押し込むことで、記録紙が所定の供給位置に配置される。また、底板16には、カセット内における記録紙の位置決めを行う用紙ガイド18を取り付けてある。この用紙ガイド18は、記録紙の幅方向に沿ってスライド可能に取り付けられており、セットされた記録紙のエッジにガイド面を当接させることで、記録紙を所定位置に位置付ける。
【0024】
紙送り機構は、筐体の前方側左右一端部に設けられた紙送りモータ19と、左右方向に長尺な紙送りローラ20と、この紙送りローラ20上に配置された従動ローラ21等から構成されている。そして、プリンタコントローラは、紙送りモータ19を制御し、給紙カセット5にセットされた記録紙を順次送り出すと共に、送り方向(即ち、副走査方向)の送り量をコントロールする。
【0025】
上記のカートリッジホルダ部9に装着されるインクカートリッジ2(本発明の液体カートリッジ)は、図2に示すように、例えば、内部が複数の区画室22に区画形成された中空箱体状のケース23と、各区画室22内にそれぞれ収納されてインク(本発明の液体)を吸収し貯留する複数のインク吸収材24とによって構成されている。
上記のケース23は、ケース本体25と蓋部材26とから構成される。ケース本体25は上面が開放された箱状体であり、蓋部材26は、ケース本体25の開放上面を塞ぐ板状部材である。そして、これらのケース本体25と蓋部材26は、ともに合成樹脂製の部材であり、溶着や接着等によって一体化されている。また、ケース本体25の下面25aには、後述するインク供給針33(本発明の液体供給針、図3参照)が挿入される針接続部27が突設されている。この針接続部27の針挿入口28の近傍には、取付時におけるインク供給針33側にスプリング29によって付勢され、インク供給針33の挿入により開弁される弁30が収容されている。
【0026】
また、針接続部27の内部には、針挿入口28と区画室22とを連通する連通流路31を設けてあり、この連通流路31の区画室22側の端部には、インク内の異物を濾別するフィルタ部材32を配設している。このため、インク吸収材24に保持されたインクは、フィルタ部材32によって異物が濾別された後に連通流路31内に進入し、針挿入口28に嵌合しているインク供給針33から記録ヘッド3内に流入する。
【0027】
なお、本実施形態におけるインクカートリッジ2は、内部が左右方向に6分割されて6つの区画室22が形成されている。そして、各区画室22には、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ブラックの合計6色のインクを貯留する。そして、このインクカートリッジに貯留させるインクに関し、色の種類のみならず、染料系インク(高浸透インクの一種)と顔料インク(緩浸透インクの一種)など、色材の種類が異なる複数種類のインクを貯留させるようにしてもよい。例えば、6つの区画室を備えたものにあっては、染料系のシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクと、顔料系のシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを、それぞれ別個に貯留させるようにしてもよい。
【0028】
次に、キャリッジ4に取り付けられる記録ヘッド3について説明する。ここで、図3は記録ヘッド3の外観を示す斜視図、図4は記録ヘッド3の平面図、図5は記録ヘッド3の要部構造を示す断面図、図6は供給針ユニットと配線基板が取り付けられていない状態の記録ヘッド3(ケースヘッド37)の斜視図である。
【0029】
記録ヘッド3は、インク供給針33を有する供給針ユニット34と、インク供給針33より導入されたインクを、本発明の圧力発生素子として機能する圧電振動子62(図7参照)を駆動することによりインク滴(本発明の液滴)として吐出するヘッドユニット(ヘッドチップ)35と、圧電振動子62に駆動信号を供給するための配線基板36を、ケースヘッド37に備えて概略構成される。
【0030】
ケースヘッド37は、合成樹脂製の部材であり、供給針ユニット34を取り付けるために前半上面に形成された第1ベース部38と、配線基板36を取り付けるために後半上面に形成された第2ベース部39と、これらのベース部の下方に突設したヘッドユニット取付部40とにより構成されている。ヘッドユニット取付部40には、このヘッドユニット取付部40の高さ方向を貫通してケース流路41が形成されており、供給針ユニット34からのインクは、このケース流路41を介してヘッドユニット35に供給される。また、配線基板36からの駆動信号は、フレキシブルケーブル42を介してヘッドユニット35に供給される。
【0031】
次に、上記の供給針ユニット34について説明する。供給針ユニット34は、ケースヘッド37と同様に合成樹脂製の部材であり、インクカートリッジ2が装着される部分である。この供給針ユニット34は、水平面部34´の前端から起立し、複数のインク供給針33が左右方向に並べて配設されている横長な針固定壁43と、この針固定壁43の左右方向の両縁から後方(インク供給針33の突出方向とは逆方向)に向けて延在する側壁44L,44Rにより概略構成される。また、針固定壁43の後面側には、インク供給針33の針流路45とケースヘッド37のケース流路41とを連通する連通流路部46がインク供給針33毎に形成されている。この連通流路部46内には、インク供給針33の針流路45と連通し、水平面側に沿って後方に形成された水平流路47と、この水平流路47の終端から略垂直下方に形成され、出口がケースヘッド37のケース流路41と連通する垂下流路48が形成されている。この垂下流路48は、上流よりも下流側の部分の径を広げて形成しており、この拡径部分を第1ベース部38のインク供給口49に連通させている。
【0032】
インク供給針33は、インクカートリッジ2の針接続部27に挿入される中空針状の部材である。そして、先端が装置前面側に向いた姿勢(即ち、水平方向に突出した姿勢)で針固定壁43の前面側に配設され、これにより針流路45と、連通流路部46の水平流路47とが一連に繋がる。本実施形態では6種類のインクを吐出可能であるため、合計6本のインク供給針33が針固定壁43に備えられており、これらインク供給針群の左右外側から左右の側壁44L,44Rが後方に向けて延設されている。
【0033】
図6に示すように、ケースヘッド37の第1ベース部38には、ケース流路41の上端の開口であるインク供給口49が複数並べて配置されている。このインク供給口49は、ケース流路41側に向けて漏斗状に縮径させた形状とされている。本実施形態においては、インク供給針33と同数の6個のインク供給口49が左右方向横並びに配置されている。これらのインク供給口49の外周には、埃や成型時のバリ等のインク内の異物の通過を阻止するフィルタ50(図5参照)を取り付けるためのフィルタ取付溝51がそれぞれ設けられており、さらにその周囲には、シール部材52(図5参照)を取り付けるためのシール部材収納凹部53が形成されている。
シール部材52は、供給針ユニット34とケースヘッド37(第1ベース部38)との間の接合部の密閉性(液密性)を確保するための部材であり、接合部の隙間からのインクの漏出を防止する。このシール部材52は、例えば、合成ゴムやエラストマー等の弾性部材によって作製される。
【0034】
また、第1ベース部38には、供給針ユニット34を取り付けるための複数の貫通孔54が設けられており、本実施形態においては、この貫通孔54を計14個形成している。この貫通孔54に、供給針ユニット34の底面に設けた固定ピン(図示せず)を挿通させた状態で、固定ピンの先端を加熱して平らに潰す、即ち、所謂かしめることにより、供給針ユニット34を第1ベース部38に固定する。これにより、供給針ユニット34の垂下流路48と、ケースヘッド37のケース流路41とが、フィルタ50とシール部材52を介して一連に繋がる。この際、供給針ユニット34は、側壁44L,44Rの第2ベース部39側の端面が、後述する隔壁58のリブ59L,59Rに当接した状態で、第1ベース部38に取り付けられる。この点の詳細については後述する。
【0035】
第2ベース部39には、配線基板36の設置領域の左右両縁から起立壁55L,55Rが上方に立設されると共に、上面側に配線基板36を位置決めするための位置決めピン56L,56Rが形成されている。また、これらの起立壁55L,55Rは、それぞれフランジ部57L,57Rを、配線基板36設置側とは反対側の側方に延出している。配線基板36は、起立壁55L,55Rが左右に位置する状態で、位置決めピン56L,56Rを配線基板36に設けられた貫通孔36´L,36´Rに挿通することで第2ベース部39上に位置決めされ、図示しない固定爪片によって固定される。
【0036】
第1ベース部38と第2ベース部39との間には、両ベース部に対して垂直に立ち上がった隔壁58が設けられている。即ち、第1ベース部38と第2ベース部39との間は、この隔壁58により区画されている。例えば、もし第1ベース部38側でインク漏れが発生した場合においても、第1ベース部38側(供給針ユニット34側)から第2ベース部39側(配線基板36側)へのインクの回り込みをこの隔壁58が遮り、これにより、配線基板36にインクが付着してショートする等の不具合を防止することができる。
また、この隔壁58と、起立壁55L,55Rとは、平面で見て互いにT字状に交わる形に形成されている。即ち、起立壁55L,55Rは、隔壁58の第2ベース部39側の面から後方(インク供給針33の突出方向とは逆方向)に向けて第2ベース部39上に延在し、隔壁58を後方から補強する補強壁として機能する。また、インク漏れが生じた場合において、万一隔壁58の裏側に漏出インクが回り込んだときでも、起立壁55L,55Rがこの漏出インクを遮り、配線基板36へのインクの回り込みを確実に防止する。
【0037】
この隔壁58の前面側(第1ベース部38側)の左右両端部には、リブ59L,59Rが設けられている。このリブ59L,59Rは、本発明の当接受部として機能するものであり、供給針ユニット34の側壁44L,44Rの後側(第2ベース部39側)の端面が当接する部分である。リブ59L,59Rは、隔壁58の左右の縁に沿って高さ方向に形成された三角柱状の突起であり、先端が尖った形状となっている。そして、このリブ59L,59Rに、側壁44L,44Rの第2ベース部39側の端面が当接する状態で、供給針ユニット34が第1ベース部38に取り付けられる。これにより、リブ59L,59Rが、側壁44L,44Rの端面に対して線に近い状態で隙間無く当接することになり、面で当接する場合と比較してガタを少なくすることができる。
【0038】
上記のヘッドユニット35は、図7に示すように、ケース流路41の出口に連通されてインクカートリッジ2からインクが供給される共通インク室60と、複数(例えば、128個)のノズル開口61を副走査方向に列設してなるノズル列と、ノズル開口61のそれぞれに対応して複数設けられて圧電振動子62の駆動(変形)によって膨張或いは収縮する圧力室63とを備える。そして、共通インク室60と圧力室63との間をインク供給口64及び供給側連通孔65によって連通し、圧力室63とノズル開口61との間を第1ノズル連通口66及び第2ノズル連通口67によって連通している。即ち、共通インク室60から圧力室63を通ってノズル開口61に至る一連のインク流路をノズル開口61毎に形成している。ここで、上記のノズル開口61は、ノズルプレート68を厚さ方向に貫通する孔によって形成されており、このノズルプレート68の外側表面がノズル面68aとなる。そして、ヘッドユニット35は、ケースヘッド37のヘッドユニット取付部40に、ノズル面68aを下側に向けた姿勢で取り付けられる。
【0039】
図8は、インクカートリッジ2の装着について説明する図である。同図において、右側がプリンタ1の前面側となる。本実施形態においては、インク供給針33を、先端がプリンタ1の前面側に向いた(水平方向に突出した)姿勢で配設すると共に、カートリッジホルダ部9の前面部分を開放可能に構成しているので、インクカートリッジ2の装着や取り外しをプリンタ1の前面側から行うことができる。
まず、図8(a)に示すように、開閉レバー8を手前側に倒し、カートリッジホルダ部9の前面側を開放した状態にし、針挿入口28が記録ヘッド3のインク供給針33と対向する姿勢で、インクカートリッジ2をカートリッジホルダ部9内に挿入する。このとき、針挿入口28はインク供給針33の直前に位置する。
【0040】
次に、開閉レバー8を起こすと、これに伴って開閉レバー8の押圧部8aがインクカートリッジ2の前面に当たって押圧するので、インクカートリッジ2が更に奥まで押し込まれる。これにより、図8(b)に示すように、針挿入口28にインク供給針33が貫入する。同時に、弁30がインク供給針33によってプリンタ1の前面側に押され、連通流路31と針流路45とが液密状態で連通する。
【0041】
ここで、針挿入口28にインク供給針33が貫入する際、記録ヘッド3の供給針ユニット34は、インクカートリッジ2によってプリンタ1の後方に(図8において左側)に押され、また、スプリング29により付勢された弁30によって、常に後方への力が加わった状態となる。この際、側壁44L,44R(図8においては、側壁44Lのみを図示)の第2ベース部39側の端面が、隔壁58のリブ59L,59R(同図においてはリブ59Lのみを図示)に当接し、隔壁58は、供給針ユニット34が後方に傾倒するのを防止する。さらに、起立壁55L,55R(同図においては起立壁55Lのみを図示)が、隔壁58を後方から補強しているので、供給針ユニット34の傾倒をより確実に防止することができる。これにより、供給針ユニット34の傾倒に起因してシール部材52のシール機能が低下されるのを防ぎ、その結果、供給針ユニット34とケースヘッド37との接合部におけるインクの漏出を確実に防止することができる。
【0042】
ところで、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0043】
隔壁58のリブ59L,59R(即ち、本発明における当接受部)に関し、上記の実施形態においては、三角柱状の突起としたが、これに限らない。例えば、上から見て半円状となる蒲鉾型等の形状にした突起にしてもよい。いずれのリブ59L,59Rの場合においても、万一インクが漏出しても、このインクが隔壁58裏側に回り込むことを有効に防止できる。また、側壁44L,44Rの端面に対して点で当接するような円錐や半球等の突起にしてもよい。これにより、より一層ガタつきを抑制することができる。但し、隔壁58の下端に突起を設けて、万一の場合にも漏出インクが隔壁58の裏側に回り込まないようにすることが望ましい。
【0044】
また、上記実施形態においては、当接受部(リブ59L,59R)を、隔壁58に設ける例を示したが、これに限らず、供給針ユニット34の側壁44L,44Rの第2ベース部39側の端面に、突起状の当接部を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、上記の実施形態においては、当接受部を、隔壁の左右両端部に一つずつ設けた例を示したが、それぞれに複数の突起を形成するようにしてもよい。この点は、側壁44L,44Rに当接部を設ける場合についても同様である。
【0046】
また、上記実施形態においては、圧力発生素子として所謂撓み振動モードの圧電振動子を用いた例を示したが、これに限らず、例えば、所謂伸縮振動モードの圧電振動子や、熱発生素子等を用いるようにしても良い。
【0047】
なお、以上では、インクジェット式記録ヘッドに本発明を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップの製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
即ち、ケースヘッドに、供給針ユニットを取り付ける第1ベース部と、配線基板を取り付ける第2ベース部と、これらの第1ベース部と第2ベース部との間を区画する隔壁とを設け、供給針ユニットに液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁を設け、この側壁の第2ベース部側の端面が隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、供給針ユニットを第1ベース部に取り付けたので、液体カートリッジを水平方向から装着した場合においても、供給針ユニットの傾倒を防止することができる。これにより、供給針ユニットとケースヘッドとの接合部に設けられたシール部材のシール機能の低下を防ぎ、その結果、インクの漏出を防止することができる。
また、もしインク漏れが生じた場合においても、隔壁が、供給針ユニット側から配線基板側へのインクの回り込みを遮り、配線基板にインクが付着してショートする等の不具合を防止することができる。
【0049】
また、隔壁の、側壁の端面が当接される部分に突起状の当接受部を設け、又は側壁の端面に突起状の当接部を設けたので、隔壁と側壁間のガタを防止して確実に当接させることができる。
【0050】
また、隔壁の第2ベース部側の面から液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する複数の補強壁を前記第2ベース部に備え、補強壁が左右に位置する状態で配線基板を第2ベース部に取り付けたので、この補強壁が隔壁を後方から補強し、供給針ユニットの傾倒をより確実に防止することができる。その結果、インクの漏出を一層確実に防止することができる。また、インク漏れが生じた場合において、万一隔壁の裏側に漏出インクが回り込んだときでも、補強壁がこの漏出インクを遮るので、配線基板へのインクの回り込みをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式プリンタの構成を説明する斜視図である。
【図2】インクカートリッジの構造を説明する断面である。
【図3】記録ヘッドの構成を説明する斜視図である。
【図4】記録ヘッドの構成を説明する平面図である。
【図5】記録ヘッドの要部構造を説明する断面図である。
【図6】供給針ユニットと配線基板が取り付けられていない状態の記録ヘッド(ケースヘッド)を説明する斜視図である。
【図7】ヘッドユニットの構造を示す断面図である。
【図8】インクカートリッジの装着を説明する断面図である。
【図9】従来の記録ヘッドを説明する断面図である。
【符号の説明】
33 インク供給針,34 供給針ユニット,36 配線基板,37 ケースヘッド,38 第1ベース部,39 第2ベース部,44L,44R 側壁,58 隔壁,59L,59R リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生素子の駆動によって圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、ノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドに関し、特に、液体を貯留したカートリッジを水平方向から装着可能な液体噴射ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
【0003】
そして、インクジェット式記録ヘッドでは、液体状のインク、色材噴射ヘッドではR(Red),G(Green),B(Blue)の色材を溶かした液体、電極材噴射ヘッドでは電極材を溶かした液体、生体有機物噴射ヘッドでは有機物を溶かした液体を吐出する。
【0004】
このような液体噴射ヘッドには種々の形式があるが、例えば、着脱可能なインクカートリッジからインクを導入し、導入したインクをインク滴として記録媒体である記録紙に吐出させて記録を行うインクジェット式記録ヘッドがある。
【0005】
一般に、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、先端が垂直方向に向く状態でインク供給針が配設され、その上方からインクカートリッジが装着されるようになっている。インクカートリッジが装着されると、インクカートリッジの針挿入部に記録ヘッドのインク供給針が挿入され、インクカートリッジに貯留されたインクがインク供給針内に導入される。針内に導入されたインクは、インク供給路を通って記録ヘッド内に供給される。
【0006】
インクカートリッジを装置の上方から装着する方式では、使用済みとなったインクカートリッジを交換する際の便宜のため、インクジェット記録装置の上方の空間を確保する必要がある。例えば、インクジェット記録装置をラック等に収納する際には、常にラックの一番上に置く必要があった。また、インクジェット記録装置の上に他の周辺機器を重ねて置くことができないなど、レイアウト上の制約があって使い勝手が悪い問題があった。そのため、インクジェット記録装置の前面においてインクカートリッジを水平方向から着脱可能とした方式のものが提案されている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。本明細書においては、この方式をフロントローディング方式とよぶ。
【0007】
図9は、フロントローディング方式のインクジェット記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと略記する)の構成例を示している。記録ヘッド70は、インク供給針71を有する供給針ユニット72と、インク供給針71より導入されたインクを、圧力発生素子(図示せず)を駆動することにより吐出するヘッドユニット73と、ヘッドユニット73の圧力発生素子に駆動信号を供給するための配線基板74等を、ケースヘッド75に備えて構成される。
【0008】
インク供給針71は、インクカートリッジ77に挿入される中空針状の部材であり、先端が装置前方を向いた姿勢で供給針ユニット72に配設される。また、供給針ユニット72とケースヘッド75との接合部には、接合部の密閉性を確保するためのシール材76が設けられている。そして、インクカートリッジ77は、図において右から左へ向けて(即ち、インクジェット記録装置の前方から後方に向けて)水平に移動して記録ヘッド70に装着される。
【0009】
記録ヘッドをこのような構成にすることにより、インクジェット記録装置の上方からインクカートリッジを装着する構成と違って、インクジェット記録装置の上方を空けておく必要がなく、且つ、インクジェット記録装置の上を覗き込むようにしてインクカートリッジを装着する必要がない。
【0010】
なお、上記の特許文献1とは、特開2000−190516号公報であり、特許文献2とは、特開2002−187291号公報である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクカートリッジ77を水平方向から装着する際、インク供給針71(供給針ユニット72)は、インクカートリッジ77によって配線基板74側に押される。そして、この応力が供給針ユニット72とケースヘッド75との接合部に加わると、シール材76による密閉機能が低下し、インク漏出の原因となる虞がある。
また、インクが漏出すると、このインクが配線基板74側に染みて絶縁不良などのトラブル等を引き起こす原因となる。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水平方向から液体カートリッジを装着する際の液体の漏出を防止することができる液体噴射ヘッドを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、先端が水平方向に突出した姿勢で配設された液体供給針を有し、液体を貯留した液体カートリッジが水平方向から装着される供給針ユニットと、
前記液体供給針より導入された液体を、圧力発生素子を駆動することにより液滴として吐出するヘッドユニットと、
該ヘッドユニットの圧力発生素子に駆動信号を供給するための配線基板と、
をケースヘッドに備えた液体噴射ヘッドにおいて、
前記ケースヘッドは、前記供給針ユニットを取り付ける第1ベース部と、前記配線基板を取り付ける第2ベース部と、該第2ベース部と第1ベース部との間を区画する隔壁とを備え、
前記供給針ユニットは、前記液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁を備え、該側壁の第2ベース部側の端面が前記隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする液体噴射ヘッドである。
なお、本願における「水平方向」とは、上方、下方に対する横方向と同様の意味であり、水平面に多少傾斜した範囲も含む方向をいう。
【0014】
請求項2に記載のものは、前記隔壁の、前記側壁の端面が当接される部分に、突起状の当接受部を設け、
前記供給針ユニットは、前記側壁の端面が当接受部に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドである。
【0015】
請求項3に記載のものは、当接受部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドである。
【0016】
請求項4に記載のものは、前記側壁の端面に、突起状の当接部を設け、
前記供給針ユニットは、前記当接部が隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドである。
【0017】
請求項5に記載のものは、前記当接部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッドである。
【0018】
請求項6に記載のものは、前記隔壁の第2ベース部側の面から前記液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する複数の補強壁を前記第2ベース部に備え、
前記補強壁が左右に位置する状態で、前記配線基板を前記第2ベース部に取り付けることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の液体噴射ヘッドである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)が用いられるインクジェット式プリンタ1(以下、プリンタ1と略す)の外観を示す斜視図である。このプリンタ1は、装置の前面側だけで必要な操作が行える所謂フロントローディング方式のものである。なお、図1において、図の左斜め下方側がプリンタ1の前面側である。
【0020】
プリンタ1は、インクカートリッジ2(図2参照)を保持すると共に、記録ヘッド3(図3参照)が取り付けられるキャリッジ4と、このキャリッジ4を主走査方向に往復移動させるヘッド走査機構と、記録ヘッド3のノズル面を封止するキャッピング機構(図示せず)と、記録紙を保持する給紙カセット5と、給紙カセット5に保持された記録紙を装置前面に搬送する紙送り機構等を備えている。
【0021】
キャリッジ4は、ベース板部6を有しており、このベース板部6に記録ヘッド3を取り付ける。また、このベース板部6の左右両側縁及び後縁から壁7を上方に立設すると共に、ベース板部6の前縁部に開閉レバー8を設け、これらのベース板部6、壁7、及び開閉レバー8によってインクカートリッジ2を収納保持可能なカートリッジホルダ部9を形成している。
開閉レバー8は、下端部に設けられたヒンジ機構によって前方側に傾倒可能に取り付けられている。このため、開閉レバー8の開放状態にあっては、カートリッジホルダ部9の前面開口部が装置前面側に開口し、この前面開口部を通じてインクカートリッジ2の着脱が行える。そして、このキャリッジ4は、筐体に架設したガイド部材10に案内されて移動可能に取り付けられており、ヘッド走査機構によりこのガイド部材10に沿った記録幅方向(即ち、主走査方向)に往復移動される。なお、インクカートリッジ2の装着については、図8を用いて後述する。
【0022】
ヘッド走査機構は、キャリッジ4(記録ヘッド3)を主走査方向に移動させることができれば、任意の構成を採り得る。本実施形態では、筐体の一部を構成する起立フレーム11の左右一端部に設けたパルスモータ12と、このパルスモータ12の回転軸に減速ギアを介して接続された駆動プーリー13と、起立フレーム11の左右他端部に設けられた遊転プーリー14と、駆動プーリー13と遊転プーリー14との間に架け渡されると共に、キャリッジ4に接続されたタイミングベルト15と、パルスモータ12の回転を制御するプリンタコントローラ(図示せず)等を備えて構成してある。即ち、このヘッド走査機構は、パルスモータ12を駆動させることによって、キャリッジ4を記録紙の幅方向(記録幅方向)に往復移動させる。
【0023】
給紙カセット5は、略長方形状の底板16と、この底板16の左右両側縁及び後縁から壁17を立設することで形成され、上面及び前面が開放されたトレー状の部材である。この給紙カセット5は、図示しない案内部によって前後方向に移動可能に構成されている。
記録紙をセットする際には、給紙カセット5を前方に引き出した状態で記録紙を前方側の開口から挿入し、その後、給紙カセット5を後方側に押し込むことで、記録紙が所定の供給位置に配置される。また、底板16には、カセット内における記録紙の位置決めを行う用紙ガイド18を取り付けてある。この用紙ガイド18は、記録紙の幅方向に沿ってスライド可能に取り付けられており、セットされた記録紙のエッジにガイド面を当接させることで、記録紙を所定位置に位置付ける。
【0024】
紙送り機構は、筐体の前方側左右一端部に設けられた紙送りモータ19と、左右方向に長尺な紙送りローラ20と、この紙送りローラ20上に配置された従動ローラ21等から構成されている。そして、プリンタコントローラは、紙送りモータ19を制御し、給紙カセット5にセットされた記録紙を順次送り出すと共に、送り方向(即ち、副走査方向)の送り量をコントロールする。
【0025】
上記のカートリッジホルダ部9に装着されるインクカートリッジ2(本発明の液体カートリッジ)は、図2に示すように、例えば、内部が複数の区画室22に区画形成された中空箱体状のケース23と、各区画室22内にそれぞれ収納されてインク(本発明の液体)を吸収し貯留する複数のインク吸収材24とによって構成されている。
上記のケース23は、ケース本体25と蓋部材26とから構成される。ケース本体25は上面が開放された箱状体であり、蓋部材26は、ケース本体25の開放上面を塞ぐ板状部材である。そして、これらのケース本体25と蓋部材26は、ともに合成樹脂製の部材であり、溶着や接着等によって一体化されている。また、ケース本体25の下面25aには、後述するインク供給針33(本発明の液体供給針、図3参照)が挿入される針接続部27が突設されている。この針接続部27の針挿入口28の近傍には、取付時におけるインク供給針33側にスプリング29によって付勢され、インク供給針33の挿入により開弁される弁30が収容されている。
【0026】
また、針接続部27の内部には、針挿入口28と区画室22とを連通する連通流路31を設けてあり、この連通流路31の区画室22側の端部には、インク内の異物を濾別するフィルタ部材32を配設している。このため、インク吸収材24に保持されたインクは、フィルタ部材32によって異物が濾別された後に連通流路31内に進入し、針挿入口28に嵌合しているインク供給針33から記録ヘッド3内に流入する。
【0027】
なお、本実施形態におけるインクカートリッジ2は、内部が左右方向に6分割されて6つの区画室22が形成されている。そして、各区画室22には、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ブラックの合計6色のインクを貯留する。そして、このインクカートリッジに貯留させるインクに関し、色の種類のみならず、染料系インク(高浸透インクの一種)と顔料インク(緩浸透インクの一種)など、色材の種類が異なる複数種類のインクを貯留させるようにしてもよい。例えば、6つの区画室を備えたものにあっては、染料系のシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクと、顔料系のシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを、それぞれ別個に貯留させるようにしてもよい。
【0028】
次に、キャリッジ4に取り付けられる記録ヘッド3について説明する。ここで、図3は記録ヘッド3の外観を示す斜視図、図4は記録ヘッド3の平面図、図5は記録ヘッド3の要部構造を示す断面図、図6は供給針ユニットと配線基板が取り付けられていない状態の記録ヘッド3(ケースヘッド37)の斜視図である。
【0029】
記録ヘッド3は、インク供給針33を有する供給針ユニット34と、インク供給針33より導入されたインクを、本発明の圧力発生素子として機能する圧電振動子62(図7参照)を駆動することによりインク滴(本発明の液滴)として吐出するヘッドユニット(ヘッドチップ)35と、圧電振動子62に駆動信号を供給するための配線基板36を、ケースヘッド37に備えて概略構成される。
【0030】
ケースヘッド37は、合成樹脂製の部材であり、供給針ユニット34を取り付けるために前半上面に形成された第1ベース部38と、配線基板36を取り付けるために後半上面に形成された第2ベース部39と、これらのベース部の下方に突設したヘッドユニット取付部40とにより構成されている。ヘッドユニット取付部40には、このヘッドユニット取付部40の高さ方向を貫通してケース流路41が形成されており、供給針ユニット34からのインクは、このケース流路41を介してヘッドユニット35に供給される。また、配線基板36からの駆動信号は、フレキシブルケーブル42を介してヘッドユニット35に供給される。
【0031】
次に、上記の供給針ユニット34について説明する。供給針ユニット34は、ケースヘッド37と同様に合成樹脂製の部材であり、インクカートリッジ2が装着される部分である。この供給針ユニット34は、水平面部34´の前端から起立し、複数のインク供給針33が左右方向に並べて配設されている横長な針固定壁43と、この針固定壁43の左右方向の両縁から後方(インク供給針33の突出方向とは逆方向)に向けて延在する側壁44L,44Rにより概略構成される。また、針固定壁43の後面側には、インク供給針33の針流路45とケースヘッド37のケース流路41とを連通する連通流路部46がインク供給針33毎に形成されている。この連通流路部46内には、インク供給針33の針流路45と連通し、水平面側に沿って後方に形成された水平流路47と、この水平流路47の終端から略垂直下方に形成され、出口がケースヘッド37のケース流路41と連通する垂下流路48が形成されている。この垂下流路48は、上流よりも下流側の部分の径を広げて形成しており、この拡径部分を第1ベース部38のインク供給口49に連通させている。
【0032】
インク供給針33は、インクカートリッジ2の針接続部27に挿入される中空針状の部材である。そして、先端が装置前面側に向いた姿勢(即ち、水平方向に突出した姿勢)で針固定壁43の前面側に配設され、これにより針流路45と、連通流路部46の水平流路47とが一連に繋がる。本実施形態では6種類のインクを吐出可能であるため、合計6本のインク供給針33が針固定壁43に備えられており、これらインク供給針群の左右外側から左右の側壁44L,44Rが後方に向けて延設されている。
【0033】
図6に示すように、ケースヘッド37の第1ベース部38には、ケース流路41の上端の開口であるインク供給口49が複数並べて配置されている。このインク供給口49は、ケース流路41側に向けて漏斗状に縮径させた形状とされている。本実施形態においては、インク供給針33と同数の6個のインク供給口49が左右方向横並びに配置されている。これらのインク供給口49の外周には、埃や成型時のバリ等のインク内の異物の通過を阻止するフィルタ50(図5参照)を取り付けるためのフィルタ取付溝51がそれぞれ設けられており、さらにその周囲には、シール部材52(図5参照)を取り付けるためのシール部材収納凹部53が形成されている。
シール部材52は、供給針ユニット34とケースヘッド37(第1ベース部38)との間の接合部の密閉性(液密性)を確保するための部材であり、接合部の隙間からのインクの漏出を防止する。このシール部材52は、例えば、合成ゴムやエラストマー等の弾性部材によって作製される。
【0034】
また、第1ベース部38には、供給針ユニット34を取り付けるための複数の貫通孔54が設けられており、本実施形態においては、この貫通孔54を計14個形成している。この貫通孔54に、供給針ユニット34の底面に設けた固定ピン(図示せず)を挿通させた状態で、固定ピンの先端を加熱して平らに潰す、即ち、所謂かしめることにより、供給針ユニット34を第1ベース部38に固定する。これにより、供給針ユニット34の垂下流路48と、ケースヘッド37のケース流路41とが、フィルタ50とシール部材52を介して一連に繋がる。この際、供給針ユニット34は、側壁44L,44Rの第2ベース部39側の端面が、後述する隔壁58のリブ59L,59Rに当接した状態で、第1ベース部38に取り付けられる。この点の詳細については後述する。
【0035】
第2ベース部39には、配線基板36の設置領域の左右両縁から起立壁55L,55Rが上方に立設されると共に、上面側に配線基板36を位置決めするための位置決めピン56L,56Rが形成されている。また、これらの起立壁55L,55Rは、それぞれフランジ部57L,57Rを、配線基板36設置側とは反対側の側方に延出している。配線基板36は、起立壁55L,55Rが左右に位置する状態で、位置決めピン56L,56Rを配線基板36に設けられた貫通孔36´L,36´Rに挿通することで第2ベース部39上に位置決めされ、図示しない固定爪片によって固定される。
【0036】
第1ベース部38と第2ベース部39との間には、両ベース部に対して垂直に立ち上がった隔壁58が設けられている。即ち、第1ベース部38と第2ベース部39との間は、この隔壁58により区画されている。例えば、もし第1ベース部38側でインク漏れが発生した場合においても、第1ベース部38側(供給針ユニット34側)から第2ベース部39側(配線基板36側)へのインクの回り込みをこの隔壁58が遮り、これにより、配線基板36にインクが付着してショートする等の不具合を防止することができる。
また、この隔壁58と、起立壁55L,55Rとは、平面で見て互いにT字状に交わる形に形成されている。即ち、起立壁55L,55Rは、隔壁58の第2ベース部39側の面から後方(インク供給針33の突出方向とは逆方向)に向けて第2ベース部39上に延在し、隔壁58を後方から補強する補強壁として機能する。また、インク漏れが生じた場合において、万一隔壁58の裏側に漏出インクが回り込んだときでも、起立壁55L,55Rがこの漏出インクを遮り、配線基板36へのインクの回り込みを確実に防止する。
【0037】
この隔壁58の前面側(第1ベース部38側)の左右両端部には、リブ59L,59Rが設けられている。このリブ59L,59Rは、本発明の当接受部として機能するものであり、供給針ユニット34の側壁44L,44Rの後側(第2ベース部39側)の端面が当接する部分である。リブ59L,59Rは、隔壁58の左右の縁に沿って高さ方向に形成された三角柱状の突起であり、先端が尖った形状となっている。そして、このリブ59L,59Rに、側壁44L,44Rの第2ベース部39側の端面が当接する状態で、供給針ユニット34が第1ベース部38に取り付けられる。これにより、リブ59L,59Rが、側壁44L,44Rの端面に対して線に近い状態で隙間無く当接することになり、面で当接する場合と比較してガタを少なくすることができる。
【0038】
上記のヘッドユニット35は、図7に示すように、ケース流路41の出口に連通されてインクカートリッジ2からインクが供給される共通インク室60と、複数(例えば、128個)のノズル開口61を副走査方向に列設してなるノズル列と、ノズル開口61のそれぞれに対応して複数設けられて圧電振動子62の駆動(変形)によって膨張或いは収縮する圧力室63とを備える。そして、共通インク室60と圧力室63との間をインク供給口64及び供給側連通孔65によって連通し、圧力室63とノズル開口61との間を第1ノズル連通口66及び第2ノズル連通口67によって連通している。即ち、共通インク室60から圧力室63を通ってノズル開口61に至る一連のインク流路をノズル開口61毎に形成している。ここで、上記のノズル開口61は、ノズルプレート68を厚さ方向に貫通する孔によって形成されており、このノズルプレート68の外側表面がノズル面68aとなる。そして、ヘッドユニット35は、ケースヘッド37のヘッドユニット取付部40に、ノズル面68aを下側に向けた姿勢で取り付けられる。
【0039】
図8は、インクカートリッジ2の装着について説明する図である。同図において、右側がプリンタ1の前面側となる。本実施形態においては、インク供給針33を、先端がプリンタ1の前面側に向いた(水平方向に突出した)姿勢で配設すると共に、カートリッジホルダ部9の前面部分を開放可能に構成しているので、インクカートリッジ2の装着や取り外しをプリンタ1の前面側から行うことができる。
まず、図8(a)に示すように、開閉レバー8を手前側に倒し、カートリッジホルダ部9の前面側を開放した状態にし、針挿入口28が記録ヘッド3のインク供給針33と対向する姿勢で、インクカートリッジ2をカートリッジホルダ部9内に挿入する。このとき、針挿入口28はインク供給針33の直前に位置する。
【0040】
次に、開閉レバー8を起こすと、これに伴って開閉レバー8の押圧部8aがインクカートリッジ2の前面に当たって押圧するので、インクカートリッジ2が更に奥まで押し込まれる。これにより、図8(b)に示すように、針挿入口28にインク供給針33が貫入する。同時に、弁30がインク供給針33によってプリンタ1の前面側に押され、連通流路31と針流路45とが液密状態で連通する。
【0041】
ここで、針挿入口28にインク供給針33が貫入する際、記録ヘッド3の供給針ユニット34は、インクカートリッジ2によってプリンタ1の後方に(図8において左側)に押され、また、スプリング29により付勢された弁30によって、常に後方への力が加わった状態となる。この際、側壁44L,44R(図8においては、側壁44Lのみを図示)の第2ベース部39側の端面が、隔壁58のリブ59L,59R(同図においてはリブ59Lのみを図示)に当接し、隔壁58は、供給針ユニット34が後方に傾倒するのを防止する。さらに、起立壁55L,55R(同図においては起立壁55Lのみを図示)が、隔壁58を後方から補強しているので、供給針ユニット34の傾倒をより確実に防止することができる。これにより、供給針ユニット34の傾倒に起因してシール部材52のシール機能が低下されるのを防ぎ、その結果、供給針ユニット34とケースヘッド37との接合部におけるインクの漏出を確実に防止することができる。
【0042】
ところで、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0043】
隔壁58のリブ59L,59R(即ち、本発明における当接受部)に関し、上記の実施形態においては、三角柱状の突起としたが、これに限らない。例えば、上から見て半円状となる蒲鉾型等の形状にした突起にしてもよい。いずれのリブ59L,59Rの場合においても、万一インクが漏出しても、このインクが隔壁58裏側に回り込むことを有効に防止できる。また、側壁44L,44Rの端面に対して点で当接するような円錐や半球等の突起にしてもよい。これにより、より一層ガタつきを抑制することができる。但し、隔壁58の下端に突起を設けて、万一の場合にも漏出インクが隔壁58の裏側に回り込まないようにすることが望ましい。
【0044】
また、上記実施形態においては、当接受部(リブ59L,59R)を、隔壁58に設ける例を示したが、これに限らず、供給針ユニット34の側壁44L,44Rの第2ベース部39側の端面に、突起状の当接部を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、上記の実施形態においては、当接受部を、隔壁の左右両端部に一つずつ設けた例を示したが、それぞれに複数の突起を形成するようにしてもよい。この点は、側壁44L,44Rに当接部を設ける場合についても同様である。
【0046】
また、上記実施形態においては、圧力発生素子として所謂撓み振動モードの圧電振動子を用いた例を示したが、これに限らず、例えば、所謂伸縮振動モードの圧電振動子や、熱発生素子等を用いるようにしても良い。
【0047】
なお、以上では、インクジェット式記録ヘッドに本発明を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップの製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
即ち、ケースヘッドに、供給針ユニットを取り付ける第1ベース部と、配線基板を取り付ける第2ベース部と、これらの第1ベース部と第2ベース部との間を区画する隔壁とを設け、供給針ユニットに液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁を設け、この側壁の第2ベース部側の端面が隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、供給針ユニットを第1ベース部に取り付けたので、液体カートリッジを水平方向から装着した場合においても、供給針ユニットの傾倒を防止することができる。これにより、供給針ユニットとケースヘッドとの接合部に設けられたシール部材のシール機能の低下を防ぎ、その結果、インクの漏出を防止することができる。
また、もしインク漏れが生じた場合においても、隔壁が、供給針ユニット側から配線基板側へのインクの回り込みを遮り、配線基板にインクが付着してショートする等の不具合を防止することができる。
【0049】
また、隔壁の、側壁の端面が当接される部分に突起状の当接受部を設け、又は側壁の端面に突起状の当接部を設けたので、隔壁と側壁間のガタを防止して確実に当接させることができる。
【0050】
また、隔壁の第2ベース部側の面から液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する複数の補強壁を前記第2ベース部に備え、補強壁が左右に位置する状態で配線基板を第2ベース部に取り付けたので、この補強壁が隔壁を後方から補強し、供給針ユニットの傾倒をより確実に防止することができる。その結果、インクの漏出を一層確実に防止することができる。また、インク漏れが生じた場合において、万一隔壁の裏側に漏出インクが回り込んだときでも、補強壁がこの漏出インクを遮るので、配線基板へのインクの回り込みをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式プリンタの構成を説明する斜視図である。
【図2】インクカートリッジの構造を説明する断面である。
【図3】記録ヘッドの構成を説明する斜視図である。
【図4】記録ヘッドの構成を説明する平面図である。
【図5】記録ヘッドの要部構造を説明する断面図である。
【図6】供給針ユニットと配線基板が取り付けられていない状態の記録ヘッド(ケースヘッド)を説明する斜視図である。
【図7】ヘッドユニットの構造を示す断面図である。
【図8】インクカートリッジの装着を説明する断面図である。
【図9】従来の記録ヘッドを説明する断面図である。
【符号の説明】
33 インク供給針,34 供給針ユニット,36 配線基板,37 ケースヘッド,38 第1ベース部,39 第2ベース部,44L,44R 側壁,58 隔壁,59L,59R リブ
Claims (6)
- 先端が水平方向に突出した姿勢で配設された液体供給針を有し、液体を貯留した液体カートリッジが水平方向から装着される供給針ユニットと、
前記液体供給針より導入された液体を、圧力発生素子を駆動することにより液滴として吐出するヘッドユニットと、
該ヘッドユニットの圧力発生素子に駆動信号を供給するための配線基板と、
をケースヘッドに備えた液体噴射ヘッドにおいて、
前記ケースヘッドは、前記供給針ユニットを取り付ける第1ベース部と、前記配線基板を取り付ける第2ベース部と、該第2ベース部と第1ベース部との間を区画する隔壁とを備え、
前記供給針ユニットは、前記液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する側壁を備え、該側壁の第2ベース部側の端面が前記隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記隔壁の、前記側壁の端面が当接される部分に、突起状の当接受部を設け、
前記供給針ユニットは、前記側壁の端面が当接受部に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記当接受部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記側壁の端面に、突起状の当接部を設け、
前記供給針ユニットは、前記当接部が隔壁の第1ベース部側の面に当接する状態で、前記第1ベース部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記当接部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記隔壁の第2ベース部側の面から前記液体供給針の突出方向とは逆方向に向けて延在する複数の補強壁を前記第2ベース部に備え、
前記補強壁が左右に位置する状態で、前記配線基板を前記第2ベース部に取り付けることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
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